◆-お久しう獣王親子!〜麗しきかな?過去のサンブツ〜-時計うさぎ(10/26-18:31)No.256
 ┣MEMORY:1 館の女主人と金狼-時計うさぎ(10/27-22:52)No.271
 ┃┗MEMORY:2 存在する呑気な魔族達-時計うさぎ(10/28-14:32)No.278
 ┃ ┗MEMORY:3 闇に住まう金狼と館-時計うさぎ(11/1-07:15)No.307
 ┃  ┗MEMORY:4 決戦!!金狼・・・そして、真実。-時計うさぎ(11/3-23:43)No.368
 ┃   ┗MEMORY:5失敗作の行く末・・・。-時計うさぎ(11/8-00:15)No.407
 ┗今時のはやり!?<主人公:魔竜王>-時計うさぎ(10/28-14:54)No.280
  ┗今時のはやり!?下<主人公:魔竜王>-時計うさぎ(11/4-00:15)No.369


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256お久しう獣王親子!〜麗しきかな?過去のサンブツ〜時計うさぎ 10/26-18:31

 おっひっさっしっぶっりー!!の時計うさぎです。
 この頃試験中で壊れ始めちゃいました(><)
 今までに、こんな甘いのあたしが考えたことがあっただろうかっ!?なぁんて悩んじゃいました・・・。
 とゆーわけで、今回はちょっと時間の都合により プロローグだけだけど、試験終ったら本編行きます!!
 目指すは甘いお話っ!?獣王軍PUSH!時計うさぎ!!いざ、参る!!!

麗しきかな?過去のサンブツ
 MEMORY:0

 外は雨が降りしきっていた。
 通り雨ということで、今日のお昼過ぎにやむそうなのだが…。
「だぁぁぁぁぁぁっっっガウリィッ!!それ私の焼き肉だっていったでしょーが!!!」
 ナイフが飛ぶが、ガウリイは紙一重でその至近距離の攻撃をかわす。
「ハヒニフォーフハヒヘフッタノハオヘダ!!」
「なにいってるかわからぁぁぁぁぁん!!!!!」

すぱこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんん!!!!!!

 かくて リナのスリッパが炸裂した。
★☆★☆★
 かつては栄えていたこの町も、衰えが見える。
 衰えが見えるといっても、今の人達が見れば栄えた町に見えるのだろうが…。
 僕のいう、かつてとは・・・降魔戦争以前のこと。
 カウンターに近いリナさん達の席からかなり離れた、反対側の窓際の隅の席。
 僕と…ゼルガディスさんとアメリアさんとで、他の席に、他人のふりで逃げ込んで、はや一時間。
 まだ雨は降っている。
「そう言えば、ゼロスさん。さっきから外ばっかり見てますけど、何か見えるんですか?」
 アメリが何気なく聞いた質問に、ゼロスは、いつもの笑みで応えた。
「それは秘密です★」
 お決まりのポーズでそれを言うと、アメリアは、むすぅっとしてゼロスを睨んだ。
 そして、何かを言おうとアメリアが口を開きかけた時、それを悟ったゼルガディスが、いつもかみ合わない抗争を聞くのを恐れてか、早口にまくしたてた。
「丘の館を見ていたんじゃないのか?」
 ゼロスは、さしても驚いた風もなく、「おや?ばれちゃいましたか。」といった。
 ゼルガディスは、不振な視線をフードの下からゼロスに向けたが、既にゼロスの視線は丘の館に向けられている。
 ここまでの執着心とは一体?
 アメリアは、きょとんとしながら、雨にぬれる窓ガラスごしに外の風景…小高い丘にぽつねんと聳え立つ館を見た。
「あーー、あそこの、今回私達が調査の依頼受けた、降魔戦争前からあるとか言う館ですか?けど、ゼロスさん、いつも仕事しないじゃないですか。それがまたなんで?」
「魔族にゆかりある土地かなんかじゃないのか?」
 紅茶を一口くちに含み、ゼルガディスは、ぶっきらぼうにそういった。
 ゼロスは…心の中で「大当たりですよ…ゼルガディスさん。」と呟いた。
 あそこは…かつて、降魔戦争がはじまる前の、静かな平和な日々を、上司ゼラスと過ごした館。
 あの時は、まだ、魔竜王も生きてて・・・庭にはなぜか覇王様がもってこられた青薔薇が、僕の育てた赤い薔薇とこぞって咲いてて。
 冥王様はその青薔薇を砂糖菓子にしてたっけ・・・S様はいつも通り庭の木の木陰で読書をしていて・・・。
 獣王様・・・海王様と慣れないものを作っておいででしたね・・・マフィン・・・かつて、五大腹心が揃っていた時のことが脳裏に写る。
 あそこは・・まるで、別荘のような所だったのだ・・・彼ら高位魔族と上司達にとって。
 リナ達が、懐の寂しさに何気に受けた、館の調査…内容は、誰かが住み着いているという噂の解明。
 調査なんて、リナ達の嫌がりそうな内容なのだが、いかんせん報酬金にリナは心奪われたのだ。
 ゼロスも無断使用者を掴まえる…彼の場合は、そのあとにもう一つ「KILL」という言葉がついてくるのだが…に協力すべく、音階は、宿屋に残っときます、とは言い出さなかった。
 外の雨は、段々弱まっていく。

次回
 MEMORY:1
  館の女主人と金狼


 短くてごめんなさいっっプロローグ編だと思って、次回を待って!!
 時計うさぎ、試験中に着きただいま暴走中ぅ!!
 それでも、獣王軍お話は、いくらでも涌いてくる。
 ふ・・なんでかなぁ・・・。
 とゆーわけで、次回は多分今週末!!
 皆さん、ここまで有り難う、そんでもって次回もよろしくっ!!
 ばーい★時計うさぎ


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271MEMORY:1 館の女主人と金狼時計うさぎ 10/27-22:52
記事番号256へのコメント

 MEMORY:1
  館の女主人と金狼

 山の上は、霧が覆っていた。
 なんといえない妖しさを残す森を通れば、そこは、鉄の柵に囲まれた古い館・・・。
 きっっ・・・・ぎぃぃぃぃぃぃ・・・・。
 古くきしんだ音を立てながら、扉は開いていく。
 長年使ってなかった家の独特な、ほこりっぽさ、かび臭さが、中から解き放たれるものと思えば・・・中から、柔らかな風に包まれて出てきたのは、甘い香りだった。
「ちわーっす・・・誰かいますーーー?」
 エコー音が重なり合う中、静かに響くむなしい声。
 一応、降魔戦争以来誰も住んでいないと、町には報告されているという音なのだが・・・いかんせん、リナ達以前にも何人か調査団が立ち入って、帰ってこなかった。
「リナー、ここには誰も住んでないって、おっちゃんが言ってたじゃないか。」
「おっちゃんって・・・・ガウリイあんたねー!せめて、役人のおっちゃんぐらいにしとかないと、区別判別ってもんがないじゃないの。」
 ガウリイの言葉に突っ込みを入れたリナだが、その上にまだ、
「リナさーん、全然ガウリイさんの言ってることとかわりないですよぉー。」
 と、アメリアの困った声が響く。
「どーでもいいから、さっさと入れ。」
 扉を開けたのは言いが、その前で、何じゃかんじゃ言い合う、三人にたまりかねて、ゼルがそういう。
 そして・・いつも通り・・・呆れたため息・・・。

「光よ!」
 リナの言葉に応じて、煌煌とした光が、天井まじかに輝く。 
 玄関を入ってすぐの所は 大きな玄関ホールとなっていた。
 ホールの中央には二回へ続く階段。
 その中心、玄関のドアの迎いの白い大きな壁に くすんだ金縁の肖像画。
 流れる金髪に黒いドレスに身を包んだ一人の女性・・・。
 臙脂のカーテンがどこから吹き込んだかわからない風にはためいている。
「うっわーひろぉー!!!」
 リナが思わず。ぐるりを見渡し、感嘆の声を上げた。
「リナさーん、すっごくぴかぴかですよぉ。城にさえないですよ こんな見事なタイル。」
 下に敷き詰められた、大理石のタイルにうつる、自分の姿を眺めて、アメリアもそういった。
 広さで言えばもちろん、アメリアのいえ・・・というか城の方が広いに決まっている。
 腐っても鯛、腐っても館である。
 はしゃぐ2人を横目に ゼルの瞳は厳しかった。
 「降魔戦争以前からある館」と聞いているが・・・何故、降魔戦争の時ぶつかり合ったエネルギーに耐えられたのであろうか?
 石造り頑強な砦でさえ、完全なる原形では残らない・・・良くて一部・・・悪く半壊だ。
 なのに、同みても、木造であるこの館・・・何故残ったのだろう。
 ゼルの脳裏に疑問が浮かぶ。
「すげーなぁ。これって・えーっと、なんたら戦争とか言う前からったのに、新築みたいにピカピカだな。」
 ガウリイは時たまぁぁぁぁぁぁぁぁぁに・・・・鋭い意見を言う。
 リナとアメリアも気づいた・・・。
「・・・・・・・。」
 リナが口をもごもごと動かし・・・そして・・・。
「火炎球!!!」
 
ずぼごぉぉぉぉぉぉぉん!!!

 階段にむけて放たれた火炎球は 階段にはじかれて小さな火の粉となって砕け散る。
「りっりっりっリナさん!!!やばいですよぉ、こんなとこでっ!!」
 アメリアが、あわわわともうもう立ち込める煙の向こうの風景を脳裏に浮かべてまわてるが・・・。
「はじかれたな・・・。」
 ゼルの一言にきょとんとして、階段を見つめる。
 煙のひいた後には、傷一つない赤絨毯おひかれた階段。
 もちろん、絨毯に焦げ目など無い。
「魔法処理されてるって思っていいみたいね。」
 リナは、肩をすくめてそういった。
「にしても・・・相変わらず、手荒いやり方だな。」
 ゼルがそうぶっきらぼうに言うと、リナは、ウィンク一つ。
「大人しいなんて、あたしじゃないわっ♪」
 ゼルに、アメリアは・・・すこし優しい笑みを浮かべて、ふっと笑った。 
 ただ、・・・ゼロスは、リナ達のやり取りなどにも目をくれず、肖像画にみっていた。
 実は、肖像画のくすんだ金縁の所には 赤眼の魔王の腹心の紋章が掘られてあったのだ。
 獣王の紋章を見つけたゼロスは、それをただただ静かに見つめていた。
 と・・・その時だった・・・・。
 微かに流れ出てきたのは、魔族特有の瘴気。
 だが、濃くは無い。
 だが、ゼロスには懐かしい気が混じっていた。
 リナ達も上から流れてきた瘴気に気づく。
 
しゅすら・・・。

 衣擦れの音とともに、闇から・・・溶け出したかのように出てきたのは、一人の女性。
 たゆたう、緩やかなウェーブのかかった金色の髪をうしろで一つにまとめて、黒いリボンで止めている。
 ブラッディ・ローズの瞳が、リナ達のなかにいる一人の男を見て細くなる。
 黒い軍服をアレンジしたような服に身を包み 手に持つキャンドルを前に掲げながら、階段の上から見下ろす。
「大きな音がしたと思えば・・・珍しいなこんな所に客人とは。お前らは・・・だれだ?」
 品定めをするかのような瞳に、ぞくりとする悪寒が走りぬける。
 リナ達は、飢えから空気の圧力をかけられているような感覚に襲われる。
 ゼロスは・・・驚愕の顔で、女性を見ていた・・・紛れも無い、自分の上司の姿。
「あたし達は、このふもとの町のものよ。ここは、長年誰もつかっていないと聞いたけど 住んでる人がいたのね・・・で?あんただれ?」
 リナの頬を冷や汗が流れおちる。
 恐怖を感じているのだ、女性に、だがそれを女性は知ってか知らないでか、言葉を続けた。
「町の者だって?性懲りもなく。何のようだ?」
 ちっと舌打ちをしながらそういった女性。
 リナは、警戒を解こうとはせず、質問を重ねた。
「噂の真実を確かめに・・・ね。噂によるとここには金狼が出るって・・・あんがい、あなた、金狼が化けてるんじゃないの?」
 リナの質問に、女性は、含み笑いを漏らし・・・最後には、耐え切れないといったかんじで大笑いをする。
「面白いことを言う。証明書を見せてやろう・・・そうそう、紹介がおくれたが、私の名はゼラスだ。」
 ゼラスは、踵を返して奥へと進む。
 廊下にともる青白い魔法の明かりが、彼女の背を照らす。
「どうするんですか?リナさん。」
 アメリアが、呪縛から解き放たれたような安堵感と、今から起こる不安に泣きそうな声で言うと、リナは口の端を上げた。
「その挑戦受けてたとうじゃないの・・・。」
 と低く呟いた。 

 警戒のあらわれとしか言いようが無かった。
 ゼラスとリナ達の間の距離は常に一定を保っていた。
 それをゼラスも承知の上のようで、何も言わない。 
 長い廊下を無言で進む。まるで、闇夜の迷路を通りぬけているように長く感じられた。
 時間としてはもの数分なのに・・・。
 ついた場所は、闇夜に掲げられた魔法の明かりの下に重苦しい雰囲気を醸し出す、書斎の扉。
「ここが私の部屋だ。」
 きぃっと・・・軋む音とともに扉が開き、開け放たれた扉の向こうには本が並ぶ。
 壁には、いくつかの賞らしきものも飾られている。
 ゼラスは、すたすたと机に向かうと、一番上の鍵のついている引き出しから、書類を取り出した。
 達筆らしい、綺麗なサインが書類の下に赤インクで花を咲かせていた。
 リナは、そのサイン名を読み上げた。
「ゼラス=メタリオム?」
 ぎくりと・・・ゼロスが、俯かせていた顔を上げた。
 視線の先には、もちろん、リナとゼラスがいる。
「ゼラス・・・ゼラス=メタリオム・・・・どっかで聞いたような。」
 リナは脳裏に引っかかる名前を、口の中で反芻させる。
「そう言えば、お前、名をなんという?こっちは土地の権利書を見せたいじょう、素性は分かっただろう?そっちもそれそう相応に名を聞かせて頂けるかな?」
 イスに鼓し深く座り、ゼラスは、下から好奇の目で睨み上げるようにリナを見ながらそういった。
「・・・・リナ・・・・リナ=インバースよ。」
「ほう?」
 方眉を上げて、面白そうに相づちを打つ。
「あの、ドラまた・・・万物の大敵か。かねがね噂は耳にしているぞ。」
 ゼラスの何気ない言葉に、リナはぶつぶつと・・・呪文を口にする。
 微かに空気に混じる魔力の本流にゼラスとゼロスを除く全員が、慌てた。
「わーーリナっっ人にいきなりドラスレはやめろっ!なっ!なっ!!!」
 ガウリイが一番慌てたようで リナの上げた片腕を引っつかんで、止めようとしている。
 アメリアは、うろたえるばかりで、ゼルは逃げようとすらしている。
「まぁ、そう慌てるな。試しに撃ってみるがいい、ここでは魔力は発動せん。」
 静かにそういうと ゼラスは、パイプを引き出しから取り出して、すぅっと火を付けると吸った。
「魔力が発動しない?」
 リナが、呪文すらも途中に聞き返す。
「そういうことだ、ここには、私が住む以前の初代の館の主が作ったものでな、その初代の館の主が、オエライ人だったらしい。」
「オエライって・・・オエライだけで、ふつー魔力発動しないような部屋が作れるわけ!?」
「既にためした後だろう? 玄関ホールで火炎球はなったんじゃないのか? その時、この館に煤一つつけれたか?」
「それは・・・。」
 リナが、くちごもる。
 言葉を無くしたようで、うーっと唸るリナの後ろから、ガウリイが、まじまじとゼラスを見つめて 何気なく。
「なぁ・・・えーっとだれだっけ?」
「え?あ?私の名は・・・ゼラスだが・・なんだ?」
 さっき言ったばかりの自分の名前を再び聞かれるとは思わず どもりながら応えるゼラス。
「ゼラスさん・・・あんた・・・なんか、獣飼ってるか?」
「いや?・・・裏に猟犬がいるぐらいで、獣っていうか・・・。」
 何を言い出すんだというようなかんじで、今まで上から押さえつけるような圧力すらを見せていた、ゼラスが、なんの脈絡も無い 全然後先無い質問に面食らう。
「いや・・・なんかさ、獣臭いっていうか、獣って感じがしたから。」

 ぎく・・・・。
 
 ゼロスとゼラスの頬を冷や汗が伝う。 
 思えば、ゼロスの正体すらうすうす感じていた奴である、ゼラスの正体に感づき始めていてもおかしくはない。
「君たちが来る前、少しばかり、森の中を馬で駆っていたからだろう・・・。」
 ゼロスの言葉に、ガウリイは、首を振って。
「いやなんていうか、犬ってゆーか、狼っていうか・・・。」

 ぎくぎくぎくぅっっ・・・・。

 ゼラスとゼロスの顔を冷や汗が絶え間無く流れる。
 どこまで気づいたのであろうか・・・。
 無意味な沈黙。
「あの、一つ僕からも質問いいですか?」
 ゼロスが、沈黙を破って・・・珍しく主張した。ゼルすらも驚き顔で、ゼロスを見る。
「僕だって、質問ぐらいしますよ。で・・・いいですか?」
 ゼロスが、歩みを進めて、リナの隣まで歩みよる。
「ああ・・・構わんが、お前は?」
「謎のプリースト、ゼロスです★」
 いつもながらのおちゃめを出してみる・・・っていっても・・・目の前にいるのは自分の上司だったりするから、なんか心の中をむなしい風が吹きさるのだが・・・。
「ここには、あなた様しかいらっしゃらないんですか?」
 ゼロスの言葉に、ゼラスは、口の端を上げて笑った。
 だが、机に肘を突きうつむきかげんでいたゼラスの口元は誰にも見えていない、この笑みを知るのは、精神世界で通じているゼロスとそしてこれから起こる滑稽劇の役者のみ。
 ほど無くして、ぱたぱたという音がした。
 スリッパの音のようだ。
 そして・・・扉が、ばたんっと開く。
「ゼラスさまー!!!」
「ゼラス様ぁぁぁぁぁっ!!」
 青髪の青い瞳のおなじぐらいの背格好の少年と少女が、入ってくる。
 双子らしく服も同じ物をきている。
 だが、顔には脅えた表情を浮かべている。
「どうしたのだ? フィン、ルフィー?」
「金狼がっ金狼が出たんですっっっっっっ!!!!!」
「猟犬達が騒いでて・・・って・・・来客中だったんですかっ!?ごめんなさいっっ!!」
 2人はどうじに頭を下げた。
「いや・・・スケジュールに無い来客だったからな、別にいいが・・すぐに私も行く。おまえ達は自室に戻っていなさい。」
 そういうと、2人を下がらせる。
 そして、頭を一つ振ると、理奈から書類を引っ手繰る様にとって引き出しに仕舞い込むと、その下の引き出しから、ホルダーを取り出す。 
「悪いが・・・明日、又出直して来て頂けるかな?」
 なにかを思わせる表情で、そういうと かたんっと立ちあがるなりホルダーを腰に付けると 扉の方へ向かう。
「・・・・あたし達持っていいたい所だけど、お邪魔になるかしら?」
 リナがそういうと、ゼラスは、ふっと笑いながら、
「ここら辺の地形が変わると困るんでな。」
 そういうなり 扉の奥に消えていく。
 そして、入れ違いに白髪の老紳士が入ってくる。
「この館は広くて迷われやすいでしょうから 玄関まで連れていく様言い付かっております・・・・こちらです・・・どうぞ。」
 

「どう思いますか?リナさん?別に私は、悪い人には見えないんですけどー、あのゼラスさんって人。」
 帰り道、アメリアがふと立ち止まり 丘の上にたつ館を見ながらそう呟いた。
 ゼルガディスは、館の作りからしてあやしいと思っているらしく、ゼラスは黒だと思っているようだ。
 もちろんガウリイは何も考えてないだろうし、ゼロスにいたっては、なんの返答も期待されていない。
 リナは何かつかみ所無い気持ちに 多少いらつきつつもそういって、すたすた町へと歩みながら。
「どうっていわれてもね・・・『出直して来て頂けるかな?』って事は一応、明日は訪問しても何も言えないわよね、むこうも。ま、事は明日の回すわ。」
 外は薄暗く霧は晴れているが、まだどんよりとした雲が空覆っているが、西の空の下の方だけは晴れて、真っ赤な沈む夕日が微かに顔を覗かしてる。

 
To be contenued
 MEMORY:2 存在する呑気な魔族達


 わー・・・ちょっと途中わけのわかん無いとこが有るかもしれませんが MEMORY:1お送り致しましたっ!! 
 時計うさぎ ふたたび魔族ツリー作りましたっ!!
 皆々様、ここまで読んでくださいまして有り難うございました。
 この次もよろしくお願い致します。 
  

  

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278MEMORY:2 存在する呑気な魔族達時計うさぎ 10/28-14:32
記事番号271へのコメント
MEMORY:2
 存在する呑気な魔族達

 闇夜に光る月は満月。
 昼間降っていた雨のおかげで、あたりは冷え込んでいた。
 館から、街に戻って来て・・・時は真夜中近く。
 ここらへんに盗賊が出るという噂はないから、全員寝静まっている事だろう。
 ベッドに腰掛けて、月を眺めるゼロス。
 と・・・・。
 きぃぃぃっっ・・・っと、窓が自然に開き、夜風が吹き込む。
 微かに風に混じって流れてきた、咆哮。
 狼の咆哮。
 ゼロスは、闇に溶けた。

 ゼロスが跳んだ場所はもちろん あの館の前。
 そっと、扉に近づくと、耳をあててみる。 
 微かに中から、声が響いている。
 と・・・突然に。
 ぎぃぃっと、扉が開き、ゼロスは全体じゅうを扉に預けていたため、ひっくり返りそうになり、たたら踏みつつ、中に入る。
 扉を開けた主の足が見えた。
 ゼロスは、思わず息を呑みながら、上を向くと そこに立っているのは昼間とうってかわってドレス姿の、ゼラス=メタリオム・・・ゼロスの上司だった。
「そんなとこで何をやっているゼロス、風邪をひくぞ?」
 いけしゃーしゃーとそういうと、にっと笑う。
「ゼラス様・・・その服で、似合いませんよ・・・その口調・・・。」
 うつむきかげんで,ゼラスを見つつ、ゼロスはそう呟いた。
 と、ゼロスの呟きがいい終わるのを待ってたかのように、明るい声が玄関ホールに響く。
「ゼラス様ーお茶の用意できましたよー!!」
 階段の上から、パジャマ姿のルフィ・・・海王神官ルフィが ゼラスの名を呼ぶ。
「ま、いいたいこといっぱい有るんでしょう?せっかくお茶の用意が出来てることだし、奥で話しましょう。」
 ふわりと、大地を蹴ると、階段まで跳躍したゼラスは、階段の上から、ゼロスをこまねいた。

 奥の広間では、暖炉が炊かれ、リビングソファーに数名の男女の姿が並んでいた。
「あら、ようやくこれでそろった見たいねー♪」
 まず入ったなりのゼロスに声をかけたのは、先ほどお茶の用意が出来たと呼びにきてくれた海王神官ルフィの上司、海王ダルフィンだった。
「忙しい部下を持つ奴は大変だねー。」
 紅茶を一口くちに含み、ふわふわと浮いて座っているのは、冥王フィブリゾ。
「フィブ、お前、俺とゼラスの言い方全然違うな。俺の所など、部下が多すぎるから一人にしろって言われて、シェーラを連れてきたぞ。普通この場合だと揃わない奴はほっといってって言わないか?」
「なんか又策略してるんじゃないのー?」
 のほほんと覇王グラウシェラーの言葉に、繋げたダルフィン。
 ゼロスは面食らった。
「ゼロス・・・あそこの席に座っていなさい。」
 ゼラスが、ゼロスの背を押しながら、一番被害の受けなさそうな席へ連れていく。
「さて、揃ったことだし?とりあえずは、皆が揃ったことに乾杯♪」
 ダルフィンが、紅茶の入ったティーカップを掲げてみせる。
 ゼロスにも、香ばしい匂いを放つ紅茶が手渡された。
「これはいったい・・・?」
 ゼロスは紅茶に広がる波紋を眺めながらそう呟くと、ふよふよと浮いていたフィブリゾが下りてくる。
 そして、ゼロスの横にふわりと降り立つと、ぽむぽむと肩を叩きながら行った。
「愛されてるねー、ゼロスはぁ。」
 フィブリゾの言葉におもわずいぶかしむゼロス。
「はい?」
「だからねー・・・。ゼラスがさー・・・。」
 とそこまで言った時だった。ようやく気づいたゼラスが、思わず叫ぶ。
「のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!フィブリゾいうなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ゼロス恋しさにふさぎ込んで仕事になんなくてさー、ちょうど良くここの麓の町に来るって事になってたからさ。」
 ゼラスの雄叫びとフィブリゾの言葉が重なる。
 ゼロスは、聞き取れなかったのか、困った顔で、何を言おうとしていたのか考えている。
 フィブリゾは、ダルフィンに向かって軽くウィンクすると ぶりっこポーズで、ゼラスの前に跳ぶ。
「ゼラスーなんでさーいっちゃ駄目なのぉ?」
 フィブリゾが、かわいこぶって、そう抗議すると、ゼラスは般若の形相で「駄目っ!!!」と力む。
 だが・・・・フィブリゾはフェイントで・・・・ゼロスの横に座っていたダルフィンがそっとゼロスに、さっきフィブリゾが言った言葉を耳打ちする。
 ゼロスの顔が見る見る赤くなっていく。
「やっだ、ゼロスったらかわいーわねー♪キンメダイみたいに赤いわよぉ♪」
 ダルフィンお向かいに座っていた、覇王が・・・「キンメダイ・・・?」と呟く。
 トマトとかリンゴという表現は聞いたことあるのだが、キンメダイという表現は聞いたことが無かったのだろう・・・さすが海王、オサカナさんである。
 それはそうと、ゼラスの顔はゼロスとは反対に、青くなっていった。
「なっ・・・まっまっまっ・・・だっダルっっっおまえ・・・・。」
 ゼラスの言葉のようで言葉にならない言葉の意味を悟ったダルフィンは、にっこりと微笑みながら、
「そぉーよぉ。いったわよぉ?」
 と のほほんとそういった。
 その瞬間、ゼラスの顔は青からいっきに燃え上がるように赤くなる。
「ダルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ貴様ぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「やぁだぁぁぁぁぁあ、そんなにおこんなくてもぉいいじゃなぁぁぁぁぁぁぁいっっ!!!」
 やんやわんやで、暴れ出した2人を遠目に見つつ、覇王は、シェーラに、
「部下を愛することはいいことだと、俺は思うんだけどな。」
「隠すことないですよねぇ、覇王様。」
 と・・・2人の世界に行っちゃってたりする。
 おこちゃまの海王神官ルフィと海王将軍フィンは すでに、部屋に戻って寝ている。
 ソファーで固まったまま、紅茶のかっぷを手に持ってダルフィンの言葉を反芻していた。

 満月が・・・南の空から西の空に移ろうとしている頃・・・・。
 暖炉の火は爆ぜ、落ちた。
 覇王はシェーラと一緒に寝てるし、ダルフィンもベッドの中で寝静まっている。
 冥王も、すやすやと規則正しい寝息を立てて布団の中である。
 館の急斜面の屋根の上に、一対の男女。
 もちろん、獣王ゼラス=メタリオムと、その部下獣神官ゼロス。
 冷たい夜風に髪をなびかせて、ゼラスは、屋根の端に立って満月を見ていた。
「ゼラス様・・・・お風邪をひきますよ?」  
 幾度となく言ってきた単語もむなしく、空に吹く。
 再び下りた沈黙・・・・ゼロスはもう一度、その言葉を口にすべく開きかけた時、いままで押し黙っていたゼラスが口を開いた。
「ゼロス・・・おまえは、今苦しみを持っていて?」
 ゼロスは、涼やかなゼラスの声の響きに耳を傾け、頭を振った。
「いいえ。僕はあなた様がおっしゃる事を忠実に従うものです。」
 静かな沈黙を挟んで、ゼラスは何か悲しい声で呟き始めた。
「そう・・・私は・・・この間、初めて苦しみというものを知ったわ。手傷を追い 腕がもぎ取られても痛みは有れど苦しみはなかったというのに・・・。」
 緩やかなウェーブのかかった髪がゆらゆらと流れる。
「僕は・・・。」
 ゼロスがなにかいいたげに顔を上げたが頭を振って、口を閉じた。
「なぜ お母様は私達にも、豊かな 感情を下さらなかったのかしら・・・下さったのに、闇に使っていすぎたがために、私達の方が歪んだのかもしれない・・・。」
「ゼラス様、お風邪をひきます、そろそろ中に戻りましょう。」
 ゼロスが、ゼラスの心中をさとってか ゼラスのはためくマントの端を引っ張った。
 ゼラスの顔が、ゼロスの方を向く。
 月明かりの逆光のせいで、表情が良く見えないが・・・。
 ゼラスは泣いていたように思える・・・・。


 To be contenued
  MEMORY:3 闇に住まう金狼と館

 時計うさぎでーっす!
 中間試験は終りました、残るは、明日の模試のみ!!
 ここまで読んでくださって有り難うございました。
 そんでもって 次回もよろしくっ!!

 P.S.もう一つのほう・・・このツリーにつけくわえた方もよろしく。 

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307MEMORY:3 闇に住まう金狼と館時計うさぎ 11/1-07:15
記事番号278へのコメント
 リナ達一行が館に着いたのは、昼が過ぎた頃である。
 それでもこの館の周りには、少し霧がかかっており、昼間だというのに涼しかった。
 改めて、大きな館を見上げる。
 黒で統一して塗られた壁に 木の色を生かした、樫の窓枠や戸板。
 赤く塗られた屋根。
 こんこんっ!
 リナは扉を叩いた。
 はっきり言うと、叩いて、中にいる人が気づくのか不安だったりもしたのだが、リナの不安は適中せず、中から、この間館の中を案内してくれた白髪の老人であった。
「おや?この間の、お嬢様方ですか?この度はなにようで?」
 白髪の老人は、まじまじとリナ達をみつめながら、そういった。
 リナは おくさず、はっきりと物を言う。
「この間、話してる最中に金狼が出て、話が中断されてしまったの、その続きをしにね。」
「さようでございますか・・・・しかし、今・・・ゼラス様は・・・・。」
 くちごもる白髪の老人。
 リナ達は顔を見合わせる。
 ゼロスの顔が・・・引きつる。
「ゼラスさんが・・・どうかしたんですか?」
 アメリアが、恐る恐るそう聞くと、白髪の老人は、口の中をもごもごと動かした。言いにくい様である。
 しきりに、ゼロスの方へ目配せをしているのだが、ゼロスは、昨夜の出来事の回想にふけってしまっていて気づかない。
 長い沈黙がおりる・・・。
 その沈黙を破ったのはここにいる誰でもない ゼラス当人だった。
「昨日の・・・まだなんかようだったのか?」
 微かに目の下が赤い気もするが・・・ゼラスが、今日も今日とて紳士風のスーツを着ていた。
「まだ、何か用って・・・昨日、出直してこいっていったでしょう?あなた。」
「そうだったかな? しかし・・・今日は・・・。」
 そこまでゼラスが言った時だった・・・後ろからぬっと腕が伸びてくる。
「ゼーっラスっなにをやっているんだ?」
 腕は、ゼラスに絡み付いている。
 ゼラスの顔が見る見る怒りの色に染まる。
「放せっこの色ボケっ!」
 げしぃっっっ!!!
 ゼラスの履いていたブーツの底が見事に 男性の顔にめり込む。
「ををっないすっ!」
 ガウリイが思わずその見事な蹴りに感嘆の声を上げる。
 その他メンバーズは、呆れた顔でその光景を眺めていた。
 白髪に白肌、赤い瞳・・・白いスーツを着て、片手に杖を持っている、ゼラスと同い年に見える男性。
「えーっと・・もしかすると、来賓中なので、あたし達は邪魔だと?」
「あ・・・?ああ、まぁそんなとこかな。」
 すでに、引っ付いてくる男性(覇王)を引き剥がすのに夢中になっていたゼラスは、リナの言葉にあいまいな言葉を返した。
 その言葉は、リナの中に不信感を抱かせるのにちょうどいい、物言いであった。
「おや、年下は、あんまり好みじゃないんだが、お嬢さん方がきてるじゃないか。」
「あなたの娘と同じくらいよ・・・。」
 ゼラスの一言に、覇王は まじまじ見ながら・・・ゼラスの耳にぼしょぼしょと耳打ちするとゼラスは深々とうなづく・・・。
「ちっちゃいな・・・。」
 「ちび。」の言葉に、リナとアメリアの目に火がともる。
 ゼロスの顔が青ざめて・・・次の瞬間 覇王の頭の上にフリーズブリッドで作られた氷の塊が二つふってくるのであった。

「あ・・・気がつかれましたか?」
 覇王の目にまず目に入ったのは、ベッドの脇にずっと座っていたと見られる アメリアと・・反対側にいるシェーラの顔だった。
「さわらぬ神にたたり無しという言葉を知らんのか?おまえは。」
 ゼラスの呆れた声が足元から響く。ゼラスの傍らには、リナも立っていた。その表情は複雑だった。
 覇王は、ぐるぅりと部屋を見渡す。
 女性ばっかりがたっている・・・・ここに海王がくれば、ハーレムである。
 覇王の顔が自然ににんまりとなる。
 ぞぞっと・・・悪寒が一同に走る。
 その一瞬後 覇王は心の言葉をそのまま口にしたのだった。
「はぁれむ・・・。」
 そして・・・覇王は再び、永久の眠りに就く様宣告されてから、呪文の応酬を受けたのであった。

 
 かちゃ・・・。
 紅茶の入ったティーポットが置かれる音、カップとお皿の擦れ合う音、パイののったお皿のナイフにきられる時に微かな音・・・入りみだって、今はティータイム。
「おいひーー幸せーーー★!!」
 リナが、アップルパイをほおばりながらその美味しさに感激している。
 ガウリイはその言葉を聞いて安心したかのようにはくりっと食べて同じ言葉を口にする。
 アメリア達も、一同、はくはくと食べて、その味についてや触感いついいてなどに感嘆の声を上げていた。 
 もって来たのは、蒼い髪をした女性で、ほえほえとした顔で ティーセットを持ってきた。
「あら うれしぃわぁ。」
 きゃるんとした感じと、着ているふりふりドレスがなかなかあっているよーなあってないような、素晴らしい状態というか・・・。
 どんどん召し上がれといわんばかりの数のケーキとパイと・・・・そして、マフィンを取り出した。
 皆は、まずはけーきとほおばっていたが、ゼロスはなんにも手を出さなかった・・・・。
 マフィンが出てくるまでは・・・。
「マフィンいかが?」
 なんにも手を出さず紅茶だけを飲んでいた、ゼロスに蒼い髪の女性=海王は 差し出した。
 ゼロスは受け取らないわけにはいかず・・・それを受け取った。
 懐かしい匂いがする・・・味は懐かしい味だと滅びてしまうかもしれないけれど・・・。
 かつて、ここに、お方様ときたとき 上司ゼラスと海王様はマフィンを焼いた。
 形は上々匂いも香ばしい・・・・のに、味は天地を翻すほどの滅びの味だった・・・。
 ゼロスは、それを食べて二日寝込んだ覚えが有る。
「いただきます・・・。」
 ゼロスは、恐る恐ると口にした。
 中に、ほのかに甘い味が広がる。にっこりと・・・ゼロスは微笑んだのであった。
「さて・・・一息入れたところで・・・私になんの用だ?」
 ゼラスは、紅茶を一口リナに聞いた。
 リナは、持っていたチーズケーキをごっくんと飲み込むと、びしぃっ!と指を突きつける。
「つまりはっ!あたしは、まだ疑ってるってことよっ!」
「何・・・?」
 ゼラスの瞳に危険な・・・攻撃性の光が点る。
 リナの瞳には挑戦的な火が・・・・。
「昨日町に戻って、今日の朝、あたしもう一回町の人とかに聞き込みしてみたら、昨日あたし達が館に入る前まで、薄気味悪いだのなんだのかんだの言っていた人々が・・・あなたのことを言うようになってるじゃない・・・妖しいことこのうえないわ。」
 確かに・・・あやしいことこの上ないのはわかるきもする・・・が・・・。
「同じ人に聞いたのか?」
 ゼラスは、慌てた風も無くさらりと言った。
 リナは、おやっ?といった顔で、首を横に振った。
「なんせ、この霧の中出てくる人なんて少ないから、昨日会った人っていうのはわかんないのよね。」
 リナは小首をかしげながらゼラスの顔を見ていた・・・・。
 リナの中で、悪人とは犯罪計画の一端でも知られればその内容を喋り捲ったあげく おまえを殺すなんか言いながら、吹っ飛ばされるものだと思っている。
 ゼラスはあいにく、冷え冷えとした笑みを湛えて、さらりと言ってのけてしまった。
 期待というか、予想はずれにがっくりする リナ。
「なら・・・俺から質問だ。」
 目深のフードもマフラーもとらず、ゼルが主張する。
 珍しい主張に、一同の視線が集まる。
 静かみなる・・・そのなかに響く、ゼルの声。
「ここらへんで『ゼラス』という名は禁戒ではないのか?」
 沈黙と微かなざわめき・・・・。
 ゼラスは、頬杖を突く・・・ふたたび手の陰に隠れた口元をにっと笑ってみせるのだった。
「よくしっているな・・・独学でそこまで調べたのか?)」
「まぁな・・・。」
 ゼルの瞳に殺気がともる・・・ゼラスの瞳にはなにもう映っていない・・・・。
 緊張が走る・・・・。
 ・・・・沈黙がおりる・・・・。
 真実を調べるために来た リナ達と、自分が真実だと言い張る館の主と・・・わだかまりなるmのがあるのは仕方が無いことで・・・。
 真実が述べられない限り、平和とゆうものはない・・・。
 どちらからでもなく何か言いかけた時だった・・・・。

がっしゃーーん!!!!ぱりーん!!!

 ガラスの砕け散る音・・・・・この音は・・・・玄関ホールから!?
 リナ達が、突然の音にがばっと起きる。
「い・・今のはっ!?」
 リナが、強い力を感じたのか、冷や汗を絶え間無く流しながら そういうと・・・その言葉に続ける言葉はひとつ・・・。
「やつがきたな。」
 とても静かに、厳かに・・・・ゼラスがそういうと、ゆらりと立ち上がり・・・扉へ向かう。
「ちょっゼラスさんっ・・・!」
「いつからか・・ここは金狼の住処となった・・・。それいらい、麓の奴等はここにはもう人がいないと思い始めた・・・それからだ、私は麓の奴等と仲が悪くてな・・・先代がとくに・・・町の中で、呪文の応酬を繰り広げるほどに仲が悪かった・・・もちろんかったのは、町の連中だ。」
 いきなり語り出したゼラス。
 リナは少し面食らいつつもその話を聞いた。 
「・・・町の奴等がここを消すことで、金狼に脅かされているという恐怖を打ち消したいのだ・・・なんせ、金狼は、この館までしかめったに下りてこないからな・・・。」
 ・・・・生唾を飲み込む音がする・・・。
「金狼が退治できたら?それはどうなるかはこれからだ!」
 勢い良くゼラスが扉を開けたその先に・・・。
 魔法の明かりを受けて輝く毛並みと金色に光る双眸。
 大きさは、大人ほどのワーウルフが四つん這いになったぐらいのおきさで・・・。
 この幅が大きく長い廊下がとても 狭く見えた・・・。

MEMORY:4
 決戦!!金狼・・・・そして真実。 

 

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368MEMORY:4 決戦!!金狼・・・そして、真実。時計うさぎ 11/3-23:43
記事番号307へのコメント
―るおぉぉぉぉん!!!!!
 金狼が、声高く吠えた。
 びりびりとした空気の振動が 一同を襲う。
 音も無く 一歩一歩と踏み出してくる足・・・。
「あれが・・・金狼・・・。」
 リナがうめく。そして・・・。
「あの毛皮高く売れそーー!!」

 ちっどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!

 リナの一言に一同吹っ飛ぶ。
「おっおっお前はぁぁぁぁぁぁ!!!この緊迫した空気にひびを入れるとは何事だ!!!」
「リナさぁぁぁん・・・なんか、欲望丸出しですよぉ?」
 ゼラスとアメリアのつっこみが跳ぶ。
「えへっ★・・・つい(^^;」
 ぽりぽりと頬をかきながら2人に気圧されてあとずさるリナ。
「を・・・おい・・・・。」
 ゼルが、間抜けな声で一同を呼ぶ・・と、金狼が立っていた方へと指をむけている。
「どうし・・・・・・・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・沈黙・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
金色の毛並みがふるふると震えて・・・ぴくぴくと足をそら高く突き上げて、ひっくり返っている・・・金狼が一匹。
「きっ・・・金狼まで、ずっこけてるじゃないかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
 ゼラスが、どーしてくれるんだぁっ!とばかり、リナの胸座を引っつかみ、がくがくと揺さぶる。
「ひにょろほえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。」
 眼をまわしたリナが間抜けな声を立てて、ふらふらとする。
「チャンスでは有るんですけどねぇ・・・?」
 ゼロスが、ぽりぽりと鼻頭をかきながら一同のやや後ろからその光景を眺めて呟いた。
 チャンスではあるのだろうが・・・このもと緊迫していた空気のひび割れは一同を ボケの海へと突き飛ばしてしまったようであった。
 すったもんだになって、金狼もひっくり返って、決戦も何も有ったもんじゃない。
 はふ・・・と、海王がため息を吐いた。
「ゼロスちゃん、茶番劇にしてはさむすぎるわよねぇ−。」
 海王が、ゼロスに耳打ちする。
「そ・・そですねぇ。」
 ゼロスは、半ば呆れたような呆気に取られたような言葉で、応えた。
「うふふ・・・張り詰めた緊張感が美味しいのにねぇ・・・元に戻しましょうかねー。」
 海王はにんまりと微笑む。
 悪戯を思い付いたような 子どもの笑み。
 それにしても、緊張感とは・・負の感情には入らない感情・・・珍味である・・・海王も物好きである。
 海王は・しばし瞑想でもするかのように目を閉じて、一心になにかを思っていたようだったが、やがて、瞳を開き、にっと微笑んだ。
「ゼロスちゃん・・・・耳ふさいでてね。」
 海王はそういうと・・・大きく息を吸った。
 そして・・・・。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!フィぃぃぃぃぃィン!!ルフィぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
 甲高い声で、叫んだ。
 いつの間にやら瞳に涙すら浮かべ・・・いや・・・古典的な目薬で・・・・。
 だが、この甲高い叫びは 一同を再び金狼の方へ視線を向けることに成功した。
 金狼はいつの間にやら回復し・・・ぐるぐると喉を鳴らしている。
 だが・・・・見えるのは金狼の輝く毛皮ばかり。
 明かりが落ちてしまっていて、わかりにくい・・・。
 人名を呼ばれても、リナ達にはなにがなんだかわからなかった・・・悪い予感だけが背筋を駆け上って・・・・。
「光よっ!!!」
 光を放ったのは、アメリアだった。
 煌煌と輝く白い光・・・その下に映し出された光景は見るも無残なものだった。
 引き裂かれた、吹くの破片・・・元は青と白のストライプだったのだろう・・・・今や、赤と紫のストライプとなっている。
 流れる、深海の蒼色の髪・・・。
 一方は短く、一方は長い・・・・。
 小さな二つの肉体・・・。
「まさか・・・・。」
「そんな・・・。」
 リナとアメリアが、口に手を・・・うめいた。
「フィン・・ル・・・フィ・・・くっ。」
 ゼラスが、下を向き肩を震わせる・・・。
 はたから見れば泣いているように見えたかもしれない・・・だが・・・笑っていたのだ、彼女は。
 笑いをこらえていたのだ・・・。
 肩越しにちらりと後ろ・・・ゼラスの真後ろに立っていたゼルよりも遥か後ろ・・・並んで立つ男女一組、海王とゼロス・・・・。
 海王は、さっきの叫び声はどこえやら、にっと笑って、親指をぴっと立てた。
 ゼラスは、にぃっと無気味に笑う。
「弔い・・・合戦だな。」
 ゼラスは、しゅるりとホルスターから鞭を取り出した。
 ぴしぃっと床を撃つ。
 しなやかな鞭の動きに金狼はびくりと体を硬直させる。
−ぐるるるるるるる・・・・・・。
 しばしのにらみ合い・・・・まずかけだしたのは金狼!

 たしったしったしっ!!!

 その大きさの割に軽い音を立てながら金狼は突進してくる。
 ゼラスは、ぴんっと鞭をはる。
 そして・・・射程距離内に入ったと同時に ひゅん!!と投げ出す。
 高速の一撃は 金狼の顔を打つ・・・が。きいちゃぁいない。
「散って!!!」
 リナが叫ぶ!
 一瞬後に リナ達のたまっていた扉の所に、金狼の前足の一撃が決まる。
 ばごっと鈍い音ともに 床が陥没クレーターが出来る。
「ゼラスさんっ、あいつ、普通の武器きかないんじゃないですかっ!?」
 リナが 後ろにふわりと飛びながら言うと、ゼラスは「今まではきいていたぞっ!」と叫んだ。
 ごうっっ!!
 金狼が振ったしっぽから出された衝撃波が、部屋に満ちた。
 ひっくり返るワゴン・・・・跳ぶケーキたち・・紙かのように宙に投げ出される、人々・・・粉砕される家具。
 ずばむっと衝撃波のとおった後に叩き落とされる一同。
「うぐあ・・・・。」
 ゼラスは 跳んできたお皿に方をさされ、うめいている。
 流れ出す血は とどまることを知らない。
「ゼラスさんっ!!」
 リナが叫ぶ・・・金狼が、血の匂いをかいで、ゼラスに歩み寄る。
 その牙が 爪が、ゼラスを引き千切るべく、鈍く光る。
 リナの口から呪文詠唱の言葉が流れ出す。
 海王が持っていたお盆を思わず手裏剣のごとくなげた。

すかこぉぉぉぉん!!!

 何とも言えない音を立てて、金狼にぶつかる。
 ちょうどその時 リナの呪文も完成する。
「ダイナストブレス!!!!!」
 しかし・・・呪文は、発動することが無かった・・・。
 思えば・・・初めて来た時 ドラスレの呪文すら発動しないと、ゼラスが言ったではないか・・・。
 リナが、自分の掌と、ゼラスを交互に見つめる。
 と、金狼がゼラスから、海王へと標的を変えていた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
 海王は、のしっと迫り来る金狼に脅えた声を上げる。
 ゼロスも思わずつられてあとずさる。
「ゼロスっっ!!あんた、その人とゼラスさん連れて、どっか隠れてて!!!」
 リナは、そう言いながら、ダッシュでガウリイの所まで駆けていた。
 ゼロスは、リナの言葉の意図を読み取れないまま、頷くと、海王の手を引っ張り、ゼラスをおぶると、金狼の死角になる所をするりと通ってドアの外へと飛び出す。
 三人が闇に消えたことを確認してから、リナは ガウリイの隣で、ぽそりとつぶやく。
「あたしが合図したら、ガラスぶちやぶって、外に出て・・・・ここじゃあたしの呪文が発動しないから。」
「あの日か?リナ。」
 緊迫した顔で、真面目に問うガウリイに向かってリナは・・・。
「この状況下でんなこというなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 すぱぁぁぁぁぁん!!!

 といつも通りのスリッパをかますのであった。
 その音を聞いて、金狼が、グルグルと喉を鳴らしながらリナとガウリイの方へはしりよる!
「レイウィング!!ガウリイ頼むわよっ!!」
 リナは、レイウィングを発動させるなり金狼の頭上を飛び越え ガウリイにウィンクを送る。
 ガウリイは、金狼が迫りくるにもかかわらず、背を向けて、思いっきり窓ガラスにむけて構えると・・・力ある言葉を叫ぶ。
「光よぉぉぉぉっっ!!!」
 ごぅっ!という 風のうなりと部屋を一寸先すら見えないぐらいまで満たした光・・・・。
 次の瞬間・・・・。

 がしゃぁぁぁぁぁん!!!!

 ガラスは砕け散り、テラスへと飛び出していた。
 ガウリイもテラスを飛び出し、そのまま端まで駆けると 柵を飛び越え、地面へと降り立った・・・・。
 リナ、アメリア、ゼルも金狼の後ろを着いていくようにテラスへ出る。
 金狼は、ガウリイを追って、地上へとダイブしていた。
 ゼルとアメリアも続いて下りる・・・リナは 不敵な笑みを浮かべて、空に浮かびあがる。
「第2ROUNDはじまりねっ!!!!」 



 その頃、薄暗い廊下を海王とゼラスとともに進んでいたゼロスは、はたりと立ち止まった。
「ゼラス様・・・いい加減重いんですが・・・。」
 ゼロスが・・・疲れたように呟く。
 海王が、くすくすと笑う。
「くっっ・・・くっくっくっくっ・・・あははははははははは!!!!!!」
 ゼラスが、ゼロスの背でけたたましく笑う。
 ゼロスの背からふわりと降りたゼラスは 自分の肩に突き立っている陶器を引っこ抜いた。
 傷口から血などというものはない・・・さっきのは血のりである。
 ゼロスが困ったような顔で、ゼラスに尋ねた。
「もー・・・。で。あれはなんですか?」
「なですかってねー・・・言われても困っちゃうのよねぇ?」
 いつもの口調に戻ったゼラスが 決まりわるそうに笑う。
 そんなゼラスを横に押しのけて、海王がずずいっと前に歩み出る。
「もしかすると、ゼロスちゃんも、ゼラスの分身だと思ったクチ?」
 海王が、指を立ててゼロスに顔を近づけると、ゼロスは・・・嘘が付けなくて、素直に首を縦に振った。
「くすくす、あれはねー・・金狼っていうからには、ゼラス縁のあるものだと思うのが普通なんでしょうけどぉ・・違うのよぉ。」
「え?」
 ゼロスは、素っ頓狂な声を上げた。
「んー・・・又ミスっちゃたのよ・・・。」
 ゼラスが、ごめんというように、手を合わせる。
「まさか・・・・。」
「クレアバイブルの写本から、ちょっとアレンジして作ったら、ああなっちゃった・・・・。」
 しぃぃぃぃぃぃん・・・・。
 沈黙がコワイ。
 ゼラスが、思わずイイワケを述べようとした時だった。
「ゼラス様ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 ゼロスが凄い剣幕で、ゼラスの歩み寄った!
 そして・・・。
「愚痴られるの僕なんですよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
 ぽろぽろぽろと・・・涙を流しながら ゼロスが訴えう。
「あぁぁぁぁ!ごめん!あたしが悪かったら、もうしないから泣くなぁぁぁぁぁ!!!」
 ゼラスが、困惑しながらゼロスを宥めすかすが、ゼロスは・・・心底、このあとの愚痴がいやらしく、まるで子どものように泣いている。
「なーっかっした、なーっかしたぁ・・・ゼラスちゃん、だめじゃないのぉ。」
「あぁぁぁぁぁぁぁ・・・えーっと、だからぁぁぁ!!!ゼロスだけ来るならともかくあの人間どもが来るから、失敗作処分につきあわしただけなのよぉぉぉぉぉ!!!ホント、当初は、あたしが処分して終わりにするつもりだったのよぉぉぉぉ!!!」
「え?」
 ゼロスが顔を上げる。
「だからっ!そのっ!」
 自分が口走ってしまった恥ずかしい言葉を尋ねられて、ゼラスは吃る。
「・・・もどかしい・・・だから嫉妬のよーな・・・。」
 2人の間に見てる方が恥ずかしい雰囲気が流れる。
 海王は、そんな2人を微笑ましく見ながら ぱちんっと指を鳴らす。
 すると、先ほどずたぼろの姿をさらしていた2人が、きちんとした神官のローブと将軍の軍服をきて姿を現す。
「水鏡の用意してまいりましたけど・・・。」
「あのお2人はなにやってらっしゃるんですか?」
「子どもにはまだ分からなくていいことよぉ。」
 ルフィとフィンの質問に海王は 頭をなでてやりながら、あいまいに答えた。
 そして、ぱんぱんと手を鳴らすと ゼラスとゼロスの肩に手を置きながらにっと微笑む。
「ともかくはぁ、水鏡の所までいきましょうよぉ・・・あの人間の力、とくと見せてもらおうじゃないのぉ。」
 

MEMORY:5
 失敗作の行く末・・・。

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407MEMORY:5失敗作の行く末・・・。時計うさぎ 11/8-00:15
記事番号368へのコメント
−よくもまぁ、こんなとんだ失敗作が出来たものだな・・・ゼラス?−
−いいんじゃないの?今の所、僕らに対抗できうる・・・そしてお母様の力を使える人間の力どれほどのものかみれるわけだしさぁ。−
−ザナッファーよりもレヴェルは低いけどぉ・・・あの人間達はぁ・・・勝てるのかしらん?−
−勝ってもらわなければ、つまらないわ。−
−策士の出番ですねぇ・・・。−
 ひゅぅっと風が吹いたような音とともに、その場から一つの気配が移動する。
 ぽぅっと・・・逆五紡に燈が点る。
 青白い、か細い光・・・・。
 テレビ画面のように映像が流れる水面にゆらゆらとたゆたっている。
 そこに4つの影が浮いていた。
 クッキー皿を片手にあぐらを掻いた形でふわふわ浮いているのは、冥王フィブリゾ。
 あんまり興味のなさそうな瞳で、空気イスに座っているかのように、きちんとした座り方で、眼下、水面を見つめる覇王グラウシェラー。
 興味津々に、水鏡を制御しながら映る光景に見とれている、海王ダルフィン。
 そして・・・事の当事者獣王ゼラス=メタリオムは、まるでソファーかベットに寝そべるような形で宙を舞っていた。
−ふふふふふ・・・・。−
−あはははは・・・・。−
−ほほほほほ・・・・。−
−おほほほほ・・・・。−
 不気味に空間に響く、笑い声。

 一方水面に映る光景がそのままそっくり今起こっている人間世界で・・・・金狼と戦っているリナ達。
 並大抵の魔法は聞かない、光の剣すらその毛皮にはじかれる、ラ・ティルトすら、まるで風のようにしか思っていない・・・・ドラグスレイブもはじかれた・・・打つ手はあとわずか・・・。
「っだぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・これ、まじで、獣王ゼラスメ=タリオムなんじゃないのっ!?」

−あたしはそんな品のない攻撃の仕方はしないわ。−

「えぇぇぇぇ・・ふつぅ原形で戦いますかぁ?純魔は力が強いほど私達に形が似てるっていいますし。」

−そのとおり・・わかっているわねぇこの黒髪の人間は。−

「知能がケモノほどしかないんじゃないのかぁ?」

−脳みそくらげの奴に言われる筋合いはないわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

「こいつは、獣王ゼラス=メタリオムじゃぁないな・・・光の剣がきかないって事は・・・。」

−こいつは、独学で調べたのか・・・さすがに博識なると・・・・。−

 リナ達は、はっきりかなり苦戦していた。
 なんせ、打つ手も後わずか・・・リナのお得意魔族にも有効、一撃必殺二度打ちOKのドラスレが効かなかったのだから・・・!!!!
「なぁリナ・・・本当に撃つ手無しなのか?」
 ガウリイがそう尋ねると、リナはうなった。
 ないこともないが・・・ガウリイが許可しなきゃ出来ないし・・・と。
 じーっとガウリイの方を見つめる・・・当のガウリイは嫌な予感に背筋に悪寒が突っ走った。

−このお嬢ちゃんの考えは一つね・・・。−
−サナッファーの時と同じことをすべきか・・・もう一つあれをやるか・・・。−
−あたしとしてはぁ・・・あの術を使って欲しいわぁ−
−お母様の機嫌が・・・・悪くなりそうであたしは怖いんだけど・・・。−

「ガウリイ・・・・光の剣かして。」
「やだ・・・・。」
「いるの。」
「もちにげしないだろーな・・・。」
「するかもしんない。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「やだ。」
「ねーガウリイ、・・・・・・・あっちむいてほいっっ!!」
 リナがいきなりいった言葉に ガウリイは思わずひょいっと右側を向いてしまう・・・そこへ・・・。

すぱかぁぁぁぁぁぁん!!!!!!

 リナの鋼鉄スリッパが直撃した・・・・。
 ガウリイが沈没する。
「うわぁぁぁぁぁぁガウリイさぁぁぁん!!!!!!!!」
「げっっ!!!!リナ、お前は何ちゅーことをっ!戦力を大幅に減らしてどうする!!!」
「これでいーのよっっ!!!!ガウリイが光の剣かしてくんないからいけないんだからっ!!!!」
「リナさん、むちゃをしますねぇ・・・・。」
 アメリア、ゼルのつっこみに対して、やけになって叫んだリナ・・・そこにもう一つガウリイとは違う新たな声・・・・。
 ばっと、全員が振り向いた。
 金狼が、嫌悪をあらわにする。
 何に対してか・・・?
「ハオっ♪」
 にっこり微笑み立っているのは、ゼロス。
 リナは、口をぱくぱくと動かし、なにかを叫ぼうとして叫べれず あっけにとられているだけだった。
「貴様っいったい何しにっ!」
「ひどいですねぇ・・・僕はただ参戦しに・・・。」
「いつも、デーモンのしっぽに叩かれたりして、参戦してなかったじゃないですかぁ・・・・。」
 アメリアのつっこみにいじけるゼロス。

−ゼロス・・・可愛いわねぇ・・・やっぱり旅に出して良かった♪−
−感情豊かな奴だなぁ・・・・。−
−あらぁ?うちのルフィたちだってぇぇ。−
−魔族に感情なんているわけ?−

「ともかくは、暇だったら、ゼル達と一緒に、足止めやってくれる?」
 リナは、光の剣を構えると にっと不敵な笑みを浮かべていった。
『足止め?』
 三人は 聞き返す。
「ザナッファーの時と同じことするわよ。」
「えっえぇぇぇぇぇぇ危険ですよぅリナさぁん!!!」
「むちゃばっかだな・・・お前。」
「面白そうですねぇ・・・何があったのかは知りませんけど。」
 いけしゃーしゃーとそう言ってのけたゼロスだが、何がおこって何をしでかしたかは知っている。
 そして、リナの今からするこうどうもわかっている・・・・・。
 ゼロスは、内面ほくそえんでいた・・・・・。

−ちぃぇっ・・・今回はお母様の呪文はないしか・・・・。−
−ドラスレでしょうねぇ・・・。−
−俺は帰る・・・・こんな茶番付き合ってられん・・・シェーラが待ってるしな。−
−さて・・・ドラスレごときいけるかしら?−

 赤々と輝く剣は ドラスレを吸収した光の剣の刃。
 リナの栗色の髪が魔力の風になびく。
−をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!
 金狼が、刃に呼応する。
「いざ・・・参るっっ!!!」
 アメリアのレビテーションの呪文が発動する・・・・・。
 リナとアメリアの体がふわりと宙に浮いた。
 それと同時に、ゼロスとゼルの煙幕攻撃が重なる。
 個々は丘の斜面いたっている館・・・土壌は丘の柔らかな土・・・・。
 そして、ここは霧のかかりやすい、湿気のある所・・・土は軽くはり返せれる・・・そして、土砂崩れも簡単に起こせれる所・・・。
 ゼルの一撃は・・・・大地干渉の魔法だった・・・・。

−ザナッファーの時の再現か?−
−ちょっとオリジナリティないわねー。−
−なら・・・少しだけ手を貸してあげましょうかね・・・ドラスレじゃなく、あの方の呪文を・・・・。−

 土煙がもうもうと上がる。
 リナとアメリアは 金狼の頭上に上っている・・・・。
 アメリアの干渉からリナが放れる。
 リナは降下し 金狼に刺さる・・・・そこで、内臓むかって攻撃呪文の華が咲く・・・はずだった・・・。

がぎゃん!!!

 剣刺さることは愚か 毛一本すら切れなかった・・・。
 毛皮を滑って、リナが落ちる。
「なっっなんでぇっ!?」
 その場をダッシュでかけさりながら リナは、手に持つ光の剣の光の失った柄を見やる。
 雄叫びが聞えない・・・悲鳴も聞えない・・・ゼルとアメリアは不吉な予感に襲われ、ゼロスは、ゼラスのしたことに、気づいた。
 土煙をかき分けて ダッシュで出てきたリナは アメリア達に向かって叫ぶ。
「はなれてっ!!」
 言葉むなしく、白刃が閃いた。
 光と轟音の本流に飲まれる・・・・。
 リナ、ゼル、アメリアは、もろうけたが・・・ゼロスは、一瞬早くゼラスの腕がアストラルに呼び戻した・・・・。

−まっさか、レーザーブレスはくとはおもわなかったわ・・・・。−
−想像は出来ただろう?ザナッファーがもとなんだから・・・・。−
−もしかするとぉ、ザナッファーよりぃ強いんじゃぁないのぉ?−
−ふぃーびっくりしたですぅ・・・。−

 リナが目を覚ました時・・・自分が雨に撃たれていることに気づいた。
 さんさんと降り注ぐ雨・・・。
 リナは空ろに空を見上げた。
 雷が鳴っている・・・光と闇が混じりそうで交わらず光のひらめきを見せている。
「光と闇の・・・混沌。」
 しっかり握っていたらしく、手からはなれずくっついている光の剣の柄・・・・。
 リナはしっかり握る。
 ゆらりと立った、リナの瞳は空ろだ。
 口はもごもごとカオスワーズを紡いでいる・・・・・。
 闇を閃く漆黒の刃・・・・。

をぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!

−あはははは・・・それでこそ、未知なる人間て奴だね。−
−いいものをぉみせてぇもらったわぁ・・・ふふふふふ・・・・・。−
−ゼロス、しばらくは、あたしの城で仕事をしていてもらうわ−
−御意に・・・・。−


「で・・・俺達はこんなとこで何をやっていいるんだ?」
 どろどろのマントをはずし、ゼルガディスがふらつきながら立った。
「なんやってんでしょうかねぇ。」
 アメリアは、髪の毛を気にしているようで、早くお風呂に入りたいとぼやいた。
「なぁ飯くいにいかねぇ?」
 ガウリイはのほほんとしたまんま・・・・。
「そーね、お腹好いちゃった♪」
 一房を真っ白に リナは、ぼやきながら、町へと下りる。
 彼らの記憶の中に 金狼に関わる記憶が全て抹消されていた。
 
−まぁぁったく・・・あたしの呪文ぽこぽこ使われるなんて、やんなっちゃうわ・・・・。−
 

 誰にも効かれずに闇に溶けた言葉が一つ・・・もちろんこれを言ったのは・・・・お母様・・・。

FIN


 ごめんなさい・・・・なんか寝ぼけてます・・・なんか文面変です・・・寝ぼけてたんだと思います・・・・ごめんなさい・・・・。
 うくーねむねむ・・・これから風呂入ってきます・・・あでぃおすっっ!!!
 やっぱりリナ達を交えると、獣王軍ラヴになんないから、新しいの描くことにしまふー(><)

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280今時のはやり!?<主人公:魔竜王>時計うさぎ 10/28-14:54
記事番号256へのコメント
 石造りの砦の最上階に、魔竜王の紋章が描かれた赤い絨毯の上にあぐらを掻いて 自分の愛剣を磨く男が一人。
 魔竜王ガーヴ。
 燃えるような、赤い髪が、床に流れている。
 窓から差し込む 光に白金の閃きが妖しく光る。
 砂色のコートは今はきていない・・・。
 冥王フィブリゾが、今、人間達の住む世界に遊びに行ってる中、ガーヴの大敵は今の所、アストラルにはいなかった。
 めんどくさがりやの、覇王が、ここにきてまで喧嘩することもないだろうから。
 口うるさい、ラルタークとラーシャートも外に追い出した。 
 一時の平和な時間をガーヴは堪能する・・・はずだったのだが・・・。
「がぁぁぁぶぅぅぅぅっっ♪」
 トラブルは、舞い込んできた。
 シュンという音を立てて出現したのは、青いオサカナと褐色の獣。
 海王ダルフィンと、獣王ゼラス=メタリオムである。
 その手には、大きな籠が抱かれていた。
「お前ら、人がフィブリゾのいない平和な時を過ごしてるって時に、何だ?」
 座りまくった瞳を 2人むけてそういった。
 と・・・ゼラスとダルフィンに違和感を感じたガーヴは しげしげと2人を眺めた。
 どこか不思議な感じが・・・。
「お前ら・・髪どうした?」
 真っ正面から見上げたせいもあってなのだが ダルフィンと、ゼラスの髪が無い・・というか、後ろ髪が見えなかった。
「うふふ・・・いまねー、人間世界でさー、みつあみがはやってるのぉぅっ♪」
 ダルフィンがぶりっこをしてみながら、自分の蒼い髪を結ったものをぴょこぴょこと手でもって降ってみせる。
 ゼラスも、仁王立ちのままなのだが、にっこりとした微笑みを浮かべて、自慢の金髪を結ったものを前に流す。
 ガーヴの背中にいやーな予感が走る。
「まさかお前ら、この俺様に・・・。」
 ガーヴの言葉も終らぬ前に ゼラスとダルフィンは、ガーヴのとなりにしゃごみこんで、両耳に、甘く優しく・・・。
「み・つ・あ・み・さ・せ・て♪」
 と、ささやいた。
 おもわず ぞわわわわわわわ・・・っと鳥肌が立って、後ろにあとずさるガーヴ。
「お・・・お前ら、俺にっ!!!」
 ガーヴは引きつりまくった顔を上げて ゼラスとダルフィンを見上げると、2人を説得することは不可能と感じ取ってしまう。

 次回 ガーヴの髪の毛みつあみにされるっ!

 わーーちょっと時間が無いので・・・上下に分けますぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!!!
 ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっ!!
 ではぁぁぁぁあでぃぉすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!
 ここまで読んでくださって有り難うございますっ♪
 じかんもよんでくださいねっ!

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369今時のはやり!?下<主人公:魔竜王>時計うさぎ 11/4-00:15
記事番号280へのコメント
「うどわひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
 俺はダッシュで、赤銅色の大地を駆けた。
 はっきり言って、逃げるなんて恥ずかしいことなんざぁ今はこれっぽっちも思っちゃぁいねぇ!
 あのあと・・・俺ぁ 窓から大地へ飛び降りるり、方向すらも考えず駆け出した・・・・その気になりゃぁ・・・砦にぐらいすぐ帰れらぁ!!!
 ともかくは、今は奴等から逃げることを考えるのみ!!!!
 と・・・くも一つ無いてんきだっていうのに、俺の足元に陰りが生じた。
 ・・・・もしや・・・。

 ちどごぉぉぉぉん!!!

 なんの前触れもなく、踏み出そうとした地面が吹き上げる。
 もうもうと立ち込める土煙!
 俺は、むせ返った。
「ゼ・・・ゼラス!!てめぇっ!俺をふっ飛ばすつもりかっ!??!」
 頭上をみあげる。
 天高く、大地の色の大きな翼が日を隠している。
 大きな凛々しい翼を持ち・・しかも今の俺に攻撃を仕掛けてくる奴なんざぁ、一人しかいねぇっ!
 もちろん!獣王ゼラス=メタリオムである!
「あなたが、あたし達から逃げるのが悪くってよ?」
 籠を小脇に びしぃっとそう言いながら ふわりと降り立った。
「あ・・・あのなぁっ俺ぁ男だぞっ!?みつあみなんか出来るかぁっ!!恥ずかしいことこの上ねーよ!!」
「そうかしら?S様は喜んでくださってよ?」
 S!!!!!!!
 あいつは男の風上にもおけねぇ奴だったのかっ!?
 そんなやつが上司とは泣けるぜっ!!!
「そぉれにぃ・・・ガーヴちゃんの髪の毛たっぷりあってやりがい有りそうなんでうものぉ。」
 どこからともなく 声がする。
 おれはは周りを見渡したが、姿をみえねぇ。
 ・・・・・?
 なんだ?
 足首がひやひやするな・・・・。
 俺は下を向いた・・・・。
 見なかった方が良かったかもしれねー・・・赤銅の大地から突き出た二本の腕が・・・俺の足をつかんでやがる・・・・。
 しかも青白い腕・・・・。
「うどあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 思わず駆け出しかけて・・・こけかける・・・。
「いやぁん・・・そんなにおどろかなくってもぉ、あたしぃじゃないのぉ。」
 にゅっと、大地からダルフィンお顔が出てくる。
 忘れてたぜっ!!!
 こいつは、海だろうが地面だろうが空だろうが潜って泳げるんだったぜ!!!
「ダルフィンないすっっそのままつかまえてなさいよっっ!」
 ぴしぃっと、しなる音・・・・まさか・・・・。
 ダルフィンから・・・ゼラスの方に視線を戻せば・・・・。
「そのてにもってるのは・・・・。」
「え?もちろん、逃げれない様にするためのろぉぷよっ♪」
「くんなやぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 思わず関西弁で叫んだ俺はどうにか、このダルフィンの腕から逃げるべくもがくが・・・この華奢な腕のどこからこんな力が出るのやら びくともしねぇっ!!
 満面に笑みを浮かべる2人・・・・。
 俺は・・・観念するしかなかったのだった・・・・。

「ガーヴがリボンてコワイからぁ・・・皮ひもでどう?」
「えぇ・・・黒いぃリボンーなんてぇかわいぃとぉ思うんだけどぉ?」 
「皮ひもの方がいいって・・・けっていねー!!」
「あぁんゼラスちゃん おうぼー。」
 よやく終ったらしく、ゼラスとダルフィンが立ちあがる。
「ガーヴこっちむいてー?」
 ゼラスの言葉に俺は思わず、振り替える。
 なんか、さっぱりしたというか・・・背中を覆うものが無くて、なんか日が暑いっていうか・・・・。
「すっきりしてるし、このままでいいんじゃなぁい?」
 ダルフィンがそういうと、ゼラスが、姿見のガラスを呼び出す。
「ガーヴ、ガーヴ・・・・今のガーヴ♪」
 ・・・・・・・・。
 俺は思わず絶句しちまった・・・・。
 なんていうか・・・俺のトレードマークの髪が・・・。
 前から見たら切った様じゃねぇかっ!!!
「気が済んだろっ!!はずすぞっ!」
 俺は、皮ひもでくくられた結び目をほどこうとする・・・が・・ほどけない・・・。
 あ・・・・?あれ?
 解けねっていうか・・・結び目に触れねー!?
「あーごめん・・・・多分そういうとおもって、一週間はほどけない様にしちゃった・・・てへっ。」
 ゼラスが、ぶりっこしながらそういう・・・・。
 俺は脱力しまくった・・・。
 その前に・・・会議に出れねー・・・。
 ・・・・・・・・・。
 こんな・・・こんな・・・こんな格好で、会議なんか出れるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
 いいわらいもんじゃねーーかっっっ!!!!!
「・・・一週間旅に出る・・。」
「え?」
「ほえ?」
 俺の唐突の言葉に ゼラスとダルフィンが素っ頓狂な声を上げる。
「俺ぁ、一週間旅に出るってーんだよっ!!!」
「だ・・・だめよっガーヴ!!!だって、、、だって明日は!!!」
「お母様がいらっしゃるのよーん?」
 ひゅるひゅるひゅるひゅる・・・・・・。
 さ・・・さむい・・・・。
 さむいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!
 そこで俺は力尽きるのだった・・・・・。

 おしてしるべし・・・・。
 翌日、この格好のまま俺はお方様におあいした・・・もちろん・・・笑われた事は言うまでもねぇ。

 END


 はっはっはっ!!これは、あたしが試験が終って寝ている時に見た夢をアレンジしたものであるっ!!
 この場を借りてお詫び!!

 ガーヴFANの皆々様っっっっっっっ!!!!
 ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!!!!!m(__)m