◆-終末の夜には月の宴を Side Lina・後編-珠波 雅璃愛(10/30-20:14)No.288


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288終末の夜には月の宴を Side Lina・後編珠波 雅璃愛 10/30-20:14


 ・・・・・・1カ月・・・?でしょうか?前編〜後編間・・・というわけでやっと続きです。
 だれも、もう覚えてないような気もしたんですが、一応、続き物です。前の話は「読みまくれ!!!」の過去記事にあります。

 というわけで。

 終末の夜には月の宴を Side Lina・後編

 ゼロスが月を背に宙に浮かんでいる。
 「さようなら、リナさん。」
 「・・・ゼロス・・?」
 告げられた言葉に苦笑いしつつ、あたしはゼロスの名を呼ぶ。
 「なんですか?」
 返事をしながら、近づいてくるゼロスの腕をつかみ、顔を引き寄せ
 「もう、二度と会わないことを祈って。」
そう言い、唇を重ねる。
 次に会うときは殺し会うことしかできないから・・・
 もう祈ることしかできないから・・・・
 
 ----カナワヌイノリハ、ツキダケノミテイル、ケイヤクノキスニタクシテ・・・

 しばらくして唇が離れると、ゼロスはにっこり微笑んで、
 「ええ・・・僕も、「祈って」ますよ。」
そこで,一端言葉を切り、一瞬祈るように月を見て・・・
もう一度、あたしの方を見る。そして、短い沈黙の後

 「「さようなら」」

 声が重なる。別れの言葉と共に、ゼロスは一瞬微笑んで・・・・そして、闇と共に消えていった。
 
 ----サイショノデアイハ、ダマシアイ
   ニドメノデアイハ、リガイノイッチ
   サンドメノデアイハ、コイノニオイ
   ヨンドメノデアイハ、コロシアイ・・・・・・?
   
 ゼロスは気付いていた?自分が笑ってなかったことを・・・哀しんでいなかったことを・・・。なにも映さない闇色の瞳・・・それは確かに、あたしと・・・あたし達とは、決して相いれることのないものだということを・・・・。
 やっぱりゼロスは魔族で、あたしは人間・・・。決して交わらない、平行線上の存在・・・
 次に出会ってしまえば、もう、殺し合うことしかできない・・・
 だから・・・もう二度と会わないことを祈ろう・・・悪戯好きな、運命の女神達に・・・

 ------「ウレシイ」トイウ、ウソ
    「カナシイ」トイウ、ウソ
    「アイシテル」トイウ、ウソ

    「サヨナラ」トイウ、「ウソ」

 でもね、ゼロス・・・、あんた知ってる?夜の祈りっていうのはね、えてして、かなわないものなのよ。
 だから・・・もう一度、きっと出会うわ・・・あたし達・・・・・互いを殺すためだけに・・・。

 -----モウ、ニドトアワナイコトヲイノルトイウ、ホントウノヨウナウソ・・・

 その時、あたしの中にあったのは、今日は最後の思い出じゃないという、確かな確信・・・・

 ----コヨイ、ツキノウタゲナリ
   月ノヒカリハオトメノナミダ
   ヨルノ闇ノカナシミハ、ナニモウツサヌマッタキ虚無(うつろ)
   ウンメイノワモマワリツヅケル・・・キシンダオトヲタテナガラ・・・
   願いモムナシクコクウニキエテ・・・ 
   ネムレルモリニオモイヲシズメテ・・・・・
   サイゴノキスニ「祈り」ヲタクシテ・・・
   
   ワカレタミチモフタタビデアウ・・・
  
     今宵、月ノ宴ナリ・・・・・・


 世界が滲んで見えたのは、月があまりにもキレイだったから。


 この3年後・・・第二次降魔戦争、人間と魔族・・・最後の戦いが始まる。


                       END

 
 終わった〜!!というわけで、終わりました、「終末〜」。
 
 内容は・・・・あえてノーコメントと言うことで。

 コメント、もらえるとうれしいです。

 それではこの辺で。           10・30 珠波 雅璃愛