◆-「Traffics・続き」・・・の前に。-中田 珂南(11/9-10:51)No.446
 ┗「Traffics・その13」-中田 珂南(11/9-11:57)No.447
  ┗「Traffics・その14」-中田 珂南(11/9-14:11)No.448
   ┣Re:「Traffics」-丸丸(11/10-00:20)No.454
   ┃┗ありがとうございます。-中田 珂南(11/10-18:33)No.468
   ┗「Traffics・その15」-中田 珂南(11/10-11:19)No.457
    ┗「Traffics・その16」-中田 珂南(11/11-14:09)No.473
     ┗Re:「Traffics・その17」-中田 珂南(11/12-14:43)No.480
      ┗「Traffics・その18」-中田 珂南(11/12-16:21)No.481
       ┗「Traffics・その19」-中田 珂南(11/12-16:54)No.482
        ┗「Traffics・その20」-中田 珂南(11/14-15:42)No.494
         ┣Re:「Traffics・その20」-ティーゲル(11/14-16:14)No.496
         ┃┗ありがとうございますです。-中田 珂南(11/14-17:26)No.499
         ┗「Traffics・その21」-中田 珂南(11/14-17:18)No.498
          ┗「Traffics・その22」-中田 珂南(11/14-18:58)No.501
           ┗「Traffics・その23」-中田 珂南(11/14-19:38)No.502
            ┗「Traffics・その24(エピローグ)」-中田 珂南(11/14-20:02)No.503
             ┣Re:「Traffics・その24(エピローグ)」-ティーゲル(11/15-15:35)No.515
             ┃┣全部読ませていただきました!-Milk(11/17-00:10)No.545
             ┃┃┗・・・本当にいいんですか?-中田 珂南(11/19-12:30)No.561
             ┃┃ ┗嫌って言っても、も〜遅いですよん♪-Milk(11/21-14:43)No.603
             ┃┗ありがとうございました。-中田 珂南(11/19-12:20)No.560
             ┣全部読んだわぁっ!-むつみ(11/15-20:14)No.520
             ┃┗Re:全部読んだわぁっ!-中田 珂南(11/19-12:40)No.562
             ┣Re:「Traffics・その24(エピローグ)」-丸丸(11/16-00:20)No.526
             ┃┗ありがとうございました。-中田 珂南(11/19-13:59)No.565
             ┣お疲れ様でした♪-さくらあおい(11/16-15:18)No.538
             ┃┗ありがとうございました。-中田 珂南(11/19-14:09)No.566
             ┣Traffics、読みました♪-ちび☆(11/16-17:21)No.542
             ┃┗ありがとうございました。-中田 珂南(11/19-14:28)No.567
             ┗ありったけの感謝をこめて。-中田 珂南(11/19-16:18)No.569


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446「Traffics・続き」・・・の前に。中田 珂南 E-mail 11/9-10:51

はじめましてorこんにちは。
「自称・駄文を撒く者」(笑)中田 珂南です。
案の定、話が終わる前にツリーが落ちました(涙)てなわけで、続きは新ツリーにて書かせて頂きますです。

*初めてこれをご覧になる方へ。
 この話は−冥王との戦いも終わり(「NEXT」直後という設定です)、また二人旅になったリナとガウリイが、ふとしたことから異世界に迷い込む・・・という、ありがちって言ったらありがちな出だしで始まってます。

で、そこの異次元には・・・リナそっくりの男魔道士リーニスと、ガウリイそっくりの女剣士ガイリア(“光の剣”とくらげの知能付き・笑)がおりました。
でもって、なんのかんので、4人で旅をすることになったのですが・・・「ここの世界にいるはずのない」リナを狙って、不穏な奴等が動いたりしてます。

・・・と同時に、リナとガウリイの間も、リーニス&ガイリアの存在を通して、微妙な“揺らぎ”が生じつつあります。何せこの二人、行動だけでなく気持ちまで、ガウリイやリナとシンクロ?してましたんで。
(リーニス相手に酒飲んでたとき、ガウリイうっかり本音言いかけたし・笑)
冥王との戦い以来、どうもぎこちなくなってた二人ですが・・・さて?

はてさて、リナとガウリイは、元の世界に戻れるのか?
“揺らぎ”が生じてた二人の気持ちは、どういった具合に落ち着くのか?
(すみません、ガウリナ大前提で話進めてますので・苦笑)
・・・てなところで、ツリーが落っこちてしまいました(涙)

本当はゼロス(「異世界の」ではなく、「リナたちの世界にいる」彼です。追っかけて来たんですね。)が出てきてて、この事件のきっかけなんぞをリナたちに明かしてますが、ここではあえて書きません。
それは、本文を読んで下さいませ。・・・不親切ですが、こればっかりは仕方ないんです(汗)

「過去の記事」かどこかに、「Traffics」というタイトルで、「その1」〜「その12」のお話が沈んでいる筈であります。
(混沌の海に沈んでたらどうしよう・・・泣)
まずはそちらからご覧くださいませ。

前書きがえらく長くなりましたが、そろそろ駄文な本文に進みたいと思います。
では、しばしお付き合い下さいませ。
(って、本当にここまで読まれているのだろうか・・・ふう。←ため息)

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447「Traffics・その13」中田 珂南 E-mail 11/9-11:57
記事番号446へのコメント
ではでは、駄文な本文の続きです。

::::::::::::::::::::::::

「Traffics・その13」

次の朝、あたしたちは妙に気まずくなっていた。
・・・・・・・・と、あたしは予想していたのだが。

「こらっ、俺のローストチキンにまで手をつけんな!」
「何よっ、さっき私のスモークサーモン、3切れも食べちゃったじゃないの!」

ゼロス登場から一晩明けた、今日の朝食の席は・・・いつもの如くリーニスとガイリアの、壮絶な料理の争奪戦で始まった。
「よーし、俺も負けてらんねーよな!」
何で意気込んでるのかは分からないが、ガウリイもえらく張り切って宣戦布告する。
そんな中で。
「・・・・・・まあ、悩んでも仕方ないけどね・・・。」
大きくため息をつきながら、やはり朝食バトルに参戦する、あたしの姿もあったりする。

一見、昨日までと変わりない光景。
でも。
あんなことを聞かされて、まるで平気なあたしじゃない。
まして、リーニスは・・・いつも通りな顔をしているが、それは強がりに違いない。
彼の今の心境は、多分、あたしが一番よく分かってるはずだ。

で、あのスットコ神官はというと。
「今回は、獣王様の鏡を取り返すのが僕の任務ですから。」
なーんて、如何にもお役所仕事なことをほざいて、あたしたちの前から姿を消した。
いつもなら、あたしは腹をたてているところだが・・・まあ、リーニスの今の状態を考えると、その方がいいのかも知れない。

で。
いつも通り食事とおやつを終えると、あたしたち4人はまたてくてくと、次の街目指して歩き始めた。
だけど。
いつもと違うことが一つ。
ガウリイはリーニスの隣を歩き、あたしはガイリアと並んでいたのだ。
・・・白状しよう。
あたしは、この男二人と話すのを避けていた。
ガウリイとはまだ気まずかったし(こーいうことこそ、忘れてしまって欲しいのに)、リーニスの方は昨日の今日のことだ。どう接したらいいか分からない。
てな訳で、一番当たり障りのないガイリアを、あたしはお隣に選んだのだ。
「ねえ、ガイリア。」
ここであたしは、ふと感じた疑問をぶつけてみた。
「あの後、あんたたち何処でどうしてたのよ?なかなか、部屋に戻ってなかったけど。」
「・・・あの後?」
質問の趣旨が分からずに、彼女が怪訝な顔で問い返す。
・・・まあ、予想はしていたけどね。
「ほら、ゼロスが話した後で、リーニスが怒って飛び出してったじゃないの。
で、あんたもその後を追ってった・・・その後の事を聞きたいのよ。」
念のために言う。あたしは別に、二人のことを邪推して聞いたんじゃない。
あくまで仲間(という程親しくないかも知れないが)が心配だからであって、興味とか好奇心とかではないのである。本当に。
・・・第一、こいつらは“もう一人のあたしたち”なのだ。ンなことしたら自滅する。
そんなあたしの気遣いに満ちた問いを、
「・・・・・うーんと、何してたんだっけ?」
予想を裏切らないくらげぶりで、あっさりと一言そう返す。
あたしは小さくため息を付くと、もう一度気を取り直して、
「だから、二人とも遅い時間まで帰ってこなかったじゃないの。」
「ああ。そういえば・・・リーニスが盗賊いぢめしに行ったんで、後を追っかけてたんだったわ。いつも以上に彼が荒れてたから、あの盗賊たちのアジト、跡形もなく消滅しちゃったけど。」
何でもないよーな顔をして、ガイリアはさらりとそう答える。
そう言えば夕べ、向こうの方で派手な爆発音が多発してたみたいし、よく見ると目の前にそびえる山も、ちょっぴし変形してるような・・・?
「・・・お前と同じだな。」
前を歩いてたガウリイが、横からぽそっと口を挟む。
ええいっ、しょーもないことばかり聞いてんじゃないっ!

そんな、平和な?道行きの途中で。
「・・・・しっ・・・!」
急に、ガイリアが足を止めた。
見ると、ガウリイも既に剣を抜き放って、辺りに油断なく神経を巡らせてる。
しかも、既に“光の剣”モードで。
あたしも、辺りの気配を探ってみる・・・が、何処にも、何も感じない。
だけど、ガウリイの勘は100%信頼が置ける。何せ頭より身体が賢い奴なのだ。
頭脳労働さえさせなければ、戦士として非の打ち所はない。
「・・・レッサーデーモンじゃないの?」
「多分・・・その、大将みたいな奴だ。」
いつの間に隣まで寄ってきていたのか、あたしの問いにはガウリイが答えた。
「油断すんなよ。あいつ・・・そう簡単にはいかない相手だ。」
「一番最初に、あたしたちを襲ったような?」
「ああ。・・・どうする?こっちから仕掛けるか?」
「そうね。この落とし前は、きっちりつけて貰いたいしね!」
言ってあたしは、素早く攻撃呪文を放つ!

「黒妖陣(ブラスト・アッシュ)!」
ばしゅっ!

あたしの撃ち出した輪郭のない“闇”が、木々の合間に炸裂する。
しかし、

「・・・・・・甘いなっ!」
かっっ!!!

どこからか聞こえた侮蔑と共に、あたしの視界を閃光が遮った!

::::::::::::::::::::::::::::

ぼちぼちクライマックスです。多分。
戦いだけでなくガウリナに関しても、この後もちゃんとエピソード用意してますです。・・・皆様に喜んで頂けるかどーか、全然自信ないんですけど(滝汗)
まだ続きます。

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448「Traffics・その14」中田 珂南 E-mail 11/9-14:11
記事番号447へのコメント
駄文はまだまだ続きます(苦笑)

:::::::::::::::::::::::::

「Traffics・その14」

かっっ!!

視界を覆う閃光に、あたしは一瞬世界を見失った。

・・・そして。

「・・・ここは・・・?」
光が止んだのを確かめてから、あたしはそっと目を開けて−激烈に変化した周りの景色に、しばし言葉を失った。
ここにあるのは、−色彩。
見渡す限り無限に広がる、鮮やかな色彩の華。
赤、青、黄色、緑、紫、オレンジ、ピンク・・・淡い光にも似た色の群れが、万華鏡のようにくるくると、あたしの周りを取り囲んでいた。
「・・・何よ、これは。」
あまりにも唐突な展開に、あたしは小さく毒づいた。
そして、小声で呪文を詠唱すると、ショートソードを抜き放つ。
「魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)!」
あたしの「力ある言葉」に答えて、刀身が赤い魔力の光を帯びる。
それを確かめると、あたしはだめもとでそこの壁?に斬りかかった。
しかし、

がぎゅううんっ。

一瞬光彩を歪めたものの、壁?には傷すら付かなかった。
・・・・・・やっぱ駄目だったか。
「ま、分かってはいたけどね。」
誰もいないのに言い訳すると、あたしはショートソードを鞘に納め、もう一度辺りを見回した。
まるで光を受けたプリズムのように、刻一刻と変化する色彩の華。
それは何とも幻想的で、思わず我を忘れて見とれてしまう。
・・・とこなのだろう、本来ならば。
「闇の結界なら何度も見たけれど、万華鏡もどきの結界なんて、なかなか凝ってるんじゃないの。」
何処にいるかも分からない敵に、あたしは大声で呼びかける。
だけど。
「・・・・・・・・・・・やっぱ駄目か。」
残念ながら、ここの主は現れてくれるほど、甘い展開にはなってくれなかった。

:::::::::::::::::::::::::::::::

すみません、ちょっと都合で(借りてるパソに、順番待ちの人がいる・・・)ここで切ります。
ごめんなさい、全然話進んでないのに。

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454Re:「Traffics」丸丸 11/10-00:20
記事番号448へのコメント
こんにちは、丸丸です。
気がついたら「Traffics」がツリーから消えていたので焦りました。
続きを書いて下さって、ほっとしています。

「鏡の世界」にも驚きましたが、一番意外だったのはガウリイが胡蝶の夢の
話を知っていたことです。やっぱり底が見えない、この男…
ガウリイが知ってるってことは、ガイリアもこの話を知っているってことですよ
ね(きっとおじいさんに聞いたんでしょう)。
自分がその立場になったガイリアは、どんな風にリーニスを慰めたんでしょう。
でも、予想通りと言うべきか、ガイリアとリナの会話は会話にならなかった(笑)

そういえば、「男同士(ガウリイとリーニス)の会話が酒場で飲みながらなら、
女同士(リナとガイリア)の会話はお風呂に入りながらかな」とか予想してたん
ですが、大ハズレでした。事前に公表しなくて良かった(笑)

ではでは、執筆頑張って下さい。

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468ありがとうございます。中田 珂南 E-mail 11/10-18:33
記事番号454へのコメント
>気がついたら「Traffics」がツリーから消えていたので焦りました。
>続きを書いて下さって、ほっとしています。

やっぱり落ちました(苦笑)
でも、ちゃんと続き書かないと、某くらぶでいぢめられそうなので(苦笑)あともうちょっとですし、書き逃げ無しで最後まで頑張ります。

>「鏡の世界」にも驚きましたが、一番意外だったのはガウリイが胡蝶の夢の
>話を知っていたことです。やっぱり底が見えない、この男…
>ガウリイが知ってるってことは、ガイリアもこの話を知っているってことですよ
>ね(きっとおじいさんに聞いたんでしょう)。

「胡蝶の夢」これをずっと考えてしまうというのは、ある意味不幸だと思うんです。
・・・そういうイメージで(どんなんだ)書いたんですけど、感じて頂けました?

実は、ガイリアにずっと出番がなかったのは、故意なんです。
次(「その16」以降)からその辺の事を書いていきますんで、・・・お付き合い頂けると嬉しいです(弱気)

>ではでは、執筆頑張って下さい。

ありがとうございます。本当にあともう少しなんで、何とか頑張って行きます。

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457「Traffics・その15」中田 珂南 E-mail 11/10-11:19
記事番号448へのコメント
前回は、中途半端で切れちゃってごめんなさい(汗)
(予定の半分程度しか書けなかった・・・)
では、気を取り直して続きです。

::::::::::::::::::::::

「Traffics・その15」

・・・・・・・・・・・・・困った。

どんなにどんなに捜しても、ガウリイやリーニスたちは何処にもいない。
ついでに言うと、敵の気配も全くない。
これでは、八方塞がりである。
「一体、何がどうなってるんだか・・・。」
愚痴もついつい多くなる。
と、その時、
「!?」
急に、背後に気配が生まれた。
・・・・・・・敵!?
あたしは振り向きざまに、攻撃呪文をぶっ放した!

「黒妖陣(ブラスト・アッシュ)!」

「ぎゃおううううっっ!」

あたしの生み出した闇に呑まれ、気配がいくつか無に帰していく。
が、
さらに増えた気配の主−正体はよくわからない、色とりどりの人影?らしきものの団体が、あたしをぐるりと取り囲んでいた。
そして、これまたカラフルな、魔力の刃を一斉に放つ!

ざずずずずっっ!

「うわっっ!」

・・・ちょ、ちょっとこれは洒落にならない。
いくら天才美少女魔道士のあたしといえど、この状況はかなり苦しい。
なんとか攻撃をかわしながら、

「滅化塵(アッシャー・デイスト)!」

「烈閃槍(エルメキア・ランス)!」

対魔族にも有効な呪文を、ひたすら撃ち込んでいくのだが、一匹倒せばまた一匹増える。
後から後から無節操なほどに、ぽこぽこぽこぽこ湧いてくる人影?に、あたしもいい加減腹立ってきた!

「青魔烈弾破(ブラム・ブレイザー)!」

きっちり増幅をかけた青い光が、そこらの敵をまとめて貫く。
・・・しかし・・・あっちの攻撃の雨をかわしながら、増幅の呪文まで加えて詠唱ってのは、さすがのあたしもかなりきつい。
いつもはガウリイが前面に出て、あたしの援護に回ってくれるのだが・・・いや、考えるのはよそう。
此処にいない人間のことを、惜しんでいる余裕なんかない。

「黒狼刃(ダーク・クロウ)!」

「烈閃砲(エルメキア・フレイム)!」

あたしはさらに身をかわしながら、ひたすら攻撃呪文を撃ち続けた。

・・・そんな時間が、いつまで続いていただろう。

「黒妖陣(ブラスト・アッシュ)!」

なんとかの一つ覚えのように、呪文を唱え続けた甲斐あって?敵の数はなんとか減る兆しを見せてきた。
・・・そんな時、

ずじゃっっ!!

「ぎゃおうううううっ!」

あたしが攻撃したのとは、まるで反対の方向から、断末魔の声が上がった。
見ると−疾風と化した一つの影が、白光を携え次々と敵を屠る。
疾る度にひるがえる、見覚えのある長い金髪に、あたしは思わず声を上げた!

「ガウリイ!?」
「リーニス!?」

・・・・・・・・・・・えっ!?

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』

顔を見合わせたあたしたちの間に、一瞬気まずい沈黙が生まれた。

−そうして、しばらくの後に。
現れた援軍と二人がかりで、敵をとりあえず全部へち倒し・・・あたしは、目の前に立つ剣士−ガイリアに目をやった。
「あんた一人?他の二人は?」
「・・・分かんない。早く合流できればいいんだけど。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
ごく簡単な会話をかわし、あたしたちはまた沈黙する。

−彼は今頃、どうしているだろう。

黙り込んでる蒼い瞳が、今ここにいない相棒の身を案じてる。
−そう、あたしが今、ガウリイのことを想うように。

::::::::::::::::::::::::::::::

今度は逆に、ガイリア×リナです。
・・・彼女が今まであまり出なかったのは、この一連(まだ全部書いてないけど)このシーンのためだったんです(苦笑)

駄文はまだまだ続きます。

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473「Traffics・その16」中田 珂南 E-mail 11/11-14:09
記事番号457へのコメント
続きです。

::::::::::::::::::::::::

「Traffics・その16」

「ねえ、ガイリア。・・・やっぱリーニスのこと、大切?」

ふと口をついて出た台詞に、あたしは自分でも驚いた。
・・・な、な、な、何を言ってんのよあたしは!?今は非常時だってのに!!
しかしガイリアの方は、そんなあたしの混乱など、全く気付いてないようで、
「大切よ。だって私、彼の“世話役”だもの。」
辺りに鋭い視線を巡らせたまま、あっさり一言、そう答えた。

・・・随分あっさり答えるじゃない。何のためらいもなしに。

「“世話役”って・・・それだけ?」
あたしは、さらに突っ込んだ。
・・・何故かは分からない。でも、何故か自然にその問いが出た。
するとガイリアは、やっとあたしの方を向いて、
「・・・どういう意味?」
訝しげに、そう問い返してきた。
「どういう意味って・・・言葉通りよ。」
「“世話役”って答えだけじゃ、納得できないと?」
あたしの真意を見抜いたか、彼女はもう一度、そう問い返した。
・・・鋭い。
ここで一発ボケるかと思ってたのに。
あたしがンな事を考えてると、
「・・・答えづらいこと、聞いてくれるのね。」
ガイリアはまるで困ったように、苦笑いなんか浮かべて、
「でもね、その答えは・・・正直、私にも分からなくなってるの。」

・・・・・・・・・ずきん。
あたしは、何故か胸が痛んだ。

ガイリアの蒼い瞳が、何だかやるせない色にみえる。
・・・既視感。
リーニス相手に飲んでた時の、ガウリイのそれと同じ眼をしてる。
何となく自嘲気味な、どことなく寂しげな。

「彼は・・・“特別”なの。」

彼女の口からは、あの時のガウリイと全く同じ言葉が出て来た。
あたしは思わず、
「“特別”って、どういう意味よ?」
・・・そう聞き返して、あたしははっと気が付いた。
あの時の男どものやりとりを、ガイリア相手に再現してることに。

・・・・・・・・・あたし、何をどうしたいんだろう。

そんなあたしの心中を、見抜いているのかいないのか、
「彼とずっと一緒にいたいの。何があっても、どんな事になっても。」
ガイリアは、きっぱりとそう言い切った。
「“特別”っていうのは・・・そうね。多分、“初めて”だからじゃないかしら。」
「初めて?」
その意味が分からずに、あたしがそう尋ねると、
「そう、彼が初めてよ・・・あたしが、心の底から“一緒にいたい”って望む人は。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「彼の傍にずっといたいし、どんなことからも護ってあげたい。
だけどね。あたしは、・・・彼を縛り付けるようなことは、絶対したくない。」
えらく切ない瞳をして、ガイリアはきっぱりそう言い切る。
だけど。
「縛り付けるって、どーいう意味よ。」
「どーいうって・・・。」
あたしがそう問い掛けると、ガイリアは、
「リナ、あなた・・・どこまで私を困らせてくれるの?」
心の底から困ったように、軽く苦笑いを浮かべた。

「私は、・・・彼が、リーニスが好きよ。
“世話役”じゃなくて、一人の女として・・・ね。」

・・・ああ、そうか。
あたしは、ようやく気が付いた。

−あたしは、この答えが聞きたかったんだ。

ガウリイは、いつも何も言わない。
くらげなボケばっかり言って、肝心なこと全部はぐらかして。
あたしは・・・いつもそれに振り回されて、独りで苛立ってばっかりで。

あたし、自分自身の気持ちにも、今まで全然気付いてなかったけど。

でも。
ガイリアは、“もう一人のガウリイ”なんだから。
その言葉、本気にしてもいい・・・よね?

−あたしも、ガウリイが好きだから。

と、その時、

ぐどおおおおんっっ!

不意に爆発音が響き、目の前にまたさっきのような連中が現れた。

「・・・おいでなすったようね。」
「ちゃっちゃと片付けるわよ。」

そう言って笑い合うと、あたしたちは再び身構えた。
とにかく、この状況を何とかしよう。

・・・いい加減、あのくらげの顔をまた見たくなってたし。

:::::::::::::::::::::::::::

さて、ぼちぼち終わりが見えてきました。
このガイリア×リナも、やっと書けましたしね。

・・・でも、駄文はまだまだ続きます。
たいがい長くなりましたよね、この話(苦笑)

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480Re:「Traffics・その17」中田 珂南 E-mail 11/12-14:43
記事番号473へのコメント
続きです。

:::::::::::::::::::::

「Traffics・その17」

あたしとガイリアの連携に、敵の“人影もどき”は次々と倒れていった。

「でえええええええいっっ!!」

ざしゅっ!どすっ!ばすっ!ずじゅっ!

ガイリアの剣は確実に、一体づつ敵を斬り伏せていく。
だけど。
ガウリイがよくやってるような−剣の生む太刀風で、数体まとめて敵をふっ飛ばす・・・なんて力技は、彼女の力では出来ないし。

「烈閃槍(エルメキア・ランス)!」

あたしも敵の攻撃をかいくぐりながら、何とか呪文を唱えてはいるが、数体まとめて片付けられるような術は、この状況では使えない。
何せ、ちょっとでもそんな素振りが見えたら、奴等は至近距離に飛び込んで来るのだ。
ショート・ソードで何とか受け止めるが、そのはずみで詠唱が途切れる。
体術にも優れてたリーニスなら、それでも詠唱を続けるんだろうけど・・・残念ながらあたしには、そこまで器用なことは出来ない。
だから、こんな小技を連射していくしか、術がないのだ。

はっきり言おう。
あたしとガイリアのコンビには、スピードはあってもパワーがないのだ。
現にあたしもガイリアも、だんだん息が上がってきてる。
このまま持久戦が続いたら、倒されるのは間違いなくあたしたち!

ンな事を思いながら、何とか打開策をと考えていると、
「ねえ、リナ・・・あそこ、何だか怪しくない?」
いつの間に戻ってきてたのか、ガイリアがあちらを指差して囁いた。
「あそこって、何処よ。」
「ほら、私の指の先・・・あの辺、何だか色が違って見えるんだけど。」
「?????」
「よく見てよ。本当に微妙なんだけど・・・あそこだけ、色がくすんでるように見えない?」
あたしはよくよく目を凝らすが、やっぱりよく判らない。
けど、ここはガイリアの勘を信じよう。
駄目でもともと、当たれば儲け。1%でも可能性があるなら、それに賭けるは当然のこと!
「じゃあガイリア、あんたは・・・。」
簡単に打ち合わせをしようと、あたしが口を開いたその瞬間、

ぐおおおおおおおううう・・・・!

あたしたちを取り囲んでた連中が、いきなり合体・巨大化して立ちはだかった。
しかも、奴が現れたのはあたしたちの真後ろ。さっきガイリアが指差した場所とは、まるで反対の方になる!
な、何なのよこれはっ!?なんつー非常識な展開してくれんのよっ!!
「・・・ちっ!」
再び剣を携えて、ガイリアがそいつに向かって疾る。
振り下ろした“光の剣”が、奴の身体を分断した!
・・・と思いきや、

「・・・嘘っ!?」

刃は奴を傷付けることなく、ガイリアごと向こう側へとすり抜けてしまった。
幻影か!?
「・・・くっ!」
逆に奴が放った魔力光の雨を、ガイリアはなんとか全て捌いて、あたしの所まで戻って来る。
そして、
「これ(光の剣)も通じないとなると、かなり厄介な相手ね。」
えらく弱気なことを言う。
だけど、
「・・・ガイリア。ちょっと耳貸して。」
あたしは彼女を引き寄せると、自分の考えを簡潔に伝えた。

そして。
ガイリアは再び疾った。
光の剣を携えて、奴の真っ正面へと。
「でええええええいっっ!」
降り注ぐ魔力の矢の雨を、人間離れした動きで総てかわす。
そして。
あたしの方をちらりと見ると、おもむろに方向転換した!
おっし!タイミングぴったり!

「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!」

あたしのぶっ放った術の力が、ガイリアの剣に収束する。
そして。
光の刃が赤く染まった瞬間、ガイリアは大きく気を吐いた!

「はああああああっっ!」

彼女の剣が斬り裂いたのは、七色に輝くこの空間そのもの−さっき彼女が怪しいといった、あの場所に他ならなかった。
そして。
巨大化したあの人影も、この空間そのものも、この一撃で砕け散った。
・・・あたしの、予想したとおりに。

「ねえ、リナ。これって、どーいうこと?」
崩壊が止んだ頃になって、ガイリアが不思議そーな顔して尋ねてきた。
あ。やっぱ分かってなかったか。
「簡単なことよ。あいつは、あの空間が生み出した幻だった。
だから、あの空間そのものがなくなれば、あいつも勝手に消えちゃうわ。それだけのこと。」
「・・・それだけって・・・。」
「あの結界には、雑魚はいてもその大将がいなかった。だからあたしは、こう考えたのよ。あの結界は、あたしたちを消耗させるためのものじゃないかってね。
で、あたしたちの動きが鈍った時に、一気にカタをつけようと狙って来る・・・だったら、そうなる前に脱出するのがベターだって、そう考えたのよ。
もっとも、あんたがあの場所・・・結界の歪みを見つけてくれたから、何とかなったんだけどね。」
「・・・・・・・。」
「1%でも勝率があるなら、それに賭けてみるのは当然のこと。違う?」
あたしがきっぱり言い切ると、ガイリアはまた苦笑いして、
「本当に、あなたは平気で無茶するわね。・・・リーニスもそうだけど。」
「まあね。」
あたしも同じように笑い返した。

と、その時、
「・・・リナ!」
聞き慣れた声が、今頃になって飛んで来る。
見ると、全身傷だらけのガウリイが、抜き身の剣をぶら下げ立っていた。
「ガイリア!てめー、今まで何処行ってたんだ!」
その隣には、リーニスの姿もあった。
えらく憮然としているが、編まれた髪のところどころが、わずかに銀に染まっている。
二人とも何も言わないが、なかなか苦戦した様子が伺える。
しかし、ガウリイの剣の切っ先が、まだわずかに赤く染まってる。ということは、こいつらも同じ手で結界抜けたのだろーか?
・・ま、いーけどね。
「大丈夫か、リナ?」
あたしの息が荒いのを見て、ガウリイがえらく心配そうな顔をする。
けど、今はンな事言ってる場合じゃない。
「気にしないで。大した事ないから。」
「気にするなって、お前・・・。」
「それより、あいつを何とかしないとなんねーしな。」
あたしの返事を代弁するように、リーニスが横から口を挟む。

そう。
あたしたちの目の前には、一つの影−ゼロスが追って来たという、あの魔族の姿があった。

「あの結界を破るとは、さすがだねえ。」

あたしたちが再び構えるのを見て、奴はにやりと笑みを浮かべた。
・・・こっちを馬鹿にしきったような、憎ったらしい眼差しで。

::::::::::::::::::::::::::::

終わりは見えてるんですけどねー。
そこに行き着くまでが、まだまだ遠いような気がしないでもない・・・ふう。
まだ続きます。

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481「Traffics・その18」中田 珂南 E-mail 11/12-16:21
記事番号480へのコメント
前回のタイトルで、“Re:”という表示消すの忘れてました(殴)
・・・何やってるかなあ、私。

::::::::::::::::::::::

「Traffics・その18」

「さすがはリナ=インバース、というところかねえ。
でも、もうそろそろ限界じゃないかい?ずいぶん息が上がってるよ?」

あたしたちに侮蔑の目を向けて、あの魔族・・・ルージットだっけ?は嫌な笑みを浮かべる。
くーっ、本気で腹の立つ!
「でも、これで4:1になったぜ。もう、てめーに勝ち目はないんじゃないのか?」
あたしの考えを代弁するように、リーニスが言い放つ。
だけど、ところどころ銀に染まった髪が、彼の疲労を如実に表してる。
・・・そう。あたしたちは、確実に消耗させられていた。
あたしもガイリアも息が上がって、動きが少々鈍くなってるし。
一見元気そうなガウリイだって、全身に傷を負っている。
全員揃っているとはいえ、戦力は万全とは到底いえない。
それを見越してか、
「その強がりが、一体いつまでもつんだろうね?」
奴がそう言って手を高く上げると、今度は大小様々なレッサーデーモンが、団体となって襲い掛かった!

「ちっ!」

ガウリイが再度剣を構え、レッサーデーモンを次々薙ぎ斬る。
彼の剣の気迫に圧され、あっという間に数体まとめて吹っ飛んだ。
うーん、さすがだわ。見慣れてるけど。

「でええいっっ!」

何とか呼吸を整えて、ガイリアが再び疾風と化す。
その速さについていききれずに、レッサーデーモンは続々とぶっ倒された。

「青魔烈弾破(ブラム・ブレイザー)!」

そんな彼女を、援護するように。
剣振り回しながらリーニスが、次々を攻撃呪文を放つ。
しかし、器用だわ、こいつ。
こんなに激しく動き回りながら、増幅呪文まで途切れず唱えるんだから。
・・・あたしも、ちょっと見習わないと。

そーいうあたしも、ただ呑気に観戦してた訳じゃない。

「烈閃砲(エルメキア・フレイム)!」

近距離の敵はガウリイに任せて、あたしは主に離れた奴を狙った。
今度はさっきとは違い、呪文の詠唱も途切れさせられたりしない。
だから、

「覇王氷河弾(ダイナスト・ブレス)!」

こんな大技ぶっ放して、まとめて片付けることだって出来る!

と、その時、
「いやあ、皆さん、なかなか頑張っておられますねえ。」
およそこの場にそぐわないよーな、とことん呑気な台詞吐いて現れたのは、あのスットコ獣神官だった。
「ちょっとゼロス。あんたねえ、こんな時に何しにきたのよ。」
「何しにって、決まってるじゃないですか。お手伝いしに来たんですよ。」
「嘘ばっかり。」
「嘘じゃないですって。信じて頂けませんか?」
「全然信じない。」
「・・・そんなあ・・・。」
あたしがはっきりきっぱり言い切ってやると、ゼロスは何故か地面に座り込み、いじいじいじと拗ね始めた。
ええ、やめんかいっ!今は取り込み中だってのに!!
「・・・なんて冗談は、さておきまして・・・。」
いきなりシリアスな顔に戻って、ゼロスはすっと立ち上がる。
・・・たく、どこまでもふざけた奴である。いつものことだけど。
そして、おもむろに杖をかざすと、

ぴしっっ!
「はうっっ。」

ずっと高見の見物決め込んでた、ルージットを“力”で拘束した。
そして、
「いい加減、おいたが過ぎますよ、ルージットさん。」
にこにこ顔を微塵も崩すことなく、侮蔑に満ちた言葉を向けた。
「僕も、手荒な真似は好まないんですけどねえ。獣王様に、あなた方たちの討伐を命じられてますから。
もし恨むなら・・・魔竜王(ガーヴ)に忠誠を誓った、自分自身にして下さいね。」
!?
いきなり聞かされた意外な名前に、あたしは愕然となる。
が、ゼロスは涼しい顔をして、
「僕は嘘を言った覚えはありませんよ、リナさん。
あの方が獣王様の鏡を盗んだのも本当ですし、この世界が生み出された原因も本当なんですから。」
「・・・でも、あいつが魔竜王の残党ってことは、全然聞いてなかったわよ。」
「そりゃあそうでしょう。僕も、全然言ってませんから。」
とことんふざけまくった事を、いけしゃあしゃあと言い放つ。
これまたいつもの事とはいえ、本っ当に腹が立つ!!
「あんたねえ、どこまで人をダシにすれば気が済むのよ!いー加減にしなさいよっ!」
「いーじゃないですか、リナさん。僕とあなたの仲なんですから。」
「どんな仲じゃあっっ!!」
あたしが怒鳴りつけたって、ゼロスは平気な顔をしてる。
ちくしょー、後でアメリア直伝の“生命の讃歌”、耳元で思いっ切り熱唱しちゃるっ!
ってな事を、あたしが本気で考えてると、

「・・・なめるんじゃないよ、獣神官ゼロス!」

奴は大きく気を吐いて、ゼロスの呪縛をぶっちぎった!
「なっ・・・!」
さすがのゼロスも、これには本当に驚いた。そして、

「あたしだけでなく、魔竜王様まで侮辱したことを・・・その身をもって、償うがいい!」
「!?」

次の瞬間、魔力の拘束を受けていたのは・・・ゼロスの方だった。

:::::::::::::::::::::::::::

長くなったんで、一旦切ります。


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482「Traffics・その19」中田 珂南 E-mail 11/12-16:54
記事番号481へのコメント
続きです。

:::::::::::::::::::::::

「Traffics・その19」

『なっ・・・!?』

あたしたち4人は、当のゼロスまでもが、愕然となった。
ゼロス程の高位魔族が、こんなに簡単に・・・しかも、こんな低俗な輩に封じられるなんて、誰が予想しただろう。
「こ、こんな、馬鹿なっ・・・!」
「くっくっくっ。いい様だよ、獣神官。」
何とか呪縛を解こうとするゼロスを、ルージットは嘲笑する。
そして、
「忘れたかい?今の私は、獣王の魔力も手に入れているのだよ。あの鏡のお陰でね。
もっとも、そこの二人にも力を奪われてるから、ほんの少しでしかないけれど。」
「そういえば、そうでしたねえ。・・・僕としたことが、すっかり忘れていましたよ。」
苦しそうに笑いながら、ゼロスもそう言い返す。
それを見て、
「なあ、リナ。どーいうことなんだ?」
鋭い眼差しを連中に向けたままで、ガウリイがあたしに尋ねた。
すると、
「このゼロスは、獣王ゼラス=メタリオムが生み出せし者。
だから、生みの親であり主でもある獣王の魔力には、どうしても逆らえないのさ。
・・・それが例え、他人が行使した力であろうと。」
あたしの言葉を奪うように、ルージットが笑いながら答える。

・・・って、あれ?

「じゃああんたは、他の魔族の力を使ったりして、ダメージを受けることはないの?何か、おかしいじゃない。」
ふと思った素朴な疑問を、あたしは奴にぶつけてみる。
「冥王がいつか言ってたわ。“他の魔族の力を行使することは、己の存在を否定するに等しい”って。
なら・・・あんたはどーして、獣王の力を使えるのよ?」
「確かに・・・ただ魔力を吸収するだけじゃ、あたしも相当のダメージを受ける。
けれど、“鏡”という媒体があるからね。そんな事にはならないのさ!」
何がおかしーんだか知らないが、えらく上機嫌な笑みで奴は言う。
・・・他人の力をかさに着て、何偉そうな顔してるんだか。

と、その時。
あたしは、あることに気がついた。

「さて、お喋りはここまでにしておこう。
リナ=インバース、あんたが奪っていったその力、そろそろ返して貰おうか!」

なおも楽しそうに笑いながら、奴は高く手をかざす。
・・・あたしが、“その事”に気づいたとも知らずに。
そして。

「あんたの奪った力を取り返して、総ての魔族を跪かせる!それが・・・同じ魔にまで裏切られ、滅ぼされた魔竜王様の無念を晴らす、最良の手なのだよ!!」

何だか無理難題で支離滅裂なことを、全く恥ずかしげもなくほざいて、魔力の刃を雨のように降らせた!

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何だか、取ってつけたよーな設定が出てきちゃった(滝汗)
ほ、本当にまとまるんかこの話!?書いてる本人が不安になってます。
・・・・ここで逃げたら・・・怒りますう?(殴蹴)

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494「Traffics・その20」中田 珂南 E-mail 11/14-15:42
記事番号482へのコメント
逃げたくなってる衝動を抑えつつ、続きです。

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「Traffics・その20」

ずざざざざざっっ!

降り注ぐ魔力光の雨と共に−あたしの視界を、赤い何かが占領した。
と同時に、一瞬身体にのしかかる重み。
「・・・・・・・!?」
そして次の瞬間、あたしは言葉を失った。

一瞬逃げ遅れたあたしをかばって、ガウリイが奴の攻撃を受けたのだ。

「・・・大丈夫か?」
あたしを気遣う、優しいけど掠れた声。
腕や脚に拡がる赤い染み。
急所を外しているのが幸いではあるけれど、ダメージは決して軽くはない。
しかも、それまでにも負傷してたんだし・・・かなりやばくないかこれって!?
「リナ、動けるか?」
あたしにもたれかかってた身体を、何とか起き上がらせてガウリイは聞いた。
顔は笑ってはいるけれど、苦しいのが荒い息遣いで分かる。
・・・ばか。本当に苦しいのは、動くのが辛いのはあんたでしょうが。

あたしは急いで回復呪文を唱えようとしたが、敵さんがそれを見逃すはずがない。
「くっくっくっ。もう動けないのかい?・・・ならば!」
右手にもう一度魔力を溜めると、あたしたちにそいつを放った!

ばちばちばちばちっ!

逃げられずにいたあたしたちの頭上で、激しく魔力の火花が飛び散った。
・・・とっさに間に割って入った、ガイリアの光の剣に吸収・四散させられて。
ルージットの魔力弾は、一発も当たることなく総て消滅した。

「くっ・・・・・!」

心底悔しそうな顔をして、ルージットは懲りずにまた両手を高く掲げる。
が、

「黒狼刃(ダーク・クロウ)!」

リーニスの「力ある言葉」で生まれた闇が、光とぶつかり互いに消えた。
激しい衝撃に一瞬圧され、ルージットの動きが一瞬止まる。
その隙に、あたしたちを護るように構えてたガイリアが、ちらりとこちらを振り向いた。
「こっちは引き受けるから、あなたは・・・。」
「・・・判ってる。」
あたしは大きく頷くと、急いでガウリイに治癒(リカバリイ)をかける。

その間も、ガイリアはその場に足を止めたままで、時折飛んでくる攻撃や流れ弾を、光の剣で退ける。
そして、奴がちょっとでも変な動きを見せると、リーニスの攻撃呪文が炸裂する。
・・・しかし、たいていあたしたちの攻撃受けてるはずなのに、こいつ、なかなかしぶとい。
今もゼロスを封じたままで、リーニスとガイリア、二人同時に相手し続けてる。
あたしも早く加わりたいが、・・・今はガウリイの回復が先。
焦る気持ちを何とか抑えて、あたしはひたすら治癒(リカバリイ)を唱える。
・・・しかし、これだけ傷の個所が多いと、この呪文では時間がかかり過ぎる。
こんなことなら、「復活(リザレクション)」覚えとけば良かった・・・。

そんな時に、
「・・・借りが出来ちまったな。」
あたしの治療を受けながら、ガウリイが苦笑いして小さく呟いた。
するとガイリアは、
「気が向いた時に返してくれれば、それでいいわ。」
こちらに背中を向けたまま、軽い口調でそう答えた。

「覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)!」

その間も、リーニスの呪文の嵐は続く。
しかし奴はそれらの攻撃をことごとくかわし、逆に次々と魔力の矢を放つ。
そして、手に力を溜めて刃と成すと、急に彼との間合いを詰めた!

がぎゅいいいんっっ!

刃が届く寸でのところで、リーニスの剣が辛うじて止めた。
がっちりと刃を組み合わせたまま、二人はしばし睨み合う。

「なかなかやるな。さすが、リナ=インバースの分身だけのことはある。」
「・・・関係ない。元がどうあれ、俺は俺だ。他の誰でもないからな!」

笑うルージットを何とか退けると、リーニスは再び間合いを開けた。
しかし、ぱらぱらとほどけた栗色の髪が、さらに銀に染まりつつある。
荒く吐いた息といい、ところどころ受けた傷といい、限界に近いのは明らかだった。
いや、リーニスだけじゃない。
ここで剣を構えるガイリアだって、かなり疲労の色が見えるし。
ガウリイに至っては、こんなに負傷してあたしの回復呪文を受けてる。
かく言うあたしも、正直かなりこたえてる。身体がまるで鉛のように重いし、息がかなり上がってて、油断すると呪文の詠唱すら途切れる。

・・・くっそー、たかが下っ端魔族相手に、こんなに苦戦するなんてっ!

「なかなかやってくれますよねえ。まったく・・・困ったもんですねえ。」
一体何時の間に“呪縛”から抜け出てきたか、ゼロスが隣で苦笑いしてボヤく。
それに付き合うかのように、
「お前さんが捕まっちまうとは、あいつ、なかなか強力なんだな。」
ガウリイも苦しい息の下から、同じように苦笑いして言葉を返す。
するとこのスットコ神官は、
「いえ、別に・・・あの方が強力なんじゃありません。僕が弱体化してしまってるんです。」
後ろ頭なんぞかきながら、えらく情けないことをのたまった。

・・・・・・・・・・は?
あたしは思わず、目が点になった。

このおとぼけ獣神官、見てくれこそとことん呑気だが−実際はかなりの力を持ってる。
1000年前の降魔戦争の折には、一人で竜族の大軍を殲滅させかけたし、どこぞの高位魔族の言葉を借りれば、「“赤眼の魔王(ルビーアイ)”の5人の腹心を除いては、他に並ぶ者のない実力の持ち主」なのだ。全然そう見えないけど。
それほどの奴が、弱体化するなんて・・・何で?

「いえね、ここはもともと獣王様の鏡が生んだ場所。つまり、実体を伴わない世界ですから。」
あたしの疑問を見透かしてか、ゼロスがいきなり説明を始めた。
「この世界は、もともと虚像の中だけの存在なんです。
ですから、僕たち魔族の支えとなるべき精神世界(アストラル・サイド)からは、完全に切り離されてしまった場所ともいえるんです。
そんな場所に、魔族の僕が居続けるには・・・それだけで、かなりの力を消費してしまうんです。
相当の魔力を費やして、初めて存在できる・・・と言った方が、分かりやすいかも
知れませんけど。」
「でもルージットは、全っ然平気みたいよ。さっきからぽんぽん術使ってるし。」
あたしが思わず詠唱を止めて、ツッコミを入れると、
「あの方は、鏡の魔力の庇護がありますからねえ。でないと、とっくに消滅しておられますよ。」
情けない笑みを浮かべたままで、そう答える。

・・・が、あたしは聞き逃さなかった。

「あの鏡が、厄介なんですよねえ・・・。」

ユーウツそうなため息に交じって、ゼロスがぽつりと呟いた一言を。

::::::::::::::::::::::::::::

そろそろ決着の着け時ですかね?
続きます。

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496Re:「Traffics・その20」ティーゲル 11/14-16:14
記事番号494へのコメント
 どうも、ティーゲルというものです。はじめまして。書こう書こうとおもって今日に
いたりました。
 実はリーニスとガイリアがどうなるのか?というのがリナとガウリィの行方より
気になるとゆー・・・・・では次を楽しみにしております。(逃げちゃダメです(笑))
では。

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499ありがとうございますです。中田 珂南 E-mail 11/14-17:26
記事番号496へのコメント
ご感想頂き、本当にありがとうございます。

・・・やっぱ、逃げちゃだめですか?
とことん長くなっちゃったもんで、本人何だかへろへろなんですけど・・・(苦笑)
(ずっと同人で書き続けてた(約2年)某ゲームでは、こんな長い話書いたことないのに・爆)

でも、本当にあともうちょっとです。
死にかけてる身体に鞭打って(笑)ラストスパートかけていきます!
もう暫くお付き合い頂けましたら幸いです。

しかし・・・前半の軽いタッチは、一体何処に行ったんでしょう(涙)

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498「Traffics・その21」中田 珂南 E-mail 11/14-17:18
記事番号494へのコメント
最初のギャグな雰囲気は、一体何処に行ってしまったんだーっっ(号泣)
・・・なんて叫んでる場合じゃない。さっさと決着つけましょう。続きです。

::::::::::::::::::::::::::::

「Traffics・その21」

「あの鏡が、厄介なんですよねえ・・・。」

ゼロスがぼやいた一言に、あたしはさっきの“推測”を“確信”に変えた。
・・・その根拠なんて、他に何もないんだけど。

「・・・リナ、魔法はもういい。」
ずっと治癒(リカバリイ)を受けてたガウリイが、そう言ってあたしの詠唱を止めた。
「まだ全部は治ってないわよ。」
「ああ。だけど・・・これだけ身体が動かせたら、何とかなるだろう。
それに、そう悠長なこと言ってられそうにないしな。」
あたしが心配して言ったってのに、ガウリイはそれに構わず向こうを見やる。
・・・その蒼い瞳に、えらく厳しい色を重ねて。

そう、戦況はガウリイの言う通りだった。

「黒妖陣(ブラスト・アッシュ)!」

ばしゅっ!!

リーニスの攻撃呪文が炸裂し、ガイリアの剣が舞うように疾る。
しかし、消えていくのはルージットの幻影ばかりで、本体は傷一つなくピンピンしてる。
しっかし、・・・こいつ、こんな“影”創って攻撃するのが趣味なんだろうか?
さっきの結界の中でも、そんな攻撃ばっかだったっけ。

「ほらほら、私はこっちだよ?」
「うるせえっ!」

怒鳴りかえすリーニスの剣が、また一つ幻影を消し去る。
が、その髪はさらに銀に染まり、息遣いはかなり荒い。
彼と共に剣を振るうガイリアも、身体のあちこちに傷を負い、動きも多少鈍くなりつつある。

・・・これは、まぢでやばいって・・・。

「一発大きいのいくから、援護お願い。」
視線は正面に向けたままで、あたしはガウリイにそう言った。
「大きいのって、竜破斬(ドラグ・スレイブ)か?いくら何でも、この状況じゃあ・・・」
「あのねえ。こんな時にンなもん使ったら、あの二人も巻き込むでしょーが。
いくら何でも、そんな無茶苦茶しないわよ。」
「お前が無茶しなかったことって・・・あ、いや、何でもない。何かいい手があんのか?」
怒気を含んだあたしの眼に気付いたか、ガウリイは慌てて話を戻す。
・・・ちっ、いつもながら勘のいい奴。
って、ンなことやってる場合じゃないか。
「今のあたしの状態だったら、威力もいつもの半分くらいかも知れない。けど・・・試してみる価値はあると思う。」
「おいおい、やっぱ無茶じゃねーか。」
「でも、他に手はないのよ。」
心配そうに見つめるガウリイに、あたしは軽くウインクして見せて、
「確かに危ないかもしんないけど、あんたは何がどうなったって、あたしを護ってくれるでしょ?当てにしてんのよ、これでも。」
「・・・しょーがねえなあ。」

ぽんっ。

あたしの頭に軽く手を置いて、ガウリイは苦笑いした。
そして、

「じゃあ、思う通りにやってみろ。・・・俺が、絶対護ってやるから。」

再び光の剣を抜くと、奴の元へと駆け出した。
・・・その背中が、何だかいつも以上に頼もしく見える。

“あんたは何がどうあったって、あたしを護ってくれるでしょ?”
・・・さっき自分で言った言葉に、あたしは思わず照れ笑いした。
こんな非常時に、不謹慎だとわかってるけど。
「いつでもあんたが護ってくれてるから、あたしはどんな無茶でも出来るのよ。」
届かないと分かってて、あたしはそう言葉を付け足す。

−いつの間にか、あたしの隣を占めていた奴。
そして。
いつの間にか、あたしの心まで占めるようになった奴。

くらげだけど。
知識も常識も記憶力も、信じらんないくらい足りないけど。
そのルックスと剣の腕前の他は、なーんにも取り柄のない奴だけど。
・・・ただ傍にいてくれるだけで、あたしは何故か心強くなる。

「・・・そろそろ、決着つけさせてもらうわよ。」
乱れた呼吸をようやく整え、あたしは意識を集中させる。
そして、未だ哄笑し続ける敵を見据え−「混沌の言葉(カオス・ワーズ)」を唱え始めた。

::::::::::::::::::::::

まだ“引く”のか、私(滝汗)
本当に長くなっちゃってすみませんです。もうとっくに、終わりは見えているんですけどねえ・・・(思わずため息)

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501「Traffics・その22」中田 珂南 E-mail 11/14-18:58
記事番号498へのコメント
・・・もう何も言いません。黙って続きいきます。←疲れてきてるらしい。

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「Traffics・その22」

−四界の闇を統べる王 汝の欠片(かけら)の縁(えにし)に従い
汝等全ての魔力(ちから)もて 我にさらなる魔力(ちから)を与えん

あたしの「混沌の言葉(カオス・ワーズ)」に呼応して、4つの呪符(タリスマン)が淡い光を放つ。
ふと見ると、さっきまで攻撃呪文の乱打してたリーニスも、同じよーに呪文唱えてた。
加勢したガウリイに一旦場を譲って、一気にカタをつけるつもりらしい。
しかも、・・・あたしが唱えてる呪文と、全く同じやつ唱えてる。
あたしが思わず苦笑すると、リーニスもこっちを見て不敵に笑った。

・・・いくか。

交わす眼差しが、そう言ってる。
あたしは一拍間を置くと、彼の詠唱に声を重ねた。

−悪夢の王の欠片(ひとかけ)よ
世界の戒め 解き放たれし 凍れる黒き虚無(うつろ)の刃よ

「どおりゃああああっ!」
「でええいいいっ!」

その間にも、二つの白光が虚空を疾る。
長い金髪をなびかせて、向かう者を次々と屠りながら。
・・・その動きは、確かに少々鈍ってたけど。
それぞれの蒼い瞳には、さらに力強い輝きが在った。

−我が力 我が身となりて 共に滅びの道を歩まん

「この私は、魔竜王様の意志を継ぐ者!この魔力を足がかりに、魔族の頂点に立って見せる!」

狂った哄笑を上げながら、ルージットはなおも魔力の矢を放つ。
己の口にしている事が、無茶なことだと気付きもしないで。
・・・きっと、勘違いしているのだろう。
“鏡”が及ぼしてる影響力が、自分自身の実力だとでも。

-神々の 魂すらも 打ち砕き −

「死ね、リナ=インバース!」

「力ある言葉」の完成直前。
幻影ではない本物のルージットが、急にあたしの目の前に迫った。
・・・まずい、まだ呪文は完全じゃない!

「リナ!」

気付いたガウリイが駆け寄ろうとするが、わらわらと増える“影”に阻まれ、近寄ることもままならない。

「魔竜王様の無念、身をもって知るがいい!」

瞳に狂った歓喜の色を浮かべ、ルージットの刃が振り下ろされる!
・・・と、その時、

ずざっっ!

「・・・いつまでも、僕をなめないで下さいね。」

割って入ったゼロスの杖が、ルージットの肩を深々と貫く。
そのダメージはやはり大きかったか、奴は穴の開いた肩を押さえると、慌てて大きく間合いを取った。
・・・でもこいつ、今まで何をしてたんだ?
「僕だって、この世界ではそうそう自由には動けないんですよ。さっきご説明したでしょう?」
あたしの素朴な疑問を見抜いてか、ゼロスが言い訳がましくとほほ笑いする。
が、そんな事はこの際どーだっていい。
この機にあたしとリーニスは、「力ある言葉」を完成させた!

『神滅斬(ラグナ・ブレード)!』

あたしとリーニス、二つの声が、絶妙にハモりながら虚空に響く。

・・・刹那。

刃と化した二つの虚無が、まるで十字を刻むように、縦と横から奴を薙いだ。

::::::::::::::::::::::::::::::

やーっと敵さんが倒れました(嬉)
・・・ここまで来るのが、本当に長かったですねえ・・・(涙)
でも、まだ話は続きます。

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502「Traffics・その23」中田 珂南 E-mail 11/14-19:38
記事番号501へのコメント
「Traffics・その23」

「ぎゃあああああっ・・・・・!」

−ぱりいいんっっ・・・・・!

奴の断末魔の叫びと共に、何かが割れる音がした。
・・・ああ、やっぱり。
大きく響き渡るその音に、あたしはさっきの“推測”の正しさを知った。

奴がやたら強かったのも。
攻撃呪文も、光の剣を受けても平気だったのも。
ついでに、ゼロスがへろへろで全然役立たずだったのも。
・・・あいつが隠し持ってたあの“鏡”が、全ての力の源だったのだ。

だから。
あたしは、“鏡”を断ち割った。
如何なる者より強大な、“金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)”の力をもって。
・・・力の源である“鏡”さえ割れば、奴はこの世界に存在する事すら出来ない。

・・・だけど。
あたしは今頃になって、重大なことに気が付いた。

「リーニス!?ガイリア!?」
壊れ続ける世界の中で、あたしは声を張り上げた。
足元が揺らぐ。
視界も歪む。
ともすれば気を失いそうになる混乱の中で、あたしは懸命に二人の名を呼んだ。
「・・・リナ!」
一瞬倒れかけたあたしの身体を、寸でのところでガウリイが受け止める。
抱きしめる彼の腕にしがみつきながら、あたしはなおも二人を捜した。

−そして、見た。
髪を全部銀色に染めながら、なおも笑ってるリーニスの姿を。
満身創痍でありながら。やっぱり穏やかに笑ってるガイリアを。
・・・まるで砕けたガラスのように、崩壊し続ける世界の中で。
二人はそっと寄り添って、あたしたち二人をじっと見てた。

「私たちは、滅びる訳じゃない。」

優しい瞳のオーシャンブルーが、そう言った。

「ただ・・・お前たちの世界との接点が、なくなっちまうだけのことだ。」

強気な瞳の赤い輝きが、その後に続いた。

そうよね。
あたしたちの世界から見れば、彼らの世界は“鏡の中”かも知れないけど。
リーニスも、ガイリアも、確かにそこに“存在”してるもの。
・・・これで会えなくなってしまうのは、寂しいけど。

「お前さんたちも、元気でな。」

壊れてく世界を見つめながら、ガウリイが言った。
だけど。
彼らが最後に返してきた言葉は、崩壊の音に呑み込まれ、あたしたちには届かなかった。

けど。
彼らが何といったのか、聞こえなくても分かってる。
彼は“もう一人のあたし”なんだし、彼女は“もう一人のガウリイ”なんだから。

『お幸せに。』

彼らが、多分最後に口にした言葉。
あたしたちが、彼らに言いたかった言葉。
・・・そして。
あたしたちが、自分自身に言うべき言葉。

迷うのは、やめよう。
誤魔化すのも、やめよう。

鏡が“真実”を映すように。
あたしたちはあの世界で、自分の気持ちを思い知らされたんだから。

−ありがとう。

−さよなら。

もう消えてしまった“もう一人の自分”にそう告げると、あたしの意識は暗転した・・・。

:::::::::::::::::::::::::::::

“エピローグ”に続きます。

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503「Traffics・その24(エピローグ)」中田 珂南 E-mail 11/14-20:02
記事番号502へのコメント
やっとここまでこぎつけました。
では、最後の駄文、行きます!

:::::::::::::::::::::::

「Traffics・その24(epilogue)」

−気がつくと、あたしたちは「座って」いた。
・・・「穴」に落ちる前に歩いてた、あの街道のど真ん中に。

「なあ、リナ。俺たち、どーなってたんだ?」
あたしの隣に座り込んだガウリイが、心底不思議そーに尋ねた。
・・・まあ、分かってはいたけどね。
あたしは事情説明なんて無駄な努力は止めて、その場にそっと立ち上がった。

と、その時、
「リナさあああんっ!ひどいですよおおっ!」
派手に割れた姿見を抱えて、泣きながらゼロスが現れた。
「これを無傷で持って帰ることが、獣王様のご命令だったんですよおおっ!」
「だかましいっ!あんたら魔族の都合なんぞ、このあたしには関係ないっ!」
あたしがきっぱりそう言ってやると、ゼロスはシイタケの断面図のような目をして(器用な奴)、
「獣王様のおしおきは、本当に本当に恐いんですよおおっ!」
鏡の破片を後生大事にしまいながら(何処に入れるところがあるんだ?)さらに恨みつらみを言う。
だーっ!うっとおしいっ!!
・・・こうなったら。

「・・・人生って素晴らしい(ボソリ)。」

ひききききっ!

あたしが優しく囁いた一言に、ゼロスはもろに顔を青くする。
それがよっぽど可笑しかったのか、横でガウリイが大笑いした。

「おいおい、リナ。あんまりいじめてやるなよ。」
「いーのよ。どーせゼロスなんだし。」
「・・・しくしくしくしく・・・。」

そうしてゼロスはしばし泣いていたが、やがてすっくと立ち上がって、

「じゃあ、僕はこれで失礼します。・・・では、またいつか。」

さっきの泣き顔はどこにいったのか、いつものとぼけた笑い顔に戻ると、何処へともなく姿を消した。

・・・悪いけど、あたしは再会は遠慮したい。
あんたに会うと、決まってろくなことがないし。

「・・・さて、そろそろ行こうぜ、リナ。」
いつものように優しく笑って、ガウリイが言い出した。
「行くって、何処へ?」
「知らん。決めるのは、お前だろ?」
−以下略(笑)
いつものようにボケツッコミを交わし、あたしたちはまた歩き始める。

だけど。
多分あたしたちの中で、『何か』が変わってる筈。
それが一体何なのか、これからどーなっちゃうのか分からないけど。

と、その時。

「・・・・・?」

一個だけ残ってた鏡の破片に、人影がよぎったような気がした。

「・・・どうした?」
「ううん、何でもない。」

問うガウリイにそう答えると、あたしは歩く速度を速めた。

−Fin−

:::::::::::::::::::::

ここまで長い駄文にお付き合いいただき、有難うございました。
とりあえず本日はこれで失礼します。
機会がありましたら、また、いつか。





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515Re:「Traffics・その24(エピローグ)」ティーゲル 11/15-15:35
記事番号503へのコメント
 どーも、ティーゲルです。前回は余計なプレッシャーかけたみたいで申し訳あり
ませんでした。
 ついに終わりましたね〜リーニス、ガイリアも彼らの世界でTRYやってるんで
しょう。・・・・ってことはフィリアが男でヴァルガーヴが女?・・・・・・・
 それはともかく、戦闘シーンがいい感じでした♪ほかにもリナとガイリアとかリナ
とリーニスとか・・・ゼロスのみょーなへなちょこぶりもナイス♪(どーも自分ゼ
ロスってかませ犬の印象強くて・・・・)でもやられながらもしっかり決めるとこ
ろは決めてるのがゼロスだとも思ってますが。短いですが、では。

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545全部読ませていただきました!Milk E-mail URL11/17-00:10
記事番号515へのコメント
こんにちは、中田様。Milkです!

先日は、いろいろとありあがとうございました。後程、メール送りますね。

では、では、本文!
Traffiction 全部読ませていただきましたっ♪
まず最初に一言、本当に、今までご苦労様です。

ずっと最初から追いかけて読んでたのに、今まで全然感想とか
書かないやつで面目ないです。

リナちゃん・・・ガイリアからだけれど、ガウリイの気持ちが
ちゃんと解って良かったね。
きっと、リーニスの方も、答えを手に入れられたのね。と、思う
とさらに嬉しくなりました。

それに、指摘されて改めてはじめから読み返してみたら、ちゃんと
リーニスとリナ、ガウリイとガイリアもちゃんと戦い方とか、体力とか
が微妙に異なっていてびっくし! う〜ん、けっこう深い!
最後まで、ずっと楽しませていただきました!
ありがとうございます。
では、では。

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561・・・本当にいいんですか?中田 珂南 E-mail 11/19-12:30
記事番号545へのコメント
> 先日は、いろいろとありがとうございました。後程、メール送りますね。

某MLでお世話になっております。
・・・まさか連載終了の翌日に、直接ご感想頂くとは思ってもみませんでした(苦笑)

> では、では、本文!
> Traffiction 全部読ませていただきましたっ♪
> まず最初に一言、本当に、今までご苦労様です。

・・・何回逃げようと思ったことか・・・(苦笑)
私、今までこんな長いお話書いたことなかったんですよね(汗)短編専門だったんで。

> リナちゃん・・・ガイリアからだけれど、ガウリイの気持ちが
>ちゃんと解って良かったね。
> きっと、リーニスの方も、答えを手に入れられたのね。と、思う
>とさらに嬉しくなりました。

“リナの一人称”だったんで、お話の中には書かれていませんが・・・(最後の戦いでの)リーニス×ガウリイ組も、ガイリア×リナと同じような会話があった、というつもりで書いていました。
あと、実はガウリイ×ガイリアの(リーニス×リナに対応するような)シリアスな会話もあったんです。“リナが見ていない”から書かれてなかっただけで。

> それに、指摘されて改めてはじめから読み返してみたら、ちゃんと
>リーニスとリナ、ガウリイとガイリアもちゃんと戦い方とか、体力とか
>が微妙に異なっていてびっくし! う〜ん、けっこう深い!

・・・指摘しないとわかんないよーな設定でごめんなさい。
これもひとえに、私の文才の無さが悪いんです。大反省。

ところで、こんなとこに書くのも何ですが(汗)この駄文、本当にそちらのHPに里子に出してもよろしいんですか?
・・・後で後悔しても、責任とれませんよ(苦笑)

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603嫌って言っても、も〜遅いですよん♪Milk E-mail URL11/21-14:43
記事番号561へのコメント
中田さん、こんにちは♪ 最近ず〜ず〜しさに磨きがかかった
Milkです。

>某MLでお世話になっております。
>・・・まさか連載終了の翌日に、直接ご感想頂くとは思ってもみませんでした(苦笑)
お世話になってるのも、お世話かけてるもの絶対に私の方かも・・・
あう、皆様ごめんなさいぃぃぃぃ!

>・・・何回逃げようと思ったことか・・・(苦笑)
>私、今までこんな長いお話書いたことなかったんですよね(汗)短編専門だったんで。
いえいえ、書いてくださってありがとう!
連載1回目からおっかけやらしていただきました!

>・・・指摘しないとわかんないよーな設定でごめんなさい。
>これもひとえに、私の文才の無さが悪いんです。大反省。
これも読み返す楽しみの一つ! こくこくやりながら、読ませて
いただきました!

>ところで、こんなとこに書くのも何ですが(汗)この駄文、本当にそちらのHPに里子に出してもよろしいんですか?
>・・・後で後悔しても、責任とれませんよ(苦笑)
ふふふ、後悔なんてこれっぽっちもいたしませんわ!
壁紙選びつつ、いつ頃のせようかなぁ? と、にこにこしています。
ううう、ありがとうございますぅ。

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560ありがとうございました。中田 珂南 E-mail 11/19-12:20
記事番号515へのコメント
またまたご感想頂き、本当にありがとうございました。

> ついに終わりましたね〜リーニス、ガイリアも彼らの世界でTRYやってるんで
>しょう。・・・・ってことはフィリアが男でヴァルガーヴが女?・・・・・・・

・・・実はその通りです(爆)
でもって今ごろは、ガイリアの剣捜しの旅をしているはずです。
(安直でごめんなさい・殴)

> それはともかく、戦闘シーンがいい感じでした♪ほかにもリナとガイリアとかリナ
>とリーニスとか・・・ゼロスのみょーなへなちょこぶりもナイス♪(どーも自分ゼ
>ロスってかませ犬の印象強くて・・・・)でもやられながらもしっかり決めるとこ
>ろは決めてるのがゼロスだとも思ってますが。

“ゼロスの弱体化”の理由は、本当に難儀してました。
実は結論っていうか、決め技(竜破斬剣〜W神滅斬)が先にあったんで、どーやってそこに持って行こうかと・・・で、ああなりました。

読んで下さった皆様は、“謎解き”に注目されてたみたいなんですけど、私としては“まずガウリナ話ありき”だったんで(爆)・・・話大きくしすぎちゃって、最後どーやってまとめるか、(いっそのこと途中で逃げようか、と考えた事も・殴)・・・最後は本当に気力使い果たしたよーな気がします(苦笑)

こんな長い駄文だったにもかかわらず、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
機会がありましたら、また、いつか。

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520全部読んだわぁっ!むつみ E-mail 11/15-20:14
記事番号503へのコメント
中田 珂南さんこんにちわ。むつみともうします。

タイトルにも書きましたが、全部!きっぱり!読ませていただきました。
面白かったです。
初めはコメディタッチだったから、わたしものんきに笑ってたんですが。
(男アメリアにぢょうおうフィルさん。でも、わたしは男ナーガが一番怖いと思ふ)

やっぱりあんたかゼロス!!のあたりからのシリアスな展開には、思わず手に汗握りました。
途中でツリーが沈んだときには、どうなることかとどきどきしました。
(すいません)

最後まで読んでから感想を書く主義なので、遅くなりましたが。
堪能させていただきました。

またぜひ、書いてくださいね。ではっ!

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562Re:全部読んだわぁっ!中田 珂南 E-mail 11/19-12:40
記事番号520へのコメント
ご感想頂き、本当にありがとうございます。
・・・某くらぶ関係の方のよーな気がするんですが、私の気のせいでしょうか?(爆)
(間違ってたらすみません)

>初めはコメディタッチだったから、わたしものんきに笑ってたんですが。
>(男アメリアにぢょうおうフィルさん。でも、わたしは男ナーガが一番怖いと思ふ)

・・・私も恐いです(爆笑)<男ナーガ

>やっぱりあんたかゼロス!!のあたりからのシリアスな展開には、思わず手に汗握りました。
>途中でツリーが沈んだときには、どうなることかとどきどきしました。
>(すいません)

私もあれには焦りました(笑)<ゼロス登場以降
なるべく軽いノリで・・・のはずが、話が進むに従って、本当にシリアスになったんで、「どーしよー、どーしよー。」とうろたえてたりして・・・(苦笑)

ツリーが沈んだのは、予想してました(笑)
途中で「これ、絶対20話までになるわ・・・(実際、もっといってますけど・苦笑)」とため息ついてたくらいですし。
(ちょうど中間点になりましたね。ツリー分けたところで。)

・・・なんでこんなに長い話になったんでしょうねえ・・・この話における最大の謎は、この(話の)長さにあったりします(爆)

最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
機会がありましたら、また、いつか。


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526Re:「Traffics・その24(エピローグ)」丸丸 11/16-00:20
記事番号503へのコメント
こんにちは。「Traffics」読ませていただきました。

面白かったです!特に戦闘シーンがすごい迫力でした。
ぼろぼろになって勝利を掴む4人がとても格好良くて、読み耽ってしまいました。

リナ&ガイリアの会話も良かったです。
自分の気持ちに気づいたリナも可愛いですが、ガイリアの方も、これから先
リーニスとどうなるんだろうとか思うと、楽しみです。
ガイリア&リーニスでまたお話を書いていただけたら嬉しいです。

それでは失礼します。これからも執筆頑張って下さい。


ところで、
>あたしがきっぱりそう言ってやると、ゼロスはシイタケの断面図のような目を
……この表現、すごく可笑しいです。

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565ありがとうございました。中田 珂南 E-mail 11/19-13:59
記事番号526へのコメント
ご感想頂き、本当にありがとうございました。

>面白かったです!特に戦闘シーンがすごい迫力でした。
>ぼろぼろになって勝利を掴む4人がとても格好良くて、読み耽ってしまいました。

戦闘シーンって、書く方も精神力使うんですよね(私だけかも知れませんが・苦笑)
それだけに、そう言っていただけますと、本当に嬉しいです(はあと)

>リナ&ガイリアの会話も良かったです。
>自分の気持ちに気づいたリナも可愛いですが、ガイリアの方も、これから先
>リーニスとどうなるんだろうとか思うと、楽しみです。

序盤ガイリアにほとんど見せ場がなかったのは、ひとえにあの会話のためでした。(謎解きとか、戦いとかは二の次・・・って言ったら、怒られますでしょうか・汗)

>ところで、
>>あたしがきっぱりそう言ってやると、ゼロスはシイタケの断面図のような目を
>……この表現、すごく可笑しいです。

実はこの表現には、元ネタがありまして(滝汗)
某SSのゲーム(これをご存じの方、“大人”ですね・笑)ちょうど終わらせたとこだったんで・・・つい。
ご、ごめんなさいです(滝汗)

長々とお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました。
機会がありましたら、また。

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538お疲れ様でした♪さくらあおい E-mail 11/16-15:18
記事番号503へのコメント
読破致しました。無事完結、おめでとうございます。

あのリナとガウリイだからこそ、もう一人のリナとガウリイがいないと、
お互いの気持ちを伝え合う事が出来ないんですね・・・。(笑)

「世話役」って肩書き、上手いなあと思いました。
だって、女のガイリアが男のリーニスの「保護者」っていうのは、
立場上辛いものがあるし・・・。
リナとガウリイとは微妙に違う戦闘シーンにも、納得。
女二人の時、バランスが悪くて苦戦しているのを読んで、にやり。

鏡の世界・・・やはし、男のナーガは嫌ですね。(同意見)
「おーっ、ほっほっほっほっほーーー」が、男だとどーなるんだろう。
想像だに恐ろしい・・・。(滝汗)

ああ、書きたいことは山ほどあるのに、文章にできない自分が
くやしい・・・。落ち着いたら、メールでも送ります・・・。(多分)

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566ありがとうございました。中田 珂南 E-mail 11/19-14:09
記事番号538へのコメント
某所では本当にお世話になっております。
・・・でも、お願いだからチャットで感想述べるのはもうやめてね(苦笑)

>あのリナとガウリイだからこそ、もう一人のリナとガウリイがいないと、
>お互いの気持ちを伝え合う事が出来ないんですね・・・。(笑)

この話の始まりは、まさしくそうなんです。
“鏡は真実をも映す”この表現も、そのために書いたものでしたし。

>「世話役」って肩書き、上手いなあと思いました。
>だって、女のガイリアが男のリーニスの「保護者」っていうのは、
>立場上辛いものがあるし・・・。

・・・苦労したんですよ、この表現(苦笑)
納得してもらえんかったら、本当にどーしようかと思いました。

>リナとガウリイとは微妙に違う戦闘シーンにも、納得。
>女二人の時、バランスが悪くて苦戦しているのを読んで、にやり。

えへへ。
そうです。ガウリイとリナ(もしくはリーニスとガイリア)のコンビだからこそ、“最強”なんです。
ちらりとしか書いてないけど、合流した時、男二人がえらくぼろぼろだったのも、同じ理由だったんです。お互い微妙に呼吸が合わないってとこで。

>鏡の世界・・・やはし、男のナーガは嫌ですね。(同意見)
>「おーっ、ほっほっほっほっほーーー」が、男だとどーなるんだろう。
>想像だに恐ろしい・・・。(滝汗)

・・・想像して自爆した私(爆笑)<男ナーガ

最後までお付き合い頂いて、本当にありがとうございました。
また某MLとか(笑)個メールでお会いしましょう(はあと)

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542Traffics、読みました♪ちび☆ E-mail URL11/16-17:21
記事番号503へのコメント
どうも、ちび☆です。

長い連載でしたが、どうもお疲れ様でした!
「Traffics」、じ〜っくりと読ませていただきました♪

「性別が入れ替わってしまったリナとガウリイ」であるリーニスとガイリア。
いいキャラ達でしたねぇ(うっとり)。
ガイリアをスリッパで殴り飛ばすリーニス、気持ちは分かるけどやはり女の子(?)を殴るのはどうかと……(汗)。
(でも、この2人が密かに「外見がちょっと違う」「一方的ならぶらぶ抜き」「ボケ付き」のルクミリに見えてしまった私の頭って一体……笑)
それと、私も男ナーガを想像するのが怖いです……単なる露出狂の変態さんになってしまいそうで……(滝汗)

1番のお気に入りのシーンは、リナ(リーニス)がガイリア(ガウリイ)に彼らの気持ちを尋ねるシーンですね。
さすがはもう1人の自分というべきか、2人とも同じ行動をしているところが笑えます。
しかし……ガウリイ(ガイリア)はリーニス(リナ)の気持ちを聞かされてないのですよね?……可哀相に(笑)

えっと、率直な感想だと、「すっごく面白かった」です♪♪♪
あ……本当に率直すぎた……(汗)。
と、とりあえず。次回作も楽しみにお待ちしてます♪
短くて拙い感想(←と言えるかどうか、かなり怪しいですが)で申し訳ないです。

それではっ☆

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567ありがとうございました。中田 珂南 E-mail 11/19-14:28
記事番号542へのコメント
ご感想頂き、ありがとうございました。
某所では、いろいろ堪能させて頂いてます(笑)
そちらには全然感想かいてなくて、本当にすみませんです(滝汗)

>「性別が入れ替わってしまったリナとガウリイ」であるリーニスとガイリア。
>いいキャラ達でしたねぇ(うっとり)。

そー言って頂けて、ほっとしてます。
・・・「ふざけんなっ」てな感じで闇討ちされたらどうしようかと、ずっとびくびくしてましたんで(笑)

>ガイリアをスリッパで殴り飛ばすリーニス、気持ちは分かるけどやはり女の子(?)を殴るのはどうかと……(汗)。

これ、私も書きながら“まずいかな?”と思ってました。
あれは“リナがガウリイをはたく”だから笑える事で、一歩間違えばシャレにならないとこでもあるんです。
まあ、でも“ガイリアを呪文でふっ飛ばす”なんてことはやってませんので(笑)
・・・笑って読み流して下さい(泣き笑い)

>それと、私も男ナーガを想像するのが怖いです……単なる露出狂の変態さんになってしまいそうで……(滝汗)

何故か皆様、同じ事おっしゃいます。無理もないことですけど(苦笑)
・・・かくいう私も、想像して自爆したクチです(爆笑)<男ナーガ

>1番のお気に入りのシーンは、リナ(リーニス)がガイリア(ガウリイ)に彼らの気持ちを尋ねるシーンですね。
>さすがはもう1人の自分というべきか、2人とも同じ行動をしているところが笑えます。
>しかし……ガウリイ(ガイリア)はリーニス(リナ)の気持ちを聞かされてないのですよね?……可哀相に(笑)

・・・実は、ガイリアとリナがあの会話をしてた頃、ガウリイとリーニスも似たような会話してました。
これは“リナの一人称”で進むお話なので、その辺りを詳しく書けなかったんですけれど・・・。
最後の神滅斬の直前の、ガウリイの「絶対護る」という台詞は、そんな裏があったからこその台詞なんです。

あと、これまた話には出てない(リナが見ていない)ことですが、ガウリイとガイリアの間にも、会話が実はあったんです。
リーニス×リナに対応するような、思いっきりシリアスな本音の会話が。
・・・で、“気持ちまでリンクしてる”ということに、彼はとっくに気付いてたんですよね。
その辺りが分かり難かったのは、ひとえに私の文才の無さのせいです・・・(号泣)

長々と駄文にお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
機会がありましたら、また、いつか。

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569ありったけの感謝をこめて。中田 珂南 E-mail 11/19-16:18
記事番号503へのコメント
長々とした駄文で、本当に失礼いたしました。
・・であるにも関わらず、結構沢山の方に喜んで頂けたみたいで、私ってば本当に果報者です(はあと)

もともと長文というのは苦手で、しかもいつも外出先から(借り物のパソで)下書きも無しに・・・いわゆる“一発書き”だったんで、連載中は話がちゃんと終わるかどうか、びくびくしながら書いてました(苦笑)
しかも途中から、どんどん話は大きくなるし、シリアス展開になってくるし・・・逃げようと思った事も、1度や2度ではなかったりします。
(でも本当にンなことしたら、刺されてたでしょうか・・・滝汗)

これが最初短編ネタだったなんて、皆様信じられます?(爆笑)

ここで、もう一つお詫びです。
実は最後の「その24(epilogue)」ですが、時間がなかったこともあって、不完全な形で掲載してしまいました。
(ネットカフェの閉店時間だったんで・・・滝汗)
とりあえずこのお話、とあるHPに里子に行く事が決定しましたので(MilkさんThanks!)そちらで“完全版”を出したいと思っております。
・・・駄文には変わりありませんけど(苦笑)またそちらも見て頂けましたら、幸いです。
(恥の上塗りにならなきゃいいけど・・・滝汗)

あと、出来たら“同人誌”という形も出来れば・・・と思ってます。
ネット出来ない友人に、「本にして見せろ!」と脅されてますし(笑)
(もっとも、こんな駄文に挿し絵して下さる方が、見つかるかどうか・・・汗)
いつになるかは、全然わかりませんが・・・。

最後までお付き合い頂きました皆様、(某くらぶの方が多かったよーな気がするのは、私の錯覚でしょーか?)本当にありがとうございました。
機会がありましたら、またお目にかかりたいと思います(え?いらない?)
では、本日はこの辺で。