◆-ふたりのゼロス 1-むつみ(11/13-14:56)No.486
 ┗ふたりのゼロス 2-むつみ(11/13-14:58)No.487
  ┗ふたりのゼロス 3-むつみ(11/13-15:02)No.488
   ┗ふたりのゼロス 4-むつみ(11/13-15:04)No.489
    ┣Re:ふたりのゼロス 4-もおきんるい(11/14-09:52)No.491
    ┃┗もおきんさんありがとうございます-むつみ(11/15-20:21)No.521
    ┣拝見しました!-穂波(11/15-01:16)No.508
    ┃┗穂波さんありがとうございます-むつみ(11/15-20:29)No.522
    ┗読みました♪-らいあ(11/15-07:19)No.511
     ┣忘れてた・・・。-らいあ(11/15-07:22)No.512
     ┗らいあさんありがとうございました-むつみ(11/15-20:36)No.523


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486ふたりのゼロス 1むつみ E-mail 11/13-14:56

こんにちわ。むつみと申します。
妙なお話ですが、広い心で読んでいただけたら幸いです。


 二人のゼロス


「きゃ〜!お宝よっ!お・た・か・ら!見てよフィリア!ほら!」
リナのハートマーク飛びまくりの絶叫に、アメリアとガウリィが駆け寄ってきた。ゼルガディスも首を巡らし、リナに注目する。
「お宝」と聞けば思わず振り向いてしまうのが、悲しき人の性というモノである。リナなど、「お宝と言われて振り返らない奴は人間じゃない!」と言い切るほどなのだから。
えらく古めかしいデザインの宝箱。それが狭い室内にひしめき合っている。蓋の開いた宝箱の中身が、明かりの呪文をうけて鈍い光を放っていた。
未解錠の宝箱に手をかけ、ゼルガディスが首をかしげる。
「鍵は?かかっていなかったのか?」
「かかっていたに決まってるでしょ!あたしが解錠したのよ!」
得意そうに胸を張るリナに、興味深そうな視線を向けるゼル。
「かなり複雑な鍵なんだが・・・。お前、こんなスキルを持っていたのか」
たずねるゼルの目の前に突き出される、リナの握り拳。その手首には赤い宝石のついたブレスレッドが光る。
「増幅かけた解錠の呪文使っただけよ。イチコロだったわ、ふふん。
そんなことよりちょっと見てよ!このネックレスの細工の凄いこと!物好きなマニアにふっかけたら、天井知らずの高値がつくわねっ!」
・・・宝箱開けるのに呪文増幅?そこまでするか、普通?ゼルガディスのつぶやきは、リナ達の耳には届かなかった。
「リナさん!こっちにはほら、ティアラが!真珠ですよ真珠!」
「アメリアさん!この壺も素晴らしいですよ。なんて優美なデザインなんでしょう」
「なあリナ。魔法剣ないか?魔法剣。ちょっと調べてくれよ」
ガウリィまで加わって、各人己の興味の赴くままにお宝を物色し始める。ここにやって来た目的など既に億万光年の彼方であった。
ゼルガディスは溜息を一つつくと、立派な装丁の古文書を手に取った。
そんなリナ達の様子をあきれたように見ている黒い影。必要なときには絶対現れない、そのくせ、居ても居なくてもきっちり会話にツッコミを入れられるという謎の能力の持ち主、ゼロスである。
やたらと秘密主義のこの神官、実は上級魔族なのだが・・・。
何が楽しいのか、こうしてリナ達一行について回っている。
彼は宝探しに参加する気は全くないようで、むしろ、お宝を前に人格のかわったリナ達の方を興味深そうに眺めている。そのとき。
「おや?」
彼はふと、向かいの壁に目をやる。鍾乳洞を利用してつくられた部屋。壁はむき出しの岩盤そのままなのだが、苔類をよせつけない呪文がかかっているらしく、彫りたてそのままのように滑らかだ。
その岩肌に、吸い寄せられるように近づくゼロス。
「ふむ」
呪文を使ったようには見えない。傍目には触れたのかどうかさえ定かではない。しかし、彼が壁に掌をかざしただけで、それまで全くの一枚岩にしか見えなかった壁に穴が出現した。
ためらわず中に入るゼロス。リナ達のいる部屋は「明かり」(ライティング)の呪文で照らされているが、むろんここには光はとどいていない。それでもかまわず足を運ぶ。
ゼロスは「魔力」を直接視ることができるのだ。しかも、その力は距離にも、遮蔽物の有無にも、時間にさえも左右されない。彼の視界を遮ることができるのはオリハルコンぐらいのものである。
だから、人間の限界を超えた魔力容量を持ち、魔血玉(デモン・ブラッド)を装備したリナの存在は、そばにいなくても隣にいるのと同じくらいはっきりと関知できたりするのである。こんな事、リナにバレたらただではすまないが・・・
と、いうわけで。この部屋も人の目には暗闇だが、ゼロスには昼間のように輝いて見える。つまり。 ここはマジックアイテム専用の隠し部屋だったのだ!
何やら楽しそうに頷きながら室内を見回していたゼロスの視線が、一カ所で止まった。
「これは・・・」
部屋の奥に、両腕で輪を作ったくらいの窓があり、そこから眩しい光が差し込んでいる。いや。そういう風にゼロスの目に映った。つまりそれは。
真夏の陽光を思わせるほど強烈な魔力を放つマジックアイテム。
「・・・鏡。の、ようですね」
口の中で「明かり」の呪文を唱える。魔法の灯が室内に光と、いくばくかの影を投げかける。
鏡の中には、魔力の影響で薄く紫色に縁取られたゼロスの姿と、その姿の頭上に浮かぶ魔法文字。
つい、声に出して読んでしまったのは、好奇心のなせる技なのか。
そのとたん。
「うわああああっ!」
その声に驚き、振り返ったリナ達が見たのは、一瞬の光だった。「明かり」を、持続時間ゼロで二連発した程度の強い光が、部屋を満たし、消えた。
「何?何があったの?」
あのゼロスが悲鳴をあげる。ただ事ではない。
いつでも戦闘状態に入れるよう身構えたまま、リナ達は小部屋の中をのぞく。その気配に、部屋の奥にいたゼロスが振り返った。
「いや〜。驚かしちゃったみたいですね。明かりをつけたら、鏡にボクの姿が映って・・・」
「はい?」
つかつかつか。足音も高くゼロスに近づくリナ。
「で?自分の顔見て驚いた・・・なんていうオチじゃないでしょうね!」
何もなかったから、穏便に済ます・・・などという処世はリナにはない。
人に心配かけた分はそれなりに返していただくのが世の習いである。少なくとも、ゼフィーリアではそうなのだ。いや本当。
鼻息も荒くゼロスに詰め寄ろうとするリナを、後ろから引き留める者がいる。何事も先手必勝!相手が声を出す前にリナがぴしゃりと言いきる。
「ゼロスは黙ってて!これはあたしとゼロスの・・・・って。あれ?」
リナのマントに手をかけたまま、困ったような顔で佇むゼロス。部屋の奥には、いつもの微笑みを浮かべ、ぽりぽり頭をかいているゼロスの姿。
リナは思わずその場にへたり込んだ。となりのゼロスも一緒にしゃがむと、困惑の表情のままリナを見つめている。
(ちょっと何よぉ。その、迷子の子供みたいな顔はぁ!)
彼の心細さが伝染した気分で、リナは仲間たちの顔を仰ぎ見る。
「ねえ。ちょっと聞きたいんだけど・・・」
無情にも視線を逸らすゼルガディス。ぽかんとしているガウリィ。リナと視線があったとたん、ぶるぶると顔を横に振るアメリア。壁にはりついたまま硬直しているフィリア。
要は、「聞くな」という意味の意志表示である。
「ははは。じゃあ、やっぱガウリィ達にも見えてるんだ、これ」
力無くつぶやくリナ。そのまま固まってしまったように、誰も動かない。
暫く後。のろのろと立ち上がったリナが、とりあえず手近にいる方のゼロスにつかみかかった。
「どーゆーことなのよ。ちゃんと判るように説明してもらおーじゃないの!」
本人に聞くのが一番手っ取り早い。そういう結論に達したようである。
「そう言われましても・・・僕はたった今出てきたところなので・・・」
『たった今!?』
声をそろえて叫ぶゼルガディスとアメリア。ガウリィは話が飲み込めないらしく、まだぽかんとしている。
「ゼロス!あんた、分裂増殖したの?」
締め上げる手はそのままに、リナは本物(と思われる)ゼロスに訊ねる。ある種の妖魔はそうやって増えるというが・・・こんなのに気軽にぽこぽこ増えられたら、人類はおしまいである。
「そんな訳無いでしょう!ボクと何だと思ってるんですか!」
『魔族』
みごとにハモられて、ゼロスは言葉に詰まった。
壁に向かっていじいじと、「の」の字を書いていたりする。
ちなみに。もう一人のゼロスは、未だリナに首を絞められたままである。
人間ならそろそろ、どこかから「お迎え」が来そうなものであるが。
「そおかぁ。わかったぞ」
一拍おいて、明るい声で叫ぶガウリィ。彼にしては反応が早いほうである。
「ゼロスの息子だろ?」
「どーしてそうなっちゃうんですか!」
ガウリィのとほほな発言に、悲鳴を上げるゼロス。
「だって、お前確か、千と十二歳以上なんだろ?そんなに生きてりゃ、子供の十人や二十人・・・」
「いませんってば!」
その時、ようやく硬直から解けたフィリアがおずおずと口を挟んだ。
「でも、この人も魔族ですよ。私には、判ります」
「うん。ゼロスと同じ匂いがするもんな、こいつ」
ガウリィもそう言って、リナの足下でぜいぜい言ってるもう一人のゼロスを指す。
「魔族?こいつが?」
さして興味なさそうな声で答えるゼルガディス。
ところがリナは、その一言に強い反応を示した。
「魔族!ドッペルゲンガーでも邪妖精(ブロウデーモン)でもなくて!?」
ガウリィの言葉を疑ったと言うよりは、単に確認しただけに近い。なにより、リナは誰よりも彼の野生のカンを信じている。
「ああああっ!ってことはまさか!ゼロス!あんたさっき鏡がどうとか言ったわね!」
「・・・ええ。これですが」
ゼロスが隣の壁にかかった鏡を指さしたとたん。
「そいつかぁ!」
がしゃん。
一声叫ぶなりリナが投げた石つぶてで、鏡はあっさりと砕けた。止めるヒマなど誰にも無かった。


続きます。


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487ふたりのゼロス 2むつみ E-mail 11/13-14:58
記事番号486へのコメント
「な!何てことするんですか!」
あわててゼロスが叫ぶが、むろん手遅れである。
「危ないじゃないですかリナさん!」
「一体何事だ?」
「リナさんの行動が唐突なのは、いつものことですけど・・・」
口々に責められても、リナは答えようとはしない。だが、その表情に、ガウリィは非常に珍しいものを見つけた。『怯え』である。
「リナ。いくらお前でも、これはちょっと過激だぞ。・・・何事なんだ?」
たしなめるようなガウリィの一言に、リナは重い口を開いた。
「影の鏡(シャドウ・リフレクター)」
ぽしょりとつぶやくと、それっきり沈黙するリナ。これまた、何のかんのと言いながら自分の知識を披露するのが好きな彼女には珍しいリアクションだ。
珍しいことをすると雨が降る。とは、この世界でもよく言われることなのだが・・・リナが普通じゃないということは、何だかとてつもなく不吉だ。雨降りごときですまないのは確実である。
視線をかわし、おたがいの不安感を確認してしまうガウリィたち。
ゼルガディスは一人、記憶を探るように首をひねっている。
「ほ〜ぉ。ご存じだったんですか。さすがリナさん。でも、それを知りながら、いきなりこーゆー事をするというのは・・・」」
足下に散らばった破片を指でなぞりつつつぶやくゼロス。なんだか妙に意気消沈している。
「思い出したぞ。シャザード=ルガンディのアレか。眉唾モノのの伝説だと思っていたが・・・」
ゼルがぽつりと呟くと、「ああ」と、アメリアが手を叩く。
「聖工ルガンディですか?そういえば聞いたことがあるような・・・」
シャザード=ルガンディ。かの伝説のレイ=マグナスや、放浪の賢者レゾのように英雄叙事詩に歌われているわけではないが、魔道に関わる者で彼の名を知らない者はいない。
彼は、マジックアイテムの開発で名を知られているのだ。何しろ、彼の死後四百年が過ぎるというのに、今もって、魔法道具屋に並ぶ過半数のアイテムは(多少、アレンジや改良が加えられてはいるが)、彼の発案した物だというのだから、その天才ぶりがうかがえようというものである。
そんな彼の、結構知られた噂話の一つがこの『影の鏡』なのだ。
その鏡に姿を映しただけで、それと肉体的にもその他の能力的にも全く同等の力を持つ『影』を生み出すことができるというのだ。そんなこと、現代の魔道技術やクローン技術をもってしても不可能といわざるをえない。この話が眉唾物といわれるゆえんである。
しかも、この伝説はこれだけでは終わらない。この『影の鏡』、映し出された相手とは全く逆の性質を持つというのだ。つまり。迫り来る敵の軍隊をこの鏡に映したら、それと全く同程度の能力を持つ味方の軍隊を生み出すことができるというわけである。
ルガンディが対魔族用兵器として開発したといわれるこのアイテムを、いまだに金に糸目をつけずに探している国がある理由もそのへんにある。『敵』がいるかぎり、それらと全く同程度の能力をもった兵を生み出すことができるのだ。しかも無限に。世界征服も夢じゃないのである。
「俺が知っているのはこの程度だ。しかし、あのレゾにさえできなかったことが、まさか実用化されていたとはな」
「しかも四百年も前に・・・ですか。フィリアさん、何か知っていますか?」
「残念ですけど。アンティークならともかく、マジックアイテムはちょっと」
フィリアも交え、情報交換する三人。彼らの話を聞いているうちに落ち着いたのか、リナがようやく口を開いた。
「・・・あたしは数年前にそいつとかかわっちゃったってわけ」
リナと、その当時旅の連れ合いだった女魔道士の二人は、魔道士協会の依頼を受けて影の鏡の行方を追っていた。正確には、鏡の在処を示した地図を持ち逃げした男を捜していたのだ。
「おいしい仕事だと思ったのよ。鏡の奪取、あるいは破壊。ラガンを捕まえたらそれでも良し。この条件で金貨二百枚、っていうんだから」
ラガンというのが、その魔道士の名前だった。そして、リナ達が彼に追いついたとき、そいつはすでに影の鏡をその手にしていたのである。
「・・・おい。ちょっと待て」
話を遮るゼルガディス。憂鬱そうに彼の顔を見たリナは、小さく溜息をついた。
「影の鏡の伝説は本当だった。あたしともう一人はそれを体験した第一号だったのよ」
「ええ〜っ!?」
リナの告白に、驚く一同。
ラガンを捕まえる、あるいはぶちのめそーと迫るリナ達。その二人の『影(シャドウ)』なら、間違いなくリナ達の敵になるはずである。
しかも、伝説の通りなら。
影はリナと全く同等の力を持っていることになる。
「そんなの相手にして、よく生きて帰って来れたな」
そう言ったのはガウリィであった。珍しく、この長い話をちゃんと聞いていたらしい。
「まーね。その影の鏡には、伝説には知られていない要素がいくつかあって、おかげであたしは『影』と戦わずにすんだんだけど・・・って!ちょっとガウリィ!何やってるのよあんた!」
ガウリイは鏡の破片を拾い上げ、無造作に覗こうとしていたのだ。そのたくましい腕に飛びつこうとするリナを難なくかわし、頭上にかざした破片を仰ぎ見る。
「なんだぁ。ただのガラスみたいだぞ、これ」
「そりゃそうですよ。影の鏡は、魔力の裏打ちがあって初めて像を結ぶ仕組みなんですから。壊れてしまえばただのガラスにすぎません」
リナを除く全員の視線が発言者に向かう。そこには、妙にお行儀よく膝をそろえて座る・・・もう一人のゼロスの姿があった。リナは何も言わず、ただ頭を抱えている。
「おい。ゼロス影(シャドウ)!何でお前がここにいるんだ」
かみつくように叫んだゼルガディスに、のんびりとした口調で答えるゼロス影。
「いやぁ。ですから、僕もついさっき出てきたところなので・・・」
「そういうことを言ってるんじゃない!鏡が割れたのに、何故消えないんだと聞いているんだ!」
魔力が虚像を映し、現れるのが『影』ならば、魔力の元となる鏡を割ってしまえば『影』も消える。
おそらくリナもそうやって『影』との戦いを回避したのだろう・・・と推理していたゼルガディスが、今度はゼロス影の首を締め上げる。
そのときガウリィが、まるで猫の仔をつまむようにして、ゼルガディスの手からゼロス影を引き離した。
「おちつけよゼル。何だか、らしくないぞ」
「・・・すまん」
ゼルガディスは小声で謝ると、怯えた目つきを彼にむけているゼロス影を見る。
どうも調子が狂う。
「ねえリナさん。この人本当にゼロスさんなんですか?何だか雰囲気が違うような気がします」
アメリアの問いかけに顔をあげたリナが、皮肉な声で答える。
「少なくとも、この影の鏡は間違いなく本物ね。あたしが前に見たのと同じだわ。ははは」
うつろに笑うリナ。無言で説明を求める一同のために、彼女は話を続ける。
「影の鏡に生み出された『影』はねぇ。性質だけじゃなくて、性格まで逆になっちゃうのよ」
一瞬考え込む一同。ポン。と手を打ちガウリィが叫んだ。
「つまり、寛容で、おしとやかで、乙女チックなリナが出てきたんだな!」
「!」
ごきどげばき。ものすごく痛そうな音と共に、ガウリィの姿が地面の薄暗がりに沈んだ。
「・・・いきなり正解だったようだな」
ぽつりとつぶやくゼルガディス。
口は災いの元。リナににらまれ、あわてて素知らぬふりをしたりする。
「じゃあ、私が映ったら、大悪人アメリア影になるんですか!?」
あまりにわかりやすい例に、うんうんと頷く一同。
「すると、俺の影は・・・」
考え込むゼルガディスに、リナが言葉を投げかける。
「マッチョなお・にい・さま・・・に、なったりして」
「何がいいたい、リナ」
そっぽを向いて返事をしないリナ。さっきの一言をまだネに持っているようだ。
フィリアが、首を傾げたまま、呟く。
「ゼロスを逆にすると、こんなおどおどした性格になるんですか?」
「というより、はっきり言って『いぢめて君』だぞ、こいつは」
影をつつきながら、勝手なことを言うゼルガディス。
ゼロスに何か恨みでもあるのか?ゼル。
「え〜〜〜〜!?そんなぁ。いじめちゃダメですよ。かわいそうじゃないですか」
そんなゼルガディスに反論したのは。
「アメリア、お前なぁ・・・」
花丸正義少女の前で不用意な発言をしたゼルガディスが悪い。アメリアは影にすっかり感情移入してしまったようだ。
(こいつの「正義」は、以外と感情的だな。)
やっかいなことだ。と、心の中で呟くゼルガディス。
「影さん、大丈夫ですよ。この、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが正義の名においてあなたを保護します!」
「保護・・・。僕を守ってくれるんですか?」
相変わらず気弱げに、アメリアを見つめる影。その表情に母性本能でも刺激されたか、彼女は影の両手をわしっ!と握りしめる。
「当然です!生きとし生ける者を護ること!それこそ、正義です!」
「僕のような存在でも、護ると言ってくれるんですか?優しい方ですね、アメリアさんって」
「何言ってるんですか。袖振りあうも他生の縁!見捨ててはおけません!」
「ありがとうございます〜〜〜」
あきれて口を出す気さえなくしたゼルガディスをよそに、異様に盛り上がる二人。
「そうと決まれば!あなたも今日から仲間です!世界は一家!人類皆兄弟!」
「僕、人類じゃなくて魔族なんですけど・・・」
そんな二人のわけわからない会話のそばで、さっきから、不機嫌そのものの表情で、完全沈黙を保っている男がいることに気付いたのはリナだけであった。
単に黙っているだけでなく、彼の周囲から音を消滅させたように、妙にしん。と、している。いつもの飄々とした雰囲気が消え、かわって冷たい空気が、彼の身体を被っているのだ。
自分と同じ顔をした「影」が、「仲間」だの「愛」だの言う(彼にとって)不愉快な言葉を連発しているところは、けして面白いものではないだろう。
(・・・気持ちは判る!よーっく判るよゼロス!だからその・・・黙って殺気まき散らすの、やめてくんないかなぁ。)
ちょっぴりこわひ。つい、心の中で冷や汗をながすリナであった。

未だ、続きます。(すいません、長くって・・・)

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488ふたりのゼロス 3むつみ E-mail 11/13-15:02
記事番号487へのコメント

「おうおうおう。ついに出て来やがったな間抜け共!てめーらの人生もここまでだぜ!」
突然降ってきた粗野な声と、月並みな科白。しかし、お宝を抱えて洞窟から出てきたリナ達の、足を止めるには充分だった。
「ああ!久しぶりじゃないのあんたたち!元気してたぁ?」
「おかげさまで・・・って。違うだろ!お前らいったい何やってたんだよ!待ちくたびれちまったぜ!全く!」
吐き捨てるようにいう山賊の科白に、眉をひそめるリナ達。
「待った?あんたたちがあたし達のことを?どうして?」
追う者と追われる者が再会したにしては、あまりに緊張感のない科白である。
「弱虫は弱虫らしく、、さっさと逃げ出せば良かったのに」
崖の上から、リナに向かって怒りの気勢を張り上げる山賊達。そこに、「ハゲ、ヒゲ、キズ」の三拍子を取りそろえた大男が現れた。見るからにボスである。
おっさんは胸を張って宣言した。
「お前らを片づけないと、枕を高くして眠れないっ!」
・・・本気で弱虫でやんの。
「おれ達をさんざじらしたあげくに帰り支度か?も・・・もしかして、忘れてたのかぁ?おれ達のこと!」
気弱な科白を臆面もなく大声で叫ぶボス(推定)に、リナは冷笑で答える。
「ふっ。そんなわけないでしょ。あんたたちがしびれを切らして飛び出してくるのを待つという、高級な戦術よっ!」
「そ・・・そんな作戦だったのか!」
嘘である。しかし、そんなリナのハッタリをあっさり信じるこいつらって・・・
弱虫の上に単純。
さて。物忘れ名人ガウリィはさておき、リナ達がこの洞窟に来た目的を、一時的に忘れていたのは事実である。
事の起こりは一週間前。リナ達が通りかかった小さな村が、山賊におそわれていた。
リナの爆炎舞(バースト・ロンド)一発で浮き足立つような弱っちい奴等だったが、弱虫野郎にふさわしいパターン通りの行動をとってくれた。
つまり。逃げ遅れた少女二人を人質に取り、「近づくと、こいつらの命はねえぞ!」と叫びつつ遁走したのだ。
深い考えがあっての行動ではないが、結果的にそれが彼ら自身の命を救ったのは事実だった。
村人に泣きつかれ、正義のアメリアが安請け合いして一週間。目的が人質の救出でなければ、当てもなく洞窟内を探し歩くのに疲れたリナに山ごと吹きとばされていたはずである。
とにかく。どこに隠れたか判らない山賊どもを追って一週間。地味な探索に飽き飽きしていたリナ達は、偶然隠し部屋を発見したのだった。喜びのあまり、他のことがお留守になっても、まあ、仕方のないことだろう。
「おっとぉ。妙なマネすんじゃねえぞ。ちょっとでも動いてみろ。人質の命は保証しねえぞ」
そう言いつつ指さす先に視線を移し、リナ達は絶句する。
崖からロープでつるされた少女二人。そのロープは山賊達の手に握られているのだ。ご丁寧に、少女達の身体には重石までつけられている。手を離したが最後真っ逆さまであろう。
そうなったら、翔封界(レイ・ウィング)でも助けられるかどうか・・・これでは、リナ得意の「いきなり眠り(スリーピング)」攻撃も使えない。
「判ったようだな。魔法を使うと人質がかわいそーなことになるぜ。ここは一発、おとなしく殺されてもらおうじゃねーか!」
ざっ!崖の上の山賊達が一斉に立ち上がった。その手には弓矢が既にかまえられている。
勿論、こんなへなちょこ矢など魔風(ディム・ウィン)の呪文一発で吹き散らせるが、そんなことしたら人質の命に関わる。
関わるのだが・・・
「イヤよっ!」
予想もしなかったリナの元気な一声に、ついうろたえる山賊。
「他人の命より自分の命!そんな馬鹿な取引に応じるわけないでしょ!英雄叙事詩の読みすぎよっ、あんたたち!」
これぞリナのハッタリ第二段!人質が気を失ってるからこそ使える技である。人質や村人達にばれたら、報酬がふいになること間違いなしの、まさに捨て身の戦法!
「・・・そういうことだ。人質をおいてここから立ち去るというのなら、命だけは助けてやろう」
リナの横に進み出たゼルガディスが、静かに脅しをかける。どっちが悪党だか判らない科白が、えらく様になっている。
自分たちの絶対勝利を確信していた山賊達に動揺が走った。
人質の命を逆に盾に取るゼルガディス。いかにも人の良さそうな顔をして、そのくせリナの発言を止めようともしないガウリィ。さっきから、何だか訳の分からない殺気を漂わせているゼロス。
そして、この三人を後ろに従え、不敵な笑みを浮かべるリナ。これははっきり言って・・・
とことん怖い。
「そんなに、あたし達の本気が見たいのかしら?」
リナが冷たい声で追い打ちをかける。そのとき。
おどおどとした声が、会話に割り込んできた。
「や、やめてください!自分の命を惜しんで他人を犠牲にするなんて!そんなこと、見過ごすことはできません!」
ゼロス影である。
アメリアやフィリアと最後尾を歩いていた彼は、今まで、洞窟の中に取り残されていたらしい。
あたりに充満する殺伐とした空気を感じているのかいないのか。
震える声で、必死に叫んでいる。
「人質になら僕がなります!だから落ちついて!」
胸の前で手を組み、山賊達に呼びかける影。
「ここは一つ、話し合いましょう!」
いかにも繊細で気の弱そうな青年神官が、少女の命を救うため、悪人に立ち向かう・・・
物語なら吟遊詩人が、ここが聞かせ所とばかりに声を張り上げる名シーンであろう。しかし。
「おいお前ら。そりゃねえんじゃねえか?」
山賊のボスが溜息と共につぶやいたのも無理はない。
ドシリアスなこのシーンのどこにそんな要素があったのか、山賊達には理解できないのだから。
リナ達一同はゼロス影を残してハデにこけていたのだ。ゼロスなんか、地面に半ば頭めり込ませて足ピクピクさせている。
「な、何だ今の科白はっ!」
首筋に鳥肌たててリナにくってかかるゼルガディス。珍しく、動転している。
「言い忘れてたけどね。『影』は、性格が逆になるだけじゃなくて、なぜか無抵抗平和主義者になっちゃうのよ。これが、あたしが自分の影と戦わずにすんだ理由!判った?」
つまり、誰かを倒そうという意志もまた逆になってしまうのだ。
「ほぉー。抵抗しないんですか」
地べたを這うような低ーい声。ぎょっとして振り返ったリナは、ちょうど立ち上がったばかりのゼロスと目があってしまった。普段のニコニコ目からは想像もつかないような暗い瞳。人間とは明らかに違う、三日月のように細い虹彩。
ああっ!ゼロスってば本気で怒ってるぅ!
ゼロスは胸の前で軽く手を打ち合わせると、そっと両手を離してゆく。その掌の間で高まってゆく障気。同時に、さっきまでゼロスから漂っていた冷気が、瞬時に谷全体を被う。寒いとか冷たいとかいうレベルではない。まるで、空気そのものが氷に変じてしまったようで、気の小さい山賊達など、瞼一つ動かせなくなってしまった。
「あんな存在、魔族の名折れです。消えてもらいましょう。抵抗しないなら話は簡単。一撃ですませてあげます」
ゼロスの唇の端が、ほんの少し、持ち上がる。しかし、それは『笑顔』というにはあまりに冷たいものだった。
「大丈夫。苦痛を感じるヒマなんてありませんから」
自分の科白がおかしかったのか、くすっ。と、笑うゼロス。
「・・・こういうのを、『慈悲』というんでしょうかね・・・」
その、障気まき散らしまくりの獣神官に対峙する影はと言えば・・・。
青ざめた顔に強い緊張感をたたえつつも、逃げ腰にならずにゼロスをにらみつけていたりする。
「無抵抗主義というものを、誤解しているようですね。あなたは」
おどおどした態度は残っているものの、きっぱりと言いきった影を、ゼロスはいぶかしげににらむ。
「僕はアメリアさんを守ります!その為にも、おとなしく殺されるつもりはありません!」
依然、青ざめたままのゼロス影は、震える声で絶叫した!
「すべての命には生き延びる権利があるんです!」
その一言を聞いたとたん、ゼロスの顔の血の気がざぁ〜っと音たてて引いてゆく。
たとえ「影」であっても。魔族はあくまで魔族。自分の科白にダメージを受けないんだろうか?
洞窟の中で、アメリアとどんな話をしていたのか大体判ろうというものである。いや、この際そんなことはどうでもいい。
リナはため息をつき、視線をゼロスに向ける。
(あ・・・。ダメージ受けてやんのこいつ。)
下手な攻撃より効いたかもしんない。
自分の(?)口から出た科白だけに、気色悪さも大爆発・・・のはずである。そんな場合じゃないのだが、身に覚えのある分、ついゼロスに同情してしまったリナであった。
「言ったはずですよ。『一撃で消し去る』と。第一、ボクはあなたさえ消してしまえばそれでいいんです。人間に危害を加える気はないから、迷わず消滅しなさい」
瞬時に影の後ろに出現したかと思うと、氷の刃もかくやという超低温の声でゼロスは囁きかける。
しかし。羽交い締めにしようとしたゼロスの腕から、影がするりと抜け出した。
「!?」
同じ格好でこうして並ぶと、どちらがどちらか悩むところだが、先に表情に動揺が走ったのはゼロスオリジナルのほうのようだった。
「精神世界(アストラル・サイド)からの攻撃なら無駄ですよ」
にっこりと微笑んで指を降るキメポーズまで同じの影。
「忘れないでくださいよ。僕は、あなたなんですから」
「ちっ。面倒な!」
リナ達の目には向かい合って立っているだけのように見える二人は、実は既に戦闘態勢に入っているようである。二人の間から立ち登る、百戦錬磨の戦士であるガウリィやゼルガディスさえもすくませる、圧倒的な障気。
そのとき。
すぱか〜ん。
豪快にしてコミカルな音が谷中に響きわたる。それをきっかけに不幸な山賊共は、呪縛が解けたかのようにあわただしく動き出した。人質を崖の上に引っ張りあげ、その場に放り出すと、我先にと逃げ散ったのである。
「な・・・何するんですかリナさん。痛いじゃないですか」
「こんな所で『魔族』全開で戦うんじゃない!あたし達まで同類と思われるじゃない!」
どうやって見分けたのか。あるいはどちらでもよかったのか。
ゼロスをぶちのめしたリナが、えらそうに説教する。
「・・・同類じゃないつもりだったんですか?リナさん」
反論らしきものを試みては見たものの。
ゼロスはすっかり気をそがれて、いつもの表情に戻ってしまった。
「相変わらず、容赦ありませんね、リナさん。それにしても、そんな物でこのボクにダメージを与えるとは・・・」
「ちゃんと魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)かけてあるわっ!」
むん!とばかりに鼻先に突き出された『得物』を、なさけなさそうに見上げるゼロス。
「だからって、こんな物に使う奴がいるとは・・・」
あきれたようにつぶやくゼルガディス。魔皇霊斬をリナに教えたのは彼なのだ。
あの状況下で恐れげもなくゼロスをぶちのめしたリナの得物。それは。
スリッパ。だったりするのである。理論的には、フライパンだろうがハリセンだろうが、魔皇霊斬をかければ、魔族にも有効な魔法の武器になるはずである。が。
まさか本当にやる奴がいるとは、さすがのゼルガディスも考えつかなかった。
「やれやれ。」
今の一撃で完全に気が抜けてしまったらしい。地面にぺたん、と腰を下ろすと、ゼロスはリナに話しかけた。


後少しです。続きます!

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489ふたりのゼロス 4むつみ E-mail 11/13-15:04
記事番号488へのコメント
「で。どうなさるおつもりですか?」
目的語が抜けているが、「山賊を」ではなく「影を」であることは明らかだった。
「どうって言われてもねぇ」
単に物のはずみで止めたに近いリナである。特にこれと言って考えがあったわけでもない。
「あの子たちの村においていくってのは、どう?」
アメリアが浮遊(レビテーション)で崖からおろしている人質を示しつつ、リナが言う。
「そりゃあ・・・。田舎の村の神父としては十分だとは思うが」
困惑したようにつぶやくガウリィに、ウインク一つ返して答えるリナ。
「何言ってるかなぁ。ほら、あの山賊達逃がしちゃったじゃない。『用心棒代わりにどうぞ』っておしつけちゃえば、影は片づく礼金は増える。く〜っ。リナちゃん、天才っ!」
「無理言うなよリナ。こんな奴、居たって何の役にもたたないぜ」
ガウリィの常識的な答えに、余裕の笑みをもって答えるリナ。
「あ・ま〜い。村に何かあって、影がヒクツに泣いたり謝ったりしてたら、こっちのゼロスが黙ってると思う?つまり、一種の警報装置ね」
ひきっ、と、ゼロスが顔をひきつらせるが、とりあえず無視する。
「影がいじめられてるなんてこと、ゼロスに判るのか?」
不信感たっぷりに聞き返すガウリィに、明快なリナの一言。
「判るんじゃない?魔族なんだし」
本当か〜?と、ガウリイが突っ込む前にゼルガディスがつぶやいた。
「・・・それで、今度こそこの辺り一帯、村ごとカルデラの底に沈むわけだな」
ぴぴくっ!おもわず硬直するリナ。そこの所を失念していたらしい。
「う〜ん。影のあの性格なら野放しにしておいても問題ないとは思うんだけど・・・。
ゼロスのあの態度見てるとどうも不安が。あの影が原因で国一つ滅んじゃっても困るし」
首を振りつつ、考え込むリナ。
「そんなひどい!影だからって見捨てるんですか!」
少女達の治療を終えたアメリアが会話に割って入った。いつもまっすぐな彼女に、リナがキツい一言を投げかける。
「じゃあ、あんたが連れて帰る?セイルーンに。あんなのでも立派な魔族だってこと、判ってる?」
「でも!!」
きっ。とリナを見返したものの、そのまま言葉につまるアメリア。
「あのぉ」
おずおずと。フィリアが会話に割り込んできた。
「よかったら、私が連れて行きましょうか?」
意外な人の意外な言葉に、驚きの視線が集中する。
「・・・フィリアさん?」
一番驚いたのは、ゼロスだったらしい。呆然として、彼女を見つめる。
「いいんですか?あんな性格でも、魔族なんですよ。フィリアさん、魔族が嫌いなんじゃ・・・」
アメリアの科白に、にっこりと微笑んで答えるフィリア。
「たとえ魔族でも!悔い改め、平和主義者としての余命を送りたいというのなら!
私達教会は、それを支援することが出来ますわ。
それに。臆病なだけの人でも、なさそうですし・・・」
言葉の最後を飲み込み、ちらりと視線を影に向けるフィリア。
あのぉ。顔が赤いですよ・・・って。え?えええ?
フィリアってばもしかして・・・。
「わかりました」
唐突な一声。見ると、ゼロスが影の背後に立ち、何事かを決意したように呟くところだった。
「彼は、このボクが責任もって引き取ります。それで、いいですね」
そして。返事も聞かず、二人のゼロスは姿を消した。
「影さん、大丈夫でしょうか」
アメリアの声が、不安そうに震える。さっきのゼロスを見た以上、彼女にさえ、楽天的な想像をすることは難しかった。
「大丈夫だって。あたしのカンが正しければ、ゼロスは影を処分したりできないから」
「さすがですねえリナさん。どうしてこんなことが判っちゃうんですか?」
どこからともなく降ってきたゼロスの声に、あわてて上を見る一同。しかし、とぼけた神官の姿はどこにも見られない。
「精神世界であんたが全魔力を使ったら、魔界にもきっと相当な被害が出るわね。ゼロスだってそれは避けたいだろうし。かといって、結界を張りつつ、その余力で倒せるほど影は甘くない」
ゼロスと全く同等の力を持つ影が、自分の全能力を『防御』につぎ込んだ場合、いくらゼロスでもそうたやすく倒すことはできないだろう。
そもそも影には戦おうなどという意志は、かけらもないのだ。こんなばかげた戦いで、いたずらに消耗するだけ馬鹿馬鹿しい。
魔界には、彼の隙をねらう輩も相当数、いるのだから。
「大当たりです。まあ、ボクとしては、魔界がどうということよりも、獣王様のお怒りの方が怖いんですけどね」
結構軟弱な科白と共に現れる黒い神官姿。
「騒がしいのがお嫌いな方がいらっしゃいますから」
すとん。と、リナのすぐそばに着地すると、ゼロスはいつものにこやかな笑みを一同に振りまいた。
「万事解決。と、言うことで。村に帰ってもいいんじゃないでしょうか」
その言葉に、まだ納得がいかないながらも動き出すガウリィ達。あれからずいぶん日が経った。この子達の親はずいぶん心配しているだろう。
眠っている少女を背負ったガウリイ達の後ろを歩みつつ、フィリアがゼロスに問いかけた。
「それで、影は結局どうなったんですか?」
じろり、と、フィリアをにらむゼロス。
「教えてくれたって、いいじゃない」
リナも続けてたずねるが。
実のところ、返事は期待していなかった。どうせまたいつものように「それは秘密です。」と答えるだろう。と、思っていた。だから。
「ボクの代理として、雑用を片づけていますよ」
あっさりと返事が返ってきたことに、驚くリナ。
「代理?あんたの?あんな奴にゼロスの代理がつとまるの?」
「・・・それは、ボクに対する過大評価ですか?それとも過小評価?」
にっこりと。リナにささやきかけるゼロス。
「どういう事よ」
「つまり。低級魔族なら、そもそもボクに逆らおうなんてこと、考えませんし。アレが『影』だと気づくレベルの方なら、はなっからあいつの事なんて、問題にしませんし。
ま、かかし程度の役には立つ。そういうことですよ」
そういって、再びフィリアに視線を向けるゼロス。
なぜ、そんなににらまれるのか、彼女には理解できない。ので、ぷいと横を向いてしまう。
視線をはずされたゼロスのほうは。わずかに苦笑を浮かべ、ぽそりと呟く。
「何やってるんでしょうね、ボクは・・・」
その科白に反応したのは、フィリアではなくリナだった。
「え?ゼロスってば、何か言った?」
とたんに。いつもの表情になってリナに答えるゼロス。
「あの鏡は惜しかった、といったんです」
首を傾げるリナに、楽しそうに告げるゼロス。
「例の鏡。アレを作ったルガンディっていう人に力を貸したのは、他ならぬ、ボクだったんです」
「な、なんですって?!」
叫ぶリナの顔前で人差し指をふりつつ、ゼロスは楽しそうに答える。
「魔族と契約してでも、新しいマジックアイテムを作りたいと。なかなか覇気にあふれた方でしたネェ」
にこにこと笑うゼロスに、リナは陰険な視線を向けた。
「するってと何?この騒ぎの元凶は、あんたなの?ゼロス!!」
「そうとも言えますね」
「『そうとも言えますね』じゃ、ない!!あああ。あんたなんかに気を許したあたしが馬鹿だったわ!」
大声で叫ぶと。びしっっっっっっ!とゼロスを指さし、断言するリナ。
「すべての元凶はゼロスにあり!今度からそう思うことにしたからね!何かあったら、ゼロス!まずあんたを一番に疑うから!!」
「いくらなんでもそれは・・・」
「うるさぁい!あたしが決めた今決めた!だから今、あたしに殴られるのもゼロス!あんたが悪いのよ!!」
「そんな無茶な。ああっ。その、スリッパに魔法かけるのはやめにしましょうよぉ」

後ろで起こった騒ぎを気にもとめていないように。ゼルガディスが呟く。
「戦いすんで、日が暮れて・・・か」
「リナさん達、未だ何かやってますけど」
アメリアの答えに、疲れた声で答えるゼル。
「無視だ無視。つきあいきれるかあんなもの」
「オレ、腹減った」
一件落着だ。俺は帰って寝るぞ。
背中の女の子を揺すりあげつつ思うゼルガディス。急げば日没までに、村に帰れるだろう。

そのころ。
群狼の島では、ちょっとした騒ぎが起こっていた。
仲間のところにふらふらと移動してきた魔族その一。
「なんだ、おまえ?」
「影が薄いぞ、おい」
パタリ。と、倒れた魔族に等閑に声をかける一同。
「誰か、ゼロス様のご機嫌を損ねた奴がいるのか?」
アストラルサイドにおいてさえ姿を保てないほど衰弱した魔族その一が、問う。
「・・・なにがあったんだ」
ゼロス様の機嫌が悪い、となれば。話はいきなり他人事ではなくなる。
「俺がさっき、仕事を片づけた報告に行ったら・・・」
ぜいぜいと、苦しそうにしゃべる魔族その一の言葉に、熱心に耳を傾ける一同。
「ゼロス様が仰ったんだ。『ご苦労様』ってな」
「う・・・」
だれかがうめく。そして。
「なんて恐ろしい!」
「ゼロス様にねぎらわれるなんてぇ!」
「おまえ、逃げた方がいいぞ。ただではすまないに決まってる!」
騒ぎは伝染し、広がるパニック状態。

その言葉をかけたのが「影」であることなど、もちろん誰も気づいていない。
獣神官ゼロス。どこまでも、はた迷惑な男であった。


                                おわり

作者のたわごと。
こんにちわ。作者でございます。お読みくださり、ありがとうございました。
久しぶりにゼロスが主役(?)の話を書いてみました。
ゼロス影。考えたときは面白いと思ったのですが・・・。以外と活躍してくれなかったです。残念。
「ゼロス影が、どうしてこんな性格になるのよ!!」という苦情、受け付けます。
皆様の「ゼロス影」がどんなキャラクターなのか、教えていただけたら嬉しいです。
ちなみにわたしは、フィリアと仲良くなるゼロス影に、やきもちを焼くゼロスというお話にするつもりでした。(多少、そういう雰囲気は残っていますが)
・・・どうしてアメリアと仲良くなるかな?ゼルはあきれているだけで、嫉妬心にはほど遠そうだし。ほとんどギャグになっちゃったし。しくしく。もっとシリアスな話だったのよ、初めは。
それもこれもみんな。ゼロスが悪い!!(リナ=インバース談)
と、いうわけで。全然らぶらぶじゃないんですが、オッケーでしょうか?
笑っていただけたら、幸いです。

それでは。この長いお話を最後まで読んでくださったあなたに、感謝の意を捧げます。

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491Re:ふたりのゼロス 4もおきんるい E-mail URL11/14-09:52
記事番号489へのコメント
どうも、もおきんです。
おお。これはまさしく『ぜろふぃり』だあ!と、よろこんでしまいました。
もおきんは極小数派『ぜろふぃり』者です。ああ、またお仲間が!
(あ、ゼロリナもかかれてましたっけ?)

>「あのぉ」
>おずおずと。フィリアが会話に割り込んできた。
>「よかったら、私が連れて行きましょうか?」
>意外な人の意外な言葉に、驚きの視線が集中する。
>「・・・フィリアさん?」
> 一番驚いたのは、ゼロスだったらしい。呆然として、彼女を見つめる。
えへん。いい反応だ。

>「いいんですか?あんな性格でも、魔族なんですよ。フィリアさん、魔族が嫌いな   
>んじゃ・・・」
>アメリアの科白に、にっこりと微笑んで答えるフィリア。
>「たとえ魔族でも!悔い改め、平和主義者としての余命を送りたいというのなら!
>私達教会は、それを支援することが出来ますわ。
>それに。臆病なだけの人でも、なさそうですし・・・」
最後の言葉は、何を、何を含んでいるんだー!(わくわく)

>言葉の最後を飲み込み、ちらりと視線を影に向けるフィリア。
>あのぉ。顔が赤いですよ・・・って。え?えええ?
>フィリアってばもしかして・・・。
>「わかりました」
>唐突な一声。見ると、ゼロスが影の背後に立ち、何事かを決意したように呟くとこ>ろだった。
>「彼は、このボクが責任もって引き取ります。それで、いいですね」
お?フィリアの態度で、こう反応する?(いいぞ、いいぞ)

>眠っている少女を背負ったガウリイ達の後ろを歩みつつ、フィリアがゼロスに問い 
>かけた。
>「それで、影は結局どうなったんですか?」
>じろり、と、フィリアをにらむゼロス。
<<かってに中略 >>
>ま、かかし程度の役には立つ。そういうことですよ」
>そういって、再びフィリアに視線を向けるゼロス。
>なぜ、そんなににらまれるのか、彼女には理解できない。
>ので、ぷいと横を向いてしまう。
>視線をはずされたゼロスのほうは。わずかに苦笑を浮かべ、ぽそりと呟く。
>「何やってるんでしょうね、ボクは・・・」
本当、なにやってんのよぅ〜、このスチャラカ神官てば(はぁと)。

>作者のたわごと。
>ちなみにわたしは、フィリアと仲良くなるゼロス影に、やきもちを焼くゼロスとい>うお話にするつもりでした。(多少、そういう雰囲気は残っていますが)
いや〜ん(byクレヨンしんちゃん)、ちゃんとかいて〜ん。
てなことで、もおきんも次のぜろふぃりにむけてのチャージができました。
ありがとう、むつみしゃん!!(爆涙)

ではでは。
またもおきん亭にもよってね〜ん。

もおきんるい

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521もおきんさんありがとうございますむつみ E-mail 11/15-20:21
記事番号491へのコメント

>どうも、もおきんです。
 お読みいただき、ありがとうございます。

>おお。これはまさしく『ぜろふぃり』だあ!と、よろこんでしまいました。
そうですか?(^^)よかった。
>もおきんは極小数派『ぜろふぃり』者です。ああ、またお仲間が!
>(あ、ゼロリナもかかれてましたっけ?)
 仲間仲間。でもわたし、ゼロリナは書いていません。
 ・・・でも、このお話読んだら、そう思われても仕方がないですね。
 (自分でも、ガウリィの扱いがひどいと思う)

>> 一番驚いたのは、ゼロスだったらしい。呆然として、彼女を見つめる。
>えへん。いい反応だ。
 あのゼロスが驚いている。情景がなかなか想像できなくて。

>>それに。臆病なだけの人でも、なさそうですし・・・」
>最後の言葉は、何を、何を含んでいるんだー!(わくわく)
 なんでしょうね〜(^^)

>>「彼は、このボクが責任もって引き取ります。それで、いいですね」
>お?フィリアの態度で、こう反応する?(いいぞ、いいぞ)
 態度で示すゼロス君。

>>「何やってるんでしょうね、ボクは・・・」
>本当、なにやってんのよぅ〜、このスチャラカ神官てば(はぁと)。
 いろいろ考えているみたいです。

>いや〜ん(byクレヨンしんちゃん)、ちゃんとかいて〜ん。
>てなことで、もおきんも次のぜろふぃりにむけてのチャージができました。
>ありがとう、むつみしゃん!!(爆涙)
 わたしも、もおきんさんのゼロフィリ、大好きですよ。
 もおきん亭はチェックしてます。
 UP するのを、楽しみに待っています。
 
ではでは。
お読みくださり、ありがとうございました。

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508拝見しました!穂波 11/15-01:16
記事番号489へのコメント
今晩は、むつみさん。

影ゼロス、拝見しました。・・・何て魔族らしくない笑える奴なんでしょう・・・こんなんがリナ達一行よりも強いって・・・強いって(笑)。

ゼロスシャドウに肩入れしちゃうアメリア、可愛いですね(アメリアに関して、私はそれ以外に言葉をしらんのか・・・?)まぁ、どうみてもらぶらぶではないし、ゼルもあきれていただけなのでしょうか。
一応ゼロスの外見した奴がアメリアと仲良しになったら、私はけっこうピキッときますが(笑)、ゼル余裕あるなぁ(笑)。
それとも嫌いなゼロスがダメージ受けてるから、良しとしたんでしょうか(笑)。

そして、ゼロフィリ結構あるような気がするのですが(笑)。
自分と同じ顔した奴が、あっさり受け入れられたら・・・そりゃー腹も立ちますね(笑)。
僕を毛嫌いしてるくせに、シャドーは良いんですかっ!?(byゼロス) みたいな(笑)。
フィリアは、とんと気が付いていないでしょうけど・・・(笑)。
私ゼロスだったら、腹いせに影こき使いまくるでしょう(笑)。

>と、いうわけで。全然らぶらぶじゃないんですが、オッケーでしょうか?
>笑っていただけたら、幸いです。
はい、面白かったです(^_^)

次も、楽しみにしていますね♪

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522穂波さんありがとうございますむつみ E-mail 11/15-20:29
記事番号508へのコメント

>今晩は、むつみさん。
 は〜い。(^^)さっそく読んでくださり、ありがとうございました。

>影ゼロス、拝見しました。・・・何て魔族らしくない笑える奴なんでしょう・・・こんなんがリナ達一行よりも強いって・・・強いって(笑)。
 何考えてるの?このゼロス・・・というツッコミがくるかな〜?とか、心配していました。

>
>ゼロスシャドウに肩入れしちゃうアメリア、可愛いですね(アメリアに関して、私はそれ以外に言葉をしらんのか・・・?)まぁ、どうみてもらぶらぶではないし、ゼルもあきれていただけなのでしょうか。
 全然らぶらぶじゃ、ありません。彼女が叫びだしたときには、どぅしようかと思いましたよ。
 (でも。アメリアの暴走を削る気は全くないわたしであった。)

>一応ゼロスの外見した奴がアメリアと仲良しになったら、私はけっこうピキッときますが(笑)、ゼル余裕あるなぁ(笑)。
 う〜〜ん。そうですか。あんまりギャグになったから、ゼルが真面目にやきもちを焼く余地がなくなっちゃって。

>それとも嫌いなゼロスがダメージ受けてるから、良しとしたんでしょうか(笑)。
 ありそうですね。(^^)
>
>そして、ゼロフィリ結構あるような気がするのですが(笑)。
 そうですか?よかった。元ネタが。鬼畜なまでにゼロフィリだったので、わたしは少々物足りない・・・。

>自分と同じ顔した奴が、あっさり受け入れられたら・・・そりゃー腹も立ちますね(笑)。
>僕を毛嫌いしてるくせに、シャドーは良いんですかっ!?(byゼロス) みたいな(笑)。
 あはは。いいっ!この科白!!

>フィリアは、とんと気が付いていないでしょうけど・・・(笑)。
 うちのフィリアは、リナに輪をかけて鈍いです。

>私ゼロスだったら、腹いせに影こき使いまくるでしょう(笑)。
 こき使っています。

>はい、面白かったです(^_^)
 ありがとうございます。そのお言葉が一番、嬉しいです。
>
>次も、楽しみにしていますね♪
頑張ります!!


 ではでは。お読みくださり、本当にありがとうございました。

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511読みました♪らいあ 11/15-07:19
記事番号489へのコメント
こんにちわっ!!
嬉しいですぅ〜〜〜・・・ゼロフィリぃぃ〜・・・(T▽T)
少ないですよね・・・うぅ。悲しい〜。


>「いいんですか?あんな性格でも、魔族なんですよ。フィリアさん、魔族が嫌いなんじゃ・・・」
>アメリアの科白に、にっこりと微笑んで答えるフィリア。
>「たとえ魔族でも!悔い改め、平和主義者としての余命を送りたいというのなら!
>私達教会は、それを支援することが出来ますわ。
>それに。臆病なだけの人でも、なさそうですし・・・」
>言葉の最後を飲み込み、ちらりと視線を影に向けるフィリア。
>あのぉ。顔が赤いですよ・・・って。え?えええ?
>フィリアってばもしかして・・・。
きゃぁう!
かわいいぞフィリアさん!(>▽<)

>「わかりました」
>唐突な一声。見ると、ゼロスが影の背後に立ち、何事かを決意したように呟くところだった。
>「彼は、このボクが責任もって引き取ります。それで、いいですね」
>そして。返事も聞かず、二人のゼロスは姿を消した。
うみゅ。
嫉妬してらっしゃるわ。

>眠っている少女を背負ったガウリイ達の後ろを歩みつつ、フィリアがゼロスに問いかけた。
>「それで、影は結局どうなったんですか?」
>じろり、と、フィリアをにらむゼロス。
あはははは!!!

>そういって、再びフィリアに視線を向けるゼロス。
>なぜ、そんなににらまれるのか、彼女には理解できない。ので、ぷいと横を向いてしまう。
ふぃ・・・フィリアさん・・・
鈍感っすね・・・(^^;;

>視線をはずされたゼロスのほうは。わずかに苦笑を浮かべ、ぽそりと呟く。
>「何やってるんでしょうね、ボクは・・・」
そーですねぇ。

>ちなみにわたしは、フィリアと仲良くなるゼロス影に、やきもちを焼くゼロスというお話にするつもりでした。(多少、そういう雰囲気は残っていますが)
いいですよねっ!ゼロフィリ!!
くは〜、うれしい〜。

えっとですねぇ。
わたし、かなりのゼロフィリ支持派なんで、Tsubasaさんという方のHP、SLAYERS WORLDで巨大なゼロフィリツリー、作ってます。
よろしければ小説も少しあるので見てやってください!
あ、あとまだ造り途中ですけど、自分のHPもあります(はぁと)

それでわ!

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512忘れてた・・・。らいあ URL11/15-07:22
記事番号511へのコメント
HPのURL書くの忘れてました・・・。
付け足し付け足し・・・。

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523らいあさんありがとうございましたむつみ E-mail 11/15-20:36
記事番号511へのコメント

>こんにちわっ!!
 はじめまして。むつみと申します。
 お読みくださり、ありがとうございました。

>嬉しいですぅ〜〜〜・・・ゼロフィリぃぃ〜・・・(T▽T)
>少ないですよね・・・うぅ。悲しい〜。
 そうなんですか?う〜〜ん。そうかもしれないですね。
 ゼロリナに比べたら、断然少ないのは確かですね。

>>フィリアってばもしかして・・・。
>きゃぁう!
>かわいいぞフィリアさん!(>▽<)
 可愛いですか?それはよかった。(^^)

>>そして。返事も聞かず、二人のゼロスは姿を消した。
>うみゅ。
>嫉妬してらっしゃるわ。
 そうなんです。単に唐突な奴と思われたら、どうしようかと思いました。

>ふぃ・・・フィリアさん・・・
>鈍感っすね・・・(^^;;
 うちのフィリアは、リナに輪をかけて鈍感です。
 箱入り娘だし。

>>ちなみにわたしは、フィリアと仲良くなるゼロス影に、やきもちを焼くゼロスというお話にするつもりでした。(多少、そういう雰囲気は残っていますが)
>いいですよねっ!ゼロフィリ!!
>くは〜、うれしい〜。
 喜んでいただけて、わたしも幸せです。

>
>えっとですねぇ。
>わたし、かなりのゼロフィリ支持派なんで、Tsubasaさんという方のHP、SLAYERS WORLDで巨大なゼロフィリツリー、作ってます。
 あ。そのHPは知らないです。ここのリンクから、いけるかな?

>よろしければ小説も少しあるので見てやってください!
 はいはい、行ってみますね。(^^)

>あ、あとまだ造り途中ですけど、自分のHPもあります(はぁと)
 おじゃましますです。

 それでは。またどこかでお会いできることを祈りつつ。