◆-お久しぶりです。『当たり前の事だから(Lina)』-Noel・マイオー(12/17-22:14)No.888
 ┣『当たり前の事だから(Lina side)』-Noel・マイオー(12/17-22:16)No.889
 ┃┗Re:『当たり前の事だから(Lina side)』-LINA(12/21-18:18)No.915
 ┃ ┗ありがとうございます♪♪-Noel・マイオー(12/21-20:53)No.924
 ┗おそい感想(爆)-マミリンQ(1/7-14:57)No.1011


トップに戻る
888お久しぶりです。『当たり前の事だから(Lina)』Noel・マイオー E-mail URL12/17-22:14

こんにちは。
前に、こちらに投稿した『当たり前の事だから』のリナ・サイドが出来上がりましたので、投稿します♪
…といっても…もう、うちのHPでご覧になった方は、いらっしゃると思いますが……(汗)


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「はいはい、わかったよ。」
 ガウリイがいつものようにあたしの頭に手を置いてくしゃくしゃっと撫でる。
 変わらない仕草。
 あたしはその態度にちょっとムッとした。
「ちょっと!子供扱いはしないでってば!!」
 怒ったように振る舞ってるけど、本当は少し、嬉しくもある。
 ・・・あたし、変かな・・・。
 でも、ガウリイがこういうことするの、あたしだけだって知ってるから・・・。
 ガウリイの顔に笑顔が広がる。
「そういうところが子供だって言うんだ。」
「子供じゃないっ!!」
 ・・・あたし、ガウリイが思ってるほど子供じゃない。
「へいへい。わかりましたよ。」
 おいおい・・・。
「わかってない!!」
 わかってないよ・・・。

                   ◇◆◇◆◇

 ああ、あ。
 ガウリイと違うグループか・・・。
 たっく、身辺警護なんて一番厄介そうな仕事じゃない。
 あたしは大きく伸びをするとあたしと同じ持ち場に当たっている面々を見た。
 今、あたしとガウリイはある金持ちの護衛の仕事をしている。
 ガウリイは警護というかそこの騎士団の剣の指南に回されて、あたしはこの通り身辺警護だ。
 大体、なんなのよ?
 この傭兵の数は・・・・・・。
「リナっっ!!?」
 へ?
 あたしは声のしたほうを見た。
 赤毛の兄ちゃんが立っている。
 ……誰?
 ・・・ガウリイと違って記憶力はいいんだけどな・・・。
 でも・・・・・・どっかで見たような・・・・・・ああああーーーーーーーーーー!!!!!!!
「もしかしてっっ!!!ルイスううううううーーーーーーーーー!!!!!!」
 懐かしい顔を見て、あたしは叫んだ。
「変わってないなあーーー、お前。」
 ルイスが近づいてくる。
 そりゃあ、この年の男は成長期かもしれない・・・・・・でも・・・・・・
「ほんっとうにあんた、ルイスなのっ!!?」
「ああ。いっつもお前にイヂメられてたあの、ルイスだよ。」
 ・・・・・・・・・根に持ってる・・・・・・?
 ううん、でも……驚いたあ。
 だって・・・すっごく変わったんだもの。こいつ。
 昔はちっこくってひ弱そうで・・・だからいっつもイヂメてた。
 何よりも、あの、いじっいっじした態度が許せなかったのよねえ・・・(汗)
「あんたが、傭兵やってるとはねえ・・・。」
 溜め息混じりにそう言えば・・・
「まあ、あん時の俺とは別人だからな!」
 ・・・・・・そうなんだ。
 うん。でも確かに、今、目の前にいるのはしっかりとした体格のいい傭兵だ。
 ・・・・・・顔も昔っから悪くない。
「ともかく、これから宜しくな。」
 ルイスが手を差し出した。
 ・・・・・・剣士の、がっちりとした手だ。
 白い、細っこい腕じゃない。
 ・・・ガウリイみたいなしっかりした手・・・・・・。


                  ◇◆◇◆◇


「へええーーーーー、じゃあ、あんた今は精霊魔法も使えるんだ?」
 ちょっと意外。
「ああ。まあな。あんまり大技は使えないんだけどな・・・・・・。」
 ふむふむ。
 懐かしい人間との再会って・・・意外なことが多いわあ。
 たまにはいいかも。
 あたしとルイスは昼休み・・・交代制なのよ、いちよ。で食堂に来てたりする。
 でも、別に食事が目的なわけじゃない。
 ・・・ふっふっふっふ、身辺警護のいいところ、それはここの一番のコックさんの料理が食べられること(はあと)
 というわけで、ガウリイを待ってるのだ。
 ここで待ち合わせしたのよねえ。
 ・・・・・・邸内で迷ってるとか・・・・・・?
 多いにあり得そうな・・・・・・・・・。
 にしても・・・さっきからこいつの視線が気になったりするのよね。
 ・・・・・・ふっ、さてはあたしに惚れたな。
「何、さっきっからジロジロ見てんのよ?」
 あたしの言葉にルイスが慌てて、視線を反らした。
 甘いっ!!甘いわっっ!!!!」
「・・・・・・いや・・・ルナさんに似てきたなあ、っと・・・・・・。」
 あ、そうか。忘れてた。
 こいつねえちゃんのファンの一人だった。
「あ、もちろんルナさんのほうがもっともっとずううーーーーーーーーっと綺麗だけどな!!」
 ・・・そんな強調しなくても・・・・・・。
「うわっ!!リナ!!止めろ!!!」
 にいっこりと笑って、あたしが呪文の詠唱を始めようとしたのをルイスが慌てて止める。
「やあね、冗談に決まってるじゃない(はあと)」
 しかし、ルイスの顔は引きつったままだ。
 ・・・この可憐な美少女に微笑まれたのに酷いわ!!
「リナ!!」
 あ・・・ガウリイだ・・・。
 すぐにガウリイの顔を発見する。
 あたしの顔に笑顔が広がる。
 何でか分かんないけど……安心する。
「ガウリイ!!遅いよ!!」 
 ルイスもあたしと同じ方向を見た。
 でも、すぐにこちらに視線を戻すと
「それで、さ。リナ、魔法の研究のことなんだけど」
「え?何?」
 ルイスが自分の使える範囲内の魔法とそれから始めた研究について話始めた。
 こういうのって興味深いのよねえ。
 隣にガウリイが座ったのがわかる。
 手にはたくさんのトレー・・・・・・こいつは手品師か?
「ほれ。」
 予想通り、あたしの前にもトレーを置いてくれる。
「あ、いいや。あたし。」
 その言葉にガルリイが困惑するのがわかる。
 でも、ごめん、ガウリイ。あたしは今、ちょっとあんたとは話せないわ。
 ルイスが思ったよりもいろいろと研究しているようであたしは驚いた。
「でさ、黒魔法の・・・・・・」
 ほお。
「あ、それはあたしも試したことが在るけどあんまり意味がないうえにキャパシティー食うから止めたほうがいいわ。」
 あたしはかなり真剣に話を聞いていた。
「おい?リナ?」
 今、いいところなんだってば
「あ、ちょっと、待って。」
「で、俺は思ったんだけど武器と合わせてだとさ・・・・・・」
 成程。
 そうよね、昔から頭はいいもんね。こいつ。いっつも本読んでたっけ。ま、あたし程じゃないけどね。
 さて、と。一旦、話もキリがついたし・・・
「何?」
 あたしはガウリイの方を見た。。
「仕事、どうだ?」
「まあ、何とかなりそうよ。ガウリイは?」
「こっちもまあまあだな。」
 ガウリイの視線がルイスに移る。
「・・・・・・誰だ?こいつ。」
「俺の名はルイス。」
 答えようとしたらルイスが自分から名乗った。
「リナの幼なじみだ。」
 そうなのよね〜。でも・・・
「すっごい、驚いた。だって、あのルイスが傭兵なんて・・・」
 昔のこいつを思いだしてあたしは吹き出しそうになる。本当に世の中、わからないものだ。
「リナ!!」
 あたしの言葉をルイスが止める。でもその声は笑っている。うーん、成長したねえ。
「で、あんた、リナの彼氏かなんかか?」
 え?
 えええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
「なっ!!違うわよ!!こいつはあたしの自称保護者なんだから!!」
 あたしは精一杯、否定した。
 たぶん、顔が赤くなってるだろうなあ。
 ガウリイが・・・・・・彼氏・・・・・・考えただけで再び顔が赤くなる。
「ふーん。自称保護者ね。」
 そう、そうなのよ。
 保護者・・・・・・彼氏だったらそりゃあ・・・嬉しいかな・・・。
 やっ、あたし、何考えてるんだろ!!
「で、何で食事がいらないんだ?」
 え?
 まあ、ちょうどいい時に話題変換だわ。そうじゃなきゃずっと変なこと考えちゃうところだったし。でも・・・・・・
「え、それは〜・・・」
 あたしは結構、うろたえた。だって・・・ねえ?
「・・・ぢつは、ね・・・ガウリイ・・・。」
 あたしはガウリイをすまなさそうに見た。
 そうして告げた。あたしが食べたお昼のことを・・・。
「なにーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!?」
 少しした後にガウリイの叫び声が食堂中に響き渡った。
「しっ!!声大きいよ!!」
 あたしは自分の唇に指を当てる仕草をした。
「あ"・・・すまん・・・でも・・・」
 ガウリイがジト目で見てくる。
 仕方ないじゃない。美味しい料理をたらふく食べて、もう、入らないんだから。
「やあねーーーー。仕方ないでしょう。知らなかったんだから。でも・・・夕飯はガウリイも呼んでいいってお許しをもらったから。ね?」
 ガウリイを上目遣いで見る。
「・・・・・・わかったよ。」
 言ってガウリイは自然な仕草であたしの頭にぽん、と大きな手を置いた。
 そしてぐしゃぐしゃっと少し、乱暴に撫でる。
 不思議と怒る気にはならなかった。
 むしろ、少し心が温かくなる。
 これがあまりにも日常化しすぎてしまったのかもしれない。
「・・・リナ、もうそろそろ戻らなくちゃまずいよ。」
 ルイスが遠慮がちにあたしに問い掛けた。
「あ、そうね。じゃあね。また後で。・・・・・・あんたのとこまで迎えにいってあげるわ。」
 あたしとルイスは駆け出した。ついつい忘れるところだったわ。もう、こんな時間だなんて……。

                  ◇◆◇◆◇

トップに戻る
889『当たり前の事だから(Lina side)』Noel・マイオー E-mail URL12/17-22:16
記事番号888へのコメント

「明日でここの仕事も終わりだなあ。」
 ガウリイが呑気にバルコニーに立って言う。
 ・・・悔しいけど・・・ガウリイって綺麗だよなあ。
 長い金の髪が月の光にキラキラと輝いてる・・・・・・。
「・・・・・・って聞いてる?リナ」
 え・・・?
 あ、ヤバイ・・・。
 ルイスの言葉に我に返る。
 ここはあたしの部屋。そこになんでガウリイもルイスもいるのかっていうと最終日の明日についての相談。
 敵さんは・・・たぶん、明日、来る。
 あたし達の雇い主の元に届いた脅迫状には・・・明日、来ると書いてあった。
 ・・・にしても親切な暗殺者よね。わざわざ何時来るか知らせるなんて。
 それがその暗殺者のポリシーってわけか・・・・・・。
 ・・・・・・でも、何時来るか分からないわけで雇い主のおっさんはたくさんの傭兵やら魔道士を集めてたってわけ。そして・・・今まで必要性があまりなかった為かあまり、強いとはお世辞にも言えないここの騎士団の強化も強めることにしたらしい。まあ、今まで無事、暗殺者が来なかったのと騎士団もなんとか強くなったのであたし達、雇われてる者の仕事は明日までだ。
 まあ、そういうわけでルイスとあたしが話し合いをする必要があったんだよね。
 星も綺麗だし、風も心地よいからバルコニーに三人、並んで立っている。
「あ、ガウリイさん。そのバルコニー、木が腐ってますよ。」
 あ・・・気付かなかったけどガウリイはいつの間にかバルコニーの手すりに手をかけていた。
「へ!?」
 あーあ・・・・・・
 ガウリイの重さで見事に手すりは壊れ・・・・・・ガウリイは下へと真っ逆さまに落ちていった。
 ・・・・・・痛そー
「あ・・・・・・大丈夫かな・・・?」
 ルイスが下を見て言う。
 ・・・・・・本当に、心配しているのかな?その態度は・・・・・・。
「まあ、あれくらいじゃ死なないことは確かね〜。」
 あたしは気楽に答える。
「そりゃあ・・・・・・リナと一緒にいられるような奴だもんな?」
 ほっほう。
「何か、言ったかなあ・・・・・・っっっっっっ!!!!!!!」
「ん?どうした・・・おいっ!?リナっっ!!!???」
 あたしの頭上で慌てふためく声が聞こえる。
 で、ででででででででででもおおおおおおおおおおっっっっっ
「ななななななななめめめくくくく・・・・・・」
 そう、あれがいたのだ。
 だから慌ててあたしは手近な存在(ルイス)に飛びついた。
「はあ?ななめめ・・・ってああ、なんだなめくじかあ。」
 あたしの指さす方向を見てルイスが平然と言った。
 平然とするなあああっっっ!!!!
「なんだ・・・リナ、お前、まだなめくじが嫌いなのかあ?・・・・・・子供だな。」
 笑いを含んだ声。
 うるさあああああいいいいいいっっっっっ!!!!!!
 パタンっ
 え?
 音・・・・・・扉が開く音?
 え・・・・・・?
 あ、やだ・・・あたし、ルイスに抱きついてた!
「っ!ガウリイ!!」
 ガウリイの名を呼ぶ。
 だって・・・ガウリイ!?
 怒ってるのはわかる。
 ・・・・・・ガウリイがあたしとルイスの間に入ると・・・っ・・・ルイスを、殴った。
「止めて!!!ガウリイ!!!!」
 あたしは必死にガウリイの腕を掴んだ。
 止めさせなきゃっ!!
 ・・・・・・・・・・え?
「崩魔陣!!!危ない!!リナっっっ!!!!」
 ルイスが叫びがすぐ側で聞こえた。
 そして次の瞬間、ルイスにまたもや抱き締められた。
(いや、さっきのは違うんだけどね・・・・・・)
「え!?」
 ガウリイの驚きの声が聞こえた。
 ・・・・・・これは・・・!!
 どうやら敵さんが現れたらしい。
 明日、来るんじゃなかったのお!?
 それとも・・・まず先に傭兵達をやつける気で・・・!?
 ・・・・・・にしても・・・ガウリイが気付かなかったなんて・・・。
「リナ!平気か!?」
 ガウリイが訊ねてくる。
「平気。・・・ありがと。ルイス。」
 ガウリイに無事を知らせてからルイスに礼を言った。
「良かった。今のは俺が使える術の中で一番のだぜ!」
 嬉しそうにルイスが言う。彼はもう、戦闘に備えている。
 ・・・・・・動揺して、あたしもガウリイも出し抜かれたみたいね・・・。
 なんて、不覚。
「ほお、以外だな。その剣士さえ押さえられればなんとかなると思っていたのに。」
 声が聞こえた。
 そして・・・・・・黒ずくめの男が現れる。
「予想外ね。あんたが来るのは明日かと思っていたのに。」
 あたしは鋭く言い放った。
「任務を遂行するにはターゲットについているあんたを倒したほうが楽だからな。」
 男は薄く笑って言い放つ。
 ああ、やっぱり先にあたしを倒す作戦なのねええええ(泣)
 ガウリイが間合いを一気に詰める!!
 ばかガウリイっっ!!!
 あれじゃ・・・・・・・・・あたしも駆け出す。
 さっきのがよっぽど気になってるらしく我を失ってる!?
 ・・・敵に気付かなかったことに動揺してるの!?
 あんなの・・・ガウリイじゃないっっ!!
 お願い、間に合って!!
 ガウリイが切りかかろうとしたのと当時に相手の手の先に光が集まる。
 お願い!!
 ガウリイを助けたいのっ!!
 ・・・間に合わないっ!!?
「だめ!!ガウリイ!!!!」
 あたしはガウリイに体当たりした。
「リナああ!!」
 あたしを呼ぶ、ルイスの声が聞こえたような気がした。
 ・・・・・・痛い・・・。
 あたしの意識はそのまま闇へと飲み込まれた。


 ・・・ガウリイ、助かったよね?
 ・・・あたし・・・弱くなったかな・・・?
 ・・・・・・守りたい人がいる。
 あたしなんかよりずっと・・・・・・。
 それとも・・・強くなったかな?
 温かい。
 大切な人がいること、守りたい人が居ること・・・・・・。
 なんでだろ?
 切ないのに・・・幸せだ。


 んん。
 ・・・・・・ここ、どこ?
 ・・・ああ、そういえば・・・あたし、ガウリイを守って・・・
 目を開けると視界に入る・・・手?
 ・・・傭兵の手・・・。
 あたしのベッドに置いてる手。
「・・・・・・ガウリイ?」
 声をかける。
 しかし・・・帰ってきた返答は・・・
「悪いな、俺だ。」
 え・・・・・・?
 あたしを覗き込む、赤い髪の・・・・・・ああ、ルイスだ。
「・・・・・・ガウリイは・・・・・・?」
 あたしの言葉にルイスが苦笑する。
「目が覚めて、すぐそれかい?」
 ・・・・・・目の前のルイスの瞳に寂しそうな、それでいて苛立った色。
 ・・・・・・ガウリイ、何処?
 不安という感情が頭をもたげる。
 ・・・何処?
 ・・・ガウリイ、ガウリイ、ガウリイ・・・
 あたしは飛び起きる。
「リナっ!?」
 慌ててあたしを押さえるルイス。
「っ!!」
 しかし、ルイスの腕はすぐにあたしを解放した。
 涙があたしの頬を伝う。
 何処?
 ガウリイ?
「早く、行けっ!!」
 え?
 ぼふっ!!
 視界が黒く染まる。
 ・・・・・・あたしの・・・マント?
「ガウリイさんなら行っちまったよ!さっさと行けよ!!取り戻せっ!!」
 え・・・?
「で、でも・・・・・・」
 口ごもった。
 だって・・・ガウリイが・・・決めたことなら・・・・・・。
 でも・・・・・・どうして・・・?
「お前は、リナ= インバースだろ!?そんな弱気でどうする?ぐじゃぐじゃ言う、俺が嫌いでいっつもイヂメてたんだろっ!?だったらお前がそんなことでどうする!?・・・・・・そんなのっ俺がホレたリナ=インバースじゃないぞっ!!!」
 ・・・・・・・・・っ!!!
「ありがとっ!!!!」
「・・・ついでに教えてやるとな、ガウリイさん、自己嫌悪に陥ってるんだよ。お前を守れなかったどころか、お前に守ってもらったことに、な。」
 ・・・・・・ばか、ガウリイい!!!
 あたしは慌てて身支度を整える。
「じゃあ、ガウリイを取り戻してくるねっっ!!!」
「ああ、今日はスペシャル・ディナーがあるから帰れたら戻ってこいよ!!!」
 ルイスの声があたしの背中を押してくれた・・・。


 どこ・・・?
 ガウリイ、どこ!?
 こんなに一人が寂しいなんて・・・思わなかった。
 ・・・ばかだよ。
 ガウリイ・・・・・・。
 あたしは、弱くなったの?
 ・・・・・・違う!!
 強くなったんだ。
 誰かを守ろうとする、そんな気持ちがあたしを強くした。
 だから・・・一人に戻りたくない。
 どこ・・・?
 捜さなきゃ。
 見つからないの。
 ガウリイ!?
 あ・・・!!
「ガウリイっっ!!!!!!!」
 見つけた。
 目に飛び込む、金色の髪。
 木に寄り掛かってるの?
 後ろ姿だ・・・。
「ぼけくらげえっっっっ!!!!!!」
 ばかばかばかばかばかああああああっっっっ!!!!!!
 あたしは駆け寄る、ガウリイの背中に。
 なのに・・・・・・ガウリイは慌てて逃げようとする。
 ばかだあああっっ!!!!!!
 どうして、逃げるの?
 あたしは広い背中に抱き締いた。
 暖かな、広い背中。
 逃げないで。
 側にいて。
「ばかガウリイっっっ!!!!!」
 怒鳴ってるのに・・・体が震える。
「リナ・・・・・・。」
 掠れた声でガウリイがあたしを呼ぶ。
「・・・・・・・・・行かせて、くれ・・・。」
「いや!!」
 間髪入れずにあたしは言う。
 だって・・・そんなことで引き下がれない。
 引き下がれないよ。
「なんで?どうして・・・あたしを置いてくの!?」
「・・・・・・・・・。」
 ・・・何で、答えてくれないの?
「あたしの行くところに・・・着いてきてくれるんでしょう・・・?」
 そう言ったよね?
「でも・・・・・・俺のせいで・・・」
 っっ!!!!
 何で、こんなバカなこと言ってるのよ!!!
「あたしがあんたを守ったのは、あんたと共にいたいから!!決して、あんた一人を行かせる為じゃないっ!!!!」
 何で、分かってくれないのよ!?
「っっ・・・でも・・・」
「でもじゃないっ!!!ばかクラゲ!!!あんた本当にわかってない!!!」
 ガウリイが振り向く。
 そして・・・あたしを抱きしめてくれた。
「・・・いいのか?」
 心持ち、震えているように聞こえる、ガウリイの・・・声。
「あったりまえじゃない!!・・・・・・あんたは・・・あたしを・・・いつだって守ってくれたじゃない・・・?あたしは、あんたに何度、救われたかしれないよ。」
 ガウリイ、がいたから。
 だから・・・・・・・・・。
「確かに、あんた一人でも、あたし一人でも、生きてける。・・・でも・・・寂しいじゃない。一人だと、寂しいじゃない。・・・世界が暗く、感じるじゃない・・・?」
 一人にしないで。
 側にいて。
「ごめん。リナ・・・。生きよう。・・・一緒に。」
「うん!!」


「さってと・・・あんたのせいで豪華スペシャル・ディナーを逃しちゃったじゃない。」
 ま、いいけどね。
 本当は、さ。
 ・・・・・・ルイスには・・・悪いことしちゃったな。
 でも、また会えるよね?
「とゆわけで!!ディナーよっ!!!もちろん、あんたの奢りね(はあと)」
 とびきりの笑顔をガウリイに向ける。
「リナあああーーーーーー勘弁してくれよおお・・・・・・」
 情けない声を出すガウリイ。
「あらあーーーーー、保護者として当然の行為よねえ?」
 それに・・・あたしを置いていこうとしたし〜。
「さあっっ!!!行くわよ!!!ディナーがあたし達を呼んでるわっっ!!!!」
「おうっっっ!!!!あ!リナ、ちょっと待ってくれよおっっ!!!!」
 こんな日常が当たり前の日々。
 ガウリイがいて、あたしに微笑みかける。側にいてくれる。それがあたしにとって・・・
 ・・・・・・当たり前の事だから。



   ~*~後書き~*~
 ……やあっとリナサイド、書けました……。
 でも、リナ、人格が違うし……
 (そりゃ、いつものことだけど……(汗))
 こんなんでも楽しんでいただけたなら幸せです……。

トップに戻る
915Re:『当たり前の事だから(Lina side)』LINA 12/21-18:18
記事番号889へのコメント
読みました!!
リナの幼馴染が出てくるとは!!
しかもルナさんファンクラブ(爆笑)の一員だったとは!!
(なんか・・・・。手酷くあしらわれてそう・・・・・。)
シカトされてしまったガウリイも良かったです。
でも、やっぱりラストはガウリナですねえ♪
では。短いですが感想でした。

トップに戻る
924ありがとうございます♪♪Noel・マイオー E-mail URL12/21-20:53
記事番号915へのコメント
LINAさま

>読みました!!

読んでいただきありがとうございました♪♪

>しかもルナさんファンクラブ(爆笑)の一員だったとは!!

本当にあったら笑えますね〜♪
なんとな〜く、ルナさんに似てきた、というセリフが使いたかったんです。
(でも、実際はどうなんでしょうね…?)

>(なんか・・・・。手酷くあしらわれてそう・・・・・。)

そうですね〜(笑)

>シカトされてしまったガウリイも良かったです。

ガウリイ君に焦らせて、焼きもち焼かせたかったんです(笑)

>でも、やっぱりラストはガウリナですねえ♪

そうですね〜〜♪
そりゃあ、ガウリナですよ〜〜(なじぇ?)♪

>では。短いですが感想でした。

ありがとうございます♪
短くても感想は大歓迎です♪
今度、うちのHPにも遊びに来て下さいね〜〜♪♪
(勧誘←(笑))

それでは〜〜

Noel・マイオー

トップに戻る
1011おそい感想(爆)マミリンQ E-mail 1/7-14:57
記事番号888へのコメント
読んだよ!!
ガウリイside&リナさんsideまとめてしまいます。
ごめんちゃい。(てへ)

あああ、ガウリイがつらい!!
(してガウリイがつらかったら私もつらい!
・・・いや、前に訂正したか・・・。(爆))
ルイスのばかぁ!!(こらこら)でも結局ガウリナらぶらぶ度大幅
増幅してくださったので許す。(ヲイ)

・・・かなり消えてた事実を痛感。
またゆっくり貴女のHPにも遊びに行きます。