◆-植民地 第十二章-amy(1/5-18:38)No.1003
 ┗Re:植民地 第十二章-ティーゲル(1/5-22:36)No.1004
  ┗Re:植民地 第十三章-amy(1/6-20:10)No.1009
   ┗Re:植民地 第十四章-amy(1/10-12:29)No.1048
    ┗Re:植民地 第十四章-えもん(1/11-07:36)No.1049
     ┗Re:植民地 第十五章-amy(1/12-21:27)No.1073
      ┣Re:植民地 第十五章-えもん(1/13-09:56)No.1080
      ┗Re:植民地 第十五章-ティーゲル(1/15-01:21)No.1100
       ┗Re:植民地 第十六章-amy(1/15-15:02)No.1103
        ┗Re:植民地 第十六章-えもん(1/18-12:59)No.1121
         ┗Re:植民地 第十七章-amy(1/18-16:44)No.1123
          ┗Re:植民地 第十七章-えもん(1/19-09:50)No.1127
           ┗Re:植民地 第十八章-amy(1/19-18:14)No.1131
            ┣Re:植民地 第十八章-ティーゲル(1/19-19:52)No.1135
            ┗Re:植民地 第十八章-えもん(1/20-12:57)No.1137
             ┗Re:植民地 第十九章-amy(1/21-18:53)No.1140
              ┗Re:植民地 第十九章-えもん(1/22-12:54)No.1143
               ┗Re:植民地 第二十章-amy(1/22-17:50)No.1146
                ┗Re:植民地 第二十章-えもん(1/25-09:24)No.1153
                 ┗Re:植民地 第二十一章-amy(1/25-17:06)No.1155
                  ┗Re:植民地〜エピローグ〜-amy(1/25-17:22)No.1156
                   ┗Re:植民地〜エピローグ〜-えもん(1/26-12:53)No.1161


トップに戻る
1003植民地 第十二章amy E-mail 1/5-18:38


 〜Σ〜
「ゼルガディス=グレイワ−ズ氏から頂いた細胞を採取したΣです。」
 一人の男が大きな円筒形の水槽を指差して言う。
 そこには狼の体の上に植物がからみついたような物が入っていた。
「バイオ操作による産物ですので、、、、、未だ実験段階です。」
「この水槽から出してみたか?」
「いいえ。」
 水槽の中のΣの狼の部分が瞳を開き,男達を見る。
「出せ。」
 そう言った男は目が見えないようで,目を開いていない。
「分かりました。」
 水槽から出て身体中から水滴を垂らすΣは目の見えない男を嫌悪しているよ
うで近ずこうとしない。
「ゼルガディスを呼んで来なさい。」
「は?しかし彼は手術を済ませたばかりで、、、、、。」
「呼んで来なさい。」 
 目に見えない男は再度静かに繰り返す。
 やがて疲れた顔をしたゼルがその場に連れてこられた。
「何か用か?レゾ?」
 レゾと呼ばれた目の見えない男はゼルの方へと歩み寄る。
「あれが”Σ”だ。
    お前の細胞の産物。
     どう思う?この怪物を。」
「怪物?貴様らが造ったのだろう?こいつを。
     自分で造っておいてその言い草か?
    失敗でもしたのか?
      ったく,失敗するくらいなら最初から造らなきゃいいんだ。
       こいつら造って神様にでもなったつもりか?
             ふん。馬鹿馬鹿しいことこの上ないな。」
「ゼルガディス様!!
    お口が過ぎます!!
      いくらレゾ様のご子息といえど、、、、、」
「様を付けるなエリス。
    鬱陶しい。それに俺は子息じゃない。
  こいつの孫か曾孫。今は一応養子なだけだ。」
 エリスという名の女にゼルはそう冷たく言い放つ。
「ゼルガディス。
   Σは何と言ってる?
     分かるでしょう?」
「『お前が嫌い』だとよ。
    はっ!嫌われたな。」
 ゼルの言葉にレゾは微かに微笑む。
「そのようだ。」

***********************************
「不思議な子ですね。」
「ゼルガディスがか?」
「はい。だってまだ16,7でしょう?
    それなのに自ら進んで細胞を提供しましたし、、、、、
  これは当然かもしれませんがΣに唯一懐かれてますし、、、、、。」
「そうだな。
  あのΣは凶暴だ。
   ゼルガディスが殺すなと言った者かその本人以外は全て殺す。」
 エリスの言葉にレゾは笑いながら答える。
「、、、、、余計なことかもしれませんが、、、、何故ですか?
        ゼルガディス様を細胞の提供者にしたのは?」
 ふと思い付いたかのように問うエリスにレゾは答えない。
「レゾ様?」
 訝しげに言うエリスにレゾは聞こえないよう小さくつぶやいた。
「孫に、、、、、ずっと側にいてほしいと願うのは我がままだろうか?」
 案の定エリスには聞こえなかった。
 レゾはただ微笑してその場から立ち去った。

***********************************
「ゼルガディス様が家出なされた!!??」
「いえ,
  家出ではなく就職なされて、、、、他の星に行ってしまわれたんです。」
「同じことだ!!
   行き先はわからないのか!!??」
「はあ,全く。
  ただΣ宛てにテープレコーダーを、、、、、。
  内容は『俺が帰って来るまで生き延びろ』
    と『俺の知り合いを喰うな』でした。
   ゼルガディス様もお優しい。
    ちゃんと我々のことを考えて下さっている。」
「レゾ様は!!??」
「いえ、、、、、今日はまだお会いしていませんが、、、?」
「くそっ!!」
 男の言葉にキレたのかエリスはレゾの部屋へ走って行く。
「レゾ様!!入ります!!」
 言うが早いか扉を開け、、、、、、そこにはレゾの姿はなかった。

***********************************
 1ヶ月後、、、、
「ねえゼルさん。」
「何だよ。その『ゼルさん』ってやめてくれないか?」
「ああ,ごめんごめん。
  でさあ,この人貴方の身内じゃない?」
 一人の女がテレビを指差して言う。
「は?身内?」
 訝しげに言ってゼルはテレビを覗き込む。
 そこにはレゾの顔と名前が出ていた。
   ゼルと同じ名字の男。
「、、、、、どういう、、、ニュースだった?」
「あの、、、、その人が、、、、その、、、、、。」
 ゼルの様子を見て女が口ごもる。
「どういうニュースだった!!??」
 ゼルの剣幕に押され,女が震える。
「その人が、、、、、じ、、、じ、、、自殺したって、、、、、、。」
「!!」
 弾けるようにゼルは女を放し,電話の回線を繋げる。
 だが全く繋がらない。
「その人、、、星ごと自爆したって、、、、、。」
「近所迷惑な自殺しやがって!!」
 がんっ!!と受話器を本体に叩き付け,ゼルは部屋を出る。
「どこ行くの!!??」
「政府管理下の裁判所執行部だ!!」
「そんなとこ行ってどうするの!!??」
「知り合いが生きてりゃ責任問題でそこに行くだろーが!!」
 言い放つとゼルは走ってその場から消えた。


「Σは他の研究所へ資料として連れて行かれました、、、、、。」
 エリスの言葉にゼルは相槌を打つ。
「何で、、、、他の星などへ行かれたのですか!!??」
 急にエリスは興奮したかのように立ち上がり,ゼルの胸ぐらをつかみ上げる。
「レゾ様は、、、、レゾ様は、、、、
   貴方様が本当に、、、本当に可愛くて!!
  寿命も短いというのに何故レゾ様の元を離れたりしたのです!!??」
「、、、、、、何を言っても言い訳にしかならん。」
 エリスと顔を会わせずにゼルがつぶやく。
 するとエリスは目から涙を零しながらうなだれた。
「私は、、、、レゾ様を捜しに外へ出て、、、、、
    爆発の一番遠くにいて、、、、助かりました。
 レゾ様を止められなかった、、、、私の責任です。
   責任は私がとります、、、、ですが、、、、、。」
 言ってエリスはきっ,とこちらを睨む。
「私、、、、、貴方を一生許しません!!」
 エリスはすでに、、、、ゼルに”様”は付けなかった。

===================================
 はい!第十二章終わりです!!

  何か暗いですねえ、、、、、、。
 これは一応ゼルの過去でして,Σについてのことです。

  この後,ゼルは仕事を続けてコールドスリープの反動でほとんど成長が止ま
 るわけです。
  そしてエリスは『寿命』という形で死んでしまいます。

  次の第十三章はβについて語るつもりです。

                   ーでは
                     AMYより

トップに戻る
1004Re:植民地 第十二章ティーゲル 1/5-22:36
記事番号1003へのコメント
あけましておめでとうございますティーゲルです。お久しぶりです。
いやゼルとレゾっていいですねぇ。なんかさんざんからみそうだったけど・・・・・
エリスが死んでる(笑)短いですが、では。

トップに戻る
1009Re:植民地 第十三章amy E-mail 1/6-20:10
記事番号1004へのコメント

 〜β〜
「まさか、、、、、こんなにも弱いとはな、、、、、。」
「ああ,見た目とのギャップが、、、、、。」
「ある意味ではこの実験は失敗だったというわけか、、、、、。」
 白衣を着た男達が口々に言う。
 その目の前の檻にはΣがぐったりとして座っている。
「ここの空気は確かに綺麗な方ではないが、、、、、、。」
「大気汚染程度で、、、、、、。」
 こいつには幻滅させられた、、、、、と口外に言っている。
 やがて誰もがその場から消え,Σ一人になる。
 Σは少しずつ狼の背の植物を膨らませながらゆっくりと朽ちていった。


「Σが死んだ?」
 研究所に電話をしたゼルはおうむ返しに聞く。
「ええ,大気汚染に耐えられなかったようで、、、、、。」
 お父上の形見を死なせてしまい誠に申し訳ありません。という電話の向こう
の言葉はゼルの耳に入っていなかった。
 ゼルはその電話の向こう側の者としばし雑談するとすぐに電話を切った。
 電話ボックスの中でゼルは透明な壁に身を預けてため息を一つついた。

***********************************
「まさかΣにこんな能力が、、、、、、。」
「これを育てればきっと、、、、、、、。」
 卵ほどの大きさのある黒い物体を前に白衣の男達が何やら嬉しそうに言う。
「まさかΣに種が産めるとは!!」
 胸の内の歓喜を隠そうともせず,男は言う。
 黒い物体・・・・Σの種は亀裂を走らせながら微かに震えていた。


「空気汚染に強い,しかもその他はΣと同じ、、、、、、、。」
「ここ2日エサを与えていませんが、、、、、、?」
「Σの死体はどうした?」
「大切に保管してあります。」
 その言葉に男は嫌な笑みを浮かべて頷く。
「βに喰わせろ。」
 一瞬何やら言いたげな顔をしたもう一人の男はゆっくりと頭を振った。
(この人は悪魔だ、、、、、、、、。)
 正直そう思っていた。


  4日後
「βはΣに手をつけておりません。
    栄養失調で体が衰弱し始めています。」
「、、、、、仕方ない。
     小豚でも与えておけ、、、、。」
「はい。」
 命令された男はふと肩ごしにβを見る。
 その死体が親だと分かっているのだろうか?
 βはそれに鼻をこすりつけることはあっても食いつくことはなかった。
 今でもβはひたすらΣを鼻先でつついている。
 その様子を見て命令を下す男以外の者達はβに同情心と愛着心が芽生えていた。

 
 研究所の人間は知らなかった。
 βがΣを与えられたことで怒りを感じていることに、、、、、、、、
     そしてβはゼル以外の者は全て食い物に見えていたことにも、、、、

**************************************
「βが暴走したーー!!!」
 男の声と共に辺りに悲鳴とどよめきがおこる。
 研究所内の白い壁は真っ赤に染まり,肉片がこびりつく。
 ズルズルと布をひきづるような音が少しずつ重量を増していき,それと同時に
βの体は子犬から立派な大人の狼までに大きくなって行った。
 1日経ってやがて悲鳴は聞こえなくなりズルズルという音が絶えず研究所内に
響く。
 その音は2ヶ月ずっと鳴り響いていた、、、、、、、。


「β、、、、、確認しました。」
「機械で捕らえろ。
    檻の準備もしておけ。」
「了解。」
 テレビ画面から見えるβに生つばを飲みながら手にあるコントローラーでβ
を機械に捕まえさせる。
 βは抵抗という抵抗を全く見せない。

 あっという間にβは連れてこられ檻に入れられる。
 誰もがホッと一息つき各自自分の持ち場に散った。

「ったく,この怪物が研究員をねえ、、、、、、。」
「どうしますか?」
「撃て。
  いいというまで打ち続けろ。」
 その言葉と同時に無数の弾がβに降り注いだ。
 だがβは全く意にかさず,銃を持った者達をじっと見つめている。
「効かないな。
   これなら戦争の兵器にも使える。
      どれほどの強度か試せ。
     ある程度の強度があれば新しいのを作れ。」
 その男の一言でβはありとあらゆる平気で攻撃され続けた。
 『実験』といってしまえば聞こえはいい。
  だがそれは『実験』ではなく明らかに虐待であった、、、、、、。

===================================
 はい!!第十三章終わりです!!
 
 今回も暗いし何かつまんない、、、、、、、。

 あっ!!
  ティーゲルさん感想ありがとうございました!!
    嬉しいです!!
   そーです。エリス死んじゃったんです。
    あっさりと。しかも文章化さえしてもらえない死に方、、、、(笑)
   
  少々急いでいるので、、、、、

              ーでは
                AMYより

トップに戻る
1048Re:植民地 第十四章amy E-mail 1/10-12:29
記事番号1009へのコメント

「β、Σは、、、、、、お前に何か言っていたか?」
 ゼルの囁きにβが小首を傾げる。
 それを見て、ゼルは微笑む。
「なんでもない、、、、、、
        お前は、、、、、、これからどうしたい?」
 βはノドを鳴らしてゼルの頬を舐める。
「、、、、そうか。」
 誰にも見せたことのない顔でゼルは微笑み、βの頭をまた撫でた。

***********************************

〜Σ・2〜
 
 Σは体が少しずつ朽ちて行く中で、ゼルのことを思い出していた。
 テープレコーダーに録音されていたあの言葉、
          『俺が帰るまで生きろ。』
  Σはそれが自分には無理であることが分かり始めていた。
 毎日朦朧とする中で見る夢。
      ゼルが戻ってくる夢。
  Σにとってゼルという人間は自分の親であり、唯一心を許せる者だった。

 人間の精神や感情がないはずのΣの中で、少しずつ感情が生まれる。

 やがて『ゼルに会いたい』と思い始める。
   どうしてでも、どんな方法ででも『会いたい』と、、、、、、、、。

 研究員は誰一人として気付いていなかった。
  Σは狼の泣き声とは別の、、、、、、『言葉』を発していたことに、、、

「、、、、、、、。」
 人間には聞き取りにくい唸りのような声でΣはゼルの名を毎日呼んでいた。

 やがて本当にΣは自分が死の淵にいることが分かる。
  そして決心した。

     『子供』という者に自分の『意識』を植え付けて
         『仮』の『生』を生きること。

 研究員達の思った以上に、Σは賢く、『感情』も持っていた。

***********************************
 ガランッガラランッ!!

 天井に張り巡らせた糸の先の鉄くずが唸りを挙げる。
「誰か来た、、、、、、、、?」
 シルフィールの呟きに、アメリアは頷く。
「たぶん、、、、、、α。」
「ゼルが帰ってない!!」
 逃げ腰になる一同にリナが止めるように言う。
「でも、、、、、どうします?!」
 少し叫び気味にフィリアが問う。
「待たなきゃ、はぐれたら連絡が取れない!!」
「そうですね、、、、、αなら僕とアメリアさんで押しとどめられるかも。」
 ゼロスが呟いて音の発信言へ歩み寄る。
「無理かも知れません。
      αは今、興奮してます、、、、、、、、。
               刺激したら、、、、、、。」
「何とかなるでしょう?」
 アメリアの言葉にゼロスが微笑みながら言う。
 金属の擦れ合う音にゼロスが振り向くと、ガウリィが武器の用意をしていた。
「用心に越したことはない、、、、、よな?」
「爆弾もあることだし?」
 ガウリィの言葉に力を得たのか、リナも腕時計から小さなナイフを取り出す。
「シルフィール、フィリア。
      爆弾は上の金属、取らなきゃ爆発しないかんね。」
「分かってます。」
 リナの念を押すような言葉にフィリアが太もものガーターベルトから銃を抜
いて答える。
「、、、、、気を付けてね。」
 じりじりと歩き出したゼロスとアメリアにリナが声をかける。
「ええ、分かっているつもりですよ。」
 ゼロスのいつものニコニコ顔が見えたと同時に、ズルズルと布を引きずるよ
うな音が聞こえ始めていた。

===================================
 はい!!
  第十四章終わりです!!

     なんか最近更新サボってます。私。
    ああ、年が明けてるし、、、、、(←何を今さら)

 この物語(?)
   何か書くの難しいです。
    あああ、早く終わらせてゼロゼルパート2書きたい、、、、、。

 ゼロゼルのネタが頭にいっぱい、、、、、、。
     
  あ、そういえばメールで質問されたんですが、
      別に私、狼に特別な思い入れはないです。
        それに私は実は動物アレルギーでして、
       動物好きだけど触れない、、、、、、。
  あと、犬は見るのは平気だけど近寄られると恐くてヤダ。
    見るからに『こいつは噛まないなあ』と思っても嫌です。

  別に噛まれたこと、、、、ないけど、、、、、、。
   自分でも何で犬が苦手なのか皆目見当も付きません。
 
 
 そろそろ昼食なので、、、、、、


                  ーでは
                    AMYより

トップに戻る
1049Re:植民地 第十四章えもん E-mail 1/11-07:36
記事番号1048へのコメント

amyさん。
だいぶ、遅くなりましたが・・・
あけましておめでとうございます。えもんです。

ちょっと、仕事が忙しくって、久々にきたら、お話が先に進んでた・・・。一気に読んでしまいました。
なんか、ゼルがβに寄せる気持ちに、ちょっとじ〜んときてしまいました・・・。(;−;)
ゼルってば、なんでこんなに影のある役どころが似合うんでしょっ。ふふふ。

今回のはラブラブ&ギャグなしだけど、かえってそれが話しにのめり込ませます。
読んでて、引き込まれます。毎度のことですが、amyさん、うまいっす。

> ゼロゼルのネタが頭にいっぱい、、、、、、。
きゃぁぁぁぁ〜。待望の(!)ゼルゼロなの〜っ。
うわ〜い。うれしい・・・。(T−T)(泣くな・・・)
今回のシリアスなお話もとても楽しいので、終わっちゃうのはさみしいけど、ゼルゼロもみたいっ。
楽しみにしていますっ。

トップに戻る
1073Re:植民地 第十五章amy E-mail 1/12-21:27
記事番号1049へのコメント

 ふと、突然βがゼルから離れゼルの来た方向へ歩いて行く。
「?」
 いきなりの事体にゼルも驚き、βの後を追う。
「、、、、、。」
 βがゼルに何か『言った』。
「!!」
 ゼルはそのことに驚く。
 そして頷いた。

***********************************
「αは果たして僕の言うことを聞くでしょうかねえ?」
「私もΩが言うことを聞くかどうか不安です。」
 お互いに他の人間に聞こえぬようにポツリと言う。
 ゼロスとアメリアである。
「αは寿命が短いですから、、、、、、非常事態に興奮してますし、、、、。」
「言うことを聞かない可能性の方が強いと思っていた方がいいですね。」
 アメリアが絶望的につぶやく。
 もうαは目前に迫っている。
 動きがじれったいほどゆっくりで、戦闘意欲が削がれる。
 ゼロスは精神を集中し、頭の中でαにその場で止まるよう説得する。
(止まって下さい。)
 そう何度も呼び掛ける。
 が、ダメだった。
「、、、、説得に失敗しました。」
 全員に聞こえるよう、少し声のトーンを上げて言う。
 全員の間に緊張が走った。
「ゆっくり、、、、、できる限りゆっくりと動いて下さい。」
 アメリアが言いながら後ろへ下がる。
 ゼロスもそれに習った。
「やはり、、、、興奮状態のでは僕程度じゃあどうしようもないですね。」
「そんなこと、、、、。
     ゼロスさんは訓練をあまりしていませんし、、、、。」
「あなたよりは、、、、、、ね、、、、。」
 二人はゆっくりと後ろへ下がりながら思った。
(自分ではどうしようもない。)
 分かってはいた。
 こいつらは知能が低い。
 興奮状態になれば言うことを聞くことすらできない。
 誰の声も聞こえなくなって戸惑ったのか、αの動きが止まる。
 これ幸いとばかりにガウリィが動いた。

 ダンッダンダンッ!!

 3発、一気に打ち込む。
 だがαはそれらを全て避けていた。
 素早く動いてしまったガウリィに向かってαが走る!!
 誰か分からないが女の悲鳴が聞こえた。
「ちっ!」
 舌打ちしてガウリィが横に飛ぶ。
 そこを通過し、αは壁に激突した!

 ドガアッ!!

 豪快な音を立てて壁が崩れ去る。
 振動が辺りを揺るがした。
「逃げて下さい!!」
 アメリアの声。
 意味が分からず、ガウリィは後ろを振り向き、、、、、。
「うわあああああああ!!?」
 悲鳴を上げた!!
「ガウリィ!!??」
 一斉に皆が声のした方に振り向く。
 血が少し飛んだ。

***********************************
 βは長い廊下を走っていた。
 背にはゼルが乗っているにも関わらず、それを感じさせない走りだった。
「β、大丈夫か!!??」
 ハッハと息を荒くしたβにゼルは問い掛ける。
 βは小さな声で吠えた。
 たぶん大丈夫だという意味だろう。
「すまん。もう少し早く走れるか!!??」
 ゼルの言葉に答えて速度が増す。
 ゼルは焦っていた。
(αが興奮してる、、、、、。)
 なんとなく感じたαの焦り。
 今は自分のそれと酷似している。
(無事だといいが、、、、、、、。)
 船員の仲間とアメリア達を思い出す。
(Σはどこだ、、、、、?)
 さっきまで感じていたΣの存在が感じられない。
 興奮していればいるほど位置が明確に分かるはずだ。
 
 やがて壁の割れた部屋に着いた、、、、、。

***********************************
 ドンッ!!ドンドンッ!!

 銃を持っている者全員が発砲している。
 ガウリィはαの植物の部分に宙づりにされて動けないでいた。
「!!」
 その光景にゼルは息を飲む。
 全員が混乱している。
 下手に発砲すればガウリィにも当たる。
「ガウリイ!!」
 ゼルの声に全員が気付き、顔を輝かせ、、、、、、。
 ゼルの乗っている物を見て笑顔が凍り付く!!
「あ、あ、あああ、、、、、べ、べべべ、、、、、。」
 シルフィールが狂ったように『あ』だの『べ』だのの破片的な言葉を繰り返
す。βを指差しながら。
 だが、そんなことには構っていられない。
「β!!ガウリイの旦那を助けてくれ!!」
 ゼルが言うと植物の部分がゼルを地面に降ろし、狼がαに向かって突進した。
 
 βが一声鳴き、Σに体当たりをかます!
 
 どがっ!!

 鈍い音を立ててΣが倒れる。
 同時に植物の部分がガウリイを開放した。

 その間にβは支部間の上に馬乗りになり、腹の部分に噛み付く!!
 血が吹き出しΣが唸った。
 Σもすぐ様反撃しようとするが、何より体勢が悪い。
 抵抗する暇もなく、Σは内臓を噛み砕かれた。

「、、、、、、、。」
 一同が思わぬことに唖然とする。
 そんな中で唯一現状を把握している男がガウリイを引きずり出す。
 ゼルはそのままガウリイを部屋の端に寝かせ、止血した。
 たがてあっけないほど勝負は着き、βが血だらけの顔でゼルの隣に座った。
 その血をゼルが拭いてやる。

「、、、、、、、あの、、、、、、、。」
 一番最初に金縛りが解けたゼロスが何やら言いたげにゼルに声をかける。
 ゼルは人の悪い笑みを浮かべながら口を開いた。

===================================
 はい!!
  第十五章終わりです!!

 なんか、、、、、つまんない?

  ガウリイファンの人、怒っちゃイヤ(はあと)

  あと、えもんさん。
      感想ありがとうございました!!

  嬉しいです!!誉めてくれるなんて!!(感激!!)

       早くこのシリーズ終わらせてゼロゼル書きます!!


        少々急いでいるので、

                    ーでは
                      AMYより
 

トップに戻る
1080Re:植民地 第十五章えもん E-mail 1/13-09:56
記事番号1073へのコメント

amyさん、こんにちは。

いよいよ佳境ですね。ガウリィ捕まっちまうし・・・。

でも、なんかぁー、わけわかんなくなってきた。
Σはゼルで、αはゼロスで、Ωがアメリアだよねぇ・・・。
βはΣの子だっけ?
ガウリィが捕まったのがαで・・・、んっでも開放したのはΣだし・・・
βが攻撃したのはΣ?Σ生きてたの!?
うー。ほとにわけわかんなくなってきた・・・ううっ。む、むずい。
ちょっと、過去に行って読み直さないと。

続き、楽しみにしてますっ。ゼルゼロも楽しみっ!

えもん。

トップに戻る
1100Re:植民地 第十五章ティーゲル 1/15-01:21
記事番号1073へのコメント

どうもティーゲルです。たしかにガウリィちょっと出番薄いかも(笑)なんかゼロ
スより上手のゼルってはじめてみたかも・・・・・・こういうのもいいものです。
先をたのしみにしつつ・・・・・・では。

トップに戻る
1103Re:植民地 第十六章amy E-mail 1/15-15:02
記事番号1100へのコメント

「つまり、、、、、、だ。
        βにはΣの『記憶』が残ってる。」
「はあ、、、、、、。」
「それにそのαには、、、、、。」
 ピッ、と倒れて未だ直、悶絶している可哀相なαを指差すゼル。
「Σの『意識』と『体』が残ってる。」
「へ?」
「だから、つまりβには、、、、、、。」
「いや、そーじゃなくて、、、、、。」
 また同じことを繰り返そうとするゼルの言葉を遮るリナ。
「その、、、、、『意識』はともかく、、、『体』?」
 どう問えばいいかさえ分からず、口を濁すリナ。
「あー、、、、えっとお、、、、、
          ゼロス。αのこと、気付いたろ?」
 いきなり話の矛先をゼロスに向け、ゼルは問う。
「え?ええ、、、、いつもより興奮してたことと、、、、
        なんか、、、、ゼルガディスさんに反応してたような、、。」
 自身なさげにゼロスはしどろもどろと言う。
「ああ、その通りだ。
     俺もこのβから聞いたんで正確には知らんが、、、、、、。」
 言ってゼルはβの頭を撫でる。
 βは嬉しそうにノドを鳴らした。

「研究員達はβにエサの代わりにΣをやった。
     βは親だと気付いてたんでΣを食べるなんてことはしなかった。」
 『研究員』という言葉にβが反応したが、ゼルは気付かないふりをした。

「諦めた奴等はβにエサを与え、Σを冷凍保存した。
  奴等がΣをβに与えたのは『共食い』をするかどうか調べるためだった。
    だからもう一体造る時にもう一度試そうと思ったのだろう。
        そして実行した。
  αという新しい固体にΣを喰わせた。
         結果は、、、奴等の思った通りのもの。
      αは何も知らずにΣを喰った。そのせいだ。」
 すらすらと言うゼルにゼロスとアメリアが納得する。
 それが他のメンバー、、、、特にリナには気に食わない。
「喰ったからどうしたのよ?」
「そーですよ。
    食べたからってどうして『意識』や『体』が?」
 リナとフィリアが交互に言う。
「、、、、、最近の若い奴は考えることを知らんな、、、、。」
 溜め息と共にゼルがつぶやく。
「何言ってんのよ!
  そんなに年、変わんないでしょ!!」
「俺は200年以上生きてるがお前らは100年ちょっと。」
「きー!!
   細かいわね!!」
 頭をガリガリ掻きむしりながらリナは奇声を挙げる。
「とにかく説明して下さい!!
    私達は1から10まで説明してくれなきゃ分かりません!!」
 ついに切れたかシルフィールが叫ぶように言う。
 このシルフィールでさえ、何やら気絶してうなされているガウリイをほっぽ
ってゼルの話に夢中になっている。
 それに気付いてゼルはやれやれと身をすくめるとガウリイの頬をペチペチと
叩いてやる。
 結局、ガウリイは起きなかったがうなされなくなった。
「あーもう。
  いい加減説明もしんどいな、、、、。
     ゼロス。分かるだろ。パスだパス。」
 手をひらひらと振ってゼルはガウリイの傷を手当てしてやる。
「えーですから。
   αがΣを食べたことによって、Σの『意識』と融合しちゃったんです。
  それで『意識』は分かりましたね?」
 あまりにも簡潔な答えを出すゼロス。
 リナ達は少し迷ってから頷いた。
「『体』の方は、、、、何と言うか、、、、植物の体はΣなんです。」
 急に口を濁らせるゼロス。
 当然、こんな説明をリナ達は待っていたのではない。
「何か余計にこんがらがったわよ!!」
 奮然とリナが言い、他の女二人が頷いた。

「えーっと、、、。
   αは元々、植物の体が寿命が一年しかなかったんですが、
       Σを食べて、やはり短いですが長い寿命を手に入れました。
      『長い』といっても2、3年だけですが、、、、、、、、。
    寿命がある分、体がαよりΣの方が強かったんです。
            そういうことですが、、、分かりました?」
 珍しく長々と喋ったゼロスだが、回りの人間は釈然とせず、ゼロスの説明も
空しくリナ達は小首を傾げた。

「だっかっら、
    αの意識と体が過去のΣに乗っ取られ始めたんだよ!!」
 見ていられなくなり、簡潔にゼルは言ってやる。
「おお!成る程!!」
 変に納得した声がゼルの足下から聞こえ、、、、
「ガウリイ、起きたのか。」
「おお、何か難しい話してたが分かった。
     つまりゼルと居れば安全なんだな?」
「まあ、、、お前さんにそれだけ分かればいいか、、、、、、、。」
 子供のような解説をするガウリイにゼルが力なく頷く。
 ガウリイはすでにβの頭を撫でられる程、状況に順応していた。
「きっとαもグレイワ−ズさんの言うことなら聞きますよ。」
 気絶したαの頭を撫でてアメリアが言う。
「まあ、、、な。
    だが、、、、Ωは無理だぞ?
      奴と俺は何の関連もない。」
 アメリアとαを視界の隅から見てゼルが言う。
「でも、後はΩだけですからこんな所に留まらずに船で星を出れば、、、。」
「却下。」
 ゼロスの提案にリナが素早く言う。
「あんたはよくてもあたしは嫌よ!!
      あんな危なっかしいの生かしとくなんて!!
  ずええええええええええったいにΩだけは殺すんだかんね!!!」
 びしっと人さし指を立ててリナはアメリアに向き直る。
「そもそもあんたが細胞なんかを、、、、、、、。」
「リナ!!」
 アメリアを責めようとするリナをゼルが押しとどめる。
「俺も細胞をやった。
   しかも一番最初にだ。
     アメリアだけを責めるな。」
 ぞっとするような声でゼルはリナに言う。
 ノドの奥に潜むごりっとした恐味にリナはたじろく。
「、、、、、、、さっさと船に行くわよ。」
 しばらくゼルの目を見ていたが、やがてリナは目を反らして言った。


===================================
 はい!!第十六章終わりです!!

   えもんさん、ティーゲルさん。
    感想ありがとうございました。
  えもんさん、、、す、鋭い、、、、、、。
    今回でその謎解きあーんどツッコミやろうと思ってた矢先に、、、。
  
 まさか気付いてる人がいたとは、、、、うーむ、、、おそるべし。

   よく読んでくれている証拠ですね。どうもありがとうございます!!

  ティーゲルさんも、、、そうです。
     この話のゼロスとガウリイは目立たないです。

  この二人のファンの人、、、、、、ごめんね(はあと)

 この話の主人公はあくまでもゼルなのです。

     少々急いでるので、、、、、、、

                   ーでは
                     AMYより



トップに戻る
1121Re:植民地 第十六章えもん E-mail 1/18-12:59
記事番号1103へのコメント

こんにちは。amyさん。

う〜ん。こんな複雑状態になっていたとは・・・。
改めて、βがΣを食べなかった時のことを思い出してしまいました。
そのシーン、ちょっとじ〜んときたんですよ。へへ。(^−^;
今回のお話で、それぞれの関係がわかり、すっきりしました。あーよかった。(^−^)

今回のゼルめちゃめちゃかっこいいっすね。
ゼルファンの私としては、ほんと食い入るように読んでおります。
ゼルがかっこよければ、ラブラブなくてもいいんだ。ははは。

続き、楽しみにしております!

トップに戻る
1123Re:植民地 第十七章amy E-mail 1/18-16:44
記事番号1121へのコメント

 長い廊下で複数の人間のはずんだ息の音が聞こえる。
 時折、乱暴に地を蹴った音も聞こえた。
「船まであとどれくらい!?」
「ここからキッチンまで行きまして、、、、奥のエレベーターを、、、、。」
 リナのヒステリックな声にゼロスが答える。
「キッチンまではどれくらいなんだ?」
 のほほんとした声で聞くガウリイ。
「はあ、もうすぐそこのはずなんですけど、、、、、。」
「あの、水の音がしません?」
 ゼロスの言葉の後半を遮ってフィリアが聞く。
「水?」
「ええ、こう、たぷんって、、、。」
 訝しげに問うゼルにフィリアが自信なさげに言う。
 その言葉に一同は耳をすませる。
「聞こえたか?」
「ううん。」
「全然。」
「いえ、、、、、。」
 順々に頭を振る。
「あー、、、あっちから。」
 その中でガウリイが前の方を指差して言った。
「はあ?聞こえたんですか?」
「うん。」
 アメリアが間の抜けた声をあげる。
 それにゼロスが青ざめた。
「あの、、、この前の方ってキッチンですけど、、、、、、、。」
「あと、『ミシミシシッ!!』って言ったぞ。」
 ゼロスの言葉にガウリイがのほほんと答える。
 お気付きであろうか?
 この集団はずっと走って前に進んでいるし、大声で話し合っているのだ。

 バキャア!!!

 物凄い音を立てて、遥か前にあったキッチンの扉が割れる!!
 それと同時に大量の水がゼル達を襲った!!
「ちょっと何コレーーーーーーーー!!!!???」
 最初に悲鳴を挙げたのはリナだった。
「本当に何なんですかこれ!!?」
 次にアメリア。
 シルフィールはすでに失神していたりする。
「おいおいおいおいおい!!?」
 慌ててガウリイはシルフィールを受け止める。
 それは本当に一瞬の出来ごとで、水はあっと言う間に7人を水の中へ引きずり
込んでいた。



 ごぼ、、、、、ごぼぼぼごぼ、、、、、、、。

 しんとした水の中で聞こえる唯一の音。
 それはゼル達が口から二酸化炭素を出した音である。
 水はいきなり流れるのをやめ、ゼル達を水の中へ留めていた。
 水の中では、キッチンにあったのであろう。
 包丁や鍋、フライパン等があちらこちらにふわふわと浮いている。
 下手をすればその包丁でケガをするかもしれない。
 そんなことを考えていたゼルに、前の方にいるゼロスが手を振り、前の方を
指差した。
『こっちだ。』という意味であろう。
 ゼルは回りに浮いている物に気をつけながら、近くに浮いていたアメリアと
シルフィール付きのガウリイをそれぞれ引っ張る。
 ゼロスの方も片手にフィリアを担いでいた。
(リナ、、、、、、?)
 一人見当たらない仲間を無意識に捜す。
 いない。
(、、、、、、?)
 訝しげに思いながらもゼルは三人を引っ張ってゼロスの方へと泳ぐ。
 ゼロスに三人を手渡した途端。
「?」
 水が微かに震えたような気がして、ゼルは振りかえる。
 何もない。
 ゼロスに手で『ここにいろ』と告げ、ゼルは震えたような気がした場所へ泳
ぎだす。
 水の中では靴が重く、平泳ぎなら平気だがクロールにすると体が沈んだ。
 その沈んだおかげと言ってもいいかもしれない。
 ふと下を見るとリナがいた。
   何やら植物に絡まれて、、、、、、、、、、、、。

===================================
 はい!第十七章終わりです!!

    えもんさん、感想ありがとうございました!!
       誉めて下さって嬉しいです!!
    こんなつまんないのに、、、、、、。
    前は他にも沢山読者いたんですけど、、、、。
  あんまり留守にしていた期間が長いからえもんさんとティーゲルさんにし
 か気付いてもらえない、、、、、(涙)
   いや、いいんだけど、、、、、。
 この間メールで『植民地の続きは?』と聞かれた時は泣きました、、、、。

          そろそろ用事がありますので、、、、、、、。

                      ーでは
                        AMYより

トップに戻る
1127Re:植民地 第十七章えもん E-mail 1/19-09:50
記事番号1123へのコメント

こんにちは、amyさん。

リナ、捕まっちまいましたね。
水に流された時に、それぞれ捕まえたペアっつうかカップルって、なんか関連がある人たちでしたねぇ。
ゼルにアメリア、ゼロスにフィリア・・・。
ガウリィはなんでシルフィールだけなの?って思ってたら、
リナは捕まってたんですね。こりゃ大変。

今回のお話、リナはいらいらしてばっかり。活躍なし。それもたまにはいいかも?
私は、ゼルがカッコ良ければうれしいから。えへへ。

私は、amyさんのお話がほんとに好きで、amyさんのお話を読むためだけにここにきてます。
泣かないで、続き書いてください。応援してますから!!
私の応援だけじゃ、足りないかも・・・。(^−^;

トップに戻る
1131Re:植民地 第十八章amy E-mail 1/19-18:14
記事番号1127へのコメント

 ゼルは慌てた。
 αとβは今頃ゼロスの前の方にいるだろう。
 あの二匹は足が早い。
 ガウリイの言っていた『ミシミシ』という音は、たぶんα達がキッチンの扉
を刺激したせいだろう。
 それで扉が割れ、水が流れ込んだのだ。
 分からないのは何故キッチンにこんな大量の水が貯まっていたのかというこ
とと、何故流れ出たあとに水が排出されないのかだった。
 ゼル達は長い廊下を走ってきた。
 あの廊下に水が流れれば、当然水の量は減り、こんなにも高い水位にはなら
ない。
 ゼルはそれらの疑問を頭の隅に押しやり、銃を構え発砲する。

 ドブ、、、、、

 鈍い音と共に、弾がゆっくりとスローモーションされているかのように前へ突
き進む。
 当たるか当たらないかの所で、その植物が素早く横に動く。
 そしてそのままこちらに突進してきた!!
「!!」
 突進してきた植物にまともに腹にショックを与えられ、ゼルは息がつまる。
 息を吐き出してしまいたくなるが、ここは水の中であることを思い出し慌て
てそれをやめる。
 目を険しくしてゼルがそちらに振り返り、、、、、、。
「、、、、、、。」
 思わずゼルは絶句した。
 その植物はまさに植物だけの体で、狼の体がない。
(Ωじゃあない?!!)
 植物の体から無意識にΩを想像していたゼルは戸惑う。
 するとリナが目を覚ましたらしく、急に暴れ出す。
 それに合わせたかのように植物がリナに巻き付く。
 ハッとしてゼルはリナの方へ泳ぐ。
(やばい、、、、、やばいぞ、、、、くそっ。)
 リナに絡み付く植物を手で引きちぎる。
 が、あっと言う間にそれは再生して再びリナに巻き付いていた。
(αかβ!!いないか!?)
 頭の中で叫ぶ。
(来るわけない。)
 そう理性が忠告する。
 何故ならゼルは訓練を受けていない。
 そんな簡単に精神集中をすることは難しかった。
(くそくそくそっ!!)
 無理矢理植物をひっぺはがすが効果はない。
 その時だった。

 ボヒュ、、、、、

 鈍い音と共に植物の体が木っ端みじんになる。
「?!」
 見るとリナがにんまり笑っている。
 思わず水中でゼルは溜め息をつきそうになった。


***********************************
 リナとゼルは仲間達の後を追い、泳ぐ。
 リナの手にはとてつもなく長く、そして細い針金が握り締められている。
 これを植物に絡みつけ、思いきり引いたのだ。
 リナのブラジャーに隠しておいた『武器探知機』に反応しほうだいの武器で
ある。、、、ゼルのおかげでバレないが、、、、、。
(助けに行かなきゃ良かった、、、、。)
 ゼルの頭の中にはそのことでいっぱいである。
 助けずともリナは助かったし、自分の体力も削らずに済んだ。
(あ〜損した。)
 ふと横を見るとリナがニタニタと笑っている。
 ムッとしてゼルはそっぽを向いた。

 

 ざばっ!!
  水面から顔を出し、やっと天井のない所につく。
 下の方には何故か瓦礫が山になっていた。
 息が出来ることがこんなにも素晴らしいことだとは思わなかった。
「大丈夫ですか?!グレイワ−ズさんっ??!!!」
 心配そうに問うアメリアの頭をゼルは撫でてやる。
「ちょおど良かったですねえ、、、、、、、、。」
 座った目でゼロスが言う。
「は?何がだ?」
 異常を感じたゼルが聞く。
「最初、ここ、天井があって息が出来なかったんです。
            今さっきβちゃんが天井を壊してくれて、、、。」
 いつの間にかβを『ちゃん』付けにしたフィリアが言う。
 成る程、下の瓦礫の山は元天井か。
 と、ゼルが納得する。
「にしてもよお、ゼロスう。
   何で水が台所に沢山あるんだあ?」
 すっかりびしょびしょのガウリイが床にうつぶせで寝たまま問う。
「たぶん、、、、、緊急事体なので生物兵器が逃げ出さぬように、
  あちこちの非常口をしめて、水は植物にとって最高の居場所ですから
       水を出して、、、、、
    水の貯蔵場所だったキッチンに貯まり、廊下ではあちこちでシャッター
     が降りてあそこに貯まった模様です。」
 状況にしては冷静な判断を下すゼロス。
 さすがは年の功である。
「俺等みたいな逃げ遅れは知らねーと?」
 服の水分を絞りながらゼルが聞く。
「いや、そういうわけでは、、、、、、。」
 少し険悪なゼルの声にゼロスが困ったような顔をする。
「それより、、、、早く船に行きましょう。
        さっき植物に襲われたけど。
             狼じゃなかった。
             これはどういうこと?」
 リナも殺気を含んだ声でゼロスに問う。
「はい?」
「『はい?』じゃないわよ!!
    β、α、Ω以外にもあんたら生物兵器を造ったでしょ!!?」
 ずかずかとゼロスの前まで歩き、ぴたりとリナは動きをとめ、すごむ。
「ちちち、違いますよ!!」
「じゃああれは何なのよ!!」
「僕は知りませんんんんんんん!!」
 いきなりゼロスの首をわしっとつかんで絞めるリナ。
「生物兵器はβ達三匹しか造られてませんですううううううううう!!!!」
 少しずつ水気のない声になっていくゼロス。
 何だかこれ以上締め上げるとゼロスが可哀相な気がしてゼルがリナをとめる。
「ったく。
  ゼロス、思い当たったら教えなさいよ!!」
 まだ怒ったままで、リナはさっさと前へ進んで行った。
 それに慌てて一同がついて行くのであった。

===================================
 はい!!第十八章終わりです!!

  えもんさんんんんんんんんんん!!
    感想ありがとうございますううううううううううう!!
  無茶苦茶嬉しいですうううううううう!!
   私なんかの小説で喜んでいただけて光栄ですうううううう!!

    これからも頑張って書いて『植民地』終わらせて、
       ゼロゼルパート2書きます!!

      少々急いでいるので

                    ーでは
                      AMYより

トップに戻る
1135Re:植民地 第十八章ティーゲル 1/19-19:52
記事番号1131へのコメント

どうもティーゲルです。リナがえらくたくましい・・・・・・・リプリーも真っ青(笑)
ゼルが完璧におされてる(笑)そろそろ佳境・・・・ですよね♪いろいろ楽しみに
しつつ・・・・・では。

トップに戻る
1137Re:植民地 第十八章えもん E-mail 1/20-12:57
記事番号1131へのコメント

こんにちは、amyさん

いよっ。ひさびさリナちゃん大活躍!!
やっぱリナちゃん、ゼルやんよりも上手だね。ぷぷっ。

みな無事に脱出できるのかー。がんばれゼル!負けるなゼル!
ところで、脱出した後、βたちはペットとして飼うのかなぁ・・・。うーん。

植民地もおもしろいけど、ゼルゼロも楽しみなのよねぇ〜。えへへへ〜。

トップに戻る
1140Re:植民地 第十九章amy E-mail 1/21-18:53
記事番号1137へのコメント

「もうちょっとです!!
       あそこのエレベーターに乗って二階です!!」
 走りながらゼロスは前の方を指差す。
 やがてエレベーターに着き、ゼロスが上へのボタンを押す。
 すぐにエレベーターが着き、ドアが開いた。
「!!」
 エレベーターを覗き込んで全員が息を飲む。
「、、、、皆さん、、、、動かないで下さい。」
 ゼロスが小さくつぶやいた。
 エレベーターの中には大きな植物の固まりが乗っている。
 狼の部分がない所を見るとΩではないようだ。

「もう少し、、、、じっとしてて下さいね。」
 ゼロスの言葉に従う。
 やがてドアが閉まった。
 全員が安堵の息をもらし、、、、、、、、。

 ばきっ!!

 耳障りな音と共にドアが紙のように破ける!!
「なっ!?」
 リナの驚愕の声。
 その植物はドアに根を張り、こちらへと根を進ませる。
「ゼロス!!」
「僕は知りませんてば!!」
 フィリアの非難の声にゼロスが答える。
「爆弾は!!?」
「もうとっくに水に濡れて使い物にならなくなってます!!」
 ガウリイの問いにシルフィールが答える。
 手にはずぶ濡れの爆弾が数個あった。
「α!!β!!」
 ゼルの声に二匹が反応し、その植物へ駆け寄る。
「Ωが来ます!!」
 二匹が植物に飛び掛かったと同時にアメリアが叫ぶ。
『?!!』
 その声に全員が反応した。
「ゼロス!!階段はどこだ?!!」
「右の通路の奥です!!」
 ゼルの問いにゼロスが素早く答える。
「α!!β!!俺達を乗せてそっちから上に行くんだ!!」
 ゼルの大きな声に反応し、α達は素早くこちらに戻り、人を背に乗せ、口にく
わえてゼルの指示した方へ走り出す。
 植物が音を立てて成長し、こちらを追う。
 二階でゼルはβの背から飛び下り、ライターに火をつけ投げ付ける!!
 
 ボッ!!

 激しい音を立てて植物に火がつき、植物がのたうちまわる。
「ライターは水に濡れても火が付くんだよ!!」
 ざまあみろとばかりに笑ってゼルはそう吐きすてる。
「β!!」
 ゼルの呼び声にβは応え、ゼルを再度背に乗せる。
「ゼロス、船は!?」
「ここから真直ぐです!!」
 ゼルの言葉にゼロスは前を指差して言う。
「α、β。
   なるべく早く走れ、いいな?!!」
 βの背をぽんぽんと叩きながらゼルが命令を下す。
 その言葉通りに、αとβは全速力で走り出した。

***********************************

 〜レゾ〜
   
「ゼルガディス。」
 レゾの呼び声にゼルが振りかえる。
 まだ幼い、10に満たない子供である。
「何だ?何か用か?」
 この年令にそぐわぬ喋り方をする少年は親元を離れ、レゾに育てられた。
 レゾはこの子供が気に入っていた。
「ここにいる動物。何か知ってるか?」
「、、、、犬?」
 差し出された写真を見て、ゼルが自信なさげに言う。
「おしいな。これは狼だ。」
 困惑するゼルを見てレゾは微笑む。
「その内、お前の体の一部と同化する狼だ。」
「ドウカ?」
「そう、他に植物も混ぜる。
     世界に一つの動物だ。強くて寿命の長いものだ。」
「造ってどうするんだ?」
 囁くように言うレゾに、ゼルが訝しげに問う。
「お前にやろう。」
「?」
 突拍子もないその言葉にゼルは目を丸くする。
「正し、お前はその狼を自分で育てるんだ。
       そしてその出来た動物を私達の為に役立てる。分かったね?」
 ゼルの髪の毛を撫でながら、レゾは狼の写真を手渡す。
「私との約束だ。」
 レゾの言葉を聞いていたのかいないのか、ゼルは写真を見つめたまましばらく
動かなかった。



「エリス。ゼルガディスの様子は?」
「狼ともすっかり慣れてしまわれて、、、、。
          狼が子供になつくなんて驚きました。」
 レゾの言葉にエリスは微笑みながら答える。
 まだ15、6といった感じの女である。
「そうか。」
 エリスの話にレゾは微笑む。
 そしてすぐさま踵を返し、レゾは自室にこもった。
(上手く行けばゼルガディスの言うことだけを聞く兵器が出来る。)
 あの狼を使って。
(そうすればゼルガディスが殺されることはまずないだろう。)
 最近はあちこちの国、星で戦争が多発している。
 ここもそう長くは持たないだろう。
 あと300年もすれば宇宙の全てで戦争が起こることは必至であった。
 ゼルには300年くらい軽く生きられる。
 コールドスリープだ。
(ゼルガディスの言うことしか聞かない限り、
          ゼルガディスは用済にならない。)
 そうなればゼルは殺されず、しかも政府から必要とされるだろう。
(乱暴なやり方だが、、、、。)
 こうする他にゼルを護る方法を、レゾは知らなかった。

***********************************
「あった!!」
 ガウリイが思わず声を出す。
「ゼロス!!早くパスワードを打て!!」
 ゼルの言葉にゼロスは急いでパスワードを入力し、ドアを開く。
「全員離陸準備!!
     操縦席に着いてろ!!」
「アメリアさん達やαちゃん達はどうします?!!」
「ゼロスとアメリアはスマンが即席の椅子に座っててくれ!!
           αとβは俺と来い!!」
「どこに行くんです!!??」
 ゼルの言葉に驚き、シルフィールが問う。
「燃料を取ってくる!!
   なんのためにこの星に来たか忘れたか?!!」
 そう、当初ゼル達は燃料と食料を分けてもらうためにここにきた。
 食料はともかく、燃料には予備がない。
「ゼロス!!あと20分で発進させろ!!
     それまでに戻ってこなけりゃ先に逃げろ!!
                俺の代わりにな!!!」
 言ってゼルはβの背にまたがる。
「ちょっと待って下さい!!
   私もグレイワ−ズさんと一緒に行きます!!」
 言いながらαにまたがろうとする。
 アメリアだ。
「馬鹿言え!!女はここにいろ!!」
「Ωとシンクロ出来る可能性があるのは私だけです!!」
 ゼルが突き放すような言葉を言ってもアメリアは直も食い下がる。
「いいじゃない!アメリアと行きなさいよゼル!!
            その方が安全でしょうが!!」
 リナまでもがアメリアの同行に賛成する。
「リナまで何言って、、、、、、。」
「ほら!!ぐちぐち言ってないで早く!!
          あと20分ないんだかんね!!」
「、、、、、、分かった!」
 リナの言葉に押されて、ゼルはしぶしぶアメリアの同行を認めた。
「ゼルガディスさん!!燃料倉庫はここを右に行った所です!!
              すぐそこですから通りすぎないで下さい!!」
「分かった!!」
 ゼロスの忠告を聞き、ゼルは頷くとアメリアを連れて燃料倉庫へ向かった。

===================================
 はい!!第十九章終わりです!!

  えもんさん、ティーゲルさん。
       感想ありがとうございました!!

     少々急いでるので、

                 ーでは
                   AMYより

トップに戻る
1143Re:植民地 第十九章えもん E-mail 1/22-12:54
記事番号1140へのコメント

こんにちは、amyさん。

うぅー。緊迫した雰囲気がひしひしと伝わってきております。
αちゃんとβちゃん(笑)、大活躍ですね。

レゾの気持ち・・・。なんかじーんときちゃいました。
方法は良かったかどうかは分からないけど、ゼルを守るための行動・・・。
ゼルのことをほんとに思っているんだなぁ、と思いました。しみじみ。

さあ、みんな無事脱出することができるのでしょうか・・・。
残り20分、目が離せませんっ!!
がんばれゼルっ!負けるなゼルっ!
(・・・・・・・・・・・・・・・・・。)

トップに戻る
1146Re:植民地 第二十章amy E-mail 1/22-17:50
記事番号1143へのコメント

〜ゼロス〜
「はあ?細胞を提供したあ?」
「ああ。」
 すっとんきょうなゼロスの声にゼルがすらりと答える。
「何でです?」
「別に、、、、、。」
 ゼロスのオゴリのコーヒーを飲みながら、ゼルは素っ気無く言う。
 小さな喫茶店の端の方の席である。
「う〜ん。
  まあ、僕は別に文句は言いませんけど、、、、。
           何か『らしく』ないですねえ、、、、。」
「らしくない?」
 ゼロスの言葉にゼルがピクリと反応する。
「ええ、だってあんなに嫌がってたじゃあないですか。
            狼君をバイオテクノロジーでどうこうするの。」
「、、、、、まあな。」
 パフェを突つきながら言うゼロスに、ゼルが急に興味をなくしたようにそっぽ
を向く。
「で、手術が終わったから今度はなんでも屋のマネ事をする、、、、と?」
「うるさいな。」
 非難するように言うゼロスを煙たそうにゼルが言う。
「あなただったら教授でも研究員でもなれるでしょう?」
「お前もな。」
「僕とあなたは違うでしょう?」
「同じような物だ。」
 ふんっと、ゼルが立ち上がる。
「お前も俺も、教授なんざ興味ない。
     別に地位なんかいらないから好き勝手にする。そうだろう?」
「そりゃあ、、、、、、ねえ。」
 ゼルの後に続き、ゼロスも席を立つ。
 直も二人は口論しながら店を出、歩いて行った。



「というわけだ。協力してくれるか?」
「、、、、、、断わりたいんですけどね、、、、、、。」
 男の言葉にゼロスが言う。
 回りには沢山のゴロツキがいた。
「断ったら我が身が危ない気がしますねえ。」
 にっこり笑った顔でゼロスがつぶやく。
「そうだろう?まあ、ここは穏便に済ませたいじゃないか。」
 その言葉に男が調子づいたように頷く。
「なあに、ちょいと優秀なゼロス君の細胞を拝借したいと言ってるだけだ。」
「拝借、、、というのは『盗む』という意味であるということ、、、
                          御存じですか?」
 やはりニコニコ顔のままでゼロスは言う。
「『もらう』でもあるだろ?」
「そんなに賢いならあなたの細胞を提供なさったらいかがです?」
 男の言葉にゼロスが皮肉いっぱいに言う。
 男の顔に亀裂が走るように表情が崩れた。
「貴様っ!!」
 一斉にゴロツキと男がゼロスに飛び掛かる。
 その瞬間、ゼロスは前にいた男の後ろに回り込み、後ろから肘鉄を食らわせる。

 ドオッ!!

 音を立てて男が倒れる。
「僕、実は強かったりするんですよね(はあと)」
 言ってゼロスはニコニコ顔のまま、その場にいるゴロツキ全員をしばき倒した。



「いー加減。しつこいですねえ、あなたも。」
「仕方ないだろう?
   ゼロスが言うこと聞いてくれないんだもの。」
 クスクス笑いながら少し長めの髪の少年。
 フィブリゾが言う。
「だあってえ。
  今、ゼルガディス君はどこにいるか分かんないしい。
      やっぱり手近な存在で済ませないとね?ふふふ、、、。」
 何がそんなに可笑しいのか。
 ずっとフィブリゾは笑いっぱなしである。
「アメリアって知ってる?」
「ええ、確かセイルーン王家の第2皇女ですよね?」
「そう、彼女ね、さらわれたよ。」
「!!」
 クスクスと笑いながらフィブリゾは嬉しそうにつぶやく。
「確かまだ生まれ立てだってねえ。
   可哀相ー。ゼロスが細胞提供しないなら彼女の細胞使わなきゃ。
              彼女まだ赤ん坊なのにねえ、キャハハ!!」
 さも楽しそうにフィブリゾが笑う。
「どうする?
  良心を取るか自分の体を取るか?」
 さっきとは打って変わった真面目な顔でフィブリゾが問う。
 これでも1000才以上のゼロスより年上である。
 コールドスリープの活用のしすぎである。
「、、、、分かりました。提供、、、、しましょう。」
「はい!商談成立!!」
 ゼロスの言葉にフィブリゾが手を叩いて喜んだ。

***********************************
「悪いがアメリア。これとこれ、持っててくれるか?」
「あ、はい!」
 ゼルの手渡した小さな燃料入れを、アメリアが慌てて受け取る。
 ゼルはそれに燃料を満タンになるまで入れた。
「重いと思うが頑張ってくれ。」
「はい。」
 そう言うと、アメリアはその小さな体で燃料を落とさぬよう持つ。
「あと10分くらいか、、、、、。」
 ちらりと時計を見てゼルがつぶやく。
「Ωはいるか?」
「いえ、いたとしても気付かないくらい近くにはいないと思います。」
「そうか。」
 言ってまた作業に専念する。
「さて、行くか。」
 しばらくしてゼルはアメリアを促し、燃料倉庫を後にした。

***********************************
〜アメリア〜

「分かってるね?」
 一人の男が優しく聞く。
「はい。」
 ここでは『はい』という言葉しか許されない。
 逆らえば殺される。
「君の細胞でΩが出来る。君の言うことならある程度聞くだろう。」
「はい。」
「私達に都合のよいよう命令するんだよ。」
「はい。」
 アメリアはただただ頷く。
 男が満足そうに微笑み、部屋から出ていった。
「β。」
 アメリアがβの名をふと呼ぶ。
 いや、つぶやいただけだろうか?
「あなたのご主人様に会ってみたい。
     αはゼロスさんだものね?」
 少し微笑んでアメリアが虚空に向かってつぶやく。
「もうすぐ、、、、私のΩが生まれるよ。
       きっと同じ人になれるよね。ゼロスさんや、、、、。」
 アメリアはそこで口を閉じる。
 今から言う言葉はここでは禁語であった。
「ゼルガディス=グレイワ−ズさん。」
 だが、アメリアは声に出して嬉しそうに微笑んだ。
 知らない者への憧れの念であった。

***********************************
〜Ω〜

 自分の主人であるはずのもの。
 小さな、頼りなげな女の子。
 これから自分が守らなければならない子。
 親、、、、、、。

 Ωにとってはアメリアは親以上の存在であった。
  とてもとても大切な、、、、、、。

  生まれて自分はまだそんなに経っていない。
 アメリアともほとんど離されていたせいで思い出もない。
  それでもむさぼりたくなるほど大切な大切な存在。

 アメリアはここから出たがっていた。
  実験材料にされる度、傷付いて行く。
 研究員達が嫌いだ。
  アメリアをここから出さなくては。
  人間はアメリアに何をするか分からない。
 どんなに傷つけるか分からない。
  きっとまた痛い目にあう。
  自分が守らなければ、、、、、。

===================================
 はい!!第二十章終わりです!!

  えもんさん。感想ありがとうございました!!
   素早くてすごい!!
    いつも読んでくれて嬉しいです!!

    もうすぐ出かけるので、、、、、、

                  ーでは
                    AMYより

トップに戻る
1153Re:植民地 第二十章えもん E-mail 1/25-09:24
記事番号1146へのコメント

こんにちは、amyさん。

ゼルとゼロスの関係・・・・。怪しいっ。(くないってば・・・)
ちょっと次回の「ゼルゼロ」が頭をよぎってしまった・・・。
でもこの二人って、なんかいいんだよねぇ。美形同士だし・・・へへへ。

あ、感想になってない・・・・。すみません。

トップに戻る
1155Re:植民地 第二十一章amy E-mail 1/25-17:06
記事番号1153へのコメント

〜ゼルガディス〜
「こんなちっこいのが狼、、、、、か。」
 レゾから与えられた狼を抱き上げ、ゼルはつぶやく。
 10かそこらのゼルの体ではそんな小さな狼でも大きく、危険に見えた。
「大丈夫ですか?あんな子供に、、、、、、。」
「平気だ。」
 研究員の言葉にレゾが答える。
 それを見てゼルは溜め息をついた。
(俺にこんなの与えてどうするんだか。)
 そしてまじまじと狼を見る。
 なんのへんてつもない。
 小さな子供の狼である。
「こいつの名前は?」
「Σだ。」
 ゼルの問いにレゾが答える。
「Σ?」
「『強い』という意味だと思えばいい。」
 ゼルがぽつりとこぼした独り言にレゾが言う。
 訝しげにゼルは首を傾げ、狼を抱き直す。
 まだ子供のゼルにこの狼の子は重かった。
「Σ。」
 ゼルの呼び掛けにΣは答えない。
 ただただ大きな目をぱっちりと開き、こちらを見ている。
 ゼルが狼の頭を撫でる。
 最初はその手を避けようとしたΣだが、次第に自ら首を突き出すようになっ
た。
 Σが人間に対し、始めて見せる服従の証であった。



「Σを?」
「そうだ。」
 ゼルのつぶやきにレゾがハッキリと答える。
「そのためにお前に育てさせたんだ。そう言ったでしょう?」
「俺は嫌だぞ。」
 目をキツク細め、ゼルがつぶやく。
「お前の意志は関係ないんだよ。」
「Σは俺の言うことしか聞かない。」
 ゼルのその一言にレゾが反応する。
「Σを他の動物にする気か?」
「そうだね。」
「『そうだね』じゃない!!」
 次第にあやすような口調になっていくレゾにゼルが憤慨する。
「ふざけるなよ!!俺は絶対認めん!!」
「、、、認めなくてもいい。」
 ゼルの言葉にレゾが静かに答え、その場を去る。
「、、、、、、は、、?」
 わけが分からず、ゼルはただその後ろ姿を見ていた。



「ゼルガディス様!!」
「様をつけるな!!」
「すみません。でも、、、、、。」
 いきなり部屋に入って来たエリスを不機嫌そうに見てゼルは荒っぽく言う。
「Σが、、、、、。」
「Σが、、、、なんだって?」
 エリスの続きの言葉を聞き、ゼルはさっと顔色を変えると部屋を飛び出した。
「、、、、ゼルガディス様!!」
 慌ててそれをエリスが追う。
 しかし遅かった。
「、、、、、、、、、。」
 いつもΣが飼われている一室。
 そこでΣが静かに横たわっていた。
「、、、、あ、あの、、、、、。」
 ただ黙って立ち尽くすゼルにエリスが声をかける。
 だが、その声はほとんどゼルの耳に届いてはいなかった。

「分かったか?動物はいずれ死ぬ。
        人間もだ。生き物は最後に死ぬ。」
 レゾの諭すような言葉にゼルがわなわなと震える。
「よくもぬけぬけと、、、、、。」
 Σの死因は老衰ではない。明らかに違う。
 Σの体は、銃で開けられた穴だらけだった。
「Σを蘇らせるにはΣとお前と植物の細胞を、、、、、。」
「分かっている!!」
 事務的に言葉を紡ぐレゾにゼルが当たりつけるように言う。
「さっさとしろ!!」
 乱暴に言い放ち、袖を捲る。
「どこの細胞だ?!!
     さっさとしろ!!すぐにでも蘇らせろ!!」
 叫ぶように言うゼルの腕を片手でつかみ、自分の方へレゾは引っ張る。
「分かっているな?
    姿形は違うものであるということ。」
「分かっているさ。」
 レゾの問いにゼルは睨むような目で答えた。

***********************************
「α。先にこの燃料を持って行ってくれ。」
 ゼルはαに燃料を括りつける。
 αはすぐさま地を蹴り、走って行った。
「さて、もうあと一本とって行くか。」
 アメリアに笑いかけてゼルは言う。
「あ、はい。」
 一瞬驚いた顔をしてアメリアが頷く。
 ゼルの入れた燃料を重そうに引きずって、βの肩に括りつける。
「じゃあ、早く行きましょう。」
 なにもかも済ませるとアメリアはそう言ってニッコリ笑った。
 その時だった。

 じゃああああああ!!

 物凄い金属同士がこすれ会う音がした。
「!?」
 驚いて振り返るとゼルの眼前にΩがいた。
「ゼルガディスさん!!」
 アメリアの悲鳴じみた声が聞こえた。

***********************************
「遅い!しかも何でαだけ返すかな!?」
 イライラしてリナがぶつぶつと文句を言う。
「ねえ、あと10分もないですよ!」
 オロオロとフィリアが右往左往しながら言う。
 全員が落ち着きをなくしていた。
「まさか何かあったのでは、、、、、。」
「縁起でもない!!」
 シルフィールの言葉にゼロスが叫ぶ。
「あのゼルガディスさんがそんな簡単に死ぬわけ、、、、。」
「お前の方が縁起でもないこと言ってるぞ!!」
 ゼロスの言葉にガウリイが所在なさげに歩き回りながら言う。
「ちょっと私行ってきます!!」
「ダメ!!」
 船から出て行こうとしたフィリアを一番心配しているリナとゼロスが引き止
める。
「どうしてですか!?」
「足手纏いになったらそれこそどうするんですか!?」
 フィリアの反論にゼロスがぴしゃりと言う。
「でも、、、、!!」
「例え乗り遅れても何か方法を考えているんですよ!きっと!!
                  だから自分だけ、、、、、、。」
「船が他にないのに!!?」
 シルフィールの言葉にフィリアが叫ぶように言う。
「ともかく!!」
 リナの鶴の一声でシーンと辺りが静まる。
「ギリギリまで絶対待つのよ。いい?」
 静かに言ったリナの言葉に、全員が深く頷いた。

***********************************
「大丈夫ですか!?」
「ああ。お前さんは?」
「平気です!」
 Ωとβの激しい攻防から少し離れた所でゼルとアメリアが立ち上がる。
「それより早くβを、、、、、。」
 何かをいいかけてゼルがそれをやめる。
 アメリアもゼルと同じ方向に目が行っていた。
「、、、、、私、、、、あんな能力知りません、、、、。」
「俺もだ、、、、、。」
 二人の目の前でΩは、自分の腹から瞬時に狼の部分のない植物を生み出して
いた。
 あのリナを捕まえていたものと同じものである。
 それにβが絡み付かれ、苦戦していた。
「、、、、、、、っ!β!!逃げるぞ!!」
 その言葉にβは自分に取り付く植物を引きちぎり、ゼル達を乗せ走る。
 Ωとその植物は後を追いかけてきた。
「全員扉を瞬時に閉められるように準備しろとゼロスに伝えてくれ!!」
「はい!!」
 ゼルの言葉に頷き、アメリアは神経を集中しゼロスにテレパシスを送る。
 ゼロスはそれに気付いた。
「早く扉を閉める準備をして下さい!!」
 ゼロスの頭の中の声にアメリアがほっとする。
「届きました!!」
「スマン!」
 アメリアに例を言ってゼルはβの肩に括り付けてある燃料を外す。
「ゼルガディスさん?」
 アメリアの問いに答えず、ゼルは燃料を床に零す。
 後ろでΩや植物が足を滑らせ速度が遅くなった。
 それでも直ゼルは燃料を糸を引くように零しつづける。
 やがて船の入り口に着き、ゼルはβとアメリアを中に押し付けると燃料に火
を付ける。

 ゴバアアアアアアアアッ!!

 物凄い音を立てて火が燃え盛る。
「早く発進しろ!!」
 ゼルの言葉と同時に扉が閉まり、船が宙に浮き始めた。

***********************************
「、、、、、、やった?」
「、、、、、ええ。」
「、、あ、、、、ははは、、、、、。」
 それぞれ気の抜けた声を出しながら安堵の息を漏らす。
「い、、、、行き先は?」
 疲れ切ったゼルの声が誰にともなく聞く。
「はあ、、、、一番近い星は地球ですね、、、、。」
「そうか、、、、、、。」
 やっと平穏を許されたゼルはそのままのめり込むように眠りに入るのだった。

===================================
 はい!第二十一章終わりです!!
   はあああああ、、、やっとこの長い物語が終わったです。
  つ、疲れた、、、、、、。
 
    えもんさん。感想ありがとうございました。
      いつもいつも読んで頂き、誠にありがとうございます。
    次はえもんさんの御希望のゼロゼルでーす!!イエーイ!

  今日はこの物語のシメのエピローグを書いたら終わらせて頂きますう。

        ではでは。
          AMYより

トップに戻る
1156Re:植民地〜エピローグ〜amy E-mail 1/25-17:22
記事番号1155へのコメント

「かあー!!退屈だ!!」
「そういうことは言わないで下さい。
      あんな目にあったばかりでしょう。」
 ガウリイの言葉にシルフィールがお茶を注ぎながら言う。
「そーそ。
  たまにはこんなのも悪くないってね!」
 クッキーを貪りながらリナが明るく言う。
「あ〜!私のクッキーですよ!それ!」
 不平を漏らすフィリアを押さえ付け、リナは直もクッキーを貪った。

***********************************
「皮肉な物ですねえ?」
「何がだ?」
 ゼロスのつぶやきにゼルが小さな声で尋ねる。
「鉱物がなくなって人間が地球を捨てた。
    そして地球はこんなに綺麗な星になった、、、、、。
                    皮肉でなくてなんです?」
 ゼロスの言葉にゼルが微笑む。
「そう、、、、だな。」
 ゼルが言って辺りを見回す。
 辺りには美しい草花、大きな木、大きな湖。
 青い空、白い雲。
 青々しい香り。
 そんな気持ちのよいもので埋め尽くされていた。
「ここなら、、、βとαも生きていける、、、、、よな?」
 辺りにいる人なつっこい動物を見ながらゼルがつぶやく。
「そう、、、、、ですね。」
 ふっと微笑みながらゼロスが頷く。
 ゆるやかな、、、、、優しい時間が流れ、、、、。
「ところで、、、、いやあ、妬けちゃいますねえー!」
 急にゼロスがゼルの背をポンポン叩く。
「な、何言ってやがる!!」
「だっていつの間にか呼び名が『グレイワ−ズさん』から
      『ゼルガディスさん』に代わってますし〜!」
 ニタニタ笑うゼロスを見て、ゼルが顔を真っ赤にする。
「こうやって膝かしてあげるなんて!!」
 ゼルの膝で気持ちよさそうに眠るアメリアを指差してゼロスが囁く。
「て、てめ!この!!」
 からかってゼルの頬をぐにぐにと引っ張るゼロスを叩きながら、ゼルは大き
安堵感を得ていた。
(これで、、、、、β達は兵器として扱われない。)
 ゆっくりとゆっくりと流れる時間の中で、ゼルは最高の至福を味わっていた。

====================================
はい!!
 『植民地』終わりです!!
    『エイリアン』のように続編はないです(笑)

  はあ〜やっと終わったよ〜。

       お次はゼロゼルです〜。
    是非是非読んで下さいねえ〜。

      少々急いでるので、、、、、

                   ーでは
                     AMYより

トップに戻る
1161Re:植民地〜エピローグ〜えもん E-mail 1/26-12:53
記事番号1156へのコメント

こんにちは、amyさん。

はぁ〜、とうとう終わってしまいましたね・・・。なんかちょっぴりさみしい気分・・・。(;−;)
私は、このお話の「緊迫感」が好きでした。
追いかけられたり、捕まったり・・・毎回、気が抜けませんでしたよ。ははは。
あー、みんな助かってほんとよかった。

人間が捨てた地球がきれいに戻ってる・・・だなんて、ちょっと人類への警告っぽさも入ってて、偉大なお話でしたねー。
ラブラブなしのシリアス物も書けるなんて、amyさん、すごいっすよ・・・。
ほんと、楽しませていただきました。ありがとうございました。

では、次回のゼルゼロ、めちゃめちゃ楽しみにしてますっ!!
夢に出てきそう・・・ぽっ。(*^−^*)