◆−初めまして&《虚無の欠片》−RIN (2002/10/8 19:41:17) No.10393
 ┣Re:初めまして&《虚無の欠片》−ドラマ・スライム (2002/10/8 20:23:26) No.10395
 ┃┗Re:初めまして&《虚無の欠片》−RIN (2002/10/9 17:42:33) No.10423
 ┣素敵に気になります☆(待て)−白河綜 (2002/10/9 01:16:28) No.10408
 ┃┗Re:素敵に気になります☆(待て)−RIN (2002/10/9 18:16:07) No.10424
 ┗虚無の欠片1−RIN (2002/10/9 18:22:18) No.10425
  ┣Re:虚無の欠片1−ドラマ・スライム (2002/10/9 18:48:55) No.10426
  ┃┗Re:虚無の欠片1−RIN (2002/10/9 23:33:03) No.10439
  ┗虚無の欠片2−RIN (2002/10/16 14:30:11) No.10674
   ┗虚無の欠片3−RIN (2002/10/19 20:00:06) No.10755
    ┗虚無の欠片4−RIN (2002/10/20 23:26:24) No.10782


トップに戻る
10393初めまして&《虚無の欠片》RIN E-mail URL2002/10/8 19:41:17



 ―前書き―
 初めて投稿させて頂きます、RINと申します。
 こちらの小説をこれまでいつも楽しく読ませて頂いておりましたが、今後は読むだけではなく投稿させて頂きたく思いこれを書きました。
 初めての投稿だというのにいきなり長編ですが読んで頂ければ幸いです。
 大したことのないものですがどうぞこれから宜しくお願い致します。

  ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

 ―天空より混沌の海へと堕ちし 魔王の中の魔王 金色なりし闇の王 
  ロード・オブ・ナイトメア 混沌を導きし虚無の現し身
                   ―ディルス王国・異界黙示録写本より― 

 
 虚無の欠片 ―序― 


 …あの子の背負う運命はあまりに重い…

 黒い髪を肩の所で切り揃えたウェイトレス姿の女性が、薄暗く、誰もいない…恐らくは閉店後であろうレストランの中で一人テーブルに着いていた…
 「…どうしたら…あの子に何て言えばいいの…」
 嘆息混じりに酷く辛そうな様子で女性は呟いた…
 「…あんな…あんな神託が下るなんて…」
 苦渋に満ちた声で…

                            ―続く―
 ―あとがき―
 初めてのスレイヤーズ小説です…と言っても…序章なので短いです…済みません…

トップに戻る
10395Re:初めまして&《虚無の欠片》ドラマ・スライム 2002/10/8 20:23:26
記事番号10393へのコメント

はじめまして〜
ドラマ・スライムです。
長編ですか期待しています。
それでは〜

トップに戻る
10423Re:初めまして&《虚無の欠片》RIN E-mail URL2002/10/9 17:42:33
記事番号10395へのコメント

 初めまして、ドラマ・スライム様、RINです。
 あのようなモノを読んで頂いた上にコメントまで頂けて嬉しい限りです。
 これを励みにこれから頑張って書いて行きたいと思います。

 ―それではこれから宜しくお願い致します―RIN―

トップに戻る
10408素敵に気になります☆(待て)白河綜 URL2002/10/9 01:16:28
記事番号10393へのコメント


 初めまして、RINさん。
 白河綜と申します(礼っ)
 普段は小説1に出没している&筆無精でなかなかレスをしない不届き者(自覚あるなら治せ)なのですが、題名が気になり、すすす……と引き寄せられるように読ませていただきましたv(待て)
 上手く言葉になっているかどうか心配なのですが、レスさせていただきます(^^)



> ―天空より混沌の海へと堕ちし 魔王の中の魔王 金色なりし闇の王 
>  ロード・オブ・ナイトメア 混沌を導きし虚無の現し身

 ああああっvv(><)
 なんだかすっごくカッコイイです!
 特に『混沌を導きし虚無の現し身』!! エル様の、あの漠然とした怖さと存在そのもののスケールの大きさが伝わってきますv

> 「…どうしたら…あの子に何て言えばいいの…」
> 嘆息混じりに酷く辛そうな様子で女性は呟いた…
> 「…あんな…あんな神託が下るなんて…」
> 苦渋に満ちた声で…

 ……この女性は……ウェイトレス、ということは、ルナねーちゃんでしょうか?
 だとしたら、ルナさんが悩むなんて……なんだかとっても事件の予感がっ!!(汗)
 そして神託。どんな内容だったか気になりますね。いったいどうなってしまうのでしょうかっ(わくわく)


 とっても続きが気になりますっ(><) 楽しみっ♪

 そう言えば、初めての投稿が長編と書いてありましたが、私もそうだった身です(笑・しかもシリーズになってるし)
 それに、最近はそういう方も増えていますので、気になさることは無いと思います(^^)

 ではでは。
 短い感想ではありますが、今回はこれにて。
 果たしてこのウェイトレスはルナねーちゃんなのかっ・『あの子』とはリナさんなのか・最初に出てきた写本抜粋文との関わりはどうなるのか……。
 本当に楽しみです!

 では。
 白河綜でした♪

トップに戻る
10424Re:素敵に気になります☆(待て)RIN E-mail URL2002/10/9 18:16:07
記事番号10408へのコメント

 初めまして白河綜様、RINです。
 大した事の無いモノだというのに読んで頂いた上レスまで頂け大変嬉しく思っております。
 
 無い知恵絞って考えました、クレアバイブル写本抜粋文でしたが、『カッコイイ』とのお言葉に私とても感激しております。
 
 それとウェイトレスの女性ですが、そうです、ルナ姉ちゃんです。
 神託の内容については多分…第3話以降になると思います…
 この話…相当長くなると思いますがどうぞ気長にお読み頂ければ幸いです。
 ちなみに『あの子』についても…
 隠しても意味無いので…正解です、リナです。
 写本についてはいずれまた…
 有り難きお言葉の数々と感想をどうも有り難うございました。
 ―それではこれから宜しくお願い致します―RIN― 

トップに戻る
10425虚無の欠片1RIN URL2002/10/9 18:22:18
記事番号10393へのコメント


 …事前に何かを識ることが出来れば何かが変わるのかもしれない…
 …貴女に…直接…総てを伝える事は出来ないけれど…
 …せめて何かが変わればいいと…
 …願わくば…貴女が幸福になれます様に…
 …喩え…私がどうなっても…

 
 虚無の欠片 ―1― 


 腰近くまで伸ばした直毛(ストレート)の黒髪を片手で玩びながら、少女は一人街道を歩いていた。

 少女が一人あたしの目の前にいる(目の前と言っても数メートルは離れているのだが…)
 彼女が身に纏っているのはゆったりとしたクリーム色のローブに手には白銀に輝く長い杖…
 はっきり言って旅をするにはあまり合理的とは言えない格好だろう。
 その彼女の前にはいかにもといった風体の、倒しても倒しても湧いてくることゴキブリの如し!世間の迷惑!あたしにとってはただの雑魚!一山幾らの盗賊さん達vであるv
 やーvラッキーだわーv盗賊いじめに行こうと思って宿を抜け出したら、こおぉんな近場で女の子が襲われてるなんてv
 よーしv奴らを倒して、あの子を助けて、盗賊のお宝&アジトの情報&礼金ゲット!
 と言うことでvまずは呪文を小声で…
 ―すべての力の源よ輝き燃える明き炎よ―

 夜道を旅していたのを突然遮ったのは盗賊達…
 「へっへっへっ!かわいいねぇ〜お嬢ちゃん、怯えて声も出ないのかい!」
 下卑た声で彼らは言う…どうやら私が先程から少し俯いているのを怯えているのと勘違いした様だ…
 口々に彼らが優越感たっぷりの表情で何かを言っているが私はそれを殆ど聞いていない…
 そんなことよりこれからの事の方が大切だから…
 別段急ぐ旅では無いとはいえ…こんな奴らに関わっている暇は私には無い…
 …無いが…こいつらは盗賊である…そして…この近くに彼女がいるだろう事も分かっている…
 …だから…もしかしたら…こいつらから…彼女の情報が得られるかもしれない…
                            ―続く―
 ―あとがき―
 こんにちは皆様、RINですm(_ _)m
 虚無の欠片の第一話です。
 …あう…なかなか神託が出てきません…
 そして…いきなりオリキャラの登場です…
 …エー…取り敢えず…次回予告を…
 次回は…仲良し四人組(Byアメリア)の中の誰かがリナ達と合流しる事になると思います(そう言っておいて実はガウリィなんて落ちはありません)
 神託についてはかなり怪しいです…

 ―それではこれから宜しくお願い致します―RIN―


トップに戻る
10426Re:虚無の欠片1ドラマ・スライム 2002/10/9 18:48:55
記事番号10425へのコメント

オリキャラですか。
どんな性格か楽しみです。
神託・・・そう言えば僕のある作品、4話近いのに最初の神託まだ出ていません(出す気は無いですが)←独り言すみません。
それでは下手な感想すみませんでした。

トップに戻る
10439Re:虚無の欠片1RIN URL2002/10/9 23:33:03
記事番号10426へのコメント

 こんばんは、ドラマ・スライム様。
 RINです、感想どうも有り難うございます。
  
>オリキャラですか。
>どんな性格か楽しみです。
  ↑
 オリキャラについては…彼女はある意味キーキャラなので…暫くは判らないと思います…(そんな事言っておきながら意外と判りやすいかもしれませんが…)
 ―それでは改めて、感想有り難うございましたm(_ _)m 


トップに戻る
10674虚無の欠片2RIN URL2002/10/16 14:30:11
記事番号10425へのコメント



 ―かって魔族の結界で閉ざされていた大陸の…
 …その地に生くる…総ての在り続けようとする者達の巫女達へ…
 …神託と云う形で伝言(メッセージ)を…
 …あの方へ…


 虚無の欠片 ―2―


 夜の街道で少女が一人盗賊に襲われていた…
 「火炎球!(ファイアー・ボール!)」
 其処に…何処からともなく響く呪文と共に、盗賊達の目前に火球が現れふわふわと宙を漂っている…
 その様子に盗賊達がキョトンとしていると、唐突に少女の腕が誰かに引かれ、少女を庇う様にその人物は前に出た。

 あたしは『力ある言葉』を唱え、アレンジを加えたファイアー・ボールを盗賊達の目前に生みだし、浮遊させる。
 唐突に目前に現れた火球に何が起こったのか理解できない様子の盗賊と少女には構わず、あたしは少女を背後に庇う。
 「なんだ!おまえは!」
 「これは何だ!?」
 突然現れたあたしに口々に言ってくる盗賊達…
 「おっ!なんだ!よく見りゃあ結構かわいいじゃねぇか」
 一人がそう言う…
 「ほんとか!こりゃあいい!獲物が増えたな!」
 「おい!お嬢ちゃん!命がおしけりゃおとなしくしな!」
 「おとなしく金目の物を出しやがれ!!」
 突然現れたのが、可愛いくか弱い女の子(勿論あたしの事よ)だと知った途端に威勢が良くなる盗賊達、現金な物である…
 …さてと、それじゃあそろそろ…
 あたしは右手を前に出し…た、その時だった…
 「そこまでよ!!悪人ども!!」
 夜の闇に昔よく聞いたフレーズが響く…
 「なっ!どこだ!!」
 きょろきょろとして、慌てふためく盗賊達。
 「悪あるところに正義あり!闇夜に紛れ旅の途中のか弱き乙女を大勢で襲う心悪しき者達よ!」
 何処からともなく聞こえるその声は、昔は再々聞いていた正義フリークの声だった…
 「まっまた何か出るのか!?」
 なっ!またですって〜!たかが盗賊のくせにあたしをあの子と一緒にするなんて〜(ちょっとむか)
 「いかなる理由があろうとも!私利私欲のために悪行の限りを尽くすあなた達のその所業!誰にも裁けぬと言うのなら!正義の下にわたしが裁きを下します!!」
 あーアメリア…相変わらずね〜
 「何処だ!」
 「あそこ!あの木の上にいるぞ!!」
 盗賊の一人が指さす。
 そしてアメリア、見つけられるのを待っていたかの如く…
 「とおう!」
 かけ声と共に思い切りよく飛び降り…
 ゴォキ!!
 何とも言えないすごい音がする…
 見ると頭から着地し首が曲がってるアメリアの姿…
 「な…なんなんだ…あれは…」
 誰に言うでもなく盗賊の一人がポツリと言う…
 「相変わらずねアメリア」
 呆然としている盗賊達には構わずあたしはアメリアに声を掛ける。
 「リナッ!」
 あたしを見てアメリアは、嬉しそうに声を上げて起きあがり、こっちに向かって駆けて来る。
 「久しぶりね元気そうなのは良いけど、あんたこんな所で何やってんのよ」
 「リナと一緒よ!」
 「へっ?」
 「正義を行使するため、盗賊退治に向かう途中に、誰かが悪人に襲われてるみたいだったから、悪を成敗すべく正義の怒りを爆発させたのよ!」
 ガッツポーズを取りながら胸を張ってアメリアが言う…
 確かに…まあやってる事は同じだけど…って…そうじゃない!
 「だぁぁぁぁぁ!違う!誰もそんな分かりきった事聞いてない!あたしが聞いてんのはどうしてセイルーンにいる筈のあんたがここにいるのかって事よ!!」
 アメリアは…こんなんでも一応セイルーンのお姫様である…本当ならそうそう旅になど出られる筈は…ないのだが…セイルーン王家は…あんまりそういう事は気にしないらしい…
 しかし今はアメリアは結構忙しい立場の筈である…噂通りなら…
 …暫く前のある事件が原因で起こったデーモン大量発生への対策として討伐隊の陣頭指揮をやってる筈(アメリアなら絶対やってる!)で…
 とてもではないがこんな所にいる筈がないのだ…ここがセイルーン国内なら…まだ分かるのだが…(ちなみにここはカルマートとゼフィ−リアの国境近く…位置的にはベゼルドとマインを越えたあたり…次の村を過ぎれば…ゼフィーリアである…ウゥ…)
 「それは…」
 「おい!てめえら!下手に出てりゃあつけあがりやがって!!」
 アメリアが言いかけたその時、それを遮る様に盗賊の一人が叫んだ、見てみると盗賊達は顔を真っ赤にして、息を切らせている…
 …そう言えばなんかさっきから五月蠅いと思ってたのよね〜そうかあいつらだったのか!でもあんまり下手に出てるって様子じゃなかったと思ったんだけど?
 そんな事を思っていると…
 「別にあなた方は下手になんて出ていませんでしたよ」
 盗賊達に襲われていたあの少女が幾分不機嫌な様子でそう言った。 
                            ―続く―
 ―あとがき―
 お久しぶりです、RINです。
 最近忙しくて中々続きが書けず遅くなりました、済みませんでしたm(_ _)m
 今回はアメリアが登場しました。
 さて次回はいよいよ神託が出てきます。
 ―それではまた―RIN―

トップに戻る
10755虚無の欠片3RIN URL2002/10/19 20:00:06
記事番号10674へのコメント


 ―悪夢の王の欠片 世界(そら)のいましめより解き放たれし存在(もの)
  闇より暗き 夜より深き 金色の闇の王より混沌の海より分かたれしたゆたいし存在(もの)
  闇と光とその狭間にして 黄昏より昏き力導きし 暁よりも眩き力持ちし者の力受けし
  遙かなる混沌より導かれし力を掲げ 虚無の欠片を胸に抱きて 闇の欠片を内に得て 
  虚無の力を導きし時 覚醒(めざめ)の瞬間(とき)は訪れん―


 虚無の欠片 ―3―


 目の前には楽しそうに話している二人の少女…とても微笑ましい光景で…
 だが…それにもすぐに邪魔が入った!
 後方で私の旅の邪魔をしてきた盗賊達がなにやら騒いでいる。
 どうやら自分たちがまるで相手にされていないこの状況が気に食わない様だが、そんな事は関係ない、彼らは邪魔者以外の何者でもないのだから…
 そして…遂に彼女も彼らを邪魔だと判断されたのでしょう…彼女はひとまず会話を中断し盗賊達を不愉快そうに振り向かれました…

 不機嫌そうに言った少女の様子にあたしは少し驚いた…
 普通に考えれば…盗賊に襲われて機嫌の良い人間というのもそうそういないだろうし盗賊に対し好意的な態度をとる人間というのもそういないだろう、だが彼女の場合今の今まで別に機嫌が悪いというような様子は見られなかった、勿論好意もない、正に『どうでもいい』という態度だった筈なのだ(あたしははっきり言って『人を観る眼』には自信がある!)その彼女が…盗賊達があたし達の会話を中断させた途端に不機嫌な様子を見せたからだ。
 …尤も…もしかしたら…彼女はどうでも良かったのではなく…突然盗賊に襲われあまりの事にどうして良いか分からず途方に暮れていて、あたし達が来て時間が経つうちに状況を理解し、盗賊達の理不尽な言動の為に不機嫌になったのかもしれない…
 どちらにしても…あまり旅慣れていない人間のとる態度ではないが…
 …一体この少女は何者なのだろうか?……
 …まっ!それはともかく…取り敢えず…こいつら何とかしましょうか…
 「それじゃあアメリア、取り敢えずこいつら片付けてからちょっと待ってて!」
 「え?リナ?わたしも戦います!!」
 アメリアが言う…が、この程度なら呪文一発放てば充分だし…何より既にアレンジ版の『ファイアーボール』を放っている…はっきり言って後は炸裂させるだけなのだ…
 だからあたしはアメリアに構わず手を前方に伸ばし…
 「ブレイク!」
 指をパチンとならし火球を炸裂させ盗賊達を吹き飛ばした。
 「…リナ…あれ…ファイアーボールよね…わたしの気のせいかもしれないけど…なんだか威力が前より強くなってない?」
 アメリアが唖然とした様子で聞いてくる、久し振りだから気のせいかもしれないけれど…などと小声で呟きながら。
 「気のせいじゃないわよ…実際魔力は以前より強くなってるの…だからわざわざアレンジして威力を押さえたのよ…」
 憮然としてあたしは言う…あの一件以来あたしの魔力は以前以上に増しているのだ…手加減をしアレンジを加え威力を拡散させて尚この威力…盗賊達は黒焦げ(ハッキリ言って辛うじて生きていると言った状態)なのだ!
 「…リナの魔力が!?それって!?」
 「まあ…その話はまた後にしましょう…それより!取り敢えずあいつらからお宝没収してvそれからアジトの場所を聞き出すのが先よ!!」
 そう言って盗賊達の方に向かおうとしたその時だった…
 「あっ!あのっ!…」
 その声にそちらを見やれば、そこには…盗賊達に襲われていたあの少女が深刻そうな、何かを決意した様な、複雑な表情であたしを見ていた…
 「…何?」
 油断なく向き直る…あたしはずっと彼女が何者なのか気になっていたからだ…彼女があたしに対する魔族の刺客で無いという保証がないから…
 「リナ?」
 アメリアがそんなあたしの態度に僅かに首を傾げる。
 彼女は丁寧に一礼しそれから口を開く…
 「…まずはお礼から…助けて頂いて有り難うございます、私はセレーネと申します」
 そしてアメリアの方をちらりと見て続ける…
 「彼女は貴女の事を『リナ』と呼んでいましたが、もしや貴女は『デモン・スレイヤー』『リナ=インバース』様では?」
 「ねぇ…リナ?何その『デモン・スレイヤー』って?」
 アメリアがキョトンとした様子で聞いてくる。
 「…う…後で…ね…」
 そんなアメリアにあたしはどう言って良いのかいまいち判らず…困ったように(実際困ったのだが…)言って、返答を先送りにし…
 そして彼女に視線を戻し…
 「どうしてあなたがそれを知っているの!?」
 …『デモン・スレイヤー』…あの事件の後…とあるエルフがあたし達の事をそう呼んだ…
 でも…その事を知っているのはあの事件に関わった当事者のみ!つまり…あたしとあたしの旅の連れ・ガウリイ(憶えてるかどうかは怪しいものだが…)に黄金竜の長老・ミルガズィアさん、そしてミルガズィアさんの旅の連れで、あたしとガウリイの事を『デモン・スレイヤーズ』と呼んだ張本人!エルフ族のメフィーだけの筈…メフィーが言いふらしたりしていなければ…だが…
 それならまだ良い(ホントは良くない)が…あたしが懸念しているのはもう一つの可能性!!
 すなわち魔族!
 あいつらなら気配を消して、精神世界から盗み聞きでも何でも簡単に出来るだろう…
 特にゼロス!あの事件の時、あたし達の様子を面白がって覗いていたあいつなら、事件が終わってからも覗いていてもおかしくないし、面白がって『あの事』を獣王に報告していてもおかしくない!!
 そして…目の前の彼女は…とてもただの人間には見えなかった(いや…現在のあたしだから判るんだけど…)
 まあ…もしかしたら…ゼフィーリア…特に…あたしの郷里の辺りにだったらこんな感じを受ける人もいるかもしれないけど…
 …でもゼフィーリアの住人だったら…わざわざあたしにこんな風に話しかけてくる筈ないし…
 などと色々考えあぐねていると…
 「ある人から聞きました…そういう噂があると…」
 不意に彼女がそう言った…少し困った様に…
 「噂…ねぇ…アメリア知ってた?」
 アメリアの方を見る…
 「いえ!知りません!聞いた事無いです!だからさっき聞いたんですし」
 「そうよね〜……」
 …だとしたらやっぱりメフィーが誰かに言ったのを偶然聞いたのかしら…にしてもねぇ…あれからそんなに経ってないし…
 …それに大抵こういう場合、あたしの名前を聞いて出てくる科白って…『あのリナ=インバースか』って言うんだけど…(腹立つけど…)
 「…現在はそれだけしか言えません…申し訳ありませんが…」
 また考えに沈んでるあたしに対し…彼女は穏やかにそして心底申し訳ないといった様子でそう言った…
 そんな彼女の様子にあたしは何故かそれ以上追求出来なくなる…
 「まあ…今更違うって言っても仕方ないしね…」
 小さく嘆息して言う…少し前までは違うと言ってやろうかと思ったいたのだが…無意味なので結局止めた…まあ…正直そんな気ではなくなっていたと言う方が正しいのだが…
 どうもこの彼女…何処か懐かしい様な印象があるのだ…何処かで会った事がある様な…誰かに似ている様な…そんな感じがするのだ…(まあ…会った事はないだろうが…)
 そんな風に考えながらあたしは彼女に問いかける。
 「それで、あたしに何の様?」
 「リナ様に私の…導師になって頂きたいんです…」
 彼女は真剣な面もちでそう言った。
                                      ―続く―
 ―あとがき―
 あう…ホントは今回アメリアが神託の事についてリナに話す筈だったのに…
 途中で話し脱線して予定より長くなってしまいましたので…キリの良さそうな所で途中で話しを切りました…
 アメリアがなんでここにいるのかについては多分五話目以降の話になると思います…
 それと…えーと…よーやくオリキャラの名前が出てきました…まだまだ謎の人ですが…
 そして次回予告!今回脱線の原因となった謎の方がいよいよ出てこられます!
 彼の予定より早い登場の為にこの話は本来のペースが大分崩れてしまいましたが…(でもRINは彼好きなんですよね〜♪)
 あっ!それと前回に予告した神託の事ですが…今回の冒頭にあるのが神託の内容です…
 では次回分の残り…なるべく早く書き上げますので…
 ―それではまた―RIN―    

トップに戻る
10782虚無の欠片4RIN URL2002/10/20 23:26:24
記事番号10755へのコメント


 ―暁よりも眩きしもの 紅蓮の炎のより赤きもの
  赤き闇を七つに砕き 世界の各地に封じ込めん
  赤き光 力尽きしその前に 己が身分かちて四つの光を世界に残さん
  四つの光 それぞれ地・空・火・水の属性持ちて東西南北に在りて世界を護らん
  遂ぞ力尽きせし赤き光『混沌の海』へと沈み逝かん
  されど赤き光 最後の一欠この地に残せし―
                ―ゼフィーリア王国ゼフィール地方に伝わる民間伝承より― 

 虚無の欠片 ―4―


 彼女の言葉にあたしは目を見張る!そしてその言葉からある可能性を導き出し(多分違うと思うのだが…)彼女に問おうと口を開いたその時…
 『ええー!!『どうし』って何ですか!?リナ(さん)に弟子入りしたいとかそう言う事ですか!?』
 しかし横からの音声多重の凄まじい声二つに邪魔され、あたしはその場にずっこけた…
 …って音声多重の二つの声!?ってそれより今の声まさか!!
 あたしはそちらの方向に顔を向ける(あっ!アメリアもそっち見てる…)
 転けたあたしににこにこしながら、いつもの何を考えてるのか判らない笑みを浮かべてそいつは其処に立っていた…(まったく何時からいたんだか!)
 「お久し振りです、リナさん、アメリアさん。…いやーあまりの事に思わず出てきてしまいましたよ…いや僕もまだまだ修行が足りませんねェ〜」
 などとしみじみ言っているのは、黒い髪に黒が基調の神官服、一見何処にでもいそうな後ろ姿と人畜無害そうな笑顔を浮かべる、ですます口調の謎の神官(ブリースト)…勿論見た目通りの奴ではない…実際は出てくる度に何かある!何を企んでるのか判らない!厄介事の先触れ案内人!百害有って一利無し!
 その正体は魔族中(但しこの世界のみ)現在五指に入る実力者!赤眼の魔王(ルビーアイ)五人の腹心が一人、獣王(グレーター・ビースト)ゼラス=メタリオム直下の魔族・獣神官(ブリースト)ゼロス! 
 その顔を見ると同時にあたしは速攻立ち上がり猛スピードで駆けて行き…
 「ゼェロォスゥゥー!!!!!」
 その首もとひっつかみ…
 「よくものこのこ現れたわねぇ〜!!!」
 何時の間にやら速攻でふところから取り出していた『アストラル・ヴァイン』を掛けていたスリッパをゼロス目掛けて怒りを込めて振り下ろし…
 「あんたねぇ〜!どの面下げてあたしの前に現れたのよ!!今度は何を企んでるの!こぉの!ゴキブリ神官!!」
 あたしは首を絞めながらガクガクガクガクゼロスを揺する!!
 「リ…リナさぁぁぁぁぁん…そぉいう呼び方はしないで下さいって…この前…言ったじゃないですかぁぁぁ…」
 途切れ途切れに、冷や汗等を垂らしながら、苦しそうな様子を見せながらも心底嫌そうな様子で言うゼロス…少しも苦しくなんか無いくせに…芸の細かい奴…
 「何言ってんの!あんたがそれ言ったのミルガズィアさん相手にでしょ!んなの、あたしの知った事じゃないわよ!」
 ゼロスの襟首ひっつかんで言う!
 さすがにもうガクガクは止めてる(いや…あんまりやってもあたしが疲れるだけだし…ならやらなきゃいいって意見もあるけど…そこはそれ、その場のノリというやつである…)
 「それじゃあ…改めてリナさんに言ったら止めて頂けるんですか?」
 冷や汗垂らして言うゼロスにあたしはまともに顔を引きつらせ…
 「あぁあんたねぇぇ!!よぉくもそう言う事が言えるわねぇ!!ルークの一件であたし達がどぉんな思いをしたと思ってんのよぉぉ!!傍から面白がって見物していたあんたはさして気にしてないかもしれないかもしれないけどねぇ!あんな悪趣味な行動(こと)やっといて!よくもまあのこのこ出てきて、うな事言えるわねぇ!温厚なあたしも終いには怒るわよ!!!」
 スリッパでゼロスの頬にあてて言う…
 「あの…リナさん…終いにはって…もう怒ってらっしゃるじゃないですか…」
 「なぁに言ってんのよ、単にスリッパで叩いて、あんたの首締めてガクガク揺すっただけじゃない!」
 「だけって…痛かったんですよぉ〜」
 ゼロスが情けない声を出す。
 「何言ってんの!あんなのあんたに効くわけないじゃない!!」
 「でもリナさんそのスリッパ、アストラル・ヴァイン付きじゃないですか…」
 「あんたには対して効かないでしょうが!」
 ゼロスの苦情をズバッと切って捨てる。
 「でも効きましたよ予想以上に…それに何時の間に使ったんですか?ハッキリ言って気付きませんでしたよ?」
 …予想以上か…やっぱりこいつ!
 「あんたが出てきて直ぐ!あたしが転けてる間に使ったのよ!あんたには死角になってたから分からなかっただけでしょ!!」
 「だけってリナさん…まあ…それはともかく、リナさんもしかして魔力上がってませんか?」
 さも今気が付いた様に言うゼロスにあたしは眉を釣り上げ、更にゼロスの襟首締め上げる。
 「よくもまあ、あんたぬけぬけとそういうセリフが出てくるわね!こぉのストーカー神官!!」
 「ス…ストーカーって…リナさん…」
 「あんたがここ暫く!あの一件が終わってからずっとあたし達につきまとっていたのは知ってんのよ!特に何かするってわけでもなさそうだったし!用があればあんたの方から出てくるだろうし!当分あんたの顔なんか見たくなかったから放っておいたのよ!!」
 そう言い放ち手を放す…いい加減この状態も疲れるし…
 それにそろそろ真面目に話した方が良さそうだし…
 「いやー、お気付きでしたか、さすがリナさん。でもあの件に関しては、こちらとしても仕方なかったんですよ…色々複雑な状況でしたし…まあ、今となっては終わった事ですからね」
 にこにこといつもの読めない笑顔で、しかし心なしかどこか嬉しそうな様子で言うゼロス…
 何が終わった事よ!!
 まったく!…こいつがこんな態度をとるなんて…どうやらあたしが思った以上に厄介な事になっている様である。
 「それで、結局あんた何の用で出てきたのよ!」
 溜め息混じりにそう言って、あたしはゼロスをジロリと睨む。
 「それは…」
 「秘密なんて言ったらエルメキア・ランス叩っ込むわよ!」
 ゼロスの言葉を遮って怒鳴りつける!
 「リナさんまでどうしてそんな意地悪するんですかぁぁ〜」
 ゼロスが世にも情けない声を出して言う…
 「それで?また逃げる気?」
 言って呪文を唱え始める…
 「…エルメキア・ランス…ですか…まあ…もう殆どバレちゃってるみたいですからこうなった以上まあいいですけど…」
 ゼロスは一瞬だけ、しかし僅かに眉を寄せて言った。
 あたしはゼロスのその言葉に取り敢えず呪文の詠唱を止める。
 そのあたしの様子を見て、ゼロスは話し始めた…
                                      ―続く― 
 ―あとがき―
 RIN:皆様今晩は、RINですm(_ _)m
     エー今回は前回「『謎』の方がいよいよ出てこられます」と予告しました
     通り、謎の神官・獣神官ゼロスが登場致しましたv
     これからは魔族もちょこちょこと出てくる事になると思います…
     そう言うわけで魔族(ゼロス)登場記念として…
     …今回から急遽ゲストとしてお招き申し上げる事と相なりました…
     ど…どうぞご入室下さい!L様!(僅かに涙目になって言うRIN…)
     ドドドドドドドッ!(何処からともなく太鼓を叩く様な音と)
     パッ!(スポットライトが点灯する)
     そしてその場に現れるL様!
 L様:フッようやくあたしの出番ね!
     たとえパロディとはいえ…
     やっぱスレイヤーズのあとがきにはあたしがいないとね〜
     と言うわけで、ようやく文才の無い小心者で臆病者の癖に頑固で意固地な
     筆者(RIN)があたしのあとがきへのささやかで至極平和的な出演交渉
     に応じたから、これからはもうみんなに退屈なあとがきを読ませる事も無
     いわよ!!
 RIN:え…あの「これからは」って何で…確か一回切りのゲストの筈じゃあー…
 L様:それはゲストとしては、でしょvあんた確かこの前…
     『これまでL様をお出ししなかったお詫びとしてこれからはL様に幅広く
     ご活躍頂ける様、努力致します』<(_ _)>
     って言ってたじゃないv
 RIN:…あう…それは…
 L様:そう言うわけであたしのあとがきへのレギュラー入りは決定ねv
     …それとも…なんか文句ある?
     (にっこり笑みを浮かべ何処からともなくスコップを取り出すL様…)
 RIN:なっ!無いでスゥゥゥ!!(その様子に慌てるRIN)
 L様:そうvで、何であんたは怯えてるのかしら? 
 RIN:えっ…えーと…あの…そんな…何かの気のせいじゃあ?
L様:あらvそれじゃあそうなのかしらv
     …何ていう風にあたしを誤魔化せると思ってるの?
 RIN:そっそんな!誤解です!!
 L様:そうvそれじゃあvそれは取り敢えずそう言う事にしておいて…
     それはそれとして…やっぱりこれまでの分の制裁は必要よねv
 RIN:えっ?あ〜のぅぅ…L様?
     そっその御手にお持ちあ…あ…あそばしておられるスコップは一体…
 L様:んっんっんっ!言葉遣いだけ丁寧にしてもねぇ〜…
     それに折角スコップ出したんだし…
     それにやっぱ読者だって望んでるでしょうし…
     それなら期待には応えないとねぇ〜♪特に応えられる期待には!
 RIN:そっ…そんな…誰もそんな無茶な事は望んでは…
     グサッ!!!ドサッ!!
     (鈍い音がしたと同時に何か赤いものを流している物体が床に倒れ伏す!)
 L様:まあ悪も滅んだ事だし…(足下でピクピクしている物体を見遣り…)
     次に復活した時にはちょっとは素直になってる事でしょうし…
     それじゃあこれからはあたしが…
     …え?ページが無い?
     …ちょっと部下S!あんた今回の裏方でしょ!何とかしなさい!
     (襟首ひっつかみ小声で言うL様…(T_T)
     …ゥゥー無理ですぅー(T_T)…
     ちなみに私は愛用の金ラメタキシードを着ています…)
     さりげに自己主張してるんじゃ無いわよ!あんたは裏方でしょうが!!
     まったく…部下Sの癖に!!
     (そう言いつつ私をスコップでドツクL様…アゥ…)
     まあ仕方ないわ…
     そう言う事ならせめてこの予定表をもとに途中で寝ちゃった仕方ない奴の
     代わりに次回予告と終了の挨拶だけはやっといてあげましょうか!
     次回予告!
     次回はオリキャラ・セレーネの問題発言の真相が遂に明らかに!?
     そしてゼロスの目的は!?乞うご期待!!
     …って、あいつ何考えてんのかしらねェ〜
     それじゃあみなさん今後も宜しくねv
     ペコリv(…と頭を下げるL様…)
     するすると幕が降りる…そしてENDの文字…
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ここまでお読み下さった皆様…有り難うございました…
 …お気に召さなかった方々…申し訳ありません<(_ _)>深くお詫び申し上げます。
 ―それではまた―RINm(_ _)m