◆−懲りずに新シリーズ始めます。−キツネノテブクロ (2002/10/10 20:26:38) No.10468
 ┣――沙―― 序章−キツネノテブクロ (2002/10/10 20:28:54) No.10469
 ┣懲りることなく読ませていただきます。−雷甲子 (2002/10/10 20:29:54) No.10470
 ┃┗Re:懲りることなく読ませていただきます。−キツネノテブクロ (2002/10/10 20:43:38) No.10474
 ┣――沙―― 第1話−キツネノテブクロ (2002/10/10 20:39:15) No.10472
 ┃┣Re:――沙―― 第1話−ドラマ・スライム (2002/10/10 20:46:59) No.10476
 ┃┃┗Re:――沙―― 第1話−キツネノテブクロ (2002/10/10 20:58:34) No.10478
 ┃┗Re:――沙―― 第1話−Yuppy (2002/10/10 21:10:25) No.10479
 ┃ ┗Re:――沙―― 第1話−キツネノテブクロ (2002/10/10 21:41:14) No.10485
 ┣――沙―― 第2話−キツネノテブクロ (2002/10/11 16:11:51) No.10517
 ┃┗Re:――沙―― 第2話−Yuppy (2002/10/11 17:27:56) No.10524
 ┃ ┗Re:――沙―― 第2話−キツネノテブクロ (2002/10/11 18:04:36) No.10526
 ┣――沙―― 第3話−キツネノテブクロ (2002/10/11 20:58:56) No.10533
 ┃┗Re:――沙―― 第3話−ドラマ・スライム (2002/10/11 22:16:44) No.10547
 ┃ ┗Re:――沙―― 第3話−キツネノテブクロ (2002/10/12 08:47:21) No.10552
 ┣――沙―― 第4話−キツネノテブクロ (2002/10/12 11:21:47) No.10553
 ┣――沙―― 第5話−キツネノテブクロ (2002/10/12 14:31:09) No.10555
 ┃┗設定みたいなものです。−キツネノテブクロ (2002/10/13 11:40:30) No.10592
 ┃ ┗Re:設定みたいなものです。−Yuppy (2002/10/15 17:01:45) No.10650
 ┃  ┗Re:設定みたいなものです。−キツネノテブクロ (2002/10/16 10:07:38) No.10668
 ┣――沙―― 第6話−キツネノテブクロ (2002/10/13 15:41:23) No.10598
 ┣――沙―― 第7話−キツネノテブクロ (2002/10/15 10:34:56) No.10641
 ┗――沙―― 第8話−キツネノテブクロ (2002/10/16 18:13:25) No.10681


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10468懲りずに新シリーズ始めます。キツネノテブクロ 2002/10/10 20:26:38


『龍皇奇譚』のあとがきで言っていた、新しい話を始めようと思います。
また無謀にも長編になりそうな気がしますが、宜しければ読んでみて下さい。

では『――沙――』の始まりです。

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10469――沙―― 序章キツネノテブクロ 2002/10/10 20:28:54
記事番号10468へのコメント

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  人は何を残し、何を受継ぐのか










                           知識か













      技術か












            それとも血の流れか












                        それは誰も解らない








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10470懲りることなく読ませていただきます。雷甲子 2002/10/10 20:29:54
記事番号10468へのコメント

わーいvv続きだ続きーーーvvvvv
今までのも全部見てたけど、なっかなかレスできんかった・・。(涙)
今度こそはっ!!!と思うのでよろしくっ!!!!
時間がないのでこれで失礼ーーーーvvvvv

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10474Re:懲りることなく読ませていただきます。キツネノテブクロ 2002/10/10 20:43:38
記事番号10470へのコメント

お久しぶりな気がします、こんにちは雷甲子さま。
キツネノテブクロです。
>今までのも全部見てたけど、なっかなかレスできんかった・・。(涙)
読んでてくださって、有難う御座います。
>今度こそはっ!!!と思うのでよろしくっ!!!!
こちらこそよろしくお願いします。
レス有難う御座いました。

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10472――沙―― 第1話キツネノテブクロ 2002/10/10 20:39:15
記事番号10468へのコメント

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―第1話―





焼けつく痛みに耐え、青年は森の中を駆け抜けていく・・・青年の脳裏にあるのは、血を流し倒れていく同胞の姿。
倒れそうになりながら、それでも青年は走り続ける、青年は追われる者だから・・・



どれほど走ったのか、青年は森の中で小さな泉を見つける。
猛烈な喉の渇きを感じ、その泉の水をあおる様に飲んでいく。

「随分とボロボロじゃねえか」

何時の間にそこに居たのか、象牙色のコートに身を包んだ長い緋色の髪の男・・・
青年は、突然現れた男に驚き、警戒の色を見せる。
「酷えざまだな、そんなんなっても生きてーか?」
「あんた・・・誰だ?」
「さあな、もし生きたいと思うんなら俺と来い、お前の生きる場やろう・・・だが、死にたいってなら、ここで殺してやる。
さあ、選びな」
緋髪の男は、青年に問いかける。
青年は静かにその男を見ていたが、男が本気とわかるとゆっくりと頷いた。
「俺の手をとれ、今この瞬間よりお前は俺と共にある。
俺は魔竜王(カオスドラゴン)と呼ばれてる、覚えろよ」

「俺は・・・ク・ルオン、元の名は忘れた・・・」




見た目こそシンプルで、装飾の無い内装をしているが、造りのしっかりした、広大な館にク・ルオンは、カオスドラゴンに連れてこられた時は、驚きを感じていた。
その広大な館の一室に部屋を与えられた。
「やけにだだっ広いな」
ク・ルオンがカオスドラゴンに言われたのは、傷を治すことに専念する事、それだけだった。
特に何かをする事も無く、ク・ルオンは部屋に備え付けてあったベットにもぐり込み、眠りに落ちる。

・・・・血の色の夢を見ないことを願いながら・・・・


カオスドラゴンは彼が唯一従っている人物とあっていた。
その相手とは、カーテン越しでの会話ではあったが・・・

「森で何か拾ったようですね?
カオスドラゴン」
「・・・」
カーテン越しに伝わる威圧感に、カオスドラゴンは微かに嫌悪を抱く。
「そう言えば・・・この近くで竜族が狩りたてられていましたね」
「・・・何が言いたいんです、赤眼の王(ルビーアイ)」
ルビーアイ、この世界の裏世界の頂点に立つ闇組織。
そして、そこのトップは代々「赤眼の王(ルビーアイ)」と呼ばれる。
「貴方が拾ったものが、あの子にとって害が無いかどうか・・・・それが気になるだけですよ」
「・・・」
ルビーアイが言うあの子とは、おそらく彼の血をひくと言われる人物の事だろう。
「俺はあいつが害になるとは思いませんがね」
カオスドラゴンはそれだけ言うと、踵を返してその場を辞した。
「だと、いいのですけどね・・・」

その呟きを聞く者は無かった・・・




数日の時がたち、ク・ルオンの傷は癒えていたが、いくつかは目立つ場所に傷跡が残っていた。
「ま、そのぐれいはあってもいいだろ」
カオスドラゴンはその傷跡を見たとき、豪快に笑いながらそう言ってのけた。
「で、俺は何をすればいいんだ?」
よほど退屈していたらしく、顔をあわせるたびに聞いてくる。
「おいおい、そんなに暇か?
なら、ここの間取りを頭の中に入れとけ、どうせ覚えにゃならんのだ」

と、言われて少しづつ行動範囲を広げてはいるのだが・・・・・・・・・・・・・・・広い・・・・・・・際限なく広い。
「これをどーやって覚えろと?;;」
いい加減疲れかけた頃、視界を掠める人影に目を奪われる。

そこは、広いホールのような・・・礼拝堂のような場所。
美しい模様の描かれた、ステンドグラスから差し込む光に照らし出されて、一人の青年が立っていた。
白銀の髪に雪のように白い肌、孔雀色の瞳をした冷たい美貌の持ち主。
「誰だ」
こちらに気がついた青年が、誰何の声を上げる。
「・・・」
ク・ルオンはどうしたものかと黙っていた、カオスドラゴンがむやみに名乗るなと言っていたのを思い出す。
「口が利けないのか」
「そういう訳じゃないが・・・」
「お前、誰の配下だ?」
「は?」
「俺はここの奴らの顔は殆ど覚えているが、お前は見たことが無い。
なら、最近になってここに来たやつと言う事になる」
青年は淡々と語る。
「あんたが名乗ったらな」
「ふんっ、まあいいだろう・・・俺はフェン・レン」
「俺は、ク・ルオン・・・」
「それは通り名か?」
「あんたもだろ」
そう言って互いに微かに微笑う。


「俺は大概ここに居る、気が向いたらまた来いク・ルオン」
フェン・レンのその言葉を背に、ク・ルオンはその場を立ち去った。


<続>

******************************************
******************************************

あとがき。

新シリーズが始まりました。
パラレル物の筈ですが、設定が暴走しそうなうえ、これもまた、無駄に長くなりそうな気がしてます。
気長に書いていこうと思いますので、気長に付き合ってくださいませ。
ではこの辺で。

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10476Re:――沙―― 第1話ドラマ・スライム 2002/10/10 20:46:59
記事番号10472へのコメント

>俺は魔竜王(カオスドラゴン)と呼ばれてる、覚えろよ」
ガーヴですか?

>「それは通り名か?」
>「あんたもだろ」
ク・ルオン、フェン・レン・・・意味のある名前なのでしょうか

それでは〜

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10478Re:――沙―― 第1話キツネノテブクロ 2002/10/10 20:58:34
記事番号10476へのコメント


>>俺は魔竜王(カオスドラゴン)と呼ばれてる、覚えろよ」
>ガーヴですか?
はい、その通りです。
>>「それは通り名か?」
>>「あんたもだろ」
>ク・ルオン、フェン・レン・・・意味のある名前なのでしょうか
ク・ルオンとフェン・レンは元の表記にすると意味が解るんですが・・・この二人の本当の名前もいずれ出ますし、本来の表記も出す予定です。
あくまで、通り名なので。
>それでは〜
レス有難う御座いました。

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10479Re:――沙―― 第1話Yuppy 2002/10/10 21:10:25
記事番号10472へのコメント


>焼けつく痛みに耐え、青年は森の中を駆け抜けていく・・・青年の脳裏にあるのは、血を流し倒れていく同胞の姿。
ん? ヴァル……ではないですよね。
>俺は魔竜王(カオスドラゴン)と呼ばれてる、覚えろよ」
ガーヴ、もしかして拾い物が好き?(爆)
失礼しました。
>
>「俺は・・・ク・ルオン、元の名は忘れた・・・」
ヴァルじゃなかった。
>「そう言えば・・・この近くで竜族が狩りたてられていましたね」
>「・・・何が言いたいんです、赤眼の王(ルビーアイ)」
>ルビーアイ、この世界の裏世界の頂点に立つ闇組織。
や、闇組織……。他の腹心も出るんですか?(←ちょっぴり、いや、かなり冥王に期待していたりして)
>そして、そこのトップは代々「赤眼の王(ルビーアイ)」と呼ばれる。
『魔』は入らないんですね。
>「俺は、ク・ルオン・・・」
むやみに名乗らないんじゃ……?
>「それは通り名か?」
通り名ですか? 本名もあるんですね。
>パラレル物の筈ですが、設定が暴走しそうなうえ、これもまた、無駄に長くなりそうな気がしてます。
パラレルとパロディの区別がつかない私(かなり情けない)。
>気長に書いていこうと思いますので、気長に付き合ってくださいませ。
>ではこの辺で。
がんばってください。
それではっ!
>

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10485Re:――沙―― 第1話キツネノテブクロ 2002/10/10 21:41:14
記事番号10479へのコメント

こんにちは、キツネノテブクロです。
>>焼けつく痛みに耐え、青年は森の中を駆け抜けていく・・・青年の脳裏にあるのは、血を流し倒れていく同胞の姿。
>ん? ヴァル……ではないですよね。
これに答えると・・・

>>俺は魔竜王(カオスドラゴン)と呼ばれてる、覚えろよ」
>ガーヴ、もしかして拾い物が好き?(爆)
>失礼しました。
拾い物が好きなんでしょう。(笑)

>>「俺は・・・ク・ルオン、元の名は忘れた・・・」
>ヴァルじゃなかった。
>>「そう言えば・・・この近くで竜族が狩りたてられていましたね」
>>「・・・何が言いたいんです、赤眼の王(ルビーアイ)」
>>ルビーアイ、この世界の裏世界の頂点に立つ闇組織。
>や、闇組織……。他の腹心も出るんですか?(←ちょっぴり、いや、かなり冥王に期待していたりして)
でますよ。
ただし、通り名で出るかも知れません。

>>そして、そこのトップは代々「赤眼の王(ルビーアイ)」と呼ばれる。
>『魔』は入らないんですね。
入らないんです。
そのうち話の中で出ますが、神とか魔とかは存在しない事になってます。
まあ、信じてる人はいますけど・・・

>>「俺は、ク・ルオン・・・」
>むやみに名乗らないんじゃ……?
>>「それは通り名か?」
>通り名ですか? 本名もあるんですね。
本名はあります、ク・ルオンにもフェン・レンにも。

>>パラレル物の筈ですが、設定が暴走しそうなうえ、これもまた、無駄に長くなりそうな気がしてます。
>パラレルとパロディの区別がつかない私(かなり情けない)。
パロディとは二次創作物、自分のオリジナルの話でなく、ここで言えばはスレイヤーズを基にした創作物などをパロディと呼びます。
パラレルと言うのは、元の世界とは違う世界設定などの話などを差します。(学園物、時代劇物、現代物などもスレイヤーズの世界から見ればパラレル物と言えます)
ちなみに私のこのシリーズは、スレイヤーズのパロディで、パラレル設定で書いた話と言う事になります。

>>気長に書いていこうと思いますので、気長に付き合ってくださいませ。
>>ではこの辺で。
>がんばってください。
>それではっ!
有難う御座います。
龍皇奇譚ほど速いペースで書くことは無いと思いますが、気長にお付き合いください。

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10517――沙―― 第2話キツネノテブクロ 2002/10/11 16:11:51
記事番号10468へのコメント

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―第2話―





ク・ルオンはカオスドラゴンに、フェン・レンのことを聞いてみようと思っていた、あの青年の言葉通りなら彼はここでの生活は長いと思えた。
「なあ、フェン・レンって知ってるか?」
久々に顔を見せたカオスドラゴンにク・ルオンは聞いてみた。
「フェン・レンだと、あいつの会ったのか?」
「ああ、礼拝堂みてーなとこでな」
「そうか・・・で、名乗ったのか?」
「・・・・ああ、通り名の方だけどな」
「まあ、あいつなら大丈夫だと思うが・・・・フェン・レンってのは赤眼の王(ルビーアイ)の直属の切れ者でな、血が繋がってるとか言われてる奴だ。
ここでは奴にたてつく馬鹿はいねえ、と言うより赤眼の王(ルビーアイ)のお気に入りでもあるから、誰も奴を怒らせるような事はしねえってのが現状だ。
覚えといた方がいいだろうな」
「・・・ああ」
ク・ルオンはフェン・レンの事を思い出してみた、冷たい美貌の持ち主だが、その目は感情らしきものが無かった。
最初に見たとき、人形のように感じたが、それは瞳に何の感情も浮かんで無かったからだった。

――綺麗な人形かと思ってたが、違うのか・・・




フェン・レンは一人ステンドグラスを見上げたいたが、やがてその場を立ち去った。
ステンドグラスには、古い宗教の聖母が描かれていた。





赤眼の王(ルビーアイ)はフェン・レンの元に訪れていた。
フェン・レンは広大な敷地の外れの、小さな家に住んでいた、少しでもここに住む者たちと、距離をとろうとするかのように。
「フェン・レン居るんでしょう?
出てきなさい」
赤眼の王(ルビーアイ)はエントランスのホールで、家人を呼ぶ。
「来てたのか・・・何のようだ、レゾ」
「鍵位かけたらどうです、無用心ですよ。
それと、無闇に本名を呼ばないで下さい」
赤眼の王(ルビーアイ)、レゾは困ったような声で言う。
「・・・あんたを操れる奴が居るのか?
この世の中で」
この世界には、その人物の名前を知る事が出来れば、その人物を呪縛する事が出来ると信じられている。
事実、呪縛の一つとして完全な傀儡を行える者も居る、だがそれは生まれ持った資質と、高度な魔道知識を持ち合わせなければ、無理ではあったが・・・。
しかし、レゾの直属の中にはこの傀儡の使い手が居る、通り名も「傀儡士(ドールマスター)」などと呼ばれている。
「まあ、私を操れるものが居るとは思いませんが、用心したっていいでしょう・・・。
って、今日はこんなこと言いに来たんじゃ無いんですよ」
「じゃあ、何しに来た」
「相変わらず冷たいですね」
ワザとらしくいじけて見せるレゾ、かなり鬱陶しい・・・
「さっさと、用件を言え。
それと、茶ぐらいは入れてやるから中に入れ・・・ったく」
呆れきった声をかけながら、フェン・レンはさっさと奥にひっこんでしまった。
「冷たいですねえ、相変わらず」


レゾに出されたお茶は、本来の味は何処に言ったと言いたくなるような、とことん濃い目で渋くて口に含んだ瞬間、噴出すんじゃなかろうかと言うような、そんなお茶だった。
「・・・フェン・レン(TT)」
「ん?どうした」
フェン・レンは自分のだけは丁度よい濃さの紅茶を飲みつつ、しれっと聞き返している。
「貴方は私が嫌いなんですか?」
「何今更言ってる」
「・・・・・・・・・・・(TT)」
「ところで、話とは何だ」
「ああ、カオスドラゴンが最近拾い物をしたんですよ」
「ほう・・・」
「本人は何も言ってませんが、竜族狩りにあった者の、生き残りじゃないかと思うんですよね」
「ふーん」
「名前は聞いてませんけどね、かなり目立つ容姿をしてるみたいですね、蒼い銀髪に金混じりの琥珀の目だそうです。
白の傀儡(ドール)の報告だと」
「・・・」
適当に返事をしながら聞いていたが、最後の容姿で引っかかる。
礼拝堂で会った青年、彼も蒼い銀髪に金混じりの琥珀の目ではなかったか・・・
「何か気になることでもありましたか?」
「いや・・・」
「フェン・レン・・・フェン・レン・・・フェン・レン!」
ちょっと、ぼうっとしていたらしい。
「もし彼が気になるようなら、貴方のものになるように計らいますよ」
「いらん、そんな真似するな!
何をやろうとも、貴様に名前を教えたりはせん!」
そう、冷たく言い放つフェン・レンにレゾは悲しげな顔を見せる。
仕方ない事とはいえ、自分はこの青年に嫌われて当然のことをしたのだ。

「また、来ますね・・・」

それだけ告げると、レゾは立ち去った。



<続>
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あとがき。

なんかフェン・レンが誰かもろ解りな展開かな。
ク・ルオンとフェン・レンの本来の表記が何時出るかは謎です。
それとこの二人がお互いに、本名を相手に明かすようになるまでが、一つの区切りになりそうな感じがしてます。
ゼロスの通り名をどうしようか考えつつ、この辺で。

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10524Re:――沙―― 第2話Yuppy 2002/10/11 17:27:56
記事番号10517へのコメント


>
>あとがき。
>
>なんかフェン・レンが誰かもろ解りな展開かな。
んー、ゼルじゃないでしょうし、ラダさんでもないでしょうし…………。
>ク・ルオンとフェン・レンの本来の表記が何時出るかは謎です。
>それとこの二人がお互いに、本名を相手に明かすようになるまでが、一つの区切りになりそうな感じがしてます。
>ゼロスの通り名をどうしようか考えつつ、この辺で。
通り名ですか。そのまんまですが、ミステリーとかサスペクトとか…………(←通り名の意味をよくわかっていない人)
失礼しました。
短いですがこれで。

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10526Re:――沙―― 第2話キツネノテブクロ 2002/10/11 18:04:36
記事番号10524へのコメント


>>なんかフェン・レンが誰かもろ解りな展開かな。
>んー、ゼルじゃないでしょうし、ラダさんでもないでしょうし…………。
ラダ氏ではないです。
別にばらしても問題は無いんですが・・・多分ク・ルオンもフェン・レンも、想像通りの相手だと思うんです・・・
>>ク・ルオンとフェン・レンの本来の表記が何時出るかは謎です。
>>それとこの二人がお互いに、本名を相手に明かすようになるまでが、一つの区切りになりそうな感じがしてます。
>>ゼロスの通り名をどうしようか考えつつ、この辺で。
>通り名ですか。そのまんまですが、ミステリーとかサスペクトとか…………(←通り名の意味をよくわかっていない人)
通り名とは、本名以外でその人物につけられた別の名前とかですね。
または、一部の関係者にのみ通じる名前であったりします。
通称とか、あだ名のようなもので、ファンタジー物の話だと盗賊なんかが、使ってます。
(例:ゼルガディスの場合だと「レゾの狂戦士(バーサーカー)」「魔剣士ゼルガディス」などがあります)
あと、私が読んだ話では薄い茶の瞳をしているため、「琥珀の目」と言う通り名を持つ人物などもいました。

ゼロスの通り名「謎(ミステリー)」・・・いいかも、使ってみようかな・・・

>失礼しました。
>短いですがこれで。
レス有難う御座いました。

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10533――沙―― 第3話キツネノテブクロ 2002/10/11 20:58:56
記事番号10468へのコメント

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―第3話―





―――相手に本当の名を知られてはいけない・・・魂さえ呪縛されるから・・・


それがこの世界で言われ続けられている、言葉。
小さい頃は知らなかったこの言葉の意味を、フェン・レンは赤眼の王の下に来てから知った。
自分の本当の名前・・・それを知るのは自分の生みの親だけ・・・

「・・・・『風刃(フェン・レン)』・・・それが今の俺の通り名・・・」

彼の戦う姿を見たものがそう呼んだのが最初だった、幼い頃は違う名で呼ばれていた。
風が吹き抜けて行く様なスピードで相手をしとめるところから、彼はそう呼ばれるようになっていた。

「・・・母さん・・・何故死んだ?」

幼い彼を残し突如死んだ母、父親もいつの間にか居なくなっていた。
彼は取り残された、そして母が唯一彼に言い聞かせていたのは。

『どんな事があっても、レゾに貴方の名前を教えては駄目。
あの男は貴方を・・・』

彼の中の記憶はいつもここで切れる、ここから先が何故か思い出せないのだ。
母が死んでからはフェン・レンは一人で生きていた、子供の彼が生き抜くには辛い道を選ぶしかなかった。
時がたち、彼は母が死んだのはレゾと言う男が関係していると知った。
それを知った時には彼は、レゾの下で死神となっていた。




眠るたびに見る夢は血の色・・・・次々と血を流し倒れていく同胞の姿・・・
ク・ルオンは今は彼一人となった古い種族、古き時代より続いた竜の末裔。

「元の名なんて忘れた・・・いや、忘れたいと思っただけだ・・・『古竜(ク・ルオン)』か皮肉だな、まさしく俺の一族を示してやがる・・・」

体のあちこちに残る傷も、彼にとっては忌まわしい記憶の証人だった。
彼の一族は黒い翼を持ち、他の種族を圧倒するほどの魔力を秘めていたが、戦いを好まず静かに隠れるように暮らしていた。
どれほど力を持っていようと、戦い方を知らなければ力の弱いものにも、追い詰められる。
若く力溢れるものからじわじわと、数を減らすように殺され、老人や子供などが戦う術を知らぬ者が、追い詰められて殺されていった・・・
ク・ルオンも生き残れたのが、奇跡と言って良いほどの状況だった。

「生きる場・・・それが命を奪う場であったとしても、俺は・・・」

彼には他に行き場を知らなかった。




カオスドラゴンは同僚のダイナストと酒を酌み交わしていた。
「カオスドラゴン、最近拾い物をしたと噂になっていたが?」
「ん?
ああ、あいつか」
「なんでも竜族だとか、しかも古代竜の生き残りだと聞いたのだが」
「さあな・・・おれはあいつの詳しい事は知らん。
多分竜族だろうってことぐらいしかな」
「相変わらず大雑把な奴だな・・・まあ、それとは別にお前に話があるのだ」
「?」
「奴から連絡があった」
「奴・・・だと?
まさか・・・」

「そうだ『霧の硝子(グラス)』からだ」

その場を支配したのは重い沈黙と・・・・
ふと感じた冷たい殺気、二人は音もなく動く。

「ふん、鈍ってないみたいだな」

そう言いつつ出てきた男は、黒のコートに黒のブーツ、コートの下も黒一色、だが白銀の髪と雪の肌が白く浮かび上がる。
二十代後半ぐらいの美丈夫がそこに居た。
「今更何しに来た!?
つうより、どっから入った!!?」
「カオスドラゴン落ち着け;;
言うの忘れたが、我の部屋に泊めていたのだ」
「先に言え(怒)」
「すまぬ;;」
「で、何しに来たんだ?今更よ」


「確かめるためだ・・・自分の目で」




<続>
******************************************
******************************************

あとがき。

ク・ルオンとフェン・レンの本来の漢字表記が出ました、本当は第一話から出しても良かったんですが(^^;
ク・ルオンとフェン・レンが誰なのかは別にネタバレしても問題ないので、ここでばらしてもいいんですが、やっぱり内緒という事で(笑)。
しかもこの話、殆ど本名じゃなくて通り名や別名とかで名前が呼ばれることになるので、ある程度人数が出たら誰がどんな名前で呼ばれるか、表を作ろうかと思ってます。
ではこの辺で。

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10547Re:――沙―― 第3話ドラマ・スライム 2002/10/11 22:16:44
記事番号10533へのコメント

フェン・レン・・・スレイヤーズでいう誰なんでしょうか(もしかしてオリキャラ?)
霧の硝子って・・・?
まともな感想書けなくてすみません。
それでは〜

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10552Re:――沙―― 第3話キツネノテブクロ 2002/10/12 08:47:21
記事番号10547へのコメント

>フェン・レン・・・スレイヤーズでいう誰なんでしょうか(もしかしてオリキャラ?)
スレイヤーズキャラです。
>霧の硝子って・・・?
ああああああ、言いたいけどネタバレにぃぃぃ!
霧と硝子から連想する人です。(そのまんまなんだよな、これって;;)

この話の一番の謎って、誰がどんな呼び名なのか、かも知れないです。

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10553――沙―― 第4話キツネノテブクロ 2002/10/12 11:21:47
記事番号10468へのコメント

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******************************************
―第4話―





「確かめる?何をだ」
霧の硝子(グラス)の言葉に、カオスドラゴンは眉を顰める。
「・・・悪いがそれは言えない。
本来なら、俺はここに来てはならない人物だ・・・お前たちに迷惑はかけん。
少し、ここでの行動を見逃してくれるか?」
「・・・一つだけ確認させろ、白霧(デスフォッグ)とは関係ないことなんだな?」
「ああ・・・あの女は俺がここにいる事すら知らんだろう」

「・・・よかろう・・・・」



不思議な組み合わせに目を見開く、銀の髪の青年が誰かといる所を見たことが無かった。
「こんにちは、フェン・レンさん。
そちらはどなたですか?」
「何の用だ、謎の人(ミステリア)=E・・何時もの好奇心か?」
「ま、そんなとこです。
で、そちらは?」
艶やかな黒髪を肩で揃え、人当たりのよさそうな笑顔を浮かべた青年が、フェン・レンの隣の蒼い銀髪の青年の事を問いかける。
「さあな・・・図書館なら次の角を右に曲がればあるぞ」
「サンキュ、じゃあな」
そういうと、青年は手を軽く上げて立ち去った。
「ホントに誰なんですか?」
フェン・レンはミステリアを一瞥しただけで、何も答えずに背を向ける。
「相変わらず意地悪ですね・・・この方は・・・」



ク・ルオンは一人、図書館で調べていた。
長い事追われる生活をしていたせいで、この世界の事が理解できていないのだ。
「・・・なんか難しい字が多い・・・」
「だろうと思って、来てやったぞ」
「フェン・レン?」
何時の間に来ていたのか、フェン・レンが呆れた様にク・ルオンを見ていた。
「まず、何から知りたいんだ?」
「その前に読み書き教えてくれ(TT)
今更、まともに字が読めねえとは思わなかったぜ・・・」
「・・・;;
解った、まずは・・・」
その日からフェン・レンのク・ルオンの個人授業が始まった。


「だいぶ出来るようになったな」
数日後、フェン・レンの教え方が上手かったせいか、ク・ルオンは一通りの読み書きが出来るようにはなっていた。
「けどよ、ここの本って古代文字(ルーン)で書かれた物もあるよな。
読むやついるのか?」
「俺」
フェン・レンは自身を指差し言い切る。
「ルーンでかかれたものは魔道書の類だ、基本知識の無い奴が読んでも意味など解らんものばかりだ」
「あんたは解るのか?」
「これでも魔術師(ルーンマスター)≠セからな」
「へえ・・・」
魔術師(ルーンマスター)、呪文(ルーン)に込められた力を解放し使う事の出来る者たち。
本人の魔力の強さに左右されるが、ルーンの組み合わせと本人の魔力次第では、死者さえ蘇らせる事も出来るという。
「以外か?」
「いや・・・以前に野党の親玉の様な奴がルーンマスターだった事があるから、別に驚きはせんが・・・」
「俺が魔術師になったのは、それなりに目的があったからなんだが・・・」


―――失ったものを取り戻せると信じてた・・・子供の見る夢のように・・・


「不可能を可能にする力なんてありはしない、それが俺の知った現実だ」



<続>
******************************************
******************************************

あとがき。

ちょっと短いです。
ク・ルオンが途中ガウリイに見えてしまった;;(ク・ルオンはガウリイではありません)
追われる生活が続いていたせいで、ちゃんと読み書きを学ぶ事が出来なかったんです、別にクラゲな訳では無いんですよ(^^;
ここまで書いて思ったのが派手な場面が無いなと思ったり。

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10555――沙―― 第5話キツネノテブクロ 2002/10/12 14:31:09
記事番号10468へのコメント

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―第5話―





霧の硝子(グラス)は気配を消し、ただ静かに見ていた・・・視線の先にいるのは・・・


血の匂いが充満する一室があった。
そこそこの大きさの街の一角、暗く寂れた裏通りの安アパートで、男が死んでいた。
その男の傍らには、部屋のものを物色している者達がいた。
「駄目ですね、何処に隠したんでしょう」
「よく探せ、奴が持ち出した事に間違いは無い。
あれを見つけることが、今回の仕事だ」
黒髪の男の言葉に、銀髪の男が答える。
「そうは言いますけどね、フェン・レンさん。
僕はあれが何なのか、よく知らないんですけど・・・」
「俺も知らん。
ただあれはルビーアイの奴が溜め込んだ、研究データも含まれてるらしい」
「はああああああああああ・・・・
せめてどんなものか解れば、苦労はしないんですよね。
それより、そろそろここを出たほうがよさそうですよ」
「の様だな、仕方ない・・・一旦ひくぞ」
フェン・レンと黒髪の男が姿を消すのと同時に、その部屋に警察が踏み込んでいた・・・荒らされた部屋に唖然として・・・


自室に戻ったフェン・レンは使い魔をを放ち、先程殺した男の足取りを追っていく、その途中で何かを残していないかどうか確かめながら・・・
「奴は何を持ち出したんだ?
レゾは何も言ってなかったが・・・」
ルビーアイの研究データが含まれた何か・・・
「奴の事から調べなおす必要が有るかも知れんな」


その男は「小心者(スモール)」と呼ばれていたらしい。
本人は別の通り名を名乗っていたが、ここではその名で呼ばれてはいなかったようだ。
スモールの名の通り、とにかく他人の顔色を伺い、大それたことをしでかすような、性分ではなかったようなのだが・・・
ざっと纏められた資料に目を通しながら、フェン・レンは考え込む。
上に逆らう度胸はおろか、自分の意見すらまともに言えない様な奴が、ルビーアイから何を持ち出すと言うのか。
宝石の類なら、よほど珍しいものか、高価なものでなければ、ルビーアイは持とうとはしない。
何より宝石なら宝石だと言うだろうし、独自のルートで調べた宝石の流れには、ルビーアイが所蔵している物は流れていない。
「となると・・・あのぢぢいにも何をとられたかはっきりしてないって事か?」
それはありえないと思いながらも、可能性の一つとして意識に留めておく。


気分を変えるために何時も行く礼拝堂に来ていた。
自分は神を信じていない、何よりこの世界に神など居ないことは、誰もが知っている事。
神を信じているのは、ほんの一部の者だけ。
なら自分は何故何時も礼拝堂に来るのか・・・答えなど解りきっている。
礼拝堂のステンドグラスを見る為に、幼い頃に失った母親を見るように、聖母が描かれたステンドグラスを見ていた。
「よう、顔色悪いな」
声をかけてきたのは、この礼拝堂で知る事になったク・ルオン。
いい加減ここにもなれてきた頃だろう、この男が自分のことを知らないとは思えなかった。
誰もが自分のことを知れば、距離を置き避けるようになるのに、この男だけは最初の頃から態度が変わることの無かった。
「そうか?ここは薄暗いからそう見えるんじゃないか」
そう言って軽く笑う、がク・ルオンは何故か余計に心配そうな表情をする。
「お前、今自分がどんだけ酷い顔色してるか自覚が無いだろ」
そう言ったク・ルオンの声には、怒りの色が少し感じられる。
――心配してるのか・・・
今まで、誰かに心配された事など無かった為、どう言って良いのか解らず口ごもる。
「とにかく、しっかり食ってしっかり寝ろ。
そうすりゃ少しはマシになるだろ」
ぶっきらぼうに言われた言葉に軽く頷き、フェン・レンはその場を立ち去った。


ク・ルオンはフェン・レンを見送ったあと、礼拝堂のステンドグラスの一つを見上げていた。
それは竜殺しの物語のワンシーン・・・竜の見る夢に力が宿ると信じた昔の人々が生み出した、御伽話・・・。
剣を振上げた勇者に、竜が炎を吹きかける戦いのシーンが、描かれたそのステンドグラスを見るたび、己の一族の末路を思い出す。
戦い方を知っていれば、死に絶える事は無かったのだろうかと・・・・戦い方を知っていても結末は一緒なのだろうかと・・・答えの無い問いを繰り返していた。
「俺は生き抜いてやる・・・生きて・・・」



――俺は生き抜いてやる・・・たとえ死神となろうとも・・・





<続>
******************************************
******************************************

あとがき。

フェン・レンがお仕事してます、ちなみに黒髪の男とはミステリアです。
フェン・レンとク・ルオンが少しづつ、相手を信頼していってくれれば、この話は成功なんですが・・・まだ、完全に打ち解けてはいませんね。
互いに本心は隠したままですので・・・
特にフェン・レンは人と距離を置きたがる傾向が強いので(^^;
ちなみに、レゾが奪われたものが何なのかは、何時明かされるか私にも解りませんが、この話にとって結構重要なものです。

ではこのへんで、次回をよろしくです。

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10592設定みたいなものです。キツネノテブクロ 2002/10/13 11:40:30
記事番号10555へのコメント

※別にばらしてても、話の流れの上では問題は無いので、こっそりここで、本名とか出してます。
と言うより、第一話のあとがきや、本編はじめる前などの説明で、書くのを忘れてずるずる引っ張っただけ、なんですが(滝汗)

登場人物

■風刃
[呼び方]
フェン・レン
[本名]
ゼルガディス=グレイワーズ
[種族]
人間(?)

■孔雀
[呼び方]
クオン・チィアオ
[本名]
ゼルガディス=グレイワーズ(幼少時)

■古竜
[呼び方]
ク・ルオン
[本名]
ヴァル=アガレス(ヴァルガーヴ)
[種族]
古代竜

■霧の硝子
[呼び方]
グラス
[本名]
ラダマンティス=グレイワーズ
[種族]
人間(?)

■孔雀
[呼び方]
クオン・チュエオ
[本名]
メティス=グレイワーズ
[種族]
人間(?)

■赤眼の王
[呼び方]
ルビーアイ
[本名]
レゾ
[種族]
人間(?)

■冥王
[呼び方]
ヘルマスター
[本名]
フィブリゾ
[種族]
イヴィル

■魔竜王
[呼び方]
カオスドラゴン
[本名]
ガーヴ
[種族]
イヴィルと魔王竜の混血

■覇王
[呼び方]
ダイナスト
[本名]
グラウ=シェラー
[種族]
イヴィル(変更の可能性あり)

■獣王
[呼び方]
グレータービースト
[本名]
ゼラス=メタリオム
[種族]
獣人(変更の可能性あり)

■海王
[呼び方]
ディープシー
[本名]
ダルフィン
[種族]
イヴィル(?)

■謎の人
[呼び方]
ミステリア
[本名]
ゼロス
[種族]
イヴィル

■傀儡士
[呼び方]
ドールマスター
[本名]
エリシエル=ブルグムン
[種族]
人間

■白の傀儡
[呼び方]
ドール
[本名]
――
[種族]



次に、作中に出るであろうと思われる、種族とかです。

■人間
説明するまでも無いので省略

■竜族
翼を持った一族の総称、中にはドラゴンの姿に変じるものも居る。
高い魔力と長い寿命を持つ。
古代竜、黄金竜、魔王竜などが上げられる。

■イヴィル
黒い血と無駄に長い寿命を持つ一族。
高い魔力を持ち、イヴィルアイ(魔の目)と呼ばれる特殊能力を持つ者も多い。

■妖精族
エルフと呼ばれ、整った容姿と、とがった耳の長命種。
人間をはじめ、あらゆる種族との交流を絶っているため、現在も存在しているかは謎。

■獣人
通常は普通の人間と同じ、自分の意思などで獣の姿に変じる一族。
人間に比べると寿命は長いが、それでも2・3倍程度。

■etc
そのうちに増えるかも。

大体こんな感じですね。
種族の事を含め、それぞれの大雑把な設定です。
ここに上がった以外の呼び名を皆持ってはいますが、ここに書いたのは実際に作中で呼ばれる名前のみです。

リナとガウリイ、アメリアの登場予定は今の所ありません。
ゼロスの「ミステリア(謎の人)」はYuppy様のレスにあった、ミステリーから取らせていただきました。(Yuppy様ありがとうございました)

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10650Re:設定みたいなものです。Yuppy 2002/10/15 17:01:45
記事番号10592へのコメント


>※別にばらしてても、話の流れの上では問題は無いので、こっそりここで、本名とか出してます。
こ、こっそりですか。
>と言うより、第一話のあとがきや、本編はじめる前などの説明で、書くのを忘れてずるずる引っ張っただけ、なんですが(滝汗)
>
>登場人物
>
>■風刃
>[呼び方]
>フェン・レン
>[本名]
>ゼルガディス=グレイワーズ
ゼルだったんですか。
>[種族]
>人間(?)
>
>■孔雀
>[呼び方]
>クオン・チィアオ
>[本名]
>ゼルガディス=グレイワーズ(幼少時)
呼び名が変わった……。
>
>■古竜
>[呼び方]
>ク・ルオン
>[本名]
>ヴァル=アガレス(ヴァルガーヴ)
やっぱヴァルでしたね。
>[種族]
>古代竜
>
>■霧の硝子
>[呼び方]
>グラス
>[本名]
>ラダマンティス=グレイワーズ
こっちがラダさんだったっ!
>[種族]
>人間(?)
>
>■孔雀
>[呼び方]
>クオン・チュエオ
>[本名]
>メティス=グレイワーズ
>[種族]
>人間(?)
ゼル、ラダさん、メティさんの3人……『人間(?)』なんですね(笑)
>
>■赤眼の王
>[呼び方]
>ルビーアイ
>[本名]
>レゾ
>[種族]
>人間(?)
こ、この人(?)もっ!
>
>■冥王
>[呼び方]
>ヘルマスター
>[本名]
>フィブリゾ
>[種族]
>イヴィル
漢字で書くと『邪鬼』。(違)
どっかの漫画ではそうでした。
>
>■魔竜王
>[呼び方]
>カオスドラゴン
>[本名]
>ガーヴ
>[種族]
>イヴィルと魔王竜の混血
>
>■覇王
>[呼び方]
>ダイナスト
>[本名]
>グラウ=シェラー
>[種族]
>イヴィル(変更の可能性あり)
>
>■獣王
>[呼び方]
>グレータービースト
>[本名]
>ゼラス=メタリオム
>[種族]
>獣人(変更の可能性あり)
獣人って(笑っている)
>
>■海王
>[呼び方]
>ディープシー
>[本名]
>ダルフィン
>[種族]
>イヴィル(?)
>
>■謎の人
>[呼び方]
>ミステリア
おぉうっ!?こ、これは……。
>[本名]
>ゼロス
>[種族]
>イヴィル
>
>■傀儡士
>[呼び方]
>ドールマスター
>[本名]
>エリシエル=ブルグムン
ああ、いたな。そんな人(爆)
>[種族]
>人間
>
>
>リナとガウリイ、アメリアの登場予定は今の所ありません。
>ゼロスの「ミステリア(謎の人)」はYuppy様のレスにあった、ミステリーから取らせていただきました。(Yuppy様ありがとうございました)
いえいえ。こちらこそルース君をFFに登場させて頂き有り難う御座います。
ゴールドソーサーのデートの後と最終話に再登場(ていうのかな?)します。(かなりのネタバレ)
ではっ。レス遅れてすみません。

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10668Re:設定みたいなものです。キツネノテブクロ 2002/10/16 10:07:38
記事番号10650へのコメント


>
>>※別にばらしてても、話の流れの上では問題は無いので、こっそりここで、本名とか出してます。
>こ、こっそりですか。
こっそりじゃあ無いですね(^^;
>>登場人物
>>
>>■風刃
>>[呼び方]
>>フェン・レン
>>[本名]
>>ゼルガディス=グレイワーズ
>ゼルだったんですか。
そうなんです。
>>[種族]
>>人間(?)
>>
>>■孔雀
>>[呼び方]
>>クオン・チィアオ
>>[本名]
>>ゼルガディス=グレイワーズ(幼少時)
>呼び名が変わった……。
呼び名が変わる方達は他にもいますが、ゼルは両方出るのでのせてます。
>>■古竜
>>[呼び方]
>>ク・ルオン
>>[本名]
>>ヴァル=アガレス(ヴァルガーヴ)
>やっぱヴァルでしたね。
まんまです(笑)
>>[種族]
>>古代竜
>>
>>■霧の硝子
>>[呼び方]
>>グラス
>>[本名]
>>ラダマンティス=グレイワーズ
>こっちがラダさんだったっ!
もしかしてこちらをゼルだと思われたんでしょうか?
>>[種族]
>>人間(?)
>>
>>■孔雀
>>[呼び方]
>>クオン・チュエオ
>>[本名]
>>メティス=グレイワーズ
>>[種族]
>>人間(?)
>ゼル、ラダさん、メティさんの3人……『人間(?)』なんですね(笑)
ラダ氏は一応人間・・・だと思うのですが(^^;
ゼルとメティは、訳ありなのではっきりとは言えないんです。

>>
>>■赤眼の王
>>[呼び方]
>>ルビーアイ
>>[本名]
>>レゾ
>>[種族]
>>人間(?)
>こ、この人(?)もっ!
本人曰く、自称人間(笑)
ホントは人間じゃないかも・・・

>>■冥王
>>[呼び方]
>>ヘルマスター
>>[本名]
>>フィブリゾ
>>[種族]
>>イヴィル
>漢字で書くと『邪鬼』。(違)
>どっかの漫画ではそうでした。
どんな漫画でしょう?

>>■獣王
>>[呼び方]
>>グレータービースト
>>[本名]
>>ゼラス=メタリオム
>>[種族]
>>獣人(変更の可能性あり)
>獣人って(笑っている)
他に思いつかなかったので(^^;
>>■謎の人
>>[呼び方]
>>ミステリア
>おぉうっ!?こ、これは……。
>>[本名]
>>ゼロス
>>[種族]
>>イヴィル

>>■傀儡士
>>[呼び方]
>>ドールマスター
>>[本名]
>>エリシエル=ブルグムン
>ああ、いたな。そんな人(爆)
居ましたねえ( ̄▽ ̄)

>>リナとガウリイ、アメリアの登場予定は今の所ありません。
>>ゼロスの「ミステリア(謎の人)」はYuppy様のレスにあった、ミステリーから取らせていただきました。(Yuppy様ありがとうございました)
>いえいえ。こちらこそルース君をFFに登場させて頂き有り難う御座います。
>ゴールドソーサーのデートの後と最終話に再登場(ていうのかな?)します。(かなりのネタバレ)
>ではっ。レス遅れてすみません。
レス有難う御座いました。



おまけ。

ルース、バレット役のヴァルを、兄ちゃんって言っちゃ駄目だよ。

ルース:だめえ?

そ、ちゃんと言えたら後でみんなが遊んでくれるから。

ルース:はあい♪

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10598――沙―― 第6話キツネノテブクロ 2002/10/13 15:41:23
記事番号10468へのコメント

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―第6話―





ルビーアイは一人研究データを確認していた。
数十年前の研究データの中には、途中止めにしたものも含まれている。
「やはり・・・データを吸い出した跡がありますね。
しかもよりよってあの研究データですか・・・」



フェン・レンは放っていた使い魔から幾つかの情報を得ていた。
「面倒な事になったな・・・スモールが持ち出したのは情報、データの入れ物が問題か・・・」
フェン・レンは、この件以外にこなさなければならない仕事も抱えている、出来れば人手が欲しい所ではあるが・・・
「この件に関しては下手に人を使えんか」
椅子に深く沈みこむように腰掛け、軽く眉間の辺りを揉み解す。

―――この件以外は他のものに任せるか・・・

それでも、人手が無いのが現実・・・かと言って信用できるものがそれ程いるわけでは無い。
今この件に関わっているのは、自分とミステリアの二人、せめてもう一人居て欲しいが・・・。




地下深くにある研究室で、ルビーアイは過去を思い出す。
「・・・・メティス・・・お前は私を憎んでいたのでしょうね・・・」
ミネルヴァ ―No.0―≠ニ書かれた、装置の前でルビーアイはそう呟く。
禁忌とされる実験・・・過去の彼は狂気に犯されていたとしか言えない様な、そんな研究ばかりしていた。

pipipipi・・・・

冷たい電子音が小さく響く中、ルビーアイは己の過去を消し去りたい衝動に駆られていた・・・



霧の硝子(グラス)はダイナストが用意した部屋にこもり、一枚の写真を見ていた。
そこに写っているのは、グラスと若い女性・・・銀髪に孔雀色の瞳をした綺麗な人。
「・・・クオン・チュエオ(孔雀)・・・いや、メティス・・・あいつ大きくなってたよ。
お前もあいつの事見ていたかったんだろ?
今はフェン・レン(風刃)って名で呼ばれてるぜ・・・俺達の息子、ゼルガディスはよ」
そう呟くグラスの顔は、何処か悲しそうでもある。
「今・・・会いに行ってもあいつは俺を拒むだろうな」
いつの間にか姿を消した自分が、今更父親として顔をあわせることなど出来ない。
グラスがここに来たのも、ただ息子の姿が見たいから等ではなく、妻であるメティスの残した、言葉の意味を知るためでもある。

「『ミネルヴァはまだ生まれていない』・・・か・・・」



カオスドラゴンは、目の前にいる訪問者を胡散臭そうに見ていた。
「で、ク・ルオンを貸せってのか?
フェン・レンお前な、俺があいつにまだろくに仕事をさせてないのを、知ってると思ってたが?」
「ああ、知ってる」
優雅に足を組み替えながら、フェン・レンはカオスドラゴンに答える。
「いい機会だろ?
生憎、他に信用できそうな奴を俺は知らないしな」
「ほう・・・あいつが信用できるってのか?
何故そう思ったかはあえて聞かねえが・・・高くつくぜ、一応あいつは俺の直属に置いてるからな」
「何が望みだ?」
「なに――――――」
「・・・・善処する」

静かに交わされたのは密約・・・ただそれを知るのはこの場の二人だけ・・・



灰色のコートに身を包んだ男が一人、寂れた裏通りを歩いていく。
黒い髪に琥珀の肌、濃いサングラスをかけているが、形のよい唇とすっと通った鼻筋でこの男がかなりの美形だと知れる。
その男に難癖つけてくるガラの悪い連中も、男の手の甲に押された十字の焼印を見るや、さっさと逃げていく・・・
その男は通称十字の刻印(クルス)≠ニ呼ばれ、殺しを生業とする、暗殺者(アサシン)だった。

そして、クルスが向かった先はフェン・レンが殺したスモールのアパートだった。



<続>
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あとがき。

みぢかめです、そしてレゾが変。
フェン・レンはカオスドラゴンと何か取引してるし・・・ク・ルオンを信用は出来ても、信頼してるわけじゃないです。
しかも完全に信用してるかどうかも怪しいです・・・
ク・ルオンを選んだ理由とかもその内出ますけど、一番の理由はとにかく周りが信用できない事、これに尽きます。
敵も多そうですしね、フェン・レンは・・・

今回はこの辺で、次回をよろしくです。

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10641――沙―― 第7話キツネノテブクロ 2002/10/15 10:34:56
記事番号10468へのコメント

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―第7話―





・・・・霧の硝子(グラス)は過去を見ていた・・・







・・・・・十字の刻印(クルス)も過去を見ていた・・・







・・・・・・・赤眼の王(ルビーアイ)は過去を消したかった・・・・









・・・・・・・・全ては忌まわしき過去に繋がっていた・・・・









・・・・・・・・・・・・・一人の少女・・・・・








・・・・・・人にあらざる者・・・・・・・・











過去は変えられない――
「孔雀・・・」
血の匂いの残る部屋に入り、クルスは一人過去を思い出す。


そこそこ大きな町の外れのスラムにその親子は居た、両親と子供の三人家族で、ひっそりと暮らしたいた、誰を恨むでもなく静かに・・・
そしてその親子は美しかった、三人とも綺麗な銀の髪で、母親と子供は蒼にも翠にも見える、綺麗な色の瞳をしていた。
クルスはその親子を見ているのが好きだった。
「孔雀、何読んでる?」
クルスはその子供を孔雀と呼んでいた、孔雀色の瞳を連想させる言葉だから。
「・・・本・・」
その子供――孔雀の口数は極端に少ない、気に入らない相手だとまともに口を聞く事は無く、孔雀の声さえ知らないと言う輩も居た位だった。
「やるよ、孔雀」
そういって、手渡したのは小さなナイフ。
「一応護身用、めったに使うなよ。
玩具にもするな、怪我するからな」
「ん・・・ありがと・・・」
「それとな、孔雀・・・近いうちに俺は別の町に行くことになりそうなんだ・・・」
そう言った時、孔雀は淋しそうな目をしたが、何も言わなかった。
「孔雀、俺は何時でもお前の味方だ・・・何時でも俺を頼ればいい。
俺にできる事は何でもしてやる」

――それが、ラダさんとの約束だしな・・・

クルスにはその約束が無くても、この子供を守ってやりたかった・・・この子供の事を良く知っていたから・・・


「何処に居る孔雀・・・俺は・・・」
血の匂いが残る部屋をクルスは静かに見ていたが、やがてその場を立ち去った。

<続>
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あとがき。

次から孔雀が生まれる前の、過去を書くつもりです。
雰囲気的には暗い内容になると思うのですが・・・書いてみないと解りません。
では、この辺で。

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10681――沙―― 第8話キツネノテブクロ 2002/10/16 18:13:25
記事番号10468へのコメント

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―第8話―





フェン・レンはク・ルオンと共に、ルビーアイの古い研究所に忍び込んでいた。
「一応聞くが・・・なんで忍び込む必要があるんだ?(汗)」
半目で呆れるような視線をフェン・レンに送りながら、ク・ルオンは一応聞いてみる。
「あのぢぢい、奪われた研究データの内容を俺には、知られたくないらしい・・・気になってな」
「ぢぢいって;;
見た目は若いって聞いてるけど?」
「見た目はな・・・」


床に溜まった埃の後からすると、数年以上誰も立ち入っていない事が解る。
その埃に薄っすらと人が歩いた後がある。
「まだ最近だな・・・やはりここからデータをとったようだな」
フェン・レンは手近な端末から、データを探っている。
「?プロテクトがかかってるな」
「おい・・・・誰か居る・・・」
ク・ルオンの視線の先には、黒いコートも男・・・霧の硝子(グラス)。
「何でここにいる・・・・親父!!」


「選べクオン・チィアオ(孔雀)・・・・・過去を知り自らが何者かを知るか・・・・・それとも、何も知らずこの場を立ち去り、ルビーアイと縁を切るか」


「過去を知るとどうなると言うんだ」
「己が身を呪いたくなるかも知れん」
「それがルビーアイの研究と関係あるのか?」

「あのよ、そいつ誰?」

ク・ルオンの言葉に二人は一瞬動きが止まる・・・
「俺の親父だ・・・」
「霧の硝子(グラス)って呼ばれてる、クオン・チィアオの友人か?」
グラスに問いかけられ、ク・ルオンは困ったようにフェン・レンを見ている。
「クオン・チィアオってのは、あんたの事なんだよな?
で、俺ってのはあんたの友人って訳じゃねえよ・・・な?」
「単なる知り合いだ」
フェン・レンはしれっと答えている。
「・・・・クオン・チィアオ・・・お前、友達居ないのか?」
「ほっとけ」



「俺は過去を知る事を選ぶ、どんな過去があろうと、過去を変えることなど出来ないのだからな」
迷い無く告げられた言葉に、グラスはただうなずいただけだった。





――――それは、人の手による命の創造――――神の領域と呼ばれる研究だった――――



「それは・・・本当か?」
フェン・レンの声は霞んでいる・・・そばで聞いていたク・ルオンの表情も硬い。
「事実だ・・・どう判断するかはお前次第だ・・・・」


――俺は何者だ?


<終>
******************************************
******************************************

あとがき。

みぢかいです。
過去話になると言って、全然過去話じゃないです。

グラスやクオン・チュエオ、ルビーアイの研究などの過去の話は、別にしようと想い、ここで一旦終了させました。
ただ、この『――沙――』もシリーズ化して、一つの流れになりそうな予感が、ひしひしとしてます。(滝汗)

それに『龍皇奇譚』の続きを書きたくなってますし(^^;
まだ、アイデアの断片程度ですが、ある程度決まったらまた書こうと思っています。(また無駄に長い話になるような気が・・・)

ではこの辺で。