◆−冥王の騎士:第二部:−ドラマ・スライム (2002/11/5 17:50:18) No.11107 ┣冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が−ドラマ・スライム (2002/11/5 17:54:21) No.11108 ┃┣Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が−渚 (2002/11/5 18:34:56) No.11111 ┃┃┗Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が−ドラマ・スライム (2002/11/5 18:41:58) No.11113 ┃┗Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が−エモーション (2002/11/5 20:00:56) No.11116 ┃ ┗Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が−ドラマ・スライム (2002/11/5 20:06:39) No.11118 ┣冥王の騎士:6章:それには彼女でさえ−ドラマ・スライム (2002/11/5 21:04:51) No.11121 ┃┗Re:冥王の騎士:6章:それには彼女でさえ−渚 (2002/11/5 23:31:32) No.11123 ┃ ┗Re:冥王の騎士:6章:それには彼女でさえ−ドラマ・スライム (2002/11/5 23:35:55) No.11124 ┣冥王の騎士:7章:叫びは静寂なき森に−ドラマ・スライム (2002/11/6 14:43:27) No.11131 ┃┗Re:冥王の騎士:7章:叫びは静寂なき森に−渚 (2002/11/6 15:54:20) No.11132 ┃ ┗Re:冥王の騎士:7章:叫びは静寂なき森に−ドラマ・スライム (2002/11/6 16:07:39) No.11133 ┣冥王の騎士:8章:聖者の右腕−もうすぐ改名するであろうドラマ・スライム (2002/11/6 17:52:15) No.11135 ┃┣Re:冥王の騎士:8章:聖者の右腕−渚 (2002/11/6 18:53:31) No.11136 ┃┃┗Re:冥王の騎士:8章:聖者の右腕−もうすぐ改名するであろうドラマ・スライム (2002/11/6 19:10:26) No.11137 ┃┣日本の珍味と緑のタヌキ−エモーション (2002/11/6 21:08:33) No.11138 ┃┃┗Re:日本の珍味と緑のタヌキ−D・S・ハイドラントに改名予定のドラマ・スライム (2002/11/6 21:29:27) No.11141 ┃┗改名記念小説リクエスト受付中−D・S・ハイドラント (2002/11/6 22:14:18) No.11142 ┃ ┣追記−D・S・ハイドラント (2002/11/6 22:26:50) No.11144 ┃ ┣Re:改名記念小説リクエスト受付中−渚 (2002/11/6 23:04:27) No.11146 ┃ ┃┗Re:改名記念小説リクエスト受付中−D・S・ハイドラント (2002/11/7 11:30:18) No.11152 ┃ ┗Re:改名記念小説リクエスト受付中−エモーション (2002/11/7 21:50:32) No.11172 ┃ ┗Re:改名記念小説リクエスト受付中−D・S・ハイドラント (2002/11/7 22:05:45) No.11173 ┣冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を−D・S・ハイドラント (2002/11/7 17:37:28) No.11160 ┃┣Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を−陽月 (2002/11/7 18:05:17) No.11163 ┃┃┗Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を−D・S・ハイドラント (2002/11/7 18:15:39) No.11164 ┃┣Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を−エモーション (2002/11/7 21:41:45) No.11171 ┃┃┗Re:冥王の騎士:9章:シェーラはセイグラムに勝てるのかなあ?−D・S・ハイドラント (2002/11/7 22:09:14) No.11174 ┃┗Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を−渚 (2002/11/7 23:12:24) No.11179 ┃ ┗Re:冥王の騎士:9章:セイグラムを倒す方法でも考えながら寝よう−D・S・ハイドラント (2002/11/7 23:34:12) No.11180 ┣冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを−D・S・ハイドラント (2002/11/8 18:36:21) No.11187 ┃┣Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを−エモーション (2002/11/8 21:08:58) No.11198 ┃┃┗Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを−D・S・ハイドラント (2002/11/8 21:37:26) No.11203 ┃┗Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを−渚 (2002/11/8 21:52:37) No.11206 ┃ ┗Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを−D・S・ハイドラント (2002/11/9 11:19:29) No.11210 ┣冥王の騎士:11章:魔王の中の魔王−D・S・ハイドラント (2002/11/9 13:18:44) No.11211 ┃┗Re:冥王の騎士:11章:魔王の中の魔王−渚 (2002/11/9 17:38:11) No.11216 ┃ ┗Re:冥王の騎士:11章:魔王の中の魔王−D・S・ハイドラント (2002/11/9 17:56:34) No.11218 ┣冥王の騎士:12章:夜の闇の中に−D・S・ハイドラント (2002/11/9 14:31:06) No.11214 ┃┣Re:冥王の騎士:12章:夜の闇の中に−渚 (2002/11/9 17:47:05) No.11217 ┃┃┗Re:冥王の騎士:12章:夜の闇の中に−D・S・ハイドラント (2002/11/9 17:58:32) No.11219 ┃┗ポテトアップルパイが食べたい……。−エモーション (2002/11/9 20:00:48) No.11223 ┃ ┗Re:ポテトアップルパイが食べたい……。−D・S・ハイドラント (2002/11/9 20:06:42) No.11224 ┣冥王の騎士:13章:だけを破壊し尽くす−D・S・ハイドラント (2002/11/10 14:07:35) No.11240 ┗冥王の騎士:14章:平穏な夜−D・S・ハイドラント (2002/11/10 20:05:56) No.11247 ┣香り松茸、味シメジ−エモーション (2002/11/10 21:35:49) No.11252 ┃┗Re:番号順表示のタイトルで即自分のだと分かりましたよ(長・・。)−D・S・ハイドラント (2002/11/10 21:43:51) No.11255 ┣冥王の騎士:15章:2人を見守った−D・S・ハイドラント (2002/11/11 17:40:57) No.11265 ┃┣やっと2部完(どこが)・・・というわけで中書き−D・S・ハイドラント (2002/11/11 17:47:15) No.11266 ┃┣ふぃぶがめちゃくちゃかわいいです……−陽月 (2002/11/11 18:02:00) No.11267 ┃┃┗Re:ふぃぶがめちゃくちゃかわいいです……−D・S・ハイドラント (2002/11/11 18:10:46) No.11269 ┃┣Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った−エモーション (2002/11/11 20:45:34) No.11279 ┃┃┗Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った−D・S・ハイドラント (2002/11/11 21:23:20) No.11281 ┃┣Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った−渚 (2002/11/11 23:16:23) No.11286 ┃┃┗Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った−D・S・ハイドラント (2002/11/12 17:49:45) No.11295 ┃┗Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った−由季まる (2002/11/12 18:20:32) No.11296 ┃ ┗Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った−D・S・ハイドラント (2002/11/12 20:47:07) No.11300 ┗Re:冥王の騎士:14章:平穏な夜−渚 (2002/11/11 23:09:07) No.11285 ┗Re:冥王の騎士:14章:平穏な夜−D・S・ハイドラント (2002/11/12 17:45:27) No.11294
11107 | 冥王の騎士:第二部: | ドラマ・スライム | 2002/11/5 17:50:18 |
ほんの少し悩んだ挙句新ツリーにすることにしました。 それについての苦情は受ける覚悟です。 それでは〜 |
11108 | 冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が | ドラマ・スライム | 2002/11/5 17:54:21 |
記事番号11107へのコメント 緑がすべてを優しく包む空間。 しかし同時に奥深くの深淵まで続く道、それが垣間見える地。 遥か天に近い方に微かに見えるのは愚かなるものに蹂躙された栄光の跡。 そこに2人はいた。 「フィブリゾ様。」 三つ編みの騎士服の少女の黒髪は少年のものと混じり双方の熱が伝わり合う。 「シェーラ。」 その高貴さを感じさせる少年の碧眼は間近に迫ったその少女の容貌を優しく見つめていた。 風が吹き・・・。 少年から手を離したシェーラは 「すみません。ご無礼を。」 忠君であるはずの彼を、我を忘れて抱きしめてしまったことに気付く。 「いいんだよ。」 少年の笑みはいつもよりも輝いて見えた。 そのまま沈黙が続いたが、それに付け入る寒風はなかった。 だがただそのままの永遠は存在しない。どんな時間であろうとすべては過ぎ去る。それがたとえ嵐の入ることなき時間であろうとも・・・。 「お父様は・・・死んだんだね。」 少年フィブリゾの声は震えていた。そして少女シェーラにも冷気は伝わる。 「はい・・・。」 寒風は今、訪れた。 「そうなんだね・・・。」 闇が覆ったような錯覚を感じ、動くこともできないシェーラ。 「とりあえず森を抜けましょう。」 固まったシェーラはそうとだけ言った。 「うんそうしよう。」 フィブリゾの声は明るかったがそれには翳りがあった。 それでもシェーラの呪縛は解き放たれ、2人は歩き出した。 失われたカタートの廃墟が残る丘――この森側から見ると明らかな断崖絶壁のため城跡に戻ることも困難である――森の奥へと・・・。 シェーラは同時にシャブラニグドゥを殺したであろうガーヴとこんな森に連れてきたゼロスを恨みつつ・・・。 深淵の入り口は境界などなくそれを実感した時にはすでに、天然の迷宮の中である。 だがそれでも2人は歩き続ける。 「フィブリゾ様・・・大丈夫ですか。」 森を長時間歩くのは初めてであろう主君を気遣うシェーラ。 「大丈夫・・・シェーラこそ無理しないでね。」 フィブリゾの声が風に乗りシェーラの心を癒していく。 それは魔法の如く不思議であった。 (この方に死ぬまで仕えたい。) ◇◆◇◆ 「気分はどうだゼロス。」 暗闇であった。だが無明ではない。 ただ暗いだけだ。 「ええ。」 そう短く答える人影のその夜色の髪だけはけして暗闇に飲まれることはなかった。 そして相手側のその黄金の髪もこの黒の世界で妖しげに輝いている。 「あの女のことか・・・。」 その女性であろう声は不動の強さを感じさせる。 「ええ、気に入ってしまいましたよ。」 彼は笑っている。強い闇と、なお強烈な気配の中で・・・、 「だがあの方の命は絶対だ。」 それでもなお強さを増す声、その主の力は計り知れないだろう。 対峙したその彼もそれは分かりきっているが。 まるで、すでに決められた世界の法則の如く 「分かってますよ。」 だがその声には畏怖も脅えも遠慮すらもなかった。 「ゼラス姉さま」 そのとき、彼の表情がこわばったのように感じられたのは気のせいだろうか・・・。 |
11111 | Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が | 渚 E-mail | 2002/11/5 18:34:56 |
記事番号11108へのコメント > 「お父様は・・・死んだんだね。」 > 少年フィブリゾの声は震えていた。そして少女シェーラにも冷気は伝わる。 突然の死・・・・。泣いてもいいのに、泣かないなんてフィブリゾ強いね。 > 闇が覆ったような錯覚を感じ、動くこともできないシェーラ。 > 「とりあえず森を抜けましょう。」 > 固まったシェーラはそうとだけ言った。 シェーラも、どう声をかけたらいいかわかんないよね。 しかも、いつまた殺しに来るかわかんないし、悲しんでる暇もないような立場・・・・。 > 「ゼラス姉さま」 > そのとき、彼の表情がこわばったのように感じられたのは気のせいだろうか・・・。 ゼラス姉さま・・・・ゼロスって弟ということですか? |
11113 | Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が | ドラマ・スライム | 2002/11/5 18:41:58 |
記事番号11111へのコメント >突然の死・・・・。泣いてもいいのに、泣かないなんてフィブリゾ強いね。 本当に強いですねえ。 >シェーラも、どう声をかけたらいいかわかんないよね。 >しかも、いつまた殺しに来るかわかんないし、悲しんでる暇もないような立場・・・・。 そうですよね。 この辺難しかったです。 >ゼラス姉さま・・・・ゼロスって弟ということですか? そうなります。 レスありがとうございます〜 それではまた〜 |
11116 | Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が | エモーション E-mail | 2002/11/5 20:00:56 |
記事番号11108へのコメント 早速の続きですね。 健気なフィブリゾとシェーラ……(じ〜ん) 相変わらず、無意味なまでにどこまでも怪しさ大爆発なゼロス。 ゼラス様のご登場を実は密かに喜んでます。 > そのとき、彼の表情がこわばったのように感じられたのは気のせいだろうか・・・。 弟って「姉」という生き物には、いろんな意味で弱いんですよねぇ……何故か……(しみじみ) ……そう言う意味でこわばったわけじゃないと思うのに、何故か真っ先に そう読みとってしまいました(笑) 変なコメントですみません(……って、いつものような……) では、失礼します。 |
11118 | Re:冥王の騎士:5章(数字はそのままで行きます):そのとき、彼の表情が | ドラマ・スライム | 2002/11/5 20:06:39 |
記事番号11116へのコメント >早速の続きですね。 はい今日は休もうと思ってたんですが・・・。 >健気なフィブリゾとシェーラ……(じ〜ん) これからも保てるか心配です。 >相変わらず、無意味なまでにどこまでも怪しさ大爆発なゼロス。 怪しいですねえ。 >ゼラス様のご登場を実は密かに喜んでます。 それは出した――名前を――かいがありました。 >弟って「姉」という生き物には、いろんな意味で弱いんですよねぇ……何故か……(しみじみ) まあ姉はいませんしよく分かりませんがそんな気もします。 >……そう言う意味でこわばったわけじゃないと思うのに、何故か真っ先に >そう読みとってしまいました(笑) そうでしたか。 まあゼラスの力は凄いものだと思います。 > >変なコメントですみません(……って、いつものような……) いえいえ。いつも良コメントをもらえて嬉しいです。 >では、失礼します。 それではさようなら〜 |
11121 | 冥王の騎士:6章:それには彼女でさえ | ドラマ・スライム | 2002/11/5 21:04:51 |
記事番号11107へのコメント 深い森は大自然とともに終わりなき絶望を生む。 湿った地面を踏みしめ、木々を避けつつ、ただひたすら歩く。 道に迷わないはずはない。 それが絶望の最大の根源である。 そして徐々に暴かれる闇も・・・。 シェーラはすべての思いを振り切って、ただ歩く。 だがその表情も時間とともにこの緑の魔性が生み出すそれに染まりつつあった。 (だけど、フィブリゾ様に迷惑をかけるわけには・・・。) その後を彼女に護られるかたちで続く美しく高貴な少年に対するその気持ちが最後の一線で粘っていた。 だがそれも尽きかける・・・。 シェーラの顔がどんどん曇る。 (私は騎士、フィブリゾ様を必ず安全なところに・・・。) そう思った後には空腹が襲う。 「フィブリゾ様・・・。」 声はなるべく明るいものに・・・それだけを必死で心掛ける。 自分でもなかなかいい表情ができたと実感する。そしてそれを今も保とうとする。 「なんだい。」 なぜだろうか。その声は生気に満ちていた。剣術訓練はしたことはあるがそれ止まりの彼になぜここまで気丈な精神が・・・。 ただこの状況を理解せずにいるのかも知れない。 シェーラはそうも思ったが、そうだとしたら少々複雑でもあった。 「お腹とか空きません・・・。」 先ほどよりはか細い声だったが、それほど気にはされなかったようだ。 「いや、別に・・・シェーラはどうなの。」 即座に切り返す。正直、空腹であろうに・・・。 だが、それには触れなかったし、触れるものではない。 「いえ・・・大丈夫です。」 そして重い沈黙が・・・。 まだ昼間だというのにそこは暗い・・・時折見える天よりの光が闇ではないことを彼らに伝える。 疲労や空腹のどの渇きは確実に重みを増していく。 だがそれでも、歩き続ける。 だが彼らに訪れるのは絶望だけではない。 「フィブリゾ様・・・あれは。」 シェーラは疲労を忘れ大声を出す。その細いながらも訓練で培った指の差した方向を少年の美しい碧眼は捉えた。 この暗く壮大な森に開ける美しい一枚の鏡面。 それから放たれる神秘はそれだけで心を癒す。 不思議なまでのそれは泉であった。 水もさほど濁ってはいないし、むしろ純粋に綺麗と言うのが正しいだろう。 「助かりましたねフィブリゾ様。」 シェーラの声は疲れを消し飛ばしていた。 「そうだね。」 フィブリゾも純粋にそう言った。 「ではお先にどうぞ。」 シェーラがそう言うとフィブリゾはそのまま泉へ向かった。 やはり彼も辛かったのだろう。 解決にはならないもののこの泉に出会えた奇跡はまさに神にでも感謝すべきものであろう。 普段は・・・そして死ぬ間際だったときすらも、頼ることのなかった、この国が奉じる三神に感謝の言葉を唱えた。 ◇◆◇◆ 「ゼロス・・・君は彼女に組織の存在を教えたんだね。」 暗闇の中その声の主からは存在感が露であった。 同時に威圧感も並のものではない。 その矛先を向けられた彼の着る法衣も、その美貌も闇に消え、その髪も明白には映らない。 しかしその対峙する相手は暗闇であろうとその姿が浮かび上がる。 「はい。」 その声に余裕などなかった。凄まじい気配・・・それだけが襲う圧迫に抵抗するだけで精一杯だ。 彼から汗が零れ落ちる。 見えるはずはないのだが、それが見えてるかのように思えて仕方がない。 「いいんだよ。彼女はあれを送って始末することにするから。」 その声に迷いなどなかった。 「あれ・・・ですか。」 声はまるでその圧迫に抵抗するかのように・・・ 「あれは暗殺術に長けている。恐らく君に次ぐ腕だ。」 その声は明らかに楽しんでいた。だがそれはさらに強大な威圧感に隠れてほとんど、感じ取れない。 「ですが・・・。」 「もういいよ、君は下がるんだ。」 その声は絶対的でもあった。 「はい・・・。」 闇の中、彼の気配は失われる。 「ゼラス・・・あれの準備を。」 「はい。」 それには彼女でさえ畏怖するばかりであった。 |
11123 | Re:冥王の騎士:6章:それには彼女でさえ | 渚 E-mail | 2002/11/5 23:31:32 |
記事番号11121へのコメント > シェーラはすべての思いを振り切って、ただ歩く。 > だがその表情も時間とともにこの緑の魔性が生み出すそれに染まりつつあった。 > (だけど、フィブリゾ様に迷惑をかけるわけには・・・。) シェーラって、頼るというかすがる相手いないんですよね。 > だが彼らに訪れるのは絶望だけではない。 おっ、なにかあったのか? > 「いいんだよ。彼女はあれを送って始末することにするから。」 > その声に迷いなどなかった。 > 「あれ・・・ですか。」 あれ・・・・?とは。 ますますはまってきました。 謎が多いとわくわくというと変かな?してきて、続きが気になります〜。 |
11124 | Re:冥王の騎士:6章:それには彼女でさえ | ドラマ・スライム | 2002/11/5 23:35:55 |
記事番号11123へのコメント >シェーラって、頼るというかすがる相手いないんですよね。 そうなんですよ。大丈夫ですかねえ。 >おっ、なにかあったのか? 何かがあったのでしょう。 >あれ・・・・?とは。 さあ?次回かその次くらいにでると思います。 >ますますはまってきました。 そうですか。ひたすら感謝です。 >謎が多いとわくわくというと変かな?してきて、続きが気になります〜。 謎を残すのが趣味(待て)なので・・・。 それでは毎回本当にありがとうございます。 これからもお互いがんばりましょう。(おっ今回はちょっと変わったな) ではさようなら〜(ここは普通だ) |
11131 | 冥王の騎士:7章:叫びは静寂なき森に | ドラマ・スライム | 2002/11/6 14:43:27 |
記事番号11107へのコメント 「創造に祝福を―― 運命に忠誠を―― 救済に希望を――」 胸中で繰り返される言葉、 カタート国教である三神崇拝での祈りの言葉・・・。 創造神ウニへの感謝 運命神カラスミへの服従 救済神コノワタへの祈願 彼らへの崇拝の証 彼女は特にこの宗教を信仰することはなかった。 何度も唱えたことはあるが、心までこの偶像の神々に侵されてはいない。 だが今は心から祈った。 それを乗せて風はどこまで行くのだろうか。 綺麗なその泉には何の問題もなかった。 ただ自然の不思議さを感じさせた。 「水筒でも持ってくれば良かったね。」 フィブリゾの声が城のことを思い起こさせる。 少々開けている泉の遥か上方から注がれる光を見つめならが、少々影になるものの座り心地の良い大木に腰掛け、彼女はその気持ちを再度押し込める。 ・・・だがそれが沈黙を生む。 それでも陽射しは心地よい。太陽は絶頂から翳りを見せ始めているのだが、むしろの黄金色の輝きがこの地の美しさを、さらなるものに感じさせている。 「ねえシェーラ・・・。」 ふと顔を上げれば、そこには思う通りの顔があった。 「何でしょうか。」 その眼が映す少年の美貌は陰となる中でもその美しさ――いや美しさが完全となる前の可愛らしさが天光にも勝るが如く光を持ったようにそれを保っていた。 自然の美しさにけして劣らず、それを遥かに超越した美貌である。 思わず抱きしめたくもなるが、それは許されないし、まず彼女自身が許さないだろう。 そしてそこまで思って、数時間前、つまりこの森で少年が目を覚ましたときを思い出し、赤面とともに激しく悔やむ。 「ここ、水浴びできるよ。」 少年の声はすべての考えを霧散させた。 「水浴び・・・ですか。」 彼女は聞き返す。 「そうだよ。」 そう言って少年は泉の方に向き直り・・・。 「グルルルルルルルルルルルルルル。」 声――いや声ではなく音である。 「グルルルルルルルルル。」 また・・・いや常に聞こえている。 森がざわめく、完全な静寂ではなかったものの、森としての静けさのあった先ほどとにはこんな音はなかった。 「どうしたのシェーラ。」 少年の声には脅えが少なからず見えた。どうやら音を気にしているようだ。 「いえ・・・。」 そう言ってシェーラは辺りを見回す。 「フィブリゾ様!」 振り返り少年に声を放つその双眸にはまだ一瞬前の光景が焼き付いていた。 黒・・・そう黒だ。 闇とは違う、ただの黒。 それに埋め尽くされているのではないが、それは無数にある。 そのとき彼女の記憶が掘り返される。 その記憶に震える。 その無数の黒は、獣のものであった。 そしてその獣とは――。 「気を付けてください。泉湖獣(レイク・ハンター)です。」 泉湖獣(レイク・ハンター)――森の中などにひっそりと湧く泉や湖などの周りに気配を消して潜み、そこへ訪れた獲物を狩る獣である。 かなりの群れをなし、1匹1匹の戦闘能力も狼に匹敵する。 その黒毛の猿の体に黒犬の頭を持った獣はその泉を完全に封鎖していた。 少年の表情が激しく曇りつつある。 「フィブリゾ様は私が命を掛けても護ります。」 シェーラの声は猛々しく、少年には届いたが、黒毛の獣には受け流されたようだ。 「シェーラ。」 シェーラは聖剣ドゥールゴーファを構えた・・・。 「グルルルルルルルルルルル。」 そして泉に近い場に立つ、主君をかばうように立ち、獣の襲撃を待った。 「グルルルルルルルルルル。」 何時間、何日でもそれを待つつもりだ。 だがそれは意外なほど早かった。 「グルルルルル・・・シャー。」 気の短い獣が数匹、こちらへむかう。 「烈風の獅子。」 彼女と少年の周りに風が巻き起こる。 「ギャアアアアアアアーーーー。」 鋭利な風の刃物を受けた獣達の断末魔の叫びは静寂なき森にむなしくかき消えた。 |
11132 | Re:冥王の騎士:7章:叫びは静寂なき森に | 渚 E-mail | 2002/11/6 15:54:20 |
記事番号11131へのコメント > 何度も唱えたことはあるが、心までこの偶像の神々に侵されてはいない。 > だが今は心から祈った。 神が本当にいるかわからないけど、もし、いるなら助けてほしいという、小さな可能性にかけているんでしょうか。 > 「気を付けてください。泉湖獣(レイク・ハンター)です。」 > 泉湖獣(レイク・ハンター)――森の中などにひっそりと湧く泉や湖などの周りに気配を消して潜み、そこへ訪れた獲物を狩る獣である。 > かなりの群れをなし、1匹1匹の戦闘能力も狼に匹敵する。 > その黒毛の猿の体に黒犬の頭を持った獣はその泉を完全に封鎖していた。 こんなのに囲まれているなんて・・・・今の状況で勝てるのでしょうか・・・・。シェーラがんばれっ! > 「烈風の獅子。」 > 彼女と少年の周りに風が巻き起こる。 > 「ギャアアアアアアアーーーー。」 > 鋭利な風の刃物を受けた獣達の断末魔の叫びは静寂なき森にむなしくかき消えた。 おおっ、やった!でも、後何匹いるんだろ・・・・。 |
11133 | Re:冥王の騎士:7章:叫びは静寂なき森に | ドラマ・スライム | 2002/11/6 16:07:39 |
記事番号11132へのコメント >神が本当にいるかわからないけど、もし、いるなら助けてほしいという、小さな可能性にかけているんでしょうか。 まあ普段は全く信じてないですけど・・・。 >こんなのに囲まれているなんて・・・・今の状況で勝てるのでしょうか・・・・。シェーラがんばれっ! 勝てるでしょうか。それは次回で・・・。 >おおっ、やった!でも、後何匹いるんだろ・・・・。 凄い数でしょう・・・。 レスありがとうございます。 それではまた〜。 今日はまだ書けそうです。 渚さんの方の残りのレスは待っててくださいね。 さようなら〜 |
11135 | 冥王の騎士:8章:聖者の右腕 | もうすぐ改名するであろうドラマ・スライム | 2002/11/6 17:52:15 |
記事番号11107へのコメント 血が美しき大地に染みて、黒き骸が横たわる。 風すらも激しいものに感じられるが、それは錯覚か偶然だろう。 彼女を傷つけるものにはけしてならない。 しかし彼女の見るすべてが黒に侵されている今、神の助けなどと言っている場合ではない。 シェーラは窮地にあってもけして神に祈ることも願うこともない・・・。 神のことなど考えもしないし、心にあろうとも頭に入る前に即霧散する。 その背中から護るべき者の震えが伝わる。 それは彼女の力にもなっただろう。 仲間を殺された獣達の思考は様々だ。 怒りに燃えるもの、怯えるもの、平然を保つもの・・・。 その獣は明らかに強い自我を持つであろう。すべての獣は自我を持つのであろうが・・・。 そして再び来る獣達。 シェーラはそれを捉えていた。そして先ほどと同じように心を落ち着ける。 魔道騎士である彼女には容易くはないが、それでも不可能ではない。 背後を振り返ることなくただ気遣いながら、それに注意が行き過ぎないようにし、聖剣を掲げる。 「烈風の獅子。」 再び巻き起こるそれは先ほどと同じ光景を、同じ結果をもたらした。 だが終りではない。 その功性結界が届かず結果的に逃れた無数の獣達が襲い掛かる。 まずは高く、そして的確に跳躍し、彼女自身に向かう獣を切り裂く。 背後のフィブリゾに当たらないように斜めに飛び退けば、そこに漆黒の毛に覆われた肉塊が墜ちる。 横目にフィブリゾを確認しそれに掛かる獣に素早く上段から斬りかかる。 しかしそれは獣の速すぎた速度にかわされる。 少年の容貌が険しくなり、恐怖が滲み出る。 しかしその美貌は消えずに、違った魅力が発されている。 それを気にしたか、または全く気にせずにかシェーラは追撃を掛ける。 獣はすでに少年に迫る。 少年の叫びは声にならない・・・。 血が・・・赤き血が吹き飛び大地を軽く濡らす。 「ギャアアアアアアア。」 倒れるその体からは血がこぼれ出ていた。 それは・・・黒き獣の方だった。 ドゥーゴーファでの上段攻撃の後、横側から楕円形を描くように払い、器用に腹部を一閃していた。 だがそれに喜びも安堵も持てず、視界を移動させる。 その鋭く感じられる視線がまたも獣を捉え素早く斬り付ける。 断末魔も聞かずに剣を払うと再び血を帯びた聖剣が獲物を屠る。 だが次の瞬間熱いものが感じられた。それは左腹部より脇腹にかけて描かれる、数本新鮮な切り傷であった。 その黒い獣の1匹の体の割には太い腕に延びた4本の爪が血を受けていた。 だがその一撃を負わせた獣も次の一瞬で絶命する。 巨体ではないがその骸の量は凄まじい数に達した。 次々と襲い掛かる獣だが、まだ少年に傷を負わせたものはいないが、シェーラから流れ出す血は確実に体力を奪い取る。 癒しの魔法を使う隙などまるでない。 連携と呼ぶにはあまりにも出来が悪いが、それでも獣達は次々にシェーラに襲い掛かる。 ドゥールゴーファの結界も当然使えずに剣での物理攻撃だけで何とか渡り合うも、それはいつまで続くだろうか。 その戦いの中シェーラの視線は一瞬フィブリゾに襲い掛かる獣を捉えた。 だが間に合わない・・・。 「フィブリゾ様ー!」 叫びながら、無謀だと分かっていながらも獣達を払いのけ、主君の元へ向かう。 「シェーラ!」 その声の直後に獣の腕はフィブリゾの眼前に迫っていた。 そしてシェーラの視界は暗黒となった。 これから繰り広げられるであろう光景は耐えられるものではない。 (全く私は騎士なのに・・・。) そして胸中で自分を恥じるが、それでも目蓋は閉じたままだ。 その音が明白に訪れる。 そして・・・。 「ギャアアアアアア。」 最期の叫び (えっ・・・。) だがその声は予想とは違った。 そっと目を開けてみる・・・。 そこに映された景色・・・。 まさに黒と赤が混じり合い、大いなる緑を奇妙に歪めていた。 ・・・そして視界より伝わる静寂。 すべてが終わっていた。 獣達は無数の傷を負っている。 どうやらすべて鋭利な刃物で切られたものなのだろう。 そして眼前に佇むそれは・・・まさしく闇を思わせる。 それは黒の布切れだった。 だがその色よりも暗い何かがそれに闇を感じさせている。 ただ暗闇ではないのはその布切れに人の印象を与える白い仮面・・・そしてその左腕にはめられた縦長の碧宝石(ジュエルズ・エメラルド)を思わせる小手・・・。 その小手の名を彼女は知っていた。 どこで知ったかは分からない・・・。 だがそれは明らかに彼女の知る物に違いない・・・。 遥か西国で生まれ、その地の風の精霊の名を冠した伝説の小手。 (・・・聖者の右腕、緑のタヌキ。) |
11136 | Re:冥王の騎士:8章:聖者の右腕 | 渚 E-mail | 2002/11/6 18:53:31 |
記事番号11135へのコメント おおっ!もう次の話が出てる!!早いですね、見習いたいものです!! > 連携と呼ぶにはあまりにも出来が悪いが、それでも獣達は次々にシェーラに襲い掛かる。 ううっ、多勢に無勢ですね。 > 遥か西国で生まれ、その地の風の精霊の名を冠した伝説の小手。 > (・・・聖者の右腕、緑のタヌキ。) み、緑のタヌキ・・・・。ずっと張り詰めた感じだったのですが、最後に笑ってしまいました・・・・。 レス、ありがとうございました。 |
11137 | Re:冥王の騎士:8章:聖者の右腕 | もうすぐ改名するであろうドラマ・スライム | 2002/11/6 19:10:26 |
記事番号11136へのコメント >おおっ!もう次の話が出てる!!早いですね、見習いたいものです!! 滅茶苦茶、暇(待て、することいっぱいあるだろ) >ううっ、多勢に無勢ですね。 そうですね・・・。 >み、緑のタヌキ・・・・。ずっと張り詰めた感じだったのですが、最後に笑ってしまいました・・・・。 どうもこれを出さないといけないような気がしまして・・・。 >レス、ありがとうございました。 いえこちらこそ・・・。 ではまた〜 |
11138 | 日本の珍味と緑のタヌキ | エモーション E-mail | 2002/11/6 21:08:33 |
記事番号11135へのコメント こんばんは。 改名なさるんですか? どのような名前になるのでしょう。 まず日本の珍味な神様に爆笑しました。 ウニはもちろん赤ウニ(礼文産か三陸産がお薦め)ですね!(普通のウニは 紫ウニと言う種類。赤ウニは数が少ないので希少でお高いです。80グラムで 3000円くらいしたのを覚えてます) カラスミ……これも高いですよ〜。100グラム越えると8000円くらい 軽くいきますからね〜。通常そのまま、もしくは焼いたりして食しますが、 擦ってスパゲティにからめるという剛毅な食し方もあります。 コノワタ……高い。値段忘れたけど。どっちかというと酒のつまみっぽい。 好きな人は凄く好きな一品。(ガーヴあたりは好きそうです) ……はっ、つい経験上の知識がっ!(爆)←珍味売り場でのバイト経験有り。 剣で必死に獣と応戦するシェーラ。ちょっと「十二国記」の「月の影 影の海」(上)を 連想しました。息つく暇もなく、敵だの獣だのに襲われるところが。 そして出てきた緑のタヌキ!!最初はセイグラムかと思ったのですが…… 暗殺だからやっぱりズーマでしょうか?それともズーマ・セイグラムの複合体とか……。 では、失礼します(……投稿し終わったら、続きが載ってそうな気が……(笑)) |
11141 | Re:日本の珍味と緑のタヌキ | D・S・ハイドラントに改名予定のドラマ・スライム | 2002/11/6 21:29:27 |
記事番号11138へのコメント >こんばんは。 >改名なさるんですか? どのような名前になるのでしょう。 予定ではタイトルの方に書いてあるのにする予定です。<予定が2回> > >まず日本の珍味な神様に爆笑しました。 やはり神様は高級品でないと >ウニはもちろん赤ウニ(礼文産か三陸産がお薦め)ですね!(普通のウニは >紫ウニと言う種類。赤ウニは数が少ないので希少でお高いです。80グラムで >3000円くらいしたのを覚えてます) ウニは少々名前としては変かと思いました・・・。(ウニに創造されるとは・・・。) >カラスミ……これも高いですよ〜。100グラム越えると8000円くらい >軽くいきますからね〜。通常そのまま、もしくは焼いたりして食しますが、 >擦ってスパゲティにからめるという剛毅な食し方もあります。 へえ、ありがとうございます。 でもこの知識が本当に役立つかどうか・・・。 (カラスミに運命を握られてるってのも・・・。) >コノワタ……高い。値段忘れたけど。どっちかというと酒のつまみっぽい。 >好きな人は凄く好きな一品。(ガーヴあたりは好きそうです) >……はっ、つい経験上の知識がっ!(爆)←珍味売り場でのバイト経験有り。 海鼠腸は検索して初めて知りました。 (海鼠腸に祈れば救われるとは・・・。) > >剣で必死に獣と応戦するシェーラ。ちょっと「十二国記」の「月の影 影の海」(上)を へえ全く知りません。(私って無知だな) >連想しました。息つく暇もなく、敵だの獣だのに襲われるところが。 >そして出てきた緑のタヌキ!!最初はセイグラムかと思ったのですが…… >暗殺だからやっぱりズーマでしょうか?それともズーマ・セイグラムの複合体とか……。 次回で即わかります。 > >では、失礼します(……投稿し終わったら、続きが載ってそうな気が……(笑)) どうもありがとうございます。 それではまた〜 |
11142 | 改名記念小説リクエスト受付中 | D・S・ハイドラント | 2002/11/6 22:14:18 |
記事番号11135へのコメント ドラマ・スライムからD・J・ハイドラントに改名した記念に小説リクエストに応えます。 大体のものなら書けますので、好きに言ってください。 書けなかったら大変すみません。 それでは〜 |
11144 | 追記 | D・S・ハイドラント | 2002/11/6 22:26:50 |
記事番号11142へのコメント お一人様につき1つとさせていただきます。(ああリクなかったら寂しいな) |
11146 | Re:改名記念小説リクエスト受付中 | 渚 E-mail | 2002/11/6 23:04:27 |
記事番号11142へのコメント えっと、私ヴァルガーヴが結構好きなんですけど、スレイヤーズの世界のヴァルリナって見たことないので、 リクエストしていいですか? 内容は、得に指定しません。 リクエストって、こんな具合でよろしいんでしょうか? それでは、もしよければ書いてください。 |
11152 | Re:改名記念小説リクエスト受付中 | D・S・ハイドラント | 2002/11/7 11:30:18 |
記事番号11146へのコメント >えっと、私ヴァルガーヴが結構好きなんですけど、スレイヤーズの世界のヴァルリナって見たことないので、 ヴァルですか・・・。 アニメ見てないので変になるかも知れませんがそれでもよろしいならば・・・。 >リクエストしていいですか? >内容は、得に指定しません。 >リクエストって、こんな具合でよろしいんでしょうか? はい。こんな具合です。 >それでは、もしよければ書いてください。 はい待っててくださいね。 |
11172 | Re:改名記念小説リクエスト受付中 | エモーション E-mail | 2002/11/7 21:50:32 |
記事番号11142へのコメント 改名、おめでとうございます。 では、リクエストしてよろしいでしょうか? ゼラス様のお話を〜!!原作とアニメでは全然タイプ違うので、 とりあえず原作版のゼラス様でお願いします。 では、失礼します〜。 |
11173 | Re:改名記念小説リクエスト受付中 | D・S・ハイドラント | 2002/11/7 22:05:45 |
記事番号11172へのコメント まあアニメは知りませんが・・・。 原作だと15巻に出るやつですね。 書いてみます。 それでは〜 |
11160 | 冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を | D・S・ハイドラント | 2002/11/7 17:37:28 |
記事番号11107へのコメント 黒の布切れが佇む足元には影もなく、虚像のようにも思えて見える。 布切れはよく見れば宙に浮いている。これはどういうことなのだろう。 「冥王様。お迎えに来ました。」 その声はまさに主君に対する臣下のそれであった。はっきり言えばシェーラよりも遥かによく出来ている。 「やめてよ。シェーラ助けて。」 その布切れは空中を移動し、フィブリゾにゆっくり近寄る。 その光景に様々な感情を巡らせていたシェーラも少年の声に奮いあがった。 即座に余計な感情を殺し、 「フィブリゾ様には近寄るな!」 勇ましい声とともに斬りかかる。 だがドゥールゴーファは虚空を斬っただけだった。 視界を勢いのあまり、地面に刺さってしまった聖剣から元に戻す。 そこにはフィブリゾの背後に立つ布切れ。 「何者!」 シェーラの怒声を受け流すように頭を振り、 「だが冥王様を連れ帰るのは我では骨が折れる・・・。やはり肉体を持つものでなければならんな。」 その言葉はシェーラには理解できなかった。出来なかったが、それはシェーラを震え上がらせるには充分だった。 肉体を持たない? 得体の知れないものと戦うのは誰であれ恐怖を感じるものだ。 「我が名はセイグラム、『撲殺人参ソード』の暗殺者、『緑のタヌキ』のセイグラムだ。」 『撲殺人参ソード』・・・早くもその刺客が、来るとは・・・。 それに彼――と思える――にはこの名に抵抗などないようだ。 「さて、冥王様、しばらく眠ってましょうか。」 その猫撫で声は甘く、そして、あまりにも不気味すぎた。 震えていた少年の顔は即座に表情を失い、倒れ込んだ。 「貴様、フィブリゾ様に何を!」 シェーラ怒りの声を解き放ち斬りかかる。 「ただしばらく眠ってもらっただけだ。むしろ死の危険をはらむのは、いやここで死ぬのは汝の方だ。」 そう言うと姿がかき消え、剣は再び、地に墜ちる。 「くっ・・・。」 次の瞬間背中が燃えるように熱くなる。振り向きざまに大地を蹴って、飛び上がると一時的に離れた眼下の世界に黒の塊と混じったものとは別にただ赤いものが映る。 背後からの攻撃を分かってはいたが、これほど強烈な一撃とは思えなかった。 シェーラが目指す、方向より風が吹く、不自然な感覚だった。 次の瞬間、無数の鮮血が宙を舞っていた。 傷は服のせいかあまり深くないが、切り傷は無数に出来ている。 かなり鋭いもののようだ。 「我には汝では勝てん。」 その声はシェーラの精神をえぐる。 魔法などの効果では一切ないのだが、それは明らかに強烈な力があった。 「『緑のタヌキ』は無敵だ。赤いキツネは使うものが悪かったのだな。」 そう『緑のタヌキ』は恐らく風で攻撃するのであろう。 もちろんドゥールゴーファの結界には防風のものもある。 だが『緑のタヌキ』の決定的な強さ・・・それは、 目に見えない風で攻撃するということだ。 軽いながらも精神集中の必要な結界呪文を発動させるには他の感覚に頼るのも難しい。 しかも剣の効かない相手、たとえ風を防いでもそのまま、斬撃で倒せるというわけでもない。 魔法を使うにしても2度の精神集中そして2度目の風が来る前に魔法を放つ必要がある。 そうでなければ、ただでさえ傷を受けているというのにさらなる痛みで精神集中が霧散してしまう。 かなう相手ではない。 しかし彼女が死ねば、フィブリゾは『撲殺人参ソード』の手に渡るだろう。 そうなれば、どうなるか分からない。 そんな思いが彼女を再び戦いへと導いた。 |
11163 | Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を | 陽月 | 2002/11/7 18:05:17 |
記事番号11160へのコメント > 「冥王様。お迎えに来ました。」 え?冥王? > その声はまさに主君に対する臣下のそれであった。はっきり言えばシェーラよりも遥かによく出来ている。 > 「やめてよ。シェーラ助けて。」 かわいいなぁ(爆)。 > その布切れは空中を移動し、フィブリゾにゆっくり近寄る。 想像したらめちゃ怖い光景ですね。 嵐:くっ。時間圧縮の影響がここまで及んだのか……。 帰れ――――――――――――ッッ!!!! > 「我が名はセイグラム、『撲殺人参ソード』の暗殺者、『緑のタヌキ』のセイグラムだ。」 ここは笑うシーンですか?(爆) > 「我には汝では勝てん。」 セイグラムが…………(驚愕)。 >「『緑のタヌキ』は無敵だ。赤いキツネは使うものが悪かったのだな。」 うわガーヴをけなしてる……(汗)。 > しかし彼女が死ねば、フィブリゾは『撲殺人参ソード』の手に渡るだろう。 どういう組織なんでしょうか。 > 面白くなってきましたね。 あ、どっかの正種が乱入したのは気にしないで下さい(待て)。 きっと魔女の騎士に対抗したかったんでしょうね(だから待て)。 劇でやられ役になる予定ですから悔しいんですよ。(さっきは魔女騎士ヴァージョンでこれを言った) ではさようなら〜 |
11164 | Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を | D・S・ハイドラント | 2002/11/7 18:15:39 |
記事番号11163へのコメント >え?冥王? 以前にも出ましたがこの辺りでは謎の単語です。 >かわいいなぁ(爆)。 ならもっとこういうシーン増やしましょうか。 >想像したらめちゃ怖い光景ですね。 セイグラムですからねえ。 >嵐:くっ。時間圧縮の影響がここまで及んだのか……。 あれっ、スコルだ。 >ここは笑うシーンですか?(爆) その通りです。 話はシリアスなのに世界設定がギャグなこの話 >セイグラムが…………(驚愕)。 まあスレイヤーズの世界ではシェーラが圧倒的ですが・・・。 でも緑のタヌキがあれば分からないぞ。 >うわガーヴをけなしてる……(汗)。 まあ勝手にフィブリゾを殺そうとした挙句 ゼロスに従わずに暴走したんですから >どういう組織なんでしょうか。 0,s:それは秘密です。 >面白くなってきましたね。 はい。ありがとうございます。 >あ、どっかの正種が乱入したのは気にしないで下さい(待て)。 生種・・・ああ種類とかじゃなくてシードのことか >きっと魔女の騎士に対抗したかったんでしょうね(だから待て)。 なるほど、ライバル意識は騎士の方だけじゃなかったんですね。 >劇でやられ役になる予定ですから悔しいんですよ。(さっきは魔女騎士ヴァージョンでこれを言った) そうですねえ。 > >ではさようなら〜 ではまた〜 |
11171 | Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を | エモーション E-mail | 2002/11/7 21:41:45 |
記事番号11160へのコメント こんばんは。 セイグラム……強い……。アニメ版(NEXT)対応でしょうか? 訳が分からず怖がっているフィブリゾが、ぷりてぃ(はあと) 実はフィブリゾは苦手なキャラなんだけど(爆)かわいいから許す! > それに彼――と思える――にはこの名に抵抗などないようだ。 ガーヴは滅茶苦茶嫌がってましたよね……。気持ちは十分に分かるけど(笑) シェーラの必死さが……(ほろり)いっそのことセットで連れてけばいいのに。 では、短いですが、これで失礼します。 |
11174 | Re:冥王の騎士:9章:シェーラはセイグラムに勝てるのかなあ? | D・S・ハイドラント | 2002/11/7 22:09:14 |
記事番号11171へのコメント >こんばんは。 こんばんは〜 >セイグラム……強い……。アニメ版(NEXT)対応でしょうか? ああアニメコミックやネットで大体は知ってます・・・。 >訳が分からず怖がっているフィブリゾが、ぷりてぃ(はあと) ではそういうシーン増やすほかないですねえ。 >実はフィブリゾは苦手なキャラなんだけど(爆)かわいいから許す! > >> それに彼――と思える――にはこの名に抵抗などないようだ。 >ガーヴは滅茶苦茶嫌がってましたよね……。気持ちは十分に分かるけど(笑) そうですよね。 > >シェーラの必死さが……(ほろり)いっそのことセットで連れてけばいいのに。 シェーラ・・・勝てるのでしょうか。 > >では、短いですが、これで失礼します。 いえいえ。 それでは〜 |
11179 | Re:冥王の騎士:9章:そんな思いが彼女を | 渚 E-mail | 2002/11/7 23:12:24 |
記事番号11160へのコメント > 「だが冥王様を連れ帰るのは我では骨が折れる・・・。やはり肉体を持つものでなければならんな。」 誰かにのりうつる気・・・・? > 「我が名はセイグラム、『撲殺人参ソード』の暗殺者、『緑のタヌキ』のセイグラムだ。」 きまらない。緑のタヌキが・・・・ > かなう相手ではない。 > しかし彼女が死ねば、フィブリゾは『撲殺人参ソード』の手に渡るだろう。 > そうなれば、どうなるか分からない。 > そんな思いが彼女を再び戦いへと導いた。 おおっ!またまた果てしなくピーンチっ! また、誰か助けに来てくれるのでしょうか・・・・それともシェーラが自力で倒すか逃げるのかな・・・・。 では、さようなら。 |
11180 | Re:冥王の騎士:9章:セイグラムを倒す方法でも考えながら寝よう | D・S・ハイドラント | 2002/11/7 23:34:12 |
記事番号11179へのコメント >誰かにのりうつる気・・・・? それはないです。 >きまらない。緑のタヌキが・・・・ やはり・・・。 >おおっ!またまた果てしなくピーンチっ! まさにピンチです。 >また、誰か助けに来てくれるのでしょうか・・・・それともシェーラが自力で倒すか逃げるのかな・・・・。 そうそう都合のいいことは・・・あるかも 逃げるのは無理ですね。フィブリゾが・・・。 > >では、さようなら。 では〜。 最終話楽しみに待ってます(ここで書くことかなあ) |
11187 | 冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを | D・S・ハイドラント | 2002/11/8 18:36:21 |
記事番号11107へのコメント 風が鋭くなる。 血と肉が汚す大地駆けつつ、シェーラは聴覚に集中する。 音は聞こえない。 だが何かを感じる。 シェーラは耳への集中を解き、素早く、地に伏せる。 音もなく血が飛び散る。 自分の体を見回す必要はない。 傷を受けたのは死した獣であった。 「ほう障害物があったか。」 セイグラムは先ほどにも増して余裕である。 彼には剣が効かない。 その理由は分からないが、魔法ならば、望みはある。 そうシェーラは推測していた。もし彼が彼女の思うものならば、あれで・・・。 それが今の儚い希望だった。 まだ魔力は完全回復していない。大気中からの魔力だけでは後、数日はかかるだろう。 そしてあれを使うには・・・。 一撃で決める必要がある。 確実に、そのチャンスを得なければ、・・・彼女は死ぬ。 そしてフィブリゾは・・・。 「逃げても、隠れても無駄だ。」 セイグラムは空中を浮遊し、シェーラを追いかける。 むしろシェーラの方が速度は速いが、フィブリゾを置いて逃げるわけにはいけない。 そのため、ただ木々や肉塊の陰で、風の刃を防ぐことくらいしか出来ない。 木々の間を駆けるシェーラにセイグラムは一定の距離を保っている、恐らく功性結界を恐れてだろう。 もしあれを放つとしてもかわされる危険もある。 まあ第一に呪文完成よりもセイグラムの風の刃が届くのが遥かに速いのが問題なのだが・・・。 だがそんなことを言っている間にも体力も精神力も磨り減っていくだろう。 思えば彼女は空腹だ。それにより時が経つごとに、精神集中が困難となるだろう。 やるならば今。 そう決心した。 そして飛び出し・・・。 風の刃は不可視だが確実にシェーラの元に向かってるだろう。 他の攻撃手段があるのかも知れないが、そんな様子もないし、まずそれはないと仮定してのことだ。 風の刃が来るであろう方角に向けて・・・。 シェーラは・・・草を投げる。 空気の振動が1点で強まり・・・。 そして・・・。 「虚ろなる窓。」 その呪文な後、風の刃はシェーラの元には来なかった。 「ほう、やるな。」 セイグラムはむしろ楽しそうだ。 「だが汝に我を倒す術(すべ)などない。」 シェーラが次の刃の来る前に取った行動。 それにより風の刃は来なかった。 横にずれたのだ。 そしてシェーラが向かう方角。 そこに狙いを付けるセイグラム。 シェーラはそれを視覚以外で感じ取り、素早くそれに飛び込む。 獣の骸が再び引き裂かれる。 だが先ほどと同じようにそれが盾になる。 「ほう結局は逃げる回るだけか。」 だが次の瞬間、 シェーラは獣を・・持ち上げた。 かなりの重量だが生きている頃に比べれば血の分目減りしている。 そして、そのままセイグラムへ向かう。 「ほほお・・だが我に近づくだけで何の解決にもならんぞ。」 だがその表情には焦りがあった。恐らく自分の危機を知っているのだろう。 風の刃はまた来たが、獣の体で盾のなる。 獣を殺したのが誤算であっただろうか。しかしフィブリゾは傷つけてはいけなかったのだろう。その理由で獣を全滅させた。 だがその骸により自分は敗れる。 シェーラはそんなことは考えずに・・・ただ集中していた。 苦痛に耐えつつも、けしてそれを乱さない。 空気の揺れに触れる感覚もすでにない。痛みもそれにより感覚を軽減している。 そして・・・。 「烈閃光!(エルメキア・ランス)」 光は巨大な1本の槍と化して、 セイグラムを貫いた。 「ぐおおおおおおおおおお。」 精神体であろう。 ・・・セイグラムを。 |
11198 | Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを | エモーション E-mail | 2002/11/8 21:08:58 |
記事番号11187へのコメント こんばんは。 シェーラ、一生懸命考えて……(ほろり)健気ですっ! がんばってフィブリゾと手に手を取って愛の逃避行を……あれ?何か違う(笑) > だがその表情には焦りがあった。恐らく自分の危機を知っているのだろう。 > 風の刃はまた来たが、獣の体で盾のなる。 獣を殺したのが誤算であっただろうか。しかしフィブリゾは傷つけてはいけなかったのだろう。その理由で獣を全滅させた。 > だがその骸により自分は敗れる。 これって、もしかしてセイグラムは、力を一定以上使うと自分が消耗するんですか? そしてラストのエルメキアランス。……とどめ、になるといいんですが……。 では、今日もシェーラを応援しつつ、この辺で失礼します。 |
11203 | Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを | D・S・ハイドラント | 2002/11/8 21:37:26 |
記事番号11198へのコメント >シェーラ、一生懸命考えて……(ほろり)健気ですっ! >がんばってフィブリゾと手に手を取って愛の逃避行を……あれ?何か違う(笑) でも何となく合ってるような >これって、もしかしてセイグラムは、力を一定以上使うと自分が消耗するんですか? セイグラムは自分の力を使用しないので消耗はしません。 獣を全滅させたのにシェーラには軽い傷しか与えられなかったのは気にしないでください。 まああの獣は生命力は弱いようです。 >そしてラストのエルメキアランス。……とどめ、になるといいんですが……。 そうですねえ。 >では、今日もシェーラを応援しつつ、この辺で失礼します。 はいありがとうございます。 それでは〜 |
11206 | Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを | 渚 | 2002/11/8 21:52:37 |
記事番号11187へのコメント > そうシェーラは推測していた。もし彼が彼女の思うものならば、あれで・・・。 あれ・・・・? > やるならば今。 > そう決心した。 > そして飛び出し・・・。 行けー!!がんばれー!!シェーラー!! > 「烈閃光!(エルメキア・ランス)」 > 光は巨大な1本の槍と化して、 > セイグラムを貫いた。 > 「ぐおおおおおおおおおお。」 > 精神体であろう。 > ・・・セイグラムを。 おおーー!!やったーー!!これで、やられたのかな、セイグラムは・・・・。 つらい状況でよくやったよ。 フィブリゾを『守る』という思いから勝てたのでしょうか。 それでは、さようなら。 |
11210 | Re:冥王の騎士:10章:・・・セイグラムを | D・S・ハイドラント | 2002/11/9 11:19:29 |
記事番号11206へのコメント >あれ・・・・? >> 「烈閃光!(エルメキア・ランス)」 のことです。 >行けー!!がんばれー!!シェーラー!! 応援ありがとうございます。 >おおーー!!やったーー!!これで、やられたのかな、セイグラムは・・・・。 それは次回で・・・。 >つらい状況でよくやったよ。 はい。私も負けると思いましたし(待て) >フィブリゾを『守る』という思いから勝てたのでしょうか。 やはりそうでしょうねえ。 >それでは、さようなら。 はい。さようなら〜 |
11211 | 冥王の騎士:11章:魔王の中の魔王 | D・S・ハイドラント | 2002/11/9 13:18:44 |
記事番号11107へのコメント 森に静寂は常に存在することはない、静寂はすべて不完全なものだ、だがその不完全な静寂さえそこには失われていた。 その光景は極めて混沌であった。 黒と赤が混じり合い、そして不気味な咆哮が・・・。 「ぐおおおおおおおお」 叫びは続く、だがそれが永遠でないことは明白だ、徐々に薄まりゆくそれは吼えるものの命を削りゆく。 だがそれは力を生み出した。叫びを上げているのは本人ばかりでなく、彼の腕を護る『緑のタヌキ』・・・無音で不可視の風の刃を放つ魔力を持った武器。 だがそれから来るものは不可視でも無音でもない。 具現した風が辺りに巻き起こる。 この音はそれと対峙するシェーラに聞き覚えがあった。 そのときはただの風の音と特に気にしなかったが、それはこの場に伏す獣達を倒す寸前に聞こえた風の音。 だが今のその音は以前を遥かに上回っていた。 『緑のタヌキ』が輝いている。 これは『赤いキツネ』が巨大な城1つを焼き尽くし消滅させたときを思わせる。 もしあれと同格の力があればその威力は彼女の剣の力で防げるものではないだろう。 暴走した一撃が彼女を殺す。 だがそうすれば、近くの泉のそばで倒れている彼女の主も無事でいられるか分からない。 敵もその少年の生きたままの捕獲を求めているらしいのだが、暴走した襲撃者は何を考えているかは分からない。 シェーラに愚かな彼にとどめをさすことは出来ない。精神を大きく揺さぶる烈閃槍はもう使えないし、精神体に有効な功性結界を張るにもその範囲に近づくのは渦巻く風に引き裂かれに行くようなものだ。 「ぐおおおおおおおおおおおお。」 咆哮がさらなる風を生み出す。 そして・・・。 それは形となる。すべての可視の風が一点に集まり――。 それが成した形は巨大な風の鎌であった。 それはシェーラのみを攻撃するのであろう。 愚かなるセイグラムはまだ理性を保っているのだろう。 「ぐおおおおおおおおおおおおお」 すでに狂気を撒きながらも、 そして風の鎌はシェーラへと・・・。 そしてその軌跡は閉じたシェーラの眼には映らなかった。 そしてセイグラムの開いた眼にも映ることはなかった。 そしてセイグラムの左腕の聖者の右手が突然暴発した。 「ぐおおおおおおおぉぉぉ...。」 セイグラムの叫びが消えた。 そしてその精神体が消滅していく。 精神士セイグラムはこの世界から消滅した。 ただ左腕から落ちた右手を残して・・・。 「やっ・・た。」 安堵により地に伏す、シェーラ・・・。 だが、シェーラの神経は急に活動を始めた。 そしてシェーラは気配を目指した。 そう泉の方向へと・・・。 そのシェーラの視覚はそれを把握していた。 白い髪は後に撫で付けてある、高齢で、白い髭もかなり伸びているが、その紳士風の顔立ちに似合うものであった。 だが気品がある雰囲気ながらも体には邪悪とも思える神話生物、悪魔を思わせる鎧を身に付けている。 「冥王様・・・さあ帰りましょう。」 その老人はフィブリゾを抱き上げようとしていた。 「貴様!」 シェーラの短い叫びが響く。 「はて、何の御用かのう。」 その言葉は老人的な悠長な口調でありながらどこか気品を持つ、 「フィブリゾ様に何をする!」 だがシェーラの必死の憤怒を受けたまま涼しい顔で、 「貴方様がわし等を邪魔する、愚かな騎士殿であるか。」 そう言った老人からは殺気とは違うもののそれと同質であろう気が表れる。 「くっ・・・。」 その気だけでシェーラの表情が歪むが、即座に振り払い。 問答無用で斬りかかる。 だがドゥールゴーファが切り裂いたそれはただの闇の塊であった。 「こっちじゃよ、騎士殿。」 背後からの声、 シェーラが振り向くとそこに低く宙に浮く老人の姿があった。 「わしの名はラルターク。」 当然自己紹介を仕出す。 だがシェーラはそれでも剣を止めずに飛び掛る。 だがそれも闇を切り裂いただけだった。 「実はわしはここにおらんでな。」 その声は木々の間より聞こえる。 そちらにシェーラが移動しそうになると、 「騎士殿、わしはこの区画のどこにでも現れることが出来る、そなたが近寄れば、冥王様の身が危険ではなかろうか。」 その声にシェーラは足を静止する。 「自己紹介がまだ終わってなかったのう。」 ラルタークの声は悠長なまま一度切れ、 「先ほども言ったが、わしの名はラルターク、大魔王後継者ラルタークじゃ。」 そしてその単語・・・。 かつて世界を神話上の最強の魔物、悪魔の如く暗黒に陥れた究極の獣である魔王。 その魔王の中の魔王、大魔王バナナプリン。 |
11216 | Re:冥王の騎士:11章:魔王の中の魔王 | 渚 | 2002/11/9 17:38:11 |
記事番号11211へのコメント > そしてセイグラムの左腕の聖者の右手が突然暴発した。 > 「ぐおおおおおおおぉぉぉ...。」 > セイグラムの叫びが消えた。 > そしてその精神体が消滅していく。 > 精神士セイグラムはこの世界から消滅した。 > ただ左腕から落ちた右手を残して・・・。 おおやった!暴走してて怖かったけど・・・・ > 白い髪は後に撫で付けてある、高齢で、白い髭もかなり伸びているが、その紳士風の顔立ちに似合うものであった。 > だが気品がある雰囲気ながらも体には邪悪とも思える神話生物、悪魔を思わせる鎧を身に付けている。 > 「冥王様・・・さあ帰りましょう。」 > その老人はフィブリゾを抱き上げようとしていた。 どこに帰るんだろ・・・・? > 「先ほども言ったが、わしの名はラルターク、大魔王後継者ラルタークじゃ。」 > そしてその単語・・・。 > かつて世界を神話上の最強の魔物、悪魔の如く暗黒に陥れた究極の獣である魔王。 > その魔王の中の魔王、大魔王バナナプリン。 バ、バナナプリン・・・・。もう、最高ー!!(意味不明) |
11218 | Re:冥王の騎士:11章:魔王の中の魔王 | D・S・ハイドラント | 2002/11/9 17:56:34 |
記事番号11216へのコメント >おおやった!暴走してて怖かったけど・・・・ 何とか勝てたようです。 >どこに帰るんだろ・・・・? さあ、私にも分かりません。 >バ、バナナプリン・・・・。もう、最高ー!!(意味不明) ずいぶん前から考えていた名前です。 毎回レスありがとうございます。 |
11214 | 冥王の騎士:12章:夜の闇の中に | D・S・ハイドラント | 2002/11/9 14:31:06 |
記事番号11107へのコメント 存在を否定するものもいるが、それは実在する。 いや実在したの方がいいのかも知れない。 魔王とは・・・。 魔王とは・・・実在する生物である。 魔王は滅びた。 大魔王の死によって・・・。 魔王とは獣である。 けして魔界の王者や異次元よりの侵略者などの理解不能なものではなく、自然が造り上げた究極にして最悪の獣である。 当然その世界の生物ならば、たとえ神が存在しようとそれを根絶やしにしようとはしなだろう。 そのため魔王は人間が倒す。 だがいかなる軍でも魔王1匹を滅ぼすのは困難である。 あまりの数の暴力に倒れた魔王もいるが、人の被害はなお高い。 魔王の繁殖は不明である。 創造時の絶対数を越えることがないのかも知れないが、魔王の増殖は見られない。 まあその頃は、魔王をこの世界の生物とは思う者もいなかったのだから、繁殖の調査などする者もいないし、まず危険だろう。 魔王の数は目減りしたが、それでも人の傷は重すぎた。 だがそんなときに救いの手が舞い降りた。 人々はそれを神の使いと崇めた。 そんなはずはないのだが、その男は救世主の名にも恥じぬ力を持っていた。 後に伝説となる勇者、シュー・クリーム。 シューは迫り来る魔王を剣1つで倒した。 その剣は伝説級の剣だったともただのなまくら剣だったとも伝えられている。 だがその勇者が名を上げると同時――と伝えられている――に世界にはさらなる力を持ったものが現れた。 それが大魔王バナナプリンである。 バナナプリンは悪魔の如く、無数の魔物を世界外から召喚した。 その能力は完全に謎だが、その力により、世界は再び絶望と化した。 そのとき、勇者は、大魔王を倒すために、奇跡の大神官オレンジ・ジュースと至高の大賢者フルーツ・サワーとともに旅立った。 両者ともシューとは違い、高齢だったはずだが、そこのところはあまり触れられていない。 まあとにかく大魔王は敗れたのだが、この後もあまり詳しいことは書かれていない。 ただ勇者達の子孫を名乗るものは今でも世界中に後を絶たない。 ほとんどが口先だけの大嘘つきや、雀の涙から1秒間に蒸発する水分の量くらいの素質のある努力嫌いなのだが、一部にはそれなりの腕を持つものもいるし、極稀にそれ相応の実力を持つものもいる、実際にそれを認められたものもいる。 そして―――。 酒場である。 この街ほどの規模になれば酒場は夜になる頃にはかなり賑わう。 彼のいるここもそうである。 この黄昏時には人が次々と雪崩れ込んでくる。 「親父、麦酒もう1杯だ。」 この時間にすでに飲酒を始めている男。 まだ酔いの兆しはない。 なぜか無気力な表情の彼は何となしに自分の体を覗き込む、 黒の皮鎧を改造したような服装は気に入ってないわけではないが、やはり不服だ。 (ったく、本当ならあいつの身分にいたはずなのにな。) 胸中で呟くが、けして声には出しない。 出す気にもなれない。 そして視界に入った首から掛かった悪魔のペンダントの両側面は怪しく輝いている。 (まあ、いまさらな。) そう言って顔を上げ、 「親父、新聞だ。」 まだ酒の置かれてないカウンターを見てそう吐き捨てるように言葉を放つ。 ざわめきは大きくなるが、彼は孤独に変わりない。 その賑やかな音と、隔離された別世界にいる錯覚を覚えながらも間も無くカウンターに置かれたグラスと一枚の折畳んだ紙切れを見つける。 麦酒を口に含みながら、新聞を広げると即座に視線が目的のものを探り当てる。 『勇者の末裔ヒムド、ダイナスト公の命により離反者ガーヴ候領制圧』 そんな記事だった。 それの記事に腹を立てるのを堪え、酒を飲み始める。 その記事を読み進めるとまた酒に手を出し、とそれを繰り返し、じっくりと凝視しながら読んでいく。 途中で声が掛かったかも知れないが、反応はしなかった。 世界の空から吹き出した闇が黄昏の昏き焔を飲み込み暗黒に染め尽くした頃、彼は、硬貨を置き、夜の闇の中に消えていった。 |
11217 | Re:冥王の騎士:12章:夜の闇の中に | 渚 | 2002/11/9 17:47:05 |
記事番号11214へのコメント 名前は、三時のおやつ!?おいしそうですね〜。 魔王も出てきて、さらに読みごたえがあります〜。 果てさて、新聞を読んでいる「彼」とは誰か!? 次も楽しみにしてますねー。 それでは、次ぎあう日まで。 |
11219 | Re:冥王の騎士:12章:夜の闇の中に | D・S・ハイドラント | 2002/11/9 17:58:32 |
記事番号11217へのコメント >名前は、三時のおやつ!?おいしそうですね〜。 まあそんな感じで付けました。(フルーツ・サワーは違うか) > >魔王も出てきて、さらに読みごたえがあります〜。 ありがとうございます。 >果てさて、新聞を読んでいる「彼」とは誰か!? さあ誰でしょうか? >次も楽しみにしてますねー。 はい、明日か、もしかしたら今日かも・・・。 >それでは、次ぎあう日まで。 それではまた〜 |
11223 | ポテトアップルパイが食べたい……。 | エモーション E-mail | 2002/11/9 20:00:48 |
記事番号11214へのコメント こんばんは。 バナナプリン、シュークリーム、オレンジジュース、フルーツサワー……。 なんて美味しそうな名前……。見ていたら、ら・ぽっぽのポテトアップルパイが 食べたくなりました〜(じたばた)←買いに行けよ(笑) シェーラちゃん、次々とぴーんち。しかも今度はラルターク……。 ああ、どうなるのかな、というところで場面転換……。ああ、気になる。 「彼」……もしかしてアインくん?!だって、悪魔のペンダント……。 再びアインの活躍も拝めるのでしょうか? では、続きを楽しみにしています。 |
11224 | Re:ポテトアップルパイが食べたい……。 | D・S・ハイドラント | 2002/11/9 20:06:42 |
記事番号11223へのコメント >こんばんは。 こんばんは >バナナプリン、シュークリーム、オレンジジュース、フルーツサワー……。 >なんて美味しそうな名前……。見ていたら、ら・ぽっぽのポテトアップルパイが >食べたくなりました〜(じたばた)←買いに行けよ(笑) いいですねえ。 > >シェーラちゃん、次々とぴーんち。しかも今度はラルターク……。 ラルタークですねえあれは・・・。 >ああ、どうなるのかな、というところで場面転換……。ああ、気になる。 今日は気力が残っているので、まだいけるかも知れません(オリジナル書け!) > >「彼」……もしかしてアインくん?!だって、悪魔のペンダント……。 >再びアインの活躍も拝めるのでしょうか? ばれましたか。 > >では、続きを楽しみにしています。 では〜 |
11240 | 冥王の騎士:13章:だけを破壊し尽くす | D・S・ハイドラント | 2002/11/10 14:07:35 |
記事番号11107へのコメント 「大魔王後継者?」 愕然と言うよりは呆れに近いか・・・。 「そうじゃ・・・まあ組織でそう名乗っておるだけじゃが。」 そう言うと地面から『緑のタヌキ』が吸い寄せられるようにラルタークの手に乗る。 「道具は大切に使わんとな。」 そう言うと、ラルタークはおもむろに小手をはめ、 「それにしてもセイグラムを使ったのは上の間違いではなかろうか。」 そして視線をセイグラムが消滅した方を見る。 「まあわしも肉体がないのでのう。」 そう寂しそうに呟く 「まさかあなたも!?」 驚きだが、警戒心が消えているわけではない。 「少々間違えたかの、わしは精神士などではないぞ、ここには肉体を持ったわしはいない・・・が正しいか。」 悠長だが、腹立たしいほどではない。 だが敵意を持つ彼女にとってはそれは充分に怒りを植える。 だがそれを感情のうちに堪え、 「せいしんし?」 微かに滲む怒りとともに疑問を投げる。 「肉体を捨てたもののことじゃな、西国にではよく見かけるのう。」 そう言って、シェーラの方をしばらく眺め、言葉が返らないのを確認すると、 「まあ、あれは不完全な代物じゃからな、不完全な具現化のため、干渉力も乏しい、言わば、ただの虚像に過ぎないどうしようもないやつじゃな。まあやつが滅びようと何があると言うわけでもないしな。」 セイグラムのことだろう。 よく分からない言葉もあったが、確かに目の前の老人はセイグラムを見下している、いや存在を否定してまでいる。 許せない。 ごく普通の騎士であるならば、そんな感情など持たなかっただろう。 王に主君に従うのみ敵に情けは持っても、それを感情に行動にしてはいけない。 だがシェーラは・・・。 (こんなことどうでもいいはず。) シェーラは何度もその感情を否定した。 つまらないことに過ぎないのだ。 そんなことを気にしてる場合ではない。 「全く、大事なこの小手を暴走させるとは・・・まあこれは無事じゃし、代わりはいくらでもおるからのう。」 それはシェーラの感情の奔流を煽り、 「本当に困ったのは、あの男じゃな、子の頃から育ててやったし、侯爵の座まで与えたというのに、組織を簡単に裏切りおって・・・。」 そして・・・。 「困った道具じゃった。」 その言葉によりついに感情の流出が始まった。 警戒が敵意が怒りが力となり、 「ふざけるな!」 組織『撲殺人参ソード』は敵であった。 だがそれは自分の護るものを狙う、それを阻止しようとしただけであった。 この老人の言葉が彼女に真の敵意を芽生えさせる。 (許さない。) 騎士ならば、とうに捨てたか元より持ち合わせてもいないだろう。 敵はただ敵である。 真なる敵意を持てるのは平民であるか、王だけである。 シェーラの怒りは渦を巻き、それが力となった。 ドゥールゴーファが光る。 それが渦となり、シェーラを包んだ。 この聖剣に記されているものではだろうか、だが彼女の初めて見る力、 それが結界となる。 だがそれは壁などではなく、暴走した力である。 触れた森が消滅の道を辿り、それは目標へとゆっくりと近づいた。 だがそれはすでに見えなくなった。 ラルタークはすでに消えていた。 そして老人がいた場所にあったそれ、 ――闇である。 他の何でもない。夜の闇とも違う、この世界のものではない闇。 そしてそれが膨張し、現れたそれは・・・。 ・・・まるで伝説の悪魔を想像させるそれは・・・。 血のような肌に、異様に巨大な腕、オオトカゲの肌に似ているが、そのそれより金属味を感じさせる。 頭部は人のものだがどこか獣じみており、凶暴さがあり、巨人種とは違い、2本に細身剣(レイピア)を思わせながらも太い角を持つ。 すでに絶滅した最強の獣である魔王に限りなく近い魔力を発っするそれは・・・。 かつて大魔王バナナプリンが異世界より召喚したとされる魔物。 デーモンである。 それが無数に闇から這い出てきた。 背丈も3メートルはゆうにあるそれは、出てくるなり、咆哮とともに魔力を打ち出した。 だが不思議なことにその視線も奔流する魔力ですらもシェーラ、ただ1点を狙っていた。 そして小さく収束された大爆発がシェーラだけを破壊し尽くす。 |
11247 | 冥王の騎士:14章:平穏な夜 | D・S・ハイドラント | 2002/11/10 20:05:56 |
記事番号11107へのコメント 北のダイナスト公領から王都、南のフレア候領へと続く巨大な街道の中心とも言われるこの街に眠りのときなどない。 元は小さな村だったが、山岳地帯に近く、豊富な魔力質を擁する『松茸』の大量収穫により、巨大な自治都市となった。 その娯楽が発達し、また養殖などによる『松茸』の普及により、絶対魔力質量が飛躍的に高まったため魔法使用者が急増した。 それにより魔法のみを扱う純魔道士の組織が結成され、その魔力により、国内最新の情報をどこよりも迅速に入手することが出来るし、魔道器具の普及により人々の生活は快適なものとなり、また国内外との貿易は後を絶たない。 それがこの街 ――マツタケ・シティ―― 安易な名前だが、この街の人々は『松茸』を神の如く、崇めている。 国教である三神崇拝の、サンチーンミ教に反するのだが、事実この街の純魔道士団の力はかなり強く、貴族階級ですらも簡単には手出し出来ないのだ。 (飯、食い忘れたな。) 闇と光が共存する夜の街を場違いな表情で歩く男。 (コンビニでも寄るか。) 魔道器具による調理や、運送面での無駄を抑えた仕組みの確立により、迅速に商品を供給することにより、長時間かつ年中無休で営業を続けることが出来る、夜にも便利な商店である。 ここは大通りではないので、光の量は闇に押されつつある。 だがそれが一晩中続くのだ、魔力の無駄遣いである。 この街の住人は魔道士と『松茸』に頼りすぎている。 それがいつか破滅を迎えるのではないか。 彼も考えたことは何度もあるが、すぐにそんな考えは即捨てている。 元より、この街の正式な住人でないために・・・。 幻想的でもある街に小さいながらも一際輝くその建物に誘われたように彼は向かって入った。 『松茸16』と書かれている店で、この街に20軒はあっただろう。確か開店時間は朝の7時から、夜の11時までだったはずだ。 木の扉を開けると、また明るい魔法の明かりである。 純魔道士団の開発商品である魔道灯の白い光が細かな埃までもを明白に照らす店内で、彼は棚に並べられた品物と、値段とを丹念に見比べて行く。 だが迷いはそれほどなく、時間はあまり掛からなかったようだ・・・。 「おばちゃん、これもらうぞ。」 そう言って小銭を置くと、即座に店を出た。 そして夜の街を歩き出す。 (ああ今日も寒いな。) 雪が降るにはまだ遠いが、それでも秋の夜風はけして暖かいものではない。 比較的大き目の建物が立ち並ぶ辺りに来た彼はその中の1つ――最も小さく古い建物だ――に近づいていく。 その建物の前に来ると缶コップコーヒー――鉄制のコップに蓋をしたもの――を飲み、ゴミ箱に食べ終えた半額のサンドイッチの紙袋を捨てる。 そのまま建物の外部に取り付けられた木製の階段を音を立てて上っていく。 そして外の風を浴びながら、そこにある古びたドアの前に立つ。 ポケットから滑り止めのついた筒状の金属を取り出し、ドアに付いているその筒がちょうどはまる穴に差し込む。 すると質の粗い魔道器具特有の表現不能な奇怪な音が小さく響く。 これが鍵が開いた音である。 (全く、変な音鳴らしやがって。) もうそんなことを思ったのは何回目だろう。 この街に来て、このアパートで生活するようになってから毎晩思ったのではなかろうか。 (まあ毎晩帰ってるわけじゃないが) そこでまた気力の乏しい心の呟きを発し、 そして中に入って行った。 そして入り口に先ほどのドアと同じ穴に筒を通すと白い明かりが部屋に溢れた。 (こんなことに金使いやがって!) 怒りにしては先ほどのように気力が損なわれていた。 (ボロアパートのくせに魔道器具使うな!) そうすれば、少しは出費が抑えられると毎日のように思っている。 まあ稼ぎはそれなりと言うかそれ以上にあるのだが、時と場合によりそれが減少するし、また本人の金遣いの荒さも少なからず――いや大半数――影響している。 (まあいいか。) 技能者ギルドの下請け人、アイン・オーフェンは木製の古びたベッドへと向かった。 今日は生涯でどれだけ重ねて来たか、数え切れない、いつもの夜と何も変わらない、平穏な夜だった。 |
11252 | 香り松茸、味シメジ | エモーション E-mail | 2002/11/10 21:35:49 |
記事番号11247へのコメント ちなみに我が家のカレーやシチューやグラタン、ハヤシライス、スパゲティ等には キノコ類が必ず入ります。というより、入れるのが普通だと思ってました。 基本はシメジや舞茸、平茸、椎茸。たまーにさすがに血迷ったとしか思えない榎茸……。 何でマッシュルームだけは、ごくたまにしか入らないのか不思議です。美味しいからいいけど。 エノキはちゃんと洗いましょう。ついてる胞子で食あたりします。 意味不明でごめんなさい。こんばんは。 次々と現れる敵に、ボロボロになりつつ戦うシェーラちゃんと対照的なアイン君の平穏な夜……。 マツタケ・シティ……国民総生産の高そうな国ですね。しかも文明のレベルが 現代日本とほぼ一緒でしょうか? アイン君がこのまま平穏に暮らすと思えないので、ささやかでも当たり前の幸せを 存分に楽しんでください、今後したくても出来なくなるだろうから、と思って 読んでいました。(←鬼) 何だか大変な状態になっているシェーラ、平穏に暮らしているアイン。 これからどう絡んでくるのか、楽しみです。 では、これで失礼します。 |
11255 | Re:番号順表示のタイトルで即自分のだと分かりましたよ(長・・。) | D・S・ハイドラント | 2002/11/10 21:43:51 |
記事番号11252へのコメント >ちなみに我が家のカレーやシチューやグラタン、ハヤシライス、スパゲティ等には >キノコ類が必ず入ります。というより、入れるのが普通だと思ってました。 へえでもキノコはいいですよね。 >基本はシメジや舞茸、平茸、椎茸。たまーにさすがに血迷ったとしか思えない榎茸……。 榎ですか・・・。シチューとかに・・・。 >何でマッシュルームだけは、ごくたまにしか入らないのか不思議です。美味しいからいいけど。 ハヤシとかにいいですねえ >エノキはちゃんと洗いましょう。ついてる胞子で食あたりします。 それは初耳 >意味不明でごめんなさい。こんばんは。 いえいえ。 > >次々と現れる敵に、ボロボロになりつつ戦うシェーラちゃんと対照的なアイン君の平穏な夜……。 平穏ですねえ今のところ。 >マツタケ・シティ……国民総生産の高そうな国ですね。しかも文明のレベルが >現代日本とほぼ一緒でしょうか? まあ魔法によるものですが・・・。 まあ木製のものが目立つことから金属加工などは今ひとつなのでしょうか(なぜ聞く。) 松茸の影響って凄い。 >アイン君がこのまま平穏に暮らすと思えないので、ささやかでも当たり前の幸せを >存分に楽しんでください、今後したくても出来なくなるだろうから、と思って >読んでいました。(←鬼) まあその通りでしょう。 > >何だか大変な状態になっているシェーラ、平穏に暮らしているアイン。 >これからどう絡んでくるのか、楽しみです。 早く絡ましたいけどこれまた・・・。 > >では、これで失礼します。 では〜 |
11265 | 冥王の騎士:15章:2人を見守った | D・S・ハイドラント | 2002/11/11 17:40:57 |
記事番号11247へのコメント 爆発は一瞬だった。 だがその威力は凄まじいものだった。 巨大なクレーターが出来ていたかも知れない。 だがそれは・・・消えた。 そう消えたのだ。 爆発が消滅する。 そして衝撃が辺りを揺らした。 震えるデーモン達、だがその表情は虚ろである。 森の一角が崩壊し、エネルギーの奔流がデーモン達を蹂躙する。 そして爆心から現れた影、 それはデーモン達を恐れもせず、ただ見つめつつ近寄る。 少女であった。 だが彼女から放たれる感情は怒りとも憎しみとも付かぬ、それでもそのそれと同質のものであった。 そしてそれはデーモン達を震え上がらせた。 その感情は強力なエネルギーだ。 だがそして少女の掲げた剣は瞬きよりも速くデーモンを捕らえた。 鮮血ではない。黒き闇が吹き出し、地を濡らす。 それは即座に消え去り、後にはそのデーモンの影さえ残らない。 別のデーモンが吠える。 暗黒の弾が無数に放たれる。 だがそれを難なく剣で弾く少女。 それは以前までのシェーラとは別人のようであった。 剣技の腕が違いすぎる。 彼女は国内全土でも有数の剣の使い手だった。 聖剣ドゥールゴーファを携え、王子の剣技指南役にまで抜擢された最強の魔道騎士の1人。 あの勇者の末裔ヒムドにも劣らないと噂するものもいるほどだ。 だが今の剣技は人に出来るものではない。 あの弾を一瞬で捉え、すべて打ち払ったあれは、剣技の完全型とも言える。 機械的なまでに完璧な動きだった。 そして表情も1つ変わってない。 そう全く変わらない。虚ろである。 ただ感情のみがすべてのデーモンを凍りつかせる。 それでもデーモン達は絶えず攻撃を放ち続ける。 だがそれが弾かれて消える。 すでに本能で無駄と悟りつつあるデーモン達はそれでも攻撃を止めることはない。 だが次々と目減りしていくその魔物達には恐怖が積もっていく。 悪魔の如く殺戮を続ける少女の傍らには屍すらなかった。 断末魔は常に響いている。 この世の文字では表わすことの出来ない、暗く絶望的な叫び。 そして残るのは墓標ではなく呪い。 だがそれも彼女を恐れるが如く、消え去る。 いつしか音は止んだ。 デーモンは影すらなく全滅している。 だが感情は収まらず、虚ろな容貌の少女を操るように動かす。 ◇◆◇◆ 衝撃破が走った。 それは大地を揺らす。 そして自分の体も揺れただろう。 「う・・・うん。」 振動が止まった意識をも揺らす、 「しぇーら?」 第一声は自らを護る騎士の名だった。 そして・・・。 体を起こしてみる。 黒い髪が視界を少し覆った。 髪を掻き揚げると・・・。 冷たい・・・そんな感覚が走る。 頭が少し濡れていた。 頭の向いていた泉の近くの方を地面をその小さく弱々しい手で撫でると、水分がまだ残っている。 どうやらさっきの衝撃が泉の水をここまで弾いたのだろう。 そう思ったところでその思考と止め、 「シェーラ?」 可細い声で呼びかける。 「シェーラ。」 「シェーラ!」 「シェーラ!!」 声は段々と強みを帯びていく。 だが声は届かず、変わりに視界がそれを捉えた。 森だった場所はずいぶん開けている。 木々が倒壊した区画はそれほど広くもないが、それでもこの辺りはあまりに無残だ。 泉の水が溢れ尽くしていても彼には不思議でもなかった。 そしてそれにまず驚いた。 その黒の獣の屍はすべて残っているが、どれも血が溢れ尽くしているようだ。 あまりに酷いものだが、日を見るに自分が気絶した頃以降に起こったであろう死後それほどでもないだろう。 (もしかしたら、食べられるかも) そう考えて、即座に怖い考えだと思い。心に隠す。 そして視界を上げると即座に目標が目に入る。 「シェーラ・・・。」 だが彼女からは違う存在の気配を感じた。 「シェーラ僕だよ。」 そう言ってシェーラに向かう。 だが近づくごとにその気配が強まる。 「シェーラ・・・?本当にシェーラなの?」 疑問と脅えで表情がいっぱいになる。 「シェーラ・・・。」 声は細まり、それを捉えたときは凍りつきそうだった。 牙を剥く、ドゥールゴーファ・・・。 殺戮を求める血の聖剣は彼、フィブリゾを後退りさせた。 虚ろな眼でフィブリゾを見つめながらゆっくり近づくシェーラ。 それは長く続いた。 いや、その時間を短いと言うものの方が多いのかも知れないが・・・。 フィブリゾの退路は森の残る部分の入り口の一画にある一本の巨木に阻まれた。 そしてシェーラの剣がその美貌へと・・・。 「シェーラ・・・僕だよフィブリゾだよ。」 声はむなしく響き渡る。 まるでそこに聞くもののいないように・・・。 フィブリゾはそして戸惑いと脅えに動きを封じられる。 そして剣はゆっくりと剣はフィブリゾの方へと・・・。 「・・・僕だ・・・フィブリゾだ。」 ただ可細い声だった。 だが・・・。 剣はもう来ない。 シェーラの、いや、剣の動きが止まった。 そして彼女の容貌には光が差したように、虚ろが消える。 「フィブリゾ様・・・。」 「シェーラ。」 その表情は先ほどまでと違った。明るく、そして安堵・・・。 その手から剣が落ちる。 聖剣ドゥールゴーファは音もなく砕け散った。 違う、真の力を封じられた剣、聖剣の鞘に入った魔剣・・・それはこの世界から消え去った。 そして2人は抱き合う、主君と騎士の身分も忘れて・・・。 風は優しく、時は穏やかに、2人を見守った。 |
11266 | やっと2部完(どこが)・・・というわけで中書き | D・S・ハイドラント | 2002/11/11 17:47:15 |
記事番号11265へのコメント やっと終わった〜 でも明日も休まないもんね〜 1の方の長編、手付けてないです。 休止と言う感じですが、責任もって、いずれは書きます。(他のと違って) さてとこの辺でいろんな基本設定とかを書こうかな・・・。 キャラクターについても書くかも・・・。 まあこれ後書きじゃないし 適当に終わらせよう。 それでは〜 |
11267 | ふぃぶがめちゃくちゃかわいいです…… | 陽月 | 2002/11/11 18:02:00 |
記事番号11265へのコメント > それは以前までのシェーラとは別人のようであった。 > 剣技の腕が違いすぎる。 > だが今の剣技は人に出来るものではない。 > あの弾を一瞬で捉え、すべて打ち払ったあれは、剣技の完全型とも言える。 > 機械的なまでに完璧な動きだった。 > そして表情も1つ変わってない。 > そう全く変わらない。虚ろである。 シェーラになにが起こったのでしょう……。 正気に戻ってください……。 > あの勇者の末裔ヒムドにも劣らないと噂するものもいるほどだ。 ヒムド………… (記憶の何かにひっかかった!)←RPG風に(をい) > 「う・・・うん。」 > 「しぇーら?」 うわかわいいv > そしてそれにまず驚いた。 > その黒の獣の屍はすべて残っているが、どれも血が溢れ尽くしているようだ。 > あまりに酷いものだが、日を見るに自分が気絶した頃以降に起こったであろう死後それほどでもないだろう。 > (もしかしたら、食べられるかも) 怖っ。 > そう考えて、即座に怖い考えだと思い。心に隠す。 その方がいいかと思われます。 > 「シェーラ僕だよ。」 > 「シェーラ・・・?本当にシェーラなの?」 > 疑問と脅えで表情がいっぱいになる。 > 「シェーラ・・・。」 > 「シェーラ・・・僕だよフィブリゾだよ。」 >「・・・僕だ・・・フィブリゾだ。」 > ただ可細い声だった。 うわめっちゃかわいいですよっ。 > だが・・・。 > > 剣はもう来ない。 > シェーラの、いや、剣の動きが止まった。 > そして彼女の容貌には光が差したように、虚ろが消える。 正気に戻ったんですね。 よかったです。 > そして2人は抱き合う、主君と騎士の身分も忘れて・・・。 > 風は優しく、時は穏やかに、2人を見守った。 おっとフィブシェラかっ!(待て自分) > > 感動ですねー。 なんというか……いろいろ……(←ボキャブラリーが少ない人種(仮)) では短い上に壊れた部分があるような気がひしひしとします…………。 壊れた部分はいつものことだと思ってください(待て)。 では〜 |
11269 | Re:ふぃぶがめちゃくちゃかわいいです…… | D・S・ハイドラント | 2002/11/11 18:10:46 |
記事番号11267へのコメント >シェーラになにが起こったのでしょう……。 ドゥールゴーファの暴走。 >正気に戻ってください……。 はい、いずれは >ヒムド………… >(記憶の何かにひっかかった!)←RPG風に(をい) カオティック・レジェンドで非道なアイン君に虐殺された将軍クラスの魔族。 神滅斬を防いだやつ。 >うわかわいいv そうですかありがとうございます。 >怖っ。 空腹からでしょう。 それとも冥王発動? >その方がいいかと思われます。 そうですか・・・。(本気で食わすつもりだった) >うわめっちゃかわいいですよっ。 本当にありがとうございます。 >正気に戻ったんですね。 >よかったです。 よかったですねえ。 >おっとフィブシェラかっ!(待て自分) そうです。それです。 >感動ですねー。 そうですか、いい加減な話だなあと無感動な私は思いました。 >なんというか……いろいろ……(←ボキャブラリーが少ない人種(仮)) >では短い上に壊れた部分があるような気がひしひしとします…………。 >壊れた部分はいつものことだと思ってください(待て)。 はい(思いっきり待て) > >では〜 では〜(陽月さんのレス書かねば) |
11279 | Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った | エモーション E-mail | 2002/11/11 20:45:34 |
記事番号11265へのコメント 第2部終了、お疲れさまです。 一体どうなるか、と思っていたのですが……ドゥールゴーファの暴走ですか。 剣に使われちゃってるシェーラちゃんということですね。 ……単にシェーラがマジギレしたのかとも思いましたが。 そしてフィブリゾ……プリティすぎ……。 我を忘れた王蟲……もとい、正気を失ったシェーラを元に戻すのは、やはり フィブリゾなんですね。……らぶらぶですね。でも年齢差いくつ?(笑) 第3部を楽しみにしてます。 では、これで。 |
11281 | Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った | D・S・ハイドラント | 2002/11/11 21:23:20 |
記事番号11279へのコメント >第2部終了、お疲れさまです。 ありがとうございます。 >一体どうなるか、と思っていたのですが……ドゥールゴーファの暴走ですか。 まあ暴走と言うかドゥールゴーファの本性と言うか・・・。 >剣に使われちゃってるシェーラちゃんということですね。 そうです。 >……単にシェーラがマジギレしたのかとも思いましたが。 まあマジギレがドゥールゴーファを暴走させたんですが・・・。 >そしてフィブリゾ……プリティすぎ……。 そでしたか、ありがとうございます。 >我を忘れた王蟲……もとい、正気を失ったシェーラを元に戻すのは、やはり >フィブリゾなんですね。……らぶらぶですね。でも年齢差いくつ?(笑) えっとシェーラは10代後半でフィブリゾが10代前半ですね。 > >第3部を楽しみにしてます。 > >では、これで。 はい。 さようなら〜 |
11286 | Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った | 渚 | 2002/11/11 23:16:23 |
記事番号11265へのコメント > それは以前までのシェーラとは別人のようであった。 た、確かに。すごいけど、なんだか怖いっす。 > 「シェーラ?」 > 可細い声で呼びかける。 > 「シェーラ。」 > 「シェーラ!」 > 「シェーラ!!」 > 声は段々と強みを帯びていく。 > だが声は届かず、変わりに視界がそれを捉えた。 ここら辺で、やっぱりフィブにはシェーラが・・・・って感じがしますね。 > 「シェーラ・・・?本当にシェーラなの?」 > 疑問と脅えで表情がいっぱいになる。 それほどまでに、今のシェーらって・・・・。 > そして彼女の容貌には光が差したように、虚ろが消える。 > 「フィブリゾ様・・・。」 > 「シェーラ。」 > その表情は先ほどまでと違った。明るく、そして安堵・・・。 よかった・・・・。 > そして2人は抱き合う、主君と騎士の身分も忘れて・・・。 > 風は優しく、時は穏やかに、2人を見守った。 何とか二人とも無事でよかった! でも、次にまた何かが起こるんでしょうね・・・・。 そのときも、シェーラ!フィブをしっかり守ってね! |
11295 | Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った | D・S・ハイドラント | 2002/11/12 17:49:45 |
記事番号11286へのコメント >た、確かに。すごいけど、なんだか怖いっす。 そうですねえ。 >ここら辺で、やっぱりフィブにはシェーラが・・・・って感じがしますね。 そうですねえ。(これしか言ってないよ。) >それほどまでに、今のシェーらって・・・・。 まあこの辺り自分でもよく分かりませんが・・・。 >よかった・・・・。 でも何故急に・・・意味不明だ。 >何とか二人とも無事でよかった! さすがにこんなところで終わるのは・・・。 >でも、次にまた何かが起こるんでしょうね・・・・。 さあ? >そのときも、シェーラ!フィブをしっかり守ってね! シェ:はい。 それでは〜 |
11296 | Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った | 由季まる | 2002/11/12 18:20:32 |
記事番号11265へのコメント こちらのレスではお久しぶりです。 D・S・ハイドランドさんは投稿スピードが早くて凄い!といつも思いつつ見させていただいております > 爆発は一瞬だった。 > だがその威力は凄まじいものだった。 > 巨大なクレーターが出来ていたかも知れない。 凄い爆発だったんですね…。 > だがそれは・・・消えた。 > そう消えたのだ。 > 爆発が消滅する。 何か凄い力が働いたのでしょうか… > それは以前までのシェーラとは別人のようであった。 > 剣技の腕が違いすぎる。 > 彼女は国内全土でも有数の剣の使い手だった。 > 聖剣ドゥールゴーファを携え、王子の剣技指南役にまで抜擢された最強の魔道騎士の1人。 > あの勇者の末裔ヒムドにも劣らないと噂するものもいるほどだ。 それだけでも十分凄いですって!…それ以上って…。 > だが今の剣技は人に出来るものではない。 > あの弾を一瞬で捉え、すべて打ち払ったあれは、剣技の完全型とも言える。 > 機械的なまでに完璧な動きだった。 無駄もないってわけですか… > 悪魔の如く殺戮を続ける少女の傍らには屍すらなかった。 > 断末魔は常に響いている。 > この世の文字では表わすことの出来ない、暗く絶望的な叫び。 > そして残るのは墓標ではなく呪い。 > だがそれも彼女を恐れるが如く、消え去る。 怖い…シェーラちゃん… 落ち着いて… > 振動が止まった意識をも揺らす、 > 「しぇーら?」 > 第一声は自らを護る騎士の名だった。 > そして・・・。 やはし一番近しい相手ですものね。 > 体を起こしてみる。 > 黒い髪が視界を少し覆った。 > 髪を掻き揚げると・・・。 > 冷たい・・・そんな感覚が走る。 > 頭が少し濡れていた。 > 頭の向いていた泉の近くの方を地面をその小さく弱々しい手で撫でると、水分がまだ残っている。 > どうやらさっきの衝撃が泉の水をここまで弾いたのだろう。 > そう思ったところでその思考と止め、 > 「シェーラ?」 > 可細い声で呼びかける。 > 「シェーラ。」 > 「シェーラ!」 > 「シェーラ!!」 > 声は段々と強みを帯びていく。 > だが声は届かず、変わりに視界がそれを捉えた。 うみゅ。こちらのフィブはかわいいですねぇーv 私だと最強!ふぃぶん。になっちゃいますもの(笑) > (もしかしたら、食べられるかも) > そう考えて、即座に怖い考えだと思い。心に隠す。 ううむ。やっぱし、かわうv 子供らしいとこが、かわうv(落ち着け) >「・・・僕だ・・・フィブリゾだ。」 > ただ可細い声だった。 > だが・・・。 > > 剣はもう来ない。 > シェーラの、いや、剣の動きが止まった。 > そして彼女の容貌には光が差したように、虚ろが消える。 > 「フィブリゾ様・・・。」 > 「シェーラ。」 > その表情は先ほどまでと違った。明るく、そして安堵・・・。 おお、フィブの想いが通じたんだね > 聖剣ドゥールゴーファは音もなく砕け散った。 > 違う、真の力を封じられた剣、聖剣の鞘に入った魔剣・・・それはこの世界から消え去った。 ん……!実は魔剣だったんですか…! > そして2人は抱き合う、主君と騎士の身分も忘れて・・・。 > 風は優しく、時は穏やかに、2人を見守った。 > ら、ら、らぶっだあっ! らぶぱわーだぁーっ!! うわああああいっ!(←慣れてないので壊れてます) …えーと(汗) 後半壊れたレスでどうもすみませんでした(汗) それでは! |
11300 | Re:冥王の騎士:15章:2人を見守った | D・S・ハイドラント | 2002/11/12 20:47:07 |
記事番号11296へのコメント >こちらのレスではお久しぶりです。 >D・S・ハイドランドさんは投稿スピードが早くて凄い!といつも思いつつ見させていただいております 今日は疲れましたのでお休みですが・・・。 由季まるさんの作品を読むのも明日以降になると思います。 >何か凄い力が働いたのでしょうか… デーモンの攻撃です。 >それだけでも十分凄いですって!…それ以上って…。 充分凄いですそれだと・・・。 でも噂なので・・・。 >無駄もないってわけですか… そうですね・・・。 >怖い…シェーラちゃん… >落ち着いて… 本当に別人ですからねえ。 >やはし一番近しい相手ですものね。 そうですね。 >うみゅ。こちらのフィブはかわいいですねぇーv ですね。 >私だと最強!ふぃぶん。になっちゃいますもの(笑) まあ最強ですし・・・。 >ううむ。やっぱし、かわうv >子供らしいとこが、かわうv(落ち着け) まあこの設定では魔族じゃないですし >おお、フィブの想いが通じたんだね ですね。 ・・・この辺むちゃくちゃだ。 >ん……!実は魔剣だったんですか…! そうです。 シェーラが気付いていたかどうかは私にも分かりません。 >ら、ら、らぶっだあっ! >らぶぱわーだぁーっ!! >うわああああいっ!(←慣れてないので壊れてます) >…えーと(汗) >後半壊れたレスでどうもすみませんでした(汗) 大丈夫ですか・・・。 それでは〜 |
11285 | Re:冥王の騎士:14章:平穏な夜 | 渚 | 2002/11/11 23:09:07 |
記事番号11247へのコメント > ――マツタケ・シティ―― > 安易な名前だが、この街の人々は『松茸』を神の如く、崇めている。 松茸が・・・・神っすか。確かに高価だしね! > 「おばちゃん、これもらうぞ。」 > そう言って小銭を置くと、即座に店を出た。 なんだか、ひと昔の店って感じですね。 いや、でも今でもこんなやり取りの店あるかな。 ほうほう、これからが楽しみですね。 おおっと、もう次は入ってるんだった。 |
11294 | Re:冥王の騎士:14章:平穏な夜 | D・S・ハイドラント | 2002/11/12 17:45:27 |
記事番号11285へのコメント >松茸が・・・・神っすか。確かに高価だしね! そうですからねえ >なんだか、ひと昔の店って感じですね。 >いや、でも今でもこんなやり取りの店あるかな。 ひと昔というか思いっきり昔(?)の話ですけど・・・。 > >ほうほう、これからが楽しみですね。 >おおっと、もう次は入ってるんだった。 レスありがとうございます。 それでは〜 |