◆−獣王がゼラスを創った理由その2−出会い―−華鏡累 (2002/11/8 23:30:10) No.11208


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11208獣王がゼラスを創った理由その2−出会い―華鏡累 2002/11/8 23:30:10



「・・・・・ここは?」
ゼラスは、目覚めてすぐ天井を見て近くにいた少年にそう聞いた。
少年は、
「あっ、目覚めたんだ。大丈夫?
 ・・・・・っと・・・名前は?」
「ゼラス・メタりオム。」
「そう、いい名前だね。
 僕は、ゼロス・ティタ―ン。ゼロって呼んで。」
「こらっ。」
「あっ。ニケ姉ちゃん。」
「母さんが呼んでいたわよ。」
とニケが、後ろから言うとゼロは、下へ降りていった。
「ここは?」
再度ゼラスが尋ねる。
「ここ?
 リルケの村よ。」
ゼラスは、身を起こそうとする。
「あっ、起き上がらないで。」
ゼラスは、ニケの制止を振りきり起き上がろうとする。

ズキッ

「くっ・・・・。」
ベッドから落ちた足の包帯が紅く染まる・・・。
「動かないで。」
ニケが、傷口に手を当てると手から淡い緑色の光が、発せられて傷がふさがった。
「痛みは?」
「ない。」
「そう。でも、1ヶ月は、安静よ。」
「急ぎの旅だ。
 あと二ヶ月ほどで、町に戻らねばならない。」
本当は、精神界に帰る日。
ニケは、そう聞くとホンワリと弟を諭す姉のような口調で、
「でも、歩けるまでに1ヶ月。
 リハビリに、3ヶ月。
 それに、あと2週間後には、雪に閉ざされてしまいますし。
 どうします?・・・・獣王・ゼラス・メタりオム様?」
「貴様、神族か?」
「いいえ、私は、『デビルハーフチャイルド(魔の落とし子)」
『デビル〜』は、魔族と人の間に生まれたこの総称である。
「まぁ、父さんが、昔ゼラスさんとこのイクスさんの部下だったから。
 カマ掛けてみたのよ。」
「なるほどクエスの子か。」
曾孫と曾祖母の対面だった。





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全十話ぐらいです。
皆様ありがとうございます。