◆−新しい話の予告。−海月    水 (2002/11/14 00:32:31) No.11338
 ┣Re:新しい話の予告。−渚 (2002/11/14 07:33:12) No.11340
 ┃┗こちらこそはじめまして。−海月    水 (2002/11/15 02:34:31) No.11371
 ┣crystal〜プロローグ〜−海月    水 (2002/11/15 02:49:54) No.11373
 ┃┣Re:crystal〜プロローグ〜−渚 (2002/11/15 07:51:20) No.11374
 ┃┃┗まぁ、これはいつものことですね(笑−海月    水 (2002/11/16 03:33:14) No.11400
 ┃┗はじめまして−空の蒼 (2002/11/16 10:19:48) No.11403
 ┃ ┗はい、はじめまして^^−海月    水 (2002/11/16 22:04:45) No.11426
 ┗crystal〜1〜−海月    水 (2002/11/16 22:17:33) No.11427
  ┗Re:crystal〜1〜−渚 (2002/11/16 23:42:47) No.11428
   ┗レスがおそくなりましたっ(><;;;;−海月    水 (2002/11/20 01:37:04) No.11521


トップに戻る
11338新しい話の予告。海月 水 2002/11/14 00:32:31


こんばんわ。暫くぶりです。
今回は新しい話、題名は「crystal」。
予告だけ書きにきたので、私はひとまず先に退散を(早
すいません。なにぶんにもやれる時間が少ないもので^^;;




「crystal」


──遺跡荒らし現れるッ!
迅速に行動し、荒らしを捕まえた者には金一封を授ける──

突如沿岸諸国連合国の遺跡を荒らしはじめた者。

「随分と話が外れたけど、狙われてるのは暴かれてない遺跡ばかり。次々とウィディッド・シティの近くから遺跡がどんどんと荒らされてる。で、一番最初にここにチラシが来たわけ。
多分、次に狙われるのは──ライトス遺跡よ」
「なんでそう思うんですか?」
「乙女の勘」

遺跡荒らしの退治にリナ達も乗り出した。

「ここがクリスタルの安置場所…?」

「ここにあったクリスタル。出して」

──くすくす…

「彼女の正体は───
秘密です♪」

「ところでクリスタルって何度か聞きましたが、世界を滅ぼすほどの力を持っているですか? このクリスタルが…」

意外なところで手にはいるクリスタル。



───遺跡荒らしは進行!
誰か止めれる勇者を求む───

徐々に被害が増していく。依然、荒らしは捕まらない。

「…何か用?」

「クリスタルは魔法の攻撃に強い。焼き払っても無事な場所、そこにクリスタルは存在する。だから、簡単に見つけられる。流石は世界を破壊させるほどの力を持つクリスタル…」

荒らしは街に現れる。

「大丈夫…私が行かなきゃ人間はエルフの村に入れません」

場をエルフの村へと移した。

「戻ってきましたわ。掟を破ったことは反省してます。ですけど、今はこれしかないっ!
長老様、私の家を見せて下さい。中に全ての研究資料が詰まってます。どうしても必要なんですわ…」
「皆よ…、この者達を村から追い出すのだ」

「…テロでも起す気か…」
「ゼルガディスさん、大丈夫ですかっっ!??」
老朽化した邸はゼルガディスには辛いか。

「このオリハルコンの文献、貰ってもいいっ??」
全くもって目的を忘れる一行。
こんなんで本当に大丈夫なのか?

「残念ですわね。これはもうただの石ですわ」
「………ッ!」
全てがクリスタルに始まりクリスタルに終わる。

一行を待ち受けるクリスタルの謎とは?
クリスタルを集める少女とは。
全てが解ける時、破滅の時が訪れる──。


トップに戻る
11340Re:新しい話の予告。2002/11/14 07:33:12
記事番号11338へのコメント

はじめまして、渚と申します〜。

面白かったです〜。
一体クリスタルとは何だ!
予告でもう盛り上がっています。
それでは、次回、楽しみにしてますね。

トップに戻る
11371こちらこそはじめまして。海月 水 2002/11/15 02:34:31
記事番号11340へのコメント


>はじめまして、渚と申します〜。
こちらこそはじめまして。海月 水と申します。以後、お見知りおきを。

>面白かったです〜。
>一体クリスタルとは何だ!
>予告でもう盛り上がっています。
>それでは、次回、楽しみにしてますね。
ありがとうございます。
全部で何話になるかわかりませんが、がんばりまーす。
とりあえず、今日、一話投稿。
カメのようにのろぃ〜鈍いものですが、どーぞ、よろしくおねがいします(ぺこ

トップに戻る
11373crystal〜プロローグ〜海月 水 2002/11/15 02:49:54
記事番号11338へのコメント

こんばんわです。
crystalをお届けにまいりましたー(宅配便?
前書きをずーっとしても面白味がないんで、どうぞ、すぐに話へと直行で。






『気分はどうだ?』
と、闇は小さな闇に訊ねる。
「少し…動き難い…。体が…重い…痛い」
苦痛の滲んだ声でゆっくりと呟く。
言葉を呟くのでさえ辛いのか、うっと苦しむように声を上げる。
「一体なにが…私は…何が…起こった…の…?」
混乱しているのか言葉がまとまらないが、闇はなにを言おうとしているのか分かったのか口を開いた。
『精神力の大きさが器に付いていないだけ』
「器…? 精神力…」
頭を捻るような言葉を口に出す。
『お前の器は創られた物。その小さな器では強大すぎる精神力は一度に入りきらなかった。暫く待てば体は軽くなる。辛抱だ』
ずばり、と言われ反論しようと目論むが極度な激痛が走り小さな闇は倒れ込む。
『無理はしないことだ』
闇は呟いて消え去った。




光は闇を呼ぶモノ。

闇は光を。光は闇を侵食する。

侵食された者は精神を破壊されただの木偶の坊と化す。

彼等はあるべき場所でしか生きられない。

侵食されては死ぬことと同じ。

例外があるとすればどちらにも属さない者。

仲間を増やそうと光、闇の手が伸びるだろう。

捕まればどうなる?

精神を侵食され属する者になってしまうのだろう。

そこから生の為だけの足掻きが始める。

そしてどれだけ勇敢に死を迎えられるか考える。

束縛から逃れるように。







──遺跡荒らし現れるッ!
迅速に行動し、荒らしを捕まえた者には金一封を授ける──

ソニアシティ魔道士協会から送られてくる掲示板用のビラにはそう大きな文字で書いてあった。
「というわけよ。どうせ目的地もないことだし、遺跡に行けばゼルガディスの欲しがるものがあるかもしれない。
どう? やってみる気ない??」
バンッ! とテーブルに叩きつけるようにビラを置き、リーダー格であるリナ=インバースは告げた。
ここはウィディッド。ラルディークと沿岸諸国連合の出入り口の役目を果している街だ。
パーティー内で唯一家事全般が得意で趣味が実験というちょっと危ないエルフの正体を知ってから2、3日月日が流れたばかりだった。
「目的は金一封か…」
ぽつりと悟ったように言い放つ剣士、ガウリイ=ガブリエフ。
「五月蝿いわねっ! あたし達の路銀が底を付きかけてるのよ! なにか仕事をしないとなくなっちゃうわ。
それにここの辺りは警備隊が多すぎるせいか盗賊はいないし…」
「盗賊イジメか。あれだけやっていてよく飽きないものだな」
呆れ顔で呟く白づくめの魔剣士ゼルガディス=グレイワーズ。
「そう簡単に止められるモノじゃないわよ。盗賊イジメ(あれ)は」
「そうですよっ! 罪無き者達から金品を奪い悪逆の限りを尽す者達。然るべき罰が与えられたとしても文句は出ません! それどころか、この地に悪が少なくなる…良いことではないですか!」
ここぞとばかりに正義の心を広めようと立ち上がる熱血姫アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン。
だが、立ち上がった途端、最近一行に加わったエルフの射手のルナティック=シャドゥールが持つ聖弓無敵の月(インシビルムーン)でアメリアは頭を叩かれた。といっても威力はそんなになく、コツンと音がしただけ。
「周りの目線が集ることをするのは止めて下さいませ…」
ここ2、3日彼女(彼?)のこの街での評判はすこぶる悪い。愛想が良かった筈の街の人々は、ルナが男性だと判ってから冷たくあしらっている。流石に涙を見せたりすると動揺するが態度はあまり変らない。もはや精神の限界まで達しているようだ。
アメリアは渋々座った。
「リナ、私もその話乗りますわ。これ以上ここにいるのはゴメンです」
「よしっ。1名確保。ガウリイは…まともな返事が出来ないからいいとして、ゼルとアメリアはどうする?」
「……疎外されてる……」
涙混じりの声で誰にも聞こえないような声で呟く。彼にツッコミを入れる者など誰もいなく、話は続いていく。
「良いですよ。ゼルガディスさんはどうします?」
「俺は……」
暫く考え込み、
「少しの間別行動させてくれないか?」
皆を動揺させる言葉を口にした。
だが、何を言っても捻じ曲げることはない。それを全員判っているからこそ、深いため息を吐いてリナが全員を代表するように口を開いた。
「分かったわ。だけど、一人だとなにをするか判らないからシャドゥールを1匹連れてきなさいな」

『は?』

言葉の意味が飲み込めなかったのか、ゼルガディスとルナが間抜けな声を上げた。いや、実際には『なんでこんな奴と』という意味合いが込められていた。
「ゼルは無茶をし過ぎなのよ。だから番犬としてルナを連れて行けと───」
「私、番犬じゃありませんわ」
「こんな番犬いらん」
話の腰を折るようにして2人が同時に声をあげる。だが、同時に口を開き違う言葉を言っているので多少は聞き取り難い。
「アメリアをと言いたかったんだけど、人数が多い方が良いし、アメリアはルナよりも力が強いから♪」
連れて行くガウリイとアメリアをどんな役目として使うのか。簡単だった。単なる荷物持ちに他ならない。
荒らしを捕まえ、同時に遺跡の中に眠っているお宝を根こそぎ取ってくるというのがリナの頭の中で計画として張り巡らされている。
「それに、さっき言ったようにゼルは無茶のし過ぎ。止める人がいないと大変なことになるわ」
ピシャリと言い放たれゼルガディスは絶句し……はぁ。とため息を漏らした。
「分かった連れて行こう。平行線の会話をしていると時間の無駄だ」
「ちょっと、私の意見も聞かず勝手に進めないで下さいませっ!!
私は───」
「実験の爆発…」
ぎくっとルナは肩を震わす。
「宿屋への弁償代、誰が払ってあげたか覚えてる〜〜?」
うっと呷く。
ルナはここに来てから三度、宿を破壊しそうなほどの爆発をさせている。色々な街で買ってきた魔道の道具(マジック・アイテム)を使っての実験だったらしいが、全部失敗し何人もの人に被害を与えていた。
人々がルナに冷たく当たる点はこちらにもある筈だ。
行きたくなければ行かせるように仕向ければいい。リナは修理費として差し引かれた路銀をだしとして使ったのだ。
「分かりましたわ! 行きますわ。それでいいでしょうっ!?」
先程のアメリアの口上よりも大きな声で、もう悲鳴に近い声で叫んだ。それほどまでリナに逆らうのが怖くなったのだろう。これは懸命な判断といえた。
「オーケー。じゃあ、ゼルは任せたわ」
「はぁ…。任されましたわ…」
ここで肯定しないとどうなるか判らない。涙が出そうになるのを堪え、ルナは渋々答えた。
これで話は終了…という所に安らかな寝息が4人の耳に入ってきた。勿論、こんな話をしている時に寝るものはたった一人しかいない。リナはどこかから取り出したハリセンを構え───
「とっとと起きんかいっ!」

ばしぃぃぃぃぃんんっっっっ!!!

「アレ? もう話は済んだのか??」
「済んだのかじゃないわよっ!!
大事な話してるときに寝るなんてあるかーっ!!」

すぱぁぁぁぁぁぁんんっっっ!!

景気のいい音が響き渡った。
同時に爆発魔であるルナが与えた街の人への恐怖と今のリナのハリセンアタックに対する怖さで殆どの人はテーブルに代金を置き逃げるように帰っていった。
だが、それさえも気付いていないのか2人の夫婦漫才は進行していく。こうなってしまえば無闇に間に入って余計なダメージを食らいに行くというものは3人の中にはいない。
「なにするんだよ! リナッ!!」
「ホント何考えてるのよ!」
「お前さんの後に付いていけば問題無いだろ?」
器用なウインクをし、リナを赤面させた。
そして話を逸らすようにしてルナに問い掛けた。
「…ところでシャドゥール、爆発させてまでなにを創ってるのよ」
「爆発させるのは錬金術師の日常的なことですわ」
「いや、なにを創ってたか聞いてるんだけど…」
「矢張り錬金術師はアトリエで生計を立てていた方がいいのかしら?
そういえば、歴代の錬金術師って名前に伸ばし棒が付いてますわよね? じゃあ、私もルナーのアトリエとかにしないといけないのかもしれませんわ」
「ちょっと、何の話!?」
「ほら、○リーや○リーや○リー、○○ディー───」
「異世界の話を持ち込むなーっっ!!」

すぱぁぁぁぁぁぁんんっっっ!!

「なんの話をしてるんだ…」
付いてこれないのか、呆然と呟くゼルガディス。アメリアとガウリイはぼーっとしながら虚空を見つめている。
「気にしないで! ところで、本当になんの実験をしてたわけ?」
「人工生命体(ホムンクルス)ですわ」
はぁ。と呆れた顔になり、
「あのねぇ、その辺にも転がってるでしょう? なんでわざわざ───」
「あんなコピー生命体じゃない。一から創り上げる方の生命体。何も無い所から命を吹込んで動かすの。
キチンと知能も備え、学んでいけるような…」
ごくりと唾を飲む音が間近で聞こえた気がした。
本当にそんな事が出来るのか? 出来るとしてもどうやって命を吹込むのか?
コピーホムンクルスなど誰かが動かさなければなにも機能しない木偶の坊と同じ。代わりに命を吹込み自我を持たせ動かそうとしているのがルナの考えだ。
「そんなことが可能なのか…?」
「…理論上は」
言い切り、言葉を区切った。静かなる沈黙と痛々しい視線が刺さり続ける。先程逃げていった街の人達が入り口から見学しているのだ。
それさえも気にせず、ルナはゆっくりと紅茶を口に運ぶ。
「なぁ」
唐突にガウリイが口を開く。
「れんきんじゅつしとかほむんくるすってなんだ?」

ぶっ。

「ぅわっ! ちょっといきなり紅茶吹き出さないでよっ!!」
「ガウリイさんの発言はいつものことじゃないですか。ルナさんだって十分分かってる筈じゃないですか」
布巾で口元をぬぐいつつ、フォローするアメリアの言葉に耳を傾けたがどうも説明しなければ気が済まない。
いつものことだと判っているがそれで片付けるとプライドが心底傷付く気がして構わず口を開いた。
「いいですの? 錬金術師っていうのは、なにもないところから有を…つまりなにかを作る職業。それが私の本職ですわ。そして、人工生命体(ホムンクルス)は簡単に言えば動かない人形に命が吹込まれたものだと考えるのが妥当ですわね」
我ながらいい説明の仕方ですわね。
うんうんっと腕を組み頷く。
「そのれんきんじゅつしっていうのが本職なのか。オレはてっきり狩人かと思ってたぞ」

ずがしゃぁっっ!

テーブルに頭から突っ込む。余程そんな答えが返ってくるとは想像していなかったのだろう。ぴくぴくと痙攣するだけで頭を起こす気配すらない。
「どこの世界に狩りだけで生活するエルフがいるんですか…」
「その生活だと、いつか滅ぶぞ」
「ガウリイになにを突っ込んでも無駄よ」
ツッコミもリナの一言で2人は沈黙した。
「いやぁ、照れるなぁ」
「誉めとらんわーっ!!」

すぱぁぁぁぁぁぁんっっっ!

本日、話し合いだけで使われた4回目のハリセン攻撃でガウリイはテーブルにぷっつぶしたまま動かなくなった。
「なんだか、疲れましたわ…」
まだ頭を上げる気力がないのか、ガウリイと同じようにぷっつぶしたまま弱々しい声で呟くルナ。
「そぉね…。まだお日様も高い時間帯じゃないのに…なんでこんなに疲労しなくちゃいけないのよ…」
「ルナ、俺はもう行くが付いてくるなら早く支度をしろ」
「もーすこしぃ後の時間にしませんのぉ…?」
まだ元気があるぞ、状態で立ち上がったゼルガディスをようやく頭を起こすほどの気力が溜まったか、ルナが顔を上げ、ゼルガディスの顔を見ながら心底疲れたような声を上げた。
「可能な限り時間は無駄に出来ん」
「分かりましたわ」
キッと左右色が違う瞳に光を灯し───
「すいませんー、モーニングティをもう一杯下さい」

どががっっ!

にっこにこ顔でオーダーを頼むと同時にゼルガディスはその場に崩れ落ちた。
「なにを考えてるんだっ!」
「ンなヒステリー声を出すと声が枯れますわよ?
それに、紅茶は私の気力の元ですわ。一杯ぐらい許してくれても良いでしょうに」
「まぁ、一杯ぐらいなら。だが、早くしろ」
強気な言葉にルナはにやりと怖い笑みを浮かべて腕を組んだ。
「早くしろ、は私の台詞ですわ。
言っておきますけど、私の荷物は全部整っています。
あ、ありがとうございます」
紅茶を持ってきてくれたウエイトレスさんにお礼を良い、一口含む。
「なるべく荷物から出さないように、そしてしまう時はすぐに荷物の中に入れてます。
つまりは、私はいつ、どんな状況下でも用意は出来ているということですわ」
ふふんっと優位に立ったように不敵な笑みを浮かべ、数秒睨み合う。先に視線を逸らしたのはゼルガディスだった。
「…済ませてくる」
ゆっくりとした足取りで部屋へと向っていく姿は、なにも言わないでくれ。というオーラが渦巻き声を掛けたくも掛けれない。しかたなく、アメリアはルナへと話し掛けた。
「すっごく整理整頓が得意なんですね」
「まぁ、家事全般は。掃除とかも好きですわ」
「主夫…」
ぴくりとルナの眉が跳ねる。
「主婦…良い響きですわ…」
完全に言葉を取り間違い、妄想の世界へと足を踏み入れた。
このままこちらの世界に引き戻すよりは置いておいた方がいいと判断し、リナは完全に無視してテーブルに置いたビラを指差した。
「随分と話が外れたけど、狙われてるのは暴かれてない遺跡ばかり。次々とウィディッド・シティの近くから遺跡がどんどんと荒らされてる。で、一番最初にここにチラシが来たわけ。
多分、次に狙われるのは──ライトス遺跡よ」
「なんでそう思うんですか?」
「乙女の勘」
疑問に対し、キッパリとサッパリと答えたが、はぁっとため息を吐き、
「冗談よ。
この調子でいけばここしか考えられないの。それに、最近見つかったばかりだから中にあるお宝もざっくりある筈よッ!」
「そっちが本音か?」
ぽろっと漏れた本音にいちいちツッコミを入れてくるガウリイ。額に汗が浮かび、それでも平静を装い答えた。
「そんなわけないわよ。目的は、キチンと遺跡荒らしを捕まえることよ」
ガッツポーズを取り、気合を入れる。
「少し休んだら出発するわ。荒らしに遅れを取るわけにはいかないもの」
「分かりました。じゃあ、私、荷物をまとめてきますね」
にこにことやわらかな笑みを浮かべアメリアは上の部屋へと戻っていく。
「さて、あたし達も準備するわよ。ガウリイ!」
今だのほほんっとしているガウリイを無理矢理引きずり、階段の段差で痛い痛い!と叫んでいるにも気にせず引っ張り続け上へと消えていった。だが、上で口論する声が聞こえていることから準備よりも喧嘩に勤しんでいるのだろう。
ルナなどはなんの音も聞こえてないのだろうか? 現実に返ってきても紅茶を飲むためだけに集中している。
一種の現実逃避とも言うだろう…。
そして、まとめられた荷物はルナの膝の上に置いてある。既にどこかへと旅立つつもりだったのか。
「ライトス遺跡…」
ふと、リナが言っていた言葉を思い出し、口にする。
「この遺跡荒らしの目的は一体なに?
あのリナのようにお宝を探すだけの目的なら荒らしなんてする必要はないですわよね…?」
うーんっと真剣に考え込む。答えは見つからないようで、腕を組んだまま3分以上同じ体勢で居た。
少し疲れたのか体勢を変えると、トタトタと階段を降りてくる音が聞こえてハッと我に返った。
「行くぞ、ルナ」
「分かりましたわ」
代金をテーブルの上に乗せ、小さなリュックを背負ってルナはゼルガディスの後を追っていった。

これから壮大な奪い合いが起こる───かもしれない。





ギャグも交えてのつもりが、ギャグばっか(汗
まぁいいか(楽天家(ぇ
では、この辺りで。やっぱり時間がないものですので(爆
また今度です。


トップに戻る
11374Re:crystal〜プロローグ〜2002/11/15 07:51:20
記事番号11373へのコメント

>こんばんわです。
今は一様朝なので、おはようございます。

>『気分はどうだ?』
> と、闇は小さな闇に訊ねる。
闇・・・・誰だろう・・・・。

>「目的は金一封か…」
> ぽつりと悟ったように言い放つ剣士、ガウリイ=ガブリエフ。
>「五月蝿いわねっ! あたし達の路銀が底を付きかけてるのよ! なにか仕事をしないとなくなっちゃうわ。
珍しい!リナがお金がないなんて・・・・。

> ここ2、3日彼女(彼?)のこの街での評判はすこぶる悪い。愛想が良かった筈の街の人々は、ルナが男性だと判ってから冷たくあしらっている。流石に涙を見せたりすると動揺するが態度はあまり変らない。もはや精神の限界まで達しているようだ。
かわいそーに・・・・。

>「……疎外されてる……」
> 涙混じりの声で誰にも聞こえないような声で呟く。
まーまー、いつものことなんだから(笑)

> ルナはここに来てから三度、宿を破壊しそうなほどの爆発をさせている。色々な街で買ってきた魔道の道具(マジック・アイテム)を使っての実験だったらしいが、全部失敗し何人もの人に被害を与えていた。
> 人々がルナに冷たく当たる点はこちらにもある筈だ。
そりゃ、変な目で見られるかも、ね・・・・。

>それほどまでリナに逆らうのが怖くなったのだろう。これは懸命な判断といえた。
リナに逆らうなんて、死ぬ覚悟がなくちゃね(笑)

>「…ところでシャドゥール、爆発させてまでなにを創ってるのよ」
>「爆発させるのは錬金術師の日常的なことですわ」
答えになってないぞ。

> 本日、話し合いだけで使われた4回目のハリセン攻撃でガウリイはテーブルにぷっつぶしたまま動かなくなった。
ハリセンで気絶・・・。なさけないぞ。

> ふふんっと優位に立ったように不敵な笑みを浮かべ、数秒睨み合う。先に視線を逸らしたのはゼルガディスだった。
>「…済ませてくる」
> ゆっくりとした足取りで部屋へと向っていく姿は、なにも言わないでくれ。というオーラが渦巻き声を掛けたくも掛けれない。
ゼルの負けだね。

>「そっちが本音か?」
> ぽろっと漏れた本音にいちいちツッコミを入れてくるガウリイ。額に汗が浮かび、それでも平静を装い答えた。
いつの間に復活してんだ?

> これから壮大な奪い合いが起こる───かもしれない。
>また今度です。
面白かったです!
壮大な奪い合い、結末はやはり骨折り損のくたびれもうけ!?か
では、またご縁がありましたら。

トップに戻る
11400まぁ、これはいつものことですね(笑海月 水 2002/11/16 03:33:14
記事番号11374へのコメント


>>こんばんわです。
>今は一様朝なので、おはようございます。
えーと、今は夜中の3時・・・。だから、こんばんわですね。

>>『気分はどうだ?』
>> と、闇は小さな闇に訊ねる。
>闇・・・・誰だろう・・・・。
ふっふっふ(誰
闇とは勿論あの人(判らないって

>>「目的は金一封か…」
>> ぽつりと悟ったように言い放つ剣士、ガウリイ=ガブリエフ。
>>「五月蝿いわねっ! あたし達の路銀が底を付きかけてるのよ! なにか仕事をしないとなくなっちゃうわ。
>珍しい!リナがお金がないなんて・・・・。
国境の、しかも馬車で人を運ぶ仕事をしているところだから、警備が強化されてるんでしょう(ぇ

だから、盗賊がすくなくて、お金が減っていった。ということだろうと思います。


>> ここ2、3日彼女(彼?)のこの街での評判はすこぶる悪い。愛想が良かった筈の街の人々は、ルナが男性だと判ってから冷たくあしらっている。流石に涙を見せたりすると動揺するが態度はあまり変らない。もはや精神の限界まで達しているようだ。
>かわいそーに・・・・。
でも、キレなかったのは奇跡に近いですね。キレたら、もう誰にも手にはおえません(爆

>>「……疎外されてる……」
>> 涙混じりの声で誰にも聞こえないような声で呟く。
>まーまー、いつものことなんだから(笑)
まぁ、これはいつものことですね(笑

>> ルナはここに来てから三度、宿を破壊しそうなほどの爆発をさせている。色々な街で買ってきた魔道の道具(マジック・アイテム)を使っての実験だったらしいが、全部失敗し何人もの人に被害を与えていた。
>> 人々がルナに冷たく当たる点はこちらにもある筈だ。
>そりゃ、変な目で見られるかも、ね・・・・。
彼女にいたっては平然と「錬金術には失敗は付き物ですわ」ですから。少しはそこに問題点があることを自覚した方がいいと私は思います。まぁ、よこから、「どこに問題点があるんですのー!?」と叫んでるのは無視と(ぇ


>>それほどまでリナに逆らうのが怖くなったのだろう。これは懸命な判断といえた。
>リナに逆らうなんて、死ぬ覚悟がなくちゃね(笑)
あぁ、それは言えてる(笑
リナさんってば───(以下、音声不通(ぇ

>>「…ところでシャドゥール、爆発させてまでなにを創ってるのよ」
>>「爆発させるのは錬金術師の日常的なことですわ」
>答えになってないぞ。
(笑)確かに、答えになってないわ。ルナ。

>> 本日、話し合いだけで使われた4回目のハリセン攻撃でガウリイはテーブルにぷっつぶしたまま動かなくなった。
>ハリセンで気絶・・・。なさけないぞ。
まぁ、いつものことですから(2回目(笑


>> ふふんっと優位に立ったように不敵な笑みを浮かべ、数秒睨み合う。先に視線を逸らしたのはゼルガディスだった。
>>「…済ませてくる」
>> ゆっくりとした足取りで部屋へと向っていく姿は、なにも言わないでくれ。というオーラが渦巻き声を掛けたくも掛けれない。
>ゼルの負けだね。
あの家事全般が大好きな主夫には、片付けや掃除で勝てるものは一行にはいないでしょうね。
一体、なんで、家事全般が趣味なのかは不明^^;

>>「そっちが本音か?」
>> ぽろっと漏れた本音にいちいちツッコミを入れてくるガウリイ。額に汗が浮かび、それでも平静を装い答えた。
>いつの間に復活してんだ?
さぁ・・・。ホントは気絶してなかったのかもしれないw


>> これから壮大な奪い合いが起こる───かもしれない。
>>また今度です。
>面白かったです!
>壮大な奪い合い、結末はやはり骨折り損のくたびれもうけ!?か
>では、またご縁がありましたら。
ありがとうございましたー。くたびれ儲けになるかなー?(最後を殆ど考えてない人(爆)
まだまだ頑張っていきます。ちょっと、1話目は遅れそうですが。
では、これにてー(水は逃走した(は?


トップに戻る
11403はじめまして空の蒼 2002/11/16 10:19:48
記事番号11373へのコメント

こんにちは、そして初めまして。
空の蒼という者です。

海月 水さんの「crystal」読ませて頂ました。
短いですが、感想を述べさせて頂たいと思います。

面白かったです♪

・・・短っ!?っていうか一言だし・・・。
すいません〜;
私自分の思った事を文にするのが苦手なのです(汗)

でもこんなのじゃ流石にダメダメな気がするので、頑張って文にする努力をします。
え〜と・・・。
予告がとてもカッコよかったので、どんなかな〜とか思って読ませて頂いたのですが、なんか本格的っぽい始まり方で凄いです。
いつもの四人組+謎っぽいキャラ。
そして意味ありげに始めにチラッと交わされていた会話。
王道(?)っぽくて先が気になる要素がてんこ盛りです。

続きを楽しみにしております〜♪
それでは短いですが、この辺で失礼させていただきます。

トップに戻る
11426はい、はじめまして^^海月 水 2002/11/16 22:04:45
記事番号11403へのコメント


>こんにちは、そして初めまして。
>空の蒼という者です。
こちらこそ、はじめまして。水と申します。

>海月 水さんの「crystal」読ませて頂ました。
>短いですが、感想を述べさせて頂たいと思います。
>
>面白かったです♪
>
>・・・短っ!?っていうか一言だし・・・。
>すいません〜;
>私自分の思った事を文にするのが苦手なのです(汗)
いえ、ありがとうございます。名前は長いでしょうし、水で結構ですよ。空の蒼さん。
思ったことを文にするのって難しいですよね。私も苦手なんで、よく分かります(−−;


>でもこんなのじゃ流石にダメダメな気がするので、頑張って文にする努力をします。
>え〜と・・・。
>予告がとてもカッコよかったので、どんなかな〜とか思って読ませて頂いたのですが、なんか本格的っぽい始まり方で凄いです。
>いつもの四人組+謎っぽいキャラ。
>そして意味ありげに始めにチラッと交わされていた会話。
>王道(?)っぽくて先が気になる要素がてんこ盛りです。
カッコよかったですか? 結構考えに考えたんですよ。
始まりは内容がぽこぽこ思い付くんで良いんですが、後から後から手抜きになってくるという怖い癖(ぇ)が発覚したんで、今、一生懸命直し中です(駄目じゃん
ちなみに、最初の会話は──殆ど最後で誰だか分かる予定になってます。


>続きを楽しみにしております〜♪
>それでは短いですが、この辺で失礼させていただきます。
ありがとうございました。励みに頑張らせてもらいます(≧▽≦)b
プロローグでお終いになったらハッキリ言って洒落になりませんし(爆

ではでは、これにてこれにて〜。またです^^


トップに戻る
11427crystal〜1〜海月 水 2002/11/16 22:17:33
記事番号11338へのコメント

こんばんわ、水です。
ついさっき、この「crystal」全部の話が消えちゃいました^^;;
ま、フロッピーディスクに納めてあったから殆ど無事なんですが、なんと、三と六、七という中途半端なところが抜けて、あらぁ、大変(←全然大変そうな口調ではない)
という、私の苦労話じゃつまらないでしょうし、先に書き逃げしましょう(ぇ
ではでは、1話です。どーぞ♪(水は逃げ出した(ぉ







「苦しい…」
喉を押え込み、その場に倒れ込む小さな闇。
闇は助けるなどということをせず、ただ見守るだけ。鑑賞するだけ。
「助けて…死んじゃう…」
手を伸ばし、闇に助けを求める。が、依然として態度は変わらない。
「私の力…が…必要なんでしょ…?
だったら…助けて…私を殺さないで」
縋るように闇の足を掴む。必死に助けを乞うためだけに。
プライドは欠片も残っていない。ただ、助かればなんでもする覚悟でいる。
だが───
「か…は…っ」
一蹴される。
『お前という力を必要としているわけではない。お前の代りなど何千といる。
こなす覚悟があるなら死すら乗り越えろ』
ぱちんっと音がし、新たなる闇が出現した。
『捨てておけ』
「分かりました」
簡易な言葉に、相手も簡易な言葉で返した。
「どうして…?」
驚愕に打ち震え、ゆっくりと言葉を吐き出す。
「貴方は必要ない。それだけのことです」
「なにそれ?
ここまで仕打ちをされていらない? 必要ない? じゃあ、私は何のためにここにいたの??」
「答える必要などありません」
一蹴され、顔を顰める小さな闇。
「さようなら」
言葉が聞こえた直後、周りは完全な闇に彩られ小さな闇は恐怖した。
光さえ届かぬこの場所で果てるのか…。
小さな闇の意識はブラックアウトした。




私を助けて下さい。

ここから解き放って下さい。

暗い淵より暗い場より。

私は罪を認めます。

どんな裁きも受けましょう。

ですから救いの手を差し伸べて下さい。

どうぞ私に慈悲の心を…。

…慈悲の心を…。







深い深い森の奥。リナ、ガウリイ、アメリアの3人はゆっくりと歩いていた。
ゼルガディスと番犬ことルナから遅れること数時間、リナ達はやっとライトス遺跡へと向っていた。
「えーっと…この地図だと森の中にひっそりと佇んでいると思いますけど…」
おずおずとした口調で、アメリアは地図で確認した要点だけを前方にいるリナとガウリイに述べた。
だが、リナもガウリイも言葉を返しては来ない。
「あの…リナさん…?」
「…なに?」
このまま返さないのも可哀相かと思い、ややあってから聞き返した。
するとアメリアは早足でリナの横手まで来て、前方にいるガウリイに聞こえないようにぼそりと呟く。
「ガウリイさんをあのままにしておくの、可哀相ですよ…」
「考えてもみなさいよ。このまま進んでたらどういうことになるか」
ぼそぼそと話す2人の前方ではガウリイが剣を振り回し、ひたすら周りの枝をなぎ払って歩いている。皆が歩きやすいように、でっぱた枝などを斬り進み、道を作っているのだ。
ライトス遺跡は森の奥地。今まで発見されてなかったことが災いし、道はどこにもない。仕方なく、森の中を歩くはめになったのだが、森の中に迷い込んだ方はお分かりだろう。枝が色々な場所から突き出しとてもじゃないが無事歩ける場所ではない。
こうしてガウリイは剣を振り回すこととなったのだ。
「ですけど…」
「じゃあ、なに? 焼けと?」
「あ、いや…それもちょっと…」
「でしょう? だから、安全に道を切り開くには剣を振り回す以外手が無いの。分かった?」
びしりと言われて、反論する言葉が思い付かず黙り込んだ。
この一行はどれだけの回数、森を焼いたことか判らない。ただ、片方の手では表せない数だったことは確かだ。出来ればもう2度と森林破壊は行なわない。そう決めていただけに反応することは出来なかった。
すると、2人の会話を聞いていたのか、ガウリイが茶々を入れる。
「でもよぉ、これって疲れるぜ? 一辺に焼いた方が早いんじゃないか?」
「あのねぇ…。今までは見つからなかったから良かったけど見つかったらお尋ね者なのよ!?
それに、ここの森を焼いて、ライトス遺跡なんかに入っていったら、遺跡を見つけるために森を焼いたようなもんじゃない! それに、自分から袋の鼠になる気!?」
歩みを止めて叫ぶように答えるリナ。
「じゃあ適当に当たりを付けて吹き飛ばすとか! そういう破壊は得意だろ?」
「それって見つからないと虫食いみたいになっちゃいますよ?」
「こうやって道を作るのと同じような気がするぞ…オレ」
ガウリイの言葉になにも返せなくなり、しーんっと静まりかえり鳥の囀りだけが耳に入ってくる。
リナは頭を軽く押さえ、
「分かったわよ。風の術で小さく吹き飛ばしていくわよ」
ガウリイの言ったことを実行するべく呪文を唱え解き放った。
「魔風(ディム・ウィン)!」
ざざッ!
枝をなぎ払い、小さめの道が即座に作り出された。
「やっぱりこっちのほうが手っ取り早いじゃないか。なぁ、リナ」
大らかに笑いながら、ぽんっとリナの肩を叩きながら言う。そんな大らかさとは違って、唖然としながらリナは呟く。その呟きは絞り出したような声だった。
「そ、そぉね…」
術で作り上げた道を歩み───
「近付いちゃだめですっ!!
霊光壁(ヴァス・グルード)!」
なに、と声を上げるよりも早くにアメリアが作り上げた防御結界に何かが落ちた。激しい轟音と光が辺りを包み消え去る。
「雷…?」
雷が2人に、いや、ガウリイとリナが持っている剣に向って伸びてきたのだ。勿論、剣を使うことを頑なに拒むアメリアには雷は向ってきてはいない。
すぐに理解したリナはすぐに自分の持っている短剣に手を掛けた。
「ガウリイ、これ持って」
はいっとリナが腰にさしていた短剣を鞘ごと抜きガウリイに預け、諭すように言葉も付ける。
「じゃあ、留守番お願い」
「ちょ、ちょっとまて! なんでオレだけ置いていくんだ!?」
「アンタが居たら雷に巻き込まれるでしょう!? 剣を手放せないんだからここで待ってなさい」
「…わかった」
どさっとその場に座り込む。しっかりと自分の光の剣を握り締めて。
家宝である剣をこんな場所に置いていくことなど出来ない。自分が行けないわけを親身に感じ取ってガウリイはそれ以上なにも言わなかった。
「行くわよ。さっさと終わらせてさっさと帰って来るわよ」
「ガウリイさんをあのままにしておけませんからね」
「そんなんじゃないっ!」
くすっと眩しいとさえ感じる笑顔のまま言う意地悪なアメリアの言葉にぷぃっとふてぐされたまま2人は徐々に奥へ奥へと進みはじめる。
どんどんと奥へと進むほど雷の轟音は大きく鳴り始める。どうしてこんなにも雷の音がするのか、疑問に思いながらも足を進ませていく。
「なんだってのよ。この音───」
目の前に広がる光景を目にして、リナは思わず息を飲んだ。
目的の遺跡が目の前にあったが、周りに驚かされた。雷が遺跡全体を護っていた。龍のようにうねり、消えることさえしない雷は彼女達を睨み付けるように轟音を鳴らす。
「すごい…」
アメリアもリナの横で感嘆の声を漏らした。
「だから、“ライ”トス遺跡なのか…」
関心したように呟き、どう遺跡の中に入るか考えはじめる。適当な方法で入ろうとすれば即、雷を食らい即死、だろう。
だが、進まないわけにはいかない。リナは恐る恐る一歩を踏み出してみるが変化はない。
──はて…? 絶対に雷が襲ってくると思ったんだけど…。
「リナさん、もう入れますよぉ」
アメリアの声にハッとする。今まで居た筈の横にはいなく、遺跡の入り口にぽつんと立っていた。
「どうやってはいったの?」
「私には雷が反応しないみたいです。そして、ここまできちゃえば、この通り、雷が消えるようです」
あれだけ荒れ狂っていた雷は納まり、こちらに雷の牙を向くような威力もなくなっている。
リナは疑問に思いながらもゆっくりと慎重に足を進める。弱まったとはいえいつ牙を向くか判らない存在だ。細心の注意を払いアメリアのもとまで辿り着いた。すると、確認するかのようにアメリアは訊ねてきた。
「リナさん、暴れないで下さいね…?」
「なんで暴れなきゃいけないのよ?」
「ですから、約束して下さい」
「だからなんで?」
「理由はどうでもいいですから!」
「ンなんで、分かった。なんて答えるわけにはいかないわ」
「言えません。言ったら絶対に暴れます」
「…分かったわよ。暴れない。
ほら、約束したわよ。早く言って」
──本当に信用してもいいんでしょうか?
不安があるものの、このままでは一向に話が進まない。決心したように息を大きく吸い込んだ。
「ここ、お宝なんてありません」

「はい?」

「でーすーかーら、この遺跡は今いるここしか部屋がないみたいで、唯一台座になっている場所にもなにもありませんでした」

「え?」

「リナさん?」
「@*?」
「…なにを言っているか判らないんですけど…」
そうとうショックが大きすぎたのかリナが喋る言語が変ってしまった。
「ない? お宝が?」
「ありません。
リナさん、暴れないでくださいよ? キチンと約束したんですから」
いきなり問答無用で火炎系の呪文を唱えだしたリナを一言で止める。
…一応約束は守る。それがリナの数少ない長所の一つだろう。
「こほん。それにしても殺風景ね…」
もう先程の精神的ダメージから回復したのか、口調は元に戻り、冷静さも持っている。が、足はかくかくと震えている。絶対に立ち直っていない決定的証拠だろう。
「台座にも仕掛けはないし…アレ? 窪みがあるけど、調査団の人が持ってちゃったのかな?」
「そこまでは私達には解りませんよ。
とりあえず、何もなかったことですし戻りませんか?」

「ここがクリスタルの安置場所…?」

彼女達が帰ろうとしたところに現れた一人の女の子。
肩までの若草色の髪に鋭い刃物のような金の瞳、エルフのように尖った耳。真っ白いワンピースのような服装の上、ウエストの辺りを大きな赤い布で巻き付け後ろでリボン結びをして留めてある。
まだ10歳前後の子供であったが、受ける印象は悪魔というところだった。
「何者?」
「あぁ、あなた達には用はない。私の用事があるのはその台座。クリスタルを守りし台座だから」
よほど度胸がない人間ならば逃げ帰るようなリナの睨みにも臆せず、楽しげな表情をしながら一歩ずつ台座に向かう。
だが、台座に窪みがあると分かった時、殺気が膨れ上がった。
「ここにあったクリスタル。出して」
「ちょ、ちょっと待って! なにか勘違いをしてるけど、あたしたちが来た時には既になかったわよ!?」
「……そうやって必死に弁解しようとする。私キライ。
本当の事が知りたいだけ。白状して」
とんっと飛び退き手を突き出す。
虚空に向って指を動かし、
「炎龍!」
叫ぶと同時に指を動かした跡が光りはじめる。
「守護者が命じる。
全てを溶かし尽くす炎をここにっ!」
跡は方陣に変り、そこから灼熱の炎が吹き出した。
「結破冷断(ライブリム)ッ!」
少し遅くにリナも魔術を解き放つ。が、炎を消し去るよりも早く、氷は四散した。
「なっ!?」
──子供だと思って甘く見過ぎたか!?
「ここはね神聖な場所。特に私のいる場は。
ここは魔術が入らない場所。私に届く前にどんな魔法も四散する」
小さな女の子がいる場所は台座の前。そこには薄っすらとした結界が張ってあり呪文は全てなぎ払われる。何度かやってみるが結果は変らない。
蒸し焼きにされるのを待つか、強攻策に出るか。
悩んだ末に出した答えは───。
「炎呪封殺(フレア・シール)」
アメリアが最高位の炎に対する防御魔法を周りに張り巡らせた。今までなんの対応もなかったのは2分間も掛かる詠唱に集中していたためだったのだ。
ふぅっと落ち着いた空間を作り出せて安堵の息を漏らす。
「炎を封じた。そこの魔術ばっかりぶっ放す人とは違って冷静」
くすりと笑って女の子は歩きはじめた。
「あの場にいても考えを変えない。どうやら本当に知らないんだ。ごめんね。手荒なことして」
謝っているが、誠意は篭っていない。簡単に言ってしまえば棒読みに近い。
「私はユナ=サンドラース。見ての通り──」
「エルフ?」
「悪魔の申し子」
その言葉にリナは呆気に、アメリアは愕然とした。
楽しそうに2人の表情を眺め、いまから面白い遊びをしようかとしているようににこやかな笑みを浮かべながら続ける。
「クリスタルを手にし、世界に祝福という滅びを撒くもの。だから、悪魔の申し子」
「なんだ、ただの魔族じゃない」
「魔族じゃない。魔族の目的は無へと還えるコト。私の目的は滅び。世界も竜も魔族も人間も滅び、何もない祝福の世界をつくるのが目的」
がさがさとワンピースのポケットから真紅で正五面体の石を出してみせる。それがクリスタルなのだろう。指で挟んで2人に見せ付ける。
「これと同じ形のクリスタルが見つかれば全てを滅ぼすことなんてた易い。だから探してる。しらない?」
「…最近の遺跡荒らしってアナタ?」
「荒らしてるつもりはない。炎のクリスタルの力を借りて全てを燃やし尽くして探してた」
遺跡荒らしと称されていることをしらないのか。随分とあっさり、答えを返す。
ユナは10歳前後とは思えぬほど冷静さを兼ね備えていた。
ゆっくりと進む足が先程氷の魔術が四散した場所まで辿り着く。その瞬間を待っていたとばかりにリナとアメリアが同時に動いた。
『氷の矢(フリーズ・アロー)!』
2人が同時に創り出した氷の矢は何十本も現れ全てが一直線にユナを狙う。なにも武器を持たず、術を唱えていた形跡のないユナに全て避ける手立てはない。否、人間には全て避けるなど不可能に近いだろう。
だが、不敵な笑みを浮かべ、結界の内に逃げ込むことすらせず一歩前に出た。

ぱりぃぃぃぃぃぃん……。

目の前まで迫っていた矢が突如ユナの手の中に現れた武器によって尽く払われた。その武器は鉞にも似た大きな鎌だった。
「…私は悪魔の申し子と言ったはず。
武器など持たなくても呼び出すことぐらい可能。すごい?」
にこりと笑う姿は無邪気な子供のようだが、実際は大きな力を秘めた悪魔そのものだろう。
鎌を消し去りスキップをしながら出入り口の方へと向かい、
「怖かったなら私には一切関わらないほうがいいよ。それが身のため。大人しく篭っていた方がいい。滅びの時まで」
2人の横を通り過ぎる時にぽつりと呟いていく。
「待って下さいっ!」
もう出入り口へと消え、姿の見えなくなったユナに対してアメリアが叫ぶ。
反応がなく、聞こえなかったのかもしれないと思い、すぐさま駆け出した。
「ちょっとアメリア!?」
静止の声に反応もせず一心不乱に駆け出す。
そしてユナの姿を捕らえた時、スピードを上げて彼女の前に出た。
「一つ、伺ってもいいですか?」
「…なに?」
屈折のない蒼の瞳に一瞬だけ怖さを覚えた。それさえも見せないように平静を装う。
その心情をしってか、しらずか、アメリアは続ける。
「どこかで会いませんでした?」
「……私はアナタをしらない。だから、人違い…」
「でも、ハッキリとは覚えてませんが、その風貌はどこかで絶対にどこかで見たことがあります!」
「アナタも覚えてないんじゃ話にならない。どいて」
「いいえ、退きません」
ユナと同じ方向に動き、なにがなんでも行く手を阻む。
何度もなんども繰り返すうちに苛立ちを覚えはじめたユナは手の中に剣を呼び出した。振り回し、ぴしっとアメリアの首の横に刃の部分を当てた。
「どいて。退かないと斬る」
それでもなにも反応しない。仕方なく剣を振りかぶり──とんっとアメリアの首筋に誰かの手刀が入る。
「え…?」
いきなりのことで咄嗟の判断が出来なく、アメリアの意識は簡単に闇に落ちた。
「矢張り、騙せませんか…」
意識を失う瞬間、アメリアはそんな言葉をハッキリと聞いた。何度も聞いたことがあるような声のような気がした。



トップに戻る
11428Re:crystal〜1〜2002/11/16 23:42:47
記事番号11427へのコメント

>こんばんわ、水です。

こんばんは、渚です!

>ついさっき、この「crystal」全部の話が消えちゃいました^^;;

ををっ!?

>ま、フロッピーディスクに納めてあったから殆ど無事なんですが、

よかったですね!!

>「ガウリイさんをあのままにしておくの、可哀相ですよ…」

何が可哀相なんだ?

> ぼそぼそと話す2人の前方ではガウリイが剣を振り回し、ひたすら周りの枝をなぎ払って歩いている。皆が歩きやすいように、でっぱた枝などを斬り進み、道を作っているのだ。

なるほど。がんばれ!ガウリイ!!
遺跡につくころには疲れがたまっているかもしれないが!!

>「じゃあ、なに? 焼けと?」
リナなら森、全焼しそう。

>「こうやって道を作るのと同じような気がするぞ…オレ」
> ガウリイの言葉になにも返せなくなり、しーんっと静まりかえり鳥の囀りだけが耳に入ってくる。

確かに・・・・。

>「ガウリイさんをあのままにしておけませんからね」
>「そんなんじゃないっ!」

そんなん・・・・って。

>「だから、“ライ”トス遺跡なのか…」

ああー、納得!

>「リナさん、暴れないで下さいね…?」
>「なんで暴れなきゃいけないのよ?」
>「ですから、約束して下さい」
>「だからなんで?」
>「理由はどうでもいいですから!」
>「ンなんで、分かった。なんて答えるわけにはいかないわ」
>「言えません。言ったら絶対に暴れます」
>「…分かったわよ。暴れない。
> ほら、約束したわよ。早く言って」

ここら辺の会話・・・・ロイヤル2のリナとゼルの会話に、似てる・・・・
とすると、お宝は・・・・。

>「ここ、お宝なんてありません」

ははっ。


> …一応約束は守る。それがリナの数少ない長所の一つだろう。

数少ないって。

>「…私は悪魔の申し子と言ったはず。
> 武器など持たなくても呼び出すことぐらい可能。すごい?」

すごいです!

> それでもなにも反応しない。仕方なく剣を振りかぶり──とんっとアメリアの首筋に誰かの手刀が入る。
>「え…?」
> いきなりのことで咄嗟の判断が出来なく、アメリアの意識は簡単に闇に落ちた。
>「矢張り、騙せませんか…」
> 意識を失う瞬間、アメリアはそんな言葉をハッキリと聞いた。何度も聞いたことがあるような声のような気がした。

誰の声だろ。

面白かったです!!
では、またご縁がありましたら!!

トップに戻る
11521レスがおそくなりましたっ(><;;;;海月 水 2002/11/20 01:37:04
記事番号11428へのコメント


>>こんばんわ、水です。
>
>こんばんは、渚です!
こんばんわ、すいません。レス返しがすっごく遅くなってしまいました(><;;;;


>>ついさっき、この「crystal」全部の話が消えちゃいました^^;;
>
>ををっ!?
>
>>ま、フロッピーディスクに納めてあったから殆ど無事なんですが、
>
>よかったですね!!
本当によかったですよぉ。フロッピー万歳(は?


>>「ガウリイさんをあのままにしておくの、可哀相ですよ…」
>
>何が可哀相なんだ?
>
>> ぼそぼそと話す2人の前方ではガウリイが剣を振り回し、ひたすら周りの枝をなぎ払って歩いている。皆が歩きやすいように、でっぱた枝などを斬り進み、道を作っているのだ。
>
>なるほど。がんばれ!ガウリイ!!
>遺跡につくころには疲れがたまっているかもしれないが!!
疲れてるよりもお腹が空いてるかも(笑
今回はなにも言わなかったけど、そういう設定も面白いかも(ぉ


>>「じゃあ、なに? 焼けと?」
>リナなら森、全焼しそう。
絶対に全焼しますね。火炎球(ファイヤー・ボール)の一撃で(爆
そうじゃなきゃ面白味がないですし(笑


>>「リナさん、暴れないで下さいね…?」
>>「なんで暴れなきゃいけないのよ?」
>>「ですから、約束して下さい」
>>「だからなんで?」
>>「理由はどうでもいいですから!」
>>「ンなんで、分かった。なんて答えるわけにはいかないわ」
>>「言えません。言ったら絶対に暴れます」
>>「…分かったわよ。暴れない。
>> ほら、約束したわよ。早く言って」
>
>ここら辺の会話・・・・ロイヤル2のリナとゼルの会話に、似てる・・・・
>とすると、お宝は・・・・。
>
>>「ここ、お宝なんてありません」
>
>ははっ。
ろいやるにもこんな会話が・・・。知らなかった。ちょっと買ってみましょうか(ぇ

>> それでもなにも反応しない。仕方なく剣を振りかぶり──とんっとアメリアの首筋に誰かの手刀が入る。
>>「え…?」
>> いきなりのことで咄嗟の判断が出来なく、アメリアの意識は簡単に闇に落ちた。
>>「矢張り、騙せませんか…」
>> 意識を失う瞬間、アメリアはそんな言葉をハッキリと聞いた。何度も聞いたことがあるような声のような気がした。
>
>誰の声だろ。
>
>面白かったです!!
>では、またご縁がありましたら!!

謎の声は・・やっぱり謎の方でしょう(意味不
少々、2話目の直しが多くて近々に投稿はむりでしょうが、頑張っていきます!
ふぁいとぉですv