◆−魔術士オーフェン無能編−D・S・ハイドラント (2002/11/14 17:41:34) No.11347
 ┗魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろ−D・S・ハイドラント (2002/11/14 17:47:42) No.11348
  ┣Re:魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろ−エモーション (2002/11/14 21:29:00) No.11362
  ┃┗Re:魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろ−D・S・ハイドラント (2002/11/14 21:39:48) No.11363
  ┗魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろ(の続き)−D・S・ハイドラント (2002/11/17 20:05:18) No.11441
   ┗後書き−D・S・ハイドラント (2002/11/17 21:28:51) No.11445
    ┗嵐を呼ぶ男−エモーション (2002/11/17 22:01:32) No.11447
     ┗Re:嵐を呼ぶ男−D・S・ハイドラント (2002/11/17 22:25:18) No.11452


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11347魔術士オーフェン無能編D・S・ハイドラント 2002/11/14 17:41:34


これは『魔術士オーフェン無謀編』のような感じの無謀編作品です。

まず完全にオーフェンです。
オーフェンを知らない方は、イメージダウンにつながる危険があります。

それでは早速。

さようなら〜

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11348魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろD・S・ハイドラント 2002/11/14 17:47:42
記事番号11347へのコメント

 平穏とは頑強な一枚岩である。
 しかしその隣には常に岩をも砕く超巨大ハンマーが横たわっている。
            第35代トトカンタ市、市長ブラッド・ブラックガーデン

 「今日も平和ねえ。」
 朝日を背に眠たそうに両手を上に挙げながらふと出たその言葉から一日は始まった。
 光を浴びたスーツは青い光を微かに大地へと運ぶが不可視のまま、それは消える。
 整った黒の髪にそのどこか子供じみた顔立ち、彼女、コンスタンス・マギーはトトカンタの朝焼けの中、人通りのない街並みを歩いていた。
 自分だけの時間、邪魔するものはいない。
 「我は放つ光の白刃!」
 いやいた。
 コンスタンスのいる表通りではなく路地の方からの声だ。
 「いきなり何をする貴様!」
 そして罵声が聞こえた。
 知った声だ。
 「あれ、オーフェンこんな時間に起きてるんだ。」
 独特な魔術の声に、いつもの標的、いつもそれは変わらない。
 彼女が知った男の習性だ。
 だがやけに早すぎる。
 早朝からこんなことは滅多に起きない。
 「悪かった。」
 声がした。
 だがそれは予想に反したものだった。
 「オーフェン・・・じゃない。」
 
    ◇◆◇◆

 「我は放つ光の白刃!」
 光の奔流が衝撃波となり凄まじい音が静寂で平和な路地に響き渡る。
 「いきなり何をする貴様!」
 罵声は思うより低い位置から聞こえた。
 ボロボロの毛皮の服を着ており、身長は130センチくらいだが、けして子供ではない。
 まあ年齢的には17,18くらい大人ではないが、子供と呼ぶものではない。
 彼は大陸最南部に位置する秘境マスマテュリアに住む少数種族、地人である。
 その地人は顔を上げ、威嚇するように相手を睨み付けた。
 「悪かった。」
 声は聞き覚えのないものであった。
 そして地人の横を何もなかったように通りすぎていった。
 「くそっ、貴様覚えとけ、いつかこの地獄からの帰還者ボルカノ・ボルカン様がきっとミカンの汁で吸わせ殺してくれるわ!」
 その声はただ虚空に響き渡っただけだった。

 「――というわけだ、分かったかドーチン。」
 「いや兄さんがやればいいじゃないか。」
 先ほどの地人、ボルカンは地人は住処であるマスル水道に架かる橋の下にもう1人の地人――こちらは眼鏡をかけている――とともにいた。
 「ドーチンよ、弟とは兄の身代わりになるために存在するのだ、分かったか。」
 「そんな無茶な。」
 (全く何で関係ない僕が・・・。)
 ドーチンと呼ばれた方は胸中で溜息とともに呟くも声はそれ以上出さなかった。

    ◇◆◇◆

 「モグリさん、起きてくださいぃ。」
 「うーん、後30分。」
 その部屋には2人――いや3人がいた。
 あまり上等とは言えないベッドに横たわる黒を連想させる男、オーフェン。
 それを揺さぶる少女。彼女は黒髪をポニーテールにしており大きな目が目立つ、黒マントを羽織り、その衣服はまさに大陸魔術士同盟の制服である。
 「そうですぞ黒魔術士殿。」
 最後の1人はなぜか開いたドアのノブの上に立っている銀髪の執事の服装をした男である。
 「キース何でお前まで!」
 ベッドで寝ている男がそのまま声を上げる。
 「実は黒魔術士殿。これが黒魔術士殿宛てに届いていまして。」
 「爆弾じゃねえか。」
 キースと言うらしい男が持つそれは――まさしく時限爆弾の類であった。
 「実はこれを止めるためには赤か青のどちらかの線を断ち切る必要があるのです。」
 「そうですぅ。早く決めてくださいぃ。」
 「ラシィ君まで。」
 ラシィと呼ばれた少女はオーフェンの顔を覗き込んでいた。
 「分かった。分かった。決めれば寝かせてくれるんだな。」
 少し機嫌のよくなったオーフェンは短く考え、
 「分かった。赤を切れ。」
 少し起き上がってそう言うと、再びベッドにもぐりこんだ。
 するとキースがノブから降りてオーフェンの方へ近づく。
 その眼には涙が浮かんでいた。
 「黒魔術士殿、わたしには出来ません。わたしと黒魔術士殿とを結ぶ赤い糸を切れだなんて・・・ああわたしには出来ない。」
 オーフェンは殺意を覚えながらも理性と眠気がそれを抑え
 「じゃあ青でいい。」
 疲れたように吐き捨てる。
 「おお、黒魔術士殿。やはりわたし達の愛は不変ですな。」
 「いい加減にしろ〜!」
 強力な破壊魔術が部屋中を蹂躙する。
 「モグリさんひどいですぅ。」
 ラシィの声、そして視界が戻ってきた。
 「ったく、あの馬鹿執事のせいで眠気が覚めた。」
 そう言ってから、でも断じてキースが自分の役に立ったわけじゃないからなと胸中で付け足した。
 部屋はかなり荒れている。
 (後で直せばいいか。)
 とりあえずボロボロになったラシィと気配が見当たらないキースは無視してオーフェンは黒いジャケットを羽織り、部屋を出た。

 
 「オーフェン様、おはようございます。」
 栗色の長髪をした少女――年齢は20になるオーフェンより少し下というくらいだが――がオーフェンを見て声をかける
 「ああボニーおはよう。」
 この宿でウェイトレスをやっているボニー・マギーにやけに爽やかな返事を返す。
 早起きは気分がいい。
 もう充分ひどい目にあっているが、今日はこれで打ち止めだろう。
 そう思えてくる平和な朝だった。

 「オーフェン様何になさいます。」
 突然眠気を思い出しテーブルに突っ伏したオーフェンは起き上がり、
 「コーヒーとトースト。」
 そう言ってまた寝ようとする。
 「まあオーフェン様、それはわたくしへの愛と考えていいわけですね。」
 ボニーの輝いた視線が薄目にも映る。
 「何でそうなる。」
 呟くと
 「じゃあお代はいただきますわよ。」
 ボニーの目が怪しく光ったような気がした。
 「マジク君、オーフェン様がお代を払ってくれるらしいですわよ。」
 やや大声で厨房の方に呼びかける。
 「オーフェンさん、ついに改心したんですね。」
 金髪碧眼の少年は微笑みながらオーフェンのテーブルへと歩いてきた。
 (どうすりゃいいんだ。)
 オーフェンはいもしない神にまで祈ろうとした。
 
 そのとき
 「オーフェン、大変よー。」
 声とともに店内――客が入らないことで有名なバグアップズ・インの――駆け込んできた。
 20くらいの子供っぽい感じのスーツ姿の女、つまりコンスタンスだ。ボニーの姉でもアル。
 「まあコギー姉さま、おはようございます。」
 ボニーが声をかけるが無視して、
 「オーフェン大変なのよ。」
 かなり切羽詰った様子だ。
 オーフェンが眠そうな顔を上げると、
 「あんたがこの時間に起きてることはあえて聞かないからとにかく聞いて。」
 「何だ、あの馬鹿執事がまた何かしたのか。」
 面倒くさそうにオーフェンは言った。
 「そんつまらないことじゃないのよ。」
 コンスタンスはまた眠ろうとするオーフェンに飛び掛り、体を揺らした。
 「何だよ。」
 不機嫌そうに起き上がり、
 「とにかく聞いて。」
 懇願するようなコンスタンスに、
 「もったいぶってんだろ。」
 「まあとにかく言うね。」
 コンスタンスは心を落ち着けるためにか深呼吸をして、
 「実は・・・。」
 「実は?」
 「オーフェンの偽者が出たのよ。」
 それを聞いたオーフェンは、
 「はぁ」
 そのまま眠たそうにテーブルに倒れ込んだ。
 
 「とにかくこんな外道ヤクザの偽者でも偽者はけしていてはいけないわ。逮捕よ、だからみんな手伝ってもらうわ」
 やけに力むコンスタンスを横目で見ながらマジクは厨房の方へ帰っていたった。
 「あっマジク君どこいくのよ。」
 コンスタンスの言葉を無視して、マジクは消えた。
 「許せませんわ。」
 コンスタンスの背後からボニーの声がした。
 ふっと存在を妹の思い出した。
 「ボニー手伝ってくれるのね。」
 コンスタンスがボニーの方へ向かうと、
 「オーフェン様の名前を騙るだなんて・・・このわたくしが必ず捕まえて見せますわ。」
 「別に騙ってたわけじゃないけど・・・。」
 コンスタンスの声は無視してボニーは走り出した。
 
 「ううん」
 オーフェンは目を覚ました。
 そして空腹を感じ、ちょうど目の前にあったトースト――すでに冷めているが――に手をかける。
 噛み締めた味は冷めてて不味かった。
 しかし空腹をしのぐことが第一だ。それに食べられないほど不味いわけではない。
 しかしそれは罠だったのだ。
 「食べたわねオーフェン。」
 オーフェンはすでにトーストの隣に置いてあるぬるいコーヒーを飲んでいた。
 「マジク君、食べたわよ。」
 コンスタンスが呼びかけるとマジクが再び登場し、
 「しっかり払ってもらいますよ。」
 「そうよ。嫌なら捜査を手伝ってもらうわ。」
 オーフェンに残された選択肢は1つのみだった。
 (いや待てよ、逃げるって手もあるか。)
 「オーフェン・・・逃げようとしても無駄よ。」
 迫りくるコンスタンスのその声は不気味でもあった。
 「そうですよ、払ってくれてもいいですけど、オーフェンさんが僕の身代わりに捜査にいってもいいんですよ。」
 マジクもオーフェンに迫ってくる。
 「分かった、いってやるよコギー。」
 「ああ、分かってくれたのねオーフェン、信じてたわよ。」
 (………。)
 
 「この辺よわたしがその声を聞いたのは。」
 今朝、コンスタンスがいた通りである。
 今は充分に人で溢れている。
 「どうでもいいが、何で倒置法なんだ?」
 それは無視して、
 「多分こっちの路地から聞こえたのよ。」
 コンスタンスは通りから伸びる無数の路地の中の1つへ入っていった。

 2人は路地の隅でしゃがみこんでいた。
 「この辺で見たのか。」
 オーフェンが聞くと、
 「いえ、見てはないわ。」
 コンスタンスは即座に答えた。
 「なら何で俺の偽者だと分かるんだ。」
 コンスタンスは少し考えて
 「1つ、オーフェンと同じような呪文を唱えて魔術を放っていたわ。」
 確かに魔術を放つときの言葉についてはかなり個性が出る。
 しかし偶然ではなかろうか
 「2つ、声がオーフェンと全然違うわ。」
 まあコンスタンスが言う頃にはオーフェンは眠っていたし、当たり前だろう。
 「3つ、あの地人の丸い方をいじめ回していたわ。」
 ボルカンのことだろう。
 すべて声や音などで分かったものであろう。
 あまり詳しいものではない。
 それに偽者と名乗ったわけではない。
 「なあコギー。」
 「何、心当たりでもあるの?」 
 「あのなあ・・・。」
 言いかけて、ふと気が付いた。
 (もしかしたらあいつのことかな。)
 オーフェンには心当たりがあった。
 だが言うべきか。
 悩むほどのことでもないが、小さなことでもやたらと迷うことは結構ある。
 (うーんどうするかな。)
 「ねえ。」
 コンスタンスの声がする。
 (どうでもいいや。)
 「ああ。」
 オーフェンは短く言って息を吸い、
 「俺の知り合いにいるぞ。まああの糞ダヌキにいちいち関わるやつとは思えんが・・・。」
 「ねえ誰なの。」
 コンスタンスが詰め寄ってくる。
 「ああ、あれは俺が(牙の塔)にいた頃・・・。」
 コンスタンスが固まり、そして解凍された瞬間。
 「えっ(牙の塔)って黒魔術士達の最高峰でしょ、あんなところにあなたがいたなんて・・・。」
 驚愕の顔で再び固まったコンスタンスに
 「あのなあ、俺を何だと・・・。」
 「ド外道ヤクザ。」
 即答したコンスタンスを殴るとオーフェンは溜息をついた。
 「何するのよオーフェン。」
 コンスタンスが罵声を上げる。
 
 と同時に、
 「見つけたぞ凶悪外道魔術士め、今度はこのマスマテュリアの問題児ドーチンが相手だ!」
 「なんだよそれ問題児は兄さんの方じゃないか。」
 「ほう兄に逆らうのか。」
 それらは知った声、だが瞬時にそれは自分に向けられたものではないと悟った。
 「いくぞコギー。」
 コンスタンスの腕を引っ張る。
 「どうしたのよ。」
 状況がよく分からないコンスタンスに、
 「例の偽者だ。」
 コンスタンスはそれを聞くと逆にオーフェンの腕を引っ張り、人間とは思えないスピードでオーフェンは引きずって声のある通りの方に急いだ。

 「殺す気か!」
 オーフェンの罵声とともにコンスタンスが立ち止まり、ボロボロになったオーフェンを無視して、
 「あなた、オーフェンの偽者ね、このわたしが逮捕するわ。」
 地人2人に絡まられている男を指差す。
 「コルゴン。」
 オーフェンはうめくように言った。
 コルゴンと言うらしい男はその声の方を確認し、
 「久しぶりだなキリランシェロ。」
 「えっ、キリランシェロさん、どこですかぁ。」
 同時になぜか偶然いたらしいラシィの声が少し離れたところから聞こえてきた。
 (まずいな。)
 オーフェンは表情を強張らせた。
 「出てきてくださいぃ、キリランシェロさんぅ。」
 ラシィの声は遠ざかる一安心するオーフェン。
 だが、
 「ラシィ殿〜。グロランシェロ殿はこちらですぞ。」
 嫌な予感、そして声の主は・・・。
オーフェンはあえて名前の間違っていることは気にはしなかった。
 「キース何でそんなところにいるのよ。」
 コンスタンスはオーフェンよりも早く巨大な建物の上に立つキースを発見した。
 「コンスタンス様、それをお話するには、わたしのあの悲しい過去を語らなければいけません。」
 どこからかハンカチを取り出し、涙を浮かべつつ。
 「とおぅ!」
 叫び声とともに地上へと飛び降りる。
 その頃にはハンカチも涙も消えていた。
 「とにかくラシィ殿こちらですぞ。」
 「キリランシェロさんぅ〜。」
 ラシィがもの凄いスピードでこちらへと走ってきた。
 同時に反対方向から
 「オーフェン様〜。」
 ボニーも走ってくる。
 「さあラシィ殿こちらがゲロランシェロ殿ですぞ。」
 もはや名前などどうでもいいと思い、すでに覚悟を決めたオーフェン。
 指差した方向に飛びつくラシィ。
 同時にボニーも反対側から同じように・・・。
 ラシィとボニーに飛び掛られたコルゴンは力なく倒れ込んだ。
 

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11362Re:魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろエモーション E-mail 2002/11/14 21:29:00
記事番号11348へのコメント

こちらはオーフェンですね。
複数掛け持ち……凄い……私なら混乱します。
設定じゃなくて、話の細かい部分で。

いつもの平穏な(オーフェンにとっては平穏でしょう)な朝。
でも、目覚めと同時に銀髪執事は私も嫌です(笑)
オーフェンの攻撃は正当防衛と見なしましょう♪

オーフェン偽者……頭に浮かんだのは、アニメに出てきた、バンダナが色違い
(しかも5色)の偽オーフェン。……彼らは(5人もいた)私と妹にiオーフェンと
呼ばれていました。(丁度、iMacが発売された頃だったから)

ところでコルゴン……なぜここに……。しかも力無く倒れ込む……何故っ!
あのチャイルドマン教室の面々が、この程度で倒れるなんてっ?!
いえ、銀髪執事1人でも、確かに頭はクラクラしますが。

続きを楽しみにしつつ、これで失礼します。

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11363Re:魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろD・S・ハイドラント 2002/11/14 21:39:48
記事番号11362へのコメント


>こちらはオーフェンですね。
オーフェンです。
私の大好きな
>複数掛け持ち……凄い……私なら混乱します。
掛け持ちってわけでもなくて単に書きたいから速攻で書いたと
>設定じゃなくて、話の細かい部分で。
そうかも知れませんねえ。
>
>いつもの平穏な(オーフェンにとっては平穏でしょう)な朝。
平穏ですね。
>でも、目覚めと同時に銀髪執事は私も嫌です(笑)
あれは私もいやですねえ。
>オーフェンの攻撃は正当防衛と見なしましょう♪
そうでしょう。
>
>オーフェン偽者……頭に浮かんだのは、アニメに出てきた、バンダナが色違い
>(しかも5色)の偽オーフェン。……彼らは(5人もいた)私と妹にiオーフェンと
へえ。まあ今回の偽オーフェンはコギーがトトカンタに来たコルゴンを勝手に偽オーフェンと勘違いしただけです。(コルゴンも我は〜で魔術使いますから)
>呼ばれていました。(丁度、iMacが発売された頃だったから)
アニメか・・・もっと早くオーフェンを知ってれば見れたのに
>
>ところでコルゴン……なぜここに……。しかも力無く倒れ込む……何故っ!
>あのチャイルドマン教室の面々が、この程度で倒れるなんてっ?!
確かに・・・。
>いえ、銀髪執事1人でも、確かに頭はクラクラしますが。
キースは天人の魔術士無力化兵器かも
>
>続きを楽しみにしつつ、これで失礼します。
実はこれ前編で、実は前編と書き忘れていたりしています。
次の後編で一段落かな
その後気が向いたら登校という形です。

それではありがとうございました。

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11441魔術士オーフェン無能編:たまには平和に暮らさせろ(の続き)D・S・ハイドラント 2002/11/17 20:05:18
記事番号11348へのコメント

 コルゴン。
 ユイス・エルス・イト・エグム・エド・コルゴン。
 迷惑来訪者(ナイト・ノッカー)、天魔の魔女と並ぶ災厄の魔術士。
 
 そんな名の男がいた。
 長髪で黒いスーツの美青年。
 ここにいた。
 2人の少女にのしかかられて倒れているその男が・・・。
 「オーフェン様。」
 「キリランシェロさん。」
 その2人の声はその男の耳に攻撃的に響く。
 「グロランシェロ殿、ご気分はいかがでしょうか。」
 タキシードの銀髪の男がその男に話し掛けてくる。
 「・・・俺の名前にグロランシェロというのはあったかキリランシェロ。」
 少し離れたところにいた黒ずくめのヤクザ風の男へと視線が走る。
 「どうなんだキリランシェロ。」
 「どうなのオーフェン。」
 「どうなんですかぁモグリさん。」
 「黒魔術士殿、ここは正直に愛の告白を・・・。」
 「そうですわオーフェン様、さあ恥ずかしがらずに・・・。」
 ボニーとキースがよく分からなかったが・・・。
 「俺が知るか〜。」
 オーフェンはよく理解出来ないまま――いや理解したくもない――コギーを振り切ってこの場を去ろうとした。

 「ああ黒魔術殿〜。」
 キースの声は無視して・・・。
 「黒魔術殿は愛を失ってしまったのですね。」
 悲しそうにどこからともなくハンカチまで取り出して――無論オーフェンには見えていない――いるキースに気を取られることなくスタスタと歩く。
 「モグリさん危ないですぅ。」
 ふとオーフェンは気付いた。
 先ほどから実はラシィがこっそり魔術の構成を編んでいたことに・・・。
 (しまった俺としたことが・・・。)
 後から衝撃波が押し寄せてくる、先ほどの声を媒体に魔術を放ったのだろう。
 「我は紡ぐ光輪の鎧!」
 必死でそれから逃げつつも何とか構成を紡ぎ上げ、振り向きざまにそれを解き放つ。
 「黒魔術士殿〜!」
 すぐ背後に気配が生れる。
 この防御魔術は物理的なものにも妨げるため、術者とその範囲にいた者以外は入り込めない。
 だが相手はあのキースである。
 そして嫌な予感。
 地面に巨大な影を感じると、オーフェンは即座に飛び退く。
 「何しやがる!」
 「黒魔術士殿これはわたし達の愛ですぞ。」
 キースは問答無用で巨大なハンマーを振り回している。
 「そうですわオーフェン様。」
 いつの間にか近くにいたボニーが飛びついてくる。
 それをかわすと勢い余って地面へ激突したボニーにキースの巨大ハンマーが振り下ろされる。
 「我は放つ光の白刃!」
 オーフェンはキースに向けて強烈な魔術を放った。
 簡単にかわされるがハンマーに潰されていたボニーが自由となる。
 何故か血まみれなのに、全く何ともなさそうなボニー。
 「ああオーフェン様〜」
 再び飛び掛ってきた。
 それを避けると同時に、
 「猫さん達のディナショー。」
 (こっこれは・・・。)
 空間爆砕・・・。
 爆発が辺り一体を破壊し尽くす。
 凄まじいと悲鳴が混じり合いトトカンタの一画を地獄絵図と化した。
 逃げ惑う人達・・・。
 「てめえいい加減にしろ〜」
 「我抱きとめるじゃじゃ馬の舞い。」
 (へっ・・・。)
 オーフェンの放った魔術は消え去った。
 「キリランシェロ、火事場に紛れて大量虐殺は良くないぞ。兄として忠告しておく。」
 倒れたままのコルゴンがそこにいた。
 
    ◇◆◇◆

 「わたし達・・・忘れられてるわね。」
 「そうですね・・・。」
 コンスタンスは眼鏡の地人とオーフェンの破壊活動――だと信じて疑わないもの――を傍観できる安全な場所にいた。
 「がはははははは、腐れ魔術どもめ、今回はマスマテュリアの闘犬が油断したばかりに!」
 唇を噛み締め・・・。
 「今度こそ貴様等の息の根をこの最終兵器ドーチンが公衆便所で汚れ殺すと言っておるぞ。なあドーチン。」
 だがその声を聞くものはいなかった。
 「ちょうどいいなコンスタンス・マギー3等官半。」
 背後からの声に一瞬体が激しく揺れる。
 「だっダイアン刑事部長!」
 強張った声で背後の男に話し掛ける。
 「あのっわたし3等官のはずですけど・・・。」
 「それは冗談だが、君の新しい配属先はもう決まった。良かったな。」
 震えるコンスタンスとは裏腹に、冷徹な口調を徹する男。
 「新しい・・・配属先?」
 「そう君には打って付けの場所だ。」
 少々唇を歪ませ・・・。
 「マスマテュリアという所なんだが、今すぐ行ってもらおうか・・・。」
 「あっ部長・・・今日はどうしても外せない用事があって・・・。」
 そのとき、そそくさと退散しようとするコンスタンス首にロープが巻きつく。
 「その用事とやらにわたしも同席しよう。」
 ダイアン・ブンクトはコンスタンスを引っ張りつつも堂々と歩き出した。
 「こらドーチン聞け!」
 「だから兄さん・・・。」
 地人達の声も遠ざかっていく。
 
    ◇◆◇◆

 「で、何しに来たんだ。」
 トトカンタの路地の一画にある≪バグアップズ・イン≫には5人、いや6人の人間がいた。
 「それは秘密だ。」
 コルゴンはそう言って口を閉ざす。
 「まあオーフェン様秘密だなんて・・・ってオーフェン様が2人いますわ〜。」
 派手に驚いたボニーは卒倒する。
 「ボニー様〜。」
 キースがボニーの方に走り込み、過激なまでにその体を揺する。
 「ああキース、これはどうゆうことでしょうか。」
 芝居掛かったような口調でボニー。
 「ボニー様よく見てください。」
 そう言ってコルゴンを差し、
 「こちらが黒魔術士殿です。」
 「ではこちらの薄汚い殿方はどなたですの。」
 「あのなあ。」
 オーフェンの声を無視し、キースはボニーの指差した方を値踏みするように見つめ・・・。
 「分かりました。」
 「で、どうなのですか。」
 ボニーがキースに迫る。
 「まあ落ち着いてくださいボニー様。」
 そこで言葉を切り、
 「こちらの方は、夜の静かな湖、それを照らす金色よりもなお眩き上弦の月が冷たい湖面を一筋の金の糸で照らすそのとき、湖のそこより蘇る悪魔。・・・それがこちらの黒魔術士殿です。」
 「まあそうでしたのねオーフェン様。」

 「・・・・・。」
 沈黙するオーフェンに微笑みかけるボニー、それの背後で後ろ手に巨大なハンマーを隠したつもりのキース。・・・そして
 「モグリさんひどいですぅ〜。」
 別の所からは椅子に縛りつけられたラシィとそれを複雑な表情で見張るマジク。
 「それより僕が何でこんなことを・・・。」
 「今日のお前は危険だ、ほっといたら奇襲でもされかねないからな」
 あえてマジクは無視した。
 「キリランシェロ・・・実はだ。」
 口を閉ざしていたコルゴンが話し掛けてくる。
 「何だ。」
 オーフェンは視線をコルゴンへ戻す。
 「実は・・・金を貸してくれ。」
 「悪いが・・・」
 オーフェンはそこまでで涙を浮かべ言葉を止める。
 「まさか・・・。」
 コルゴンは無愛想がらも精一杯に驚いたような表情で・・・。
 「・・・俺には貸せんか。」
 「あっいやそうじゃなくて・・・。」
 オーフェンが焦るとその体宙に浮く。
 そして顔面に拳が叩き込まれる。
 「って何しやがる。」
 倒れ込んだオーフェンを見下ろすコルゴンの視線は殺し屋のそれであった。
 「特に意味はない。」
 そう言って
 「ただ景気付けだ。」
 コルゴンはそのまま店を出て行った。
 「お客さんお金〜。」
 マジクの声は聞き流された。
 ちなみにコルゴンとオーフェンの座っていたテーブルにはコーヒーカップとトーストの皿が2つずつ置かれている。
 片方の皿とカップはコルゴンのものでもう片方はコルゴンがおごると言ったためオーフェンが注文したものである。
 しかし・・・。
 「オーフェンさんしっかり払ってもらいますからね・・・。」
 マジクに詰め寄られ後退りするマジク。
 そのときにはもうキースやボニー、ましてや縛られていたはずのラシィまでいない。
 「おいおい、コルゴンに請求しろよ、あいつは魔術士だから魔術士同盟に言えばいいだろ。」 
 焦るオーフェン。
 「そんな嘘には騙されませんよ。」
 詰め寄るマジク・・・。

 コルゴン・・・。
 ユイス・エルス・イト・エグム・エド・コルゴン。
 迷惑来訪者(ナイト・ノッカー)。
 今日も災いを振りまいている。

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11445後書きD・S・ハイドラント 2002/11/17 21:28:51
記事番号11441へのコメント

こんばんは〜
でも見る人によってはこんにちは〜
ハイドラントです。

実はこの話2話構成だったんですけどぉ。
私が馬鹿なせいで・・・。
まあ置いといて、

本気で無謀編に挑戦してみました。
まあいい加減です。
無茶苦茶すぎです。

それと本文30枚ほどです。
40枚書きたかったけど・・・。
あれだけキャラだしといて・・・。

それでは次はプレ編でも書きます。
まあ冥王の騎士をメインにですが・・・。

それでは本当にありがとうございました。
さようなら〜

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11447嵐を呼ぶ男エモーション E-mail 2002/11/17 22:01:32
記事番号11445へのコメント

何か、そんな感じでした。続きの「オーフェン」……。

コルゴン……何しに来たのだろう、コルゴン……。
破壊と混沌と謎を呼びまくったよ、コルゴン……。
しかも案外本家もこれぐらいやりかねんとか思った私は、どうしたらいいのかしら
秋田禎信様(笑)
なにより「禎信」が一発変換出来たことの方が、今一番の驚きです(笑)
「有栖川有栖(推理作家)」は一発変換出来なかったのに(話題とは関係ない)

オーフェン……彼は姉ばかりか、兄(笑)にまで……。
まあ、「年上常に年下虐げるべし」という歌が昔あったけど。(タイトルは
ズバリ「正しい兄弟愛」……どこがじゃ)
だからこそ年下には、反撃の機会が与えられるのだ(笑)
ちなみに本気で実行して、弟妹に嫌われても私は知りません。

不条理……不条理ED……。でも、無謀変……違う、無謀編だし……。
無謀編のラストの呆然感を思い出しつつ、楽しませていただきました。

あ、アニメ版「オーフェン」は……個人的にはあまり……。
ギャグにしたかったのなら、はぐれ旅のキャラとストーリーにする必要が
なかったと思うし……。色々と規制が入った面はあるようですが。

では、これで失礼します。

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11452Re:嵐を呼ぶ男D・S・ハイドラント 2002/11/17 22:25:18
記事番号11447へのコメント


>何か、そんな感じでした。続きの「オーフェン」……。
まあ迷惑な感じにしようと・・・。
>
>コルゴン……何しに来たのだろう、コルゴン……。
オーフェンをますます不幸にしたかったのでは
>破壊と混沌と謎を呼びまくったよ、コルゴン……。
まあそうですね。
>しかも案外本家もこれぐらいやりかねんとか思った私は、どうしたらいいのかしら
>秋田禎信様(笑)
でも天然がなかなか出せない。
>なにより「禎信」が一発変換出来たことの方が、今一番の驚きです(笑)
へっ本当ですか・・・。
>「有栖川有栖(推理作家)」は一発変換出来なかったのに(話題とは関係ない)
>
>オーフェン……彼は姉ばかりか、兄(笑)にまで……。
まあ不幸ですからねえオーフェン。
>まあ、「年上常に年下虐げるべし」という歌が昔あったけど。(タイトルは
>ズバリ「正しい兄弟愛」……どこがじゃ)
あるの・・・。
>だからこそ年下には、反撃の機会が与えられるのだ(笑)
ハーティアとか反撃しようとしてますからねえ。
>ちなみに本気で実行して、弟妹に嫌われても私は知りません。
アザリーは嫌わるかな?
>
>不条理……不条理ED……。でも、無謀変……違う、無謀編だし……。
まあわたしがいい加減だから、終りもいい加減、と
>無謀編のラストの呆然感を思い出しつつ、楽しませていただきました。
ありがとうございます
>
>あ、アニメ版「オーフェン」は……個人的にはあまり……。
アニメ・・・みたい。
>ギャグにしたかったのなら、はぐれ旅のキャラとストーリーにする必要が
>なかったと思うし……。色々と規制が入った面はあるようですが。
へえそうなんですか
ビデオあるかな
>
>では、これで失礼します。
では〜
レス本当にありがとうございます。