◆−冥王の騎士−D・S・ハイドラント (2002/11/20 20:59:29) No.11535 ┣冥王の騎士:29章:エル−D・S・ハイドラント (2002/11/20 21:02:19) No.11536 ┣冥王の騎士:30章:ラーシャート−D・S・ハイドラント (2002/11/20 21:03:25) No.11537 ┃┗Re:冥王の騎士:30章:ラーシャート−渚 (2002/11/20 23:07:58) No.11544 ┃ ┗Re:冥王の騎士:30章:ラーシャート−D・S・ハイドラント (2002/11/21 13:04:51) No.11551 ┣冥王の騎士:31章:光は満ちて−D・S・ハイドラント (2002/11/21 14:47:00) No.11554 ┃┣Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて−陽月 (2002/11/21 15:25:56) No.11558 ┃┃┗Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて−D・S・ハイドラント (2002/11/21 15:29:56) No.11559 ┃┗Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて−渚 (2002/11/21 16:12:15) No.11561 ┃ ┗Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて−D・S・ハイドラント (2002/11/21 16:41:28) No.11563 ┣冥王の騎士:32章:ただ風だけが−D・S・ハイドラント (2002/11/21 17:16:13) No.11566 ┃┗Re:冥王の騎士:32章:ただ風だけが−エモーション (2002/11/21 23:10:49) No.11578 ┃ ┗Re:冥王の騎士:32章:ただ風だけが−D・S・ハイドラント (2002/11/22 12:40:30) No.11581 ┣冥王の騎士:33章:何かの魔術のように−D・S・ハイドラント (2002/11/22 14:32:56) No.11583 ┃┗Re:冥王の騎士:33章:何かの魔術のように−エモーション (2002/11/22 21:23:29) No.11600 ┃ ┗Re:冥王の騎士:33章:何かの魔術のように−D・S・ハイドラント (2002/11/22 21:46:27) No.11602 ┣冥王の騎士:34章:実は・・・−D・S・ハイドラント (2002/11/22 21:43:12) No.11601 ┃┗Re:冥王の騎士:34章:実は・・・−渚 (2002/11/23 09:59:45) No.11613 ┃ ┗Re:冥王の騎士:34章:実は・・・−D・S・ハイドラント (2002/11/23 10:30:28) No.11615 ┣一応メッセージ−D・S・ハイドラント (2002/11/22 21:55:16) No.11603 ┣冥王の騎士:35章:心に降る雪は儚く消えた−D・S・ハイドラント (2002/11/23 14:07:03) No.11620 ┣冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った−D・S・ハイドラント (2002/11/23 15:01:16) No.11623 ┃┣Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った−渚 (2002/11/23 15:22:13) No.11624 ┃┃┗Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った−D・S・ハイドラント (2002/11/23 17:54:24) No.11629 ┃┗Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った−エモーション (2002/11/23 20:46:50) No.11633 ┃ ┗Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った−D・S・ハイドラント (2002/11/23 22:26:35) No.11640 ┣冥王の騎士:37章:森をさまよっていたときは−D・S・ハイドラント (2002/11/23 22:47:40) No.11641 ┃┗Re:冥王の騎士:37章:森をさまよっていたときは−渚 (2002/11/24 08:45:25) No.11646 ┃ ┗Re:冥王の騎士:37章:森をさまよっていたときは−D・S・ハイドラント (2002/11/24 09:41:03) No.11647 ┣冥王の騎士:38章:愛!?−D・S・ハイドラント (2002/11/24 10:43:14) No.11648 ┃┗Re:冥王の騎士:38章:愛!?−エモーション (2002/11/24 21:10:05) No.11667 ┃ ┗Re:冥王の騎士:38章:愛!?−D・S・ハイドラント (2002/11/24 21:59:36) No.11669 ┗冥王の騎士:39章:存在するのかさえ・・・−D・S・ハイドラント (2002/11/24 22:34:53) No.11670 ┣Re:冥王の騎士:39章:存在するのかさえ・・・−渚 (2002/11/25 07:32:18) No.11674 ┃┗Re:冥王の騎士:39章:存在するのかさえ・・・−D・S・ハイドラント (2002/11/25 09:39:11) No.11675 ┗冥王の騎士:決章−D・S・ハイドラント (2002/11/25 14:09:31) No.11676 ┣**後書き**−D・S・ハイドラント (2002/11/25 14:34:41) No.11678 ┣冥王の騎士:追章(書き忘れ)−D・S・ハイドラント (2002/11/25 14:43:07) No.11680 ┣Re:冥王の騎士:決章−渚 (2002/11/25 16:32:11) No.11686 ┃┗Re:冥王の騎士:決章−D・S・ハイドラント (2002/11/25 20:27:58) No.11690 ┗Re:冥王の騎士:決章−エモーション (2002/11/25 22:02:22) No.11695 ┗Re:冥王の騎士:決章−D・S・ハイドラント (2002/11/25 22:05:54) No.11697
11535 | 冥王の騎士 | D・S・ハイドラント | 2002/11/20 20:59:29 |
またまた新ツリーです。 それにしても今日レス返し出来ないかも・・・。 出来なかったらすみません。 明日になります。 |
11536 | 冥王の騎士:29章:エル | D・S・ハイドラント | 2002/11/20 21:02:19 |
記事番号11535へのコメント 「・・ーラ。」 「・・・ラ。」 ついに声は吹き付ける風に掻き消され、響くことなく儚く消えた。 大いなる大地に宝石の雫が落ちる傍らで、熱を失っていくもの。 「・・・・。」 ついに声は消えた。 ただ悲しみが溢れ大地を濡らすだけ。 そしてそれも無情な自然には届くことはない。 シェーラは死んだ。 あまりに呆気ないものだ。 奇跡は来ない。 自然は人を弔うことすらしないのだから。 せめて神に救われること・・・。 それだけが少年の望みであった。 ◇◆◇◆ 「ったくラルターク殿もなかなか面白いことをさせてくださる。」 ラーシャートは皮肉げに小さく吐き捨てる。 「これでは見つけられんではないか。」 だがそんなことはどうでも良いという表情であった。 とりあえず適当に歩き回ればいいのだ。 失敗は時が許してくれるだろう (もしそうでなければ) そうでなければ・・・。 彼は死を迎えるだろう 無惨で屈辱的でそれでいて呆気ない死を・・・。 それは困る。 元々努力を認められるようなところでもないし・・・。 だがまあ適当に探すことにしよう。 (それにしてもよくもこんな秘境の傍に都をつくったもんだな。) だが秘境の傍だからだろう。 防御の点でだ。 カタート王都は丘の上に造られているとよく言われるが、丘のなっているのは傾斜の緩やかな南側のみであり、切り立った崖に面する北側には広大な樹海が広がっている。 彼・・・そして彼の探すものはここにいる。 ◇◆◇◆ 「シェーラ・・・。」 フィブリゾ悲しみは少しは癒えたが、それでもすぐにぶり返しそうな――薄氷よりも脆いものだ。 そして同時に後悔――罪の意識。 悪魔の喜びそうな負の感情を溢れ出させている。 罪の意識がある限り、それらの感情を捨てることは出来ない。 ただ悲しみ、埋葬も忘れ泣き続けた。 その美貌から悲哀の感情が魅力を生むが、どこか陰のあるそれは魅力を相殺していた。 だがそれは幸運だったのかも知れない。 幸運いや違う・・・運命。 運命なのだろうか。 「あら、可愛い子ねえ。」 突然背後から声がした。 一瞬震えるもその声に敵意がないのがすぐに分かる。 そしてそっと振り向く。 そこには自分の美しさが究極的に1つが抜きん出た剣だとすれば、そこにいた金色の髪をした焔を思わせる美女の美しさは完全不変な盾であった。 「まあ可哀想に、泣いてたのね。」 その言葉とともに焔より出でる真紅の眼差しに同情の感情が浮かべられる。 「・・・。」 少し戸惑いを覚え、ためらいつつもその女の容貌を見回した。 歳は20代半ばであろうか。 それよりも上にも下にも見えなくもない。いや事実年齢は不明であった。 美貌は完璧であった。 完全な計算されたような美しさ、それでいてそれが不自然にも思えない。 そして服装は灰色のローブ。 こちらはお世辞にも美しいとは言えない、薄汚れたものであったが、なぜか似合わないということもない。 いやどんな格好だろうと、その美しさを惹き立てるのではないか。 そう思えるほどであった。 「あなたは・・・。」 まるで自分が言葉を話せるのを唐突に思い出したかのように、突然言葉が出た。 「あっあたし・・・。」 そこで一旦黙り、 「ちょっと、道に迷っちゃって、」 慌てたような仕草がまた魅力を撒く。 それに対し不思議そうな表情を見せるフィブリゾ。 「あら、可愛い。」 それを覗き込むようにして声を上げる。 「あっそう言えば言ってなかったわね。」 そこで言葉を切ると息を吸い。 「あたしの名前はエル、エル――。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 人気投票今日までです。 いや明日の昼の何時かかが本当の締め切りですけど(時間未定) まあ今日と明日で10票となっているので、今日10票投票して明日もってのは無効です。 |
11537 | 冥王の騎士:30章:ラーシャート | D・S・ハイドラント | 2002/11/20 21:03:25 |
記事番号11535へのコメント ――今日もいつもと同じだ。 同じような賑わいを見せている。 変わったところなどない。 (俺以外はな。) そう言ってから頭を振って、走り出す。 まだこんな時間、人はいるが、邪魔になる量ではない。 なぜ走る必要があるのか自分でも分からなかったが、それでも気付けば走っていた。 本当に理由などないのに・・・。 息が荒れる。 寒空は身を切り裂くように寒いが、今は他人とは違い、それを激しい苦には思えなかった。 むしろ、黒皮とシャツや肌の間にこもる熱の方が苦になりそうなものだ。 だがそれもさほどでもないし、風が解決してくれる。 そして第一に体力が磨り減っていく。 まあ、鍛えるのは最適だ。 それは、それだけの理由で片付けた。 つまり今の気分は最高だ。 そうだ最高だ。 そう誤魔化して、それとともに白い息を吐く。 まだ時間がある。 少し待つか。 朝日を背に木製のベンチに座り込む。 (とりあえず、田舎でしばらく過ごすことになるか。) この街で短いながらも、築いたギルドの地位。 地位はどうでも良かったが、経済面では大いに役立った。 適当な作業――もっぱら危険な仕事を好みにしていたが――で結構な金になる。 技能者ギルドは田舎にはないだろう。 稼ぎがなくなれば困る。 まあ使い過ぎが貯蓄を蝕む最大の原因なのだが、それは必要経費だとそう言う。 (仕方ねえんだ。) 誰に対してか、誰にも届かぬ胸中でそう呟いた。 それは運命だとそう告げているようだった。 事実、運命などそんなものなのかも知れないが・・・。 技能者ギルドとは、大規模に渡って、様々な依頼を仲介する組織である。 家事手伝いや子守りのようなものから、怪物退治、専門技能者派遣、さらには盗み、殺しまで、本当に依頼は様々だ。 彼はそこに下請け人として所属していた。 そしてかなりの功績を上げた。 だがそれも昨日で終わった。 もう技能者ギルドからは外れた。 そう思っている内にふと、気付いた。 乗合馬車がやってきた。 (結構予定より早いか) 時計――魔道具の類である――を一瞬見て、馬車に視点を戻すと、即座に乗り込んだ。 淡く明るい光の中、のどかな平原を都市を背に馬車は南へと向かう。 ◇◆◇◆ 「ところであなたの名前、聞いてなかったわね。」 エル・・・とにかくエルというらしい、女はフィブリゾの潤った宝石の瞳を見つめていた。 「フィブリゾ・・・。」 小さく答える。 「じゃあフィブリゾ君、あたしと行こうか。」 エルはフィブの感情に気付かず、に森を歩き出そうとした。 「でもシェーラが・・・。」 フィブリゾの声に振り向き、そして初めてそれに気付いた。 いや気付いていたが、特に気にとめなかったのだろう。 ただの美女でもなさそうだ。 人の怪我や死に関心はないのだろうか。 まあそれは置いておいた。 「あら、ごめんなさい、この子死んでるのかしら・・・。」 そう慌てて冷たく倒れる少女に触れた。 慌てぶりは演技くさくもあったが・・・。 「どうする、弔って上げるのが一番かと思うけど・・・あなたの頼みなら生き返して上げても良いわよ。」 生き返す・・・どんな魔道士にも出来なかったそれが出来ると彼女は言っているのだ。 フィブリゾは頷いた。 「あっでもその前にお客さんよ。」 エルは茂みを――森だからあちこちにあるが――視線で指した。 「そこにいる女は知らんが、とにかく冥王様、お迎えに来ましたぞ。」 そこにはいた。 頑丈な鎧に身を包んだ中年の男。 ラーシャートがいた。 |
11544 | Re:冥王の騎士:30章:ラーシャート | 渚 | 2002/11/20 23:07:58 |
記事番号11537へのコメント > 家事手伝いや子守りのようなものから、怪物退治、専門技能者派遣、さらには盗み、殺しまで、本当に依頼は様々だ。 ほんとーに様々・・・・子守と殺しなんてぜんぜん違うのに・・・・。 > 「じゃあフィブリゾ君、あたしと行こうか。」 どこに?適当に歩くのか・・・・? > 「あら、ごめんなさい、この子死んでるのかしら・・・。」 簡単に言うなー・・・・死んでるって・・・・。 > 「どうする、弔って上げるのが一番かと思うけど・・・あなたの頼みなら生き返して上げても良いわよ。」 ほえ・・・・?ほんとーにできるのか? > 「そこにいる女は知らんが、とにかく冥王様、お迎えに来ましたぞ。」 > そこにはいた。 > 頑丈な鎧に身を包んだ中年の男。 > ラーシャートがいた。 う〜む・・・・エルって敵・・・・? でも、性格がなんとなく好きなので、エルに十ぴょう!! ん・・・・?エル=L? まあ、ご縁がありましたらまた・・・・。 |
11551 | Re:冥王の騎士:30章:ラーシャート | D・S・ハイドラント | 2002/11/21 13:04:51 |
記事番号11544へのコメント >> 家事手伝いや子守りのようなものから、怪物退治、専門技能者派遣、さらには盗み、殺しまで、本当に依頼は様々だ。 > >ほんとーに様々・・・・子守と殺しなんてぜんぜん違うのに・・・・。 ですね。・・・それにしても殺しとかいいのかなあ > >> 「じゃあフィブリゾ君、あたしと行こうか。」 > >どこに?適当に歩くのか・・・・? でしょう。まあ本心は不明ですが > >> 「あら、ごめんなさい、この子死んでるのかしら・・・。」 > >簡単に言うなー・・・・死んでるって・・・・。 ですね。 > >> 「どうする、弔って上げるのが一番かと思うけど・・・あなたの頼みなら生き返して上げても良いわよ。」 > >ほえ・・・・?ほんとーにできるのか? さあ? もしかしてゼロスより謎の人かも > >> 「そこにいる女は知らんが、とにかく冥王様、お迎えに来ましたぞ。」 >> そこにはいた。 >> 頑丈な鎧に身を包んだ中年の男。 >> ラーシャートがいた。 > >う〜む・・・・エルって敵・・・・? さあ今のところ敵意はないようですが・・・。 >でも、性格がなんとなく好きなので、エルに十ぴょう!! ありがとうございます〜 >ん・・・・?エル=L? です。でもまあ金色の魔王ではないですが・・・。 > >まあ、ご縁がありましたらまた・・・・。 では〜 大変ありがとうございました〜 |
11554 | 冥王の騎士:31章:光は満ちて | D・S・ハイドラント | 2002/11/21 14:47:00 |
記事番号11535へのコメント 歳は40辺りか全体的に派手な印象を与える髪は黒をベースに金のとさかのようなものがある。 顔は比較的大きく、眼も同じように大きい。 動物的・・・だが愛玩動物と違い、深き森に住む大型爬虫類なような風貌をしている。 豊かな体に頑丈そうな金属の鎧も爬虫類のような黒掛かった碧をしている。 「冥王様さあ私と・・・。」 不気味なトーンの声が対峙する少年に悪寒と不快感を与える。 フィブリゾは震えるのみで返答がない。 「冥王様・・・冥王様!」 ついに怒鳴りつけるような声になる。 「僕は・・・冥王じゃない・・・。」 細い小さな、それでも強い声を返す。 「あなたに自覚がないだけです。さあ帰りましょう。」 近寄るラーシャート 「あなた何者?」 横から風が吹き声が聞こえる。 「私はラーシャート、それ以上は言えんな。」 冷たい声だが、けして冷徹な感じではない。 「じゃあ消えてもらうわ。」 いつの間にか背後に気配と声があった。 エルは先ほどまでフィブリゾの近くにいたのだ。 「貴様!」 振り向くラーシャート。 「ぎゃあああああ。」 だがその瞬間ラーシャートの体から血が吹き出た。 頑強な鎧を砕き容易く肌を引き裂いたそれは大きな鎌であった。 「・・・おのれ!」 ラーシャートが飛び退く 「わっ・・・。」 フィブリゾは跳んでくる小太りの男を避ける。 そして異様な殺気に気付き、すぐさま茂みに逃げ込む。 同時に空気が揺れた。 微かな揺れは誰にも気付かれることなく不可視の刃を生み出す。 本来ならば・・・。 「あら、それ緑のタヌキね。」 エルは余裕でラーシャートの右腕にあるそれを指した。 そして刃が来るが、すべて見えているかのように細かく動き回り、結果無傷であった。 「馬鹿な。」 驚愕のラーシャートはその中でもそれに気付き横に跳ぶ。 同時に一瞬前の立ち位置にエルが踏み込んでいた。 「ならば加減する必要もないな。」 そう言った途端に風が大層な音を立て、ラーシャートの右腕に集まる。 「エル危ないよ逃げて!」 隠れているフィブリゾが叫ぶ。 だがエルは余裕で、 「使ってもいいけど、それ壊さないで。」 そして鎌を一振りすると、それが長い槍となり、ラーシャートに向かう。 同時に風の集合体が可視の刃となって襲い掛かるが、それを無視して槍は鎧の先ほど傷つけられていた部分へ向かい、ラーシャートの体を貫通する。 そして詠唱が響いた。 「虚無の壁よ、そなたに触れし愚かなるもの、二度と還らざる時を・・・」 それは一瞬にして――まるで文字のように頭に素早く刻まれた。 「無の盾!(アストラル・ゲート)」 風の刃が消え去る。 「罪はけして罰とならず、さすれば我が変わり、罰を与えん、汝、奈落よりもなお恐ろしき業の焔の元へ、いざ裁きを!」 それが届いた時、ラーシャートは震えていた。 すでに瀕死であったが・・・。 「断罪!(ペナルティ)」 同時にラーシャートが悶え、苦しみ、発狂し、そして動かなくなった。 その様を見つめるエルはさながら魔女を連想させた。 「あら、終わったわね。」 その声に凄まじい恐怖を感じる。 しばらく、茂みの方を眺めているエルは口を開き、 「フィブリゾ君、もう終わったわよ。」 恐怖を感じたが、それがまるで強制させるようにフィブリゾを引き寄せた。 「どうしたの、怖かった?」 そう言ってから視線を走らせ、 「そういえばこの子生き返すんだったわね。」 微笑みつつ、その表情を真剣なものに徐々に変えていった。 「還らざる汝の御霊、まだ救いは早く、それはむなしい、還るがいい、それが汝の救いなり。」 それは厳しい口調ではあるが、どこか温かく、それは演技でも何でもないとすぐに分かる。 冷たさとともに持つ温かさ、これが彼女なのだろう。 ただ美しいだけではないのだ。 「魂還(リヴァース)」 光・・・どんな光よりも眩きそして聖なるそれは上天の彼方、同時に四方八方からより差込み、地に伏す少女へとただ向かう。 そして世界に光は満ちて―――。 |
11558 | Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて | 陽月 | 2002/11/21 15:25:56 |
記事番号11554へのコメント > 歳は40辺りか全体的に派手な印象を与える髪は黒をベースに金のとさかのようなものがある。 ………………………………とさか……しかも金の…………(汗) 違う違う違う…………あれはとさかでもニワトリのとさか…………はっ! あそこにいるのはチキン野……もといゼル!?(待て) すっごい速さで走って来たしかも凄い怖(どがぁんっ!!!!)…………。【俺式ファイナルヘヴンがきまったようです】 > 「私はラーシャート、それ以上は言えんな。」 タメ口=死(をい) > 頑強な鎧を砕き容易く肌を引き裂いたそれは大きな鎌であった。 ええええL様!? > 「断罪!(ペナルティ)」 クライム&ペナルティ…………(違) > 同時にラーシャートが悶え、苦しみ、発狂し、そして動かなくなった。 > その様を見つめるエルはさながら魔女を連想させた。 ある人物×4を連想…………。気にしないで下さい。(待てコラ) > 「魂還(リヴァース)」 > 光・・・どんな光よりも眩きそして聖なるそれは上天の彼方、同時に四方八方からより差込み、地に伏す少女へとただ向かう。 > そして世界に光は満ちて―――。 シェーラ、生き返ったかなぁ? それではかなりマトモじゃないレスになってしまいましたすみません。 失礼します。 |
11559 | Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて | D・S・ハイドラント | 2002/11/21 15:29:56 |
記事番号11558へのコメント > >> 歳は40辺りか全体的に派手な印象を与える髪は黒をベースに金のとさかのようなものがある。 >………………………………とさか……しかも金の…………(汗) >違う違う違う…………あれはとさかでもニワトリのとさか…………はっ! あそこにいるのはチキン野……もといゼル!?(待て) >すっごい速さで走って来たしかも凄い怖(どがぁんっ!!!!)…………。【俺式ファイナルヘヴンがきまったようです】 何か7巻見たらとさかみたいなのが・・・。 > > >> 「私はラーシャート、それ以上は言えんな。」 >タメ口=死(をい) 死ですね。 > > >> 頑強な鎧を砕き容易く肌を引き裂いたそれは大きな鎌であった。 >ええええL様!? まあモデルは・・・。 > > >> 「断罪!(ペナルティ)」 >クライム&ペナルティ…………(違) のペナルティです。 > > >> 同時にラーシャートが悶え、苦しみ、発狂し、そして動かなくなった。 >> その様を見つめるエルはさながら魔女を連想させた。 >ある人物×4を連想…………。気にしないで下さい。(待てコラ) あの4人ですね。 > >> 「魂還(リヴァース)」 >> 光・・・どんな光よりも眩きそして聖なるそれは上天の彼方、同時に四方八方からより差込み、地に伏す少女へとただ向かう。 >> そして世界に光は満ちて―――。 >シェーラ、生き返ったかなぁ? どうでしょうか > >それではかなりマトモじゃないレスになってしまいましたすみません。 いえそんなことないですよ >失礼します。 は〜い。 ありがとうございました |
11561 | Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて | 渚 | 2002/11/21 16:12:15 |
記事番号11554へのコメント > 動物的・・・だが愛玩動物と違い、深き森に住む大型爬虫類なような風貌をしている。 爬虫類・・・・ですか。動物って感じはしますね。 > 「冥王様・・・冥王様!」 > ついに怒鳴りつけるような声になる。 そんな怒鳴りつけると、よけい怖い顔が怖くなるよ。 > 同時にラーシャートが悶え、苦しみ、発狂し、そして動かなくなった。 つ、強すぎる!! > 「魂還(リヴァース)」 > 光・・・どんな光よりも眩きそして聖なるそれは上天の彼方、同時に四方八方からより差込み、地に伏す少女へとただ向かう。 > そして世界に光は満ちて―――。 おおっ、シェーラ復活!?うれしい!! しかし、エルの謎は深まるばかり・・・・。 |
11563 | Re:冥王の騎士:31章:光は満ちて | D・S・ハイドラント | 2002/11/21 16:41:28 |
記事番号11561へのコメント >> 動物的・・・だが愛玩動物と違い、深き森に住む大型爬虫類なような風貌をしている。 > >爬虫類・・・・ですか。動物って感じはしますね。 竜将軍ですから・・・(この世界に竜はいません・・・多分) > >> 「冥王様・・・冥王様!」 >> ついに怒鳴りつけるような声になる。 > >そんな怒鳴りつけると、よけい怖い顔が怖くなるよ。 ですね。 > >> 同時にラーシャートが悶え、苦しみ、発狂し、そして動かなくなった。 > >つ、強すぎる!! まあ小物相手ですから > >> 「魂還(リヴァース)」 >> 光・・・どんな光よりも眩きそして聖なるそれは上天の彼方、同時に四方八方からより差込み、地に伏す少女へとただ向かう。 >> そして世界に光は満ちて―――。 > >おおっ、シェーラ復活!?うれしい!! >しかし、エルの謎は深まるばかり・・・・。 それではレスありがとうございました〜 ではまた会えますように〜 |
11566 | 冥王の騎士:32章:ただ風だけが | D・S・ハイドラント | 2002/11/21 17:16:13 |
記事番号11535へのコメント 「ここまでは予想通りだったよ。」 暗闇の中でもそこは一層暗い。 まるでそこの場所がこの空間の光をすべて奪う元凶だと思えんばかりに・・・。 彼女の陽の光の中であればどんな黄金よりも美しい金の髪もこの闇を相手にしては存在感など欠片もない。 「犠牲者も予想通りだと言いたいのですか。」 彼女は脅えた。 怒りや呆れなどではなくただ脅えた。 その闇に引き込まれたくはなかったのだ。 「そうだよ。」 闇は少年の声だが重みがある。 どこか少年とは言えない。 それは表わせるものではなく、ただ感じられるものであった。 冥将軍ゼラスはその闇にひどく脅えた。 だがそれは感じ取れるものであっても、外部にはけして感情として漏れてはいない。 ただ分かるのだ。 震えはしない。 ただ見つめている。 少年の姿が明白に映るがそれの像が真実とは言えない。 その奥を見つめる。 けして見えない闇の奥を・・・。 「セイグラムは惜しかったよ。だけど後の2人は・・・。」 そこで声が途切れると不気味な静寂が続き。 それは永遠に続くようで・・・。 「特にラーシャートはね。」 呆気なく終わる。 ゼラスには解放感が感じられたが、それもすぐに消えた。 幻でしかなったのだ。 「あっガーヴは犠牲者じゃないか。」 思い出したようにまた言葉が続いた。 「それにしてもあの魔女は怖いよねえ。」 唐突に出たその言葉はゼラスに投げ掛けられているようだ。 返答するか迷ったが一瞬目は黙し、闇から視線を感じると、震えそうになりながら声を出した。 「魔女ですか、・・・私にはよく分かりませんが・・・。」 ゼラスはその口調が自分の思い通りか過度に心配しつつも言葉を終える。 「邪魔なのはダイナスト公かな、まあ彼を狙うやつは皆敵なんだけどね。」 「グラウェラーですか。」 ゼラスは訊ねた。 だが心は常に震えている。 「ゼロスを呼んで来てよ。」 「何か用事でしょうか。」 返答は必要ないと思ったが、それでも虚勢のためか声を上げてしまった。 「ただ会いたいだけ、それでいいよね。」 少年の像が消えた。 ゼラスは背後へ向き直り、その部屋を出た。 ◇◆◇◆ 在りし日の虚像はもう感じ取ることも出来ぬ、完全に滅び去った廃墟。 王都には熱気が冷たい風に消え、荒涼とした雰囲気は空の虚無よりも白く虚ろであった。 「ひどいな。」 だがその声には違った感情があった。 冷たい中に激情が隠れている。 それも危険すぎたそれが・・・。 「瓦礫の山だな・・・ここに城を建て直す必要はないだろう。」 その瓦礫の中には溶けかけているものもある。あの焔によるものだろう。 ヒムドは振り向いて兵士達に言った。 (やつも面白いことをしてくれる。) 彼の脳裏に惨殺の光景が浮かび上がる。 後で兵達がうるさいが気にしないでおこう。 そしていつまでもここにいるのもどうかと思い、 精神を集中させる。 時間が自分とすれ違う。 それが何度も感じられた。 そして・・・。 「我は弔う還らざる君。」 存在消失の魔術を放つ。 かなり高位の魔術だ。 そう何回も使えるものではないだろう。 それに何より時間と精神をかなり浪費するためあまり使わない。 それにより瓦礫や灰、そして運の良いのか悪いのか分からない燃えカスとなった 焼死体が消え去る。 (ゴミが!) そしてその一画はただ不毛な大地だけが残っていた。 そして城の方へ向かう。 兵達が何かを言ったような気がするがどうでもいい。 そこも完全な廃墟であった。 形を保つ塔もあるが、崩れかけていて危険だ。 丘――または崖の上――に建てられた巨大な建造物は完全に崩壊している。 石造の建造物をこのように破壊できるのか、無理だと思う。 熱だけでも力だけでもないだろう。 あの赤いキツネはあまりにも強力なものだ。 そして歩き回り、再び大魔術をその場に掛けようとした時・・・。 (なぜ・・・?) そこにはそれがあった。 不思議に瓦礫に隠れたそこに・・・。 簡単には気付かないだろう。やつがそうだったように・・・。 完全な廃墟の中で・・・。 永年に残るとも思える独立したその光景・・・。 座に座る王は、最期のその瞬間のまま、すでに光なき双眸で一点を見続ける。 その手には黄金の錫杖。 ヒムドは無言でそれを王の手から抜いた。 瞬間、王と座は消え去った。 (これだけで充分だ。) その錫杖を持ったままヒムドはそこを後にした。 ただ風だけがそこに残る。 |
11578 | Re:冥王の騎士:32章:ただ風だけが | エモーション E-mail | 2002/11/21 23:10:49 |
記事番号11566へのコメント まさか、エル様がご登場なさるとは……。 さらに復活の呪文。やはり何でもありですね、このお方……。 もっとお早く登場していただけましたら、票を投じさせていただけましたものを。 出てきた出てきた「あのお方」。誰が割り振られているのか、それとも オリキャラなのか……。 ゼラス様が脅える見た目少年……。どんな人(?)なのか、楽しみです。 心の魔王ヒムド君は黄金の錫杖をゲット! > (これだけで充分だ。) ……って、何しでかす気ですか、ヒムド君は(汗) とりあえず、満足しているみたいですが。 エル様の目的は? シェーラとフィブリゾはこれからどうなるのか。 それを楽しみに、今日はこれで失礼します。 |
11581 | Re:冥王の騎士:32章:ただ風だけが | D・S・ハイドラント | 2002/11/22 12:40:30 |
記事番号11578へのコメント >まさか、エル様がご登場なさるとは……。 >さらに復活の呪文。やはり何でもありですね、このお方……。 です。 >もっとお早く登場していただけましたら、票を投じさせていただけましたものを。 すみません。 > >出てきた出てきた「あのお方」。誰が割り振られているのか、それとも >オリキャラなのか……。 さあ? >ゼラス様が脅える見た目少年……。どんな人(?)なのか、楽しみです。 まあ明かされるのはいつの日か・・・。 > >心の魔王ヒムド君は黄金の錫杖をゲット! > >> (これだけで充分だ。) >……って、何しでかす気ですか、ヒムド君は(汗) >とりあえず、満足しているみたいですが。 まあよほどいいものなのでしょう > >エル様の目的は? シェーラとフィブリゾはこれからどうなるのか。 >それを楽しみに、今日はこれで失礼します。 はい〜。 レスありがとうございました〜。 |
11583 | 冥王の騎士:33章:何かの魔術のように | D・S・ハイドラント | 2002/11/22 14:32:56 |
記事番号11535へのコメント 蠢く闇。 否、闇は常に在るだけだ。 不動であり永遠に停滞していると言える。 世界に闇は少ない。 光が生れてからのことだ。 天空より注ぐ陽の光が移り行く時の半分以上を光で包んでいる。 そして今も闇がある。 暗黒世界だ。 それに抗う気にもなれない。 私はどうなったの? ・・・思い出せない。 そんなに時が経ったの? 何かを忘れている。 何かを・・・。 思い出せない。 思い出せない。 ・・・死んだの? ・・・。 意識は薄れていく。 それは進行して行く。 そう死は・・・。 救済は始まっている。 永遠の眠りへの道は・・・。 拒む力のないものは闇に消え・・・救われる。 彼女もだ・・・。 闇は満ちた。 救われていく。 だが彼女にはそれが救済とは思えない。 違う・・・救いじゃない。 ただの死・・・。 神はいるの・・・? 本当にいるの・・・? そうかも知れない。 見ている・・・? そして眠り・・・。 だが・・・!! 光・・・。 差すのは光・・・。 光? 暗黒世界を照らす。 太陽のように・・・。 彼女はそっと目を開けた。 これは・・・。 黒の太陽・・・。 それが見えた。 闇を吸い、暗黒の色となった太陽。 創造神ウニのシンボルでもある。 生き返ったの・・・? やがて光は世界を映し出した。 視界は不毛の森・・・目覚める前にいた森。 ただかなり巨大に見えた。うつぶせになっている体を起こそうとする。 少々重い・・・。 「シェーラ・・・シェーラ。」 世界が揺れている。 いや違う・・・自分が揺れているのだ。 広大で、無慈悲で、屈強な世界でなく。 小さく、無責任で、儚く弱い自分だ。 「シェーラ。」 震えが言葉となって入ってくる。 痛い・・・。 シェーラは還った。 救いなき死から・・・。 「・・・フィブリゾ様。」 少年の宝石は濡れて一層美しい。 だがそれは自分の涙でもあったが・・・。 存在感が強くなっていく。 自分との距離が縮まってか・・・。 「シェーラ。」 「フィブリゾ様。」 だがそこには2人ではなかった。 「目覚めたようね・・・。」 声が存在を映し出す。かなり美人な金髪の女性、歳は20前半だろうか・・・。 「あなたは・・・。」 シェーラはゆっくりと慎重に声を出した。この時点で意識は完全に覚醒している。 「あたしはエル、エル・ロード・サワー。知っての通り、あの至高の大賢者フルーツ・サワーの家系のものよ。」 フルーツ・サワー、至高の大賢者という2つ名を持つ伝説の魔道士、伝説の勇者や奇跡の大神官とともにあの大魔王バナナプリンを倒したと言われている。 だがその後、消息は不明らしい。 その末裔を名乗るものは勇者同様かなり多いらしいがフルーツ・サワーは純魔道士であったため。 たとえ子孫が残っていようが、魔力摂取量の不足で魔法を身に付けられずにただの凡人でいる可能性も高い。 それほどまでに魔法は身に付けるまでに極度の訓練を要するのである。 シェーラの歳で魔法を使えるようになるのはかなり異例のことである。 いや奇跡と言っても過言ではない。 そのため、魔道士となったものの創る、魔道具はかなり重要度が高い。 カタート王国の中心は王都などではなく、魔力質の平均摂取量が大陸有数のマツタケ・シティだと言うものも少なくはないのだ。 王都が簡単に墜ちたのも、強力な魔道具の認識と対策が皆無だったからだ。 まあ『赤いキツネ』などは強力な魔道具というレベルではなかったが・・・。 「まさか・・・あなたが・・・。」 もし本当に自分が死んでいて、それを蘇らせたとでも言うのなら、至高の大賢者の末裔であっても不思議ではないし、むしろフルーツ・サワーより優秀な純魔道士ではないかと思える。 「蘇生のこと?それならあたしがやったけど、いけなかった?」 エルと言う女性は微笑みながら軽々しくそう見降ろすように、そして上目遣いで息を震わせた。 それが真実だと不思議にも思えた。 魔力だろうか、そんな感じではないが一種の魔術であろう。 「・・・ありがとうございます。」 お礼を言うのは何か違和感を感じなくもなかったが、理由はなかっただろう。 「僕からもありがとう・・・。」 フィブリゾも同じようだった。 「良いのよ。」 エルはそう言うと何か考え事をしているような仕草を取る。 フィブリゾはシェーラ側でエルの方を複雑な表情で見ている。 「2人とも実はあたし、この近くに家があるんだけど来ない。」 その瞬間横を見れば表情がより複雑そうになっている。 「どうしたの?」 エルが声を掛けているのはどちらか分からなかったが、 「あっいえ・・・。」 一拍置いて、シェーラが答える。 「そう。あっ・・・あなたの名前聞いてないわね。」 「あっ私はシェーラです。」 「そう。」 エルは視線をゆっくりと移し、 「あっフィブリゾ君、あたしのこと怖がらなくても良いわよ。」 シェーラにはよく分からなかったが、それも何かの魔術のように思えた。 |
11600 | Re:冥王の騎士:33章:何かの魔術のように | エモーション E-mail | 2002/11/22 21:23:29 |
記事番号11583へのコメント シェーラふっかーつ!!! ああ、良かった。これでフィブリゾとのらぶらぶ生活も、 つつがなく送れますね!(←激しく違う) エル様、さすがです。やっぱり素敵に無敵、勝利はプラズマです。(意味不明) > 「2人とも実はあたし、この近くに家があるんだけど来ない。」 すぐって言っても、かなり次元が違う近くのような気がしますが……。 > 「あっフィブリゾ君、あたしのこと怖がらなくても良いわよ。」 > シェーラにはよく分からなかったが、それも何かの魔術のように思えた。 怖がるなと言われても……(苦笑) しかも言外に「恐れ敬え」と言われているような……。 魔術と言うより精神的なストッパー機能植え付け中と言う感じがします。 さて、続きはどうなるのでしょう。楽しみにしつつこれで。 |
11602 | Re:冥王の騎士:33章:何かの魔術のように | D・S・ハイドラント | 2002/11/22 21:46:27 |
記事番号11600へのコメント >シェーラふっかーつ!!! >ああ、良かった。これでフィブリゾとのらぶらぶ生活も、 >つつがなく送れますね!(←激しく違う) 送れます。(待て) > >エル様、さすがです。やっぱり素敵に無敵、勝利はプラズマです。(意味不明) エル様ですからねえ > >> 「2人とも実はあたし、この近くに家があるんだけど来ない。」 >すぐって言っても、かなり次元が違う近くのような気がしますが……。 まあ結構近いです。 > >> 「あっフィブリゾ君、あたしのこと怖がらなくても良いわよ。」 >> シェーラにはよく分からなかったが、それも何かの魔術のように思えた。 >怖がるなと言われても……(苦笑) >しかも言外に「恐れ敬え」と言われているような……。 そんなことはないようです。 >魔術と言うより精神的なストッパー機能植え付け中と言う感じがします。 かも知れませんけど・・・。 まあ魔術というのは奇術または超常現象といったものを差すようです。 > >さて、続きはどうなるのでしょう。楽しみにしつつこれで。 はい。 レスどうもありがとうございました〜 |
11601 | 冥王の騎士:34章:実は・・・ | D・S・ハイドラント | 2002/11/22 21:43:12 |
記事番号11535へのコメント 「あなた達、この森がどんな森か知ってる?」 先頭のエルが草木を掻き分けながら、話し掛けてくる。 森はだんだん深くなっているような感じがする。 「さあ?エルさんは分かっているんですよね。」 シェーラが答えた。 フィブリゾは表情に疲れを浮かべている。 だが先ほどと違い、エルを怖がるような様子はない。 「エルって呼んで♪」 弾むような口調で一旦切られるが、その後の短い沈黙に気付いてか、 「あっもちろんあたしは知ってるわよ。フィブリゾ君は知らない?」 振り返り、覗き込むようにして聞く。だが距離はそれなりに離れている。 「うん・・・。」 フィブリゾが頷く。 「じゃあ言うわね。」 再び進行方向に向き直る。 その言葉を言うのをもったいぶっているようだった。 そして口を開くまでの間は長かった。 そして出た言葉。 「あっ見えてきたわ。」 予想とは違うものだった。 結局答えが聞けずにそこへ辿り着いた。 だがその時はあえて聞こうとは思わなかった。 シェーラはそれを見上げた。 隣ではフィブリゾも同じような仕草を取っている。 もっとも、そこから感じられるものや表情などは微妙と呼べないくらい違ったが・・・。 それはその区画だけ完全に樹海より切り離されており、陽の光が眩しく心地よい。 平原の小さな草花が生えており、現在の立ち位置からまっすぐに伸びた、土の道が小さいながらも綺麗な小屋へと続いている。 その横側には池のようなものも見えた。 「さあ入るわよ。ほら見とれてないで。」 2人を急かし、先頭で小屋へと入っていく。 その後にフィブリゾ、シェーラと続く。 湿った木とは違い小屋の木は乾いていて、そして頑丈そうだった。 本当にこの森の木なのかと思ったが、気にすることはなかった。 開いている境界を越えて中に入る。 「うわあ凄いや。」 第一声はフィブリゾの感嘆であった。 シェーラにはどっと疲れが来た。フィブリゾは正反対なのだろうか。 すぐ入ったところにリビングがある。 かなり綺麗に整頓されていて、天井はそうでもないが、壁や床は輝いているようだった。 物が少ないとも言えるが、正面の奥の方にある3つ本棚には分厚い本が並んでいる。 中央には綺麗な花の入った花瓶を置いたテーブル、その上方には魔力灯らしき明かりが吊るされている。 衣類をしまうクローゼットが左隅に、右隅には扉がある。 「あっ座っていいわよ。」 エルはテーブルの周りに置かれた4つ椅子の内の正面側のものを指差す。 その後、右隅の扉へと向かった。 「あっありがとうございます。」 シェーラはまず手前の椅子を引き、フィブリゾに座らせると、左側の方の椅子に遠慮がちに座る。 「ありがとう。」 フィブリゾの声を笑顔で返す。 それ終えるとフィブリゾの方に向き直る。 「良いテーブルだね。」 フィブリゾの方から話し掛けてくる。 「ええ、でもお城の・・・。」 そこまで言って言葉を無理矢理切る。 「どうしたの。」 「いえ何でもありません。」 慌てながらも即座に返す。 「大気の王よ、大地の姫よ、清泉の祝福に置いて、紅蓮の申し子、出でよ焔よ。」 隣から声――いや言葉が聞こえる。 「焔滅破!(フレア・バースト)」 嫌な予感・・・そして熱気と咆哮。 そしてそのすぐ後、 「あっこれ食べていいわよ。」 エル金属製の蓋のない鍋を抱えて戻ってきた。 お玉もちゃんとある。 それをテーブルに置く。 そこから湯気とともに芳香が漂う。 「あたし特製のシチューよ。作り方は秘密だからね♪」 そう言って、また右の扉に向かう。 シェーラ達が戸惑う間にエルは戻ってきて、 「これお皿ね。」 3枚の底のやや深めの皿を並べる。 そして真っ先にシチューをよそい口に含む。 「わあ、おいし♪、どうしたの食べていいわよ。」 シェーラが目で優しく合図すると遠慮がちによそうフィブリゾ。 そしてシェーラもまたそれをよそい口先まで持っていく。 「あっこれおいしいね♪」 フィブリゾの微笑を浮かべた声。 「・・・おいしい。」 シェーラもそれを口に入れると、不思議な味とともに表情が歪み、笑みが浮かぶ。 これもまた魔術のようだシェーラは思った。 「ね、おいしいでしょ♪」 迷いなく頷く2人。 「ところでフィブリゾ君、あなた王子様でしょ。」 突然エルより出た言葉に2人は動揺を浮かべる。 (まさか私の・・・。) シェーラ先ほどの発言を後悔する。 「あっ、ごめんなさい、別に深い意味はないのよ。」 「うん。」 そしてフィブリゾは頷く。 「シェーラちゃんも気にしなくていいわよ。」 「・・・はい。」 「後さっきの答えのことだけど・・・。実は・・・。」 エルは言葉を切る。 そして重い雰囲気が2人に圧し掛かる。 そして言葉が紡がれる。 「実は・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ちょっと前回までと変わったような・・・。 そんな気がします。 |
11613 | Re:冥王の騎士:34章:実は・・・ | 渚 | 2002/11/23 09:59:45 |
記事番号11601へのコメント > そして出た言葉。 > 「あっ見えてきたわ。」 > 予想とは違うものだった。 どんな森?なんか危ないのか?? > エル金属製の蓋のない鍋を抱えて戻ってきた。 > お玉もちゃんとある。 > それをテーブルに置く。 > そこから湯気とともに芳香が漂う。 > 「あたし特製のシチューよ。作り方は秘密だからね♪」 秘密って言うのが少し怖いっていったら、怒られるかな・・・・。 > 「シェーラちゃんも気にしなくていいわよ。」 > 「・・・はい。」 といわれても、気になるー。 > 「実は・・・」 実は・・・?(ごくっ) 実は何なんだー!?続きが気になる〜。 |
11615 | Re:冥王の騎士:34章:実は・・・ | D・S・ハイドラント | 2002/11/23 10:30:28 |
記事番号11613へのコメント >> そして出た言葉。 >> 「あっ見えてきたわ。」 >> 予想とは違うものだった。 > >どんな森?なんか危ないのか?? どうでしょうか・・・。 > >> エル金属製の蓋のない鍋を抱えて戻ってきた。 >> お玉もちゃんとある。 >> それをテーブルに置く。 >> そこから湯気とともに芳香が漂う。 >> 「あたし特製のシチューよ。作り方は秘密だからね♪」 > >秘密って言うのが少し怖いっていったら、怒られるかな・・・・。 何にしろそれは言わない方が・・・。 > >> 「シェーラちゃんも気にしなくていいわよ。」 >> 「・・・はい。」 > >といわれても、気になるー。 ご想像に御任せします。 > >> 「実は・・・」 > >実は・・・?(ごくっ) > >実は何なんだー!?続きが気になる〜。 次回このサイドになるか微妙ですが・・・。 それではレスありがとうございました〜。 |
11603 | 一応メッセージ | D・S・ハイドラント | 2002/11/22 21:55:16 |
記事番号11535へのコメント 前回のツリーにフィブ&ガーヴの特別短編があります。 すでに知っていた方、すみません。 一応です。 ああ眠い・・・。(寝ろ!) それでは〜 |
11620 | 冥王の騎士:35章:心に降る雪は儚く消えた | D・S・ハイドラント | 2002/11/23 14:07:03 |
記事番号11535へのコメント 白の大地に光と影は降りて、織り成す銀鱗の輝きは星空よりも眩き。 天から降る飛礫はやがて儚く。 ただ舞い降りゆくのみ。 虚ろな空との境界にはそれがそびえ立つ。 空に蜃気楼の如く溶けては映る。 やがて闇が映えればより幻想的となり、それは心を奪う魔性の如く。 ノースポイント城。 ダイナスト公グラウシェラーの居城。 シェーラ達が森で目覚めた日の夜。 グラウシェラーは独り、雪を見ていた。 空の座はやけに静寂を帯びている。 輝く銀を眺めつつ、まるで独立した1つの絵画の世界に引き込まれていくような錯覚を覚える。 そして現実に戻るとまた左手の真紅に染まるグラスを覗き込む。 鏡面に映る若いながらも威厳の感じられる雪のような白銀の美貌、に氷のような髪、そして碧宝石(ジュエルズ・エメラルド)の双眸。(フィブリゾの碧眼はカタート王妃でもあった、グラウシェラーの姉からのものである。) その容貌に思わず酔いしれながらもさらに深い世界へと入っていく。 ◇◆◇◆ それを見守るのは漆黒のローブの男、だがその男のローブのフードの下から微かに見える群青の瞳はグラウシェラーなど映ってはいない。 もはやグラウシェラーを見るときには眼に失望さえ浮かべている。 彼は軍事面では優秀だが、王には不向きすぎた。 もう他の領主は掌握したも同然だ。 マツタケ・シティも近年は公的な存在となっているが結局は自治都市に過ぎない。 王家の肩を持つこともないだろう。 もう王同然でもある。 覇王グラウシェラーの時代は間も無く訪れる。 だが放っておけばすぐに崩壊するであろう。 そのために自分がいるのだ。 ミックス・ジュース。 奇跡の大神官の息子である。 すでに神の戒めから解き放たれた彼を信じるものなどいないだろうが・・・。 大魔王が在った120年前の暗黒の世界も見てきた。 すでに156を迎える彼は世界を見てきた。 そろそろ闇を迎え入れることだろう。 救いというの名の闇を・・・。 彼はただ虚空を見ていた。 ◇◆◇◆ 「美しい。」 他者の存在を受け入れぬ、混沌世界へと堕ちた貴族は、銀鱗の夜空、そして自らに酔いしれ、歓喜の声を上げる。 それはすぐに消えたが、儚く残像のようにそれが世界を彩る。 それが薄れていく頃にまた言葉を紡ぐ、それだけが時を進めていた。 ◇◆◇◆ 偽り。 だが真実はどこにあるのか。 彼ですら知らぬことだ。 そして知ることもないだろう。 今となればどうだっていいのだ。 偽りだろうと真実だろうと、時が、結末が、偽りを正義へと運ぶかも知れない。 真実を探すことはない。 だが拒みはしない。 それが訪れるならば、偽りが滅びるかも知れない。 同じ正義ならば真実を取るだろう。 それまではただ待つ・・・。 真実か闇・・・どちらを待つのかは彼にも分からない。 運命は従いつつも抗うものだと神は言う。 だが人は弱いのだ。 あえて流されるのも良いのだろうと彼は説く。 自らにだけ。 祈るのは神にではない。 自分だけの運命に・・・。 だが流されるだけではつまらないだけだ。 運命に流されつつも抗うことなく道を決めた。 愚劣な君のためにそして民達のため、彼は動く。 だがけして逆流に向かった覚えはない。 それも運命だったのだろうと彼は思っている。 いや当然なそれを思うことはないであろう。 心に降る雪は儚く消えた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ またまた少し違った感じに・・・。 いいのかな。 |
11623 | 冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った | D・S・ハイドラント | 2002/11/23 15:01:16 |
記事番号11535へのコメント 「実は・・・・・・・・。」 沈黙が混沌のように世界を錯覚させる。 そして光は見えず、兆しはない。 だがそれに兆しなどないのだ。 光は唐突にする。 「・・・・あたしの私有地なの♪」 そう唐突に・・・。 「「えっ!」」 声を合わせるフィブリゾとシェーラ。 まあ反応が一瞬早かったのはフィブリゾの方だが・・・。 思わずシチューを吹き出しそうになるが堪える。 「冗談よ。実はこの森変な結界張られてるのよね。」 そうフィブリゾの向かいに座っているエルは天井を見やる。 そこには作動していない魔力灯がある。 昼間なので明かりは充分だからだ。 そして視線を戻し、 「あなた達、トリュフ族って知ってる。」 フィブリゾの瞳を少し上から覗き込みつつ、少々明るめに言う。 一瞬視線に戸惑ったフィブリゾ。 「さあ知らないけど。」 「名前だけなら・・・。」 シェーラはそっと声を出す。 「どんなのなの?」 フィブリゾは視線を動かし、シェーラに問う。 「よく冒険小説とかに出てくるエルフのモデルになった種族よ。」 エルが答えるとフィブリゾは身を竦め、そして 「へえ妖精かあ。」 「まあどちらかって言うと妖魔って感じだけど。」 独り言のようにだが、はっきりと届く。 「で、そのトリュフ族がどうしたんですか。」 シェーラが穏やかにそれでいて強く、身を少々乗り出して聞いてくる。 「そのトリュフ族って120数年前、つまり大魔王の時代にね、滅びたんだけど・・・。」 言葉を切って、左側、つまりシェーラの方の窓を見やり。 一瞬返答を待って、来ないのを確認すると、 「その生き残りがこの森に住んでるのよ。」 ◇◆◇◆ 常に森には静寂もなく。 ただざわめきだけだ。 それだけ、自然を愛でることなどする気になれない。 その激動と絶望、そして不完全で偽りな静寂が織り成す緑の世界を好んだつもりはない。 だがそう見えても仕方ないだろう。 水晶のように透明的な肌。 薄い布切れだけを身に付けている。 それはまるで病んでいるようなそんな感じだ。 事実病んでいるのだから・・・。 その冷徹そうな瞳は、それでいて赤く焔のようだ。 焔と氷を併せ持つような・・・。 だがどちらとも彼なのではない。 相対する2つの内の1つは偽りに過ぎない。 そして全く不明な性別。 これも同じことであろう。 やはり似ているのかも知れない。 自分とこの森とが・・・。 だが調和も同調もする気にはならない。 それぞれが個々なのだから。 そして自分がそれを越えすぎているから・・・。 そうだった。 自分は超越者。 そうだったのだ。 忘れてはなかった。 憎悪とともに、そちらは肥大化し過ぎているかも知れないが・・・。 だが再認識する。 少し前の自分は超越者であったのに・・・。 あのときからだ・・・。 そう時は流れてはいない。 それが失われた。 奪われたのだ。 許せない。 許せない。 超越者は、支配者はこの自分だというのに・・・。 いや自分だったというのに・・・。 「魔女め・・・。」 地面を見下ろす。 (**腐敗**) 不可思議な言語がただ一点に飛ぶ・・・。 それは小さく他を侵食することのない静かな光となり地に落ちる。 そこから死せる大地が小さく顔を見せる。 「くっ・・・。」 予想より遥かに微弱な力であった。 彼は唇を噛み、怒りを浮かべた。 そしてすぐに平静へと直るがけして消えたわけではなかった。 やがて歩き出した彼は緑に消え去った。 |
11624 | Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った | 渚 | 2002/11/23 15:22:13 |
記事番号11623へのコメント > 「実は・・・・・・・・。」 > 沈黙が混沌のように世界を錯覚させる。 > そして光は見えず、兆しはない。 > だがそれに兆しなどないのだ。 > 光は唐突にする。 > 「・・・・あたしの私有地なの♪」 ずでっ(←こけた) > 「あなた達、トリュフ族って知ってる。」 > 「まあどちらかって言うと妖魔って感じだけど。」 妖魔ってどんな感じ?悪者?? > やがて歩き出した彼は緑に消え去った。 トリュフ族とは出会うのかな?一体どんなんだろ。 毎度の事ながら、打つのが早いですね。 では、ご縁がありましたら。 |
11629 | Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った | D・S・ハイドラント | 2002/11/23 17:54:24 |
記事番号11624へのコメント >> 「実は・・・・・・・・。」 >> 沈黙が混沌のように世界を錯覚させる。 >> そして光は見えず、兆しはない。 >> だがそれに兆しなどないのだ。 >> 光は唐突にする。 >> 「・・・・あたしの私有地なの♪」 > >ずでっ(←こけた) これはどうしても書きたかったです。 > >> 「あなた達、トリュフ族って知ってる。」 > >> 「まあどちらかって言うと妖魔って感じだけど。」 > >妖魔ってどんな感じ?悪者?? あんまり具体的ではないです。 まあ悪い妖精だと思ってくれれば・・・。 > >> やがて歩き出した彼は緑に消え去った。 > >トリュフ族とは出会うのかな?一体どんなんだろ。 >毎度の事ながら、打つのが早いですね。 いえそんなことないはずです。 >では、ご縁がありましたら。 それでは〜レスありがとうございました〜 > |
11633 | Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った | エモーション E-mail | 2002/11/23 20:46:50 |
記事番号11623へのコメント 続々と新しいキャラが出てきてますね〜。 長生きですね、ミックス・ジュース……。そーゆー種族なのでしょうか? トリュフ族……これまた、お高そうな……。 エル様のお言葉から見ると、あまり好意的な種族には見えませんが……。 でも、エル様はものともしていないんだろうなあ……。鬱陶しいと思うくらいで。 平気で住んでいるし。 ラストに出てくる不健康そうな彼が、トリュフ族でしょうか? 何やらかす気なのか。 そして、エル様はシェーラ達にその話を話をして、何をするつもりなのか……。 明日のお楽しみ、ですね。 では、今日はこれで。 |
11640 | Re:冥王の騎士:36章:やがて歩き出した彼は緑に消え去った | D・S・ハイドラント | 2002/11/23 22:26:35 |
記事番号11633へのコメント >続々と新しいキャラが出てきてますね〜。 です。 >長生きですね、ミックス・ジュース……。そーゆー種族なのでしょうか? スレイヤーズのようの世界でもあるように魔道を駆使して長生きしているのでしょう。 > >トリュフ族……これまた、お高そうな……。 高貴な種族らしいですが・・・。 >エル様のお言葉から見ると、あまり好意的な種族には見えませんが……。 まあそうなんでしょうね。 >でも、エル様はものともしていないんだろうなあ……。鬱陶しいと思うくらいで。 そうかも知れません。 >平気で住んでいるし。 ですね。 > >ラストに出てくる不健康そうな彼が、トリュフ族でしょうか? まあ不健康そうなのは種族の特徴ですが・・・。 >何やらかす気なのか。 さあ? >そして、エル様はシェーラ達にその話を話をして、何をするつもりなのか……。 > >明日のお楽しみ、ですね。 >では、今日はこれで。 それでは > どうもありがとうございました。 |
11641 | 冥王の騎士:37章:森をさまよっていたときは | D・S・ハイドラント | 2002/11/23 22:47:40 |
記事番号11535へのコメント 「そのトリュフ族が結界を・・・?」 「あら、・・・正解よ。」 エルはシェーラの方に向き直る。 「で、結界というのは・・・?」 エルは余裕のある表情で、 「この森から出られなくするための結界よ。」 さながら怪談話の大詰めのような口調だ。 「で、何にためにそんなのを。」 今度は違う声フィブリゾのものだ。 「まああたしにも分かんないけどね。」 「出会ったことはあるんですね。」 シェーラはエルの顔を見つめたまま即座に聞く。 「あっあるわよ。・・・怖かったから逃げたけど・・・。」 「でもあなたも閉じ込められているんですよね。」 「シェーラちゃんそんなに真剣にならなくても良いわよ。」 少々焦りがあった。 「で、そいつをやっつけるんだね。」 助け船を得たようにフィブリゾに向き直る。 「まあ出来ればそうしたいけど、トリュフ族は恐ろしい力を持ってるわ。」 「恐ろしい力ですか・・・。」 エルはシェーラの方を向いてないためちょうど2人の間に視線を向ける。 ここに動かした理由などないが・・・。 「まあ魔法のことよ。でもあたし達人間とは比べ物にならない強力な魔法よ。魔術と呼んでも良いわ、ほとんど超能力並だし・・・。」 魔術と言うと真っ先に浮かぶのは大きな街や旅の見世物小屋などで大衆娯楽として定着している、手品、奇術の類。 もう1つは超常現象を引き起こす力のことである。 今の場合、無論後者であろう。 魔法もそれであるが、すでにそんな存在として認められている。 結局、不可思議な力のことである。 「魔術士(マジシャン)種族という2つ名もあるみたいよ。」 「あたしは別にこの森にいても良いんだけど、あなた達はそうじゃないようだし、手伝って上げるわよ♪」 嬉しそうな表情のフィブリゾ、少々翳りがあるものの、同じようなシェーラ。 「じゃあ、行きましょうか」 3人はそれぞれの椅子から立ち上がる。 「あっあたしのお皿持ってきてくれない。」 シェーラの方を見やり微笑む。 エルは鍋を持ち上げ右隅の扉に持っていく。 シェーラとフィブリゾは後に続いた。 「ここに置いといて」 それほど広くない部屋の隅から大きめの台の上に溝が出来ている。 それはかなり広く、溝の壁の部分に木製のコップを縦に捻じ曲げたようなものがある。 そこをエルが指差す。 どうやらその捻じ曲げたコップは水を生み出す魔道具だった。 「ちょっと待っててね♪」 エルは洗い物に取り掛かった。 そして先ほどと同じ席に着いていた2人の元にエルが戻る。 「出発だね。」 フィブリゾに笑顔で頷く。 「あっそうだ。これ使っていいわよ。」 エルはテーブルのシェーラに近い位置に小さな黒い球のようなものを置く。 「これ何ですか?」 驚きではなく疑問。 「ちょっと握ってみて。」 シェーラはそっと触れ、そしてゆっくりとそれを握る。 「変われ!って感じ言葉を心で念じて。」 シェーラは言われた通り、 (変われ!) すると突然、球が光だし、それは剣の形を取る。 かなり上等なものだ。 「まあ凄いわね、そんなにいいものが生れるなんて・・・。」 エルはやけに嬉しそうだ。 シェーラとフィブリゾは唖然としている。 「この球は使う人によって色々な姿形を取る魔道具なの♪あたしの場合は槍と鎌に自由に変化出来るけど・・・。」 確かに鎌や槍が突然現れていたりした。 無論シェーラは知らないが・・・。 「それ上げるわ♪あなたのその剣凄い出来だし。」 「えっ良いんですか。」 シェーラは剣を握ったまま、さらに驚いた表情で声を上げる。 「良いのよ。」 優しく答える。 「じゃあ行きましょうか。」 エルが立ち上がる。 「あっ戻れって念じれば戻るわよ。」 (戻れ!) シェーラは球を仕舞い込むと、立ち上がる。 フィブリゾもだ。 そして外に出た。 フィブリゾの椅子だけ、テーブル側に寄せられていなかった。 外の空気は心地よい。 森をさまよっていたときは全く感じられなかったが、今はそれが明白となっている。 |
11646 | Re:冥王の騎士:37章:森をさまよっていたときは | 渚 | 2002/11/24 08:45:25 |
記事番号11641へのコメント > 「あっあるわよ。・・・怖かったから逃げたけど・・・。」 > 「でもあなたも閉じ込められているんですよね。」 > 「シェーラちゃんそんなに真剣にならなくても良いわよ。」 > 少々焦りがあった。 何か隠してるのか? > 「恐ろしい力ですか・・・。」 今は、エルのほうが恐ろしい力持ってるように思える・・・。 > 「あたしは別にこの森にいても良いんだけど、あなた達はそうじゃないようだし、手伝って上げるわよ♪」 森の中で一生終えてもいいんですか? すごい球ですねー、フィブだと何ができるんだろ・・・・? それでは、ご縁がありましたら。 |
11647 | Re:冥王の騎士:37章:森をさまよっていたときは | D・S・ハイドラント | 2002/11/24 09:41:03 |
記事番号11646へのコメント >> 「あっあるわよ。・・・怖かったから逃げたけど・・・。」 >> 「でもあなたも閉じ込められているんですよね。」 >> 「シェーラちゃんそんなに真剣にならなくても良いわよ。」 >> 少々焦りがあった。 > >何か隠してるのか? ですかねえ。 > >> 「恐ろしい力ですか・・・。」 > >今は、エルのほうが恐ろしい力持ってるように思える・・・。 まあ人間の魔法と格が違うそうですし > >> 「あたしは別にこの森にいても良いんだけど、あなた達はそうじゃないようだし、手伝って上げるわよ♪」 > >森の中で一生終えてもいいんですか? さあ? > >すごい球ですねー、フィブだと何ができるんだろ・・・・? うわっそこ突きましたか。 >それでは、ご縁がありましたら。 それでは、どうもありがとうございました。 |
11648 | 冥王の騎士:38章:愛!? | D・S・ハイドラント | 2002/11/24 10:43:14 |
記事番号11535へのコメント 3人は森を歩いている。 先頭がエル、その少し後にシェーラ、シェーラから少し左にフィブリゾだ。 特に列に意味はない 「エルさ・・あっエルってさっき魔法使うときに補助音声使ってましたよね。」 エルの視線に気付き訂正した。 そして言葉が終わるとエルが焦りを浮かべたようだった。 「ああ、あれ癖なのよ・・。」 少々ぎこちない口調となる。 「それより・・・」 「何ですか。」 シェーラの表情を伺うように見たエルは、一呼吸の後、 「来たみたいよ。」 そして気配。 「っ!!」 フィブリゾは驚きながらそれを指差している。 シェーラもそれに気付く。 左側、つまりフィブリゾの方角に黒い影、それはかなり大きくそして形を映し出していく。 「ドラゴン?」 蜥蜴のような姿に巨大な翼、それはまさに冒険小説――この類は魔法による文字印刷で作られるため地方にはあまり出回っていない――などに出てくる魔獣ドラゴンだった。 「ドラゴンなんて空想の産物よ、あれはドラゴンじゃなくて焔魔獣(ドレイク)よ。」 「どれいく?」 焦りが突然消えたように聞くフィブリゾ 焔魔獣(ドレイク)・・・神話の魔物である。 神々を焼き殺す紅蓮の焔を吐き、翼が羽ばたけばそれが嵐となり、地を歩くたびに地震が起きて、その瞳を見たものは氷漬けにされると言う。 「でもそれも神話の・・・。」 シェーラが恐る恐る聞く。焔魔獣(ドレイク)の視線を感じてだ。 「そうよ、それも幻想に過ぎないわ。あれの正体はトリュフ族よ。」 「「えっ!」」 声を上げる。 そしてその巨体を再び見ようと震えながら視線を動かす。 だがそこには先ほどの魔物ではなく、水晶のような肌、天の銀光を浴びた雪よりも鮮やかな銀髪、ただの布切れだけを見に付けておりところどころ露出が見られるが、その性別は不思議に分からない。 さらにそこから来る何かの雰囲気がそれを人間ではないということを示していた。 「ねえエル、あれが妖精なの?」 フィブリゾがエルの腕を軽く引っ張る。 「そうよ。」 それはかなり美しく鏡のようでもある、だがやせ細っており脆く簡単に崩れ落ちそうだ。 それがなお魅力を引き立ているのかも知れないが・・・。 「魔女よ。」 突然声がした。 その声はまるで脳の中に直接呼びかけられたような、だが幻聴などとは違い、明らかに声だ。 「魔女?」 「そうその女、エルとか名乗っていたか・・・その女は魔女だ。」 再びその声、頭に直接入ってくるそれは特に不快には感じなかったが、それでもやはり不気味なものだ。 「魔女ってどういうことですか。」 シェーラが向けたのはエルの方だ。 だが反応したのはエルではなく、トリュフ族らしき方だ。 「そう私のこの力を奪った。神なる魔の力を・・・。」 「奪ったって?」 「本当なの?」 エルに言葉を向ける。 エルは軽く項垂れ、そして短いときの後、決心したように 「全く、こうなることは分かっていたのに、確かにあたしは力を奪ったわ。そのトリュフの力に興味あったのよ。」 溜息とともに言い終える。 「所詮人の身で私達、神なる種族の力を使えるはずなどない。」 厳しい口調だ。 今回はさすがに頭が痛くなる。 「そうね、あなたの力を奪ってからあたしは集中力がかなり落ちたわ。魔力はずいぶん上がったけどね。」 「まさかエル!」 「そうよ、あたしは補助音声なしでは魔法を使えないようになったのよ。」 その表情は辛そうに見えた。 そして・・・。 「でも、そんなことはどうでも良いわ。でもレーガス、つまりそのトリュフ族はあたしを許さないわ。レーガスは残った力であたしを殺そうとする。あたしでは絶対に勝てないわ。だからあなた達の力を借りようと思ったの。」 そこでエルは涙を流し、 「無理なのよね。やっぱり無理よね。この愚かなあたしを許してくれるはずないのよね。」 「理由はどうであれ、私の力を奪ったことは重罪だ。もう愛は終わった。その人間達とともに私と戦え!」 だがレーガスと言うらしいトリュフ族も悲しげであった。 「「愛!?」」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ありゃあドラゴンがでてしまった。 まあ名前だけだけど・・・。 |
11667 | Re:冥王の騎士:38章:愛!? | エモーション E-mail | 2002/11/24 21:10:05 |
記事番号11648へのコメント 半分予想通りで、半分衝撃の展開ですね……。 愛……あ、あーい、それはー(脳内でヅカの舞台が発動中) エル様、トリュフ族相手に何かやらかしてるなあとは思いましたが……。 愛って……(滝汗) エル様と見た目不健康そうなのが特徴の彼は、昔らぶらぶだったのですか……。 興味があったので、調べていたらそうなってしまって、結果的に力を奪う事に なったのか、興味の方が勝って奪うことになったのか、どちらなのでしょう。 どちらにしても悲しいですね……。 また、シェーラちゃんの新しい剣、どんな力を持っているのか楽しみです。 では、今日はこれで。 |
11669 | Re:冥王の騎士:38章:愛!? | D・S・ハイドラント | 2002/11/24 21:59:36 |
記事番号11667へのコメント >半分予想通りで、半分衝撃の展開ですね……。 ですか・・・。 >愛……あ、あーい、それはー(脳内でヅカの舞台が発動中) 大丈夫ですか > >エル様、トリュフ族相手に何かやらかしてるなあとは思いましたが……。 >愛って……(滝汗) です。 >エル様と見た目不健康そうなのが特徴の彼は、昔らぶらぶだったのですか……。 >興味があったので、調べていたらそうなってしまって、結果的に力を奪う事に >なったのか、興味の方が勝って奪うことになったのか、どちらなのでしょう。 >どちらにしても悲しいですね……。 続きを読めば分かるかも知れません。 > >また、シェーラちゃんの新しい剣、どんな力を持っているのか楽しみです。 > >では、今日はこれで。 はい、それでは〜レスありがとうございました。 |
11670 | 冥王の騎士:39章:存在するのかさえ・・・ | D・S・ハイドラント | 2002/11/24 22:34:53 |
記事番号11535へのコメント 「そうよ。」 明るさを取り戻すも翳りは濃く、無理が感じられる。 「あたしはレーガスが好きだった。でも彼はあたしを好きにはなってくれなかった。あたしが人間だからよ!だからあたしはトリュフ族になりたかった。だから力を奪ったのよ。」 突然変化した言葉は、涙とともに放たれる。 「今さらそんなことを言うか、魔女よ。」 レーガンも冷徹ながらも完全にそうではない。別の何かが浸食を始めている。 「そんなことは思ってないわ。あなたとは決着を付ける。もう終わったのだから・・・。」 涙のまま、言葉を終えるが、その容貌からは強さが感じられる。 「そうだ。私に勝てば罪は消える。私に負けてもだ。・・・これが最後の愛だ。さあその人間達もともに戦うのだろう。」 余裕のようだが全くそうではない、しかしそれを表現できるだろうか・・・。 悲しみとも憎しみとも愛とも違う何かが渦巻いている。 「いえ、あたし1人よ!」 それは涙目であろうとも今までで一番強さを感じさせていた。 「ごめんね。2人とも楽しかったわ。・・・許してね。」 ・・・言葉を返せなかった。 「それとこれ借りるわね。」 シェーラとフィブリゾは沈黙で、黒い球をシェーラから奪うように取ったエルの歩みを見守った。 いやただ見るだけだ。彼女を見守ることなど出来ない。 「・・・愛していたわ。」 それが始まりの合図であった。 「**聖域**」 声でも言葉でもない。 ただそれが響く、だが聞くのは聴覚ではないし脳内に響くわけでもない。 ただ不思議に分かるのだ。 それが・・・声でも言葉でも文字でも何でもないそれが・・・。 それは薄い光の幕を作り出す。 それが戦う2人を覆っている。 「大地の精よ、炎より赤き焔を!」 エルの涙をいつしか止み、闘志だけがそこにある。 「地熱破!(フラム・バスター)」 溶岩流が溢れ出す。 地下からではなく虚空からだ。 それは幕の内側を溶岩の海にしている。 エルは当然無事で、幕の外にも不思議に漏れていない、そしてそれはレーガスに向かう。 だが余裕で、 「**障壁**」 それはレーガスの目前で消え去る。 これはそれほど凄いことでもない。 基本的に防御魔法というのは攻撃に比べると構成しやすいのだ。 魔力消費に差があるわけではないのだが・・・。 溶岩流が消え去ったと同時に、エルは踏み込んでいた。 同時に灰色のローブを脱ぎ捨てる。 瞬時に黒の動きやすそうな薄手の服装となり、そして黒の球が槍となる。 それがレーガスの喉元に向けられる。 ためらいなどない。 「**転移**」 だがレーガスの姿が掻き消え、そして背後に現れる。 エルは瞬時に前方に素早く跳ぶその空中で身を捻り、そして槍が鎌となる。 「**瞬打**」 だがそれが当たるより早く衝撃がエルの腹部を打つ。 苦悶の表情で落ちていくが何とか体勢を整え、転倒は避ける。 「私も君を愛したかった。今も・・・だが叶わぬこと、ならばせめて・・・。」 レーガスはそう言葉を発しながらエルに近づく・・・。 余裕などは微塵もない。 むしろそれは覚悟であった。 そしてエルの槍がレーガスを貫く。 だがレーガスは苦痛など受けてないかのように・・・。 「出来なかったよ・・・。私には出来なかったよ。」 「レーガス・・・。」 それは先ほどまでのエルとは違った。 そして今までのすべてと・・・。 「・・・愛する君を殺すなど、」 「あたしを殺して!」 エルは叫ぶ、強さはなく、それはすでに崩れている。 「だから出来ない・・・」 エルはその言葉が消え終わるのを待ったかのように・・・。 「せめて2人で死にたい。」 「無理だ、死の世界など存在しない。」 「どうして分かるの・・・。」 「私がトリュフの血を持つからだ。君に存在しても私にはない・・・。そろそろお別れだ・・・。」 レーガスの死は突き刺す槍に冷気として無情に伝わった。 「レーガス・・・・」 そしてエルは泣き崩れた。 ◇◆◇◆ 「ゼロス、よく来たね・・・。」 「・・・はい。」 暗闇に自分を含めた2人、いや本当は自分だけかも知れないと思えなくもない。 むしろその気持ちが自分を貪り、やがてその孤独の恐怖が現れてくる。 それは打ち消せない。 そうすれば浸食を早める。 だから捨てる。 「森は危険なようですね。」 「そうだね、僕もすべてを知ってるわけじゃないけどね。」 その少年は恐ろしい。 恐ろしいのだ。 「後、スターゲイザーはどうしてるの?」 「彼は出掛けておりますが・・・。」 その返答はかなり困難なものであった。 自分が言葉を発せられたのが奇跡に思える。 「ちょっと彼と連絡取りたいんだけど、中継とか出来る?」 「はいただいま。」 ゼロスはそれを使う。 魔法ではない。 構成など必要としない。 「強制通着(コール)」 決めた相手と強制的に通話する魔術、そう魔法ではない。 使用方法は彼にしか分からない。 彼の見る先の少年すらも・・・。 彼は不思議な感覚に包まれていく。 それは通信時に起こる現象だ。 その中で・・・。 「中継」 同時にゼロスは不思議な感覚から解放される。 そして・・・。 「あっスターゲイザー?」 少年は会話をしている。 頷くばかりで彼には詳しい内容はよく分からない・・・。 「えっ・・・。」 そのとき違った反応が見せられる。 「騎士が・・・生きてる?」 衝撃であった。 だが少年はどうなのだろう。 その少年の本性は分からない。 本当に存在するのかさえ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 何か最近いい加減です。 矛盾した所とかあるかも・・・ あったらやだなあ・・・。 ※ここは独り言コーナーです。後書きではありません。 |
11674 | Re:冥王の騎士:39章:存在するのかさえ・・・ | 渚 | 2002/11/25 07:32:18 |
記事番号11670へのコメント > 「あたしはレーガスが好きだった。でも彼はあたしを好きにはなってくれなかった。あたしが人間だからよ!だからあたしはトリュフ族になりたかった。だから力を奪ったのよ。」 愛ですね〜。 > 「・・・愛していたわ。」 > それが始まりの合図であった。 悲しい、始まりの合図・・・・。 > 「私も君を愛したかった。今も・・・だが叶わぬこと、ならばせめて・・・。」 両思い・・・・。 > 「・・・愛する君を殺すなど、」 > 「あたしを殺して!」 > エルは叫ぶ、強さはなく、それはすでに崩れている。 > 「だから出来ない・・・」 > エルはその言葉が消え終わるのを待ったかのように・・・。 > 「せめて2人で死にたい。」 > 「無理だ、死の世界など存在しない。」 > 「どうして分かるの・・・。」 > 「私がトリュフの血を持つからだ。君に存在しても私にはない・・・。そろそろお別れだ・・・。」 > レーガスの死は突き刺す槍に冷気として無情に伝わった。 > 「レーガス・・・・」 > そしてエルは泣き崩れた。 ううー(;;)上手くコメントはできませんが、何ていうかその・・・・ やっぱり、愛する人に、手はかけられませんよね。 それに、二人とも愛し合っていたのに・・・・ ううー(;;)泣けてきます。私こーゆー結末弱いんですよ。 >・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ >何か最近いい加減です。 そうですか?私の方がすごいいい加減ですけどね。 では、またご縁がありましたら。 |
11675 | Re:冥王の騎士:39章:存在するのかさえ・・・ | D・S・ハイドラント | 2002/11/25 09:39:11 |
記事番号11674へのコメント >> 「あたしはレーガスが好きだった。でも彼はあたしを好きにはなってくれなかった。あたしが人間だからよ!だからあたしはトリュフ族になりたかった。だから力を奪ったのよ。」 > >愛ですね〜。 です。 > >> 「・・・愛していたわ。」 >> それが始まりの合図であった。 > >悲しい、始まりの合図・・・・。 ですかね。 > >> 「私も君を愛したかった。今も・・・だが叶わぬこと、ならばせめて・・・。」 > >両思い・・・・。 まあ実はそうだったのかも・・・。 > >> 「・・・愛する君を殺すなど、」 >> 「あたしを殺して!」 >> エルは叫ぶ、強さはなく、それはすでに崩れている。 >> 「だから出来ない・・・」 >> エルはその言葉が消え終わるのを待ったかのように・・・。 >> 「せめて2人で死にたい。」 >> 「無理だ、死の世界など存在しない。」 >> 「どうして分かるの・・・。」 >> 「私がトリュフの血を持つからだ。君に存在しても私にはない・・・。そろそろお別れだ・・・。」 >> レーガスの死は突き刺す槍に冷気として無情に伝わった。 >> 「レーガス・・・・」 >> そしてエルは泣き崩れた。 > >ううー(;;)上手くコメントはできませんが、何ていうかその・・・・ >やっぱり、愛する人に、手はかけられませんよね。 ですねえ。(じゃあエル様は・・・・) >それに、二人とも愛し合っていたのに・・・・ >ううー(;;)泣けてきます。私こーゆー結末弱いんですよ。 そうなんですか・・・。 > >>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ >>何か最近いい加減です。 > >そうですか?私の方がすごいいい加減ですけどね。 渚さんの作品は全然そんなことないと思います。 > >では、またご縁がありましたら。 ではどうもありがとうございました |
11676 | 冥王の騎士:決章 | D・S・ハイドラント | 2002/11/25 14:09:31 |
記事番号11670へのコメント そこはエルの小屋の中。 先日と同じ席に3人は着いている。 朝日が窓から差込み、光と影を淡く映し出している。 「本当にありがとうございました。」 「いいのよ。こちらこそお礼が言いたいほどだわ。」 シェーラに笑顔で返すエルは今までの笑顔がすべて偽りであったかのように晴れやかで、活き活きとしていた。 「いえ、そんなことないですよ。」 微笑み返すシェーラ。 「じゃあ、エルまた会おうね。」 「気を付けてね。シェーラちゃんもしっかり護るのよ。」 「はい。」 フィブリゾとシェーラは席を立つ。 テーブルには空の皿に液状のクリームソースが泳いでいる。 朝食はエル秘伝のオムレツだった。 材料をどこから手に入れているかは謎であったが・・・。 「では私達はそろそろ・・・。」 「あっ待って!」 焦って立ち上がるエル。 「あたしも行くわ。」 「「えっ!」」 同時に声を上げる2人、やはりフィブリゾの方が速かったが・・・。 「やっぱり決めたんだけど、あなた達と一緒に行くわ。お願い連れてって・・・」 言葉とともに頭を下げる。 2人はそれを困ったように見ている。 「いいよ、一緒に行こう。」 沈黙の後、フィブリゾがエルの顔を覗き込んで優しく言葉を出す。 「いいの、本当に、ありがと♪じゃあ早速準備してくるね。」 エルはばたばたと慌てつつ、後片付けや準備を始めた。 (これが昨日は自殺するって言って聞かなかった人の態度とは思えないわね。) 胸中で溜息を付いたつもりのシェーラにはなぜだか笑みが浮かんでいた。 ◇◆◇◆ ヒムドは急な命を受け、すでに2日前には帰還を終えていた。 公では王家直系のものの生存は絶望的であるためグラウシェラー新国王の座がほぼ確定しつつある。 彼も爵位が与えられ、南部の広大な領地を治めることとなるだろう。 だがそんな中、カタート王国の隣国に当たる、シャーベット王国を始めとするいくつかが怪しげな姿勢を見せていると言う。 戦乱の予感、それを向かえ討とうとしている。 まだ甘い生活は早いようだ。 だがそれは彼の望まぬことではない。 戦乱は大地を、血で洗い、屍で埋め尽くす。 彼にはそれが快楽でしかない。 そして果てに敗れるグラウシェラー、自分の暗躍。 そして王となる自分。 誰の目にもいまだ触れさせていない黄金の錫杖を弄びつつも、彼は部屋の虚空を歓喜で埋め尽くした。 ◇◆◇◆ 「で、彼らはどうしてる?」 微笑はかえって冷たい。 「現在、森を抜けようとしているところですが。」 冷徹な相手の声はむしろ温かくも感じられた。 「そう、あの魔女はどうしてるの?」 「魔女ですか・・・彼女もまた騎士とともに・・・。」 「そう・・・じゃあもう尾行はいいや、彼はどこに行くと思う?」 悪戯な声はそれだけで相手の心を凍てつかせる。 先ほどから動きはない。 「マツタケ・シティと見ておりますが・・・」 「正解♪早速そこに行ってよ。」 「今ですか・・・」 話し相手に恐怖が広がっているのが分かる。 「そうだよ・・・着いたら連絡して、指示出すから・・・。」 「分かりました。」 その声は震えきっていたが、それを必死で隠されていた。 「じゃあ切るよ。」 その途端、静寂が戻った。 「さてと、ゼロスやっと遊べるね。」 「・・・はい。」 答える男の表情には純粋な恐怖・・・それだけであった。 ◇◆◇◆ 2つ緑が刹那、境界を作り出す。 そして闇は光に打ち負け、淡い光を遮ることはなくなる。 見上げれば蒼、そして白の存在が虚像でありながらも現実を越えた存在感を映し出す。 そして駆ける透明な旅人達はその姿を地に垣間見せる。 だがすぐに走り抜けると、そこにはほんのりと余熱が肌を撫でる。 「出れたのね。」 金色の髪は初めて光を得たように主張してるように思えた。 「エル、森の外は何年振りなの・・・?」 そっと黒髪の美少年が囁く。 「生れて初めてよ。」 風に煽られた髪が美しくなびく。 「えっ初めてなの?」 少年と同時に無言で佇んでいた少女も驚いたようだ。 「冗談よ。」 風はどこまで行くのか。 そして彼らは・・・。 (続く) |
11678 | **後書き** | D・S・ハイドラント | 2002/11/25 14:34:41 |
記事番号11676へのコメント いやあ長かった〜。 冥王の騎士ついに1話完結。 いやあ結構な量になった。 我ながらかなり書けたと思います。 まあ面白さは別として・・・。 それにしても終盤ガーヴの出番ない。 ごめんなさい、一応人気投票2位のキャラなのに・・・。 まあ実はこれから思いっきり出る予定です。 でもガーヴが出るとどうしても外伝的になりそうなんですよね。 いっそのこと外伝にして思いっきりガーヴの話に・・・。 後、フィブリゾ君もあんまり喋らないし・・・エルの方が出番多いしで困ってます。 どうしてもエルの方が動いてしまいます。 実は当初はトリュフ族の方がシェーラ達の仲間になる予定でした。 まあ無理でした・・・。 それにしてもキャラ多いなあ・・・。 シェーラとフィブとエルのメインに撲殺人参ソードに、アインにグラウシェラーやヒムド、アインやガーヴなどいっぱいだ・・・。 どうしよう・・・。 まあ何とかするしかないし・・・。 それにしても、長くなったなあ。 まだ終わる気配全然ないし・・・。 まあ基本的なことは大体説明終わってるし、やられキャラも結構多いので、意外と素早く終わるかも・・・。 まあ、まず終わるか疑問。 思いっきり疑問です。 終わるかなあ? 大体これからどうなるか決まってるけど、変わったら大変だな・・・。 矛盾とか出来そうだし・・・。 それにしてもこの作品だけのオリキャラって少ない・・・。 トリュフ族のレーガスにミックス・ジュース、伝説の勇者御一行や、魔王や神や悪魔、そして名前のないキャラを含めていいのならば結構いるけど・・・。 早く黒毛和牛の鎧(ダーク・スター)の活躍見たいな・・・。 それではこの辺りで・・・。 次回に続きます。 (結構キャラ出揃ってる、というか重要キャラほぼ全員出ている気がする今日この頃、人気投票今度またやろうか微妙に検討中) レス下さった皆様本当に感謝しております。 ここまで来れたのも本当に皆様のお陰だと心から思っております。 どうもありがとうございました。 |
11680 | 冥王の騎士:追章(書き忘れ) | D・S・ハイドラント | 2002/11/25 14:43:07 |
記事番号11676へのコメント 風は駆け抜ける。 草木は木漏れ日の中、揺れる。 そこは在りし日を映す廃墟。 だがそこにはそれが在る。 ―――愛するレーガスここに眠る――― |
11686 | Re:冥王の騎士:決章 | 渚 | 2002/11/25 16:32:11 |
記事番号11676へのコメント > 朝食はエル秘伝のオムレツだった。 > 材料をどこから手に入れているかは謎であったが・・・。 謎・・・・最後まで謎が残るエルですね。 > 「生れて初めてよ。」 森の中で生まれたということ? > 「冗談よ。」 冗談か・・・・エルが言うとそう聞こえない。 > 風はどこまで行くのか。 > そして彼らは・・・。 敵さんもこれからどんどん動き出すんでしょうか。 それでは、またいつか。 |
11690 | Re:冥王の騎士:決章 | D・S・ハイドラント | 2002/11/25 20:27:58 |
記事番号11686へのコメント >> 朝食はエル秘伝のオムレツだった。 >> 材料をどこから手に入れているかは謎であったが・・・。 > >謎・・・・最後まで謎が残るエルですね。 です。 > >> 「生れて初めてよ。」 > >森の中で生まれたということ? > >> 「冗談よ。」 > >冗談か・・・・エルが言うとそう聞こえない。 かも知れませんねえ > >> 風はどこまで行くのか。 >> そして彼らは・・・。 > >敵さんもこれからどんどん動き出すんでしょうか。 はい。 >それでは、またいつか。 それでは〜レスありがとうございました。 |
11695 | Re:冥王の騎士:決章 | エモーション E-mail | 2002/11/25 22:02:22 |
記事番号11676へのコメント お疲れさまです。 どうなるのやら、と思っていたエル様とレーガス……。 2人とも愛していたから「同じ存在」になりたかったんですね。 でも、どうしても同じにはなれない……。力を奪うこと、奪われることで それが嫌と言うほど分かってしまったんですね……。悲しすぎる……。 はじめは、シェーラとフィブリゾの助けを借りようとしていたエル様。 でも、自分でレーガスと戦うと決めた時、倒すのも、倒されるのも、 どっちでもいいという気分だったのでしょうね。さらに言えばレーガスも。 愛している相手と戦う……。辛い……。でも、どうしてもそれが避けられないなら、 愛しているから自分以外の者には殺させない、という気持ちはあるでしょうね。 かなり歪んだ愛情の形と独占欲ですが。そう言うのも何か分かります。(かなり 危ない発想だけど(汗)でも、ここまで追いつめられた恋愛はしたくないなあ) 結局レーガスが死を選んだ感じですね。しかも共に滅ぶこともできない…… ああ、キツイ……(泣) シェーラ達に同行することになったエル様。どこか吹っ切れた反面、引きずる部分が あるのだろうけど、前向きに生きて欲しいです。レーガスの分も。 ところで……ゼロスって「あのお方」のお気に入り……なんですか? 本人引きつってますが。……その反応を楽しまれているようにも見えますけど……。 > 「エル、森の外は何年振りなの・・・?」 > そっと黒髪の美少年が囁く。 > 「生れて初めてよ。」 > 風に煽られた髪が美しくなびく。 > 「えっ初めてなの?」 > 少年と同時に無言で佇んでいた少女も驚いたようだ。 > 「冗談よ。」 本当に冗談なのでしょうか……。 では、思わずエル様&レーガスに燃えてしまいましたので長くなりましたが、 今日はこの辺で。 続きを楽しみにしています。 |
11697 | Re:冥王の騎士:決章 | D・S・ハイドラント | 2002/11/25 22:05:54 |
記事番号11695へのコメント >お疲れさまです。 はい疲れました(思いっきりまて) > >どうなるのやら、と思っていたエル様とレーガス……。 >2人とも愛していたから「同じ存在」になりたかったんですね。 です。 >でも、どうしても同じにはなれない……。力を奪うこと、奪われることで >それが嫌と言うほど分かってしまったんですね……。悲しすぎる……。 >はじめは、シェーラとフィブリゾの助けを借りようとしていたエル様。 >でも、自分でレーガスと戦うと決めた時、倒すのも、倒されるのも、 >どっちでもいいという気分だったのでしょうね。さらに言えばレーガスも。 >愛している相手と戦う……。辛い……。でも、どうしてもそれが避けられないなら、 >愛しているから自分以外の者には殺させない、という気持ちはあるでしょうね。 >かなり歪んだ愛情の形と独占欲ですが。そう言うのも何か分かります。(かなり >危ない発想だけど(汗)でも、ここまで追いつめられた恋愛はしたくないなあ) >結局レーガスが死を選んだ感じですね。しかも共に滅ぶこともできない…… >ああ、キツイ……(泣) ああ私より説明上手いです〜。 > >シェーラ達に同行することになったエル様。どこか吹っ切れた反面、引きずる部分が >あるのだろうけど、前向きに生きて欲しいです。レーガスの分も。 そうですね。 > >ところで……ゼロスって「あのお方」のお気に入り……なんですか? >本人引きつってますが。……その反応を楽しまれているようにも見えますけど……。 > >> 「エル、森の外は何年振りなの・・・?」 >> そっと黒髪の美少年が囁く。 >> 「生れて初めてよ。」 >> 風に煽られた髪が美しくなびく。 >> 「えっ初めてなの?」 >> 少年と同時に無言で佇んでいた少女も驚いたようだ。 >> 「冗談よ。」 >本当に冗談なのでしょうか……。 さあ? > >では、思わずエル様&レーガスに燃えてしまいましたので長くなりましたが、 >今日はこの辺で。 >続きを楽しみにしています。 はい。 多分、即続きが出来ると思います。 それではどうもありがとうございました〜。 |