◆−冥王の騎士2−D・S・ハイドラント (2002/11/28 15:08:22) No.11754
 ┣冥王の騎士2:序章1:それぞれのプロローグ−D・S・ハイドラント (2002/11/28 15:09:19) No.11755
 ┣冥王の騎士2:序章2:事件?−D・S・ハイドラント (2002/11/28 15:10:31) No.11756
 ┣冥王の騎士2:序章3:夜の闇はそれぞれに−D・S・ハイドラント (2002/11/28 15:13:19) No.11757
 ┃┗Re:冥王の騎士2:序章3:夜の闇はそれぞれに−エモーション (2002/11/28 20:42:57) No.11763
 ┃ ┗Re:冥王の騎士2:序章3:夜の闇はそれぞれに−D・S・ハイドラント (2002/11/28 20:58:11) No.11764
 ┣冥王の騎士2:1章:血は通り雨の如く−D・S・ハイドラント (2002/11/29 19:52:33) No.11781
 ┣冥王の騎士2:2章:氷焔の戦い−D・S・ハイドラント (2002/11/29 21:05:16) No.11783
 ┃┗Re:冥王の騎士2:2章:氷焔の戦い−渚 (2002/11/30 09:39:07) No.11789
 ┃ ┗Re:冥王の騎士2:2章:氷焔の戦い−D・S・ハイドラント (2002/11/30 13:28:24) No.11791
 ┣冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?−D・S・ハイドラント (2002/11/30 16:48:11) No.11802
 ┃┣Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?−エモーション (2002/11/30 19:41:24) No.11808
 ┃┃┗Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?−D・S・ハイドラント (2002/11/30 20:02:04) No.11810
 ┃┗Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?−陽月 (2002/11/30 20:38:24) No.11814
 ┃ ┗Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?−D・S・ハイドラント (2002/11/30 21:11:33) No.11816
 ┣本当にすみません−D・S・ハイドラント (2002/11/30 17:00:28) No.11804
 ┣冥王の騎士2:4章:剣 対 魔法 ?−D・S・ハイドラント (2002/12/1 16:33:24) No.11828
 ┣冥王の騎士2:5章:冷静は動揺に・・・−D・S・ハイドラント (2002/12/1 16:36:02) No.11830
 ┃┣★冥王の騎士☆祝★開始1ヶ月+連載50回突破記念祭☆−D・S・ハイドラント (2002/12/2 13:43:30) No.11835
 ┃┗Re:冥王の騎士2:5章:冷静は動揺に・・・−エモーション (2002/12/2 23:10:28) No.11843
 ┃ ┗Re:冥王の騎士2:5章:冷静は動揺に・・・−1ヶ月記念なD・S・ハイドラント (2002/12/3 08:57:17) No.11846
 ┣冥王の騎士2:6章:死人に人権はない(使いまわし)−D・S・ハイドラント (2002/12/3 14:02:40) No.11848
 ┃┗冥王の騎士2:7章:思い、想う−D・S・ハイドラント (2002/12/3 14:06:13) No.11849
 ┃ ┣中書き−D・S・ハイドラント (2002/12/3 15:53:02) No.11851
 ┃ ┗冥王の騎士2:7、5章:到着−D・S・ハイドラント (2002/12/3 17:00:27) No.11852
 ┃  ┣7・5章って……。−エモーション (2002/12/3 21:13:28) No.11857
 ┃  ┃┗Re:7・5章です(激烈に待て)−D・S・ハイドラント (2002/12/3 21:29:47) No.11859
 ┃  ┗Re:冥王の騎士2:7、5章:到着−渚 (2002/12/4 07:43:36) No.11862
 ┃   ┗Re:冥王の騎士2:7、5章:到着−D・S・ハイドラント (2002/12/4 12:39:38) No.11863
 ┗書けない。−D・S・ハイドラント (2002/12/4 16:08:41) No.11869
  ┗お気になさらずに。−エモーション (2002/12/4 21:14:30) No.11885
   ┗Re:お気になさらずに。−D・S・ハイドラント (2002/12/4 21:31:48) No.11892


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11754冥王の騎士2D・S・ハイドラント 2002/11/28 15:08:22


なぜか2になって登場です。
でも思いっきり前回の続きです。
ちなみにこの文、日にちが書かれていない上に遡ったり進んだり無茶苦茶です。
まあ私は大体考えて書いてますけど・・・。
機会があれば詳しく書くかも知れません。
それでは〜

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11755冥王の騎士2:序章1:それぞれのプロローグD・S・ハイドラント 2002/11/28 15:09:19
記事番号11754へのコメント

 冷たく、そして美しい夜明け、いかなる花よりも美しいのはその空虚とも表現できもする空である、と答えるものもいるのだろう。
 それほどに鮮やかな闇の終り、それは今でも双眸に深く焼き付けられている。
 だが今もなお空は美しい、美麗な暁とは違うが、淡く照らす陽光が、明けの刻より光を増し、世界をより照らしている。
 だが激動でも静寂でもないこの穏やかで安らげる空気の中では昼の光とは違い眩さににも奥ゆかしきものを感じる。
 それが彼の感じるこの刻の空の美しさであった。
 だがそれは深い意味などもたらしはしなかった。
 そんなものよりも自らの静止をすべて解き放とうとするその高揚感が彼のほぼすべてを占めていた。
 そう戦場に赴く歓びが・・・。
 伝説の勇者の末裔にして、魔道騎士(仮面の狂戦士)ヒムドは大地を、地上の美しさを次に感じた。
 だがそこに映るのは大自然の広大さでも未来でもない。
 ただそこに渦巻く混沌の虚像。
 叫ぶように響き渡る不気味な静寂に、血と屍。
 怨念が漂い死せるもの達が築く、腐敗した暗黒の大地を・・・。
 その虚空を見つめる瞳には歪んだ歓喜に支配されていた。
 だがいつでも冷徹の仮面でその歪みを隠すことも出来るのだ。
 これが彼が(仮面の狂戦士)と呼ばれるゆえんだ。
 ヒムドは銀の大地を再び踏み締めると、その熱を受け、歩き出す。
 屍だけが跡に残る道を・・・。
 
     ◇◆◇◆

 「親父、銅酒追加だ。」
 グラスに注がれた黄金色の快楽の蜜を激しく飲みほし、即座にそう告げる。
 「いいのかい、昼間から飲んで・・・」
 気の弱そうな老人に限りなく近い主人はその飲みっぷりに、圧巻している。
 「いいんだよ、俺だし」
 漆黒の頭髪をやや伸ばした男、目付きは鋭いがそれ以上にその鋭利な刃物のような容貌が印象強い。
 歳は20前後、当然自分では20以上を宣言するだろう。
 未成年の飲酒はこの世界でも禁止だ。

 魔道の普及した頃、つまり松茸の大規模養殖に成功とき以降、工学、医学を始めとする様々な部分で文明の急発展があった。
 特に魔道具はその筆頭である。
 まあすべての面で発達したわけでもない。
 建設などの大規模なものはあまり魔法での作業は向いていないようだ。
 無論、中央、つまりマツタケ・シティはその問題にも取り組んでいるが・・・。
 
 それにより飲酒の危険性も発見されたのだ。
 もちろん気にはしてない。
 中央ではそれなりにうるさい店もあったが、ここのように地方の田舎街ではそんなこともない。
 さらにこの街、ワイン・セラーは無類の酒好きのダイナスト公グラウシェラーの息が掛かった領主の街の1つなので、そのためか酒の生産量も中央に次ぐほどのものである。
 そのため値段もお手ごろである。
 職もない今はそれでもつらいが、それでも現実を忘れ、午前の穏やかな風が吹く空を見てか、見ずにか、ただ飲み続けていた。
 無論、蓄えは時間とともに消えていく。

    ◇◆◇◆

 「ふう、やっと着いたぜ。」
 赤い髪をなびかせつつも、辺りを見回す。
 静寂がそこにあるが、同時に安息・・・つまりのどかに暮らす人々の気配が漂う。
 そしてフレア候ガーヴはその村へ足を踏み入れた。
 その瞬間、風がその村の雰囲気をより強く伝える。
 ガーヴは真っ先に食堂へと向かう。

 午前では閉まっているかと思ったが、意外にもその店は開いていた。
 「おお、何でもいいからくれや。」
 テーブルに肘を付き、飢えた感覚を露骨に伝えるような表情でそう告げた。
 駆けつけたのはウェイトレス風の少女、とは言えこの薄汚れた小さな店に人を雇う経済力があるのだろうか。
 ガーヴはもちろん、ないと答えるであろう。
 仮にも大規模な地域を治める領主であったのだ。
 そういうことを見る眼はあった。
 恐らく店主の娘であろうその少女は、驚いたような口を開き
 「まさか、あなた様はあの偉大なるフレア候領主さまではないですか?」
 突然のその言葉に動揺する。
 「そうだ。」
 短く答える。
 否定する気にはならなかった。
 疲れのせいでもあったし偽る気分はなかった。
 「あなた様のご活躍はお聞きしております。確か悪夢の如しカタート王の謀略を見抜き、暗殺され掛かるところを、その剣と鎧で逆に打ち倒したと・・・。それにこの村が続いたのはあなた様のお陰。本当にどれだけ感謝しても足りないくらいです。」
 どう解釈すればそんな風に取れるのかガーヴはひどく悩んだ。
 まあ後の方は肯定出来なくないが・・・。
 「俺は落ちぶれた。王を殺したのもただの快楽に過ぎん、俺はただ反逆者だ。さっさと酒と定食持って来い。」
 そのガーヴの表情には悲しみとも後悔とも、他の何とも思えぬ微妙な感情を映していた。
 「はっはい。」
 少女は店の奥に消えた。
 「英雄か・・・悪くねえが、俺には無理か。」
 ガーヴは深く溜息を付いた。
 (ヒムドの野郎ならなれるんだろうな。)
 このときガーヴは当然大戦ことなど知る由もなく。
 数日はこの村にとどまった。

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11756冥王の騎士2:序章2:事件?D・S・ハイドラント 2002/11/28 15:10:31
記事番号11754へのコメント

 午前の穏やかな風は、ここマツタケ・シティにも届く。
 しかしそんな安らぎなど、弱き人々の激情にはけして届くことはない。
 そう今日もそんな日であった。

 「ったく、ひでえ様だな。」
 とある安アパートの裏、無惨にも切り刻まれた5人の遺体。
 2人いる内大柄で乱雑そうな短髪で寒いだろうにシャツ一枚の30過ぎの男の方はそれを見て、気持ち悪そうに目を背け、言葉は吐くように出た。
 「そうだな。」
 冷静を保っているように見えるが、そうでもない。
 同じくらいの歳で黒革のコートで長髪の、正反対にも取れなくもない男は確かに震えている。
 「おい相棒大丈夫か。」
 コートの方に向き直る。
 「ああ。」
 無理したように答えるコートの方。
 「まあいい、俺達は幸運だ。」
 そこで表情がにやける。
 「ああ時給が上がる。」
 コートの方は興味なさそうであった。
 「何だ、その態度は、時給が上がるんだぞ、分かってるのか。」
 シャツの方は訴えるように何度も声を放つ。
 確かに嬉しいがそれをなぜ表現する必要がある。
 そう思いながらも
 「それはいいことだ。早速連絡だな。」
 少々微笑みを浮かべる。
 満足まではいかないだろうが、それでも訴えるような態度は消えている。
 笑みに戻ると、コートの方も微笑み返す。
 まあ本意ではないが・・・この男はこんな感じに絡んでくるのだ。
 独りだった自分にしつこく話し掛けてきたりした。
 邪魔だとも思ったが、その内ある程度は打ち解けられるようになった。
 性格が変わったわけではないが・・・。
 男は懐から、金属製のバナナか枝豆のようのもの――短いメッセージを定められた場所に送るそれなりに高価な魔道具――を取り出す。
 「アパート街D区域――」
 何やら独り言のようにその魔道具に話し掛けている様を笑いを飲み込みながら見ている。
 無論自分も使ったこともあるのだが・・・。
 まあその独り言はすぐに終わった。
 あまり長いのは無理なのだ。
 この魔道具は生産性であるが、消費が多く、すぐに蓄えがなくなるために休ませる必要があるのだ・・・。
 魔道具では不可能とされる物質転移に比べれば簡単だがそれでも転移であるため難しい魔法なのだ。

 ところで魔道具には生産性と付着製と他にも2種類がある。
 他の2種類はまず置いておこう。
 前者は魔力と構成を込めた後、魔道具自身に魔力を生産、または摂取出来るようにしたもの。
 詳しいことは、それをやっている純魔道士くらいしか知らないだろうが・・・。
 後者はただ魔力と構成を込めただけの使い捨ての魔道具だ。
 まあ魔力を再び込めることで寿命は延びるが・・・。
 ちなみに構成はどんな物質にも込めることが出来るが、魔力はそれを封印するものでないといけない。
 そのために魔力を低いレベル閉じ込める効能を持つ金属製の魔道具が多い。
 他の2種類とは、1つ目は魔道士用の魔道具で、多くの構成を封じ込める。
 それと同調するように構成を浮かべることで発動できるものだ。
 そして最後は謎の魔道具、魔術具と呼ばれる謎の魔道具だ。
 魔術具は生産性か魔道士ようの特徴を持つものが多いが、構成の質が桁違いで、また魔力の生産力や構成の多彩性が多い。
 そして確実に人の造ったものではないことだ。
 造れるはずがないのだ・・・。

 「それにしてもこいつら、どうにもサンチーンミの神官じゃねえか。」
 相棒の独り言が終わったのを目で確認すると、恐る恐る死体を見る。
 確かに三神の紋章の服、間違いなくサンチーンミ教のものだ。
 ただ少し動きやすそうになったものであったが・・・。
 「だがなぜ、神官がこんなところにいやがる。」
 「さあ謎だな。」
 この神官達が仮にもサンチーンミ教の狂信的――ということになっているはずだ――な暗殺者とだということは彼らには知る由もなかった。
 この点では結構秘密が守れている、と褒められるだろう。

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11757冥王の騎士2:序章3:夜の闇はそれぞれにD・S・ハイドラント 2002/11/28 15:13:19
記事番号11754へのコメント

混沌が渦を巻く。
 闇でも虚無でもなく、絶えず情報が飛び交う混沌である。
 とはいえ情報には不快なものやおぞましきものしか感じられない。
 それが自分を這い回るようで恐ろしく気持ちが悪い。
 (助けて!)
 だがそれは声になっただろうか。
 混沌が自分を押し潰す。
 (助けて・・・助けて・・・)
 だが叫びはむなしく渦に消える。
 「ふふふフィブリゾ久しぶりだね。」
 (誰?)
 苦痛が瞬間晴れる。
 だが消えたわけではなく、ただ錯覚だ。
 軽度の恐怖によって消えたように錯覚しただけだ。
 だが軽度の恐怖――つまり謎の声の主に対する恐怖――も苦痛に変わるまでに時間など必要としなかった。
 「僕だよ。覚えているだろ。そう僕だ。」
 それは彼に像を浮き上がらせた。
 (知らない。僕は知らない。)
 必死で否定する。
 そして同時に混沌が自分を喰らい尽くした。

 「うーん」
 唸り声を上げる。
 そして瞬間苦しみが走る。
 (っ!)
 突然、不快感と頭痛!
 そして飛び上がる。
 重い布団が跳ね上がり、冷気が襲う。
 それは肌を凍らせるような、そしてそのまま腐敗するのではないかとまで錯覚させた。
 微妙な空気の揺れは心地よいものであった。
 薄いカーテンから微かに差す、朝の薄光がそれに拍車を掛ける。
 しかし激しくではなく穏やかにその感覚は強くなる。
 だが凍れるような寒さが消えたわけではない。
 目覚めは不快だったが眠ろうとする気はない。
 だがこの切り刻むような寒さを防ぐために布団を被る。
 横向きになった顔がそれを捉えた。
 (シェーラ。)
 少年の双眸に映し出せれたのは、普段の騎士然としたシェーラではなく。普通の1人の少女であった。
 少し間の空いた隣のベッドで安らかな息吹を流すその少女は普段より一層美しく思える。
 本来の年齢よりもさらに下ったようだ。
 フィブリゾは微笑みかけ、そしてそこを吸い込まれるかのように眺め続けた。

     ◇◆◇◆

 少し時間を遡る。
 夜としては深く朝にはまだ通り、真夜中のその暗闇を黄金が照らしていた。
 暗闇には1人の女。
 美女というに相応しく、またどんな美女よりも絶対的に美しく、まず別次元のものだとまで思える。
 神秘的、所詮人は万能で完璧であっても完全ではない。
 魔法は万能だが、ある線を越えればそれは無能と同じになる。
 いかに完璧と思えようが、不完全であり、またより強い力の前では完璧であろうと無力だ。
 だがこの美女は完璧を越えた1点があった。
 魔術的とも言える。
 無論すべてが究極的なわけではない。
 ただ1点、または数点が人のものを越えており。
 そんな感じだった。
 「月が綺麗ね・・・。」
 だがそう言って見上げた空の混沌には彼女の求めたそれはなかった。
 思わず手の内に握る新世界が入り込んでしまう。
 焔に焼かれつつも、それが苦痛にはならない。
 自らが焔になったように・・・。
 そしてもう一口・・・。
 だがそれを忘れることが出来ない
 (レーガス・・・)
 月のそれより美しい雫が暗闇に煌き、儚く枯れる。
 「失った・・・何もかも。」
 悲しみの旋律は彼女にだけ闇夜より小さく聴こえる。
 だがそれを飲み込み、音が止むと。
 「でも今さらあれを見るなんて・・・。」
 彼女に双眸にはすでに世界はなく。
 ただおぼろげに浮かぶ、今にも崩れそうな虚像・・・。
 だが彼女の見る彼は誰よりも強く輝いている。
 たとえ闇に堕ちていようと・・・。
 這い上がることは出来ないかも知れないが・・・。
 (家を・・・そしてあたしを捨てた孤児。)

    ◇◆◇◆

 同刻、アイン・オーフェンは朝から夕刻まで酒を飲み続けていたため、財布の中身も目減りし、街一番の安宿で熟睡していた。
 気分はあまり悪そうには見えない。
 寝顔も安らかだ。
 夜が更け、朝への刻は常に刻まれ続ける。

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11763Re:冥王の騎士2:序章3:夜の闇はそれぞれにエモーション E-mail 2002/11/28 20:42:57
記事番号11757へのコメント

こんばんは。
再開の「冥王の騎士」。出てきた出てきた、アインくん。
仕事はともかく、お尋ね者状態なのでしょうか。
ちゃんと証拠隠滅してから、逃亡しなきゃ駄目じゃない!(←そう言う問題ではない)

> 少年の双眸に映し出せれたのは、普段の騎士然としたシェーラではなく。普通の1人の少女であった。
> 少し間の空いた隣のベッドで安らかな息吹を流すその少女は普段より一層美しく思える。
> 本来の年齢よりもさらに下ったようだ。
> フィブリゾは微笑みかけ、そしてそこを吸い込まれるかのように眺め続けた。
……らぶらぶですねぇ……この2人……。でもフィブリゾは余計に眠れなくなったのでは(笑)
また、夢に出てきたのって「あの方」でしょうか。何となく、以前のシリーズにも
出てたし、読みまくれ1の方で書かれているフィブの双子の兄……アブロス(でしたよね)
っぽい気もするのですが。

エル様……ああ、おいたわしい……。お元気を出してください……。

では、2つも抱えていて大変だと想いますが、続きを楽しみにしてます。

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11764Re:冥王の騎士2:序章3:夜の闇はそれぞれにD・S・ハイドラント 2002/11/28 20:58:11
記事番号11763へのコメント


>こんばんは。
>再開の「冥王の騎士」。出てきた出てきた、アインくん。
>仕事はともかく、お尋ね者状態なのでしょうか。
>ちゃんと証拠隠滅してから、逃亡しなきゃ駄目じゃない!(←そう言う問題ではない)
ですよね。
まああんまり犯罪者を取り締まる機関がきちんとしてないから余裕なようです。
>
>> 少年の双眸に映し出せれたのは、普段の騎士然としたシェーラではなく。普通の1人の少女であった。
>> 少し間の空いた隣のベッドで安らかな息吹を流すその少女は普段より一層美しく思える。
>> 本来の年齢よりもさらに下ったようだ。
>> フィブリゾは微笑みかけ、そしてそこを吸い込まれるかのように眺め続けた。
>……らぶらぶですねぇ……この2人……。でもフィブリゾは余計に眠れなくなったのでは(笑)
ですねえ。
>また、夢に出てきたのって「あの方」でしょうか。何となく、以前のシリーズにも
>出てたし、読みまくれ1の方で書かれているフィブの双子の兄……アブロス(でしたよね)
>っぽい気もするのですが。
まあいずれ分かるかも知れません。
>
>エル様……ああ、おいたわしい……。お元気を出してください……。
まあ普段は悲しみを押し殺してると・・・。
大丈夫ですかなあ
>
>では、2つも抱えていて大変だと想いますが、続きを楽しみにしてます。
いえいえ。
あっちはノリで書いてるので
>
どうもありがとうございました〜。

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11781冥王の騎士2:1章:血は通り雨の如くD・S・ハイドラント 2002/11/29 19:52:33
記事番号11754へのコメント

 風が駆け抜けていく。
 草木は揺れ、奏でるその旋律が虚空に消えていく。
 すでに疾駆する風は刃のような鋭い冷たさを持っている。
 このカタート中部に雪が降るのもそう遠くはない日のことであろう。
 その中を1つの馬車が行く。
 客達に活気があるが、それがいかに完璧なそれであろうとも、その存在感を掻き消すことはなかった。
 黒髪を後で三つ編みにした気高さとあどけなさを併せ持つ少女、艶のある黒髪と宝石のような碧眼のどこか突出的な美貌の少年、そして神秘的で絶対的な美しさを持つ黄金色の髪の美女。
3人とも、使い古された灰色のローブのようなものを全身に纏っているが、そこからも漏れる美貌がこの3人の存在をかなり目立たせた。
 「・・・こっち見てますよ。」
 三つ編みの少女、シェーラが意図的に小さな声で囁くように他の2人に伝える。
 美貌の少年、フィブリゾは心配気な感情を浮かべ、うつむく。だがけして美貌は失われずに、それが1つの魅力となる。
 金髪の美女、エルは微笑を浮かべ辺りにゆっくり視線を動かす。
 そしてこちらを見る視線を合わせていくと、目をそらす人々・・・。
 「ふう全然ダメね。」
 悪戯な笑みを浮かべつつも息を捨てるように吐く。

 シェーラも密かに視線を動かしていた。
 人々はごく普通の村や街の平民ばかりだ。
 安値で乗れる乗合馬車のため貴族や騎士、またはそれの関係者や兵士などが乗るようなものではない。
 だがシェーラはそんな気配を感じてい
(兵士が5人、魔法を使えるのが1人。)
 ダイナスト公の手のものであればもしかすれば正体がばれた途端に乗客ごと暗殺されるかも知れない。
 乗合馬車の襲撃事件は少なくない事件なのでそこらの野盗がやった、という情報を流しても誰も疑わないだろう。
 そんな可能性は充分に感じられた。
 この状況だとすべてが敵に思えてくる。
 もしかすれば、すでに裏では生存どころか足取りまで掴まれているかも知れないのだ。
 疑心暗鬼のようにそれが広がる。

 馬車はワイン・セラーに向かう。
 それなりの大きな街だ。
 マツタケ・シティには及ばないものの田舎街としてはかなりの大きさだ。
 それなりに情報は掴めるだろう。
 さすがに裏情報を知るのは難しいだろうが、公なものだけでも詳しく知っておきたい。
 とりあえず今はばれないようにしよう。
 余計な心配かも知れないが、それでも用心しておいた方が良いだろう。

    ◇◆◇◆
 
 (シェーラ・・・どうしたのかな。)
 視線をまるで何かを探るように・・・それでいて慎重なそんな動きを感じ取っていた。
 その真剣な雰囲気に見つめ続けることは出来ずに、やむなく視線を動かす。
 次の方向にはエルがいた。
 「どうしたの?」
 まるで子に優しく接する母のような雰囲気だ。
 「・・・シェーラが」
 小さなと言うより、儚げな声で別の少女の方を視線で指す。
 「シェーラ?」
 「えっ?」
 突然ざわめく・・・。
 そして必要以上に取り乱す5人ほどの男、そして嫌に冷静な壮年の男。
 「まさか・・・。」
 「そんなはずないだろ。」
 密かに話し合う客達。
 だがフィブリゾにははっきり聞こえていた。
 「まずいわね。」
 そう言ってフィブリゾを抱えるとシェーラに合図し、馬車を飛び上がる。
 灰色のローブが3つ宙を舞い、同時に馬車が焔に包まれた。
 阿鼻叫喚がのどかな街道を地獄の色に染めた。

    ◇◆◇◆

 「全く派手な真似するわねえ。」
 黒の革服のエルが燃える馬車に毒吐く。
 シェーラとともに、エルの服装を借りたフィブリゾが心配そうな表情で項垂れ、
 「シェーラ、エル・・・ごめん。」
 「良いのよ。」
 口を開きかけたシェーラはエルの声でそれを押し込まれる。
 「そうです。頭を上げてください。」
 ゆっくりと頭の角度が上昇する少年の目にはうっすらと涙。
 だがそれに触れてはいけないような気がしてシェーラは視線をそらした。
 「まあそれより街道の真ん中に降りちゃったわね。・・・それに敵もいるわよ。」
 不毛に続く道を見ていたシェーラは即座にフィブリゾを護るように接近し、そして兵達を必死で探った。
 街道脇に5人の男――私服だが恐らく兵士だろう。
 そして背後に気配。
 「危ない!」
 「えっ・・・っ!!」
 声にならない悲鳴。
 エルの声に振り向くとそこには、血・・そして銀の刃。
 そして地に伏す少年の背中には一線の深い傷。
 「久しぶりだなシェーラ。」
 シェーラに激情が渦巻く、怒りが空間を支配する。
 「幸運なのは僕なのか、それとも君なのか・・・。」
 フィブリゾを切り裂いた男。
 淡く薄い短めの金髪に芸術的に整いながらも男性的な強さを持った顔立ち、簡素な布製の服を着ているがその気品は明らかに異質のもの。
 白い肌はそれでも熟練されたものである。
 瞳は焔のようでありながら翳りを持った紅。
 まだ30に至らないであろう若い騎士――シェーラはより若く別格であるが――だ。
 高貴な人物であろうと分かる。
 そして感じ取れる微妙なそれは魔力。
 つまり相手は魔道騎士なのだ。
 「シェイド、なぜフィブリゾ様に・・・」
 その容貌は彼女の知ったもの、忘れられないもの・・・。
 「僕のドゥールゴーファは役に立ったかな?」
 そうそれは2年ほど前のことだ。

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11783冥王の騎士2:2章:氷焔の戦いD・S・ハイドラント 2002/11/29 21:05:16
記事番号11754へのコメント

 「あなたに気づくべきだったわ。」
 怒りを渦巻かせながらもシェーラは冷静でもあった。
 「もう1人いるはずだけど・・・。」
 そして視線を動かし、辺りを探る。
 「エイム殿は逃げ遅れてね・・・まああの方は簡単には死ななだいだろうからね。」
 青年は不気味に歪ませた表情を下方に向け、
 「僕はこの方にとどめをさす必要があってね。」
 演技的に悲しみを浮かべ、銀光が不気味にシェーラの目にも入った。
 そして、降ろされていく刃。
 だが、旋風!
 エルが細身の剣でシェイドを牽制する。
 シェーラの剣が男のそれを弾く。
 「何を・・・考えているの。」
 シェーラの表情は曇り、そして汗・・・。
 「ふふふ、ダイナスト公、いや新王の命は絶対さ。旧王族の生き残りを殲滅しろというね・・・。」
 そして恍惚とした不気味な表情のまま、目で兵達に合図する。
 そして、
 「光翼翔(シャイン・ソニック)」
 光の如く、姿が消え、瞬く間に間合いを取る。
 擬似空間転移、実際の転移とは天地以上の差だが、それでもかなりの難解な構成と何より多大な魔力を必要とする。
 だが、魔力が目減りした様子は感じられない。
 シェーラが走る。
 そして間合いを詰めると
 「僕と君は愛し合った仲じゃないか・・・。」
 怒りが、そして殺意までが感じられたが、それでも剣は動かなかった。
 「でも、今はもう終わっている。」
 そして魔力が再び、
 「火焔破(ファイア・ブラスト)」
 焔がシェーラに襲い掛かる。
 「っ!」
 その苦痛は声にならない悲鳴。
 「天の激情、怒りか、慈しみか・・・」
 直接的に文字の如く届く言葉
 「天涙(スコール)」
 焔が瞬間的に消え去る。
 「大丈夫?」
 「・・・それよりフィブリゾ様を・・・。」
 「分かったわ。」
 エルは倒れる少年に向き直る。
 「ふふふ、そうだった2人いるんだったね。」
 シェイドに動揺が走っていたが、それはエルに対する驚愕だが、魔力としての面ではなかった。
 恐らく、かなりの力を持つ魔道士でありながら、補助音声に頼ることに驚いたのだろう。
 もちろん、そんな疑問などすぐ捨てる。
 シェーラが瞬くよりも早い時間で・・・。

 「苦しむものに慈悲の光、それは風とともに優しく。」
 その言葉が温かい魔力を滲ませ
 「治療!(リカバリィ)」
 光が少年に集まり、そして吸い込まれ消える。
 「これで良いわね。」

 その頃に離れたところの兵達も、シェーラ達を囲っていた。
 倒れるフィブリゾを中心に、その少年の左側にエル、その少し向こうにシェーラとシェイド、その周りを囲む兵達。
 「僕らはここで君達を抹殺する必要がある。捕獲など生ぬるいことは出来ないしね。」
 表情が真剣となる、予備の剣を抜きシェーラをただ見つめる。
 そしてシェーラも・・・。
 街道脇の森から誰かの気配を感じる。
 だが兵達とシェイドを見るのみで精一杯だった。
 エルはその方向に背を向けている。
 「かかれ!」
 兵達が動く。
 ガチン!
 その音は幾重にも響いて感じた。
 3方から鋼が喰らい掛かる。
 そしてそれが時のリズムとともに刻まれていく。
 押されているのはシェーラ・・・。
 後方から男の断末魔が聞こえたが気を緩めるわけにはいかない。
 左の男の剣がかする。
 そしてバランスを崩し、
 「きゃああ!」
 鋼の音とともに体が熱くなる。
 辛うじて右の男の剣を止めたが、中央のシェイドの斬撃を受けることとなる。
 だがその瞬間に左の男を屠り、同時に背後の気配が2つ――エルとフィブリゾだ――に戻ったようだ。
 「加勢するわ。」
 エルは地面を蹴り、反転の瞬間に男を1人突き刺す。
 その細身剣はかなり威力・・・ただのそれではないだろう。
 一撃でその男は事切れ、5人の兵は全滅した。
 「もうあんただけ・・・いや2人・・・?」
 まるでその終りを見計らっていたのかその瞬間にシェイドの後の方にその男が現れる。
 当然先ほどから視界を動かせば見つけられたのだが、戦いのため気配だけを感じただけで視線を向けてはない。
 服装はシェイドと変わりないが、こちらは銀髪で騎士の風格をより漂わせている。
 そして妙に冷静と思える態度。
 馬車でシェーラが目を付けた男である。
 「エイム殿、お待ちしておりましたよ。」
 シェイドが視線はシェーラのままそれでも友好的にも思える口調で話し掛ける。
 「魔道騎士に剣も使う純魔道士・・・荷が重いか。」
 だが恐れてはいないし、動揺すらない。
 かと言って策があるような雰囲気でもない。
 ただ冷静に結果を予想しているだけ・・・。
 そう思えた。
 「エイム殿・・・僕らが負けるはずはありません。」
 「ほう・・・虚勢はやめておけ・・・だが逃がしてもくれそうにない。」
 エルとシェーラを交互に観察するように見、・・・。
 「まあ冷静に戦うしかないようだ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それにしてもガーヴの出番がない・・・。
どうしてもシェーラの話が・・・。

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11789Re:冥王の騎士2:2章:氷焔の戦い2002/11/30 09:39:07
記事番号11783へのコメント

テストが終わって、久しぶりのレス!!

戦闘シーンですね。
負けるな!シェーラにフィブにエル!!
って感じですね。
うーむ、短いですね・・・・・。
いままでで一番短いかも・・・・。
それでは、どう切り抜けるか楽しみにしてます!!

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11791Re:冥王の騎士2:2章:氷焔の戦いD・S・ハイドラント 2002/11/30 13:28:24
記事番号11789へのコメント


>テストが終わって、久しぶりのレス!!
お疲れ様でした〜
>
>戦闘シーンですね。
今回、かなり質の悪いものですが・・・
>負けるな!シェーラにフィブにエル!!
>って感じですね。
>うーむ、短いですね・・・・・。
>いままでで一番短いかも・・・・。
>それでは、どう切り抜けるか楽しみにしてます!!
はい。何とか書きますので・・・。

どうもありがとうございました〜

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11802冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?D・S・ハイドラント 2002/11/30 16:48:11
記事番号11754へのコメント

 冷たい視線は不動ではなくとも、凍結には充分であった。
 だが人を殺すものではない。
 その直視が凍らせるそれとは違う。
 すべてを見透かすような・・・そんな感じの、まるで心の中に冷気が浸透してくるような、そんな脅威であった。
 だが寒冷に震えてばかりではいけない。
 それには抗うことは出来る。
 そうでなければ、とうに血を――生と死のその液を流して、血に伏していただろう。
 その中で注視を解くことなく耐え続けている。
 魔術的な力ではないのだ。
 ただの視線、冷気は錯覚に過ぎない。
 だからこそ『荷が重く』、『逃がしてくれそうもなく』、『冷静に戦うしかない』のだ。
 その壮年の騎士が魔術士(マジシャン)であれば、2人ともすでに死んでいる。
 ただ判断に間違いはない。
 当たり前のようだが、それでも自らの不利を確信して、なおかつ勝つ気でいるように思える。
 そう勝利を確信しているのではないか・・・。
 けしてその容貌自体はただ冷静なそれには勝利の確信すら隠しているようである。
 そう負ける気はないようだ。
 シェーラ側とすれば、主であり、彼らの主に障害となるフィブリゾを殺されれば、それが敗北である。
 相手側は同じ条件で勝利と言える。
 たとえ自らが命を落としたとしても、勝利は揺るがない。
 だが、そんな勝利とは思えない。
 それは正確に言えば主であるダイナスト公・・・いやグラウシェラー新王の勝利であり、彼らの人生の敗北である。
 その辺は価値観次第だが、そんなことは無関係にただ勝利を確信しているようだ。
 そう3人を証拠も残らぬよう抹殺し、そして帰還を果たす。そう完全勝利。
 それであるように思えた。
 だが、その確信に内心浮かれているわけではない。
 心の奥まで冷静であろう。
 そう、そうでなければ、それは成されないと・・・すべてを――いやすべてはありえないのだから、すべてに限りなく近く未来を分かっているようだ。
 魔術(マジック)のように・・・。
 あるいは本当にその男が魔術士なのかも知れない。
 超能力者、怪物、化け物、超越者、空想世界の魔法使い・・・代わりの言葉などいくらでもある。
 ただ存在しない――否、存在を否定されている。
 魔術士・・・やはり違うと思いたい。
 まるで運命を見ているかのようなそんな能力の持ち主だとは思えないし、第一に思いたくない。
 
 風がその対峙の蚊帳の外にいるのを孤独に感じてか、寂しく、そしてそれを伝えるかのように冷気を連れて場のものを切り裂く。
 だが肌を傷つけるよりも速く風は去った。
 思えば木にまだ葉はあるもののそれでも黄昏をすでに知った緑は寂しいものだ。
 そして風だけが寂しく、それでいて激しい。
 戦いに最適ではないかと表情を、いや感情を1つ変えず密かに思う魔道騎士エイム。
 だが戦いに向き、不向きの風などない。
 そう思えてくる。
 いつでも同じことを言うかも知れない。
 結局戦いは風に翻弄などされない。
 風などどうでもいい。
 忘れることにしよう。
 それの実行に間などなかった。
 一瞬もそれ以下の刻みも・・・。
 「始めるか。」
 冷静・・・冷徹ではなくただ冷静。
 その剣は無駄もなくエルに飛び掛る。刹那のことであったが反応も出来た。
 そうでなければ、その男の分析は間違っていたわけであったし、自分も反応できなかったのだろう。
 金属の激しい音、
 襲い掛かった男は不思議に声を発さなかった。
 不思議に思ったのは自分だけかも知れない。
 男には笑みはあった。
 戦闘を楽しんでいるようで、それでも純粋なそれとは違う。
 つまり自分、昔の恋人≧――いや>か――であったシェーラとの戦いを楽しんでいるのだ。
楽しむと言っても狂気的なそれではない。
その鋼のぶつかり合いからは純粋な、それでいて本当に純粋でない楽しげな感情があった。
どちらにしても冷静ではない。
 押すのは自分――力量から考えればそうである。
 そうだった。
 つまり自分は今押されている。
 この騎士に・・・。
 不意打ちだからだろうか・・・それもあるが違うものもあるような・・・。
 その楽しげな表情と関係があるのか・・・。
 だが詮索する余裕はないし、第一にしたくない。
 (まさかあんな男!)
 だから頭から離した。
 あの答えでしか現せそうにないから。
 あの答えしかないような気がするから。
 あの答えは納得したくないから・・・。
 だからやめた。
 そしてただ戦うことに・・・。
 (出来ない・・・。)
 いや出来るはず。
 出来るはずなのだ。
 戦いの響きは絶え間なく紡がれていく。

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11808Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?エモーション E-mail 2002/11/30 19:41:24
記事番号11802へのコメント

こんばんは。
のんびりとした馬車の旅から一転、戦闘シーンに突入。
エル様のおかげで以前よりは楽とはいえ、相変わらず大変なシェーラとフィヴリゾ……。
しかも、シェーラの(多分)昔の男(だったのかもしれない)が出てきて、
違う意味でフィヴリゾぴーんち!!(←視点が大分違います。減点24点)
まあ、シェーラの方は、今となってはどーでもいいやという状態かも知れませんが。

それなりに関係がある以上、お互いある程度、力量や手の内を知っているだけに、
戦いにくいって言えば、戦いにくい相手ですね。
ガーヴ様やアイン君も気になるけれど、とりあえず、こちらの決着がみたいです。

では、続き楽しみにしてますね。

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11810Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?D・S・ハイドラント 2002/11/30 20:02:04
記事番号11808へのコメント


>こんばんは。
こんばんは〜
>のんびりとした馬車の旅から一転、戦闘シーンに突入。
のんびりシーン苦手なんですよね
>エル様のおかげで以前よりは楽とはいえ、相変わらず大変なシェーラとフィヴリゾ……。
まあずいぶん楽になったかと
>しかも、シェーラの(多分)昔の男(だったのかもしれない)が出てきて、
>違う意味でフィヴリゾぴーんち!!(←視点が大分違います。減点24点)
おお、ピンチですねえ。そっちの方で(ワタシも減点)
>まあ、シェーラの方は、今となってはどーでもいいやという状態かも知れませんが。
そうです。
>
>それなりに関係がある以上、お互いある程度、力量や手の内を知っているだけに、
>戦いにくいって言えば、戦いにくい相手ですね。
まあそうですね。
>ガーヴ様やアイン君も気になるけれど、とりあえず、こちらの決着がみたいです。
はい。

>では、続き楽しみにしてますね。
どうもありがとうございます〜。
それでは〜

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11814Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?陽月 2002/11/30 20:38:24
記事番号11802へのコメント

こんばんは〜
今まで読み逃げ常習犯でした。すみません。

> 冷たい視線は不動ではなくとも、凍結には充分であった。
パソがフリーズしたらヤだな……と思ってみたり(待て)


> 魔術(マジック)のように・・・。
> あるいは本当にその男が魔術士なのかも知れない。
> 超能力者、怪物、化け物、超越者、空想世界の魔法使い・・・代わりの言葉などいくらでもある。
> ただ存在しない――否、存在を否定されている。
ということは……実在はするのですか?
存在を否定する=実は存在する
と考えてしまいましたが。

シェーラには勝って欲しいです。
そしてフィブシェラにッ!!!!(待てコラ)


最後にですね…………。
前回のなんですが…………
> 「天涙(スコール)」
私をいぢめるんですか!?(違うだろ)
つい反応しちゃったじゃないですか!(待て)

久しぶりにレスしたと思ったらかなり短いです……すみません……。
それではこの辺で失礼します

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11816Re:冥王の騎士2:3章:冷静とそうでない?D・S・ハイドラント 2002/11/30 21:11:33
記事番号11814へのコメント


>こんばんは〜
>今まで読み逃げ常習犯でした。すみません。
はい読み逃げ大歓迎キャンペーン実施中です(嘘)
>
>> 冷たい視線は不動ではなくとも、凍結には充分であった。
>パソがフリーズしたらヤだな……と思ってみたり(待て)
ヤですねえ
>
>
>> 魔術(マジック)のように・・・。
>> あるいは本当にその男が魔術士なのかも知れない。
>> 超能力者、怪物、化け物、超越者、空想世界の魔法使い・・・代わりの言葉などいくらでもある。
>> ただ存在しない――否、存在を否定されている。
>ということは……実在はするのですか?
>存在を否定する=実は存在する
>と考えてしまいましたが。
ううむ存在については不明、と
>
>シェーラには勝って欲しいです。
>そしてフィブシェラにッ!!!!(待てコラ)
勝てますかねえ(思いっきり待て)
>
>
>最後にですね…………。
>前回のなんですが…………
>> 「天涙(スコール)」
>私をいぢめるんですか!?(違うだろ)
>つい反応しちゃったじゃないですか!(待て)
確かに微妙に某彼を意識しましたけど・・・。
すみません。
>
>久しぶりにレスしたと思ったらかなり短いです……すみません……。
全然そんなことないですよ。
ワタシに比べれば
>それではこの辺で失礼します
は〜い。
どうもありがとうございました〜

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11804本当にすみませんD・S・ハイドラント 2002/11/30 17:00:28
記事番号11754へのコメント

いきなりすみません。
本当にすみません。
人気投票で2位の座を獲得したガーヴの出番が全然ないです。
ここでガーヴサイドに切り替えるのもどうかと思いますのでまだ出番なさそうです。
本当になんとかだそうと思いますので・・・。
後フィブリゾも少ないですがこちらも大変すみません。

それでは〜
後、シェイドとシェーラについては虚像編で語る可能性があります・・・。

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11828冥王の騎士2:4章:剣 対 魔法 ?D・S・ハイドラント 2002/12/1 16:33:24
記事番号11754へのコメント

 鋼が鳴り響く、屍の傍、寂しげな街道。
 だが鋼の音は戦いの旋律。

 「っ!」
 歯を食いしばり衝撃に耐える。
 背後へと伸びる足は不利を表わしている。
 再び接触の瞬間、シェーラは真横へ跳ぶ。
 三つ編みが揺れ、一瞬に風を浴びる。
 傷が熱く痛む。
 苦痛は目的のない衝動を起こす。
 それを振り切り、刃を交える。
 だが伝わる剣の震えは傷口に苦痛を伝える。
 癒す隙などない。
 これが不利な理由の2つの内の1つ。
 もう1つは敵側の魔法への恐れである。
 そう相手は魔道騎士なのだ。
 
 魔道騎士は名の通り魔道士である。
 そして上級騎士でもある。
 事実、剣が優れずとも、魔法の覚えが早ければ、騎士が魔道騎士になることもある。
 騎士と魔道騎士の違いは魔法の使用の有無それだけである。
 上級騎士であるが、魔道に頼らずとも優れた騎士は魔道騎士を越える騎士となる。
 ただ魔法はこの時代に必要不可欠である。
 剣だけでは戦には勝てるはずがない。
 騎士全てを魔道騎士にするのも策だろう。
 しかし、魔道とはかなりの経費が掛かる。
 そう魔力質の摂取である。
 特に魔法の習得――特に初めての場合、それに必要な魔力は半端ではない。
 天然松茸(かなり高い)を1000本分(実際は養殖松茸やキャビアなどを使うこともある)で習得すれば奇跡とまでされる。
 シェーラは2000本分くらいだろうか・・・。
 才能のないものだとすればどれだけ必要だろう。
 経済が持たないのだ。しかも時間が掛かりすぎる。
 だが天才もいる。
 そう彼女が今、戦う魔道騎士、シェイドは松茸500本分1ヶ月で初めての魔法を習得したのだ。
 
 剣の技能では及ばないものの、魔道士としては相手が上だ。
 それが自然にシェーラを退かせている。
 だがそれを続けてはいられない。
 せめて傷を癒すことが出来れば・・・。
 だが痛みは構成への集中を奪い、さらに隙を生む。
 油断の出来る相手ではない。
 「いつまで持つかな。」
 笑っている。
 不気味なそれではないが、不快には変わりない。
 剣を打つリズムが急速化していく。
 そしてシェイドの斬撃、上方から振り下ろされるそれは斜めに弧を描き、シェーラの剣を弾く。
 「終りだ。」
 宣告から時の刻みが緩やかに――いやより細かくなる。
 死の刻み――。
 その中で思考が目まぐるしく展開し続ける。
 終りは来ない。
 まだその瞬間への最期の刻みは始まっていないのだから・・・。
 覚悟の中、光も浮かぶ。
 その光へと手を伸ばす。
 それは手の平から感覚を伝える。
 球形・・・。
 そして刹那、記憶が蘇り、
 (変われ!)
 闇の球は光り、変貌・・・。
 それは剣となり。
 長く伸びて、とどまる。
 そして来る一撃。
 シェーラはそれを振り払う。
 強力な握力で支えられた銀の刃は、容易く弾かれる。
 そう刃を切り裂いたのだ。
 「ばっ馬鹿な・・・。」
 先のない剣を手に、驚き、震える魔道騎士。
 自分にまだ魔の力が残ることも忘れ、その輝きに見入る。
 それは脅えである。
 かつての恋しき人へのではなく、その一振りの刃。
 「嘘だ・・・これは・・・。」
 確かにそれは知ったもの。
 シェーラには分からないようだったが・・・。
 伝説の聖剣チャーハン・ライス
 伝説の勇者の剣。
 「なぜ・・ヒムドではなくお前が・・・。」
 剣を切り裂いた剣。
 それの切れ味は並の剣では真似できないもの・・・。
 大魔王を滅ぼしたともされる。
 それが本当でないかと思えるほどの神々しき輝き。
 シェイドはただその一振りに身を委ねた。
 苦痛が来るが、晴れ晴れしい、不思議だ。
 魔道騎士シェイドはこの日、最高の最期を迎えた。
 シェーラは死体処理のことを考えつつも、少々、不思議に泣きたくなる感情を覚えた。

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11830冥王の騎士2:5章:冷静は動揺に・・・D・S・ハイドラント 2002/12/1 16:36:02
記事番号11754へのコメント

 冷静なただそれだけの視線――。
 冷たく凍りつかせるものではない。
 だが心の奥まで、浸透していくような、それは冷気なくとも震えさせるものだ。
 別方からの鋼の響きはもう届かない。
 細身剣を巧みに、大振りな相手の剣の攻撃をやり過ごすのみだ。
 攻めは難しい、細身剣――いや剣全般の腕はあまり鍛錬されていない。
 当然、素人の域はすでに脱しているが、相手は騎士・・・鎌や槍ならば少しは勝利が望めるが、それに化する力持つ武器は同行の少女シェーラに渡した。
 だからその武器での戦いは望み薄い、あちらの切り札にもなり得るものだ。
 正面からの一撃、それをかわし、直撃を避け反撃を狙うが、難しいのだ。
 後退し、
 「大気の王よ、大地の姫よ、清泉の祝福において――。」
 補助音声を響かせ、一瞬後、
 「焔滅破!(フレア・バースト)」
 「凍れる壁。」
 その音声が防御を与えてしまう。
 騎士の足元が燃え上がる前に焔が消える。
 今の音声から来るものを焔の魔法と判断しての消火魔法、その冷静さから来るものだろう。
 だが魔法勝負に持ち込めば有利。
 消火の瞬間に間合いを取り、
 「罪はけして罰とならず、さすれば我が変わり、罰を与えん、汝、奈落よりもなお恐ろしき業の焔の元へ、いざ裁きを!」
 断滅の一撃、必殺技でもある死の魔法。
 「断・・・」
 「風の王の息吹!」
 その瞬間、突風が走り、咄嗟のことに構成が霧散する。
 「死の魔法か・・・やはりただものではないか。」
 「まあね。」

 死の魔法とはかなり高位のものである。
 いや、高位という次元ではない。
 絶対不可能魔法。
 蘇生、転移、死、他にもあるが、この3つが不可能とされている魔法で最も有名なものである。
 まず構成自体がかなり難解である。
 蘇生と死は相手の精神に与えるもの。
 不可視なそれを描くのは難しい。
 転移もまた、転移場所まで描きこむ必要がある。
 だが、これはいくらでも解決方がある。
 優れた魔道士ならば構成までは果たしている。――当然それなりの時間を要するが。
 だが問題は魔力の方である。
 こちらは莫大な量を必要とし、人間では絶対不可能だ。
 120年前に滅びたトリュフ族ならば可能だろうが・・・。
 当然、これの下にも不可能はたくさんある。
 だから人間は万能であっても完全にはなれない。
 だがこの異様な美貌の女――エルはその域を越えていた。

 「次は殺すわよ。」
 それは冷酷な視線、相手の魔道騎士のものとは違い、暗殺者のもの。
 それには答えず、精神を揺り動かしもしない。
 冷静に現状だけを見る、死の魔法の使用危険や驚きを感じていないようだった。
 だが外見だけだろう。
 焦りは少しはある。
 隠し通せるし、まだ優位を保ってさえいる。
 しかし牙城は崩れかけている。
 これに拍車を掛けるのが勝利への道。
 本来、これで動揺させて、勝つつもりだった。
 だが露骨なそれは見せてくれない。
 もっと脅威を与える必要がある。
 そうこの魔法は膨大な魔力を消費するはず。
 だから・・・。
 「吹雪の魔人。」
 強烈な冷気が襲う。
 「虚無の壁よ、そなたに触れし愚かなるもの、二度と還らざる時を・・・。」
 魔力消滅の魔法である。
 「無の盾!(アストラル・ゲート)」
 冷気は瞬間、消え去る。
 「っ!!」
 動揺を見せる騎士。
 死の魔法に続けて魔力消去・・・ここまで出来るとは思わなかっただろう。
 「虚ろなる翼よ、時を刻み、空を越えよ。」
 そして・・・。
 斬りかかる騎士。
 だが・・・
 「虚空翼!(アストラル・ウィング)」
 掻き消えた姿。
 「終ね。」
 背後に気配。
 「なぜだ!」
 疑問・・・恐怖も混じり硬直。
 「結局、力押しで勝っちゃったわね♪」
 「・・・ばっ」
 言葉は終えることなく苦痛と絶叫。
 「さてと証拠隠滅しなくちゃね♪」
 意識を取り戻しつつあるフィブリゾと戦いを終えたシェーラに一瞥し、
 補助音声を唱える。
 「大気の王よ、大地の姫よ――――。」

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11835★冥王の騎士☆祝★開始1ヶ月+連載50回突破記念祭☆D・S・ハイドラント 2002/12/2 13:43:30
記事番号11830へのコメント

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
     ☆冥王の騎士★
    ◇◆◇◆呪◇◆◇◆
      じゃなくて祝 
 ☆★開始1ヶ月+連載50回突破☆★
      ☆記念祭★
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 開催日:今
 場 所:ここ
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 冥王の騎士
        作詞:D・Sハイドラント
 暗黒の焔に この身焼かれて
 深淵の魔性に この身刻まれ
 血の道 歩む 主のために
 たとえ屍築いても 
 たとえこの身墜ちるとも
 絶望の中 血の奔流
 渇望の中 望みの断滅
 
 魔界の響きに この身震わせ
 戦慄の魔人に この身躍らせ
 死の道 歩む 主のために
 たとえ神に背いても
 たとえ悪魔に縋るとも
 絶頂の中 地へ急転
 戦場の中 流す血涙

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 こんにちは、
 またはこんばんは
 もう一個または、おはようございます。
 D・S・ハイドラントです。
 いや言わなくても分かるか。
 この度、読みまくれ!!!の2の方(つまりこの辺)で連載中の『冥王の騎士』が連載1ヶ月+50話突破の記念として、この企画を開催いたしました。
 まあ全然めでたいことでもないかも知れませんが・・・。
 まあこれだけ続いたのは皆様のお陰です。
 お陰ですったらお陰です。
 エモーション様
 陽月様
 渚様
 由季まる様
 白樹様
 gure-to masa様
 猫楽者様
 まい様
 そして上記以外でも読んでくださった方(いるのかな)。
 最後に一坪様
 本当にありがとうございました。
 まだまだ続きます。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 魔族達の雑談会(なのかなあ?)

 冥王:ふぁあ疲れたぁ
 シェーラ:疲れましたねえ。
 L:ホント、どっかのSは一瞬しか出てなかったのにねえ。
 S:でも死に役ですよ。
 L:それじゃあ仕方ないわね。煉獄コース一回で良いわよ。
 S:ひぇええええええ
 (煉獄コース体験中)
 S:はあはあはあ
 L:どうしたのS、そんなボロボロになって♪
 獣王:L様、それはひどいですよ。
 L:じゃあゼラスあなたも体験する
 獣王:いえ・・・そういう方面はゼロスの方が・・・。
 ゼロス:ひどいですよ〜獣王様〜
 L:ゼロス・・・ふふふ
 ゼロス:ひょえええええええええ
  ◇◆◇◆
 覇王:何だ隣が騒がしいな
 魔竜王:んなことより、酒持って来い。
 覇王:貴様私にそんなことをさせる気か。
 魔竜王:いいじゃねえか、てめえの酒は、てめえで持ってきやがれ。
 覇王:つまり貴様は私に私の酒を運ばして、私の酒を私の前で飲むというのか。
 魔竜王:どうでもいいから持って来い。
 覇王:私を怒らせようとしているのか。
 魔竜王:いいから脇役はとっとと酒持ってくらんだボケ!
 覇王:貴様とは決着を付けなければいけないようだ。
 魔竜王:だから戯言吐いてねえで、酒持って来いっつってんだろ。
 覇王:勝負だガーヴ
 (SE:ドアの開く音)
 海王:あら、ガーヴにグラウ、聞きましたわよ
 魔竜王:ちょうどいい、こいつの代わりに酒持って来い。
 海王:確か、腹心同士の私闘は禁じられてるはずですわよ。
 覇王:待てダルフィン・・・。
 海王:L様に言い付けますわよ!
 覇王:まっ待ってくれ〜
 (SE:扉の閉まる音)
 魔竜王:ったく酒はまだか・・・!
 2人の運命やいかに・・・。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
 さてさて、終りも近づいてきました。
 というかもう終りです。
 それでは皆様、本当の本当にありがとうございました〜。(退場)

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11843Re:冥王の騎士2:5章:冷静は動揺に・・・エモーション E-mail 2002/12/2 23:10:28
記事番号11830へのコメント

こんばんは。

シェーラちゃん対昔の男……。
すいません、松茸500本分に凄く笑いました。
凄いのだろうけど……松茸と言われると……(汗)
元恋人との戦い……こういう場合、過去をきっぱり振り切っていると、
女性の方が未練も動揺もなかったりしますよね……。
それにしても勇者の剣がチャーハン・ライス……。塩味利いているのが
好きです、チャーハン……。

> 「結局、力押しで勝っちゃったわね♪」
……でも、相手も似たようなものだと思う……。
エル様……証拠隠滅まで……。手慣れてると思うのは気のせいでしょうか……。

では、短めですが、今日はこれで失礼します。

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11846Re:冥王の騎士2:5章:冷静は動揺に・・・1ヶ月記念なD・S・ハイドラント 2002/12/3 08:57:17
記事番号11843へのコメント


>こんばんは。
こんにちはー
>
>シェーラちゃん対昔の男……。
>すいません、松茸500本分に凄く笑いました。
食の支配する世界ですから
>凄いのだろうけど……松茸と言われると……(汗)
まあ松茸ばっかりじゃないですが
>元恋人との戦い……こういう場合、過去をきっぱり振り切っていると、
>女性の方が未練も動揺もなかったりしますよね……。
ですねえ。
>それにしても勇者の剣がチャーハン・ライス……。塩味利いているのが
チャーハンとご飯を混ぜたやつ
>好きです、チャーハン……。
そうでしたか
>
>> 「結局、力押しで勝っちゃったわね♪」
>……でも、相手も似たようなものだと思う……。
>エル様……証拠隠滅まで……。手慣れてると思うのは気のせいでしょうか……。
私も・・・
>
>では、短めですが、今日はこれで失礼します。
はいありがとうございました。(学校のパソから退場)

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11848冥王の騎士2:6章:死人に人権はない(使いまわし)D・S・ハイドラント 2002/12/3 14:02:40
記事番号11754へのコメント

 熱気が離れてもなお、まるで焼くように伝わる。
 だが焼ければ悶え苦しむこととなろう。
 風に煽られた火柱は揺れながらも、場を離れずに座する。
 まるで怒気だけが荒れ狂うように・・・。
 遅れて来る腐臭。
 すでにそれを見るのは3人。
 動揺の2人に対し黄金の髪の女だけが平然としている。
 そして三つ編みを熱風に揺らしながら、葛藤する少女。
 そして疑問と不快感と罪悪感・・・様々な負の感情を混ざり合って放ち持つ黒髪の美少年。
 宝石の如く、輝きを持っていたそれには翳り・・・。
 
 焔は思いのほかすぐに消えた。
 そして3人の瞳には同じ像が映る。
 だが感情はそれぞれである。
 「やりすぎだった?」
 言って、2人を一瞥する。
 ・・・返事は来ない。
 「さてと、馬車の方見に行くわよ。」
 平然と街道脇の方へ歩き出すエル。
 黙って後続する2人。
 内に秘めた感情はそれぞれ。
 焼け跡はやたろと目立っていた。

 そこには緑の中、光が浅い中では希薄と充分に言える。
 静寂は強い。
 深い森よりもそれを感じられる。
 踏み締める若い草にも罪悪や同情の感情を抱いてしまいそうにも思いながらも、結局はただ歩く。
木々は細く弱々しいものだが、それでも天鱗が小さく見えるのは、その身の緑の衣装のお陰だろう。
 それも風に吹かれ、やがて露の姿を見せるだろう。
 青天ながらも冬時の寒さを感じさせるそれは森に溶け込もうと、薄れゆくことはない。
 その木々の間で見える光。
 天光ではなく、それは焔の赤。
 炎上する馬車。
 駆け寄る3人・・・。

 「ひどいわねえ。」
 無惨な馬車、灰となりかけた人の影が激情の明かりに照らされ見える。
 乗客は全員死亡だろうか・・・。
 来た道にも、街道の方にも他に人が見えなかったことから恐らくそうであろう。
 だが生き残りがいれば自分達を疑う可能性もあった。
 即死で良かったのだろうか・・・。
 そう考えたくはないものの、それが事実であろう。
 それはシェーラの思いであってフィブリゾやエルはどうなのだろうか・・・。
 エルもさすがにそれを見ては・・・、と思いながら横目で表情を覗く。
 見えるのは探るような視線。
 揺らめく焔は寧ろ温もり・・・だがその熱気には凍れる死人。
 「シェーラちゃん・・・消火魔法使えるわよね。」
 突然の反射に世界が刹那、激しく揺れて、
 「はっはい。」
 構成に入る・・・。
 消火魔法など初歩クラスのものだ。
 使用は限られるが、魔法の火起こしの際――緊急時はもちろん普段も魔力の消費は惜しいため、出来る限り別の方法で火を起こすが――に役立つし、第一簡単なため照明や治癒の次ほどに覚えるものだ・・・。
 だから自分には簡単に出来る。
 魔力の不足もない。
 「火消雨(レイン・シャワー)」
 燃え盛っていたそれが消滅する。
 消火魔法は焔を消す。
 大抵水に喩えられるが、また大抵、水は出ない。
 焔を消滅させる。
 魔力消滅に比べれば、天地の差の如く、簡単で魔力消費が少ない。
 そして
 「さあ燃え残りの荷物探すわよ〜♪」
 早速死体を掻き分けるエル・・・。
 2人は呆然と見ている。
 このためだったのか・・・。
 だが重要なことなのかも知れない。
 ここから次の街、ワイン・セラーまでどれだけ掛かるか正直分からない。
 この街道も通ったことはあるし、大体の地理学にも通じているからと言っても、おおよそだ。
 村などに辿り着くのもどれだけ掛かるか分からないし、接客業の存在しない村かも知れない。
 だから食料などを探すのはかなりの良案とも言えなくとないかも知れない。
 ただそんなものがある可能性は低いため、やはり魔力の無駄遣いだろうか。
 「あったわよ。」
 エルの声、かなりの歓び。
 その手には輝くもの・・・。
 「まさか・・・。」
 「そうよ。」
 金貨であった。
 それを次々に懐に入れていく。
 「・・・。」
 だがこれも成果だろう。
 「でも勝手にお金を・・・。」
 語尾は小さくなっていく。
 「あら、死人に人権はないわよ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最後の言葉、使いまわし・・・。(黒刃で・・・)

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11849冥王の騎士2:7章:思い、想うD・S・ハイドラント 2002/12/3 14:06:13
記事番号11848へのコメント

 馬車を漁った結果、死人の財布から硬貨がたくさん見つかった。
 エルは満足げにそれを懐にしまう。
 他に目ぼしいものは、全くと言っていいほどない。
 森を後にすることにした。
 「さあ、出発よ。」
 活力に満ちたエル。
 「「・・・。」」
 呆然と後に続き歩き出す。

     ◇◆◇◆

 シェーラ――。
 あの時の――。
 フィブリゾはただ広がる街道と自然の中、風と焔の冷たさの中の温もりには浸ることなく、ただそのことを・・・。
 あのときの眼。
 そして雰囲気すべて――。
 違う・・・。
 違うけど・・・似ていた。
 歩みは自然に進み、気にならない。
 シェーラが時折気に掛ける視線を向けたのも気づかない。
 いつの間にか瞳は地へ向いていた。
 映るのは草の生えない、土の道ではなくただ虚空。
 そこに見えるのは記憶。
 自分を・・・殺そうとした。
 魔性の剣に魅入られた騎士。
 自分を護ってくれるはず、勝手にそう思っていただけかも知れないが、そう思いたくはない。
 あのときのシェーラ。
 先ほど騎士の最期を映したその眼差し、似ていた。
 違う。全く違う。
 でも似ているのだ。
 自分を殺そうとしたシェーラと騎士を殺したシェーラ。
 似ている・・・。
 そう全く違うが同質。
 そんなところだろうか。
 騎士の最期の瞬間はすべて見ていたわけではない。
 だが感じた・・・。
 ただの錯覚かも知れない。
 第一、双方、それほど昔ではないがすでに過去の感覚に過ぎない。
 記憶は残ろうとも感覚まで精密に記憶されはしないだろう。
 だが記憶などではなく直感・・・それとは違ったかも知れないがそんなところだ。
 似ていた2つのそれ・・・それ以前にはなかった。
 それはシェーラに何らかの影響を与えるのではないか・・・。
 若き王――となるはずの少年――は騎士をたった1人の騎士を思っていた。
 シェーラ・・・。
 (変わらないで・・・。)
 ずっとシェーラでいて。
 そしていつしか想っていた。
 
 そこで我に返り、心が体が燃えるように熱くなる。
 頭を振り、気持ちを振り払い。
 そして躊躇の後、シェーラに一瞥。
 それに至るまでは永遠に思えた。
 信じられないほど・・・。
 いつもと気持ちは同じはず・・・。
 でも違った。
 同じだが異質。
 そう思えた。
 「どうしました?」
 2つの宝石を覗き込むようにしつつ出たその声には温もり。
 それが体中に浸透していく。
 「何でもないよ。」
 そしてゆっくり視線を外す。
 (やっぱり無理しないで良いよ。)
 熱くなる感情を抑えたためか声は出ない。
 気づけば日が終わりかけていた。
 風が寂しさ切なさを儚い赤の陽とともに世界をその色に塗り潰す。
 それは心を奪う邪悪な魔物でありながら、心を与える優しい母でもある。
 闇に包まれる世界を前にした・・・。
 
 それから数時間、間に休憩も挟みつつ、沈みゆく焔を背にただ歩く。
 そして・・・。
 「はあ良いとこに村があったわね。」
 「そうですね。」
 フィブリゾは会話には参加せずに黄昏の天を眺めていた。
 その焔の意味を少年の心に刻みながら、それがどんなものなのかは分からない。
 自然は人に与える意味を持たない。
 だから感じる意味は自分のものである。
 そんなことは考える――感じるとることも、ないだろう。
 いつかの果てはどうかは分からないが・・・。
 そしていつの間にか小さくなった、大きな2つの影、生む背に、向かって駆け出す。

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11851中書きD・S・ハイドラント 2002/12/3 15:53:02
記事番号11849へのコメント

こんばんは〜でも何でもいいけど(良くない)ハイドラントです。
はい2の第一部が終了。
それにしてもどこまで続くのか・・・。
続きに詰まる中、話だけが大きくなる。
それにしてもまだまだ続く。
始まったばかり・・・なのかも
まあいつやめる(待て)か分かんないです。

それにしてもあらすじ書きたいけど書く気起きない。

記念祭に書いた詩に曲付けてくれる方募集・・・っているわけないか。

それでは〜イラスト描きたいハイドラントでした〜。

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11852冥王の騎士2:7、5章:到着D・S・ハイドラント 2002/12/3 17:00:27
記事番号11849へのコメント

 シェーラ達一行は翌日にはワイン・セラーに辿り着いていた。
 前日の夜はそれぞれの思いを秘めながらも眠れ、翌朝にはすっきりとした目覚め・・・。
 そして前日に聞いておいた乗合馬車の到着時間にも間に合い。
 上手く乗ることが出来た。
 ワイン・セラーが地方都市としての規模も大きく、一日に3本の乗合馬車が王都とを往復する。(王都崩壊の後は緊急で南部の都市とを結んでいる)
 しかも小さな村にも止るためこれは幸運ではない。
 だが大事件が頻発する中でこれだけ管理された国に生まれたのは幸運であろう。
 風が駆け抜けていく。
 雲は壮大で、まるで1つの大陸を思わせる。
 金鱗の欠片が虹のように視界を遮る。
 草木はどんな宝石よりも美しいのではないかと思えるほどだ。
 雄大な自然はかくも美しいものなのだろうか。
 きっと心に余裕があるからこそだろう。
 とは言ってもまだ旅は終わったわけではないし、悩みもそれぞれにある。
 だがそれは吹き飛ばすのも自然だ。
 久しぶりに温かい日差しの中、3人は観光都市の門をくぐる。

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118577・5章って……。エモーション E-mail 2002/12/3 21:13:28
記事番号11852へのコメント

いえ、何となく何故小数点付きっ? と思ったので。
……分数で表示されても困るけれど。
そう言えば昔、巣田祐里子さんがマンガでやってました……前編、中編、後編、
完結編1、完結編2、完結編3……という表示……(笑)

荷物をあさるエル様……。いえ、何も申しません。
うちのゼロスも同じような事をしようとしましたし。
こーゆー世界で、こーゆー状況ではこーゆーものでしょう。
……でもきっと調べに来た警備兵などには、「金目当てに馬車ごと燃やした
鬼のような犯行」とか思われそうです。

フィブリゾの不安は、この先にどう関わってくるのかな。
でも、らぶらぶパワーで乗り切ってほしいです。

では、この辺で失礼します。

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11859Re:7・5章です(激烈に待て)D・S・ハイドラント 2002/12/3 21:29:47
記事番号11857へのコメント


>いえ、何となく何故小数点付きっ? と思ったので。
>……分数で表示されても困るけれど。
すみません短いのは数字で数えないことにしているので・・・。
>そう言えば昔、巣田祐里子さんがマンガでやってました……前編、中編、後編、
>完結編1、完結編2、完結編3……という表示……(笑)
……完結編で半分?
>
>荷物をあさるエル様……。いえ、何も申しません。
>うちのゼロスも同じような事をしようとしましたし。
まあ死体が苦手でなければ良いのでは(おい待てコラ)
>こーゆー世界で、こーゆー状況ではこーゆーものでしょう。
>……でもきっと調べに来た警備兵などには、「金目当てに馬車ごと燃やした
>鬼のような犯行」とか思われそうです。
確かに・・・。
>
>フィブリゾの不安は、この先にどう関わってくるのかな。
>でも、らぶらぶパワーで乗り切ってほしいです。
まあ乗り切らないと話終わっちゃいますし・・・。
>
>では、この辺で失礼します。
はい。
ありがとうございました〜。

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11862Re:冥王の騎士2:7、5章:到着2002/12/4 07:43:36
記事番号11852へのコメント

どうも、久しぶりです!!
勉強で忙しく、最近これなかったんですよね・・・・。
といっても、明日は実力テストなので、
まだ私のほうの小説は最新できそうにありませんが。

エルが一番てきぱきしてますね。
それに、死人に人権はないと言うところで、
ますますお気に入りキャラになってきました!

では、これからもがんばってください!!

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11863Re:冥王の騎士2:7、5章:到着D・S・ハイドラント 2002/12/4 12:39:38
記事番号11862へのコメント


>どうも、久しぶりです!!
はい〜。
>勉強で忙しく、最近これなかったんですよね・・・・。
べんきょう・・・って何でしたっけ?(激烈に待て)
>といっても、明日は実力テストなので、
実力テスト・・・懐かしい言葉だ(待てコラ)
>まだ私のほうの小説は最新できそうにありませんが。
は〜い、気長に待ってます。
>
>エルが一番てきぱきしてますね。
>それに、死人に人権はないと言うところで、
>ますますお気に入りキャラになってきました!
そうでしたか・・・。
これは第2回人気投票やるほかないかも・・・。
>
>では、これからもがんばってください!!
はい。
レス、本当にありがとうございます。

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11869書けない。D・S・ハイドラント 2002/12/4 16:08:41
記事番号11754へのコメント

冥王の騎士:虚像編、が書けない。
掛け持ち多数の上にネタが浮かばないし・・・。
もしかしたらシェーラの過去も語らずに打ち切りとなるかも知れません。
そうなったらすみません。

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11885お気になさらずに。エモーション E-mail 2002/12/4 21:14:30
記事番号11869へのコメント

こんばんは。

>冥王の騎士:虚像編、が書けない。
>掛け持ち多数の上にネタが浮かばないし・・・。
>もしかしたらシェーラの過去も語らずに打ち切りとなるかも知れません。
>そうなったらすみません。
あれだけありますからね……。続きが早く読みたいとは思いますが、
無理をせず、書けるときに書いてみてください。気長に待ってますから。
……「待つ」のは田○芳○先生で慣れまくってる(爆)ので、ちょっとや
そっとでは(笑)

少し頭を休めるのも必要ですから、焦らないでくださいね。
では、これで。

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11892Re:お気になさらずに。D・S・ハイドラント 2002/12/4 21:31:48
記事番号11885へのコメント


>こんばんは。
こんばんは
>
>>冥王の騎士:虚像編、が書けない。
>>掛け持ち多数の上にネタが浮かばないし・・・。
>>もしかしたらシェーラの過去も語らずに打ち切りとなるかも知れません。
>>そうなったらすみません。
>あれだけありますからね……。続きが早く読みたいとは思いますが、
>無理をせず、書けるときに書いてみてください。気長に待ってますから。
>……「待つ」のは田○芳○先生で慣れまくってる(爆)ので、ちょっとや
>そっとでは(笑)
はい。
何とかいつか書きます。
でも後回しにすると書けないんだよなあ・・・。
>
>少し頭を休めるのも必要ですから、焦らないでくださいね。
そうですね。
>では、これで。
はい。
わざわざ本当にどうもありがとうございます〜。