◆−冥王の騎士−D・S・ハイドラント (2002/12/16 14:38:54) No.12125 ┣冥王の騎士:27章:辺境伯と騎士達1−D・S・ハイドラント (2002/12/16 14:40:20) No.12126 ┣冥王の騎士:28章:辺境伯と騎士達2−D・S・ハイドラント (2002/12/16 14:42:58) No.12127 ┃┗Re:冥王の騎士:28章:辺境伯と騎士達2−渚 (2002/12/16 16:42:14) No.12131 ┃ ┗Re:冥王の騎士:28章:辺境伯と騎士達2−D・S・ハイドラント (2002/12/16 17:08:51) No.12134 ┣冥王の騎士:29章:捕獲作戦・・・なのかな?−D・S・ハイドラント (2002/12/16 16:02:45) No.12128 ┃┗Re:冥王の騎士:29章:捕獲作戦・・・なのかな?−エモーション (2002/12/16 21:33:20) No.12141 ┃ ┗Re:冥王の騎士:29章:捕獲作戦・・・なのかな?−D・S・ハイドラント (2002/12/16 21:40:49) No.12142 ┣冥王の騎士:30章:フィブリゾとシェーラ−D・S・ハイドラント (2002/12/17 15:14:05) No.12150 ┣冥王の騎士:31:主君と騎士−D・S・ハイドラント (2002/12/17 15:22:14) No.12151 ┃┣Re:冥王の騎士:31:主君と騎士−渚 (2002/12/17 16:03:52) No.12155 ┃┃┗Re:冥王の騎士:31:主君と騎士−D・S・ハイドラント (2002/12/17 16:09:40) No.12157 ┃┗Re:冥王の騎士:31:主君と騎士−エモーション (2002/12/17 20:47:03) No.12159 ┃ ┗Re:冥王の騎士:31:主君と騎士−D・S・ハイドラント (2002/12/17 20:52:57) No.12160 ┣冥王の騎士:32章:恐怖と想い−D・S・ハイドラント (2002/12/18 11:55:46) No.12171 ┣冥王の騎士:33章:決戦なのか?−D・S・ハイドラント (2002/12/18 12:36:32) No.12172 ┃┣Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか?−渚 (2002/12/18 17:04:27) No.12178 ┃┃┗Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか?−D・S・ハイドラント (2002/12/18 19:41:16) No.12184 ┃┗Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか?−エモーション (2002/12/18 21:53:45) No.12186 ┃ ┗Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか?−D・S・ハイドラント (2002/12/18 21:56:34) No.12187 ┣冥王の騎士:34章:会いたい−D・S・ハイドラント (2002/12/19 12:46:51) No.12190 ┣冥王の騎士:35章:闇がそこにある−D・S・ハイドラント (2002/12/19 12:49:22) No.12191 ┃┣Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある−渚 (2002/12/19 16:10:29) No.12195 ┃┃┗Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある−D・S・ハイドラント (2002/12/19 16:37:11) No.12196 ┃┗Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある−エモーション (2002/12/19 21:37:03) No.12204 ┃ ┗Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある−D・S・ハイドラント (2002/12/19 21:46:29) No.12206 ┣冥王の騎士:36章:冥王の黄昏と−D・S・ハイドラント (2002/12/20 15:28:33) No.12217 ┃┗冥王の騎士:37章:冥王の覚醒−D・S・ハイドラント (2002/12/20 15:31:40) No.12218 ┃ ┣Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒−渚 (2002/12/20 17:16:56) No.12221 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒−D・S・ハイドラント (2002/12/20 17:32:40) No.12222 ┃ ┗Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒−エモーション (2002/12/20 21:56:09) No.12228 ┃ ┗Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒−D・S・ハイドラント (2002/12/20 22:01:48) No.12229 ┣冥王の騎士:38章:救世主は誰?−D・S・ハイドラント (2002/12/21 12:48:31) No.12231 ┃┗冥王の騎士:39章:もしかして彼?−D・S・ハイドラント (2002/12/21 13:48:20) No.12232 ┃ ┣Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼?−gure-to masa (2002/12/21 14:35:33) No.12233 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼?−D・S・ハイドラント (2002/12/21 15:53:14) No.12236 ┃ ┣Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼?−渚 (2002/12/21 15:44:03) No.12234 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼?−D・S・ハイドラント (2002/12/21 15:56:02) No.12237 ┃ ┣どうも。お久しぶりでええす!(汗)−由季まる (2002/12/21 17:13:01) No.12239 ┃ ┃┗Re:どうも。お久しぶりでええす!(汗)−D・S・ハイドラント (2002/12/21 17:21:41) No.12240 ┃ ┗Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼?−エモーション (2002/12/21 21:49:18) No.12252 ┃ ┗Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼?−D・S・ハイドラント (2002/12/21 22:17:24) No.12253 ┣冥王の騎士:40章:シリアスもののはずなのに・・・−D・S・ハイドラント (2002/12/22 13:47:39) No.12262 ┃┣冥王の騎士:41章:兄弟?−D・S・ハイドラント (2002/12/22 15:03:55) No.12263 ┃┃┗Re:冥王の騎士:41章:兄弟?−渚 (2002/12/22 15:58:46) No.12266 ┃┃ ┗Re:冥王の騎士:41章:兄弟?−D・S・ハイドラント (2002/12/22 16:05:40) No.12267 ┃┗冥王の騎士:42章:1限・ガーヴ対ラルターク−D・S・ハイドラント (2002/12/23 14:12:53) No.12282 ┃ ┗冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク−D・S・ハイドラント (2002/12/23 14:21:29) No.12283 ┃ ┣Re:冥王の騎士:42章:1限・ガーヴ対ラルターク−渚 (2002/12/23 16:23:23) No.12286 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク(密かに修正)−D・S・ハイドラント (2002/12/23 16:30:41) No.12287 ┃ ┣Re:冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク−エモーション (2002/12/23 21:39:31) No.12299 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク−D・S・ハイドラント (2002/12/24 11:34:02) No.12307 ┃ ┗冥王の騎士:44章:3限・ガーヴ対ラルターク(決着編)−D・S・ハイドラント (2002/12/24 12:46:25) No.12310 ┃ ┣決着!−渚 (2002/12/24 13:55:12) No.12313 ┃ ┃┗Re:決着!−D・S・ハイドラント (2002/12/24 14:36:21) No.12315 ┃ ┗冥王の騎士:45章:4限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン−D・S・ハイドラント (2002/12/24 14:33:29) No.12314 ┃ ┣Re:冥王の騎士:45章:4限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン−エモーション (2002/12/24 22:27:36) No.12322 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:45章:4限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン−D・S・ハイドラント (2002/12/24 22:33:39) No.12323 ┃ ┗冥王の騎士:46章:5限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン(終わりなの?)−D・S・ハイドラント (2002/12/25 13:39:32) No.12342 ┃ ┗冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた−D・S・ハイドラント (2002/12/25 14:28:56) No.12345 ┃ ┣Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた−渚 (2002/12/25 17:24:14) No.12351 ┃ ┃┗Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた−D・S・ハイドラント (2002/12/25 17:37:48) No.12352 ┃ ┗Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた−エモーション (2002/12/25 20:50:46) No.12357 ┃ ┗Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた−D・S・ハイドラント (2002/12/25 21:02:37) No.12358 ┣冥王の騎士:48章:冷静と激動の衝突−D・S・ハイドラント (2002/12/26 10:36:20) No.12362 ┃┗冥王の騎士:49章:激動と冷静の悪魔−D・S・ハイドラント (2002/12/26 11:39:48) No.12365 ┣冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何)−D・S・ハイドラント (2002/12/26 12:44:09) No.12370 ┃┣Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何)−渚 (2002/12/26 16:39:26) No.12371 ┃┃┗Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何)−D・S・ハイドラント (2002/12/26 16:54:26) No.12372 ┃┗Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何)−エモーション (2002/12/26 21:40:12) No.12375 ┃ ┗Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何)−D・S・ハイドラント (2002/12/26 21:49:25) No.12378 ┣冥王の騎士:51章:1÷2は何:何?−D・S・ハイドラント (2002/12/27 11:21:09) No.12384 ┃┗冥王の騎士:52章:最期の遊戯−D・S・ハイドラント (2002/12/27 12:02:38) No.12385 ┃ ┗冥王の騎士:53章:世界終焉のその時に−D・S・ハイドラント (2002/12/27 12:35:14) No.12386 ┃ ┗Re:冥王の騎士:53章:世界終焉のその時に−渚 (2002/12/27 13:36:06) No.12389 ┃ ┗Re:冥王の騎士:53章:世界終焉のその時に−D・S・ハイドラント (2002/12/27 13:48:26) No.12390 ┗冥王の騎士2:決章:温もりよ永遠に−D・S・ハイドラント (2002/12/27 14:25:34) No.12392 ┣後書き−D・S・ハイドラント (2002/12/27 14:57:13) No.12395 ┃┣よかったー−渚 (2002/12/27 16:21:51) No.12396 ┃┃┗Re:よかったー−D・S・ハイドラント (2002/12/27 17:36:00) No.12398 ┃┗すみません。−D・S・ハイドラント (2002/12/27 17:47:21) No.12399 ┗Re:冥王の騎士2:決章:温もりよ永遠に−エモーション (2002/12/27 22:01:33) No.12405 ┗Re:冥王の騎士2:決章:温もりよ永遠に−D・S・ハイドラント (2002/12/27 22:22:54) No.12406
12125 | 冥王の騎士 | D・S・ハイドラント | 2002/12/16 14:38:54 |
新ツリーです。 このツリーで100いくかな・・・。 それでは第3部です。 |
12126 | 冥王の騎士:27章:辺境伯と騎士達1 | D・S・ハイドラント | 2002/12/16 14:40:20 |
記事番号12125へのコメント 黒雲の空はまるで大地を巨大な鏡面に映しているよう。 その地には鋼――ひしめき合う軍勢。 それは姿の他でも暗く冷たい。 何千何万という騎士、兵士達の勇敢なる進軍。 だが、ただ冷たいだけだ。 風は嵐を恐れるかのように強く嘆き抵抗する。 冬に駆ける風は強く、凍り付かずとも吹雪のように鋼を凍結させる。 無言の鎧はその声など聞いてはいまい。 突き進む・・・。それ以外に生きる選択はない。誇りのないものであってもそう思って歩いている。 その鋼を視界に捉えることもなく。疾駆する風達。 瞬馬を駆る僅か数人の騎士達の中心には偉大なる男。 シャーベット王国軍の指揮を取る、将軍バルスである。 風に揺られた淡い金色はむしろ自然的で照らされた小麦に近い。 紫の瞳には意志が水のように湛えられている。 40になるがその気迫、風貌は若きものを圧倒するようだ。比較的、軽装で豪華な宮廷での服装に近い衣服。 先陣を切り敵地であるはずの場へと無謀にも駆ける。カタート王国の壁イースト・フード辺境へと――。 ただ風だけを浴びて・・・。 瞬馬の速度は凄まじく、並の馬では全くの比にならない。 魔法の力を持ちスタミナも無尽蔵。 やがて辿り着く辺境伯カンヅェルの本拠地・・・。 東部を縦に貫くオーガニックの大森林に築かれた巨大な石壁の並び・・・。 カタートの長い歴史と膨大な経済力、労働力の結晶。 どこまでも続くこれが大陸東部よりの侵攻を防ぐこれがベーカリーゲートである。 城壁は大気の魔力を利用した対魔力装置が取り付けられており、幾つかの鉄格子の門も同じ。 完全なる防御の壁である。 友好と判断したものしか通さぬ。そしてここ数十年、浸入を許したことはない。 まあこの要塞だけでなくカタート王国全体の軍事力が圧倒的であったからだが・・・。 そして砦を見上げる。 カンヅェルの本拠地、中央門に建つフラッペ砦。 巨大な鋼鉄の門の左右に立つ兵士。 馬を止めると、近くの木々に繋ぎ止めた騎士達・・・遅れて将軍。 騎士達が立ち止まると将軍の足音のみとなり、それが止まると空気が震える音。 「何者だ!」 兵の1人の声・・・。 対し将軍。 「我はシャーベット王国のバルスと言うものだ。」 切った後に返答を待たず、再び声。 「まことに無礼な来訪だが、カンヅェル辺境伯殿に御用がある。」 強い口調は重武装の兵達を怯ませる。 「連絡願おう。」 すると兵達は話し合った後に、1人が門の向こうに合図し、開くと入っていく。 そして鉄の音とともに閉じられる。 ◇◆◇◆ 「カンヅェル様〜。」 静寂が崩れていく。 30ほどの男だが風格はすでに熟練のものであった。数々の修羅場を乗り切った男に相応しいその風格。 青白い肌は弱々しき色彩ではあるものの、頑強な容貌がそれを否定している。 眼差しは氷のように冷たく激情を微塵も感じさせない。その外見よりも伝わる冷徹さが彼の軍の圧倒的な強さを示すものなのであろう。 青の髪もまた吹雪の感情を漂わせるのに一役買っている。 声は背後・・・。 当然だがドアの方である。 ソファーに座ったカンヅェルは1人ではない。 隣には焔の色の長い髪の女、同じく30ほどで、純白の肌に髪に同じく熱感を持つ赤の唇。その焔の美貌には焔の情熱。 しかし冷めた瞳――奥深さもまた持っている。 カンヅェルの愛人とされているマゼンタである。 響いた声は女性のものである。 そちらには一瞥もせず、手にしたカップの黄金の雫――ティータイムの時間である――を残らず飲み干し。 「用件を言え。」 冷たい口調には方向など定まっていないが当然向けられていると確信の女は 「シャーベット王国よりバルス将軍が訪れています。」 「分かったすぐ行く。」 そう言ってカンヅェルは立ち上がる。 |
12127 | 冥王の騎士:28章:辺境伯と騎士達2 | D・S・ハイドラント | 2002/12/16 14:42:58 |
記事番号12125へのコメント ソファーが軽く揺れる。 カンヅェルは隣のマゼンタの微笑みを振り切り、即座に給仕の服装をした女が1人立つドアの方向へと視線を滑らせる。 冷たい眼差しは給仕の女を凍り付かすと、無言のまま歩いていく。 ドアが閉まる爆発的な一瞬の大音とともに淡い光が僅かにだが強まっていた部屋に陰が差す。 その足音の余韻が空間に充満し、不快に残った。 マゼンタは冷淡な笑みで飲みかけていたカップのティーをゆっくりと飲み干すと・・・。 「ちょうど良いわ。御代わりもらおうかしら。」 給仕の女はマゼンタの妖しい笑顔を向けると水を掛けられたように瞬間の身震いの後、 「はっはい!」 すぐさま部屋を出る・・・。 ◇◆◇◆ 「早いな・・・。さすが将軍殿、といったところか。」 冷たい石の床に足音を響かせつつカンヅェルは独り呟いた。 「どちらへ?カンヅェル様。」 声は後から届く。 若く響きのある声、そう判断した。 「ロイシン・・・か。」 振り向かずにただ歩みを進める。 「まさか早くも将軍殿が・・・?」 足音の刻みが早くなる。 そして気配の接近。 「深読みしすぎだ・・・と言いたいところだが、そうだとしたらどうする?」 視線を動かす。 そこにはまだ20を過ぎたほどの青年。 照りの良い黒髪が少々濃いものの、むしろ爽やかさを感じさせる。 海辺の薄青の水を注いだような双眸もまた若々しい。 その端正な顔立ちはまさしく好青年と言えよう。 気品のある騎士正装に腰に携えた剣の鞘は美術品的である。 ロイシン・・・カンヅェル率いる八魔卿の1人。美血公ロイシン。 「八魔卿の内5人は都ですが、そのようなことで将軍殿をお待ちさせるわけにはいきません。」 冷めた口調。だが照らされた美貌は笑顔なくとも美しい。 「リシンとメチオニンならばいるだろう。会議室に呼んでおけ。」 冷たく言い放つと早足で去っていく。 遠ざかる辺境伯の背中を見つていた青年の容貌に、不気味な望まれぬべき笑みが浮かんだ。 「将軍殿、大変お待たせいたしました。」 カンヅェルの声とともに格子の上がる大げさな騒音。 「いえいえ、こちらこそ、わざわざこんな時期に・・・。」 笑顔の将軍につられてかカンヅェルも同じく微笑み掛けるが侮蔑が混ざっていた。 それに気付かぬ将軍・・・そして護衛の騎士達。 「さあ、中へどうぞ。温かいお茶でも出しましょう。」 いくつかの足音が砦の方へと向かう。 普段は静寂と陰が落ちた暗い会議室にこの時は白光と気配に満ちていた。 細長なテーブル。 上座に位置する2つの席には2人の男、左にカンヅェル、右にバルス将軍だ。 そこから左方向には辺境伯軍、右にはシャーベット軍の騎士達が並んでいる。 騎士で最もカンヅェルに近い位置には美血公ロイシン。 他の騎士とは何かしらの不可視の相違点が感じられてくる。 それに当てはまらぬのは左隣の2人、のみであった。 すぐ隣の女もまだ20過ぎほどでしかない。 薄い白銀の煌きは天井よりの白光に匹敵するほどに思えてくる。 紫の鮮やかな瞳は宝石のようでありながら水のように澄んでいる。 口元の印象はやや薄いものの氷雪の如き白肌は充分に魅力であった。 そしてさらに隣には暗黒の髭を生やした中年の黒目黒髪の男、さほど美しさはないが気品は並の人間のものではないだろう。 それぞれ騎士正装であり、女は魔蝶のメチオニン、男は剛鉄のリシン、ともに八魔卿の1人である。 最初の沈黙を破ったのは将軍バルスである。 「見たところ、八魔卿とやらは3人だけのような気がしますが・・・。」 その的確な回答にカンヅェルは動揺を浮かべるものの 「ご名答、さすが将軍殿ですな。」 賞賛の声で振り切る。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ちなみに八魔卿(やまきょう)達の名前は必須アミノ酸の名前からです。 |
12131 | Re:冥王の騎士:28章:辺境伯と騎士達2 | 渚 | 2002/12/16 16:42:14 |
記事番号12127へのコメント >東部を縦に貫くオーガニックの大森林に築かれた巨大な石壁の並び・・・。 >カタートの長い歴史と膨大な経済力、労働力の結晶。 >どこまでも続くこれが大陸東部よりの侵攻を防ぐこれがベーカリーゲートである。 万里の長城を思い浮かべてしまう。 >完全なる防御の壁である。 >友好と判断したものしか通さぬ。そしてここ数十年、浸入を許したことはない。 これを超えられる人がいたら、とてつもなくすごい! 一体作るのに何年ぐらいかかるんだ? >「ちょうど良いわ。御代わりもらおうかしら。」 >給仕の女はマゼンタの妖しい笑顔を向けると >水を掛けられたように瞬間の身震いの後、 >「はっはい!」 >すぐさま部屋を出る・・・。 マゼンタが怖いのか? 外見からすると悪女に見えるよーな感じもするけど・・・・。 こんにちは。 カンヅェル、マゼンタコンビ(笑)でてきました。 これから活躍していくんでしょうか? |
12134 | Re:冥王の騎士:28章:辺境伯と騎士達2 | D・S・ハイドラント | 2002/12/16 17:08:51 |
記事番号12131へのコメント >>東部を縦に貫くオーガニックの大森林に築かれた巨大な石壁の並び・・・。 >>カタートの長い歴史と膨大な経済力、労働力の結晶。 >>どこまでも続くこれが大陸東部よりの侵攻を防ぐこれがベーカリーゲートである。 > >万里の長城を思い浮かべてしまう。 それを浮かべました。 > >>完全なる防御の壁である。 >>友好と判断したものしか通さぬ。そしてここ数十年、浸入を許したことはない。 > >これを超えられる人がいたら、とてつもなくすごい! ガーヴならば可能かも・・・。 >一体作るのに何年ぐらいかかるんだ? 100年・・・じゃあ無理かな? > >>「ちょうど良いわ。御代わりもらおうかしら。」 >>給仕の女はマゼンタの妖しい笑顔を向けると >>水を掛けられたように瞬間の身震いの後、 >>「はっはい!」 >>すぐさま部屋を出る・・・。 > >マゼンタが怖いのか? >外見からすると悪女に見えるよーな感じもするけど・・・・。 まあどうでしょうか・・・。 > >こんにちは。 >カンヅェル、マゼンタコンビ(笑)でてきました。 >これから活躍していくんでしょうか? あんまり重要とは思えませんがカンヅェルの方は今からそれなりに出るでしょう。 > > > それではレスどうもありがとうございます〜。 |
12128 | 冥王の騎士:29章:捕獲作戦・・・なのかな? | D・S・ハイドラント | 2002/12/16 16:02:45 |
記事番号12125へのコメント 夜闇の静寂を引き裂くたびに全身を撫でる、もう冷たい風のざわめきは、強く激しく変貌した大地に嘆いているよう。 濃紺の空気より暗い暗黒の双眸は不思議と光を湛え、鳴動する世界を傍観している。 自分が傍らではなくその中心に位置するのを欠片も感じずに・・・。 熱を持った吐息は冷気の色に染まり、闇空に登る。 夜の明かりは希薄で気配も感じられない。 崩れていく大地・・・崩壊の兆しを間近に見つつも夢中よりも平然と、ただそのさまを見ゆくのみ・・・。 だが一向に滅びは来ない。 溜息は再び白く。足音は単調とは言い難く不規則で不正確であった。 黒の上着に風が入り込み、身震いするも揺れる世界はおさまらずにいる。 だが光が――双眸に映し出した冷水なるもの・・・。 柄の悪そうな男達に絡まれる1人の青年がアインの酔いを覚ますこととなる。 「てめえら通行の邪魔だ!」 叫ぶ先には頑強な肉体の男達、布の衣服はけして上等のものではなく古びて破れている部分もある。 アインと同じ黒目、黒髪のもの達だがすでに中年に達しているほどの年齢や体格、容姿、荒々しい髪型などで全く違っている。 「何だてめえ、こいつを助けにでも来たか?」 青年の顔は闇に紛れて明白ではないが、若いということと、それなりの容姿をしているということならば分かる。 「そいつはどうでも良いが、そんなことは裏通りでやれ!」 覚醒はほぼ完全であった。 「黙れ、相手から喧嘩振ってきたんだ!」 男の1人が叫ぶ・・・。 「私情はどうでも良いんだよ。死ね。」 ペンダントを抜き取ると銀の刃が煌く。 すでに過去の血は拭き取られ、死したもの達はすでに忘却。 暗黒の眼差しが冷気を生み、男達を包む。 「おい、てめえ何者だ。」 男達の動揺が暗闇に明白となる。 「アイン・オーフェン。」 ただ放たれる凶悪殺人鬼の名・・・。 「まさか・・・。」 言葉に詰まる男を冷たく値踏みする冷徹な悪魔。 「分かったらとっとと死ね。」 ペンダント振りかざす・・・。 絶叫が響いた。 「へっ?」 だがペンダントは空を切ったのみ・・・。 だが男達はすべて血を吹いて倒れている。 命はあるまい。 疑問のまま青年の方へ歩み寄る。 そこには月光に映え、濡れた拳を輝かす冷たい肌の青年・・・。 「あんた昼間の・・・。」 それはまさしくノーストであった。 「アイン殿、ミックス殿がお呼びです。」 衝撃が走る。 絡まれていたこの青年は笑っている。 そこで視界が暗闇に飲まれていく。 最後に見たのは冷たい氷の眼差し、そこから来る吹雪の微笑み。 ◇◆◇◆ 地に伏すもの達・・・鼓動を少しでも感じられるものは1人・・・。 「少々手荒だが、仕方あるまい。」 溜息が白く昇る。 そして精神が夜空の下のこの街ではない、彼方へと飛ぶ。 「文字連絡(レター)」 連絡の魔法を終えると視界が戻り風の冷たさを感じられる。 「帰還には早すぎる。しかし機を逃すわけにはいかない。」 滑らかに虚空へと話し掛ける。それに呼応して、それとも畏怖してか、勢いは増し雪の線達は揺れ上がった。 「だがサンチーンミの方への捜査も時期来るだろう。」 この男は良いことに教団に追われているとのこと・・・。 「救済の宿し身も、マツタケ・シティも私の敵ではない。」 同時にマツタケ・シティでの凶悪犯罪に殲滅の危険もある。 「にしても彼女ではこう上手くはいかなかっただろう。」 決断は的確だった。死は免れた。 そう思って微笑む。 冷淡とした微笑み。 「だが何を企んでおられるのだ・・・。」 長き時を見たものの願いとは・・・。 アインを掲げると亡霊は闇に消えた。 |
12141 | Re:冥王の騎士:29章:捕獲作戦・・・なのかな? | エモーション E-mail | 2002/12/16 21:33:20 |
記事番号12128へのコメント こんばんは。 一気に4話……。あちらを含めて6〜7話くらいですか。 凄いペースですね。 カンヅェルとマゼンタ……原作は別々で登場だったのに、アニメの影響以前に、 何故かワンセットのイメージがあります。 マゼンタさん愛人(と言う噂?)ですか……似合いすぎ(笑) ただ、単なる愛人に収まっているタイプには見えませんが。 アイン君がジェイソン(出典「13日の金曜日」シリーズ)のごとく、 物騒な事してますが、ノーストさんにあっさり捕まっちゃったのですか? しかも拉致らてしまったんですね……。 エル様が怒り心頭で追っかけそう……。 ミックスとこの姉弟の関係も、相当ややこしそうですし。 では、続きを楽しみに、この辺で失礼します。 |
12142 | Re:冥王の騎士:29章:捕獲作戦・・・なのかな? | D・S・ハイドラント | 2002/12/16 21:40:49 |
記事番号12141へのコメント >こんばんは。 > >一気に4話……。あちらを含めて6〜7話くらいですか。 まああちらは数に加えません(待て) >凄いペースですね。 いえいえ。 テストのお陰で学校が早く終わってくれたんですよ。 > >カンヅェルとマゼンタ……原作は別々で登場だったのに、アニメの影響以前に、 >何故かワンセットのイメージがあります。 アニメ観てないですけどそんなイメージは持ってます。 >マゼンタさん愛人(と言う噂?)ですか……似合いすぎ(笑) >ただ、単なる愛人に収まっているタイプには見えませんが。 ですね。でも彼女については何にも考えてないんです。 > >アイン君がジェイソン(出典「13日の金曜日」シリーズ)のごとく、 >物騒な事してますが、ノーストさんにあっさり捕まっちゃったのですか? まあ奇襲ですし、相手が不死男ですから・・・。 >しかも拉致らてしまったんですね……。 >エル様が怒り心頭で追っかけそう……。 まあ気付くか疑問ですが・・・。 > >ミックスとこの姉弟の関係も、相当ややこしそうですし。 まあその辺りはどうなのでしょう・・・。 > >では、続きを楽しみに、この辺で失礼します。 はい。ありがとうございます。 |
12150 | 冥王の騎士:30章:フィブリゾとシェーラ | D・S・ハイドラント | 2002/12/17 15:14:05 |
記事番号12125へのコメント 「シェーラちゃん起きて!」 暗闇が揺れる。歪みはやがて混沌を覆っていき――。 それは光に変わる・・・。 陽光よりも眩き光――天井の魔力灯は閃光の如く双眸に入り込んだ。 強烈な眠気と覚醒の疑問が混ざる。 「あっやっと目覚めたわね。」 瞳に映すのは絶世級の美女、曇った視界にも確実に見える。 一瞬後に・・・ 「どうしたんですか、エル!」 「フィブリゾ君が消えたの!」 その言葉を待たずとも言い出したような焦り声に視線が疾駆する。 ベッドは空虚、ただ布団の荒れから寝ていた形跡は感じられる。 「何か知っていたり・・・」 「説明は後よ。」 強引な口調で部屋を出る。 明らかに一筋の恐怖――そして対した葛藤を感じるも戸惑いを打ち切りシェーラは即座に近くに転がる衣服を身に着けていく。 焦りの中でさすが騎士といった素早さだ。 軽い足音とともに部屋から気配が消え去り、静寂が闇に生まれた。 夜風が嘆きとともに浸透した身を引き裂いていく。 簡素な布の衣服に灰色を外套を羽織ったシェーラは髪もまとめておらず、一心の疾駆を妨げてようとする。 だが気にもとめずに先行する美女の後を追うのみ、2つの足音が限りなく1つに近く激動の夜闇を静寂にも聴こえさせる。 ただ疑いはなく一心に・・・。 そのような考えはすでに排除した。無意味以上の害意になり得るからだ・・・。 黒の球を握り締め、再び走る・・・。 その行為に疑問などはない。 だから走るのだ・・・。 落とされた虚ろなる白霧が連続で舞い上がる。 熱を持った身体に浴びせられる冷水の如き風がつき抜けて震えを誘った。 「疲れたわね。」 あれからそう時間が経ったわけではない。 現在はあまり大きな通りではない。 挟まれるほどでもないが隣接した左右の石壁は無機質で開いた窓からは静寂の匂いしかない。 煌くガラスは刃の如き傷を負った――人に喩えれば勇猛な死者であろう。 雨風をもはや一身で受けることは出来まい。 だがそれには視線の1つ、背景としても映させるものではなかった。 「こっちで良いんですか?」 立ち止まり初めて捨てた疑問を引き出す。息吹により乱れているものの、口調には冷静と変わらぬほどにも思えてくる。 「良いんじゃない?どうせ分かんないし・・・。」 冷水を荒れた心に受け、身震うも、思考が打ち砕き受け入れる。 「とにかく・・・探しましょう。」 吐息が宙に霧散すると同時に 「行きましょう。」 疑問よりも解決が先。シェーラは即座に後を続く。 吹き荒らす風音に替わり規則音が静寂を打ち砕くも夜の帳はなおも沈黙を崩さない。 変化もまたなく違った街並みなど微塵も感じられない。 風の鋭さ、焦りと沈静により観察など求めずにいるのが事実なのだが・・・。 だが奇跡というものがなくとも現実に救済は降りる。 それが奇跡であるのかも知れないが・・・。 追うものの背が大きくなる、間隔は詰められ、2つの音は噛み合わずに別離に拍車が掛かりゆく。 そんな中、希薄になっていく感覚達――だが奇跡がそれを鮮明と化していく。 ふと気付くそれに研ぎ澄まされた感覚は曖昧ながらも可能性を作り出す。 「エル、待って。」 か細い声であったが風に飲まれることなく反応を感じられた。 「どうしたの?」 沈黙が走る。 迷いが目まぐるしく展開していく。 「ねえ。」 構成――霧散。 繰り返される輪廻。 その輪を感じてからどれだけ経つのだろう。 刻みが希薄に感じられる。 だが1つの力がその車輪を粉砕する。 「フィブリゾ様の・・・フィブリゾ様の匂いが・・・。」 |
12151 | 冥王の騎士:31:主君と騎士 | D・S・ハイドラント | 2002/12/17 15:22:14 |
記事番号12125へのコメント 出た言葉に苦笑を浮かべるエル。夜空の下、温もりを帯びている。焦りから順流の世界に引き戻され余裕を感じたシェーラは迫る闇の塊――つまり自分の髪を掻き揚げながら微笑む。 「あなた・・・あの子の匂いまで分かるのね?」 「いえ・・・気配というか何というか・・・。」 空を見上げ、その真上に近い視線に入り込もうとする1対を感じると適当に逃がす。 だが相手も滑らかにこちらの視線を追う。 そして互いの瞳を映す瞬間。 「あなた、あの子のこと好きなんでしょ。」 唐突の発言に身震い、しかし中核には確かな熱が浸透している。 「そっそんなことより、早く探さない・・・と・・・。」 言葉が巧く紡げず焦りが増す。 「じゃあこれに答えたら良いわよ♪」 エルが悪戯気に笑った。 思考が急速化するがやはり構成と霧散の繰り返し、言葉による魔法を封じられ、なくしたそれはただ自分を陥れるのみの逆向けられた刃。 そして心が熱を増す・・・。それはただ1つの言葉に対する異常な欲求。 静まることはなく熱く身を焦がし、拷問のよう。 縛められ、焼き印を押される情景を現状に結び付けようとするも、そのような経験がないだけでなく、それとはけして違ったもの。 理論でいくら共通があろうと根本が違った。 相手に対する恐怖、怒り、憎しみなども浮かび上がらない。 「早く言ったらどう?」 否定を表わす言葉を紡ぐが容易く風に霧散していく。 一言・・・しかしあまりにも重い一言。 だが枷を断ち切り・・・。 「私は1人の騎士であってフィブリゾ様はただ私が仕える主君です・・・」 だが否定にも大きな喪失感。 振り切っても消えない。 体が冷気に包まれる。 熱が退いていく。 想いは断ち切れはしない。ただ負となる重りを背負う数が増えたのみ。 「今の言葉、肯定ととっておくわ♪」 「えっ・・・。」 戸惑うも重圧が1つ消える。 いつしか熱も退き、想い変わらずともそれでも今は望む通り心の隅へと・・・。 「今度はあなたが先導よ。」 「えっ・・・はい。」 戸惑いつつも足音は確実に闇に刻まれていった。 後追うもう1つのそれもまた鮮明に・・・。 想いはいつからだろう。 分からない。気付かない。 もしかしたら今の今まで全く気付いていなかったのかも知れない。それは良いことだったのだろうか。 護りたいという気持ち――あれは偽り? そうでなくともあの方に対する想いであったに違いない。 否定はしない。それは自分を自我を否定してしまいかねないから・・・。 そうその想いが自分を突き動かしていたのだろう。 騎士としてでも、人としてでもなかった。 ましてや姉という自分の分からないものでもない。 出会ったのは2年・・・3年前だっただろうか・・・。 やはり運命・・・。運命の神の導き。 報われた努力・・・だったのだ。 そう思えた。 昔は勇敢と言われたが、今はやるのは盗賊狩りほどのただの傭兵――腕だけはやたらと良かったらしいが――の家系娘が親に懇願して受けた剣の扱い。 辛い日々であったが、成長は喜ばしく。 ついには12にして王にも名を知られるほどに・・・。 才能の加護だろうが、それは創造神よりの授かりもの。また否定の許されたものではない。 2つの神に祝福されていた。 それほどまでに思わなかった現時も過ぎ去りし今ならば分かる。 夜風に密かに想いを乗せてシェーラは駆ける。 さらに鮮明となった第6感が気配を捉えていく。 それは明白な気配となる頃。 感じられた気配の本質。 (うそっ!) それはまさしく――闇。 邪悪な闇・・・そして間違いなく探し人。 これこそは否定したかった。 だが無情な現実・・・視覚に映し出された闇を纏う少年。 「フィブリゾ様!」 |
12155 | Re:冥王の騎士:31:主君と騎士 | 渚 | 2002/12/17 16:03:52 |
記事番号12151へのコメント > 「あなた・・・あの子の匂いまで分かるのね?」 > 「いえ・・・気配というか何というか・・・。」 そうですよね、においで分かるなんて犬みたいだですし。 > 「あなた、あの子のこと好きなんでしょ。」 おお!エルはいきなりに何を言いだすんだ! しかも、すっごいストレート。 > 「そっそんなことより、早く探さない・・・と・・・。」 動揺してますね、シェーラ。 > 「じゃあこれに答えたら良いわよ♪」 > エルが悪戯気に笑った。 何か悪巧みを考えているのか? > 「今の言葉、肯定ととっておくわ♪」 > 「えっ・・・。」 一体エルは何を考えてるのやら。 > ついには12にして王にも名を知られるほどに・・・。 そこまで強いんですね。 > 「フィブリゾ様!」 フィブを見つけられたようでよかった。 でも、フィブは無事なんでしょうか? |
12157 | Re:冥王の騎士:31:主君と騎士 | D・S・ハイドラント | 2002/12/17 16:09:40 |
記事番号12155へのコメント >> 「あなた・・・あの子の匂いまで分かるのね?」 >> 「いえ・・・気配というか何というか・・・。」 > >そうですよね、においで分かるなんて犬みたいだですし。 ・・・犬シェーラ? > >> 「あなた、あの子のこと好きなんでしょ。」 > >おお!エルはいきなりに何を言いだすんだ! >しかも、すっごいストレート。 外面はストレートですから > >> 「そっそんなことより、早く探さない・・・と・・・。」 > >動揺してますね、シェーラ。 ですね。 > >> 「じゃあこれに答えたら良いわよ♪」 >> エルが悪戯気に笑った。 > >何か悪巧みを考えているのか? > >> 「今の言葉、肯定ととっておくわ♪」 >> 「えっ・・・。」 > >一体エルは何を考えてるのやら。 謎な人です。 > >> ついには12にして王にも名を知られるほどに・・・。 > >そこまで強いんですね。 国内でも有数の才能を持ってます。 > >> 「フィブリゾ様!」 > >フィブを見つけられたようでよかった。 >でも、フィブは無事なんでしょうか? どうでしょうか・・・。 > それでは〜 レスありがとうございます〜 |
12159 | Re:冥王の騎士:31:主君と騎士 | エモーション E-mail | 2002/12/17 20:47:03 |
記事番号12151へのコメント こんばんは。 フィブリゾ様の匂い……。すいません、一瞬シェーラちゃん、犬みたいだと 思いました。 でも忠犬っぽい部分はありますね、性格的に。 > 「あなた、あの子のこと好きなんでしょ。」 > 唐突の発言に身震い、しかし中核には確かな熱が浸透している。 エル様、そんなストレートに……。 まだ、お互いに目と目が合うとバックに花や点描が舞うような段階なのに(笑) > 「今の言葉、肯定ととっておくわ♪」 > 「えっ・・・。」 さらに判りやすいシェーラちゃん。エル様、苦笑するしかないですね。 やっと(あっさり?)見つけたフィブリゾくん。 でも様子が変。どうなったのでしょう。(どきどき) 続きを気にしつつ。この辺で失礼します。 |
12160 | Re:冥王の騎士:31:主君と騎士 | D・S・ハイドラント | 2002/12/17 20:52:57 |
記事番号12159へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >フィブリゾ様の匂い……。すいません、一瞬シェーラちゃん、犬みたいだと >思いました。 >でも忠犬っぽい部分はありますね、性格的に。 まあ・・・。 > >> 「あなた、あの子のこと好きなんでしょ。」 >> 唐突の発言に身震い、しかし中核には確かな熱が浸透している。 >エル様、そんなストレートに……。 終わった女はストレートなんです(でたらめです。) >まだ、お互いに目と目が合うとバックに花や点描が舞うような段階なのに(笑) そうなんですか? > >> 「今の言葉、肯定ととっておくわ♪」 >> 「えっ・・・。」 >さらに判りやすいシェーラちゃん。エル様、苦笑するしかないですね。 もう否定なしですから・・・。 > >やっと(あっさり?)見つけたフィブリゾくん。 >でも様子が変。どうなったのでしょう。(どきどき) いずれ分かるはず(?) > >続きを気にしつつ。この辺で失礼します。 はい。 ありがとうございます〜 |
12171 | 冥王の騎士:32章:恐怖と想い | D・S・ハイドラント | 2002/12/18 11:55:46 |
記事番号12125へのコメント 強烈な気配を帯びた少年が2人の眼前へと歩む。 表情――いや感情は虚ろでただ濃い闇だけを放つ。 夜よりもなお深き闇を――。 濃紺の帳がその周囲にだけ降りて、黒髪が強風を浴びているように激しく揺れ続けている。 潤いを持った碧宝石(ジュエルズ・エメラルド)のはずだった双眸も闇を受け、暗く夜の色に染まっている。 服装だけが一般の少年用の布の服であるが同じく闇を纏う。 だがそこには真の虚無のみが停滞しているのみだが、虚無から感じられるのは純粋な恐怖・・・。 脅えている。抗うことは出来ない。 人の身ではけして・・・。 命あるものすべてを恐れさせるそれは――滅び。 虚無は滅びを感じさせてくる。 エルが宿で見た時よりも虚無はさらに増し、滅びを訴えている。 静かに無心で嘆きつつ――。 「フィブリゾ様!」 だがそれは声になっただろうか。 自分は恐怖の中――どれほど、もがこうが絶対恐怖に抗いは出来ない。 否定しても否定しても――肯定。 その状況を過去の何かに重ねようとしたが、それも霧散・・・。 そして相手は闇の中――。 溺れるものが天を掴むことはない。 ましてや天空の果てなど――。 恐怖に溺れる自分は、闇を掴むことはできない。 そう闇の果て――この少年には届かない。 声1つさえも・・・。 想い・・・想い・・・想い。 だが恐怖には勝てない。葛藤もなしに消え去りゆく。 巨大な喪失感がさらなる恐怖を誘う。 少年はこちらに向かう・・・。 紛れもない探し人が・・・。 だが触れることは許されない。 真の恐怖は絶対の呪縛。 (フィブリゾ・・・様。) ◇◆◇◆ 足音が大きくなってくる。 絶対の呪縛――抗う。 だが恐怖の中に葛藤。葛藤は恐怖になり得るがしかし恐怖を忘却。 恐怖・・・想い・・・そして殺意。 凍れる冷気が吹き出す。恐怖を凍りつかせるが想う温もりに消えていき・・・。 感情の輪廻・・・。 時は迫る・・・。 だが決断は一瞬。そのすべてが答え。 後は決断を必然と確信するのみ・・・。それも刹那だ。 脅えた眼差しに光・・・。 恐怖を打ち破る意志の光・・・。 輝く黄金の瞳。 月の雫が足元に流れる。 唇を噛み締める。 そして風を感じた。 「夜闇の龍の蠢きよ、黒翼の龍の閃光よ、邪悪なる龍の咆哮よ。」 刹那・・・だがそれは長すぎた。 「やめてぇ!!」 心に迷いさえなければ・・・補助音声の隙さえなければ・・・運命に傾きさえなければ・・・。 世界が輝いていたのかも知れない。世界が揺れていたのかも知れない。世界が洗われていたのかも知れない。 だが長すぎたのだ。 少女が動く時間を与えてしまった。 そして構成の霧散・・・。 「やめてフィブリゾ様を殺さないで!」 その表情には恐怖は欠片もなかった。 想い・・・覚醒なのか! 両者には絶対の恐怖などもはやなかった。 「ごめんなさいね・・・。」 だが心に冷気がさらに渦巻く。 罪の意識。・・・想いにそれが加わり、少年を一瞥。 変化はない。ただ無を湛えつつ歩くのみ。 だが先ほどの恐怖はもう感じられない。 「フィブリゾ君・・・。」 声は静寂の帳を伝って少年に届いた。 そして返るのもまた声・・・。 「僕の・・・邪魔をするな!」 だが纏うのは虚無のまま。 風が強く吹いた。それは静寂のまま、強烈に激動。 「「きゃああ!」」 悲鳴とともに浮遊感。 それは一瞬ながら明白に記憶に刻まれ――。 翼の消滅――そして衝撃。 ただ無のまま少年の足音が遠ざかる。 |
12172 | 冥王の騎士:33章:決戦なのか? | D・S・ハイドラント | 2002/12/18 12:36:32 |
記事番号12125へのコメント 衝撃波は2人を大地に叩き付けた。石の地面は強烈な勢いで迫る。 足音は遠くそして速くなっている。 「大丈夫シェーラちゃん。」 「ええ。」 エルは先に起き上がる。 シェーラも後を追った。 「さっきはホントにごめんないさいね。」 立ち上がったエルの眼差しを受けたシェーラは熱を感じ、言葉が出ない。 微笑を残し走りだすエル。その後を追う。 なお静寂は消えない。巡回の兵士1人見当たらない。 凶悪犯に脅えてでもいるのだろうか。または単なる平和ボケなのかも知れない。 だがどちらにしろ――そのどちらでもなくても――それはシェーラ達には好都合だっただろう。 夜の帳はなお光を迎えず・・・。 もはや闇世界の終りもそう遠くはない。 暁にはまだ早いが、それでもこのまま迎えてしまうかも知れない。 それに対してはいくつかの疑問――だが今はそんな感情は振り切る。 ただ歩むだけのはずのフィブリゾは遠すぎる。 追いつくことが出来ない。 深い闇は無限の路。けして届かない。 必死で走るも、けして追いつくことはない。 ただ歩む少年1人の足に・・・。 驚愕の速度でただ迷いなく歩く。 それを追う2人はただ足音と虚白の吐息のみ。 だが闇に不思議と恐怖はなかった。 だから追える。 だから追うのだ・・・。 想う人のために・・・。 だが同行するエルの胸中もまた疑問の1つであった。 彼女は何のために自分達を助けてくれたのだ? その疑問も必要ないはずだが・・・なぜだかそれだけが強烈に思考に入り込む。 答えを必死で求めるが・・・分からない。 どうでも良いはずだ。それに答えなど分かるはずがない・・・。 知らない自分に分かるはずがない。 だがそれで終えることがどうしても出来なかった。 ただ1つ――輝き。 だがそれに手を伸ばせない。 それが答えなのか? 邪悪で禍々しく映るそれが・・・? そんなはずはない。 もしそうならば・・・。 いつしか角を曲がる・・・ただ追っただけ、ほぼ無意識に近いのかも知れない。 そして緩まる速度・・・。 そこは――石に囲まれた。 つまりは城壁。巨人の腕――唯一の境界となるその門に辿り着いた。 夜の沈黙の如く。その格子はかたく閉ざされている。 だがそれも一瞬・・・。 爆発が起こる・・・だがそれは無音で幻想的。 現実感がなく幻を彷徨うように思考が事態を受け流していく。 唖然としながらも袖に現実感。 エルにつられ門の外へ向かう。 風がなお強烈になる。静寂の色をそのままに・・・。 暗い平原が絶望的に広く、闇がなお広く・・・。 だが草花の感触はない。 濃紺の闇の中でもそれは変わらず・・・。 エルが明かりの魔法を使った。 眩さをはないものの照らされる平原は映えて世界の真実を見せる。 少年は歩き続ける。 シェーラ達も必死で後を追う。 それはむなしく続く。 永遠ではないかと思え、次の瞬間には否定する。 相手がいかに永遠であろうとも自分達は有限――終わりはすべてに降り注ぐ。 人は万能であっても完全ではないのだ。 そして同じように不変でもない。 変化に脅えて生きていくのだ。 疲れもそれと同じように・・・。 だが思うより終わりは早すぎた。 終焉は自分達ではなく少年。 立ち止まる。 「フィブリゾ様!」 思わず姿に言葉が出る。 だが心の中のフィブリゾとは明らかに違う。 「君達は邪魔だ。ここは片付けさせてもらうよ。」 自信――それも求めたが、求めたのは闇を帯びた恐怖の対象ではなく。フィブリゾにだ。 そして虚無など求めていない。 「フィブリゾ様じゃ・・・ない。」 |
12178 | Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか? | 渚 | 2002/12/18 17:04:27 |
記事番号12172へのコメント フィブ強し! これが本来のフィブのちから? このまま元に戻らないんでしょうかねー・・・・。 シェーラ可愛そうに・・・・、 フィブー早く元のやさしく可愛いフィブに戻ってー!! |
12184 | Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか? | D・S・ハイドラント | 2002/12/18 19:41:16 |
記事番号12178へのコメント >フィブ強し! これが本来のフィブのちから? どうでしょうか・・・。 >このまま元に戻らないんでしょうかねー・・・・。 >シェーラ可愛そうに・・・・、 >フィブー早く元のやさしく可愛いフィブに戻ってー!! どうなるのでしょう。 レスありがとうございます。 |
12186 | Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか? | エモーション E-mail | 2002/12/18 21:53:45 |
記事番号12172へのコメント こんばんは。 フィブリゾ君、一体何が……。 一部のラストの時の、剣に操られちゃった状態のシェーラちゃんと 似たような感じなんでしょうか。スケールは全く違いますが。 エル様の目的は不明かもしれないけれど、単純に見ていても、 この2人にはちょっかい出したくなるとは思います。 何かかわいいし。 思わずフィブ・シェラウオッチャーをしたくなるくらい。 ……エル様なら、それを目的にしてもおかしくないような……。 見た目はフィブリゾ、中身は(今のところ)別人。 正気に戻ってくださいと願うばかり(うるうる) シェーラちゃんの愛の一言で目覚めないかな……。 では、妙なコメント残しつつ、この辺で失礼します。 |
12187 | Re:冥王の騎士:33章:決戦なのか? | D・S・ハイドラント | 2002/12/18 21:56:34 |
記事番号12186へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >フィブリゾ君、一体何が……。 さあ、ネタバレになります。 >一部のラストの時の、剣に操られちゃった状態のシェーラちゃんと >似たような感じなんでしょうか。スケールは全く違いますが。 そーいえばありましたね(忘れるな) > >エル様の目的は不明かもしれないけれど、単純に見ていても、 >この2人にはちょっかい出したくなるとは思います。 >何かかわいいし。 まあ。 >思わずフィブ・シェラウオッチャーをしたくなるくらい。 >……エル様なら、それを目的にしてもおかしくないような……。 そうですね。 > >見た目はフィブリゾ、中身は(今のところ)別人。 >正気に戻ってくださいと願うばかり(うるうる) >シェーラちゃんの愛の一言で目覚めないかな……。 可能性極大なんですけど・・・。 > >では、妙なコメント残しつつ、この辺で失礼します。 はい。 ありがとうございます。 |
12190 | 冥王の騎士:34章:会いたい | D・S・ハイドラント | 2002/12/19 12:46:51 |
記事番号12125へのコメント 「シェーラ・・・君は・・・特に邪魔なんだよ!」 激情が初めてそこに生まれる。 闇が形容を変えていく。 夜闇の中でむしろそれは輝いて見えた。 「僕は夜明け前に覚醒する。」 空間が闇に包まれる。 闇が渦巻き、空間が歪む。 その頃にはすでにフィブリゾの姿はなかった。 そして青――不気味な青の輝き。 幽鬼のようにも思えるそれは邪悪な魔物の肌。 「何よあれ!」 叫び声の中、浅い記憶が蘇ってくる。 まさかあれは・・・。 信じたくはないが、無情にも記憶に一致する。 「デーモン!」 そう青き鋼の肌を持つ、邪悪な闇の魔獣。かつて最強の魔獣である大魔王バナナプリンが魔界から呼び出したとされる魔王の兵。 「デーモン?・・・ならあたしの敵じゃないわね。」 自信・・・微笑みを浮かべたエルには絶対的なそれがあった。 「えっ?」 戸惑い・・・。 風が吹いた。 「いくわよ!」 平原にひしめき合うデーモンの群れ、「大魔王後継者」を名乗ったラルタークよりも遥かに凄い量だ。 跳躍し、デーモン達の方向へと――丘の上より飛び込む。 「すべての闇よ 光の元に 今消え去らん」 音声が響く。 同時にデーモンが吠えた。 無数の強烈なエネルギー。 それが1点――つまりエルへと向かっていく。 「危ない!」 シェーラが叫ぶ・・・。 デーモンはすべてエルを狙ったわけではない。 素早い魔獣達がシェーラの方へも駆ける。 (変われ!) 冷たい感触――それがやがて熱を持ち 「ぐぎゃああああああ」 デーモンの姿が薄れていく。 同時に魔力の流れ・・・。 「重魔滅!(ギガ・ブレス)」 閃光が世界を1色に染める。 完全なる光の世界・・・。 ただ手の重みとなる聖剣チャーハンライスだけが姿を持つ。 「ね、言ったでしょ。」 どこからか声――エルのものに間違いはない。 デーモン達の断末魔が歌うように何重にも響き渡る。 不気味で邪悪さを持ちながら輝きの絶対性は薄れず。 世界は不滅ではない。魔力の終わりが魔法の終わりである。 世界が逆巻き、夜の静寂の世界を再び映し出した。 濃紺の風が頬を掠める。 それは思う以上に冷たく身震い。 ただ奥底には光の余韻。 聖なる輝き、生きとし生けるものの安らぎと本当の救い。 エルの魔法の光の中は、とても温かく、そして優しかった。 だがそれは喪失なのだと気付かされる。 風が再び――熱が吹き飛ぶ。 戦いと安らぎに埋もれかけそうに、なっていた1つの小さく温かく輝ける1つの強烈な想い――。 裏切りの風は、哀しく心の中枢にまで無情にも届く。 儚き想いは崩されそうとしていた。 (邪魔・・・なの?) あれはフィブリゾだ。 やがて王となるべき我が君主でしかないのだ。 いかに闇を纏おうと、虚無に支配されようと・・・。 たとえ大魔王であったとしても――。 「落ち込んでる暇はないわよ。」 不意に感触。 項垂れた頭を起こすと、肩に温もり。 「あの子を追うんでしょ。」 その温もりに救われたのか・・・。 もう1度――たとえ邪魔だと言われても、1度で良い。 (フィブリゾ様に会いたい。) もう1度・・・。 もう1度会って・・・。 |
12191 | 冥王の騎士:35章:闇がそこにある | D・S・ハイドラント | 2002/12/19 12:49:22 |
記事番号12125へのコメント もう1度会って・・・闇があるならば晴らす。 その上で邪魔と言われれば消えよう。 身勝手で独善的だが罪は背負う。 思いを・・・かため・・・。 「・・・はい。」 涙の兆し・・・哀しき微笑み。 そして決断の眼差し・・・。 傷を越える覚悟の決断。 想いのための思い。 夜風の冷気などもはやこの熱の前ではただ過ぎるのみ。 風前の灯火は無限の輝きへと――。 「じゃあいくわよ。」 暗黒の大気の魔力が揺れあう。 だがそれを気にすることはなくただ虚空を見つめる。 虚無感ではなく意志を秘めつつ。 その先に未来――輝こうが闇に包まれようが運命は恐れず。 カラスミ神に密かに祈る。 神に祈るのは好きではないが、神頼みもまた良いものだ・・・。 この旅でも感じて来た。 サンチーンミの神はただ縋る杖ではない。 救いへの道を開くための剣。 死の救いは求めはしないが、それでもフィブリゾという救いを求め――。 いつしか風を感じなくなった。 錯覚ではないようだ。 そして浮遊感。 無風の中、離れた大地は大きく雄大。 包む闇がそして無限性・・・。 大地が移動する。いや、そうではないようだ。 魔力の匂い・・・。 エルの魔法であろう。 そう大気に構成を織り混ぜた浮遊魔法である。 そして高速移動魔法でもある。 2人を乗せた翼は浴びることなき静寂の風を切り裂く。 「どこに向かうんですか?」 するとするとエルは笑みを放つ美貌を左側にいるシェーラに向けて 「もっと親しい口調で言ってくれたら答えるわ。」 震え・・・動揺、驚きを押し込み 「どこに・・・向かってるの?」 すると笑顔が強まり。 「キャラメルソース、バナナプリンの死に場所よ。」 そして頭を振って正面に移動させると素早く、右方向へ、風の翼を弧を描きつつ方向転換させる。 シェーラは、やがて近づいてくるであろう主君との再会の地に不安と想い、そして恐怖を入り混ぜつつ、ただ唯一、時刻む鼓動を数え、運命の瞬間をただ複雑に思いつつも、強く待ち焦がれた。 輝きがそこから感じられる。 ◇◆◇◆ 闇がそこにある。 天は蒼く暗い。 ただ注ぐわずかな月の雫も闇を妨げることはなく、ただ常闇の妖しさに拍車を掛けるのみ。 巨大な大穴・・・。 今も闇の噴煙が昇る、邪悪な死の穴。 降り立てば暗黒世界――この世界であって異質なる魔の地。 見下ろす大地は呪いに枯れ、神も救いもなきただ飢えた野。 だが闇に魅入られる命あるもの・・・。 飽くなき力を欲する魔に近き――つまりは人を惹き付ける力がそこにある。 観光地であるキャラメルソース。 不毛の大地、大魔王の残り香、邪悪な風と大気。 そして誰も踏み入れぬ深淵。 大魔王の大穴。 最強の魔獣の誕生と終焉。 絶対の闇の大元。 世界崩壊の始まりの地。 その魔の地に来訪者。 少年は闇の洗礼を受ける。 重圧――それは恐怖へと・・・。 純粋で絶対の恐怖・・・。 しかしそれに抗えぬ無力ではない。 拒む闇を受け――ただ奥地へと降りる。 ただ奈落――だが果てはすべてに存在するのだ。 そして骸の地・・・。 だがそれはなく力が――邪悪な大魔王の力が・・・。 壊れた力の破片がそこにある。 闇がそこにある。 |
12195 | Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある | 渚 | 2002/12/19 16:10:29 |
記事番号12191へのコメント > 「僕は夜明け前に覚醒する。」 覚醒ということは、まえのフィブの記憶とかはなくなってしまう!? > 「デーモン?・・・ならあたしの敵じゃないわね。」 > 自信・・・微笑みを浮かべたエルには絶対的なそれがあった。 きっとエルには敵はなし(笑) > ただ手の重みとなる聖剣チャーハンライスだけが姿を持つ。 チャハーン食べたいな・・・・(おいっ!) > もう1度――たとえ邪魔だと言われても、1度で良い。 > (フィブリゾ様に会いたい。) > もう1度・・・。 > もう1度会って・・・。 もう一度会ったら諦めるのか!?諦めはいかんぞ、シェーラ!! > 死の救いは求めはしないが、それでもフィブリゾという救いを求め――。 フィブを救ってー・・・・。 > 魔力の匂い・・・。 魔力って匂うのですか? > だがそれはなく力が――邪悪な大魔王の力が・・・。 > 壊れた力の破片がそこにある。 > 闇がそこにある。 フィブはここにいるのでしょーか!? シェーラも決意を固め!エルは・・・・一体何を考えてるか分からないが、 次はどうなるか!? |
12196 | Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある | D・S・ハイドラント | 2002/12/19 16:37:11 |
記事番号12195へのコメント >> 「僕は夜明け前に覚醒する。」 > >覚醒ということは、まえのフィブの記憶とかはなくなってしまう!? さあどうなるのでしょう > >> 「デーモン?・・・ならあたしの敵じゃないわね。」 >> 自信・・・微笑みを浮かべたエルには絶対的なそれがあった。 > >きっとエルには敵はなし(笑) ないでしょう・・・多分。 > >> ただ手の重みとなる聖剣チャーハンライスだけが姿を持つ。 > >チャハーン食べたいな・・・・(おいっ!) 私も・・・(おいおい) > >> もう1度――たとえ邪魔だと言われても、1度で良い。 >> (フィブリゾ様に会いたい。) >> もう1度・・・。 >> もう1度会って・・・。 > >もう一度会ったら諦めるのか!?諦めはいかんぞ、シェーラ!! まあ主君ですから失礼はいかん、と > >> 死の救いは求めはしないが、それでもフィブリゾという救いを求め――。 > >フィブを救ってー・・・・。 まあ救えないと話滅茶苦茶になる危険ありですけど(待て) > >> 魔力の匂い・・・。 > >魔力って匂うのですか? 魔道士なら多分分かるんだと思います。 > >> だがそれはなく力が――邪悪な大魔王の力が・・・。 >> 壊れた力の破片がそこにある。 >> 闇がそこにある。 > >フィブはここにいるのでしょーか!? 多分・・・。 >シェーラも決意を固め!エルは・・・・一体何を考えてるか分からないが、 >次はどうなるか!? そろそろ今回のクライマックスです。(まだまだ続きますが・・・。) ではどうもありがとうございます。 |
12204 | Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある | エモーション E-mail | 2002/12/19 21:37:03 |
記事番号12191へのコメント こんばんは。 「特に邪魔」の言葉が、フィブリゾにとってシェーラがとっても大切だと 見事に暴露してますね、中にいる別物さん。 フィブリゾ君を取り戻すには、シェーラちゃんが鍵だと、 少なくともエル様は気づいたと思います(笑) いっそ、何も言わなければバレなかったのに(爆) でも、シェーラちゃんはショックで気づいていないみたいですね。 エル様、さぞかし見ていて歯がゆいのでは。 バナナプリンの没した土地、キャラメルソース……。 だめだ……美味しそう……。 今、こちらで「アンティーク〜西洋骨董洋菓子店」の再放送しているから 特に……。 フィブリゾ君のひみつもそろそろ暴露されるのかな。 楽しみにしています。 では、これで失礼します。 |
12206 | Re:冥王の騎士:35章:闇がそこにある | D・S・ハイドラント | 2002/12/19 21:46:29 |
記事番号12204へのコメント >こんばんは。 こんばんは。 > >「特に邪魔」の言葉が、フィブリゾにとってシェーラがとっても大切だと >見事に暴露してますね、中にいる別物さん。 まあ邪魔はひどいでしょう > >フィブリゾ君を取り戻すには、シェーラちゃんが鍵だと、 >少なくともエル様は気づいたと思います(笑) >いっそ、何も言わなければバレなかったのに(爆) >でも、シェーラちゃんはショックで気づいていないみたいですね。 >エル様、さぞかし見ていて歯がゆいのでは。 うわっ・・・私より物語のことが分かっていますね。(微塵も考えなかった私) かなり尊敬です。 後、アドバイスありがとうございます(待て) >バナナプリンの没した土地、キャラメルソース……。 >だめだ……美味しそう……。 すべて人間が名付けたようですけど・・・この国の人々って一体? >今、こちらで「アンティーク〜西洋骨董洋菓子店」の再放送しているから >特に……。 そうなんですか > >フィブリゾ君のひみつもそろそろ暴露されるのかな。 まあ半分以上は分かりそうです >楽しみにしています。 >では、これで失礼します。 はい。 どうもありがとうございます。 |
12217 | 冥王の騎士:36章:冥王の黄昏と | D・S・ハイドラント | 2002/12/20 15:28:33 |
記事番号12125へのコメント 「永遠の闇に葬られしものよ」 闇は沈黙。 「我、冥王」 静寂を破るのは声1つ――。 「大いなる闇より生まれし汝の力」 闇が初めて動く。 「我が力の破片」 闇は音もなく嘆く。 「光に討たれし闇の欠片達よ」 風に似て、風より激しく。 「汝が力」 激動は今もなお激しく。 「我に与えんことを」 轟風は彼にのみ。 「大魔王バナナプリン」 静寂の風は彼には激鳴。 「否、」 闇は彼に喰らい掛かる。 「冥王ヴォルフィードの欠片」 そして彼は闇に飲まれ。 「かつての我の欠片」 闇は歓喜。 「今、大いなる我へと」 嘆く声はなく。 「覚醒の時」 すでに歓びのみ。 「そして最後の欠片よ」 闇はすでになく。 「我が元へと」 そこには悪魔が――。 ◇◆◇◆ そこは闇で満たされている。沈黙の闇が――。 だがすべてが彼に牙を剥く。 嘆き――幾重にも響くそれがやがて1つへとなりゆく。 「まさか・・・」 彼の絶対性が薄れていく。 「もう覚醒が始まっている。」 彼は闇の中、唇を噛み締める。 虚無という名の絶対の闇が変動を始めている。 「でもなぜ・・・。」 伝わる力はあまりにも強大。 「ヴォルフィードの残っている力がこんなにも強いなんて・・・。」 呼んでいる。強大な力が呼んでいる。 「僕が覇王だ、こんなの認めない。」 すでに堕ちた主の叫びを聞くものはいない。 焦り――そして後悔。 「くっ・・・。」 だが絶望ではない。 それに等しいのかも知れないが・・・。 「ゼラス・・・頼んだよ。」 その言葉の後に祈る。彼女に何が出来るだろう。 しかし誰にだ。 明らかな迷い。 天は忌むべき仇。 虚無の主は自分を救わない。喰らい、糧とするのみ。 中断――なお堕ちていく。 「ラルタークに・・・ゼロス!今すぐ来い!」 叫び――。 闇を伝わり、駆け抜ける。 そして一瞬後、闇より人影。 「ただいま到着いたしました。」 老人の声・・・。 気品のある顔立ちに悪魔の鎧を身に付けた――「大魔王後継者」ラルターク。 「ゼロスは?」 焦りが渦巻く。 「神殿の方へ参っておられます。」 冷静なラルターク。 「くっ・・・まあお前だけでも良いんだ。」 闇の変動は強まる。 「キャラメルソースへ・・・覚醒が始まっている。」 「それならば、早速迎えの準備を。」 ラルタークは跪き微笑む。 「違う・・・やつは僕を上回っている。」 すると、ラルタークは頭を起こし 「ええ、あなた様をヴォルフィード様にへと迎える準備を――。」 邪悪な笑み。 「お前――裏切るつもりか・・・。」 「わしは本来ヴォルフィード様に属するのでな。」 映る少年は悔やみ、唇を激しく噛む。 「冥王は僕だ。世界の覇者はこのアプロスだ!」 激しい闇が彼に渦巻き。 「僕に逆らうやつは許さない。皆滅ぼしてくれる!」 激鳴――闇が老人へと向かう。 だが老人は笑みを崩さない。 闇は老人へと走る。 だが寸前に虚空へと消え去る。 「まさか・・・お前。」 「アプロス様――あなたは終わりです。」 最後の言葉が響く。 |
12218 | 冥王の騎士:37章:冥王の覚醒 | D・S・ハイドラント | 2002/12/20 15:31:40 |
記事番号12217へのコメント 暗闇に直立不動のままのゼラス 「調査・・・ですか?」 「そうだよ。」 その少年――虚無に護られた少年の頼み・・・。 「前回の調査は、いつだったっけ・・・?」 しばし、虚空を見つめ。 「確か10年ほど前かと・・・。」 少年は微笑みつつ。 「力は衰えている・・・よね。」 「ええ、私の冥王様にはすでに及ばないかと・・・。」 絶対の確信ではなかったが希望の持てる返答。 「じゃあ頼んだよ。」 「はい。」 そして闇の空間を去った。 夜闇の中――風だけが騒がしい。 しかしそれは風ではない。 闇が渦巻いている。 魔の大穴より、強力な・・・闇が・・・。 「そんな・・・」 古い記憶――曖昧だが一部鮮明。 絶望的・・・120年前のあの力・・・。 「あの頃より強いとは・・・」 信じられない闇の力・・・。 「アプロス様では・・・勝てない。」 覚醒された冥王の力。 大魔王バナナプリンこと魔獣王ヴォルフィードの欠片の力を得、彼女の仕える冥王すら凌ぐ・・・。 「ほっほっほっゼラス殿、我が冥王様の力はいかがですかな。」 闇により現れる老人。 ラルタークの姿。 「ラルターク殿!」 ゆっくりとゼラスに歩み寄る・・・。 「知りたいですかな・・・。フィブリゾ様・・・つまり覚醒したヴォルフィード様が今もなおアプロス様を上回る力を持つのか・・・。」 ゼラスは無言・・・黄金の髪が闇に揺られる。 「ヴォルフィード様の残骸の力は確かに衰えておるんじゃがね。」 不気味に笑う。 「・・・聖錫のことはご存知ですな。」 無言で敵意のまま首を振る。 「ヴォルフィード様の残骸の力は正確にはカタート王家の黄金の聖錫により吸われておる。」 「何だと!」 そして虚空を見やる老人。 「黄金の聖錫はヴォルフィードの力を吸うために創られたんじゃ。奇跡の大神官と至高の大賢者によってな。そして代々王家に伝わっていった。それはどうも王が持って初めて力を現すようでのついに14年前、フィブリゾ様が誕生になられたが、偶然にも転生先が王家じゃったのでな。その力も聖錫に吸われておったんじゃ・・・。」 そこで切ると視線をゼラスに向け・・・。 「じゃがカタート王がガーヴによって墜ちて、持ち主を亡くした今、闇の力を管理するものはおらぬ。ヴォルフィード様の覚醒により力が放出されたんじゃ。これが理由の1つ目じゃな。」 そして笑い掛ける。 「もう1つはの・・・わしや部下どもがフィブリゾ様に密かに闇を植え付けていたんじゃよ。」 「貴様!」 足を踏み出す。するとラルタークは笑みを絶やすことなく後退り。 「ほうわしにたて突くかの・・・。」 値踏みする如き視線。 「貴様こそ、アプロス様にたて突く気か!」 「ほっほっほっ、わしは実はヴォルフィード様の欠片の1つでの・・・。」 そして強大な闇の力が放出される。 「ゼラス殿・・・お主もヴォルフィード様の力となってもらおうぞ。」 「くっ・・・。」 相手の力は強大すぎた。 だが絶望はない。 「貴様は私が倒す・・・。」 「ほう・・・虚勢は見苦しいの。」 見下す視線に怒気が弾ける。 「許さん!」 腰に携えた剣を抜く。 鞘から解放された刃は燃え上がり、一振りとともに正面に火柱・・・。 それはラルタークを包む。 だが・・・その姿は虚空に消え 「わしは背後ですがの。」 挑発の声に振り向けば、またも老人の姿・・・。 しかしそれがラルターク本体なのか――それとも虚像? 「それにわしはヴォルフィードの力のかなりをしめておるしな・・・。」 すると闇が生れる・・・。 そして・・・姿を見せるデーモン。 蒼い肌に凶獣の眼差し鋼の輝き――そしてあまりにも巨大な魔獣。 「これがわしの最高傑作、グレーターデーモンですじゃ。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ また展開が変わってしまいました。 ラルタークがああだったのも即興です。 かなり矛盾がないか心配です。 もしありましたら是非ご連絡を・・・。 |
12221 | Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒 | 渚 | 2002/12/20 17:16:56 |
記事番号12218へのコメント > 「そして最後の欠片よ」 最後ということは、もう覚醒まじか!? > 「ええ、あなた様をヴォルフィード様にへと迎える準備を――。」 > 邪悪な笑み。 > 「お前――裏切るつもりか・・・。」 > 「わしは本来ヴォルフィード様に属するのでな。」 うわー!仲間が実は敵!! > 「そんな・・・」 > 古い記憶――曖昧だが一部鮮明。 > 絶望的・・・120年前のあの力・・・。 > 「あの頃より強いとは・・・」 > 信じられない闇の力・・・。 > 「アプロス様では・・・勝てない。」 予想外の展開ですかね? > 「じゃがカタート王がガーヴによって墜ちて、持ち主を亡くした今、闇の力を管理するものはおらぬ。ヴォルフィード様の覚醒により力が放出されたんじゃ。これが理由の1つ目じゃな。」 なるほど、二つ目は・・・・。 > 「もう1つはの・・・わしや部下どもがフィブリゾ様に密かに闇を植え付けていたんじゃよ。」 そんなもの植えつけないでー!! > 「貴様は私が倒す・・・。」 がんばれ!ゼラス!! > 「これがわしの最高傑作、グレーターデーモンですじゃ。」 ゼラスは勝てるのか!? あらら?一体誰が悪役とかわかんなくなってきてしまった。 というか、悪役とかはいないか。 もう一回じっくり読み直したいけど、勉強せねば受験やばいしな・・・・。 |
12222 | Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒 | D・S・ハイドラント | 2002/12/20 17:32:40 |
記事番号12221へのコメント >> 「そして最後の欠片よ」 > >最後ということは、もう覚醒まじか!? そうですね。 > >> 「ええ、あなた様をヴォルフィード様にへと迎える準備を――。」 >> 邪悪な笑み。 >> 「お前――裏切るつもりか・・・。」 >> 「わしは本来ヴォルフィード様に属するのでな。」 > >うわー!仲間が実は敵!! 実は敵です。(っていうか両方とも世界の敵ですけど) > >> 「そんな・・・」 >> 古い記憶――曖昧だが一部鮮明。 >> 絶望的・・・120年前のあの力・・・。 >> 「あの頃より強いとは・・・」 >> 信じられない闇の力・・・。 >> 「アプロス様では・・・勝てない。」 > >予想外の展開ですかね? 予想外でしょう・・・。 > >> 「じゃがカタート王がガーヴによって墜ちて、持ち主を亡くした今、闇の力を管理するものはおらぬ。ヴォルフィード様の覚醒により力が放出されたんじゃ。これが理由の1つ目じゃな。」 > >なるほど、二つ目は・・・・。 > >> 「もう1つはの・・・わしや部下どもがフィブリゾ様に密かに闇を植え付けていたんじゃよ。」 > >そんなもの植えつけないでー!! 実はセイグラムやラーシャートはわざと倒されていたりするのかも。 スレイヤーズの本編2部の魔族達みたいな感じです(知らなければすみません。) > >> 「貴様は私が倒す・・・。」 > >がんばれ!ゼラス!! 人気投票4位の意地を見せて欲しいです。 > >> 「これがわしの最高傑作、グレーターデーモンですじゃ。」 > >ゼラスは勝てるのか!? > >あらら?一体誰が悪役とかわかんなくなってきてしまった。 >というか、悪役とかはいないか。 多分シェーラ達以外全部悪役かと・・・。 >もう一回じっくり読み直したいけど、勉強せねば受験やばいしな・・・・。 受験がんばってください。 合格祈願、布団の中とかで密かにしたりしますので(待て) それでは勉強がんばってください。 お忙しい中、レスどうもありがとうございます。 そろそろ一段落いきそうです(100話達成までノンストップ目指しますが) |
12228 | Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒 | エモーション E-mail | 2002/12/20 21:56:09 |
記事番号12218へのコメント こんばんは。 ヴォ、ヴォルフィード……(しくしく)←アニメのロストでヴォルフィード (アダルトvrキャナル)が一番お気に入りだった奴。 アプロスくん……どこまでもどこまでも、フィブリゾに取って代わられる……(汗) さらに、ゼラス様までぴーんち!……ゼロス、早く助けにこーいっ! ところでこの姉弟。「あたしんち」みているせいか、頭の中のイメージが 「みかんとゆずひこ」です。そーいえばゆずもニコ目というか、目が線……(爆) シェーラは間に合わないのか、ゼロス様はどーなっちゃうのか。 ……そういえば、敵の敵は敵じゃない(味方になるかどうかは相手次第だけど)から、 一応の協力できないのかな? シェーラちゃんとゼラス様たち……。 では、続きを楽しみにこの辺で失礼します。 |
12229 | Re:冥王の騎士:37章:冥王の覚醒 | D・S・ハイドラント | 2002/12/20 22:01:48 |
記事番号12228へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >ヴォ、ヴォルフィード……(しくしく)←アニメのロストでヴォルフィード >(アダルトvrキャナル)が一番お気に入りだった奴。 そーでしたか・・・。 まあキャナルはヴォルフィードじゃなくてヴォルフィードが取った姿ですから問題ないかと・・・。(待て) > >アプロスくん……どこまでもどこまでも、フィブリゾに取って代わられる……(汗) 思えば凄いのにやられ役。 >さらに、ゼラス様までぴーんち!……ゼロス、早く助けにこーいっ! ゼロスは不在っぽいけど敵が言うんだし信じていいのかな?(訊ねるな!) >ところでこの姉弟。「あたしんち」みているせいか、頭の中のイメージが >「みかんとゆずひこ」です。そーいえばゆずもニコ目というか、目が線……(爆) マンガは少し読みました。 > >シェーラは間に合わないのか、ゼロス様はどーなっちゃうのか。 >……そういえば、敵の敵は敵じゃない(味方になるかどうかは相手次第だけど)から、 >一応の協力できないのかな? シェーラちゃんとゼラス様たち……。 協力させたいです。 でもいい加減になったらやだなあ。 > >では、続きを楽しみにこの辺で失礼します。 どうもレスありがとうございます。 |
12231 | 冥王の騎士:38章:救世主は誰? | D・S・ハイドラント | 2002/12/21 12:48:31 |
記事番号12125へのコメント 静かな闇の下でも輝ける、禍々しき青銅の、悪魔の彫像に似た硬質の全身。すべての生きとし生けるものへと、強烈な殺意を湛えた、血塗られた蜥蜴の双眸。歪み捻じれた2本の頭部を護る2本の兵の槍の如し、漆黒の山羊の角。屈折した歓喜に吠える口元は広く、巨大な亀裂が走るそこからは静寂からも咆哮が常にあるように感じても仕方ない。常に渇き、潤った血を求めし5本の邪悪な爪は、虚ろながらも、月光の流れを七色に彩る。背負う巨大な、真の闇を映す2枚の翼は、風に揺られつつも、身体と同色をした大きく硬質そうな縁取りが、逆風が自らの、枷となるのを避けているよう。脚は人に近いが、やはり巨人の如く巨大で脚の指や爪も5本とはいえ、やはり歪な魔物のそれでしかなく、やはり全光通す透明。さらに背後には無限大の闇を感じさせている。それが、その恐ろしき風貌に、畏怖をなお与えんがための車輪となっているだろう。 魔界より来るとされる、暗黒の魔物。聖なる後光を後に連ねれば、まさしく神の獣として崇められもするのではないか。 狂気的ではありながらもそれは闇の中での神聖と言えるのではないか。そんな美がそこにある。 力がそうさているのか?強大な闇の力を、後光の如く放ち続けている――まあ背後の崖にもっと凄いのがいるのだが――。 デーモンならばこの黄金の眼差しに捉えたことはある。 巨大な闇の力を持つ獣であった。自らを滅ぼしうる存在であることも・・・。 しかし脅えたが絶望まで追いやられたほどではなかった、と鮮明ではないものの記憶にある。 しかしこの巨大な魔獣はどうなのだろう。 120年前の魔王大増殖時にバナナプリン、つまりヴォルフィード――フィブリゾの真の名である――が生み出した無数のそれらの中にも存在し得なかった。 そしてそこから脅迫的に伝わる力は、凄まじく、冷や汗を誘い、凍結を余儀なくさせようとする。 鋭い眼光のそれだけで凍死でもしかねないと思うほどにこの魔物からは威圧を放たれている。 狂気に笑うその容貌は美しさに違いないが、犠牲者には恐怖でしかない。 闇の深淵より覚醒の序曲奏でる悪魔には遠く及ばないものの、その力は一国一城――住居についてはあんまり解明されていないが――の魔王――悪魔側からは魔獣王と呼ばれる――を遥かに凌ぐ、真なる最強の魔獣。 地上に在れば絶対の捕食者、天なる神と悪魔を除けば無敵の存在。 ゼラスは震えていた、勇敢な美貌も恐怖で歪み風になびく金髪も今は情けなさに富んでいる。 だが彼女もアプロスに忠誠を近い、悪魔の力得た戦士。 冥将軍である自分が恐怖如きに押し潰されてはいけない。 その誇りが――ただの肩書きかも知れないが――彼女に勇気と冷静を与えた。 だが力は圧倒的、ゼラスから右傍にて傍観する老人も冷たく嘲笑っている。 震えを抑える中、グレーターデーモンは値踏みするような視線を浴びせている。 不気味な爬虫類のものであり血や焔の殺気が感じられ、それも恐ろしさの対象には充分過ぎる。 だが、その時には夜風が撫でた髪は今や勇猛にも感じられてきた。 焔の魔剣ウェルダンが白金に輝く。 そして逆風を振り払い。 大いなる敵の元へと――。 風切りの手応えと、舞い踊る焔の大塔――あの巨獣にしてみれば、小さく儚い、 火の粉に過ぎないのかも知れないが、視覚にはかなりの威力を感じられる。 そして聴覚が張り詰め、咆哮を逃さず捉えた。 その轟音は天地を震わし、他のすべての音声を静寂と同様とした。 光弾が連続で口内より放出され、世界を白一色に染めた。 遅れて世界が逆巻きを加える頃には飢えた大地は抉られ、削り取られ荒れ果てた 焦土になお噴煙が上がる。 だがそこには気配も骸ない。 殺気は瞬時に襲い来る。 風吹くとともに斬撃。 「あぶないのう。」 傍観者ラルタークへと加えられた一撃。 「お主、命惜しくないのかのう。」 再び虚空に消えた老人。 そしてゼラスへと向かう、強烈な殺意の結晶。 (危ない!) 左を振り向きつつ右後方へ跳躍。 接近・・・光弾が今にも激突・・・。 輝きは眩く視界を覆い。 最期の瞬間。 轟音・・・爆炎・・・強風。 走馬灯には1人の少年と神官風の男が鮮明に・・・。 そして視界が暗転する。 同時に浮遊感。 落下の衝撃・・・痛い? 疑問のゼラスは恐る恐る瞼を開く・・・。 重くはないが死への恐怖が確認を恐れる。 だがそっと開いた世界には変わらぬ闇と儚き光。 そして倒れたまま見回せば・・・。 焔・・・そして・・・。 「全く、面白えことやってやがる。」 |
12232 | 冥王の騎士:39章:もしかして彼? | D・S・ハイドラント | 2002/12/21 13:48:20 |
記事番号12231へのコメント 濃紺の闇の幕を破るのは静寂の天光に激しく降る風のみ。 響く音はすでに静寂と何ら変わりない。 暗黒の中に薄く揺れる闇に飽和された緑の波。 黄昏を遠くに過ぎ、すでに標を失いつつも絶望はそこにはない。 だが白風が世界を刹那彩り、 「ったく、腐った馬掴ましやがって・・・」 闇に薄く垣間見える彼の足元に当たる位置には獣の背。 高等な魔道馬であるはずだ。 だが・・・。 (借りもんの体力あるくせしてよく食いやがるし・・・) そう魔道馬は魔力によりかなりの持久力を持つのだが、本来の馬の性質的に大食漢なのだ・・・。 しかも簡単に懐くわけでもない。 ワインセラー周辺にまで来ることが出来たが、宿泊地の判断を間違え、すでに闇の中――。 「ったく。」 手綱を引くと、風の失速。 そして静止した馬の背から飛び降りると、久しぶりの感触――とはいえ数時間振りでしかない――。 地に足を着いた歓びを胸中に何度も反芻する。 闇夜に微かに照らされる赤髪の焔に劣らぬ双眸で辺りの微かに視界を漁る。 左手には手綱がまだ握られているが反発の力は感じられない。 とはいえ完全な信頼関係ではない上に、事態を絶望に塗ることは出来る限り防ぐ必要がある。 視線を移動し終えると深い溜息、やはり凍れる色へと変貌していく。 絶望には早い。 再び、魔道馬に腰掛けると強烈な力で馬を引き上げると、脇腹に衝撃を与え、発信へを一瞬刻む。 再び夜風・・・。 だがそこには違ったものが感じられた。 視界に不思議な物体が横切るのが刹那焼き付けられた。 後から来る気配の余韻。 口元を歪ませると、即座に方向を定めた。 「明かり!(ライティング)」 やはり疾風の速度であった。 先ほど見えたそれが、薄闇の中でも視界に徐々に鮮明となっていく。 「てめえは動けねえ!」 声は空間を歪ませる。 そして魔力の芳香が強く漂い始める。 不意に宙に浮く物体は姿を眩ませた。 ◇◆◇◆ シェーラとエルは風もない闇を疾駆する。 「もうすぐよ。」 とはいえ微かな地上にさほどの変わり映えはない。 やはり、キャラメルソースの大穴の本当の周辺でしか荒れた地は捉えられないのであろう。 だが一瞬、視線に赤・・・。そして気配を感じられた。 シェーラは隣のエルに視線を向ける。 疑問混じりのそれを、同じ感情の笑顔で返される。 頭を軽く振る――身震いに近い。 虚空に視線を向ければただ闇が広がり、微かに緑を見通せる程度だ。 疑問は捨てた。 獣か何かだろう。そう押し込む。 そしてただ呼吸を刻む。 だが近寄る気配。 音はほぼないが、この結界の影響なのかも知れない。 気配だけが近寄る。 広くないスペースの中、後を振り返ったがやはり闇。 だがその時! 「危ないわ!」 エルの大声に固まる。 そして風・・・? 前方から強烈な愛撫。 そして・・・魔力の匂い。 さらに既視感・・・それも恐ろしき。 そんな中、浮遊感が落下の予感へと切り替わる。 胎動が早まる。多方向から重圧を感じつつもただ墜ちていく。 もがくにも指一本動かず、ただ風に弄ばれながら地へと駆ける。 そして衝撃・・・。 遅れて蹄の音が響いた。 それが終わる頃には視界が戻る。起き上がることは出来ないようだ。 さほど高度を上げていなかったのが幸いしたらしい。横目に映る。焔の眼を開いたエルも無事だろう。 そして気配はもう1つ・・・。 「あなたは・・・」 「誰だてめえ。」 |
12233 | Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼? | gure-to masa | 2002/12/21 14:35:33 |
記事番号12232へのコメント どうやらガーヴ様がご登場のようですね!! 待ってましたよ |
12236 | Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼? | D・S・ハイドラント | 2002/12/21 15:53:14 |
記事番号12233へのコメント >どうやらガーヴ様がご登場のようですね!! ついに登場です。 やっと活躍をお披露目できます。 >待ってましたよ はい。 待たせてすみませんでした。 ありがとうございます。 |
12234 | Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼? | 渚 | 2002/12/21 15:44:03 |
記事番号12232へのコメント > だが彼女もアプロスに忠誠を近い、悪魔の力得た戦士。 > 冥将軍である自分が恐怖如きに押し潰されてはいけない。 > その誇りが――ただの肩書きかも知れないが >――彼女に勇気と冷静を与えた。 肩書きでも誇りは大事にしよー! > 走馬灯には1人の少年と神官風の男が鮮明に・・・。 フィブとゼロスのことですかね。 > 重くはないが死への恐怖が確認を恐れる。 ゼラスさまー!死なないでー!! > 「全く、面白えことやってやがる。」 この口調はもしかして!! > 「あなたは・・・」 > 「誰だてめえ。」 ガーヴが登場! だけど、誰だてめえはないでしょ・・・・。 |
12237 | Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼? | D・S・ハイドラント | 2002/12/21 15:56:02 |
記事番号12234へのコメント >> だが彼女もアプロスに忠誠を近い、悪魔の力得た戦士。 >> 冥将軍である自分が恐怖如きに押し潰されてはいけない。 >> その誇りが――ただの肩書きかも知れないが >>――彼女に勇気と冷静を与えた。 > >肩書きでも誇りは大事にしよー! ですね。 > >> 走馬灯には1人の少年と神官風の男が鮮明に・・・。 > >フィブとゼロスのことですかね。 いえフィブじゃないくてアプロスの方です・・・。 > >> 重くはないが死への恐怖が確認を恐れる。 > >ゼラスさまー!死なないでー!! ここで死なすわけにはいきません(待て) > >> 「全く、面白えことやってやがる。」 > >この口調はもしかして!! そう彼が再登場。 > >> 「あなたは・・・」 >> 「誰だてめえ。」 > >ガーヴが登場! >だけど、誰だてめえはないでしょ・・・・。 確かにそうですね。 > ではご慈悲(れすと読む)ありがとうございました。 |
12239 | どうも。お久しぶりでええす!(汗) | 由季まる E-mail | 2002/12/21 17:13:01 |
記事番号12232へのコメント お久しぶりです、読み逃げ犯の由季まるでございます。 そんな私で、すいせぬ…。 凄いことになってますね〜!目指すは100話ってマジですか!?(汗) あっと言う間に、話が展開しまくっていて、びびくりましたわ、私、本当に。 まあ、それは、読んでいなかった私がわるいんですけどね(苦笑) それにしても、今、物語は、盛り上がりまくっていますね〜! どうやら、ガーヴさんのお出ましのようですし ラルターク老はアブロス君(でしたよね…?)を裏切っちゃうし ゼラスは結構ピンチだし。(あれ、そういえば、ゼロスはちゃっかり安全地帯…?) それに、フィブリゾ=ヴォルフィードですか〜! 何より、シェーラちゃんが、想い自覚したようですしね〜! 愛ゆえに、動く、シェーラちゃんとエル様の行動が今後、楽しみです そういえば、覇王さんとこの娘さんが、シェーラちゃんだったんですね!(古い話ですが・汗) 覇王さん、シェーラちゃんには超!弱い様子ですし(微笑) その辺どう動くのかも楽しみにしてます〜! そうそう、一気に読んだので、記憶違いがあったら、ごめんなさい(謝) 今後も読み逃げになるかもしれませんが(コラ) ちゃんと、読んでますよ〜! それでは、短いですが、これで。 |
12240 | Re:どうも。お久しぶりでええす!(汗) | D・S・ハイドラント | 2002/12/21 17:21:41 |
記事番号12239へのコメント >お久しぶりです、読み逃げ犯の由季まるでございます。 お久しぶりです。 >そんな私で、すいせぬ…。 いえいえ大変嬉しいです。 > >凄いことになってますね〜!目指すは100話ってマジですか!?(汗) マヂです。(後16話) >あっと言う間に、話が展開しまくっていて、びびくりましたわ、私、本当に。 >まあ、それは、読んでいなかった私がわるいんですけどね(苦笑) まあこの辺りは結構中身ないくせに話が飛びまくりますし > >それにしても、今、物語は、盛り上がりまくっていますね〜! >どうやら、ガーヴさんのお出ましのようですし はい。登場です。 >ラルターク老はアブロス君(でしたよね…?)を裏切っちゃうし 裏切りは実は当日になって思いついていたりします(これで何度話変わった?) >ゼラスは結構ピンチだし。(あれ、そういえば、ゼロスはちゃっかり安全地帯…?) 安全地帯ですね本当に彼は・・・全く。 >それに、フィブリゾ=ヴォルフィードですか〜! 覚醒版のフィブがヴォルフィードって感じです。 >何より、シェーラちゃんが、想い自覚したようですしね〜! はい。ついにしちゃいました。 >愛ゆえに、動く、シェーラちゃんとエル様の行動が今後、楽しみです はいありがとうございます。 > >そういえば、覇王さんとこの娘さんが、シェーラちゃんだったんですね!(古い話ですが・汗) そうでした。実は・・・。 >覇王さん、シェーラちゃんには超!弱い様子ですし(微笑) 弱いですそりゃあもう。・・・知らずに自分の手にものに暗殺されてたかと思うと夜も眠れんでしょう。 >その辺どう動くのかも楽しみにしてます〜! はい。 > >そうそう、一気に読んだので、記憶違いがあったら、ごめんなさい(謝) いえ完璧ですよ。 >今後も読み逃げになるかもしれませんが(コラ) >ちゃんと、読んでますよ〜! それは嬉しいです。 >それでは、短いですが、これで。 はい。 ご慈悲(れすと読む)大変ありがとうございます。 |
12252 | Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼? | エモーション E-mail | 2002/12/21 21:49:18 |
記事番号12232へのコメント こんばんは。 ゼ、ゼラス様、深刻に絶体絶命っ!? しかも走馬燈までっ?!人生の回想始めないでください(だばだば) とりあえず主君と弟が頭に浮かぶのが、何とも言えません。 ……ところでガーヴ様……やっぱり、戦いに引き寄せられてくるんですね……。 でも、シェーラちゃんは驚くだろうなあ……。 ただでさえ大変なのに、さらに厄介なのが目の前にいるのでは。 ここは上手く誘導尋問じゃないや、誘導して任意同行……もっと違う。 まあ、今のところは敵対しないように持っていきたいところですね。 エル様あたりが上手くやらないかな♪ 大詰めのこのシリーズ、楽しみです。 では、この辺で失礼します。 |
12253 | Re:冥王の騎士:39章:もしかして彼? | D・S・ハイドラント | 2002/12/21 22:17:24 |
記事番号12252へのコメント >こんばんは。 こんばんは。 > >ゼ、ゼラス様、深刻に絶体絶命っ!? 絶体絶命です。 >しかも走馬燈までっ?!人生の回想始めないでください(だばだば) ・・・死んだと思ったでしょう。 >とりあえず主君と弟が頭に浮かぶのが、何とも言えません。 結構シェーラっぽいのかも・・・。 >……ところでガーヴ様……やっぱり、戦いに引き寄せられてくるんですね……。 戦う運命にあるようです。 >でも、シェーラちゃんは驚くだろうなあ……。 そりゃあ、自分とフィブを殺され掛けましたから・・・(あああの頃が懐かしい) >ただでさえ大変なのに、さらに厄介なのが目の前にいるのでは。 そうですね。 >ここは上手く誘導尋問じゃないや、誘導して任意同行……もっと違う。 >まあ、今のところは敵対しないように持っていきたいところですね。 >エル様あたりが上手くやらないかな♪ 何とかなるでしょう(待て) > >大詰めのこのシリーズ、楽しみです。 大詰めにしても良いですか(おい) >では、この辺で失礼します。 それでは〜 ご慈悲(れすと読む)ありがとうございます。 |
12262 | 冥王の騎士:40章:シリアスもののはずなのに・・・ | D・S・ハイドラント | 2002/12/22 13:47:39 |
記事番号12125へのコメント 双眸に捉えた姿が、シェーラの記憶を僅かに遡らせる。とはいえすでに過去と思えているのかも知れない。 この数日はまさに激動であった。 埋もれた刺に何度も刺されつつ、その像は一瞬にて照らし合わされた。 「・・・赤いキツネの人!」 「その名で呼ぶなぁ!」 小さな世界で叫ぶその男。 風に揺らめく焔の如く風に煽られる赤き長髪、獣を思わせる、鋭く比較的白色ながらも剛健さを放つ顔付きに、まさに焔の刃をそのまま感じさせる真紅の瞳。侮蔑の笑みを表面的に、そして常に浮かべつつ、燃えているような唇。 血か、焔か、真紅に染まりし胸部に多く纏われた鎧より、砂を紡いだが如し、色彩のコートが露となっている。 すべてに敵対する。それながらも憎しみはなく、ただ戦いだけを望むという強き主張が全身より滲み出ている。 フレア候ガーヴ、赤いキツネのガーヴ候とも言われている。 「・・・てめえ騎士、だな。」 踏み出したその眼光はなお鋭く、まさに捕食者の視線。 呪縛を受けた現状ではその通りなのかも知れないと囁きも聴こえた気がした。 「とにかくフレア候、この術を解いてください。」 だが、その声はか細いものとなりゆく。 「ああ・・・ぐっ。」 快い言葉が・・・突如、苦しげなうめきに・・・。 「ヨクゾ、ミツケタ・・・サアコロセ。」 「ぐっ・・・」 多重音声が風に駆ける。 ガーヴはやがて背に掲げた大剣を引き抜く。 シェーラの声はすべて霧散する。 蘇る記憶・・・。 恐怖が最後の希望さえ閉ざしていく。 だが絶望ではない。ガーヴは完全な敵対にはけして思えない。 違った術の力を感じる。不思議な力を・・・。 夜闇に煌く鈍き刃、死神が後光とともに地へと降りゆく。 それが最期の時・・・使者は迷いつつある。 それはまさに亀裂の如く広がり・・・。 とはいえ死の秒刻は徐々に近づいている。 「サアハヤク。」 必死で構成・・・しかし霧散。 恐怖という最大の障害。死への恐怖・・・想い人との別離・・・そちらの方が強いのかも知れない。 銀の刃は接近している。 汗が滴り、感じるそれが再確認を余儀なくする。 救い――恐怖にて救われる。嫌だ・・・。 神になど祈らない。祈れない。 安らかな最期しか届けてはくれまい。 まだ抗う・・・。 だが何も出来ない。 そして最期の時・・・。 「オワリダ。」 不気味な声は冷徹な溜息。 「ふざけんじゃねえクソじじい!」 しかし叫びは彼女ではなくガーヴ。 怒気と憎しみを全放出したそれは邪悪な術気を打ち砕いていく。 「・・・。」 声は霧散していき。闇の中にも輝きが戻って感じられた。 「悪かったな。今解いてやる。」 呪縛が薄れていく。 枷が剥がれ、希望が彼女に降りる。 「すまん。変な術に掛かってたみてえだ。」 絶対の自信が言葉の虚偽性を浄化する。 「・・・。」 だが返答が出てこない。 戸惑いが、むなしく時を流していく。 だがその世界は壊れずにしばらく停滞していた。 「あっフィブリゾ様を追わなきゃ。」 思い出したのは一瞬後・・・だがその時も長かったのだろう。 「・・・王子様がピンチなのか?」 ガーヴに過去の邪悪なものはすでにない。 「エル!起きて。」 揺さぶられた美女はゆっくりと起き上がる。 「あっ・・・。」 第一声・・・そして辺りの沈黙を見回し、 「いい男だわねえ。」 その表情は笑顔でそして恍惚を持っていた。 「・・・シェーラちゃん、ダメじゃない二股なんかしちゃあ。」 「いえ・・この人は・・・。」 焦りが浮かぶ。 「まあ良いわ。早く行かないとね。あっあなたもいく?」 ガーヴは不敵に笑うと天を仰ぎ、 「ああ。」 凍れる風の中、シェーラだけが燃え盛っていた。 |
12263 | 冥王の騎士:41章:兄弟? | D・S・ハイドラント | 2002/12/22 15:03:55 |
記事番号12262へのコメント 「一体どういうことなのだ!」 焦り・・・長い時間の中でも焦りは来る。 とはいえ、それは許せなかった。冷静な自分は仮面とはいえ、その仮面を保ちたいと常に思う。周りにだけでなく、自分にもそう思わせたい――事実周りには奇人、変人、狂人なのが密かに発覚しているのだが――。 葛藤・・・しかし、苛立ちは徐々に込み上げてくる。 抑えつつも表情には不快感。 高級な木の椅子に長方形の同じ材質をした長テーブル。隅の方にいくつかの本棚があるだけだ。 部屋自体は沈黙の一色。不自然的な真緑の壁――あまり良いものではないと思う。 そして、重い中にも寂しげな雰囲気がそこにある。 小さな魔力灯、けして照明としては不充分ではなく、むしろ明るさは並以上なのだが、それはこの部屋全土を覆う光ではない。 隅は、採光の乏しい窓よりの、暗い白光だけが闇を小さく駆逐するのみなのだ。 ましてや黄昏すでに過ぎた今では暗闇の幕が降りている。 だがそれは何も気にするに値しない。 今は視界の元に見開いた赤い表紙の本と、傍らに置かれた黄金の錫杖・・・。 「くっ・・・歴史書にはない、か。」 溜息は白く変わり、天井に昇る。 声はただ独り言してではなく、沈黙を紛らわせるためでもある。そう心に言い聞かす。 それで何が変わるわけでもない――当然、奇人、変人、狂人のレッテルが剥がれるわけではない――。 「諦めるか・・・。」 すでに魔道書や歴史書をかなり読み漁っている。普段、書物をあまり読まない彼には少々堪えたものである。 しかし、それだけ、この1つの杖へと執着心、好奇心が強いのだろう。 その時物音。 ・・・規則的で不快、そして明らかに故意的で明白な音。 同時に、掻き揚げた髪が銀に輝き、長い後髪が軽くなびく。 冷たい氷の双眸は虚空から、一点に映る。 白色の肌が天井の光に煌く。 流れるような仕草で即座に立ち上げる。 しかし迷いが生じた。 そうこの錫杖・・・。 それは少なからず、魔術的な魅力を放っている。 さらに黄金製であるため実質的価値も高いであろう。 隠す場所はない。 あるとすれば本棚であろうか・・・。 だが、こちらの立てる物音が問題になるであろう。 だが迷いは一瞬で断滅させる。 苛立ちを隠し、胸中で覚悟を決めると規則的な音で歩き出す。 そして意識的に重い息を吸い込むと、静かな音を立て、簡易な鍵を外すと、木製のドアを開く。 音もなく開いた扉の向こうには、自分に隣接した男。 雪色の髪に氷のように透明な双眸、白色の肌・・・。 髪が短く、瞳に湛えた冷たさがさらなるもの。 そして少し若き容貌でなければまさに自分の映す鏡にも思えていたのかも知れない。 「ノースト、貴様なぜここに・・・。」 抑えた苛立ちも明らかになりつつある。 「兄上、私がここにいるのはやはり疑問でしょうか?」 冷淡な口調の奥には訴えるような感情――そしてさらなる奥には・・・。 彼は息を呑むと、 「誰が兄上だ。私はお前を弟に持った覚えもなければ、弟のように思ったこともない。」 抑えつつも怒りを放つ。 「申し訳ございません兄上、兄上の瞬馬を無断でお借りいたしていました。」 そう言ってゆっくり頭を垂れる。 「だから兄上と呼ぶな!」 暗がりに覆われた、自称弟に向けて怒鳴りつける。 「ではヒムド殿、私は罪を犯してしまった。隠し通すことは出来ませんでした。」 芝居掛かった口調で淡々と続けた。 「瞬馬のことか・・・まあ良い。」 瞬馬の速度は凄まじいとも言える。 ワインセラーよりたった数時間でここノースポイントより戻り来ることが出来たのだ。 「ところで、明日のことでご相談が・・・。」 ノーストが話を切り替えると、同時に先ほどまでの表情が一変し、冷静そのもの。 辺境伯のことか、私は≪血吸いの聖剣」を率いる、当然≪三滅鬼≫も連れて行く。・・・それだけだ。」 淡々と続ける・・・そこにはやや焦り。 「それだけだ帰ってくれ。」 ノーストは無言で振り返ると、場を立ち去る。その表情には確かな笑み―――ヒムドは気付かない。 「さて、去ったか。」 溜息・・・。 だが突如・・・闇の匂い。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そーいや私のミスのせいで設定が変わります。 ヒムドの少数精鋭部隊≪血吸いの聖剣≫は3人じゃなくてもっといて、 ≪三滅鬼≫はその中で最強の3人ということにしてください。 すみません。 |
12266 | Re:冥王の騎士:41章:兄弟? | 渚 | 2002/12/22 15:58:46 |
記事番号12263へのコメント > 「・・・赤いキツネの人!」 ずでっ! 名前は覚えてないのか?シェーラ。 > 「すまん。変な術に掛かってたみてえだ。」 ガーヴがなんか素直だ・・・。 > 「いい男だわねえ。」 > その表情は笑顔でそして恍惚を持っていた。 おい!エルのこれは地ですかね。 > 「・・・シェーラちゃん、ダメじゃない二股なんかしちゃあ。」 > 「いえ・・この人は・・・。」 > 焦りが浮かぶ。 そりゃ、焦るわ。っというか、二股って。 > 「まあ良いわ。早く行かないとね。あっあなたもいく?」 > ガーヴは不敵に笑うと天を仰ぎ、 > 「ああ。」 これからガーヴの出番が増えるんですかね。 > ノーストは無言で振り返ると、場を立ち去る。その表情には確かな笑み―――ヒムドは気付かない。 ノーストは何かたくらんでそうな。 >ヒムドの少数精鋭部隊≪血吸いの聖剣≫は3人じゃなくてもっといて、 >≪三滅鬼≫はその中で最強の3人ということにしてください。 はい、わかりました! |
12267 | Re:冥王の騎士:41章:兄弟? | D・S・ハイドラント | 2002/12/22 16:05:40 |
記事番号12266へのコメント >> 「・・・赤いキツネの人!」 > >ずでっ! 名前は覚えてないのか?シェーラ。 いや冗談で言ったのでしょう。 > >> 「すまん。変な術に掛かってたみてえだ。」 > >ガーヴがなんか素直だ・・・。 ガーヴってひねくれてはないと思いますが・・・。 > >> 「いい男だわねえ。」 >> その表情は笑顔でそして恍惚を持っていた。 > >おい!エルのこれは地ですかね。 どうでしょう・・・一応悲しみ背負ってるし・・・。 でも地っぽいです。 > >> 「・・・シェーラちゃん、ダメじゃない二股なんかしちゃあ。」 >> 「いえ・・この人は・・・。」 >> 焦りが浮かぶ。 > >そりゃ、焦るわ。っというか、二股って。 まあそうりゃあそうでしょう。 > >> 「まあ良いわ。早く行かないとね。あっあなたもいく?」 >> ガーヴは不敵に笑うと天を仰ぎ、 >> 「ああ。」 > >これからガーヴの出番が増えるんですかね。 増えてきます。 > >> ノーストは無言で振り返ると、場を立ち去る。その表情には確かな笑み―――ヒムドは気付かない。 > >ノーストは何かたくらんでそうな。 恐らくそうでしょう。陰謀好きっぽいので・・・。 > >>ヒムドの少数精鋭部隊≪血吸いの聖剣≫は3人じゃなくてもっといて、 >>≪三滅鬼≫はその中で最強の3人ということにしてください。 > >はい、わかりました! すみません。 レスありがとうござます。 それでは。 |
12282 | 冥王の騎士:42章:1限・ガーヴ対ラルターク | D・S・ハイドラント | 2002/12/23 14:12:53 |
記事番号12262へのコメント 荒廃した大地、闇が覆い、風も嘆く死の魔境。 そこは今、強い生命の力が輝いている。 死の淵の、生の極光。絶頂の生命力が死神の荒野を照らしている。 闇のものには暁よりもなお眩き――捕食の対象。 すべての光は喰らわれる。 そしてそこに3つの影――闇の宴に拍車が掛かる。 「おう久しぶりだな、じいさん。」 ガーヴの周りには、熱気が漂う。身に着けた「赤いキツネ」は儚き赤の輝きを瞬くように放ち続けている。 老人は空に立つ。だがそれは闇よりも虚ろなる闇の魔獣の背に・・・。 飄々と地を見下ろす様には、一片の乱れもなく、ただ涼しげな眼差しで、すべての未来を傍観している。 そこからの見下す感情、彼を見つめる、若き火竜の逆鱗を抉らんとする。 だが冷ややかに受け流そうと、 「俺はてめえを殺すのにためらいなんかねえぜ。」 だが怒気は拭えない。 「ほう、哀しいことじゃのう。」 グレーターデーモンはただガーヴを試さんが如く見つめるのみ。 ◇◆◇◆ 「大丈夫ですか!」 シェーラは即座に倒れる女の元へと駆け寄ると、軽く揺さぶる。 手の先から微かな熱が――生命の温もりが、ゆっくりと浸透してくる。 「・・・うっ」 声・・・儚く消える。 「シェーラちゃん!」 ガーヴとは別方で、デーモンを警戒しているエルは背後で無防備を晒すシェーラに呼び掛ける。 「彼女の方はあたしが診るわ。こっちをよろしく」 「はっはい。」 軽い衝撃の余韻を残しながら振り向く。 暗闇の中で人影――つまりガーヴ――と対峙するデーモン。そこに戦いの兆しはなかった。 だが視線をそらすことはない。 ただ凝視を続ける。 ◇◆◇◆ 「くだらん話合いなんぞ、わしらには必要ないようじゃな。お主を始末させてもらう。」 哀しげな表情、しかし内なる心は冷静のまま、まるで自分とガーヴとの対峙を傍で見るような・・・。 「そうだな、俺にゃてめえの墓、とっとと、ぶっ立てる仕事があるからな!」 しかしラルタークは、牽制の視線にも、臆するどころか微動だにせず、冷ややかに値踏みしている。 「さて、そこの嬢ちゃんらにもお楽しみは分けんと無礼じゃからのう。」 視線はシェーラに向けられている。 怒りを浮かべつつ、 「余裕こいてんじゃねえ!」 言葉とともに無数の焔の塊が轟音とともに飛び立つ。 それは1点へと収束し、ラルタークを包み込む。 だがすでにこの場は空虚、デーモンが奇怪な音でうめくのみ。 それも重傷の気配はなく、 「グレーターデーモンよ、嬢ちゃんらを始末するのじゃ。」 老人を探る視線が掘り当てたのはまさに、ガーヴの死角。 左後ろより衝撃、激痛が広がる。 だが怯むことなく右手で背の剣を引き抜いた。 攻撃の方向へ、自らを傷付けることなく一閃、しかし手応えはなく、突如、眼前に像が生れる。 「フレイム・ソード!」 大気の魔力が振動し、焔が生まれ、そして収束――。 同時に手に持つ剣を地に捨てると、そこから焔の剣が生まれ、 「死にやがれ!」 大地を掛け、浮遊感とともに魔力の剣を一振りする。 揺らめく刃は不気味に微笑む老人を抵抗も許さず切り裂く。 そして地に降り立つ頃には視線を張り巡らす。 案の定、ラルタークの虚像は掻き消え、剣は空を切ったのみ。 「どこだ、クソじじい!」 |
12283 | 冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク | D・S・ハイドラント | 2002/12/23 14:21:29 |
記事番号12282へのコメント 「ここじゃよ」 背後に気配。 左足を軸に振り向き、焔の刃を斜めに滑らす。 刃より赤く燃ゆる小さな火焔がいくつも飛び出す。 離れた立ち位置のラルタークは余裕の表情ですべてかわすと、 「断滅の陣」 風が暗黒色に染まり、いつくかの帯びとなった。刃の如し、妖しき月明かりに、鈍く狂気的な光沢を放つ、触手のようでもある帯へと・・・。 背後にデーモンの強烈な気配を感じつつも、そちらへの恐怖を抑え、焔の剣で邪悪な風を何度も弾く。 そして赤いキツネが輝き焔を打ち出す。 しかし焔は受け付けず、焔の剣での防御のみが鋼の音を立てて弾き返すのみ。 汗が滴り、肉体が疲弊を伝える。 精神は徐々に乱されていく。 護りはかなり素早く、6つ7つ、別方向より来る黒帯を何度も防いでいる。 尋常な剣技と体力ではあるまい。 だが怒気と執念にて肉体を酷使するガーヴの姿を見つめるラルタークの表情はまさに嘲りを感じている。 「くっ・・・」 体力はただ消耗し、傷はなくとも、それが重大な敗北――つまり死への、流れとなりゆく。 (このままじゃらちが開かねえ) 荒れた息は白く、舞い上がる。 覚悟の痛みが流れ出る。 闇の触手が襲い掛かり、ガーヴの腕、脇腹、足元・・・切り裂く瞬間。 「魔竜烈火砲!!(ガーヴ・フレア)」 強烈な焔の一撃が闇の風帯を消し去り、ラルタークへと駆ける。 帯びはガーヴにかすり傷を微かに与えたのみ、戦闘にはそれでも苦となるが、痛みはなんとか堪えた。 「わしが教えた魔術じゃな。」 だが臆せず、ただ焔を愛でるような感情を浮かべるのみ。 「恩でも売る気か?」 荒々しい息とともに吐き出す言葉。 「そうじゃとしたらどうするのかのう。」 巨大な焔はラルタークの手に触れると、黒く染まり――そして消える。 「魔王に恩なんざ誰が返すか!」 叫び、焔の剣を一閃。同時に赤いキツネよりも焔が無数に飛ぶ。 「魔王・・・そうか、知っておるか。」 観念の表情・・・だが、それは上辺だけの仮面。 「勘だ!」 「うわおっ」 初めて驚き、斬りかかるガーヴの正面より姿を掻き消す。 勢いのまま虚空を斬る剣の焔は渇きの大地を照らすのみ。 即座に軽く引き抜き、視線を張り巡らす。 「ここではちと土地が悪い。付き合ってもらおうかの。」 ラルタークはまさにガーヴの頭上、見上げた顔面を踏み潰さんが如く、低く、虚空に生えている。 「魔界の陣」 轟音とともに大気の魔力が真の無明に変ずる。 暗黒の幕に包まれ、視界には無だけがあった。 だがやがてそれを世界と捉えられ、真の虚無の中、浮かぶラルタークの姿が戸惑いに燃える双眸に映し出された。 なおも老人は笑っている。 不気味であり、邪悪な、笑みを振り撒きつつ、その容貌の下では悪しき魔が渦巻いている。 ただ悪魔の鎧は沈黙のまま・・・。 「ここでなら、わしの真の姿が見せられる。」 独り心地に呟くラルターク。 「へん、どんなバケモンになろうと怖がりなんざしねえぜ。」 挑発気味にガーヴも笑う。 闇の濃さはあまりに違うが、それでも敵意に満ちており、内面には闇ではなく、銀の刃が仕込まれている。 「その虚勢がどう変わるか楽しみじゃなのう。」 そう言うと老人の容貌に異変・・・。 そこに、実像的な闇が渦を巻き、やがて完全に消え去る。 闇だけがそこを支配し、そして四肢も同じく闇となる。 ただ悪魔の鎧だけが空虚の闇に残り、それが肥大化していく。 同時に光ならぬ眩き闇にガーヴの視線は眩み、双眸は余儀なく閉ざされてしまう。 再び見開いた常闇の世界には、異形の姿。 邪悪な悪魔がそこにいた。 「わしの名は魔獣王ラルターク。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100話記念になにやろうかな。 壮大で派手で凄まじくて無理のない企画ないかなあ・・・。 |
12286 | Re:冥王の騎士:42章:1限・ガーヴ対ラルターク | 渚 | 2002/12/23 16:23:23 |
記事番号12283へのコメント > 「さて、そこの嬢ちゃんらにもお楽しみは分けんと無礼じゃからのう。」 なんだか、余裕だねー。 > 「どこだ、クソじじい!」 焦るなガーヴ!がんばれ!!ってこーゆー場合はガーヴの応援だよね。 > 「ここじゃよ」 > 背後に気配。 現れる場所はやっぱ、敵の背後!! > 「くっ・・・」 > 体力はただ消耗し、傷はなくとも、それが重大な敗北――つまり死への、流れとなりゆく。 > (このままじゃらちが開かねえ) ガーヴ大苦戦!ラルタークつ、強い!! > 「魔王に恩なんざ誰が返すか!」 確かに魔王にお礼言ったりするのもなー。 ん?ガーヴが知っていたんですか。 > 「勘だ!」 勘かい!!いや、ガーヴらしいよーな(私のイメージでは) > 「ここでなら、わしの真の姿が見せられる。」 ごくっ。真の姿・・・・とは一体・・・・。 > 「へん、どんなバケモンになろうと怖がりなんざしねえぜ。」 ガーヴが怖がる姿も見てみたいよーな。 > 再び見開いた常闇の世界には、異形の姿。 > 邪悪な悪魔がそこにいた。 > 「わしの名は魔獣王ラルターク。」 邪悪な悪魔、一体誰が倒すんだろうか。 >100話記念になにやろうかな。 >壮大で派手で凄まじくて無理のない企画ないかなあ・・・。 それは一体どんな企画になんだろう。 100話記念楽しみにしています。 |
12287 | Re:冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク(密かに修正) | D・S・ハイドラント | 2002/12/23 16:30:41 |
記事番号12286へのコメント >> 「さて、そこの嬢ちゃんらにもお楽しみは分けんと無礼じゃからのう。」 > >なんだか、余裕だねー。 この人は常に余裕というイメージがありますから > >> 「どこだ、クソじじい!」 > >焦るなガーヴ!がんばれ!!ってこーゆー場合はガーヴの応援だよね。 そりゃあラルは悪役ですし > >> 「ここじゃよ」 >> 背後に気配。 > >現れる場所はやっぱ、敵の背後!! なぜだかそうですね・・・。 > >> 「くっ・・・」 >> 体力はただ消耗し、傷はなくとも、それが重大な敗北――つまり死への、流れとなりゆく。 >> (このままじゃらちが開かねえ) > >ガーヴ大苦戦!ラルタークつ、強い!! こんな対決はここだけかと思います。 > >> 「魔王に恩なんざ誰が返すか!」 > >確かに魔王にお礼言ったりするのもなー。 まあ魔族のガーヴなら言うとは思いますけど・・・。 >ん?ガーヴが知っていたんですか。 いえいえ > >> 「勘だ!」 > >勘かい!!いや、ガーヴらしいよーな(私のイメージでは) ここまで勘に頼れるのも凄い > >> 「ここでなら、わしの真の姿が見せられる。」 > >ごくっ。真の姿・・・・とは一体・・・・。 次回の始め辺りで詳しい描写をするかと > >> 「へん、どんなバケモンになろうと怖がりなんざしねえぜ。」 > >ガーヴが怖がる姿も見てみたいよーな。 確かにそうですね > >> 再び見開いた常闇の世界には、異形の姿。 >> 邪悪な悪魔がそこにいた。 >> 「わしの名は魔獣王ラルターク。」 > >邪悪な悪魔、一体誰が倒すんだろうか。 ガーヴに勝てるのか? > >>100話記念になにやろうかな。 >>壮大で派手で凄まじくて無理のない企画ないかなあ・・・。 > >それは一体どんな企画になんだろう。 未定です。 決まらなかったらどーしよ >100話記念楽しみにしています。 はい。 どうもありがとうございます |
12299 | Re:冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク | エモーション E-mail | 2002/12/23 21:39:31 |
記事番号12283へのコメント こんばんは。 ああ、緊迫した空気を一気に壊す……その名は「赤いキツネ」(爆) シェーラちゃん、インパクトの差でそっちの方しか覚えてなかったんですね。 上手い具合に(とりあえず)味方になったようで、良かったかなと。 ついでにエル様がお気に召したご様子……。この手が好みですか、エル様……。 ゼラス様もどうにか助かるご様子……(ほろほろ) あとはシェーラちゃんの「ときめきらぶアタック(謎)」で フィブリゾ君を取り戻すのみっ!! あ、ラルタークさんはガーヴ様にお任せします。存分に気が済むまで 戦ってくださいまし(笑) 冗談抜きに、ガーヴ様の戦いはさすがに迫力ありますね。 さらにラルターク……。何だかとんでもない姿に変化して……。 次が楽しみです。 あ、ちょっと気になったところが……。 ノーストさんって心の魔王・ヒムドくんより格下ですよね? 「殿」の敬称は、自分より目下か格下の者につける敬称です……。 では、この辺で失礼します。 |
12307 | Re:冥王の騎士:43章:2限・ガーヴ対ラルターク | D・S・ハイドラント | 2002/12/24 11:34:02 |
記事番号12299へのコメント >こんばんは。 > >ああ、緊迫した空気を一気に壊す……その名は「赤いキツネ」(爆) >シェーラちゃん、インパクトの差でそっちの方しか覚えてなかったんですね。 ただの冗談でしょう。 仮にもエライ人ですし・・・。 >上手い具合に(とりあえず)味方になったようで、良かったかなと。 なんとか・・・。 >ついでにエル様がお気に召したご様子……。この手が好みですか、エル様……。 そうなんでしょうかねえ >ゼラス様もどうにか助かるご様子……(ほろほろ) 意外に活躍出来ませんでしたけど相手が馬鹿でかいデーモンですからねえ >あとはシェーラちゃんの「ときめきらぶアタック(謎)」で >フィブリゾ君を取り戻すのみっ!! その前にあのでかいやつを始末しなければ・・・ >あ、ラルタークさんはガーヴ様にお任せします。存分に気が済むまで >戦ってくださいまし(笑) >冗談抜きに、ガーヴ様の戦いはさすがに迫力ありますね。 力(魔力&道具も込みで)押しですからねえ >さらにラルターク……。何だかとんでもない姿に変化して……。 >次が楽しみです。 はい。 > >あ、ちょっと気になったところが……。 >ノーストさんって心の魔王・ヒムドくんより格下ですよね? まあ多分そうでしょう。 >「殿」の敬称は、自分より目下か格下の者につける敬称です……。 それについては、現在では、そのようだそうですが、昔は身分のかなり高い人にも用いたそうです。(説明下手かな) まあこれはファンタジーなので大丈夫(かと?) ・・・これ見てから調べたんですけどね。 > >では、この辺で失礼します。 はい。 レスどうもありがとうございます。 |
12310 | 冥王の騎士:44章:3限・ガーヴ対ラルターク(決着編) | D・S・ハイドラント | 2002/12/24 12:46:25 |
記事番号12283へのコメント 邪悪なる姿――闇を纏いし黒き体毛、全身を暗黒が支配し、その身は深淵の果てにも思えるとほど深くに隠され、ただ闇が見えるだけ。 2本の剛健な腕の先より、それだけが剥き出しになった長い3本の鉤爪は、妖しく闇に虹の輝きを見せ、狂気の光沢は獲物の血を求める。 脚はさらに巨大で、そこからはなおも巨大な爪が3本、同じく血に飢えている。 背には漆黒の翼、黒金に縁取られ、闇に映える。 頭部の形は細長く蜥蜴に似て、なお猛々しき容貌のそれは、まさに神話での闇の精霊王の名を冠した、空想の冒険譚などに、よく出てくる伝説の獣であるドラゴンのものであった。 だが黒き体毛は頭上までを完全に覆い尽くし、一見すれば、狼などにも見えなくもない。 血や焔のように赤く、そして禍々しき邪気の色を浮かべたもの静かな双眸。それは紛れもなく爬虫類のものである。 大きな口元はそれでありながら、不思議に気品を漂わせる。 闇の気配は強烈で、完全的なそれは、まさしく魔王然としている。あの巨大なデーモンにも見劣りはしない。 だが破壊的欲求はさほど、感じられずに、なお冷ややかな表情を保ち続けている。 「これがわしの真の姿じゃ。」 だが誇示するようではなく、ただ事実を述べただけのような口調。 「へん、ただの馬鹿でけえ犬ッコロじゃねえか。」 吐き捨てたガーヴに一片の動揺もない。 「そうか・・・」 だがこの凶獣の真に恐ろしき本質はその冷静で狡猾な頭脳であった。それが、冷たい視線から完全に悟れた。 「じゃが、お主ではわしには勝てん。」 魔獣王にはその外見に比例した荒々しさは、性格の面からでは微塵にも感じられない。 冷徹なる捕食者――だが、あまりにも力の違い過ぎる人と、魔王との、1対1の空間では、それが不自然過ぎるように思えて仕方ない。小さすぎるものへの警戒は、それが正しき策であろうとも、臆病さ、滑稽さ、そのような態度に感じられてくる。 「けっ、そんな図体して、結構根性なしだなてめえ。」 観察の眼を絶やさぬ、冷静沈着の魔獣王に向け、吐き捨てる。 「わしを根性なしというか・・・」 深い溜息――呼吸1つなかったがそのような行為を伴ったように捉えられた。 「変な目でこっち見てねえで、とっとと掛かって来やがれ!まさか俺に惚れたなんてクソつまんねえ冗談飛ばすんじゃねえだろうな、この臆病もんで、腐れバケモンの、ゲスじじい野郎が!」 罵声を飛ばすと、ゆっくりと、挑発の視線を向けつつ、身構える。 「もちろん、そんなくだらん冗談は言わんよ。・・・どうじゃ世界の半分で・・・」 同じく身構える6本の水晶の如し鉤爪、それは――揉み手を始めた。 「てめえは動けねえ!」 その態度を無視し、ガーヴの叫びは暗黒にこだました。 魔力が暗闇のすべてより現出し、巨大な重圧としてラルタークへと向かう。 それはまさにラルタークが教えた魔術の1つ・・・。 基本的に彼らの魔術は自らの魔力を、僅かにしか使用せずに、魔法と同等以上のものを放つ、というものである。 魔法を神なる魔の法、とするならば、この魔術は悪しき魔の術である。 元々、闇に包まれていた大気中に隠れて残る闇に干渉し、同じく大気中に混ざっている魔力質を闇で吸い上げ、自分の思うように操るというものである。 自らの肉体に蓄えられている、限界のある魔力を酷使する魔法よりも、より使い勝手が良いと言えるだろう。 欠点といえば、熟練しても技巧などの、複雑な術は使用出来ない・・・。つまり超越的であってもけして万能ではない。悪魔らしき創造主になれないという部分があるだけだ。 とはいえ術の威力は強大だ。 魔塊――魔力と闇の合成物――のそのもので作られていた闇はすべてガーヴの力ある一言により、消え去っていく。 そしてそれはラルタークを縛り付ける呪縛となっていく。 「ほう・・じゃが闇のものに心術は効かんというのは忘れたのかの?」 心術とは精神に対して攻撃する魔術のことである――ちなみに魔法にて同じ種類のものは精神魔法と長々しく言う――。 「忘れてねえぜ。」 そして会心の笑み。 「その中でしかてめえは魔王にはなれねえ。そして――今のてめえは実体だ!」 術を解いたガーヴは叫びとともに焔の剣をラルタークへと突き刺す。 「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 断末魔とともに老人の姿は闇へと消え去った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こんな終わりでいいのかなあ(気に入ってはいるけど、いい加減な気がする。) |
12313 | 決着! | 渚 | 2002/12/24 13:55:12 |
記事番号12310へのコメント > だが破壊的欲求はさほど、感じられずに、なお冷ややかな表情を保ち続けている。 そこらへんはラルタークですね。 > 「へん、ただの馬鹿でけえ犬ッコロじゃねえか。」 こんな犬は嫌だー!!子供がみたら泣くぞ、きっと。 > 魔塊――魔力と闇の合成物――のそのもので作られていた闇はすべてガーヴの力ある一言により、消え去っていく。 おおっ、すごいぞガーヴ。 > 「忘れてねえぜ。」 > そして会心の笑み。 > 「その中でしかてめえは魔王にはなれねえ。そして――今のてめえは実体だ!」 > 術を解いたガーヴは叫びとともに焔の剣をラルタークへと突き刺す。 > 「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 > 断末魔とともに老人の姿は闇へと消え去った。 ガーヴのストレート(?)勝ちー!! はてさて、シェーラたちはどうしているのか、フィブはどうなるのか。 続きを楽しみにしています!! |
12315 | Re:決着! | D・S・ハイドラント | 2002/12/24 14:36:21 |
記事番号12313へのコメント >> だが破壊的欲求はさほど、感じられずに、なお冷ややかな表情を保ち続けている。 > >そこらへんはラルタークですね。 そうですね。冷静なキャラですから > >> 「へん、ただの馬鹿でけえ犬ッコロじゃねえか。」 > >こんな犬は嫌だー!!子供がみたら泣くぞ、きっと。 怖い犬だ・・・。しかも犬じゃないし・・・。 > >> 魔塊――魔力と闇の合成物――のそのもので作られていた闇はすべてガーヴの力ある一言により、消え去っていく。 > >おおっ、すごいぞガーヴ。 さすがはガーヴです。 > >> 「忘れてねえぜ。」 >> そして会心の笑み。 >> 「その中でしかてめえは魔王にはなれねえ。そして――今のてめえは実体だ!」 >> 術を解いたガーヴは叫びとともに焔の剣をラルタークへと突き刺す。 >> 「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 >> 断末魔とともに老人の姿は闇へと消え去った。 > >ガーヴのストレート(?)勝ちー!! ラルターク、冷静な割に油断しすぎ・・・。 力はあっても、それを使いこなす器じゃなかったようです >はてさて、シェーラたちはどうしているのか、フィブはどうなるのか。 次回よりシェーラ編・・・。 その後にはフィブの方にスポット(犬←使いすぎ)が当たるかと >続きを楽しみにしています!! はい。 どうもありがとうございます > |
12314 | 冥王の騎士:45章:4限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン | D・S・ハイドラント | 2002/12/24 14:33:29 |
記事番号12310へのコメント なおも闇の渦巻きは消えない。一層強まってるように感じられるそれは、呼び声ようにも聴こえる――シェーラはそれが自分へ向けたものだと思いたくなりながら、同時に考えを打ち切り、凝視を続ける。それはさながら豪雪の中、安堵の眠りへの誘惑を必死で拒む、それに似ていると、そう胸中で呟いた――どうやらシェーラには物事をさらに悪い状況と照らし合わせて、辛い、と思いながら逃避するという、書いていて皆様に分かるかどうか心配な、癖があるようだ――。 だが、ただ風だけは確かに冷たい。 夜明けはそう遠くないが、なお世界は暗闇の帳が降りたまま。 見つめる視線にもやや震え・・・。 「大丈夫?」 少し向こうではエルが倒れる女に話掛けている。 そんな方に聴覚が移動したその時、 「グレーターデーモンよ、嬢ちゃんらを始末するのじゃ。」 シェーラはその老いており、そして冷たげのある声を確かに捉えた。 瞬間、緊張が駆け回り、感覚が張り詰めてくる。 デーモンの輝く巨体に激動の兆しを感じ取ろうと、一層激しく凝視を始める。 遠くでは地を蹴る音、戦いが聴覚のみで観戦出来た。 しかし、そちらへと移す余裕は捨て、デーモンの微動を即座に察知し、 「エル、来るわ!」 振り向くことはなく、ただ風によってエルへと届ける。 「分かったわ。」 エルの声に安心すると、その頃にはデーモンの足音。 即座に右手で黒の球を取り出し、 (変われ!) 強く念じればそれが輝き、負荷が、腕へと伝わってきた。 それは過去となんら変わらず1つの形容を描き出す。そう伝説の聖剣チャーハン・ライスのその姿を――。 光り輝く聖剣の姿は闇の世界を淡く照らした。これこそが希望、大魔王バナナプリンを倒したのも、恐らくこの剣であろう――正式な資料は存在しない、またはかなりの機密となっているのだから、真実は分からないのだが――。 対峙するシェーラとデーモン、光と闇が互いを威圧し、均衡による障壁は両者への沈黙をもたらす。 だが崩壊はかくも早い。 こちらへと向かう足音・・・戦いのそれではない。 駆けつけたのはエル。 「エル!」 気配のみながらもシェーラの声は、確実に言い当てた。 「彼女は、もう大丈夫よ。」 その言葉には勇敢さもまた混じり込んでいた。 細身剣を構える姿は歴戦の戦士の虚像と重ね合わすことも出来る。まさしく女戦士であった。 そして彼女は桁外れな魔力を許容する強力な純魔道士なのだ。 とはいえこの巨大なデーモンが、小さく愚かな人間2人如きを恐れることは、けしてあるまい。闇の大穴にて呼び声を放つ悪魔――あのフィブリゾを悪魔と言うのはひどい気もするのだが――には遠く及ばぬものの、120年前の魔王クラス以上――正確な力は知らないのだけど――の力ほどはあるのだろう。偉大なる、魔道騎士団の力を持ってしてようやく五分ほどに持ち込めた最強の魔獣以上の魔物、数十体ほどならば、勇者のいない現在のこの国など容易く滅ぼすことも出来るのであろう。 デーモンは恐怖を振り払ったかのように軽い身震いの後、先制で光弾を放つ。 強力な力は、大気の魔力の震えとともに、シェーラ達に数個連続で向かう。 「虚無の壁よ、そなたに触れし愚かなるもの、二度と還らざる時を・・・」 だが、エルの素早い魔法発生への補助音声、魔力無効化のものである。 「無の盾!(アストラル・ゲート)」 覚悟に近い心境で構えるシェーラの正面に飛来する弾は寸前で消え去る。やはり魔力によるもには、違いないのだ。 グレーターデーモンの魔術を一時、防ぎきった2人。だがそれが永続することはない。 シェーラはともかくエルにはデーモンの方が遥かに魔力消費量が少ないことに気付いているのだ。 消耗戦では勝てない。 「次、防いだら突撃よ!」 |
12322 | Re:冥王の騎士:45章:4限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン | エモーション E-mail | 2002/12/24 22:27:36 |
記事番号12314へのコメント こんばんは。 ラルターク……って、これってもしかして「進○の秘○」?!(爆) そして何だか策士、策に溺れるという感じの終わり方ですね。 しかもガーヴ様の戦術勝ち。力押しのイメージが強いんですけどね。 基本的には戦術家タイプなんでしょうね、多分。 そしてこちらはシェーラちゃんとエル様。 シェーラちゃんの癖って……「最悪な状況を想定して、嫌がっている」と 言うことでしょうか?……何か違うかな? フィブリゾ君奪還の前に、野暮な邪魔者グレーターデーモン退治……。 シェーラちゃんとエル様は無事にすむのでしょうか。 確かに消耗戦は不利ですしね。 やはり「先手必勝・短期決戦・やられる前やれ」が基本になる……しか ないですよね(苦笑) では、続きを楽しみにしつつ、この辺で失礼します。 |
12323 | Re:冥王の騎士:45章:4限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン | D・S・ハイドラント | 2002/12/24 22:33:39 |
記事番号12322へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >ラルターク……って、これってもしかして「進○の秘○」?!(爆) ・・・おおっ、そーいやそういうのもありましたね >そして何だか策士、策に溺れるという感じの終わり方ですね。 >しかもガーヴ様の戦術勝ち。力押しのイメージが強いんですけどね。 私にもそのイメージが強いです。 >基本的には戦術家タイプなんでしょうね、多分。 いえ、力押しじゃどうにもならない敵ですから仕方なくです >そしてこちらはシェーラちゃんとエル様。 >シェーラちゃんの癖って……「最悪な状況を想定して、嫌がっている」と >言うことでしょうか?……何か違うかな? そうです。 いつのまにかそんな癖が出てきました。(本当にあの覇王将軍殿なのか疑問) > >フィブリゾ君奪還の前に、野暮な邪魔者グレーターデーモン退治……。 >シェーラちゃんとエル様は無事にすむのでしょうか。 >確かに消耗戦は不利ですしね。 敵が桁違いな上、あちらは消耗の少ない、魔術を使うようなので >やはり「先手必勝・短期決戦・やられる前やれ」が基本になる……しか >ないですよね(苦笑) そうですね。 次回に決着つくかも知れません。 > >では、続きを楽しみにしつつ、この辺で失礼します。 どうもありがとうございます。 |
12342 | 冥王の騎士:46章:5限・シェーラ(+エル)対グレーターデーモン(終わりなの?) | D・S・ハイドラント | 2002/12/25 13:39:32 |
記事番号12314へのコメント グレーターデーモンの咆哮が光弾を再び生み出す。 シェーラはチャーハン・ライスを構える。双眸は鋭く1点を凝視、隙もまたない。 「虚無の壁よ、そなたに触れし愚かなるもの、二度と還らざる時を・・・」 エルの詠唱が風に乗り、世界に伝わる。 「無の盾!(アストラル・ゲート)」 遅れて光弾が消え去る。 「今よ。」 動かした視線の先に微笑みを送ると、瞬時にシェーラは地を蹴った。 逆行する邪悪な風の中、軽い浮遊感とともに跳躍。 「大気の王よ 汝が翼 彼方へと」 音声が響き渡り、 「飛翔弾!(レイ・ソニック)」 シェーラにさらなる浮遊感、 強烈に纏う風、世界が歪んだ。 伝説の聖剣を掲げ、暗黒の魔獣の元へと・・・。 輝く刃を照らすものはない。 ――鋼は輝く―― 伝説の聖剣はシェーラの輝きを照らす。 ――最期の勇気映して―― ここで終わるのかも知れない。だがたとえそうだとしても良い。誰かが彼を救ってくれるのなら ――希望のために―― 彼を救えるのは私だけ、そのために私は戦う。 ――ただ歩むものたちに―― それが間違いであっても良い。私の信じた道なのだから 争いの詩(2002/12/11、作詞:D・S・ハイドラント、作曲:なし)より シェーラの剣はグレーターデーモンの胸部へと突き刺さる。 深い手ごたえ、揺らめくデーモンのうめき、鋼が何度も擦れ合う。 そして硬い肉を引き裂く音が連続して聴覚を侵す。 静寂を破るのはもはやデーモンの叫びのみ・・・それも徐々に削り取られ、小さく、小さく消えてゆく。 光が世界を覆う。 勝利の確信がシェーラにやや早い暁をもたらした。 だが――。 逆巻く闇・・・いつしか骸となったデーモンは動かず・・・。 シェーラは浮遊したままデーモンになおも剣を突き刺している。 魔力はなおも停滞している。よほど持続性があるのだろう。 とはいえそれに終わりは来る。 シェーラはとりあえず剣を抜くことに・・・。 (抜けない?) 軽い緊張が走る。冷や汗が滴る、エルの方を向けば、平静としている。すでに絶望の色などなく、微かに漏れる微笑は、歓びを噛み締めているようでもあった。 焦り・・・それが積もりシェーラを覆う。 だが閃光は意外に早かったのかも知れない。 (戻れ!) 強く念じればチャーハン・ライスが漆黒の球体へと輝きを伴いつつ変化。 浮遊の魔法――先ほどの直進速度から、ただのそれではないようだが――はまだ効果をなしており、空中で軽く浮き沈み、背には大いなる風。 地上へとただ進む。 それは快感でもあった。デーモンを倒す一心であった先ほどとは違い・・・。 地に降り立ったシェーラに三つ編みが軽く揺れた。 「お陰で倒せたわ。」 シェーラは親しい友人――へと最近昇華した――に微笑み掛ける。 「ありがと・・・でもまだよ。」 真顔のその言葉に・・・気付いた瞬間唖然とする。 「あのデーモン、絶対に死なないらしいわ。」 強い魔力のうめき・・・。 唐突にそれは2つに増えた。先ほどから続くフィブリゾの呼び声の他・・・。 振り向けばデーモンの眼が焔よりも赤く輝きだす。 見開かれた双眸は怒りに染まり切っている。 咆哮が響いた。それはどんな轟音よりもシェーラ達に強く襲い掛かる。 巨大な光の球がデーモンの口元より発射されんとしている。 身構える2人には絶望さえ感じられた。 ・・・しかし同時に跡形もなく闇に崩れ去ったデーモン。もうその姿は瞼の肖像にのみ。 |
12345 | 冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた | D・S・ハイドラント | 2002/12/25 14:28:56 |
記事番号12342へのコメント 最期の咆哮も放たれることはなく、グレーターデーモンは崩れ去り、闇の塵と化して、虚空へと消え去った。 同時に、近くで断末魔――それは老人の声であった。 後には悲しい――と思えてくる――呼び声が静寂同然に響き渡る。 「何でデーモンが消えたの?」 シェーラは隣に佇むエルに尋ねた。 「そうね・・・」 考え込む仕草をわざとらしく取ったエルは、しばらくの後、満面の笑みを浮かべつつ 「分かんないわ♪」 シェーラの足元で軽い地震。 「結局分からないんですか!」 「あら、シェーラちゃん。親しい人にですます口調で話していいのは、どこぞのゴキブリか、変態亡霊野郎だけという法律があるわよ。」 話の軌道が急旋回されていく。 「じゃあ、ちゃん付けもやめてください。」 「それはいいの♪」 フィブリゾの風はなおも寂しく続く・・・。 2人の言い争いが、彼女らの世界を創り出す。 「おいてめえら、いつまでごちゃごちゃ言ってやがる。」 世界の障壁を打ち破った赤毛の大男。 それに気付くシェーラは少々戸惑い、反面エルは・・・。 「あら、侯爵様、あたしとシェーラのどちらがフィブリゾ君に相応しいでしょうか」 その表情は恍惚と化しており、陶酔の満ざし――。そしていつしかフィブリゾの取り合いにまで発展していたようだ。 シェーラは正気に返りうつむいているのみ・・・。 「・・・そのフィブリゾってのはよく分かんねえ――記憶を失っている――が、どっかで聞いたことあるな。・・・まあいいが」 言葉を切って呼吸、 「まず俺を侯爵様なんて名で呼ぶな!俺にはガーヴってながあるんだよ!」 怒り半分に残りは呆れなのだろう。 「分かりましたわ、ガーヴ様。」 「様もやめろ、ガーヴで良い。それとてめえら言い争いに来たわけじゃねえだろうが!」 エルは一瞬、身震い、そして我に返り、 「そうだったわ、シェーラちゃん起きて。」 うつむくシェーラを揺らすエル。 ・・・キャラと文体(は微妙にだけど)がぶち壊れているように思えてしまうのは果たして私の気のせいなのだろうか・・・次回へ続く(続かんわ!んなもん) ともあれ3人の間には平静が整った。 「これからどうするか、ね。」 「そうだな・・・。」 エルに頷く2人、シェーラは無言で頷いた後、 「あっそういえば、あの人は?」 唐突に蘇る私の記憶。(うわっ、もう完全に壊れているよ) そうデーモンと対峙していた女。 シェーラ達がそちらへと向かう。 「大丈夫ですか?」 シェーラが呼びかける、残る2人はただ見つめるのみ。 「そなたらが・・・私を助けてくれたのか?」 怪我は見られないが――恐らく、治癒魔法を受けたためだろうが――声は苦悶を含んでいた。 「そうだけど。」 背後よりエルの淡白な声。 「そうか・・・感謝する。」 金色の質量感の豊かな髪、同じ色に輝ける瞳は鋭さ、強さを秘め、端正な顔立ちに戦士の猛々しさを兼ね備えている。口元も赤く情熱の色を保持し、美貌と言う面では全く問題はない。 肩や脇腹に露出の入った黄金と焔の鎧――某騎士団のような弱々しさはなく、そこには気品――を着込み腰には剣の鞘。 中身は腕になおも握られている。 シェーラは戸惑いながらも女戦士の進行を阻止しようとするが、気付けばすでに大穴の方へと歩みを進めていた。 「私の名はゼラス。」 振り向いてそうとだけ言うと、 「飛翔!」 突然響く声に、強い魔力の動き・・・。 「魔術・・・。」 エルの呟き。 「どうしたの?」 シェーラは聞くが、 「とにかく後を追いましょ。」 そう言って歩みを進める。 2人も後に続き、大穴の底が眼下に暗闇として捉えられるようになると、エルは構成を始めた。 |
12351 | Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた | 渚 | 2002/12/25 17:24:14 |
記事番号12345へのコメント > ここで終わるのかも知れない。だがたとえそうだとしても良い。誰かが彼を救ってくれるのなら 終わっちゃだめー!!彼を救うのはあなたじゃなきゃ!! > 彼を救えるのは私だけ、そのために私は戦う。 そう!がんばって切り抜けろ!! > 「お陰で倒せたわ。」 ふー、良かった。これで終わり・・・・・? > 「ありがと・・・でもまだよ。」 じゃなかったか・・・・。 > ・・・しかし同時に跡形もなく闇に崩れ去ったデーモン。 >もうその姿は瞼の肖像にのみ。 倒れたのか・・・・・?なんで・・・・・? > 「何でデーモンが消えたの?」 > シェーラは隣に佇むエルに尋ねた。 > 「そうね・・・」 うんうん、なんで?(期待の目) > 考え込む仕草をわざとらしく取ったエルは、しばらくの後、満面の笑みを浮かべつつ > 「分かんないわ♪」 ずでっ!! > 「あら、シェーラちゃん。親しい人にですます口調で話していいのは、どこぞのゴキブリか、変態亡霊野郎だけという法律があるわよ。」 どこぞのゴキブリとかって・・・・。 > 「あら、侯爵様、 >あたしとシェーラのどちらがフィブリゾ君に相応しいでしょうか」 そんな事ガーヴに聞くなよ・・・・。 っていうか何の話し合いしてるんだ・・・・。 > 「私の名はゼラス。」 ゼラスとガーヴを比べると、ガーヴの方が強いんですか? 壊れてきたんですか? よく分からないですけど、面白いからいい!という事で!! |
12352 | Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた | D・S・ハイドラント | 2002/12/25 17:37:48 |
記事番号12351へのコメント >> ここで終わるのかも知れない。だがたとえそうだとしても良い。誰かが彼を救ってくれるのなら > >終わっちゃだめー!!彼を救うのはあなたじゃなきゃ!! そうですよね。こんなところで終わってはいけません。 > >> 彼を救えるのは私だけ、そのために私は戦う。 > >そう!がんばって切り抜けろ!! そうです。がんばれシェーラ > >> 「お陰で倒せたわ。」 > >ふー、良かった。これで終わり・・・・・? まあ終わりではないですけど、終わりみたいなものです > >> 「ありがと・・・でもまだよ。」 > >じゃなかったか・・・・。 まあ並のデーモンじゃないですから > >> ・・・しかし同時に跡形もなく闇に崩れ去ったデーモン。 >>もうその姿は瞼の肖像にのみ。 > >倒れたのか・・・・・?なんで・・・・・? 書き忘れていたというか、書く場所がなかったというか・・・。 グレーターデーモンはラルタークの特殊な魔術によって生れたものなので、ラルタークが倒されて、主を失って消え去った、というところです。 > >> 「何でデーモンが消えたの?」 >> シェーラは隣に佇むエルに尋ねた。 >> 「そうね・・・」 > >うんうん、なんで?(期待の目) 本当に書き忘れてました。すみません。 > >> 考え込む仕草をわざとらしく取ったエルは、しばらくの後、満面の笑みを浮かべつつ >> 「分かんないわ♪」 > >ずでっ!! もうこの辺からこの話ぶち壊れてます。 > >> 「あら、シェーラちゃん。親しい人にですます口調で話していいのは、どこぞのゴキブリか、変態亡霊野郎だけという法律があるわよ。」 > >どこぞのゴキブリとかって・・・・。 ・・・もちろんお分かりの通りのあの方です。 > >> 「あら、侯爵様、 >>あたしとシェーラのどちらがフィブリゾ君に相応しいでしょうか」 > >そんな事ガーヴに聞くなよ・・・・。 >っていうか何の話し合いしてるんだ・・・・。 話が徐々に切り替わってこうなりました。 どう切り替わったのかかなり謎です。(やっぱり壊れてる。) > >> 「私の名はゼラス。」 > >ゼラスとガーヴを比べると、ガーヴの方が強いんですか? 結構この戦いでガーヴ結構強いように思えますけど 1対1で直接対決すればゼラスの方が強いんでしょう・・・。 人間対人間(まあゼラスはアプロスから力貰ってるし完全な人間じゃないんでしょうけど) > >壊れてきたんですか? >よく分からないですけど、面白いからいい!という事で!! そうでしたか どうもありがとうございます。 それでは〜 |
12357 | Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた | エモーション E-mail | 2002/12/25 20:50:46 |
記事番号12345へのコメント こんばんは。 まさに一撃必殺ですね。エル様の援護や剣の力もあるけれど、 シェーラちゃんもレベルアップしているんだろうなあ……。 厄介なのと戦い詰めだし。 復活した……と思ったグレーターデーモンが、さっくり 滅んじゃったのは……やっぱりラルタークと連動でしょうか? ラルタークの断末魔響いた途端ですし。 それにしても(多分)ラスボス前にして「乙女のじゃれあい」を 始めてしまうのが……さすがです、エル様。 それに口を挟んだガーヴ様はある意味勇者です(笑) ゼラス様……先にフィブリゾの所へ行ったのでしょうか。 と、なると……ラストバトルは4人パーティですね。 どうなるのか楽しみにしています。 では、この辺で失礼します。 |
12358 | Re:冥王の騎士:47章:やばいぞ壊れてきた | D・S・ハイドラント | 2002/12/25 21:02:37 |
記事番号12357へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >まさに一撃必殺ですね。エル様の援護や剣の力もあるけれど、 >シェーラちゃんもレベルアップしているんだろうなあ……。 そりゃあ実戦経験は少なかったはずですし(若いし、結構平和だし) >厄介なのと戦い詰めだし。 >復活した……と思ったグレーターデーモンが、さっくり >滅んじゃったのは……やっぱりラルタークと連動でしょうか? >ラルタークの断末魔響いた途端ですし。 その通りでございます。 > >それにしても(多分)ラスボス前にして「乙女のじゃれあい」を >始めてしまうのが……さすがです、エル様。 まさにさすがといえましょう。 >それに口を挟んだガーヴ様はある意味勇者です(笑) 確かに・・・心の魔王様よりよっぽど勇者です。 > >ゼラス様……先にフィブリゾの所へ行ったのでしょうか。 >と、なると……ラストバトルは4人パーティですね。 DQみたいだ・・・。 > >どうなるのか楽しみにしています。 後数話でキャラメルソース編は終わりです。 今年にはいけるかと・・・。 >では、この辺で失礼します。 はい。 レスどうもありがとうございます。 |
12362 | 冥王の騎士:48章:冷静と激動の衝突 | D・S・ハイドラント | 2002/12/26 10:36:20 |
記事番号12125へのコメント 戦いがあった。 宿命の戦いが・・・ 闇の王の使わせし勇者に敗れ、身を裂かれた時から ずっと待ち望んでいたに違いない。 滅するもの達に互いを掛けた激闘。 始まりはシェーラ達の激闘より、少しだけ遡る。 覇なる力持ちし、悪しき魔の欠片達の激闘が今始まらんとする。 ◇◆◇◆ 闇の渦巻きはなおも弱らずに、呼び声を続ける。 大いなる力――世界を滅ぼしうる絶対の力を求めて・・・。 愚かなる獣も、なお愚かなる人も、そして最も愚かな神でさえも――すべて滅ぼす悪しき力。 それが、今や眼前に捉えられてさえいるのだ。 「久しぶりだねアプロス。」 獲物を眼前に、魔王は笑っていた、かつてカタート王国を混乱の渦に巻き込みし闇の王、大魔王(ソーサラー・オブ・ハイロード←何かそのままっぽい)バナナプリン、いやヴォルフィードであり、そして――。 その眼球の代わりに埋め込まれた宝玉の如し、緑、漆黒の波掛かった髪、幼さに強さを秘めた絶世の美貌。 まさにカタート王国第一王子フィブリゾ 何某(以下略)、そのものである。 だが闇を纏いし、その姿は地上生物すべてを絶対的に超越した存在。 「今さら久しぶりもないだろ、これから取って食う相手にさ・・・」 対峙する少年。 フィブリゾと年齢や容貌の差はほぼない。ただ髪が直線的に伸びて、後の血の流れより紅きリボンで纏めてあるという点と、平静とするフィブリゾと違い、動揺を包み隠している。また、温もりを帯びた眼を持つフィブリゾに対し、こちらの――アプロスという――少年は冷たい冷気、いや凍える吹雪ような孤高の強さを感じさせる。 同じであるがまた対照的でもあるのだ。 「そうだね・・・。」 だが暖かなフィブリゾの視線はより不気味であった。敵意を持ったそれ以上に他者を圧倒する。 まさにその慈愛を求めたような姿は人を支配するもの。そして苦もなく世界を滅ぼすためのもの・・・。 アプロスに動揺の亀裂が強まる。 「君は僕の力を衰えさせようとまでしたんだからね。」 笑顔がより強い冷気を与える。 絶望の色がアプロスへと駆ける。 「当然だ、スィーフィードの力は僕のものだ。」 そう悪魔(ハルマゲドン・ビースト)スィーフィード。 まさに絶対最強生物の名である。 「そう・・・でも事実スィーフィードの力は僕のものなんだけどね。」 アプロスより冷や汗が滴る。フィブリゾはただそれを観察――子供が蟻を眺めるように――していた。 「・・・とにかくフィブリゾ、決着を着けよう。」 すでに冷静の仮面は剥がれかけて、内なる感情が漏れんとしている。 奮起がそれを抑えるも、 「まあ結果は見えてるけどね。」 闇がより強く渦巻く。 同じようで――まるで共鳴しているようで――あっても完全な異質。 強烈な静寂な闇を生み出すアプロス、強力な激動の闇を生み出すフィブリゾ。静と動の戦い。 闇の覇権を賭けた戦い。 それは今始まらんとしている。 ◇◆◇◆ 「始まりましたね。」 だが相手は虚空、つまり誰1人としていない。 厳かな風の流れ。 輝きはまさに上天の白光のみ。 「まあどっちが勝たれても僕が忙しくなるのは変わりませんからねえ。」 ただ広い。聖なる空間。 背には、3つの神の紋章。 運命の聖筆、黒の太陽、魂の翼、まさにサンチーンミ教の奉ずる三神崇拝のものであり、他の何でもない。 かつての勇者神にして、人間世界――正確にはそんな自分勝手な名前で教えてはいないが――の創造主である。 「手出しは無用ですね。」 神官衣を身に付けた男がいる。 その男は――。 |
12365 | 冥王の騎士:49章:激動と冷静の悪魔 | D・S・ハイドラント | 2002/12/26 11:39:48 |
記事番号12362へのコメント 闇が、邪悪なる闇が――うねる・・・それはまるで2つでありながら1つ束になったかのように・・・。 ただそれだけで対峙する2人の力を蝕んでいく。 双方の放出される闇の量は互角、同じように相手の力を削る。 だが――。 「このままじゃあ君は勝てないよ、アプロス。」 挑発的なフィブリゾ・・・。 「そうかもね・・・フィブリゾ。」 冷静に受け流す。 だがその仮面と闇とが軋む。 だが頭を振って、消し去り、 両腕をフィブリゾに向けて伸ばすと、 闇の塊が生まれ、フィブリゾの方向へと向かう。 「へえ・・・稚芸だね。」 値踏みするような視線の後、そっと添える。それがアプロスをそっと逆撫でる。 次の瞬間には闇の塊を受け止める。 それが激しい音を響かせつつ、砕け散り、破片が虚空へと消え去る。 「何だと・・・。」 アプロスの仮面が剥がれ掛かる。見えるのは動揺ではなくまさしく怒り、まるでフィブリゾに――激動の力持つ闇に――それを植え付けられたかのよう。 「僕と君との力の差を知っていてのこと?」 アプロスに憤怒が強く走る。 反対に冷静を確立しているフィブリゾは、言いおえるとともに――。 「愚かな人は嫌いだよ」 その美貌に隠れた殺気、それが強くアプロスへと突き刺さり、 「貴様!」 叫びを上げるアプロス。 「僕を・・・僕を・・・よくも、怒らせたな!」 怒りが顔全体に、そして全身、四肢の先までに浸透し、 「許さない。僕が・・・僕が・・・世界を滅ぼすんだ。・・・お前には絶対に渡さない。悪魔(ハルマゲドン・ビースト)はこの僕、アプロスだ!」 怒りの焔――吐息が噴煙の如く何度も上がり、アプロスの強烈な怒気を表わす。 「へえ、でも短気な君は向いてないと思うけどなあ。」 その声には、内容は刃のようであったが、確かな温かみを持ってもいる。 しかし、アプロスにはそれさえ極寒。 すでに怒りは灼熱の如く燃え盛り、その温もりさえも氷の如し・・・。 「僕を馬鹿にするな!僕は世界の覇者、君は僕の踏み台になるんだ。うるさい口を叩くな。許さない、君は絶対に許さないからな・・・。」 怒りだけがそこより――。 すでに理性は希薄であろう。 「愚かだねえ。やっぱり君は相応しくないよ。悪魔の力を得るのはこの僕でしかないんだよ分かる?」 なおも挑発的なフィブリゾ。アプロスにはその姿は、すべてを知ったような態度の独善的で偽善的である神のようにも見えたであろう。 「ふざけるな!」 アプロスから放出されるいくつもの闇の光線――それがただフィブリゾへと直進していく。 「僕が闇の王だ。悪魔だ。全部滅ぼしてやる。全部滅ぼす。スィーフィードの肉体を手に入れて!」 怒り混じりの哄笑・・・フィブリゾはそれでも平静。 光線を両手で、すべて掴み取ると、 「返すよ。」 8本ほどの光線を折り曲げ――放つ。 すべてがアプロスの元へと帰り、 そのまま吸い込まれる。 「だから君ではかなわないんだよ、この僕には――元々僕の方が強いんだ。」 闇の精霊王ドラゴンは、自らを最後まで奉じた、ウニ、カラスミ、コノワタの三神に力を与えた。 それは一時的なものであったがその頃、猛威を振るっていた悪魔(ハルマゲドン・ビースト)スィーフィードを倒しうる力であった。 彼らはその力をその通りに使用した。 つまり悪魔討伐である。 悪魔は倒れた・・・。 しかし滅びてはいない。それは不可能であった。力が足りなすぎた。 そこで倒れた悪魔を2つに分け、異空間に封じた。 しかし、その時の分け方が不均等であったためにフィブリゾはアプロスよりも強い力を得た。スィーフィードを2つに分けた神が作業中にした1つのくしゃみのせいで・・・。 やがて何とか復活したアプロスは嘆いた。 当然1つになる時には強いものが自我を確立する。 だから嘆いた・・・そして企んだ。 フィブリゾの力を弱める術を・・・。 |
12370 | 冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何) | D・S・ハイドラント | 2002/12/26 12:44:09 |
記事番号12125へのコメント 冷気がすべてに吹き付ける。 そこは銀世界。すべてが雪に覆われた極寒の地――そこにアプロスはいた。 嘆いた。嘆いた。 それが吹雪となって身を刻む。 それに気付くのはけしてすぐではなかった。 雪世界を旅した。そして見つけたのだ。 もう1人眠っている?もう1人いる。 初めは歓喜が込み上げた。絶望が明るく塗り替えられた。雪解けを感じた。 しかし吹雪は止まず。なお強まる。 ただ眠る自分にだけは春があった。 やがて気付いた。 初めから分かっていたのだ。 もう1人の自分がいる。そして自分を上回っている。そんな自分が――。 自然に劣等感が募り、吹雪となった。 そして邂逅の時より――それは猛威に拍車を掛けた。 苦しみ、もがき、妬み、殺意、嘆き、絶望――アプロスは闇に堕ちた。 だがそれで良かったのかも知れない。 いや真には間違っていたのだが・・・。 世界を見た。今を知った。 世界に降りた。 まず自らの手足となるもの達を集めた。 ゼラスやゼロスなどで組まれたそれが『撲殺人参ソード』である・・・由来はかなり不明だが・・・。 そして第2にフィブリゾの力を弱まらせることを企んだ。 誰かが言い出した。 フィブリゾを世界に滅ぼすための悪魔として蘇らせることを・・・。 さすれば不完全なフィブリゾは神の使いにより倒され、復活時には悪魔の片割れとしての肉体を失いその力が欠ける、と・・・。 だがそれは罠だったのかも知れない。 フィブリゾがアプロスと真に邂逅を狙うため――自らが悪魔となるための・・・。 (わけ分かんなかったらレスで質問してください。後、変なところあればご指摘を・・・。) 言い出したのはラルターク、今だ目覚めぬ――理由は不明だがまあ何かあるのだろう――フィブリゾが夢で作り出した存在。フィブリゾがバナナプリンとして復活した後のラルタークは別物らしい。 そしてラルタークの言う通りにバナナプリンは世界の一部の痛手とともに呆気なく倒された。 そして120年後、フィブリゾはカタート国王とダイナスト公女の息子として誕生した。 誕生前にその子を自分の姿に無理矢理似せて・・・。 そこまではラルタークの言う通りであった。 しかし――。 それでもアプロスはフィブリゾに劣っていた。 「アプロス、そろそろ終わりにしよう。」 怒りに燃えるアプロスを殺気を込めた一言で凍り付かす。 ちょうど、激闘の後、シェーラ達が大穴へと向かう頃。 勝機はすでにアプロスにはなく。 フィブリゾは覚醒を真に迎えんとしていた。 夜明けまでそう時はない。 神の目覚めの時まで――。 ◇◆◇◆ 「じゃあいくわよ。」 「何度言った?そのセリフ・・・」 呆れ模様のガーヴ。シェーラは独りの世界へ――いやフィブリゾと2人の世界かも――と入り込んでいる。 「本当にいくわよ。」 「だからとっといけ!」 怒鳴るガーヴの声も無視し、 「だからいくわよ。」 何度も意気込むエル。 こんなことをしていた本当に大丈夫なのだろうか? でも終わりはあっさり来た。 「いくわよ・・・」 先ほどまでとは違う。 「風よ、我らを彼の地へ」 構成はすぐに終わる。 「けっ素人だ!」 ガーヴは知らないがエルは補助音声――混沌の言語みたいな感じだけど、全然ちがうやつ――なしで魔法が使えない特異体質(?)なのだ。 まあ構成はすぐに終わり、 「旋風翔!(ハイ・ウィンド)」 風が3人を包む。 それは3人を邪悪な大穴の底へと導いた。 立ち入り禁止――というか入れないけど――の魔王の死地へと・・・。 |
12371 | Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何) | 渚 | 2002/12/26 16:39:26 |
記事番号12370へのコメント > 「まあどっちが勝たれても僕が忙しくなるのは変わりませんからねえ。」 ずっと高みの見物してたんかい! > その男は――。 その男は!! > 「僕と君との力の差を知っていてのこと?」 圧倒的にフィブが有利!アプロスはもうだめなのか!! > 「許さない。僕が・・・僕が・・・世界を滅ぼすんだ。・・・お前には絶対に渡さない。悪魔(ハルマゲドン・ビースト)はこの僕、アプロスだ!」 二人とも世界を滅ぼしたいんですねー。 なんかどっちも応援しにくい・・・・。 > しかし、その時の分け方が不均等であったためにフィブリゾはアプロスよりも強い力を得た。スィーフィードを2つに分けた神が作業中にした1つのくしゃみのせいで・・・。 くしゃみ・・・・・たったそれだけで・・・・・。 神様風邪だったのかなー? > 誰かが言い出した。 > だがそれは罠だったのかも知れない。 > フィブリゾがアプロスと真に邂逅を狙うため――自らが悪魔となるための・・・。 これはラルタークのことですね。 > 「じゃあいくわよ。」 > 「何度言った?そのセリフ・・・」 > 呆れ模様のガーヴ。シェーラは独りの世界へ――いやフィブリゾと2人の世界かも――と入り込んでいる。 ん?シェーラどーしたんだ? > それは3人を邪悪な大穴の底へと導いた。 > 立ち入り禁止――というか入れないけど――の魔王の死地へと・・・。 一体ここでどのくらい足止め食らってたんでしょう。 |
12372 | Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何) | D・S・ハイドラント | 2002/12/26 16:54:26 |
記事番号12371へのコメント >> 「まあどっちが勝たれても僕が忙しくなるのは変わりませんからねえ。」 > >ずっと高みの見物してたんかい! 他の用事があるらしいです > >> その男は――。 > >その男は!! 誰でしょう(いや分かるか) > >> 「僕と君との力の差を知っていてのこと?」 > >圧倒的にフィブが有利!アプロスはもうだめなのか!! ううむどうなりますかね > >> 「許さない。僕が・・・僕が・・・世界を滅ぼすんだ。・・・お前には絶対に渡さない。悪魔(ハルマゲドン・ビースト)はこの僕、アプロスだ!」 > >二人とも世界を滅ぼしたいんですねー。 >なんかどっちも応援しにくい・・・・。 そうですよね。 世界の敵同士ですから > >> しかし、その時の分け方が不均等であったためにフィブリゾはアプロスよりも強い力を得た。スィーフィードを2つに分けた神が作業中にした1つのくしゃみのせいで・・・。 > >くしゃみ・・・・・たったそれだけで・・・・・。 >神様風邪だったのかなー? その頃太陽とかなかったし、寒かったんでしょうね > >> 誰かが言い出した。 >> だがそれは罠だったのかも知れない。 >> フィブリゾがアプロスと真に邂逅を狙うため――自らが悪魔となるための・・・。 > >これはラルタークのことですね。 そうです。裏切り者です > >> 「じゃあいくわよ。」 >> 「何度言った?そのセリフ・・・」 >> 呆れ模様のガーヴ。シェーラは独りの世界へ――いやフィブリゾと2人の世界かも――と入り込んでいる。 > >ん?シェーラどーしたんだ? フィブリゾとの思い出でも噛み締めているのでしょう > >> それは3人を邪悪な大穴の底へと導いた。 >> 立ち入り禁止――というか入れないけど――の魔王の死地へと・・・。 > >一体ここでどのくらい足止め食らってたんでしょう。 まあ数分、ということにしてください(今後のため) それでは どうもありがとうございました。 |
12375 | Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何) | エモーション E-mail | 2002/12/26 21:40:12 |
記事番号12370へのコメント こんばんは。 バナナプリンなフィブリゾ君(何か嫌だな、この表現)とアプロス君の対決!! しっかり見物決め込んでるのがゼロスですね(苦笑) くしゃみひとつで差が出るなんて……まあ、世の中そんなものです。 差を付けられた方はムカつくでしょうけど。 > ゼラスやゼロスなどで組まれたそれが『撲殺人参ソード』である・・・由来はかなり不明だが・・・。 ほんとに……誰が命名したのでしょう? > フィブリゾを世界に滅ぼすための悪魔として蘇らせることを・・・。 > さすれば不完全なフィブリゾは神の使いにより倒され、復活時には悪魔の片割れとしての肉体を失いその力が欠ける、と・・・。 > だがそれは罠だったのかも知れない。 > フィブリゾがアプロスと真に邂逅を狙うため――自らが悪魔となるための・・・。 > (わけ分かんなかったらレスで質問してください。後、変なところあればご指摘を・・・。) > 言い出したのはラルターク、今だ目覚めぬ――理由は不明だがまあ何かあるのだろう――フィブリゾが夢で作り出した存在。フィブリゾがバナナプリンとして復活した後のラルタークは別物らしい。 えーっと、これって「わざと中途半端な状態で復活させて、神の使いに 倒させることでフィブリゾの力を弱め、転生したところで取り込む、という 計画だったけど、実際にはその計画自体がフィブリゾがアプロスを取り込む ために計画して行ったのものだった」ということでしょうか? もっと短絡的に纏めると「結局フィブリゾの掌の上で踊らされた」と。 フィブリゾの方が一枚も二枚も上手ですね。……まあ、戦略家タイプですしね。 フィブリゾって。 > 「けっ素人だ!」 > ガーヴは知らないがエルは補助音声――混沌の言語みたいな感じだけど、全然ちがうやつ――なしで魔法が使えない特異体質(?)なのだ。 ガーヴ様……きっと免許取り立ての初心者マークなドライバーに、 「高速道路でガンガン飛ばすよ〜」と言われたような気分なのかも(汗) さて、役者がほぼ揃いますよね。どうなるのかな。 とりあえず見物しているゼロスが、ゼラス様にどつかれるのに1票(笑) 続きを楽しみにしています。それではこの辺で失礼します。 |
12378 | Re:冥王の騎士:50章:ケーキはやはり均等に分けましょう(何) | D・S・ハイドラント | 2002/12/26 21:49:25 |
記事番号12375へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >バナナプリンなフィブリゾ君(何か嫌だな、この表現)とアプロス君の対決!! まあヴォルフィードなフィブリゾ君という表現もありますけど(おい) > >しっかり見物決め込んでるのがゼロスですね(苦笑) まあゼロスはあんまり戦いは好みそうにないですから >くしゃみひとつで差が出るなんて……まあ、世の中そんなものです。 この辺りが50章のタイトルの由来です >差を付けられた方はムカつくでしょうけど。 そりゃあそうでしょう・・・。 現実は厳しいですなあ > >> ゼラスやゼロスなどで組まれたそれが『撲殺人参ソード』である・・・由来はかなり不明だが・・・。 >ほんとに……誰が命名したのでしょう? ううむ私にも分かりません。 こればっかりは解けない謎です > >> フィブリゾを世界に滅ぼすための悪魔として蘇らせることを・・・。 >> さすれば不完全なフィブリゾは神の使いにより倒され、復活時には悪魔の片割れとしての肉体を失いその力が欠ける、と・・・。 >> だがそれは罠だったのかも知れない。 >> フィブリゾがアプロスと真に邂逅を狙うため――自らが悪魔となるための・・・。 >> (わけ分かんなかったらレスで質問してください。後、変なところあればご指摘を・・・。) >> 言い出したのはラルターク、今だ目覚めぬ――理由は不明だがまあ何かあるのだろう――フィブリゾが夢で作り出した存在。フィブリゾがバナナプリンとして復活した後のラルタークは別物らしい。 >えーっと、これって「わざと中途半端な状態で復活させて、神の使いに >倒させることでフィブリゾの力を弱め、転生したところで取り込む、という >計画だったけど、実際にはその計画自体がフィブリゾがアプロスを取り込む >ために計画して行ったのものだった」ということでしょうか? そうです。 >もっと短絡的に纏めると「結局フィブリゾの掌の上で踊らされた」と。 >フィブリゾの方が一枚も二枚も上手ですね。……まあ、戦略家タイプですしね。 そうですね。 >フィブリゾって。 この話ではすべての面でフィブリゾが勝ってます。 > >> 「けっ素人だ!」 >> ガーヴは知らないがエルは補助音声――混沌の言語みたいな感じだけど、全然ちがうやつ――なしで魔法が使えない特異体質(?)なのだ。 >ガーヴ様……きっと免許取り立ての初心者マークなドライバーに、 >「高速道路でガンガン飛ばすよ〜」と言われたような気分なのかも(汗) そんなところでしょう。 > >さて、役者がほぼ揃いますよね。どうなるのかな。 >とりあえず見物しているゼロスが、ゼラス様にどつかれるのに1票(笑) ううむ・・・ゼロスって結構遠くから見てるんですけど・・・。 > >続きを楽しみにしています。それではこの辺で失礼します。 はい。 レスどうもありがとうございます。 それでは〜 |
12384 | 冥王の騎士:51章:1÷2は何:何? | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 11:21:09 |
記事番号12125へのコメント 静寂の帳は今、過ぎ去らんとしている。 だが暁が訪れるのは世界のみ。 すでに永遠のまどろみ、見る夢はない。 心などもはや、ないのだから。 ただ強烈な瘴気が包み、男は渇きを潤す。 暗黒の星、司りし闇の戦士。そう暗黒の5つ星級の牛肉を司りしもの。 暗黒の鎧に年経た厳格と若き気力を重ね持つ男。 黒毛和牛の鎧(ダーク・スター)を持つ最強の戦士アルバート・ヴァン・スターゲイザー。 マツタケ・シティの黄昏に彼は佇む。 ただすべてがそこでは止まっている。 ふと寂しい風とともに、迷惑な音。 魔法の着信音である。 即座に受話器――何てないけど、想像しつつ――取る。 「スターゲイザーさん終わりましたぁ。」 その声はゴキブ・・・ではなく冥神官ゼロスのものであった。 「ただいま瘴気に浸っておりますが・・・」 さも当然の如く、淡々と話す。 一応、相手は直属の上司ではないものの、冥神官という、『撲殺人参ソード』でも、冥将軍と並ぶ冥王アプロスに次いだ格である。 「そうですか・・・・こちらで面白い劇が見られますけど?」 微笑はむしろ嫌悪感をも感じさせる。 「残念ですが、朝まで浸らせてもらいますよ。」 心に嫌悪を隠しつつに、 「まあ気が変わられたら、『神殿』の方までお越しください。見物ですよ。」 そこで着信が途絶える。 暁はもはや近い。 私の話が完全崩壊する日もまた近い。 ◇◆◇◆ 「アプロス様!」 早くに降り立ったゼラスの映す世界は一種の絶望であった。 微笑むフィブリゾ、苦悶のアプロス。 まさに悪魔の生れる日・・・彼女の望まぬ悪魔の・・・。 「あれだけ余裕だった君がこうも呆気なくねえ。それとも勇者を覚醒させようとしていのは僕に負けるのが分かってたから?」 そんな台詞の頃であった。 「何か言ったらどう?兄弟でしょ悩みは打ち明けないと・・・」 それを観るゼラスに憤怒の焔が昇る。 「貴様・・・」 だがその声は闇の轟音に消え、返答せずのフィブリゾへの怒りがなお強まる。 「貴様!」 声を張り上げ、闇を突き破る。 「何?」 冷ややかな表情でフィブリゾはゼラスを見やる。 「アプロス様を・・・愚弄するな!」 声と同時に、轟焔の剣(ウェルダン)を引き抜く。 同時に魔剣より放たれる焔の竜巻がフィブリゾへと走る。 「甘いよ。」 右目でアプロス、左目でゼラスを警戒しつつ、向かい来る焔を右手で掴み取れば砕け散り、魔力に還元される。 だが同時に、満身創痍のアプロスより闇の塊が投げられる。 「えっ!」 その速度は凄まじく、傷を負った彼のものとは思えぬ威力。 「うわああああああああ。」 闇の塊がフィブリゾを包む、抵抗する少年を無情に締め上げていく闇の呪縛、これにより絶対性が薄れゆく。 同時にゼラスの斬撃は腹部より強烈な出血。 「ぐわあっ!」 悪魔の欠片とはいえ、斬られて痛くないはずはない。 「切断が不公平と言ってもほんの僅かしか違わなかったんだよフィブリゾ。」 苦悶のフィブリゾに対して浴びせるアプロスの傷もかなり深い。 フィブリゾは勝てない相手ではない。 ゼラスに1度微笑み掛けるアプロス。 余裕は回復している。 しかし・・・。 闇が強まる。 「・・・君達、殺すよ。」 闇の解かれたフィブリゾは先ほどまでとなお違った。 「アプロス・・・力を隠していたのは君だけじゃない。」 ◇◆◇◆ 大穴の底へと辿り着いたシェーラ達。 眼前に映るは、苦悶の少年とゼラス・・・そして笑うフィブリゾ。 いよいよ、クライマックスか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ふう、もしかして次回で2は終わるかも(エピローグがあるけど) |
12385 | 冥王の騎士:52章:最期の遊戯 | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 12:02:38 |
記事番号12384へのコメント 大穴は闇に満たされている。 それが不思議と視界を生んでいる。 まさに光と闇が逆転したような世界・・・。 神話時代――暗黒の世界も同じであったのだろうか? 闇が照らす世界には、3人がいる。 ゼラス・・・そして愛する――認めちゃったよ――主君にして主君以上の存在であるフィブリゾに良く似た少年。当然その美貌も同じ如く。 だがこの2人はただ倒れている。すでにすべてを終えているのであろうか?少なくともそうであっては欲しくない。 これ以上人の死を見たくない。そう騎士らしからぬ思い。 だが真にはフィブリゾが人を殺すことを認めたくないのかも知れない。 シェーラはそんな思考を断ち切り、 「・・・フィブリゾ様?」 上げた声は3人の中、最も早いものであった。 「くくっ知ってるよ、君、もう1人の僕のことが好きになってる娘だよね。」 「そっそれは・・・」 熱風が頬を撫でる。 「言い訳は必要ないよ。」 「そうよ、さあ告白の時だわ♪」 「フラレたら飯奢るぜ♪」 3方より熱の嵐。 「・・・。」 ついに声までもを失う。 「そこで提案があるんだけどね。」 そう言って不気味に微笑むフィブリゾ。 「笑ってないで私のフィブリゾ君を返して!」 「そうだ陰険野郎が!」 背後より強烈な声。 ただシェーラだけが灼熱の中。 「うるさいね。」 だがフィブリゾの声とともに静寂。 後方を見やれば、2人が音を立てて地に伏す。 「君も同じようにすることが出来るけど?」 先ほどまでと別格の殺気。 揺らめく焔は消え去り、それへの恐怖だけが残る。 思い出す絶対の恐怖――僅か数時間前のことだが、遠く思えてくる。(私はね) 「でもそれじゃあ面白くない。」 虚空を見つめつつそう言い、 「僕を殺してみてよ。」 シェーラに向けた視線とともに強烈な衝撃・・・。 「どういう・・・ことですか?」 聞くシェーラに震え・・・。 「僕は世界を滅ぼす力を持った悪魔、君が殺せば世界は救われる。」 確信ではないが、虚偽にはけして思えなかった。 世界を滅ぼす悪魔? 「僕は、悪魔の欠片(ハルマゲドン・チップ)、冥王フィブリゾだ。」 ハルマゲドン・チップ・・・知らぬ名ながら強烈な意味を感じられた。 冥王・・・撲殺人参ソードの使者が言っていた「冥王様」――彼は冥王? 信じられない。 いや信じたくないのだ。 「期限は日の出まで、その頃には僕はもう1人の僕、そこに倒れるアプロスの力を奪って悪魔になる。・・・神話時代のあの悪魔だよ。」 カタート神話ならば大まかな部分は知っている。 太陽のまだない世界で平和に住む神々と魔物達――そして最強の魔物、悪魔との死闘。 「さあ、そのチャーハン・ライスで僕を殺してよ。その伝説の勇者の剣で愛するこの僕を・・・」 伝説の勇者の剣? いやそれは今はどうでも良かった。 重要なのは世界とフィブリゾ・・・。 いや、世界か、フィブリゾ殺しの罪を受けずに済むか、だ。 フィブリゾに意志は絶対だと思っていた。 世界を滅ぼすなどと言うことも信じられない。 この少年はフィブリゾではない。 ならば何なのだ。 たとえ違ってもフィブリゾには違いない。 「時間はあんまりないよ。さあ早く。」 相手に恐れなどない。 だがけして死を望むようには思えなかった。 確信している自分がフィブリゾを殺せないのを・・・。 どうすれば良い? しかし答えるものはけしていない。 「時間だね。」 日はやがて昇らんとしている。 とはいえ、ここの闇を照らすには至っていない。 フィブリゾは足音とともにアプロスという少年の元へ・・・。 「さあ、覚醒の時だ。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ もう次回で一段落するかも知れません。 後4話・・・。 |
12386 | 冥王の騎士:53章:世界終焉のその時に | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 12:35:14 |
記事番号12385へのコメント フィブリゾはアプロスへと手を伸ばす。 闇が――音を立てて、蠢く。 それは2つ――だが徐々に共鳴へと向かう。 シェーラの容貌は、その心の罪に濡れていた。 闇は強大・・・初めて世界の終わりを完全に悟った。 せめてその罪を背負うままにしたくはない。 最期に誰かに断罪してもらいたい。 咎められぬ罪が心を蝕む。 闇に堕ちていく。 暗黒・・・世界の終わり。 もう奇跡は起こらないのか? 同調へと駆ける2つの闇をただ見る。しかしは涙に歪んでいる。 悪魔がやがて誕生する。 その時は近い。 この地はまだ闇に閉ざされている。 まだ暁は来ない。いやすでに世界には永遠に来ないのかも知れない。 シェーラは闇の絶望の中・・・。 だが微かな光・・・。 輝きを絶望の中感じられた。 自然にそれへと腕が伸びる。 ・・・黒き球。 手に取ったそれは不思議に輝いていた。 それを握り締めると、最後の決心。 (変われ!) 輝きとともに聖なる剣。 チャーハン・ライスの煌き。 迷いを捨てる。 (フィブリゾ様・・・すみません。) 大地を蹴ってフィブリゾへと・・・。 剣を突き出し・・・。 「えっ・・・」 だがシェーラは逆風に浮遊感――そして落下。 「もう遊びは終わっているんだ。もう世界は滅びるんだよ。」 悪魔が蘇る・・・。 (あなたを殺す覚悟までして・・・) 「せめて最期を見届けることだね。」 そしてアプロスに方に向き直る・・・。 「フィブリゾ・・・様。」 うめくシェーラ。 「うるさいよ君。」 フィブリゾはシェーラに再び視線を向けると、衝撃波を放つ。」 軽く宙を舞ったシェーラが再び叩きつけられる。 「フィブリゾ様・・・」 「あんまりうるさいと、殺すよ。」 絶対的な殺気。それだけが死の力を持つほどの・・・。 だが屈指はしない・・・。 「やめてください・・・」 「黙れ!」 フィブリゾの怒り・・・いや悪魔のもの。 けしてフィブリゾは悪魔などではない。 風の刃がシェーラを切り裂く。 全身に鮮血の嵐。 「あなたは・・・こんなお方では・・・ない。」 「いい加減にしろ!」 闇の塊を生む。 「邪魔だ!・・・消え去れ。」 巨大になったそれはシェーラへと向かう。 「あああああああああああああああ」 強烈な悲鳴。 それが衰え、消えゆかんとしている。 「さあアプロス・・・待たせたね。」 そして共鳴が再び・・・。 闇の呪縛を受け、悶え苦しむシェーラを横目に、それが近づいていく。 悪魔が本当に・・・。 ダメだった・・・。 世界は救えない。そしてフィブリゾすらも・・・。 やはり間違っていたのかも知れない選択。 だが遅すぎる・・・。 もうダメ・・・。もう終わる。 だけど・・・最期に・・・。 「フィブリゾ・・・様・・・お願い・・・目覚めて・・・。」 弱々しき最期の言葉・・・シェーラは力尽き、呪縛が解けると他と同じく地に倒れた。 ◇◆◇◆ 「やはりですか・・・。」 『神殿』には1人。ただゼロスがいるのみ。 「残念ですけど・・・これは・・・。」 溜息・・・その視線の先には倒れるシェーラ。 「結構健闘してくれましたけどねえ。」 だが微笑みは絶えない。 「いよいよ・・・その時ですか・・・。」 世界が震え出す。 そしてゼロスの表情には 「えっ・・・どういうことです!?」 突然の驚き。 一体何が・・・次回に続く。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100話(短い話除いた版)まで後3話。 |
12389 | Re:冥王の騎士:53章:世界終焉のその時に | 渚 | 2002/12/27 13:36:06 |
記事番号12386へのコメント > 同時にゼラスの斬撃は腹部より強烈な出血。 > 「ぐわあっ!」 傷が治ったとこなのに。 > 「切断が不公平と言ってもほんの僅かしか違わなかったんだよフィブリゾ。」 > 苦悶のフィブリゾに対して浴びせるアプロスの傷もかなり深い。 どっちもかなりの苦しい状況ですね。 > 「・・・君達、殺すよ。」 > 闇の解かれたフィブリゾは先ほどまでとなお違った。 今まで余裕交じりの口調が・・・・怖いー。 > 「アプロス・・・力を隠していたのは君だけじゃない。」 二人とも本領発揮ですか!! > 「言い訳は必要ないよ。」 > 「そうよ、さあ告白の時だわ♪」 > 「フラレたら飯奢るぜ♪」 今はそーゆー状況じゃ・・・・。 > 「・・・。」 > ついに声までもを失う。 失いたくもなるわ。 > 「時間はあんまりないよ。さあ早く。」 辛すぎる選択だ・・・・。 > 「さあ、覚醒の時だ。」 覚醒・・・・、フィブもなんか変化とかするんでしょうか。 > だが微かな光・・・。 > 輝きを絶望の中感じられた。 き、希望の光か!? > 「フィブリゾ・・・様・・・お願い・・・目覚めて・・・。」 > 弱々しき最期の言葉・・・シェーラは力尽き、呪縛が解けると他と同じく地に倒れた。 最後の言葉はフィブにとどきましよ、ね。 > 『神殿』には1人。ただゼロスがいるのみ。 ゼラスもこともほっといて見てるだけですかい。 > そしてゼロスの表情には > 「えっ・・・どういうことです!?」 > 突然の驚き。 > 一体何が・・・次回に続く。 えっ!?一体何があるんです!? もしかして、愛が生んで奇跡とか(笑) >100話(短い話除いた版)まで後3話。 後3話ですか、がんばってください!! |
12390 | Re:冥王の騎士:53章:世界終焉のその時に | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 13:48:26 |
記事番号12389へのコメント >> 同時にゼラスの斬撃は腹部より強烈な出血。 >> 「ぐわあっ!」 > >傷が治ったとこなのに。 あれ?すみません。 これゼラスがフィブリゾを斬ったっていう文章です。 分かりにくくて本当にすみません > >> 「切断が不公平と言ってもほんの僅かしか違わなかったんだよフィブリゾ。」 >> 苦悶のフィブリゾに対して浴びせるアプロスの傷もかなり深い。 > >どっちもかなりの苦しい状況ですね。 そうですね。 > >> 「・・・君達、殺すよ。」 >> 闇の解かれたフィブリゾは先ほどまでとなお違った。 > >今まで余裕交じりの口調が・・・・怖いー。 ついにぶち切れました。 > >> 「アプロス・・・力を隠していたのは君だけじゃない。」 > >二人とも本領発揮ですか!! そうです・・・。 やはりフィブの方がはるかに強い > >> 「言い訳は必要ないよ。」 >> 「そうよ、さあ告白の時だわ♪」 >> 「フラレたら飯奢るぜ♪」 > >今はそーゆー状況じゃ・・・・。 何か最近、この2人ギャグキャラに・・・ > >> 「・・・。」 >> ついに声までもを失う。 > >失いたくもなるわ。 そうですね。 > >> 「時間はあんまりないよ。さあ早く。」 > >辛すぎる選択だ・・・・。 シェーラの決断はいかに > >> 「さあ、覚醒の時だ。」 > >覚醒・・・・、フィブもなんか変化とかするんでしょうか。 悪魔になるということです。・・・多分。 > >> だが微かな光・・・。 >> 輝きを絶望の中感じられた。 > >き、希望の光か!? まあどんな中にも希望はあるはずです(か?) > >> 「フィブリゾ・・・様・・・お願い・・・目覚めて・・・。」 >> 弱々しき最期の言葉・・・シェーラは力尽き、呪縛が解けると他と同じく地に倒れた。 > >最後の言葉はフィブにとどきましよ、ね。 さてフィブはこのまま世界を滅ぼしてしまうのか! > >> 『神殿』には1人。ただゼロスがいるのみ。 > >ゼラスもこともほっといて見てるだけですかい。 一体何を考えているのでしょうこの人は・・・。 > >> そしてゼロスの表情には >> 「えっ・・・どういうことです!?」 >> 突然の驚き。 >> 一体何が・・・次回に続く。 > >えっ!?一体何があるんです!? >もしかして、愛が生んで奇跡とか(笑) ううむ滅茶苦茶ありえます。(おい) > >>100話(短い話除いた版)まで後3話。 > >後3話ですか、がんばってください!! はい。 明日、明後日にはいけるかと・・・。 それでは〜 どうもありがとうございます。 |
12392 | 冥王の騎士2:決章:温もりよ永遠に | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 14:25:34 |
記事番号12125へのコメント 闇――ただそれだけ。 光は1つない・・・今は・・・。 閉ざされた牢獄。 フィブリゾは1人いた。 (シェーラ・・・助けて。) だが声は届かない。 何も変わらず世界は常に闇。 光はない・・・。 朝はもう来ないかも知れない。 悪夢――そこから自分を切り離すことは出来ない。 覚めない悪夢――永遠なのかも知れない。 そう思うとすべての苦しみが込み上げてくる。 フィブリゾは泣いた。だがそこに涙はない。 泣いた・・・叫んだ。 声も何もそこには存在しない。 虚無の世界――すべてを失った悪夢。 「フィブリゾ・・・様・・・お願い・・・目覚めて・・・。」 一瞬、希望の欠片が見えた。 闇に苦しみ・・・肉体より消え果てんとしていたフィブリゾにも希望。 戦う希望・・・。 (僕は負けない。) この肉体を支配するやつに・・・。 絶対に負けない。 光が生まれた。どんな光よりも眩い光。 上天すらも突き破り世界の最果てまで届かんが如き金色の輝き。 暗闇から生まれたそれはすべてを鮮やかに照らした。 ただ視界は純白・・・そして温もりがあった。 (僕は戦う。) そして――勝つ。 闇が襲ってくる・・・。 だけど負けない。 闇と光が対峙し・・・。 すべてが力の奔流に流されて――。 ◇◆◇◆ 「―――ラ。」 世界が揺れている。 「――ーラ。」 それは優しく、温かく。 「―ェーラ。」 輝き――薄目に飛び込む神々しき輝き。 「シェーラ!」 風が軽やかに旅する。それはかくも温かきものであっただろうか。 野の草花は風に舞い、天の白光に強く照らされている。 そして何より――その姿。 フィブリゾがそこにいた。 「シェーラ大丈夫?」 我が身、見やればすでに傷はない。 「もうこの娘は目覚めたかい・・・フィブリゾ?」 そこにはもう1人・・・。 「うん、治してくれてありがとう。アプロス。」 だが闇が消えたわけではない。 「そのことは良いんだよ。それより僕はもう行く。悪魔の欠片としての力をなくしたわけじゃないからね・・・いつか奪いに来るよ。」 微笑み・・・だが邪悪ではない。 悪魔も本当は邪悪ではないのかも知れない。 そんな気がふとシェーラに胸に・・・。 「大丈夫だよ。シェーラが護ってくれるから・・・ね。」 「・・・・・・・・・・・」 温かい。フィブリゾの容貌にシェーラの頬が火照る。 「・・・・はい。」 頷いて、その後フィブリゾに微笑み。 そして世界で一番の温もり――。 「アプロス様・・・そろそろ行きましょう。」 ゼラスが突然アプロスの背後に・・・。 だが驚くことはなく、ただ優しい笑顔を浮かべると、 「じゃあ行こうか・・・。」 闇の運命を背負うもの――しかし、その名には似合わぬ笑顔・・・。 「ゼロスにはお仕置きだね。」 「はい、もちろん地獄を見せて置きます。」 2人は去った。 だが『撲殺人参ソード』の脅威が去ったわけではない。 フィブリゾから悪魔の欠片が消えたわけでもない。 いつかまた悪魔の覚醒の危機が訪れるであろう。 フィブリゾと抱き合ったシェーラは、その時は自分が護るとそう強く心に打ち込んだ。 ◇◆◇◆ 「全く朝っぱらから何やってんだか。」 「ふっふっ・・・やっぱりフィブリゾ君にはシェーラよね。」 密かにその様を眺める2人。 世界に平和――だがまだ、旅は終わってはいない。 |
12395 | 後書き | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 14:57:13 |
記事番号12392へのコメント ついについについに、冥王の騎士2完結〜。 フィブリゾもシェーラもエルもガーヴもアプロスにゼラスもスターゲイザーも無事でしたね・・・。 えっゼロス?・・・あれは無事じゃすまないですよ。 アプロスのやられっぷりを観て独りで盛り上がって助けにはいかなかったし・・・。 でもゼロス君にも一応やることがあったのです。 それは――悪魔復活記念式典の主催・・・。 ・・・まあそんなもん言い訳にもなりませんが・・・。 話の中には多分出ないでしょうが、もの凄い目にあわされるでしょう。 そりゃあもうひどい目に・・・。 さてまだまだこの話続きます。 本当に長くなります。 まだまだ長くなります。 次回は恐らくノーストやヒムドなどにスポット(犬←何回目だこのネタ)が当たるかと思われております。 ノーストの姉が登場。 アインはどうなった? イーストフード辺境で一体何が・・・。 舞台はグラウシェラーの本拠地ノースポイントに移るかと・・・。マツタケ・シティあっさり人全滅しちゃったし・・・。 スターゲイザーもう出番ないかも・・・。 本当にないかも知んないので――あったとしてもかなり後――ここで黒毛和牛の鎧(でーク・スター)について・・・。 黒毛和牛の鎧(ダーク・スター)の部位 剣:烈光の牛尾(ゴルンノヴァ)強力な剣です。チャーハン・ライスやロマネ・コンティには及ばないかと思われます。 臑当て:瞬撃臑(ラグド・メゼギス)素早く陸上移動できる特性あり。 腿当て:毒腿肉(ネザード)臑当てと同じく素早さを上げます。 腹部:破神腹(ボーディガー)強烈な魔法も防ぐ耐久力、全身に有効。 ショルダー・ガード:肩風弓(ガルヴェイラ)ここより風の刃を飛ばすことが可能。 背中:巨大腰上部肉(ヘカトンケイル)飛行能力と空間転移が使用可能に・・・。 体内(丸薬):闇を撒くフィレ(システム・ダーク・スター)服用すれば恐怖を滅びを撒くことの出来る便利な丸薬。フィレ肉味。 こんな感じですかね。 さてもう98話・・・。 ちなみに99話目は作成完了・・・。 新ツリーで3が始まります。 それでは、最後にレスくださった エモーション様。 渚様。 gure-to masa様。 由紀まる様。 陽月様。 大変ありがとうございました。 もちろん1の時にレスくださった方々にも大変感謝しております。 それでは失礼しました。 (プレゼントクイズはもしも100話達成出来ましたら書きます。) |
12396 | よかったー | 渚 | 2002/12/27 16:21:51 |
記事番号12395へのコメント フィブが最後に闇に勝ってよかったよ〜!! みんな無事だし・・・・あ、なまごみは無事じゃないか・・・・。 ま、それはおいといて。 でも、いつまた何が起こるかわからない・・・・アプロスもねらってるし・・・・。 シェーラがフィブを守るから大丈夫か。 さて、最後はぼけ役立った(笑)エルとガーヴはこれから一緒にいるんですかねー。 次回、ノーストやヒムドのことですか。 さてさてプレゼントクイズですか、わくわくです。 私は答えられないと思いますが・・・・これからもがんばってください。 |
12398 | Re:よかったー | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 17:36:00 |
記事番号12396へのコメント >フィブが最後に闇に勝ってよかったよ〜!! やはりフィブは強いんです。・・・多分。 >みんな無事だし・・・・あ、なまごみは無事じゃないか・・・・。 >ま、それはおいといて。 まあ当然の報いですね。 >でも、いつまた何が起こるかわからない・・・・アプロスもねらってるし・・・・。 まあこの後はしばらく出番ないかと・・・。 >シェーラがフィブを守るから大丈夫か。 何とかなります・・・。主人公ですし(おい) >さて、最後はぼけ役立った(笑)エルとガーヴはこれから一緒にいるんですかねー。 そうなりますね。 >次回、ノーストやヒムドのことですか。 はい。2大変態野郎大暴走編です。 >さてさてプレゼントクイズですか、わくわくです。 リクになるかと・・・。 >私は答えられないと思いますが・・・・これからもがんばってください。 それでは レスどうもありがとうございます |
12399 | すみません。 | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 17:47:21 |
記事番号12395へのコメント > 由紀まる様。 由季まる様。の間違いでした。 本当にすみません |
12405 | Re:冥王の騎士2:決章:温もりよ永遠に | エモーション E-mail | 2002/12/27 22:01:33 |
記事番号12392へのコメント こんばんは。 やった!シェーラちゃん一世一代の「ときめきラブアタック」大成功! フィブリゾ君ってば、シェーラちゃんのために根性入れたのね。(ほろほろ) ひとまず、めでたしめでたし。 ところでエル様とガーヴ様、振られたらおごるとか言ってましたが。 この場合は祝杯でもあげるんでしょうか。 ……ついでにすっかり忘れてましたが、アイン君、どーなったのでしょう? > 「ゼロスにはお仕置きだね。」 > 「はい、もちろん地獄を見せて置きます。」 > 2人は去った。 あ、やっぱしどつかれますか、ゼロス(笑)当然だけど。 > だが『撲殺人参ソード』の脅威が去ったわけではない。 ゼロスには驚異が迫ってますね。 > 「全く朝っぱらから何やってんだか。」 > 「ふっふっ・・・やっぱりフィブリゾ君にはシェーラよね。」 > 密かにその様を眺める2人。 こうして、フィブシェラウオッチャーがまた1人増えたのでした……。 面白かったですー!! ……とか言っている間にも、すでに続きが上にありましたね。 では、引き続きそちらへ参ります。 |
12406 | Re:冥王の騎士2:決章:温もりよ永遠に | D・S・ハイドラント | 2002/12/27 22:22:54 |
記事番号12405へのコメント >こんばんは。 こんばんは > >やった!シェーラちゃん一世一代の「ときめきラブアタック」大成功! さてこれから2人はどうなるのでしょうか >フィブリゾ君ってば、シェーラちゃんのために根性入れたのね。(ほろほろ) 彼は強いです。精神的に・・・・ >ひとまず、めでたしめでたし。 そうですね。 >ところでエル様とガーヴ様、振られたらおごるとか言ってましたが。 >この場合は祝杯でもあげるんでしょうか。 そうでしょうね。 >……ついでにすっかり忘れてましたが、アイン君、どーなったのでしょう? 次回、明らかになります。 > >> 「ゼロスにはお仕置きだね。」 >> 「はい、もちろん地獄を見せて置きます。」 >> 2人は去った。 >あ、やっぱしどつかれますか、ゼロス(笑)当然だけど。 当然です・・・。 サボり&覘きですから・・・。 > >> だが『撲殺人参ソード』の脅威が去ったわけではない。 >ゼロスには驚異が迫ってますね。 迫ってます。 > >> 「全く朝っぱらから何やってんだか。」 >> 「ふっふっ・・・やっぱりフィブリゾ君にはシェーラよね。」 >> 密かにその様を眺める2人。 >こうして、フィブシェラウオッチャーがまた1人増えたのでした……。 増えました。 どんどん増えて混乱しそうです・・・。 > >面白かったですー!! それはどうもありがとうございます。 滅茶苦茶嬉しいです。(満面の笑み) >……とか言っている間にも、すでに続きが上にありましたね。 はい。 なぜか今日は書きまくってしまいました。 >では、引き続きそちらへ参ります。 はい。 どうもありがとうございます。 |