◆−使命を守りし者 10 第三部 愛のための死……−gure-to masa (2003/1/6 20:27:55) No.12629 ┣Re:使命を守りし者 10 第四部 終戦……−gure-to masa (2003/1/6 20:53:42) No.12630 ┃┗Re:使命を守りし者 10 第四部 終戦……−D・S・ハイドラント (2003/1/6 22:32:25) No.12633 ┣使命を守りし者 11 最後の戦いの幕開け−gure-to masa (2003/1/7 15:45:16) No.12650 ┣使命を守りし者 12 世界を賭けた戦−gure-to masa (2003/1/7 19:43:17) No.12660 ┃┗Re:使命を守りし者 12 世界を賭けた戦−D・S・ハイドラント (2003/1/7 19:49:36) No.12661 ┣使命を守りし者 13 ラストバトル(前)−gure-to masa (2003/1/10 15:20:59) No.12742 ┗使命を守りし者 13 ラストバトル(中)−gure-to masa (2003/1/11 20:48:17) No.12796 ┣Re:使命を守りし者 13 ラストバトル(中)−D・S・ハイドラント (2003/1/11 22:02:16) No.12797 ┗使命を守りし者 13 ラストバトル(後)−gure-to masa (2003/1/11 22:06:17) No.12798 ┗使命を守りし者 14 混沌へ−gure-to masa (2003/1/13 10:26:29) No.12829 ┗使命を守りし者 15 エピローグ−gure-to masa (2003/1/13 12:41:04) No.12832 ┗Re:使命を守りし者 15 エピローグ−D・S・ハイドラント (2003/1/14 17:23:45) No.12864
12629 | 使命を守りし者 10 第三部 愛のための死…… | gure-to masa | 2003/1/6 20:27:55 |
ドカ〜〜〜ン!! 爆音と炎に包まれるカタートと水竜王神殿を私は、近くの高台で見学していた。 すでにカタートは火の海と変わり、兵士や神官に一般市民も死んでいく。 しかし私の心には何も感じなかった。 私の仕事はラルタークやラーシャートのように神殿攻略ともゼロスのように 援軍である黄金竜や黒竜といった竜族を倒すのでもない。 これは私だけにしか出来ない高度な任務…… 神と魔の2つの力を使える私だけの…… そしてこの戦争で最も悲しい任務…… そのために私はこの地にいる。 全てはあの御方々のために…… 私が水竜王様の祠に来た時、既に戦いは始まっていた。 蒼い竜の水竜王様と真っ赤な三つ首の魔竜となり赤眼の魔王と同化したガーヴ様が 激しい争いをしている。 その近くで私は、早速任務には取り掛かった。 水竜王様とガーヴ様の魔力がこもった武器に私の魔力を注ぎ込む。 それが済むと、武器に高度な神聖呪文・黒魔法の特殊な呪文を書き込む。 準備は完了した。 後は、どちらかが傷つくのを待つのみ。 そして、そのときが来た。 まだ目覚めて間もないとはいえ、赤眼の魔王の攻撃に水竜王様の身体はぼろぼろに なってしまった。 「すでに決着も着いたな、水竜王よ」 「私とした事が……7分の1の魔王ごときに……」 「死して、赤の竜神に詫びるんだな…ガーヴ!!」 「はっ!!」 赤眼の魔王の命令で、ガーヴ様が人の形になった。 赤眼の魔王は自分の武器――骸骨杖をガーヴに手渡した。 それが合図だった!! 私はすぐさまアクアアベンジャを使って神聖呪文を唱える。 その間にも、ガーヴ様は水竜王様にトドメをさすべく近づいている。 「マルク・ドル・ゲン・エン……イズラ、ソウルコントロール!!」 「死ね!!水竜王!!」 ガーヴ様が水竜王様の額に骸骨杖を突き立てた時、呪文は作動した。 ソウルコントロール……最も高度な神聖呪文の1つで、殺した相手の魂の一欠けらを使い、相手の魂の行く末を制御する魔法である。 「ガァ〜〜〜!!」 ガーヴ様が真っ赤な球にかわり、それは祠の天井を突き破りやがて消えた。 赤眼の魔王も私に気づいたようだ。 「そなたは何者だ!?」 「傭兵だよ……ただのな!!」 「ただの傭兵がこんな高度の神聖呪文が唱えられるものか!! それにこの男の記憶にお前の顔がある……」 「そうなんだ〜。レイ・マグナスのおっさんも私の事覚えてたんだ」 「しかし、その呪文には欠点がある」 (!!??) 赤眼の魔王の言葉に、私はびっくりし水竜王様を見た。 私はあの2人から、そんな事を聞いてはいない。 「その様子では、聞いていないようだな……」 「赤眼の魔王よ、早く私にトドメを刺すがいい!!」 水竜王様の叫びを無視して、赤眼の魔王は言った。 「その呪文の代償は、殺した者から殺された者の記憶を抹消する事だ!!」 「!!!!!!!!」 赤眼の魔王の言葉に、私はただ呆然とするしかなかった…… |
12630 | Re:使命を守りし者 10 第四部 終戦…… | gure-to masa | 2003/1/6 20:53:42 |
記事番号12629へのコメント 「ま……抹消……」 「そうだ!!抹消だ」 私の言葉を、赤眼の魔王が復唱する。 そんな事、私は一言も聞いていない。 水竜王様はすでに魔王の手にとって、死んだ。 この場にいるのは、赤眼の魔王と私だけ…… 「貴様があの2人の愛を引き裂いたのだ!!腹心であるお前がな!!」 その言葉が私の心にぐさりとつき刺さった。 あの2人の愛を引き裂いたのが、この戦争ではなくこの私だった…… しかし、最後の大仕事が残っている。 水竜王様と魔竜王様の2人から出た最後の命令が…… ダークノヴァとアクアアベンジャを赤眼の魔王めがけて構える。 「貴様如きにこの魔王が滅ぼされるものか!!」 赤眼の魔王が突進してくるが、私は冷静に呪文を唱えた。 「ファイヤ…アマルガム…アマルガム……イムスズ…ソウルコーティング!!」 「何!?その呪文は!?」 私の唱えた呪文は正確に作動し、その役目を終えた。 そして、任務を終えた私は次の任地に向かった。 「やっと出来た…」 聖魔の森にやって来て、私は初めて笑った。 ここは水竜王様とガーヴ様がよくデートに来た所…… そして、私の任務はここの管理。 ハンターからユニコーン達を護る事。 風の便りで、赤眼の魔王は水竜王様の魂を使った魔法でカタートの祠に封印されたと聞いている。 ここを守り、そしていつかここにあの2人が来る事が私の望み…… しかし、私はその望みが叶えられない物だと知っている…… 呪文の解説 ソウルコーティング……死に瀕した者の魂を媒介に使う最高等神聖呪文…… 媒介になった魂の属性によって、その封印の形は変わる。 この呪文を使用すると、寿命がかなり消耗されてします。 たいていの術者は、自分の魂を使う。 |
12633 | Re:使命を守りし者 10 第四部 終戦…… | D・S・ハイドラント | 2003/1/6 22:32:25 |
記事番号12630へのコメント >「ま……抹消……」 >「そうだ!!抹消だ」 ガーヴが水竜王様のことを忘れちゃうんですね。 >あの2人の愛を引き裂いたのが、この戦争ではなくこの私だった…… ううむ命令とはいえ・・・ >水竜王様と魔竜王様の2人から出た最後の命令が…… おっ >風の便りで、赤眼の魔王は水竜王様の魂を使った魔法でカタートの祠に封印されたと聞いている。 魔王を封印するのが最後の大仕事だったんですね >ここを守り、そしていつかここにあの2人が来る事が私の望み…… >しかし、私はその望みが叶えられない物だと知っている…… 哀しいですね。 それでは〜 |
12650 | 使命を守りし者 11 最後の戦いの幕開け | gure-to masa | 2003/1/7 15:45:16 |
記事番号12629へのコメント 「獣王様!!」 ブラスの話が終わったと思うと、いつの間に居なくなっていたゼロスが小屋に入って来た。 「どうしたの、ゼロス?」 「北の空を見てください!!」 ゼロスの必死な表情に、ゼルが窓から北の空を見ると、唖然とした。 ゼルが唖然としているのと見て、リナが覗いてみるそこにそれらはいた。 魔王竜の大群とそれを軽く上回る巨大な魔竜が…… 「ついにきたか!!」 ゼラスはゆっくりと外に出た。 空は魔王竜の色で染まり、その中心には浮かぶ巨大な魔竜がいた。 2つの首に、前後に赤と青の翼を持った魔竜。 それが魔竜将軍セフィクスの真の姿である。 ガーヴに似て、その存在感はゼラスやダルフィン、グラウシェラーをも圧倒している。 「何の目的だ?これだけの魔王竜の引き連れて? いくらお前が成長しても、私達に対抗できると思っているのか!?」 「この森を守る事が、私の使命!! それのためなら、例えこの身体が消滅しても!!」 セフィクスはそう言いながら、ゼラスに向けて炎を吹き掛けた。 「私達も加勢するわ!!」 ダルフィンやグラウシェラーが魔力のこもった水と氷で攻撃を仕掛ける。 が、セフィクスは飛んでそれを簡単に避けた。 「当たりませんよ、獣王のおば様!!」 「うるさい!!」 セフィクスの悪口に、ゼラスは頭に来た。 今まで彼女をおば様と呼んだのは、セフィクスだけ…… しかも、陰口ではなくおもいっきりゼラスの目の前でだ。 幾度かセフィクスを滅そうとしたが、その度にガーヴやダルフィン、グラウシェラーに止められてきた。 しかし、今回は邪魔は居ない!! (絶対、殺す!!) 今までに無い程の殺気を放出して、ゼラスは攻撃に入った。 (つ……強い……) リナは目の前で繰り広げられる戦いに、驚いていた。 高位魔族を3人相手にして、その1つ下の魔族が互角に戦っているのだ。 (一体、どうやったらああなるのかな?) 「リナ、どうするんだ?」 「へえ!?」 ガウリイの問いに、リナはまぬけな声で反応した。 「あの3人が負けたら、俺達じゃないのか?」 「どうしてよ?」 「この森に無断で入り、ユニコーンの角を取ろうとしたから」 「ウ……」 何やら本を読んでいるゼルの突っ込みにリナは唸ったが、すぐに話を変えた。 「その本は何?」 「世界各地にあるクレアバイブルのありかを記した地図だ。」 「そんなもんあったの!?」 「ブラスから許可を得て、既に俺の物だがな」 ゼルはそう言いながら、又本に目を向けた。 リナが戦いに目を向けると、いまだ戦いは続いている。 ゼロスも加わり、高位魔族4人対魔竜将軍and数多の魔王竜…… 戦力的に魔族達の方が分があるが、決定的な破壊力がない。 それに対し、魔王竜達は組織的な攻撃をしているがゼロス達に傷もつける事が出来ずにいる。 と、その時!! 「ああ……やってるね〜〜!!」 かつて聞いた事がある野太い声に、リナは後ろを振り向いた。 そして、そこには想像通りの人物が立っていた。 |
12660 | 使命を守りし者 12 世界を賭けた戦 | gure-to masa | 2003/1/7 19:43:17 |
記事番号12629へのコメント 「ガ……ガーヴ……」 リナの目の前には、かつて彼女の目の前で滅びた赤眼の魔王五腹心で最も獰猛な 高位魔族――魔竜王ガ―ヴが竜神官ラルタークと竜将軍ラーシャートをともなって 静かに立っていた。 「何で、滅びたはずのアンタがここにいるの!?」 「部下を始末するためにな」 『!!??』 ガーヴの言葉に、その場にいた全員が首を傾げた。 部下の始末と言う事は、ガーヴがセフィクスを始末しに来たと言う意味では無いか? 「ど……どうしてですか、ガーヴ様!?」 「すまねえな、セフィクス……これも任務だ」 そう言いながら、ガーヴは長剣を抜いた。 それにならって、ラルタークは杖を…ラーシャートは大剣を構える。 しかしセフィクスには何が何だか分からなかった。 「どうしてですか!?この私が、何故?」 「お前は自分がどんな状態になっているのか、分かっていってるのか!!??」 ガーヴの強い口調に、セフィクスは黙った。 周りの全員は何が何だか訳が分からない。 「どういう事だ、ガーヴ?」 「早く言えば、このままセフィクスを生かしとくとこの世界がやばいんだよ」 『!!!??』 ガーヴの言葉に、全員が唖然とした。 セフィクスが生きると、この世界がやばい…… 「早く言うと、この世界が消滅するという事ですじゃ」 「どうして、この世界が消滅する!?」 「それを説明するには、セフィクス殿がどのような存在かを知ることです。 そして、ラルタークによる<竜神官の楽しい説明会in魔竜将軍の存在について>が 始まった。 「元々、セフィクス殿は魔の属性を持ったダークエルフと人間の間に出来た ハーフエルフです……しかし、彼女はその属性を反して水竜王様の巫女の長になり 水竜王様に直接御仕えするになりました。 が、今度は死して全くの反属性でもある魔族になりました。 そのお陰で、セフィクス殿は神・魔の両方の力を得ることが出来ましたが、それにはある重い障害があります」 「重い障害?どんな?」 「彼女は神と魔の力を別々に分けて制御してきました……しかしゼラス様方との 戦闘中、どうしても制御するよりも戦闘に集中してしまいます」 「制御できなかったら?」 「異界の魔王――ダーク・スターの2の舞……我を忘れ、ただ戦いにのみ生きる 破壊神化するのですじゃ」 ダーク・スターの2の舞…… その言葉に、その場にいた誰もが息を飲んだ。 それだけはさけなければ!! 「で、どうすればいいの!?」 「簡単なことだ。セフィクスを倒せばいい」 ガーヴの分かりやすい答えに、誰も首を立てに振った。 ここにはこの世界でも屈指の人間と高位魔族がいる。 これなら、いくらセフィクスが強いとは言え勝てる。 「では、行きますか!!」 『おお!!』 リナの声に全員が大声を上げ、戦闘隊形を取った。 こうして、世界を賭けた戦が始まった。 あと1〜2話で終わります!! では、さいなら!! |
12661 | Re:使命を守りし者 12 世界を賭けた戦 | D・S・ハイドラント | 2003/1/7 19:49:36 |
記事番号12660へのコメント >「何で、滅びたはずのアンタがここにいるの!?」 >「部下を始末するためにな」 何の理由にもなってないような気がしますがガーヴだから良いか >そして、ラルタークによる<竜神官の楽しい説明会in魔竜将軍の存在について>が >始まった。 楽しいんですか >「異界の魔王――ダーク・スターの2の舞……我を忘れ、ただ戦いにのみ生きる >破壊神化するのですじゃ」 ほう・・・。倒すなら今のうち >あと1〜2話で終わります!! >では、さいなら!! ではがんばってください それでは |
12742 | 使命を守りし者 13 ラストバトル(前) | gure-to masa | 2003/1/10 15:20:59 |
記事番号12629へのコメント ※ここからはリナ達は、セフィクスの創った精神世界にいます。 「死ねるか〜〜!!」 完全に気が狂ったのか、セフィクスは咆哮のような叫び声を上げた。 そして何やら呪文を唱えている。 「赤き瞳の者よ…ここに滅びを望む者が居る そなたの力を持ってその者に真なる滅びを与えん・・・竜爆弾(ドラグ・ボーム)!!」 その力ある声が空に、何百を超える火球が出現した。 そのせいで、周りが赤く染まっている。 「何よ、この呪文!?」 「赤眼の魔王の力を借りた黒魔法だ。 しかも、いくら魔力許容量が高くても使えないほどのな!!」 ガーヴの説明を聞いたリナはある実験をした。 「竜破斬(ドラグ・スレイブ)!!」 リナの放った竜破斬はセフィクスに向かったが、火球に阻まれてしまう。 しかし、セフィクスの火球は次から次へ飛んでくる。 それをガーヴが咆哮し、消している。 「今の俺の力じゃセフィクスは傷つけられるか分からん。 リナ=インバース、お前の神滅斬が頼りだ」 「分かったわ」 ガーヴはそう言うと、セフィクスめがけて突進を仕掛けた。 それにラーシャートとグラウシェラーも続く。 セフィクスはそれに気づき、又数百個の火球を彼らに叩き込む。 セフィクスの後ろから斬妖剣(ブラストソード)を持ったガウリイと ブラスの変形した剣を持ったゼルが攻撃を仕掛ける。 まだ戦いは続きそうだ。 |
12796 | 使命を守りし者 13 ラストバトル(中) | gure-to masa | 2003/1/11 20:48:17 |
記事番号12629へのコメント 「なめるな〜〜!!」 セフィクスの起こした風がガーヴ達を吹き飛ばした。 吹き飛ばされた5人は、思いっきり地面に叩き付けられる。 「結構やるようになったな、セフィクス!?」 「この千年間、ただ生きていた訳じゃない。 少しでもガーヴ様や水竜王様の力になるためにも・・・・・・そして、今や あのフィブリゾの陰険野郎よりも強くなりました」 そう言ったセフィクスは、また竜爆弾を放ってきた。 しかも、今度のはさっきのとは桁違いの数だ。 「あの森を守る為なら、ガーヴ様と言えども容赦しません!!」 「それでいいんだ!!」 戦いを楽しんでいるようなガーヴだったが、その場にいたリナ達には 本当はこの戦いを最も悲しんでいるのは彼ではないのかと感じていた。 その証拠に彼の長剣は、鞘にかかったままだった。 「ガーヴよ、鞘ぐらい抜け」 「ああ!!すまん」 グラウシェラーに促され、ガーヴも鞘を抜いた。 セフィクスは竜の姿をやめ、いつもの姿の戻った。 「いいのか?」 「はい・・・それにこの方がやり易いんです・・・・・トドメを刺すには・・・」 セフィクスは全身から殺気を放出させながら、また呪文を唱え始めた。 「我此処にあり・・・金色の母よ・・・我の軽蔑せし者よ・・・その怒りを持って、 我を滅ぼさんとせし者どもをその胎内にかえせ・・・・・・・」 「やばい!!ゼラス!!ダルフィン!!グラウシェラー!!」 「どうした、ガーヴ!?」 これまでに無いガーヴの驚きに、ゼラスが問い掛けた。 「すぐに結界張れ!!全力でだ!!」 「一体、何の魔法なんだ?」 「<あの御方>の魔法だ!!」 『!!??』 ガーヴの言葉にゼラス達ははっとし、すぐさま結界を張った。 そして、リナ達もすぐに分かった。 魔族を離脱したガーヴが唯一と言って恐れる者・・・・・・そうたった1人しかいない。 全ての魔族・生物を創り上げた者――金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア) その力は計り知れず、リナの重破斬で世界は滅びてしまうのだ。 そして、リナにとっては高位魔族と対等に戦える唯一の魔法でもある。 「彼女が制御できるの?」 「出来るから、結界張ってるんだろうが」 ガーヴはリナにぼやきながら、自分も結界を張る。 「奴が魔法を撃った後、少しだけ隙ができるからその間に」 「分かったわ」 ガーヴの言いたい事を察知したリナはすぐに神滅斬の準備にかかった。 その時、ついにセフィクスの魔法が完成した。 「全滅斬(オール・スレイブ)!!」 何百本の漆黒の矢がリナ達めがけて飛んでくる。 と、その時だった。 飛んできた漆黒の矢がすべて消滅した。 そして、リナの後ろからかつて聞いた事のある声がした。 「ここまで成長したんですか」 「その声は・・・・・・」 その中でも、ゼルが特に動揺している。 「何故、おまえが此処にいる?」 ゼルが振り向くと、そこには1人の人間が立っていた。 そう昔、赤法師の異名を持った者が・・・・・・・ |
12797 | Re:使命を守りし者 13 ラストバトル(中) | D・S・ハイドラント | 2003/1/11 22:02:16 |
記事番号12796へのコメント >「この千年間、ただ生きていた訳じゃない。 >少しでもガーヴ様や水竜王様の力になるためにも・・・・・・そして、今や >あのフィブリゾの陰険野郎よりも強くなりました」 凄いですね・・・。 フィブリゾを陰険野郎という辺りやはりガーヴの部下なんですねえ >魔族を離脱したガーヴが唯一と言って恐れる者・・・・・・そうたった1人しかいない。 ううむ我が魔竜王は別の意味で恐れてるかも >「全滅斬(オール・スレイブ)!!」 とにかく全滅させるんですね >そう昔、赤法師の異名を持った者が・・・・・・・ なぜ・・・? そして彼の登場で自体は収拾つくのでしょうか。 次回に期待です。 |
12798 | 使命を守りし者 13 ラストバトル(後) | gure-to masa | 2003/1/11 22:06:17 |
記事番号12796へのコメント 「レ…レゾ……」 殺意をこめた声で、ゼルは呟いた。 彼の目の前には、彼をこんな姿にした張本人であり赤眼の魔王(7分の1) でもある赤法師のレゾが立っていた。 「どうしてアンタがここにいる?」 「ちょっと手助けですよ…彼女の呪文を真正面からとめようとするんですから」 「で、どうするつもりだ、レゾの旦那?」 ガーヴの近くまで歩いてきたレゾに、ガーヴが質問した。 すでに彼らは混沌で知り合っているようだ。 「私も金色の母より力を借りてきています。 少しの間、彼女の動きを止めますから貴方は彼女の武器をどちらか取って下さい」 「どっちか?両方じゃなくて?」 「そうです…あれが彼女の力をコントロールする鍵ですから」 「分かった」 簡単な打ち合わせをしたレゾは、早速セフィクスの動きを封じた。 「っく!!??」 「今です、ガーヴ!!」 レゾの合図と共に、ガーヴはセフィクスの持っていたダークノヴァを取り上げた。 そして、その意図を分かったラーシャート・グラウシェラー・ガウリイは 己の獲物をセフィクスの身体に突き立てた。 「ガアアア!!!」 「今です、リナさん」 レゾの合図と共に、リナは中断していた神滅斬でセフィクスを真っ二つにした。 そして爆炎…… 「やったの?」 「多分……」 リナの問いに、レゾはそう言った。 さすがのセフィクスも神滅斬をまともに食らえば、もう終わりだろう。 力を制御する鍵を奪われた彼女も、これで死んだだろう。 「さすがに疲れたわね」 「そうでもないですよ」 そう言って、杖を構えたレゾの視線を見ると、リナは唖然とした。 そこには身体が真中から半分になっても立っているセフィクスがいた。 「まだやる気!?」 「そうでもないみたいですね」 レゾはそう言うと、虚空から大きな貝がいきなり出現した。 そして、その中から1人の女性が出てきた。 「ア…貴方は……」 セフィクスの呟きに、答えるかのようにその女性は答えた。 「私の名は、ファーブラ…導く者……」 「ファーブラだと!?」 その名に、ガーヴがすばやく反応した。 「何、そのファーブラって?」 「俺が混沌にいるときに聞いた事がある」 「この世で、唯一…金色の母に支配されず、金色の母の運命すら決めてしまう 程の異世界の預言者ですよ」 「金色の魔王の運命すら!?」 その言葉に、リナは驚くしかなかった。 金色の魔王の運命すら決めてしまう存在がある事など初めて知った。 しかも、その存在が目の前にいるなんて・…… そして、ファーブラは予言した。 後、少しで終わります!! |
12829 | 使命を守りし者 14 混沌へ | gure-to masa | 2003/1/13 10:26:29 |
記事番号12798へのコメント 私の名は、金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)……創造主…… 導く者ファーブラ……何処からともなくやって来た異界の予言者にして、 私の運命すら予言できる存在…そして、私が貝の館に封印した者…… 彼女の語る予言は、未来そのもの……その予言からは誰も逃れられない…… 誰も……それが死者であっても、何も変わらない…… 「予言します……魔竜将軍セフィクス・ラフィールよ……金色の母の胎内――― 混沌に帰ろうとする事を拒む者よ……もう貴方に生きる時間はない・・・・・・ 潔く混沌へ帰るべきでしょう……それが貴方のためです……」 「私が死ぬと言うのか……ファーブラ……」 ファーブラの言葉に、私は愕然とした。 滅び――それは、私の一番嫌いな金色の魔王の胎内に帰ると言う事…… つまり、私はあの森を――ガーヴ様と水竜王様の愛する森を守る事が出来ない… 「それだけは嫌だ〜〜!!」 セフィクスは咆哮し、最後の手段にでた。 それが自分で無くなってしまう事を知って…… 「なによあれ!?」 リナは驚いた。 セフィクスが自分の連れてきた魔王竜を吸収しているのだ。 魔王竜達も必死に抵抗しているが、その努力もむなしく吸収されている。 「よくあんな事ができますね」 「既にそれが手遅れとも知らずにな」 「どういう事!?」 レゾとガーヴの会話に、リナは割って入った。 この2人は今セフィクスがしている事に、哀れんでいるように聞こえたからだ。 「セフィクスが何やってるのか、分かるの?」 「ええ、あれが彼女が生きるための最後の手段であり、あの御方を冒涜する 自殺する方法ですから」 「自殺!?それどういう事?」 「通常、私達は生物の負の感情を食っていますが、それよりも最もおいしい食事が あるんです」 「食事?」 「ええ……生きた物をそのまま食べて、自分の力に換えるんです…… しかし、この方法では圧倒的に我ら魔族にとって有利になりかねないので金色の 母より禁止令がでてしまったんです」 「つまり、彼女はその禁を破った……」 「そういう事です…しかし、ファーブラの予言はもう出ましたから」 レゾがそんな事を説明している内に、セフィクスの変化が現れた。 少しずつだが、セフィクスの下半身が石化し始めている。 「な……何なんで!?」 「あなたの最後ですよ……そのまま砕ける運命なのです」 「運命だと!!こんな死に方が運命なのか!!」 セフィクスはもがいているが、石化は徐々に彼女をむしまんでいく。 そして、彼女の顔すら石化しセフィクスだった物は簡単に砕け散った。 |
12832 | 使命を守りし者 15 エピローグ | gure-to masa | 2003/1/13 12:41:04 |
記事番号12829へのコメント 「やっと終わったな」 もとも森に戻り、ガーヴはそう呟いた。 「じゃ、先に帰っていますよ」 「ああ、こっちも最後の仕事が残っているからな」 ガーヴの答えを聞くと、レゾはラルターク・ラーシャートを連れ 又混沌に戻っていった。 「で、アンタの最後の仕事って何?」 「この森を焼くんだよ」 「!!??」 ガーヴの答えに、リナ達は唖然とした。 この森を焼く……ガーヴの思い出の詰まったこの森を…… リナは言った。 「何で焼くの?」 「人間にこの森を荒らされたくない…それに過去への決別するためだ」 「過去?」 「もう俺やラルターク、ラーシャート…アクアにフィブリゾ、シェ―ラと セフィクスにも新しい人生が待っているだ」 「そうか……がんばれ」 「簡単に死ぬなよ」 「時々遊びに来てもいいわよ」 ゼラス達にそう言われると、ガーヴは薄っすらと笑みを浮かべた。 「ああ、今度はいい人生を送るぜ」 「そうか」 ゼラスはそう呟くと、ガーヴの頬に軽くキスをした。 「私からの祝福だ」 「あんがとよ」 ガーヴはそう言うと、剣を鞘に戻し咆哮を開始した。 リナ達はゼロスの手によって、聖魔の森から離れた。 その後、リナ達が見たのは巨大なクレーターと化した森だった。 そして、セイルーンの大臣からの依頼をすっぽかす事になった。 我が名は、ファーブラ……導く者・…… 人間と同化し、魔王に反逆し滅んだ魔竜王・……魔竜王を愛した水竜王…… その2人に仕えたハーフエルフと魔族に仕える魔族達・…… 金色の魔王に滅ぼされた冥王……どっかの魔道師に滅ぼされた魔王……… 彼らは滅びてもう一度、金色の魔王の胎内――混沌に帰る・…… そして、もう一度新しい人生を金色の魔王に与えられる…… 全ては金色の魔王を喜ばす歌劇曲…… 全ては金色の魔王を楽しませるための劇でしかない……… 幸福も、憎悪も母の餌でしかないのだ…… そんな彼らに、アンリミテッドな導きを……… (ファーブラの予言書より) 遂に完結しました。 修学旅行の前に、完結させる事が出来てよかったです。 次回作で、会いましょう…(今度はガーヴ主演でも) |
12864 | Re:使命を守りし者 15 エピローグ | D・S・ハイドラント | 2003/1/14 17:23:45 |
記事番号12832へのコメント >「この森を焼くんだよ」 >「!!??」 >ガーヴの答えに、リナ達は唖然とした。 >この森を焼く……ガーヴの思い出の詰まったこの森を…… 思い出はいつまでも心の中にってやつですかね。 >そして、セイルーンの大臣からの依頼をすっぽかす事になった。 ううむ・・・まあともあれ良いんじゃないですか? >全ては金色の魔王を喜ばす歌劇曲…… >全ては金色の魔王を楽しませるための劇でしかない……… >幸福も、憎悪も母の餌でしかないのだ…… むなしいものですよね >そんな彼らに、アンリミテッドな導きを……… これって!? >遂に完結しました。 おめでとうございます。 >修学旅行の前に、完結させる事が出来てよかったです。 これで心置きなく出発できますね。 >次回作で、会いましょう…(今度はガーヴ主演でも) では焦らずにがんばってください。 それでは |