◆−Journey to the truth. (前書き行きます)−風碧 陽月 (2003/2/21 20:48:45) No.13303
 ┣プロローグ:はじまりの日−風碧 陽月 (2003/2/21 20:53:49) No.13304
 ┃┗ふぃ・・・ふぃぶりん・・・(滝汗)−リナ&キャナ (2003/2/22 12:00:46) No.13306
 ┃ ┗よく考えたら共通点は一人称と黒魔法だけかも……(をい)−風碧 陽月 (2003/2/22 12:33:31) No.13307
 ┣1章:王女誘拐 1話:小さな友情−風碧 陽月 (2003/2/22 13:47:17) No.13308
 ┣2話:この刃に懸けて−風碧 陽月 (2003/2/22 14:36:05) No.13309
 ┃┗Re:2話:この刃に懸けて−D・S・ハイドラント (2003/2/22 18:55:16) No.13328
 ┃ ┗スタ=ガウリイで行こうかと計画中。−風碧 陽月 (2003/2/22 19:51:56) No.13331
 ┣3話:決行〜姫を探して−風碧 陽月 (2003/2/22 21:21:32) No.13333
 ┃┣Re:3話:決行〜姫を探して−D・S・ハイドラント (2003/2/22 21:43:41) No.13334
 ┃┃┗は、早っ。(私は遅いけど)−風碧 陽月 (2003/2/23 12:38:12) No.13336
 ┃┗微妙に気になる表現が(そこを気にするあたしもあたしだ)−リナ&キャナ (2003/2/23 12:55:37) No.13337
 ┃ ┗気にしないで下さい(待て)−風碧 陽月 (2003/2/23 13:36:45) No.13338
 ┣4話:奪われた瞳−風碧 陽月 (2003/2/23 16:28:50) No.13346
 ┃┗あんたはナーガか!!!!!−リナ&キャナ (2003/2/24 10:10:32) No.13354
 ┃ ┗この現象は謎です−風碧 陽月 (2003/2/24 11:49:23) No.13355
 ┣5話:君の小鳥になりたい−風碧 陽月 (2003/2/24 11:51:48) No.13356
 ┃┣Re:5話:君の小鳥になりたい−D・S・ハイドラント (2003/2/24 19:49:16) No.13361
 ┃┃┗想像して爆笑しました。−風碧 陽月 (2003/2/25 12:19:01) No.13371
 ┃┗君の囮になりたい(何)−ザズルア=ジャズルフィードゥ (2003/2/24 22:45:37) No.13368
 ┃ ┗君の………………。お、思いつかない…−風碧 陽月 (2003/2/25 12:27:56) No.13372
 ┣6話:劇場艇、墜ちる。−風碧 陽月 (2003/2/25 12:35:47) No.13373
 ┣7話:ざわめく森−風碧 陽月 (2003/2/26 12:16:28) No.13382
 ┃┗Re:君の虜になりたい♪(今さら遅いって)−D・S・ハイドラント (2003/2/26 12:46:42) No.13383
 ┃ ┗そうか『虜』があったのか!−風碧 陽月 (2003/2/26 16:36:48) No.13384
 ┣8話:決別−風碧 陽月 (2003/2/27 14:35:03) No.13401
 ┣9話:石化の恐怖−風碧 陽月 (2003/2/28 13:58:33) No.13422
 ┣10話:青い月と赤い月−風碧 陽月 (2003/3/1 12:00:23) No.13431
 ┣11話:氷の洞窟−風碧 陽月 (2003/3/1 19:29:05) No.13432
 ┃┗Re:11話:氷の洞窟−D・S・ハイドラント (2003/3/1 22:03:44) No.13434
 ┃ ┗たぶん、分裂の際に口調が微妙に進化して……(謎)−風碧 陽月 (2003/3/2 18:49:03) No.13440
 ┣12話:ダガー−風碧 陽月 (2003/3/2 18:52:29) No.13441
 ┃┗Re:12話:ダガー−D・S・ハイドラント (2003/3/2 19:56:14) No.13442
 ┃ ┗あ、後書き書いてたら……−風碧 陽月 (2003/3/2 20:27:08) No.13444
 ┗1章の後書きと世界観解説−風碧 陽月 (2003/3/2 20:21:00) No.13443


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13303Journey to the truth. (前書き行きます)風碧 陽月 E-mail URL2003/2/21 20:48:45


みなさん、こんばんは。
ツリーが連続投稿になってしまいますが、とりあえず、新作のプロローグいきます。

『Journey to the truth.』です。

『真実への旅』やら『真実を探す旅』などと解釈出来そうですが、私はこれをあえて『答えを探して』と訳します。

…………関係ないですね。

とにかくスレイヤーズ版FF9だと考えてください(先に言え)。

配役は発表せずに、新キャラが登場する度に書こうかと。
でも、配役なしのキャラも出るかもしれません……。

で、とりあえず主人公ジタン君はルークで行っちゃいます。
その理由は、ゲームやった方ならわかるかもしれませんが、パンデモニウムで彼、一時黒くなりますよね(心が)。だからです(待て)。


では、かなりの長編になるかと思いますので、気が向いた時にでも読んでくだされば嬉しいかもしれません(かも?)。

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13304プロローグ:はじまりの日風碧 陽月 E-mail URL2003/2/21 20:53:49
記事番号13303へのコメント




誰かを助けるのに理由がいるかい?――真諦――


生きてるってこと証明できなければ死んでしまってるのと同じなのかなあ…――哀傷――


人の為に生きることは真に自分の為なのか。教えて欲しい。何の為に人は生きるのか…――迷律――


好きなことやってて悪いアルか!! だけど…たまには叱って欲しいアルよ…――求道――


「王女らしく」ではなく本当の自分を確かめたいの…でも…――純真――


思い続けることの辛さより、忘れられることが怖いのじゃ…――彷徨――


自分が何をしたいのか、何が出来るのか、今その答えを出せというのか…――過信――


大丈夫だなんて思わないで…一人でいるとさみしさがいっぱいやってくるの…――孤独――

















プロローグ:はじまりの日





1790年――


風が唸る嵐の夜。
大海に浮かぶ小さな木製の小船。
闇と高波に視界が遮られる。
強風に煽られ、激しい波に翻弄され、小船は何度も横転しそうになる。
豪雨に打たれながらも必死で小船の縁にしがみついている少女と女性。
助かったら……生き延びれたら、それは奇蹟以外の何物でもないだろう。
稲妻が光った。間を置かずに轟音。
村を逃げ出したのは間違いだったのか……?
いや、そんなことはない。それだけは……絶対に。
数日前、村を滅ぼした空に浮かぶ巨大な目。
恐怖が脳裏を過ぎる。
一際高い三角波が小船を持ち上げ、そして激しく海面に叩き付けた。
小船は壊れはしなかったが、いつまで持つかわからない。
村と運命を共にするのも、このまま海の藻屑となるのも同じかもしれない。
女性のすぐ横で小さな悲鳴が上がった。
でも、少しでも生き残れる可能性があるなら――

















1800年1月15日――


アレクサンドリアの王女ガーネットはその日の昼、暗く悲しい夢で午睡から覚めた。
ガーネットの16歳の誕生日である今日、リンドブルムの劇団タンタラスにより記念公演が行なわれる予定である。
不安を押し殺し、窓の外の風景に目をやると、遠くで飛空艇が過ぎっているのが見えた。
凛々しい船体が大陸全土を覆う“霧”の上を滑るように突き進んでいる。




劇場艇プリマビスタ。劇団タンタラスの飛空挺だ。
スルスルと身軽に梯子を降りて来た少年が、奥の扉を開けて中に入った。
不思議な事に、その少年には猫のような長いシッポがあった。
「暗いな……。まだ誰も来てないのか?」
真っ暗だが、その部屋の家具の配置を熟知している少年は、そのままの歩調で部屋の中央にあるテーブルに近づき、その上のロウソクに火を灯した。
部屋が一気に明るくなる。その途端。
「誰だっ!!」
隣の部屋から怒鳴り声が聞こえた。
だが少年は慌てることなく、
「オレだよ、ジタンだよ」
と、扉が開き、燃えるような赤毛の少年が現れた。
「よぉ、ジタン! 遅かったじゃねえか!」
「すまん。ところで、ボスはもう来てるのか?」
「いんや、まだずらよ」
後ろからトンカチを片手にした少し老けた少年が出てきて答える。
そんな会話が交わされた後、突如竜の仮面を被った男が悠然と部屋に現れた。
慌てて戦闘態勢に入る3人。
騒ぎを聞きつけ、隣の部屋から新たにバンダナを被った少年が出てきて加勢する。
「とぉ」
かけ声――少なくとも本人はそう思っている――をかけて斬りかかってくる仮面の男。
威力の小さいその一撃を避け、ジタンが攻撃を仕掛ける。
続いてブランクが攻撃し、シナがトンカチでカツンッと殴る。
「あいたっ」
攻撃しようとして派手にコケる仮面の男。
マーカスが剣で攻撃し、間を置かずにジタンが再度攻撃する。
「グハ―――――ッ! 頭が痛ぇーっ! ちったぁ、手ぇ抜かねぇかっ!」
仮面が真っ二つに割れ、豊かな髭を蓄えた男の顔が出て来た。
「ハァ」
「ハァ」
「ハァ」
「ハァ」
「おめーらっ! なかなかウデを上げたじゃねえか! ガハハハ!! さぁッ! 会議、はじめんど!!」
痛いと言った割には中々元気で、息切れしている4人に豪快に言う。
そして、隣の部屋に入り、円形のテーブルの前にどしっと腰掛ける。
続いて部屋に入り、思い思いのところに腰掛ける4人を見渡して男が気合を入れるように大声で言う。
「今日の作戦会議だっ!! 我らの目指すはアレクサンドリア王国……。そして、我ら盗賊タンタラス団の目的は、この国の王女、ガーネット姫をかっさらうことだっ!!」
「さて、あとは、おいらが説明するずら。
 もうすぐおいらたちの乗ってる船がアレクサンドリアに到着するずらよ。到着したら、おいらたちは平然とした顔をして……。アレクサンドリアで大人気の芝居『君の小鳥になりたい』を演じるずら!
 頼むずらよ! 主役のマーカスさん!!」
説明を続けたのはトンカチを持った少年、シナ。
「頑張るっス! だけど誘拐作戦の主役は、ジタンさんとブランク兄貴っス!」
バンダナを巻いた少年が答える。
「幕間に俺がこいつで城の連中を混乱させる……と」
赤毛の少年がポケットから小さな虫を取り出して言う。
「だけど、どうもこのブリ虫ってのは苦手だぜ。まあ仕方ないから、我慢するけどよ……。
 で、そのあとは、ジタン、おまえの出番だぜ!」
「よし、わかった! その隙に、ガーネット姫を誘拐すればいいんだな?」
「そうだ〜、我々が誘拐するのは、アレクサンドリアはじまって以来の美姫と名高いガーネット姫!!!」






アレクサンドリア王国の王女誘拐を企む劇団タンタラス。
彼らを乗せた、劇場も兼ねた飛空挺プリマビスタが白い小鳥たちを従え悠々とアレクサンドリアに入港した。
アレクサンドリア城の、聖剣を模した巨大な柱がすでに沈みかけたオレンジ色の陽光を反射し、城下町の上を飛行する飛空挺を迎え入れた。
飛空挺の下では、今夜の劇に期待を寄せる町民が城に向かって楽しそうに歩いている。
その中で三角帽子を被った小さな男の子が自分に影を落とした巨大な飛空挺を見上げていた。



















何気ない流れの中で人は生きる。


不安を抱き、疑問を抱き、悲しみを抱えながら。





そして人は何かを求めようとする。





“霧”がすべてを覆い尽くすこの世界で、それぞれが自分なりの「答え」を探し求めている。


ある時は戦い、ある時は手を取り合いながら。


ガーネットは本当の自分らしさを。


ビビは自分の存在を。


ジタンは自分の守るべきものを――










その「答え」は何だったのか。


彼らはそこに何かを見出す事が出来たのだろうか――――









ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世の「純真」なる想い。


ビビ・オルニティアの「哀傷」を感じる想い。


ジタン・トライバルの「真諦」という事実。





そして「背徳」からいつかは「罪と償い」を想うクジャ





彼らの運命はいつ決まったのだろうか。




彼らは「真実」と「答え」を見つけられるのか。





ガイアの青い月とテラの赤い月が輝くこの大地の上でその物語は幕を開ける――――














                  ――Journey to the truth.―― 〜FINAL FANTASY 9〜








___________________________________________________





ジタン=ルーク(転生体)
ガーネット(ダガー)=ミリーナ(転生体)
ビビ=ふぃぶ(転生体)
ブランク他タンタラスメンバー=今のところなし。


となっております。

…………………………ビビ=ふぃぶ説は……………………………………
……………………………………………………………………………………

それではこれで失礼しますっ! 逃走っ!(待て)

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13306ふぃ・・・ふぃぶりん・・・(滝汗)リナ&キャナ 2003/2/22 12:00:46
記事番号13304へのコメント

こんにちわです〜〜
またもや読み逃げ(待て)しようとして結局レスしてしまった誘惑に弱いあたしです(読んだらレスしろ)


FF9はやったことないんですけど・・・この配役だとあたし的に読まないわけには行かないだろう、と言うことで(爆笑)
あ゛・・・わかりやすい人・・・(汗)


そんなわけで、今回はけっこうゲームの展開っぽいかな?と思ってこまごましたレスは遠慮させていただきました。思わずツッコミ入れて「ゲームどおりです」って言われたら悲しいですし(苦笑)



ですが!!
一つだけ!!!
タイトルにも書きましたが
>ビビ=ふぃぶ(転生体)
フィブですか!!?
なぜ!?どうして!!?


では、短いですがこの辺で失礼いたします。

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13307よく考えたら共通点は一人称と黒魔法だけかも……(をい)風碧 陽月 E-mail URL2003/2/22 12:33:31
記事番号13306へのコメント


>こんにちわです〜〜
こんにちはです〜


>またもや読み逃げ(待て)しようとして結局レスしてしまった誘惑に弱いあたしです(読んだらレスしろ)
問題ないです。
私も最近読み逃げ犯と化してますから(こっちは問題ある)。
取り合えず読んでくださったということで嬉しいので。


>FF9はやったことないんですけど・・・この配役だとあたし的に読まないわけには行かないだろう、と言うことで(爆笑)
>あ゛・・・わかりやすい人・・・(汗)
ジタン君=ルークですからね。
まあ、問題ないと思うのでばらしますが、エンディングはジタガネになってますので、ルクミリになるんじゃないかと(をい)。


>そんなわけで、今回はけっこうゲームの展開っぽいかな?と思ってこまごましたレスは遠慮させていただきました。思わずツッコミ入れて「ゲームどおりです」って言われたら悲しいですし(苦笑)
うーん……確かに『何気ない流れの中で人は生きる』の前まではほぼゲーム通りです。
さり気なく伏線とか張ってみましたけど、自分でもわけわかんなくなりました(待て)。
プロローグですから原作とかけはなれたらこの後の展開がよくわからなくなることを考慮しました(嘘です)。


>ですが!!
>一つだけ!!!
はい。

>タイトルにも書きましたが
>>ビビ=ふぃぶ(転生体)
>フィブですか!!?
>なぜ!?どうして!!?
ビビ黒魔道士ですし……一人称もあってますし……。
性格はふぃぶとは違うかもしれませんが、黒魔法の威力は凄いもんがありますし……。
一人称同じであるクジャにするよりはいいかと思ったんですけど……(待て)。
うー…………よく考えたらビビとふぃぶの共通点って一人称と魔法くらいしか……(爆)。


>では、短いですがこの辺で失礼いたします。
レスありがとうございますです。

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133081章:王女誘拐 1話:小さな友情風碧 陽月 E-mail URL2003/2/22 13:47:17
記事番号13303へのコメント


                            ―――― 1章:王女誘拐 ――――




1話:小さな友情





アレクサンドリアはブラネ女王が治める平和な国だ。
今から1000年ほど前、統一王国が崩壊し、アレクサンドリアを始め、たくさんの国が高地に誕生した。
ブラネ女王は1776年に即位した。
ヒステリックなところがあるが、落着いているときには堅実な判断を下すことが出来る有能な女王だ。
国民からの信頼も高い。
だが、最近――ここ1年前から怪しい言動が目立ち始めてきた。
城にも怪しい者が出入りするようになり、城の重臣たちも密かに悩んでいるという――






――アレクサンドリア城下町 Alexandria Town ――




賑わう城下町の通りを三角帽子を被った男の子が走っていく。
その手には、今夜王城で公演される劇のチケットが握られていた。
お芝居好きなのだ、この男の子は。
通りをいくつか過ぎ、貴族の集団の横を通り過ぎ、王城の前――と言っても王城に行くには大きな池を渡らないといけない――の広場にやってきた。
広場の中心にあるチケット屋をみつけると、背伸びして中を覗きこむ。
「なんかご用?」
中にいたチケット屋が声をかけてきた。
男の子の風貌は一種異様ではあるが、この世界にはネズミ族(ブルメシアの民)やク族といったいろいろな種族がいる上、このチケット屋も容姿は普通の人間じゃなかったので、男の子の姿に疑問を持たなかった。
「今日はどんなお芝居をするの?」
男の子が問うと、チケット屋は嬉しそうに笑い、親切に答えた。
「今日の芝居は名作『君の小鳥になりたい』だっ!! そしてそれを演じるのは劇団タンタラスだっ!!」
「タンタラスってどんな劇団?」
「タンタラスはリンドブルムの人気劇団さ! 音楽はラヴ・レイダースが担当するらしいよ!」
「『君の小鳥になりたい』ってどんなお芝居?」
「今日の芝居は身分の違う男女の恋物語だ! あとは見てのお楽しみだねっ!!」
男の子は一応劇については質問し終わった。
続いてアレクサンドリアについて質問し始める。
外の世界に出て来たばかりで、世界情勢など全く知らないも同然なのだ。
「アレクサンドリアについて教えて」
「アレクサンドリア王国は、ブラネ女王が治めるとても住みやすい国だね」
「ブラネ女王って誰?」
「ブラネ女王には、ガーネット姫という美しい娘がいるのを知っているかい?」
初めて聞く名だったが、男の子は取り合えずブラネ女王について先に聞いた。
「最近、ブラネ女王の変な噂があるんだよね……」
ブラネの言動の変貌に関する噂は巷にも広まっているらしい。
「ガーネット姫って誰?」
「今日は、アレクサンドリア王国の王女、ガーネット姫の16歳の誕生日なんだよ」
「ガーネット姫について詳しく教えて」
「ガーネット姫は、とても美しいお姫様でアレクサンドリア中の人気者さ!」
「ガーネット姫ってそんなに美しいの?」
「アレクサンドリア始まって以来の美しいお姫さまだね」
今日行なわれる劇とアレクサンドリアについて一通りの説明を受け、男の子は持っていたチケットを見せた。
「おやぁ? そのチケットはなんか変だねぇ。こりゃ、ニセモノだな。最近、多いんだよね……」
「え〜〜〜っ」
男の子の落胆振りを見て、チケット屋の男は慌てて言った。
「そんなにがっかりするなよ、気持ちはわかるけどさ……。そうだ、これでもやるからさ、元気だしなよ」
チケット屋の男は男の子に数枚のカードを渡した。
今“霧の大陸”ではクアッド・ミストというカードゲームが大流行しているのだ。
「カードのことなら裏通りのジャックってやつに聞けば色々と教えてくれるはずだよ、じゃ!」
男の子は落胆を隠せなかった。
そのまま裏路地へと向かう。
「おいっ、おまえっ! さっき、持ってたチケットがニセモノだって言われてただろ! 俺は見てたんだぜ!」
裏路地に入ったところで、後ろから声が聞こえた。
自分に言ってるのだとわかり、男の子は振り向いた。
そこに威張ったように立っていたのはネズミの子だった。
男の子は知らないが、ブルメシアから来たのだ。
「そ、そんなことないよ」
「嘘つくなって! 俺の家来になれば、今日の芝居を見せてやる! 家来になるか!?」
なんだか高圧的に言われて、男の子はしぶしぶ頷いた。
「よし! そうと決まったら、さっそく行くぞ!」
ネズミの子は近くにあった梯子を担ぐと路地の奥に走っていった。
路地をすぎると、赤いレンガの家が立ち並ぶ住宅街に出た。
ネズミの子はその中の尖塔の前で叫んだ。
「ほら、こっちだ! 尖塔の中に入るぞ!」
尖塔は高さ20mくらいで、中は直径10mくらいの円状の部屋になっていた。
中心には塔のてっぺんに登る柱がある。
「これからこの塔に登っから! おまえ、先に登ってみろ!」
男の子が梯子に手をかけると、上からなんだか白い物が落ちてきて、男の子は慌てて後ろに下がった。(本来ならこけるんですけど)
「驚かせてごめんクポ!」
白い物体が喋った。
「そいつはなあ、モーグリのクポってやつだ!」
「クポ〜ッ!」
「俺の家来第一号だ! よろしくやってくれ!」
「クポ〜ッ、よろしく〜!」
「さあて、そろそろ登ろうぜ」
ネズミの子は持ってきた梯子を軽々と片手に抱え、尖塔の梯子をあっという間に上りきった。
男の子もその後に続く。
「さあ! 急がないと、芝居が始まっちまうぜ!」
尖塔のてっぺんを出て、レンガ屋根の家の上を渡って行く。
「大丈夫だって! ビビんなよ、落ちないって!」
昔、住んでいたところで高いところから落ちるという経験をしている男の子は、恐る恐る渡った。
「ところでよっ!」
ネズミの子が唐突に言った。
「おまえの名前、まだ聞いてなかったよな?」
「僕、ビビっていうんだ」
「そうか! ビビっていうのか! ちょっと変わった名前だな……。俺はパックっていうんだ。これからもヨロシクなっ!」
2人は屋根を渡り、王城の高い壁の前にたどり着いた。
パックがさきほどから持っていた梯子を城の壁に手馴れた様子でかけた。
このために梯子を持って来たのだ。
「ふぅ〜。やっと、たどりついたぜ。この壁を越えればもう、城の中だ! さぁ、行こうぜ!」
ひょいひょいと梯子を上ってパックが城の中に消えた。
ビビもその後に続く。
その直後にタンタラスの劇『君の小鳥になりたい』が開幕した。





___________________________________________________





さて。ブルメシアの……である(何伏せてるんだよ)パックの配役は誰でしょう!?(待て)
そして次回! もう早問題が生じました。
スタイナーの配役……………………。
…………………………………………。
ベアトリクスは決まってるんですけど……(汗)。
スタイナーっぽいキャラ、スレイヤーズにいたっけ……。

配役についてひとこと。
私は今回配役決めるのに、一人称、バトル時の技、その他で決めてます。
血縁関係はほとんど無視してます。
全員スレキャラの転生体で行きますから。
FF7(スセ)の前書きでもそんなことを書きました。スレの世界の数100年後がどうのこうのって……。
いい加減ですね。すみません。


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133092話:この刃に懸けて風碧 陽月 E-mail URL2003/2/22 14:36:05
記事番号13303へのコメント


ジタン:…………タイトルをサントラから持って来るのやめたらどうだ。
陽:この曲はお気に入りです。
ジタン:いや、そうじゃなくて。
陽:ちなみに、ゲーム中じゃ一度しか流れませんね。
ジタン:ダイダルフレイム!(アルテマウエポン装備)




_______________________________________________




2話:この刃に懸けて




「間に合ったな……」
パックが観客席の後ろに立って言う。
「そうだね」
ビビが同意する。すでにビビの視線は舞台に行っていた。
丁度盛大なファンファーレが演奏され、プリマビスタの舞台がせり上がった。
ロイヤルシートにいるブラネ女王が狂喜し、後ろに控える2人の騎士も満足そうにしていた。
ただ、ブラネの横に座っているガーネット姫は浮かない顔をしていた。
それを見つけた騎士――向かって左側の方――が顔を顰める。
「さあて、お集まりの皆様!」
舞台上には豪華な舞台衣装に身を包んだバクーが現れた。
「今宵、我等が語る物語は、はるか遠い昔の物語でございます。
 物語の主人公であるコーネリア姫は、恋人マーカスとの仲を引き裂かれそうになり……一度は城を出ようと決心するのですが、父親であるレア王に連れ戻されてしまいます。
 今宵のお話は、それを聞いた恋人のマーカスがコーネリア姫の父親に刃を向けるところから始まります。
 それでは、ロイヤルシートにおられますブラネ女王様も、ガーネット姫様も……そして貴族の方々も、屋根の上からご覧の方々も、手にはどうぞ厚手のハンカチをご用意くださいませ」
レア王の衣装を着たバクーは優雅にお辞儀をし、舞台袖に引っ込んだ。



そして劇が始まった。



「父を殺され! 母を殺され! そして、恋人と引き離されたマーカスよ!」
朗々と通る声で舞台袖で叫ぶブランク。
「おお、斯くも不仕合わせなマーカスよ! これからおまえは何を希望に生きてゆけばよいのだ!」
口調をがらっと変えてシナが叫ぶ。
「こうなれば我が友のため! 憎きレア王の胸に烈火の剣を突き刺してやろうではないか!」
最後にジタンが叫び、
「オォーッ!」
一斉にかけ声をあげ、3人は舞台上に飛び出した。
「助太刀に来たぞ、相棒!!」
「手出しをするでない!!」
ブランクのセリフにマーカスが口調を変えて返す。
「そうはいかぬ! 俺もレア王には兄弟を殺されているのだ!!」
これはシナだ。舞台上にまで愛用のトンカチを持って来ている。
「ええい、下がれ下がれ、無礼者! 我が野望の行く手を塞ぐ奴は誰とて容赦せぬぞ! 余に刃向かう奴は、この闇夜の露と消してくれるわ!!」
「レア王よ、我が友の心の痛みを受けてみよ! 我が友の心の悲みを受けてみよ!!」
ジタンのセリフで、戦いの火蓋が気って落とされた。
と言っても、舞台上。全部演技である。
鋭い剣戟と、舞台用の派手な魔法が飛び交う。
「(ジタン、右に寄りすぎだっ!)」
「(兄貴、ファイダのタイミングがずれたッスよ)」
……などという会話が小声で交わされてるのは観客は当然知らない(ゲームから逸れた……)。
そして派手な戦いが終わり、ついにレア王が敗れた。
「う、うぐっ……。このままで済むと思うなよ、マーカス!」
傷を負った(演技)レア王(バクー)が舞台袖に引っ込む。
「待てっ!」
これも演技だが、ジタンがその後を追おうとする。だが、
「何故止めるっ、ブランク!!」
ブランクがジタンの前に立ち塞がった。
「ジタンよ、冷静になってよく考えてみろよ。シュナイダー王子とコーネリア姫が結婚すれば、ふたつの国は平和になるのだ!」
「笑止千万! それですべてが丸く納まれば、世の中に不仕合わせなど存在しない!」
ジタンがブランクに斬りかかった(演技)。
「こうなれば、いざ勝負!」
「望むところだ!!」
わざわざ観客の目の前にまで来て2人はチャンバラを始めた。
このミニゲームは意外と難しい。
刃と刃が噛みあい火花が散るたびに観客から声援がかかる。
「この勝負はお預けだっ!」
「そうはさせるか!!」
観客の拍手喝采を浴びながら、ジタンとブランクは袖へ消えた。
そして――




ドカッ!
「ぎゃっ!」
ボカッ!
「ぐえっ!」
城内の狭い部屋で2つの悲鳴が上がった。
「クックック! 着替え終わったか、ジタン?」
「ああ、だけど、このメット……。ちょっと臭うな……」
ジタンがついさきほどまで目の前で倒れている兵士が被っていたメットを顔から遠ざけて言う。
「なに言ってんだよ! 俺のメットなんか、ちょっとじゃなくて、すごく臭いし……」
ブランクが顔を顰める。
「アーマーのサイズは合ってないし……。背中のあたりがなんだかカユイし……。ブーツなんか、湿ってるし……」
ジタンが嫌そうな顔をする。
「ポケットの底には、ビスケットのカスがたまってるし……」
最悪だというような表情をし、ブランクが吐き捨てる。
「そんなことより、ブランク……。例のものはしっかり持ってるのか?」
気を取り直したジタンが問うた。
「あたりまえだ、俺はヘマはしない!」
と言った瞬間、ブランクの手からブリ虫が飛び出した。
それを慌てて捕まえ、ポケットに押し込む。
「よし! じゃあオレはガーネット姫のティーカップに眠り薬を入れてくるぜ!」
「俺は麗しの女王様にスペシャルプレゼントだ! クックックッ、気持ち良さそうにおねんねしていらっしゃる!」
ブランクが倒れた兵士を軽く蹴る。
城の重心が聞いたら間違いなく首をはねられるであろう物騒なセリフを吐いた2人組は部屋を出た。
ブラネとガーネットのいるロイヤルシートに向かって。
だが、この2人……いや、タンタラスの計画はここでハプニングを迎えるのだ。








_________________________________________________



陽:ジタンとガーネットの出会い……。
  始めて見たときは『何ナンパしてるんだよセオリー通りに行けばそれがガーネットだろ』と思ったなぁ。
ジタン:……。
陽:では次回は……やば。スタイナーどうしよう……。
ジタン:……。フリーエナジー!(アルテマウエポン装備)

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13328Re:2話:この刃に懸けてD・S・ハイドラント 2003/2/22 18:55:16
記事番号13309へのコメント

こんばんはラントです。

・・・・・・・・・面白かったです。
雰囲気出てます。凄いです。
特にプロローグの最後の方、ゲームか説明書かパッケージかに書いてあった部分までしっかり書かれていて感動しました(待て)

またゲームでは映像で語られる部分を巧く文字だけで表わせていて凄いと思いました。
同時にゲームの細部まで描かれてるっぽいのも真似出来ません。勘と記憶に任せてる私には・・・。


>このミニゲームは意外と難しい。
確かに難しいですね。
確か巧くやれば宝石か何かが・・・

それではこれ以降もがんばってください。

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13331スタ=ガウリイで行こうかと計画中。風碧 陽月 E-mail URL2003/2/22 19:51:56
記事番号13328へのコメント


>こんばんはラントです。
こんばんは陽月です。

>・・・・・・・・・面白かったです。
え、そうですか。ありがとうございます。


>雰囲気出てます。凄いです。
更にありがとうございます。

>特にプロローグの最後の方、ゲームか説明書かパッケージかに書いてあった部分までしっかり書かれていて感動しました(待て)
うあバレたぁっ!(マテ)
その通りです。ゲームのパッケージの後ろ部分で、天野さん画のクジャの背景に書いてある文章です。
それが半分くらいで、残りはそれにあわせて考えてみたんですが、読み返すとなんか変になってます……。


>またゲームでは映像で語られる部分を巧く文字だけで表わせていて凄いと思いました。
>同時にゲームの細部まで描かれてるっぽいのも真似出来ません。勘と記憶に任せてる私には・・・。
ありがとうございます。
一応私は勘と記憶(当てにならん)とメモリアルアルバムとアルティマニアの資料ともとに書いてるんですけど(待て)。
氷の洞窟を抜ければゲームと同時進行が可能になるんですけど……(をい)。

>>このミニゲームは意外と難しい。
>確かに難しいですね。
>確か巧くやれば宝石か何かが・・・
パーフェクトでムーンストーンが貰えます。
この時点だと結構レアかもですね。
これ、75人以上喜ばせて『アンコールがかかっています』ってなったら嬉しいですよね(何)。


>それではこれ以降もがんばってください。
はい。頑張ります。ありがとうございます。

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133333話:決行〜姫を探して風碧 陽月 E-mail URL2003/2/22 21:21:32
記事番号13303へのコメント


3話:決行〜姫を探して





「事前の調査によるとだな……。この階段の上に、王室の観劇室があるということだ!」
部屋を出て、王城の立派な廊下を歩いているジタンとブランク。
ブランクはポケットの中で暴れているブリ虫を押さえつけるのに苦労している。
「ああ、わかった!」
ジタンが答えたとき、プリマビスタの方から大きな歓声があがった。
「おっ! そろそろマーカスがコーネリアの屋敷へ忍び込むシーンになったみたいだな!
 芝居が終わらないうちにさっさと仕事を済ませちまおうぜ!!」
ブランクがそう言い、赤い絨毯の敷いてある、ゆるくカーブのかかった立派な階段を駆け上った。
ジタンもその後に続く。
階段を上がり、橋みたいになってる廊下(他にどう表現すればいいのだろう)に出たとき、ジタンは白いフードの女の子と出くわした。
「(なんだ? 変わった格好をしたやつだな……)」
「あの……、道を譲ってくださらないかしら?」
ジタンが突っ立っていると、女の子がおずおずと言った。
「あ、ああ……」
女の子は礼を述べそのまま去ろうとしたが、
「ちょっと待った! オレたち、どっかで会ったことねえか?」
「いえ……、わたくしは……」
突然のジタンの言葉に、女の子は戸惑いを隠せなかった。
「そうかなあ……。いいや、オレがこんなかわいい子、見逃すはずがないんだけどなぁ……」
早速ナンパを始めるジタン。
……………………何かが違う。
……………………何がって……。そりゃもちろん配役……(待て)。
「もしかして、君は……」
「おい、どうしたジタン! なにやってんだ?」
「あ、あの……。ごめんなさいっ!!」
女の子は慌てて走っていった。
途中ブランクの前を通り過ぎ、ブランクは呆気にとられた。
「なんあんだ!? 今のは!」
「ボーッとしてるな! 今のがガーネット姫だっ!!」
つまりジタンはお姫様をナンパした、と……。
「マジかよ!?」
慌てて2人はガーネット姫の後を追った。








「大変でおじゃるよ!」
「大変でごじゃるよ!」
「一大事でおじゃる!」
「ブラネ様に怒られるでごじゃるよ!」
「急ぐでおじゃる!」
「急ぐでごじゃる!」
「大変でおじゃるよ!」
「大変でごじゃるよ!」
ジタンとブランク、ガーネットがいなくなった後しばらくして、同じ廊下に奇妙な格好で奇妙な口調の2人組が現れた。
ゾーンとソーンである。
こんなんでも一応宮廷魔道士。
2人は廊下を走り回る。老人だろ一応あんたらは……。
「そっちではないでごじゃるよ!」
「わかっているでおじゃる!」
「本当でごじゃるか?」
「本当でおじゃる!!」
「あやしいでごじゃる〜」
「あ、あやしんでいる場合ではないでおじゃ〜るよ!」
「「とにかく今はブラネ様のもとへ!」」
最後はきれ〜にハモった。
それから少しも行かぬうちに。
「そっちではないでおじゃるよ!」
「わ、わかっているでごじゃる!」
「本当でおじゃるか?」
「ほ、本当に本当でごじゃる!!」
「あやしいでおじゃる〜」
「あ、あやしんでいる場合ではないでごじゃ〜るよ!」
今度はソーンが道を間違えたらしい。
「ブラネ様の元へ急ぐでおじゃる!」
「ブラネ様の元へ急ぐでごじゃる!」
今度の最後は「お」と「ご」の違い以外はきれ〜にハモった。








「ブラネ様ァ〜」
「大変でごじゃ〜る」
2人は漸く王室の観劇室とやらに到着した。
因みに、どうでもいいが、ゾーンとソーンを見分けるのはそう難しくはない。
『ご』を使うのがソーン。『お』を使うのがゾーンなのである。
服の色はソーンが赤でゾーンが青。
2人が互いの服を交換しあったら見分けるのは難しいかと思われるが、実は口調で区別できてしまうのである。
「今は誰も通すなって言われてる。また後で来い」
「火急の用件ですか?」
さきほど劇が始まる前に浮かない顔のガーネットを見て顔を顰めていた騎士のセリフを遮って、右側に控えていた女騎士が老人2人に問う。
「そうでごじゃ〜る」
「火急も火急、大至急も大至急でおじゃ〜る」
「ならば、私が用件を取り次ぎましょう」
「頼むでごじゃ〜る」
「頼むでおじゃ〜る」
「ベアトリクスのやつ……でしゃばったことを……」
「それで用件とは?」
「ガーネット姫が〜」
「かくかくしかじかで〜」
「大変なのでおじゃ〜る」
「大変なのでごじゃ〜る」
……この2人のセリフ書くのに疲れるのは私だけか……?
「わかりました。少しそこで待っていなさい」
ここですべてのプレイヤーは思うだろう。
『かくかくしかじか』でわかるのかっ!?
……と(待て)。
ベアトリクスがブラネ女王の前にやってくると、ブラネは不機嫌そうに仰った(何故敬語)。
「芝居を楽しんでいる最中ですわよオホホホホホホ!」
一発で配役もろわかりブラネ(爆)。
「用があったら後にしなさいな!」
高周波高笑いに何とか耐えたベアトリクスは耳の奥が痛いのを我慢して申し上げる(だから何故以下略)。
「それが実はガーネット様が先ほど……」
「そう言えば、さっきからガーネットの姿が見えないですわねオホホホホホホホホ!」
笑い事じゃねえだろ……(失礼)。
「はい。先ほどガーネット様が国宝のペンダントを持ち去り、どこかへと足早に去られたようでございます」
「なんですって!? あの小娘は一体何を考えているっ!?
 ベアトリクス将軍!」
「はっ!」
「それとそこのスタイナー隊長!」
後ろに控えていた……もといボケ〜としていた男がはっとなる。
これも配役もろわかり。
「急いでガーネットを探してきなさい! オホホホホホホホホホホホ!!!」
さすがにこの高周波高笑いに長々と付き合う気はないらしい騎士2人は、返事をしてそこから去った。








さきほどジタンたちがいた、そしておじゃごじゃ2人(何だそれは)がいた廊下に来たスタイナーは大声で叫んだ。
「プルート隊! 集合!」
一応ホールになっていて、廊下は橋だ(だからどう表現以下略)。
声はわんわんと響き、やがて奥の部屋から2人の兵士が駆けて来た。
ただし。
鎧を着ていない。
「なんだあっ? たった2人か?」
そう。さきほどジタンとブランクに気絶させられた2人だ。
「あとの6名はどうしたんだ?」
プルート隊の2人――名前はブルツェンとコッヘル――が曖昧な表情をする。
「さっさと着替えてガーネット様をお探しするぞっ!」
隊長の叱責に隊員2名は慌ててプルート隊の部屋に戻っていった。
スタイナーはそのまま城内をうろついた。
途中、いろんなところで油を売っている隊員を叱責しながら。
そして、城の外の中掘りあたりに来た時、プリマビスタのあたりから大きな歓声があがった。
さきほどジタンとブランクが聞いた歓声からそう時間は経っていないはずだ。
「おおっ。芝居の方は盛り上がってるみたいだなぁ〜。
 しっかし、芝居が終わる前に姫様を見つけないと、女王様にどやされるからなぁ……。
 しかもまたベアトリクスたちの笑い種にされる……。急ごう」
緊迫感のない、原作とはかけはなれまくったスタイナーである。
城内を歩き回って、塔に登ったスタイナー。
「さすがに疲れたなぁ……。
 …………………………ん?」
当初の目的を忘れたように――実際忘れてるかもしれないけど――塔の手すりによりかかっていたスタイナーは偶然ガーネット姫を見つけた。
ただし、彼女は隣の塔であった。
「ガーネット姫様!?」
目がいいからすぐにわかったらしい。
「賊に追われてる!?」
隣といっても、アレクサンドリアの城である。
かなり遠い。
両塔の間を飛び越すことはさすがのスタイナーにも無理である。








一方、スタイナーには気づいていないジタンとガーネット。
「やっと観念してくれたようだな……ガーネット姫?」
息を切らしたジタンが、漸く立ち止まったガーネットに言う。
だがガーネットはジタンの方を振り向くと、ニッコリと笑い、なんと塔から飛び降りた。
「なっ!?」
慌ててジタンが下を見る。
ガーネット姫はロープを使って飛び降りていた。
ちらりとロープの付け根を見る。
頑丈そうなロープではあるが、いつ結び目が解けるかわからない。
「ちっ」
ジタンは小さく舌打ちし、近くにあったもう一本のロープを掴み、ガーネットの後に続いて飛び降りた。
その様子を遠くから見ていたスタイナーも、自分の近くにあるロープに掴まり、やはり飛び降りた。
この間僅か数秒。
ガーネットとジタンは運良くプリマビスタの屋根に不時着した。
スタイナーは別のところから飛び降りたため、2人とは離れたところに不時着した(原作では壁に激突……)。
ここからスタイナーのジタン&ガーネット追跡劇が始まる。(何か違う)








――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


スタイナー:ガウリイ(!?)
ベアトリクス:シェーラ(!?)
ブラネ:ジョセフィーヌさん(!?)
ゾーン&ソーン:なし(というかどうしろと……)
コッヘル&ブルツェン:なし(こんな細かいところまで無理です)


ストーリーに深く関わってないキャラには配役あてにくいんです。
今問題なのはクジャ……。
……と、ミコト(随分後の話だ)。
ミコト=リナっていいかなぁと思ったんですが、リナはどちらかというと……ラニ………………。
まあ、ラニも3章終盤で登場だからおいといて、と(待て)。


あ。全員転生体です。くどいですが、スレの時代の数100年後……。
と言いつつ、『1話では1000年ほど前……』とかって書きましたけど……それはあまり気にせずに(マテ)。

それでは。

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13334Re:3話:決行〜姫を探してD・S・ハイドラント 2003/2/22 21:43:41
記事番号13333へのコメント

こんばんは

>「大変でおじゃるよ!」
>「大変でごじゃるよ!」
>「一大事でおじゃる!」
>「ブラネ様に怒られるでごじゃるよ!」
>「急ぐでおじゃる!」
>「急ぐでごじゃる!」
>「大変でおじゃるよ!」
>「大変でごじゃるよ!」
>ジタンとブランク、ガーネットがいなくなった後しばらくして、同じ廊下に奇妙な格好で奇妙な口調の2人組が現れた。
>ゾーンとソーンである。
おお登場。
>こんなんでも一応宮廷魔道士。
>2人は廊下を走り回る。老人だろ一応あんたらは……。
そういえばそうなんですね。


>『ご』を使うのがソーン。『お』を使うのがゾーンなのである。
>服の色はソーンが赤でゾーンが青。
>2人が互いの服を交換しあったら見分けるのは難しいかと思われるが、実は口調で区別できてしまうのである。
でもわざわざ覚えない人は多いと思う(私がそうだし)

>ここですべてのプレイヤーは思うだろう。
>『かくかくしかじか』でわかるのかっ!?
確かに・・・
でもまあ、そこは対会話用のアビリティを装備することで・・・(?)

>スタイナー:ガウリイ(!?)
クラゲ馬鹿がどう炸裂するか。
>ベアトリクス:シェーラ(!?)
ううむこのベアトリクスの親、似たような名前してたりして・・・
>ブラネ:ジョセフィーヌさん(!?)
まあ適役かと
>ゾーン&ソーン:なし(というかどうしろと……)
分かります。よく分かります。無理です。
見分けがつきにくい、という点では盗賊A&Bとかって感じですけど、没個性的という究極の欠点あるし・・・。
>コッヘル&ブルツェン:なし(こんな細かいところまで無理です)
確かに・・・こいつらをやったら他にも役持たせないと・・・

>今問題なのはクジャ……。
私のノースト君(激しく待て)
・・・後、ハルシフォムとか
>……と、ミコト(随分後の話だ)。
・・・キャラ忘れました。
>ミコト=リナっていいかなぁと思ったんですが、リナはどちらかというと……ラニ………………。
似てはないけどラニ=ナーガとか面白いかも。

後シドはゼロス、とか(ゴ●ちゃん→ブリ虫説から)、ヒルダがゼラスになるのか?
ガーヴがサラマンダーとか、
エーコ=リナ、またはエーコ=後書きL様とか、
あまりに似てないけどハルシフォム=クイナ(ギオ喰ったし)
永遠の闇=盗賊の親分とか
黒のワルツはヴルグムン
バハムートがミルガズィアさんでメガフレアの代わりに竜族のギャグで●ラ●を●すとか・・・。
リナ=アトモスも良いかも(どちらかと言えばカー●ィですけど)

って変なこと言いまくってすみません。
無視してください。

それではこの辺りで・・・



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13336は、早っ。(私は遅いけど)風碧 陽月 E-mail URL2003/2/23 12:38:12
記事番号13334へのコメント


>こんばんは
こんばんはです。
なんだか速いっすね……。

>>「大変でおじゃるよ!」
>>「大変でごじゃるよ!」
>>「一大事でおじゃる!」
>>「ブラネ様に怒られるでごじゃるよ!」
>>「急ぐでおじゃる!」
>>「急ぐでごじゃる!」
>>「大変でおじゃるよ!」
>>「大変でごじゃるよ!」
>>ジタンとブランク、ガーネットがいなくなった後しばらくして、同じ廊下に奇妙な格好で奇妙な口調の2人組が現れた。
>>ゾーンとソーンである。
>おお登場。
この2人がいないと始まらない!(大嘘)

>>こんなんでも一応宮廷魔道士。
>>2人は廊下を走り回る。老人だろ一応あんたらは……。
>そういえばそうなんですね。
です。私もアルティマニア見るまでは知りませんでした(笑)。


>>『ご』を使うのがソーン。『お』を使うのがゾーンなのである。
>>服の色はソーンが赤でゾーンが青。
>>2人が互いの服を交換しあったら見分けるのは難しいかと思われるが、実は口調で区別できてしまうのである。
>でもわざわざ覚えない人は多いと思う(私がそうだし)
私も覚える気なかったんですけど、この話書くから頑張って覚えました。


>>ここですべてのプレイヤーは思うだろう。
>>『かくかくしかじか』でわかるのかっ!?
>確かに・・・
>でもまあ、そこは対会話用のアビリティを装備することで・・・(?)
うわ。あったら便利ですね。
全部の会話が『かくかくじかじか』で終わりますから早くて楽です(マテ)。


>>スタイナー:ガウリイ(!?)
>クラゲ馬鹿がどう炸裂するか。
それはまあスセ参照(って待て)。

>>ベアトリクス:シェーラ(!?)
>ううむこのベアトリクスの親、似たような名前してたりして・・・
ありえます。ありえそうです……というか絶対ありえます。

>>ブラネ:ジョセフィーヌさん(!?)
>まあ適役かと
書いてて疲れますけどね(をい)

>>ゾーン&ソーン:なし(というかどうしろと……)
>分かります。よく分かります。無理です。
ですよね。無理ですよね。

>見分けがつきにくい、という点では盗賊A&Bとかって感じですけど、没個性的という究極の欠点あるし・・・。
>>コッヘル&ブルツェン:なし(こんな細かいところまで無理です)
>確かに・・・こいつらをやったら他にも役持たせないと・・・
プルート隊って8人。スタイナーを入れて9人もいますからねー……(遠い目)。

>>今問題なのはクジャ……。
>私のノースト君(激しく待て)
ををっ。(をい)
よかったらお借りしたいです(ちょっと待て)。

>・・・後、ハルシフォムとか
………………合ってるかも……。

>>……と、ミコト(随分後の話だ)。
>・・・キャラ忘れました。
感情表現が乏しくて、世間知らずで、大人しいキャラです。
あれ?リナじゃない……(死)。
声が林原さんっぽいと思ったので、「名探偵○ナン」の灰原哀ちゃんとか「シャー○ンキング」の名前忘れたけどあの女の子っぽいイメージがあったんですけど……。

>>ミコト=リナっていいかなぁと思ったんですが、リナはどちらかというと……ラニ………………。
>似てはないけどラニ=ナーガとか面白いかも。
あ。面白そうですね。

>後シドはゼロス、とか(ゴ●ちゃん→ブリ虫説から)、ヒルダがゼラスになるのか?
その場合ゼラゼロ(逆かも)狙います。
(フライヤ=ゼラスを狙ってた人)

>ガーヴがサラマンダーとか、
焔色の旦那ですしね。

>エーコ=リナ、またはエーコ=後書きL様とか、
後書きL様!?
召喚士でトット先生にラブレターの書き方教えてもらってグルグ火山でモグがマ○ィ○ンになっちゃって悲しんでたエーコ……。
…………………………寧ろ面白いかもしれないですね(をい)。

>あまりに似てないけどハルシフォム=クイナ(ギオ喰ったし)
クジャよりは適役…………かも?(訊くな)

>永遠の闇=盗賊の親分とか
ジタンも盗賊……。

>黒のワルツはヴルグムン
をを。ぴったりかも!

>バハムートがミルガズィアさんでメガフレアの代わりに竜族のギャグで●ラ●を●すとか・・・。
よし! これで行きます!
ただし……アレクサンダーより強いバハムートだと思います。(待てぃ)

>リナ=アトモスも良いかも(どちらかと言えばカー●ィですけど)
実は私もあのムービー見てカ○ビィを連想してました。
召喚したことはありません。

>って変なこと言いまくってすみません。
>無視してください。
いえいえ。笑わさせて頂きました。
アドバイスありがとうございます。
私もいろいろツッコミましたけど……。

>それではこの辺りで・・・
はい。レスありがとうございます。

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13337微妙に気になる表現が(そこを気にするあたしもあたしだ)リナ&キャナ 2003/2/23 12:55:37
記事番号13333へのコメント

こんにちはですぅ〜〜



>階段を上がり、橋みたいになってる廊下(他にどう表現すればいいのだろう)に出たとき、ジタンは白いフードの女の子と出くわした。
>「(なんだ? 変わった格好をしたやつだな……)」
をいをい・・・
ちょっと考えれば分かるだろーに・・・(嘆息)



>「そうかなあ……。いいや、オレがこんなかわいい子、見逃すはずがないんだけどなぁ……」
>早速ナンパを始めるジタン。
>……………………何かが違う。
>……………………何がって……。そりゃもちろん配役……(待て)。
(大爆笑)
と言うか、この2人よりむしろ・・・ガウリイ・・・これもだけど特にスセの・・・


>こんなんでも一応宮廷魔道士。
>2人は廊下を走り回る。老人だろ一応あんたらは……。
年寄りの冷や水と言う言葉を教えてあげるために、ここは一つ、気管支炎でも起こして倒れさせる、と言う展開はどうでしょう?(外道)
いえ・・・
単に、今あたしが気管支炎おこしてて咳が止まらない、と言うだけの話ですが。


>因みに、どうでもいいが、ゾーンとソーンを見分けるのはそう難しくはない。
>『ご』を使うのがソーン。『お』を使うのがゾーンなのである。
>服の色はソーンが赤でゾーンが青。
>2人が互いの服を交換しあったら見分けるのは難しいかと思われるが、実は口調で区別できてしまうのである。
某ゲームには、『リ』と『ソ』の1文字が違うモンスターがいて、頭の色があかと青で違ってたんですよ・・・
そして、赤は物理攻撃反射、青は魔法攻撃反射・・・
あれは辛かった・・・何しろ、色が薄くて見にくい・・・(嘆息)


>……と(待て)。
>ベアトリクスがブラネ女王の前にやってくると、ブラネは不機嫌そうに仰った(何故敬語)。
>「芝居を楽しんでいる最中ですわよオホホホホホホ!」
>一発で配役もろわかりブラネ(爆)。
ですな(苦笑)
って言うか、想像したくねぇ・・・


>「それとそこのスタイナー隊長!」
>後ろに控えていた……もといボケ〜としていた男がはっとなる。
>これも配役もろわかり。
ボケ〜っと、ね・・・(笑)
さっきも言いましたが、配役・・・


>「さすがに疲れたなぁ……。
> …………………………ん?」
>当初の目的を忘れたように――実際忘れてるかもしれないけど――塔の手すりによりかかっていたスタイナーは偶然ガーネット姫を見つけた。
本当に忘れていそうで怖い・・・
ガーネット見つからなかったら、本当に完全に忘れまくってそこら辺で油売ってたかも・・・


>ここからスタイナーのジタン&ガーネット追跡劇が始まる。(何か違う)
この一行、深読みすると怖いことになるんですが・・・
え?
んなことするのはあたしだけだと?
ごもっともです。




ではでは〜〜

P.S
咳が止まらない・・・
受験当日にもこうなったらどうしよう・・・

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13338気にしないで下さい(待て)風碧 陽月 E-mail URL2003/2/23 13:36:45
記事番号13337へのコメント


>こんにちはですぅ〜〜
こんにちはです。


>>階段を上がり、橋みたいになってる廊下(他にどう表現すればいいのだろう)に出たとき、ジタンは白いフードの女の子と出くわした。
>>「(なんだ? 変わった格好をしたやつだな……)」
>をいをい・・・
>ちょっと考えれば分かるだろーに・・・(嘆息)
まあ、ジタンですからねー(理由なってない)。


>>「そうかなあ……。いいや、オレがこんなかわいい子、見逃すはずがないんだけどなぁ……」
>>早速ナンパを始めるジタン。
>>……………………何かが違う。
>>……………………何がって……。そりゃもちろん配役……(待て)。
>(大爆笑)
>と言うか、この2人よりむしろ・・・ガウリイ・・・これもだけど特にスセの・・・
あはは(汗)。
まあ……ルークもシェーラをナンパしてるような感じがあって『オレが愛してるのはミリーナだけだぜv』のようなことを言ってたので……。
…………まあ、いいかなぁと(誤魔化してみる)


>>こんなんでも一応宮廷魔道士。
>>2人は廊下を走り回る。老人だろ一応あんたらは……。
>年寄りの冷や水と言う言葉を教えてあげるために、ここは一つ、気管支炎でも起こして倒れさせる、と言う展開はどうでしょう?(外道)
爆笑。
このおじゃごじゃの末路を知っていると……そういう末路にしてやってもいいかなと思ってみたり……(をい)。

>いえ・・・
>単に、今あたしが気管支炎おこしてて咳が止まらない、と言うだけの話ですが。
え゛っ。風邪ですか。大丈夫ですか?
気をつけてくださいね。

>>因みに、どうでもいいが、ゾーンとソーンを見分けるのはそう難しくはない。
>>『ご』を使うのがソーン。『お』を使うのがゾーンなのである。
>>服の色はソーンが赤でゾーンが青。
>>2人が互いの服を交換しあったら見分けるのは難しいかと思われるが、実は口調で区別できてしまうのである。
>某ゲームには、『リ』と『ソ』の1文字が違うモンスターがいて、頭の色があかと青で違ってたんですよ・・・
>そして、赤は物理攻撃反射、青は魔法攻撃反射・・・
>あれは辛かった・・・何しろ、色が薄くて見にくい・・・(嘆息)
テレビの画面操作で色を濃くする、とか(根本的な解決になってない)。
そう言えば……そういうのが9にもいますよ……。
5章の終盤にあたるデザートエンブレスっていうところに……。


>>……と(待て)。
>>ベアトリクスがブラネ女王の前にやってくると、ブラネは不機嫌そうに仰った(何故敬語)。
>>「芝居を楽しんでいる最中ですわよオホホホホホホ!」
>>一発で配役もろわかりブラネ(爆)。
>ですな(苦笑)
>って言うか、想像したくねぇ・・・
しちゃいけません。
というかしないでください。


>>「それとそこのスタイナー隊長!」
>>後ろに控えていた……もといボケ〜としていた男がはっとなる。
>>これも配役もろわかり。
>ボケ〜っと、ね・・・(笑)
>さっきも言いましたが、配役・・・
まあ(苦笑)。
原作のスタイナーは頑固で頭が堅くで鈍いキャラなんですけど……。


>>「さすがに疲れたなぁ……。
>> …………………………ん?」
>>当初の目的を忘れたように――実際忘れてるかもしれないけど――塔の手すりによりかかっていたスタイナーは偶然ガーネット姫を見つけた。
>本当に忘れていそうで怖い・・・
>ガーネット見つからなかったら、本当に完全に忘れまくってそこら辺で油売ってたかも・・・
ここに来るまでにサボってた隊員叱責してるのに自分が油売っちゃいそうですね。
例えば塔の上で、
「おおっ。プリマビ……なんとかっていうげきじょーていがあるぞー。
 眺めいいなぁ……。アレクサ……アレク…………なんだっけこの国の名前……まあ、いいや。この国って平和だよなぁ」
気づけブラネの変貌ぶりに。

って感じで(をい)。


>>ここからスタイナーのジタン&ガーネット追跡劇が始まる。(何か違う)
>この一行、深読みすると怖いことになるんですが・・・
>え?
>んなことするのはあたしだけだと?
>ごもっともです。
深読みしなければいいのです(待て)。


>ではでは〜〜
レスありがとうございます〜


>P.S
>咳が止まらない・・・
>受験当日にもこうなったらどうしよう・・・
お、お気をつけ下さい。
受験中集中できなくなります……(汗)。

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133464話:奪われた瞳風碧 陽月 E-mail URL2003/2/23 16:28:50
記事番号13303へのコメント


陽:正直、どれを書こうか迷ったんですけど……。
クジャ:全然迷ってないはずだよ。更新終えてメモ帳開いてすぐ9のメモリアルアルバムを手に取ってるんだから。
陽:まあ……そうなんですが、とりあえず9の1章:王女誘拐は短いと思う……から、1ツリーで終わらせておこうと。
クジャ:なるほどねぇ。それで1章が終わったらほったらかしにして7か8に行くんだね?
陽:なかなか的を得たご意見でございますねぇ?
クジャ:……。
陽:そう言えば、何故ここにいるんでしょう? 敵キャラ銀髪死神兄ジェノム。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


4話:奪われた瞳(わけのわからんタイトルが続く……)


「あれ? ガーネット姫はどこに行ったんだ?」
プリマビスタの楽団のそばに着地したジタンはガーネットを見失っていた。
「やっ!」
きょろきょろと周りを見回していたジタンは突如上から降ってきた人物の下敷きにされた。
「いててて……」
やっと起き上がったときにはその人物はすでに扉の向こうに消えていた。
まあ、その人物がガーネット姫なのだが。
「ジタン、今の子なんなんだ」
シンバル奏者が小声で訊いてくる。
演奏中は演奏に集中しないとどこ演奏してるのかわからなくなるから気をつけよう(←経験者)。
シンバル奏者に曖昧に返事をしておいて、ジタンは急いで扉を開けた。



「きゃあ〜、なにすんねんなぁ〜! ちょっと!! 
 あんたなぁ……。ウチにぶつかっといて、誤りもせえへんの!?」
隣の部屋ではタンタラス紅一点であるルビィが突然駆け込んできたガーネットを捕まえて文句を垂れていた。
ルビィは元気はつらつとした姐御肌の女性で、感情の起伏が激しい。
田舎から上京してきたところが他のタンタラスメンバーと違うところだ。
その田舎の訛りなのかなんなのかは一切不明だがトラビア弁…というか…まあ…不思議な言葉使いをする。
劇では常にコーネリア姫を演じる。
まあ、タンタラスの紅一点だから必然的にヒロインを演じることになるだけなのだが。
ちなみに化粧は濃いめ。
ブランクと相性が悪い。
「も、申し訳ありません。
 事情があり、急いでいたものですから……」
「もぉ〜、ウチこれから舞台に出る用意せなあかんのに!」
丁寧に謝るガーネットを許さず、ルビィは延々と文句を垂れ続ける。
丁度そこにジタンが入って来た。
「ちょっとジタン、聞いてえなぁ。このコ、ムチャクチャやねん!」
「そんなことよりも、そのコと話をさせてくれ!」
ジタンの性格をよく知るルビィはそのセリフでキレた。
「ちょっと!! そんなことってどういう意味やのん!!」
ルビィは怒りの矛先をジタンに向けた。
やはりルビィの性格をよく知るジタンはしまったと内心で悪態をついていた。
「あっ!」
その隙にガーネットが逃げてしまった。
「ルビィ! 細かい話は後だ!!」
「あのコ誰やのん?」
基本的に感情の起伏が激しい……この場合短気な人は、キレるのが早いが冷めるのも早い。
ルビィもその例に漏れず、あっさりとジタンを通した。



ガーネットが逃げたのは、作戦会議をした部屋の隣――つまり、バクーが仮面を被って乱入し、ゲーム開始直後……もとい、ストーリ開始直後にバトルが始まった部屋だった。
「ふぅ……。やっと観念してくれたようだな?」
さっきも言ったセリフだが。
「(ま、計画とは違ったけど、これで誘拐作戦もバッチリだぜ!)」
「あなた……。もしかして、この劇場艇の方かしら?」
心の中で密かにガッツポーズを取っていたジタンはガーネットの言葉で現実に引き戻された。
「(まいったなぁ、やっぱりバレてたのか……)」
バレるも何も、もろわかりだったりするのだが……。
「ご存知かもしれないのですけど……。
 実は……、わたくしは……」
ガーネットは白いフードの少し上げ、顔が見れるようにした。
「アレクサンドリア王女のガーネット・ティル・アレクサンドロスなのです。
 あなたを見込んでお願いがあります」
ガーネットはジタンの手を取った。
ジタンの顔が赤いのは、近くにあるゲーム開始もといストーリー開始直後にジタンが灯したろうそくの明りのせいではないだろう。
「いますぐ、わたくしを誘拐してくださらないかしら?」
「な、なんだって!? それじゃ、あべこべ……」
ジタンは素っ頓狂な声を上げた。
まあ当然だろう。
こっちが誘拐しようとしていた者が自分の誘拐を依頼してきたのだから。
「姫さまーっ。こちらですかぁ〜?」
「はっ、追っ手が来たようです!」
遠くから聞こえたスタイナーの声にガーネットが身を竦ませ、ジタンの後ろに回る。
「なんだかワケありのようだな?
 よしっ! ここはひとつ、オレにまかせなっ!!」
「ありがとう、恩に着ます」
ジタンは冗談めかしてガーネットの前に跪いて言った。
「それでは、王女様! 今から、わたくしめがあなた様を誘拐させて頂きます!」
「何モタモタしてるずら! はやくこちらへ来るずら!!」
隣の部屋からシナが顔をのぞかせ怒鳴った。
準備は万全らしい……。
「きゃっ!!」
「ガーネット姫、心配しなくていいよ、こいつは仲間のシナってやつだ!」
「そ、そうなのですか? それは驚いたりして大変申し訳ありませんでした」
丁寧に謝罪するガーネットにジタンは苦笑した。
「でもまあ、そのツラじゃガーネット姫が驚くのも無理はないぜ」
「なんだと! これでも毎朝、キチンと手入れしてるずらっ!!」
シナが怒って飛び跳ねながら抗議する。
「姫さまー!?」
「じゃ、ついてくるずらよ!」
「よしっ、シナについて行こう!!」



「姫さま〜?」
ジタンたち3人が隣の会議室に移った数瞬後、スタイナーがその部屋に飛び込んで来た。
「姫さま〜?」
部屋を見渡し――
「来るのが遅いぞ!」
遅れて来た隊員(?)を怒鳴る。
「スッ、スミマセンであります!!」
隊員(?)はさっと敬礼した。



「おい、シナ!! こっちへ来ても行き止まりじゃないのか?」
「ふふふ、こんなこともあるかと思ってたずら」
シナは部屋の中央のテーブルの淵に手をかけた。
作戦会議のときに皆で囲んでいたテーブルだ。
「ほっ!」
軽くかけ声をあげて、テーブルをひっくり返す。
テーブルの下には、プリマビスタのエンジンルームに下りる穴が空いていた。
「こんな仕掛けを作っておいたずらっ!」
「姫さま〜」
「さぁ! 飛び込むずらよ!」
シナ、ガーネット、ジタンの順に穴に飛び込んだ。
バンッ!
扉が開いたときにはすでに3人の姿はなかった。
「姫さまはこの中か」
「じ、自分が行きますでありま〜す!!」
隊員(?)が穴に飛び込んだ……振りをした。
穴に無様にひっかかったのだ。
「な、何やってるんだ!」
「た、隊長! 動けませ〜ん!!」
「くそぉ〜!」
スタイナーが別ルートを探して部屋を出、残った隊員(?)は低く笑った。
「クックックッ、うまくいったぜ!」




穴を飛び降りた3人は、大きな機械の上を走り、跳び、先へ逃げていく。
「なかなか身軽だなあ、お姫さま!」
ゴウゴウと音を立てているプリマビスタの機械――つまり離陸準備は済んでいる――からひょいっと飛び降りたガーネットを見てジタンが感心する。
「思わず惚れちまいそうだぜっ!!」
「覚悟を決めて城を飛び出したからには、これくらいのことなんて平気ですわ」
「まったく、お姫さまにしておくのが惜しいね」
「そのような話は後にしてさあ、行きましょう!」
ジタンはちょっとがっかりしたようだったが大人しくガーネットの後に続いた。
「待てっ! 姫さま! このスタイナーがお助けに参上しました!」
「ガーネット様、ご安心のほどを!」
スタイナーと隊員(?)がすぐ追いついてきた。
どういうルートで来たのかは不明。
あの穴からというのはないだろう。
何故なら――
「いいぞ、プルート隊、始まって以来のちーむわーくだ!」
「クックックッ、な〜んてね、大丈夫だよ、俺たちが無事に誘拐させていただきます」
隊員(?)が兜を脱ぎ捨てた。
「何だってぇ!?」
何故なら、隊員(?)はブランクの変装だったからだ。
「ガーネット姫を!」
ジタンが叫ぶ。
「お守りするのは!」
シナが続け、
「オレたちだ!!」
「俺たちだ!!」
「おいらたちずら!!」
ジタン、ブランク、シナの順に叫び。



そしてバトルが始まった。



――――のだが。
バトルは数秒で終わった。
何故なら。
スタイナーが思いつきで出した技で。
ブリ虫が大量発生し。
その部屋はパニック状態になったからだった――――




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13354あんたはナーガか!!!!!リナ&キャナ 2003/2/24 10:10:32
記事番号13346へのコメント

おはようございます。
って・・・明日前期だよ・・・なんであたしこんなことやってるんだ・・・


>陽:まあ……そうなんですが、とりあえず9の1章:王女誘拐は短いと思う……から、1ツリーで終わらせておこうと。
>クジャ:なるほどねぇ。それで1章が終わったらほったらかしにして7か8に行くんだね?
>陽:なかなか的を得たご意見でございますねぇ?
・・・
・・・・・・いえ、いいですけどね・・・(滝汗)


>「ジタン、今の子なんなんだ」
>シンバル奏者が小声で訊いてくる。
>演奏中は演奏に集中しないとどこ演奏してるのかわからなくなるから気をつけよう(←経験者)。
経験者って・・・
さすがブラス団員ですねぇ・・・(汗)


>「ちょっとジタン、聞いてえなぁ。このコ、ムチャクチャやねん!」
>「そんなことよりも、そのコと話をさせてくれ!」
ここだけ読むと、ナンパ失敗して逃げられたみたいですね(笑)


>「あなた……。もしかして、この劇場艇の方かしら?」
>心の中で密かにガッツポーズを取っていたジタンはガーネットの言葉で現実に引き戻された。
>「(まいったなぁ、やっぱりバレてたのか……)」
>バレるも何も、もろわかりだったりするのだが……。
ばれてないと思ってたのは貴方だけです(きっぱり)
って・・・さすがにひどすぎ?


>そしてバトルが始まった。
>
>
>
>――――のだが。
>バトルは数秒で終わった。
>何故なら。
>スタイナーが思いつきで出した技で。
>ブリ虫が大量発生し。
>その部屋はパニック状態になったからだった――――
大量発生って・・・
ゼラスゴート(注:それはクラゲです)とか・・・人望で呼んだとか・・・(爆笑)


なんか、ツッコミ入れてばっかりのレスになってしまいましたが、この辺で失礼させていただきます。

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13355この現象は謎です風碧 陽月 E-mail URL2003/2/24 11:49:23
記事番号13354へのコメント


>おはようございます。
おハローござい……もといおはようございます。

>って・・・明日前期だよ・・・なんであたしこんなことやってるんだ・・・
そうなんですか。頑張って下さい。


>>陽:まあ……そうなんですが、とりあえず9の1章:王女誘拐は短いと思う……から、1ツリーで終わらせておこうと。
>>クジャ:なるほどねぇ。それで1章が終わったらほったらかしにして7か8に行くんだね?
>>陽:なかなか的を得たご意見でございますねぇ?
>・・・
>・・・・・・いえ、いいですけどね・・・(滝汗)
あ。これは『〜ねぇ?』という語尾にしてクジャの口調をパクるっていうギャグをやってみただけなので気にしないで下さい。
ほったらかしにはしませんから。


>>「ジタン、今の子なんなんだ」
>>シンバル奏者が小声で訊いてくる。
>>演奏中は演奏に集中しないとどこ演奏してるのかわからなくなるから気をつけよう(←経験者)。
>経験者って・・・
>さすがブラス団員ですねぇ・・・(汗)
そうなんですよ……。
なんだかやたらメチャクチャとりずらいリズム部分演奏していてちょっと小説のネタに意識をやっただけでわけわかんなくなります。
だから多分パーカッションも似たような感じかなぁと。


>>「ちょっとジタン、聞いてえなぁ。このコ、ムチャクチャやねん!」
>>「そんなことよりも、そのコと話をさせてくれ!」
>ここだけ読むと、ナンパ失敗して逃げられたみたいですね(笑)
実際初対面でナンパして、ガーネットが逃げたので状況的にはぴったりです。


>>「あなた……。もしかして、この劇場艇の方かしら?」
>>心の中で密かにガッツポーズを取っていたジタンはガーネットの言葉で現実に引き戻された。
>>「(まいったなぁ、やっぱりバレてたのか……)」
>>バレるも何も、もろわかりだったりするのだが……。
>ばれてないと思ってたのは貴方だけです(きっぱり)
>って・・・さすがにひどすぎ?
いえ。その通りだと思いますよ。
ルビィと話してて船内の間取り知ってて……それで気づかれないはずが(をい)。


>>そしてバトルが始まった。
>>
>>
>>
>>――――のだが。
>>バトルは数秒で終わった。
>>何故なら。
>>スタイナーが思いつきで出した技で。
>>ブリ虫が大量発生し。
>>その部屋はパニック状態になったからだった――――
>大量発生って・・・
>ゼラスゴート(注:それはクラゲです)とか・・・人望で呼んだとか・・・(爆笑)
うわぁ。ブリ虫に人望あるとはなんだかナーガっぽいです。
一応ブリ虫について。
羽が赤く、大きさはゴ○くらいで、ぴょんぴょん跳ねながら移動します。
ナゾの虫です(待て)。
このブリ虫発生現象は未だに謎に包まれてます。


>なんか、ツッコミ入れてばっかりのレスになってしまいましたが、この辺で失礼させていただきます。
はい。レスありがとうございます。

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133565話:君の小鳥になりたい風碧 陽月 E-mail URL2003/2/24 11:51:48
記事番号13303へのコメント

5話:君の小鳥になりたい



「うっあブリ虫だぁ〜〜!!」
「ブリ虫はもう嫌だ〜!!」
「ブリ虫だけは勘弁ずら〜!!」
パニックに陥るスタイナー、ブランク、シナ。
ジタンはその隙を見て、ガーネットの手を引き
「さっ! 今のうちだ!」
隣の部屋に逃げ込んだ。



そのころ、彼らの丁度上にある舞台上では劇が佳境を迎えていた。
「今宵はいよいよ、我が娘コーネリア姫とシュナイダー王子との祝言!(←何故か一発変換されない語句)
 これでシュナイダー王子は我が意のまま、そしてサヌーン国も思いのままよ!
 ぐははははは!」
レア王に扮したバクーが豪快に笑う。
ちなみに、サヌーン国に関しては適当に流した方がいいだろう。
ストーリーには関係しないので。
「怪しい男を!」
「捕まえたでよ!」
そんなセリフと共に出て来たのはタンタラスメンバーであるゼネロとベネロ。
この2人には謎が多い。
双子、三つ子、あるいはそれ以上と言われる。
兄弟はみなそっくりの外見をしている。
手にはハサミがついていて、バトルのときはそれを駆使して戦う。
この2人(?)、人間ではないだろう。
「これは面白い! マーカスではないか!
 いかにそなたがコーネリアを愛していようとも。
 また、いかにコーネリアがそなたを愛していたとしても。
 貴様のような身分の低いものとの結婚を認めるわけにはいかぬのだ!!
 この鐘があとみっつ鳴ったとき……。
 貴様には消えてもらうとしよう!!」
レア王が言ったあと、絶妙のタイミングで鐘が鳴った。
恐るべし、プリマビスタの音響担当!
と、それはともかく。



「どうします? 行き止まりですよ!!」
舞台の下ではガーネットがジタンに詰め寄っていた。
「う〜ん、困った……」
「ジタン! No.2に乗るずら!」
隣の部屋からブリ虫を振り切ってやってきたシナが、自らもNo.1に乗って言う。
「よしっ! ガーネット姫、こっちだ!」
「あとひとーつ!」
舞台上でレア王(くどいようだがバクー)が声を張り上げた時、舞台手前の奈落(っていうのか知らんけど)がせり上がり、ジタンとガーネットが現れた。
隣の奈落には何故かスタイナーが。
シナは実は吹っ飛ばされたのだ。
「(ひ、姫さま?」
バクーが驚く。
「(みんな! このまま芝居を続けてくれ!)」
「ん? ここどこだ?」
全然事態を理解していないスタイナー(笑)。
「コーネリア!」
ジタンの合図で、マーカスがガーネットを呼ぶ。
ガーネットは未だに白いローブを被ったままなので、観客にもブラネにも気づかれていない。
今ふと思ったんだが、マーカス役をクジャにやらせたらどうなるのだろうか――。
面白いことになりそうだ。
相手役は………………エーコ?(待て)
意表をついてフライヤか?(更に待て)
……失礼。話が逸れまくった。
「(え……えっと……)」
「(恋人役のマーカスだ!)」
戸惑うガーネットにジタンが素早く耳打ちする。
「マーカス!」
「(そうそう、その調子!)」
「(お芝居には少し興味がありましたの)」
「(よし! しばらくは芝居を続けよう。ブラネ女王も観てるはずだしな!)」
バクーが小声でタンタラスメンバーに指示する。
まあ確かにこの状態で依頼を遂行し、ガーネットを誘拐なんぞしようもんなら、怒り狂ったブラネの報復に会いかねない。
…………どっちにしろすぐに報復されることになるけど。
「マーカス、逢いたかった……。もう離れたくありません。
 このまま、わたくしをどこかへ連れて行ってくださいまし!」
ガーネットがここまで正確にセリフを言えるのは、まあ後ほどわかることだが、ガーネットは『君の小鳥になりたい』を書いたエイヴォン郷のファンで、何度も本を読んでいるからなのだ。
「どうだい? レア王さんよ。ふたりの仲を認めてやってくれよ!」
「ダメだ! もう離れたくないだと?
 ならん! それはならん!
 コーネリアは、この、シュナイダー王子と結婚するのだ!
 のう、シュナイダー王子!」
「……え?」
バクーはなんと、スタイナーを指名した。
どうでもいいが、この劇、ブラネが観ているのだ。
気づけよブラネって思いません?(待て訊くな)
「ええい、刃向かうやつは皆殺しだーっ!!」
ゼネロとベネロがジタンとマーカスに飛び掛った。
だが、ジタンとマーカスはそれをあっさりと打ち負かす。
「ぐえっ!」
「痛いでよっ!」
「かなわないでよっ!」
「逃げるでよっ!」
タンタラスメンバーでマトモな言葉使いをするのはジタンとブランクだけなのか……?
まあ、それはともかくとして。
「コーネリアよ、さあ、父と一緒に城に帰るのだ」
「嫌です! わたくし、もう嫌です!」
「コーネリア……。もうこれ以上、父を困らせないでくれ。
 おまえのためを思ってこその結婚なのだ……。
 わかってくれ……」
「そうはさせないぞ、レア王!」
マーカスが剣(劇用のレプリカ)を抜いた。
「今こそ、年貢の納め時!
 親の仇、そして、愛するコーネリアのため……。この刃にものを見せてやる!」
マーカスはもの凄い勢いで剣をレア王に突き出した。
だが、その刃がレア王に刺さる一瞬前、レア王の前にコーネリアが立ち塞がった。
剣はコーネリアの胸に突き刺さった。
……演技だけど。
「うッ!!」
「ど、……どうして!?」
呆然とするマーカス。
「マー……カス、ごめんね。こんな人でも、わたくしの父なのです……」
「コーネリア!」
「父上、わがままばかりで申し訳ありませんでした。
 でも、どうかマーカスをお許しくださいまし……」
そこまで言ったコーネリアは静かに息を引き取った。
「なんてことだ!
 もう、コーネリアの声は聞けないのか!
 もう、コーネリアのあたたかい温もりには触れられないのか!
 こうなれば、もう俺が生きている意味はない!!」
マーカスが絶叫し、手にした剣を自分の胸に付き立てた。
「うぐっ!!」
「マーカス!」



そのシーンを観ていたブラネ女王は、王室専用観劇室で号泣していた。
怖いので書きませんというか怖くて書けません。



「く〜っ、いい芝居だぜ!」
いつの間にか一般観客席の最前列に来ているパックとビビ。
「うん、そうだね」
ビビはもう芝居に夢中でパックの言葉にも曖昧にしか返事しない。
「これでこそ。頑張って屋根の上を通ってきたかいがあるってもんだ、なあ、おい!
 あ、やべ! 逃げるぞ!」
「え?」
パックのセリフを遠くから聞きつけたプルート隊のハーゲンとワイマールがもの凄い形相で走って来た。
タダ観は許さないということだ。
「こら待てー!!」
「タダ観は許さんぞー!!」
ほらやっぱり(待て)。
芝居に夢中だったビビは対応に遅れた。
「バカッ! 置いてくぞ!!」
パックはビビを置いて行った。意外と薄情というか……。
「熱血〜〜〜〜〜〜っ!!」
「待たんかーっ!!」



「父を許してくれーっ!!」
バクー……じゃなくてレア王が絶叫する。
そこに。
「ごめんなさーい!」
「こら待てーっ!!」
「待たんかーっ!!」
という声と共に、なんとビビとプルート隊2名が舞台上に上がってきてしまった。
「来ないでよっ!」
ビビがハーゲンとワイマールに向かって手をかざした瞬間、光と共に炎が現れた。
その炎はプルート隊2人には当たらず、倒れていたガーネットのローブに引火してしまった。
「あつーい!」
ガーネットが慌ててローブを脱ぎ捨てる。
「ジタン! そろそろ潮時だ!
 これで劇団タンタラスもおしめえだな!」
ジタンは強く頷き、
「ガーネット姫、逃げるぞ!!」
「な、何がなんだかわからんぞ!?」
スタイナーが混乱している(原作通りだなぁ…)。
「スタイナー!
 もう、これ以上、わたくしを追いかけないでください!!」
「隊長! どうすれば良いでありますか!」
ハーゲンがスタイナーの指示を仰ぐ。
が、こういう時にスタイナーに質問することが間違いだ(酷)。
「う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
原作FF9通りに考え込むスタイナー(お。なんだかはまり役かも)。
「そういうわけにはいかないっ!」
「あいかわらず頑固者ねっ!」
というかクラゲ……いえなんでもないです。
「こんなヤツ放っといて早く行こう!」
「姫さま!」
ジタンがガーネットの手を引き、そのまま呆然と立っているビビに話し掛けた。
「おい、おまえ、大丈夫か?」
「うん……。ちょっとこけただけ」



以下オリジナル。
「エンジン始動準備完了だぜ、ボスッ!」
「よしッ。シナ、上の様子を見て来い! 準備出来次第離陸するぞっ!」
「わかったずら!」
プリマビスタのエンジンルームや機械室(いや、こういう知識がないのでよくわからないです)で様々な指令が乱れ飛ぶ。
「起動準備しておいてよかったな!」
「ああ! 作戦とはちょっと違ったが、これで充分だっ!」
以上でオリジナル終わり。
「準備できたずらよ!」
上――舞台を見てきたシナがバクーに言う。
「うむ!」
「こっちもOKだ!!」
ブランクも報告する。
「お〜〜〜っし!! 出発進行だ〜〜〜!!」
「らじゃ〜〜〜っ!!」
「行くぜーっ!!」





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そう言えば、パック君の配役なんですが、スレイヤーズすぺしゃるの何巻か覚えてないんですが、リナに弟子入りしようとしていた魔道士見習いの男の子です。
リナとナーガを命知らずにも『ぺちゃぱいねーちゃん』『ちちうしおばさん』と呼んでどつかれていた……。
あの子にしてみました。
ハーゲンとワイマールはなしです。


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13361Re:5話:君の小鳥になりたいD・S・ハイドラント 2003/2/24 19:49:16
記事番号13356へのコメント

>「うっあブリ虫だぁ〜〜!!」
>「ブリ虫はもう嫌だ〜!!」
>「ブリ虫だけは勘弁ずら〜!!」
ゼロス(違)大量

>ガーネットは未だに白いローブを被ったままなので、観客にもブラネにも気づかれていない。
いわゆる白魔道士状態(?)

>今ふと思ったんだが、マーカス役をクジャにやらせたらどうなるのだろうか――。
>面白いことになりそうだ。
・・・恐い。
>相手役は………………エーコ?(待て)
>意表をついてフライヤか?(更に待て)
とりあえずネージュで(話が違う)

>気づけよブラネって思いません?(待て訊くな)
恐らく俗物でしょうし・・・いやあんまり関係ないか

>そのシーンを観ていたブラネ女王は、王室専用観劇室で号泣していた。
>怖いので書きませんというか怖くて書けません。
確かに・・・

>以下オリジナル。
>「エンジン始動準備完了だぜ、ボスッ!」
>「よしッ。シナ、上の様子を見て来い! 準備出来次第離陸するぞっ!」
>「わかったずら!」
>プリマビスタのエンジンルームや機械室(いや、こういう知識がないのでよくわからないです)で様々な指令が乱れ飛ぶ。
>「起動準備しておいてよかったな!」
>「ああ! 作戦とはちょっと違ったが、これで充分だっ!」
>以上でオリジナル終わり。
おおっ本格(?)

・・・やはりエーコはL様で、変身式グリモウが部下S、と(いや待て)
そういえばノースト君、説明入れときます?それとも適当に使います?

それではこれにて一時退却します。

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13371想像して爆笑しました。風碧 陽月 E-mail URL2003/2/25 12:19:01
記事番号13361へのコメント


>>「うっあブリ虫だぁ〜〜!!」
>>「ブリ虫はもう嫌だ〜!!」
>>「ブリ虫だけは勘弁ずら〜!!」
>ゼロス(違)大量
…………(←想像してパソの画面前で爆笑してる人)。


>>ガーネットは未だに白いローブを被ったままなので、観客にもブラネにも気づかれていない。
>いわゆる白魔道士状態(?)
そうですね。
初めて見たとき、チョコボのダンジョン2のシロマを連想しましたし。
『チョコボの不思議なダンジョン2』……長いからチョコダン2しますか(待て)。


>>今ふと思ったんだが、マーカス役をクジャにやらせたらどうなるのだろうか――。
>>面白いことになりそうだ。
>・・・恐い。
そうですか?
私は想像して笑ってたんですけど。
もしクジャがマーカス役やるならコーネリア役やってみたいなぁとも(←末期)。
まあ……確かに怖い部分ありますけどね(汗)。


>>相手役は………………エーコ?(待て)
>>意表をついてフライヤか?(更に待て)
>とりあえずネージュで(話が違う)
をを。なるほど。それで行きましょう。(待て)


>>気づけよブラネって思いません?(待て訊くな)
>恐らく俗物でしょうし・・・いやあんまり関係ないか
それにまあブラネですし(?)


>>そのシーンを観ていたブラネ女王は、王室専用観劇室で号泣していた。
>>怖いので書きませんというか怖くて書けません。
>確かに・・・
書けと言われたらもう現実逃避する以外ありません(大袈裟)。


>>以下オリジナル。
>>「エンジン始動準備完了だぜ、ボスッ!」
>>「よしッ。シナ、上の様子を見て来い! 準備出来次第離陸するぞっ!」
>>「わかったずら!」
>>プリマビスタのエンジンルームや機械室(いや、こういう知識がないのでよくわからないです)で様々な指令が乱れ飛ぶ。
>>「起動準備しておいてよかったな!」
>>「ああ! 作戦とはちょっと違ったが、これで充分だっ!」
>>以上でオリジナル終わり。
>おおっ本格(?)
…的に誘拐します(何)。
ゲームと同時に出来ない状態だからこうしちゃったんですけど。


>・・・やはりエーコはL様で、変身式グリモウが部下S、と(いや待て)
想像したら……なんだか怖いというか面白いというか……。
というか……モグってメスだったような……(想像して爆笑)。


>そういえばノースト君、説明入れときます?それとも適当に使います?
適当だとなんだか悪いので…簡単でいいので説明があると嬉しいです。


>それではこれにて一時退却します。
退却っすか。
では私は高飛びします(をい)。
ではレスありがとうございます。

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13368君の囮になりたい(何)ザズルア=ジャズルフィードゥ E-mail URL2003/2/24 22:45:37
記事番号13356へのコメント

どうもです。いきなりですがタイトルに意味はありません。(何)
FF7や8の方も見ていますが、7はまだ途中なのでゲームと同時進行で読んでいます。ちなみに追いつくどころか差が開いていますが。(さっさとやれ)
FF9も久しぶりにまたやりだしています。(名前が)こちらの配役どおりに。(爆)楽しいです(笑)ちなみにこちらもなるべく同時進行で進めています。

>「今宵はいよいよ、我が娘コーネリア姫とシュナイダー王子との祝言!(←何故か一発変換されない語句)
> これでシュナイダー王子は我が意のまま、そしてサヌーン国も思いのままよ!
> ぐははははは!」

ありますよね、なぜか一発変換されないときって。

>ちなみに、サヌーン国に関しては適当に流した方がいいだろう。
>ストーリーには関係しないので。

記憶にも残っていませんでした。(待て)

>そんなセリフと共に出て来たのはタンタラスメンバーであるゼネロとベネロ。
>この2人には謎が多い。
>双子、三つ子、あるいはそれ以上と言われる。
>兄弟はみなそっくりの外見をしている。
>手にはハサミがついていて、バトルのときはそれを駆使して戦う。
>この2人(?)、人間ではないだろう。

9の世界は獣人がいっぱいいますからね。
彼らのことを深く考えたことはありませんが。(をひ)

>レア王が言ったあと、絶妙のタイミングで鐘が鳴った。
>恐るべし、プリマビスタの音響担当!

そんなに難しいのですか・・・。演劇部やっているのに全然知らなかった。(待て裏方)

>今ふと思ったんだが、マーカス役をクジャにやらせたらどうなるのだろうか――。
>面白いことになりそうだ。
>相手役は………………エーコ?(待て)
>意表をついてフライヤか?(更に待て)

嫌じゃあんなキザ野郎。(お前こそ待て)EDで初めて可愛げを見せたけど。(こいつの言う可愛げ=健気?)
エーコはビビ(サラマンダー可←犯罪)フライヤはフラットレイさんの方向で。(話の筋ずれてる)

>「どうだい? レア王さんよ。ふたりの仲を認めてやってくれよ!」
>「ダメだ! もう離れたくないだと?
> ならん! それはならん!
> コーネリアは、この、シュナイダー王子と結婚するのだ!
> のう、シュナイダー王子!」
>「……え?」
>バクーはなんと、スタイナーを指名した。
>どうでもいいが、この劇、ブラネが観ているのだ。
>気づけよブラネって思いません?(待て訊くな)

意識がダガー(ガーネット)に集中していたので気にも留めていませんでした。(笑)
ところでもともとシュナイダー王子役って誰が演じる予定だったんだろう・・・?
・・・あっ!シュナイダーってスタイナーと音似てる!(笑)

>そのシーンを観ていたブラネ女王は、王室専用観劇室で号泣していた。
>怖いので書きませんというか怖くて書けません。

コルネオとこっち、どっちが嫌ですか?(訊くな)

>そう言えば、パック君の配役なんですが、スレイヤーズすぺしゃるの何巻か覚えてないんですが、リナに弟子入りしようとしていた魔道士見習いの男の子です。
>リナとナーガを命知らずにも『ぺちゃぱいねーちゃん』『ちちうしおばさん』と呼んでどつかれていた……。
>あの子にしてみました。

クレイ君ですか・・・。フライヤ姉さんは誰になるんだろう♪

では。(^^)ノシ

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13372君の………………。お、思いつかない…風碧 陽月 E-mail URL2003/2/25 12:27:56
記事番号13368へのコメント


>どうもです。いきなりですがタイトルに意味はありません。(何)
こんにちは。
私はタイトル思いつきませんでした。


>FF7や8の方も見ていますが、7はまだ途中なのでゲームと同時進行で読んでいます。ちなみに追いつくどころか差が開いていますが。(さっさとやれ)
ありがとうございます。
まあ…7はワールドマップ移動は省略状態ですから、その分進んじゃうのかもしれないです。
頑張って下さい。


>FF9も久しぶりにまたやりだしています。(名前が)こちらの配役どおりに。(爆)楽しいです(笑)ちなみにこちらもなるべく同時進行で進めています。
うわぁ。スタイナーがガウリイに(笑)。
面白そうですね。


>>「今宵はいよいよ、我が娘コーネリア姫とシュナイダー王子との祝言!(←何故か一発変換されない語句)
>> これでシュナイダー王子は我が意のまま、そしてサヌーン国も思いのままよ!
>> ぐははははは!」
>
>ありますよね、なぜか一発変換されないときって。
その場合辞書登録しちゃいます。


>>ちなみに、サヌーン国に関しては適当に流した方がいいだろう。
>>ストーリーには関係しないので。
>
>記憶にも残っていませんでした。(待て)
私もここ書くまで忘れてました。


>>そんなセリフと共に出て来たのはタンタラスメンバーであるゼネロとベネロ。
>>この2人には謎が多い。
>>双子、三つ子、あるいはそれ以上と言われる。
>>兄弟はみなそっくりの外見をしている。
>>手にはハサミがついていて、バトルのときはそれを駆使して戦う。
>>この2人(?)、人間ではないだろう。
>
>9の世界は獣人がいっぱいいますからね。
>彼らのことを深く考えたことはありませんが。(をひ)
私もあまり。
ジタンにシッポがあっても誰も変に思わないあの世界だし…と思ってそのままに……(待て)。


>>レア王が言ったあと、絶妙のタイミングで鐘が鳴った。
>>恐るべし、プリマビスタの音響担当!
>
>そんなに難しいのですか・・・。演劇部やっているのに全然知らなかった。(待て裏方)
いえ。ブラス部なのでそういうのはわかんないんですけど……。
タイミングあわせって結構難しそうだなって思っただけです。


>>今ふと思ったんだが、マーカス役をクジャにやらせたらどうなるのだろうか――。
>>面白いことになりそうだ。
>>相手役は………………エーコ?(待て)
>>意表をついてフライヤか?(更に待て)
>
>嫌じゃあんなキザ野郎。(お前こそ待て)EDで初めて可愛げを見せたけど。(こいつの言う可愛げ=健気?)
いやぁ。私はクジャ好きっすけどね。


>エーコはビビ(サラマンダー可←犯罪)フライヤはフラットレイさんの方向で。(話の筋ずれてる)
私はエーコはビビの方で。まあサラマンダーもいいかなと思いますが。
フライヤはフラットレイですね。


>>「どうだい? レア王さんよ。ふたりの仲を認めてやってくれよ!」
>>「ダメだ! もう離れたくないだと?
>> ならん! それはならん!
>> コーネリアは、この、シュナイダー王子と結婚するのだ!
>> のう、シュナイダー王子!」
>>「……え?」
>>バクーはなんと、スタイナーを指名した。
>>どうでもいいが、この劇、ブラネが観ているのだ。
>>気づけよブラネって思いません?(待て訊くな)
>
>意識がダガー(ガーネット)に集中していたので気にも留めていませんでした。(笑)
私はいつもここで疑問に思います。

>ところでもともとシュナイダー王子役って誰が演じる予定だったんだろう・・・?
さあ……。出番がなかったタンタラスメンバーっていないですから……。

>・・・あっ!シュナイダーってスタイナーと音似てる!(笑)
あ。ほんとだ!


>>そのシーンを観ていたブラネ女王は、王室専用観劇室で号泣していた。
>>怖いので書きませんというか怖くて書けません。
>
>コルネオとこっち、どっちが嫌ですか?(訊くな)
どっちも嫌です(即答)。
まあ……まだブラネの方がいいかも……。


>>そう言えば、パック君の配役なんですが、スレイヤーズすぺしゃるの何巻か覚えてないんですが、リナに弟子入りしようとしていた魔道士見習いの男の子です。
>>リナとナーガを命知らずにも『ぺちゃぱいねーちゃん』『ちちうしおばさん』と呼んでどつかれていた……。
>>あの子にしてみました。
>
>クレイ君ですか・・・。フライヤ姉さんは誰になるんだろう♪
さあ。誰でしょう(待て)。

>では。(^^)ノシ
はい。レスありがとうございます。

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133736話:劇場艇、墜ちる。風碧 陽月 E-mail URL2003/2/25 12:35:47
記事番号13303へのコメント

6話:劇場艇、墜ちる。





低い音を響かせ、劇場艇プリマビスタが離陸する。
“霧”を利用する飛空挺には滑走など必要ないのだ。
ガーネットが舞台上に現れた事と、突然の役者のセリフと、突如離陸した劇場艇とでパニックに陥っていた観客たちは呆然としているだけだった。
だが。
ガーネットの目には、怒り狂ったブラネが兵士に指示を出しているのが映っていた。
ほどなくして、轟音と共に先端に槍がついている鎖(なんて言うんだろ)がプリマビスタの周り、四方八方から発射され、何本もの槍がプリマビスタの船体に突き刺さる。
コントロールをミスったか、バランスを崩したか。
プリマビスタの船体は大きく傾き、その場で勢いよく旋回した。
その際に、プリマビスタの船首に飾られている女神の彫像が城の壁に激突し、城のレンガが崩れ落ちた。
あちこちで鋭い悲鳴が響き渡る。
それを見たガーネットは口元を押さえ、その場に崩れ落ちてしまった。
それをジタンが支える。
「ちっ……」
舌打ちしながらジタンは思った。
こっちにはガーネットがいる。
それなのに、この過剰なまでの攻撃はなんなんだ。
一般人にまで被害が出てるぞ――――
大砲が撃たれた。
弾はジタンとガーネットの真上の壁に命中し、派手に爆発した。
「なんだよっ! ガーネットまで殺す気かよっ!?」
次々に発射される大砲。
そして、ジタンの前の砲座の銃口がぴったりとジタンとガーネットに向き、弾が発射された。
しかし、弾は途中で爆発した。
「……失敗か? いや……違うっ!?」
爆煙の中から真っ赤な炎のモンスターが現れた。
戦闘態勢を取るジタンと、かけつけたマーカス。
その前に邪魔に立ち塞がったスタイナー!
「お、おっさん、後ろ見ろ」
おっさんじゃないけど、他にどう言わせればいいのか……ということでこれで行きます(をい)。
「お願いスタイナー、後ろを見て!」
「ボ、ボムが……」
「ボムが爆発しそうっスよ」
ジタン、ガーネット、ビビ、マーカスの順にスタイナー言いかける。
スタイナーが後ろを見たときには、ボムは爆発寸前だった。
モンスターと言っても、ボムは炎でできた物質のようなものだから気配を読めなかったのだろう(誤魔化してみる)。
次の瞬間ボムが大爆発を起こした。
「お、落ちるずらっ!」
シナがエンジンルームで悲鳴を上げた。
プリマビスタの外からは、船体は大爆発を起こし、粉々に砕け散ったかのように見えた。
ブラネ女王が狂喜する。
だが、その顔はすぐに青くなった。
もうもうと立ち昇る爆煙の中から傷ついたプリマビスタがゆっくりと現れた。
劇場艇は追っ手を振り切り、アレクサンドリア城下町を出た。
すぐに下はアレクサンドリアのある高地ではなく、深い崖と大地を濃く覆う“霧”だけになった。
しばらくふらふらと飛んでいた劇場艇だが、次第に高度を下げ、遂には“霧”の下へと墜落した。



ブラネにはこのガーネットの逃走は予想外のものだった。
ガーネットはそんなそぶりはひとつも見せていなかった。
それなのに自分の誕生日に――よりによって、16歳の誕生日に逃げ出すなど……。
自らの計画を台無しにされ、ブラネは怒り狂い、ゾーンとソーンにガーネット姫の連れ戻しを命令した。



「イデデ……。怪我はねぇか、シナ?」
「おいらはなんとか大丈夫だけど、プリマビスタの方はもうダメずら!」
バクーは不敵に笑った。
「こいつぁ、面白くなってきやがった。よりによってこの森に落ちるたぁなあ」
「今までこの森に落ちて、生きて出たやつはいないずら」
シナが震える声で言う。
森の奥からは風や、木の葉のそよぐ音、虫の鳴き声が聞こえてくる。
普通の森であれば心和む音のなのだが、この森の場合は――
「ボス! 大変だ、下で火が出た!
 あちこち燃えて、手におえないぜ!」
ブランクが駆け込んできた。
「弱音をはいてる暇はねえ、火を消し止める方法を考えろ!
 怪我人を助け出すのも忘れんなっ!」
「ああ、わかった!」
タンタラスのチームワークは素晴らしいものがあって、特にこういう場合強い団結力を表す。
まあ……例外もあるけど。
「積荷を劇場艇の外へ運び出しとけ!
 武器、アイテム、使えそうなもん全部だ!
 みんな燃えちまったらこの森から脱出なんてできねえっ!」
「りょうかいずら!」
シナが勢いよく部屋を飛び出し、作業に取り掛かった。
「はあ、はあ……。もう、早く火を消してずら!
 ひとりじゃ運びきれないずら!」
外と船内を何回か行き来し、シナは音を上げた。
「みんな何やってるずら!? 早くしないと全部黒こげずら!」
プリマビスタの外周できょろきょろしているゼネロとベネロを見つけてシナは怒鳴った。
「ガーネット姫を探してるでよ。どこを探しても見つからないんでよ。
 もしかしたら、飛空挺の下敷きになっちゃったかもしれないでよ……」
「王女を誘拐したあげくつぶしちゃ、つるし首だけではすまないずら〜っ!!」
シナは一気に青ざめた。
と、その時、軽い足音がし、シナがびっくりして振り向くと、これといって外傷のないジタンが森の奥から現れた。
「やっぱり生きてたずらね、ジタン!
 飛行中の飛空挺から飛び降りるなんていくらジタンでも無茶しすぎずら」
ジタンは少し苦笑し、
「墜落の衝撃で吹っ飛ばされたんだよ。
 そんなことより、他のみんなは無事なのか?」
「それなら全然心配ないずら。みんな悪運が強いからピンピンしてるずら。
 でも、このままじゃつるし首になるずら。ガーネット姫がどこにも見つからないずら!」
それを聞いたジタンは慌てて森の中に探しにいった。
だが、それをシナが呼び止める。
「なんだよ!」
だがシナはジタンに何かを手渡しただけだった。
ジタンは強く頷くと、迷わず森に向かって駆け出した。
この“魔の森”の恐ろしさは知っているが、そんなものに怯んでいる場合ではない。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


なんだか投稿ペースが上がってるような気がしますが……。
まあ、私がただ早く2章最後(=ディスク1最後)を書きたいと思ってるからなだけです(爆)。
デザートエンブレスも書きたいし、ウイユヴェールも書きたいし、イプセンの古城も書きたいし、イーファの樹も書きたいし……。
一番書きたいのがブラン・バル〜パンデモニウム……。

どうでもいい話が延々と続きそうなので、この辺で止めます。
では。

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133827話:ざわめく森風碧 陽月 E-mail URL2003/2/26 12:16:28
記事番号13303へのコメント

7話:ざわめく森




――魔の森 Evil Forest ――


ジタンは独りで森の中を走っていた。
水溜りを器用に避け、獲物を求めて襲い掛かってくるモンスターを退治し、森の奥へと。
真っ暗な森だが、木々の葉の間から弱い月明かりが差し込むため、目が闇に慣れてしまえばさほど苦労はしない。
ジタンほどの腕があればゴブリンやファング(レベル1。種族:獣。弱い。)は雑魚である。
だが、やはり、月明かりを弱くしている“霧”を疎ましく思う。
「……?」
しばらく走り続け、唐突に立ち止まる。
「今の……悲鳴か……?」
耳を澄ませる。
この森には瞞し(まやかし)が多いと聞いている。
迂闊に行動してモンスターの罠にはまるわけにはいかない。
――うわ〜ぁ〜っ!
「間違いないなっ!」
今度ははっきり聞こえた。
その方角に向かってジタンは迷わず駆け出した。



「うわ〜ぁ〜っ!」
「大丈夫ですか!?」
「まだ来てる……? あ、危ないっ!!」
森の木々の間から切り株が触手を生やしたような外見で、しかも移動が出来る植物型のモンスターが姿を現した。
ガーネットはそのモンスターの触手に捕らえられ、モンスターの頭(?)にある籠みたいなところに入れられた。
「たいへんだ……!」
「なんだあいつは!?」
そこへジタンが駆けつけた。
「姫さまに何をするつもりだ!!」
「話が通じるような相手じゃない! やるぞっ!」
ジタンが短刀を抜いて構える。
スタイナーも素早く剣を抜き放つ。
「な、なんだその光は!?」
スタイナーがジタンを見て驚いた。
何故かジタンは眩い光に包まれていた。
「体に力があふれてくるんだ!」
「まさかトランスとかいうやつか!!」
「さあ、一気に片付けるぜ!」
トランスは感情の高ぶりによって起こり、人間の潜在能力を引き出すものだ。
ジタンの場合は――
「フリーエナジー!」
モンスター(プリゾンケージ)が大爆発を起こした。
「姫さまに当てるなよ〜!」
「当ててねぇよっ!」
プリゾンケージは今の攻撃で大ダメージを受けた。
だが。
触手を動かして、頭の籠に先端を向ける。
「?」
「ま、まさか!?」
強い光を発したかと思うと、プリゾンケージは再び襲い掛かってきた。
「生命力を吸い取りやがったな!」
「なんだとっ!?」
ガーネットは先程よりもぐったりしている。
「おい! ポーション投げろ! ガーネットに!」
プリマビスタから離れる時にシナから貰ったものだ。
スタイナーは手渡されたポーションを片手に、プリゾンケージに向かって走る。
向かってくる触手を切り落とし、ポーションをガーネットに使う。
「ダイダルフレイム!」
次の瞬間、ジタンのトランス技が炸裂し、プリゾンケージは轟音を立てて崩れ落ちた。
だが、息絶えた(植物だけど)と思っていたプリゾンケージは、いきなり立ち上がり、森の奥へ消えて行った。
もちろんガーネットを連れたまま。
……実際のゲーム中だったら、ジタンには「ぬすむ」やらせた方が後に「盗賊のあかし」の威力が……。
まあそれはおいといて。
「姫さま!」
「どこ行ったんだ!?」
「連れて行かれちゃったよ。怖くて魔法が使えなかった。
 このままじゃきっと食べられちゃうよ……」
フィブじゃねぇ……。
「ふたりとも諦めるのはまだ早いぜ。
 あいつらは森の主に操られた人形さ。
 ガーネット姫はこの森の奥にいるその主のところへ連れて行かれたんだ」
「そ、そうか、じゃあまだ姫さまは!
 さっそく追うぞ!」
「うわああッ!?」
「「!!」」
プリゾンケージが再び現れた。
先ほどのと同じヤツなのか、はたまた違うヤツなのかはわからない。
見分けがつかないのだ。
「わあっ!」
ビビがガーネットと同じ状況になる。
ただし今回は。
ぼうっ!!!!
ビビが自分の足元――つまりプリゾンケージの頭(?)に炎系魔法を放つ。
「魔法が効くようだ!」
「いいぞ、その調子だっ!」
ジタンのトランスはすでに解けている。
スタイナーとジタンで触手の動きを抑え、ビビがファイアで攻撃する。
それだけで足りた。
ビビが3回目のファイアを放つと、プリゾンケージは焦げ臭いにおいを上げ、地に倒れ伏した。
ビビが解放される。
「怖かったぁ……」
やっぱりフィブじゃないけど……。
「おまえ怪我はないか?」
「うん……なんとか」
ジタンがビビを立ち上がらせる。
その時、動かなかったはずのプリゾンケージがびくんっと動いた。
「危ないっ!」
咄嗟にジタンはジャンプして回避したが。
プリゾンケージの最期の攻撃は、ビビとスタイナーを直撃していた。



「ジタンに感謝するんだな」
プリマビスタの、焼け残った寝室にビビは寝かされていた。
目を覚ましたビビにブランクが話し掛ける。
「もうちょい遅かったらあの世行きだ。
 おまえは毒を浴びたんじゃない。種を体に植え付けられたんだよ。
 発芽したら体から養分を全部吸い取られて干物にされちまうんだ」
「え……。僕死んじゃうの?」
「あっ、悪い悪い。怖がらせちまったな。
 こいつで種を取り除けるから心配ないんだ」
ブランクはビビにとろりとした薬の入ったコップを渡した。
ビビは恐る恐るそれを口につける。
恐る恐るというのはもちろん。
「うえ……、何これ、変な味……」
まずそうだったからだ。



「姫さま……今助けに行きます。
 ……おまえたち、何の真似だ!?」
「後ろの部屋に入ってもらうでよ」
「おまえたち……姫さまが魔物に食い殺されるかもしれないんだぞっ! それを見捨てる気か!?」
「その体じゃ無理でよ」
「お姫さまのことなら心配ないでよ、ボスに全部任せておけばいいでよ」
ベネロとゼネロは強引にスタイナーを貨物室に詰め込んだ。
「そこでゆっくり休むでよ」
「その薬もちゃんと飲むでよ!」
ベネロとゼネロは部屋に鍵をかけて立ち去った。
貨物室なので、鍵は外にあるのだ。
「くそぉ。こうしてる間にも姫さまは……。
 やつらのボスなんか信用できないし……。
 第一この薬も怪しい……」
スタイナーはそれでも飲んでみた。
「ん? 美味い」
スタイナーの味覚には謎の部分が多い――



「そいつぁ無理だ……。おまえも見ただろ。船の周りは霧から生まれたバケモノだらけだ」
バクーが静かに言う。
「あんなヤツら、なんてことはない。オレたちがそろって行けば平気だよ!」
「それはそうかもしれねぇ。でも怪我人はどうするんだ?」
「一緒に連れてきゃいいだろ!」
ジタンは半ばヤケである。
「そんじゃあ、襲われた時に動きが取れねえで、やられちまうぞ。
 ガーネット姫には気の毒だが、しかたねぇ。仲間の方が大切だ」
「ちきしょうッ!」
ジタンは木の床を強く蹴った。
悔しかった――
「怪我人がみんな回復するまで、タンタラスはここで待機すんぞ!!
 身勝手な行動は許さねえぞっ!!」
「女を見捨てるなんて、見損なったぜ!」
意見を衝突させるジタンとバクー。
ジタンは悔しそうに舌打ちすると、その部屋を出た。
その後ろ姿をバクーはどこか寂しそうに見ていた。
バクーにはジタンの行動がある程度予測できる。
バクーはジタンの育ての親だ。
ジタンが4歳のころからずっと見てきた。
剣を教えたのも、タンタラスに正式に入れてやったのもすべてバクーなのだ。
バクーは、彼にしては酷く珍しく小さく溜息をつくと、窓の外に目をやった。
相変わらず黒い森がざわめいている――







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



『――魔の森 Evil Forest ――』
ゲーム中で新しいダンジョンとか町とか大陸に出るたびに表示される文字そのまんまなんですが、書く必要ないような気が。
相変わらず戦闘シーンが駄目だなぁ……。
それではこれで。

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13383Re:君の虜になりたい♪(今さら遅いって)D・S・ハイドラント 2003/2/26 12:46:42
記事番号13382へのコメント

・・・タイトルに意味はありません。

こんばんは、先日時間の関係でレス出来ませんでした。

>ジタンほどの腕があればゴブリンやファング(レベル1。種族:獣。弱い。)は雑魚である。
まあ雑魚ですね。ダメージ喰らいくたないですけど


>この森には瞞し(まやかし)が多いと聞いている。
まやかし・・・出ない。
辞書登録させていただけないでしょうか。



>「な、なんだその光は!?」
>スタイナーがジタンを見て驚いた。
>何故かジタンは眩い光に包まれていた。
>「体に力があふれてくるんだ!」
>「まさかトランスとかいうやつか!!」
>「さあ、一気に片付けるぜ!」
>トランスは感情の高ぶりによって起こり、人間の潜在能力を引き出すものだ。
出ました猿変化(違う?)


>スタイナーはそれでも飲んでみた。
>「ん? 美味い」
>スタイナーの味覚には謎の部分が多い――
・・・ガウリイになっても同じなんですね

ノースト君データ
・・・容姿はパス(クジャだし)
表は冷静沈着で、慇懃。裏はすべての人間を見下してる。
陰謀好きだけどその数倍、殺戮好き。

こんな感じですかね?
それではがんばってください。

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13384そうか『虜』があったのか!風碧 陽月 E-mail URL2003/2/26 16:36:48
記事番号13383へのコメント


>・・・タイトルに意味はありません。
私のタイトルにも意味はないです。


>こんばんは、先日時間の関係でレス出来ませんでした。
こんばんはです。
問題ないっす(←口癖らしい)。気にしないで下さい。


>>ジタンほどの腕があればゴブリンやファング(レベル1。種族:獣。弱い。)は雑魚である。
>まあ雑魚ですね。ダメージ喰らいくたないですけど
ダメージ食らったらなんでこんな雑魚に!って思っちゃいますよね。
度重なるダメージが蓄積されるといつかはポーション使わなくちゃならないから勿体ないですし(←貧乏性か)。


>>この森には瞞し(まやかし)が多いと聞いている。
>まやかし・・・出ない。
>辞書登録させていただけないでしょうか。
いいですよ。私もIMEパッドで漢字出した後辞書登録して使ってますし。
というか、許可求めずにどんどん登録しちゃってください。


>>「な、なんだその光は!?」
>>スタイナーがジタンを見て驚いた。
>>何故かジタンは眩い光に包まれていた。
>>「体に力があふれてくるんだ!」
>>「まさかトランスとかいうやつか!!」
>>「さあ、一気に片付けるぜ!」
>>トランスは感情の高ぶりによって起こり、人間の潜在能力を引き出すものだ。
>出ました猿変化(違う?)
ジェノムってトランスすると獣似なんですかねー(待て)。
クジャも髪が鳥の羽っぽくなってましたし(更に待て)。
………………ということは……ミコトは……(をい)。


>>スタイナーはそれでも飲んでみた。
>>「ん? 美味い」
>>スタイナーの味覚には謎の部分が多い――
>・・・ガウリイになっても同じなんですね
そうしました。
ディスク2の序盤の国境の南ゲートでピクルスの話が出るからそこで必要になるかなと思ってそうしちゃったんですけど。
でも普通の味覚部分もあるでしょう(何)。


>ノースト君データ
>・・・容姿はパス(クジャだし)
>表は冷静沈着で、慇懃。裏はすべての人間を見下してる。
>陰謀好きだけどその数倍、殺戮好き。
>こんな感じですかね?
参考になりました。どうもありがとうございます。

>それではがんばってください。
はい。頑張ります。レスありがとうございます。

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134018話:決別風碧 陽月 E-mail URL2003/2/27 14:35:03
記事番号13303へのコメント

8話:決別





扉の開く音がして、ビビは浅い眠りから覚醒した。
「……あっ、助けてくれてありがとう」
ジタンの姿を認めて礼を述べる。
「例には及ばないって。
 オレたちだって、おまえの魔法がなければ危なかったんだからさ。
 おまえちっちゃいのに、黒魔法が使えるなんてすごいな」
「……」
「ちっちゃいの……気にしてるのか……?
 あんな凄い魔法を使えるんだ。
 もっと自分に自信を持っていいんじゃないか?
 男の価値は見かけじゃないんだ! ハートの熱さと夢の大きさで勝負だ!」
「ごめんね、僕のせいであの人……」
「なーに。心配するな。オレに任せて置けよ!」
「必ず助けてあげてね。ジタンさん」
「呼び捨てにしてくれていいぜ。『よお、ジタン』って感じでな!」
「うん、わかったよ、ジタン」



ビビを励まし、その部屋を出てすぐ、ジタンは下を向いて溜息をついた。
「あいつ、思いつめてるな……。
 あんな約束したけど、本当に助けられるのか?」



そういえば、あの時……。
本当に特別な気持ちになったんだ……。
運命の人? う〜ん、そういうんじゃなくて……。
どう言えばいいんだろう……。



「気になるコだな……。
 あー……でもやっぱりボスの決断に逆らうわけには……。
 くそ、どうすればいいんだよ……」



あのコの目は、ちょっと悲しそうだったような……。
なんで海の彼方を見るような目をしてたんだろう……。
まるで目の前に広がる砂浜が視界に入るのを拒むような目……。
そういうところが……。
ちょっとオレに似てるような気がするんだよな……。



「どんな思いで城を出たんだろう……。
 仲間と別れてまで助けるのか……。
 でも、さっき会ったばかりの子だぞ。
 え〜い、ガーネット姫はオレを待ってるんだ!
 レディを待たせちゃ男がすたるってもんだぜ!
 待ってろよ、ガーネット姫!」
「……こりねえな、おまえも」
「ブランク……」
反対側の扉からブランクが出て来た。
呆れたような表情(かお)をしている。
「今度は何をしでかすつもりだ?」
――またいなくなるのか? 3年前のときのように……。
「ガーネット姫を助けに行く。あのおっさんも一緒に連れて行く」
「正気か? 森の主ってのがどんなヤツかわからねえんだぜ?
 だいいち、ボスがそんな勝手な事許すわけが……」
「わかってるさ」
「ったく、おまえのその思い切りのよさには相変わらず嫌気がさすぜ。
 とっととボスと話つけてきな。モタモタしてたら手遅れになるぜ」
ブランクは呆れたように言い、ジタンをボスがいる部屋の方に向かわせた。



「へ……。……ヘッ……。ヘブション!」
バクーがいる部屋――作戦会議をしていた部屋――部屋に盛大な(下品とも言うかもしれない)クシャミが轟いた。
「待ちくたびれたぞ。来ねえかと思っちまったい……。
 やっぱり助けに行くんか?」
「あいつと約束したからな。最後までちゃんと誘拐してやる」
「ガッハッハ! 理由なんて聞いてねえよ」
豪快に笑うバクー。
「あの姫、なかなか美人だから、おめえが惚れるのもしかたねえ!!
 理由なんて、それで十分だ!」
――そうだ。理由なんかいらないんだ……。――
ジタンは心の中で呟く。
「でっ、覚悟はできてんのか? タンタラスのオキテは絶対だかんな、相手がおまえでも手加減しねえぞっ!!」
「ああ、わかってるさ」
「よ〜し、思いっきりやんぞ! 隣の貨物室で相手してやらぁ!!」
バクーはやはり豪快に言い、武器を片手に隣の部屋――ジタンがロウソクに明りをつけた部屋――に向かう。
ジタンは大人しくその後に続いた。
「覚悟はいいか、ジタン」
「いつでも来い!!」
「本気で行くぞっ!」
バクーとジタンが同時に構え、バトルが始まった。
くどいようだが、ジタンに剣を教えたのはバクーだ。
ジタンのその特性を活かせるようにあえて短剣を使わせるようにしたのもバクー。
短剣に持ち替えても変わらず訓練させたのもバクー。
バクーにはジタンの攻撃パターンや攻撃の癖などがよくわかる。
逆に。ジタンの訓練の相手はバクーなのだ。ジタンにもバクーの攻撃パターンはある程度読める。
つまり、その点では互角。
だが、体格差と力の差がある。
バクーは図体がでかい分一撃一撃に威力が十分ある。
反対にジタンは素早いため、その分有利だ。
剣と短剣がぶつかり合う音がプリマビスタの外にまで聞こえた。
やがて唐突にバクーは剣を下ろし、
「おめーの勝ちだ、ジタン」
「へ……?」
今まさに攻撃をしかけようとしていたジタンは呆気に取られた。
「クゥ〜ッ! いい腕してやがるぜっ!
 結構痛かったぞ!!
 姫さまのことはよろしく頼むわっ! ガッハハハハッ……!」
どこか某神羅の重役の馬鹿笑いを思い出させるような笑い方で、バクーはジタンの背中をばんばんと叩き、そのまま豪快に笑いながら部屋に戻っていった。
「手加減するなら最後までしてくれよ……」
ジタンはがっくりと肩を落とした。



「いい歳しておままごとか?」
スタイナーが閉じ込められている部屋に入るなりジタンが言った。
シナのガーネット人形(このATE書くの忘れました)を眺めて、文句を言っていたスタイナーは、
「何を言うかっ!」
怒った。
どうでもいいけど……スタイナーのセリフをガウリイ風にアレンジするのって難しいんすよ。
某失敗作……もとい、某チョコボ頭のセリフはすでに慣れたので全然難しくないんですが……。(寧ろ面白い)
「これからオレはガーネット姫を助けに行く……。おっさんにも来て欲しいんだけど……」
「おっさんて……」
「どうだ、大人しくするなら連れてってやるよ」
スタイナーの呟きをジタンは思いっきり無視した。
この原作コンビは見てて笑えるのだがこの場合……。
「おまえたち盗賊の考える事だからな……」
怒っているスタイナー。書いてて面白い。
「心配すんなって。オレがひとりで決めた事だ。
 タンタラスの行動とはまったく関係ない。
 ガーネット姫を助け出す、ただそれだけだ」
「嘘じゃないだろうな? 嘘だったらこの場で斬り捨てるぞ!」
「OK〜、それじゃ決まりだな。頼りにしてるぜ」
キマリと変換され一瞬FF10を連想しました。
「だけど、決しておまえを許したわけじゃないからなっ!」
「わかってるって……」
しつけーなぁ……。
ジタンは嘆息する。
「よし、じゃ、あの黒魔道士にも来てもらうことにしよう」
「ビビのことか?」
「ああ、ビビ殿の黒魔法はモンスターに効いてたからな」
この場合『殿』はおかしいか。どうしようかなぁ……(をい)。
「よし、そういうことなら、さっそくビビに話してこよう」
ジタンはスタイナーを連れて、ビビの寝かされている部屋に向かった。
ビビは起きていた。
毒はすっかり抜け切ったようだ。
「待たせたなビビ。お姫さま救出作戦だ!」
「よかった。気をつけてね」
「おまえも一緒に来てくれるか?」
「えっ、僕が!? 僕がついてっても役に立たないんじゃないかな」
ビビが驚いておずおずと言う。
「いや、ビビ殿の魔法はモンスターに有効だったぞ。
 こんなハンパものの盗賊よりずっと頼りになる」
「でも僕自身ないよ。さっきだって怖くて動けなかったし」
「責任を感じるなら自ら行動する。それが男ってもんだろ、ビビ?
 さあ、化け物は待っちゃくれないんだ。早くガーネット姫を助けに行ってやろうぜ」
ジタンはさっきからのスタイナーの失礼なセリフをこれっぽっちも気にしていない。
「うん……。じゃあ足手まといにならないように頑張るよ」
ジタンは先に部屋を出たが、後ろでビビとスタイナーが小声で話し合ってるのが聞こえた。
最後にビビが、
「魔法剣……? うん、わかった、やってみるよ」
と言ったのが聞こえたのである程度会話の内容は予想できたが。



プリマビスタの船体に開いた大穴から出ようとして、ジタンは思わず立ち止まった。
「ったく、カッコつけやがって、そんなにあの女が気に入ったのか?」
壁にもたれて腕を組んだブランクがまた呆れたように言う。
「知ってるだろ。困ってる女をほっておけない性分なんだよ、オレは」
「おまえのそのストレートな性格、ホント、ムカツクぜ……」
「はっはぁ〜ん……おまえ……」
ジタンは意地悪く笑った。
「オレがガーネット姫と仲良くなるのが面白くないんだな?」
「くだらねえ……、興味ねえな」
あ……。こんなところにこんなセリフが……。
「ほら、コイツを持っていけ、ジタン」
ブランクは手に持った薬ビンを差し出した。
「ホレ薬なんてオレには必要ねえよ。これ以上モテちまったら困るだろ」
「そんなんじゃねえ!
 こいつはオッサンたちが食らったタネを取り除く効果がある薬だ」
一瞬キレかけたブランクだが、彼はジタンの性格をよく知っている。
このくらいでは本気でキレたりしない。いつものことだと流せてしまう。
「な〜んだ。そういうことなら早く言ってくれよ、ブランク」
「おまえがいつも人の話を最後まで聞かないからだろーが!!」
ブランクは薬ビンをジタンに投げ渡した。
ジタンはそれをキャッチし、
「ありがとよ、ブランク。こんなところでくたばるんじゃないぞ!」
「チッ、二度とそのツラ俺に見せるな……」
ブランクは横を向いた吐き捨てた。
ジタンは迷わず魔の森に向けて走り出した。
ビビとスタイナーも一緒に。



ジタンが出発してしばらくし、プリマビスタの一室ではタンタラスの楽団が勢ぞろいしていた。
「景気付けに演奏するぞ!」
「外のバケモノどもに、俺たちのハートを聞かせたるぜ!」
指揮者、バイオリン奏者の順で声をあげ、演奏が始まる。
「うん、勇気がわいて来るな!」
「へっへ、気持ち良いね!」
シンバル奏者、ドラム奏者がそう言うと、トランペット奏者が絶妙なタイミングでファンファーレを奏でた。
「おっ、やってんなっ!!
 俺たちゃ周りの様子を見てくんど! 気を引き締めておけ、もうすぐ出発だ!」
「OK〜!」
「「「へーい!」」」
トランペット奏者だけはまたまたファンファーレで返事した。
その部屋を出たバクーは立ち止まりぼそっと呟いた。
「……どうでもいいがどうして『ルーファウス歓迎式典』なんだ?」
正確には『ルーファウス歓迎式典 Millennium Version』なのだが。
そう言えば、FF9発売は2000年9月だったなぁ……。
「ま、いいか!」
バクーは細かいところには拘らない性格だ。
そのままブランクのところに向かう。



バクーは持ってきた丸めてある羊皮紙をブランクに渡した。
「ほんとにいいのか?」
「心配すんじゃねえ、俺たちも準備ができたらすぐ出発すっからよ。
 その大陸図を持ってきな。リンドブルムまでは遠いぜ」
「わかった……またアジトでな」
「おう!」
ブランクは大陸図を手に、魔の森の奥に向かった。
ジタンが出発した十数分後だった。







―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


陽:ああ目ぇカユいっ!
クジャ:掻くとよけいカユくなるよ。
陽:ンなこたぁわかっとる(誰?)。スギ花粉のバカ野郎ぉぉぉぉぉぉっ!!!!
ジタン:うっとぉしいからグランドリサール。
クジャ:便乗してアルテマ。

大爆発。

ジタン:じゃあ、後書き乗っ取りだな?
クジャ:だね。
陽:いいのかなぁ。この2人が和やかに会話しても。しかもエンディング前に。
ジタン:ソリューション9!
クジャ:フレアスター!

更に大爆発。

クジャ:それ以前に僕はまだ本編に登場してもいないんだよね。
ジタン:2章最後だろー。まだ先だな。
クジャ:本編がまだ1章の中盤くらいだから……当分先だね……。
ジタン:あいつが外伝とか書けば登場できるけどな。
クジャ:そうだねぇ……。まあ、書けるのか疑問だけどね。
ジタン:書けないだろ。7(スセ)でも外伝っぽいのはこれっぽっちも書いてないし。
クジャ:7と言えば、投票1位2位キャラの話どうなったのかな。
ジタン:さあな。
クジャ:ま、関係ないし、いいよね。
ジタン:そうだなー♪
クジャ:ところでそろそろ帰ったほうがいいんじゃないのかい?
ジタン:あっ、そうだな。
クジャ:僕はとりあえずデザートエンプレスにでも。
ジタン:は? なんで?
クジャ:気にしない気にしない。


和やかに去って行く2人。後には焼け焦げた後だけが残り――――


                                  ―――幕―――



………………っていいのかこんな終わり方でっ!?

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134229話:石化の恐怖風碧 陽月 E-mail URL2003/2/28 13:58:33
記事番号13303へのコメント

9話:石化の恐怖






森の奥に進むにつれ、森の不気味さは増していく。
鳥の低い鳴き声が不気味に木霊し、ジタンたちの足音も森に反響する。
襲ってくるモンスター、ゴブリン、ファング(レベル1以下略)、デンドロビウム(レベル2。種族:飛行。弱い)も、ジタンとスタイナーの剣戟とビビのファイアで難なく倒せる。
道はほとんど獣道であったが、3人は急いで走った。
ある道を過ぎたところで、道の横の泉が不気味に波打ったことには誰も気づかなかった。
だいぶ奥に進んだだろう。
とうに、プリマビスタの明りは見えなくなっている。
急に広くなったところに出た。
中央にはプリゾンケージをふた周り以上大きくし、頭の部分に不気味な花が咲き、触手も増え、先には尖った爪を持つモンスターがいた。
プラントブレインだ。
プラントブレインはその根を地面どころか壁にまで伸ばし、根に覆われた壁には――
「大丈夫!?」
ビビが思わず声を上げた。
ガーネットがくくりつけられていた。
声に反応しないということは、意識がないのだろう。
「こいつが親玉だな!」
「姫さまー!
 おい、おまえは手出すなよ!」
「ひとりで手におえる相手かっ!?」
「くっ……!」
「来るぞっ、ビビ!!」
プラントブレインが触手を振り上げた。



「ちっ……歩きにくい……」
ブランクは独りで森の獣道を歩きながら悪態をついた。
ジタンほどではないが、彼も素早い方だ。
剣の腕は恐らくジタンと互角。
モンスター相手に苦戦することはない。
だが、ぼうぼうの草に覆われた道を歩くのには疲れる。
ジタンたちもこれに苦戦したが、ガーネットを助けるため急いで走ったのだ。
「ちっ」
ブランクはもう一度舌打ちし、丁度襲い掛かってきたファングを一撃で斬り伏せた。



ごうっ!!!!
プラントブレインが炎に覆われた。
見た目からして植物然としたモンスターだから炎が弱点だと踏んだビビの攻撃だ。
その読みは間違っていない。
だが、相手はこの森の主だ。そう簡単にやられたりしない。
しかも、プリゾンケージと違い、触手は斬り落としてもしばらくすれば再生する(ゲーム中じゃありえませんが)。
足場が悪いうえに時折サンダーの魔法まで使ってくるそのモンスターに、ジタンたちは苦戦していた。
ビビが3発目のファイアを放ち、怒ったらしいプラントブレインがジタンに向けて触手を振り下ろした、その時。
「危なっかしくて見てられねーな!」
「ブランク!」
「どいてな、俺が手本を見せてやる」
ブランクが闘いに割り込んだ。
すでに抜き身の剣を右手に持っている。
「そうだ!」
ジタンはある作戦を思いついた。
今こちらの人数は4人だ。それを利用して――
「1本ずつ触手を攻撃するんだ!
 その隙にビビの魔法が決まれば!」
「なるほどな……」
「ビビ、魔法が連続になるけど、出来るか!?」
「やってみるよ!」
ジタン、ブランク、スタイナーの剣が触手を斬り落とす。ビビの魔法が残った触手を焼き尽くし、
「ビビ!」
すかさず連続でファイアを放つ。
炎がモンスターを包み込む。
熱気が押し寄せ、ジタンたちは思わず顔を手でかばった。
炎が消えた時にはプラントブレインは灰となって崩れ落ちていた。
「姫さま!」
スタイナーがガーネットを壁から降ろす。
「ジタン、アレを飲ませるんだ」
ジタンはブランクから預かった薬ビンのふたを開け、とろりとした液体をガーネットの口に流し込んだ。
あのまずい薬だ。
「ゴホッ……」
ガーネットが咳き込む。
「これで少し休めば大丈夫だね」
ビビが安堵する。
――――が。
「クッ、次はなんだ……!?」
森が揺れ始めた。
同時に、プラントブレインの消えたところにある大穴からたくさんのモンスターが出て来た。
蜘蛛のような8本の足を持つモンスター、プラントスパイダ。
「だめだ、囲まれるぞ!!」
「逃げるが勝ちってことか!」
スタイナーがガーネットを抱き上げ、プラントスパイダを避けて走り出す。
その後にジタンが続き、
「行けっ! 何やってんだ!」
驚いているビビを急かし、ブランクが最後に走り出す。
プラントスパイダの追撃を避け、森の獣道を走っている途中、突如ジタンが立ち止まり後ろを振り返った。
「どうしたんだ!?」
「森の様子がおかしい……!」
ジタンの本能が告げていた。
“霧”でおかしくなったモンスターと森。
この“霧”は水蒸気が凝結してできた水滴ではない。別のものだ。
その“霧”の影響を何故かこの時だけジタンは感じ取っていた。
「これ以上おかしくなるってのか! どうなってんだよ、この森は!?」
「も、森が迫って来る……? ブランク、姫を頼む!
 このままじゃ全滅するぞ!」
ブランクには何がなんだかわからなかった。
「(おい、何考えてるんだ……)」
ブランクはそう思いながらもジタンの後を追い再び走り出した。
いつの間にかプラントスパイダの姿は消えている。
その代わりに、森の奥からいくつもの枝が伸びてくる。
枝は次々に襲い掛かり、狙いが外れた枝は地面に深く突き刺さる。
ジタンは後ろを振り向きながら走っていたた。
スタイナーはガーネットを抱えたままなのにスピードは衰えない。
「ちっ……」
この日何度目になるか、ブランクは小さく舌打ちした。
「! ジタン!」
叫んで思いっきりジタンを横に突き飛ばした。
ジタンはバランスを崩しながらもなんとか転ばずに体勢を立て直し、振り向いて驚愕した。
「ブランク!」
ブランクはすでに枝には見えない、何か尖ったものに挟まれて身動きできずにいた。
ブランクが庇ってくれなかったらジタンがそうなっていただろう。
何故か枝はジタンをしつこく狙っていたのだ。
「くそっ! おいジタン!」
ブランクは腕を振り上げ手に持っていた大陸図を思いっきり投げた。
「行け! 構うな!」
「ブランク……!」
ジタンは一瞬迷ったが、ブランクの投げた大陸図に向かって走った。
落ちた地図を掴み、そのまま走り続ける。
枝は尚もしつこくジタンを襲い続けていた。
前方に光が見え、ジタンは思いっきり跳躍した。
地面に倒れこみ、上手い具合に回転を決めたが。
ぎし……
肩で息をついて森を見ると、森は灰色の石に変わっていた。
森の中では、地図を投げたそのままの姿でブランクが石化していた。
「余計なことしやがって……。ブランク……」
ジタンは石になってしまった森を思いっきり叩きつけた。
その姿をビビが悲しそうに見ていた。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ブランク石化。
ムービーを文章で表現するのって7でも8でもこの9でも難しいです。
8は今のところムービーはプロローグだけなんですけどね。
ムービー中ってキャラの口が動いてるあたりから喋ってるのはわかるんですが、何言ってるのかがさっぱりで。
文字が出ないからそうなるんですけど。だからオリジになっちゃうんですよね。ムービー中のセリフは。
(7のEDムービーは字幕みたいなのが出ますけど)




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1343110話:青い月と赤い月風碧 陽月 E-mail URL2003/3/1 12:00:23
記事番号13303へのコメント

10話:青い月と赤い月





長い一日があと数時間で終わろうとしている。
世界はすでに闇に覆われ、天上は青い月と赤い月が神秘的で――そして不気味な光を放っている。
この世界には2つの月がある。
何故2つなのか。色が違うのか。満ち欠けを一切しないのか。青い月の方が強い光を放つのか。
そんなを知る者はいない。
少なくとも、このガイアの大地に住むものにはいない。
月は2つある。青と赤で、青の方が明るい。満ち欠けはしない。
それが常識なのだ。
「大丈夫かな、お姫さま……」
月を眺めていたビビが、ふとガーネットに視線を移して心配そうに言った。
その後ろではジタンがテントを張る作業を行なっていた。
「すべてあいつのせいだろ。仲間が犠牲になったっていうのにあの態度……!」
スタイナーがジタンを見て怒っている。
そうはいうが、ジタンだって、長年一緒に暮らしてきたいわば兄弟のような者の犠牲を悲しんでいる。
あのままブランクが――石化が解けなかったら……
考えたくもない思考ばかりが浮かんできて、結果、ジタンは何も考えずにテントを張る作業に徹するという行動に至っただけだ。
「う、うう……ん……」
スタイナーの大声で目を覚ましたガーネットが小さく呻き声を上げた。
「ひ、姫さま!」
「……スタイナー? わたし……助かったのですね……」
「姫さんを助け出したのはオレの腕とビビの黒魔法のおかげだぜ……」
ジタンのそのセリフにスタイナーが怒った。
「おふたりに感謝します」
ガーネットがそう言うと、
「び、ビビ殿はともかく、そいつにそのようなお言葉は必要ありません!
 そもそも、このようなことになったのは、おまえが姫さまをさらったことが原因だろ!
 それを後から助けたからって言って……」
「スタイナー……わたくしは自分の意思でアレクサンドリアを出たのです」
「そう、そこへガーネット姫をさらいに来たオレたちタンタラスと意気投合したってわけだ」
「そ、それは本当のことですか?」
「この方が言った通りです」
ガーネットが溜息混じりに言う。
「ま、そういうわけだからな。仲良くやっていこうぜ、おっさん」
「お……おっさんて……。
 いや、それはともかく。
 おまえだって知ってるだろう! この“霧”の呪われた『いわれ』を!
 姫さま、このような危険な場所からは一刻も早く離れるべきです」
「無茶言うなよ。目が覚めたからと言って、まだ彼女の体力が回復したってわけじゃないんだぞ」
「おまえの意見なんか聞いてない!」
「どこから“霧”の上に出るつもりなんだ?
 この一帯は高い崖に囲まれた低地だろ? 南ゲートと北ゲートのアーチも今は閉鎖されてるって聞いてるぜ?」
「……」
「宛て、ないんだろ?」
「う……」
「姫は歩けないほどに弱ってるんだ。おっさんだってフラフラだったろ?」
「いや、だからおっさんって……」
「宛てもなく出発するのはかえって危険なんじゃないのか?」
スタイナーの小さい反論をジタンはやはり無視する。
「お……おまえの指示は……」
「スタイナー!」
ジタンが始めてスタイナーの名を呼んだ。
「ガーネット姫を守るのは誰のつとめだっ!?」
「……そ、それは当然『おうきゅうきし』である……」
「おっさん、単語の意味実はわかってねぇだろ……」
電光石火のツッコミ。
「……」
図星らしい。
「はあ……。ま、それじゃよろしくさん。
 オレたちは上へ出る方法を考えようぜ、ビビ」
「え? うん……」
ジタンはビビの隣に座り、地図を広げてなにやら話し始めた。
ビビがそれに相槌を打つ。
彼らが囲んでいる焚き火は、青と赤の月光しか灯りのないこの夜のガイアで彼らに安心を齎す。
それと同時に、これから先への不安感も――――



そして一夜が明けた。



2つの月は地平線の向こうに沈み、明るい朝日が顔を出した。
「もう歩けるようになったのか?」
魔の森の出口で石化した木々を忌々しげに見つめていたジタンはふと顔を上げ、歩いてきたガーネットに話し掛けた。
「ええ、いただいたお薬のおかげです」
ガーネットは視線とジタンから森に移し、
「これが……」
「ああ、森の奥にいたでかい奴を倒したら森が突然繰り出して、これさ」
「魔の森から無事出られたのはあなたのお友達のおかげだと……」
誰から聞いたんだろう。
スタイナーのおっさんってことはなさそうだから、ビビだろうな――
ジタンはそう勝手に決め付けておいた。
「ブランクっていうんだ、あいつ」
「早く助けてあげなければ!」
ガーネットが焦って言う。
だが、ジタンは悲しそうに首を横に振り、
「すぐには助けられない。石化を解く手立てがないんだ」
「そんな、わたくしたちのために彼は……!」
「なに、石化を解く方法はきっとある。あとからでも十分間に合うさ。
 オレたちは今できることをしよう」
ジタンはガーネットを不安にさせないように、わざと明るく言う。
本当はブランクを今すぐ助けたくて仕方がないのだが。
持っていた羊皮紙を広げ、
「ブランクから貰った地図によれば、ちょうどこの森の南に洞窟があるんだ。
 その洞窟から“霧”の上に出る事が出来るかもしれないんだ。
 行ってみよう」
ガーネットは下を向いたままで答えない。
「怖いのか……ガーネット?」
ジタンにそう聴かれ、ガーネットは小さく頷いた。
「大丈夫、オレがついてるって!」
4人は朝食後、すぐに出発した。
森の南――洞窟に向けて。
“霧”に覆われた大陸は日光が弱まり、寒々としていた。


――霧の大陸 The Mist Continent ――


終わり遠き旅はここから始まる。










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ジタン:……このシーンってこんなに暗かったか?
陽:いや。私の今の心理状況に影響されてるんでしょう。
ジタン:ンなもんに影響されてどうするんだよ。
陽:いや……延々と『クジャのテーマ Millennium Version』を繰り返し聴きながら書いたら暗くなるって……。
ジタン:うわ。なんでそんな曲を……。
陽:ノリで(意味不明)。
  ではこれで失礼します。


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1343211話:氷の洞窟風碧 陽月 E-mail URL2003/3/1 19:29:05
記事番号13303へのコメント

サイ:お前もうちょっと気の利いたタイトル思いつかないのか?
陽:……じゃあ……『漆黒の3拍子』とか『冷気満載の寒い洞窟』とか……。
サイ:2つ目はともかく、最初のはなんだ。
陽:『黒のワルツ』→『漆黒の3拍子』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



11話:氷の洞窟



午前中に彼らは洞窟についた。
弱い日光が差し込み、洞窟の壁はその光を反射していた。
そして、洞窟の奥からはもの凄く冷たい風が吹いている。
「これがその洞窟か……」
ジタンが大陸図と周りの風景とを見比べながら言う。
「ねえ……」
「ん? どうした、ビビ」
「氷の洞窟って知ってる?」
「ああ、聞いたことはあるけど……。ここがそうなのか?」
ビビが小さく頷く。
「うん。多分。魔の森に近いところにあるらしいんだ」
「わたくしも聞いたことがあります。氷に覆われた美しい場所だそうですね」
「僕もおじいちゃんから話を聞いただけなんだけど……。
 ここは“霧”の下から上まで続いている洞窟なんだって」
「凄いな。ビビ殿のおじいさんは物知りだな。
 “霧”を脱出したら、あいさつしないとな」
「おじいちゃんからはいろいろ教えてもらったけど、もう死んじゃったんだ……」
ビビは下を向いて小さく呟く。
とたんにスタイナーの顔色が変わる。
「そ、それは……。知らなかった事とはいえ……」
「あ。ううん、気にしなくていいよ」
「ま、とにかく行ってみるしかねえな……」
みんなを元気付けるように明るく言うジタン。
4人は洞窟の中に足を踏み入れた。


――氷の洞窟 Ice Cavern ――


洞窟の中は寒かった。
入り口なんかより比べ物にならないくらい寒かった。
息が白いだとか、しばれるとか、かじかむとか、そういう問題じゃない。
確かに息は白いし、縮こまっていないと寒いが。
寒いを通り越して肌が痛い。
恐らく、冬の北海道の旭川あたりより寒いのではないだろうか(どういう比較なんだ)。
「まあ……なんて美しいところなのでしょう」
そんな寒さにはお構いなしに、ガーネットが氷に近づく。
「噂には聞いていましたけど、これほどまでに美しいとは……」
大きな氷の結晶に顔を近づけ、
「きれいな花……。なんていう名前なのかしら……」
いえ。それ氷の結晶ですから。
「あのさ……。どうでもいいけど、寒いんだし、早く行こうぜ……」
こんなところでモンスターと闘うのはごめんだ。
ジタンは小声でつけたす。
ビビが後ろで頷いている。



洞窟の中は相変わらず奥から冷たい風が吹いていたが、ところどころ、谷間から白い風が吹き上げている場所もあった。
本気で白いのだ。恐らく、氷の粒あたりが混じっているのだろうが。
その風も光を反射してきらきら輝いていたので、ガーネットが物珍しそうに近づく。
が、そういう勘に鋭い(盗賊の勘?)ジタンが、
「危ないっ!」
叫んでガーネットを引っ張る。
「えっ」
ガーネットが声を上げるがジタンは無視して短刀を抜く。
風の奥からうなり声と共に小さいマンモスっぽいモンスターが現れた。
ワイアード(レベル2。種族:獣。弱点:炎。半減:冷気。弱い。)だ。
『風……通り道…………邪魔するな……』
「「喋ったっ!?」
ガーネットとビビが驚愕する。
「ちっ」
ジタンが短剣の一撃で斬り伏せた。
なんか弱いモンスターたち。
「こういうところはモンスターの罠が多いんだよ」
ジタンが短剣を鞘に収めてから説明する。
「『風の通り道を邪魔するな』ってことだから、この風を避けていけばいいんだ」
妙に詳しいジタン。
もしかしたら過去に似たような経験をしてるのかもしれない。
風は一定の間隔で止むため、その間に通り抜ければモンスターに出会う事はなかった。



奥に進むにつれ、風がどんどん強くなる。
肌を刺すような冷気だ。
別の例えを用いれば、ナイフで全身を刺されるような鋭い痛み。
冷たすぎるのだ。真冬の凍った池に落ちたときのような感覚だろう。
よくわからない例えで申し訳ないが。
すでに風は白くなっている。
ワイアードの罠とかではなくて、空気中の水蒸気が凍ってしまっている――つまりダイアモンドダストのようなものだ。
その中を歩くのはかなり辛い。
「ビビ、何やってるんだ? 早くしないと置いて行くぞ!」
「う、うん……」
ビビは曖昧に返事をし、
「あっ!」
ガーネットが叫んだ時には谷底に落ちていた。
谷と言っても高さは2mもないから怪我はないだろう。
「ビビ殿、大丈夫か〜……」
そしてスタイナーも落ちた。
「おっさ〜ん! 大丈夫……じゃないな」
谷底を見下ろしてジタンが小さく溜息をつく。
ビビとスタイナーは寝ていた。
普通なら大丈夫なのだろうが、ここは寒い。このままだと2人とも死ぬ。
ジタンはひょいっと谷底に飛び降りて、スタイナーの側に歩み寄り、
「おっさん! 寝てる場合じゃねえだろ!」
蹴りを入れた。
「おっさん!!」
起きないのを見て、今度は強く蹴る。
「……ちっ、ダメか」
ジタンは諦めて谷間から上がる。すると、上ではガーネットまで倒れていた。
「あっ! ガーネットも!」
慌てて近寄るものの、ガーネットはすでに規則正しい寝息をたてていた。
「ガーネット〜?
 ……こっちもダメか」
念のために述べておくが、ガーネットは蹴ってない。ジタンが蹴ったのはスタイナーだけだ。
「ちくしょう……。オレまで眠くなってきちまった……」
ジタンもその場に膝をつく。
しばし眠気に抵抗していたが、すぐに倒れてしまった。



しゃらん……



しゃらん……



「なんだ、今の音は……?」
洞窟の奥からかすかに聞こえてくる音で目を覚ましたジタンは、冷気に耐えながら音の聞こえた方向に歩を進めた。
「こっちか……、何かあるな……」
冷気が更に強くなった。
それに必死で耐えながら歩いてきたジタンは、急に開けた場所に出た。
壁の向こうには凍りついた滝、その下にはやはり凍りついた池と川。
「チッ、死んでなかったか……。
 そのまま眠っていれば苦しまずに済んだものを……」
氷の滝の上に佇んでいた黒い影が、悔しそうに、だが、寧ろ楽しげとも言える口調で呟いた。
ジタンは慌てて上を見上げ、
「この吹雪を起こしていたのはおまえなんだな?」
すでに短剣を両手に持っている。
「ククク……」
影が飛び降りた。
かなりの高さがあるにもかかわらず軽く着地出来たのは、背中に生えた漆黒の翼のおかげだろう。
三角帽子を被り、カラスのような翼を持った『それ』は、暗い瞳でジタンを見据え、
「そういうことだ……。
 氷の巨人……シリオン……」
手に持った大きな鈴を鳴らす。

しゃらん……

ジタンがさっき聞いた音が奏でられ――
「出でよ!」
声と同時に近くの氷の床が勢いよく盛り上がり、巨大な氷のモンスターを模った。
「行け、シリオン!」
シリオン――濁った水色で、下半身は蛇のようで腕は破れかけた蝙蝠の羽のようなモンスター――は低く咆哮し、ジタンに襲い掛かってきた。
「ちっ。1対2かよっ!」
悪態をついてジタンはシリオンに素早く近づき、その巨体に斬りつけた。
シリオンはその巨体ゆえ、素早い動きが出来ず、一撃をもろに受けた。
苦痛か怒りか。更に巨大な咆哮を上げる。
「たいしたことはないな」
小さく呟き2撃めを加えようとして――――慌てて後ろに下がる。
丁度、シリオンを召喚した黒のワルツ1号が呪文を発動させた。
「ブリザド」
しかし、現れた氷塊はジタンではなく、シリオンを直撃した。
「!?」
わけがわからず一瞬動きが止まるジタン。
その隙を逃さず、シリオンがブリザラをジタンに撃った。
「くそぉ……更に寒くしやがって……!」
確かに、シリオン登場と黒のワルツのブリザドとシリオンのブリザラで、あたりの気温は更に低下している。
黒のワルツが勝ち誇ったような笑みを浮かべ――
「ぐっ……」
だが苦悶に顔を歪めた。
「シリオン、後は任せた!」
黒のワルツはあっさりとその場に崩れ落ちた。
「これでサシの勝負だなっ!」
黒のワルツが勝ち誇っていたその一瞬でジタンはシリオンの傷が塞がっているのに気づき、黒のワルツがブリザドで回復させたと判断し、
先に黒のワルツを倒す事にしたのだ。
シリオンの回復手段はこれでなくなった。
シリオンもブリザドとブリザラを使えるが、それを自分自身に使う事はないのだ。
そこまでの知能がないのだろう。
シリオンの物理攻撃『ウィング』をジタンは素早く避わせる上、回避不可能の『つなみ』も食らえば更に寒くなるだけでダメージはない。
寒いのは問題だが、戦闘中は動き回っているため今回はそれほど問題なかった。
これがジタンでなければ別であろうが――
ざしゅっ!
短剣がシリオンの片翼を切り落とした。
体のバランスを失ったシリオンは重い音を氷の大地に響かせて倒れた。
それでも尚も立ち上がろうとするシリオン。
「しつこいぞおまえっ!!」
ジタンがトドメに短剣を突き刺す。
ぐるおおお゛お゛ぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!
断末魔の絶叫を上げて、今度こそ氷の巨人は息絶えた。
軽く息をつくジタン。
黒のワルツがいなくなったことで洞窟中の冷気は消え、あの肌を刺すような鋭い風も消えていた。
「ひとり目は倒したようでごじゃるが、」
「他のふたりが姫を奪い返すでおじゃる!」
さきほど黒のワルツが飛び降りた地点よりも更に高いところで小さな影が2つ飛び跳ねていた。
「だ、誰だ?」
ジタンの問いには答えず、2人に増えたオダイン博士は洞窟の外へ消えてしまった。
「まあいいか……。それよりもあいつら死んでないだろうな?」



「あ、ジタン!」
ガーネット、ビビ、スタイナーはすでに目を覚ましていた。
「や〜みなさん、無事だったか?」
「おいおまえ! いったい何が起こったんだ!?」
「いや、たいしたことなかったよ」
詰め寄ってくるスタイナーに嘘をつくジタン。
これ以上わけのわからないことを増やしてみんなを不安にさせないためだ。
「おまえ……何か隠してるだろ?」
確かに隠している。
「何もなかったって言ってるだろ?」
「……まさか姫さまに何かしたのではあるまいな?」
何もしてない。
ガーネットを起こそうとはしたが。
起こす際に蹴飛ばしたのはスタイナーだし。
「おいおい、おっさんかんべんしてくれよ……」
さすがに慌てるジタン。
「スタイナー、何もないと言ってるんです。ジタンに失礼ではないかしら?」
「う……わかりました」
「まあ、みなさん無事でなによりです。先を急ぎましょうか」
ガーネットはそう言うが、ジタンはさっきのオダイン博士――もとい、おじゃごじゃのゾーンとソーンのセリフが気にかかっていた。
『他のふたりが姫を奪い返す』
また似たような奴が現れるのではないだろうか。
「ジタン、どうかしましたか?」
「い、いや、なんでもねえよ」
訊いてくるガーネットに曖昧に答え、ジタンは先を急いだ。
冷気の消えた洞窟はそれはもう歩き易かった。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


『漆黒の3拍子』は後で使う事にしました(をい)。
なんか、ここまでほとんどが原作FF9通りになってますけど……。
難しいです。7のようには行きません。
ではこれで失礼します。

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13434Re:11話:氷の洞窟D・S・ハイドラント 2003/3/1 22:03:44
記事番号13432へのコメント

>サイ:お前もうちょっと気の利いたタイトル思いつかないのか?
>陽:……じゃあ……『漆黒の3拍子』とか『冷気満載の寒い洞窟』とか……。
>サイ:2つ目はともかく、最初のはなんだ。
>陽:『黒のワルツ』→『漆黒の3拍子』
・・・某魔女の騎士二世ですか?
でも本当に気の利いたタイトルは難しいですねえ。
『冷凍庫の冒険』とか・・・。

>午前中に彼らは洞窟についた。
>弱い日光が差し込み、洞窟の壁はその光を反射していた。
そーいや霧覆ってて日光少ないんですね。
でも霧って結構私好きらしいので霧の大陸は好きです。
・・・全然引用と関係ねえや

>「きれいな花……。なんていう名前なのかしら……」
>いえ。それ氷の結晶ですから。
まあ綺麗だし何でも良い。

>ジタンが短剣の一撃で斬り伏せた。
>なんか弱いモンスターたち。
まあいちいち雑魚との真面目な戦闘シーンなんて書いてたら、膨大な量になる上に退屈しますから・・・。

>妙に詳しいジタン。
>もしかしたら過去に似たような経験をしてるのかもしれない。
ガイドブックを見たとか・・・
ちなみに↑は攻略本と観光案内、どっちに取ってくださっても結構です。

>「ククク……」
ククク……黒マテリア!(違)
ついに登場しましたねヴルグムンさん(違うって)

>「しつこいぞおまえっ!!」
>ジタンがトドメに短剣を突き刺す。
>ぐるおおお゛お゛ぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!
>断末魔の絶叫を上げて、今度こそ氷の巨人は息絶えた。
へえ普通に倒しましたか・・・
私の場合はトランスして技使って一気にばばっと・・・
どちらにしてもこひつら結構強かったような・・・

>ジタンの問いには答えず、2人に増えたオダイン博士は洞窟の外へ消えてしまった。
・・・真面目に書いてあって笑いました。
・・・まあ確かにそうですけど『ごじゃる』は違うのでは・・・(それってどっちだっけ)
そういえば『森のフクロウ』にソーンっていたような・・・

4話連続で読んでかなり笑えました。
面白かったです。

それではこれからもがんばってください。

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13440たぶん、分裂の際に口調が微妙に進化して……(謎)風碧 陽月 E-mail URL2003/3/2 18:49:03
記事番号13434へのコメント


>>サイ:お前もうちょっと気の利いたタイトル思いつかないのか?
>>陽:……じゃあ……『漆黒の3拍子』とか『冷気満載の寒い洞窟』とか……。
>>サイ:2つ目はともかく、最初のはなんだ。
>>陽:『黒のワルツ』→『漆黒の3拍子』
>・・・某魔女の騎士二世ですか?
多分そうです。
某青い庭では風紀(乱し)委員長やってて魔女の騎士二世に乗り換えた(?)彼だと思います。

>でも本当に気の利いたタイトルは難しいですねえ。
ラントさんのタイトルはかっこいいと思います。

>『冷凍庫の冒険』とか・・・。
爆笑。
確かに冷蔵庫の中歩いているような感覚の洞窟……。


>>午前中に彼らは洞窟についた。
>>弱い日光が差し込み、洞窟の壁はその光を反射していた。
>そーいや霧覆ってて日光少ないんですね。
そんな感じがしたので。実際霧再発後、インビンシブル飛ばしてて視界が悪いなぁと思いましたし(をい)。

>でも霧って結構私好きらしいので霧の大陸は好きです。
私は忘れられた大陸が好きっす。あの夕焼けが哀愁を帯びていて。
霧の大陸も好きですけど。というか、嫌いな大陸なしです(笑)。

>・・・全然引用と関係ねえや
あると思いますが。


>>「きれいな花……。なんていう名前なのかしら……」
>>いえ。それ氷の結晶ですから。
>まあ綺麗だし何でも良い。
そうですね。


>>ジタンが短剣の一撃で斬り伏せた。
>>なんか弱いモンスターたち。
>まあいちいち雑魚との真面目な戦闘シーンなんて書いてたら、膨大な量になる上に退屈しますから・・・。
ゲーム風にエンカウントを全部描写……。
確かに膨大な量になりそうです。読む気もしないかも……(待て)。


>>妙に詳しいジタン。
>>もしかしたら過去に似たような経験をしてるのかもしれない。
>ガイドブックを見たとか・・・
>ちなみに↑は攻略本と観光案内、どっちに取ってくださっても結構です。
観光案内に一票!
ちなみに私はフライヤに出会った頃彼女にいろいろこういう知識を教えてもらったのかなぁと独断と偏見で考えて書いてみたんです。


>>「ククク……」
>ククク……黒マテリア!(違)
メテオ呼ぶ!

>ついに登場しましたねヴルグムンさん(違うって)
いえ、配役書き忘れましたが、ヴルさんで行ってみました(略すな)。


>>「しつこいぞおまえっ!!」
>>ジタンがトドメに短剣を突き刺す。
>>ぐるおおお゛お゛ぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!!!
>>断末魔の絶叫を上げて、今度こそ氷の巨人は息絶えた。
>へえ普通に倒しましたか・・・
ぬすむの描写って難しいですから…

>私の場合はトランスして技使って一気にばばっと・・・
実は私も。
ぬすむやってるうちにトランスしちゃって、とりあえずダイダルフレイムやった後またぬすむに切り替えて、ぬすみ終わったらトドメ刺しました(酷)。

>どちらにしてもこひつら結構強かったような・・・
先に黒のワルツ倒しちゃえばそんなには強くないと思いますが。
シリオンはレベル3ですから、洞窟に入る前にジタンのレベルを8くらいに上げれば……(←レベル10まで上げました)
初めての時は苦戦した覚えありますけどね(何)

>>ジタンの問いには答えず、2人に増えたオダイン博士は洞窟の外へ消えてしまった。
>・・・真面目に書いてあって笑いました。
自分で書いててこう真面目に書いていいのか疑問に思ってました。

>・・・まあ確かにそうですけど『ごじゃる』は違うのでは・・・(それってどっちだっけ)
確かオダイン博士は『おじゃる』だったと思います。
多分、分裂した際に微妙に口調が変わったんでしょう(謎)

>そういえば『森のフクロウ』にソーンっていたような・・・
腹痛使って逃げようとする彼ですね。


>4話連続で読んでかなり笑えました。
>面白かったです。
ありがとうございます。

>それではこれからもがんばってください。
はい。頑張らせて頂きます。(…?)
ラントさんも頑張って下さい。

ではレスありがとうございます。

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1344112話:ダガー風碧 陽月 E-mail URL2003/3/2 18:52:29
記事番号13303へのコメント

12話:ダガー






氷の洞窟を出ると、爽やかな風が頬を撫でた。
冬とは言え、いままで寒い洞窟の中にいたため、その風は寧ろ暖かくさえ感じられた。
「やっと“霧”の上に出られましたね! やっぱり青空の下が一番ですね!」
ガーネットが嬉しそうに言う。
実際とても嬉しいのだろう。
「おっ、あそこに村があるぞ」
ジタンが遠くに見える小さな村を指した。
「なんかあの村って、前に見たことあるような気が……」
4歳のときじゃないのか?(をい)
「ジタンはいろんな所に行ったことがあるんですね……。
 わたくしが知っている世界は、すべて書物の中のことばかりです。
 ジタンが知ってる村かもしれませんよ。とにかく行ってみましょう!」
今にも出発しそうな勢いのガーネットにジタンは慌てる。
「おいおい、ちょっと待てよ!
 ガーネットはお姫さまなんだぜ? それってどういうことかわかってんの?
 今だって追っ手が来てるかもしれないし、姫だってバレたらいろいろ面倒だぜ」
「何を言ってる!」
スタイナーが会話に割り込み、それだけでなくジタンをどんっと叩く。
「姫さまがこそこそする必要なんてない!
 それに、おまえのその態度はなんだ!?
 姫さまに無礼だろう!? その呼び方も改めろっ!」
叩かれた勢いでジタンは崖――洞窟の出口は崖になっていた――から落ちそうになり、腕をぶん回してなんとか体勢を立て直す。
「おっさん、うるせえよ」
冷や汗かいたぞこのヤロ……。
ジタンは心の中で悪態をつく。
「あんたにゃ関係ねえだろ? だいたい、あんた何様のつもりだよ。偉そうにしやがって……」
と、同時に言葉でも悪態ついてるから凄い。
「ふたりともやめてよー!」
「ふたりともお止めなさい!」
ビビとガーネットが同時に大声を出す。
だが、ビビの大声はガーネットの大声に掻き消されていた。ビビは驚いてガーネットを見ている。
「……それから、スタイナー、わたくしは城に戻るつもりはありません。
 でも、確かに『ガーネット』では何かと不都合がありそうですね……。
 ところで……」
ガーネットは少し考え込むと、ジタンが腰に刺していた短剣を抜いた。
「ジタン、これはなんと言うのですか?」
「あ、そいつか?
 それはダガーっていうんだ。それくらいの長さの短い刀のことをみんなダガーって呼んでるんだ。
 それよりも長いのをショートソード、両手持ちの大きい刀をブレード、ダガーより小さいのをナイフ、それから……」
得意になって説明を始めるジタン。
「あ、いや……よ、よくわかりました」
ガーネットは慌ててジタンのセリフを遮った。
説明を中断されたジタンは残念そうに肩を落とす。
「これはダガーというのですね……。
 決めました! これからわたくしはダガーと名乗ります。ジタン、これでどうかしら?」
「本当にそれでいいのか?
 よし、上等だぜダガー! あとはその喋り方だな……。
 オレみたいにさ、砕けた感じになれば文句なしだ」
「ええ、やってみます」
「違う違う……そこは……」
ビビならなんて言うかな……?
ジタンはビビをちらっと見た。
「??」
ビビはよくわからずに首をかしげる。
「『うん、がんばる』だな」
確かにそれはビビのようだ。
「……う、うん、がんばる!」
「その調子だぜ、ダガー!
 ってことで、そろそろ行くか!」
ジタンは軽い身のこなしで山道を下る。
ガーネット――ダガーもその後に続き、ビビ、スタイナーも下り始めた。







“霧の大陸”から始まった旅

自身の「答え」を探す旅

4の大陸を駆巡り

異世界へまで足を伸ばす旅

「生命」と「記憶」の持つ意味を確かめ

「世代を越えた命の尊さ」を学び

いつかは別れもやってくるのだろう

だが、彼らの旅はまだ始まったばかりなのだ










                      To be continued ―― NEXT CHAPTER “それぞれの悩み”




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13442Re:12話:ダガーD・S・ハイドラント 2003/3/2 19:56:14
記事番号13441へのコメント

こんばんはラントです。

・・・ついに改名。
でもここでガーネットにしても大丈夫なんですよね。
ガーネットをスタイナーにしてスタイナーをガーネットにするとかも面白いかも・・・。

>“霧の大陸”から始まった旅
>
>自身の「答え」を探す旅
>
>4の大陸を駆巡り
>
>異世界へまで足を伸ばす旅
>
>「生命」と「記憶」の持つ意味を確かめ
>
>「世代を越えた命の尊さ」を学び
>
>いつかは別れもやってくるのだろう
>
>だが、彼らの旅はまだ始まったばかりなのだ
後、この辺りが良いですねえ。

・・・本気で短いですけど、今回はここまでで・・・ではまた。

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13444あ、後書き書いてたら……風碧 陽月 E-mail URL2003/3/2 20:27:08
記事番号13442へのコメント


>こんばんはラントです。
こんばんは陽月です。
後書き投稿してるうちに、ですね。ありがとうございます。


>・・・ついに改名。
>でもここでガーネットにしても大丈夫なんですよね。
はい。思いっきり大丈夫です。
私の弟は初めてプレイしたとき、『ガーネットのままにしてみよう』って言ってそのままにしてました。
別におかしなところはなかったはずです。


>ガーネットをスタイナーにしてスタイナーをガーネットにするとかも面白いかも・・・。
うわぁ。面白そうですね。
でもなんだかストーリー進めてて混乱しそうです……。


>>“霧の大陸”から始まった旅
>>
>>自身の「答え」を探す旅
>>
>>4の大陸を駆巡り
>>
>>異世界へまで足を伸ばす旅
>>
>>「生命」と「記憶」の持つ意味を確かめ
>>
>>「世代を越えた命の尊さ」を学び
>>
>>いつかは別れもやってくるのだろう
>>
>>だが、彼らの旅はまだ始まったばかりなのだ
>後、この辺りが良いですねえ。
ありがとうございます。
FF9のテーマに則った詩的にしてみました。


>・・・本気で短いですけど、今回はここまでで・・・ではまた。
いえいえ。レスありがとうございます。
では。

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134431章の後書きと世界観解説風碧 陽月 E-mail URL2003/3/2 20:21:00
記事番号13303へのコメント

こんにちは、陽月です。

『Journey to the truth.』の1章:王女誘拐が完結しました。

『Journey to the truth.』
正式名称は実は、
『Journey to the truth. 〜FINAL FANTASY 9〜 答えを探して』

だったりするんですが、なんか長いので最初の英語部分のみにしてます。
それでも略すときは『スナ』の2文字なんですけど。

『スレイヤーズ版FF9』だからスと(9の)ナを取って『スナ』です。


タイトルの話はここまでにして。
1章:王女誘拐
これほとんどがゲームの展開通りになっちゃってます。

変えてる部分は、一番わかりやすいところでスタイナーのセリフ。
堅苦しい言葉使いはガウリイに似合わないというそれだけの理由です。
セリフも省略されてる部分多いですし……。

ビビのセリフからも、少しおどおどした感じを抜いています。
それでも原作のビビとイメージが変わらないように気をつけてますが。

ガーネット……ダガーは原作通りにしています。
王女なので物腰が丁寧――だけど、旅を続けるうちに雰囲気が変わっていくキャラ。
寧ろ変わった時がミリーナっぽいと思いました。

12話以前の文中でガーネットを『ダガー』って書いてないかどうか凄く心配なんですが……。

ジタンのセリフはほぼそのまま。
というか、変えてる部分ほとんどありません。

後は……ベアトリクスとかブラネとか……

ブラネは変えまくってます。なんせジョセフィーヌさんなので……。
ベアトリクスは……これから変わるはずです。
アレクサンドリアが○○○○○の襲撃に遭って○○○○と共に闘うシーン……。
あの王家に忠実なところがなんとなくシェーラと被ったんでしょう。

黒のワルツはヴルムグンです。
ハイドラントさん、ありがとうございます。

あとは……パック君はクレイ君で……

分裂オダイン……もとい、ゾーンとソーンはなし。
タンタラスメンバー、プルート隊員もなし……。

キャラの配役についてはこのくらいです。


あと、詳しい解説がまだだったのでここで。

スレイヤーズの時代の数100年後としていました。
が、ここで変えます。
6000年後にします。
ここまで古い時代になった理由は、ある程度ネタバレを防ぐので簡潔と伏字ありになりますが。

テラがガイアとの○○に失敗したのはFF9世界で5000年前になります。
テラの魔法樹はこの頃に植えられました。植えたのは○ー○○○です。

つまり、○○に失敗したときにガイアの文明は一度失われた。
そしてFF9の世界が成り立ち始め、キャラもスレキャラの転生体になる。

そういうことです。
説明が下手でよくわからないのが申し訳ないです。
質問とかがあったら、答えられる範囲で答えます。

一度文明が失われたというあたりで嫌な感じがするかもしれません。
その点は申し訳ないと思います。


そして、時間。
攻略本(アルティマニア)に世界年表とキャラ年表があるので、それを元にして書いてます。
プロローグと1話が1800年1月15日です。




2章:それぞれの悩み
これはこの後からブルメシアまで。つまりディスク1の残り全部です。

フライヤ、クイナ、クジャ、フラットレイ、クエール、シド、オルベルタ、メネ、チョコ、ギザマルーク、ダン

覚えてるだけでこれだけいます、新キャラ。
メネ、チョコ、ギザマルーク、ダンあたりは配役の必要がないかもしれませんが。(というかギザマルークはモンスター…)

メネとチョコ……。チョコボの森に行けるのは狩猟祭の後……。
ブルメシアに行く途中なので、時間的にはゆっくりしてられませんから……。
なんとかします。


なんだか長くなったので、これで失礼したいと思います。

これからもよろしくお願いします。


それでは。