◆−新しき世界から 第十九章 魔女の襲来−gure-to masa (2003/3/12 16:50:28) No.13532 ┗新しき世界から 第二十章 3つの大きな力−gure-to masa (2003/3/12 19:49:51) No.13536 ┣Re:新しき世界から 第二十章 3つの大きな力−D・S・ハイドラント (2003/3/13 15:56:05) No.13541 ┗新しき世界から 第二十壱章 出陣と開戦−gure-to masa (2003/3/23 13:39:24) No.13712 ┗新しき世界から 第二十弐章 魔女と風VS雲−gure-to masa (2003/3/24 12:19:58) No.13719
13532 | 新しき世界から 第十九章 魔女の襲来 | gure-to masa E-mail | 2003/3/12 16:50:28 |
風と雲の殺気・殺意が渦巻く大型帆船オーラルを海岸から見ている者達がいた。 黒の軍服に、黒の鉄製の笠を身につけた男達…… 彼らは蒼龍(関東)の王都−江戸を軍事的に守る日本蒼龍(そうりゅう)軍江戸駐留部隊である。 その部隊を指揮する男−建智鉄也中尉は静かに洋上に浮かぶ帆船を見ていた。 「オーラルに密偵を出せ」 「了解」 「中尉殿、城護組とアシュが接触したとの事!!」 新しく江戸城から来た使いの報告に鉄也は愕然とした。 城護組とアシュ………… 前者はかつてから日本全土の裏を取り仕切る暴力団…… 後者は最近海外で修行をしていた日本人によって結成されたマフィア…… ここ近年、両者の戦いは激しさを増し全国各地で一般市民までその被害は起こっている。 そのせいで、最近では奉行所はおろか軍も出動するようになった。 特にここ江戸は、城護組とアシュの本拠地があるので騒動は各地より大きい。 「隊長どうします?」 「どうするもこうしたもない!!」 部下の問いに、鉄也は怒鳴るように言った。 目の前では、世界でも有数の実力を持った男2人の決闘…… 住民の被害も城護組・アシュの抗争とは桁にはならないが、さすがに高僧は見逃せない。 (どうした物か・……) 鉄也が考えていると周囲が暗くなり、周りの人々が唖然としている。 彼が上を向くと、それはいた・…… 紅蓮の炎を思わせる巨大な竜・・…… 竜はゆっくりと進路をオーラルに向けている。 「行くぞ、抗争をとめに・……」 「……は、はい!!!」 鉄也はそう言って、部下を率いてその場を離れた。 彼は覚えていた……竜の名と、その盟友である魔女の名を…… 「又、風と雲だな…………」 『そうだな……この気配は戦いを目前とした者の物だ』 マイセルはそう言いながら、その巨体の進路をオーラルに向けた。 上空からは小さく見える帆船も少しずつ大きくなってきた。 そして船上から風の声がした。 『お前にふさわしいソイルは決まった!!』 |
13536 | 新しき世界から 第二十章 3つの大きな力 | gure-to masa E-mail | 2003/3/12 19:49:51 |
記事番号13532へのコメント 目の前にいるライバルを見ながら、風は1つ目の魔弾(ソイル)をベルトから引き抜いた。 「悠久の時告げる光、ブリット・シルバー!」 弾かれた魔弾が、はかなく澄んだ音を立て、シリンダに吸い込まれる。 「破壊の時告げる暗黒、デストロイ・ブラック!」 2つ目の魔弾がシリンダに収まっていく。 そして、最後の3つ目の魔弾が光彩を放ちきらめく。 「断絶の時告げる一瞬、スチール・グレイ!」 3つの魔弾がシリンダに装填された。 魔銃に脈打つ鼓動の音が、速度を増して激しくなっていく。 ソイルのエネルギーが風を包む。 その銃口を風に向けて、風は空をも切り裂く鋭利な声で叫んだ。 「貫け!召還獣、オーディン!!」 風が引き金を引き、銃声と共に魔弾は撃ち放たれた。 硝煙をくぐり抜け、3つのソイルは大きくうねり、緩やかな螺旋を描きながら絡み合うように1つになった。 それはやがて、1人の騎士の姿になった。 雲はその召還獣を見ていた。 六脚の馬に騎乗した騎士……漆黒にたった一滴の白を混ぜた暗い灰色の鎧を着た騎士・・・・・・ 右手には大きな槍―魔槍グングニル、腰には鉄も一瞬で斬れる剣―斬鉄剣がある。 それに対抗するため、雲も剣を抜き腰にぶら下げているミストの入った小ビンを持った。 「ミストが奏でる協奏曲にいざなわれ、眠るがいい!!」 剣でビンを叩き割ると、膨大なエネルギーが開放され巨大な白い龍と変わった。 そして白き龍は騎士と対峙した。 その光景をセフィクスは、マイセルの背から落下しながら見ていた。 最後の魔王と氷河の竜神の武器同士の激突…… 彼らはそれを知らずに、何度もぶつけて来た。 その度に何処かの山が吹き飛んだり、町や村が消滅した事もある。 これまではごく少数の怪我人を出しただけで済んだが、今回は日本でも最大を誇る 巨大都市のすぐそこで戦闘をしようとしている。 しかも、市民は避難すらしていない。 ここで戦闘をすれば、間違いなく何千という人の命が失われるだろう。 それだけは喰い止めねば……… セフィクスは腰に下げていた刀を鞘から抜いた。 そして、それを両手で持った。 刀の名は、村正…… この日本で妖刀の名で知られ、この刀を持ち刀自体に選ばれなかった者は狂死すると言われている。 最近手に入れ、刀に選ばれた者がセフィクスだった。 この刀の能力はどんな物でも斬る事が出来る。 そう、魔王も神も……何もかも…… やっと風・雲の登場…そしてセフィクスの日本来日が済みました。 ヨーロッパと交互に行く予定です。 |
13541 | Re:新しき世界から 第二十章 3つの大きな力 | D・S・ハイドラント | 2003/3/13 15:56:05 |
記事番号13536へのコメント >「悠久の時告げる光、ブリット・シルバー!」 >「破壊の時告げる暗黒、デストロイ・ブラック!」 >「断絶の時告げる一瞬、スチール・グレイ!」 ううむ何か格好いいですね。 >「貫け!召還獣、オーディン!!」 おおっオーディン出現。 >刀の名は、村正…… おおっ村正! >この刀の能力はどんな物でも斬る事が出来る。 >そう、魔王も神も……何もかも…… 凄いですなあ。 後に凄い敵と闘うことになるんでしょうか >やっと風・雲の登場…そしてセフィクスの日本来日が済みました。 >ヨーロッパと交互に行く予定です。 それではがんばってください。 内容のないレスになってしまいました・・・。 まあこれで失礼致します。 |
13712 | 新しき世界から 第二十壱章 出陣と開戦 | gure-to masa | 2003/3/23 13:39:24 |
記事番号13536へのコメント 「第15戦闘大隊準備完了しました!!」 「第37騎士団総員そろいました」 「第46師団準備完了!!」 「全補給部隊、積み込み終えました!!」 部隊長からの報告を聞きながら、ガーヴは静かに時を待っていた。 ガーヴの指揮するのは、総勢30万(補給部隊含め)…… ギリシャ・トルコ連合軍約100万に比べて、兵力は劣るものも武装は最新式である。 この軍には、ドイツの国外には余り出回っていない最新式の移動式魔砲が20門配備されている。 その射程は最大で世界最長10km…… 連合軍の配備している大砲は最大でも8km…… 圧倒的な差がある。 が、こちらにも弱点がある。 「ガーヴ将軍、司令官殿がやって参りました」 「分かった、お通ししろ」 部下からの報告を受け、ガーヴはそう言った。 そして、ガーヴの鎮座するテントに淡い青の甲冑を着た美女―アクアが入って来た。 「で、いつ頃出陣できるの?」 「もうすぐだ。後2、3個兵隊が揃っていない」 「分かったわ。その部隊が揃い次第、出陣しましょう」 アクアはそう言って、愛する夫とともに時間を待った。 イタリアで第2軍が集結している頃、ベルリンは緊張に渦の中にいた。 「ついに来おったか……」 城の最上階からシターンは呟いた。 北から遂にブラムス率いる大軍が姿を現したのだ。 北の空は、不死者たちの気で漆黒に染まっている。 「全軍最上級戦闘配置につけ!!」 シターンは国初まって以来の命令を下した。 部下たちも静かに席に着いた。 誰もが緊張しているのだ。 敵はこの世界でも無敵を誇る不死者の王…… 例えその軍勢を滅ぼしても、彼は生き残るだろう。 「陛下、敵軍は射程内に入りました!!」 「全軍発砲準備にかかれ!!」 シターンの命によりドイツ軍の全砲門が不死者軍に向けられた。 そして、時は来た。 「撃〜て〜!!」 遂にドイツ軍と不死者軍の戦闘が始まった。 |
13719 | 新しき世界から 第二十弐章 魔女と風VS雲 | gure-to masa | 2003/3/24 12:19:58 |
記事番号13712へのコメント 江戸上空で、風の召還したオーディンと雲の召還した白い龍(一刀獣)が対峙していた。 既に何合か打ち合ったものの、どちらにも戦果はない。 しかし、どちらとも少しずつだが間合いを縮めず、近くにいるもう1人の相手に神経を尖らせていた。 彼女の名は、セフィクス…… 彼らでも知っている強大な魔力を体内に秘め、他世界にもその名を轟かせる者。 手には、全てを断つ妖刀村正。 目の前にいる己の敵より、不気味な存在である事を彼らは知っている。 そして彼らは、敵を変更した。 (来るか………) セフィクスは、自分の向かってくる召喚獣達にあせる事なく抜刀した。 オーディンの斬鉄剣と一刀獣の鋭利な刀のような頭部が彼女目掛けて襲い掛かる。 しかし、セフィクスはそれをひらりと避けると力ある言葉を告げた。 「魔空烈風砲(エアーフレア)!!」 セフィクスの周囲に、幾つもの竜巻が発生しそれが2体に襲い掛かる。 そして、突き刺さる。 2体は声無き叫び声をあげながら、セフィクスから間合いを取る。 が、彼女はもう1つ呪文を発した。 「時獣転炎砲(ジーフル・フレイム)!!」 呪文が唱え終わると同時に、オーディンと一刀獣の周囲に何百を超える火炎弾が出現し、2体に襲い掛かった。 逃げ場の無い2体は、又声無き叫び声をあげると今度は静かに消えていった。 2体の消滅を確認したセフィクスは静かにオーラルの甲板に降り立った。 「何回言ったら分かるの〜〜〜!!」 甲板には、1人の女性が風と雲を叱っていた。 彼女の名は、リサ・パツィースト。 神聖イタリア帝国軍特殊部隊<ブラック・ホーク>に所属する軍人である。 そして、風の婚約者と保護者を兼任している。 彼女の前では、いがみ合う風と雲の犬みたいになってします。 (ブラック・ホークはセフィクスの直属の部隊である) 「お久しぶりですね、リサ」 「参謀長殿!!」 セフィクスの姿を見たリサはすぐさま敬礼をした。 「どうして、こちらに?」 「ちょっと訳があったの」 リサにそう言って、セフィクスは静かに視線を江戸に向けた。 オーラルの周りには、何十隻の小型舟が取り囲んでいた。 |