◆−風の通り道(レヴァリ・アースパロ)−風碧 陽月 (2003/4/13 19:19:01) No.13975 ┣Re:風の通り道(レヴァリ・アースパロ)−缶ぽっくり (2003/4/13 20:06:51) No.13976 ┃┗初めまして。−風碧 陽月 (2003/4/13 21:39:39) No.13980 ┣私的には、いきているよーな気が・・・(お゛い゛!)−かお (2003/4/13 21:01:39) No.13978 ┃┗実は私もそう思います。−風碧 陽月 (2003/4/13 22:04:53) No.13981 ┗続・風の通り道(レヴァリ)−風碧 陽月 (2003/4/16 15:20:58) No.13999 ┣レヴァリアースと言ったら−葵楓扇 (2003/4/23 20:44:24) No.14078 ┗レヴァリアースと言ったら−葵楓扇 (2003/4/23 20:47:48) No.14079 ┗ギネス級(謎)にレス返し遅れてすみませんっ−風碧 陽月 (2003/5/8 21:47:00) NEW No.14186
13975 | 風の通り道(レヴァリ・アースパロ) | 風碧 陽月 E-mail URL | 2003/4/13 19:19:01 |
……スレパロではありません。 だからと言ってFFパロでもありません(私が書くと信憑性薄…)。 『レヴァリ・アース』のキャラ話で、時期は『刻の大地』のころです。 ……上記作品を知ってる方は少ないような気がしてきた……。やっぱ練習用にした方が……? 『刻の大地』の6巻ころかなぁ。設定無視しまくってるので読む場合は注意してください。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2つの月が重なる輝月宮の日 西(アバス)のイビスに輝ける魔方陣だけを残し アドビス国の王子と英雄の弟と妖精は 行方知れずとなった―― ――――俺様達全員が生き残れる保障はねーんだ 『――シータ? どうしたの?』 「ん……なんでもない。あっ! あの屋台のトルティ美味しそう! 行こうレム!」 『えっ…ちょっと待ってよイリ…シータ!』 ――――なー…ウリック。兄貴の敵討って…自分のコト許せたらさ……イリアに戻れよ オッツ・キイムの大地。 その小さな町で、女の子と小さな妖精がはしゃぎ回っていた。 女の子との表情は、だが…… ――――そして…また旅をして…いろんな大陸行っていろんな町見ていろんな人と会おう どこか儚げで…… 「んーやっぱり美味しい♪」 『ホント〜♪』 無理して明るい表情を作ろうとしているように見える。 ――――もっといろんなコトを知りたい…お前と一緒に… 「仕事かい? 残ってるよ。名前はなんていうんだい?」 「んー……なんて言うと思います?」 ――――さあ……もう…終わったんだ。帰ろーぜ。オッツ・キイムに……なっ… 『イ…、シータ……。次の街にはいつ行くの?』 「え……うーん……もうちょっとここにいたいな」 『どうして?』 「だってここは……イビスに……近い……から……」 ――――今ごろなんとなくわかったよーな気がする 『イビスに……』 「うん……アドビスにも近いし……。悲しいけど……っ」 ――――俺の代わ…りに世界を旅してくれ…よ… 『今日は輝月宮なのねー♪ 綺麗だわ』 「うん……綺麗だね……でも……」 ――――いろんなことを…自分自身の目でたしかめて…いろんな生きものやいろんな人と会ってふれあって 輝く2つの月が重なる夜。 それは世界の魔力が高まる時でもあり、 異世界への扉が開かれる時でもあった。 ――――時に笑って時に泣いて…悩み、感動して、知って…… 「ここは……西(アバス)の…イビスか……? ……? ………基盤(イソエド)の聖石……? ――――……そうか……」 ――――お前のこれからの時間(とき)を…すばらし…い…もの…に… 「――……シオン……」 ――――…イリア…生きて…く……… 「やっぱり、小さな街でも活気があるんだねー」 女の子は片手にトルティを持ち、その街を楽しそうに見て回っていた。 『うんうん♪ 活気があって、楽しくて♪』 その隣をちょこまかと飛び回るのは小さな妖精。 『あっシータ! あっちにも美味しそうな屋台がっ♪』 「あーホントだ♪」 小さな街でも旅人は珍しいわけではない。 寧ろ、この先に法力国家アドビスがあるため、立ち寄る旅人は多いのだ。 「……? 『シータ』? なんだってあいつ……」 女の子と妖精も、珍しがられる事はなかった。 そして、彼も。 「一緒にいるのは間違いなくレム……」 金の髪に端整な顔立ち。 その容貌は珍しいのかもしれないが、気にされる事はなかった。 「――イリア!」 呼びかけた声は、しかし、喧騒に掻き消された。 「おいイリア! 聞こえてないのか!? ったく……」 魔法使い(ウィザード)の服を纏った彼は、法力国家の近くのこの街では珍しいのかもしれないが、 やはり旅人が多いせいか、街人が気に止める事はなかった。 これで僧侶(クレリック)の姿をしていたら、逆に気付かれていたかもしれない。 「イリ……、……ウリック!!!!!!」 「――え?」 彼がアドビス国の王子だということに。 「その声……まさか…………」 彼女は振り向いて――…… 「……シオン?」 ――風が吹く。 オッツ・キイムの広い大地に。 どれだけそうしていただろうか。 女の子と妖精は呆然とし、アドビスの王子――シオンは2人をじっと見つめていた。 「探したんだぞ。こんなところでなにしてやがる」 再会の瞬間(とき)でも昔の通りの偉そうな態度。 「まったくこの俺様に探させるとは……」 「……シオン……だよね?」 「当たり前だろ? 何幽霊見たような顔してるんだよ」 「だって……シオン……あのとき……」 「俺様があれくらいで死ぬわけないだろ?」 「で…でも……」 少女の目は徐々に涙ぐんできている。 「お前、俺様が生きてるのが嫌だとか言うのか?」 「違う!」 責めるような言葉に、思わず声を荒げる。 「違うよ……生きててくれて……嬉しいよ」 やがて大粒の涙が零れ落ちた。 それを見て、シオンは優しく微笑み、 「そうだな。俺もまたお前に会えて嬉しいぞ」 「っ! シオン!」 少女はシオンに飛びついた。 それを優しく受け止め、 「――約束しただろ? また一緒に旅をしようってな」 「うん……」 風の通り道。 爽やかな風が過ぎ行くそこで、 彼らは再び巡り合った。 「ねえレム。そう言えば、シオンって極度の女嫌いだったよね」 『そうねぇ……なのにさっきイリアが抱きついた時は全然嫌がってなかったわね』 「もしかして……ボク女に見られてない……とか……」 『うーん……そこ可能性はあるわねぇ』 「…………」 『あっイリア!?』 「シオン! ひとつ聞くけど!」 「あー? なんだ?」 「今のシオンにとってボクは“イリア”なの? それとも“ウリック”なの? どっち!?」 「……バカかお前。そんなの決まってるだろ?」 「“イリア”だよ」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― レヴァリ・アースのパロ書いたのは初めてです。 シオイリ大好きです。 個人的に刻の大地ではシオンが復活して欲しいんです。まあ、それだと刻大のストーリーに支障出そうですけどね。 この話が刻大の設定思いっきり無視してますからやっぱりシオン復活はあり得……? どうだろ……。私刻の大地は9巻までしか読んでないです。続きどこにも売ってないから(涙)。 ……何書きたかったんだろう私……。 では失礼します。 最後に思ったこと:私は何故スレものを書かなくなってきてるんだろう…… |
13976 | Re:風の通り道(レヴァリ・アースパロ) | 缶ぽっくり E-mail | 2003/4/13 20:06:51 |
記事番号13975へのコメント 風碧 陽月さん、はじめまして缶ぽっくりと申します。 >『レヴァリ・アース』のキャラ話で、時期は『刻の大地』のころです。 >……上記作品を知ってる方は少ないような気がしてきた……。やっぱ練習用にした方が……? 大丈夫です。知っている人間がココに!というか、タイトルを見たときちょっとびっくりしてしまいました。まさかここでこの作品に出会うとは思っていなかったので。 「レヴァリ・アース」キャラも展開も好きでした。だから余計に最集話は辛いものがありましたね……。 >『刻の大地』の6巻ころかなぁ。設定無視しまくってるので読む場合は注意してください。 六巻……あ、ナドゥが出てきた頃でしたっけ。(コミックス見つつ)やっぱりそうだ。 それでは、読みますね。 ええと……。 こうあってほしかったなぁ、というのが率直な感想でしょうか。 あるいは、こうあってほしいなぁ、と。 これから「刻の大地」がどう展開してくのかは分かりませんが、私もシオンの復活希望派なので……。 >個人的に刻の大地ではシオンが復活して欲しいんです。まあ、それだと刻大のストーリーに支障出そうですけどね。 確かにそうなんですよね。でもイールズオーヴァの事とか考えると、ありえないとは言い切れない……と思っているのですが。うー…ん。 >私刻の大地は9巻までしか読んでないです。続きどこにも売ってないから(涙)。 確か10巻がもう出ていたと思います。大判なので九巻と同じくお値段高いです(泣)。 なんだか感想になっていない感想ですみません。 それでは。 |
13980 | 初めまして。 | 風碧 陽月 E-mail URL | 2003/4/13 21:39:39 |
記事番号13976へのコメント > 風碧 陽月さん、はじめまして缶ぽっくりと申します。 こちらこそ初めまして。 あ…私の名前長いんで、陽月でいいですよ。 >>『レヴァリ・アース』のキャラ話で、時期は『刻の大地』のころです。 >>……上記作品を知ってる方は少ないような気がしてきた……。やっぱ練習用にした方が……? > 大丈夫です。知っている人間がココに!というか、タイトルを見たときちょっとびっくりしてしまいました。まさかここでこの作品に出会うとは思っていなかったので。 をを。ご存知なのですねッ! 確かに、ここでレヴァリは珍しいかもしれないですね(自分で言うな)。 > 「レヴァリ・アース」キャラも展開も好きでした。だから余計に最集話は辛いものがありましたね……。 私も大好きでした。それ故に、号泣しました、最終話……。 >>『刻の大地』の6巻ころかなぁ。設定無視しまくってるので読む場合は注意してください。 > 六巻……あ、ナドゥが出てきた頃でしたっけ。(コミックス見つつ)やっぱりそうだ。 そうです。ナドゥが初登場してました。 ナドゥも結構好きなキャラです(いや訊いてないって)。 > それでは、読みますね。 はい。どうぞ。こんなのでよければ(ヲイ) > ええと……。 > こうあってほしかったなぁ、というのが率直な感想でしょうか。 > あるいは、こうあってほしいなぁ、と。 シチュエーションはこうじゃなくても、シオンには復活して欲しい…… くどいですが、私もシオン復活希望してます。 昨夜、4年くらいぶりにレヴァリのドラマCD聴いててふと思いついた話なんです(やや問題発言)。 > これから「刻の大地」がどう展開してくのかは分かりませんが、私もシオンの復活希望派なので……。 ををっ! 同志発見ッ!(ヲイ) >>個人的に刻の大地ではシオンが復活して欲しいんです。まあ、それだと刻大のストーリーに支障出そうですけどね。 > 確かにそうなんですよね。でもイールズオーヴァの事とか考えると、ありえないとは言い切れない……と思っているのですが。うー…ん。 なるほど。そうですね。イールズオーヴァ、何故か生きてますし。 イールズオーヴァが出て、シオンが出てきて、2人で魔法合戦開始! ………………刻大なのかそれは(汗)。 まあそれはともかく、イールズオーヴァ(打ち込み面倒ですね、この名前)が復活(?)、シオンもあり得ないわけではないと思います、私も。 >>私刻の大地は9巻までしか読んでないです。続きどこにも売ってないから(涙)。 > 確か10巻がもう出ていたと思います。大判なので九巻と同じくお値段高いです(泣)。 1年以上前に……発売してるらしいですね(涙)。 今ネット注文してきました(早) 800円は高いですね…… > なんだか感想になっていない感想ですみません。 いえいえ。そんなことありませんよ。 > それでは。 はい。レスありがとうございます。 それではこれで失礼致します。 |
13978 | 私的には、いきているよーな気が・・・(お゛い゛!) | かお E-mail URL | 2003/4/13 21:01:39 |
記事番号13975へのコメント こんにちわ。 風碧 陽月 さん。 お久しぶりです。(こらまて!) ふふふv刻の大地ですねv >シオン。 ・・・私的には、刻の大地、今後の展開で・・。 生きているよーな気が・・ひしひししてますが?(まて!) いや・・だって、鍵が、イリアだという時点で・・。 それに、イールズオーブァも生きてますし・・・。 それに、あの力・・シオン、取り込んでるしなぁ・・。 (って、何完全に知らない人には分からないことを・・汗) >イリア。 ・・・私は、イリアの兄であるザードがかなり気になりますが?(笑) いやぁ、あの性格なのに、勇者?(笑) でも、そーいや、イリアの出生の秘密も・・謎なんですよねぇ。 とゆーか、ザードと血のつながりなかったんだし。 (それでも、似たもの兄妹だと思うのは私だけ?←笑) >本。 確か、ガンコミックではなく、別コミックで、続き、でてますよぉv (置き場の関係でまだ買ってない人・・まて!←実話) ふふ、只今、またまた大判として、出てますしねぇ。 ガンガンには今連載されてないから(まてぃ!) あの空間で、実は、シオンが、イリアを鍵として、指輪を作った。 それをかなり期待している私なのですが? ・・え?ありえませんかねぇ?(だからまてってば!) ふふ。何か、あれを知っている人がいたので、うれしいのですv ちなみに、幻想大陸も好きですv みゆきさんのほのぼの本、いいですよねぇ。 (ドラクエ4コマのほのぼの勇者も好きだけど・・まて!) ではでは、感想になってないですが。 刻の大地の今後で、自分的には、シオンが生きていた! という展開をかなり期待しているかおでした(本気で思ってる人・・笑) それでは、短く感想にもなってないですが。 好きなシリーズなのでレスをばでした(だからまてってば!) それでは、失礼しますのです。 byかお(薫) |
13981 | 実は私もそう思います。 | 風碧 陽月 E-mail URL | 2003/4/13 22:04:53 |
記事番号13978へのコメント >こんにちわ。 >風碧 陽月 さん。 >お久しぶりです。(こらまて!) こんにちは、かおさん。 はい。お久しぶりです(←読み逃げ常習犯(反省)) えーと。名前長いんで、名字とって陽月で構いませんよ。 >ふふふv刻の大地ですねv はい。あの素敵なコミックです。 >>シオン。 >・・・私的には、刻の大地、今後の展開で・・。 >生きているよーな気が・・ひしひししてますが?(まて!) よく考えれば、彼生きてる可能性ありますよね。ていうか可能性高いかと。 >いや・・だって、鍵が、イリアだという時点で・・。 沈黙の炎ですね。 >それに、イールズオーブァも生きてますし・・・。 あの重傷でどうやって発煙硫酸の霧の世界から助かったんでしょう。 …まあ、…それを言うならシオンもってことになりますが、↓ >それに、あの力・・シオン、取り込んでるしなぁ・・。 そうなんですよね。イソエドの聖石……。 『基盤(イソエド)』って言葉、シオンにぴったりだと思います(いや関係ない)。 >(って、何完全に知らない人には分からないことを・・汗) いえ。私も完全に知らない人にはわけわかんないこと書いてます(爆)。 >>イリア。 >・・・私は、イリアの兄であるザードがかなり気になりますが?(笑) >いやぁ、あの性格なのに、勇者?(笑) 確かに(笑)。 わけのわからない土産物買ってきたり、木に頭ぶつけて『リズムを取っている』なんて言ったり、 台詞は妙に意味不明だったり、土を掘り返しては埋めたり、極めつけは歩きながら寝る、ですね。 最高ですザード兄(ヲイ)。 >でも、そーいや、イリアの出生の秘密も・・謎なんですよねぇ。 あ、そう言えばそうですね……。 >とゆーか、ザードと血のつながりなかったんだし。 >(それでも、似たもの兄妹だと思うのは私だけ?←笑) う……言われてみれば確かに似たもの兄妹のような気がしてきました。 >>本。 >確か、ガンコミックではなく、別コミックで、続き、でてますよぉv それ以来近所の書店からはなくなってしまったのです(涙)。 >(置き場の関係でまだ買ってない人・・まて!←実話) >ふふ、只今、またまた大判として、出てますしねぇ。 大判だと値段上がってたりしますけど、買います。 >ガンガンには今連載されてないから(まてぃ!) Gファンタジーあたりに移ってから先は知らなかったのですが、連載されてないんですか…… なんか残念です。 >あの空間で、実は、シオンが、イリアを鍵として、指輪を作った。 >それをかなり期待している私なのですが? >・・え?ありえませんかねぇ?(だからまてってば!) をを! 凄くあり得そうですが! イリア(ビジョン)が話している謎の言語はシオンが聖石で手に入れた知識ということになりますかね。 凄いです、かおさん。 >ふふ。何か、あれを知っている人がいたので、うれしいのですv 私も知ってる人がいて嬉しいです。 >ちなみに、幻想大陸も好きですv >みゆきさんのほのぼの本、いいですよねぇ。 >(ドラクエ4コマのほのぼの勇者も好きだけど・・まて!) ドラクエは読んでないですが、幻想大陸、面白いです。 あと、刻の大地2巻にある番外編のパート3が個人的にツボでした。 カイ先生をいぢめる(?)生徒シオンが笑えました(訊いてないって)。 >ではでは、感想になってないですが。 いえいえ。そんなことないですよ。 >刻の大地の今後で、自分的には、シオンが生きていた! >という展開をかなり期待しているかおでした(本気で思ってる人・・笑) 私も期待してます、シオン復活! >それでは、短く感想にもなってないですが。 >好きなシリーズなのでレスをばでした(だからまてってば!) >それでは、失礼しますのです。 >byかお(薫) はい。レスありがとうございます。 ではこの辺で失礼致します。 |
13999 | 続・風の通り道(レヴァリ) | 風碧 陽月 E-mail URL | 2003/4/16 15:20:58 |
記事番号13975へのコメント こんにちは陽月です。 調子に乗って続きを書いてしまいました。 刻の大地シオン復活後の2人(いや3人か)です。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「シオンの嘘つき」 焚き火を囲んでの夕食時、突然イリアがそう言った。 「……へ?」 さすがのシオンも間の抜けた声を上げてしまう。 時刻は夕暮れ時、いつまで経っても次の街に着かないため野宿をすることになり、シオンが『嫌だいダンス』を踊って(?)いる最中にイリアが作った夕食を食べていたときにこの台詞である。 「い…イリア?」 シオンが声をかけてもイリアは俯いてしまって答えようとしない。 「イリア、俺何かしたか…?」 答えようとしないイリアに代わってレムがシオンに耳打ちした。 『シオン…きっとイリアあれで怒ってるのよ』 「……あれって?」 『えー! わからないのぉっ!?』 「み、耳元で大声出すなこのキャラメルのおまけっ!」 『ひっどーい! そんなこと言うなら教えないもん』 「俺様だってお前なんかに教えてもらいたかねーよ」 2人の口喧嘩をじーと見ているイリアの瞳には、怒りではなく悲しみの光が宿っている。 シオンもレムも気付いていないが。 「おいイリア。言ってくれないとわかんねーよ」 『あー! 本人に訊くのぉ!? 酷ーいっ! シオンの無神経!』 更に口出しするレム。 シオンはそれには答えずに口の中で何かを呟き始める。 と、レムの表情が一変した。 『きゃー! シオンが魔法使おうとしてるー! しかも古代の超魔法よー!』 これはもうわざとやってるとしか思えないが、イリアはそれに反応し、 「シオン駄目だよっ! これ以上魔法使ったら体に障る!」 「けっ、このシオン様がそのくらいで死ぬかよ」 『……一度死んだくせに』 「一度も死んでねぇっ! 勘違いするなっ! いいから黙ってろそこの虫!」 シオンはレムに叫びまくったあとぜぇぜぇと肩で息をしている。 「じゃあ訊くけど」 「…ああ」 急に真面目である。 これにはレムもちょっかいを出せない。 「……シオン、女嫌いだよね」 「は? ……それはそうだが……」 「……シオン、この前ボクはシオンにとって“ウリック”じゃなくて“イリア”だって言ってくれたよね」 「言った。……ってお前まさか…」 勘が良くて頭の良い(自称)シオンはそれだけ聞いてイリアが怒っている理由に気がついた。 昼間、イリアとシオンとレムの3人は、それなりに大きい街にやって来ていた。 そこでシオンは例によって女に見間違われ、例によって『俺様のどこが女だー!』と怒りながら訂正し、誤解が解けたあと例によって町娘に接近され、例によって硬直したのである。 それを見たイリアは、自分が近づいても硬直なんてせずいつも通りの態度であるシオンは自分をまだ女と見ていないと思い込んだわけだ。 考えてみれば、その時からイリアの態度が余所余所しい。 「あのな、イリア、よく聞けよ」 シオンはイリアの目の前まで移動してきた。そしてイリアの両肩に手を置く。 「……」 「俺にとってお前は……その……なんと言うかだな……」 珍しくシオンが口篭っている。しかも視線が泳いでいたりする。 「……えーと……だからな……。……えーと……俺にとっては……その……特別というか……」 「シオン」 「へっ?」 泳いでいた視線をイリアに戻す。 それと同時にイリアがシオンに抱きついた。 「い…いい…イリア?」 「ありがとう、シオン。大好きだよ」 翌朝、次の町に続く街道を歩いている途中で唐突にイリアが言った。 「シオン」 「あ? なんだ?」 「訊こう訊こうと思ってたんだけど、シオンどうやって助かったの?」 「お前……そんなこと、フツーは……」 「聞きたいんだよ」 その言葉にシオンは意地悪く笑い、 「この天才シオン様に不可能はない!」 ポーズ付きである。 「またそうやって誤魔化そうとする……」 「ま。真面目な話をするとだな」 「う…うん」 相変わらず切り替えの早いシオン。イリアはそのペースにすでに巻き込まれている。 「俺様が天地創造から何でも知ってるこの聖石の知識からあの異世界の法則を割り出し発煙硫酸の大気から毒性の大地まで全てを中和し無害にする方法を編み出しそれを実行……って悪い。少ねー脳みそまた破裂させちまって」 頭を抱えてうずくまるイリアを、シオンが『よしよしハンド』で撫でる。 「要するにだ。お前との約束を守るために俺様は戻って来たんだ!」 「そうなんだ! ありがとうシオン!」 まだよくわかっていないイリアは素直に頷いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― なんだか自分で言うのもなんですが、砂吐きそうな話だ……。 それか、中途半端な量の砂糖の山に潰されそうな(わけわかんねぇ)。 因みに、最後の部分には没になったのがありますが、かなり情けないので公開しません。 では失礼しました…。 |
14078 | レヴァリアースと言ったら | 葵楓扇 URL | 2003/4/23 20:44:24 |
記事番号13999へのコメント なぜだか風碧さんのパロディ作品はことごとく原作に詳しいものが多くて、親近感を感じます。というわけでこんにちは(遅) レヴァリアースというか、オッツ・キイム関係は幻想大陸から入った、という微妙な時代からのファンなのですが、レヴァリも全巻持ってたしCDも持ってたし、「夜麻みゆきの本」まで所持していたし……と懐かしい感じです。刻の大地も買っていたのですが、最近は立ち読みが主流なのでコミックスはもう手元に残ってないんですけどね。ちなみにジェンドが好きです(聞いてない) 最近の刻の大地は雑誌が移った上に隔月連載になってしまったので、全然話が進んでないんですよねー。シオンの生存は結局謎っぽいですね。私は今回この小説を読ませていただくまで、完全に死亡説しかないと思い込んでいたのですが(爆)こういう捉え方もあるのだなー、と新鮮な気分です。 なんだかまたレヴァリが懐かしくなってきました……今度CDが録音してあると思うテープでも探してこようと思います。 そういえば最近、夜麻先生はオッツ・キイムが関係無い漫画を連載してますけど、見てますか? ほとんど私信ですが、これで…… |
14079 | レヴァリアースと言ったら | 葵楓扇 URL | 2003/4/23 20:47:48 |
記事番号13999へのコメント なぜだか風碧さんのパロディ作品はことごとく原作に詳しいものが多くて、親近感を感じます。というわけでこんにちは(遅) レヴァリアースというか、オッツ・キイム関係は幻想大陸から入った、という微妙な時代からのファンなのですが、レヴァリも全巻持ってたしCDも持ってたし、「夜麻みゆきの本」まで所持していたし……と懐かしい感じです。刻の大地も買っていたのですが、最近は立ち読みが主流なのでコミックスはもう手元に残ってないんですけどね。ちなみにジェンドが好きです(聞いてない) 最近の刻の大地は雑誌が移った上に隔月連載になってしまったので、全然話が進んでないんですよねー。シオンの生存は結局謎っぽいですね。私は今回この小説を読ませていただくまで、完全に死亡説しかないと思い込んでいたのですが(爆)こういう捉え方もあるのだなー、と新鮮な気分です。 なんだかまたレヴァリが懐かしくなってきました……今度CDが録音してあると思うテープでも探してこようと思います。 そういえば最近、夜麻先生はオッツ・キイムが関係無い漫画を連載してますけど、見てますか? ほとんど私信ですが、これで…… |
14186 | ギネス級(謎)にレス返し遅れてすみませんっ | 風碧 陽月 E-mail URL | 2003/5/8 21:47:00 |
記事番号14079へのコメント > なぜだか風碧さんのパロディ作品はことごとく原作に詳しいものが多くて、親近感を感じます。というわけでこんにちは(遅) それは多分原作から外れたものを書けないからだと思ってみたりします(爆)。 というわけでこんばんはです(遅すぎ)。 ホントにレス返し遅くなりまくってすみません。 気がついてなかったというのは言い訳なので言いません(言ってるだろ…)。 > レヴァリアースというか、オッツ・キイム関係は幻想大陸から入った、という微妙な時代からのファンなのですが、レヴァリも全巻持ってたしCDも持ってたし、「夜麻みゆきの本」まで所持していたし……と懐かしい感じです。刻の大地も買っていたのですが、最近は立ち読みが主流なのでコミックスはもう手元に残ってないんですけどね。ちなみにジェンドが好きです(聞いてない) 私はオッツ・キイム関係はレヴァリから入ったような気がします(うろ覚え)。 レヴァリのCDは「シオンの女難」しか持ってませんが、刻大のCDは友達から借りてテープに保存したのなら持ってます(その時代ってMDがなかったような…)。 私はコミックスも全て保存してありますが、因みにシオンが好きです(対抗)。 > 最近の刻の大地は雑誌が移った上に隔月連載になってしまったので、全然話が進んでないんですよねー。シオンの生存は結局謎っぽいですね。私は今回この小説を読ませていただくまで、完全に死亡説しかないと思い込んでいたのですが(爆)こういう捉え方もあるのだなー、と新鮮な気分です。 隔月連載なんですか。どうりで立ち読みしても見つからないわけですね(タイミング悪いのか)。 シオンの生存、どうもはっきりしてないみたいです。 みんな死んだって言ってますが(イリアさえも)、実は生きてそう……いや、生きてて欲しいなぁという願望で書いてみたんです。 > なんだかまたレヴァリが懐かしくなってきました……今度CDが録音してあると思うテープでも探してこようと思います。 頑張って探してください。 CD「シオンの女難」の方は、プロローグの最後部分の音楽が凄くレヴァリ・アースという感じがしてて好きです(関係ない)。 > そういえば最近、夜麻先生はオッツ・キイムが関係無い漫画を連載してますけど、見てますか? いえ、見てないです。 今度探してみます。 > ほとんど私信ですが、これで…… レスありがとうございます。 遅くなって本当にすみませんでした。 ではこの辺で失礼致します。 |