◆−セイルーン騒動日記1−有紀 (2003/5/19 18:39:39) No.14266
 ┗セイルーン騒動日記2−有紀 (2003/6/2 10:59:43) No.14347


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14266セイルーン騒動日記1有紀 2003/5/19 18:39:39


初めてです!
読んでくれたら嬉しいですね。
これは、冥王が倒れてから何年か経ってからの話です。
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「ゼルガディスさん!」
アメリアに呼びとめられ、ゼルガディスはふりかえる。
「元の姿に戻ったら、知らせに来てくださいね!」
「……ああ。」
ぶっきらぼうに言い放つ彼の姿を、アメリアは、ずっと見守っていたかった……

あれから何年たったのだろうか。
短かった髪もながくのび、今は胸までとどいている。
「ゼルガディスさん……」
愛しい彼の名を呼ぶ。
そんなアメリアに、一通の手紙が届いた。

「ねえ。もしかして、ゼルガディスとかいう名前?」
ごったがえしのレストランのなか、声をかけてきたのは一人の少女だった。
あざやかな金髪を後ろでまとめた、12・3才の少女。
「ああ。そうだが?」
「ああよかった。リナとかいうひとにたのまれたんだけど。この手紙を渡して、て。」
「リナに!?」
ゼルガディスはいそいで少女から手紙をもぎとり、封を切る。
『ゼルガディスへ。
 私、ガウリイと結婚することになりました。
 式はセイルーンでやることになったので、来てください。』
ゼルガディスは一瞬めまいがし、なんとかもちなおす。
「ほんとかよ……」
「本当よ。」
こうしてゼルガディスは、セイルーンに向かうことになったのだった。
「そういやおまえ、名前は?」
「リレイよ。リレイ=ガブリエフ。」
「てことは、あいつの妹か。」
「そうよ……」
言い直す。
こうしてゼルガディスは、リレイとかいう少女と共に、セイルーンに向かうことになったのだった。

「あっあれゼルじゃない?」
「ほんとだ〜ゼルガディスさ〜ん。」
言ってアメリアがぶんぶか手を振る。
「おまえらか。リナも旦那も結婚するんだって?おめでとう。」
「まあな。」
「ありがとう。」
ガウリイとリナが交互にあいさつする。
「式はいつだ?」
「あさってよ。」
「そうか。なら式が終わったらまた旅に出る。」
「ええ!?ゼルガディスさんいっちゃうんですかあ。」
「ああ。」
「そっかあ……」

「ゼルガディスさん。」
その日。アメリアはゼルガディスの部屋におとずれた。
「なんだ?」
「いかないでください。」
「え?」
「ひとりにしないでください!!!!!」


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14347セイルーン騒動日記2有紀 2003/6/2 10:59:43
記事番号14266へのコメント

長い沈黙がおとずれた。
「私、それがだめならついてきます。」
「アメリア!?」
言って彼女は部屋を出ていった。

「リナさ〜んど〜してでしょうかあ。」
「しょうがないわよ。アイツにはアイツなりの生き方があるんだから。」
「でも〜」
ふうっといきをつくアメリア。
「ないですよ。こんなの……」

「ゼルガディスさん!出かけません!?」
「は?!」
「ほらあの二人……」
「ああ」
『ということでそれじゃあ。』

「あ!ゼルガディスさん!アイスクリーム売ってる!
 ちょっと買ってきますねー」
ふうっといきをつき、そのへんのベンチへと座るゼルガディス。
ちょうどそのとき、近くの店で売っている指輪が目にはいる。
小さい、赤い宝石のついたきれいな指輪。
彼はそれを買った。

待つこと10分。
「ゼルガディスさ〜ん」
多少息切れしながらアメリアが戻ってくる。
「混んでて。はい。ゼルガディスさんの分。」
言ってアイスを渡される。
「あ。そうそうアメリア。」
アメリアに、さっきの指輪を渡す。
「……ゼルガディスさん。」
「ん?」
「大事にしますっ!」

すごくきれいな、純白のドレス。
それにあう、きれいな女性。
式のときのリナさんは、とてもきれいだった。

「ゼルガディスさん。」
呼ばれてゼルガディスは振り返った。
「いっちゃうんですね……」
「……」
「いいんです。決心がつきました。」

ーあなたを光へ導く事。それが私の使命なら、よろこんでそうしよう。ー