◆−迷いの館−パッチー (2003/7/9 17:48:39) No.14614
 ┗人間とは−パッチー (2003/7/9 19:46:55) No.14617
  ┗正義とは−パッチー (2003/7/28 16:33:53) No.14766


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14614迷いの館パッチー 2003/7/9 17:48:39


そこは、迷いの館と呼ばれる館であった。
普段は周辺住民達が訪れ、主人の話を聞いたり、お茶を飲ませてもらったりと、騒々しいくらい賑やかな場所である。

しかし・・一週間に一度だけ、霧が館を包み、この館を覆い隠す日がある。
・・・・・迷いを持った者のみを通す、魔法の霧。
この日、館を訪れる者は、こう呼ばれていた。



『館に誘われた迷者』と。



迷者は今日も訪れる。
この世から、迷いと言うものが消える日まで・・・・・




あとがき
今回のものははプロローグですらない、説明みたいな物です。
本編・・というか、とりあえず連載物・・・にしたいと思っていますので、末永く見守ってください(笑)

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14617人間とはパッチー 2003/7/9 19:46:55
記事番号14614へのコメント

ここは迷いの館。
今日は一週間に一度の”霧≠フ日である。
・・・今宵は、どんな話がされるのであろうか。



コンコンッ
ドアを誰かがノックしたようだ。
彼はお茶を飲む手を止めて、コースターにカップを置き、どうぞ、と声をかけた。

ガチャリっ!

「失礼する。」

ドアが開く音と共に、二人の男女が部屋に入ってきた。
主従関係のようで、女の後ろに、神官服の男が控える。
・・・しかし、旅人が好みそうな服をした女性に、神官が控える図は、中々滑稽である。
「ようこそ。僕の館へ。・・・・・どうぞ、そこにおかけ下さい。」
そう言って席を進め、お茶を二人分、カップに淹れる。
「どうぞ。日本茶ですが・・・・」
「ん?・・・ああ、すまん。」
そう言って、彼女はお茶を受け取る。連れの神官も、すみませんね、と言うと、それを口に持っていく。

「・・・・人間とは何なんだ?」
お茶をのどに流し込んだ後、彼女は開口一番にそう尋ねてきた。
「・・・・はて・・・・いきなりそう聞かれましても・・・・」
いきなり尋ねられても困る。
「質問が悪いですよ。・・・・この方は、人間と言うものに興味があるんです。」
成る程・・・・・この一言でこの二人の正体も分かった。
だが、この館内においては、神と魔王が鉢合わせしようとも、争う事は出来ない。
館に入ったときに、そういう誓約がされているからだ。
「・・・人間は弱い・・・体も弱く、魔力も少ない。だが、何故か気になってしまう。この、私がだ。・・何故なのか、その理由が知りたい。」
・・・彼女が真剣な事は、彼にも分かった。
それに、『彼女』が以前から、人間に興味を持っているらしい・・と言うのは、風のうわさで知っていた。

「・・・ふむ・・・難しい質問ですが・・・貴方は、人間をどう思っていますか?」
「どう思っているか・・・?そうだな・・・不思議な生き物だ。愚かな時もあれば、驚くほど賢い時もある。」
そう言って、彼女は、それが何か?っと彼に尋ねる。
「・・・・フフッ、それを、人間は気になると言うんですよ。・・・そうですね・・・・貴方が、人間を気にする原因・・・それは、人間の性質でしょう」
そう言って彼はカップを口に持って行き、一口飲むと、話を続ける。
「人間とは、”魔≠ナあり、”神≠ナある存在です。神と魔の欠片を、生まれながらに持っている・・・これは僕の意見ですが、・・・・人間とは、世界で一番醜く、愚かな存在です。・・・でも、・・・いや、だからこそ、世界で一番美しい存在に成り得るんです。・・・僕はそう考えています。」
そう僕が語ったとき・・彼女は目を見開き・・そして、盛大な笑い声を上げた。
「ククッ・・・クッハッハッハッ!そうか・・・”完全な矛盾=E・・まさかこんなに簡単な事に気づかないとは・・・・私も、まだまだだな。」
彼が言った言葉の、裏の意味を、彼女は感じたらしい。
「世話になった。今日の礼は、後日させて貰おう。・・・全く、道理で興味が尽きないはずだ・・・」
そう一人言を呟き、彼女は神官を伴って、部屋から姿を消した。

「・・・・・まさか獣王が尋ねてくるとは・・・・・僕も有名になったものだ。」
そう一人ごち、彼はカップを口に持っていった。



あとがきのようなそのあと
「兄、獣王が来たってのは本当?」
獣王が去って数時間後、部屋に一人の少女が入ってきた。
僕の妹である。
「ああ。人間とは、と聞かれたよ。・・・まあ、完全には答えきって無いんだが・・・・」
「まあ、そこそこ有名になっちゃったね・・・・普通の片田舎に五大魔族が来るなんて、すごい快挙」
「・・・・・・褒めてるのか、けなしてるのか?」
「けなしてる!」
その言葉に、彼は盛大なため息をついた。
「この話をしてる最中、結構色々あったからな・・・苦労したよ。」
特にお前の邪魔が・・・という発言は言わないでおいた。
「次の作品は、もっと良くなるといいな。」
そう願望を口にして、彼は部屋を後にした。

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14766正義とはパッチー 2003/7/28 16:33:53
記事番号14617へのコメント

私は悩む。

私は悩みを失った事が無い。

人が生きる理由、死ぬ理由、正しい事は何か、間違っているのは何か?

悩み続けた事を書き表したのが、この『迷いの館』である。

願わくば、この作品を見てくれた人が、答を見つけてくれることを願いたい。



『迷いの館』
正義とは



普段は人々で賑わう館も、今日に限っては訪れるものも無く、寂しく霧の中浮かび上がっていた。

今日、『霧の日』は、そういう日なのだ。

館のロビーで、一人の少年がお茶を楽しんでいた。
この館の主人である。

茶菓子を一口サイズに切り取り、上品に口にする。
そして、自分で入れた、適温のお茶を口に含む。
『霧の日』にだけ飲むお茶を、彼はじっくりと楽しんでいた。

「主様。お客様でございます。」

気心の知れた、幼い頃から仕えてくれているメイドが、来客を知らせる。
通すように言い付け、彼は客人用のカップを戸棚から取り出し、お茶を入れる。


「失礼します。お客様をお連れしました。」
メイドはそう言って頭を下げ、失礼します、と座を辞した。

客人は女性であった。
まず目に付くのが、その巫女装束である。しかも、旅に向いた、動きやすいタイプの服だ。
黒いボブカットで、年齢は十代前半か中ばといった所だろう。

「貴方が、賢者様ですか!?」
開口一番に、彼女はそう尋ねてきた。
だが、彼は自分が賢者、賢き者だとは思わない為、違いますよ、と答え、席を促した。

「それで、本日は何用でお越しになられたのですか?」
席に座り、お茶を飲む彼女に、彼はそう尋ねた。

「はいっ!私は、正義のヒロインになりたいんです!」
いきおい勇んで、お茶をこぼしそうになるのも構わず、彼女はそう言った。
「・・・はぁ・・・」
お茶に細心の注意を払いながら、彼は、今までとは違うタイプの女性に、ついつい呆れた表情になってしまった。

「私は、小さな頃からヒロインに憧れてきました。そのために、巫女としての修行もしましたし、旅もしました。でも、旅をしていて、色々な人と会って、思ったんです。何故、悪が無くならないのか?何故、誰も彼もが悪を見逃し、正義を貫こうとしないのかっ!お教えくださいっ!」
言っている内容は実に子供っぽい。思わず、苦笑してしまうほどだ。
だが、彼女が真剣な事は、その目を見れば一目瞭然である。
下手な答など、返したくは無い。

数分、彼は考え込んだ。
彼女は、根本的に間違っているのだ。
それを巧く言う言葉を捜す為、彼は思考の海に潜った。

「・・・では、貴方に聞きましょう。貴方にとって、正義とは何なのですか?」
多分、彼女はこの時点で間違えているだろう。
「正義とは、愛と友情を重んじっ!正しい事を貫く事ですっ!!」
嬉しそうな表情で、彼女はそう答えた。

「・・・・貴方は、少し思い違いをしていますよ。」
彼は、間違えた生徒に言い聞かせるように、ゆっくりと言った。
「・・・えっ?」
彼女は、心底驚いたようだ。
まさか、間違えているといわれるとは思わなかったろう。

「貴方の言う正義は、確かに素晴らしい。だが、それは、”貴方の正義≠ナす。万人の正義とは言えない」
一旦言葉を区切り、彼はお茶を口に含む。
「何故なら、正義という物は一人一人、心の中にあるものです。ですが、その正義が同じかというと、そうじゃあない。中には貴方のような人も居るでしょうが、大多数は間違いなく違った考えを持っているでしょう。」
女性は静かに聞いている。

「では、私の正義は、間違えているのですね・・・・・・」
彼が話し終えた後、暫くして、女性がそう言った。
かなり落ち込んでいる。というより、顔色がものすごく悪い。

「いいえ。間違えてなんかいませんよ。貴方は」
「・・・・・・・慰めはいりませんっ!」
震える声で、彼女はそう叫んだ。
「慰めなど、する気はありませんよ。それに、貴方はすこし勘違いをしているようだ。万人には、万人の正義がある。その中には、貴方だって含まれて居るんですよ?」
ゆっくり、ゆっくりと言葉をつむぎだし、彼はまた口を開く。
「・・・貴方は、まだまだ経験が足りないようですね。自分をしっかりと見つめなさい。そうすれば、おのずと答えは出るでしょう」
厳しい口調で言い、彼は口を閉ざした。

「それでは、失礼いたします。」
席を立ち、彼女は部屋のドアに歩み寄った。
「ええ。お気をつけて。王女様」
そう言った瞬間、彼女が驚き、こちらを振り返る。
「お父上とは、幾度かお話しした事がありましたので・・・・」
照れ笑いを浮かべ、彼はカップを片付ける。
「・・・・ありがとうございました。」
彼女は頭を下げると、部屋を出て行った。




あとがき
久しぶりの更新だ。
混:十九日もあけてるのになぁ・・・よく残ってたもんだ。
まったくだ。
混:毎回面白く無いなぁ・・お前の小説は。
やかましい!こちはいっぱいいっぱいだ!
混:次辺り、オレの小説書けよ!面白くなるぞぉぉぉ!
・・それは、一生ありえそうにないから良いや。
と、言うわけで、皆さん、(多分誰も読んで無いけど)お待たせしました!
混:待たせす!?もがガガが!!モグガガガガ(く、口輪なんかつけるな!オレは犬じゃないぞ!!)
やかましい。次回は、ガウリイです!お楽しみに!!
混:モフフハハ!!(ネタバレか!!)
それでは、さようならぁぁぁぁ!!



その日は、蛇が鳴き続けたとか何とか