◆−ガウリイの関白宣言!−R.オーナーシェフ (2003/8/4 14:54:40) No.14816 ┗Re:ガウリイの関白宣言!−びたちょこ (2003/8/19 23:00:17) No.14933
14816 | ガウリイの関白宣言! | R.オーナーシェフ | 2003/8/4 14:54:40 |
ラジオ「林原めぐみのハートフルステーション」の7月のお鍋の中身は 「足して二で割れ」でした。そこで・・・、 さだまさし「関白宣言」 と、 あらいずみるい先生の画集「DRA−MATA」37項のイラスト(「スレイヤーズはいぱあ」は無いんだよな・・) を足して二で割ると、こんなガウリナ小説ができました。かなり妄想が入った短編です。時間がある方は立ち読み感覚でどうぞ。 *************************************** 亭主関白:亭主はその家で最高の存在であることを例えていう語。亭主が家の中で、 特に妻に対して絶対の権威を握っていること。 そんな言葉があることを俺が知ったのは、つい最近のことだった。この俺が 物を知るなんて、自分で言うのもなんだが、ほぼ奇跡に近い。 「ふーん、亭主ハンバーグか・・・・。いい言葉だな・・・・・・・・いや? えっと、亭主金箔?うーんと、なんだっけ?」 そう、あれだ。亭主関白。思い出しながら、俺は鏡の前で着替えていた。今から 俺は仕事だ。朝早めに起きて、この田舎から首都ゼフィールの騎士団まで遠距離通勤。 これも妻のため。そう、己に言い聞かせて、気合を入れた。首筋の、妻のキスの痕を見な がら・・・。一瞬頬がゆるみかけて、やはり恥ずかしいから指で消した。 妻―リナに、俺は昨日の晩こう宣言した。 「よし、リナ!俺は明日から、亭主乾杯でいくぞ!」 「はぁ?」 「いいか?リナ。俺より先に寝てはいけない。俺より後に起きてもいけない。めしは上手くつくれ。いつもきれいでいろ。いいな」 「うーん、めしならなんとかなるし、今でもこれからも十分あたしはきれいだけど・・・・・・寝不足は美容の大敵だしぃ・・・・・・・・・起きなきゃだめ?」 こくっと俺はうなずく。 「できる範囲で、構わないから。」 そんなことを振り返りながら、さっき慌てて起きた寝室のドアを開けた。 くかぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ふぅー。ったく。仕方ねーな。」 ダブルベッドに、リナは、気持ちよさそうな表情で、口を半開きで寝息を立てていた。 がっくりと気を落としながら、しかし部屋の空気は優しく、ここちよかった。 先ほどまで俺が寝ていた左側に体を向けたまま、布団はやや乱れて、薄い下着を着た肩が 出ている。風引くじゃないか。俺は布団をかけなおす。ついでに、そのまま指を、 首筋に伝わらせて、頬をなでた。改めて思うが、やっぱり綺麗な肌だ・・・。 柔らかくて、あったかくて、すべすべしている・・。 本当なら・・・・・・・・ 俺が起きた時は、キッチンから、トントントンと包丁の音が響いていて、鍋から湯気が立ち上り、リナが料理を作っているのだ。 「お早う、リナ。」 「お早う、ガウリイ。」 そう、リナはとても可愛い笑顔で俺を振り返る。そんなリナを、俺は優しく抱き寄せて、 「やん、ガウリイったら。もう。」 そんでもって、こう、ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっと・・・。 「う、うん・・・・、むにゃ、うふふ・・・・・」 すぐ見ている目の前で、リナは笑みを浮かべて寝言を言った。 「・・・・・・ま、いっか。今日は可愛い笑顔だけもらっとくぜ。」 頬から、指を、唇に伝わらせて、なぞってみた。そして、そろそろ行かなくてはと思い、 俺は手を離そうとした。 かぷっ 「いっ、でっ」 「・・・・うふふふ。おいしいお肉。ガウリイには、あげない・・・・・・・・」 そういう夢をみてたのかよ・・・・・・。 俺の手をしっかり捕まえて、リナは美味そうにかじっていた。お前だけさっさと夢の 中で朝飯食いやがって。しばらくしてリナから俺の手がようやく離れると、俺は歯形が ついた手をさすりながら、 「じゃ、リナ。行ってくるからな。」 そう、寝ているリナにささやき、部屋を後にした。 バタン 「ガウリイ!」 「お! やっと起きたか?」 「ごめん気がつかなくて。起こしてくれればよかったのに。」 慌てて部屋から飛び出してきたリナは、親にしかられた少女のような、申し訳なさそうな 顔をしていた。 「ま、いいさ。気にするなって。じゃ、時間無いから。」 「うん。行ってらっしゃい。」 そうして俺は、玄関を出て、仕事に向かおうとした。 「ふふふ。うっふっふっふっふっふ。わーい!盗賊いぢめ行ってこよーっと♪」 ったく。みえみえなんだよ。俺は玄関をあけた。 「リナ!盗賊いぢめはだめだぞ!」 「ぅぅぅぅ、ガウリイのケチ!あれこれ言われた上に専業主婦の楽しみ奪われたらストレスたまっちゃうわよ!」 そんな楽しみを持つ専業主婦はおらん。心の中でツッコミながら(普段ボケなのに)、 俺はリナに近づいて、あごの辺りを少し上げながら 「ガウリイ? ん・・」 やがて、唇をリナから離した。 「ストレスは?」 「は、発散しちゃったかも・・・・」 頬は赤く染まり、瞳は俺が捕らえたまま、うっとりとした表情だった。 「じゃ、行ってくるからな。」 「ね、ねえガウリイ。こんなあたしでも・・・、好き?」 「こんなリナが好きだから、ずっと保護者やってるのさ。」 やや微笑みながら答え、 「よかった。」 とびっきりの笑顔に送られて、俺は出かけていった。 忘れてくれるな俺の愛する女は、愛する女は生涯お前ただ一人・・・・・ なんてな。一人で笑みを浮かべて、他人から見たら恥ずかしいような。でもそれに嘘はない。意外と尻に敷かれてないよな、俺。ひょっとして、亭主卵白ってことになるかな・・・。 あれ?違ったっけ? やっぱり気になる!! 俺は、少し行った道を一度戻り、また玄関をあけた。 「なあリナ。そもそも、亭主ってどんな意味だ?」 「尻に敷かれてろクラゲ!」 おしまい ***************************** そのうち、シリアス長編書きますね。いつになるか分からんけど。 |
14933 | Re:ガウリイの関白宣言! | びたちょこ | 2003/8/19 23:00:17 |
記事番号14816へのコメント > そんな言葉があることを俺が知ったのは、つい最近のことだった。この俺が >物を知るなんて、自分で言うのもなんだが、ほぼ奇跡に近い。 自分でいっちゃうんですねぇ・・。 >「ふーん、亭主ハンバーグか・・・・。いい言葉だな・・・・・・・・いや? >えっと、亭主金箔?うーんと、なんだっけ?」 >そう、あれだ。亭主関白。思い出しながら、俺は鏡の前で着替えていた。今から >俺は仕事だ。朝早めに起きて、この田舎から首都ゼフィールの騎士団まで遠距離通勤。 あぁ、かっこいいですねぇ。 >妻―リナに、俺は昨日の晩こう宣言した。 >「よし、リナ!俺は明日から、亭主乾杯でいくぞ!」 >「はぁ?」 >「いいか?リナ。俺より先に寝てはいけない。俺より後に起きてもいけない。めしは上手くつくれ。いつもきれいでいろ。いいな」 わぁ夫婦なんですねぇ。 >「うーん、めしならなんとかなるし、今でもこれからも十分あたしはきれいだけど・・・・・・寝不足は美容の大敵だしぃ・・・・・・・・・起きなきゃだめ?」 うんうん、それでこそリナさん。 >こくっと俺はうなずく。 >「できる範囲で、構わないから。」 >そんなことを振り返りながら、さっき慌てて起きた寝室のドアを開けた。 > >くかぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ > >「ふぅー。ったく。仕方ねーな。」 >ダブルベッドに、リナは、気持ちよさそうな表情で、口を半開きで寝息を立てていた。 >がっくりと気を落としながら、しかし部屋の空気は優しく、ここちよかった。 >先ほどまで俺が寝ていた左側に体を向けたまま、布団はやや乱れて、薄い下着を着た肩が >出ている。風引くじゃないか。俺は布団をかけなおす。ついでに、そのまま指を、 >首筋に伝わらせて、頬をなでた。改めて思うが、やっぱり綺麗な肌だ・・・。 >柔らかくて、あったかくて、すべすべしている・・。 >本当なら・・・・・・・・ >俺が起きた時は、キッチンから、トントントンと包丁の音が響いていて、鍋から湯気が立ち上り、リナが料理を作っているのだ。 >「お早う、リナ。」 >「お早う、ガウリイ。」 >そう、リナはとても可愛い笑顔で俺を振り返る。そんなリナを、俺は優しく抱き寄せて、 >「やん、ガウリイったら。もう。」 >そんでもって、こう、ちゅぅぅぅぅぅぅぅぅっと・・・。 >「う、うん・・・・、むにゃ、うふふ・・・・・」 >すぐ見ている目の前で、リナは笑みを浮かべて寝言を言った。 >「・・・・・・ま、いっか。今日は可愛い笑顔だけもらっとくぜ。」 >頬から、指を、唇に伝わらせて、なぞってみた。そして、そろそろ行かなくてはと思い、 >俺は手を離そうとした。 ガウリイさんかっこいいぃぃぃぃ!!! >かぷっ かぷっ? >「いっ、でっ」 >「・・・・うふふふ。おいしいお肉。ガウリイには、あげない・・・・・・・・」 >そういう夢をみてたのかよ・・・・・・。 >俺の手をしっかり捕まえて、リナは美味そうにかじっていた。お前だけさっさと夢の >中で朝飯食いやがって。しばらくしてリナから俺の手がようやく離れると、俺は歯形が >ついた手をさすりながら、 >「じゃ、リナ。行ってくるからな。」 >そう、寝ているリナにささやき、部屋を後にした。 いいですねぇ。 >バタン >「ガウリイ!」 >「お! やっと起きたか?」 >「ごめん気がつかなくて。起こしてくれればよかったのに。」 >慌てて部屋から飛び出してきたリナは、親にしかられた少女のような、申し訳なさそうな >顔をしていた。 あ、かわいい。 >「ま、いいさ。気にするなって。じゃ、時間無いから。」 >「うん。行ってらっしゃい。」 >そうして俺は、玄関を出て、仕事に向かおうとした。 > >「ふふふ。うっふっふっふっふっふ。わーい!盗賊いぢめ行ってこよーっと♪」 >ったく。みえみえなんだよ。俺は玄関をあけた。 >「リナ!盗賊いぢめはだめだぞ!」 >「ぅぅぅぅ、ガウリイのケチ!あれこれ言われた上に専業主婦の楽しみ奪われたらストレスたまっちゃうわよ!」 >そんな楽しみを持つ専業主婦はおらん。心の中でツッコミながら(普段ボケなのに)、 結婚してもリナさんですね。 >俺はリナに近づいて、あごの辺りを少し上げながら >「ガウリイ? ん・・」 > >やがて、唇をリナから離した。 >「ストレスは?」 >「は、発散しちゃったかも・・・・」 >頬は赤く染まり、瞳は俺が捕らえたまま、うっとりとした表情だった。 >「じゃ、行ってくるからな。」 >「ね、ねえガウリイ。こんなあたしでも・・・、好き?」 >「こんなリナが好きだから、ずっと保護者やってるのさ。」 >やや微笑みながら答え、 >「よかった。」 >とびっきりの笑顔に送られて、俺は出かけていった。 >忘れてくれるな俺の愛する女は、愛する女は生涯お前ただ一人・・・・・ >なんてな。一人で笑みを浮かべて、他人から見たら恥ずかしいような。でもそれに嘘はない。意外と尻に敷かれてないよな、俺。ひょっとして、亭主卵白ってことになるかな・・・。 らぶらぶですね(はぁと) >あれ?違ったっけ? 卵白・・・・ > > > > > > > >やっぱり気になる!! >俺は、少し行った道を一度戻り、また玄関をあけた。 > >「なあリナ。そもそも、亭主ってどんな意味だ?」 >「尻に敷かれてろクラゲ!」 おもしろかったです。 > >おしまい > > >***************************** >そのうち、シリアス長編書きますね。いつになるか分からんけど。 それも見させていただきます。 |