◆−Eternal Seed Act.37−飛龍 青夏 (2003/9/25 18:51:16) No.15207 ┣Re:Eternal Seed Act.37−オロシ・ハイドラント (2003/9/28 16:53:01) No.15227 ┃┗お返事遅れてすみません。−飛龍 青夏 (2003/10/1 19:51:23) No.15239 ┗Eternal Seed Act.38−飛龍 青夏 (2003/10/26 14:58:37) No.15399 ┗Re:この世は気になることばかり(?)−オロシ・ハイドラント (2003/10/27 21:16:41) No.15438
15207 | Eternal Seed Act.37 | 飛龍 青夏 E-mail | 2003/9/25 18:51:16 |
こんばんは。飛龍青夏です。 学校では体育祭が終わり、やっとこさ一息つけたというのに次は文化祭!そして中間期末テスト…(涙)。もうちょっと余裕を持った年間計画にして欲しいと切に願いましたよ…。 もうすぐ四十話までいきそうなので、頑張って続き書いていきますね。いつ終わるのかわからないですけど、よろしくお願いします。では、三十七話! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 遠くに見えるその姿が 近くに感じるその手のひらが 温かさと優しさを教えてくれた それを失ったことが 孤独と絶望を教えてくれた Eternal Seed Act.37 黒衣の死神 冷たい殺気を感じ、シーウは眠ろうとして閉じかけたまぶたを開いた。外から、びりびりと敵意が伝わってくる。 シーウは身を起こし、武器を手にとって隣に寝ているシャルを起こした。 「……シャル。シャル、起きろ」 「…ん…?何、シーウ?」 「殺気だ…誰かに狙われてる」 眠そうに眼をこすりながら、シャルがもぞもぞと身を起こした。真夜中なのだから仕方はないが、早く目を覚ましてもらわないと逃げることすらままならない。 つうっと殺気が伝わってくる位置がずれた。相手が移動したらしい。シーウは身構え、壁の向こうを睨み付けた。刹那、破壊音が隣の部屋から響いた。 「っ!?」 驚いてそちらに眼を向ける。隣の部屋はヴァルスたちの部屋だ。あちらまで襲撃されているのだろうか。 「シーウっ!!」 シャルが叫ぶ。次の瞬間、壁が吹き飛び、黒い影が一つ、すごいスピードで突っ込んできた。 隣の部屋の音に気をとられていたシーウはそうしていた自分を叱咤し、とりあえずその場を動いた。シャルの手を引いてベッドの向こうに跳躍し、体勢を低くする。影が動く気配がして、シーウは迷わず抜刀した。二本とも抜いた刀は、僅かな光を反射して輝いた。 黒い影がシーウに向かって飛ぶ。スピードは目で追うのがやっとという速度だ。この暗がりではこれ以上は望めない。 相手の武器がわからないため、シーウは自ら攻めていこうとはしなかった。素手のように見えて、実はナイフを持っていた、などということになったら回避できなくなるかもしれない。 「光輪創生(ライティング・クリエイト)」 シャルの呟くような呪文が聞こえ、部屋の中が明るくなる。明り取りのための魔法だが、多少の目くらましなどにはなる。だが今回は相手も目を伏せてそれを防いだらしい。 明かりに照らされたのは、まだ少年といってもいい年頃の男だった。黒い服に、ところどころ金属の留め金が光を弾く。動きは虫か動物のようで、人間的な雰囲気はあまり感じられない。少年は懐からナイフを取り出し、シーウに向かって投げつけた。 「ふっ」 シーウは顔の横すれすれをなぎ払ったナイフに目もくれず、右手に持った刀を一閃させた。歯の浮くような金属音がして、氷のように透明な刃が床に落ちる。からんと音を立て、それはあっけなく粉々になる。 少年は、ナイフを投げるとほぼ同時に、見えにくいガラスの刃を放っていたのだ。そして、少年が投げ放ったガラスの刃は人を殺傷するには十分すぎる鋭さを持っていた。ナイフを避けたまま何もしなかったら、シーウの肩口に突き刺さっていただろう。 シーウはベッドに飛び乗り、そのスプリングを利用して天井近くまで跳ねる。空中にいる間は方向転換できないが、相手が飛び退ってくれればそれでいい。 シーウが刀を振るうと、少年はさっとそれをよけた。その途端、彼の体がぐらりと傾く。 「!?」 手ごたえも何もなかったため、シーウが反射的にそちらへ気を逸らした刹那、少年がシーウの横を通り抜ける。そのすぐ後、短く悲鳴が上がった。 「シャル!?」 ベッドの向こうに隠れているはずのシャルが、倒れていた。血の臭いはしないから、刃物で切りつけられたのではなさそうだ。だとすれば、打撃系の技を受けたことになる。ぐったりとして動かないシャルを、少年は無言で持ち上げた。 「待っ…」 そんな言葉を口にしても止まる相手ではないと知りつつ、シーウはそう言いかけた。 少年はそのまま、自らが破壊した宿の壁を抜けて、銀髪の少女を連れ去った。 「シャル!!」 シーウが叫ぶと、そのすぐ後に、気配が背後に生まれた。隣の部屋の壁を突き破って、別の男が突入してきたのだ。 「このっ…」 シーウが刀を振るう。銀色の残像を残しただけで、攻撃は新たな侵入者には当たらない。黒い服の男は間合いを取ると、ウィザーズ・スペルを唱え始めた。そしてそのまま、その手に装備した鉤爪を振り上げ、シーウに向かってくる。 「どけぇっ!!」 シーウがすれ違いざま、刀の峰で思い切り男の胴を薙いだ。男がバランスを崩し、床に倒れる寸前で体勢を立て直す。シーウは相手が立ち上がる直前に、蹴りを放っていた。 どがっ 男がベッドにぶつかり、ずるずると床に崩れ落ちる。シーウは気息を整えると、少年が破壊した壁に足をかけ、外へ飛び出した。 「……!」 シーウの部屋からシャルを連れ去った少年は、シャルを抱えたまま、すこし離れた建物の屋根で足を止めた。目の前には人影。背丈や体格から言って男だ。 しかも、おそらくは彼と同種の仕事をこなしてきた者だけがもつ雰囲気をまとっている。 少年には、その男が黒衣の死神に見えた。 少年は戦闘体勢になり、残っている最後の武器――ワイヤ状の刃を取り出す。ふいに、男が口を開いた。 「こんな月の夜に誘拐か?」 「……」 少年は答えなかった。彼が抱えているシャルは規則正しく呼吸はしている。気絶させただけだから、その辺に置いていけばそのうち目を覚ます。だが、彼女は彼の計画に必要だった。 「誰だか知らないが、そいつは置いていくんだな。俺は目の前の悪事を見過ごすほど心の広い奴でもないんでね」 男が、半身の姿勢になる。何かの体術の姿勢だろうか。普通の半身の姿勢とは違うようだった。 少年が動いた。シャルを抱えたまま、男に向かってワイヤを伸ばす。男はそれをやすやすとかいくぐる。本来なら、こんな夜にこの武器をかわせるものなどそうそういないはずなのだ。僅かな風切り音と気配だけで数ミリの糸を避ける者など。 男が踏み込んでくる。少年はワイヤを使うことができなくなった。どれほど上手く扱っても、相手との距離が狭まれば、その攻撃の軌道も自ずと限定されていくのだ。 少年はワイヤを放り投げるように手放し、格闘戦に切り替えた。直感でその男に対抗できるとは、なかなかの才能の持ち主だ。 「その歳でこれほど戦闘がこなせるとはな」 「ふっ」 少年は男をにらみつけ、蹴りを放つ。男が飛び退り、少年はシャルを落ちないように屋根の上に降ろし、すぐさま男に向かって走った。掌底の連激を、男は軽く笑いながらさばいた。そして隙を見つけると、すぐさま攻撃に移る。少年は飛び退ろうとしたが、そうしようとした瞬間に攻撃されると悟り、屋根の淵ぎりぎりまで距離を離さないことにした。 「筋はいい。だがまだ」 男が少年の胸の辺りへふっと手を出した。数センチの間隔を置いて、そのままの状態で数秒だけ静止する。少年はそれを呆然と見、気づいたときにはすでに遅かった。 「修行が足りないな」 ドンッ わずか数センチの距離から放たれた掌底が、少年の体を吹き飛ばす。 少年はその勢いに逆らわずに自ら飛ぶことでダメージを殺し、そのまま屋根の淵まで移動する。少年が屋根から飛び降りようとした刹那、彼は寒気を感じた。 男がいた。真後ろに。いつのまに唱えたのか、飛翔魔法で空中に静止し、少年の後ろからさっきの攻撃を放とうとしている。この状態で打たれれば、まず避けられないだろうと少年にはわかった。 「おまえじゃ俺には勝てない。さっさと帰るんだな」 「……」 少年は悔しそうに歯軋りし、そのまま逃走した。男はそれを追わなかった。 「夕方ぶつかった子だな…」 男はシャルの顔を見るなりそう言った。シャルは横になりながら、規則正しく呼吸していた。男が一応脈もはかってみたが、これといって異常も無さそうだ。本当に気絶させられただけらしい。 「シャル!」 少女の声が聞こえた。男がゆっくりと顔を上げると、さっきの少年が走ってきた方から飛翔魔法で紫銀色の髪の少女が飛んできた。少女は男の顔を見ると、すぐさま刀を構えた。 「おお、夕方のお嬢さん」 「……」 男は自分を睨みつける紫銀色の髪の少女に、肩をすくめて言った。 「そんな警戒しなくても平気さ。こいつを誘拐しようとしてた奴は追っ払ったし、連れて帰れよ」 「…何故?」 「あいつが気に入らなかったからさ」 あいつとはあの少年のことだろうと、シーウは思った。シーウは警戒を緩め、けれど完全には信用せずにシャルのところへ歩いていった。 「気絶してるだけだ」 「……良かった」 シーウの表情が和んだ。シャルはまるで眠っているように安らかな寝息をたてていた。怪我もしていないようだし、シーウはそのままシャルを抱えると、 「その…この子を助けてくれたこと……感謝する」 「おう。これからも気をつけろよ。あいつ、もしかしたらまたおまえたちのところへ行くかもしれない」 「どうしてそんなことが?」 「わざわざその子をさらってきたってことは、その子が必要だってことだろ?」 「……」 シーウは少し考えるような仕草をみせ、もう一度軽く会釈をすると、飛翔魔法を唱えて立ち去った。 「……」 男はふと頤を上げ、空を見上げた。一面に星という光が散りばめられた、大きな黒いキャンパス。きらめく光は星座を作り、浮かぶ月は世界を青く照らす。 男が視線を空から外さないまま、口を開いた。 「ファロンか」 「っ!!」 いつの間に背後に立ったのか、男の後ろで鋼の爪を構えていた女が息を呑んだ。凍ったように動きを止め、信じられないという顔で男の背中を見つめている。 「あなた…は……」 亜麻色の髪、赤い瞳の女性は、そろそろと腕を下げ、震える唇で言葉を紡いだ。静かな風にすらまぎれてしまいそうな、小さな掠れ声で。 「クルス…なの……?」 銀色の髪に、群青の瞳。長身にまとっているのは、黒を基調とした銀色の刺繍の施された服。彼女の記憶の中のその男と、今目の前にいる男はそっくりだった。顔が見えないからまだわからないが、もしかすると、本人なのかもしれない。だが、ファロンには信じられなかった。 彼は、死んだはずなのだから。 そのとき彼はファロンを逃がそうとして、腕を斬られた。ファロンは逃げ、彼は行方不明となった。 「どうかな。俺はおまえの言っている奴じゃないかもしれない。おまえは俺の知ってる女じゃないかもしれない」 「クルス…じゃ…ないの?…なら…誰……」 銀の髪が揺れた。うなじを隠す程度の長さのそれは、寧ろ女性の髪のようだった。しなやかな糸のようにさらさらと流れ、男の視線がファロンに向かう。ファロンは涙を溜めた瞳で、信じられないという顔をした。 鼻のあたりに一筋の傷跡。銀の髪。群青の双眸。 ただ違うのは、あのころよりも穏やかな瞳と、隻腕だということ。 「ファロン…なのか?」 「わ、私は…ファロンよ。ファロン=フェイルー」 ファロンは怯えたような瞳で、問うた。 「あなたは…?」 「俺は…」 片腕の無い男がたん、と屋根を蹴り、宙へ身を躍らせる。そしてすぐさま飛翔魔法を使い、体勢を整えた。男はファロンの赤い瞳をじっとみつめたまま、穏やかに言った。 「クルス=カレイド」 そして男は、夜の闇に姿を消した。 ファロンは独り、屋根の上で呆然と立ち尽くした。 「あだだだだだっ!!」 「騒ぐな。近所迷惑だ」 「ちょっと待ていくらなんでも力任せはやめろぉおおっ!!」 帰るなり聞こえてきた奇声とも悲鳴ともつかない声に、シーウは眉を寄せた。自分たちの部屋のベッドにシャルを寝かせ、隣の部屋へ行くと、ヴァルスがばたばたと騒いでいた。その腕を掴んで何かしているのはハヤテ。フォルはあちこちに散らばった荷物などをぶつくさ言いながら片付けていた。 「何をしてるんだ?」 「おお、シーウ。無事だったか」 ハヤテがいつもの口調で言う。シーウは苦笑した。 「シャルが危うく連れ去られるところだったがな」 「だが無事だったのだろう?」 「ああ。何とか。ところで、ヴァルスはどうしたんだ?」 シーウがヴァルスを視線で示した。ハヤテはああ、と頷き、 「敵が襲ってきたとき窓のガラス片がもろに腕に刺さりまくってな。いま抜いてやってるんだがばっちり食い込んでるものもあって取りにくいのだ。煩く騒いでいるから我は困っている」 「そ、そうか…」 見るとヴァルスの腕には幾つものガラス片が刺さっていた。下手に動くと取れなくなりそうな細かいものもあり、一部の傷からは血が出ていた。ハヤテは起用に指だけでガラス片をとっているようだが、食い込んでしまったかけらを取り出すのに苦労しているらしい。 「シーウ、こいつを何とかしてくれ…」 「私にだって道具なしに簡単にガラスはとれない。今下へ行ってピンセットと消毒液もらってくるから待ってろ」 「シーウ〜……」 がっくりとうなだれ、ヴァルスは諦めたように騒ぐのをやめた。とりあえず、取れるかけらはとってもらったほうがいい。 シーウは真夜中に宿屋の主人を起こすことを申し訳なく思いながらも、ピンセットと消毒液、それにガーゼももらえたのでそれもありがたくいただいた。 「それにしても…」 あの襲撃者は何者だったのかと、シーウは階段を下りながら考えていた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 宿屋が壊滅しかけました…。まあ浄化神であるヴァルスの肩書きでどうにかなるのでしょうが、修理代くらいは請求されてるかもしれませんな〜。そして新たなキャラが登場しました!隻腕の謎の男。彼の正体はこれから明らかになっていきます。 では! |
15227 | Re:Eternal Seed Act.37 | オロシ・ハイドラント URL | 2003/9/28 16:53:01 |
記事番号15207へのコメント こんばんは 次の舞台は宗教の総本山。 こういうところも結構好きです。物語の舞台としては。 さらに謎の男の登場で、話も盛り上がりを見せそうです。 > 遠くに見えるその姿が > 近くに感じるその手のひらが > 温かさと優しさを教えてくれた > それを失ったことが > 孤独と絶望を教えてくれた 人は何かを得るからこそ、それを失った時に悲しんだり、悔しんだり、絶望したりする。多分、そうなのでしょうね。 > シャルが叫ぶ。次の瞬間、壁が吹き飛び、黒い影が一つ、すごいスピードで突っ込んできた。 > 隣の部屋の音に気をとられていたシーウはそうしていた自分を叱咤し、とりあえずその場を動いた。シャルの手を引いてベッドの向こうに跳躍し、体勢を低くする。影が動く気配がして、シーウは迷わず抜刀した。二本とも抜いた刀は、僅かな光を反射して輝いた。 反応素早いです。やっぱり並じゃないですね。 > シーウの部屋からシャルを連れ去った少年は、シャルを抱えたまま、すこし離れた建物の屋根で足を止めた。目の前には人影。背丈や体格から言って男だ。 > しかも、おそらくは彼と同種の仕事をこなしてきた者だけがもつ雰囲気をまとっている。 > 少年には、その男が黒衣の死神に見えた。 > 少年は戦闘体勢になり、残っている最後の武器――ワイヤ状の刃を取り出す。ふいに、男が口を開いた。 >「こんな月の夜に誘拐か?」 >「……」 > 少年は答えなかった。彼が抱えているシャルは規則正しく呼吸はしている。気絶させただけだから、その辺に置いていけばそのうち目を覚ます。だが、彼女は彼の計画に必要だった。 >「誰だか知らないが、そいつは置いていくんだな。俺は目の前の悪事を見過ごすほど心の広い奴でもないんでね」 少年の仲間ではないわけですね。でも味方というわけでもなく、別口の敵とも思えない。こんな場所にいるのも謎だし、本当に正体の知れない相手ですね。 >「ファロンか」 >「っ!!」 > いつの間に背後に立ったのか、男の後ろで鋼の爪を構えていた女が息を呑んだ。凍ったように動きを止め、信じられないという顔で男の背中を見つめている。 >「あなた…は……」 > 亜麻色の髪、赤い瞳の女性は、そろそろと腕を下げ、震える唇で言葉を紡いだ。静かな風にすらまぎれてしまいそうな、小さな掠れ声で。 >「クルス…なの……?」 > 銀色の髪に、群青の瞳。長身にまとっているのは、黒を基調とした銀色の刺繍の施された服。彼女の記憶の中のその男と、今目の前にいる男はそっくりだった。顔が見えないからまだわからないが、もしかすると、本人なのかもしれない。だが、ファロンには信じられなかった。 > 彼は、死んだはずなのだから。 > そのとき彼はファロンを逃がそうとして、腕を斬られた。ファロンは逃げ、彼は行方不明となった。 >「どうかな。俺はおまえの言っている奴じゃないかもしれない。おまえは俺の知ってる女じゃないかもしれない」 >「クルス…じゃ…ないの?…なら…誰……」 > 銀の髪が揺れた。うなじを隠す程度の長さのそれは、寧ろ女性の髪のようだった。しなやかな糸のようにさらさらと流れ、男の視線がファロンに向かう。ファロンは涙を溜めた瞳で、信じられないという顔をした。 > 鼻のあたりに一筋の傷跡。銀の髪。群青の双眸。 > ただ違うのは、あのころよりも穏やかな瞳と、隻腕だということ。 >「ファロン…なのか?」 >「わ、私は…ファロンよ。ファロン=フェイルー」 > ファロンは怯えたような瞳で、問うた。 >「あなたは…?」 >「俺は…」 > 片腕の無い男がたん、と屋根を蹴り、宙へ身を躍らせる。そしてすぐさま飛翔魔法を使い、体勢を整えた。男はファロンの赤い瞳をじっとみつめたまま、穏やかに言った。 >「クルス=カレイド」 > そして男は、夜の闇に姿を消した。 > ファロンは独り、屋根の上で呆然と立ち尽くした。 謎の男が誰だかは分かったとはいえ、やはりこの人、謎の人物ですね。 あのファロンさんとの関連あり(恐らく、クルスさんの買った少女というのが彼女なのでしょうね)で、混沌神のことを知っていて…… ただ者ではないのでしょうね。 彼がどんな人物で、どのような目的や考えを持っていて、どのような役割を果たすのか、かなり気になります。 >「敵が襲ってきたとき窓のガラス片がもろに腕に刺さりまくってな。いま抜いてやってるんだがばっちり食い込んでるものもあって取りにくいのだ。煩く騒いでいるから我は困っている」 >「そ、そうか…」 > 見るとヴァルスの腕には幾つものガラス片が刺さっていた。下手に動くと取れなくなりそうな細かいものもあり、一部の傷からは血が出ていた。ハヤテは起用に指だけでガラス片をとっているようだが、食い込んでしまったかけらを取り出すのに苦労しているらしい。 何か凄い光景かも。刺さった硝子取るって…… 実際に硝子の刺さった人や、その人から硝子を抜いている人は見たことないですが、非常に滑稽なイメージが浮かびました。いや、体験者はただごとじゃないでしょうけど。 これからも、どんどん面白くなっていきそうで次回も楽しみです。 それではこれで失礼致します。 |
15239 | お返事遅れてすみません。 | 飛龍 青夏 E-mail | 2003/10/1 19:51:23 |
記事番号15227へのコメント こんばんは。飛龍青夏です。コメントありがとうございます! >次の舞台は宗教の総本山。 >こういうところも結構好きです。物語の舞台としては。 >さらに謎の男の登場で、話も盛り上がりを見せそうです。 はい。できるだけ話を盛り上げていこうと思っています。謎の男は一人はもう登場していますが、実はもう一人……!? >> シャルが叫ぶ。次の瞬間、壁が吹き飛び、黒い影が一つ、すごいスピードで突っ込んできた。 >> 隣の部屋の音に気をとられていたシーウはそうしていた自分を叱咤し、とりあえずその場を動いた。シャルの手を引いてベッドの向こうに跳躍し、体勢を低くする。影が動く気配がして、シーウは迷わず抜刀した。二本とも抜いた刀は、僅かな光を反射して輝いた。 >反応素早いです。やっぱり並じゃないですね。 魔剣士一族の里で教育されたものは、かなり戦闘力が高いです。フォルとシャルは年齢がまだ幼かったので、フォルには剣術、シャルには魔術とそれぞれの専門分野が教えられていました。その点で言えば、シーウは両方ともかなり訓練されていたので、やはり戦士としてはレベルが高いでしょうね。 >少年の仲間ではないわけですね。でも味方というわけでもなく、別口の敵とも思えない。こんな場所にいるのも謎だし、本当に正体の知れない相手ですね。 敵…ではないですが、完璧な味方かというとそうでもないような。そんな不思議な立場にいる人です。 >謎の男が誰だかは分かったとはいえ、やはりこの人、謎の人物ですね。 >あのファロンさんとの関連あり(恐らく、クルスさんの買った少女というのが彼女なのでしょうね)で、混沌神のことを知っていて…… >ただ者ではないのでしょうね。 >彼がどんな人物で、どのような目的や考えを持っていて、どのような役割を果たすのか、かなり気になります。 彼は過去にある仕事をしていたので、情報通といえば情報通ですね。混沌神に関しては風の噂でも聞こえますが、確かにただ者ではないですね。 毎回読んでくださってありがとうございます。では! |
15399 | Eternal Seed Act.38 | 飛龍 青夏 E-mail | 2003/10/26 14:58:37 |
記事番号15207へのコメント こんにちは。飛龍青夏です。久しぶりに投稿します〜。 期末テストとか英検とかあって忙しくってしばらく投稿してなかったんですが、とりあえず続きは書いてますのでこれからも投稿続けます。とはいっても、一体何話くらいで終わるのか私にも見当がつかないのですが…。 では、三十八話! ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 暗闇に生きたあの日 月明かりに照らされた夜 人形だった私を救ってくれたのは 黒衣の死神と呼ばれた男 黒き十字架と呼ばれた男 Eternal Seed Act.38 影の記憶 朝。さんさんと降り注ぐ朝日が、青々と茂る草木を照らし、夜の終わりが告げられる。日の出の後は太陽の高度と同じように気温がどんどん上がっていき、正午のころにはかなり暑くなった。 そんな中、宿の食堂で、昼食を口に運びながらシーウたち一行は昨夜の出来事を話し合っていた。 襲撃されたのは、シーウとシャル、女性組の部屋と、ヴァルスとフォル、そしてハヤテのいた男性組の部屋の二箇所。ほぼ同時に破壊された壁から、黒い服の人間が入ってきたというのは共通していた。シーウたちの部屋へ最初に入ってきたのは、少年。ヴァルスたちの部屋へ侵入したのは、なんと少女だったという。 「で、その女の魔法でガラス片飛ばされて、これ」 と言って、ヴァルスは包帯を巻かれた腕を見せた。傷自体はそれほど酷くなかったのだが、包帯以外に傷口を全て押さえられるものや大きなガーゼがなく、こうしている。はたから見れば結構な大怪我だが、実はガラスが数箇所刺さっただけ、というものだ。すでに治癒魔法で傷口はふさいであるから、もう数日もすれば傷も消えるだろう。 「女か…身体的特徴は?」 「いや、普通の女の子って感じだったから。そりゃ、体鍛えてるって感じはしたけどさ」 シーウの問いに答えたのは、フォル。彼はハヤテにたたき起こされて、とっとと机の影に押し込まれてしまったらしい。おかげで敵の姿を見ているくらいで、被害は受けなかったが。 「あ、そうだ!ちらっとだけ見えたんだけど、目の色が青で、髪は多分白か銀髪。あとは…顔に小さな傷」 「傷?」 「ああ、頬のこの辺にさ、三角っぽい…あざかな?」 いいながら、フォルが指したのは左頬の真ん中のあたり。そこに青黒い逆三角形のようなあざがあったのだと彼は説明した。 「よく見えたな」 「ハヤテ兄があいつの顔隠してたマスクに冷酸霧(アシッド・ミスト)かけたから、うまくマスクだけはがれたんだよ」 感嘆の言葉を漏らしたシーウに、金髪の少年はハヤテを指差した。それほど強くはないが、酸を霧状にして吹きかける魔法だ。ただし魔法とは言っても作れる酸の量は限りがあるため、せいぜいが目くらましか相手をひるませる程度にしか使えない。軽い火傷を負ったとしても、戦闘不能にはできるまい。 「ハヤテ、他にそいつの特徴は?武器は何を使ってた?」 「目くらましに短剣を使ったガラスの剣と、ワイヤーのようなものを使ってきたな。我が応戦する前にヴァルスが一度は宿の外へ追い出したのだが、また突っ込んできた」 「しつこいのなんのって」 昼食を口に運びながら、ヴァルスはうんざりしたように言った。ハヤテはいつもの表情で、 「こちらはただ攻撃されただけだが…シャルはどうしてさらわれかけた?」 「それがわからないんだ。シャルも、気絶してしまっていたから何も知らないし」 アイスティーを飲んでいたシャルが顔を上げる。 「ごめんなさい、シーウ。私がさらわれなければ…あの人、捕まえられたかもしれないよね」 「いや、いいんだ。無事だったんだから」 シーウが言うと、シャルはこくりと頷いた。そして、何か決心したように再び顔を上げた。 「あのね、シーウ、私をさらおうとした人…私と同い年か、一つ上くらいだと思うの」 「なんでそんなことがわかるんだよ?」 思い切って口を開いたシャルに、双子の兄であるフォルが尋ねる。 「あの人に当身をされて気を失う直前に、少しだけ顔が見えたの。男の人…っていうか、私より少しだけ年上の男の子」 「そのあとはわからないんだろう?」 「うん。気絶しちゃったから…」 「そうか…」 シーウは一口アイスコーヒーを飲み、ふと思い出したように口を開いた。 「そういえば、あの男はどうしてシャルを…」 「あの男?」 ヴァルスが聞き返す。 「ああ。私がシャルをさらった奴を追いかけて行ったら、昨日あった男がそいつを追い払ってくれてな。シャルはそれで助かったんだ」 「ふぅん」 「シャルが昨日の夕方ぶつかった男だよ」 「え?そうなの?」 きょとんとしているシャルに、シーウは微苦笑した。 「じゃ、お礼言わなくちゃいけなかったね」 「今日も街を回るから、どこかで会うかな」 シーウの言葉に、シャルはぱっと表情を明るくした。 「一体どういうことです!?」 派手に椅子が倒れる音と、グラスが割れる音が重なり、破砕音となって響いた。声を荒げたのは、女性と見紛うほどの美少年。いや、美青年だろうか。 「落ち着け、クレスタ」 「スカル…!」 クレスタは少し乱れた金色の髪を透かして、テーブルの自分の反対側に座っている黒髪の青年を睨み付けた。片目は眼帯で隠している。長めの黒髪は首の後ろで結び、あとは重力に逆らわずに背に垂れている。 「貴方も知っていたんでしょう!?ディスタンスが何をしでかすか!」 クレスタが怒鳴る。向かいに座っている男はグラスに入った琥珀色の液体を一口だけ口に含み、グラスを置いて顔を上げた。 「あいつは自分勝手だからな。止めようもないし、オレが反対する理由もなかった」 「だからって女性を拉致しようとするなどと…!」 「クレスタ」 名を呼ばれ、クレスタは口を閉じた。 「お前は、あの女に助けられたから、恩人を人質にしようとしたディスタンスにそうやって怒っているのか?それとも、この組織全体が嫌になったのか?」 「それは」 「お前は優しいからな。ディスタンスのやったことは、確かに組織の信条にも反している。だがその止め方が悪かった。俺がうまく情報をかき乱さなかったら、自発的に戻ってきた、なんて言えなくなってたぞ」 ぐっと言葉につまり、クレスタは俯いた。 アークとティアをディスタンスから引き離し、安全なところへ送り届けたあと、クレスタはディスタンスと――同じ組織の五大幹部であるはずの男と、もう一戦交えたのだ。クレスタの同調能力で動きを読まれたディスタンスはあっけなく気絶させられ、クレスタに空間転移装置を発動させられて一緒に強制送還させられた。 その時、偶然にもばったり出くわした同じ五大幹部のスカルが、クレスタは自発的に戻ってきたのだと部下たちに知らせたのだ。意識を取り戻したディスタンスはなにかぶつぶつ言っていたようだが、当面の目的であったクレスタの連れ戻しは成功したため、それ以上のことはしなかった。 「それについては感謝していますよ、スカルさん」 あれから数日が経っている。彼はあのあと休暇を出したとスウォードに言われていたのをいいことに、自室からあまり出ずに過ごしていた。もし見つかっても、ごまかしが聞くのでそれほど困らないのだが。 実は、シーウたちが聖域を出たころと、クレスタがアークたちに出会ったのが同じころだった。彼は、シーウたちのところへ襲撃に言ったファロンとほとんど入れ違いだったのだ。 「ですが、スウォード様が出した新たな計画が、ディスタンスに任されるとは思いませんでしたよ。てっきり貴方が止めてくれるものだと……」 「オレだって万能じゃない」 「“透視神”、スカル=ヴァリティ。貴方は人の記憶すら透視すると聞いています。ディスタンスの出身が“あの組織”だということも、知っているはずですが」 クレスタが青年の瞳を見つめて言った。まだ少し怒りが収まっていないようだが、なんとか心を落ち着かせたらしい。 黒髪の青年はもう一度グラスを口に運び、 「それはな。だが、だからってあいつを拘束するわけにもいかないだろう」 「貴方以外に、誰が止められるんです……彼を。あの“印”を持つ者を」 「あいつを止められても、あいつの“印”の方はな。この組織でも、あれを止められるのはオレかお前かスウォード様くらいだろう」 「だから言ったんですよ。ヴァルス……あの“浄化神”も、もしかしたらディスタンスさんと同種の“印”を持っているのかもしれないんですよ。下手にぶつかればとんでもないことになる」 クレスタが、暗い自室の中を歩き、ソファに座った。そしてため息をつくと、 「まあいいです。ディスタンスさんが狙っているのがあの人ではないのですから。とりあえず、あの人がショックを受けない程度にさっさと済ませて欲しいものです」 「その点については、もうファロンが出て行った。上手くいけば、すぐ終わる」 クレスタはふっと笑い、 「上手くいけば、でしょう?シーウさんたちを舐めないほうがいい。いくら王宮の中で油断していたからと言っても、僕を攻撃した人です。それなりに強いんですよ、彼女たちは」 苦笑しながら言った。再び静かに立ち上がり、ドアに向かう。 「僕はしばらく、スウォード様の周りを調べます。あの方の様子がおかしいと、部下からも言われていますので」 静かに立ち上がると、足音も立てずに自室を出て行った。その背中を、蒼い瞳の青年が見つめていた。 (あまり思いつめるなよ――クレスタ) 眼帯の青年は――スカル=ヴァリティは心の中でそう呟いた。 シーウたちは、午前中と昼過ぎまでは宿屋の片付けに追われていた。自分たちが巻き込まれた事件に関して宿屋の主人に説明し、その後壊れた物を運んだり直したりしていたらあっという間に時間がたっていたのだ。 やっと昼食をとったあと、シーウたちは街を探索し始めた。自分たちを狙った相手が、ハヤテの言う組織の人間なのか、それともまったく別の誰かなのかわからないからだ。 昨日と同じように、シャルはシーウと一緒に街を歩いていた。 「昨日の人、いないかな…?」 「大きな街だからな。服装だって違うかもしれないし」 シャルが落胆したように息を吐いて俯いた。街の大通りを一往復して、宿屋はもう目の前だ。 「お礼言おうと思ってたのにな…」 「向こうだって期待はしてないさ。シャルはその時気絶してたんだから」 「そうだけど…」 シャルが何か続けようとしたその時、爆発音が響いた。背後からの音に、シーウとシャルはばっと振り返る。 「何…あれ……!」 視界に入ったのは黒煙を噴き出す建物。逃げ惑う人々の波に逆らい、シーウは走った。シャルも後ろからついていく。 「不老不死者の暴走体だ!」 「早く逃げろ!」 街の住人がパニックを起こしかけて叫んでいる。我先にと走る男。小さな子供を抱いて逃げる女性、昼寝から覚めて慌てて駆けていく野良猫。恐怖が人をあおり、悲鳴や怒号が響く。そしてそれは、連鎖反応的にどんどん人の数を多くしていく。 (不老不死者…!?) シーウが顔を上げると、大きな屋敷の屋根の上に人影が見えた。炎と煙が昇っているにもかかわらず、四つの人影は動こうとしない。 「あいつは…!」 シーウは小さく見える人影の一つに目を凝らした。昨夜の、シャルを助けた男だ。そしてその相手は――。 「ファロン!?」 かつて王宮で騒ぎを起こした女性の顔を、シーウははっきりと覚えていた。 そしてそれを思い出した刹那、爆音が再び轟いた。 「たああっ!!」 少年が、黒衣の男に斬りかかる。手には短剣が握られている。男はそれを軽々避けると、後ろへバック転する要領で少年の顎を蹴り上げた。少年はもんどりうって倒れかけるが、途中で体勢を立て直し、短剣を構える。どこか口の中を切ったのか、唇の端から赤い血が流れていた。 「氷嵐牢(ブリザード・プリズン)!」 今度は少年の後ろにいた少女が呪文を解き放つ。氷の刃が男を取り囲み、凄まじい速さで竜巻のように飛び回る。氷の刃でできた壁。つっきろうとすれば氷の刃で切り刻まれ、かといって中にいても怪我をせずに持ちこたえるのも難しい。だが男はふっと笑い、竜巻の中で片手に何かを持ってさっと振った。 「氷滅(ロスト・ブリザード)」 男が言ったとたん、魔法が打ち消され、氷が消え去る。男が持っていたのはさっきまで彼が首に下げていた十字架のペンダントのようなものだった。それが淡い光を発しながらふわふわと浮遊し、少年たちの目の前で形態を変える。 「絶対十字結界(アブソルード・クロス・シールド) 光を発して形態を変えたそれは、巨大な球体を形作り、中心に十字架が浮いていた。光の膜でできた球体は、強靭な結界だった。 男は笑い、 「もうやめようぜ?お前らじゃ俺は倒せない」 「クルス…」 ファロンが呟く。男は彼女の方を向き、 「この街を壊さないうちに出て行かないと、“混沌神”たちが来るんじゃないか?」 「それが目的だ」 「ん?」 少年の言葉に、クルスは片眉をあげる。少年は彼を睨みつけながら、 「“混沌神”様と目標を連れて行くのが、我々の任務だ」 「へえ、で、それで何をしようって?」 「お前には関係ない!」 今度は少女が怒鳴る。クルスはため息をついた。 「昨日、あの女の子を誘拐しようとしたのも、お前なんだろ?ファロン」 「…そうよ。わざわざ男にまで化けたんだから」 昨夜シーウの部屋へ侵入した二人目の男は、なんとファロンだったのだ。武器は彼女のものだったし、彼女は誰にでも化けることができるから、不自然ではないのだが。 「クルス、あなた…何で生きてるの…?私、てっきりあなたは死んだとばかり…」 「ま、完璧に無事とはいえないけどな。命からがら逃げ延びたんだよ」 いって男は肩をすくめた。彼の片方の腕は、中途で途切れていた。服の袖が不自然にはためいているのも、そのためだったのだ。 かつて彼が失った左腕は、彼の過去と共に封印した。片腕で生きていくことを、クルスは誓ったのだ。たとえ記憶の中にあるあの血なまぐさい光景が、誰かに許されることではないとしても、生きていくことを覚悟した。 「私…わたし、は……」 ファロンは青ざめた顔で唇を噛んだ。体が小刻みに震えている。隣にいたさっきの少女がファロンを覗き込み、 「ファロンさん、どうしたんです?」 ファロンは答えなかった。 刹那、少女の背後に人一人分の気配が生まれ、彼女が振り返ったとき、紫銀色の髪の少女が飛翔魔法で突っ込んできた。 「ファロン!!」 白銀の刃が、閃いた。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― クルスとファロンの過去、失った腕。首にかけられた十字架の結界。ここから数話にわたって、この話が続いていきます。シーウたちを狙ってたはずのファロンですが、クルスが現れてどうなることやら…。 では! |
15438 | Re:この世は気になることばかり(?) | オロシ・ハイドラント URL | 2003/10/27 21:16:41 |
記事番号15399へのコメント こんばんは。 お待ちしておりました。 この辺り人物が入り乱れていて整理が大変でしたが、その作業は意外に楽しかったです。ちょっとしたパズルを解くみたいで(笑)。 個人的には今回、クレスタさんが良い味見せたなと思いました。 >「上手くいけば、でしょう?シーウさんたちを舐めないほうがいい。いくら王宮の中で油断していたからと言っても、僕を攻撃した人です。それなりに強いんですよ、彼女たちは」 この台詞辺り、遠回しに「俺は強い」と言ってるみたいで、結構こういうのってクレスタらしいんじゃないかなあと思いました。 スカル氏もなかなか凄い能力を持っているようですね。考えてみると透視能力って滅茶苦茶恐ろしいです。 また、“あの組織”“印”など気になる言葉も出て来ていますね。 不老不死者の暴走体出現は、偶然なのでしょうか。それとも誰かが意図的に放った? それにしても、強い。強いよクルスさん。 三人相手、それも誰もが並の相手ではないはずなのに「お前らじゃ俺は倒せない」とは。 >「ま、完璧に無事とはいえないけどな。命からがら逃げ延びたんだよ」 そんな彼にも死に掛けた経験があるんですね。その強さが役に立たなかったのか、それともそれ以来強くなったのか。 色々と気になります。 シーウ突撃!? さて今後はどう展開するのでしょう。 次回も楽しみです。 それでは、これで失礼致します。 |