◆−赤い瞳 第一話 変わらない−amy(4/5-14:47)No.1538
 ┗Re:赤い瞳 第一話 変わらない−ぐっち草(4/5-19:52)No.1540
  ┗赤い瞳 第二話 嘘−amy(4/6-22:35)No.1545
   ┗おぉっ!もう第二話まで載っているぅ!−えもん(4/7-09:35)No.1555
    ┗赤い瞳 第三話 ”ひけめ”−amy(4/7-17:04)No.1556
     ┗ゼロス・・・カッコよすぎっ!−えもん(4/8-09:32)No.1560
      ┗赤い瞳 第四話 人質−amy(4/8-18:34)No.1562
       ┗うぅ、リナもかっこよすぎっ!!−えもん(4/9-09:46)No.1565
        ┗赤い瞳 第五話 契約の石−amy(4/9-16:13)No.1567
         ┗あぅ、ダークだぁ・・・。−えもん(4/13-09:56)No.1583
          ┗赤い瞳 第六話 封印−amy(4/13-17:04)No.1584
           ┗ゼラス様ぁ〜。はぅ〜。−えもん(4/14-09:32)No.1591
            ┗赤い瞳 第七話−amy(4/17-15:21)No.1593
             ┗赤い瞳 第七話 封印2 ↑−amy(4/17-15:24)No.1594
              ┗Re:赤い瞳 第八話 −amy(4/18-21:29)No.1596
               ┗もう、目が離せませんっ!!−えもん(4/19-12:59)No.1597
                ┗赤い瞳 第九話 アストラル・サイド−amy(4/19-15:44)No.1598
                 ┣Re:赤い瞳 第九話 アストラル・サイド−ももへい(4/20-06:43)No.1599
                 ┗謎が謎を呼ぶ・・・−えもん(4/20-09:59)No.1600
                  ┗赤い瞳 第十話 『正義』−amy(4/22-19:09)No.1612
                   ┗とっても感慨深いっす・・・−えもん(4/23-19:43)No.1613
                    ┗赤い瞳 第十一話 裏切り−amy(4/25-11:07)No.1616
                     ┣Re:赤い瞳 第十一話 裏切り−ルイ(4/26-18:55)No.1620
                     ┗ゼラスよりも強いリナちゃん・・・かっこええ−えもん(4/26-19:30)No.1621
                      ┗赤い瞳 第十二話 夢見た−amy(4/27-18:16)No.1622
                       ┗おぉ。ゼラスの本性が・・・−えもん(4/28-18:04)No.1623
                        ┗えーん、すみません!−amy(4/30-22:44)No.1627
                         ┗Re:えーん、すみません!−ぐっち草(5/4-20:45)No.1638
                          ┗赤い瞳 第十三話 孤独−amy(5/8-22:09)NEWNo.1644


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1538赤い瞳 第一話 変わらないamy E-mail 4/5-14:47


 時折風が吹き、それがため音を立て合う木々。
 火のはぜる音。
 そして寝息の音。
 それらの中でゼルは一人苦笑する。
「ったく。何をしている?ゼルガディス。」
 自分自身に問い掛ける。
 横には大イビキをかいているリナとガウリイ。
 そして幼い顔で寝入るアメリアがいた。
 三人に会う2日前。
     『セイルーンの第2皇女、また家出』
 そんな言葉があちこちの街で見かけられた。
 そして2日後、リナ達とともに行動していたアメリアに会った。
 三人が三人とも元気で、全く変わらなくて、、、、、。
 でも、、、、、全員が全員。
 
       少しだけ、大人びていた。




『見事に変わらないわね、あんた。』
 再会した途端、リナのゼルに対する第一声がそれだった。
 その時は
『なんか失礼な言い方だな。』
 と軽く受け流しはしたものの、、、、、、。
 そう、変わらない。
 ダークスターを倒し、皆とばらばらになってから何年も経っている。
 けれど、、、ゼルの姿はその時のままだった。
 キメラになり、体が岩になってから。
 ブロウ・デーモンという魔族の一種が体の一部になってから。
 ゼルの成長は止り続けている。
 『成長』だけではない。
 どんなに食べても太りもせず、どんなに食べずとも痩せもしない。
 全く変わらない。まるで魔族のように、、、、、。
 そしてふと思い出す、今まで自分に関わった魔族達の姿。
 あれらは皆、何千年も前から変わっていない姿。
 そして自分も何千年もこのままなのだろうか?
「、、、、、くだらん。」
 自分のその考えを一蹴する。
 そんなこと、ありえるはずがない。
 ありえてたまるものか。
 ゼルは三人を一瞥し、焚き火から離れる。
 木の間を縫って開けた場所に出る。
 空を仰ぐと満天の星空。
「、、、、。」
 ふとその星空を美しいと感じている自分に気付く。
 彼等に会う以前、自分はそう思ったことがあったろうか?
 力だけを求め、裏切られ、絶望し、復讐のことばかり考えていたあの頃。
 それでも回りにはゾルフとロディマスという忠実な部下が、
 心を許せる者がいた。だがもういない。
 彼等は自分についてきたせいで死んだのだ。
 何年も経った今でも、ゼルにはあの二人の死が心に残っていた。
 そのことでも、ゼルはレゾに憎しみを抱いていた。
 だが、コピーレゾの一件でレゾに対する憎しみが消え、憎しみによって体を
つき動かしていたゼルはどうすればいいのかさえ分からなくなっていた。
 ただただ己の欲望に忠実に、体を戻す方法を捜し、、、、。
       未だ手がかりさえ掴めない。
「ゼルガディスさん。」
「ゼロスか。」
 ともすれば噂すら聞いていない昔の知り合いに、ゼルは懐かしみなど全く見
せずにその名を呼んだ。
「お久しぶりです。皆さんが集まったと聞いて遊びに来ました。」
「なら昼に出直してこい。
  今は俺しか起きていない。三人とも気持ちよく夢の中だ。」
「知ってますよ。だからこの時間を選んだんです。」
 ゆっくりと空間から姿を現し、ゼロスは微笑む。
 前と全く変わらぬ笑み。
「見事に変わりませんね。あなたは。」
「リナと同じ事を言うな。」
 こちらに伸ばしてきた腕を、ゼルは身を翻して避ける。
「まあ、リナさんは大分大人びてきましたからね。
     それとのギャップに少々驚いてしまいまして。」
「貴様が?驚く?
   ハッ、珍しいこともあるものだな。」
 嫌みったらしくゼルはつぶやく。
 ゼロスはそれが聞こえていないかのように無言で微笑む。
 丁度雲に隠れていた月が顔を出し、ゼルの針金でできた髪の毛を銀色に、美
しく照らし出していた。
 月の光に白い服と青い岩の肌。そして銀髪の髪は見栄えがいい。
 その人間にはありえるはずのない風貌と持ち前の端正な顔が、月の光に照らさ
れて、神秘的にゼロスの瞳には映った。
「何か用か?」
「嫌ですねえ、遊びに来ただけですよ。」
「仕事が忙しいんだろう?
  貴様が上司の命令以外で俺達に関わるとは考えにくい。」
「、、、、、、。」
 射るようなゼルの視線に、ゼロスは内心タジタジとしていた。
 まさか自分が自分より弱い者にタジタジとしてしまうとはー、、、、。
「、、、、ええ、そうですよ。
  命令でここに来ました。勿論、獣王様の命令で。」
「俺を、もしくはリナを殺せとでも?」
「いいえ、、、、。」
 皮肉で言ったゼルの言葉にゼロスは頭を振る。
 そして少しだけ瞳を開く。
 瞼の間から燃えるような赤い瞳が月の光に反射し、まるでルビーのように透き
通って見えた。
(ルビーアイ、、、、、。)
 ふとレゾとシャブラニグドウを思い出す。
 魔族は皆赤い瞳だった。
 自分の目は青い。アメリアとガウリイもだ。
 リナの瞳だけ赤いのを思い出す。
 昔、ミルガズイアが言っていたことを思い出す。
『リナは魔王の生まれ変わりかもしれない』
 あれは一体どうなったのだろう?
「いいえ、、、、。
   あなたと、リナさんを迎え入れるためにやって来ました。」
 ゼルが自分の思惑へ沈んだ時、ゼロスはそうつぶやいた。

===================================
 はい!第一話終わりです!
  何だか久々にシリアスです〜♪
   くう〜いいですよね、シリアス。(ここの文でぶち壊しかも)
  これからもどんどん続き書きますからよろしく!
    では短いですが、、、、。

       AMY

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1540Re:赤い瞳 第一話 変わらないぐっち草 E-mail 4/5-19:52
記事番号1538へのコメント

ど-も。はじめまして!ぐっち草です。
> けれど、、、ゼルの姿はその時のままだった。
> キメラになり、体が岩になってから。
> ブロウ・デーモンという魔族の一種が体の一部になってから。
> ゼルの成長は止り続けている。
> 『成長』だけではない。
> どんなに食べても太りもせず、どんなに食べずとも痩せもしない。
> 全く変わらない。まるで魔族のように、、、、、。
なるほど〜、こういうのもありですね、思いつきもしなかったです。
>「いいえ、、、、。
>   あなたと、リナさんを迎え入れるためにやって来ました。」
ほっほう♪これからの展開楽しみですね。
> ゼルが自分の思惑へ沈んだ
かっこよすぎ!!くぅう―いいねえ!!
>   くう〜いいですよね、シリアス。
そうですよね〜・と言いつつぜんぜん自分じゃ書けないぐっち草。
>  これからもどんどん続き書きますからよろしく!
キリンになってまってます(はぁと)
がんばってくださいね!

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1545赤い瞳 第二話 嘘amy E-mail 4/6-22:35
記事番号1540へのコメント
 沈黙が辺りを包む。
 その沈黙に耐えかねたかのように木々が風に揺らがれ、ざわめいた。
「俺とリナを、、、、、迎え入れる、、、、、だと?」
 怒りを押し殺したかのようなゼルの声。
「はい。」
 まるでそれに気が付かないかのように微笑んだまま言い放つゼロス。
「どういう意味だ、、、、?」
「あれ?ゼルガディスさんならもう気付いてると思ったんですけど。」
 言ってゼルの近くヘふわりと移動する。
 マントがふわっと浮かび、ぱさりと音を立てて地に着く。
「魔族というものに。」
 そしてゼルの耳もとでそうつぶやく。
 ピクリッとゼルの体が震えた。
 それをゼロスはさも面白げに見ている。
「僕達は、、、、、。」
 吐息のような声で続ける。
「僕達魔族は負の感情を糧とする精神生命体です。
  そしてあなた達人間とは正反対に滅びを望む者。
       だけれど、、、、人間も僕達と似たものを持っています。」
 言ってくすりと笑う。
 ゼルは素早くゼロスから体を離し、剣を鞘から抜き放つ。
 それを見てゼロスは嘲笑した。
「魔族には剣なんて意味のない武器ですよ。
   例えアストラル・ヴァインをかけても僕には効きません。」
 言った途端姿を消し、ゼルの前から消え失せる。
「そんなこともお忘れですか?」
 その声はゼルの真後ろから聞こえて来た。
 ゼルは身を堅くする。
 ゼロスは、いつの間にかゼルの後ろに立っていた。
 杖の先端をゼルの首筋にぴったりとつけ、ゼロスは微笑んでいる。
「俺達を魔族に迎入れ、そしてどうする?
     結局は俺もリナも人間だ。生きることを望む。」
「さあ?それは獣王様達の上の方達が考えることで、
             僕には全く関係ありません。」
 ゼロスはゆっくりと杖をどけながら囁く。
 とてつもなく、、、、楽しそうに。
「家族もいない、目的も見失っている。
         人間でなくなるのを避けたがる理由はなんです?」
「、、、、、、俺はもう一人じゃない。」
 ゼロスの言葉に優越感を持ちながらゼルは言う。
 可愛らしい姫君の顔を思い浮かべながら。
 だが、次のゼロスの言葉にゼルは体を強ばらせた。
「アメリアさんなら死にましたよ。」
「!」
「僕が今し方殺しました♪」
 ゼルの強ばった表情をさも嬉しそうに眺めながらゼロスは言った。
「どうします?これで理由は全部消えてしまいましたよ?」
 ゼロスの質問には答えず、ゼルは走って元の焚き火の場所へ戻った。
 動悸が激しくなる。
 まさかと思いながらも悪い考えが頭から離れない。
 
 ざっ!

 勢い良く立ち止まり、アメリアの方へと近付く。
 リナとガウリイはまだいびきをかいているが、、、、。
 ゆっくりと手を掴む。
 夜の風も手伝って、冷たい。
 表情から死は楽にやってきたようである。
 そのことにゼルはかすかに安堵する。
 それでも悲しみの方が先立った。
 掴んだ手を自分の頬に寄せる。
 その時、
「ゼルガディスさん、、、、?」
 アメリアが目を覚まし、不思議そうにこちらを見た。
「どうか、、、?」
「いや、、、。」
 訪ねるアメリアを愛おしそうに見つめ、ゼルは頭を振る。
「なんでもない。起こして悪かった。」
 言って手を離すとアメリアはまた夢の中へ戻って行った。



「リナさんとガウリイさんはいつまで経ってもいびきをやめようとしませんで
  したので、、、、ね、、、、。」
 ゼルが立ち去った後、ゼロスは小さくそうつぶやいた。

===================================
 はい!第二話終わりです!

   ぐっち草さん、感想ありがとうございました!!
     これからも頑張りますね!!

     では夜も遅いので、、、、、。

         AMY

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1555おぉっ!もう第二話まで載っているぅ!えもん E-mail 4/7-09:35
記事番号1545へのコメント
こんにちは、AMYさん。

一日、見にこなかっただけなのに、もう第二話とは・・・。早いっ!
でも、こんなに早くAMYさんのお話が読めるのはうれしいことです。はい。(^-^)

今回、どっぷりシリアスですね。
ゼロスの目が開いてそう・・・(目を開けたゼロスって恐いイメージ・・・。でもそこが好き。えへへ。)
しかもっ!ゼロゼルだし・・・うれしい・・・ぽっ。(*^-^*)

でもって、話しの内容がかなり濃い!!
ゼルとリナを魔族に引き入れるとは・・・うーん、考えても見なかった。
こりゃぁ、今回も目が話せませんね。

ゼロスがどのような仕掛けでゼルに迫る(?)のか・・・この辺りも楽しみなところです。

いつもたいした感想も書けませんで・・・すみません。
続き、とーっても楽しみにしてます!!がんばってくださいっ!!

えもん。

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1556赤い瞳 第三話 ”ひけめ”amy E-mail 4/7-17:04
記事番号1555へのコメント

「は、、、、?」
 ゼロスは自分に下された命令に違和感を覚え、小さく声を漏らした。
 それを主は聞き漏らしたと勘違いしたようだ。
「だから、リナ=インバースとゼルガディス=グレイワ−ズを
             魔族に引き入れて来いと言ったんだ。」
「え、いやその、、、、、引き入れると?」
「そうだ。」
 ゼロスの質問に、ゼラスは満足げに頷く。
「リナさんはともかく、、、、何故ゼルガディスさんまで?」
「お前に質問を許した覚えはない。」
 二つめのゼロスの質問に、ゼラスはそっけなく答える。
 こういうつれない態度をゼラスが取る時は何か裏がある。
「とりあえず、二人をここに連れてこい。」
「ここって、、、、アストラル・サイドにですか?」
「そうだ。」
「そんな!人間を連れて来るなんて不可能、、、、」
 跪いていた状態かた立ち上がり、ゼロスは不満をもらす。
 だがゼラスは『さっさといけ』と手を振り、取りつく島もない。
「、、、、分かり、、、、ました、、、。」
 くっと呻いてゼロスは闇に溶けた。
 後に残ったゼラスは、、、、、嬉しげに血のように赤いワイングラスに入っ
た液体を飲み干した。





「安心しましたか?」
「、、、、、。」
 宙に現れたゼロスが小さい声でゼルに問う。
 三人を起こさぬように。
「まあ、安心もしたけれど、がっかりもしたんじゃないですか?」
 ゼロスのその言葉にゼルは表情を険しくし、ゼロスを睨み付けた。
「あなたは人間の中では物凄く魔族に近い。
   アメリアさんが死んだと聞いて悲しみもしましたでしょうけど、
     心のどこかで喜びを感じてもいたんじゃないですか?
  人の『死』というものに喜びや快感を少しは感じたでしょう?
     そして今、そのことに関して否定できない何かがあるでしょう?」
 言って嫌みに微笑む。
「『死』、つまり『滅び』というものに大して言い様のない
      『何か』を感じているでしょう?それが証拠ですよ?
        あなたは人間よりも僕達魔族に近いこと、お分かりですか?」
「、、、、、。」
 一応質問の形はとっているが、ほとんど強制である。
 ゼロスは何も答えないゼルに目を細める。
「答えないのは肯定ですか?」
「っ貴様っ!!」
 言ったゼロスの腹をゼルは剣で薙ぐ。
 剣は素通りし、ゼロスには何の変化も見られない。
 精神体には物理的攻撃は効かないのだ。
「っく!!」
 ゼルは悔しげに呻く。
「リナさんの場合は魔力の問題でしょうね。
    上の方の考えは分かりませんが、、、、、。
   リナさんの魔力はいい戦力になりますからねえ、、、。」
 ゼルの剣を手で鷲掴みにし、ゼロスはにっこり笑って言う。
 ゼルは剣を引いてみたがびくりともしない。
 力を入れても結果は同じであろう。
「人間でいる必要はないでしょう?
  姿が他と違うというだけで差別をする人間なんか。
 あなたはその姿のせいでどれほどの差別を受けました?
   魔族は違います。魔族は確かに残酷ですが、、、、。
      仲間に対しては寛容です。敵でなければね、、、。」
 ゼルの顎を剣を掴んでいる反対の手で掴んで言う。
 ゼルは首を何度か横に振り、手をどかそうとしたが意味がなかった。
 諦めて抵抗をやめたゼルに、ゼロスは満足そうに笑う。
「あなたはもう、十分過ぎる程人間に対して尽くしたでしょう?
  魔王を倒し、魔族を倒し、異世界の魔王までも、、、、。
  勝てるはずのない戦いをし続けて来た。
 それは人間に対してあなたが”ひけめ”を感じているからではないですか?
   『僕はこれだけ皆の役に立ちました。
        だから僕を嫌わないで迫害しないで責めないで』
            、、、、、違いますか?ゼルガディスさん?」
 そのゼロスの台詞にゼルは嘲笑する。
「違うな、俺は正義の味方じゃないんでね。
   別に人間に尽くしたんじゃない、俺自身が死にたくなかったから
      少しでも生き延びれる可能性がある方に賭けただけだ。
 それに回りの人間に憎しみならともかく、”ひけめ”など感じてたまるか。」
 くっくっくとゼルが笑う。
 ゼロスはそれに一層笑みを深くする。
「ほら、、、、やっぱりあなたには魔族になるだけの器がある。
     僕としても是非是非魔族に迎え入れたいですね。個人的にも。」
「ふん、お断りだな。貴様の思うようになってたまるか。
    第一リナだって断るさ。そんな無茶苦茶なことは。」
「そうですかね?人の心は分かりませんよ?
         特に、、、、他人の心はね。」
 言ってゼルの顎と剣から手を離し、後ろに数歩後ずさる。
「また、お話ししましょう。
    その時にはいい返事をして欲しいですね、是非とも。」
「ふん、月並みな捨て台詞だな。」
「ですね。」
 ゼルの皮肉に気付いていないがごとく、ゼロスはいつも通りの顔で闇に溶け
ていった。
 後に残るのは、不可解さを胸に残したゼルが月光に照らされ佇む姿のみだった。


=====================================
 なんだか、、、回を増すごとに文章が減って来ているのは気のせいだろーか?
   はい、とりあえず第三話終わりです。

 えもんさん、感想ありがとうございます。
  何だか随分と久しぶりな気がする。
    ちょっとピッチが早く更新できてて自分でも嬉しいです。
  でも急に遅くなることもありますので御了承ください。
   
  次はゼロスとリナの会話がメインになります。
     まだちょっとリナの台詞で迷いが、、、、。
    頑張りますのでよろしく。

      ではでは、
        AMY

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1560ゼロス・・・カッコよすぎっ!えもん E-mail 4/8-09:32
記事番号1556へのコメント

こんにちは、AMYさん。

いやぁー。今回のゼロスめっちゃかっこいいですー。
シリアスゼロス・・・。恐いゼロス好きな私としては、今回のゼロスは、ほんとかっこいい。
また、セリフの中身が濃いですねぇ。
何も反撃できないゼルの無力さが、さらにゼロスのセリフを引き立ててる気がします。

ゼラス様は何を考えているのでしょうか・・・。気になります。

ゼルは、確かに魔族に近いものがありますが、ゼロスはリナをどのように誘うのでしょうか。
次回のゼロスとリナの会話、注目ですね。
楽しみ。楽しみ。

いやぁ、毎度の事ながら、AMYワールド、他とは一味も二味も違いますね。一度読んだらやめられないっ!!

AMYワールドにどっぷりはまっている、えもんでした。

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1562赤い瞳 第四話 人質amy E-mail 4/8-18:34
記事番号1560へのコメント

「、、、、何があったの?」
「別に、、、、。」
 リナの質問にゼルはそっけなく答える。
 今はレストランの一角で、皆思い思いの食事をとっていた。
「誤魔化せないわよ。あんたって不愉快だと顔に出るタチだし、、、、。」
 スープを口に運びながら言うリナ。
 飲み終わった途端オーダーメイドを注文する。
「俺が不愉快な理由なんてお前さんには関係ないだろう?」
「関係あります!!」
 ゼルの言葉にいきなりアメリアが大声をあげる。
「仲間が苦しんでいる!!だから手を差し伸べてあげたいという、
    リナさんの美しくも素晴らしい正義の心が分からないなんてっ!!」
 涙をポロポロと流しながら力説するアメリア。
 ダークスターとの戦いの後に伸ばしたのか、長い髪が揺れる。
「あなたには正義の心はないんですかっ!?ゼルガディスさん!!」
 アメリアを無視して食事をしているゼルを指差して言うアメリア。
「そんなものはない。」
 酒を口に運び、すらりと言ってのけるゼル。
 思わずアメリアは口をもごもごさせる。
「まあ、言いたくないってのならいいけどね。
      でも一人で何でも背負い込むと体に悪いわよ。」
 随分前とは大違いの冷静さでリナがつぶやく。
 こいつも成長したのだな、とゼルは感慨深く頷いた。
「背負い込んでいるわけじゃない。」
 とりあえずそれだけ言ってゼルはまたフォークとナイフを動かし始めた。




「よっこらしょっと。」
 言ってリナは荷物が満杯になっているマントをベッドの上に降ろす。
 やっととれた宿屋は各一人部屋で、あまり居心地のいいものではなかった。
 まあ、それでも昨日の野宿よりは多少はマシであろう。
 自分もベッドに腰かけ、早速荷物の物色を始めようとした時だった。
「お久しぶりです。」
 宙からふわりと出て来たゼロスがリナに微笑む。
「やー、久しぶりね。」
「ちょっとは驚いてほしかったですね。」
 全く動じないリナにゼロスが残念そうにつぶやく。
「ふん、あんたの神出鬼没さはもう知ってるかんね。
         もうそうそう簡単には驚かないわよ?」
「こんな話を僕がしにきてもですか?」
 言ってゼロスはリナを魔族に引き入れたいことを告げる。
「、、、、、、ふーん。」
「ふーんって、、、、リナさあん、、、、、。」
 気のないつぶやきにゼロスが情けない声をあげる。
「なんで驚かないんですかっ!!??」
「いやあ、なんとなく予想してたし。」
「予想してた?」
 リナの意外な言葉にゼロスは驚愕する。
 人間が魔族に迎え入れられる、、、、そんなことを予想する人間がどこにい
るというのだろう?
「あたしもね、クレア・バイブルと接触したことのある人間ですからね。」
 言ってウインク一つ。
 まるで心を読まれたような気がしてゼロスはぎくりとする。
(また、、、、ですね)
 心の内でつぶやく。
 ゼルにたじたじとし、リナにぎくりとする。
 この二人はこちらのペースを乱すのが実に上手い。
 下手をすればこっちの方が飲み込まれる。
「じゃあ、質問は分かってますね?
       答えを聞かせてもらえますか?」
「何言ってんの、答えは当たり前のNOよ。」
 さも当然という風にリナはそっぽを向いて言う。
 ゼロスはふう、と溜め息をついた。
 この二人相手に仕事をするのは骨が折れる。
「ゼルガディスさんにも断られましたよ。」
「ゼルも迎え入れる気っ?!!」
 さすがに驚いたのか、リナが勢い良くベッドから立ち上がる。
「ええ、我が主、獣王様のお言い付けでしてね。」
 やっと驚いたリナを見て、嬉しそうに言うゼロス。
「ゼルは、、、、、違うでしょう?」
「何がです?」
 聞いている意味は分かっていたが、わざとすっとぼける。
 リナはそのことに気付いたのか怒りをあらわにした。
「ふざけないで!!あんた達は関係ないゼルまで、、、、、。」
「関係ありますよ。」
 リナの台詞を遮ってゼロスは言う。
「あなたの知らない所で、、、、ね。」
 くすりと笑ったゼロスにリナは腹が立った。
(迂闊だった、、、、、。)
 自分以外の者は安全であろうと思っていたのに、ゼルに火の粉が飛び火して
しまった。これでまた不安定要素は増える。
「いいんですか?魔族に入ることを断って。
    あなたが断るということは、、、、分かっていますよね?」
「ええ、分かってるわよ。ゼルに危害が及ぶ。
   その上ゼルは強制的に魔族の仲間入り、ってとこかしら!?」
 リナのヤケクソ気味な言葉に、ゼロスは満足そうに頷く。
「、、、、どうします?」
 一つの言葉でここまでプレッシャーがかかるとは思っていなかったリナ。
 ゼロスはそんなリナを見て笑いが込み上げてくる。
「あなたの魔力は強大です。
  それを上手く使えば我々にとって大きな利益になることでしょう
      その反対に、神々にとってしてみれば、、、、、、、、。」
 あとは言わなくても分かりますよね?と口外に聞いてくる。
 それを悔しそうに見ると、リナはハッキリと言った。
「魔族の味方をしてやるわよ、、、、、。」と、、、、、。




「馬鹿な!!」
 あまりにも信じられないことを聞き、ゼルは叫んだ。
「リナが魔族に肩入れをするだとっ!?」
「ええ、これは本当ですよ。」
 言ってにっこり笑う。
「どうします?あなたが我々に『肩入れ』しなければリナさんは、、、、。」
 ふいに口を閉ざし、微笑むゼロス。
 『あとは分かるだろう』と言っているのだ。
「どうするつもりだ?」
 案にゼルは問う。
 するとゼロスはますます口の端をつり上げ、人さし指を立てて口元にやる。
「秘密です。」
 そしてお決まりの台詞を吐いた。

===================================
 はい!第四話終了です!!

 えもんさん!誉めて下さってありがとうございますうううう!!
  今むちゃくちゃ感動してます!!
   どっぷりつかっちゃってくれてありがとうですうううううう!!
 AMYワールドだなんていい名前もつけていただいて!!
    物凄く嬉しいです!!
     これからもよろしくお願いします!!
   私も頑張りますから!!

      ーでは
        AMY

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1565うぅ、リナもかっこよすぎっ!!えもん E-mail 4/9-09:46
記事番号1562へのコメント

こんにちは、AMYさん。

いやぁ。シリアス・・・いいですねぇ。
今回はリナがでてきましたが・・・うーん、リナもかっこよすぎですぅ。
なんだか、今回の登場人物、みんなかっこよくないですか?
ゼルもリナもゼロスも・・・。あれ?そーいえば、ガウリイ・・・・でてきたっけ?

今回のお話、少しだけ大人になったっていう設定。いい感じです。
雰囲気伝わってきますよね。髪の伸びたアメリアや、落ち着いたリナ・・・ガウリイは?

>「魔族の味方をしてやるわよ、、、、、。」と、、、、、。
あらら、リナちゃん、魔族に肩入れしちゃうのね。
でも、仲間思いのリナらしいです。うんうん。

今後の展開、とっても楽しみでやんす。
がんばってくださいっ!!
(いつも読むばっかりで、すみません・・・。感謝っ!!)

えもん。

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1567赤い瞳 第五話 契約の石amy E-mail 4/9-16:13
記事番号1565へのコメント

「、、、、、くそおっ!!」
 ガンッとゼルは壁を思いきり蹴飛ばす。
 右手には手の平大の石、、、、、。
 ちらりと見れば賢者の石に似てなくもないだろう。
 これはゼロスの嫌みだろうか?



「あなたが裏切ることのないよう、契約を交わしていただきます。」
 ゼルの返事を聞いてゼロスは言った。
 『契約』、、、以前ハルシフォムという男が、恋人のルビアを生き返らせる
ために魔族と契約をした、、、、。
 不老不死の体、人間にはありえない強い魔力と体力、、、、、、、。
 どれも人間とは懸け離れたものである。
 そのことにゼルはためらいを覚える。
「契約の証は、勿論『契約の石』です。
     あなたとリナさんは知っていましたよね?」
「貴様があの仮面を被るのか?」
 ハルシフォムと契約を交わした魔族、、、、セイグラムのことを思い出し、
くっと笑ってゼルが問う。
「いいえ、形状は自由です。別に仮面にはしませんよ。」
 言ってゼロスはゼルに手を差し伸べる。
「契約を交わしましょう。」


    そして契約の石が手の中にあった、、、、、、、。






「何で俺に渡すんだ?」
「さあ?」
 ガウリイの問いにリナは曖昧に答える。
 ガウリイの手の中には水晶のように丸い石、、、、、。
「これが壊れたらリナが死んじまうんだろう?」
「そっ、大切に扱いなさいよね。」
 契約の石をしげしげと眺めるガウリイにリナはウインクを一つやる。
 ガウリイが眉を寄せた。
「ゼルも、、、、、、か?」
「うん、、、、。」
 ガウリイの問いにリナが悲しげに頷く。
 それを見てガウリイは俯いた。
「どーやらあんたは魔族にバレなかったらしいわね。」
「ああ、、、、、。」
 唐突なリナの台詞に、ガウリイは苦笑して頷く。
 斜め前には、アメリアがなにやら嬉しそうに屋台のおじさんと話している。
 しばししてアメリアは美味しそうなアメを四つもって来た。
「リナさ〜ん、あのおじさんにアメを貰っちゃいました!!」
 体は成熟しているというのに、このあどけない表情がアメリアを幼く見せて
いる。アメリアはリナとガウリイに一つずつアメを手渡した。
「ゼルガディスさんはどうしたんでしょう?
   このアメ、とっても美味しいから是非食べさせてあげたいんですけど。」
「ゼルがアメを舐めて歩くような性格う?」
 アメリアの脇を肘でつつきながら言うリナ。
 顔はいつもの満面の笑顔。
 そのことにガウリイは少なからず安堵する。
 少なくとも今は、まだリナも人間なのだ、、、、、、、。




「そうか。良くやった。」
 戻って来たゼロスの報告を聞き、ゼラスは言った。
「お誉めの言葉、ありがたく頂きます。」
 その前で深々と頭を下げるゼロス。
「次はガウリイ=ガブリエフか、、、、、。」
「は、、、、、?」
 唐突に知り合いの名を口に出すゼラスに、不可解そうな顔をするゼロス。
 それを見てゼラスは笑う。
 口元には真っ赤なルージュ。
 手首には沢山の美しいブレスレット。
 布を巻いたようなドレス状の服。
 長く美しい、ウエイブのかかった水晶色の髪。
 どの男も骨抜きにされそうな完璧な美しさ、しかし何か彼女からは近寄り難
い雰囲気が漂っている。
「気にするな。これは命令だ。」
 『命令だ。』とまで言われて気にしないわけがないが、、、、、ゼロスはそれ
を必至に忘れようと試みる。
 上司には逆らわない方がいい。
「で?二人は今日の夜に来るのか?」
「はい、今日の夜にアストラル・サイドに連れ込みます。」
 ゼロスの事務的な口調に、ゼラスは大きく頷く。
 人間をアストラル・サイドに連れ込み、その人間が無事でいられるかなどゼ
ロスは知らない。しかし、命令には逆らえなかった、、、、、。




「ゼルガディスさん?」
「、、、、どうした?」
 夜、外の風に当たっていたゼルにアメリアが声をかけた。
 アメリアは寝巻きのままだった。
「まだ起きてるなって思いまして、、、。」
「そんな薄着じゃ風邪ひくぞ。」
「平気です!私は丈夫ですから!!」
 心配されたことが嬉しいのだろう、アメリアは急に笑いながら言った。
 そんなアメリアに、ゼルも思わず表情が緩む。
「、、、、どっかに行くんですか?
    私とガウリイさん置いて、、、、リナさんと、、、、。」
 急な言葉にゼルは驚く。
 驚愕したまま否定もできずにアメリアを凝視する。
 それにアメリアは悲しげに笑ってみせた。
「やっぱり、、、、、今日、ご神託が降りたから、、、、、。」
 巫女の能力に改めてゼルは驚かされる。
 この神託とは一体誰が巫女に伝えているのか、、、、?
「ただ、、、行く理由が分からなくて。
    巫女の能力の限界ですね、深い所までは分からないんです。」
 てへっと下を出してアメリアが言う。
「『行かないで』とは言いません。
  でも、たまには会いに来て下さいね。」
 本当にゼルとリナがどこかへ行くということ以外は分かっていないのだろう。
 少しの悲しみは見せても、アメリアは微笑んでこちらを見ている。
 魔族の仲間入りをしたとは夢にも思っていまい。
「、、、、、そうだな。暇な時はな。」
 そのことを理解し、ゼルは平然と言ってみせる。
 アメリアがふっと笑った。
 そしてダークスターの戦いの後の時と同じようにアミュレットを手渡してく
る。これは再会した時に返したものとは反対のものだった。
「今度はこっちを持って行って下さい。」
「、、、、ああ。」
 少し迷ってからゼルはアミュレットを受けとる。
 返せないかもしれない、、、、、と胸に思いながら。
 そしてふと思い出す。
 契約の石の存在。
「アメリア。」
 後ろを向いて泣くのを堪えているアメリアを呼ぶ。
「あっはい!!」
 アメリアは急いで目をこすり、振り向いた。
 突き出されるゼルの拳。
「俺からも、、、、お前に預けておく。」
 ゼルの手から離された物をアメリアが手にとる。
 何の変哲もない石。
「まあ、見てくれは悪いが、、、、俺の命と同価値のものだ。」
 言ってアメリアの頭を優しく撫でる。
「、、、、、大切に、、、持ってます。」
 石をとても大事そうに握り締めながらアメリアはつぶやく。
「早く来てくれないと売り飛ばしちゃいますからね!」
 急に元気になり、アメリアは走って部屋に向いながら叫んだ。
 リナのようなことを言う、、、、と思いながら、ゼルは苦笑する。
「ゼルガディスさん!お元気で!!」
 元気に手を振り、アメリアは宿の部屋の中へ消えていった。
 それを見送り、ゼルはリナの部屋方面へと歩き出す。
 壁にもたれて泣いているアメリアの存在を背中に感じながら、、、、、。
===================================
 はい!第五話終わりです!!
  えもんさん鋭い!!
  ガウリイの存在のことに気付いてしまわれた!
 今回は出てますよー。
   まあ、寝てる時もいびき以外に台詞がなかったから、、、、。

 にしても、あーあ、ゼル、アメリア泣かしちゃった。
  自分で書いといてなんだけど。


       ーでは
         AMY

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1583あぅ、ダークだぁ・・・。えもん E-mail 4/13-09:56
記事番号1567へのコメント

こんにちは、AMYさん。

「契約の石」登場・・・。いよいよ、魔族との契約を交わしたんですね。
ゼルもリナも契約者はゼロスなのかなぁ?

アメリアの妙な明るさと、ダークなゼルのギャップが、より一層悲哀(?)を感じさせます。はい。

おぉっ!ようやくガウリイのお出ましだぁ〜。
でも、次はガウリイの番・・・。
ゼラス様ったら何を考えているのか・・・。気になります。
しかしー、ゼラス様ってば、いい女。(はあと)
きれいな花にはトゲがあるって言うしー。まさにそれですね。
ため息出ちゃう・・・はぅ。

いよいよアストラル・サイドへ・・・。
う〜、続きがめちゃ楽しみですっ!!

えもん。

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1584赤い瞳 第六話 封印amy E-mail 4/13-17:04
記事番号1583へのコメント

「リナ。」
「今、、、、降りるわ。」
 窓の外から声をかけるゼルにリナは答える。
 後ろから手を振るガウリイにウインクをし、呪文を唱える。
「浮遊(レビテ−ション)。」
 『力ある言葉』をつぶやくと同時にリナの体が宙に浮き、ふわりと窓の外へ
出る。そして音も立てずに着地した。
 リナとゼルが同じ木の下に立つと同時にゼロスが空間を割って現れる。
「もう、行きますよ?」
 二人の腕を掴み、ゼロスは念を押す。
 二人はただ頷いた。
 ゆっくりと空間の穴が広がる。
 その中へ三人は引き込まれる。その光景をガウリイはただ見守っていた。
「もうここはアストラル・サイドです。
      、、、、、苦しくはありませんか?」
 人間がここにきて無事だったのを見たこともないゼロスが問う。
 二人が眉を寄せた。
「苦しい?どういうことだ?」
「、、、、、、、なんでもありません。」
 何の変化もないゼル達に、内心驚きながらゼロスは答えた。
 予想外の展開を繰り広げるのはこの人達のお得意だった。
 今さら驚くことはないはずだ。
 しかし、
(何故人間がここにきても平気なんでしょう?)
 ゼラスがそのことに関しての命令を下さない理由は分かったが、、、、、。
 ゼロスにとっても今回のことは分からないことだらけだった。
 


 やがて神殿のような建物が見え始める。
 神殿とはいっても真っ黒で、十字架や大きな鐘などもない。
 ただ作りが同じなだけである。
 つまりこの神殿の『神官』がゼロスなのであろう。
 ゼロスは二人の腕を掴んだままその神殿の入り口におりる。
「絶対僕から離れちゃダメですよ。
  ここは空間の迷路になってますからね。
   僕でさえ、行って帰る分と広間の回りくらいしか覚えてませんから。」
 その言葉に二人は戦慄する。
 いつもひょうひょうとしているがこの男。
 記憶力は量り知れない。その彼が分からないのだ、自分達では絶対に迷路な
ど切り抜けられない。運でどうにかなるほど甘くもないだろう。
 ゼロスと体を離さぬよう気をつけながら歩く。
 ゆるやかに螺旋を描く廊下を歩き、真直ぐになった廊下の柱の裏に回り、扉
をいくつかくぐり、門をくぐり、階段を登る。
 かなり歩くと今までにない大きな扉が見えた。
 その扉には牛の頭と人間の体を持つミノタウロス、体が半分くっついている
双児、コウモリの羽を持つ人間、、、、悪魔などの彫像がある。
 これらを見てゼルとリナは、ゼラスという魔族が『悪趣味』であると判断し
た。
「入りますよ。くれぐれも失礼のないように、、、、、。」
 言ってゼロスが扉を開く。
 思いきしんだ音を立てて扉が開き、甘く、むせ返るような香の匂いが立ち篭
めた。リナの方は女なので香水に慣れていたため平気だったが、ゼルの方は慣
れず、なんとなしに胸が気持ち悪くなったほどだ。
「ゼロスか、、、、、?」
「はい。」
 美麗な女の声にゼロスは返事をする。
 やがてゼロスに腕を掴まれたまま奥へと連れて行かれる。
「命令通り、二人を連れて参りました。」
「ああ、ご苦労だった。」
 ゼラスの言葉にゼロスは深々と頭を下げる。
 ウェーブのかかった長い水晶色の髪。
 真っ赤なルージュ。
 腕にある数々の腕輪がシャラシャラと鳴っている。
 純白の布を巻いたようなドレス。
 伸びた四肢。
 足は裸足で、足首にも腕輪(足輪?)がある。
 胸元や耳もとを飾るアクセサリー。
 ウエストを締める金色の布。
 女特有の柔らかい輪郭。
 美しく伸びた指の先にも伸びた爪がある。
  まるで石灰でできた彫像のような完全な美。
 白く美しい、この暗闇に映える肌。
 それに相反するかのような色の瞳。
     その瞳の色は、、、、、赤。

 ゼロスの瞳よりも赤く、深く、透明な美しい赤。

 思わずゼルはそれらに見とれていた。
「人間よ。」
 空間に美しく声が響く。
 そしてゆっくりと声が空気に溶けて行く。
「お前達には魔族になってもらいたい。我らの仲間として。」
「何故?」
 ゼラスの問いにリナがにべもなく返す。
 まさに恐いもの知らずである。
「リナ=インバース。お前の術により、我々魔族の被害は甚大だ。
  魔王様の七つの欠片の一つが滅び、魔竜王が滅び、冥王も滅んだ。
 今では覇王までもが大きな痛手を受けている。その将軍と神官も滅んで
 しまったし、、、、な。しかもお前は未だ魔族を滅ぼし続けている。
   神々に対抗する戦力が無くなってきてしまっているのだよ。」
「その原因を仲間に引き入れるわけ?」
 ゼラスの言葉にリナが嫌みったらしく言う。
「仲間に引き入れた方が安全だ。
  それと同時にお前は神々に対しても戦力になる。」
 簡潔に答えるゼラスにリナは腹が立っていた。
「じゃあゼルは!?ゼルはそんなに関係な、、、、、、」
「あるのだよ。」
 自然と声が大きくなるリナの言葉を遮り言うゼラス。
 ゼルはわけが分からず顔をしかめる。
「彼は魔王様のお子となんら変わりない。
  あの魔王様の器となったレゾの血縁者だからな。
   しかも魔王様直々の呪つきだ。これは絶対に解けない呪だ。
  彼も十分に価値のある存在なのだよ。
   魔力やなんかはお前には劣るかもしれん、だが、、、、。」
 言ってゼラスはゼルに手を伸ばす。
 それを拒み、ゼルは避けようとするが、すぐに押さえ付けられる。
「魔王様に呪を解いてもらい、封印も解けば魔王様に近い者となる。
   下手をすればこの私よりも強い力を持つやもしれん。魔族としてな。」
 顎をしゃくり、ゼラスはゼルの顔をこちらに向かせる。
 そして急に微笑む。
「そのキメラの姿を元に戻したくはありませんか?」
 突然に口調が丁寧になり、ゼルに問うゼラス。
 訝しげにゼルはゼラスを見上げる。
「戻すことは出来ます。そのかわり、、、、我らに力を貸して欲しいのです。」
 あのゼロスまでもが顔を驚愕の色に染め、ゼラスを凝視する。
 全員が全員、ゼラスの声に耳を傾けていた。
「ただ神々を倒すだけでもいい。世界を滅ぼすことには干渉せずとも。
   あなたが願うのならあなたの大切な人間は異世界へ逃がします。
            望むならその人間すらも魔族に迎入れましょう。」
 いつも以上に下手に出るゼラスを見て、ゼロスは彼女が本気であることを悟
った。そして驚いた。彼女が本気でこんなことを言うとは、、、、、。
「そしてリナ=インバース。
  お前の場合、例え今は断ってもいつか我らに肩入れをすることになろう。
  それならばなるべく早い方がいいと我は思うぞ?」
 ゼルの時とは対照的に悠然と言い放つゼラス。
 二人は迷っていた。


===================================
 はい!第六話終わり!

 えもんさん、感想ありがとうです!!いつもすみません。
  また、今回は更新が送れてすみませんでした。
 これからは気をつけます。


 さて、どんどんやばい方向へ話しがいってしまう。
     ゼルはどうやって引き返すのか!?
  それともこのまま!!??

   色々想像してまっていてください!

     ではでわ
       AMY

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1591ゼラス様ぁ〜。はぅ〜。えもん E-mail 4/14-09:32
記事番号1584へのコメント

こんにちは、AMYさん

いよいよ、アストラル・サイド突入っ!!ですね。
いまいちアストラル・サイドって何?よくわかんなーい。状態のえもんですが・・・。(魔族が出入りしているっていう程度の知識)
やっぱし、普通の人間は堪えられない場所なのでしょうか・・・。(リナとゼルは普通じゃないってことか・・・。)

ゼラス様ぁ〜。今日も素敵ですぅ〜。ため息出ちゃいますねぇ。
ゼルが見とれるとは・・・うー、かなりの美人なのでしょう。
いや、美人だなんてありきたりの表現をしてはいけない気がする・・・。でも、悪趣味・・・。

でも、ゼラス様ったら、なんでゼルに対しては口調が丁寧なのか・・・さては惚れたな。(ないない・・・)
ってことは、ゼラス・ゼロス・ゼルの三角関係・・・(それもないってば・・・)
リナに対しては素っ気無いのにねぇ。なぜかしら?
この辺りも今後の展開に注目ですね。はぅ〜、先が気になるぅ。

あの〜、AMYさん。
AMYさんのお話、大変楽しみにしておりますけど、更新、遅れてもいいんですよぉ〜。
なんか、私が急かしているみたいで・・・うぅ、すみません。
確かに、早く続きが読みたい!!というのが本音ですけど・・・ははは。
のんびり書いてくださいね。

では、続き楽しみにしています。

えもん。

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1593赤い瞳 第七話amy E-mail 4/17-15:21
記事番号1591へのコメント

 ひょおおおおおおおっ!!
 冷たく、そして勢いの強い風の音。
 それを耳に焼き付けながらゼルは氷の大地を歩いている。
 いつもの白い服装で、氷の大地の中ではあまりにも目立たない。
 遭難しても誰も見つけられないであろう。
 そして隣には対照的な服装のゼロス。
 真っ黒の神官服。
 これまたあまり目立たない。
 まるで巨大な氷の影のようだ。
 ゼロスはいつもと同じ笑顔をたたえながらやはり歩いている。
 吸う空気さえ凍り付くほどに冷たいこの地で平然と歩くこの二人は、普通の
暮らしをしている人間から見ればさぞ恐ろしく見えただろう。
 強い風にも冷たい空気にも屈せず、ただ黙々と歩く。
 しかも片方などは薄く笑みさえ浮かべているのだ。
 ざくざくと氷を踏み分る。
「ゼルガディスさん、寒くないですか?」
「寒くなけりゃ人間じゃない。」
 ゼロスの質問にゼルは答える。
「まあ、これから魔族になるあなたには肌で感じられる最後の人間の感覚です
           し、、、、、思いっきり寒さを感じていてください。」
「いつか絶対に滅ぼしてやる、、、、、。」
 ゼロスの嫌みで怒りに震えながらゼルはそう決心したのだった。



 ここはカタ−ト山脈。
 魔王の欠片の一つが眠る地。
 ゼルにとって縁があるようでない場所。
 ここでゼルは魔王にキメラの呪を解いてもらうことになっている。
 魔族になるという条件の元に、、、、、、、。
「一時でも人間に戻りたいのでしょう?」
 そのゼラスの言葉。ゼルはその言葉を否定することは出来なかった。
 そして、リナも魔族になることに合意したのだ。
 もう契約も結んでしまった。
 逃げ出すことは不可能。
 致し方あるまい。
「さあ、ここですよ。」
 言ってゼロスは立ち止まる。
 目の前には赤く光る巨大な氷。
「この、、、、、中か?」
「ええ。」
 ゼルの問いにゼロスはにっこり笑って答え、その光る氷に手を付ける。
 そしてゆっくりとその前に跪いた。
「魔王様。」
 ゼロスの呼び掛けにその氷が答え、激しく発光する。
「ゼルガディスさんをお連れしました。
    獣王様から用件はお聞きになっていらっしゃると思いますが。」
『呪を解けばいいのだろう?』
「はい、お願い出来ますでしょうか?」
 エコーのかかった声に答えるゼロス。
 実際に氷が動いたわけではないが、気配で頷いたのが分かった。
「では、早めに済ましていただけますよう、お願い申しあげます。」
 深々と頭を下げ、ゼロスはゼルよりも後ろの方へ歩いていく。
 すれ違い様にゼルの肩を軽く叩いた。
『ゼルガディス=グレイワ−ズ。』
 声が呼ぶ。
 顔も知らぬ相手に呼び捨てにされたのが癪にさわったが、そんなことは言っ
っていられない。
 呼ばれるままに氷の前へ歩く。
 近くに寄るとその氷は熱く、今にも溶け出しそうだったが全く頑丈である。
 そうそう簡単にはこの氷は破れないであろう。
『呪を解く、暫くしてから封印も解こう。』
 封印とは一体何なのか。
 ゼラスもゼロスも答えなかった。
 ダメだろうと思いつつ、魔王に対して口を開く。
「封印とはなんのことだ?心辺りがない。」
『まずはそこに座れ。』
 聞いていない、聞き流しているのか無視しているのか。
 とりあえず早々と諦め、ゼルは言われた通りその場に座る。
 やがてまた氷が光を一層強め、ゼルの体を包む。
 その光の中で違和感を感じながらゼルはただ瞳を堅く閉じていた。



 気付けばもう二日も後のことだった。
 どうやらずっと気絶していたらしい。
 体はまだ人間でいられた。
 銀髪の髪、青い瞳、白い肌、、、、、、、。
 昔の自分がある、そこに。
 鏡を見ながらゼルは妙な虚脱感を覚える。
 なんだか簡単過ぎて笑えた。
 自分があれほどまでに苦労をしても手に入れられなかった物がこうやすやす
と手に入るとは、、、、、。
 皮肉だ。
「どう?体の調子。」
 振り向くと知らない女の姿。
 だがゼルはそれが誰だかすぐに見当がついた。
「リナ、、、、。」
 赤い流れるような髪と赤い瞳。
 これは変わらない。
 だが大人びていた二日前よりも一層に大人びて、、、、。
 まるで別人のようだ。
 美しくはなってはいたが、どこか近寄り難い雰囲気。
 どこだがゼラスに似ている。
「魔族に、、、、なったのか?」
「んー、半分だけ。
     まだ精神体にはなってないしね。」
 言って両の手をぴらぴらと振る。
 『半分』という言葉にゼルは違和感を覚える。
「『半分』ってどういうことだ?」
「、、、、、あんたもその内そうなるわよ。」
 ゼルの質問にはあえて答えず、リナはふっと笑って言った。
 辺りを見回すとあのゼラスの神殿の中のようで、薄暗く黒い壁がある。
 威圧的な闇に襲われるような気がするのはゼルだけであろうか?
「今、、、、俺は魔族か?」
「ううん、まだよ。今はまだれっきとした人間。」
 言って飲み物をこちらに差し出してくる。
 この神殿にあったものかと思うと躊躇を感じないでもなかったが、咽も乾い
ていたのでそれを口に運ぶ。
「ああ、それは人間の飲み物だから安心して。」
 そんなゼルの心を読み取ったかのように言うリナ。
 頷いてゼルはそれを飲み干した。
 何かの酒だろうが味がよく分からない。
 体が急速に戻ったためだろう、と自分に言い聞かせる。
「、、、、、、今日中に私は完璧な魔族に、ゼルは半魔族になるわ。
             今のうちに人間を満喫しておきなさいよ。」
 言ってリナは部屋から出て行く。
 ゼルはああとだけ言ってその場からは動かない。
 何だかどうでも良くなってきていた。

===================================
 すみません!!またまた遅くなりました!!
  えもんさん感想ありがとございます!!

    今も少々急いでいるのでここらへんで、、、、。

           AMY

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1594赤い瞳 第七話 封印2 ↑amy E-mail 4/17-15:24
記事番号1593へのコメント

amyさんは No.1593「赤い瞳 第七話」で書きました。
>
> ひょおおおおおおおっ!!
> 冷たく、そして勢いの強い風の音。
> それを耳に焼き付けながらゼルは氷の大地を歩いている。
> いつもの白い服装で、氷の大地の中ではあまりにも目立たない。
> 遭難しても誰も見つけられないであろう。
> そして隣には対照的な服装のゼロス。
> 真っ黒の神官服。
> これまたあまり目立たない。
> まるで巨大な氷の影のようだ。
> ゼロスはいつもと同じ笑顔をたたえながらやはり歩いている。
> 吸う空気さえ凍り付くほどに冷たいこの地で平然と歩くこの二人は、普通の
>暮らしをしている人間から見ればさぞ恐ろしく見えただろう。
> 強い風にも冷たい空気にも屈せず、ただ黙々と歩く。
> しかも片方などは薄く笑みさえ浮かべているのだ。
> ざくざくと氷を踏み分る。
>「ゼルガディスさん、寒くないですか?」
>「寒くなけりゃ人間じゃない。」
> ゼロスの質問にゼルは答える。
>「まあ、これから魔族になるあなたには肌で感じられる最後の人間の感覚です
>           し、、、、、思いっきり寒さを感じていてください。」
>「いつか絶対に滅ぼしてやる、、、、、。」
> ゼロスの嫌みで怒りに震えながらゼルはそう決心したのだった。
>
>
>
> ここはカタ−ト山脈。
> 魔王の欠片の一つが眠る地。
> ゼルにとって縁があるようでない場所。
> ここでゼルは魔王にキメラの呪を解いてもらうことになっている。
> 魔族になるという条件の元に、、、、、、、。
>「一時でも人間に戻りたいのでしょう?」
> そのゼラスの言葉。ゼルはその言葉を否定することは出来なかった。
> そして、リナも魔族になることに合意したのだ。
> もう契約も結んでしまった。
> 逃げ出すことは不可能。
> 致し方あるまい。
>「さあ、ここですよ。」
> 言ってゼロスは立ち止まる。
> 目の前には赤く光る巨大な氷。
>「この、、、、、中か?」
>「ええ。」
> ゼルの問いにゼロスはにっこり笑って答え、その光る氷に手を付ける。
> そしてゆっくりとその前に跪いた。
>「魔王様。」
> ゼロスの呼び掛けにその氷が答え、激しく発光する。
>「ゼルガディスさんをお連れしました。
>    獣王様から用件はお聞きになっていらっしゃると思いますが。」
>『呪を解けばいいのだろう?』
>「はい、お願い出来ますでしょうか?」
> エコーのかかった声に答えるゼロス。
> 実際に氷が動いたわけではないが、気配で頷いたのが分かった。
>「では、早めに済ましていただけますよう、お願い申しあげます。」
> 深々と頭を下げ、ゼロスはゼルよりも後ろの方へ歩いていく。
> すれ違い様にゼルの肩を軽く叩いた。
>『ゼルガディス=グレイワ−ズ。』
> 声が呼ぶ。
> 顔も知らぬ相手に呼び捨てにされたのが癪にさわったが、そんなことは言っ
>っていられない。
> 呼ばれるままに氷の前へ歩く。
> 近くに寄るとその氷は熱く、今にも溶け出しそうだったが全く頑丈である。
> そうそう簡単にはこの氷は破れないであろう。
>『呪を解く、暫くしてから封印も解こう。』
> 封印とは一体何なのか。
> ゼラスもゼロスも答えなかった。
> ダメだろうと思いつつ、魔王に対して口を開く。
>「封印とはなんのことだ?心辺りがない。」
>『まずはそこに座れ。』
> 聞いていない、聞き流しているのか無視しているのか。
> とりあえず早々と諦め、ゼルは言われた通りその場に座る。
> やがてまた氷が光を一層強め、ゼルの体を包む。
> その光の中で違和感を感じながらゼルはただ瞳を堅く閉じていた。
>
>
>
> 気付けばもう二日も後のことだった。
> どうやらずっと気絶していたらしい。
> 体はまだ人間でいられた。
> 銀髪の髪、青い瞳、白い肌、、、、、、、。
> 昔の自分がある、そこに。
> 鏡を見ながらゼルは妙な虚脱感を覚える。
> なんだか簡単過ぎて笑えた。
> 自分があれほどまでに苦労をしても手に入れられなかった物がこうやすやす
>と手に入るとは、、、、、。
> 皮肉だ。
>「どう?体の調子。」
> 振り向くと知らない女の姿。
> だがゼルはそれが誰だかすぐに見当がついた。
>「リナ、、、、。」
> 赤い流れるような髪と赤い瞳。
> これは変わらない。
> だが大人びていた二日前よりも一層に大人びて、、、、。
> まるで別人のようだ。
> 美しくはなってはいたが、どこか近寄り難い雰囲気。
> どこだがゼラスに似ている。
>「魔族に、、、、なったのか?」
>「んー、半分だけ。
>     まだ精神体にはなってないしね。」
> 言って両の手をぴらぴらと振る。
> 『半分』という言葉にゼルは違和感を覚える。
>「『半分』ってどういうことだ?」
>「、、、、、あんたもその内そうなるわよ。」
> ゼルの質問にはあえて答えず、リナはふっと笑って言った。
> 辺りを見回すとあのゼラスの神殿の中のようで、薄暗く黒い壁がある。
> 威圧的な闇に襲われるような気がするのはゼルだけであろうか?
>「今、、、、俺は魔族か?」
>「ううん、まだよ。今はまだれっきとした人間。」
> 言って飲み物をこちらに差し出してくる。
> この神殿にあったものかと思うと躊躇を感じないでもなかったが、咽も乾い
>ていたのでそれを口に運ぶ。
>「ああ、それは人間の飲み物だから安心して。」
> そんなゼルの心を読み取ったかのように言うリナ。
> 頷いてゼルはそれを飲み干した。
> 何かの酒だろうが味がよく分からない。
> 体が急速に戻ったためだろう、と自分に言い聞かせる。
>「、、、、、、今日中に私は完璧な魔族に、ゼルは半魔族になるわ。
>             今のうちに人間を満喫しておきなさいよ。」
> 言ってリナは部屋から出て行く。
> ゼルはああとだけ言ってその場からは動かない。
> 何だかどうでも良くなってきていた。
>
>===================================
> すみません!!またまた遅くなりました!!
>  えもんさん感想ありがとございます!!
>
>    今も少々急いでいるのでここらへんで、、、、。
  PS;すみません。
     題名がちゃんとしてませんでした。
>
>           AMY

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1596Re:赤い瞳 第八話 amy E-mail 4/18-21:29
記事番号1594へのコメント

「、、、、そうですね、その方がいいかもしれません。」
 ガウリイの言葉にアメリアは頷く。
 目にはありありと落胆の色。
「ガウリイさんは、、、、、どうするんです?」
「さあーなあー。適当にするよ。」
 アメリアの質問にガウリイはのほほんと答える。
「ガウリイさんはそれでいいんですか!?
   確かに私はセイルーンの王女です!だから国に戻ります!
     でも、ガウリイさんはそのままあちこちふらふらして、、、。
        リナさんが戻ってきても捜せないじゃないですか!!」
 そのガウリイの様子に憤慨してアメリアが言う。
 自分はゼルと最後に会ったし、『命と同価値』の物まで預かった。
 だがガウリイはどうなっていたのか知らない。
 自分は一国の姫なのだから居所は簡単に知れる。
 だがガウリイは、、、、、。
 色々な感情がごちゃまぜになってアメリアは涙ぐむ。
 ガウリイはきまり悪そうに鼻の頭を掻いた。
 その時だった。
「こんにちわー、謎の獣神官でーす!」
 空中からゼロスが姿を現す。
「あああああああああああ!!ゼロスさんんんんん!?!」
 驚き、指を指して大声を張り上げるアメリア&冷静なガウリイ。
「何の用だ?」
 と、対応も浅い。
「いやあ、アメリアさんにも状況を理解してもらおうと思いましてねえ。」
「?私?」
「何のつもりだ?」
 ゼロスの言葉にガウリイが表情を険しくする。
 それにゼロスは人さし指を立て、口元にやり一言。
「秘密です(はあと)」




「お目覚めですか?ゼルガディス=グレイワ−ズ。」
「、、、、ああ。」
 ゼラスの言葉に、多少躊躇しながらもゼルは答える。
 何故この魔族はこんなにも自分に対して下手に出るのだろう?
「人間に戻れた感想はどうです?」
「、、、、、、。」
 嫌みにしか聞こえないその言葉にゼルは押し黙る。
 これから魔族になるというのに、、、、、。
「もし満足なさったなら早速魔族になって欲しく思うのです。
  今日の夜、大聖堂にいらっしゃって下さい。リナ=インバースと共に。」
 言ってふいっと後ろを向き、空間に溶け込む。
 こちらの返事など待ってやしない。
 セリフは一応疑問形を取ってはいるものの、これは明らかに強制である。
「ちっ!!」
 舌打ちを一つして、ゼルはベッドから這い出る。
 体が人間になったためか違和感が大きい。
 とりあえず、リナを捜そうと思い見る。
「、、、、!!??」
 部屋から出ようとドアノブに手を出した途端、そのノブから獣の腕が現れた。
 



「ゼルガディスさん達を魔族に引き入れた!!??」
「ええ、リナさんは半魔族。ゼルガディスさんはまだ人間です。
       しかし、もう契約は結んでしまいましたよ、僕とね。」
 さらりというゼロスの言葉にアメリアが憤慨する。
「どういうつもりなんです!?正義の心に燃えるリナさん達を魔族に引き入れ
 るだなんて!!これを悪といわずなんと言うのでしょう!!??」
 びしいっと擬音が鳴りそうんほど指を振ってゼロスに向けるアメリア。
 ゼロスはけろりとしている。
「人間の中でも価値観は違うのでしょう?
  なら尚更魔族と人間の価値観は違います。それだけですよ。」
「たわごとは聞かないわ!!」
 実は意味がよく分からないだけでは、、、と思うガウリイだったが、あえて
何も言わない。
「で?何故そんなことを俺達に教えてくれるんだ?」
 ガウリイの質問にゼロスは微笑む。
「僕も全部は知らされてませんからね、これくらいなら支障はないでしょう?」
「、、、、、。」
「あとは気紛れですよ♪」
 信じられないゼロスの言葉に二人は顔をしかめる。
「あとはどうするか、、、、、あなた達が決めればいいんですよ。」
 言ってゼロスの姿が消える。
 アメリアとガウリイは顔を見合わせ、何かに頷いた。

===================================
 はい!八終わり!!
  えーっと、七は題名をつけ忘れたので、改めてつけて再掲示しました。
   短いですがこのへんで、、、、、、、。


      AMY

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1597もう、目が離せませんっ!!えもん E-mail 4/19-12:59
記事番号1596へのコメント

こんにちは、AMYさん。

土日で、いっぺんに二話も掲載されてるぅ!!きゃー、うれしいーっ!!

ワクワクしながら一挙に読んでしましました・・・。
今回のお話、まだ途中ですが、今までのAMY作品の中で上位に入ってます。(えもんランキング・・・何それ?)
いやぁ〜。タイトルにも書きましたが、ほんと、目が離せないですよ〜。

中身が濃いですねぇ〜。それに、先が読めないっ!
先の読めないお話ほど、面白いものはないですよね。
もう、大絶賛ものですっ!!ちぱちぱ。

本来の目的であるお話の感想は、話しのスケールが大きい(すぎるっ!?)ので、
陳腐な感想になっちゃいそうだから、書けない〜。すみません。

つづき。めっちゃ楽しみにしてますっ!!

えもん

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1598赤い瞳 第九話 アストラル・サイドamy E-mail 4/19-15:44
記事番号1597へのコメント

「んな、、、、、。」
 呆気にとられてゼルは意味のない声を出す。
 その獣の腕は肘から先は部屋に入れないようで、それ以上はこちらに来ない。
 だが、、、、、。
 ドアノブからうにょうにょと腕がこちらを求めて動いているのを想像してほ
しい、気色悪いことこの上ない。
「、、、、、、。」
 外に出たいがこれでは出られない。
 どんな獣でどういう攻撃をするのか分からないのだ。
 迂闊に出られない。
 かといって、、、、、、、、。
「、、、、エルメキア・ランス!!」
 とりあえず、魔族にも効くはずの魔法を一発。
  うにょうにょうにょうにょ、、、、、、。
 全く効いていないようだ。
「何かこんなのに使うのもナンだが、、、、、ラ・ティルト!!」
 青白い光の柱が獣の腕を包み、、、、、。
  うにょうにょうにょうにょうにょ!!
 心なしか、余計に元気になっている気がする。
「一体何なんだこれは!!?」
 いい加減嫌になってきたゼルの声が部屋の中に響いた。




「ゼロス、、、、、、。」
「、、、、、、はい。」
 険しいゼラスの顔、そしてボロボロのゼロス。
 二人はどことも知れぬ闇の空間で対峙していた。
「どういうつもりだ?」
「どういう、、、とは?」
「とぼけるなっ!!」
 ゼラスの一喝とともにゼロスの体が弧を描いて吹き飛ぶ。
 天地左右のないはずの空間の中で、ゼロスはあちこちに体をぶつけ、血を吐く。
「貴様、何故リナ=インバースの人間の仲間に話をした!!
                これは私への反逆かっ!!?」
 またまたゼロスの体が宙に舞う。
「ま、、、さか、獣王様、、、に、、、、は、、、ん逆、、、なん、、、て。」
 途切れ途切れにつぶやくゼロス。
 その頭をゼラスは鷲掴みにし、持ち上げた。
「では何故話した。」
 自分を落ち着かせ、口調を柔らかくしてゼラスは問う。
 ゼロスはゆっくりと瞳を開いて言う。
「所詮彼らは人間、、、、アストラル・サイドに来る、、など不可能、、。
     それ、、なら今の状況、、伝えて負の感情を頂くくらい、、、、。」
 心にもないことを言う。
 これが母から授かった自分の得意技である。
 利用させてもらおう。
「、、、、ガウリイ=ガブリエフは、、、、、。」
「は、、、、、い?」
 言いたいことは知っている。
 今し方確認してきたのだから。
「ガウリイ=ガブリエフはアストラル・サイドに来れる。」
「、、、、、、、は?」
 さも驚いたかのような顔をする。
「本当、、、、、です、、、か?」
「真実だ。」
 怒りを押し殺したかのような声。
 ゼロスは表情だけを驚愕の色に染める。
「知り、、、、、、ません、、、、、、でした。」
 嘘である。
「、、、今回は見逃す。勝手なマネはもう二度とするな。」
 言ってゼラスはゼロスの頭から手を離す。
 ずるりっとゼロスの体が落ちた。
 やがてゼラスがいなくなり、ゼロスは一人ほくそ笑む。
 傷のことなど、全く意にかさずに、、、、、。



「、、、、、ゼロスもなかなかイキなことしてくれるじゃない。」
 半魔族になったため、魔族に気配を悟られずに聞き耳を立てられるようにな
ったリナが笑う。
「これは、、、、私もバレないように協力してやんなきゃね。」
 言って舌を出す。
 やることは、、、、、決まっていた。



「、、、、、っ!」
 急にゼラスが血色のワインが入ったグラスを床に投げ付ける。
 グラスは高い音を立てて割れた。
 中に入っていたワインがまるで本物の血のように溜まり場を作る。
「人間を殺すのは雑作もないことだ、、、だがっ、、、、。」
 一人つぶやく。
「ゼルガディス=グレイワ−ズを仲間にするためには殺せない。」
 ゼルとは契約を結んでいる。
 変更は不可能、また契約を破棄することも不可能。
(何か、何か対策を立てねばっ!!)
 ゼラスの頭の中はそのことでいっぱいだった。



「正義の心があれば以外と何でも出来るんですね!!」
 目をいきいきさせて言うアメリア。
 ここはアストラル・サイド。
 アメリアの手にはアストラル・サイドを行き来する方法が書かれた書物。
 だがアメリアは気付いていない。
 ここにこれたのは全てガウリイのおかげだということに、、、、。

===================================
 はい!九話終わりです!!
     ふう、今回ちょっと短め。
 えもんさん、感想ありがとうです!!
    この話上位ですか!?気に入って頂けて嬉しいです!
  ところでえもんさんの
   『えもんランキング』(笑)ってベストいくつまであって、
      結果はどうなっているのか教えて下さいませんか?
   なんか気になる♪

      ーでは
        AMY

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1599Re:赤い瞳 第九話 アストラル・サイドももへい E-mail 4/20-06:43
記事番号1598へのコメント

はじめまして。
一気に読んでしまいました。とってもおもしろいです。
ゼラス様がなにを考えているのか?謎だ!
頑張って下さいね〜

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1600謎が謎を呼ぶ・・・えもん E-mail 4/20-09:59
記事番号1598へのコメント

こんにちは、AMYさん

AMYさん、ひょっとして「うにょうにょ」もの好きですか?
なんか、別のお話でも「うにょうにょ」っていうものがあったような・・・。
ま、それはさておき、これはいったいなんでしょーか。
ラ・ティルトくらって元気になるだなんて・・・アメリアかとおもっちゃいましたよ。ははは。

ゼラス様ってば・・・サド!?・・・似合いすぎ・・・。
ゼロスが何を企んでいるのか・・・うー、気になる。気になるぅー。

ゼラス様が何を考えているのか。
ゼロスも、ガウリイやアメリアを巻き込んで何をやろうとしているのか。
リナの、「やることは決まっていた」っていう・・・。
んでもって、なぜガウリイのおかげでアストラル・サイドに来れるのか・・・。
あぅ〜。じぇんじぇんわかりましぇ〜ん。

今回、短い中にもたくさんの疑問が生まれちまいました。はぅ〜。
いつも、AMYさんのお話にはかなり引き込まれてますが、
今回のお話は、「どっぷり」はまりまくりです。ははは。
ここ(読みまくれ2)にきて、書き込みがあった時のうれしさったら・・・。あー、でもゆっくりのんびり書いてくださいね。

んでは、大変恐縮ですが・・・『えもんランキング』を発表させていただきます。
今回は、スペースの関係上(?)ベスト3の発表ですっ!!
「ゼルモテモテシリーズ」、「はちゃめちゃ珍道中」、んで、今回の「赤い瞳」ですー。ちぱちぱ。
順位はちょっと決められませんけど・・・えへへ。
それと、「植民地」も好きです。あと・・・うっ、AMYさんのお話、全部好きなんですよ〜。ほんとはまりまくりで・・・。

続き、楽しみにしております。

えもん

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1612赤い瞳 第十話 『正義』amy E-mail 4/22-19:09
記事番号1600へのコメント

 光の剣、、、、烈火の剣、、、、ゴルン・ノヴァ。
 精神力をエサに、光の刃を作り出す剣の柄。
 本当はそれは異世界の魔王が作り出した魔王の武器であり、魔族。
 本当ならば人間には扱えぬはずのものを、誰かが改造し、そして異世界に空
間を使って流したいわく付きの代物。
 それは代々ガブリエフ家に伝えられ、家宝として、武器として祭られた。
 人間なら誰にでも扱えるにも関わらず、何故ガブリエフ家のみに伝わったの
か?誰かが盗んでも、誰かが買ってしまっても別に変ではないのに、、、、。
 それにはれっきとした理由がある。
 精神力を糧とするのだから、精神生命体の魔族には格好の武器になる。
 人間よりも上手く扱えるであろう。
 そして必ず腕のいい剣士として生まれてくるガブリエフ家の子供。
 これが現すことは、、、、、、?



「、、、、どーしましょう、、、、?」
「いや、俺に聞かれてもなあ、、、、。」
 ゼラスの作った神殿、つまり迷路にどっぷりはまり、右も左も分からないアメ
リアとガウリイ。
「人もいないから道も聞けませんし、、、、。」
「魔族の住処に人間なんているものか?フツー、、、。」
 アメリアと二人きりになるとどーしてもツッコミに回ってしまうガウリイ。
 とにかく言えることは、二人は完璧に迷っていたことだけである。





「ゼロス、悪いけどアメリア達どーにかしといて。
       私はゼルの方をどーにかするからさ。」
「難しいですねー、僕、獣王様に監視されてますし、、、あっはっは。」
 リナの言葉にゼロスが笑う。
 笑い事ではないが、、、、。
「まあ、いいでしょう。分かりました。
      でもいいんですか?ゼルガディスさんの所は、、、。」
「平気よ、あんたこそヘマすんじゃないわよ!」
 言って勢い良く跳躍する。
 ゼロスもそれにならった。
 まずはゼル達をアストラル・サイドから脱出させそして、、、、、。
 そしてどうするのだろう。
 魔族はアストラル・サイドにいなければ生きられないわけじゃあない。
 普通の空間にいることなど全く意にかさない。
 ならば、、、、、。
      ならば魔族を滅ぼすしかないのだろうか?




 うにょうにょうにょうにょ、、、、、、、。
「、、、、、ファイヤーボール。」
 無駄だと知りつつ魔法を一発。
 やはり無駄であった。
 さっきから色々と魔法や剣を試してはいるものの、全く効いちゃいない。
 ゼルの手持ちの魔法はすでに切れていた。
「、、、、なんなんだ一体?」
 獣の腕、、、、なのにうにょうにょと、、、、、。
 よく分からない。
 ゼルはよく分からないものが嫌いだ。
 だから『秘密です』の一言で全てをはぐらかす時のゼロスも嫌いだ。
 その時のゼロスは何を考えているのかよく分からない。
「、、、、ゼロスめ、、、、、。」
 とりあえず八つ当たり。
 ここから出れないとすると暇だ。
 かといって此処には何もない、さてどうしたものか、、、、。
 ガウリイ達の緊迫を知らないゼルはそんな悩みを抱え始めた。



「、、、昔、我らが王、我らが母であらされるロード・オブ・ナイトメア様。
  その方が自らの腹に杖を立て、その上に丸い木の板で”世界”を作り、
    そして様々な生物を作りたもうた。
  それぞれに神と魔を置き、争わせ、勝った物に覇権を委ねた。」
 そこまで言って獣王、、、ゼラスは一息つく。
 神殿に祭ってある、全ての者の母にうやうやしく頭を垂れる。
「ほぼ、どの世界も決着が着いたというのに、この世界はこの有り様。
  神も魔もリナ=インバース一人に大きく戦力を失わされ、
   そして今も直冷戦状態。このままでは魔側が負けるのは必至。」
 言って合掌する。ゼラスのいつもの表情。
 ゼロスより冷たい、、、、赤い色の瞳。
「だからこそ、私はリナ=インバースを憎み、殺そうと目論みました。
   しかし、驚いたことにあれは魔王様の、、、我らがルビー・アイ様の
  レゾと同じ器でした!!」
 ばっと腕を広げ、何かを凝視する。
 辺りには宗教的な『何か』が漂っている。
「フィブリゾの言った通りでした。リナ=インバースは魔王様の器!
  魔王様を封じている者の一つ!そしてゼルガディス=グレイワ−ズは
   その魔王様の力を授かった我々腹心と同類、、、いや、それ以上の者!
  しかもガブリエフ家の者達は魔族と人間の合成物と!!
      全て、これはあまりにも我々に不利!!だからこそ私は、、、!!」
 興奮しながらゼラスはふいに口を閉じる。
 あまりにも唐突な沈黙。
 そして苦笑する音。
 ゼラスにはゼラスの『正義』が、、、、『価値観』があった。




 『正義』、、、、、それは酷く曖昧でいい加減な物。
      人によってその物差の長さが違い、時にはそれが180度回転す
        ることもままある。
     正義とは自分にとって『正しい』と言える信念である。
      だから国によって、文化によって、人によってそれらは違う。
    正義とは『真実』である。その人が『真実』と思えばそれこそ正義。
      でも『真実』なんて人によって見え方が違う。
    しかも、それが分かる時は呆気無い。
          まさに一瞬。『ああ、私はこの人とこんなにも違う』。
        それが『分かった』時。
    そう、『どいつもこいつも自分とは違う。』
         『真実なんてそれに尽きる、馬鹿馬鹿しい話だ。』
     一般の『正義』とは自分に得なものばかりである。
       世間が『正義』という者の正義と、
        世間が『悪人』という者の正義は違う。
     だけれど、どちらも自分の信念を貫いているだけなのだ、、、、。


===================================
 ん〜、今回の話って意味不明、、、、。
      久々に更新したのに、、、、許して。
    何か、、、これ読むと私ってひねくれてるにゃあ、、、、、。
  、、、、あははのは(笑)

 ももへいさん!初めまして!感想ありがとうございました!!
    今回のも是非是非読んで下さいね。

 えもんさん!今回も感想ありがとうですううううううう!!(感涙)
    これからも頑張ります!
>AMYさん、ひょっとして「うにょうにょ」もの好きですか?
>なんか、別のお話でも「うにょうにょ」っていうものがあったような・・・。
>ま、それはさておき、これはいったいなんでしょーか。
  えっと、『よく分からないもの』=『うにょうにょ』なんです。
   私の頭の中では。自分でもよく分かりません。


>ゼロスも、ガウリイやアメリアを巻き込んで何をやろうとしているのか。
>リナの、「やることは決まっていた」っていう・・・。
>んでもって、なぜガウリイのおかげでアストラル・サイドに来れるのか・・・。
>あぅ〜。じぇんじぇんわかりましぇ〜ん。
>
  ふふふ、、、今回ので大分分かったと思います。
 でもまだまだ続くぜ!いえ〜い!!


>んでは、大変恐縮ですが・・・『えもんランキング』を発表させていただきます。
>今回は、スペースの関係上(?)ベスト3の発表ですっ!!
  わ〜!待ってました!!(ぱちぱちぱちっ!)


>「ゼルモテモテシリーズ」、「はちゃめちゃ珍道中」、んで、今回の「赤い瞳」ですー。ちぱちぱ。
>順位はちょっと決められませんけど・・・えへへ。
>それと、「植民地」も好きです。あと・・・うっ、AMYさんのお話、全部好きなんですよ〜。ほんとはまりまくりで・・・。
  うわ〜!全部好きなんて!!恐縮です〜!!
   私も「ゼルモテモテシリーズ」と「植民地」そしてこの「赤い瞳」は
     物凄く気に入ってるんです!!嬉しい!!
  あ、あと「死神降臨」も結構、、、、。
     こうしてみるとえもんさんがいかによく読んでくれているのか分かりますね〜。
  嬉しいです!!これからもよろしければ読んでやってください!!

      ーでは
        AMY

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1613とっても感慨深いっす・・・えもん E-mail 4/23-19:43
記事番号1612へのコメント

こんにちは、AMYさん。

ガブリエフ家・・・ガウリイのことをこのように解釈するとは・・・。
でも、ちゃんとすじが通ってるからすごいっ。さすがAMYせんせーっ!!(勝手にせんせー呼ばわり・・・)
ガウリイにも魔族の血(?)が入ってるのね。

ゼロスとリナは、何か企んでるのね・・・。し、知りたいっ!(って、この先を読めば分かるだろう。ははは。)
ゼルだけ知らないんだ。仲間はずれっ!やーい。
でも、なんで、ゼラスってば、ゼルにだけ丁寧に接するのかなぁ。
> うにょうにょうにょうにょ、、、、、、、。
いや〜ん。私も、このうにょうにょ好きだわ。ふっふっふ。
正体不明=うにょうにょ・・・分かります、その感じ。

今回のお話の、かなりスケールでっかいですね。
呼んでてわくわくします。

『正義』=アメリアってイメージでしたけど・・・。(私の中では軽いイメージ)
今回の、『正義』・・・重いです・・・。
あ、でも、読んでてほんとに引き込まれます。お世辞じゃなくて。

続き、楽しみにしてます!!

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1616赤い瞳 第十一話 裏切りamy E-mail 4/25-11:07
記事番号1613へのコメント

「獣王。」
「何だ?リナ=インバース。」
 リナの呼び声にゼラスが答える。
「ゼルの扉の前にあるあの獣、、、、、何?」
「ああ、あれか、私が異世界から召還した生命体だ。
      異世界のものだからこの世界の魔法は通用しない。」
 ゼラスは優越的な顔で言う。
 リナは、ふうん、と頷いてそっぽを向く。
「あれでゼルを閉じ込めたわけ?」
「閉じ込めた、、、とは聞き捨てならんな。
  せめて留まっていただいていると言って欲しいものだ。」
「それでゼルを逃げられなくして魔族にしちゃうってのは同じじゃない。」
 その言葉に、ゼラスは少しの苛立ちを見せた。
「ふざけるな。ゼルガディス=グレイワーズは元々魔族に等しき存在。
           貴様のようなただの魔王様の器とはわけが違う!」
 言ってピッとリナを指差す。
 それにリナは少したじろいだ。
「貴様の封印は強固だ。私にも解けぬ。
  だからこそ、今は生かしておき魔族にし、そしていつか魔王様に戻す。」
「その私とはわけが違う存在のゼルを閉じ込める権限なんてあんたにあるわけ
        ないわよねえ?いいの?ゼルが協力してくんなくなっても。」
「、、、、、っ!」
 リナの言葉に、ゼラスは苦虫を噛み潰したかのような表情になる。
「、、、、今あの獣をどける!!」
 暫しして、ゼラスはそうつぶやいた。



「流石リナさん、お手並み拝見させていただきました。」
 言ってゼロスはアメリア達の元へ向かう。
 今、ゼラスの頭はあの獣をどけることでいぱいである。
 暫くはゼロスになど構っていられないであろう。
 これで思う存分アメリア達を迎えに行ける。
「本当に、リナさんは相変わらずの口八丁ですね♪」
 嬉しそうにつぶやく、そろそろアメリア達の姿が見える頃だった。



「ゼルガディス=グレイワーズ。今、その獣をどけます。」
(、、、、、獣王か、、、、、?)
 ふと聞こえてきた声。
 するとその言葉通りに獣の腕が消える。
 そしてゼラスが扉を開けて部屋の中に入ってきた。
「疲れは取れましたか?」
「え?あ、ああ。」
 急な質問に驚きながらゼルは頷く。
 それを見て、ゼラスは多少迷いながらも聞いてみた。
「もう、魔族になっても構いませんか?」
「、、、、、、。」
 ゼルはその質問には答えない。
 はっきり言って迷っている。魔族になるのは嫌だ、しかし、、、、、。
「もし構わないなら、、、、魔王様がゆるくして下さった封印を解きます。」
「、、、、、封印とはなんだ?」
 ゼラスの言葉に、ゼルは何度も聞いた不可解な単語の意味を聞く。
 ゼラスはしばし目を泳がせ、やがてゼルの顔を正面から見つめる。
「封印は、、、あなた様の瞳と体にかけられたものです。
      その封印はあなた様の魔力や体力等を封じてしまうものでした。」
 言って口を閉じる。
「つまり、、、、俺はもっと魔力やなんかがある、、、と?」
「その通りです。」
 ゼルの質問にゼラスが重々しく頷く。
「あなた様は、、、、、、。」
 言おうとした時だった。
 ばんっ!!
 扉が音を立てて開く。
「ゼルガディスさん!!」
 そこにいた人物は、、、、、、。
「アメリア!ガウリイ!ゼロス!!?」
 思わずゼルも口に出す。
 何故あの二人がここにいるのか、そして何故ゼロスがアメリア達の方にいるの
か、ゼルには全く分からなかった。



「獣王!!あなたは間違っています!!」
 びしいっとゼラスに指を突き付けて言うアメリア。
「正義の心に燃える二人を魔族に引き込むとは言語道断、天罰覿面!!
   あなたも魔族などすえた職業をやめて真人間になれば許してあげます!」
 なんだかよく分からないことを口走っている。
 そのことに少々ゼルは脱力した。
 自分が人間の姿であることを気にしてもいない。
 しかも簡単に見破られていなりする。
(やっぱこいつらはマトモな精神しとらんな。)
 ゼルはつくづくそう思った。
「何を馬鹿げたことを、リナ=インバースも、ゼルガディス=グレイワーズも、
  その上そこにいるガウリイ=ガブリエフも元々魔族だぞ?」
「たわ言に耳は貸さないわ!!エルメキア・ランス!!」
 言ってアメリアは槍状の光をゼラスに向かわせる!!
「甘い!!」
 一声叫んでゼラスはその光の槍を全て霧散させた。
「貴様らが束になってもこの私は倒せん!!」
 声と同時に光球がこちらへ飛んでくる。
 その時、すっとゼロスが前に出て、その光球を霧散させた。
「っ?!ゼロス!?貴様!!」
 裏切りとしかとれないそのゼロスの行動にゼラスは表情を険しくさせる。
「獣王様、僕も自分に正直に生きますね(はあと)」
「ゼロス!!」
 二人が大きく距離をとって対峙した。

===================================
 はい、十一話終わりです!!
 えもんさん、感想ありがとうございました!!いつもすみません。

>ガブリエフ家・・・ガウリイのことをこのように解釈するとは・・・。
>ガウリイにも魔族の血(?)が入ってるのね。
 先生だなんて(はあと)ありがとうございます〜!嬉しー!



>今回のお話の、かなりスケールでっかいですね。
>呼んでてわくわくします。
 ありがとうございます!何か話を作るのも結構大変(汗汗)



>『正義』=アメリアってイメージでしたけど・・・。(私の中では軽いイメージ)
>今回の、『正義』・・・重いです・・・。
>あ、でも、読んでてほんとに引き込まれます。お世辞じゃなくて。
  ありがとうございます!!この『正義』のイメージって私にとっての
  『正義』のイメージでして、、、、ひねくれてる私、、、(汗)


 ーではそろそろ
    AMY

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1620Re:赤い瞳 第十一話 裏切りルイ 4/26-18:55
記事番号1616へのコメント

はじめまして。ルイと申す者です。
恐れ多くもコメントを書かせて頂きます。


>「貴様の封印は強固だ。私にも解けぬ。
>  だからこそ、今は生かしておき魔族にし、そしていつか魔王様に戻す。」
>「その私とはわけが違う存在のゼルを閉じ込める権限なんてあんたにあるわけ
>        ないわよねえ?いいの?ゼルが協力してくんなくなっても。」
>「、、、、、っ!」
> リナの言葉に、ゼラスは苦虫を噛み潰したかのような表情になる。
>「、、、、今あの獣をどける!!」
> 暫しして、ゼラスはそうつぶやいた。
リナすごいですねぇ... 簡単に獣王様を言いくるめて...


>「たわ言に耳は貸さないわ!!エルメキア・ランス!!」
> 言ってアメリアは槍状の光をゼラスに向かわせる!!
>「甘い!!」
> 一声叫んでゼラスはその光の槍を全て霧散させた。
>「貴様らが束になってもこの私は倒せん!!」
> 声と同時に光球がこちらへ飛んでくる。
> その時、すっとゼロスが前に出て、その光球を霧散させた。
>「っ?!ゼロス!?貴様!!」
> 裏切りとしかとれないそのゼロスの行動にゼラスは表情を険しくさせる。
>「獣王様、僕も自分に正直に生きますね(はあと)」
>「ゼロス!!」
> 二人が大きく距離をとって対峙した。
ゼロス、獣王様裏切っちゃって良いんですか?


いつもamyさんの小説読ませて頂いてます。
何でこんなすごいの書けるんですか?
私なんか、全然ストーリーとか思い付かないんです。
amyさんの小説は、書き殴りの中で1,2を争うほど好きです。
これからも頑張って下さい。

           ルイより

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1621ゼラスよりも強いリナちゃん・・・かっこえええもん E-mail 4/26-19:30
記事番号1616へのコメント

こんにちは、AMYさん。

リナちゃんってば、やっぱしかっこええ〜。かっこいいリナって好き〜。
ゼラスにも怯まないなんて、さっすがぁ〜っ!!
でも、ゼラスが焦るのって・・・意外だなぁ。魔族も、人と似た感情を持っているのでしょうか・・・。

あぁ、でもなんでゼルだけ特別扱いなのか・・・まだ分からんっ!!
ゼルも不可解なら、私も不可解なのよぉぉぉぉ〜。「封印」って何〜??いいとこにアメリア登場しちゃうんだもん。ぶちぶち。
話しの腰を折るのはアメリアの専売特許だし・・・。ま、楽しみにとっておきますよ。あははは。

アメリアってば、ここぞとばかりに正義振り撒きまくってますね。
この勢いにはほんと圧倒されます・・・はい。
ガウリイそこにいるの?存在感が・・・ない・・・。

ゼロスがゼラスを裏切った!?
うーん、今後の展開どーなる?どーなる?
楽しみにしてまぁ〜す!!(特にゼルの役どころ。かなり気になってます。)

えもん。

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1622赤い瞳 第十二話 夢見たamy E-mail 4/27-18:16
記事番号1621へのコメント

 夢を見た。
 魔王と神々が会談をしている、、、、夢。
 ダークスターと、、、、、ヴォルフィード、、、、、、、。
 彼等はもう、戦いに疲れていた。だからヴォルフィードはダークスターに自
ら吸収され、そして暴走した。
 そして異世界の者の手により、力を削がれて元の世界に押し戻された。

 夢を見た。
 魔王と神々が会談をしている、、、、夢。
 ルビーアイと、、、、、、スイフィード、、、、、、、、。
 彼等はもう、戦いに疲れていた。だから、、、、、、、、、、。


      目が覚めた。

          だから、、、、、
 
                  だから何なんだ、、、、、、?




  『魔族にとって創造主は絶対。』
 そう言った張本人が己の主を裏切っている。
 いや、それともただのふりか、、、、?
「獣王様。僕も僕なりに僕の思った通りのことをします。
         獣王様と同じように、、、、、、ね、、、、、。」
 ゼロスのその言葉に、ゼラスは驚愕の表情の後、何故か顔を朱色に染める。
「貴様っ!!」
 一声叫んで光球をまた出現させ、飛ばそうとする。
 そのことに、ゼルは咄嗟に持っていた剣を突き出した。
 赤みがかかった諸刃の剣。
 先ほど、獣への攻撃の一つとしてアストラル・ヴァインをかけた剣であった。
「!」
 ゼラスの小さな悲鳴。
 と同時に光球は宙に消えていってしまう。
 魔法をかけて大分経ち、弱まった魔力。
 そして自分が高位魔族であることをさしひいても痛くないはずがない。
「ゼルガディス=グレイワー、、、、!!」
「あいつらには手を出さない契約だ!!」
 言ってピッと剣を引き抜く。
 ゼラスはくっと呻いてゼロス達から身を引いた。
「契約は、、、、、守ります、、、、。」
 言ってゼルの後ろに下がる。
「ですから、、、ゼルガディス=グレイワーズも守って下さい。」
 言ってがしいっとゼルの腕を掴む。
「ゼル!!」
 ガウリイとリナがゼルの方に駆け寄ろうとしたが、ゼルが手でそれを止めた。
「いい、分かった。魔族にでもなんでも、好きにしろ。」
 そのゼルに満足そうにゼラスは頷き、、、、、消えた。
『なっ!!??』
 数人の声が重なる。
 ゼルとゼラスの二人は、、、、音も立てずに消えていた。




「、、、封印は、、、、神々が行ったものです。」
「神々?竜族のことか?」
「いいえ。」
 ゼルの質問にゼラスが答える。
 ここはまだゼラスの神殿の中。ゼロスも知らない場所。
 この神殿で一番氷の大地に近い所。
「正真正銘の神々です。あなたの力を恐れた神々の、、、、、。」
「俺は神々が恐れるほどの力なんか持ってない。
    大体、人間には不可能な話だ。分かるだろう?」
 矛盾したゼラスの言葉を返すゼル。
 この二人は同時に口を閉ざす。
 、、、、、、長い沈黙。
「あなたは、、、。」
 かなり経った後、ゼラスはゆっくりと口を開く。
「あなたは、、、、人間ではありません。」
「、、、、、、、。」
 その言葉に、驚きも傷付きも見せないゼル。
「あなたはれっきとした魔族の一員です。
   ガウリイ=ガブリエフもです。リナ=インバースは、、、、。」
「魔王の器、、、、、と?」
「その通りです。」
 抑揚のない声で言うゼルに答えるゼラス。
「、、、、驚かないんですね、、、、、。」
「、、、、、そうだな。」
「何故ですか?」
「さあ、知らん。そんなこと。」
 中身の薄い会話をする二人。
 冷静な人間がはたから見れば、ゼルの姿が放心状態に見えたかもしれない。
 だが、別に本当に放心したわけではなかった。
 心のどこかで分かっていた。
 だから今、そのことを聞いても『ああ、そうか』としか受け取れない。
 ゼルは自分が魔族であることより、そんな感情の薄い自分に嫌気が刺してい
たのだ。
「、、、、、では、、、魔族に戻っていただけますか?」
「、、、、、どうとでも。」
 ゼラスの質問にゼルは投げやりに答える。
「あなたは、、、、、、人間風に言えば、
       魔王様の御子息です。ですから、、、、、、。」
「『ですから。』?」
 急に言葉を切るゼラスに問うゼル。
 今までゼルに敬愛の態度をとっていたゼラスの様子が一変し、嫉妬の色を濃
くする。そして言った。
「あなたは私より強い力を持っているのです。」
 最後の方では嫌悪も混ざっていた。


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 短いいいいいいいいいいいい!!短すぎるうううううう!!
    すみません!!忙しくって!!


 ルイさん、えもんさん、感想ありがとうございました!!嬉しいです!

  ルイさん、『1、2を争うほど』などというお誉めの言葉。
    どうもです!むちゃくちゃ嬉しいです♪
    これからも頑張るので読んでやってください。
  あと、ルイさんの詩も読ませて頂きました。
       L様の優しい(?)所が好きです!

 えもんさん、
  そうですね、ガウリイ目立ちませんね。
  私、ガウリイを動かすの苦手です。
    封印の正体、今回ので少ーし分かっていただけたと思います。
   これからも頑張りますので読んでやってくださいね。
  今回は短くて期待させていたのに申し訳ありませんでした。


     では少々急いでいるので、、、、、。


            AMY

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1623おぉ。ゼラスの本性が・・・えもん E-mail 4/28-18:04
記事番号1622へのコメント

こんにちは、AMYさん。

いよいよ、今回のお話の核心部分が出てきましたね。
今回のお話、だれが主役なのかなぁ。
ゼルが中心っぽいけど、リナも関わってるし・・・
でも、今のところゼラスが一番登場しているような気がするし。
あぅ、だれが主役でもおもしろいからいいや。あはは。

これからゼルはどーなっちゃうのか・・・。
ゼラスの行動も気にところ。
あ、そうそう、忘れちゃいけない、ガウリイも魔族(?)だった・・・。
(ガウリイの存在を忘れがち・・・えへへ。)

では、続きを楽しみにしておりますっ!!

PS.これから旅行で留守にします。読みに来れるのは6日以降なのでその間お返事書けません。すみませんっ!!

えもん

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1627えーん、すみません!amy E-mail 4/30-22:44
記事番号1623へのコメント

 えもんさん、感想ありがとうございました!!
   あとですね、私もGWに旅行でして、しばらく書けません。
    
  期待&楽しみにしてくれていた方(いないかな。)すみません!
     本っっっっ当にごめんなさい!!


      ーでは
        AMY

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1638Re:えーん、すみません!ぐっち草 5/4-20:45
記事番号1627へのコメント

をを。すごいことになってきてますねえ。
いつもほんとたのしみに待ってますよ♪
一日に一回はチェックしてますから!
がんばってください!

いつもみじかくてすいません!そのうちまたゆっくりと書きに来ます。
ぐっちそうでした。

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1644赤い瞳 第十三話 孤独amy E-mail 5/8-22:09
記事番号1638へのコメント

 生き物は食べる為に生きているのではない。
   生きる為に食べるのだ。
 生き物は眠る為に生きているのではない。
   生きる為に眠るのだ。
 
      では何故生きている?

 生きる目的があるから。

    魔族の生きる目的は全ての者と混沌へ戻る為。
 
    神々の生きる目的は魔族から全ての者を守る為。

    その他の生き物の生きる目的はただの欲望。

  
                 全てを滅ぼす為に『生きる』のは矛盾。

 『目的』のない者を守る為に生きるのも矛盾。

    
       では何故『生きる目的』のない者が存在する?

 それはいたって自然なこと。

        だって生き物は皆彼女の『試作品』なのだから。

 創造主も万能じゃあない。

        何かの失敗の一つや二つ、二つや三つはある。

 だから失敗が幾つにも増える。

        他の生き物と同じように。

 そしてその中で、彼女さえ予想しなかった事体が起こる。

        そして彼女は喜ぶ。

 自分と同じ立場のいない彼女にとって、

  その『思わぬ出来ごと』は、

      とてつもなくスケールの大きい

    『退屈しのぎ』になるのだから、、、、、、、、。

       全ての母でありながら、まだまだ幼いその心。

 それがために全てを巻き込む。

          それは『命』というものを彼女が知らないから、、、、。

 









「私達、5人の腹心、、、、まあ、今では3人ですが、、、、。
      これより強い人間なんて存在しないはずでした。
     竜族でさえも、ゼロスの足下にも及ばない。
   私達にかなうはずがなかった、だからそれより弱い人間に、、、、。」
 ゼラスが少し興奮気味に言葉を紡ぐ。
 それをゼルは妙に冷静に眺めていた。
「だが、魔王様の器となれば、魔王様のお子となれば話は別。
   けれど、それすらもあり得ないはずのもの。
    本当なら高位魔族が人間と通じ、
   ガウリイ=ガブリエフのような者が産まれるはずもなかった。
         魔王様の意識の断片を持った者が
   人間と通じてあなた様を産むはずなど、、、、、、、。」
 言って右の拳を握り締める。
 それは怒りからか、それとも悔しさからか、、、、。
「そしてまさかあなた様がキメラになるなどと誰が予想します、、、?」
 ゆっくりと、、、、ゼラスは顔をあげる。
「私はあなた様より弱い。純魔族なのにも関わらず、、、、、
             半魔族のあなた様より弱いのです!!」
 嫉妬心、憎悪、恐怖、、、、、、。
 普段、自らが糧としているはずのものを辺りにまき散らしながら言う。
 ゼラスの言っていること、ゼラスの考えていること、思っていること。
 ゼルにはそれが半分は分かって、もう半分は分からなかった。
 それでも分かる方に引きずられて行く。
「俺が憎いのか?」
 つぶやく。
 確認せずとも分かるだろうことを。
 しかし、ゼラスはそれに激しく動揺する。
「憎い、、、、?私が目上の方を憎む?
     魔族である私に負の感情があるとでも、、、?」
 きっと、、、、いや、絶対に。
 彼女は負の感情を知らないのだ。
 自分の負の感情を。
 人の方にばかり気がいってしまっていたから、、、、、、。
 そして知ってしまったら、その矛盾さに自分が壊れてしまうから。
 生まれついて備わっていた、自分を守る方法。
 それは自分の負の感情に気付かないこと。
 魔族の存在理由は負を糧とすることと、全ての者と混沌に帰ることだから。
 自分自身まで糧にしたら二つめの目的を果たせない。
   『混沌に帰りたい』
 それは一族共通の夢、、、、、。
   それでも、、、本当は。
   『死ぬのは恐い』
 だから全てを消すまでは、、、、と目的をわざと先延ばしにする。
  そしてこれは恐怖。
 それにすら気付いていない。
「恐いのか、、、、?」
 『死ぬことが』
 ゼルの問い。
 答えない、、、いや、答えられるはずがない。
  

  



  生き物は、、、『存在理由』がないと生きられない。
   
  それがないと不安で不安で仕方無くなる。

    生きていること事体が恐くなる。

 それと同様に死も恐い。

    両方、選べなくて苦悩する。

 だから生き物はがむしゃらに、存在理由を捜す。

 どんなささいな事でも構わない。

    それらしい理由を捜す。

  誰かに必要とされたいから。

    でないと全てに見捨てられる。

  孤独は何よりも恐ろしい。

     死んだ後、一体どうなるかなんて誰も知らない。

  だから色々と想像する。

     そして死の後に孤独があるかもしれないと不安になる。

  生き物は皆、強くなろうとする。

     それは知っているから。

  弱い者は必要ないこと。

     弱い者は淘汰されることを。

  寂しくて寂しくて、

     そしてそれが『寂しい』のだとも気付かずに、

  創造主は生き物を作る。

     孤独を最初は知らなかった。

  でも知った。

     暗い、暗すぎる混沌の中で。

  孤独を知って、噛み締めて。

     創造主は生き物を作る。

  自分より弱い者を。

     それは本能が、

  弱い者は淘汰されると知っていたから。

     それも恐かったから。

  彼女はまだ子供なのだ。

     いや、もしかしたら、

  本当の寂しがり屋の子供より弱い心かもしれない。

     そして誰も気付かない、そのことに。



          
            だから本当は全てが弱者なのだ。



===================================
 はーい!お久しぶりです!amyです!!

     長らくお待たせしました!復活です。

 なのに内容が暗い、、、、、、、(汗)

    しかもまだまだ続く。その上全然ゼロゼルらしくない、、、、。

 ゆ、許して、、、、。


   えもんさん、ぐっち草さん。
  感想ありがとうございました。
   こんなのでよければこれからもよろしくお願いします。
 えもんさんもぐっち草さんもルークさんも誉めて下さってありがとうございます。
   嬉しいです。言葉には表せないほどです。
     これからも頑張ります。


    では、夜も遅いので、、、、、。

      AMYより