◆−初書きどりぃむ。−夜宵 吹雪 (2003/12/3 18:04:22) No.15616
15616 | 初書きどりぃむ。 | 夜宵 吹雪 E-mail | 2003/12/3 18:04:22 |
まえがき。 ドリームは長編モノ(しかも原作よりONLYとゆーわがまま付き)しか読まないこの私が。 GBのドリームを書いてみました☆ ・・・別名「青月彼方さまとHOMIさまに続け!」(笑) お相手は麗しの無限城の神の子と四天王の一人に言われた(笑)あの人です。 過去モノ。 目を汚したくないなら、素通りしましょう。 覚悟を決めたらどうぞ!! 雨が、降っていた。その日は。 灰色の雲が、新宿の空を覆って。 雨が、降っていた。 雨上がりを君と 裏新宿の一角。 無限城。 そこは雨が降っていた。 時々奔る稲光。閃光と音が遅れて空を描く。 そんな雨の中、一人の男がいた。 いや、男と言う例えより青年と言った方がいいかもしれない。 青いジャケットに、黒いズボン。 金髪のつんつん頭に、涼やかと思える美貌が良く映えた。 どこか、寂しげで儚げな印象を持った。 男に綺麗だの言うのは失礼だろうが、彼は綺麗と言う例えが良く似合った。 雨の中を一人で傘も差さずにいたのが原因かもしれない。 この空間には、彼一人だけいる。 いや、いるはずだった。 「・・・・誰だ?」 その顔と同じ抑揚のない声で、彼は言う。 びくっと、怯えた雰囲気が空気から伝わった。敵意はない。 「・・・・・・・。」 彼は、足をこちらに向けて来た。 ゆっくりと、目的の場所へと近付く。 「・・・・・・君は・・・・・・?」 「・・・・アンタこそ誰?」 それは、私と雷帝、天野銀次との出会いだった。 私は、好奇心旺盛な学生で・・・、そして、何よりも・・・・・・。 「・・・・コーヒーと紅茶。どっちがいい?」 「どっちでも・・・・。」 ヴァカ(バカと言ってくれ)だった。 アホだ、バカだ、と言われてもしょうがない。 ・・・・ちょっとした好奇心と怖いもの見たさで私は無限城を通ってしまったのだ。 そう、あの悪鬼の巣窟の無限城に。 バカ以外何者でもない。 そして結果がこれ。 見知らぬ男・・・、いや、多分17、8の青年(少年?)に保護された。しかも無限城内で。 中では私と変わらぬ年頃の男や、明らかに中学生と思える少年や、はたまた美人なお姉さん。さらには幼稚園児らしき年齢のお子様などなど。 とにかくありとあらゆる人種がここにはいた。 そして彼らは口をそろえてこう言う。 銀次さん、銀次、と。 どうやらこの美人さんは銀次、と言うらしい。 正直、年上か年下かはわからない。 曇ったような、諦めたような。はたまた儚く、寂しげというか。 なんとも形容しがたい、その瞳。 明らかに少年とも青年とも言えない、その双眸が彼の年齢をわからなくさせていた。正直言って、20代、といっても通用するのではないだろうか。 どうやら彼がここら一帯で一番偉い人。・・・らしい。 無限城において支配するのは暴力。悪鬼の巣窟、と言われるこのスラム街。偉い=人徳があると思う人間はさしていないだろう。 ・・・が、彼にはリーダーにの資質があるようだ。 空気でわかる。 おそらく街を歩けばスカウトされる。 顔は美形だ。だがそれだけじゃない。 彼には人に有無を言わせない何かを持っている。 それが一体何なのか私には理解できないが。 「・・・・飲まないの?」 「あっ・・・・。」 すっと目を落とすと、コップが出されていた。湯気が出ていたが、少しさめている。紅茶、だと思う。私はそれに何の迷いもなく口付けた。 「・・・迷子になったのか?」 「え?」 迷子。とは私に言ってるのだろう。 この部屋は、彼、『銀次』と私以外誰もいないのだから。 「迷子になったのか?」 オウム返しに彼は聞き返した。 「迷子・・・・、う、まあ似たようなもんかな。」 「・・・・そう。」 会話が途切れる。 おいおい。私にどうしろと。 ・・・・静かだった。ものすごく。 なんとゆーか、居心地が悪い。 しかし・・・、美人だなー、と私は思う。 賭けてもいいのだが。彼のような空気を持った人間はまずいない。 このスラム街の環境の賜物だろーか? 彼は常人にはない、求めても決して届かないものを持っている。 そんな独特の雰囲気の中。彼は立ち上がった。 「送ってくよ。家は何処?」 「え?えーと、新宿2丁目のー・・・・って。」 待て。今何とおっしゃいましたか? 「お、送ってく!?」 「・・・・そうだけど。」 「誰が!?」 「俺が。」 「誰を!?」 「君を。」 「何で!?」 「困ってるから。」 「・・・・・・・・・・・・。」 そのしばし続いた問答に終止符を打ったのは私だった。 意外だ。 今時困ってるから送ってくなんて言うヤツはいない。いるとしたら下心ありの欲望に忠実なヤツ、もしくは絶滅寸前の心の澄んだ人のどちらかだ。 ・・・・おそらく『天野銀次』は後者だと思う。 彼が嘘をつく姿は想像できない。 「・・・俺は、確かにジャンクキッズ達のリーダーだよ?でも・・・・・・。」 そう言って、『銀次』はまっすぐな瞳で言う。 「・・・・・でも・・・、俺は俺だから・・・・・・。」 そう言って目を伏せる。そして視線を再び私へと向ける。 「俺を、少しでいいから信じてくれない?」 ・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うあ。 まずいまずいよ。顔が真っ赤になるのが音でわかる。しゅーとか言ってそう。ユデダコ状態。 ・・・ってか反則だよ。その言い方。断れないよ。 それに・・・・・何かカッコいいって言うか、その。 ・・・・あう、なんて言えばいいんだろ。 そう、そうだ。一言で言うなら。 ・・・この人はカッコよすぎる。美しすぎる。いやホント。まじで。 物語に出てくる王子様だ。台詞が。 ・・・そんな私が断れるはずもなく。 私は彼に送ってもらうことになったのだった。 昔のマンガでこんなシーンあった気がする。 ほら、あれだ。 チンピラが人質とって主人公を脅すアレ。 ・・・・私の状況はまさにそれだった。 「う、動くんじゃねぇ!!」 そう言ったチンピラA(仮)が震えながら言う。 首をつかまれた腕越しに震えが来る。 ・・・・人質をとられた私でもわかる。このチンピラは怯えている。 それに対し『銀次』の態度は冷静なものだ。 いきなり襲い掛かられてもなったく驚かず、冷静に対処する。 指先から放たれた、光。電撃。 明らかに普通の人間でない攻撃を仕向け、それを平然と操っていた。彼は。 それを見てチンピラ達は大いに怯え「ま、まさか!?」「VOLTSの・・・!?」「勝てるわけねぇ!逃げろ!!」とか言って逃げていった。 そんな中の一人に、私は取り押さえられた。 なにやらこの反応を見るからに、『銀次』はものすごく恐れられているようだ。 ・・・・さっき私に切なげな目で見たやつとは思えないな。うん。 「・・・・彼女を、放せ。」 静かな、強い口調。従わざるを得ない帝王のような威厳をたたえた声だ。 「へ、へへ!さすがの・・雷帝サマも・・・人質取られちゃ・・・手も足も出ないな!!」 下卑た男だ。正直、怖くはないが良い状況とは言えない。 「し・・・死ねえええぇぇえっ!!」 どんっと私を突き飛ばして、チンピラA(仮)は『銀次』に襲い掛かった。 ・・・・ばちっ 『銀次』の手から、何か光った。 そして、音もなく――― 青い光が、放たれた。 それは電気だ。敵に当たるとばちばちと光って、チンピラA(仮)は倒れ付した。少しかわいそうなきがしたが、同情する気にはなれなかった。 「・・・・・・・・・。」 「・・・・ああ、怪我はない?」 私はふるふると首を横に振った。 「・・・そう。」 彼は心のそこから安堵したような顔をして。 「・・・・良かった。」 笑った。 ・・・・・・・笑った。ええ、笑ったんです。『銀次』が。 顔が紅潮していくのが良くわかった。 ・・・なんていうか、今までのクールなイメージがあったせいか、笑ったりなんかしないだろうな、と勝手に思ってたのだが。 ・・・笑ったのだ。この男。 それも、すっごく優しく嬉しそうに。こんな優しい笑顔で笑うヤツはそうはいない。 作り笑いとかじゃなくて。本当に心のそこからの優しい笑顔だ。 カメラが合ったら私はきっとシャッターをきってると思う。例え非難されてもだ。 それぐらいキレイなのだ。本当に。 雨がしとしとと肩をぬらす。 小振りなので、大して不快ではない。 『銀次』の金髪が雨に打たれる。 寂しげな顔。 優しい笑顔。 本気でまずい。色々と。 「・・・・名前・・・・何ていうの?」 「・・・・・天野、銀次。」 思わず名前を聞いてしまった。おいおい、高々迷子で得体の知れないやつに名前を教えるなよ、素直なヤツだな。 「・・・銀次、か。・・・ありがとう、ここからは大丈夫だよ。」 「・・・・・そう?」 「ありがとう、心配してくれて。」 「別に・・・・、俺が勝手にしただけだから。」 そっけない返事。でも何となく嬉しいと思っていることぐらいはわかった。 不器用なんだな、と思う。 そう、不器用で優しい雨の王様。 「また会える?」 「・・・望めば。」 私はくすっと笑っていった。 「じゃあ、会いに行くよ。絶対に。」 そして、私は言う。 「・・・君に会いにまた来るよ。」 それが、私のささやかなる雨の中でのきっかけだった。 あとがき 偽者雷帝注意報。 怒りのあまり落雷が来るので皆さん気をつけてください(大嘘) ぶっちゃけましょう。 雷帝はカッコいいと言うのが世間一般の認識ですが・・・・・。 あえて!あえて私はそれに逆らいましょう! 彼は!雷帝は!カッコいいんじゃない! 美しいんだああああぁぁぁぁぁっっ!!(何叫んでるんだこの女) だってキレイ過ぎですよ!アニメの彼!いえ、マンガでも美しいのですが。 ・・・話を元に戻しましょう。 私は銀ちゃんが大好きです。理由はただ一つ。 二面性があるから! なんてゆーか、まったく別々のイメージを持った人って好きなんです。 赤屍さんもわかりやすいな。 怖いけど、何か愉快な人みたいな(笑) んで銀ちゃんの場合、めちゃくちゃクールだったけど優しい。過去形です。 雷帝、マジで好きです。惚れますって、あれは。 そんな雷帝ファンを敵に回す駄文! 雷帝LOVERがこれで増えたら嬉しいな! さあ、皆さん!雷帝親衛隊に入りましょう!! ―――― 幕 ―――― |