◆−初投稿です。−蛇乃衣 (2003/12/3 23:48:05) No.15622 ┗『CIV』― Mysterious Thief 1―−蛇乃衣 (2003/12/3 23:49:17) No.15623 ┣初めましてv−遙 琥珀 (2003/12/3 23:51:00) No.15624 ┃┗Re:初めましてv−蛇乃衣 (2003/12/3 23:51:58) No.15625 ┣『CIV』― Mysterious Thief 2―−蛇乃衣 (2003/12/3 23:59:18) No.15627 ┃┣ゼルさんかっこいい…−遙 琥珀 (2003/12/4 00:00:48) No.15628 ┃┗『CIV』― Mysterious Thief 3―−蛇乃衣 (2003/12/4 00:10:22) No.15633 ┣『CIV』―After Work Night 1―−蛇乃衣 (2003/12/7 13:56:57) No.15660 ┃┣Re:わぉ。怪盗(?)だよ貝等。(違うッ!!)−はるか (2003/12/9 14:37:40) No.15672 ┃┃┗Re:わぉ。怪盗(?)だよ貝等。(違うッ!!)−蛇乃衣 (2003/12/9 20:30:41) No.15676 ┃┃ ┗Re:怪盗機能の解凍。(意味不明)−はるか (2003/12/10 16:43:47) No.15681 ┃┣『CIV』―After Work Night 2―−蛇乃衣 (2003/12/9 20:46:18) No.15677 ┃┗『CIV』―After Work Night 3―−蛇乃衣 (2003/12/12 18:36:03) No.15685 ┣『CIV』― The Morning 1―−蛇乃衣 (2003/12/16 20:56:41) No.15712 ┃┗『CIV』― The Morning 2―−蛇乃衣 (2003/12/18 20:39:35) No.15717 ┣『CIV』― Aquarium 1―−蛇乃衣 (2003/12/21 10:06:11) No.15736 ┃┗『CIV』― Aquarium 2―−蛇乃衣 (2003/12/21 10:15:56) No.15737 ┃ ┣初めまして!−祭 蛍詩 (2003/12/22 16:07:30) No.15744 ┃ ┃┗Re:初めまして!−蛇乃衣 (2003/12/24 14:36:31) No.15753 ┃ ┗『CIV』― Aquarium 3―−蛇乃衣 (2003/12/24 14:43:01) No.15754 ┗『CIV』― Dispositions 1―−蛇乃衣 (2003/12/27 18:29:25) No.15774
15622 | 初投稿です。 | 蛇乃衣 | 2003/12/3 23:48:05 |
こんにちは。はじめまして。 蛇乃衣(ヘビノコロモ)と申します。 皆さんの作品を読ませていただき、「よし、私も書くぞぅ!」と意気込み、連載を始めることにしました。 勢いばかりで書き始めた作品ですが、お付き合い頂けると幸いです。 タイトルは「CIV」 スレイヤーズの怪盗ものです。といっても、盗みメインではないのですが…。 盗品から事件に巻き込まれて行く…といった感じです。 私がゼルフリークなので、彼がメインになるでしょうか。 あと、レゾ、リナ、ガウリイが今のところ出張っています。 ゼロスとルークも後々登場予定。 あと、カップリング……というほどではないのですが、原作程度のガウリナと、ちょっと悲しいルクミリと、原作設定完全無視のレゾゼル(笑)です。(レゾゼルは、家族愛に限りなく近いですね) たいしたことはありません。が、一応念のため。 見ようと思えばそう見える、それぐらいです。 未熟者ですが、どうかよろしくおねがいします。 |
15623 | 『CIV』― Mysterious Thief 1― | 蛇乃衣 | 2003/12/3 23:49:17 |
記事番号15622へのコメント シャンデリアの明かりが大きなホールを照らす。 ゆったりと流れる音楽に、敷き詰められた赤い絨毯。 シミ一つない白いテーブルクロスの上には、贅沢な食事の数々が並ぶ。 華美を競い合うように、色とりどりの衣装を纏う客人達。 その間を小綺麗な格好のボーイが、銀の盆にワインを乗せて行き来する。 近世ヨーロッパで行われていた仮面舞踏会を再現したかのようなそのパーティーは、USA大都市郊外のある屋敷で行われていた。 ジャン! ピッタリと重なる和音の余韻が消えるのを見計らったかのように、 シャンデリアの光度がわずかに落ち、変わりに、入り口正面の踊り場にライトが当てられる。 そこには、初老の老人が一人立っていた。 彼が、この屋敷の主であるブラン氏である。 たった一代で己の企業をトップクラスにまで上り詰めさせた男だ。 人の見ていないところでも、さぞかし熱心に「仕事」をしたのだろう。 客達全員の視線が仮面越しに集まる。 ……いや、若干一名だけ未だ料理に集中している男がいたが、 連れであろう、小柄な少女に羽扇子でしたたか頭を叩かれ、皆と同じように踊り場へと目を向ける。 「皆さん!今日は私の誕生パーティーによく集まって下さった! 心からお礼を申し上げよう!」 ブラン氏が朗々と語りだした。 感謝なのか自慢なのか、判別しがたい話はしばらく続く。 もちろんのこと、おもしろさなどカケラも感じられない。 それに客達が辛抱しているのは、もちろん対面も関係しているが、一つの期待があるからだ。 「すでに耳にされているでしょうが、実は先日、貴重な宝石を手にいれましてな。 今日は特別に、皆さんにもお見せいたしましょう!」 その言葉に、歓声による小さなざわめきが自然と生まれる。 それを満足気に聞くと、ブラン氏はパチリと指を鳴らした。 ガコッ ウィィィィィ 突如、階段前の床に四角い穴が開き、機械音と共にガラスケースの乗った台が迫り上がってきた。 ライトがそこにも集中する。 ケースの中、何条もの光を浴び燦然と輝くそれは、いくつものダイヤモンドをあしらった豪華なネックレスだった。 静かに、だが強烈に、見る者を魅了する。 おおおおお! 圧倒的な美しさに、幾重にも重なる感嘆の声。 「どうです、皆さん。見事なものでしょう? これは―――」 突然の暗闇が、ブラン氏の言葉を途絶えさせた。 一瞬静まりかえるホール。 だが、驚きが過ぎると、すぐにざわめきが波紋のように広がる。 今日は綺麗な月夜。 落雷もないのに停電だろうか? 屋敷の人間の対応が早かったのだろう、 二、三分後には、シャンデリアは再び明かりを取り戻した。 ほっと安堵の空気が流れ――― 異変に最も早く気付いたのは館の主だった。 「な、ない!私のネックレスがない!!」 中身の消えたガラスケースだけがが、虚しくそこにあった。 |
15624 | 初めましてv | 遙 琥珀 | 2003/12/3 23:51:00 |
記事番号15623へのコメント 初めまして。遙 琥珀…ハルカ・コハク、と申します。以後お見知り置きを。 怪盗ものなのですね。面白そうだと思います♪ では、レス行きます。 >シャンデリアの明かりが大きなホールを照らす。 >ゆったりと流れる音楽に、敷き詰められた赤い絨毯。 をを。なんだか豪華。 赤絨毯、と聞いただけで何故か豪華なイメージがする貧乏人の私。 映画にもよく出てくる様なワンシーンですね。 >そこには、初老の老人が一人立っていた。 >彼が、この屋敷の主であるブラン氏である。 >たった一代で己の企業をトップクラスにまで上り詰めさせた男だ。 >人の見ていないところでも、さぞかし熱心に「仕事」をしたのだろう。 贈賄とかライバル蹴落としとか… まぁ、こういう企業にはつきものですけどね、そういうのは… >客達全員の視線が仮面越しに集まる。 >……いや、若干一名だけ未だ料理に集中している男がいたが、 >連れであろう、小柄な少女に羽扇子でしたたか頭を叩かれ、皆と同じように踊り場へと目を向ける。 思わず笑っちゃいました(笑) 飢えてる?(コラ) >「皆さん!今日は私の誕生パーティーによく集まって下さった! > 心からお礼を申し上げよう!」 >ブラン氏が朗々と語りだした。 うを、お誕生パーティーでしたか。 ふ、そんなもの色紙で輪っか作ってトリの唐揚げ食べてりゃ充分だ(ヲイ) >「な、ない!私のネックレスがない!!」 >中身の消えたガラスケースだけがが、虚しくそこにあった。 うーむ、続きが待ち遠しいです。 『若干一名』と『小柄な少女』の辺りが特に(笑) すっごく楽しみです、展開が。 それではまたいつか、さようなら… |
15625 | Re:初めましてv | 蛇乃衣 | 2003/12/3 23:51:58 |
記事番号15624へのコメント 琥珀様、初めまして。レスありがとうございます! こんなに早くレスがいただけるなんて嬉しい限りです。 励みになります! お気付きの点があれば、どんどん指摘して下さいませ。 これからもどうかよろしくお願いします! |
15627 | 『CIV』― Mysterious Thief 2― | 蛇乃衣 | 2003/12/3 23:59:18 |
記事番号15623へのコメント ヴーヴーヴーヴー 警報装置の音が館内に響きわたる。 耳障りなそれに急き立てられるように、栗色の髪の少女と、金髪の男が、三階廊下を疾走していた。 「ガウリイ、こっちよ!」 黄色のドレスをひるがえしながら、少女が先導する。 その手には、輝くダイヤのネックレス。 もちろん、先程までホールにあったあれである。 「リナ!来るぞ!!」 バタバタといくつもの足音が近付いてくる。 「あー!無駄に多いんだからまったく!」 言いながら、リナは大きめのイヤリングを片方外した。 「いたぞ!」 「止まれ!!」 前方に現れる、数人の男達。 大きく息を吸い込むと、その中心に向かって、リナはイヤリングを投げつけた! ボバンッ! 弾け、白い煙が巻き散らされる。 男達に動揺が生また。 どがっばごっずがごっ!! その隙を突いて、リナとガウリイは数人を薙ぎ倒し、息を止めたまま団体を駆け抜ける! 「くそっ…!」 二人の背に銃口が向けられる! が、しかし。 「う!?…あ……??」 引金を引く前に、男達はバタバタと床に倒れた。 そして聞こえる寝息。 「お〜、凄い効き目だなぁ」 「さっすが、レゾお手製なだけあるわねっ……て、だぁー!また来たぁ!」 今度は左右の通路から。 通りすぎる際に、チラリと視界に入った黒服。 そいつらがこちらの通路に着くのと同時に 「あそこよ!」 バン!! 二人は窓の一つを蹴り開け、躊躇いもせず宙に躍り出る! 夜風を受け、重力に従い落ちる体。 そこへ ヴゥウゥウウ! ギキャキキィィィィイ!! 一台のオープンカーが突っ込んできた。 けたたましいブレーキ音を響かせ、急停止。 見た目よりも柔らかな後部座席のクッションが、二人を受けとめる。 「出すぞ!」 鋭い声を放ったのは、ボーイの格好をした、銀髪の青年、ゼルガディス。 アクセルを踏み、ハンドルを切る。 右へ左へ、流れるように車は走り、 警備に当たっていた男達を蹴散らし道路へ出た。 「じゃあね〜v」 少女の軽い挨拶を残し、三人組は暗い道へと消えていった。 ***** 琥珀様、上記「ご感想」と書くべきところを、レスと書いてしまいました。 申しわけありませんでした。すみません〜。 |
15628 | ゼルさんかっこいい… | 遙 琥珀 | 2003/12/4 00:00:48 |
記事番号15627へのコメント またもやこんばんは(笑) ああ、忙しい。 >黄色のドレスをひるがえしながら、少女が先導する。 うーん、ドレスでよく走れるなぁ。 コケんなよ(コラ) >その手には、輝くダイヤのネックレス。 >もちろん、先程までホールにあったあれである。 をを、手が早いぞリナちゃん! さすがですな…! >大きく息を吸い込むと、その中心に向かって、リナはイヤリングを投げつけた! >ボバンッ! >弾け、白い煙が巻き散らされる。 >男達に動揺が生また。 >どがっばごっずがごっ!! >その隙を突いて、リナとガウリイは数人を薙ぎ倒し、息を止めたまま団体を駆け抜ける! うわぁ。凄い。 私こういうシーン書くの苦手なので、こう言うの書ける方尊敬します… ああ、描写力が欲しい。 >「お〜、凄い効き目だなぁ」 >「さっすが、レゾお手製なだけあるわねっ……て、だぁー!また来たぁ!」 ゴキブリのようにわさわさと♪(ヤな例えだなぁ) >一台のオープンカーが突っ込んできた。 >けたたましいブレーキ音を響かせ、急停止。 >見た目よりも柔らかな後部座席のクッションが、二人を受けとめる。 >「出すぞ!」 >鋭い声を放ったのは、ボーイの格好をした、銀髪の青年、ゼルガディス。 ……ていうかゼルさんカッコいいってば! お茶目なゼルもいいですが、こういうのもいいですね♪ >琥珀様、上記「ご感想」と書くべきところを、レスと書いてしまいました。 >申しわけありませんでした。すみません〜。 いえいえ(汗)そんな丁寧に(汗) それにしてもこんなレス連打。 迷惑だったらごめんなさい、気になったのでつい。 それではまた… |
15633 | 『CIV』― Mysterious Thief 3― | 蛇乃衣 | 2003/12/4 00:10:22 |
記事番号15627へのコメント 「んっふっふっv楽勝だったわね〜」 闇夜を走るオープンカー。 その座席に背を預けながら、リナは上機嫌に顔を綻ばせた。 両手でネックレスを掲げ、月光にさらす。 髪と同色の瞳に、月下に輝く宝石が映る。 「キレーだよなー。 なあ、それに付いてるのって全部ダイヤか?」 隣からガウリイが問いかける。 「そうよ。一つ一つはちっちゃいけどね。 ま、その分、数があるし。値が張るわよ〜フッフv」 「これとか割と大きいよな〜。 でも、青いぞ?ダイヤって、色付いてるのは安いとか言ってなかったか?リナ」 「おお?!ガウリイが学習してる!」 「そんな驚かんでも…」 「ガウリイ。安いのは、濁った灰色や濃い褐色で、研磨材に回されちまうやつさ」 前を見据えたまま、ハンドルを握るゼルガディスが説明する。 「ダイヤモンドは純白のものが最高とされているが、実際は色の付いたものの方が多 い。 大体は宝石として使えないんだがな。 けれど、青、ピンク、緑などの色を持つダイヤは特殊品として骨董的価値が高い」 ここでチラリとネックレスに視線を移す。 その瞳は、深く、澄んだ青だ。 「特に、ブルーホワイト… …その、やや青味がかったやつは、純白を上回る値段が付けられるんだよ」 「へぇ〜」 「はいはい。ゼルガディス先生の宝石講座でしたーっと。 ところで。ねえ、ゼル。もうそろそろ車いじった方がいーんじゃない?…ほら」 道の向こうに、鮮やかなネオンの明かりが見えてきた。 「そうだな」 そう答えると、ゼルはアクセルよりもやや上の車体を右足で軽く蹴る。 すると、その部分がパカリと開き、赤いボタンが現れた。 さらにそのボタンを押すと―― ウィ、ウィィィィ…… ガシャン! 車体から屋根が現れ、黒色だったボディーが深い紅へと変色する。 オープンカーは、ものの数秒で、まったく異なる車となってしまった。 「んーみゅ。やっぱり便利よね、この車も」 「見たことあるやつだけでも、他にも色々持ってるよなぁ。 レゾ、どこでこんなの作らせたんだろな」 「さあな…いつの間にか、増えてるんだよ…」 疲れたように、ゼルガディスはそうこぼした。 |
15660 | 『CIV』―After Work Night 1― | 蛇乃衣 | 2003/12/7 13:56:57 |
記事番号15623へのコメント くしゅっ 都心の、あまり治安が良いとは言えない地区に建つ、五階建てのビル。 その一階。蛍光灯が内部を照らす、小さな骨董品店『Rouge(ルージュ)』。 ワインカラーのエプロンをした黒髪の男が、似合わぬくしゃみをした。 「風邪…ではないと思いますが……今夜は冷えますからね」 あの三人ももうそろそろ帰ってくるころですし、今日はもう終りにしましょう。 独り言をそう締め括ると、男――レゾは扉に閉店の看板を掛け、鍵を閉めた。 チカチカと蛍光灯が点滅する。 「おや……」 見上げるその顔を、頼りない光が照らす。 端正な容貌に収まるその瞳は、左右で色が違う。 右は青、左は深紅だ。 見た限りでは分からないが、左のそれは義眼である。 「明日、取り替えていただきますか…」 彼の頭に浮かんだのは、自分よりも背丈のあるガウリイだった。 店から二階に移動すると、ちょうどエンジンの止まる音がした。 続いて、外の非常階段を上る足音。 「ふむ…怪我はなかったようですね。結構なことです」 小さいが、軽快と呼べる三人分のそれから判断する。 「たっだいま〜」 「ただいまー。はあ〜…腹減った〜」 「……ただいま」 裏口から、リナ達がリビングへ入ってきた。 「お帰りなさい。どうでしたか?」 一応、尋ねてみる。 「もちろん、バッチリよ」 「それはそれは。 紅茶でもいれましょう」 予想通りの答えに微笑を浮かべ、レゾはキッチンへと向かう。 「なあ、なにか軽く食べれるものあるか〜?」 「あ、あたしも〜」 「…お前ら、パーティーで散々飲み食いしてただろうが……」 呆れ声でつっこみを入れるゼルガディス。 自分はブレイカーを落とすためボーイに変装して紛れ込んだが、二人は実際の客になりすましていたのだ。 人の平均的な食事の量を、はるかに上回る料理の数々が、 (食べ方はとりあえず礼儀に反してはいなかったのだが、スピードと持続時間が桁違いなのである) 彼らの胃に吸い込まれていくのを、自分はバッチリ目撃している。 「そうですねぇ…スコーンとガレットと、あとラズベリーのタルトがありますけど…」 どれがいいですか? との、キッチンからかかった問いに、 『全部!』 リナとガウリイの声が見事にハモった。 |
15672 | Re:わぉ。怪盗(?)だよ貝等。(違うッ!!) | はるか | 2003/12/9 14:37:40 |
記事番号15660へのコメント はるか:わぁぁぁぁぁぁ!怪盗だぁ怪盗だぁっ!! リナ:なにしょっぱなから壊れてんのよ? はるか:えっへん。こちとらいっつも壊れてますぜぃ。 リナ:いばるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!しかもなんか言葉遣い変だしッ! はるか:ほっとけ。ノリだノリ。 リナ:どんなノリよ・・・・・・? はるか:いちいちつっこまないで。 リナ:はいはい。で、何でそんなに叫んでたの? はるか:いやぁ。だってかっくいぃじゃないですか。(←ヤバい趣味) なんか怪盗とか、強盗とか、妖盗とかって聞いただけでもそくそくしません?(←すでに人の域を越えている) リナ:妖盗って・・・・・・・・・・・・・・・・? それに、あんたの頭ンなかどぉなってるの? はるか:やかましい。ほっといてくれ。 リナ:あ。なんかコイツのアブナイ趣味の話になってる。 軌道修正してっと・・・・・・・・・。 で?感想は? はるか:いっやぁ。この3人が組んだらもぉなんでもできそぉ。 リナ:ふ〜ん♪ はるか:リナさんなんかまんま泥棒だし、 ガウリイさんのカンがあれば逃げられるし、ゼルさんの知恵があればワナ抜けられるだろうし。 リナ:ふぅ・・・・・・・・・・・・ん? はるか:さしあたって、リナさんが暴力担当、ガウリイさんは危険察知係、ゼルさんは頭脳担当というところかな。 ごきゅるしっ リナ:ふぅぅぅぅぅぅぅん。それはつまり、殴ってもいいよ。と・・・・・。 はるか:もう殴ったじゃないですかッ!! リナ:いや。今のは『どついた』だけよ。殴ってはいないわ。 はるか:同じことじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!! リナ:どやかましいわ火炎球(ファイヤー・ボ・ル)!! つごうぅんっ!! はるか:のひえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!? リナ:さ〜て。邪魔な物体Xがいなくなったところで♪ し〜ゆ〜あげいん♪ ――――――幕って、いいのか・・・・・?―――――― |
15676 | Re:わぉ。怪盗(?)だよ貝等。(違うッ!!) | 蛇乃衣 | 2003/12/9 20:30:41 |
記事番号15672へのコメント はるか様、初めまして!素晴らしいノリツッコミの感想ありがとうございます! スレ(特に後書き)独特のノリですね。私はイマイチそのノリが出し切れないのですごく羨ましいです。 三人の役割分担も、作者以上の的確な表現で! なるほど、このバランスで彼等は仕事をこなしているのですね!(おい) 怪盗ものと銘打った割には、あまり盗みのシーンがありませんが、おこれからもおつきあい下さいませ。 それでは〜。 |
15681 | Re:怪盗機能の解凍。(意味不明) | はるか | 2003/12/10 16:43:47 |
記事番号15676へのコメント >はるか様、初めまして!素晴らしいノリツッコミの感想ありがとうございます! >スレ(特に後書き)独特のノリですね。私はイマイチそのノリが出し切れないのですごく羨ましいです。 はるか:やり方は、『とにかくひたすらキャラを壊しまくること』それだけです。 リナ:そうそう。キャラが壊れたら会話もはずむし・・・・・って、壊れた!? はるか:はい。性格が。 リナ:ほほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉう。 はるか:あの。お願い。お願いだから、さ。そんな据わった目で暴爆呪(ブラスト・ボム)唱えるのやめて♪ね♪ リナ:うっわ。ハートマークならぬオンプマーク。気持ち悪ッ!! はるか:ほっとけ。なにはともあれ、自分の性格を壊しキャラのもちょぴっと壊し、キャラを選んだらおっけぇ。 リナ:やりやすいキャラとやりにくいキャラあるもんねー。 はるか:そう。リナさんやゼロスさんやアメリアさんは思考回路が分かりやすいから簡単♪ リナ:ゼルとか難しいモンね。ガウリイはボケられてばっかりで話が前に進まな・・・・・・・・・って、さらっとさっき何か流さなかった? はるか:死ヌほど気のせい。それは。 >三人の役割分担も、作者以上の的確な表現で! >なるほど、このバランスで彼等は仕事をこなしているのですね!(おい) はるか:いやぁ。だいたいこんなとこだろう、と。 リナ:夜のしじまを照らすもの・・・・・・ はるか:あわわ・・・!!烈火球(バースト・フレア)もやめてぇっ!! リナ:・・・・・・・・・ちっ・・・・・・・・・・気づかれたかッ・・・・・・・・・・・・・・・・・ >怪盗ものと銘打った割には、あまり盗みのシーンがありませんが、おこれからもおつきあい下さいませ。 >それでは〜。 はるか:盗みがなくても全然OK.悪役リナがみたかった。 リナ:そのせりふの意図はどんなのかなぁ〜? はるか:いや。とくになひれす。ただ・・・・・・・・・・・・・・・・ リナ:ただ? はるか:原作ではどんなに悪役っぽいことやっても正義とされてたし。 リナ:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 はるか:だからこっちでは開き直って悪役も、って・・・・・・ッ!!?? リナ:呪文省略!竜破斬(ドラグ・スレイブ)〜〜〜〜〜〜!!!!! はるか:ってそれはSPネタ・・・・・ッ!! ちゅごどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんん!!!!! はるか:ヒィあァァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!? リナ:ふっお空のお星様になったわね。 それじゃぁ、なにやら失礼なことをぬかしやがったはるかに代わって、レスを終わらせていただきます♪ ――――――幕―――――― |
15677 | 『CIV』―After Work Night 2― | 蛇乃衣 | 2003/12/9 20:46:18 |
記事番号15660へのコメント 「……これはまた、見事ですね」 明日の朝食、ティータイム用にと用意していた菓子類が、次々なくなっていくのを目の当たりにし、思わずレゾは呟いた。 リナ、ガウリイの二人と共に生活するようになってからもう二年になる。 慣れたとはいえ、やはり、こう人体の神秘をしみじみ感じることはあるのだ。 気持ちに名を付けろと言われると、呆れか感嘆か、迷うとこではあるのだが…… 「でしょーvあんな根性ひねくれそーなごうつくばりでも、金目のものを見る目はあったのね」 先程の呟きを、彼が今手にしているネックレスへの賛辞ととったのだろう。 一息つき、ソファにボフッと座り直したリナがそう言った。 リナ達三人は、すでに普段着に着替えている。 ドレスやら、タキシードやらといった窮屈な格好は、あまり好ましくない。 三人の共通意見である。 十八の乙女であるリナは、たまには良いかなぁなどと思いもするが……。 「それで、リナ。これはどうするんだ?」 早々に戦線離脱し、静かに紅茶を飲んでいたゼルガディスが問う。 「コレクションに入れるのか?」 今更説明するのもなんだが、彼らは、いわゆる『泥棒』『怪盗』である。 “悪人から盗む”というのがポリシーだが、別に義賊を気取っているわけではない。 『モノ』自体よりも、盗みの『スリル』が求めるものであり、 手中の宝が消えたときの、悪党のまぬけ面を見るのが楽しいのだ。 ……まあ、後者を存分に満喫しているのは、リナとレゾだけだったりする。 「ん〜…ゼルはどうしたいのよ?」 「それにはたいして興味ないさ。 ただ、売るなら分け前分はもらうぞ」 「ガウリイ…は聞くだけ無駄か」 「ムダとはなんだ、ムダとは」 「あら。じゃあ、ガウリイ。あんたなにか意見、てか要望あるの?」 「いや…ないけど…」 「ほぉ〜らみなさい」 二人のやりとりに、ゼルガディスが苦笑する。 その横顔を、レゾがまじまじと見つめる。 「…なんだ?」 固定された視線に、いぶかしげに問えば、 「いえ、別に」 返されたのはただそれだけで、 視線はすぐにネックレスに移された。 (………?) 「…う〜ん…そーねぇ。キレーだけど、コレクションするほどでもないかしら」 「売るならば、しばらく時期を置いた方が良いでしょう。 バラしてしまうと価値が下がりますからね、これは。 ちょうど、二ヶ月後あたりに地下オークションが開かれるはずでしたが、それに出すというのは?」 「そうね〜…ま、後からじっくり考えるとして。それの保管よろしく〜!」 「分かりました」 と、リビングに可愛らしいオルゴールの音が流れだした。 自然と、四人の視線が音の方へと向けられる。 大きな茶色の柱時計だ。 銀で飾られた文字盤では、陶器で出来た小さな人形が、クルクルと回っている。 もちろんアンティークで、同じ値段でちょっとした車がポーンと買えてしまう。 オルゴールの音の後には、鐘が十二回。 「おや。もう日付が変わってしまいましたか……。 私はそろそろ寝ますね。あ、食器はちゃんと片付けておいて下さいね」 「わかってるさ。おやすみ」 「おやすみ〜」 「ふぁ〜…おやすみ。俺も眠ぃ…」 「おやすみなさい」 レゾはネックレスを片手に、三階の自室に戻っていった。 |
15685 | 『CIV』―After Work Night 3― | 蛇乃衣 | 2003/12/12 18:36:03 |
記事番号15660へのコメント 書斎に入ると、レゾはそっとネックレスを机に乗せた。 …フゥ…… 愛用の椅子に腰掛けると、意識しない吐息がこぼれる。 レゾは、三階にある部屋すべてを自分のものとしている。 まあ、このビルは丸々彼の所有するところなので、三人から文句は出ようもない。 一階は店、二階はリビングやダイニング、バスといった共有スペース。 四階はゼルの個室と客室があり、五階には、リナとガウリイの部屋がそれぞれと物置。 入り口が隠し扉になっている地下室もある。 地下にある、金庫室兼『コレクションルーム』に、今回のお宝を運んでしまおうかとも思ったが、 今夜はとりあえず、机の引き出しに収まっていてもらうことにした。 不用心とは言うなかれ。 一見古そうに見えて、実は防犯装置やらその他の仕掛けが満載のこのビルに不法侵入すること自体が、 まず困難なのである。 加えて、この辺りでそんなバカなことをしようと考えるやからはいない。 泥棒とは違う、レゾのもう一つの顔――闇医者『赤法師』は、裏ではなかなかに有名なのだ。 ふぅ…… レゾはもう一度溜め息をついた。 空気の流れさえ聞こえてくるような、静かな空間。 ギギィ、と音を立て、体重をかけ椅子によし掛る。 虚空を見つめるその表情は穏やかだ。 「…よく、笑うようになりましたね……」 思い浮かべるのは、先程の苦笑したゼルガディスの顔。 リナ、ガウリイの二人と出会ってから、彼は笑うことが多くなった。 感情を上手く出せるようになった。 それは、レゾにとっても喜ばしいことだ。 だが、その反面、どこか悔しさを感じる自分がいることを、レゾは否定しきれない。 彼らは、自分ができなかったことを、無意識の内にやってしまったのだから……。 自分の行動は、ただの自己満足なのだろう。 それでも、 「あの子が笑うなら…」 自分の大切な者が、この生活を楽しんでいるなら。 続くことを、望んでいるなら。 彼を、 彼の大切なものを、 「守りますよ…必ず」 この気持ちだけは、確かにこの手の中に在り続けるのだ。 ***** う〜ん…レゾ主役じゃないのですが…… 出張ってしまいます。この方は。 まあ、準主役ですし。これからもおいしい役どころになるのではないかと… イメージソング(大袈裟)は、鬼〇ちひろの『イノセンス』……良い曲です。 |
15712 | 『CIV』― The Morning 1― | 蛇乃衣 | 2003/12/16 20:56:41 |
記事番号15623へのコメント ネックレス盗難事件が新聞を賑わせてから、三日後の朝のこと。 ジュウジュウという音と共に、キッチンに、ハムと卵の焼ける芳ばしい香りが広がる。 フライパンを握るのはゼルガディス。 食事は、ゼル、リナ、レゾの三人が交代で作っているのだ。(ガウリイはレシピを覚えない、という理由で料理当番は免除) ほどよく焦げめのついたハムエッグを皿に移すと、ゼルガディスは火にかけている鍋の蓋を取った。 中にはコトコト湯気だつコンソメスープ。 ちょっとすくって味見。 「……塩が足りないか…」 容器に手を伸ばそうとする、と 「はい。どうぞ」 目の前に差し出された。 「おはようございます、ゼルガディス」 「おはよう」 受け取って、塩を振るう。 「美味しそうですね」 「いつもと変わらんさ」 「いつも美味しいですよ。……こちらのお皿は、もう運んでしまえば良いでしょうか?」 「ああ」 両手に皿を持ち、ダイニングへと行くと、ちょうどリナとガウリイが下りてきた。 「おはようございます」 「おはよ〜」 「おっはよ〜。う〜ん、良い匂い。あ、朝はハムエッグなんだ」 そこへ、トレーに人数分のスープとトースト、コーヒーを乗せたゼルガディスが入ってきた。 それらを手際良く並べ、席に着く。 窓から差し込む朝日。 ニュース番組をBGMに、のんびりと朝食を取る。 今日は日曜。店も、泥棒も、闇医者も、仕事はオフだ。 「あ、そうだ」 フォークを持つ手をふと止め、リナが言う。 「ねえ、ゼル、レゾ。あたしとガウリイ、今日お昼いらないから」 「おや、どこか出掛けるのですか?」 「うん。新しいレストランが今日オープンするのよ。 で、初日ってことで、スペシャルランチが安いらしいし、行ってみようと思って。 二人とも来る?」 「ランチのメインはなんですか?」 「ロブスター」 「…ロブスター…ですか……」 レゾの表情が、わずかだが、嫌そうに歪む。 「…嫌いだったな。そういえば」 「ええ」 ゼルガディスの言葉に、こくりと頷く。 「へぇ〜、なんでだ?オレは好きだけどな〜。旨いじゃないか」 「味は大丈夫なのですが……どうにも見た目が」 「別にグロテスクってわけでもないと思うけど?」 「むしろ、そういうのは平気ですよ。一応、医者ですからね、見慣れていますし。 そうではなくて、なんといいますか……エビとかザリガニを見ていると、 こう、腹立たしくなってくるんです」 「はあ?」 「イライラしてくるというか、恨めしいというか……」 これまた変わった理由である。 「エビに?…なんで?」 「さあ……」 「幼児期のトラウマとかか?」 と、これはゼルガディス。彼も、好き嫌いは知っていたが、理由までは知らなかった。 「そのような事はないと思いますけど…」 「じゃ、ゼンセノインネンってやつじゃないのか?」 ガウリイの口から小難しい単語が出たのは、おそらく昨日放送されていた、オカルト系テレビ番組の影響だろう。 「ん〜。前世の因縁……エビに食べられて死んだとか?」 「食べられって…あの…私の前世は魚類以下ということですか……?」 レゾの呟きをさらりと無視し、 「じゃ、レゾは来ないのね」 「……(別に良いですけど)…はい。遠慮しますよ」 「ゼルは?」 「混雑するだろうしな。そこまで食べたいとは思わん」 「あ、そう。まあ、いいわ。 ガウリイ!スペシャルランチ筆頭に、がんばってメニュー完全制覇するわよ!」 「おう!」 拳を作って意気込む二人に、レストランにとってはいろんな意味で忘れられない記念日になるだろうと、ゼルガディスとレゾは心の中で溜め息をついた。 ***** アニメ版魔王Sを見た瞬間、エビの化け物だと私は思いました。 |
15717 | 『CIV』― The Morning 2― | 蛇乃衣 | 2003/12/18 20:39:35 |
記事番号15712へのコメント 台風のような二人が出掛けてしまうと、家はとたんに静けさに支配される。 以前はこれが普通だった。 ゼルガディスは誰もいないリビングを、ゆっくりと見回した。 十年前、初めてここに来た時は、もっと大きく、がらんとした印象を受けた。 自分が、今よりずっと小さかったこともあるのだが…。 賑やかなことに慣れた今でも、この静かな時の流れは嫌いではない。 (部屋で本でも読むか…) 特に用事もなく、自室へ向かおうと、階段を上がる。 半分ほどのところで、足元に影がかかった。 ふと、階上を見る。 「ああ、ゼルガディス」 視線の先の、微笑。 この微笑みを初めて見たのも十年前。 ――ゼルガディス…ですね?―― 声と共に、降ってきた影。 あの時も、自分は彼を見上げたのだ。 ――初めまして。私はレゾといいます。あなたの従兄弟に当たる者です―― 母の面影を宿す、 優しそうな ――私と一緒に来ませんか…?―― どこか、哀しそうな微笑みだと思った。 (こいつはどうして俺を引き取ったんだろう……) 「ゼルガディス?」 ハッと我に返る。 「なんだ?」 「さ、出掛けますよ」 「は…?」 さも当然というふうに言われ、頭の中で今日の予定の記憶を再確認。 が、そんな約束など、欠片も記憶にはない。 「出掛けるって…どこへ?」 「ショッピングモールとアクアリウムへ、ですよ」 「そんな予定はないが?」 「でしょうね。私が今決めましたから」 「…おい…」 「いいではありませんか。リナさん達もいないのですし、昼食は外でとりましょう。 特に用事はないのでしょう?」 「いや、まあ…そうだが……」 「さあさあ、着替えてきて下さい。 もう、秋もなかばですからね。暖かい格好で。いいですね」 「あ、ああ……」 いまいち納得できぬまま、勢いで頷く。 結局、押し切られる形で、出掛けることになってしまった。 (何故、男二人でアクアリウムに行かねばならない…?) 疑問はあるが、目の前の男が、突然突拍子もないことを言い出すのには慣れているし、 一度言い出したらなかなか折れないことは重々承知なので、ゼルガディスは大人しく従った。 |
15736 | 『CIV』― Aquarium 1― | 蛇乃衣 | 2003/12/21 10:06:11 |
記事番号15623へのコメント ざっぱぁあぁああん! 盛大な水しぶきを上げ、空中高く躍り上がったイルカが水面へ突っ込む。 おおおおおおお!! パチパチパチパチパチ!! それに惜しみ無い歓声と拍手を送る観客。 その喝采の中に、レゾとゼルガディスもいた。 「すごいですね〜。あんなに高く跳び上がるとは」 「そーだな……」 「ちゃんと人間が言っていることを、理解しているのですね。 賢いし、なにより、眼が愛らしいですよねぇ」 「…そーだな……」 ザッパアァアアアン!! 再び上がる水しぶき。 「……ゼルガディス、もしかして疲れています?」 「…まぁな……」 もしかしなくても疲れてるよ!誰かさんがあちこち連れ回したおかげでな! そんな心中の言葉は音にせず、力なく、前の手摺にうなだれる。 自分よりも十以上年上なはずのこの従兄弟兼養父は、実はイベントごとやら賑やかなことやらが大好きだったりする。 大騒ぎをする、といったことはないのだが、じつに生き生きと目が輝いているし、手間隙も金もかけることをいとわない。 ついでに、やることが予想できないうえに、どこかズレている。 何年か前の夏に、こんなことがあった。 その年は例年にない猛暑で、さすがにゼルガディスも夏バテ状態だった。 なにか欲しいものはないか、とのレゾの問いに、なかば冗談、なかば八つ当りで「スノーマン」と答えたのだ。 食べ物や飲み物といった答えを予想していたのだろう。 レゾは「そうですか」と言ったきり、どこかに出かけてしまった。 さすがに呆れたか、とも思ったが、弁解する気力もなく、ゼルガディスはリビングのソファでそのまま寝てしまったのだ。 が……まさか、本気でスノーマンを用意するとは思わなかった。 というより、それは『スノーマン』とも言えなかった。 目が覚めたとき、ゼルガディスの視界に入ったのは、それは見事な氷の美女だった。 ギリシャの神話を思い出させる、髪を結い、衣をなびかせた美女。 ドライアイスに囲まれた、透明な彫刻を指差し、 「スノーマンじゃないだろう、それは」 つっこむポイントが違うだろうと、今になってゼルガディスは過去の己を叱咤する。 まあ、それに返された答えは 「…そうですね。これでは『スノーウーマン』になってしまいますね」 だったのだが…… はぁ… 深いため息をつく。 レゾはそれを聞きとめ、 「…ゼルガディス、本当に大丈夫ですか?どこか、静かなところへ移動しましょうか?」 眉を寄せ、心配そうな色を赤青の瞳に浮かべる。 「……ああ。そうする」 正直、ここから離れたかった。なにやら、さっきから周りの視線を感じていたのだ。 (やはり浮くか…この場所じゃ……) 実のところ、『かなりの美形』に入る、 それも良く似た容姿で異なる雰囲気の二人が並んでいるのは、どこでも絵になるし、 視線(とくに奥様お嬢様方の)を集めるということに、ゼルガディスは未だ気付いていない。 |
15737 | 『CIV』― Aquarium 2― | 蛇乃衣 | 2003/12/21 10:15:56 |
記事番号15736へのコメント 「では、私はなにか飲み物を買ってきますから、ゼルガディスは先に行って下さい。 奥に、大きな水槽のある部屋があるはずでしたから」 客のほとんどが屋外で行われているショーを見ているため、館内は静かだ。 カツン、カツン 己の足音を聞きながら、ゼルガディスは歩みを進める。 小さめの水槽が等間隔で並べられている通路をしばらく行くと、言われた通り、高い天井の空間があった。 微かに、機械音と、泡の生まれる音がする。 (誰かいる…?) 一つの人影。 「レゾ……?」 (別のルートで先に来たのか?) その人物が振り返る。 その拍子に、肩の辺りで切り揃えられた髪が揺れた。 昼の陽光のもとでは黒であろうそれは、今は水槽からの淡い光で、紫がかっているように見える。 「……こんにちは」 笑みの形に細められた、漆黒の瞳。 まったくの別人だった。 なぜ間違えたのかと、自問する。 背丈は自分と同じか、やや低いか。髪も、色は同じだが、レゾはもっとくせがある。 あらためて、似ている外見とは思わない。 だが、一瞬、彼の雰囲気…とでもいうのだろうか…がレゾと重なったのだ。 「あ…すまない。人違いだった」 「いえいえ。あまり明るくありませんからね。 …僕はゼロス・メタリオムといいます。あなたは?」 ニコニコと笑いながら、フレンドリーに自己紹介をしてくる。 「ゼルガディス、だ」 間違われやすいので、わざとゆっくりと発音する。 「ゼルガディスさんですか。良いお名前ですねぇ。 お連れの方と、ここで待ち合わせですか?」 いつもなら、初対面の人間と親しく話をすることはないのだが、 人違いをしたということと、レゾが来るまでここにいなければならないということが、ゼルガディスに会話を促した。 「ああ。そんなところだ。……お前は?」 「僕は一人でブラブラと。 いやぁ、実は仕事の打ち合わせでこの辺りに来たんですけど、早く来すぎて時間が余ってしまって。 それで、暇潰しに立ち寄ってみたんです」 「日曜まで、熱心なことだな」 「はは。休みは不定期でして。暇な時は本当に暇なんですけどね〜。 アクアリウムは、静かですし、けっこう好きなんですよ」 「…俺も好きだな。ガキの頃、よく両親が連れて行ってくれた」 ゼルガディスの母親は、あまり体が丈夫な方ではなかった。 故に、人混みの激しい場所に長時間いることが出来なかった。 父親も静かなところを好み、ゼルガディス自身も、幻想的な青の世界に惹かれていたこともあり、 親子三人で色々なアクアリウムに遊びに行ったのだ。 「あの頃は…ただ、楽しかったな…」 ガラスの水槽の中、泳ぐ魚。 この水槽で産まれた彼等は、広い海を知らない。 海の恐怖も、自由も。 広い海に産まれなかった彼等は、この水槽を知らない。 水槽の安楽も、束縛も。 目の前にあるそれが、当たり前すぎて。 ――失うことなどないと思っていた―― 黙りこみ、水槽を食い入るように見ているゼルガディスを、ゼロスもまた無言で見つめていた。 淡い光に、色素の薄い肌と髪が、不思議な色に染まっている。 なにかを懐かしんでいるような、感情の表れの少ない顔は、人形のようですらある。 綺麗だと、ゼロスは思う。 けれど、きっと自分には―――毒、だ。 「……そろそろ僕は行きますね」 唐突にゼロスは言った。 「時間もちょうど良くなりましたし」 「そうか。じゃあな、ゼロス」 「さようなら。ゼルガディスさん、良い休日を…」 にこりと笑って、踵を返す。 コツコツと、部屋の入り口まで歩き、そこで振り返った。 「また、どこかでお会いできるといいですね」 ゼルガディスは、水槽をバックに、それに応えて小さく笑った。 その時の彼等が知るよしもないのだが、本当に、彼等は再び対峙することとなる。 まったく予想もしない形で…… ***** やっとゼロス登場〜。ふぅ。 |
15744 | 初めまして! | 祭 蛍詩 | 2003/12/22 16:07:30 |
記事番号15737へのコメント 初めまして、こんにちは。 祭 蛍詩と書いて『読み逃げ常習犯』と読む者です(嘘ですよー。信じないで下さいねー;) いつも楽しく読ませて頂いてます! にもかかわらずレスしないですみません; 怪盗ものなんですね! 怪盗、好きなんですよ〜vv それと、私はゼルさん至上主義者なので、どうしてもゼルさんを追ってしまうんですが、蛇乃さんのゼルさんはとてもかっこ良くて好きですv かっこいい上に、レゾさんにも、リナちゃんにも、ガウリイさんにもちょっと振りまわされているところも、可愛げがあっていいなぁ、と思います! 今回はゼロス君が出てきましたね。 彼は敵なんでしょうか?(あ、でも敵って事は警察…? ……似合わない…。) もしくは、同業者とか……。 レゾさんとゼルさんがここの所、ほのぼのしていて、見ていて和みますv いや、シリアスも好きなんですけどね。 今後の展開を楽しみにしていますv では、短いですがちょっと急いでいるので、今日はこの辺で! 追伸: S様がエビのお化けに見えた、とおっしゃってましたが、その意見に激しく賛成したいと思います(カニでも可) |
15753 | Re:初めまして! | 蛇乃衣 | 2003/12/24 14:36:31 |
記事番号15744へのコメント 祭様、こんにちは!こちらこそ初めまして! いつも読んでいただけているとは、嬉しい限りです!多謝! 怪盗もの、お好きなのですね。よかった〜。 そしてゼルさん至上主義なのですね!ィヨッシッッ同士だ!!(喜びの度合いが違うぞオイ) 私の書くゼルさん、格好いい、可愛いと思って頂けて光栄です。 好きなキャラはいっぱい書きたい分、如何にカッコカワイク書けるかが不安でもあるので…… ゼロス君はですね、とりあえず敵…といいますか、まあ、味方ではないのです。 原作と似たようなポジション…でもないか。 警察ではないです。(確かに似合いませんよね/笑) 彼は『レゾさんの』元同僚、後輩……といったところでしょうか。 レゾさんとゼルさんの会話、普通に書いているつもりでも、ほのぼのしてしまうのです(苦笑) でも、なかなかヘビーな過去があったりもします。 そのうち、回想っぽいのも出てくる予定です。 う〜ん。この話長いので、早く進めて話の中核に行き着きたいです。 まだ『起』の終わりなんですよ。 行き先不安な話ではありますが、これからも読んでくださいませv それでは〜 |
15754 | 『CIV』― Aquarium 3― | 蛇乃衣 | 2003/12/24 14:43:01 |
記事番号15737へのコメント 「ふぅ〜ん。アクアリウムに行ってたんだ」 それで『これ』なわけね。 心中で納得しつつ、リナは『これ』――イルカ型に型抜きされたゼリーを、口に運んだ。 柑橘類独特の甘酸っぱさが口の中に広がる。 今、彼女が向かい合っているのは、ガラスの器に高々とそびえるパフェである。 「売店に並んでいたので、買ってみたのですよ。味の方はどうですか?」 「おいしーわよ。パフェとの相性もバッチシだしね」 実際、舌の上でとろけるラム酒入りアイスクリームに、コクのあるフレッシュクリーム、 瑞々しく爽やかな甘さの美しくカットされたフルーツ類、そして可愛らしいゼリーの奏でるカルテットは見事なものだ。 「そう言って頂けると、作った身としても嬉しいですね。……機嫌の方は直りましたか?」 「……まあね」 手は休むことなく、クリームを減らしていく。 そっけない返事だが、不機嫌メーターは通常値にまで下がっているのだろうと、レゾは推測した。 なぜリナは不機嫌だったのか? 原因は、いたって簡単である。 今日の昼、例のごとくレストランのメニュー完全制覇をちゃくちゃくと進めていたリナとガウリイだったのだが、 連戦のトリを飾るはずだった『オリジナルロイヤルパフェ』が、品切になってしまったのだ。 「ぬわぁああんですってえぇぇえ!!」 と、リナが店長を締めあ……もとい、ちょっぴり乱暴に抗議したのは言うまでもないのだが、 ないものはない!しかたないでしょう! との店長の命ご……ではなく、必死の反論と、ガウリイのなだめにより、 レストラン殺傷事件は未然に防がれたのである。 帰ってみれば、まるで目に見えるかのように、怒りを発散している少女がリビングを陣取っていて、 『自称保護者』の 「まあ、今度また行けばいいじゃないか。ものは考えようだぞ? クリーム類じゃあ、太りこそすれ、胸が大きくなるわけじゃないんだ。 食べなかった方がよがっゴフ!!」 (途中で途切れているのは、彼の顎にアッパーがきまったからである) というフォローになっていないフォローに、さらに凶悪な顔付きになってしまったので、 事態を好転させるべく、レゾが特大パフェを作ったのである。 ちなみに、ゼルガディスは買った物をしまい、ガウリイは顎を冷やしながらソファに沈んでいる。 「ところでリナさん。先日のネックレスですが、どうするか決めましたか?」 「うんん?」 ちょうど、アイスクリームの大きな固まりにパクついたところだった。 「ほら、オークションがあると言ったでしょう? それに出すのでしたら、いろいろと手続き…みたいなものがありますし、なるべくなら早い方が、と思いまして」 「そっか…そうよねえ…」 口の中の物をゴクリと飲み込んで、リナは曖昧な返事をした。胃の中に、ひんやりとした冷たさがストンと落ちる。 「オークションに出すわ……けど売んない」 『は?』 男三人の声が見事にハモる。 「自分で買うのか?」 「んな明らかに損してどーするのよ、ガウリイ。あたし達は『泥棒』なのよ?」 スプーンをぴこぴこ振りながら、ニィーと笑ってみせる。 ありきたりな例えで申し訳ないが、まさに『悪魔の』笑みである。 「リナ…お前まさか、オークションに出される品物、全部盗み出す気か?」 「やーね〜。ゼルってば。全部だなんて。 まあ、それもいーんだけどね〜。闇オークションって、結構趣味悪いモンもあるじゃない? ミイラとか、誰かの目玉ホルマリン漬け〜とか。そんなん気持悪いだけだし。めぼしい物だけゴッソリ頂くのよ」 「めぼしい物だけ…ね……」 値段にしろ数にしろ、いったいどれほどになることやら。 「なかなか、難しそうですねぇ。うまくいくでしょうか」 そんなことを言いながらも、左右色違いの瞳には、子供が新しい遊びを発見した時のような光がある。 もっとも、子供が持つそれよりも、ずっと鋭く喰えないが。 「スリルは大きい方が燃えるっしょ?」 ウインク一つ。 これで次の仕事は決定した。 ほぼ独断のようなものだが、だれも嫌な顔はしなかった。 仕事をするかしないかは、大抵リナが決めるのだ。 気が乗らなければ降りればいい。強制では、楽しい仕事にはならないのだから。 さて、忙しくなりそうである。 ***** このレゾさんは料理好きです。 そしてうまいのですよ。プロ並みに。 |
15774 | 『CIV』― Dispositions 1― | 蛇乃衣 | 2003/12/27 18:29:25 |
記事番号15623へのコメント グレイワーズ宅三階。 カチャカチャと、キーボードを叩く音が部屋に響く。 リズムカルなそれが途切れると、タイミングを見計らったかのように、扉がノックされた。 「開いていますよ。どうぞ」 答えてから、レゾはコンピューターの画面から、扉へと視線を移した。 「レゾ、ニューヨーク行きの飛行機のチケットがとれたぞ」 入って来たのはゼルガディスだった。 「空港までは地下鉄を使えばいいだろう?」 「そうですね。この街に空港があれば良かったのですけれど……まあ、仕方ありません。 こちらも、うまくいきましたよ」 そう言って、レゾは紙の束を差し出した。 いくつもの写真と文章。 競売品リストをプリントアウトしたものだ。 連なる名前の最後から三番目『青の星座』 ほんの一時間前には、リストには掲載されていなかった。 「意外と楽に入り込めました」 ニコニコと人好きのする笑みを浮かべているこの男が、先程ハッキングして良く似た物と書き換えたのである。 「品物は、会場とは離れたところに保管されていますから。 後は、ネックレスに発信機をつけて、摩り替えるだけです」 「その保管場所っていうのは?」 「詳しい場所は、ディルギアが調べてくれていますよ。 ちょうどニューヨークに住んでいましたし、彼に『協力』していただきました」 ディルギアとは、ニューヨーク滞在中だったレゾに、生き倒れていたところを助けられた男だ。 ゴロツキ同士の喧嘩で負けてしまったらしい。 その後、怪我も治り、レゾに体術と銃の手解きを受けて腕を上げ、 見事その時の相手に打ち勝ち、そこらのゴロツキ達をまとめるまでになったのである。 ――が、バカ高い治療費授業料をネタにされ、 レゾのパシリよろしく働かなければならなくなった、哀れな男でもある。 「……なあ、その摩り替えるときに、盗んじまった方が早いんじゃないか?」 疑問をそのまま口に出す。 「そうですねぇ…何箇所かに分けて保管しているそうですし…それにほら、そうなると」 片方の目を閉じて笑う。一つの青い瞳が、一対の青い瞳を映す。 「派手じゃないでしょう?」 その答えに、ゼルガディスは一つため息をついた。 「あんた…そういうとこ、リナに似てきたよな……」 「……それって、悲しむべきなんでしょうか。やはり」 「さあ、な……」 善悪はともかく、自分が振り回されるのは確だと、ゼルガディスは心の中でうなだれた。 ***** 話に穴が空きそうです…色々と。(元から穴だらけという説も……) レゾさんって、Rezoなんでしょうか。それともLezo? どなたか、スレイヤーズキャラのスペル、教えて下さい。 お願いします〜。 |