◆−すぅさんへ捧ぐ−無限 竜人 (2003/12/7 17:41:39) No.15661
 ┣Re:ありがとうございますー><−すぅ (2003/12/9 19:16:07) No.15675
 ┗すぅさんへ捧ぐ2−無限 竜人 (2003/12/12 20:59:27) No.15688
  ┣Re:ゴキはいやですよね−すぅ (2003/12/15 16:35:24) No.15705
  ┗すぅさんへ捧ぐ3−無限 竜人 (2003/12/23 13:18:09) No.15749
   ┗すぅさんへ捧ぐ4−無限 竜人 (2003/12/27 19:29:43) No.15777


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15661すぅさんへ捧ぐ無限 竜人 2003/12/7 17:41:39


リクエストがあまりにもむづかしかったので……;
学テやパソコンぶち壊れも重なりまくり、こんなに遅くなりました。
 ごめんなさい。

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すぅさんに捧ぐ、という事なので、お持ち帰りはすぅさんのみとなります。
その前に、返品不可能ですのであしからず。 BY無限

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「おばちゃーん! 野菜スープ大盛り二つ追加ねーッ!」
「おばちゃーんっ! 俺はアジのひらきどんぶり三つ!」

 はろー。あたし、リナ=インバース。誰が噂してるか知らないけど、悪事をくじき、正義を助け、美少女で、なおかつ! 天才魔道士たぁあたしのことよ!
 こらそこ! しかめっ面しない!
 んで、そのあたしの前で大飯かっくらってんのが、元光の勇者だけど今じゃ立派なあたしの保護者。ガウリィ=ガブリエフ。

「おいおい、聞いたかよ……また出たんだって?」
「あ、ああ。聞いたぜ。今度は隣村に出没したらしい……」

「はむっ……?」
 
 あたしは、隣のテーブルに座った、やけに辛気臭い顔した青年たちの会話に、聞き耳を立てた。
 
 ――ふ。あたしのなかに流れる商売人の血が騒ぐ!
 なんの話だかぁしんないけど、これは間違いなく、金になるわ!
 そしたら! ここの町長にでも無理やり……!

「なんでも、おかっぱで、ゴキブリな後姿をした……」

 ぶぷぶぶぅっ!

 …………はい。良い子は聞かなかったことにしようねv

「おいっ! リナ汚ぇぞ!」
「あ、ごめん……」

 前に座ったガウリィの顔には、あたしがふき出した野菜スープのキャベツさんが、ぺっとりと張り付いていた。

「リナ……、と申されましたかな?」

 びくびくびくぅぅっ!

 呼びかけられ、振り返りざま。あたしは口元に両のこぶしを持っていき――

「いいえ、違いますぅv あたし、マリエンヌって言いますぅv」
 しなそを作る。
「ヲィ。リナ、気持ち悪いぞ」

 ごずっ。

 要らん事言いのガウリィは、あたしの可愛らしい『インバース・スペシャル・サンダー・エルボー』を喰らっておとなしくなった。

「いやいや。自分の名が、『ドラまたで盗賊殺しで月からの使者で破壊の帝王で魔族以下で、あの! リナ=インバース』と同じだからといって、なにも恥じる事はない」

 ぴぴぴくくぅっ!

 こ、こひつっ! おじーちゃんでなければ張った押してやるのにっ!

 そう。あたしに話しかけてきたのは、年のころなら60後半、髪も真っ白になったよぽよぽのおじいちゃんだったのだ。

「時におぬし……この町で起きている事件をご存知かな?」
「……いいえ」

 一拍置いた上で、答えを返した。
 あたしの知る限り。――定石なら、このほうがカッコいいから、ではなく、仕事を持ちかけられるからだ。
 無論、即答で断るが。
 あんなこと言われて、ほいほい仕事が請けられますか!

「報酬は金貨30枚……」
「さんぢうっ!?」

 け、決しておいしくない額ではない。
 思わずいすから立ち上がる。
 だが、仕事内容はその金額に見合ったもののはず。危険な仕事なのだろう。
 
 あたしの顔が険しくなったことを察してか、おじいちゃんはにっこり笑った。

「なぁに、仕事内容は、『ゴキブリ退治』じゃよ。」

 ざわあわあああああっ! 体中に寒気と鳥肌といやなものが押し寄せる!

「お断りしますっ!」

 ゴキブリ。茶色のツヤツヤぼでぃーがたまらなく嫌。
 女性の天敵。
 あのカサカサカサとかいう足跡と、叩こうとするとぶびびびびっ! とあたしたちの方へ飛ぶ羽音! 極めつけは、『一匹いりゃ百匹いる』。その繁殖力。

 昔。故郷の台所でこいつを仕留め損なったとき、ねーちゃんに向かってゴキブリもう突進。
 顔に張り付き、怒ったねーちゃんにあたしがどんな目にあったと思う!

「そうかのう。前金30、成功すれば50、なんじゃがのう」
「ヤリマス」
「お、おいリナ!?」
「おお、やってくれるか!」

 はっ! しまった! つい目先の金額に負けて……!

 おじいちゃんが微笑むときにゃもう遅い。
 あたしは、引けないところにきているのだと悟った。
 手渡された、皮袋の、重みを知って……

 続く。

予告

 さぁてどうなるゴキブリ退治!
 目先の金に負けてうなずいたリナ。
 コックローチなんぞに負けるなリナ!
 
 ゴキブリホ○ホイなんぞ仕掛けながら待て!

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15675Re:ありがとうございますー><すぅ E-mail URL2003/12/9 19:16:07
記事番号15661へのコメント

こんばんわー
無限さん、ありがとうございますー
>「なんでも、おかっぱで、ゴキブリな後姿をした……」
ぇ?これってゼ・・・ゲフゲフ(ぇ
次を楽しみにしておりますね!
であ、すぅでしたー

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15688すぅさんへ捧ぐ2無限 竜人 2003/12/12 20:59:27
記事番号15661へのコメント


すぅさんに捧ぐ、という事なので、お持ち帰りはすぅさんのみとなります。
その前に、返品不可能ですのであしからず。 BY無限

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「さあ行けガウリィ! 世界のみんなが待ってるかどうかは知らないけれど。
 あたしはとっても待っている!
 君が完膚なきまでにごっきぃをやっつけ、颯爽と帰ってくる様を!」
 ばしばしばしばしんっ! 怪訝な顔をするガウリィを無視して、あたしはガウリィの背中を叩きまくる。
「なぁリナ。これってよぉ、お前が受けた仕事だろ?」
 ちっちっち。あたしは人差し指を振って。
「あんたはあたしの何?」
「保護者。」
 きっぱりと答えてくれる。んー、期待を裏切らないヤ・ツv
「だったらぁ。あたしの嫌がることもやってくれちゃうv ってぇのが、立派な保護者の第一歩ってぇもんよ」
「……俺、突き放すのも親だと思うぞ」
 舌先三寸丸め込み攻撃がここにきて破られるとはっ!
 あなどりがたし、ガウリィ!
「あはー。そんなことはどーでもいーからv
 早くさっさとやっつけてぇええええええええええええええっ!」

 あたしはささっとガウリィの後ろに回りこむ!

「てぃっ!」
 べちっ。ガウリィの気合とともに(ぢつは気合入ってる?)、丸めた紙筒にチャバネゴキブリのでろでろが張り付く。

 ざわわわわっ。身の毛もよだつとんでもねぇ感覚。

「うひー。やっぱしあたしが叩かなくて良かったぁぁぁぁあぁあああっ!?」
「リナ後ろだ!」
「いやぁあああああああっ!」

 ばみっ! むなしくあたしの一撃は壁を叩くに終わった。
 逃がしたごっきぃは飛ぶ方向を変えて、ガウリィに突っ込む!
「ふっ。おろかな!」
 まるっきし悪人のようなせりふを吐くあたし。
 だが、ガウリィに突っ込むだなんて、おろかな行為以外なにものでももないことは。先刻承知の上での発言であることを書いておく。

 続く。

 変なところでおわってごめんなさい;;

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15705Re:ゴキはいやですよねすぅ E-mail URL2003/12/15 16:35:24
記事番号15688へのコメント

こんにちわー
うお、ゴキブリですかー
ゴキブリといえばゼロス
ゼロスといえば・・・災難・・・?(ぇ
とりあえず、ガンバってつぶそー
それしか手はないのです(ぇ
まあ、ドラ・スレとかやったら一発で終わるけど・・・
そんなことできないと思うし(笑)
まあ、ガンバレ、明日のゴキの未来は君にかかっている!(ぇ
ゴキへのいんたびゅー
ゴキその1:ヽ(`д´)ノ
ゴキその2:○| ̄|_
ゴキその3:(´・ω・`)
ゴキのそ4:  /
       ○ /
       |
      /|
キャーーーーー
とのことでふ
であ、すぅでした

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15749すぅさんへ捧ぐ3無限 竜人 2003/12/23 13:18:09
記事番号15688へのコメント

すぅさんに捧ぐ、という事なので、お持ち帰りはすぅさんのみとなります。
その前に、返品不可能ですのであしからず。 BY無限

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べしっ! べちっ! ずぱぱぱぱーんっ!

 ガウリィが手にした紙筒が鮮やかに翻り、数十匹のゴキブリを殲滅する!
「おし行けガウリィ!」
 あたしは、金属でできた背の高いクーラーボックスの上から、声を張り上げる。
「をうよ! って……をい! お前だけ避難するなよ!
 一緒に叩け!」
「いやよ。」
 あたしはきっぱりと答え、腸を出したゴキブリたちの惨劇を直視しないように、手で目をおおい、
「んな気色悪い!」
 すぱんっ! ぱしっ。
 ガウリィの頭めがけて代わりの紙筒を投げつける。
「それで叩きなさい。もうそれ、へろってて使い物にならないでしょ?」
「お、おう」
 なにやら解せぬ声を返してくるが、無視しよう。

 ――そして。新しくなった紙筒を手にしたガウリィが、全部のゴキブリを殲滅したのはほどなくしてだった。

「いやぁ〜。こんなに貰っちゃってv んふふふふv」
 あたしは報酬で重たいお財布を片手に、笑いが止まらなかった。
 街道を東に――ペラザウラシティに行こうと、町を出て歩き出していた矢先。
「リナ」
「ガウリィには後で夕飯おごってあげるから」
 不機嫌そうに肩を叩いてくるガウリィの手を払う。
「リナ」
「なによ!?」
 振り返ると。
「敵だ」
 小さく耳元で告げられる。
「!?」

 あたりを探れば、敵意が……ざわざわとにじみ出ていた。

「出てきなさい! わかっ」
「そうだぞ! リナの攻撃呪文でぶっ飛ばされる前におとなし」

『ぅぃぎゃああああああああああ!?』

 あたしとガウリィは同時に悲鳴を上げていた。

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15777すぅさんへ捧ぐ4無限 竜人 2003/12/27 19:29:43
記事番号15749へのコメント

すぅさんに捧ぐ、という事なので、お持ち帰りはすぅさんのみとなります。
その前に、返品不可能ですのであしからず。 BY無限

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 恐ろしきは生命力。
 儚きは人間の精神。
 恐怖の幕開け。

『ぅぃぎゃああああああああああ!?』

 あたしとガウリイが目にしたのは、恐ろしきかなゴキブリの大群!
 その数無数! 森のざわめきはこいつらであった!

「どどどどどどうにかしなさいよガウリイ!」
「無茶言うな! 全部叩けるなら苦労はしないさ!」
 ガウリイの背に隠れ、じわじわと包囲網を狭めてくるゴキブリに、あたしは鳥肌をたてまくる。
「そ、そうだわっ! 森ごと焼き払えばいいのよ!」
「よ、よし! それいけ!」
 あたしは急ぎ呪文を唱え。
『火炎球』
 ぶっ放す。
 ぶ放し続ける。

 めらめらぼうぼう。
 
 何時しか辺りは炎に包まれ。あたしたちの肌を焼いていた。
「あれ?」
「リナぁああああああっ!」
「あ。あわてずさわがずれび・てーしょん」
 ふよん、とガウリイを連れて浮き上がる。
 炎は、町をも焼いていた。
「あ、あっちゃぁ〜」
「どおすんだ……」

 あたしはしばし考え――レビ・テーションをレイ・ウィングに切り替える。

「ゴキブリはもう出てこないでしょv
 逃げるが勝ち!」
「おいおい。大本をなくしてどーすんだ!」
「なに? 犯罪者になりたいの?」
 落とすわよ。という意味合いを込めて。
「いいです」
 ガウリイはしぶしぶといったようにうなずいた。


「ふふふ。やっぱしおもしろかったv」

 マントを風にはためかせ、燃える家の屋根にすわり、笑う影が一匹。ゴキブリの名は、この魔族にこそふさわしい。

 おわり。