◆−スレイヤーズで忠臣蔵やります。−R.オーナーシェフ (2003/12/14 14:22:26) No.15698 ┗Re:スレイヤーズで忠臣蔵やります。−無限 竜人 (2003/12/14 15:00:45) No.15702 ┗Re:スレイヤーズで忠臣蔵やります。−R.オーナーシェフ (2003/12/17 23:11:57) No.15715
15698 | スレイヤーズで忠臣蔵やります。 | R.オーナーシェフ | 2003/12/14 14:22:26 |
おのおの方。日本人ならば、12月24日の前に、12月14日を忘れてはなりませぬぞ。 ************************************** 時は元禄14年、3月14日。春の江戸には文化が花開き、城では朝廷の勅使を迎え、その饗応のために上を下への大騒ぎであった。その饗応役に任ぜられたのは播州赤穂藩主、浅野内匠頭リナ。リナの指南にあたるのは高家筆頭の吉良上野介ナーガ。そんでもって、皆さんご存知の、殿中松の廊下・・・・・・・ 「ぬわぁんですってぇ!?もう一回言ってみなさいよ!!」 「ほーっほっほっほっほっほ。何度でも言ってあげるわ。ぺちゃぱい!胸無し!大草原の小さな胸!」 「このっ」 リナが刀に手をかけた。 「ほーっほっほっほっほっほ。なにかしらこの手は。ほっほっほ。抜けないわよねぇ。抜けるものなら抜いてみなさいよ。この、え・ぐ・れ・む・ね!!」 ぶちっ 「ふっふっふっふっふ。いいわよ。分かってるわよそれくらい。刀は抜かないもん。」 リナは完全に目がすわっていた。 「リナ?ちょっとリナ?あのリナちゃん?」 「ドラグスレイィィィィィィィィィィィィィブ!!!!」 「うきゃあああああああああああああああああ」 江戸、大火。 火事と喧嘩は江戸の華ってねえ。実はリナのせいだった・・・・? 火事は何とかおさまり、事の次第は将軍に報告された。五代将軍ルナに。ペットのスポットという犬(?)をあまりにかわいがるものだから、ついたあだ名が犬公方。 「リナのやつぅぅぅぅっ!今度という今度は許さないわ。このあたしの風邪を肺炎にするだけじゃなく!城の中でぶっぱなすなんて!!切腹よ。せ・っ・ぷ・く・よ!!」 側では介錯のための刀を水で清め、リナの目の前には形式に従い、穢れなき真っ白な紙に巻かれた短刀が置いてある。後ろの屏風の上からは、静寂の中、暗闇にかすかに射す月光の中で、桜が舞を舞う。 「さあリナさん。ずぶっといってちょうだい。そしたらこのあたしがずばあああああああああああああっと介錯してあげるから。ずばあああああああああああああっと。」 そう言って、せっかく清めたのに刀をうれしそうになめなめしているのはレミーしゃんだった。 「さてリナさん・・・って、あれ?」 リナはいなかった。代わりに短冊が置いてあった。辞世の句を詠むためのものである。レミーはそれを拾い上げた。 「えっと・・、『姉ちゃんお願い許してぷりぃず』」 そして、介錯人は叫んだ。 「斬りたかったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」 「何?リナが切腹?」 知らせは国の家老、大石ガウリイにも届いた。おバカで脳みそヨーグルトな彼は、役に立たないものの例えとして“昼あんどん”などとあだ名がつけられていた。だがさすがにこれには応えた。 赤穂城はゆれにゆれた。君主に従い殉死するか。城明け渡しを拒み一戦交えるか。大人しく明け渡すか。それとも・・・・・ 「何をみなさん軟弱なこと言ってるんですか!?正義の名の下に、討ち入りあるのみ!!吉良の首を取れぇぇっ!!」 そう言うのは強硬派の堀部アメリア。 「そうだな。だいたい討ち入らなきゃ嘘だろ。ストーリーが成り立たん。」 ミもフタもないことをいう不破ゼルガディス。 「おし。じゃあ討ち入り決定。」 『早っ。』 BY藩士一同。 「いいのかガウリイ。そんなあっさり決めちゃって。」 ゼルが言った。 「だって、考えるのは俺苦手だし。」 さて、間いろいろすっとばして、元禄15年12月14日。アメリア、ゼルガディス、その他大勢合わせて四十七士はそば屋の二階に集まっていた。もちろんガウリイも・・・・・・・・・ 一階でふつーにそばを食べていた。 「あれ?今日だっけ?」 ずだだだだだだん 階段からおっこちるアメリア、ゼルガディス。 「そのアクションは新撰組の池田屋事件だろ。時代が違うぞ。」 「何でそんなことは覚えてるんですか。早く来てください。」 「そうだぞ。NHKは来年やるし。テレ朝深夜で魔竜王ガーヴの声のあの人だって今副長の土方歳三役やってるし。」 「関係ないですよ。ゼルガディスさん。お二人とも、実はこの役楽しんでいるでしょ。」 『おう。』 「アメリアは本気みたいだな。」 とガウリイ。 「だって。すばらしいじゃないですか!!まさしく、正義の話じゃないですかっ!!なんて、なんてすばらしいっ!!」 こぶしを握り締め、今の自分の役に感動して目をうるうるしてるアメリアだった。 そして、本所深川。吉良邸。しんしんと、雪が降り続いていた。 ガウリイは振り返った。 「各々方、討ち入りでござる!合言葉は『山』、『川』」 そこまでいって、ゼルガディスが口を挟んだ。 「なあガウリイ。ガウリイ自身は、合言葉なんて覚えられるのか?」 「いや。無理。」 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』 BY四十七士。 「と、とにかく、討ち入りでござる。」 そういってガウリイは、すっと合図して二手に分け、半数を裏門へ走らせた。 「吉良は、吉良はまだ見つからんか?」 ガウリイは側のものに尋ねた。 「まだ見つかりませぬ。」 やがて、吉良発見の呼子がピィィィィィィィィと響き渡った。 ガウリイたちはその方向へ走った。 そこは米俵を置いてある小屋だった。 「寝室の掛け軸が風で動いてたんです。しらべてみるとそこにはやはり抜け穴が!たどり着いたのがここです。」 アメリアが力を込めて言った。 「ふっ。パターン通りだな。」 そう言ってゼルは小屋の戸を開け放った。 『わああああああああああああああっ』 中から刀を手に飛び出してくる吉良家の者たち。だが、あっさりゼルとアメリアに倒される。小屋へ踏み込む二人。 「いない!いないぞ!そんなバカな。いるだろ。忠臣蔵なら普通。」 「王道を無視するなんて・・・・・さっすがグレイシア姉さん!!」 「そういう問題じゃないだろ。でもどこへ・・・・・」 そうガウリイたちがとまどっていると・・・ 「ほーっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほ」 四十七士はざわざわとざわめいた。 「いたぞ!」 誰かが叫ぶ。その方向を見ると、いた。吉良邸の屋根の上の一番高い部分。そこで腰に手を当て、江戸の風情や時代設定を完全に無視しまくった露出度高い悪の魔道士ルックで高笑いをしていた。 「高いところにいたから吉良は見つからなかったのか。本物も・・・・」 ガウリイが言った。違います。きっと。 「ファイヤーボール」 ばごおぉぅん 「うきゃああああああああああ」 転げ落ちる吉良上野介ナーガ。攻撃呪文が放たれたほうを振り返れば・・・・ 『り、リナ!!』 「ふっふっふっふっふっふ。あたしはね、復讐は自分でやる主義なのよ!!」 そういって手をぼきぼき鳴らす。完全に目はイってしまっていた。 「おいリナ落ち着け!」 「そうですよリナさん。ストーリーめちゃくちゃじゃないですか!」 「り、リナ?あのリナちゃん。リナちゃん助けて・・・・」 何かぶつぶつ言いながら、なぜか生きていた浅野内匠頭リナは赤穂浪士たちの中を通り過ぎた。その時、ゼルはリナのつぶやく言葉を聞き逃さなかった。 「・・・・時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において・・・・・・・」 「みんな伏せろおおおおおおおおおおおお」 「ドラグスレィィィィィィィィィィブ!!!!」 江戸、また大火。 江戸時代は本当に火事が多かった・・・。 「り、リナ・・・・・・・・。またやったわね・・・・・。」 その声に固まって、ぎぎぎとリナは振り返った。 「ね、姉ちゃん!!それにスポットまで!!」 「ディルギアだ!!それにな、この時代の俺様は“お犬様”だぞ。」 「ワーウルフのプライドは捨てたか。ディルギア。」 とゼル。 「ほっとけ。」 「うるさいわね。」 ルナに蹴飛ばされるスポット。 「きゃいんきゃいん。」 だが、喜んでいた。かわいがってるのかな・・。これは・・。 「さてと。」 ゆっくりと、リナたちのほうを振り向き、突き刺すような目で見つめた・・・。 「全員切腹。」 浪士たちは一歩二歩と後ずさり・・・・・・・ 『嫌あああああああああああああっ。姉ちゃん許してええええええええええええええええ』 みんな逃げていったとさ。 おしまい。めっちゃくちゃな忠臣蔵でした。 ************************************ 途中迷いながらかなり時間をかけて書いた「赤の竜神の騎士V」と違い、めちゃいい加減にちょちょいのちょいで書いてしまいました(四十七士に失礼だったかな・・・)。 赤穂のお城のシーンで、史実ではもっと揺れて、最終的には死を覚悟した血判状によって大石が皆を一つにまとめる、という流れになります。それから凄腕剣士堀部安兵衛は確か、まだ江戸にいたんだっけ。一応念のため。剣士といったらガウリイだけど、一直線な人っぽいのでアメリアにしました。 また、『姉ちゃんお願い許してぷりぃず』は、本当は・・ 風さそふ 花よりもなほ 我はまた 春の名残を いかにとかせむ だそうです。春の名残を、ってあたりが無念そうで、赤穂の人たちは涙したんでしょうね。 そして、大石内蔵助は・・ あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし 彼らの一生は、太いけど短いものでしたが(高齢者もいたようですけど)、やはり人間は最後にこう言える一生でありたいものだなと思いました。多分、スレイヤーズに通じるのではないかなと、そんな気がします。 何で江戸時代に攻撃魔法が飛びかうんだろうか・・、とか、そんなつっこみは無しね♪ |
15702 | Re:スレイヤーズで忠臣蔵やります。 | 無限 竜人 | 2003/12/14 15:00:45 |
記事番号15698へのコメント はじめまして! だと思うのですが……無限と申します。 >おのおの方。日本人ならば、12月24日の前に、12月14日を忘れてはなりませぬぞ。 >************************************** >時は元禄14年、3月14日。春の江戸には文化が花開き、城では朝廷の勅使を迎え、その饗応のために上を下への大騒ぎであった。その饗応役に任ぜられたのは播州赤穂藩主、浅野内匠頭リナ。リナの指南にあたるのは高家筆頭の吉良上野介ナーガ。そんでもって、皆さんご存知の、殿中松の廊下・・・・・・・ >「ぬわぁんですってぇ!?もう一回言ってみなさいよ!!」 >「ほーっほっほっほっほっほ。何度でも言ってあげるわ。ぺちゃぱい!胸無し!大草原の小さな胸!」 >「このっ」 >リナが刀に手をかけた。 うーみゅ。リナにはたまらないメンタルショック。 >「ほーっほっほっほっほっほ。なにかしらこの手は。ほっほっほ。抜けないわよねぇ。抜けるものなら抜いてみなさいよ。この、え・ぐ・れ・む・ね!!」 せめて洗濯板でお願いします。 >ぶちっ >「ふっふっふっふっふ。いいわよ。分かってるわよそれくらい。刀は抜かないもん。」 >リナは完全に目がすわっていた。 >「リナ?ちょっとリナ?あのリナちゃん?」 >「ドラグスレイィィィィィィィィィィィィィブ!!!!」 >「うきゃあああああああああああああああああ」 をおうっ! すばらしい華が咲きましたな! >江戸、大火。 >火事と喧嘩は江戸の華ってねえ。実はリナのせいだった・・・・? ありえない、と言い切れない所がリナの恐ろしいところですかね。 >火事は何とかおさまり、事の次第は将軍に報告された。五代将軍ルナに。ペットのスポットという犬(?)をあまりにかわいがるものだから、ついたあだ名が犬公方。 ルナさん犬公方!?煤i゜△゜) >「リナのやつぅぅぅぅっ!今度という今度は許さないわ。このあたしの風邪を肺炎にするだけじゃなく!城の中でぶっぱなすなんて!!切腹よ。せ・っ・ぷ・く・よ!!」 は、肺炎……そういえばそんな事もありましたねー。 >側では介錯のための刀を水で清め、リナの目の前には形式に従い、穢れなき真っ白な紙に巻かれた短刀が置いてある。後ろの屏風の上からは、静寂の中、暗闇にかすかに射す月光の中で、桜が舞を舞う。 >「さあリナさん。ずぶっといってちょうだい。そしたらこのあたしがずばあああああああああああああっと介錯してあげるから。ずばあああああああああああああっと。」 >そう言って、せっかく清めたのに刀をうれしそうになめなめしているのはレミーしゃんだった。 また嫌な解介錯人で……; >「さてリナさん・・・って、あれ?」 >リナはいなかった。代わりに短冊が置いてあった。辞世の句を詠むためのものである。レミーはそれを拾い上げた。 >「えっと・・、『姉ちゃんお願い許してぷりぃず』」 >そして、介錯人は叫んだ。 >「斬りたかったのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」 またお決まりな……い、嫌だなぁ……;; >『り、リナ!!』 >「ふっふっふっふっふっふ。あたしはね、復讐は自分でやる主義なのよ!!」 >そういって手をぼきぼき鳴らす。完全に目はイってしまっていた。 >「おいリナ落ち着け!」 >「そうですよリナさん。ストーリーめちゃくちゃじゃないですか!」 >「り、リナ?あのリナちゃん。リナちゃん助けて・・・・」 >何かぶつぶつ言いながら、なぜか生きていた浅野内匠頭リナは赤穂浪士たちの中を通り過ぎた。その時、ゼルはリナのつぶやく言葉を聞き逃さなかった。 >「・・・・時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において・・・・・・・」 >「みんな伏せろおおおおおおおおおおおお」 > >「ドラグスレィィィィィィィィィィブ!!!!」 > >江戸、また大火。 >江戸時代は本当に火事が多かった・・・。 そして消すのは大変だった……;; >「り、リナ・・・・・・・・。またやったわね・・・・・。」 >その声に固まって、ぎぎぎとリナは振り返った。 >「ね、姉ちゃん!!それにスポットまで!!」 >「ディルギアだ!!それにな、この時代の俺様は“お犬様”だぞ。」 >「ワーウルフのプライドは捨てたか。ディルギア。」 >とゼル。 >「ほっとけ。」 ないすな突っ込みですな。 >「うるさいわね。」 >ルナに蹴飛ばされるスポット。 >「きゃいんきゃいん。」 >だが、喜んでいた。かわいがってるのかな・・。これは・・。 >「さてと。」 >ゆっくりと、リナたちのほうを振り向き、突き刺すような目で見つめた・・・。 >「全員切腹。」 >浪士たちは一歩二歩と後ずさり・・・・・・・ >『嫌あああああああああああああっ。姉ちゃん許してええええええええええええええええ』 >みんな逃げていったとさ。 みんな逃げます。そしてあたしも……そそくさ >おしまい。めっちゃくちゃな忠臣蔵でした。 楽しかったです! そういえば、昨夜はも○ツアでやってましたねー。 ……よけいな突っ込みでしょうか。 それでは。これにて失礼します。 |
15715 | Re:スレイヤーズで忠臣蔵やります。 | R.オーナーシェフ | 2003/12/17 23:11:57 |
記事番号15702へのコメント どうも。はじめまして。無限さん >せめて洗濯板でお願いします。 それも十分ひどひと思ふ。 >をおうっ! すばらしい華が咲きましたな! スレイヤーズはこうじゃないとね。 >ルナさん犬公方!?煤i゜△゜) 犬で連想しました。 >また嫌な解介錯人で……; レミーしゃんしかいないでしょう。やっぱここは。確かに嫌ですけどね。 > ないすな突っ込みですな。 この辺はラジオドラマの影響もあるかな。犬にとってはいい時代でした。だからスポットは出したかったんですね。 >楽しかったです! そういえば、昨夜はも○ツアでやってましたねー。 みましたよ。NHKの「その時歴史が動いた」もね。両方きっちりと。忠臣蔵のドラマは今年はやらんのか・・・。 >それでは。これにて失礼します。 ありがとうございました。 |