◆−五大魔族と五人の部下達in神魔戦争−遙 琥珀 (2004/1/24 13:54:06) No.15901
 ┣第百十八話:壊れた人形−遙 琥珀 (2004/1/24 13:58:04) No.15902
 ┣第百十九話:犠牲−遙 琥珀 (2004/1/31 20:49:26) No.15937
 ┃┗超お久しぶりです。−青月 彼方  (2004/2/1 13:17:45) No.15939
 ┃ ┗おひさです〜♪−遙 琥珀 (2004/2/2 09:39:56) No.15940
 ┗最終話:遠く…−遙 琥珀 (2004/2/2 09:45:16) No.15941
  ┣お疲れ様でした−GURE−TO MASA (2004/2/2 12:52:36) No.15942
  ┃┗いえいえ。−遙 琥珀 (2004/2/4 14:20:21) No.15948
  ┣おしまいですか……−カイ・ソリュード (2004/2/2 14:54:29) No.15943
  ┃┗長い間ありがとうございました!−遙 琥珀 (2004/2/4 14:22:25) No.15949
  ┗長い間お疲れ様でした(私+アルファ一同)−煌天由亜+アルファ (2004/2/2 23:30:42) No.15944
   ┗ありがとうございました!−遙 琥珀 (2004/2/4 14:27:23) No.15950


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15901五大魔族と五人の部下達in神魔戦争遙 琥珀 E-mail 2004/1/24 13:54:06


琥珀:とうとうラスト三話ー!
フィアナ:遅いぞー!(汗)
琥珀:…やっと終わるんだね…と、少ししみじみしてみたり。
フィアナ:どうなるんだろうね…結局…
琥珀:これが終わったら…翔さんとの合作以外では、もうフィアナやライアナとはお別れなんだな…
   …と、少々寂しかったり。
フィアナ:私は清々してるが。
琥珀:酷!

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15902第百十八話:壊れた人形遙 琥珀 E-mail 2004/1/24 13:58:04
記事番号15901へのコメント

本当に壊れてしまっている。
間違って組み立てられてしまっている。
「…………」
フィアナは、暗い表情で考えていた。
一度間違って組んだパズルは、バラバラにしてやらないと直せない。
いつか戻るかも、などという甘い幻想にしがみつくのではなく、敢えて崩してやった方がいいのではないだろうか。
甘い幻想。
叶わぬ理想。
それは、やがて妄想と成り果てる。


―――――――――――――――――私の所為だ。
                       何もかも…そう…全て…―――――――――――――――――



ぷつん。

フィアナは、理性の切れる音を聞いた気がした。
「っあああああああっ!!!」
もう、どうでも良かった。
ロード・オブ・ナイトメアも、フレアドラゴンも、ルビーアイも…シンゾクも、マゾクも。
何もかもがどうでも良く思われた。
「…バーサク!?」
ぎょっとした様な声で言うアークロンド。
「ウソ!お姉サンにバーサク反応が見られた事なんて、一度も…!」
「…あのー。御混乱の所申し訳御座いませんが」
棒読みの敬語と共に、とんとんアークロンドの肩を突っつくフィブリゾ。
「バーサクとはなんぞや」
「…狂戦士化の事を指します〜…神族ではさして珍しい現象では無いのですが〜…」
アークロンドは、少しどもりながら説明を始めた。
「理性が吹き飛び〜…感情や衝動のみで行動する様になります。
 …思考が超短絡的になるんですね」
「…神族って…やっぱりヘン…」
魔族にはその様な現象は余り見受けられない。
彼等にとって『自分を失う』というのは余り好ましい事態では無いからだ。
「…なんというか〜…そういう風に出来ているんです。神族は」
アークロンドは、少し顔を伏せた。
「…魔族と違い、神族には『生の本能』があります。
 どう考えても勝てない闘いに面すると、やはり〜…少し〜…
 …狂戦士化すると〜…理性が無くなりますので…生も、死も…どうでも、良くなりますよね〜…」
「…敵前逃亡防止…か…」
「…はい〜…
 …ですけど〜…お姉サンは、バーサクしたこと無かったんですよね〜…
 彼女の両親が彼女にそういう遺伝子を与えなかったもの…と見なされていまして〜…
 よって、彼女が…職場で〜、実務から事務に遷りたいと申し出た時も、あっさり許可が出たのですが〜…」
「…あったんだね?バーサク遺伝子」
「…はい…どういう訳か…
 何故お姉サンが今までバーサクしなかったのかは…
 ……………………………………………………………………………………………
 温厚だったからでしょう」
「…………」
アークロンドは、小姑(予定)に気を遣って言った様だが、あれは既に温厚通り越して『マイペース』。
フィブリゾは、敢えて突っ込まずにおいた。
「…ど〜しましょ…
 正確な判断出来なくなったら…お姉サンヤバいかも…」
元々ライアナの方がフィアナより強いのだ。
フィアナが勝っているのは神術の種類と移動速度、あとは精神世界面からの攻撃に対する耐久力くらいのものである。
「…接近戦に持ち込まれちゃったら、正直勝てないですよ…
 ああ、なんでこんな時にバーサクしちゃったんだろう…今までこんなこと無かったのに…」
ぶつぶつと呟くアークロンドに、呆れた風な目を向けるフィブリゾ。
「とにかく…
 今までがどうだろうと、今、現にあーなっちゃってるんじゃない」
「…そ…そうですよね…」
こくこく頷くアークロンド。
「…予定なんか、アテになりませんからね…正直」
沈痛な表情で言う。
「…そうだよ、アテにならない」
フィブリゾが、小さな声で呟いた。
「運命だって所詮は予定さ。
 どうなるかなんて解らない。
 …フィアナが勝つか負けるかなんて、解らないさ」
フィアナにしては不本意だろう。
自分が理性を失っている間に着いた決着など。
認めたくないに違いない。
認められないに違いない。
しかし、こんな機会でも無いと―――――――――――…
「…ヤバい…」
口を押さえ、アークロンドが呟いた。
「何が?」
「止めて!正気に戻して!」
叫ぶ彼。
「えっ…」
「フィアナさんが正気を失った状態では意味が無いんです!この闘いは!」
アークロンドが、フィアナを名前で呼んだ。
「このまま続けて、フィアナさんが勝った場合…
 正気に戻った瞬間、彼女の心が崩壊します」
「…そーか…」
逃げることは許されないのだ。絶対に。
「…って言っても。
 正気に戻すったって、どうするのさ。」
「…えっと…それは…」
「…ダメダメだね。」
フィブリゾは、ふっ、と退廃的に笑った。

びちゃっ!

「!」

ぼたぼたぼたっ!

不意に、真っ赤な血の雨が降り注ぐ。
「なっ、何!?」
全身に血飛沫を浴び、軽いパニックに陥るダルフィン。
「ああ…」
顔に飛び散った飛沫を拭いもせず、溜息を付くフィブリゾ。
飛沫は、勢いを弱めつつも降り続いている。
「…上空戦の時は注意してほしいなぁ」
…つまりが、どちらかがかなり大きな傷を負ったということである。

べちゃん!

フィブリゾの足下に何かが落下してくる。
「何!?」
「…………」
よいしょ、とそれを拾い上げるフィブリゾ。
その目にはなんだか怪しい光が灯っていた。
冥王は、それを自分の顔の高さまで引き上げると、
「フィアナの腕(左)。肘の関節砕かれたらしひ。」
彼がそう言うと同時に、原子レベルにまで分解された左腕は、耳障りな音と共に大気に溶けて消えた。
「…………」
フィアナの表情が変わる。
きーん…と、軽い耳鳴り。
「……っ…」
フラッシュバック。




『きゃあっ!?』

じゅあっ!

『おねーさま!?』

とたたたたっ…

姉の悲鳴に、妹が駆けてくる。
『おねーさま!?おねーさま!?』
石畳の上に転がる姉。
その横で割れている何かの瓶。
辺りに液体が散らばっている。
『入るな!』
姉の叱咤に、びくっと震える。
『…あ…ごめん…』
フィアナは、不意に我に返った様に、口調を和らげた。
『…ライア、もう十二時回ってるぞ』
『だって、おねえさまが…』
『私は大丈夫だから。ね。』
『…………』
フィアナは、にこっと笑い、右手でライアナを抱え上げた。
『どこかいたくしたんじゃないの?』
『大丈夫大丈夫』
姉は、朗らかに笑った。
『私は丈夫に出来てるから♪』
『…………』

フィアナは、ライアナを自分の部屋に連れて行ったあと、研究室に戻った。
『う…』
そして、左腕を見る。
焼け爛れ、骨が少し見えていた。
我ながらよく耐えられたものだと思う。
しかし、このままだと実験ができない。
治療していたのでは時間が掛かる。
火傷はとにかく後々まで尾を引く。
『…再生…させるか』
再生させるなら、傷口に付いた肉片や骨片は邪魔である。
『…………』
フィアナは、傍にあったハンカチを丸めて、自分の口に詰め込んだ。
声を上げない様に、舌を噛まない様に。
側に置いてあった、薪割り用の手斧。
これなら充分だろう。
フィアナは、腕をテーブルの上に乗せた。
肘関節で切断すれば充分だ。
フィアナは、軽く刃先を肘関節にあてがう。
『…………』
呼吸を整え、手斧を振り上げ…
一気に、振り下ろした。




「…………」
耳鳴りが止まった。
腕を失ったショックで、過去に経験したことが還ってきたのだ。
「…をいをい…」
顔を歪めるガーヴ。
流石に神族なので、腕の一本くらい堕ちてきた所で命の心配はしない。
が…
フィアナは、腕を再生させるでもなく、利き手とは逆の腕でレイピアを持っている。
「腕切断二回目。
 …いえ…三回目でしたっけ?」
くす、と笑うライアナ。
「実験中に失敗して、腕が焼け爛れちゃって。
 お姉様、自分で腕切り落として再生させたでしょ?」
「…早く寝ろと言ったのに…見てたのか…」
フィアナが呟いた。
「!」
「戻った!元に戻ったよ!」
「…………」

びりり。

自然に、もう無い左側の袖が破ける。
細い包帯状になったそれが、勝手に空中をふわふわ動き…きゅ、とフィアナの左腕を止血した。
念動力というヤツである。
「…………」
フィアナは、無表情のまま、左手のレイピアを妹に向けた。
言葉はない。
「再生させないんですか?前みたいに」
くす、と笑うライアナ。
「私を殺す為の精神力温存ですか?」
「…………」
「それとも、もう腕を形作る力も残ってませんか?」
フィアナは、何も答えず、目を閉じ…ゆっくり、首を左右に振った。
「………?」
顔を顰めるライアナ。
姉が何を言いたいのか解らなかったのだろう。
「…………」
フィアナは、軽く呼吸を整えた。
静かに、目を開く。
「…痛みが、私を現実に留めてくれる…」
「…………」
「…ライアナ…
 ………………………………………………」
フィアナが、小さく唇を動かす。
聞き取れない。
「…………」
瞬間、フィアナが向かってきた。

がっ!

反応速度が上がっている。
「!」
左手とは思えない鋭い突き。
先程とは比べものにならない。
寸前で受け止めるライアナ。
レイピアの先が、軽くライアナを傷付ける。
先程までのフィアナなら、そこで退いていた。
だが、今のフィアナは、退かなかった。
表情を変えずに、もう一度レイピアを突き出す。
「っと!」
身をよじってかわし…

どっ!

フィアナの腹に裏拳を叩き込む。
「…………」
フィアナは少し下がり、何度か咳き込むと…
すぐにまた攻撃態勢を取る。

びっ!

今度は、肩。
ライアナの服が少し破れ、肩が露わになる。
血が流れ、神官服が紅く染まる。
「…………」
「……痛いか?」
「…は?」
「…痛いか…と、訊いている」
「…………」
ライアナは、くす、と笑った。
「全然」
「…………」
フィアナは、少し俯き、溜息を付いた。
「…やはり…
 …ダメなのか…」
何やら呟き…顔を上げる。
「…ヤなこと思い出した…」
「………?」
すっ。
流れる様な動きで、ライアナの寸前に迫る。

ひゅどっ!

「!」
ライアナの動きが一瞬遅れ…
フィアナの膝蹴りが、ライアナの鎖骨下に突き刺さった。
「っ…」
少し後ろに跳ばされるライアナ。
しかし、表情は変わらない。
「…………」
フィアナが、哀しそうな溜息を付いた。




『父上様ー』
『んー?』
フィアナが、何かを抱いている。
フェルグスは、それを見て軽く顔を顰めた。
『…猫の子か?』
こくん、と頷くフィアナ。
『動かなくなってしまいました』
『…………』
フェルグスは、フィアナの次の言葉を待ち受けるかの様にして、フィアナの顔を見た。
『母上が、父上はなんでもできるって言ってました』
『…………』
フェルグスは、はぁ、と溜息を付いた。
そして、窓の外を見る。
小鳥が二羽、欄干に留まっていた。
『あの鳥の見分けが付くか?』
首を横に振るフィアナ。
鳥の個体識別は難しい。
『いいえ』
『では、あの二羽の鳥は同一の存在か?』
『…いいえ』
『何処が違う?』
『…中身が』
『…そう。
 魂が違う…どんなに外見がそっくりでも』
『…………』
見ると…小鳥を狙い、猫がやってきた。
前屈みになり、じっと鳥の動きを見ている。
『あの猫とこの猫は同じか?』
『…いいえ』
『そう。
 違う。先程の鳥と同じように』
フェルグスは、フィアナから猫を受け取った。

ぽぅ。

『!』
フェルグスの手に小さな蒼い光が灯る。
それが、ゆっくりと猫の躰の中に入っていく。
やがて…ひくひくっ、と、小さな耳が動いた。
身を起こし、フィアナを見る。
『…どうだ?』
『…………』
フィアナは、怯えた様に首を横に振る。
『サンドラじゃない』
『サンドラ?随分偉そうな名だったんだなコイツは』
表情を動かさずに笑う父。
とん、と猫の背を軽く触る。
猫の躰から、また小さな蒼い光が抜け出、子猫はまた動かなくなった。
泣き出すフィアナ。
『ああ…』
困った様にフィアナを抱き寄せ、彼女の頭を撫でる。
『…サンドラの魂はもう動かない。死んでしまったから』
『…………』
『…お前、歯は丈夫か?』
『?』
何言ってるんだこのひとは?
そう言いたげな目で父を見る彼女。
『…………』
取り敢えず頷く。
すっ、と腕を捲るフェルグス。
男の腕にしては細い、白い腕。
『遠慮はいらん。
 思い切り、噛み付け』
フィアナは、怪訝な表情をした。
『…………』

かぷ。

軽く噛む…というより口にくわえるカンジ。
苦笑するフェルグス。
『どうした?遠慮は要らないぞ』
『…………』
『お前の歯は作り物か?』
『…………』

がぶっ!

言われ…思い切り噛み付いてみる。
『…よし、もういい…どんなカンジがする?』
『…ぬるぬるしてる。
 …変な味』
『そう。
 生きてるからそんな味がする』
『…………』
『生きてるから血があったかい』
『…父上…』
父の顔を見上げるフィアナ。
『…痛くなかった?』
フィアナの問いに、フェルグスは爽やかな笑みを浮かべ―――――――――――――――――、
『痛いに決まってるだろーっ!』
思い切り大声を出す。
フィアナは、思わず笑ってしまった。




「…………」
「お姉様?」
「…いや…なんでもない…
 …なんで私の血縁ってあんなのばっかりなんだろう」
「?」
フィアナは、ふっ、と笑った。



















言い訳あんど言い逃れ。




フィアナ:長。
      前々回前回短いなーと思ってたらいきなり長。
琥珀:過去話入ると長くなりますねー。
フィアナ:しかも二本も。
琥珀:実はフェルグスとーちゃん余り書いたことが無いなー…と思った今回。ダイアナの影に隠れてしまっている。
フィアナ:あと実はアセルトとキャラ微妙に被ってる。
琥珀:それは知らん。それに心理学的にはそれで正解。…『好みのタイプ』って、三歳までに大体決まるらしいし。
フィアナ:?
琥珀:三歳までに一緒にいた異性で、自分が好きになる異性のタイプが決まっちゃうってこと。
フィアナ:おお。(ぽん、と手を打つ)
琥珀:あと二話ですねー…頑張ってみたいと思います。
フィアナ:しーゆあげいん♪


                                                         幕。

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15937第百十九話:犠牲遙 琥珀 E-mail 2004/1/31 20:49:26
記事番号15901へのコメント

「…………」

きゅあ…

なんとも形容しがたい音。
それと共に、失われていたフィアナの腕が元に戻る。
「…なんか…もう、どうでもいいや…」
くす、と笑うフィアナ。
「?」
怪訝そうに首を傾げるライアナ。
「…ありがとう、ライアナ」
言いながら、とことこと歩いてライアナに近付く。
「…………」
ライアナは、反射的に後退る。
「…楽しかった…色々と」
ライアナは、姉の言葉の意図を必死で考えていた。
フィアナは、何も考えてはいなかった。
ただの、心からの言葉。
虚飾も何もない、一番ストレートな言葉。
本人は気付いていないようだが…フィアナは、『何も考えていない時』が一番無敵だったりするのである。
「…今まで、ありがとう。
 …ごめんなさい」
どんな方向に転んでも、再び姉妹が共に過ごすことはできないだろう。
そうなる前に。
言わなければならなかったこと。
言えなかったこと。
言いたかったこと。
…言っておきたいこと。

全ては、遅すぎた。

「…ごめんなさい」
フィアナの表情が曇った。
謝罪の言葉を繰り返す。
「…解ってあげられなくて…」
「…………」
ふふん。
ライアナは、姉の言葉を鼻先で笑った。
「…今更、何のつもりですか?」
「別に何の謀でも無いよ」
あっさりと言い捨てる。
「…ヤなこと思い出しちゃったから、そのついで」
「?」
すっ。
フィアナが、動いた。
「!」
ライアナが反応する頃には、フィアナは既にライアナのすぐ目の前にいた。
「…速…!」
「お陰様で」
フィアナは、表情を変えずに、抑揚の無い声で言った。
無駄な感情が一ミリグラムも無い、透き通る声。
「…実験の『副産物』は、もうひとつあるんだ」
「!」
ライアナの表情が引き攣る。
「…こんな風にお前に使いたくは無かったけど…」

きぃぃぃぃぃぃぃぃぃん…

何かが、細かく振動する音。
「…………!?」
ライアナは、フィアナに視線を向けながら、辺りに気配を飛ばす。
何が発している音なのかを探る為。
「…無駄だよ…
 もう、始まってるから…恐らく、今、私を斬り捨てたとしても止まらないだろう」
フィアナは、レイピアを鞘に収めて、静かに言った。
「…魔族たちなら多分気付いてる。
 何が起こっているのか…………」
淡々とした口調。
少しの変化も無い表情。
「…神族の欠点だな。
 外界からの攻撃に神経を集中する余り、自分で自分に封印をしてしまっている。
 この世界に存在するようになってすぐ、己の精神力を頼みに生きてきた魔族と違って、
 精神世界方面からの変化に疎い様だ」
フィアナは、ぽん、と自分の右腕を押さえた。

…ぎぃぃぃっっ!!!

音が大きくなる。
「…まさか!」
ライアナは、ある可能性に気付き声を上げる。
「…そんな事をすれば、貴女も、只では…」
「命棄てる気で掛かってこい。
 そう言ったのは、お前だろう」
フィアナを中心に、大きな精神波動が拡がっていた。
性格には、フィアナの右腕を中心に。
魔族達には『視えた』。
フィアナの中にある、白い光。
それが、急速に膨れあがっている。
「…自分の中の精神力を、割と自由にすることができる。
 普通、自己防衛反応が働いて出来ないようなことでも…」
「…………!」
「…例えば…
 精神力暴走。
 あれは、自分の器から一度に大きすぎる力を放出した時に起こる反応だけど…」
フィアナは、握手を求める様な動作で、ライアナの方に右手を出した。
「…やろうと思えば、できるもんなんだよね。
 …躰の中で暴走させることも…」

ぴぎっ。

スパーク反応が熾る。
「…本当…変なひと」
ライアナは、くす、と笑った。
やけに冷静だった。
逃れられないことが、解っているのだろうか。
「…お姉様」
「…ん?」
「…痛いですか?」
「…………」
フィアナは、少し考え…
頷いた。
「…痛いよ…」
「…そう…」
ライアナは、くす、と笑った。
「…その感覚、羨ましいかも…」

瞬間。

光が破裂した。

『炸裂』と言った方が正しいかもしれない。

「っああああああああああああああああああ!」
フィアナの腕が、肩の辺りから吹き飛ぶ。
堪らず、悲鳴を上げるフィアナ。
そして、暴走が始まった。










『…………』
『どうしたノ?』
『…いや…何でも』
『やっぱり心配?』
彼女は、ウフ、と笑う。
『…封印なんか施さなけれバ、そんなに心配することはいらなかったのニ』
『…封印を施さなければ、最初に貴女が攻めてきた時点で全員死んでいた』
彼は、冷静に言う。
『…死者は、何人か出るだろう。
 …だが、あの時皆死ぬよりマシだ』
『…何人かは、ステゴマ?』
『そう言えるかも知れない』
彼女の挑発に、彼は乗らなかった。
冷静に、事実を認めた。
『…だが、【何人か】で済んだのだから…私の判断は正しかったと思っている』
『そうかしラ』
『…私のことより、貴女はどうなのか』
魔王の口調が、嘲笑を帯びたものになった。
『…………』
『…私には、確信がある。
 私がいなくても、私の創造した者たちは、私の意志を叶えてくれる。
 …叶えようと努力してくれる…と、信じている』
『…オメデタイこト』
『スィーフィード。
 …貴女の創り出した者達は、貴女がいなければ、どうするのかな?』
『…………』
彼女は、答えなかった。
黙って、遠くの空を視ている様だった。
『貴女がいなくても、貴女の意志に従うのか?』
『…………』
赤の竜神は、ふふ、と笑った。










「…………」
フィアナは、目を開けた。
「…………」
いつの間にか、眠ってしまった様だった。
「…寝坊したかな…お日様があんな高くに…」
呟き…
……………………………………………………………………………………………………………………………………
「ンな訳無いだろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!!!!」
自分自身に突っ込みを入れつつ飛び起きる。
そこで気が付くが…
「…あれ?」
暴発したはずの腕が、ちゃんと付いている。
おまけに、額の上に濡れタオルまで。
「…………」
今までの戦闘、全部熱に浮かされて視た夢でしたとか言わないだろうな。
そんなことを言いたげに顔を顰める。
しかし、今までのことが現実である証に、自分を中心に大きなクレーターが出来ていた。
ついでに…自慢の紅い髪は、すっかり銀色に。
「…あちゃあ」
髪を一筋摘み、溜息を付く。
魔族達は大丈夫だろうか。
フィアナが考えていると。
『あ、起きてる!』
何処かから、スクルドの声がした。
『フィブリゾ様!フィアナ、起きました!』
『えー!?』

にょっ。

空間からフィブリゾとスクルドとその他大勢が現れる。
「…………」
いきなりぞろぞろ出てきた一同に、一瞬面食らうフィアナ。
「…皆様…お揃いで…」
「んもー、何バカなこと言ってるんですの!?」
腰に手を当て、ぷんぷん怒るダルフィン。
「…うぐ…海王様…大きな声…出さないで…傷に響く…」
リノアンが、小さな声で自己主張する。
「…………」
後ろの風景が透けて見え、躰の彼方此方が抉れ、蒼い断面が見えている。
数百年間の弱体化は必至だろう。
「ま、貴女らしいと言えば貴女らしいけど…」
途中でリタイアしていたガイアが言う。
なんとか具現できるまでに回復したらしい。
「…私…何が…」
「んーとね」
フィブリゾが、腕を組んで何かを考える様なポーズを取る。
「…詳しいことは正直よくわかんないんだけど…
 …フィアナの力が炸裂した瞬間、精神世界を初めとする…取り敢えず、『異次元』とか呼ばれる空間に色々あったらしいんだよね。
 で、力が他の次元にも排出されたお陰で、こっちの物質世界はこの程度で済んでるんだけどさ。
 精神世界はもっと酷いよ、見える?」
「…見えてまス。」
『それ』をできるだけ直視しないようにしながら言うフィアナ。
「…精神世界を通じて、物質世界の何処か別の場所にも飛び火してるんだけどね。聞きたい?」
「…一応…」
「ここからずっと東の方で島国が一つ蒸発。
 南の方で大陸がひとつ…」
「もういいです。」
だらだら冷や汗流しつつ首を横に振るフィアナであった。
「…にしても…貴方達、魔族に戻れたんだ」
「うん♪」
にっこり笑う彼。
「痛かったよー…死ぬかと思ったよ♪」
「…………」
フィアナは、それまで触れないできたある事象に触れた。
「…………
 …ライアナは…」
「…………」
フィブリゾは、黙った。
「生きてるよ」
「!」
「あれだけ破壊しても、君の力の暴走は止まらなかった。
 『余った』分は、君の妹の躰に転移した」
「…………!?」
あれだけの力だ。
『余った』と言っても大変な量だろう。
それだけの力を受けて『生きている』とは…
「…勘違いしないでね。
 …一種の…『呪い』に変化したんだ、ライアナの中で。
 …だから、生きてる。今はね」
「…………」
フィアナは、顔を顰めた。


















言い訳あんど言い逃れ。





と言うわけで、遂に次回で最終回です。
どうなるんでしょうねー♪…って、私は知ってるけど(笑)

最近ライアナがめっきりイイコになって寂しい。
…いや…イイコか…?とか言ってるそこの貴方。
…ライアナは、『何も殺さない』という時点で『イイコ』なんですよ(苦笑)
でも、反省とかは絶対にしない。
死ぬという概念をはっきり理解して、死の辛さとかもきっちり理解した上で人を殺してる。
過失とかじゃ無いんです。
それを解って殺してるわけだから、当然罪悪感も無いのです。
それがライアナがライアナである為の条件でしょう。

それでは次回、また逢いましょう…






                                                            幕。

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15939超お久しぶりです。青月 彼方  2004/2/1 13:17:45
記事番号15937へのコメント

タイトル通り、超お久しぶりの青月です。
レスさせていただきます♪

>「…なんか…もう、どうでもいいや…」
>くす、と笑うフィアナ。
>「?」
>怪訝そうに首を傾げるライアナ。
ふっきれたのでしょうか…
>「…ありがとう、ライアナ」
>言いながら、とことこと歩いてライアナに近付く。
>「…………」
>ライアナは、反射的に後退る。
少し怖いものがある気もします。
>「…楽しかった…色々と」
>ライアナは、姉の言葉の意図を必死で考えていた。
>フィアナは、何も考えてはいなかった。
>ただの、心からの言葉。
>虚飾も何もない、一番ストレートな言葉。
姉から最愛の妹へ最後の言葉……
>本人は気付いていないようだが…フィアナは、『何も考えていない時』が一番無敵だったりするのである。
無心ですか。
>「…今まで、ありがとう。
> …ごめんなさい」
>どんな方向に転んでも、再び姉妹が共に過ごすことはできないだろう。
>そうなる前に。
>言わなければならなかったこと。
>言えなかったこと。
>言いたかったこと。
>…言っておきたいこと。
>全ては、遅すぎた。
遅すぎる…壊れたものはもう戻らないから…
……つくづく後悔しないように生きたいですね。できうるだけ。
>「…ごめんなさい」
>フィアナの表情が曇った。
>謝罪の言葉を繰り返す。
>「…解ってあげられなくて…」
精一杯の懺悔……

>「…今更、何のつもりですか?」
>「別に何の謀でも無いよ」
>あっさりと言い捨てる。
>「…ヤなこと思い出しちゃったから、そのついで」
>「?」
ただ言って置きたかっただけなのでしょうね。

>「…速…!」
>「お陰様で」
>フィアナは、表情を変えずに、抑揚の無い声で言った。
>無駄な感情が一ミリグラムも無い、透き通る声。
本気でふっきれたんですねぇ…。
>「…実験の『副産物』は、もうひとつあるんだ」
>「!」
産物ときましたか(苦笑)

>ライアナは、フィアナに視線を向けながら、辺りに気配を飛ばす。
>何が発している音なのかを探る為。
>「…無駄だよ…
> もう、始まってるから…恐らく、今、私を斬り捨てたとしても止まらないだろう」
それは自らの死を覚悟した言葉?

>「…神族の欠点だな。
> 外界からの攻撃に神経を集中する余り、自分で自分に封印をしてしまっている。
> この世界に存在するようになってすぐ、己の精神力を頼みに生きてきた魔族と違って、
> 精神世界方面からの変化に疎い様だ」
>フィアナは、ぽん、と自分の右腕を押さえた。
これが以前おっしゃていた精神世界から切り離した「守り」の欠点だったわけですか。
>…ぎぃぃぃっっ!!!
>
>音が大きくなる。
>「…まさか!」
>ライアナは、ある可能性に気付き声を上げる。
>「…そんな事をすれば、貴女も、只では…」
>「命棄てる気で掛かってこい。
> そう言ったのは、お前だろう」
ライアナさんは甘く見ていたのでしょうか…?命を棄てるの意味を…
……というかふっきれたフィアナさんの恐ろしさを。
>フィアナを中心に、大きな精神波動が拡がっていた。
>性格には、フィアナの右腕を中心に。
>魔族達には『視えた』。
>フィアナの中にある、白い光。
>それが、急速に膨れあがっている。
>「…自分の中の精神力を、割と自由にすることができる。
> 普通、自己防衛反応が働いて出来ないようなことでも…」
限界がない、ということですか?
>「…………!」
>「…例えば…
> 精神力暴走。
> あれは、自分の器から一度に大きすぎる力を放出した時に起こる反応だけど…」
>フィアナは、握手を求める様な動作で、ライアナの方に右手を出した。
握手……
>「…やろうと思えば、できるもんなんだよね。
> …躰の中で暴走させることも…」
早い話しが自爆みたいなものですか…。

>「…本当…変なひと」
>ライアナは、くす、と笑った。
>やけに冷静だった。
>逃れられないことが、解っているのだろうか。
受けとめる覚悟
>「…お姉様」
>「…ん?」
>「…痛いですか?」
>「…………」
>フィアナは、少し考え…
>頷いた。
>「…痛いよ…」
>「…そう…」
悲しい姉妹の最後の会話?
>ライアナは、くす、と笑った。
>「…その感覚、羨ましいかも…」
彼女にとって最後の最後まで姉は「憧れ」だったのでしょうか……

>「っああああああああああああああああああ!」
>フィアナの腕が、肩の辺りから吹き飛ぶ。
>堪らず、悲鳴を上げるフィアナ。
>そして、暴走が始まった。
暴走……。長き戦いにけりをつけるために。

>『…………』
>『どうしたノ?』
久しぶりのこの二人。
>『…いや…何でも』
>『やっぱり心配?』
>彼女は、ウフ、と笑う。
心配なものは心配なのでは
>『…封印なんか施さなけれバ、そんなに心配することはいらなかったのニ』
>『…封印を施さなければ、最初に貴女が攻めてきた時点で全員死んでいた』
>彼は、冷静に言う。
あ、やっぱりそういう理由なんですか。
>『…死者は、何人か出るだろう。
> …だが、あの時皆死ぬよりマシだ』
>『…何人かは、ステゴマ?』
>『そう言えるかも知れない』
>彼女の挑発に、彼は乗らなかった。
>冷静に、事実を認めた。
なんだか王の威厳を感じます。
>『…だが、【何人か】で済んだのだから…私の判断は正しかったと思っている』
>『そうかしラ』
まぁ…全滅するよりは…。
>『…私のことより、貴女はどうなのか』
>魔王の口調が、嘲笑を帯びたものになった。
>『…………』
>『…私には、確信がある。
> 私がいなくても、私の創造した者たちは、私の意志を叶えてくれる。
> …叶えようと努力してくれる…と、信じている』
団結力強いですもんねー……。
>『…オメデタイこト』
>『スィーフィード。
> …貴女の創り出した者達は、貴女がいなければ、どうするのかな?』
>『…………』
>彼女は、答えなかった。
とりあえず神様の役割は果たそうとするのでは
けどあそこまで人間くさいと権力争いとか始まりそうな気もします。

>『貴女がいなくても、貴女の意志に従うのか?』
>『…………』
>赤の竜神は、ふふ、と笑った。
一部の方は頑なに守ろうとしそうな気が。
>
>いつの間にか、眠ってしまった様だった。
眠る程度ですんだのですね。
>「…寝坊したかな…お日様があんな高くに…」
>呟き…
>「ンな訳無いだろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!!!!」
>自分自身に突っ込みを入れつつ飛び起きる。
ナイス♪ぽけですよ、フィアナさん。
>「…あれ?」
>暴発したはずの腕が、ちゃんと付いている。
>おまけに、額の上に濡れタオルまで。
細かいですね。
>「…………」
>今までの戦闘、全部熱に浮かされて視た夢でしたとか言わないだろうな。
>そんなことを言いたげに顔を顰める。
>しかし、今までのことが現実である証に、自分を中心に大きなクレーターが出来ていた。
夢ならよかったのに…
>魔族達は大丈夫だろうか。
>フィアナが考えていると。
>『あ、起きてる!』
>何処かから、スクルドの声がした。
>『フィブリゾ様!フィアナ、起きました!』
>『えー!?』
>にょっ。
>空間からフィブリゾとスクルドとその他大勢が現れる。
>「…………」
ちょと怖いです…
>いきなりぞろぞろ出てきた一同に、一瞬面食らうフィアナ。
>「…皆様…お揃いで…」
>「んもー、何バカなこと言ってるんですの!?」
>腰に手を当て、ぷんぷん怒るダルフィン。
けど言いたい気持ちもわかる。
>「…うぐ…海王様…大きな声…出さないで…傷に響く…」
>リノアンが、小さな声で自己主張する。
ああ、リアノンさん久しぶりです。
>後ろの風景が透けて見え、躰の彼方此方が抉れ、蒼い断面が見えている。
>数百年間の弱体化は必至だろう。
あらあら…
>「ま、貴女らしいと言えば貴女らしいけど…」
>途中でリタイアしていたガイアが言う。
>なんとか具現できるまでに回復したらしい。
こちらは元気になったのですか。
>「…詳しいことは正直よくわかんないんだけど…
> …フィアナの力が炸裂した瞬間、精神世界を初めとする…取り敢えず、『異次元』とか呼ばれる空間に色々あったらしいんだよね。
> で、力が他の次元にも排出されたお陰で、こっちの物質世界はこの程度で済んでるんだけどさ。
> 精神世界はもっと酷いよ、見える?」
クレータが…この程度…(汗)
>「…見えてまス。」
>『それ』をできるだけ直視しないようにしながら言うフィアナ。
直視したくない現実なのですねー……。
>「…精神世界を通じて、物質世界の何処か別の場所にも飛び火してるんだけどね。聞きたい?」
>「…一応…」
>「ここからずっと東の方で島国が一つ蒸発。
> 南の方で大陸がひとつ…」
>「もういいです。」
まだ…あるんですね……
>「…にしても…貴方達、魔族に戻れたんだ」
>「うん♪」
>にっこり笑う彼。
>「痛かったよー…死ぬかと思ったよ♪」
ということは……あっちの戦いもけりがついたと……。
>フィアナは、それまで触れないできたある事象に触れた。
>「…………
> …ライアナは…」
>「…………」
>フィブリゾは、黙った。
>「生きてるよ」
え……?
>「あれだけ破壊しても、君の力の暴走は止まらなかった。
> 『余った』分は、君の妹の躰に転移した」
>「…………!?」
それってすごくやばいのでは!?
>あれだけの力だ。
>『余った』と言っても大変な量だろう。
>それだけの力を受けて『生きている』とは…
>「…勘違いしないでね。
> …一種の…『呪い』に変化したんだ、ライアナの中で。
> …だから、生きてる。今はね」
>「…………」
>フィアナは、顔を顰めた。
今は……
どうなってしまうのでしょう……
>
>言い訳あんど言い逃れ。
>と言うわけで、遂に次回で最終回です。
>どうなるんでしょうねー♪…って、私は知ってるけど(笑)
わたしは知らないので楽しみです♪
>最近ライアナがめっきりイイコになって寂しい。
>…いや…イイコか…?とか言ってるそこの貴方。
いや…かなり良い子だなぁ…と思ってましたよ。えぐい言動少なくて。
>…ライアナは、『何も殺さない』という時点で『イイコ』なんですよ(苦笑)
>でも、反省とかは絶対にしない。
>死ぬという概念をはっきり理解して、死の辛さとかもきっちり理解した上で人を殺してる。
だらこそタチが悪いのですね。
>過失とかじゃ無いんです。
>それを解って殺してるわけだから、当然罪悪感も無いのです。
>それがライアナがライアナである為の条件でしょう。
う〜ん
>それでは次回、また逢いましょう…
はい。それでは。
>
>
>
>
>
>                                                            幕。
>

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15940おひさです〜♪遙 琥珀 E-mail 2004/2/2 09:39:56
記事番号15939へのコメント


>タイトル通り、超お久しぶりの青月です。
>レスさせていただきます♪
どうも、同じくお久し振りの琥珀です。
返させて頂きます♪
>ふっきれたのでしょうか…
>少し怖いものがある気もします。
プチ切れたフィアナは微妙に怖いです(汗)
浮かべる笑顔が逆に。
>>ただの、心からの言葉。
>>虚飾も何もない、一番ストレートな言葉。
>姉から最愛の妹へ最後の言葉……
『サイゴ』とは少し違うような気もしますが…
>>本人は気付いていないようだが…フィアナは、『何も考えていない時』が一番無敵だったりするのである。
>無心ですか。
うーん、そんな感じと言えなくも無い…。
どちらかというと、ボケボケになるので周りの悪口とかが脳まで届かないというか…(ヲイ)
>>全ては、遅すぎた。
>遅すぎる…壊れたものはもう戻らないから…
>……つくづく後悔しないように生きたいですね。できうるだけ。
だけど、それがどれだけ難しいことか。
>>「…ヤなこと思い出しちゃったから、そのついで」
>>「?」
>ただ言って置きたかっただけなのでしょうね。
そうですね…。
>>「…実験の『副産物』は、もうひとつあるんだ」
>>「!」
>産物ときましたか(苦笑)
フィアナですから。
基本的にポジティヴな中にネガティヴが見え隠れ。
ネガティヴな事態をポジティヴに言い表そうとするとこうなります。
>>「…無駄だよ…
>> もう、始まってるから…恐らく、今、私を斬り捨てたとしても止まらないだろう」
>それは自らの死を覚悟した言葉?
うーん…微妙に違うかも。
『何も考えていない』んです。これは。
>>「…神族の欠点だな。
>> 外界からの攻撃に神経を集中する余り、自分で自分に封印をしてしまっている。
>> この世界に存在するようになってすぐ、己の精神力を頼みに生きてきた魔族と違って、
>> 精神世界方面からの変化に疎い様だ」
>>フィアナは、ぽん、と自分の右腕を押さえた。
>これが以前おっしゃていた精神世界から切り離した「守り」の欠点だったわけですか。
そうです。
>>「命棄てる気で掛かってこい。
>> そう言ったのは、お前だろう」
>ライアナさんは甘く見ていたのでしょうか…?命を棄てるの意味を…
>……というかふっきれたフィアナさんの恐ろしさを。
恐らく後者でしょうね(笑)
フィアナは怖いぞ〜(苦笑)
>>「…自分の中の精神力を、割と自由にすることができる。
>> 普通、自己防衛反応が働いて出来ないようなことでも…」
>限界がない、ということですか?
うーむ。
つまり、普通では力を体内で暴走させることはできないのです。
だけど、フィアナはできる。
そういう簡単なことです。
>>フィアナは、握手を求める様な動作で、ライアナの方に右手を出した。
>握手……
微妙に皮肉ですよね。
戦闘の最中に。
>>「…やろうと思えば、できるもんなんだよね。
>> …躰の中で暴走させることも…」
>早い話しが自爆みたいなものですか…。
ま、そうです。
火薬の原理ですね。
火薬って言うのは、普通に置いてても大丈夫なんです。
火つけても、『じゅ』とか音立てて燃えるだけですから。
怖いのは、密閉した空間で火を点けた時。
中で空気が急速に膨張して、空間ごと吹き飛ぶ。
…そんな感じでしょうか。
>>>ライアナは、くす、と笑った。
>>「…その感覚、羨ましいかも…」
>彼女にとって最後の最後まで姉は「憧れ」だったのでしょうか……
そうだったのかもしれません。
>>>『…………』
>>『どうしたノ?』
>久しぶりのこの二人。
赤の竜神は余り『久し振り』感が無いんですがね。
…赤眼の魔王が…
>>『…封印を施さなければ、最初に貴女が攻めてきた時点で全員死んでいた』
>>彼は、冷静に言う。
>あ、やっぱりそういう理由なんですか。
はい、そういう理由なのです。
>>冷静に、事実を認めた。
>なんだか王の威厳を感じます。
あ、そこらへん気を遣ってみたんですよ。
気付いてくださって嬉しいです。
>>『…私には、確信がある。
>> 私がいなくても、私の創造した者たちは、私の意志を叶えてくれる。
>> …叶えようと努力してくれる…と、信じている』
>団結力強いですもんねー……。
そぉですね。
ワガママ大放出のスィーフィードと違って(笑)トップもしっかりしてますし。
>>『スィーフィード。
>> …貴女の創り出した者達は、貴女がいなければ、どうするのかな?』
>>『…………』
>>彼女は、答えなかった。
>とりあえず神様の役割は果たそうとするのでは
>けどあそこまで人間くさいと権力争いとか始まりそうな気もします。
>一部の方は頑なに守ろうとしそうな気が。
というか…
今まで赤の竜神の結界のなかでぬくぬくと暮らしてた連中が、
急に外界に放り出されて大丈夫なのか、とかいう問題も残ってます。
『守り』の欠点其の弐です。
>>いつの間にか、眠ってしまった様だった。
>眠る程度ですんだのですね。
眠る、というか『気絶』に近いです。
>>「…寝坊したかな…お日様があんな高くに…」
>>呟き…
>>「ンな訳無いだろぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!!!!!」
>>自分自身に突っ込みを入れつつ飛び起きる。
>ナイス♪ぽけですよ、フィアナさん。
…これで地。
>>しかし、今までのことが現実である証に、自分を中心に大きなクレーターが出来ていた。
>夢ならよかったのに…
いや…
夢なら、なんだかかなり精神無駄使った気もしますが。
>>空間からフィブリゾとスクルドとその他大勢が現れる。
>>「…………」
>ちょと怖いです…
わらわらと。
>>「…うぐ…海王様…大きな声…出さないで…傷に響く…」
>>リノアンが、小さな声で自己主張する。
>ああ、リアノンさん久しぶりです。
ノとアが逆です。
…最近出てきてませんでしたからねぇ…
>>なんとか具現できるまでに回復したらしい。
>こちらは元気になったのですか。
まだ『元気』には遠いですけど。
数百年もすれば…。
>>「…詳しいことは正直よくわかんないんだけど…
>> …フィアナの力が炸裂した瞬間、精神世界を初めとする…取り敢えず、『異次元』とか呼ばれる空間に色々あったらしいんだよね。
>> で、力が他の次元にも排出されたお陰で、こっちの物質世界はこの程度で済んでるんだけどさ。
>> 精神世界はもっと酷いよ、見える?」
>クレータが…この程度…(汗)
精神世界の惨状に比べれば…(苦笑)
>>「…見えてまス。」
>>『それ』をできるだけ直視しないようにしながら言うフィアナ。
>直視したくない現実なのですねー……。
現実逃避もたまには必要ー…。
>>「ここからずっと東の方で島国が一つ蒸発。
>> 南の方で大陸がひとつ…」
>>「もういいです。」
>まだ…あるんですね……
あるある。
もぉあちこちで廃墟が。
>>「…にしても…貴方達、魔族に戻れたんだ」
>>「うん♪」
>>にっこり笑う彼。
>>「痛かったよー…死ぬかと思ったよ♪」
>ということは……あっちの戦いもけりがついたと……。
そういうことになるんでしょうね。
余り深く描写はしませんが。
>>「あれだけ破壊しても、君の力の暴走は止まらなかった。
>> 『余った』分は、君の妹の躰に転移した」
>>「…………!?」
>それってすごくやばいのでは!?
はい。
かなりヤバいです。
>>「…………」
>>フィアナは、顔を顰めた。
>今は……
>どうなってしまうのでしょう……
うふふ♪(怪しいから)
>>
>>言い訳あんど言い逃れ。
>>と言うわけで、遂に次回で最終回です。
>>どうなるんでしょうねー♪…って、私は知ってるけど(笑)
>わたしは知らないので楽しみです♪
うわぁ、プレッシャー(笑)

それではまた次回逢いましょう。
さよーならー!

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15941最終話:遠く…遙 琥珀 E-mail 2004/2/2 09:45:16
記事番号15901へのコメント

「…ライアナは…何処?」
よろ、と立ち上がるフィアナ。
「あっ、無理しないでよ」
エイルが声を上げる。
「…応急処置はしてるけど。
 …貴女今、『からっぽ』なんだから」
「…………」
『からっぽ』。
適切な表現だと思った。
「…それは時間が経てば治る。
 …私の、妹は…」
「今、アークロンドが…」
「…どうも…」
不意に、アークロンドが現れた。
背後に付き従う様に…
「ライア!」
「…どうも」
ライアナは、にこっ、と愛らしい笑みを浮かべた。
手足に、ぐるぐると包帯を巻いている。
「…ライア」
たっ、と妹に駆け寄る。
「…………」
「…なーんて表情してるんですかぁ、お姉様」
両手を肩の高さまで上げ、やれやれと言いたげに首を横に振るライアナ。
「貴女がやったんでしょ。責任持って下さいよねぇ」
「…ごめんなさい」
「…………」
素直に謝られると調子が狂うらしい。
ライアナは、ぽりぽりと頬を引っ掻いた。
「…ごめんなさい…ごめんなさい…」
「…ま、良いですけどぉ」

しゅる。

ライアナは、手の包帯を外した。
「ライア!」
「どーせ治らないですってぇ」
アークロンドの制止を却下する。
「…………!」
フィアナは、硬直した。
ライアナの腕。
白かった肌。
それが、赤黒く、火傷の痕の様になっている。
「…触ってみますぅ?」
「…………」
ライアナの手の甲に触れるフィアナ。
熱く、熱が中で疼いているのが解った。
気の狂うような熱が、今も彼女の躰を蝕んでいる。
本人は相当な痛みを感じているだろう。
「…………」
「…痛くないんですよぅ。
 …ぜーんぜん、ね」
くす、と笑うライアナ。
「躰の所為なのか、魂の所為なのか、もう区別は付きませんけど…」
「…ごめんなさい」
「だから。謝って済む問題でも無いんですってば」
「…脚も、同じ…?」
「ええ」
ゼラスの問に、こくんと頷くライアナ。
「…ま、木っ端微塵よりはマシですね」
あはははは、と軽く笑ってみせる。
「…………」
俯いたままのフィアナ。
「…痛くは無いけど…悔しいですぅ」
「…………」
「…結局、お姉様には勝てませんでしたね…」
「そんな!」
ぱっと顔を上げるフィアナ。
「『結局』って…
 傷が癒えたら何度でも挑戦しに来い!何度でも相手してやるから!」
フィアナの言葉に…ライアナは、笑った。
「…お人好しですね、ホントに…」
「…………」
「…無理ですよ…
 治りませんから」
「!」
「…まだ躰の中で熱が疼いてます。
 手足から、躰の中心部に向かって、じわじわと熱が進行してるんです。
 …多分、私が死ぬまで止まらないでしょう」
「…………!」
フィアナは、弾かれるように顔を上げた。
胸の奥が、激しく痛み出した。
予期せず、涙が溢れた。
「…………」
フィアナは、不意に、ライアナを抱き締めた。
「…………」
「…もう…」
ライアナは、小さく笑った。
「…お姉様ってば、泣き虫なんですから―――――――――――…」
「…ありがとう…
 …ごめんね」
生まれてきてくれてありがとう。
一緒にいてくれてありがとう。
必要としてくれてありがとう。
解ってあげられなくてごめん。
止めてあげられなくてごめん。
護ってあげられなくてごめん…
ありとあらゆる感情が溢れ出す。
「…………」
ライアナは、フィアナの肩に手を置き、自分から身を離した。
「…私、結構幸せなんですから」
「…え?」
ライアナの表情が、冷笑の形に歪んだ。
「…これで、ようやく『解放』されるんですから…」
あははははははははっ。
声を上げて笑う。
「あーははははははははっ」
「ライアナ…」
「…どっちがいいかなんて、正直ワカリマセンからねぇ…
 ま、選択肢を失った私が言う言葉でも無いですが」
「…………」
周囲の魔族達も、半ばぼんやりとライアナの言葉を聞いている。
「…私は死にます。
 私にとって『死』とは『解放』を意味しました。幼い頃から。
 …それなりに死を拒んだ時もありましたが…基本的に、恐ろしいものでは無かったですから…」
くすくす。
笑う妹。
「貴女の選ぶ道、楽しみにしてますよぅ」
ライアナの言葉に、嫌な予感を感じ、顔を上げるフィアナ。
「…死んで解放されるも…生きて絶望するも…貴女の勝手ですから…」
「ライアナ!」
間に合わなかった。
ライアナは、とん、と、軽く胸に手を当てた。
「…………!」
一瞬だけ。
ほんの一瞬だけ。
フィアナは、ライアナが微笑んだのを見た。
小さく、唇が動く。
「――――――――――――…」

ぢっ。

耳障りな音。
ライアナの自ら増幅した炎呪が、彼女自身の心臓を灼き尽くした音だった。





「…………」
フィアナは、ライアナを抱きかかえ、立ち上がった。
くるり、と一同の方を向く。
「…あ…」
アークロンドが、軽く呻いた。
「…………」
「無理しなくて良い、ロンド」
フィアナは初めて彼を愛称で呼び、とん、と肩を叩いた。
「…………」
「…定着呪、まだ生きてたらしい」
「?」
「…魂が躰に固定されちゃって…
 …死んでも、分解されないや」
「…………」
ライアナは、黙ったまま。
安らかな表情で眠り続けていた。
眠っているようにしか、見えなかった。
「…神族の転生は…かなり確率が低い」
滔々と語るフィアナ。
「…0,0000…の後ろに、十万個はゼロが連なるが…」
「…………」
アークロンドは、ぐしぐしっ、と袖で顔を拭いた。
「…でも、そのあと…
 ゼロ以外の数字は、来ますよね…」
「…………」
こくん、と頷くフィアナ。
アークロンドは、顔を上げた。
目に、涙が溜まっていた。
「…待ちます…」
「……そうか……」
フィアナは、小さく笑った。
アークロンドも、小さな微笑みを浮かべた。
「…待ちます…
 …百年でも…千年でも…
 …一生でも…!」
「…………」
フィアナは、こくん、と頷き、蒼穹を仰ぎ見た。
妹の、もう二度と開かないであろう瞳と、同じ色の空だった。










フィアナは、それから、蒼穹を見る度に思い出す。
妹が紡いだ、最期の言葉―――――――――――――――――










『お姉様』





『ありがとう』





『ごめんなさい』





『さようなら』










甘い幻想だと嘲笑されればそれまでだが。





フィアナは、信じていた。





ライアナは、心を棄ててはいなかった、と。


















一ヶ月後…









神界。








「…汝の上に、至高の祝福あらんことを―――――――――――――――――…」
「…ありがとうございます」
フィアナは、ゆっくり頭を下げた。
司祭の手で、フィアナの頭の上に、金細工の王冠が乗せられる。

わぁっ!

沸く民衆。
フィアナは、民衆の方へ向き直る。

あの後、フィアナはアークロンドの必死の取りなしにより、神族社会への復帰を果たした。
ゼーランディアに嫌味飛ばされ、リンディアに殴られと紆余曲折あったものの…こうして、父との約束の地に戻ってきていた。
「…司祭」
くるり。
もう一度回れ右。
フィアナは、司祭に向き直った。
「なんですかな、王」
「私、これで正式なここの王になったんだよな」
「ええ、勿論。
 亡き先王も王妃もお喜びでしょう」


―――――――――――――――――いや、多分喜んでないな…


心の中で思いつつ、決してそれを口には出さない。
「…王?」
フィアナは、にやり、と怪しげな笑みを浮かべた。
「…じゃあ、何してもいいんだな?」
「…え…ええ…」
嫌な予感を感じるが、こくこく首を縦に振る。
「よしっ」
フィアナは、くす、と笑い…声を張り上げた。
「新王からの最初の勅令を下す!心して聞け!」

しーん…

静まりかえる一同。
フィアナ、『苦手』とか言ってた割にハマリ役である。
フィアナは、にこ…と、飛び切りに愛らしい笑顔を浮かべてみせた。
可愛らしさと美しさが同居した、フィアナにしかできない笑顔。
そして、胸の前で指を絡み合わせ―――――――――――――――――
「今日から王政廃止しますっ!」
………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………………
「じゃそういう訳であとよろしくっっv」
王冠を外し、ぽーん、と民衆の方に放り投げる。
「フィアナ、早くー!」
「あー、悪い悪い!」
後ろの方で手招きするフィブリゾ。
その隣に、ぽっかりと黒々とした空間が口を開けている。
以前、アークロンドと取り引きした結果のブツである。
フィアナは、たたたっ、と、ドレスを脚に絡み付かせつつ走り…
ぽんっ、と空間の中に飛び込んだ。
「それじゃ皆様、あっでゅー♪」
フィブリゾも中に入り…
きゅん、と入り口が閉まる。
………………………………………………………………………………………………………
後に残された死神様御一同。
ただ、ぽかーんとしている。
しかし、やがて…

…ぷっ。

誰かが噴き出した。
堪えようとしても笑いの渦はひろがり、やがて会場中にくすくす笑いが満ちることとなった。
「…あのひとが大人しくしてる訳が無いと想ってたんだよ、俺は!」
「そうそう、あのフィアナ様が!」
「小さい頃からしつけ係の言うこと無視しまくってたあの方がさー」
「何回止めてもドレスのままで泥遊びして、泥んこになって帰ってきて…」
…ふぅ。
「…や・ら・れ・た」
かつて、赤の竜神が座っていた席。
そこに座ったアークロンドは、呟き、溜息を付き…
顔を伏せたまま、必死で笑いを堪えていた。










「なんだかんだ言って私って結構幸せ者だよなー♪」
「そーかもね」
ははっ、と笑うフィブリゾ。
「これからが大変だよー?
 絶対神界ブラックリスト乗っちゃったもーん」
「まぁまぁ、なんとかなるって!」
フィアナは、明るい笑顔を浮かべて見せた。
「大変なのは魔族だろうが、魔王どうするんだ」
「…うーん…それなんだよねぇ…」
はぁ、と溜息を付くフィブリゾ。
「…ま、多分なんとかなるだろーなー…とは思うんだけど」
「…ホントかよ…」
「…でも…赤の竜神も滅びたし。
 …痛み分けってトコじゃないの…」
「…辛い痛み分けだな…」
確かに、赤の竜神は滅びた。
だが、寸前で自らの分身を創造したのだ。
七つに分断されて、しかも封印されてしまった魔王を頂点とする、魔族側の圧倒的不利である。
「…このままで済むもんか。
 絶対借りは返すよ、スィーフィード」
フィブリゾは、いつになく厳しい表情でそう呟いた。










これから先にあるものなど解らない。



全ては運命の御導きのままに。



だが、大人しく従ってばかりいると思ったら、大間違いだ。










フィアナは、空を仰いだ。
抜けるような蒼い空。










運命、無慈悲なその言葉。


大切なひと、もの、想いでさえも、全て裁ち切り虚空へ飛ばす。


運命と言う名の化け物は、一片の良心さえも、いとも容易く喰らい尽くす。


運命に抗うことこそが、逃れられぬ運命だと言うのなら、


安穏とした生に甘んじることしか知らぬ、己の不運を嘆くがいい。


廻る廻る運命の環。


巡る巡る星の軌道。


為す術もなく流された者。


抗いきれずに散った者。


数々の惨事を脳裏に刻みつつも、愚者は墓標に名を連ぬるか。













「やるだけやってみるさ」


フィアナは、小さく呟いた。


何処かで、妹が笑った気がした。





























                                  五大魔族と五人の部下達in神魔戦争          完

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15942お疲れ様でしたGURE−TO MASA E-mail 2004/2/2 12:52:36
記事番号15941へのコメント

ただいま、受験戦争真っ只中で戦っております!!
会場行くと、受験特有の熱気で暑苦しいですよ。

120話………
自分には、当方もない数です…
前此処で書いていた小説も完全に停止してるしな。

後、2回ほど試験を受ければ戦争からもおさらばですけど、後が怖いな…
最初の方はレス書いてました(?)が、途中から試験のために書けなくなりこの場を借りてお詫び申し上げます。

では、遙琥珀さんの次回作楽しみにお待ちしています。

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15948いえいえ。遙 琥珀 E-mail 2004/2/4 14:20:21
記事番号15942へのコメント


>ただいま、受験戦争真っ只中で戦っております!!
>会場行くと、受験特有の熱気で暑苦しいですよ。
あら(笑)
頑張ってくださいね。
>
>120話………
>自分には、当方もない数です…
>前此処で書いていた小説も完全に停止してるしな。
恐らく、根気の問題かと。
自分でもよく続けられたなぁと思っております(汗)
>
>後、2回ほど試験を受ければ戦争からもおさらばですけど、後が怖いな…
>最初の方はレス書いてました(?)が、途中から試験のために書けなくなりこの場を借りてお詫び申し上げます。
いえいえ。
読んでいてくれただけでも。すごく嬉しいのですよ。
>
>では、遙琥珀さんの次回作楽しみにお待ちしています。
はい。
多分じきに始められることと思います。
遅くても三月始まるまでには。

それでは、また今度。

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15943おしまいですか……カイ・ソリュード 2004/2/2 14:54:29
記事番号15941へのコメント

お久しぶりです。随分長いことご無沙汰してたカイ・ソリュードです。
来ていなかった間はほとんどクラブ活動をしてました。長期休み中は逆に普段より忙しいです。そして今は試験中(というか試験から現実逃避中)

お疲れさまでした。読み終わってからふと話数を見ると120話。こんなに書けること自体がもうすごいと思います。わたしだったらきっと途中で破綻しますね、話が。

では、次回作を楽しみにしています。

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15949長い間ありがとうございました!遙 琥珀 E-mail 2004/2/4 14:22:25
記事番号15943へのコメント


>お久しぶりです。随分長いことご無沙汰してたカイ・ソリュードです。
お久し振りです。
しょうもない話を書き続けてしまった琥珀です。
>来ていなかった間はほとんどクラブ活動をしてました。長期休み中は逆に普段より忙しいです。そして今は試験中(というか試験から現実逃避中)
クラブお疲れ様です。
試験、無理をしない程度に頑張ってください。
>
>お疲れさまでした。読み終わってからふと話数を見ると120話。こんなに書けること自体がもうすごいと思います。わたしだったらきっと途中で破綻しますね、話が。
何度も破綻仕掛けたのですがね。
しつこいですから、私(笑)
>
>では、次回作を楽しみにしています。
ありがとうございます。
では、またいつか。

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15944長い間お疲れ様でした(私+アルファ一同)煌天由亜+アルファ 2004/2/2 23:30:42
記事番号15941へのコメント


ユア:長期連載、お疲れ様でした。
アル:うちの作者なんて堪え性内から浮気しまくってんのに琥珀は凄いね。
栄;俺も、感無量だな。
二人;阿保!!
   感無量は、琥珀(さん)がつける言葉でしょうが?
栄;ともかく、おめでとう。


>ライアナの手の甲に触れるフィアナ。
>熱く、熱が中で疼いているのが解った。
>気の狂うような熱が、今も彼女の躰を蝕んでいる。
>本人は相当な痛みを感じているだろう。

栄;痛そう。
  身体はない分、こういう話の神族魔族に近い分容易に想像できる。


>「『結局』って…
> 傷が癒えたら何度でも挑戦しに来い!何度でも相手してやるから!」
>フィアナの言葉に…ライアナは、笑った。
>「…お人好しですね、ホントに
>「…無理ですよ…
> 治りませんから」

ユア:叶わぬ願い・・・か・
   ま−くんとの約束守れてるんだろうか・・・・・・。
アル:・・・・生きているんだし、笑えていればな。

>「…ありがとう…
> …ごめんね」
>生まれてきてくれてありがとう。
>一緒にいてくれてありがとう。
>必要としてくれてありがとう。
>解ってあげられなくてごめん。
>止めてあげられなくてごめん。
>護ってあげられなくてごめん…
>ありとあらゆる感情が溢れ出す。

ユア;こういう文を読んでまず思い浮かべるのは、ま−君とかの幽霊の友達。
   一緒に遊んでくれてありがとう
   側にいることを選んでくれてありがとう
   一緒に逝けなくてごめん
   それを阻止できなくてごめん
   食べられる時止めれなくてごめん(これのみま−くんだけに。)
   上の文に当てはめるとこんな感じ。


>「…神族の転生は…かなり確率が低い」
>滔々と語るフィアナ。
>「…0,0000…の後ろに、十万個はゼロが連なるが…」

アル;ある文献によると(一応一般書)こっちの神族魔族も似たようなものらしい。
   0,0000・・・の後に一万個から9万個のゼロが付く。
   平均5万個らしい。


>「…待ちます…
> …百年でも…千年でも…
> …一生でも…!」

栄;暑い言葉だねえ。
  若いって羨ましい。
ユア;栄ちゃんのほうが下でしょうが。

>フィアナは、それから、蒼穹を見る度に思い出す。
>妹が紡いだ、最期の言葉―――――――――――――――――
>
>『お姉様』
>
>『ありがとう』
>
>『ごめんなさい』
>
>『さようなら』
>
>甘い幻想だと嘲笑されればそれまでだが。
>
>フィアナは、信じていた。
>
>ライアナは、心を棄ててはいなかった、と。
>

アル;甘い幻想でも、信じればそれが真実だ。
ユア:心を捨てても生きれないから持ったままあいう風になったのでしょうね
   ライアナ『さん』は。


>堪えようとしても笑いの渦はひろがり、やがて会場中にくすくす笑いが満ちることとなった。
>「…あのひとが大人しくしてる訳が無いと想ってたんだよ、俺は!」
>「そうそう、あのフィアナ様が!」
>「小さい頃からしつけ係の言うこと無視しまくってたあの方がさー」
>「何回止めてもドレスのままで泥遊びして、泥んこになって帰ってきて…」
>…ふぅ。
>「…や・ら・れ・た」
>かつて、赤の竜神が座っていた席。
>そこに座ったアークロンドは、呟き、溜息を付き…
>顔を伏せたまま、必死で笑いを堪えていた。


ユア;皆さま、黙認なんですね。

>
>これから先にあるものなど解らない。

これからの道などわからない。

>
>全ては運命の御導きのままに。
>
全ては摂理が紡がれるままに。
>
>だが、大人しく従ってばかりいると思ったら、大間違いだ。
>
でも、それに大人しくしていると思ったらそれは誤算。
>
>
>

ユア;なんとなく返してみました。

>
>運命、無慈悲なその言葉。

摂理、無情なその言葉。

>
>
>大切なひと、もの、想いでさえも、全て裁ち切り虚空へ飛ばす。

大切な全てを全部無視して常闇に導く。

>
>
>運命と言う名の化け物は、一片の良心さえも、いとも容易く喰らい尽くす。
>

摂理という名のものは、わずかな躊躇いさえも、いとも簡単に飲み込む。

>
>運命に抗うことこそが、逃れられぬ運命だと言うのなら、
>
摂理に抵抗できぬことが、変えられぬ摂理というのならば

>
>安穏とした生に甘んじることしか知らぬ、己の不運を嘆くがいい。

平安な生を受け入れる事しか知らぬ、己の不遇を後悔するがいい。

>
>                                  五大魔族と五人の部下達in神魔戦争          完
>


一同;琥珀の姐御。
   長い連載御苦労様でした。
   次回作を期待しています。
   体を壊さないように気をつけてください。
   それでは。

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15950ありがとうございました!遙 琥珀 E-mail 2004/2/4 14:27:23
記事番号15944へのコメント


>
>ユア:長期連載、お疲れ様でした。
>アル:うちの作者なんて堪え性内から浮気しまくってんのに琥珀は凄いね。
>栄;俺も、感無量だな。
>二人;阿保!!
>   感無量は、琥珀(さん)がつける言葉でしょうが?
>栄;ともかく、おめでとう。
>
ありがとうございました!
やっと終わりましたね、この話も(汗)
少し寂しいですが、またすぐ『in降魔戦争』始まりますからねぇ…
>
>>ライアナの手の甲に触れるフィアナ。
>>熱く、熱が中で疼いているのが解った。
>>気の狂うような熱が、今も彼女の躰を蝕んでいる。
>>本人は相当な痛みを感じているだろう。
>
>栄;痛そう。
>  身体はない分、こういう話の神族魔族に近い分容易に想像できる。
痛いというか『辛い』。
火傷は本当に辛いです。
>
>>「『結局』って…
>> 傷が癒えたら何度でも挑戦しに来い!何度でも相手してやるから!」
>>フィアナの言葉に…ライアナは、笑った。
>>「…お人好しですね、ホントに
>>「…無理ですよ…
>> 治りませんから」
>
>ユア:叶わぬ願い・・・か・
>   ま−くんとの約束守れてるんだろうか・・・・・・。
>アル:・・・・生きているんだし、笑えていればな。
>
ま、生きてりゃなんとかなる場合もありますからね。ごくわずかですが。
…まず生きなきゃね…
>>「…神族の転生は…かなり確率が低い」
>>滔々と語るフィアナ。
>>「…0,0000…の後ろに、十万個はゼロが連なるが…」
>
>アル;ある文献によると(一応一般書)こっちの神族魔族も似たようなものらしい。
>   0,0000・・・の後に一万個から9万個のゼロが付く。
>   平均5万個らしい。
ほほう。
>
>>「…待ちます…
>> …百年でも…千年でも…
>> …一生でも…!」
>
>栄;暑い言葉だねえ。
>  若いって羨ましい。
>ユア;栄ちゃんのほうが下でしょうが。
因みにロンド十六。もうすぐ十七。
>
>>フィアナは、それから、蒼穹を見る度に思い出す。
>>妹が紡いだ、最期の言葉―――――――――――――――――
>>
>>『お姉様』
>>
>>『ありがとう』
>>
>>『ごめんなさい』
>>
>>『さようなら』
>>
>>甘い幻想だと嘲笑されればそれまでだが。
>>
>>フィアナは、信じていた。
>>
>>ライアナは、心を棄ててはいなかった、と。
>>
>
>アル;甘い幻想でも、信じればそれが真実だ。
>ユア:心を捨てても生きれないから持ったままあいう風になったのでしょうね
>   ライアナ『さん』は。
を。
久々にライアナに『さん』付けましたな(笑)
まぁ、故人ですから。
>
>>堪えようとしても笑いの渦はひろがり、やがて会場中にくすくす笑いが満ちることとなった。
>>「…あのひとが大人しくしてる訳が無いと想ってたんだよ、俺は!」
>>「そうそう、あのフィアナ様が!」
>>「小さい頃からしつけ係の言うこと無視しまくってたあの方がさー」
>>「何回止めてもドレスのままで泥遊びして、泥んこになって帰ってきて…」
>>…ふぅ。
>>「…や・ら・れ・た」
>>かつて、赤の竜神が座っていた席。
>>そこに座ったアークロンドは、呟き、溜息を付き…
>>顔を伏せたまま、必死で笑いを堪えていた。
>
>
>ユア;皆さま、黙認なんですね。
そうですね。
フィアナは皆に人気あったようですから。
>
>一同;琥珀の姐御。
>   長い連載御苦労様でした。
>   次回作を期待しています。
>   体を壊さないように気をつけてください。
>   それでは。
次回作は、もう既に用意できています。
このツリーが下に行く頃には新しいツリーの準備もできると思います。

それでは。