◆−華鏡の遺品より−煌天由亜 (2004/2/8 20:08:50) No.15971 ┗獣王がゼロスを作った理由その6〜激情〜−煌天由亜 (2004/2/8 20:30:42) No.15973
15971 | 華鏡の遺品より | 煌天由亜 | 2004/2/8 20:08:50 |
再開します。 |
15973 | 獣王がゼロスを作った理由その6〜激情〜 | 煌天由亜 | 2004/2/8 20:30:42 |
記事番号15971へのコメント 村に命あるものがいなくなった頃。 こんな声が響いた。 『この村にいるであろう。 五人の腹心が一人・獣王・ゼラス=メタリオムよ。』 『私達はぁ、貴女をぉ滅ぼすって命を〜』 『姉さん、口出さないで下さい。』 『いいじゃないの。』 少し内輪の会話が入ったようなので男の声のほうは、咳払い一つ。 『コホン。 私達は、貴女を抹殺する命を赤の竜神様から受けたソ−ド姉弟です。 大人しく、広場まで出てきなさい。』 それまで、放心状態だったゼラスは、自らの分身の魔件を呼び出し広場へ向かった。 「ねぇねぇ、デュランダル。 獣王だよ、獣王。」 「・・どう殺します、クレ−ル姉さん?」 この二人の見目は、ふわふわの金髪・アメジストのような瞳・陶器のようなすべらかな肌で、白い神官服と大変見目麗しいのだが、性格の方は残酷非道な奴らである。 「貴様ら、何故ゼロやニケたちを殺した?」 「貴女を匿っていたからですぅ。」 「それに・・・・」 「それに、何だ。」 「それに、血とか死を見るのって楽しいじゃないですか?」 「そ−だよねぇ、デュランダルvv」 獣王は、怒りで身体を震わせる。 「それにね、僕達が来れたのって、ニケさんのせいなんですよ?」 「うんうん、七日ほど前に手紙鳥を飛ばしたでしょう? その時の痕跡でここまで来れたんですぅ。 馬鹿ですねぇ〜。」 (ニケが最後に言った。 『せめてもの・・・』はこういうことだったんだな。) そう皮肉にも ゼラスが飛ばした手紙鳥が、 ゼラスから最愛の人を奪う要因になっていたのだった。 「かかってこい・・・・・。 人間一人・・・接近戦でもやれるだろう?」 感情を押し殺し、激情を押さえ込み、相打ちを覚悟した抜き身の日本刀のような声音でそう告げるゼラス。 「それがいいですね。 ・・・そっちのほうが楽しいそうですぅ。」 「まぁ、待て我らの影で消耗させたほうが後々楽しいぞ?」 どうやら、嬲り殺しに決まったようだった。 その7へ続く |