◆−幸福な王女・ゼルアメバージョン−要 (2004/2/11 12:49:14) No.15979
 ┣泣いてしまいました−星村さゆる (2004/2/11 21:13:18) No.15981
 ┃┗星村さゆる様へ−要 (2004/2/11 22:26:27) No.15982
 ┣はじめまして。−イヌひこ (2004/2/12 01:00:38) No.15983
 ┃┗Re:はじめまして。−要 (2004/2/12 13:57:46) No.15986
 ┣優しいお話ですね−G.O. (2004/2/12 10:27:12) No.15984
 ┃┗Re:優しいお話ですね−要 (2004/2/12 13:45:41) No.15985
 ┗良い話です…。−祭 蛍詩 (2004/2/14 00:14:23) No.15996
  ┗Re:良い話です…。−要 (2004/2/14 10:41:28) No.15998


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15979幸福な王女・ゼルアメバージョンE-mail 2004/2/11 12:49:14


こんにちは☆要と申します。
このお話はあの「幸福な王子」をもとに作ったものです。
初めての投稿なので、多少なりおかしな点があると思いますが、
最後まで読んでいただければ幸いです。


*幸福な王女*

 昔々、ある国に“幸福の王女”と呼ばれる美しい王女がいました。
ある日、王女は城の庭で一羽のツバメを見つけました。
「可愛そうに!怪我をしているのね。
 こんなところにいたら城の者に見つかってしまうわ」
そう言って王女は自分の部屋にツバメを持ち帰りました。
ツバメは王女の看病のおかげで、以前のように空を飛べるようになりました。

 しかし、王女はツバメが元気になって間もなく、流行の病に侵され死んでしまったのです。
 国民は王女の死後、街の広場の真ん中に王女の銅像を建てました。
「私は死んで銅像になったのですね。こんな豪華な像を建ててもらって、
 私は幸せ者ですね。」
「おい」
見ると目の前にあのツバメが上目遣いで王女を見ていました。
「ツバメさん!お久しぶりです!元気でしたか?」
「・・・アメリア、あんた自分の状況分かって言ってるのか?」
ツバメは深いため息をつきました。
「・・・・・・何かやり残したことはないか?」
「え?」
「だから、あんたが死ぬ前にやり残したことはないかと聞いてるんだ」
「・・・あります」
王女は曇った声で言いました。
「なんだ?」
「この国にはまだ貧しい人がたくさんいるんです。その人たちを・・・」
王女は黙ってしまいました。泣いているのか、銅像の顔からは分かりません。
「ツバメさんお願いです!今晩だけ、今晩だけ私の願いを聞いて下さい」
「・・・言ってみろ」
ツバメは無表情に言いました。

 その夜、
「まず貧しいお針子に私の剣についているルビーを」
「次に私の両目にはめ込まれているサファイアを、
 一つは、貧しい作曲家に
 もう一つは、貧しいマッチ売り少女に」
ツバメは言われたとおりに街の夜空を飛び回りました。
「ありがとうございました!これで少しは貧しい人が減りましたね」
「なんでそこまでするんだ?」
「・・・さあ、私も分かりません。
 でも、ほっとけないんですよ」
その動かない表情は一瞬だけ笑ったように見えました。
「おかしなやつだな」

 ツバメは秋が深まってもアメリアの側にいました。
 ツバメは両目の失った王女に、今までしてきた旅の話をしました。
 「なんで旅を始めたのですか?」
 「人間に、なりたくてな」
 アメリアはそれ以上深くは問いませんでした。

「まだまだ、貧しい人がたくさんいます。
 そうだ!ツバメさん!私の体の金箔を剥がして配ってください」
「何言ってるんだ!そんなことしたらただの鉛の塊になっちまうぞ!」
「いいんです。私は」
ツバメは反論はするものの言われたとおりに金箔をすべて剥がし、
貧しい人に配りました。
アメリアはとうとう灰色に薄汚れた像になってしまいました。

 冬がきて雪が降りました。
「ツバメさん?」
「悪いな。もう飛べないらしい。
 だが安心しろ。もうこの街に貧しい者はいない」
「ツバメさん!!」
「そういえば、言ってなかったな。
 あの日、助けてくれてありがとう・・・」
「!目を開けてください!!私を一人にしないでください!!いやぁあ!!」
ツバメはアメリアの足元で死んでしまいました。
そのとき、王女の心臓もはじけてしまいました。

 夜が明けるとクリスマス
街は子供たちの笑顔でいっぱいになりました。
「こんな汚い像は壊してしまおう」
大臣は新しく自分の像を建てるために王女の像を壊しました。
アメリアの鉛の心臓はツバメとともにゴミ捨て場に捨てられました。

 「あの街でもっとも尊いものを二つ持ち帰りなさい」
 神は天使にそう言いつけると、
 王女の鉛の心臓と、ツバメを持ち帰りました。


 「あなた方二人には永遠の命と天国の門を守る使命を授けます」


 「・・・こ、こは」
 「アメリア」
 目の前には知らない男の子、周りは一面の花畑
 「・・・ツバメ、さん?」
 「よく分かったな」
 見た目は変わってしまっても、アメリアにはすぐに分かりました。
 「声が聞こえました」
 「ああ」
 「人間になれたんですね」
 「ああ」
 アメリアは目に涙を浮かべて目の前の男の子に抱きつきました。
 「・・・名前をもらった。“ゼルガディス”と」
 「素敵な、名前ですね」
 アメリアは顔を上げて微笑んだ。
 
 
 「・・・ずっと一緒にいてくださいね」
 
 「・・・・・・あぁ」

                     
                           おわり

いかがでしたでしょうか?ホント素人丸出しで(@_@;)
今度はもう少しラブラブのを描きたいです☆では。

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15981泣いてしまいました星村さゆる 2004/2/11 21:13:18
記事番号15979へのコメント

 要さん、今晩は。お絵ビの方ではステキ絵を拝見させて頂いております、星村です。要さん、小説も書かれるんですねvゼルアメ者には嬉しいことでした。
 
「幸福の王子」のゼルアメ版とは!今まで見たことなかったので、ビックリです。目の付け所が違いますね。「幸福な王子」・・・私、この話大好きなんです。幼い頃から知っている話ですが、今読んでも泣けます。(逆に、今読むからこそ新たな発見もあるのですが)王子と、ツバメが可哀相で可哀相で・・・涙腺が緩んでしまうのです。
 この話は、最終的には2人とも死んでしまいます。王子は、鉛の塊になって、ツバメは力尽きて。それでも、王子は「幸せ」でした。そして、ツバメも。
 王子の瞳はサファイアで、王冠には綺麗なルビー。全身は金箔。美しい銅像です。それを取ってはがして、貧しい人に分け与えることをツバメに頼んだ王子。
 はたから見ると、これは愚かな行為に見えるかも知れません。街の人も、「こんな汚い銅像は壊してしまおう」と言って、王子とツバメをゴミのように―と言うか、ゴミとして捨ててしまいました。なぜ、王子がそんな姿になったのか知らずに。そして、なぜツバメが死んだかも知らずに。

 でも、2人は幸せだった。
 誰かに誉められるためじゃない。誰かを救いたい。僕はいいから。僕は大丈夫だから。だから、幸せにしたいんだ。街の人たちが、笑顔になるように。アゲタイんだ。僕を。微笑みを、あげたい。
 
 王子の利他的な優しさ。そして、その王子と最期まで一緒だったツバメ。
 ツバメは渡り鳥です。冬になったら、南に渡らなければいけません。そうしないと、死んでしまうんです。だから、ツバメはいくらでも王子に「さようなら」をいえたはずなんです。だけど、しなかった。
 王子と一緒にいたかったから。
 己の命が掛かっているのに、そこまでするなんて馬鹿じゃないのか。そう思うっ人もいるでしょう。でも、ツバメにとっては、王子と離れることのほうがよっぽど不幸だったでしょう。ツバメは、王子が大好きだったんですね。この、孤独で、温かく、悲しいほどに優しい王子が。
 これは、愛です。ツバメは、王子を愛していました。王子と同じで、ツバメは、優しすぎるくらい、「本当に」優しかった。

 ゼルガディスとアメリアも、一緒なんですよね。2人とも、優しいんです。
 ゼルは確かにぶっきらぼうです。冷たくて、自分勝手で、無口で、他人と距離をとって。だけど、彼は。心に、すごく純粋なものを持っていて。ただ、不器用なだけで。
 ツバメ(ゼル)は、優しい言葉は言わなかったかも知れません。でも、ずっと、ずっと、自分の命に危機が迫っても、黙って王子(アメリア)のそばにいました。それが、王子にどんなに嬉しかったか。
 
 泣いてしまいました。涙が出ました。

 誰も気づかなくても、確かに存在した、2人の愛。
 不器用で、切ないくらい美しくて、
 そして何より強かった、2人の愛・・・。

 ゼルが、健気で健気で・・・胸がギュ〜〜ッと締め付けられました。「人間に、なりたくてな」のゼルの発言も、意味深ですね。人間になって、アメリアのそばにいたい、ということでしょうか。
 
 ゼルアメというカップリングの、新たな発見がたくさんありました。
 私の拙い文章では、言いたいことがまとまらず上手く言えませんでしたが・・・。
 要さん、ありがとうございました。
 
  
 

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15982星村さゆる様へE-mail 2004/2/11 22:26:27
記事番号15981へのコメント

星村さゆる様へ
こんばんは☆
本当に嬉しいの一言です。
私は最近パソコンを買って、本当に初心者で、この作品も書いたはいいものの正直自身がありませんでした。
けど、絵の方もそうでしたが、こうやってすぐにレスをくれて、感想を書いてくれて、本当に嬉しかったです。
ありがとうございます。
このコメントを見て泣きそうになりました。
私も「幸福の王子」大好きなんです。今回は昔3チャンでやってた
「音楽物語 幸福な王子」をもとに書いたものですが、
またちょくちょく書きに(描きに)きたいと思います。
本当に感想ありがとうございました。
要は幸せですv

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15983はじめまして。イヌひこ 2004/2/12 01:00:38
記事番号15979へのコメント

初めましてこんばんは、イヌひこと申します。

えっと、お話の中のゼルの台詞が残らず全部好きでした。
…いやその、ゼル好きなもので;。
特に子のお話の中のゼルの台詞や行動はそっけなくて不器用な感じがしたんですけど、アメリアへのやさしさがたくさん詰まってるように思えました。
アメリアにやさしいゼルとかすごく好きなので、読んでて嬉しかったです。
アメリアもはまり役ですね。死んじゃったのに銅像されて感謝してるとことか、街の人のために尽くしてるところとか、けなげで彼女らしくてかわいいっ、と思ってしまいました。

うう、なんか上手に感想書けないのにすみません。
十分ラブラブだと思いましたが、要さんのもっとラブラブなゼルアメ、読んでみたいです。これからもがんばってください!

あと、お絵かきでも要さんの絵を見せていただいてるんですけど、
ゼル素敵でした!私的に白黒(と言って良いのかな?)ゼルが大好きです。
こんなとこで感想書いて恐縮なんですが、絵の方もがんばってくださいです。

では、失礼しました。

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15986Re:はじめまして。E-mail 2004/2/12 13:57:46
記事番号15983へのコメント

初めまして!要です☆
感想とっても嬉しかったです。
私はこの作品が初めてで本当に自信がありませんでした。
今日見たら三人の方からレスを頂いて、ホントにビックリしました。
読んで頂いて、素敵なレスをありがとうございました。
要は幸せ者です(><)
絵の感想もとっても嬉しかったです!
本当にありがとうございました。

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15984優しいお話ですねG.O. 2004/2/12 10:27:12
記事番号15979へのコメント

はじめまして、要さん。
「幸福な王女・ゼルアメバージョン」拝読いたしました。
幸せな王子、は私も大好きな話です。呼吸をするかのように当然のごとく自分を犠牲にし、またそれを犠牲だと思わない清々しさと幸福感、それに触れたツバメの悦びと、王子に分け与えられた幸福がストレートに心迫る話ですよね。こうして要さんがゼルアメ変換されるのを目にして、思わず大きく頷いてしまいました。

同時に、原作の殺伐とした部分を綺麗に取り除き、ラストをこういったアレンジにしてしまうところが、要さんの優しさだなと、しみじみ感じます。

> 「あの街でもっとも尊いものを二つ持ち帰りなさい」
> 神は天使にそう言いつけると、
> 王女の鉛の心臓と、ツバメを持ち帰りました。

ここ、もう、じわーときてしまいました(涙)
私はこの「幸福な王女・ゼルアメバージョン」が大好きです。簡潔な文章なのに、優しさに溢れてます。読んでて気持が暖かくなりました。もっともっと書かれた方の文に触れてみたくなるような作品ですよね。『ずっと一緒』は、どんな形であれ、ゼルアメ好きにとって究極の合い言葉な気がして(勝手に)ラストがマジで嬉しかったです。こうであって欲しいです。

素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました。ごっつ素で感動しました。そんな私もきっと幸福です。

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15985Re:優しいお話ですねE-mail 2004/2/12 13:45:41
記事番号15984へのコメント

こんにちは☆要です。
感想ありがとうございました。
とても嬉しかったです。
こんなにしっかりした感想をもらって、
G.O.さんのような方に読んで頂いて私も幸せです。
また書きたいと思います。
本当に心からありがとうございました。

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15996良い話です…。祭 蛍詩 2004/2/14 00:14:23
記事番号15979へのコメント

 こちらでは、はじめまして。 祭だったりします。
 遅いレスでごめんなさい;;

 『幸せの王子』という話は、なんかかわいそうであまり好きではないのですが、要さんの書かれた『幸福の王女』は、すごく好きになりました。
 ツバメが『人間になりたい』と思ったのは、王女の側にずっと居たかったからでしょうね。
 しかも、ツバメなゼルさん、ぶっきらぼうに見えるのにすごく優しくて…。
 ツバメの最期の言葉が『ありがとう』というのは、じわっときました。 あまりありがとう、とか言わない人(←?)なので、それだけ重みがありますよね。
 そして、最後が一番好きです! ハッピーエンドで! 『幸せの王子』は一応天にあげられますが、その後の話がないじゃないですか、だから私の場合悲しいという感情のままで読み終えてしまうんです。
 でも、『幸福の王女』は、天で二人が再会する上に、ゼルさんも人間になっていて、これからはずっと一緒にいられる……そんな所が本当に良いなぁ、と感じました。
 
 えっ? 初めてなんですかっ?? 
 初めてとはとても思えないほどすごいです!

 これからも頑張ってくださいね!
 では、今回はこの辺で。

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15998Re:良い話です…。E-mail 2004/2/14 10:41:28
記事番号15996へのコメント

こんにちは☆感想ありがとうございました!!
ホントに素人で、口じゃなくて文章で伝えられるか不安でした。
いきなり事が進みすぎてはいないか、唐突すぎないか、アメリアはもっと違う雰囲気では、ゼルは・・・と、書いてからも結構悩みました。
今日またレスが来ていて本当に嬉しかったですv
もうレスはないかなぁ、なんて思ってましたから。
ありがとうございました☆