◆−カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険−パッチー (2004/3/1 16:58:00) No.16072 ┣Re:カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険−神高 紅 (2004/3/2 13:09:30) No.16073 ┃┗Re:カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険−パッチー (2004/3/2 16:34:19) No.16074 ┗Re:カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険−オロシ・ハイドラント (2004/3/18 20:16:02) No.16156 ┗送れて申し訳ありません・・・−パッチー (2004/3/30 09:56:05) No.16220
16072 | カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険 | パッチー | 2004/3/1 16:58:00 |
えー・・・数ヶ月の遅滞ですがカオスフィールドの再開です・・・ 申し訳ありません!!パソコンの不調で全然かけなくなっちゃって!!神高 紅さまごめんなさい(土下座) これからは今までの倍以上頑張る・・・と思いますので、末永く見守ってください!! カオスフィールド カオスフィールド・・・混沌の世界。 全ての物語が出会い、紡がれ、そして別れていく空間。 今日もまた一つの物語が、生み出され・・・そして別れていく。 カオスフィールド南東に位置するキエサルヒマ大陸。 大陸自体の大きさはさほどではないが、強力な魔術師や戦士を数多く有し、牙の塔を筆頭とした魔術文明で注目されている大陸である。 ここはその大陸でも四大都市に数えられる、トトカンタ市の一角 とある酒場である。 「モンスター退治?こんな街中で?」 二十歳そこそこのやや拗ねたような黒瞳黒髪の若者。体格は中肉中背といった所だろう。 目つきはかなり険しい・・・・いや、雰囲気自体がなにかしら険を持っているのだろうか。 腰に小振りの剣を持っている・・・はっきり言えば物騒な格好をした男。 今の時代にはこういう男が大勢居る・・・冒険者という職業の。 だが、目の前に居る男はどうやら別の仕事についているらしい・・・現に、ここは冒険者達がたむろする、通称『冒険者の宿』ではない。普通・・・とは少し言いがたいが(酒場の半分がこそげ落ちているなど、普通とは言いがたい)、中の構造は少なくとも普通の酒場である。 「はい・・・実は、近くにまた遺跡が出現してしまったんです・・・」 目の前で少しこげている物体を蹴り飛ばし、中年の男・・・この街の治安部の一人だが・・・は手に持っていた依頼書を男に手渡す。 細かな契約を飛ばし、最重要な項目だけを読む 『遺跡に巣くう化物の退治・・報酬は遺跡の宝物と金貨百枚』 「遺跡の宝物?そんなあるかないか分からない物を報酬にするのか?」 顔をしかめて彼は尋ねる。 確かに、遺跡に潜るというのは高い危険が付きまとう。しかも、常に宝が出てくるとは限らない。 いや、仮に出てきても、たいした価値も無い物が出てくる場合もある。 はっきり言えば、無駄骨の可能性が高い。 「はぁ・・・未盗掘の遺跡というのは間違いないですが・・・」 「だが、誰も入ってないって事は何があるかも分からないって事だ」 依頼書を保安官に返して、男は席に座・・・・れなかった 「・・・・・・バグアップ・・・」 海賊のような男・・・バグアップと呼ばれた男が、彼の肩を掴んでいる。無言で男の目の前に一切れの紙を差し出し・・・・ 「き、金貨二百枚!?そんなに溜まってるのか!!?」 「・・最近はろくに宿代も払ってないな」 紙面をかじりつく様に眺める男・・名はオーフェンという・・ このトトカンタ市でもぐりの金貸し兼何でも屋を営む・・・早い話が裏家業。 金貸しといってもはっきり言えば儲かっていない。現に宿代を払えないという信じられない状態だ。 といっても一概に彼が無能であるとは言えない・・・少なくとも戦闘に関しては。現に彼は一撃で宿の半分を吹き飛ばし、尚且つそれを修復することも出来る・・・まだ穴が開いているのはそれをスカッと忘れているだけだろう。 「お前さんは、仕事を選んでいる場合じゃないだろう?」 海賊一歩手前の顔の割に優しい声で、諭すようにバグアップが言った。 オーフェンは拗ねたような顔をさらに渋くさせ・・・大きなため息をついて近くの椅子に座る 「そっちの席に座れ・・・依頼を受ける」 「あ、ありがとうございます」 保安官は額の汗を拭きつつ、椅子に座り遺跡について話し始めた・・・ 「うっ・・・受けなきゃ良かった・・・・」 後悔先に立たず。もしくは後の祭り?兎に角そういう意味。 「ひぃぃぃ、オ、オーフェンさぁぁぁん」 重そうな金属鎧を着た青年がすがり付いてくる。 今回の冒険に一緒に行く事になった、そこそこ腕の立つ冒険者・・・のはずだ。 少なくとも、オーフェンは彼の実力なんぞ全く見てないし最早見る気も無い。 目の前にある骸骨の群れを見ただけで腰を抜かすような実力など・・・ カチャ、カチャ・・・・骸骨の群れが動くたびに金属がたてるような音がする。 「1,2,3・・・・24か」 動いている骸骨(周りには他にも骸骨が転がっている。この骸骨の群れの仲間か、殺された者たちだろう)が、ゆっくりと歩み寄ってくる。 「まさかこんな遺跡の奥でホラー体験するとは思わなかったぜ・・・・“我は放つ 光の白刃=I!」 光の奔流が走り、骸骨に衝突した瞬間・・・爆発する 「うわぁぁぁぁ〜!ひぃ、骨、骨ぇぇぇ・・・・・キュゥ」 爆裂四散した骨の破片を見ただけで、戦士は気絶した 「・・・マジでこんなんが冒険者なのか・・・?この大陸、慢性的な人材不足なんだなぁ」 とある警官の顔を思い出しつつ、うんうんと頷くオーフェン。 とりあえず男を蹴り起こし、辺りをもう一度見直してみる。 爆裂四散した骨、古びた置物・・・これは回収・・・入り口へ続く扉、ボロボロの柱・・・四角形の形をしたかなり大きなこの広間にあるのはこれ位だろうか。 いや・・・ 「まだ・・何か見落としている気がするな」 直感というか、第六感というか・・・兎に角、オーフェンには何かが足りない気がした。 泥棒根性とでも言うべきか・・・・お宝とまでは言わないまでも、この程度のダンジョンではないと思うのだ。 「ふぇ?・・・はっはっはっ!!見たか、このボロイゴ様の実力を!!」 「威張るなわめくなこの無能。さっさと起きねぇと吹っ飛ばすぞ」 良い角度でけりが入り、無能冒険者一号を再び沈黙させる。 ・・・さて・・・ ぺロリ、と人差し指につばをつけ、一本だけ立ててみる。 と・・・ 「ビンゴ。やっぱり気流があるな」 濡れた指は、意外と色々な情報を伝えてくれる。例えばこういった場合、気流があるかどうかを調べるのにも役に立つし・・・その他にもきっと役に立つ。 ・・・話を戻そう。 「・・・・これか」 気流を辿って行くと、一つの壁で行き止まる。 すっと親指を押し当て・・・・かすかな違和感 「やっぱりか・・・おい、無能一号」 「お、オレにはボロイハブゥ!!?」 容赦無く投げつけられた石ころが一号に直撃する。 「何か言ったか?」 「いえ・・別に・・・」 ・・・すこし鼻が折れたかな?まぁいいか 「おい、この壁に触ってみろ」 「ふぇ?・・・・これがどうかしたんすか?」 「良いから良いから」 一号は怪訝そうにするも、逆らうと怖いと思ったか言われたとおり触ってみる 「・・・あれ?」 もう一度、今度は慎重に探ってみる。 少し。確かにほんの少しの違和感。 「この壁・・・薄い穴が無数に開いてるのか?ともかく、空気が通っているのは間違いないな」 「すっげぇ・・・これもって帰ったら、きっと売れるんじゃないですか!?」 「ああ・・・確かに珍しい材質だし・・・牙の塔辺りが買い取ってくれるかもな」 コンコンと壁を叩き、オーフェンはそう言って少し壁から離れる。 『我は放つ 光の白刃!!』 手のひらから光の奔流が奔る。それは壁にぶつかると同時に爆発を起こし、一号ごと壁を吹き飛ばす。 ぱらぱらと破片が落ちてくる。少し立つと煙が収まっていき、ゆっくりと壁に開いた穴が姿を現す。 ・・・きょろきょろ・・・・ 「君の事は忘れないよ・・・さぁて、早速彼の分の分け前を」 「勝手に殺さないで下さいぃぃぃ!!」 破片の山の中から、一号がムクッと起き上がる。 ・・・ちっ、仕留めてなかったか・・・・ 「いやぁ、すまんすまん。ちょっとした手違いだ」 「本気で殺しに来てたじゃないっすかぁ!!」 「はっはっは。ソンナワケナイジャナイカ」 笑って否定し、オーフェンは自分があけた穴に入っていく。 「・・・・・やっぱりか」 穴の先には、暗い通路が続いていた。 「・・・・なんのために壁なんて作ったんだ・・・?」 盗掘に入ったなら、宝物なんか残ってないだろう。その場合は壁なんて作るだけ無駄に等しい。 ・・・全部運びきれなくて、隠すために壁を作った?・・・いや、違う ということは・・・・ 「・・・・・何かを封印した・・・?」 「オーフェンさぁん、置いてかないで下さいよぉ〜!!」 思考の海に入りかけたオーフェンを、一号の声が引き戻す。 「あ、ああ・・・」 ・・・どっちみち、潜ることになりそうだな・・・報酬のために。 『我は生む小さき妖精』 ポゥっと小さな光が生まれ、周りを照らす。 「さて・・行くぞ」 表情を引き締め、神経を研ぎ澄ます。 ここから先は何があるか分からない。相方が信用できない以上、気を抜けば死ぬ可能性も出てくる。 遺跡の深い闇の中に、オーフェン(とおまけ)はもぐりこんでいった・・・ 数時間後 凄まじい轟音と共についさっきまでオーフェンが居た辺りの床が消し飛ぶ。 ズシン、ズシン・・・と移動する音が聞こえる・・・どうやら、こちらに首を向けているようだ。 なぜこうなったかというと・・・やはり一号が原因である。 地下四階までは順調に調べた。そこそこ敵は居たが、大して強い連中でもなかったのでそれはあっさりと片付いた。 だが・・・・ よりにもよって、一号がシュート(落とし穴)に引っかかったのだ。 一気に地下六階まで落とされ、ふと気が付くと奴が居た そして今の状況になった、というわけだ。 まず、ヤバイ。 外見はでかいトカゲのくせに、化物のような火力と、魔術を弾き返す装甲・・・打つ手がほとんど見当たらない。 クゥアアアア・・・ 「くっ!!」 物陰から飛び出て、魔術の構成を編み・・ 『我は呼ぶ破裂の姉妹!』 衝撃波が巨獣を揺らがす・・が、ダメージは全く無いようだ。 その隙に走りぬけ・・・一号が隠れている場所にもぐりこむ 「こっちに来ないで下さいよ!!」 「やかましい!大体テメェのせいだろうが!!」 ガスッと殴って、オーフェンは一号を引っ張り出す 逃げ道は一つ・・・あのトカゲもどきの後ろに、小さな扉がある。 「いいか。少しの時間なら稼いでやる。その隙に一気に走りぬけろ!」 魔術の構成を編みながら、オーフェンそう叫ぶ 『我は砕く原子の静寂!』 ドグワァァァ オーフェンの言霊と共に、トカゲもどきごと空間が爆発する。 グラっとトカゲもどきが揺れる。が・・・ 「これでも・・・グラつくだけか!!」 再び構成を編み・・・ 『我は放つ光の白刃!』 今度は天井に向けて光熱波を放つ。爆発と共に、ガラガラと天井が崩れおちる。 岩が雪崩の如くトカゲもどきに降り注ぐ 「今だ!!」 オーフェンの合図と共に、一号がトカゲの横を走りぬけた。 一号が扉の向こうに消えると共に、オーフェンも走りぬける。 巨獣に動きはない。気絶しているのか死んだのか・・・いや、それは無いだろう。 あれだけ魔術をもらってダメージすらなかった相手が、この程度のことでくたばるとは思えない。 オーフェンが扉の中に入ると同時に、一号が扉を閉める。 「こ・・・怖かったぁ・・・・し、死ぬかと思った・・・」 泣き出しそうな声で言うと、一号はその場にヘタリ、と座り込んだ。 「お前、本当に冒険者か?・・・いや、もう良い」 聞くだけ無駄という結論に達し、オーフェンは再び魔術を構成する・・・明かりが消えて、周りが見えないからだ・・・ 『我は生む小さき精霊・・?』 ポゥと明かりがつき、周りを照らす・・・と 「・・・・・なんだコレは?」 球状・・といえるだろうか?むしろ円柱といえるだろう 一見すると透明な米粒のようだが・・・? 「・・・人?」 米粒の奥に、一瞬人影が見えたような気がしたのだが・・・ 一歩、二歩、三歩・・・警戒しながら、オーフェンは不思議な物体に近づいていく ユラリ 今度は間違いなく、人影が見えた。 どうやら不思議な物体の中は半透明な水のようなもので満たされているらしい。泡が立っている所を見るとどうやらまだ生きているようだ。 おぼれている・・・?いや・・・それならとっくの昔に死んでるだろうし・・・ 「とにかく、これを開けない事には話しにならんか・・・・」 コンコン・・とガラスのような表面を叩き、オーフェンは呟く。 「一号。ハンマーでぶっ叩いてくれ」 「アイアイサー!」 妙に息が合ってきたように思えるが・・・それはきっと気のせいだろう。 ガン、ガン、とハンマーを叩きつける。が、穴が開くどころか、傷一つ付けることが出来ない。 「オーフェンさぁん、これ硬いっす」 「ちっ・・・どうやら、こいつも特殊な材質みたいだな・・・・ガラスか?しかし・・・・」 強度が桁違いすぎる。ガラスなら、オーフェンが殴っただけで割れるだろう。 「こいつは銃弾でも弾き返すかもしれないな・・・・・それより威力があるものでもぶつけるしかないか」 「ふぇっ?そんな物あるんすか?」 不思議そうに尋ねる一号に、オーフェンは朗らかに笑ってこう答えた 「いるだろうが。すぐ近くに」 所変わって大広間(ぽい所) まだトカゲは目覚めていないらしい。瓦礫がそのままの状態で残っている。 「さて・・・・・『我は放つ光の白刃!』」 堆く積もった瓦礫の山を吹き飛ばし、瓦礫の中からトカゲが姿を現す。 グルアアアア・・・・ 明らかに怒っている。トカゲの怒り方なんて知らないが、知り合いの金髪少女が暴れだす時と同じらしい。 まあ、そんな事はどうでもいい。肝心なのは・・・・ 「もう一発・・・『我は築く太陽の斜塔』」 オーフェンが編み上げた魔術の構成は、轟音と共に火炎となりトカゲを覆う。しかし、トカゲが嫌がるように体を振り払うだけで、火炎は消されてしまう。 「どんな化物だコイツは・・・・」 ちょっぴりプライドに傷ができたが、この程度で倒れるとは思っていない。 移動しながら、フェイントを交えて魔術を撃ち続ける。 たいしたダメージは無いだろう。だが・・・ あるポイントで立ち止まり、オーフェンは構成を編み上げる。 「さぁて・・・これで仕舞いだ」 体力的にも・・・この後の脱出を考えても・・・これが最後のチャンスだろう。 扉の前に立ち、腰を落として、トカゲと向き合う。 ズシン、ズシン・・・とトカゲが首をこちらに向け・・・ クゥアアアア・・・ もう何度も聞いた音だ。この後に何があるかも良く知っている 凄まじい爆音と共に、灼熱の閃光がオーフェンに迫る。 オーフェンは特に避けようともせず、閃光に巻き込まれていく。閃光は後ろの扉を焼ききり、透明な米粒にぶち当たり・・・爆発する。 「意外と簡単でしたね。オーフェンさん」 「てめ、魔術がどれだけ疲れるか・・知るわけないか」 嘆息。 「でも、さっきの凄いっすね!俺、ホントにオーフェンさんが消えたと思ったのに」 「ああ、簡単な魔術だ・・・光を使ってな。遠くに自分の姿を映す・・・言ってみれば鏡だ」 そう。最後の時、オーフェンは物陰から魔術を使い、ダミーを作り出した。 それをオーフェンと思ったトカゲが、閃光破を発射し・・・結果は大成功。 見事にあの不思議な物体を破壊してくれたのだ。 「でも、あれって中の人も死んでいませんか?」 少し首をかしげて、一号が尋ねる。 ・・・・・・・・・・・・・ 少し長い沈黙 「ま、まあ大丈夫だろう!!」 笑ってごまかし、オーフェンは立ち上がる。 「さて・・・早速お宝探しだ。あのトカゲも俺を殺ったと思っているだろうし、中に居た奴を迎えに・・・・・」 途中で言葉を切って、オーフェンは立ち尽くした。 そこは先ほどと変わらない、古びた遺跡の広間。 戦っていた時と状態はなんら変わっていない。 ただ・・・オーフェンは見た。 何か・・・とても綺麗な何かを。 そして・・・とても深い闇を。 闇はトカゲを覆うと、まるで溶けるように消えていく・・・トカゲと共に。 そして、オーフェンは感じた。闇がトカゲと共に消えて行く瞬間、何かが自分を見つめていた事を。 首筋に刃物を突きつけられても味わう事が出来ない・・・・・潜在的な恐怖を。 知らず知らずのうちに足が震えている・・・それを気力で止める。 ・・・俺は・・・俺は何を見た?・・・ 自問自答。もちろん答えは無い。 「オーフェンさん、どうしたんですか?って、トカゲ消えてるじゃないですか!何かしたんですか?」 のんきな声で一号が・・・確か名前があったが、作者も忘れた・・・が尋ねてくる。 思わず怒鳴りつけたくなったが、ふと気が付いてオーフェンは尋ねる。 「お前、何も感じなかったのか?」 「へっ?」 間抜けな顔を見て、オーフェンはなんでもないと呟く。 「とにかく!さっきの部屋に行きましょうよ!トカゲが居ないんならもう怖い文無しっすよ!!」 骨にビビッた男のセリフではない。 オーフェンが頷く前に一号はさっさと歩き始める。 「あ、こら待て!」 慌ててオーフェンも歩き出す。 ぐちゃぐちゃ考える前に行動する・・・とりあえず、彼が考え出した結論はそれらしい。 「ひぇぇ、派手にぶっ壊れていますねぇ・・・」 「あの閃光、どんな原理で発射されてるんだ・・・?」 思わず首をかしげ、オーフェンは呟く。 そこは、先ほどの部屋だった。 ・・・ものの見事に破壊されているが・・・ 瓦礫の山をどけて、オーフェンはカプセル(彼等は米粒と呼んでいるが、もう面倒なので省略)を引き出した。 カプセルのガラスらしきものはひびだらけになっているが、まだ完全には割れていない。 中の水らしきものが漏れている。割れる一歩手前という所か・・・ 一号がハンマーを振りかぶり・・・・ プシュゥゥゥ カプセルが開いた。 「へ?」 中の水が一気に周りに流れ出し、水溜りを作る。 中には、一人の男が横たわっている・・・何故か服を着けたままで。 目が開き、ゆっくりと辺りを見回し・・・・ 「ふごぅ!!」 一号が蹴り飛ばされる。優に5mは飛んだであろうか 男は起き上がりながらオーフェンを睨みつける。金髪に蒼い目。容姿端麗といった所か・・・18歳位だろうか?少なくとも20には見えない。 左腕と左肩に鉄製の防具をつけている・・・他には見当たる物は無いが、どうやら一号と同じ戦士のようだ。 青年はゆっくりと口をあけ・・・睨みながらだが・・・話し始めた。 「人が寝ている時に不意打ちを仕掛けてくるとはな・・・」 「いや、別に不意打ち仕掛けたわけじゃないが・・・」 「じゃあ何故あの男は俺を殺そうとした?」 半眼で尋ねる男に、オーフェンはかいつまんで説明する。 「・・・・・・・・・っつーわけで、お前さんに話を聞こうとしたんだが・・・」 「・・・そうか。だが、俺もこんな所に覚えは無い。残念だが力になれんな」 青年はそう答え、少し上を眺めてから立ち上がる。 「俺はクラウド。お前は?」 「オーフェン」 一言で答えて、オーフェンも起き上がる。 クラウドはチラリ、と再び上を見上げて一号が持っていたハンマーを持ち上げる。 オーフェンはゆっくりと魔術の構成を編み・・・ 頭上に光熱波を発射する。 オーフェン自らがあけた大穴に光熱波が撃ち込まれ、爆発する。 一瞬、明るくなった穴の向こうに、数体の巨大な化物が蠢いている。 「来るぞ」 「わかってる!」 次の魔術を編みながら、オーフェンはそう叫ぶ。 そして・・・戦いは始まった。 後に、キエサルヒマ大陸最強と呼ばれるコンビが、ここに生まれる。 全ての物語はつむがれる。ここにあるのは一つの話。 あらゆる可能性が存在するこの空間で起きた必然。 そう・・・可能性こそ、この世界の礎なり・・・ 「見者君、何を見てたんだい?」 世界の外のとある場所。 そこに二人の人影がたたずんでいる。 「ああ、魔女さん。ほら、あそこでまた物語が作られた」 キエサルヒマ大陸を指差しながら、小さな少年・・・見者と呼ばれた少年が答える。 「ふぅん?日本を見ていたと思ってたのに」 「ええ。面白いですね、あのお姫様は」 快活な笑み。彼は本心から楽しんでいるらしい。 「次は何が起こるかな?」 「次は何が起こるんでしょうね」 二人はクスクスと笑いあい、席を立つ。 気配が遠ざかっていく・・・そして誰も居なくなった。 あとがき♪ あとから書く物・・・それがあとがき・・・・はふぅ PC破壊という大事件が起こった後、ワードがつかえなくなる、小説が全て消えるという日本衝撃の大事件が(何がだ)発生し、しばらく投稿していなかったので急いで書き上げた作品です・・・ 実は前からあった奴ですが(笑 という訳でものすごく久しぶりのカオスフィールド(知らない人が大勢居ると存じていますが) です。 読んでくれた人、ありがとうございます。 寝落ちの神の祝福があることを・・・・ 蛇:まて、それは違うだろう おお、蛇が口をきいている。捕まえて店に500円で売ろう 蛇:まて、微妙に安い値段は兎も角、一応俺はあとがきレギュラーだぞ 長らくやってないから忘れたね。 蛇:・・・・ま、いいか(何故納得する) というわけで皆様、これからもこの愚かなパッチーと蛇をよろしくお願いします 蛇:次回も楽しみにしててください! 次は日本。主役はサラリーマン金太郎あたりです 蛇:待て、ネタバレか 関係ない。というより、言わなきゃ知らない人が居る。 蛇:・・・ま、まあ兎に角、また見てね!! さようなら〜〜〜〜 パソコン使用禁止出されたけど(笑) 蛇:洒落にならんぞそれは・・・・ |
16073 | Re:カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険 | 神高 紅 | 2004/3/2 13:09:30 |
記事番号16072へのコメント お久しぶりでーすパッチーさん。紅でーす。 コ(久しぶりだなコウ=カオス=ディスティニーだ) こ(どうも初めまして・・こう=クロス=ディスティニーです・・) >えー・・・数ヶ月の遅滞ですがカオスフィールドの再開です・・・ >申し訳ありません!!パソコンの不調で全然かけなくなっちゃって!!神高 紅さまごめんなさい(土下座) >これからは今までの倍以上頑張る・・・と思いますので、末永く見守ってください!! とんでもない謝んないでくださいよ。 コ(そうだぞ。こいつに謝る必要なんてまったくこれっぽっちもない) こ(そうですよ・・本人も忘れてたくらいなんですから・・) まあそれは置いといて、オーフェンものですねトカゲもどきなんかとの戦闘シーン はめちゃかっこよかったです。 コ(露骨な話題変換を・・・まあいいが一号は結局最期まで悲惨だったな) こ(エフエフでしょうか・・クラウドさんも出てましたね・・) とにかくすっごくよかったです。オーフェンとクラウドのコンビはまさしく最強ですね。 コ(お前はまたなんかやるのか?) やりたいですけどネタなんてこれーぽっちもありません。 こ(偉そうに言わないでください・・) もしかしたらまた何か書くかもしれませんけどそのときはまたよろしくお願いします。 コ(適当だな) はっはっは気にしちゃいけません。ではまあ、この辺でさよーならまた次回。 コ(じゃあな) こ(ばいばい・・) |
16074 | Re:カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険 | パッチー | 2004/3/2 16:34:19 |
記事番号16073へのコメント ありがとうございます!! ああ、レスを下さるなんて・・・神高 紅さまはなんて良い人なんだろう・・・・これは家で祭らねば。 蛇:こらこらこら 現人神神高大明神様へかしこみかしこみおまいり候・・・ 蛇:いや、それはやられた方が頭にくるだけだぞ(必死で止める) そうか?なら止めた(神主ルックを投げ捨てて) >もしかしたらまた何か書くかもしれませんけどそのときはまたよろしくお願いします。 おお、何という寛大な・・・かしこみかしこみ 蛇:だからやめいっちゅーに。そういえば、今回のオーフェンはやけに落ち着いていたな。 うむ。クールなオーフェンが書きたくて、あえて叫びを少なくしたんだ。 蛇:そうか・・・お前にしては考えたな ・・・微妙に褒めてるのかわからないんだが・・・ 蛇:褒めてるんだぞ?手放しで ・・・・もーいい さて、ここらで漫才も終わりまして(漫才だったのか?)、改めて御礼もうしあげます!また書いてくださいね!! 蛇:懲りずに書いてあげてください! ではでは〜!! |
16156 | Re:カオスフィールド 貧乏魔術師の冒険 | オロシ・ハイドラント URL | 2004/3/18 20:16:02 |
記事番号16072へのコメント こんばんはハイドラントです。 随分遅れましたが、感想書かせていただきます。 何かやけに短いですが…… 決まり文句でもお世辞でも何でもなく、本気で本当に面白いと感じました。 はっきり言って、読み始めた時は、こんなに面白いとは思っていませんでした。 ライトノベル的な味が出ていて、ユーモアも各所にちりばめてあってどんどん読ませますし、ダンジョン探険は「ドラクエ」とか「ウィザードリィ」とか「トルネコ」とか「シレン」などのダンジョンが出て来るゲームが好きな私にはたまらないものがあります(もちろんただ地下ダンジョンを扱っているからだけではなく、ちゃんと描くところはリアルに描かれているからですけど)。 またサスペンスを煽る描写が非常に良く書けているような気がして、凄いなと思いました。 >途中で言葉を切って、オーフェンは立ち尽くした。 >そこは先ほどと変わらない、古びた遺跡の広間。 >戦っていた時と状態はなんら変わっていない。 >ただ・・・オーフェンは見た。 >何か・・・とても綺麗な何かを。 >そして・・・とても深い闇を。 >闇はトカゲを覆うと、まるで溶けるように消えていく・・・トカゲと共に。 >そして、オーフェンは感じた。闇がトカゲと共に消えて行く瞬間、何かが自分を見つめていた事を。 >首。 >知らず知らずのうちに足が震えている・・・それを気力で止める。 >・・・俺は・・・俺は何を見た?・・・ >自問自答。もちろん答えは無い。 特にこの部分です。本気で緊張しました。 ・・・の使い方なんか良いです。 「まるで溶けるように消えていく」とか「首筋に刃物を突きつけられても味わう事が出来ない・・・・・潜在的な恐怖を」とか、そんな表現好きです。 もちろんトカゲとの戦闘シーンも迫力あって良かったです。 クラウドが出て来て、さてどうなるやら。 いや、それよりも何であんなところにクラウドがいたのかの方が気になりますが。 では、これからもがんばってください。 それと、カオス・フィールドの件ですが、言語は一体どうなっているのでしょう。 やはり世界共通の言語も出来ているのでしょうか? 言語を問題にした、ものを書きたいと思っていますので訊いてみました。 |
16220 | 送れて申し訳ありません・・・ | パッチー | 2004/3/30 09:56:05 |
記事番号16156へのコメント こんにちわ!!返事遅れて申し訳ありません(汗) >決まり文句でもお世辞でも何でもなく、本気で本当に面白いと感じました。 ・・・この一言が、一番嬉しいです。読んでくれた人が「面白い」って言ってくれた時・・・小説書いてよかった・・・と思います。 カオスフィールドの言語ですが、今のところは土着の言葉が大体です。 もちろん共通語もありますが、それを今現在・・融合暦一年九月(融合してから九ヶ月たった月)では世界連合政府で働いている、もしくは各国の首脳レベルしか使ってないと思います。後はセイルーンにある大学園で教え始めてるくらいです。 言語自体が出来たのも、数ヶ月前って事で・・・ というわけで、旅行とかに行く場合は、大体そっちの言葉を覚えるか、ガイドさんを連れて行かないとホテルにも泊まれません。 クラウドとオーフェンが話せたのは・・秘密です(笑) 遅れたのに短くてすみません。 最近やっとパソコンが使えるようになったので、次も頑張って書かせてもらいます! それでは!! |