◆−『CIV』― Car Chase ―−蛇乃衣 (2004/3/12 16:08:16) No.16127
 ┣Re:『CIV』― Car Chase ―−りぃ (2004/3/12 16:15:29) No.16129
 ┃┗本当だ。僅差だったんですね。−蛇乃衣 (2004/3/13 16:40:12) No.16130
 ┣『CIV』― Car Chase 2―−蛇乃衣 (2004/3/13 16:48:59) No.16131
 ┃┣またまた僅差ですv−りぃ (2004/3/13 17:50:28) No.16132
 ┃┃┗Re:またまた僅差ですv−りぃ (2004/3/13 18:03:12) No.16133
 ┃┃ ┗お仕事お疲れ様です−蛇乃衣 (2004/3/14 14:52:22) No.16138
 ┃┃  ┗全然OKですよ−りぃ (2004/3/14 19:32:55) No.16141
 ┃┗Re:『CIV』― Car Chase 2―−祭 蛍詩 (2004/3/14 00:42:34) No.16135
 ┃ ┗彼の印象って・・・あってるとは思いますが・・・(笑)−蛇乃衣 (2004/3/14 15:09:27) No.16139
 ┣『CIV』―Safe house…(?)―−蛇乃衣 (2004/3/14 15:13:30) No.16140
 ┣『CIV』― Red Dream ―−蛇乃衣 (2004/3/17 18:05:16) No.16147
 ┃┗Re:『CIV』― Red Dream ―−りぃ (2004/3/19 15:12:13) No.16159
 ┃ ┗ふふふv−蛇乃衣 (2004/3/19 21:31:48) No.16165
 ┣『CIV』― Red Dream 2―−蛇乃衣 (2004/3/21 20:53:29) No.16182
 ┃┣Re:『CIV』― Red Dream 2―−りぃ (2004/3/23 03:11:55) No.16184
 ┃┃┗ポエムネタはラジオドラマです−蛇乃衣 (2004/3/25 13:36:56) No.16198
 ┃┃ ┗そういえばありましたね(笑)−りぃ (2004/3/26 02:07:01) No.16203
 ┃┗Re:『CIV』― Red Dream 2―−祭 蛍詩 (2004/3/24 19:02:22) No.16194
 ┃ ┗お疲れ様です−蛇乃衣 (2004/3/25 13:49:54) No.16199
 ┣『CIV』― Just Kidding ―−蛇乃衣 (2004/3/25 20:29:47) No.16201
 ┃┗世の中には逆らっちゃいけない人っていますよね−りぃ (2004/3/26 02:20:08) No.16204
 ┃ ┗Re:世の中には逆らっちゃいけない人っていますよね−蛇乃衣 (2004/3/31 15:05:46) No.16226
 ┣『CIV』― Operation Start ! ―−蛇乃衣 (2004/4/4 00:03:47) No.16254
 ┗『CIV』― FALL ―−蛇乃衣 (2004/4/11 00:58:25) No.16269
  ┗ぅわ、落ちたーーっ?!−祭 蛍詩 (2004/4/12 19:15:18) No.16271
   ┗Re:はい、落としてしまいました(汗)−蛇乃衣 (2004/4/19 19:27:56) No.16281


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16127『CIV』― Car Chase ―蛇乃衣 2004/3/12 16:08:16


ひさかたぶりの本編更新!
お待ち下さった方(いらっしゃったら)すみません;そしてありがとうございます。
彼等は目を離すとすぐどこかにいってしまって…;
追い掛けるのに一苦労です。

******

「でも、あのブランにここまで根性あったとわねぇ〜」
もう一つのアジトに向かう車の中、後部座席に座るリナは、ネックレスを手に眺めながら言った。
ブルーダイヤは、過ぎ行く外の明かりの適度では、到底真の輝きを見せてはくれない。
「なあ、そのブランってやつが、金庫からオークションの品物を盗んだってことか?」
隣に座るガウリイが尋ねた。
「そう考えるのが妥当だろうな」
答えたのは、助手席のゼルガディス。
「例のオークションの一覧表を見ただろうが……いざ、盗みに入ってみれば目当てのものはない。
他のものまで盗んだのは、そのものだけが狙われていたのを誤魔化すため、といったところか」
ガウリイの事故がこのような形で結果に繋がるとは……
あちらにしてもこちらにしても、まったくの予想外だったというわけだ。
「けど、どうしてブランはこれにこだわるのかしら…だって、へたすりゃかなりの数の敵を作ることになるじゃない?
メンツとか意地とか、そういったものなのか……」
「はたまた、そうまでして…いえ、リスクを有り余るほど手にいれる価値があるか……ですね」
リナの言葉を受け継ぎ、ハンドルを操るレゾ。
「これが指輪だったら、火山かどっかに捨てに行かなきゃならないんだけどな」
「はぁ〜…世界を救えってかぁ……?」
ちゃちゃをいれるガウリイに、リナは呆れ顔をする。
「あはははは。柄じゃありませんねぇ」
「まったくだな」
「…まあ、なにはともあれ…
…とりあえず確認しますが、あちらの正体と目的がどうであれ、一度噛みついてきた相手を放っておくつもりはありませんよね?」
バックミラー越しにチラリと投げ掛けられた視線と言葉に、リナは中指を立てて言い放った。
「あったりまえでしょ!殴り込んで徹底的に叩き潰すっ!!」
高らかな宣言に、ガウリイとゼルガディスは肩をすくめたが、その顔は笑っていた。
ペースに巻き込まれても、不思議と嫌な気がしない。
リナ=インバースという、どんなことにもぐいぐい進んでいく彼女には、そんな魅力があるのだ。

「除草は根からが基本だが……どうする?」
サイドミラーに視線を走らせ、ゼルガディスが問う。
唐突ともとれる言葉少ないそれだが、三人には飲み込めている。
つい先程から、黒い車が四台後方にいるのだ。だんだんと距離を詰めてくる。
「この車、たいした装備がないのですが……」
「今は『鈴』をつけとけばいいっしょ」
「そうだな…今の段階じゃ、まだブランと確定できたわけじゃないしな」
「では、頃合いを見計ら――」

キュキキッ!

『ぉわわっ!?』
言葉途中で、レゾが急にハンドルを右へ切った。
「どうやら、あちらの準備は出来たようですよ…?」
バックミラーには、車の窓から身を乗り出しライフルを構えている男の姿。
男の指が再び動くタイミングを読み、レゾは車を左へと滑らす!
ちょうど辺りには車が少ない。
黒い車は一気に加速してきた。
「相手の数を減らします。しっかりつかまっていて下さいね!」
返事を聞く間もなく、レゾはアクセルを踏みしめた!

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16129Re:『CIV』― Car Chase ―りぃ 2004/3/12 16:15:29
記事番号16127へのコメント

うわぁっぁぁっぁぁ〜 なんかもうアップしてるじゃないですか!!わたし今番外編にレスしたばかりですよ!!!!らっきーvv
四人ともいよいよ本領発揮!って感じですね。とりあえず今は時間が無いんです。
仕事の休憩時間にレスしてたんで。後でゆっくり保存させていただきます。でわでわ

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16130本当だ。僅差だったんですね。蛇乃衣 2004/3/13 16:40:12
記事番号16129へのコメント


>うわぁっぁぁっぁぁ〜 なんかもうアップしてるじゃないですか!!わたし今番外編にレスしたばかりですよ!!!!らっきーvv
番外編レス、ありがとうございます!
そして会員登録までしていただけるとは(笑)!ヴァルさんが喜びます!
え?涙の跡・・・?まあ、それは雨水の跡ですわ。もう、雨漏りなんてやになってしまいますv
けして、値切りに値切られほぼ無利益に等しい商品一つの売り上げに体力を使い果たし、あまつさえ腹痛の波に襲われ一つ世話になったら十はこき使われそうなお医者様に薬を処方してもらった緑髪の青年の涙なんてことはありません。
>四人ともいよいよ本領発揮!って感じですね。とりあえず今は時間が無いんです。
>仕事の休憩時間にレスしてたんで。後でゆっくり保存させていただきます。でわでわ
忙しい合間に読んでいただいてレスまで・・・ありがとうございます。
本編、あっと驚く展開に持っていけるよう、頑張ります!
りぃ様、お仕事頑張ってくださいね。それでは〜。

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16131『CIV』― Car Chase 2―蛇乃衣 2004/3/13 16:48:59
記事番号16127へのコメント

「……はぁー……」
狭い車内の中で、男はゆっくりと紫煙をまとわりつかせたため息をはいた。
わずかに開けられた窓の隙間から、紫煙はスゥーと流れ、闇が振りかかる大都市に出ていくが、ため息の方は己に降り積もっていくような気がする。
『ため息はつきたくないの。迷っているように見えるから』
そんなことを言っていたのは、昔知り合った女。
ほんのわずかな間で、自分でも呆れてしまうほど、惚れてしまった。
「… 、 、………」
音にならない声で、彼女の名を紡ぐ。
フルネームすら知らないのだが…
煙草を揉み消し、新しいものを出そうとして、すでにケースが空だったことを知る。
「…チッ……」
軽く舌打ちをして、彼は車を道路脇に止めた。
「あ〜…どっかに買えるとこぁ……」
ふとサイドミラーを見て、
「げっ!?」
彼は慌てて助手席の方から歩道に転がり出た!
僅差の後、

ぶるぉぉおぉおお!
ドカッ!!
ぶるぉおぉぉ……

一台の車が物凄いスピードでやってきて、彼の車と接触し跳ね飛ばしつつも、まったくスピードを落とすことなく走り過ぎていった。
「ななな、なんだ」
言い終える間もなく、

キュキャキキィィィ!
どかごばっ!!
ぶるぉおぉおお……!

四台の黒い車が続けて走り来て、うち一台が彼の車を避けきれず衝突する!
構わず走る過ぎる他三台。

ゴゥン!

目の前の動かぬ二台が炎上。
「っだぁぁぁぁあああ!?俺の車ぁぁぁぁぁあ!!」
彼は思わず頭を抱えて叫んだ。


「ぃよっしゃ!一台脱落!!」
パチンッと指を鳴らし、リナは喜々とした声を上げた。
ゼルガディスもサイドミラーでそれを確認。
追い掛けてくる車の数が減ったことは良いのだが…
「なあ…今、誰か巻き込まれていたが…」
「あんなところに路上駐車するからですよ」
ちなみに、彼の言う『あんなところ』とは、『己の通り道』とほぼイコールで結ばれる。
「まあまあ。ちゃんと逃げ出せてたみたいだし、いいじゃないか、ゼル」
良いか悪いかはともかく(いや、良くないのだが)、責任が取れるわけでもないので、とりあえずゼルガディスは後ろからの言葉に沈黙した。
「あと二台、どうにかしないと。アジトに近付きすぎる前に追い払いたいわね……」
リナは手元の拳銃を握り直した。
反動の少ないそれは、人間の急所を狙うには、充分な威力があるのだが……
「ガウリイっ、あんたの銃の方が――」
「ああ、そういえば…」
リナの声を遮る、レゾのポンッと手を打つ音がついてきそうな軽い口調。
「後ろのシートの中に、ライフルが入ってますよ」
「……!?」
一拍の間を置いて、リナとガウリイは座っていたシートを急いで調べた。
はたから見えないように、下に付いていた繋ぎを外し、クッション部分を持ち上げれば、中には鈍く光るライフル二丁と銃弾が待ち構えていた。
「………さっき、この車には装備ないって言ってなかった……?」
「ですから、たいした装備はありませんよ?ただの防弾ガラスしか使ってませんし」
なるほど、彼にとってライフルを仕込むなんていうのは常の程度の感覚らしい。
しかし、『ただじゃない』防弾ガラスとは一体……
「ま…まあ、いいわ……」
気を取り直し、ライフルの安全装置をはずす。
「ゼル、援護を」
「ああ」
お互いの側の窓から身を乗り出し、後ろの敵へと銃を構える。
「全滅させては駄目ですよ!」
『分かってる!』

ズドゥン!

まずはリナが一発。
窓ガラスを狙ったそれは、残念ながらハンドルを握る者には届かない。
「だぁぁぁあ!あっちも防弾ガラスかやっぱり!」

ガゥンッ!ガゥンッ!

相手側もこちらに狙いを定めるが、ゼルガディスがそれを確かにさせない。

ズヅゥン!
キュキキキャキキィ!
ずがしゃぁああん!!

ガウリイの放った一発が、最後尾の車をパンクさせ、バランスを失ったそれは街灯に突っ込んだ!
続いてリナが再び仕掛ける!
右輪を破られたそれは、先のものと同じような運命を辿り、動かぬ鉄の塊と化す。
ほぼ同時に、

ガゥン!
キュララキィキィ!

『うわわったぁあっ!』
「くっ……!」

リナ達を乗せる車も、後輪をやられた!
―――もっとも、ワザと避けなかったのだが。
レゾはハンドルを操り、なんとか裏路地へ車を滑り込ませる。
だが、十数M進んだところで、車は力尽きた。

残りの黒服達が裏路地に辿り着いたときには、四人は車を捨て暗い道を駆けていた。
車ではこれ以上進めない。
黒服達も、走って追跡する。

ガウンッ!

紅一点を狙い、放たれた鉛。
当たりはしなかったが――

カシャァン!

場違いなほど澄んだ金属の生み出した音が響いた。
「ネックレスが……!」
運良く、目当てのものが手から滑り落ち、アスファルトに転がる。
戻り拾おうとする女を、隣の金髪が腕を引っ張り連れていく。
そこを狙おうとしたが、他二人が先に撃ってきた。
慌てて物陰に隠れ、再びのぞけば、そこにはもう彼等の姿はなく、ただ、ネックレスだけが置き去りにされていた。


*****

う〜ん…もう少し、迫力あるシーンが書けないものか……
銃については詳しく突っ込まないでくださいね(汗)良く分かっていません…

さて、ここで問題です。
初登場ながら不幸にもとばっちりを受け、車が炎上してしまった彼は誰でしょう?
……消去法でいけば簡単ですね。
あっさりやられるザコと既に死んでいる人以外、オリキャラ出てきていませんし(ブランもオリキャラじゃありませんよ)。


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16132またまた僅差ですvりぃ 2004/3/13 17:50:28
記事番号16131へのコメント

えーと まず問題に答えたいと思います。それってあのミリーナ命の彼でしょうか? 全然自信ないのですが、とりあえず思いついたのが彼だったので。ルークってまだ出てませんでしたよね?
さて、どきどきわくわくの展開がおこってますねぇv やっぱりレゾさんは(いろんな意味で)素敵vです。でもレゾさんの所有する車には乗りたくないですね。色々仕掛けてありそうで下手に触ったら西方浄土にドライブしかねないようなので。続きが楽しみですv
しかし、あのあとは雨水ですか・・・へぇ・・・。
ヴァル。強く生きてね・・・

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16133Re:またまた僅差ですvりぃ 2004/3/13 18:03:12
記事番号16132へのコメント

えと、読んだのは僅差でした。でもレスを投稿したのは仕事戻ってからです(笑)隠しておいて暇見て送りました。ばれたらヤバイな、きっと。
蛇乃衣さんは学生さんですよね?テストに追われてたみたいなので(^_^)
時間からすると家に帰って直ぐ投稿してるのですか?けっこう夕方投稿多いですよね。色々忙しいとは思いますが、続き、頑張って書いてくださいね 

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16138お仕事お疲れ様です蛇乃衣 2004/3/14 14:52:22
記事番号16133へのコメント

こんにちは。レス、ありがとうございます。
そうなのです。実は(別に隠していたわけではないのですが)蛇乃はテストに追われている学生なのです。
(りぃ様・・・同じ年の方かなと勝手に思っていました。ふざけすぎてしまってすみません。本当に・・・)

ここのところ学校が終わるのが早いので、夕方に投稿していますね。
でも、平日は他の方の作品を読んでいる時間まではなく、投稿だけとなってしまいます;
テストも終わったし、少しはのんびりできるかなぁ・・・

そうそう。問題の「彼」ですが、りぃ様のお察しのとおり、ミリーナ命のルークさんです。
そのうち再登場予定なのですが・・・その前に、リナたち四人に一山あります。

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16141全然OKですよりぃ 2004/3/14 19:32:55
記事番号16138へのコメント

あはは。年のことは聞かないでおいてください(笑) はっきりいって外見と中身はまったく違います! 同じスレ好きとしてこれからも大いにふざけてください!! じゃないとゼルがかまってくれない時のレゾみたくなりますよ。ふふふ・・・v

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16135Re:『CIV』― Car Chase 2―祭 蛍詩 2004/3/14 00:42:34
記事番号16131へのコメント

 こんばんは、祭です!
 テストお疲れ様です〜! テスト返し、辛いですよね; まぁ、これも学生生活……頑張りましょう(涙

 リクさせて頂いた作品、本当にゆっくりでいいので!
 いつまでもお待ちしてます故v

 ―というわけで、レスさせて頂きます!

>「……はぁー……」
>狭い車内の中で、男はゆっくりと紫煙をまとわりつかせたため息をはいた。
>わずかに開けられた窓の隙間から、紫煙はスゥーと流れ、闇が振りかかる大都市に出ていくが、ため息の方は己に降り積もっていくような気がする。
 なんか不幸そうな男の人ですね…。

>『ため息はつきたくないの。迷っているように見えるから』
>そんなことを言っていたのは、昔知り合った女。
>ほんのわずかな間で、自分でも呆れてしまうほど、惚れてしまった。
>「… 、 、………」
>音にならない声で、彼女の名を紡ぐ。
 誰なんでしょう…? しかもどうやらこの男の人、ふられました?
 可哀想に……アニメのゼルさんくらい不幸…;
 
>フルネームすら知らないのだが…
>煙草を揉み消し、新しいものを出そうとして、すでにケースが空だったことを知る。
>「…チッ……」
>軽く舌打ちをして、彼は車を道路脇に止めた。
>「あ〜…どっかに買えるとこぁ……」
>ふとサイドミラーを見て、
>「げっ!?」
>彼は慌てて助手席の方から歩道に転がり出た!
 なかなかいい反応で! って、彼はサイドミラーに何を見た?!
 もしかして……。

>僅差の後、
>
>ぶるぉぉおぉおお!
>ドカッ!!
>ぶるぉおぉぉ……
>
>一台の車が物凄いスピードでやってきて、彼の車と接触し跳ね飛ばしつつも、まったくスピードを落とすことなく走り過ぎていった。
 こ、これはやはりレゾさんの車っ?! ―というか、スピードを落とさない所が素晴らしいですね;

>「ななな、なんだ」
>言い終える間もなく、
>
>キュキャキキィィィ!
>どかごばっ!!
>ぶるぉおぉおお……!
>
>四台の黒い車が続けて走り来て、うち一台が彼の車を避けきれず衝突する!
>構わず走る過ぎる他三台。
 追手さん達ですか。 こちらの方の車の運転の腕はまだまだなようで…。
 ま、レゾさんが特別なんでしょうけど…(苦笑)

>ゴゥン!
>
>目の前の動かぬ二台が炎上。
>「っだぁぁぁぁあああ!?俺の車ぁぁぁぁぁあ!!」
>彼は思わず頭を抱えて叫んだ。
 な、なんて不幸な方……(笑)(←笑いながら言うな
 この人ゼルさんよりも不幸ですねv ご愁傷様ですv

>「ぃよっしゃ!一台脱落!!」
>パチンッと指を鳴らし、リナは喜々とした声を上げた。
>ゼルガディスもサイドミラーでそれを確認。
>追い掛けてくる車の数が減ったことは良いのだが…
>「なあ…今、誰か巻き込まれていたが…」
 流石ゼルさん、このメンバーの中では常識人ですね!
 もっともヴァルさんとかが加わっても一番常識人でしょうけど。

>「あんなところに路上駐車するからですよ」
>ちなみに、彼の言う『あんなところ』とは、『己の通り道』とほぼイコールで結ばれる。
 レゾさんらしい…(笑)
 しかもまた無邪気なんでしょうなぁ…。

>「まあまあ。ちゃんと逃げ出せてたみたいだし、いいじゃないか、ゼル」
>良いか悪いかはともかく(いや、良くないのだが)、責任が取れるわけでもないので、とりあえずゼルガディスは後ろからの言葉に沈黙した。
 これで逃げ出せていなかったらどうなってたんでしょうね?
 ガウリイさんが『まあまあ。運が悪かったんだよ。』とか言ってお終いだったりして…;

>「あと二台、どうにかしないと。アジトに近付きすぎる前に追い払いたいわね……」
>リナは手元の拳銃を握り直した。
>反動の少ないそれは、人間の急所を狙うには、充分な威力があるのだが……
>「ガウリイっ、あんたの銃の方が――」
>「ああ、そういえば…」
>リナの声を遮る、レゾのポンッと手を打つ音がついてきそうな軽い口調。
>「後ろのシートの中に、ライフルが入ってますよ」
 アレ? 装備がほとんどついてないんじゃ…;

>「……!?」
>一拍の間を置いて、リナとガウリイは座っていたシートを急いで調べた。
>はたから見えないように、下に付いていた繋ぎを外し、クッション部分を持ち上げれば、中には鈍く光るライフル二丁と銃弾が待ち構えていた。
 しかも二丁…;;

>「………さっき、この車には装備ないって言ってなかった……?」
>「ですから、たいした装備はありませんよ?ただの防弾ガラスしか使ってませんし」
>なるほど、彼にとってライフルを仕込むなんていうのは常の程度の感覚らしい。
>しかし、『ただじゃない』防弾ガラスとは一体……
 聞いてみるのも恐ろしいです;;
 ーというか、レゾさんが言う万端な準備って一体どこまでついてるんでしょう?
 ミサイル…は普通についてそうですし……まさか、原爆…とか;;

>「ま…まあ、いいわ……」
>気を取り直し、ライフルの安全装置をはずす。
>「ゼル、援護を」
>「ああ」
>お互いの側の窓から身を乗り出し、後ろの敵へと銃を構える。
>「全滅させては駄目ですよ!」
>『分かってる!』
>
>ズドゥン!
>
>まずはリナが一発。
>窓ガラスを狙ったそれは、残念ながらハンドルを握る者には届かない。
>「だぁぁぁあ!あっちも防弾ガラスかやっぱり!」
 レゾさんに喧嘩を売るにはこれくらいの装備は必要ですよね;

>ガゥンッ!ガゥンッ!
>
>相手側もこちらに狙いを定めるが、ゼルガディスがそれを確かにさせない。
>
>ズヅゥン!
>キュキキキャキキィ!
>ずがしゃぁああん!!
>
>ガウリイの放った一発が、最後尾の車をパンクさせ、バランスを失ったそれは街灯に突っ込んだ!
>続いてリナが再び仕掛ける!
>右輪を破られたそれは、先のものと同じような運命を辿り、動かぬ鉄の塊と化す。
 やっぱり強いですよね、三人とも!
 レゾさん含めると余計に強い、いや、むしろ怖い…?

>ほぼ同時に、
>
>ガゥン!
>キュララキィキィ!
>
>『うわわったぁあっ!』
>「くっ……!」
>
>リナ達を乗せる車も、後輪をやられた!
>―――もっとも、ワザと避けなかったのだが。
 ですよね。 スーパーキャラのレゾさんがこれくらいの弾避けられないはずがないですもんね!

>レゾはハンドルを操り、なんとか裏路地へ車を滑り込ませる。
>だが、十数M進んだところで、車は力尽きた。
>
>残りの黒服達が裏路地に辿り着いたときには、四人は車を捨て暗い道を駆けていた。
>車ではこれ以上進めない。
>黒服達も、走って追跡する。
>
>ガウンッ!
>
>紅一点を狙い、放たれた鉛。
 紅一点…………すみません、思いっきし考え込んでしまいました。
 そういえば、リナさん、紅一点なんですね〜。 とても見えな(強制排除)

>当たりはしなかったが――
>
>カシャァン!
>
>場違いなほど澄んだ金属の生み出した音が響いた。
>「ネックレスが……!」
>運良く、目当てのものが手から滑り落ち、アスファルトに転がる。
>戻り拾おうとする女を、隣の金髪が腕を引っ張り連れていく。
>そこを狙おうとしたが、他二人が先に撃ってきた。
>慌てて物陰に隠れ、再びのぞけば、そこにはもう彼等の姿はなく、ただ、ネックレスだけが置き去りにされていた。
 をを、わざとネックレスを置いて来たんですね。
 探知機でもつけてあるのでしょうかね?

>*****
>
>う〜ん…もう少し、迫力あるシーンが書けないものか……
>銃については詳しく突っ込まないでくださいね(汗)良く分かっていません…
 十分スピード感があって良いと思いますよ!
 銃…つっこめる程知識を持ち合わせていないです、私も;

>さて、ここで問題です。
>初登場ながら不幸にもとばっちりを受け、車が炎上してしまった彼は誰でしょう?
>……消去法でいけば簡単ですね。
>あっさりやられるザコと既に死んでいる人以外、オリキャラ出てきていませんし(ブランもオリキャラじゃありませんよ)。
 えぇっ?! ブランさんもオリキャラさんじゃないんですか! 誰でしょう……?
 とりあえず、不幸な男の人は……ルークさん? いや、あまり小説の方は詳しくないので非常に自信がないのですが、呆れてしまうほど女の人に惚れこんだっていうのはルークさん位かと……。
 なにせ、ルークさん、といえば『ミリーナーっvv』という台詞しかうかんでこないので。

 では、続きを楽しみにしておりますーv

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16139彼の印象って・・・あってるとは思いますが・・・(笑)蛇乃衣 2004/3/14 15:09:27
記事番号16135へのコメント

こんにちは、祭様。レス、ありがとうございます!

ふふふ。そのたぅり!「彼」は、ミリーナ命のルークさんです!
敵か味方かは今のところ不明。
再登場期待していた下さいなv

レゾさん・・・さすがに原爆は持ってないです;ええと、本人のコメントでは
  「だって、使い勝手が悪そうですし」
とのことです。ミサイルは・・・・・・どうでしょう(笑)
「紅一点」リナちゃんですよ〜!(笑)私も改めて、ああそういえばそうだった、と思いましたけれど。
なじんでいますしねぇ・・・先頭切っていますしねぇ・・・・・
ブランさんは、小説第二部のほうのキャラで、名前しか出ていません。(故にこんな配役に・・・)
えっと、人間で大神官で、初登場でいきなり死んでいた人です。
だから、具体的な描写ってなしに等しくて・・・ほぼ、オリキャラですわね。


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16140『CIV』―Safe house…(?)―蛇乃衣 2004/3/14 15:13:30
記事番号16127へのコメント

「ゴーストハウス……」
ガウリイがポツリと発した一言は、その洋館を見事に形容していた。
未だ夜が明けきらぬ薄霧の中、沈黙のままたたずむその建物には、この世のものならざる住人がいてもおかしくない雰囲気がある。
鉄格子の門から玄関へと続く石畳は、前庭の木々から落ちた枯れ葉が覆い被り、焦茶色の外壁には蔦が絡み付いている。
「…映画かなんかのセットみたい……」
「はは…ここはもともと父が所有していましたし、利用する機会もまれでしたから……ですが、ちゃんと電気も水も使えますよ。
一応鍵を持ってきておいて正解でした」

ガチャン
ギイィ……

重い音をたてて門が開く。
落ち葉を踏みしめながら進み、四人はこれまた重々しい扉の前で止まった。
「さて、鍵はどれでしたか……」
「…って、それしかないじゃない…」
顎に手をやり、記憶を探るレゾに、リナは思わずつっこみを入れる。
彼が手にしているリングに繋がっている鍵は二つ。
うち一つは門の鍵である。
「『鍵』はな」
答えたのはゼルガディスだ。
「へ?」
「…確か、ここでしたね……」
キョトンとするリナにかまわず、レゾはおもむろに壁の蔦を剥ぎ取ると、煉瓦の一つをぐいっと押す。

ガコン…ぎぎぎぎ……

多少耳障りな音をたて、数個の煉瓦がパズルのようにずれていく。
最後の一つが動いた後には、金属の壁に空いた鍵穴。
レゾは鍵を挿し込み、ややゆっくりと捻った。

カチャ…

小さな音は、二つ重なって聞こえた。
「これでそちらの扉が開きましたよ」
「ほへ〜…でもいちいち面倒じゃない?」
「中のセキュルティを解除すれば、普通に使えますし、専ら裏口や隠し通路使いますから」
「周りに民家ないしな」
「じゃあ、セキュルティ解除しない限り、こっちは意味ないんだな」
と、扉の方の豪勢な鍵穴をちょんちょんとつつきながらガウリイ。
「まったく意味がないわけではありませんよ。
 へたになんでも挿し込むと電流が流れますから」
ピタッとガウリイの動きが止まる。
「電流って……」
「ピッキング対策のつもりだったのでしょう。おそらく」
それにしてはちょっと過激な気もするが…
「他にもいろいろ仕掛けがありますから、中を案内がてら説明しましょう。
 ……もっとも、私が知っている限りですが」
鍵を抜き、煉瓦が戻っていくのを見ながらの言葉に、三人は一抹の不安を覚える。
「あんたが知らないものもあるのか?」
代表してゼルガディス。
「おそらく全て知っていると思いますよ。
 ですが、さっきも言いましたけど、私が建てたわけではありませんから、言いきることは出来ません」
新しい仕掛けが分かったら教えてくださいね、と笑顔で言われては、返す言葉も見つからない。
「なにもんだ、あんたの父親は…」
ため息混じりにゼルガディスが呟くと、
「なにって…あなたの母君の異母兄ではないですか……忘れました?」
「いや、んなことは知ってるが……」
「そうゆーことが気になるんじゃないわよ」
「ふむ…では、こう言い直しましょう」
扉を開け、彼は振り向いて言った。
「彼は私を育てた人です」
――なんとなくだが、全て納得出来たような気がした。


******

レゾさんは父と二人暮らしでした。
外見はかなり似ている設定。ショートカットのレゾさんを思い浮かべていただければOKです。
性格は……どうなんだろう?昔の(ゼルさんに会う以前の)レゾさんとは似た部分もありますが…無口で無愛想な人です。
お世辞にも良い親子関係だったとは言えません。
父子というより、師弟ですね。

「サブタイトルの(?)はなんだ?」とお思いの方、いらっしゃるかな…?
“Safe house”=「アジト・隠れ家」なんですが、本当に“Safe”=「安全」なのか?ということです。

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16147『CIV』― Red Dream ―蛇乃衣 2004/3/17 18:05:16
記事番号16127へのコメント

ブツリ、と
刃物が肉に食い込む感触が、髪の先まで震えのように駆け抜け広がる。
吹き出た赤に、視界が一瞬覆い尽され、けれど、一瞬真っ白になった思考は鮮明さを取り戻した。
だが、頭に浮かぶのは疑問ばかり。

なぜ、彼がここにいる…?
なぜ、彼はこれを選んだ…?

青い瞳は嘲っているのか?
誰を?
己を?
私、を?

ごふりと、赤い塊と共に、ヒュウヒュウと笛のような音をたてる息が吐き出された。
掠れた小さい声は、ひどく鮮明に耳に響く。

「誕生日…おめで…と…ぅ……」

そういえば、今まで言われたことがなかったなと、妙に冷静で場違いなことを考える。
まさか、こんな嫌なものだとは思わないたかったが。

「…“赤法師”…レゾ=グレイワーズ……!」

ふざけるなっ!!!

力が込もった両手は、さらに赤を作り出し、その赤に濡れてゆく。
手、だけではない。
ぬめりとした感触は、意思を持って這上がってくるかのように、腕にも頬にも、
後から後から後から
後から!!!


「………っ……!」

目に飛込んできたのは、目を閉じる前と同じ天井。
自分がどこにいるかを思い出すのと同時に、宙に浮いていた意識が滑り落ちるような錯覚をレゾは覚えた。

――はぁ…

一つ息を吐く。
「…場所がいけなかったのでしょうかね……昨日まではなにもなかったのですが…」
誰に聞かれることもないので、頭の中の言葉をそのまま音声にした。
ここは彼のものだったから。
だから、あんな夢なんて見たのかもしれない。

自分が“赤法師”になった時の夢。
受け継がされた時の夢。

あれを『悪夢』と言う気はないが、心地良いものではないのは確かだ。
まだ、掌に張り付いている生々しい感触を消し去るように、ぎゅっと手を握り締めた。
あの時力を込めた両の手。
自分は、本当は、力を緩めたかったのだろうか。
もう、あれから何年もたつのに、未だに自分でも分からない。
怒りと共に、なにを感じたのか……

「にしても、『誕生日おめでとう』…ですか…」
紡がれた言葉を復唱し、呆れが含まれたような苦笑を溢す。
「まったく…それが事切れる間際に言い残すセリフですか……?」
朝のひんやりとした空気に、既に向ける相手のない語りかけは溶けて消える。
「そうでしょう?…父上……」


*****

自分で設定作っといてなんですが……
酷い親子関係だなぁああもう。
『誕生日おめでとう』というセリフは、もちろん、純粋に祝っているわけじゃありません;
ニュアンス的には、『“誕生”しただろ?』ってとこです。
嫌みに近い……いえ、嫌みそのものですか…

レゾさんの、こう内面にスポット当てるシーン多いのですが……またかと思わないでやって下さい;;
なかなかに複雑な人なんですよぉ〜;(いやほんとに)

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16159Re:『CIV』― Red Dream ―りぃ 2004/3/19 15:12:13
記事番号16147へのコメント

あの〜蛇乃衣さん・・・? 今回なんか怖いんですけど・・・(ーー;)
レゾさんてばほんとダークな過去をお持ちですね・・・
怖いんで今日はこれで逃げます!!ではまた

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16165ふふふv蛇乃衣 2004/3/19 21:31:48
記事番号16159へのコメント

怖いですか怖いですか?
よしっ、今回の「ダークでホラーな感じを出そう」という目的はとりあえず達成としましょう。
レゾさん、なかなかへビィな過去があります。
そのうち過去の回想シーン(義眼になることになった事件なのです)が入ってくるので、そこで全部バラすことになると思います。
その事件も、ちょっと痛いかもしれません;

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16182『CIV』― Red Dream 2―蛇乃衣 2004/3/21 20:53:29
記事番号16127へのコメント

「よっ、おはよぉ……どーかしたのか?」
寝室のドアを閉めた後すぐの唐突な問掛けに、レゾは内心の驚きを隠しながら挨拶と問いを返す。
「おはようございます、ガウリイさん…どうかしたとは?」
いつもの微笑を浮かべ、相手に向き直る。
隣の寝室を使っていた金髪の彼は、のほほんとした言動の中、時々野生動物並の勘の鋭さをかいま見せる。
ごまかしやすいのか、にくいのか、一概には決められない。
「いやぁ…なんか顔色が良くなさそうだから、悪い夢でも見たのかなぁと思ってさ…」
声を出さす、表情も崩さなかったが、レゾは改めて彼の直感を称賛した。
後ろ頭をぽりぽり掻きながら言うガウリイは、自分の発言がどこまで当たっているかなど、推測もしていないのだろうが。
「……ええ、そうなんですよ。悪い夢、というわけではありませんがね」
レゾは仕草で下に行こうと促す。
並んで、彼らは古い絨毯の上を歩き出した。
キッチンも食堂も一階だ。
二階に位置する(と言っても、天井が高いので高さとしては二階半だが)個室から食堂までは少し遠い。

「私、夢を見ることなど稀なのですよねぇ…」
「あ、そーなんだ」
「そうなのです。…ガウリイさんは?」
「オレは…どーなんだろぉなぁ……んー、なにか見たような気がする時はあるんだが、朝飯食ったら完全に忘れちまうしなぁ…」
「はぁ……まぁ、あなたらしいといえば限りなくあなたらしいですね……」
小さく苦笑するレゾ。
「ハハハ。…それで、どんな夢を見たんだ?」
「ん?…実はね……」
いったん言葉をちぎり、飲み込む。

言ってしまおうか…?
部分部分しかお互いの過去を知らないが、彼は過去で今を否定する人間ではない。
勝手な見方かもしれないが、少なくとも自分はそう思う。

足元を見ると廊下は終っていた。

…止めておこう。
朝から話すような話題ではないし、
彼は、尋ねたことを後悔するだろう人間だから。

緩い弧を描く階段を下りはじめ、レゾは再び口を開く。
「実はね、晴天の秋空の下、リナさんがバルコニーでポエムを綴っている夢を見てしまいまして…」
ガウリイの表情が固いものに変わる。
「そりゃあ…りっぱな悪夢じゃないごっ!?」
階下から勢い良く飛んできた壺に顎を直撃され、彼の言葉はうめきで強制終了となった。
「おっとと…」
宙に跳ね返った壺をキャッチするレゾ。
壺は危うく、破片となる難を逃れた。
「大丈夫ですか?」
隣にうずくまるガウリイに声をかける。
声こそでなかったものの、コクコクと金色の頭は頷く。
「これ、陶器なのですからね…割れたら弁償していただきますよ?」
と、これは、階段の下で仁王立ちの栗毛の彼女に向けたもの。
「人がせぇっっっっかく呼びに言ってあげよーとしたのに、失礼なこと言うからよ!」
リナはふんっと顔をそらした。
「おやおや…では、リナさんはポエムを綴るのですか?」
「え゛……っと…つ、つくるわよ!ポエムぐらい!!あたしだってうら若き乙女なんですからね!」
「ほぉ…ですが、今まで一度も……」
「環境が悪いのよ!環境が!!もっとこうロマンチック ?かつセンチメンタル ?な気分になれるところじゃないと無理なの!!」
ビシィッと(なぜか)指を突付けられ、レゾは苦笑を大きくする。
「…では、このごたごたが終ったら、どこか旅行でもします?
 西ヨーロッパ辺り、どうですか?アジアでも良いですけれど」
候補を挙げながら階段を下り、脇にある台に壺を置く。
「旅行か……そりゃぁいいけど、その前にまず、ごたごたの方を終らせないとね」
「では、その前にまず、朝食ですね」
くすくすと、喉の奥から笑みを転がし、
「…すまん…その前になんか冷やすものくれ……」
『あ゛』
弱々しい声に、二人は未だガウリイがうずくまっていたままだったことを思い出した。

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16184Re:『CIV』― Red Dream 2―りぃ 2004/3/23 03:11:55
記事番号16182へのコメント

・・・リナのポエムっすか!!
ガウリイはどんなのを想像したんでしょう(笑)
ちなみに私の脳裏にはシャドウリナが浮かびました..・ヾ(。><)シ 
レゾさんもごまかすにしたってもうちょいましなのを出せばいいのに(^^;
今回のエピソードが終わったら西ヨーロッパが舞台ですか? どこに行くのかな〜?スペインだったらいいなぁvv(さり気にリクエストしてるし(=^^=) )
続き楽しみにしてますね♪

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16198ポエムネタはラジオドラマです蛇乃衣 2004/3/25 13:36:56
記事番号16184へのコメント

こんにちは〜。レス、ありがとうございますv

>・・・リナのポエムっすか!!
>ガウリイはどんなのを想像したんでしょう(笑)
それは・・・とても私の口からは(っておいおい)

>ちなみに私の脳裏にはシャドウリナが浮かびました..・ヾ(。><)シ 
なるほど。彼女なら作りそうですね。

>レゾさんもごまかすにしたってもうちょいましなのを出せばいいのに(^^;
アメリカンジョークです(嘘)

>今回のエピソードが終わったら西ヨーロッパが舞台ですか? どこに行くのかな〜?スペインだったらいいなぁvv(さり気にリクエストしてるし(=^^=) )
スペインですかぁvいいですよねぇvv
ふっ・・・でも終わった後のことなんて考えられる身分じゃ・・・まず、終わらせないといけませんよねぇ。終われるのかな、ちゃんと・・・(汗)
本当に、この話が終わった後のこと考えていないのです;
ですが、続くとしても「CIV」はこの話に関係するものの略なので、タイトルは変わりますね。

>続き楽しみにしてますね♪
ありがとうございます。頑張りますよ〜!

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16203そういえばありましたね(笑)りぃ 2004/3/26 02:07:01
記事番号16198へのコメント

ラジオドラマ!! ありましたね〜vポエムネタ(笑) 「ふくしぅの刃」でしたっけ? 私はCDで聞きましたv 購入した日に車の中で聞いたんですけど危なく事故るとこでした。あれはうけました♪ よかったじゃない!ガウリイ! 原作世界ならドラスレだったのに花瓶ですんで。 ではこのまま下のお話読みにいきますv
 

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16194Re:『CIV』― Red Dream 2―祭 蛍詩 2004/3/24 19:02:22
記事番号16182へのコメント

 ここの所クラブが忙しくて遊びにこれなかった、祭です;
 レゾさん悪夢…のようなものを見てしまったようで…てっきり悪夢はゼルさんの専売特許かと思ってました(マテ

 ―というわけで、レスさせて頂きます!
 
>「よっ、おはよぉ……どーかしたのか?」
>寝室のドアを閉めた後すぐの唐突な問掛けに、レゾは内心の驚きを隠しながら挨拶と問いを返す。
>「おはようございます、ガウリイさん…どうかしたとは?」
>いつもの微笑を浮かべ、相手に向き直る。
>隣の寝室を使っていた金髪の彼は、のほほんとした言動の中、時々野生動物並の勘の鋭さをかいま見せる。
 ほとんどそれだけで生きてるようなひとですもんね(←失礼です

>ごまかしやすいのか、にくいのか、一概には決められない。
>「いやぁ…なんか顔色が良くなさそうだから、悪い夢でも見たのかなぁと思ってさ…」
>声を出さす、表情も崩さなかったが、レゾは改めて彼の直感を称賛した。
>後ろ頭をぽりぽり掻きながら言うガウリイは、自分の発言がどこまで当たっているかなど、推測もしていないのだろうが。
 本当にすごいですね、ガウリイさんの勘は。

>「……ええ、そうなんですよ。悪い夢、というわけではありませんがね」
>レゾは仕草で下に行こうと促す。
 あれは…十分悪い夢…なんじゃないですか?

>並んで、彼らは古い絨毯の上を歩き出した。
>キッチンも食堂も一階だ。
>二階に位置する(と言っても、天井が高いので高さとしては二階半だが)個室から食堂までは少し遠い。
>
>「私、夢を見ることなど稀なのですよねぇ…」
>「あ、そーなんだ」
>「そうなのです。…ガウリイさんは?」
>「オレは…どーなんだろぉなぁ……んー、なにか見たような気がする時はあるんだが、朝飯食ったら完全に忘れちまうしなぁ…」
 成る程…ってそれでいいんですか?!

>「はぁ……まぁ、あなたらしいといえば限りなくあなたらしいですね……」
>小さく苦笑するレゾ。
>「ハハハ。…それで、どんな夢を見たんだ?」
>「ん?…実はね……」
>いったん言葉をちぎり、飲み込む。
>
>言ってしまおうか…?
>部分部分しかお互いの過去を知らないが、彼は過去で今を否定する人間ではない。
>勝手な見方かもしれないが、少なくとも自分はそう思う。
 そうですね、ガウリイさんだけでなく、ゼルさんも、リナさんも。

>足元を見ると廊下は終っていた。
>
>…止めておこう。
>朝から話すような話題ではないし、
>彼は、尋ねたことを後悔するだろう人間だから。
 優しいですしね。 でも言わなかった事を責められる事も…無きにしもあらず、ですが。

>緩い弧を描く階段を下りはじめ、レゾは再び口を開く。
>「実はね、晴天の秋空の下、リナさんがバルコニーでポエムを綴っている夢を見てしまいまして…」
 そっ、それは確かに悪夢です……;;
 今思いっきりリアルに想像してしまいました;; ひぇえぇ;

>ガウリイの表情が固いものに変わる。
>「そりゃあ…りっぱな悪夢じゃないごっ!?」
>階下から勢い良く飛んできた壺に顎を直撃され、彼の言葉はうめきで強制終了となった。
 あらまぁ…リナさんに聞かれちゃったんですね;

>「おっとと…」
>宙に跳ね返った壺をキャッチするレゾ。
>壺は危うく、破片となる難を逃れた。
>「大丈夫ですか?」
>隣にうずくまるガウリイに声をかける。
>声こそでなかったものの、コクコクと金色の頭は頷く。
 これくらいでまいっていたら一緒に生活なんかできませんものねv

>「これ、陶器なのですからね…割れたら弁償していただきますよ?」
>と、これは、階段の下で仁王立ちの栗毛の彼女に向けたもの。
>「人がせぇっっっっかく呼びに言ってあげよーとしたのに、失礼なこと言うからよ!」
>リナはふんっと顔をそらした。
>「おやおや…では、リナさんはポエムを綴るのですか?」
 怖いですね…ガウリイさんにもらった球根に水を上げながらポエムを綴るリナさん…核の雨が降るんじゃないでしょうか?(←だから失礼ですって

>「え゛……っと…つ、つくるわよ!ポエムぐらい!!あたしだってうら若き乙女なんですからね!」
>「ほぉ…ですが、今まで一度も……」
>「環境が悪いのよ!環境が!!もっとこうロマンチック ?かつセンチメンタル ?な気分になれるところじゃないと無理なの!!」
>ビシィッと(なぜか)指を突付けられ、レゾは苦笑を大きくする。
>「…では、このごたごたが終ったら、どこか旅行でもします?
> 西ヨーロッパ辺り、どうですか?アジアでも良いですけれど」
>候補を挙げながら階段を下り、脇にある台に壺を置く。
>「旅行か……そりゃぁいいけど、その前にまず、ごたごたの方を終らせないとね」
>「では、その前にまず、朝食ですね」
>くすくすと、喉の奥から笑みを転がし、
>「…すまん…その前になんか冷やすものくれ……」
>『あ゛』
>弱々しい声に、二人は未だガウリイがうずくまっていたままだったことを思い出した。
 可哀想に…ガウリイさん。

 続きを楽しみにしていますっ!
 では、今回はこの辺で!

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16199お疲れ様です蛇乃衣 2004/3/25 13:49:54
記事番号16194へのコメント


> ここの所クラブが忙しくて遊びにこれなかった、祭です;
こんにちは。クラブ、お疲れ様です。
> レゾさん悪夢…のようなものを見てしまったようで…てっきり悪夢はゼルさんの専売特許かと思ってました(マテ
ご安心下さい。ゼルさんの分もあります。悪夢(本人には迷惑ですが)
> 
>>隣の寝室を使っていた金髪の彼は、のほほんとした言動の中、時々野生動物並の勘の鋭さをかいま見せる。
> ほとんどそれだけで生きてるようなひとですもんね(←失礼です
そうなんですよねぇ。まあ、生きてこれたんだから凄いところですが。

>>「……ええ、そうなんですよ。悪い夢、というわけではありませんがね」
>>レゾは仕草で下に行こうと促す。
> あれは…十分悪い夢…なんじゃないですか?
ん〜・・・レゾさんにしてみれば、すっごく嫌な夢なんですが、悪い夢というとそうでもないような・・・

>>「オレは…どーなんだろぉなぁ……んー、なにか見たような気がする時はあるんだが、朝飯食ったら完全に忘れちまうしなぁ…」
> 成る程…ってそれでいいんですか?!
いや、もう、彼だからいいんです(酷い

>>…止めておこう。
>>朝から話すような話題ではないし、
>>彼は、尋ねたことを後悔するだろう人間だから。
> 優しいですしね。 でも言わなかった事を責められる事も…無きにしもあらず、ですが。
それも優しさ故ですね。リナちゃんなんかは特に言いそうかな。

>>ガウリイの表情が固いものに変わる。
>>「そりゃあ…りっぱな悪夢じゃないごっ!?」
>>階下から勢い良く飛んできた壺に顎を直撃され、彼の言葉はうめきで強制終了となった。
> あらまぁ…リナさんに聞かれちゃったんですね;
本当に、タイミングの悪い男です;

>>「大丈夫ですか?」
>>隣にうずくまるガウリイに声をかける。
>>声こそでなかったものの、コクコクと金色の頭は頷く。
> これくらいでまいっていたら一緒に生活なんかできませんものねv
本人の期せずところで、心身共に打たれ強くなれます。

> 続きを楽しみにしていますっ!
> では、今回はこの辺で!
ありがとうございました!リクエストの方ももうすぐ投稿できると思いますので!

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16201『CIV』― Just Kidding ―蛇乃衣 2004/3/25 20:29:47
記事番号16127へのコメント

「ぃよっ!頼まれもん、持ってきたぜ!」
その日の夕刻、古びた洋館に、鮮やかな緑の髪の青年が訪ねて来た。
「久しぶりだな、ヴァル」
「ご苦労様です」
「元気そーだな!」
「遊んでばっかなのに、会社、首になってなかったのね」
迎えたのは、ゼルガディスら四人ともう一人、レゾに呼び出されたディルギアである。

ヴァルが勤めている会社は、銃器から防犯アイテムまで幅広く取り扱っている。
新商品の開発にも力を入れており、リナ達もテストプレイのバイトを時々するのだ。
なかなかギャラは良い。
ちなみに、社長であるガーヴとレゾは古い知り合いであり、お互いにお得意先でもある。

「なってねーよ!仕事はこなしてんだよ!……これ、注文の品。確かに届けたからな」
そう言って、抱えていた段ボール箱を玄関ホールに置く。
子供一人ぐらいなら、すっぽり入ってしまうだろう大きさがある。
ずいぶんと重たそうだ。
レゾが屈んでガムテープをビリビリと剥がし、開ける。
後ろからのぞき込む一同。
ぎらりん、と、鈍い銀と黒の輝きが彼らを睨みつけた。
一見でそれと分かるものから、まったく結び付かない形のものまで、大小様々な『武器』がそこにあった。
「…確かに受け取りました。代金はいつもの通り口座に振り込んでおきますから」
「どーも。取り扱い説明書は一緒に入ってるんで。これからも御贔屓にぃ……じゃ、俺は帰るわ」
片手を上げ告げられた言葉に、軽く驚くリナ達。
「もう?早いな」
「お茶でも飲んで行きませんか?」
ヴァルは小さく肩をすくめて、首を横に振った。
「今日はたまたま、支店に用事があっていただけなんだ。これからまた、本店の方に戻んなきゃなんなくてな」
彼もなかなか忙しいようだ。
「そっか。じゃあ、しょうがないわね」
「じゃあな〜」
「ハハッ。あんたらもなにやらかすのかは知んねぇけど、しくじんなよ?代金払ってもらってねぇからな」
ニッとシニカルな笑みを残し、ヴァルはあっさりと帰ってしまった。
彼が門をくぐり出たのをなんとはなく見送って、五人は武器を箱ごと応接間へと運び込んだ。

応接間のテーブルには、ディスプレイから青い光を放つノートパソコンが鎮座していた。
レゾがキーをたたくと、青一色が一転し、ビルの見取り図が表示される。
「ちょっと手間かかったけど、見取り図が手に入って良かったわよね〜」
「そうですね…発信機も確かに建物の中みたいですし。
 ここからでは詳しい場所までは分かりませんが、ブランの部屋にでもあるのでしょうね」
「あの〜…一ついいっすかね?」
それまで沈黙していた…というより、彼がアジトに着いてからすぐヴァルが来たので発言の機会を逃していたディルギアが恐る恐る尋ねる。
「なんですか?」
「オレはなんで呼ばれたんですかい?」
彼はまだ、なにも説明を受けていないのだ。
会話の流れは掴めないが―――嫌な予感はひしひしとする。
「いえね、コンクニール・カンパニーのビルに侵入して少々騒ぎを起こすのですが、脱出するさいのヘリの操縦を頼もうと思いまして」
さらりと告げられた内容に、目を剥くディルギア。
「ブランの口座のパスワードを、会社のパソコンから……」
「ちょっとちょっと待ってくだせぇよ!」
話を進めようとするレゾに、慌てて彼は待ったをかけた。
「なんでしょう?」
「オレはごめんですぜ!?
 旦那らがなにしようと口を挟む気はありませんがね、オレまで数にいれねぇでくだせぇよ!!」
一気に巻くし上げる。
レゾはまったく臆した様子もなく、リナ、ゼルガディス、ガウリイは無言でことの成り行きを見つめている。
「別に、いっしょに侵入しろとは言っていませんよ?」
「情報収集ぐれぇならまだしも、んな逃げるのに手ぇ貸したら、たいして変わりゃしませんよ!
 旦那らぁモノ盗ってトンズラすりゃあ良いでしょうけど、オレはそうはいかねぇんですぜ?」
「ふむ…しかし、そのつもりで計画を立ててしまいましたし…
 …バレませんよ。おそらく」
「バレたらオレぁ生きてけねぇんです!!」
ゼハーゼハーと肩で息をするディルギア。
レゾは顎に手をやり少し考えていたが、
「では、好きな方を選んで下さい」
にっこり笑って指を二本立てる。
「選択肢その一。ブランを敵に回すことになるかもしれませんが、私への協力を承諾する。
 選択肢その二。私への協力を断って、今、ここで、私を敵に回す。
 …どちらが良いです?」
あくまで穏やかな、まるで夕食の献立の希望を尋ねるかのような口調のまま、提示された選択肢と思えない選択肢に、ディルギアは言葉をなくす。
「あ、そうそう。後者を選んだ場合は、選択第二段階として、中毒死・焼死・溺死・絞殺死・失血死・その他、と幅広い選択肢が用意されて――」
「スイマセン…協力します。いや、させてください……」
両手を上げての申し出に、レゾは笑みを深くした。
「そうですか?それは良かった。助かります。
 …嫌ですねぇ、そんな悪魔でも見るような目付きしないで下さいよ。
 冗談に決まっているでしょう?」
あはははは、と笑いながらディルギアの肩をポンッと叩く。

「なあ…今の、本気だったよな……?」
少し離れた場所で、ゼルガディスに小声で尋ねるガウリイ。
「いや、あれは冗談だろう」
ガウリイは確認のつもりだったのだが、ゼルガディスの答えは、予想とは外れていた。
「そーかなぁ…」
「そうさ。もし冗談じゃないなら―――」
言葉なかばに、
「私、本気なら、わざわざ宣告しませんよ?
……そうだ。将来のことも考えて、一応希望を聞いておきましょうか?」
「仕事の話進めて下せぇ……」 耳を通過する彼らの会話。
「……な?今のは冗談だろ?」
「おう…」
ガウリイは心持青い顔で頷いた。

********

レゾさん、夢のせいでちょっぴり機嫌が悪いのですよ。
哀れなり、ディルギア・・・

Just Kidding・・・冗談ですよってv


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16204世の中には逆らっちゃいけない人っていますよねりぃ 2004/3/26 02:20:08
記事番号16201へのコメント

スポットったらレゾさんに口答えするなんて、なんて命知らずな・・・
前回に引き続き、笑えない冗談でしたが、さすがはゼル。血ぃつながってるだけのことはありますね。(それはそれで怖かったが・・・)この一族は闇の部分が深そうですね?みたいような・・・みたくないような・・・(((^^;)
ところで最近リナちゃんの出番少なくありません? もう少し出してあげないとあばれちゃいますよv いよいよ敵さんんとこ乗り込むようですね 思う存分暴れちゃってください!

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16226Re:世の中には逆らっちゃいけない人っていますよね蛇乃衣 2004/3/31 15:05:46
記事番号16204へのコメント

遅レスになってしまってすみません、りぃ様;
最近筆が止まって意気消沈中の蛇乃です。うう、いいとこなのに・・・見せ場なのに・・・

う〜ん・・・確かにリナちゃん、活躍していませんね、ここのところ。
実のところ、話の主軸中の主軸はゼルさんとレゾさんだったりします。(りぃ様はリナちゃんファンですか?)
愛はあるのですが・・・ほら、呪文が使えないとなると、体術や銃で攻撃となるわけでして、そうなると、やはり男性陣にやや劣ることになってしまって・・・銃も肩とか腕とかに結構負担がかかりますし・・・
色仕掛け、もらしくないですから;頭の回転と身体反射、スピードで頑張っていただきます。
暴れられては大変ですしね;・・・あ、でも、活躍する=暴れる ですか。彼女の場合(笑)

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16254『CIV』― Operation Start ! ―蛇乃衣 2004/4/4 00:03:47
記事番号16127へのコメント

「へぇ…やっぱり中も立派だなぁ」
「まあ、指折りの航空機会社ってのは事実だしね。
 最近じゃ、コンピューター産業方面でも力つけてきているみたいだし」
清掃業者の作業服を着たガウリイの呟きに、やはり同じ服装で眼鏡をかけたリナが小声で答える。
二人とも髪は茶色に染め、帽子を深く被っている。
コンクニール・コンツェルンの総本山とも言える、コンクニール・エア・カンパニーのビル。
夕刻のロビーには、スーツで身を固めた男女がピリッとした空気をまとい、あるいはせわしなく歩き、あるいは闊歩している。
「でも…なんであたしが清掃作業員のカッコして、ワゴン押して歩かなきゃならないかなぁ」
「まあまあ、仕方ないじゃないか。大体、計画立てたのはお前なんだろ?」
「そうだけど…誰がどう動くかは決めてなぁかったもん。美人秘書…ちょっとやりたかったんだけどなぁ…」
「美人秘書、ねぇ…」
「…………」
隣からの突き刺さるような視線を感じ、ガウリイは慌ててフォローを入れる。
「えっと、いや、ほら!オレ、秘書って聞くとどうしてもマゼンダ思い出しちまってさぁ…イメージがなんというか、リナとは違うよなぁとか」

マゼンダとはガーブの秘書で、長く艶やかな赤髪の美女である。
スーツの上からでも分かる豊満かつ引き締まった体つき、危険な香りを含む妖艶な美貌は、嫉妬と羨望の的だ。
ガーヴとの仲介役を務めたりもしているので、レゾやゼルガディスはもちろん、リナ、ガウリイとも顔馴染みである。
特に、リナは二年ほど前レゾのところに転がり込んできたおりに、彼女にもいろいろ世話になったのだ。
…本人が外に出られないからといって、いくらなんでも、ランジェリーを男性陣に買ってこいというのは酷な話だ。(想像しないであげてください)

――話を今に戻そう。

「まあ…確かにそうだけど…と……」
リナが足を止めた。ガウリイもそれに従う。
目の前を人が通っていったのだ。ここでぶつかると面倒である。
スーツを着た、黒髪の四十前後の男と、こちらは若い、淡い金髪の眼鏡をかけた男が、社員に案内されながらエレベーターへと向かっていく。
すぐに扉は開かれ、三人はその奥へと消えた。
それを見届けてから、
「…さってと…あたし達も仕事仕事。行きましょ」
「おう」
ガラガラと音を立てながら、モップやら洗剤やら『その他イロイロ』を乗せたワゴンを押して、二人はビルの奥へと進んでいった。

「ミスター・リーグベル、ミスター・ハンバルト、どうぞこちらへ」
数あるオフィスの一室に、先ほどリナ達の目の前を通過した三人が入ってくる。
中央にある机を挟み、二対一に分かれて座る。
「コーヒーか紅茶、どちらがお好みでしょう?」
「では、紅茶をいただけますか?」
答えたのは、眼鏡に黒スーツの男だ。
「ミスター・ハンバルトも紅茶でよろしいでしょうか?」
「ええ」
社員の問掛けに、金髪の男が答える。
彼がハンバルトで黒髪の方がリーグベルということか。
「――――では、商談に入りましょう」
紅茶で喉を潤し、カップを置くと、リーグベルが言った。
黒い瞳には、油断のならない光が宿っている。
ハンバルトがスーツケースを机の上に乗せ、開ける。
社員は緊張していることを悟られぬように、机の下で拳を握った。
この大きな商談がまとまる、それは彼の昇進と密接に繋がっているのだ。
特に、今日の相手であるリーグベル氏は神経質なところがあるらしいと上司から聞かされていた。
予想していた通りに、リーグベルは自分の秘書だというハンバルトと彼の三人だけで、静かな場所での商談を求めてきた。
「では、この書類をご覧下さい」
リーグベルが差し出した書類を受け取り――
「…あの?」
その手首を掴まれた。
いぶかしげに掴んでいる手の主の顔を見ると、
「すみません」
言葉とは裏腹に、彼はにっこりと笑みを浮かべ、

どっ!

「ぅぐ?」

もう片方の拳が鳩尾にめりこんだ。
白眼を向き倒れ込もうとする社員を支え、リーグベルはそのまま彼を後ろのソファにどさりと下ろした。
「さて…そろそろリナさん達も動きだしてしまいますね」
リーグベルは己の秘書に笑みを向けた。
手を顔に持っていくと、

ビリッベリベリベリッ

人工皮膚で作られたマスクを一気に剥がす。
「ふぅ…やはり、少し暑いですね。マスクをつけていると」
そう、現れた素顔は、ご想像の通りレゾ=グレイワーズである。
髪型がいつもと異なるし、カラーコンタクトで瞳の色を誤魔化しているので、多少違和感があるのだが。
「本人そっくりにしなくちゃならんかったしな……本物はまだ粗大ゴミといっしょに寝てるだろうさ」
苦笑するハンバルト、いや、変装したゼルガディス。
『ハンバルト』は架空の人物のため、彼はマスクをつけていない。
髪を染め(洗えば簡単に落ちるが)、薄い色の入った眼鏡をかけ、後はメイクだ。
オフィス内を片付け準備をし、扉からそっと外をうかがう。
都合良く、誰もいない。
「行くか」
「行きますか」
うなずき合うと、二人はそれぞれ別方向へと向かっていった。


*****

次、山場の予定なんですが……吉と出るか凶と出るか…

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16269『CIV』― FALL ―蛇乃衣 2004/4/11 00:58:25
記事番号16127へのコメント

ドっかぁあん!!

黄昏に響く爆音。
閃光、熱、爆風がビルを振動させる!
その揺れは、最上階近くの社長秘書用オフィスにも伝わってきた。

「きゃあ!」
「な、何事!?」

ッどぉオん!
  どバごぉおんっ!!

「緊急事態です!非常階段から速やかに避難して下さい!」
駆け込んできた警備員が指示を飛ばす。
「緊急事態!?一体何が――」
「詳しい説明をしている暇はありません!とにかく今は外へ!」
「わ、分かりました!」
押すな押すなと廊下へ出ていく秘書達。
ヒールではさぞ走りにくいだろう。
まあ、慌てすぎると逆に危険だが。
警備員の男はオフィスにいた全員がいなくなったのを確かめて、
「皆さん避難しましたね」
そのままオフィスを抜けて、続きになっている社長室に入った。
この部屋はもともと空だ。
部屋の主であるブラン氏は、現在どこぞに旅行中だとか。
(これがブラン氏のパソコンですか)
彼――レゾは、一台のパソコンの前に座ると、それを起動させる。
ポーチから、なにやら小さな端末を数個取り出し、手際良く繋げていった。
(まずはパスワードを解読しなくては)
キーボードの上を指が踊る。
手術にも使う特殊な極薄手袋のおかげで、『指紋』という煩わしいことを考えずにすむ。
指の動きは軽快なものだった。


(ここの中、か……?)
赤い光の点滅に導かれ、ゼルガディスがたどり着いたのは大きな扉だった。
眼鏡の薄紫色グラスには、青の光で方位が写し出されている。同上の赤の点滅は、ネックレスに付けられた発信機、というわけだ。
もともとオークション会場で使う手筈だったので、発信機は念入りに取り付けられていた。
ネックレスを分解し丹念に調べなければ、まず見付からないだろう。
連続した爆発、ついでセキュルティシステムの誤作動で(無論、両方彼らがやったのだが)社員達は建物から避難している。
この最上階にもはや人影はない。
(てっきり社長室にあると思っていたんだが……)
確か、最上階はジムなどのレジャー施設になっていたはずだ。
飾ってでもあるのだろうか?
(入らんことには分からんか…)
扉に鍵はかかっていなかった。
わずかな音をたて、それは開く。
照明が落ちた、薄暗い広いホール。
かなり本格的なジムになっているようで、様々な機械が鎮座している。
(…どこだ…?)
周りにそれらしきものはない。
休憩所の方かと、ゼルガディスは奥へと進み、

―――!?

背筋を駆け抜けた、なんとも言い表せぬ感覚に、床を蹴り転がる。
近くにあったマシーンの陰に滑り込んだ。
床を見ると、黒色の、針よりもやや太い、ちょうど錐の先端のようなものが数本突き刺さっていた。
「おやぁ、あっさり避けられてしまいましたね」
どこか間延びした声が響く。
素早く視線を辺りに走らせるゼルガディス。
声は微妙に反響し、主の場所を特定しがたい。
「まあ、そんなに甘くないですか」
机の陰に人影を捕えた!

ガウン! ガウン!

陰から陰へ飛込むように移動し、続け様に発砲する。

カカカカッ

錐が床に、機器に突き刺さる。相手もまた、位置を変えた。
「あまり発砲しないで下さいよ。依頼人からそう言われているんですから」
(―――おしゃべりな奴だ!)
薄暗いこともあり、はっきりとは分からないが、相手はまだ若い男で、黒い上下を着ているようだ。
目元を被うのは暗視ゴーグルだろうか。
弾丸と錐の攻防を繰り返しながら、二人は奥へと移動していく。
休憩所を兼ねたギャラリーには、ガラスケースに収められた壺や絵画などがずらりと並んでいた。
(ネックレスはここか――!?)
そんな考えを読んだのかのように、
「お目当てのものはありませんよ?あるのは発信機だけです」
(やはり気付かれていたか!)
ここには盾になるようなものが少ない。
周りの破損を気にしてか、相手の男は壁に架けられていたレイピアを掴み、斬りかかってきた。

ガッ!

一撃目は銃で受け、ゼルガディスもレイピアを掴み応戦する。
だが、視覚の不利で、ゼルガディスはじわじわ押される。

ガッ! しゅぃんっ! キィン! 

頭へ繰り出される刃をゼルガディスは紙一重でかわす。が、

かしゃん!

ゼルガディスの眼鏡が跳ね飛ばされた。
一瞬目を閉じた彼の隙を相手が狙う。
「くっ…!」

ガチィ!

二人の剣がかみ合い、薄暗い中、お互いの視線が至近距離でぶつかる。

(――!?――)

相手の顔に、驚きの色が浮かんだ。
ふと、レイピアへの力が緩まる。
そこへ

「ゼル!」

横手から投げ付けられたピンポン玉サイズの銀色の物体が、重なり合うレイピアにぶつかり、

カッ!!!

圧倒的な閃光が、空間を飲み込む!
「ぐあ!?」
強悪な光に目をやられ、相手がうめく。
ゼルガディスもまた、瞼を透してさえ眩しい光に、視覚をしばし奪われざるをえなかった。
「こっち!」
腕を掴まれ、ぐいと引っぱられる。
未だ視力が回復せず、引かれるままにゼルガディスは走った。
向かう先は屋上。
長い廊下に、二人の足音がわずかに響く。

「リナ、ネックレスだが」
ゼルガディスの視力も元に戻り、並んで疾走する二人。
「分かってる!発信機バレてたんでしょ?
 社員が避難したと思ったら、警備員がバラバラでてきたのよ!しかも――」
言葉を切り、リナは上着の下に装着していた長い筒状の銃を取り外すと、角を曲がりきる前に、そちらの通路の方に向けて引金を引いた!

ズドゥン!

まるでロケット花火のごとく光の尾を引きながら空を裂く弾丸は、途中で三つに分かれて着弾する!

ドカドカドッカァァァン!!

『ぅわ―――――!!』
爆音に後半を掻き消された悲鳴。
「――しかも、あの黒服達がまじっているみたい!」
しぶとくのびていなかった数名を蹴り薙ぎ張り倒し、二人は屋上に続く階段を駆け上がる。

ババババババッ
扉を開けると、風を巻き散らしながら、ヘリが空中停止していた。
「おおい!」
「二人とも早く!」
すでに、ガウリイとレゾはヘリに乗り込んでいた。
放り投げられたハシゴに、飛び付くリナとゼルガディス。
「出ますぜ!」
ディルギアの操縦でヘリは空へ。
弾丸が後を追う。
吹き付ける風に顔をしかめながら、ハシゴを上るリナ。
「ほら、リナ」
ガウリイが手を貸し引き上げる。
「ゼル、早く」
「ああ」
今度はリナがゼルガディスに手を差し出し――
その時、弾丸が翼に当たり、ぐらりとヘリが揺れた!

『うわっ!?』
「っ!」
「ゼル!」

ハシゴから足を滑らせたゼルガディスの手を、間一髪で掴むリナ。
「くっ…は、早く上がって!」
支えるリナの腕が軋む。
ゼルガディスももう片方の手を足場へと伸ばし―――

     ―― ガゥン……!

弾丸が、リナの腕を貫いた。

『!!?』

ほどける手。

嘲るように舞う風。

離れる体。

雲間からのぞく沈む間際の夕日が、世界を無情なほど美しい金色に染める。

重力に逆らうすべもなく。

「っゼルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!」

ゼルガディスは、黄昏が作り出すビルの闇に飲み込まれていった。



******

ご、ごめんなさいごめんなさい!
ゼルさん、落としてしまいました。あわわわわ;

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16271ぅわ、落ちたーーっ?!祭 蛍詩 2004/4/12 19:15:18
記事番号16269へのコメント

 こんにちは、お久しぶりな祭です。
 リクさせて頂いた方、本当にゆっくりで良いですよ〜。
 書けない時ってありますものね; 各いう私も春休みに書きたかった物がいまだに忙しくて書けてないんです;;
 というか、駄文自体この頃全く書いてない…;;
 ―話がそれましたが、くれぐれもご無理はしないで下さい!
 いつもでもお待ちしておりますのでv

 ―んでは、レスさせて頂きます!

>ドっかぁあん!!
>
>黄昏に響く爆音。
>閃光、熱、爆風がビルを振動させる!
>その揺れは、最上階近くの社長秘書用オフィスにも伝わってきた。
 リナさん達ですかね? やる事が荒っぽいと言うか、何と言うか;

>「きゃあ!」
>「な、何事!?」
>
>ッどぉオん!
>  どバごぉおんっ!!
>
>「緊急事態です!非常階段から速やかに避難して下さい!」
>駆け込んできた警備員が指示を飛ばす。
>「緊急事態!?一体何が――」
>「詳しい説明をしている暇はありません!とにかく今は外へ!」
>「わ、分かりました!」
>押すな押すなと廊下へ出ていく秘書達。
>ヒールではさぞ走りにくいだろう。
>まあ、慌てすぎると逆に危険だが。
 ヒールは走りにくそうですよねェ…;
 そういえばこの前、排水溝みたいな所にヒールがはまっちゃっている人を見かけました…;

>警備員の男はオフィスにいた全員がいなくなったのを確かめて、
>「皆さん避難しましたね」
>そのままオフィスを抜けて、続きになっている社長室に入った。
>この部屋はもともと空だ。
>部屋の主であるブラン氏は、現在どこぞに旅行中だとか。
>(これがブラン氏のパソコンですか)
>彼――レゾは、一台のパソコンの前に座ると、それを起動させる。
 警備員もレゾさんだったんですか! それは分からなかった…。

>ポーチから、なにやら小さな端末を数個取り出し、手際良く繋げていった。
>(まずはパスワードを解読しなくては)
>キーボードの上を指が踊る。
>手術にも使う特殊な極薄手袋のおかげで、『指紋』という煩わしいことを考えずにすむ。
>指の動きは軽快なものだった。
 レゾさんはなんでも扱えそうですよね、本当に。

>(ここの中、か……?)
>赤い光の点滅に導かれ、ゼルガディスがたどり着いたのは大きな扉だった。
>眼鏡の薄紫色グラスには、青の光で方位が写し出されている。同上の赤の点滅は、ネックレスに付けられた発信機、というわけだ。
 眼鏡型発信機?! これもヴァルさんの所で扱っている商品なんでしょうか…。

>もともとオークション会場で使う手筈だったので、発信機は念入りに取り付けられていた。
>ネックレスを分解し丹念に調べなければ、まず見付からないだろう。
>連続した爆発、ついでセキュルティシステムの誤作動で(無論、両方彼らがやったのだが)社員達は建物から避難している。
 計画通り、ってわけですか。

>休憩所の方かと、ゼルガディスは奥へと進み、
>
>―――!?
>
>背筋を駆け抜けた、なんとも言い表せぬ感覚に、床を蹴り転がる。
 おりょ?! 敵さんですかっ?!

>近くにあったマシーンの陰に滑り込んだ。
>床を見ると、黒色の、針よりもやや太い、ちょうど錐の先端のようなものが数本突き刺さっていた。
 黒色の針ってことは……雰囲気的にゼロスさん?

>「おやぁ、あっさり避けられてしまいましたね」
>どこか間延びした声が響く。
>素早く視線を辺りに走らせるゼルガディス。
>声は微妙に反響し、主の場所を特定しがたい。
>「まあ、そんなに甘くないですか」
>机の陰に人影を捕えた!
 すみません; 思いっきりゼロス君が避難訓練よろしく、机の下に潜んでいるのを想像してしまいました;;

>ガウン! ガウン!
>
>陰から陰へ飛込むように移動し、続け様に発砲する。
>
>カカカカッ
>
>錐が床に、機器に突き刺さる。相手もまた、位置を変えた。
 ををっ! なんかかっこいい戦闘ですね!

>「あまり発砲しないで下さいよ。依頼人からそう言われているんですから」
>(―――おしゃべりな奴だ!)
>薄暗いこともあり、はっきりとは分からないが、相手はまだ若い男で、黒い上下を着ているようだ。
 黒い上下…ますますゼロス君っぽいですね。
 もしや、後姿はコックローチ似?!

>目元を被うのは暗視ゴーグルだろうか。
>弾丸と錐の攻防を繰り返しながら、二人は奥へと移動していく。
>休憩所を兼ねたギャラリーには、ガラスケースに収められた壺や絵画などがずらりと並んでいた。
>(ネックレスはここか――!?)
>そんな考えを読んだのかのように、
>「お目当てのものはありませんよ?あるのは発信機だけです」
 わぉ、流石です!

>(やはり気付かれていたか!)
>ここには盾になるようなものが少ない。
>周りの破損を気にしてか、相手の男は壁に架けられていたレイピアを掴み、斬りかかってきた。
>
>ガッ!
>
>一撃目は銃で受け、ゼルガディスもレイピアを掴み応戦する。
>だが、視覚の不利で、ゼルガディスはじわじわ押される。
 わ〜、ピンチですねっ;

>ガッ! しゅぃんっ! キィン! 
>
>頭へ繰り出される刃をゼルガディスは紙一重でかわす。が、
>
>かしゃん!
>
>ゼルガディスの眼鏡が跳ね飛ばされた。
>一瞬目を閉じた彼の隙を相手が狙う。
>「くっ…!」
>
>ガチィ!
>
>二人の剣がかみ合い、薄暗い中、お互いの視線が至近距離でぶつかる。
>
>(――!?――)
>
>相手の顔に、驚きの色が浮かんだ。
 ってことは、知り合いですよね。 
 そういえば、ゼルさんとゼロス君、水族館で合ってましたし…。

>ふと、レイピアへの力が緩まる。
>そこへ
>
>「ゼル!」
>
>横手から投げ付けられたピンポン玉サイズの銀色の物体が、重なり合うレイピアにぶつかり、
>
>カッ!!!
>
>圧倒的な閃光が、空間を飲み込む!
 リナさん達が助けに来てくれたんですか。 良かった〜。

>「ぐあ!?」
>強悪な光に目をやられ、相手がうめく。
>ゼルガディスもまた、瞼を透してさえ眩しい光に、視覚をしばし奪われざるをえなかった。
>「こっち!」
>腕を掴まれ、ぐいと引っぱられる。
>未だ視力が回復せず、引かれるままにゼルガディスは走った。
>向かう先は屋上。
>長い廊下に、二人の足音がわずかに響く。
>
>「リナ、ネックレスだが」
>ゼルガディスの視力も元に戻り、並んで疾走する二人。
>「分かってる!発信機バレてたんでしょ?
> 社員が避難したと思ったら、警備員がバラバラでてきたのよ!しかも――」
>言葉を切り、リナは上着の下に装着していた長い筒状の銃を取り外すと、角を曲がりきる前に、そちらの通路の方に向けて引金を引いた!
>
>ズドゥン!
>
>まるでロケット花火のごとく光の尾を引きながら空を裂く弾丸は、途中で三つに分かれて着弾する!
 これまた凄い武器ですね! やっぱりこれもヴァルさんの所の…?

>ドカドカドッカァァァン!!
>
>『ぅわ―――――!!』
>爆音に後半を掻き消された悲鳴。
>「――しかも、あの黒服達がまじっているみたい!」
>しぶとくのびていなかった数名を蹴り薙ぎ張り倒し、二人は屋上に続く階段を駆け上がる。
>
>ババババババッ
>扉を開けると、風を巻き散らしながら、ヘリが空中停止していた。
>「おおい!」
>「二人とも早く!」
>すでに、ガウリイとレゾはヘリに乗り込んでいた。
>放り投げられたハシゴに、飛び付くリナとゼルガディス。
 間一髪、ですね!

>「出ますぜ!」
>ディルギアの操縦でヘリは空へ。
>弾丸が後を追う。
>吹き付ける風に顔をしかめながら、ハシゴを上るリナ。
>「ほら、リナ」
>ガウリイが手を貸し引き上げる。
>「ゼル、早く」
>「ああ」
>今度はリナがゼルガディスに手を差し出し――
>その時、弾丸が翼に当たり、ぐらりとヘリが揺れた!
 えっ?! しかも翼に当たったんですか?!

>『うわっ!?』
>「っ!」
>「ゼル!」
>
>ハシゴから足を滑らせたゼルガディスの手を、間一髪で掴むリナ。
>「くっ…は、早く上がって!」
>支えるリナの腕が軋む。
>ゼルガディスももう片方の手を足場へと伸ばし―――
>
>     ―― ガゥン……!
>
>弾丸が、リナの腕を貫いた。
 ぅわ、痛そうですーーっ!!

>『!!?』
>
>ほどける手。
>
>嘲るように舞う風。
>
>離れる体。
>
>雲間からのぞく沈む間際の夕日が、世界を無情なほど美しい金色に染める。
 この辺の描写が綺麗で好きですーvって言ってる場合じゃないんですけど;
 こういう時ってスローモーションに見えますよね。

>重力に逆らうすべもなく。
>
>「っゼルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!」
>
>ゼルガディスは、黄昏が作り出すビルの闇に飲み込まれていった。
 落ちたーーーっ?!
 やばいじゃないですかっ!

>******
>
>ご、ごめんなさいごめんなさい!
>ゼルさん、落としてしまいました。あわわわわ;
 続きをお待ちしてます! 落ちたゼルさん、どうなるんでしょう?!
 では、今日はこの辺で!
>

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16281Re:はい、落としてしまいました(汗)蛇乃衣 2004/4/19 19:27:56
記事番号16271へのコメント

こんにちは。お久しぶりでございます〜。
遅遅レスになってしまってすみません〜!ひゃ〜・・・

>>閃光、熱、爆風がビルを振動させる!
>>その揺れは、最上階近くの社長秘書用オフィスにも伝わってきた。
> リナさん達ですかね? やる事が荒っぽいと言うか、何と言うか;
はぁい、そうです。彼らです。

>>ヒールではさぞ走りにくいだろう。
>>まあ、慌てすぎると逆に危険だが。
> ヒールは走りにくそうですよねェ…;
> そういえばこの前、排水溝みたいな所にヒールがはまっちゃっている人を見かけました…;
うわぁ・・・悲惨ですねぇそれは。でも、そんな経験した人、けっこういるのではないいかなぁ。

>>部屋の主であるブラン氏は、現在どこぞに旅行中だとか。
>>(これがブラン氏のパソコンですか)
>>彼――レゾは、一台のパソコンの前に座ると、それを起動させる。
> 警備員もレゾさんだったんですか! それは分からなかった…。
役者ですから(笑)

>>手術にも使う特殊な極薄手袋のおかげで、『指紋』という煩わしいことを考えずにすむ。
>>指の動きは軽快なものだった。
> レゾさんはなんでも扱えそうですよね、本当に。
完璧主義というか・・・一度やり始めたら最後まで、って人なんです。
だから、やろうと思わないことや必要ないかなぁなどと思ったことは、全くできない知らない場合もあります。

>>ネックレスを分解し丹念に調べなければ、まず見付からないだろう。
>>連続した爆発、ついでセキュルティシステムの誤作動で(無論、両方彼らがやったのだが)社員達は建物から避難している。
> 計画通り、ってわけですか。
ここまでは、でしたが(苦)

>>床を見ると、黒色の、針よりもやや太い、ちょうど錐の先端のようなものが数本突き刺さっていた。
> 黒色の針ってことは……雰囲気的にゼロスさん?
原作の攻撃をイメージしました!黒い錐って、いかにもゼロスって感じなので。
>
>>「まあ、そんなに甘くないですか」
>>机の陰に人影を捕えた!
> すみません; 思いっきりゼロス君が避難訓練よろしく、机の下に潜んでいるのを想像してしまいました;;
ふっ・・・・・・・・!!!(大爆笑)
・・・今度、なにかのネタに使わせて下さいな。それ・・・

>>錐が床に、機器に突き刺さる。相手もまた、位置を変えた。
> ををっ! なんかかっこいい戦闘ですね!
いやぁ、そんなかっこいいだなんてv(いや、かっこいいのはゼルさんだから・・・)

>>
>>相手の顔に、驚きの色が浮かんだ。
> ってことは、知り合いですよね。 
> そういえば、ゼルさんとゼロス君、水族館で合ってましたし…。
ここに繋げるためだけに、あの水族館のシーン入れたようなものでしたから・・・

>>圧倒的な閃光が、空間を飲み込む!
> リナさん達が助けに来てくれたんですか。 良かった〜。
御姫様の危機を救うのは王子様と相場が決まっていますから!(・・・アレ?)
>>
>>ズドゥン!
>>
>>まるでロケット花火のごとく光の尾を引きながら空を裂く弾丸は、途中で三つに分かれて着弾する!
> これまた凄い武器ですね! やっぱりこれもヴァルさんの所の…?
最新機種です。見た目の派手さが売りです。セール中です。

>>     ―― ガゥン……!
>>
>>弾丸が、リナの腕を貫いた。
> ぅわ、痛そうですーーっ!!
うう、痛いのやだなぁ・・・って自分がそんな目に遭わせているのですが・・・

>>『!!?』
>>
>>ほどける手。
>>
>>嘲るように舞う風。
>>
>>離れる体。
>>
>>雲間からのぞく沈む間際の夕日が、世界を無情なほど美しい金色に染める。
> この辺の描写が綺麗で好きですーvって言ってる場合じゃないんですけど;
> こういう時ってスローモーションに見えますよね。
ありがとうございます!
実は、このゼルさんの落下シーンから「CIV」は生まれたのです。
なぜか蛇乃の夢に出てきたのですよ。

>>重力に逆らうすべもなく。
>>
>>「っゼルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!!」
>>
>>ゼルガディスは、黄昏が作り出すビルの闇に飲み込まれていった。
> 落ちたーーーっ?!
> やばいじゃないですかっ!
はい。やばいです(人ごとみたいに・・・)
>
>>ご、ごめんなさいごめんなさい!
>>ゼルさん、落としてしまいました。あわわわわ;
> 続きをお待ちしてます! 落ちたゼルさん、どうなるんでしょう?!
> では、今日はこの辺で!
ありがとうございました!
今後はゼロスやルークも出張ってきます!登場人物たちがどう繋がっていくのか、予想してみて下さいませ。