◆−こにゃにゃちわあ〜のおっさぶり(はあと)−猫斗犬(4/25-13:31)No.1617
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1617こにゃにゃちわあ〜のおっさぶり(はあと)猫斗犬 E-mail 4/25-13:31


猫──猫斗犬。とう小説の作者。ちなみに言葉は大阪弁を使ってると思いねえ。
リ──リナ=インバース。もちろん『スレイヤーズ』の主人公。
達──田中達也。『STS』側の主人公。


猫「こーにゃにゃちわあ〜!!お待たせいたしやしたのお〜皆の衆。今世紀
  最大最強のひねくれキメラ、猫斗犬がいよいよ復活や!!!!」
リ「んっとに…めったやたらと待たせまくったわね…」
達「それにひねくれキメラって…いったいなんだ?」
猫「んなこたあ…その辺においといて…せっかくのめでたい日なんや、そんな
  冷めた目えーせんといて、おめでとうの言葉一つぐらいかけてーな」
リ「なぜか言葉遣いがへんなんだけど…」
達「大阪弁だな…」
リ「あれ?確かこいつって東北生まれじゃなかったっけ?なんで大阪弁?」
達「テレビの影響だろう…4月から地上波で『カードキャプチャーさくら』
  が始まったからな…」
リ「はい?」
達「…今回の放送で初めて見たらしい…」
リ「何を?」
達「だから…『カードキャプチャーさくら』だって…」
リ「………………」
達「もともと、影響を受けやすい性格なんだけどな…1話目を見ただけで…
  ころころころころ…転がりまくったらしい…」
リ「影響を受けやすいというか…単純なだけ何じゃない…今度、動物園にい
  るナーガのオリの中に放り込んでみようか?」
達「ふみふみゅ…ナマケモノとゾウガメとの一騎打ちってか?」
リ「迫力全然ないけど…」
猫「…お…おまいら…わいをいったい何者やと…」
達「剥製!」
リ「しかも今じゃ、邪魔な存在でしかない粗大生ゴミ二世」
猫「…しくしく…お願いやケロちゃん…わいに力をくれい…」
達「んな、ピンポイントなお願い…問答無用で却下します」
猫「いや…別におまはんに願いことを頼んだ訳ではあらへんのやけど…」
リ「んなもん誰だって却下するわよ…それより…あんた…今までこの5ヶ月
  間何やってたのよ…くだらない理由かなんかだったら…問答無用でドラ・
  スレだかんね…」
猫「その「くだらない理由なんでしょ」、つー期待のこもった目は何だ…」
リ「いやーここしばらく欲求不満がめーいっぱいたまっちゃって…つー訳で
  …黄昏より…」
猫「って、勝手にくだらない理由と決めつけて、呪文を唱えるんやない。こ
  ー見えてもちゃんとした立派な事情ってーもんがあったんや!!!」
リ「………………」
達「たとえば?」
猫「…冬眠してた…」
リ&達
 『…は?…』
猫「だから…冬眠してたんやって…一様、わいは猫と犬と人間のキメラやさ
  かいに。そんな訳で冬眠せーへんと今冬生き延びられへんからな…」
達「………………おい…」
リ「………………ぷち…」
猫「どないした達也?」
達「猫も犬も人間も普通は冬眠はしないんだけど…」
猫&達
 『………………』
リ「…ふ…うふふふふふふふふふふふふふふ…」
猫「しもうたあーーー!!!いきなしばれてーなあーーー!!!!!!!」
リ「やっかましいわ!!この天然ボケ記念物取扱書キメラ!!!竜破斬ーー
  ーーーーーー!!!!!!!!!」

 どぐうおおおーんっ!!!
 やっぱひ、吹き飛ばされる猫斗犬であった──

達「何だったんや…あいつは…」



 ではでは改めて……こほん…
 ………………………………………………
 こーにゃにゃちわあ(はあと)
 おっさぶりの猫斗犬や。「ねこといぬ」とも読へんやで。驚いたやろ。
 ………………………………………………
 あに?わいは何処の誰やって?
 ………………………………………………
 …ま…まあ…仕方あらへんかな?5ヶ月間、留守しとったし。おまけにそ
の期間で新人さんもぎょーさんふえとるしなあ…
 よっしゃ!
 ここは一つ自己紹介でもしとこうか。
 さっきも名乗たが…わいの名は猫斗犬や。つまり「ねこといぬ」っと書い
て「びょうとけん」と読むんや。よーおぼいといてや(はあと)
 せんきゅうひゃくばつばつ年(19××年)に東北のある一カ所に生息し
始めた猫、犬、人間のキメラやねん。
 もちろん魚と肉をごっつー愛しとる。
 ここ『書き殴り』には去年の夏頃から小説を掲載していた。作品は4種類
あるが今んとこ完結しとる作品はない。
 そん中で一番長い作品がわいのお気に入りでもある、上記にも登場した
達也もでとる『スレイヤーズSTS』。
 ちなみに著者別作品リストの方にも作品はあるさかい。今まで読んだこと
のないもんはそちらで読んでくれや(原稿用紙280枚ぐらい)ただし、2
話は読まんといてほしいけどな…
 話としては2話の途中までになっとったんやけど…2話は事情があって完
全な連載停止を行った。
 では、『スレイヤーズSTS』とは…
 これはもちろん皆におなじみの『スレイヤーズ』、それにわいのオリジナル
『STS』という話を混合させたパロディ物。
 まあ…安直な名前かとおもうんやろうけど…わいは結構気に入っとるで。
 ほんまは『STS』のあらすじもしたほうがいいんやろうけど、それは本
編を読んで、どういう話か自分で想像を膨らまして楽しむちゅ方法もあるの
でここではやめておく。
 いやー…わいって親切やなあ。えらいわなあ。賢いなあ。
 ほな、『スレイヤーズSTS』新生第2話1回目、行ってみよか。

 おおっとその前に、今回の1回目はリナ達、『スレイヤーズ』側のメンバー
はほとんど出てけーへんし、めだたんよーなっとる。きーつけてや。

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1618スレイヤーズSTS<新生第2話1回目猫斗犬 E-mail 4/25-13:37
記事番号1617へのコメント

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 『スレイヤーズSTS』 
  第2話 ”舞い降りた者 運命の異界の天使” 1回目
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**** MEGUMI ****

 この世界では、科学の発展した星がある。
 また、あちらの世界では魔法が存在する星がある。
 そして、ここの世界には科学と魔法、両方が存在する星がある。
 この星は地球と呼ばれていた。
 あの星も地球と呼ばれている。
 ここの星も地球と呼ばれていた。
 あたしが住む星、地球──そこは魔法と科学、2つが存在する星である。


「………………………………………………………………………………」
 ………あぢいぃ………
 時は夏、後1週間で夏休みに入ろうとしているそんな時期である──一身
の都合上のために先生はおらず授業は自習となっていた──
 外から聞こえる、うるさいセミの鳴き声に負けられんぞと言っているかの
ようにクラスのほとんどが宴会状態で騒ぎまくる。
 そんな時、突然──
 ばん!
「あやしい…ずうえぃとおわあいにあやしい!」
 とあたしの机をたたきながらのセリフが彼女、本日最初の一言だった。
「…は?」
 教室に冷房ができないかなあ…などと考えながら暑さに耐え切れず、ノー
トを団扇がわりに仰いでいたあたしは間抜けな返事を彼女に返す。
「ものすぐうお〜く、あやしいと思わない?恵美」
「…あの…茜?…」
「とことんあやしいのよ!」
 あたしの呼びかけに聞いてか聞かずか、明後日の方向へ向かって拳を振り
上げ、一人で勝手に盛り上がる。
「…いや…だから…」
 なんなのだいきなひこの人は…半年程前、ここ流東学園(小学校、中学校、
高校、大学、全てが一つになったマンモス学園)に転校してきたあたしこと
今居恵美と、最初に友達になったのが彼女、浅城茜だった………もひかした
ら人生の選択、間違ったかもしんないな…
 彼女は柔道部に所属しており、個人戦48キロ級全国大会で第3位という
すんばらしい実績と、学園の上は大学部・下は小等部まで男女問わず人気と
美貌を保つ学園内の名物娘。ちなみに学園内に彼女のファンクラブが存在し
ているとかいないとか…得意教科は国語と家庭科(特に料理)でその他の成
績はごく普通…ちなみに宿題を忘れクラスメイトにノートを借りること多々
あり…
「あやしいのよおおー!」
 …まだやってるよこのねえちゃんは…あきれながら盆踊りをしている彼女
を、ぼーっとしながら見ていると…
「そうにゃ、あやしいのにゃあー」
 うおっ!
 あたしの横から大声を張り上げ現れたオス猫、1匹…彼が振り上げる右手
にはなぜかかつお節が握られたりしている…て、ちょっと待てよ?
「…ねえ…二人とも…今は授業を受けているはずじゃあ…」
『あやしいよおぉぉぉー』
「…おひ…」
 あたしの言葉など張り切りながら無視する、2人の声は見事にはもった。
 突然、ひょっこりと現れた結構美形顔の兄ちゃん。言葉の最後に「…にゃ」
などと、猫の鳴き声を取り混ぜた言い方なんぞをしまくるのは、茜と幼なじ
みの広野秀一くん。
「にゃはははは…」
 ついにはどたばたどたばた暴れ出した。
 とにかく、一度こうなると手がつけられないので、無視してほっぽいてお
くのがベストである。
 『○○猫もどき』というあだ名なんぞ付けられてたりする、こちらもまた
茜同様、学園内の名物男で…類は友を呼ぶってやつですなあ…ある人からは
「ばかが180度回転してもやっぱりばかとしか言いようのないばか」など
という保証書なんかをもらってたりする。
 学力はあまりいい方ではなく、授業中はよく居眠りしているらしい…あく
までも聞いた話であるため違うクラスのあたしには事実は分からない…
 見た目は笑顔の似合うおぼっちゃま…という感じだがスポーツに関しては
学園内でも上位に入る。
 さて、話はいきなり変わるが…実はこの二人…あたしとはクラスが違った
りする。しかも今はちゃんとした授業をやっているはずなんだけど…どうやっ
て抜け出してきたんだ?こいつら…
 …う〜むううぅ……後の参考のため後で聞いておくか…

 ──そして15分経過──
『あやしいーーー!!!!!』
「………………」
 …それはまだ続いていた…おまいら…いいかげんにしろよ…
「ねえぇ…秀一くん…ちょっと聞いていい?」
「あやしいのにゃあー」
 叫び、訳の分からぬ方向へと指さす秀一くん。
 あれ?指さす方向に一条に光る一つの星が……真っ昼間に何故光るんだ?
「…じゃあ…あか…」
「あやしいのよおー」
 あたしの言葉に慌てて声を張り上げ、ワンパターンのガッツポーズをする
茜…全然、聞く気ねぇなこの姉ちゃん…二人して仲良く盆踊りカマしてるし
…って言ってるそばからタップダンスに変わった。
 そしてコサックダンスに…バク転…おおー!!!しかも連続…狭いところ
でよおや…あ…
 どぐしゃああぁぁぁー!
 …やっぱひ…机にダイビング、カマしてやんの…おおー…床の上でぴくぴ
く痙攣しとる。
「…あんりぃえぇ?……床にはいつくばって何やってんのよ、2人とも?…
って…すぐに盆踊り始めたし…」
「…あ…舞ちゃん…」
 窓の近くにある木をつたって教室に入ってきた…普通に入ってこいってば
…あたしとクラスメイトである舞ちゃん…彼女もまた茜の幼なじみで、しか
も何の因果かトップアイドルでもある芸名・香純舞、本名・田中舞…は窓の
手すりから音も立てずに床に飛び降りた。
 アイドルをやっているだけあって、めちゃくちゃの美少女。そしてあたし
たち3人にとっては妹みたいな存在…同い年なんだけど…見かけとは裏腹に
結構おてんばでスポーツ万能、成績は中ぐらいより少し上って所だろうか…
 保証書込みで秀一くんの評価をした人物が言うには「単純で脳天気」と性
格を一言で言い表されている。
 しかしてその実体は──拳法道場の娘であり、超巨大壊滅的料理の腕を持
つ者──
 ……………………一度、彼女の料理を御馳走してもらったことあるんだけ
ど…その後、3日間ベットの上で寝込んでましたよ、あたしゃあ…
 あたしは言葉を続ける。
「…舞ちゃん…姿を見掛けないと思ったら…今までどこ行ってたの…」
「…え?…ああ…いや…仕事から帰ってきたところ、なんだけどさあ…」
 と言いながら、ぽりょぽりょ頬をかく。
 …うそだ…
「…今日の仕事はOFFだって、前に言ってなかった?」
「…ぎく…………」
「…どうやら……その辺の木の上で昼寝してたわね…」
 そのあたしの言葉に大きく目を見開き、「何故わかった?」っていう顔を
まざまざと見せつける彼女。
 …そりゃ…まあ…自分で「ぎくっ」なんつー、擬音効果なんぞしまくれば、
誰にだってすぐばれるって…
『………………』
 しばしの沈黙が訪れる…まあ、外野の方で「あやしい」とか、エコーのか
かった猫の鳴き声とかが聞こえてたりもするが……秀一くんはいつの間にか
マイクなんぞを出現させてたりする…
「うーむ…今日もいい天気だ、一日暑くなりそうだねぇ…」
 顔を窓へ向け空を見上げて言い放つ。
「…図星か…おい…しかもどこそかの兄ちゃんの真似までして誤魔化すし…」
「…暑い、暑い…」
「…おおーい…」
 ぱたぱたと右手を団扇のようにして仰ぎ、依然としてそっぽを向く彼女…
あの2人同様このねえちゃんも別な意味で人の話、聞いてくんないし…
「あやしいのよおおー!」
「ぬうおおおううわあぁーー!!って、おい!こら!茜!いきなり人の目の
前で顔を寄せてわめくんじゃ…」
「…うるうるうるうる…」
 その彼女の目にはうっすらと涙がたまり始め…うるうるへの変化が見かけ
られる。
「………………いや…あの…いきなりそんな『愛玩動物を守るんだあぁー』
みたいな目をされても…それに…あたしさあ…茜が言いたいことを聞くのが、
すんごくいやなんですけど…聞いていくたんびトラブルに巻き込まれてるし
いぃ…」
「…うるうるうるうる…」
「……やっぱし聞かなきゃダメ?……」
「…うるうる…絶対ダメ…」
「………………………はあ…しょうがない…わかったわよ………で…その茜
さん達は…何があやしいと言いたいのでございましょうか?」
 …ぴた…
 いやいやながらため息込みで漏らしたあたしの一言が合図だった。茜の瞳
から流れる涙は一瞬にして蒸発し…ば…化けもんや…秀一くんの盆踊りレッ
スン1はぴたりとやんだ。
 すると教室に静寂が訪れる。
 ──1分経過…しーん…クラス全員が息を呑みながら次の言葉を待つ。
 ──2分経過…ざわざわ…教室がざわめき始める…
 ──5分経過…おい…
「…にゃんだろう…」
「何があやしんだったかなあ?」
ずがしゃか!
教室中の全員が…あたしと舞ちゃん以外…盛大にひっくりかえる。
…ふっ、やっぱしな……こういうボケをかますやつらなのよ…この2人は…
 そして──
 ──き〜ん──こ〜ん──か〜ん──こ〜ん──
授業の終わりを告げる鐘に、
「…平和ねぇ…」
 ほのぼのした悟った顔で舞ちゃんがぼつりとつぶやいた…しかもお茶飲ん
どるひ…
 …にしても…これって平和だったのかなあ?…そりゃまあ…確かに、舞ちゃ
んの言ったとおりに、いつもよりかは平和なほうだったとあたしも思うけど…



**** TATUYA ****

 魔法による光と人間の精神力、気による光を1つへと束ねる。
 魔力も気も空っぽになりつつあるオレにかなりの脱力感が襲う。
 ぐうっ…ダメだ…手が震えて標準が付けられない。
 手の震えが止まらない。
 それをガウリィが後ろ手から気孔砲をつかみオレに力を貸してくれた。
「しっかりしろ達也。後一踏ん張りだ!」
「解ってる!」
 そうだっ!しっかりしろ!!それでも正心気功流の後継者か!!!
 内側にある力を隅々からかき集める。
 ”ダメだと思ったときが本当の力を引き出せる。そして、その力の大きさ
によってこれからの成長スピードが違ってくる”
 師匠の言葉が頭をかすめた。
 ──我と汝が力もて 等しく滅びをあたえんことを──
 リナの呪文が完成する。
「やれっ達也!」
 ガウリィが叫ぶ。
「おうっ!」
 いっけーいっっっっっっ!!!!!!!
 かああぁぁぁーっ!
 ガウリィに支えられたままのオレは気孔砲につめた精霊光輪をぶっ放す。
 そいつは光る巨大な帯となって船に突き進む。
 反動で足が地面を滑る。
 全ての生きとし生ける者に等しい光を与える精霊王・光聖龍の力がバリア
へ突き進む。そして光はバリアに阻まれ…
 ぴきいぃぃーんっ!
 …ず見え無きクリスタルの音をたて砕け散った。
「くっ」
 視界がかすみ、両足から力が抜ける。
「バリアの消滅、確認!…今です!リナさんっ!!!!」
 思わず倒れかけたオレをガウリィが支えた。
「竜──」
 リナが力ある言葉を放つ。
 吹き飛べっ!!!!
「──破斬!!!!」
 がぐおおぉーん!
 そして彼女の放った増幅版・竜破斬が見事に空飛ぶ船を吹き飛ばした。
 瞬間、オレは意識が遠くなり体全てをガウリィに捧げると眠りへと落ちて
いった──


「…ほえ〜…」
 しかし、今回はゼオの影にさえ出会えなかったな…
 今回の敵はオレと妹・舞のコピーサイボーグ。そしてそいつらが操る人形
数体と船。戦力はかなりの物だったが…その戦力にはどうもふに落ちないこ
とが数カ所有る。何故あいつは気のことを知らなかったのか…それと…
<…達也。ただいまチーフへの連絡を終了いたしました>
 電子音で作られた声でアインが状況を知らせてきた。
「…ん?ああ…そうか…え〜と…あっそうだ!おまいさんの体のほうはどう
なってるんだ?」
「…ふえ〜…」
<約、82%ほど、修理が完了しています>
「…そうか…もうちょいかかりそうだな…まっしゃーねぇーか。片腕は蒸発
しちまったし…体中のあっちこっちは、ばちばちばちばち、スパークしっぱ
なし…犬は喜び庭駆け回り…猫はこたつで丸くなる…」
<…達也…会話が脱線してますよ…>
 …こほん…失礼…
 現在、オレの相棒であるアインの体の修理とチーフへの定時連絡の為、星
から少し離れた宇宙空間に浮かぶアイン=船の中にいる。しかも4人のおま
け付き。
 オレは田中達也。14才。
 国家認定・次元セキュリティ会社『S.T.S』──に勤める最年少、”
特別級資格者”のトラブルコンサルタントである。
 そして今回、オレとアインが受け持った仕事は、ここ魔法が存在する星へ
と逃げ込んだ犯罪者を逮捕する事。
 犯罪者の名は”ゼオ”──
 オレ達がここの世界にやって来た矢先、いきなり相手側から先制攻撃をく
らった。
 そして、繰り広げられる戦い。その戦いに巻き込まれる4人。だが、その
戦いではゼオが出てくることはなかった──
「…うう〜むっ…」
「これでAIチップに多少の影響があって、少しでもおとなしい性格になっ
てくれりゃあ。オレとしては万々歳ってーとこだったんだがなあ…」
 そのセリフと同時に、メインスクリーンへと映し出される、マンガ調ジト
目をするデフォルメタイプの宇宙船アイン。
『うおっ』
 ある方向から驚きの声があがる。
<…じとおぉ〜…今のはどういう意味なのかなあ〜…達之助くん>
 …何じゃ?その達之助くん、ってーのは…
<じいぃぃぃーーーーー…>
「…気にすんな…ただの独り言だ…」
<…あっそ…別に…いいですけどね…それにもともと人工知能ってーのは、
近くにいる人の性格からもろに影響受けて、急成長しちゃいますからねぇ…
しょうがないですよねえ…こんなんじゃあ…>
 スクリーンのアインから右腕が生え、何気なくオレの方向へと指を差す。
「…ちょっとまて…それって遠回りにオレのせいだって言っているように聞
こえるんだが…」
 今度はアインから両足と左腕が生えだし、正座をし明後日の方向を見てお
茶を飲む。
<ああ…何でもありませんよ。こっちも独り言でしたし…もし、そんな風に
聞こえたのならあたし、ちゃあ〜んと…謝りますよ…達之助くんじゃありま
せんから…>
「………………」
 …こ…こいつ〜…いい性格になったじゃねぇか…
「…ひぃやああぁぁーーー…」
「………………」
 オレは先ほどから周りをぼお〜っと見渡し、変な奇声を上げる4人組へ目
を移す。
「なんなんだよ?さっきから変な声で…」
 そこにいるのは、出会ってからほんの2、3時間でしかたってないここの
世界の住人、リナ、ガウリィ、ゼルガディスにアメリアさん。
「だってねぇ…」
 リナがガウリィの方を向き彼に答えを求める。
「だよなあ…」
 ガウリィはアメリアさんの方を向き彼女に答えを求める。
「ですよね…」
 アメリアさんはゼル…以下略。
「俺達にとっては、珍しい物ばかりだからな。ここにあるのは…」
 そしてやっと、みんなの求める答えをゼルガディスが静かな口調で答えた。
「だいたい、聞くのを忘れてたけど…いったいここってどこなのよ」
「船のコクピット」
 リナの質問に間髪入れずに答えてやる。
「え〜っと…つまりなんだ?」
 やはり、?マークを浮かべるガウリィ。
「正式名は、201型感情登録知性体DWSMM(ディダブルストゥーエム)
変船『アイン』。縦幅48メートル、横幅15メートル、総重量42トン、
矢尻型の形をしたブルーメタリック色…この色はアインの趣味&ラッキーカ
ラーだけど…の中型宇宙船だ。そのコクピットってーのはこの船を動かす操
縦席のある部屋」
 一気に言い放つ。
『………………』
 全員沈黙。
「わかったか?」
 ガウリィの質問にリナとアメリアさんは首を左右に振り、ゼルガディスは
明後日の方を向いてなにやら独り言。
 …今、頭ん中で整理でもしてるんだろうか…DWなんたらかんたらって…
今の説明じゃほとんど解んねぇと思うぞ…オレは…
 今回の戦いに巻き込まれた4人組とは彼女たちの事である。
 まずは一人目──リナ=インバース──
 ここの世界で今、最も有名な女魔道士。十代半ばにして既に黒魔術最大最
強と呼ばれている『竜破斬』を扱え、世界でも指折りの大国・セイルーンで
はアイドル的存在になっている。
 過去に、ここの世界の魔王・シャブラニグドゥの腹心である魔竜王ガーブ
や冥王フィブリゾとの戦いに勝利を収め、次には異界からやって来た魔王・
ダークスターとの戦いにも一躍かったと言う、『闇を滅する者』などの2つ
名を持つ。
 …ただし………性格に難あり……
 2人目──ガウリィ=ガブリエフ──
 彼女、リナ=インバースの良きパートナー。何でも、『光の戦士』、過去
にサイラーグで破壊の限りをし尽くした怪獣・ザナッファー…リナは魔獣っ
て言ってたけど、魔獣も怪獣も変わりないだろう…を退治した人の末裔らし
く、半年ほど前まではその家宝である『光の剣』と言う物を持っていた。傭
兵を生業としており、剣の腕は超一流。
 …ただし………リナ曰く、おつむの方はクラゲ並……
 3人目──ゼルガディス=グレイワーズ──
 過去に、ある魔道士によって、石人形、邪妖精と融合させられた悲しき魔
剣士。五大賢者の一人に数えられている赤法師・レゾの血を受け付いている。
リナとは2年ほど前に出会い、以降、何度か一緒に旅をしている。現在は自
分の体を元に戻す方法を探しているが収穫はなし、今に至る。『冷静』、『
冷徹』をキャッチフレームとして、目立つのは大っ嫌い。
 …ただし………『悪魔』などという邪悪な呼び名で呼ばれ目立つのは嫌い
じゃないそうだ……その呼び方に陶酔するとか…
 最後は──アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン──
 大国・セイルーンの第二王位継承者…この度、即位することにあいなった
フィリオネル新王の2番目の娘。精霊術、及び巫女であるため白魔術には長
けており、ガウリィとゼルガディスより、少し遅くリナと出会い旅を共にし
た、正義をこよなく愛す、愛と正義と真実の人。
 …ちなみに…首の骨が折れても平然と立っていられたりする、体の丈夫な
鉄骨娘…どう考えても死んでると思うが…
「だいたい…その、宇宙船ってーのはなんなのよ…」
「宇宙を飛ぶ船」
「…いや…だから…そう言われても…その宇宙ってーのは何?」
「空よりも更に遙か上にそびえる空」
 リナの眉がちょびいぃっ、とだけ揺れる。
「…じゃ…じゃあ…その遙か上にそびえる空ってーのは?」
「宇宙」
「…おひ…」
 オレの答えに先ほどより少し強く痙攣し始める眉。
『………………』
 それでもリナは辛抱強く冷静に何かを考え、
「…それで…遙か上にそびえると言われている空である宇宙ってーのはどう
言った物なのよ」
 言い放つ。
「………………」
 …ふむ…そう来たか…
「ちゃんと答えなさいよ達也?」
 勝ち誇ったように彼女がオレを見つめる。
「………………さあ…」
 …ならば…
「…この船の外側にそびえる空気の無い空…」
 答える。
「だああああ…んなことで解るか!!!」
 ついに我慢しきれず叫ぶリナ。
 …当たり前だわかんねぇように答えてんだもん…
 オレ達、STSのトラコンは異界の者達との接触はなるたけ少なくするよ
う、決められている。
 っと、まあ…そう言っても、彼女たちは今回の騒動でオレを助けてくれた
ことも事実なため、そうそう無碍な扱いをするわけにはいかない。
 と言うわけで、今オレの頭ん中では彼女たちにはどう対処しておけばいい
のか決められない状態。だから、こんな答え方しかできんのだが…
「そうよ、よく考えたらあたしたちって、あんた達の事や今回の敵のことと
かって、全然知らないのよね。ちょうど良いわ。ついでだからここで全部話
してもらおうかしら」
「え?…いや…それはちょっと…」
 …まじい…完全に本題に入られてる…誤魔化さねば…
「もちろん話してくれるわよね」
「…いや…だから…………って…ちょっと待てリナ!なんなんだその右手に
宿ってる光は!!」
「あ…気にしないで。ただの火炎球だから(はあと)」
 ぱたぱた手を振り、ずいっと一歩、オレの方に近づくリナ。
「…た…ただの火炎球って言われても…」
 思わず同じ距離間で後退。
「なあ…達也。死にたくなければ、リナには素直に話した方がいいと思うぞ。
オレは」
 ガウリィがぼそりとつぶやく。
「そうですよ。リナさんが火炎球ぐらいで済ませてくれる今なら、まだ生き
残っていられるチャンスはあります」
 と首をこくこくふりながらのアメリアさん。
「だいたいにしろ…ここまで戦いに巻き込まれて、今更何も教えられんっと
言われて見ろ、オレたちならまだしろ、リナが黙っていると思うか?」
 ゼルガディスがだめ押しをくれる。
「…ちょっと…あんたたち…それってどういう意味よ…」
『………………』
 リナのすごみにもちろん沈黙する3人組。
「…ま…まあ…ここまで来て聞かないと言うのは俺のポリシーに反するがな
…」
 こほんと、咳払いを加えてのゼルガディス…額に汗が…
「…そ…そうです…ここまで来て誤魔化すだなんてそれこそ悪です。達也さ
ん。もしそのままあたしたちを誤魔化すのであれば、私はあなたに正義の鉄
槌を下すことになってしまいます」
 …いや…いくら何でもそれは強引すぎると思うぞ…アメリアさん…
「…え〜と…」
 何か言おうとするガウリィ。
「何も考えていないガウリィには発言権無し!!!」
「…リナ…お前なあ…」
 リナのセリフに思わずため息を吐くガウリィであった──
                            <2−2へ>


 つー訳で新生2−1は終わりです次回の2−2は遅くても1週間後かな。
 すまんな…書くのがおそーて…
 次回は1話に出てきたあのライクを登場させるつもりです。
 さてさて…どうなることやら…ではでは…これにて…