◆−読んでいただけると嬉しいです−蛇乃衣 (2004/4/25 13:25:14) No.16312
 ┣『CIV』― If I had… ―−蛇乃衣 (2004/4/25 13:36:31) No.16313
 ┃┣・・・シリアスですね・・・−りぃ (2004/4/25 15:42:12) No.16314
 ┃┃┗Re:しばらくはこの調子です;−蛇乃衣 (2004/4/29 16:18:05) No.16335
 ┃┗Re:『CIV』― If I had… ―−祭 蛍詩 (2004/4/28 00:24:39) No.16333
 ┃ ┗Re:彼が精神的には一番大人かもしれないです−蛇乃衣 (2004/4/29 16:42:51) No.16336
 ┣『CIV』―Say Something―−蛇乃衣 (2004/4/29 16:52:54) No.16337
 ┣『CIV』― Nine years ago ―−蛇乃衣 (2004/5/3 00:21:02) No.16345
 ┣『CIV』― Nine years ago 2 ―−蛇乃衣 (2004/5/5 18:54:20) No.16354
 ┃┗遅くなってしまいました;−祭 蛍詩 (2004/5/6 20:59:49) No.16356
 ┃ ┗Re:とんでもないです−蛇乃衣 (2004/5/9 00:55:57) No.16363
 ┣『CIV』裏設定*キャラプロフィール−蛇乃衣 (2004/5/13 00:54:36) No.16383
 ┃┗まずは・・・という感じですね−リィ (2004/5/13 10:42:29) No.16384
 ┃ ┗Re:詰め込んだレスになってしまいました;−蛇乃衣 (2004/5/15 23:28:29) No.16389
 ┃  ┗丁寧なレスありがとう!!−リィ (2004/5/16 08:49:53) No.16391
 ┃   ┗Re:こちらこそありがとうございます〜!−蛇乃衣 (2004/5/22 18:44:06) No.16399
 ┣『CIV』― Nine years ago 3 ―−蛇乃衣 (2004/5/15 23:37:36) No.16390
 ┃┗Re:『CIV』― Nine years ago 3 ―−祭 蛍詩 (2004/5/19 19:57:58) No.16396
 ┃ ┗Re:痛いの痛いの飛んでこい(?−蛇乃衣 (2004/5/22 16:54:28) No.16398
 ┣『CIV』裏設定*キャラプロフィールその2−蛇乃衣 (2004/5/24 19:30:27) No.16408
 ┃┣Re:『CIV』裏設定*キャラプロフィールその2−しーぷ (2004/5/28 20:48:02) No.16410
 ┃┃┗遅くなってすみみません〜!−蛇乃衣 (2004/6/10 19:38:53) No.16449
 ┃┗Re:『CIV』裏設定*キャラプロフィールその2−祭 蛍詩 (2004/6/6 15:32:30) No.16429
 ┃ ┗わぁいv二つもv−蛇乃衣 (2004/6/10 19:33:56) No.16448
 ┗『CIV』― Nine years ago 4 ―−蛇乃衣 (2004/6/10 19:45:55) No.16450


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16312読んでいただけると嬉しいです蛇乃衣 2004/4/25 13:25:14


こんにちは。蛇乃衣です。
投稿させていただいてきた、スレイヤーズ現代版パラレル『CIV』。
ふりかえれば、本編番外編合わせて結構進んできたなぁと、自画自讃してみる今日この頃。(いや、まだまだ続けますけどね……)
ここまで続けられたのも、読んでくださっている皆様のおかげです。
レスして下さった方、毎度毎度、遅レスになってしまってすみません。
皆様のレスに、元気付けられています!心の栄養源です!本当にありがとうございます!
そして、一坪様、これまでご挨拶しなかったこと深くお詫びし、この投稿の場を提供していただいていること、厚くお礼申し上げます。
本当に、ありがとうございます。

さて、番外編はひとつのまとまりごとになっていますが、本編はツリーも数個。
自分で話の流れを再確認するためにも、本編あらすじをつくってみました。
このあらすじを読んで、少しでも興味を持っていただける方がいらっしゃればなぁと願います。では。


*あらすじ*

舞台はアメリカ合衆国。
とある夜、郊外のお屋敷で大富豪ブラン・コンクニール氏の誕生日パーティーは行われていた。
しかし、その夜のもう一つの主役であるブルーダイヤのネックレスが盗まれてしまう。
盗んだのは、リナ、ガウリイ、ゼルガディスの三人。
骨董品店を営み、闇医者でもある『赤法師』レゾを含めた四人は、怪盗として悪人から金品財宝を盗んでいた。

ネックレスを無事獲得し、数日はおとなしく日々を送る四人。
ゼルガディスは、レゾに連れていかれたアクアリウムで、一人の青年ゼロスと出会い、短い会話をかわした。

そして、リナの発案で、次の獲物を決める四人。
前回のネックレスを利用し、ニューヨークで開かれる闇オークションの品物を頂こうというのだ。
準備をし、いざニューヨークへと飛びたとう…というところで、ガウリイが橋から転落。
空港を目の前に、飛行機には乗れず、四人はひとまずホテルへと向かった。

そのホテル、実はレゾがオーナーであり、支配人のエリスは、レゾに思いを寄せている。
が、それゆえにゼルガディスには攻撃的で、かえってレゾには良く思われていなかったりと、微妙な三角関係。

ホテルでのんびりとしていた四人のもとに、協力者(パシリともいう)ディルギアから連絡が。
なんと、オークションの品物が何者かに盗まれてしまったというのだ!
「おのれぃ、このリナ様を差し置いてぇえ!」
と、怒りに燃えるリナ。
すぐにニューヨークへと向かい、情報を集め始める。

ところが、翌日の夜、黒服の男達にアジトを襲撃された。
四人は各個これを撃退し、相手の狙いがネックレスだと推定。
ならば、黒幕はブランか?
とりあえず四人はその場を離れるが、黒服達は後を追ってきた。
深夜のカーチェイスが繰り広げられる。
それに巻き込まれ、一人感傷に浸っていた黒髪の男が、車を炎上されてしまう。
「俺の車ァァァ!!」
哀しき叫びは、無論リナ達には届かなかったが…。
四人はわざとネックレスを落とし、黒服達に持ちかえらせる。
ネックレスには発信機が付けられていたのだ。

もう一つのアジトは、外見はまるでゴーストハウス。
しかも、なにやら危険な仕掛けが施されているとのこと;

数日後、この家の持ち主であった男、己の実の父親の夢をレゾは見た。
父親の首を掻き切った時の夢。
彼が『赤法師』となった時の夢だ。

朝、ガウリイになにかあったのかと尋ねられたが、誤魔化し受け流すレゾ。
その日はゼルガディスの友人であり、リナ達とも顔馴染みのヴァルが、武器を届けに来た。
ヴァルの雇い主であり、武器会社の社長であるガーブはレゾの古い知り合い。その関係で、市場に出回らないような様々な(変わり種の)武器も手に入るのだ。
ディルギアもヘリの操縦の協力を内心涙に濡れながら承諾。

そんなこんなで準備を整え、ブラン氏が社長を務めるエア・コンクニール・カンパニーに侵入した四人。
リナとガウリイは清掃作業員に、ゼルガディスとレゾは商談取引先の人物になりすましてだ。
計画は順調に進んでいたと思われていた。
しかし、ネックレスの奪還を任せられたゼルガディスの前に、謎の男が立ちはだかる。
押され気味のゼルガディスだったが、その男がゼルガディスの素顔を見たときの動揺と、駆け付けたリナのフォローでその場を切り抜ける。

屋上で待機していたヘリには、既にガウリイとレゾが乗り込んでいた。
二人が縄ばしごに飛び付き、撤退する。
しかし、敵の銃弾により、ヘリが大きく揺れた!
足を滑らせるゼルガディスをリナがすんでのところで掴んだが、そのリナの腕を打たれてしまう。
離れる手。
リナの叫びも虚しく、ゼルガディスはビルの谷間に落下していった。


と、こんな話です。本編は基本シリアス、トッピングにギャグ。
番外編はギャグメインですが、本編では出しにくい設定の説明も入れています。
裏設定ばかり思いつくんですが、なかなか話に生かせられず……無念。
各キャラの設定(人物関係なども)一緒に投稿してしまおうかなぁ、と企んでいたのですが、そこまで読みたい方はいらっしゃらないかなぁ、とも思ったので、とりあえず保留しました。
もし、「見てみようかな」と思う方いらっしゃいましたら、一言蛇乃に囁いて下さい(笑)

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16313『CIV』― If I had… ―蛇乃衣 2004/4/25 13:36:31
記事番号16312へのコメント

夜が明けた。
音無く昇る太陽は、世界を白々とした光で照らす。泥棒達がアジトにする古びた館も、例外ではない。
そこに、どんな空気が流れていても……

穿たれた傷は、まだ少女の域をでない細い腕にひどくアンバランスで、痛々しい。
その箇所に薬を塗り、白い包帯を巻いてゆくレゾ。
その動作を何百回、何千回と繰り返してきたのだろう、彼のすらりと長い指は、余分を省き、よどみなく動く。
まるで手品師のようですらあるが、感嘆すら、今のリナの心には湧いてこない。
ソファに座るリナも、レゾも、そして少し離れた窓辺から様子を見ているガウリイも、一言も喋らない。
置き時計の秒針が動く、チッコッチッコッというわずかな音が、広い居間の静けさをさらに強調している。

「弾が貫通していたのが、不幸中の幸いでしたね」
その沈黙を破ったのは、手当てを終えたレゾだった。
彼はすでに変装を解き、黒いズボンと臙脂色の上着に着替えていた。
「…えっ……あ…うん……」
心ここにあらずだったリナは、力無く頷いた。
その拍子に、肩にかかっていた栗色の髪が一房、サラリと滑り落ちる。
リナとガウリイも、髪を洗い色を元に戻し、普段着をまとっている。
リナのこの怪我を除けば、三人は軽傷ばかりだ。肉体面に関しては、だが。

「………ごめん…」

再びの沈黙が室内に染み渡る前に、リナがぽつりと呟いた。
顔は伏せられたまま、視線は己に巻かれたの包帯に注がれている。
すでに血は、ほぼ止まっていると同じなので、一度目の時のように赤が白を侵食してゆく様は見えない。
「……私に謝られても、困ってしまいますよ……?」
ややあって、レゾが静かに答えた。
「けど…だって……あたしの、せいだわ」
いつもの彼女らしくない、絞り出すような声。
「リナ――」
ガウリイの呼び掛けを遮り、
「あたしが、手を離したから…あの時、離さなければ…」
夜を引き寄せる、金に染まる世界。
風に舞う髪も、見開かれた眼も、伸ばされた手も。
彼が見えなくなるわずか数秒のシーンが、瞼の裏というスクリーンに、スローモーションで何度も繰り返される。
「あたしが手を離したから―――!」
スッと、レゾの手がリナの口許を覆う。

「止めて下さい…」

小さく首を横に振り、彼はリナと視線を合わせた。

「私はズルイ人間ですから、あなたの言葉を利用してしまいます……」

穏やかな、なだめるような顔。

「利用して、逃げにしてしまいます……それは、嫌なのですよ……あなたは彼の友人ですしね」

レゾはゆっくりと手を引き、苦笑した。
「それに、まるで諦めたようなセリフ、あなたが一番嫌うでしょう?
 ディルギアさんに調べてきてもらった通り、彼が落ちたと思われる場所に、死体はありませんでした。
 ブラン側も探していたとのことですから、彼等らの手のうちというわけでもないでしょう」
「じゃあ、どこ行ったんだ?」
尋ねたのはガウリイ。
「そうですね。自力で移動し身を隠したが、連絡がつけられない。もしくは、第三者が病院かどこかに運んだか……」
「だったら、早いとこ探しにいこう!」
「ブラン側も動いています。
 数の上では大差がある……迂濶に行動すれば、なおさら彼の状況を悪化させることになってしまう…」
「――リナが見た、ゼルと戦ってた奴も気になるしな…」
「今、ディルギアさんが引き続き調べてくれています……まずは、どう動いてもよい状態にすることです」
レゾは立ち上がり、部屋の扉へと向かう。
「お二人とも、睡眠を……私は自室にいますから…」
そう言い残し、居間を出るレゾ。


彼の気配が去ってから、ガウリイはリナの隣に座った。

――はぁ…

ため息を溢すリナ。
「――正直、オレには難しいことは分からん…」
リナがガウリイの方に顔を上げる。
『あんたはホントに分かろうとしてるの!?』
と、普段なら返されるところなのだが、リナは黙ってガウリイの次の言葉を待っている。

「けど、な…今おまえさんが後悔してもなにも変わらないってことと、それが今するべきことじゃないってのは分かるぞ?」
「ガウリイ…」

ポフッと、ガウリイはリナの頭を手で包む。

「ゼルガディスは落ちた。けど死んでいない。どこかでオレ達を待っている。そうだろう?」

空色の瞳は、無条件で信頼してしまえるほど、優しく、力強い。

「…そう……そうね……ゼルガディスが、そう簡単にくたばるたまじゃないわよね」
リナの声に力が戻る。
「なんてったって、世界を叉に掛ける大怪盗、天才美少女リナ=インバースの仲間なんだから」
「…だったら、早く見付けてやらねーとな」
「そうよ!こーんな美少女に心配かけるなんて、見付け出して一発どついてやらないと気が済まないわ!!」
グッと拳を握るリナに、ガウリイは苦笑を漏らす。

「それに…」

リナは、ふと、彼が消えた扉へと視線を投げる。

「一番物騒なやつが、一番心配してるんだろうから……」
「…あいつだって、オレらの仲間だろ?」
「……そうよね…」


長い廊下を渡り、レゾは自分が使っている寝室へと入った。
ギィ…と、わずかに軋んだ音をたてる扉。
後ろ手でそれを閉め、その場で立ち尽くす。

――あたしが手を離したから――

彼女は言う。けれど――

(私は…)

無意識に、きつく拳を握り絞める。

(私は、手を伸ばすことすら出来なかった!!)

ダァンッ!!

力任せに、握った右の拳を壁に叩き付ける。
爪が皮膚に食い込み、ヌルリとした感触が、掌を満たし手首へと流れる。
レゾは、ズリズリとその場に崩れ、しゃがみ込んだ。
「………はぁ…」
一度、深く呼吸をした。
落ち着けと、自分の頭が警告する。迂濶に動けば彼が危険だ。
「……ゼルガディス………」
儀眼が痛むような気がして、左手でそっと触れる。

『あの時』左の眼を失ったことを、悔やんだことは一度もない。
けれど、彼を失うかもしれないという恐怖と、巻き込んでしまったことへの腹立だしさと、そのような手段を投じてきた相手に対する憎悪とに突き動かされ、結果、彼にしこりを残してしまった。

「…ゼル…ガディス………」

どうか…どうか無事で……

窓ガラスから光が射し込む、どこか幻想的な空間で、レゾは、九年前のその日のことを思い出していた。

チラチラと雪が舞う、クリスマス・イブの日だった。
ゼルガディスと会ってから、そして、自分が『暗殺者』をやめてから、ちょうど一年目のことだった。



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16314・・・シリアスですね・・・りぃ 2004/4/25 15:42:12
記事番号16313へのコメント

こんにちわ。久方ぶりに顔を出しました、りぃです。
ゼル、おっこどしちゃったんですねぇ。(^^;
ぅわぁ・・・レゾさん荒れてるぅ・・・
蛇乃衣さんはやいとこ続きお願いしますねv
これじゃあ続きが気になって夜も眠れません!!
ちゃんと寝ないとお肌が大変なことになるのですよ(お年よりなんで(笑))
あ、裏設定、是非載せて下さい。別に不自由はしていませんがあった方がうれしいです。ではこのへんで

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16335Re:しばらくはこの調子です;蛇乃衣 2004/4/29 16:18:05
記事番号16314へのコメント

こんにちは!お久しぶりです、りぃ様!
ただいまシリアスモード全快です。自分でかいていてなんですが、痛いです;
早いとこゼルさん復帰させて、レゾさん回復させたいのですが、その前に過去のこととか複線とか、織り込みたいこともあり、なかなか前に進みません;
なんとか連休中には〜・・・とおもっているのですが、学生に付き物の魔の三文字、「*ス*」が私を襲うのです;
・・・言い訳がましいですね;でも、なるべく早く投稿できるように頑張りますので!見捨てないで下さい〜!(切実)

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16333Re:『CIV』― If I had… ―祭 蛍詩 2004/4/28 00:24:39
記事番号16313へのコメント

 こんばんは、祭です!
 シリアス…ですね、本当に。

 リナさんが責任を感じているのが痛々しいです。 なんだかんだ言っても、責任感強いですし、仲間思いですから。

 でもレゾさんの方がもっと痛々しいですね…。 リナさんの言葉に逃げてしまいそうになる気持ちも分かりますし、自分が何もできなかった、という事は後悔してもしきれないでしょう・・・。
 義眼…なにかあるんでしょうね、過去の話が。 ゼルさんを助けた所為…なのかな、とか。
 この二人の出会い、気になります! ゼルさんの所で少し出てきてたんですが、まだイマイチ分かっていないですよね。
 楽しみですv

 ガウリイさんはこういう時、頼りになってかっこいいですよね! 脳みそクラゲ(失礼)でも決める時は決める、という事を再確認しました。

 さて、ゼルさん……。 何処に行っちゃったんですか?
 自力でなんとかしたけれど今は動けない、もしくは、ゼロス君に攫われたっ?!ってことは、囚われのお姫さm(以下強制終了)なんて妄想イエ、想像して楽しんでおりますv(嬉しそうに言うな)

 続き、楽しみにしております!
 では、少し短い…ような気がするだけかもしれませんが、今日はこの辺で失礼します。
 

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16336Re:彼が精神的には一番大人かもしれないです蛇乃衣 2004/4/29 16:42:51
記事番号16333へのコメント


> こんばんは、祭です!
> シリアス…ですね、本当に。
こんにちは!はい、話がシリアスモードに切り替わりました!
> リナさんが責任を感じているのが痛々しいです。 なんだかんだ言っても、責任感強いですし、仲間思いですから。
普段は照れ隠しなのかなんなのか、あまりそういう面出しませんけどね。
> でもレゾさんの方がもっと痛々しいですね…。 リナさんの言葉に逃げてしまいそうになる気持ちも分かりますし、自分が何もできなかった、という事は後悔してもしきれないでしょう・・・。
ゼルを助けられないなら、こんな腕いらんっ!という思考ですから・・・
それに、もし本当に誰かのせいでゼルさんが死ぬようなことになってしまったら、それが誰だろうと、彼は必ず復讐します。
> 義眼…なにかあるんでしょうね、過去の話が。 ゼルさんを助けた所為…なのかな、とか。
そうです。もう少ししたらその場面も出せると思います。
> この二人の出会い、気になります! ゼルさんの所で少し出てきてたんですが、まだイマイチ分かっていないですよね。
> 楽しみですv
全貌が分かるように努力します〜・・・;
> ガウリイさんはこういう時、頼りになってかっこいいですよね! 脳みそクラゲ(失礼)でも決める時は決める、という事を再確認しました。
なんだかんだで、一番大人(定義にもよりますが)でしょうか、彼が。寛容な人です。
> さて、ゼルさん……。 何処に行っちゃったんですか?
> 自力でなんとかしたけれど今は動けない、もしくは、ゼロス君に攫われたっ?!ってことは、囚われのお姫さm(以下強制終了)なんて妄想イエ、想像して楽しんでおりますv(嬉しそうに言うな)
惜しいっ。残念っ。ゼロス君ではなかったのです。下、見て下さいなv
> 続き、楽しみにしております!
> では、少し短い…ような気がするだけかもしれませんが、今日はこの辺で失礼します。
いえいえ。一言だけでもかまいませんよぅ!
ありがとうございました〜。

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16337『CIV』―Say Something―蛇乃衣 2004/4/29 16:52:54
記事番号16312へのコメント


ガタン ゴトン
  ゴトン ガタタン

列車特有の振動は、未だ見ぬ土地への期待を膨らませる。



――父さん、母さん、まだ××××には着かないの?もう、日が暮れたよ――

 ――そうねぇ、もう少しかかるかしら?――

――待ちきれないか?ゼルガディス――

 ――そりゃあ、ずっと楽しみにしてたんだよ?父さん――

――フフ。あなたは滅多に欲しい物なんかは言わないから、
     母さん、ゼルガディスが××××に行きたいって言ったときは驚いたわ――


ガタン ゴトン


――家族旅行なんて久しぶりだなぁ。 
     ××××は、雪が降りはじめているらしいぞ――

 ――本当に?積もるかな?――

――イブまでには、たくさん積もるでしょうね。きっと綺麗よ――


ゴトン ガタタン


その胸には、ただ、期待と興奮だけがあって。


――? 前の車両が騒がしいな…なにかあったのか?――


この後の絶望と後悔なんて、欠片も想像していなかった。



どぉおおおん!!!


爆音が耳を突き刺した。
同時に激しい衝撃が身体を打つ。
閃光が走り、闇に引き落とされた視界。


 ――ゼルガディス!!――


意識が途切れる寸前に感じ取れたのは、温かな母の腕に包まれたことだけだった。



それからどれ程たったのか――


――……ぅ…ん…――

  ――…母、さん?…父さん?――

――母さん、苦しいよ…もう、離してくれて大丈夫だよ?――

 ――父さん、いったいなにがあったんだろう?暗くてよく見えないんだ――


   ――……父さん?……母さん?――



        ――……ねえ、どうして…どうして返事してくれないのさ……――







目覚めは、お世辞にも心地良いものではなかった。

(―――明るい…)
黄に近い白い光が眩しすぎ、ゼルガディスは一度開いた瞼をすぐに閉じた。
そして、今度はゆっくりと瞼を上げる。
(ここは……?)
朦朧としている意識、焦点の合わないぼやけた視界では、状況がうまく把握できない。
自分がベットに横たわっていることと、怪我をし、それが治療されていることは分かるが。
首を巡らそうとして、ゼルガディスは鈍い頭痛に襲われた。
目を閉じてさえ、ぐにゃりと歪む視界と思考。平行感覚というものが、どこかにいってしまっている。
ふと、人が近付いてくる気配を感じた。
無理矢理上げた瞼の隙間から、こちらへ伸ばされる手が見える。
額にかかる、前髪を払われた。
「 ェ、 ォ……?」
呼んだ名は、完璧な音にはならなかった。
「よお、目ぇ覚めたみたいだな」
記憶にない声音に、脳に直接冷水をかけられたようにひやりとする。
(誰だ……!?)
青の眼光に宿った鋭さをみとめ、言葉の主はにっと笑みを浮かべた。
黒髪の男だ。年はガウリイや自分とそう変わらない。少々目付きが悪いが、鳶色の瞳には強い光がある。
「命の恩人、そう睨むなよなぁ」
呆れや非難よりも、からかいが強い口調。男がダラリと下げていた左腕を上げた。
反射的にゼルガディスは身構えようとし、
「ぅぐっ……!」
身体を走った激痛にうめきを上げ、ぐたりと力を失った。
先程よりも激しいめまい。
せっかく戻った意識が、また深い眠りへと沈んでゆく。
「あ〜あ、煙草吸おうとしただけだっての………まあ、混乱してんのは分かるけどな」
苦く笑って、その男は肩をすくめた。
「そうだ、今の内に名前ぐらい教えろよ。不便だから。じゃなきゃあ、かってに呼ぶぞ?」
「―――先に名乗れ…」
閉ざされる寸前の眼で、なおも相手を見据える銀髪の青年に、男はふと、記憶の一欠片を掬い上げられた。
ほろ苦い、記憶を。

「―――ああ。俺は、ルークってんだ…………って聞いてねぇか」
黒髪の男――ルークが一拍置いた応えの間に、ゼルガディスはたゆたう夢の中に舞い戻っていた。
「さっきはうなされてたみてぇだが……どんな夢を見てんのかね…」
青白い寝顔を見下ろして、ルークはぽつりと呟いた。
またしばらくは起きないだろう。
「はぁ…俺も寝るかな。窮屈なソファでだけどなぁ……」
聞いてるはずはないのだが、とりあえず棘を含ませてみるあたり、彼は愚痴っぽいのかもしれない。
「…なるべく早く、回復してくれよ?」
たとえ寝苦しくとも、怪我人からベットを返してもらうわけにもいかない。
それに…

「あんたは、大事な『手掛り』になるだろうしな……」


*******

というわけで、幸運な(?)拾い物をしたのはルークでした。
ゼロス君ではありません〜。
期待していた方、すみません;彼は今、他の用事で動いています。
これから数話、レゾ&ゼルの過去編になるのですが……暗めのシリアスです。たぶん。

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16345『CIV』― Nine years ago ―蛇乃衣 2004/5/3 00:21:02
記事番号16312へのコメント


―――九年前 十二月 二十四日―――




見上げれば、鉛を溶かしたような色の雲が、天を覆っていた。
そこからしんしんと舞い降りてくる雪は真っ白なことが、ゼルガディスには少し奇妙に思える。
あの鈍い輝きは、空に置き去りにされたのか…

「雪か……どうりで冷えるはずだな……」

言葉は白い霧を伴い、雑踏の中へ消えて行く。
先程まで、温かな図書館の中にいたので、外気がよけいに冷たく、肌に刺すように感じる。
一つ身震いして、ゼルガディスは鳶色のダッフルコートのフードを被り、ポケットに手を入れた。
傘は生憎と持ってきていなかった。
けれど、どうせバスを使うし、これぐらいの雪なら濡れて帰るのも悪くない。
バス停に向かうため、ゼルガディスはクリスマスのイルミネーションが鮮やかな街へと足を踏み出した。
荷物は肩に掛っている小さな鞄のみ。
しかも、鞄の中には財布とペンケースとノートが一冊入っているだけだ。
学校の課題をすると言って出掛けてきたが、なんとなく家にいたくなかっただけで、実際はなにもしていない。

なにもする気が起きないのだ。


両親を失ってから一年が過ぎた。
一年という年月が長いのか短いのかはわからないが、あの時味わった言い尽せない喪失感は未だ、気を抜くといつでもゼルガディスを内に引きずり込む。
特に最近は、些細なことでも引金になって、ふと気付くと記憶の渦に飲まれてしまっている。
レゾも、様子がおかしいことを感付いているようだ。
なにも触れてはこないが、なにか言いたそうな目でこちらを見ている時があると、ゼルガディスも気付いていた。
だが、彼もまた、なにも言わなかった。

一年たった今、彼のことをどれほど自分が知っているというのだろう。
あれほどの腕があるのに、どうして闇医者をしているのか。
なぜ、会ったこともない自分を引き取る気になったのか。
正直、疑問だらけだ。
本当に血が繋がっているのかさえ、ゼルガディスに確たる証拠はない。

――ただ、微笑を浮かべた時だとかに、母の面影を見る。


ゼルガディスは大きくため息をついた。
バス停に向かっているはずだった足は、いつの間にか人気のまばらな方へと進んでしまっている。
本人は、まだそれに気付いてはいない。
彼の頭の中はまた、楽しかったころの記憶で占められていた。



優しい父と母だった。
穏やかな終焉を迎えられる人達のはずなのに。
あんなことで死んでいいような人じゃないはずなのに。

あんな……筋書きの敷かれたテロで………!

ギッと奥歯を噛み締める。


二度と動かなくなった両親の腕の中、自分は狂ったようにわめいて、わめいて。
それが、皮肉にも早く救出されることとなって、担架に乗せられると時には意識は落ちて。
目覚めた白一色の病棟で、あれがどっかの政治家の仕組んだことだったと、ニュースで聞いた。
その政治家が、どこかに消えたことも。
そいつに、憎しみが、怒りがなかったはずはない。

けれど

もし自分が旅行をしたいとねだらなかったら?

クリスマスまでに着きたいと、両親を急かさなかったら?


アンナコトニ巻キ込マレナカッタ?



「………ッ……!」

油断をしたら、涙が溢れてきそうだった。
と、

「――――君?」

「え?」
後ろから声をかけられたような気がして、ゼルガディスはふり返った。
そこには一人の男。
「ゼルガディス=グラツィオーソ君だね?」
男が言う。
確認の響きがあるその言葉に、ゼルガディスは導かれるように頷いた。

(誰……?)

ギラリとした視線。

頭のどこかで警報が鳴っている。

逃げろ、と。

ゴクリと喉が鳴る。
目の前の男から注意を外さず、ゼルガディスは一歩下がった。


――だから、彼は気付かなかった。

背後に迫るもう一つの気配に……

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16354『CIV』― Nine years ago 2 ―蛇乃衣 2004/5/5 18:54:20
記事番号16312へのコメント

「いつの間に……」
自室の窓から、雪が街を白く染め始めたのをみとめて、レゾは呟いた。
「ホワイト・クリスマスですか……確かに、ムードは出るのでしょうね」

神の子、キリストの降誕祭。
しかし、これは元々太陽の新生を祝う「冬至の祭り」で、のちにキリスト教化されたものだ。
そう考えると、晴れているのが、最も好ましくあるべきなのかもしれない。

(……やはり、なにかするべきなのでしょうか…)
お世辞にも、神を崇める心など持っていないレゾとしては、クリスマスなど大した意味を持たない。
だが、今日は、ゼルガディスに会ってからちょうど一年がたつ日でもあるのだ。
記念日は祝うのが普通……なのだろう、と彼は思う。
まあ、ゼルガディスと暮らすきっかけとなったのが、彼の両親の死なので、手放しで祝えるものではないのだが…。
クリスマス・イブに乗じてみるのもいいかもしれない。

両親のことを思い出すのだろう、最近ゼルガディスは物思いにふけっていることが多い。
そんな様子を見ていると、こちらまで憂鬱になってくる。
と、ここまで考えて、レゾは一つの問題に打ち当たった。
(クリスマスとは、なにをどうするのでしょう……?)
根本的なものを、自分は知らなかった。
これでは、どうにも動けない。
自嘲気味の笑みが、口の端に浮かぶ。
(彼等は毎年、どうしていたのでしょうね…)
具体的なイメージは湧かないが、きっと三人は笑っていたのだろう。
とても楽し気に。

彼も、ただ自分にはみせないだけで……

「………ふん……」
もやもやとした、なんとも複雑な気分になり、レゾは読みかけの本をパタンと閉じた。
イライラする。
そしてその原因が掴みきれていないということが、なおさら腹立たしい。
(別に、ゼルガディスが笑わなくても、私が困るわけではない…)
そうだ。笑わなかろうが、物思いにふけってようが、手がかかるわけではないのだから。と、彼は自身に呟いた。
実際、ゼルガディスは本当に手のかからない子供だ。
大抵のことは自分でこなし、レゾに頼ることは必要最低限避け、あればそれは学費に関することだけで……
(――だから、どうしてそこで『嫌だ』と思うのですか私はっ)
深く深く溜め息をつくと、レゾは仰向き、椅子にもたれかかった。
(――おかしい……)
以前ならば―――少なくともゼルガディスと暮らし始めるまでは、己の思考が己の手に余るようなことはなかった、はずだ。
なのに、この状態はなんだ――

沈々と降る雪は、街を白で覆ってゆく。
この分だと、夜中までにもっと大降りになるだろう。

(……確か、一年前の今日も、雪が降っていましたね…)
記憶とは連鎖するもので、意図せずに、瞼の裏に様々な情景が浮かび上がる。



列車の爆破テロがあったことはニュースで知った。
翌朝、彼の両親が死亡者のリストに載っていることを新聞で知った。
そのテロを起こしたグループが、捜索され包囲され、自爆したのが二日後のこと。
テロ後の迅速な処置が評価され、二度とこのような悲劇が起こることのないよう、演説で訴えかけていた議員だかなんだかの男が、実は裏でテロを扇動していたことを、そのテの情報が早い知人から聞いたのが、その日の夜半。
なぜだろうか、体を駆け巡った怒りのままに、全てを暴いて、その男を社会的に抹殺してやった。
命をとることに、躊躇いがあったわけではない。
憎悪と軽蔑の視線の中で生き恥を晒すか、惨めに自分で自分の幕を引けばいいのだ、あんなやつなど。
とりあえず怒りの方は下火になり、そして

思考は『唯一の肉親』はどうしているのか、に向かった。


キンと冷えた空気に、その小さな協会の鐘は清く染み渡っていた。
元気の良い、賑やかな讃美歌。この孤児院にいる子供たちだろう。
神を称えるそのことよりも、歌うことに一生懸命な純粋さに、尊敬にも似た居心地の悪さを感じた。


『ゼルガディス』という名の、自分と同じ血を持つ子供。
過去の歯車がわずかにずれていたら、自分だったかもしれない彼。
彼だったかもしれない自分。
ある意味一番近くて、最も遠い存在。


子供たちの歌から離れ、その彼は一人、裏口の外にうずくまっていた。

消えそうだ、と思った。

膝を抱える手は寒さに色をなくし、柔らかそうな銀髪には、わずかに雪が引っ掛かっていた。

彼はじっと耐えていた。寒さ以上のものに。

雪に溶けてしまいそうだと思った。
ああ、いなくなってしまいそうだ、と。

そして、

『ゼルガディス…ですね?』

彼に声をかけている自分がいた。

『私と一緒に来ませんか…?』

彼といれば、父親が己の命を代価にしてまで、自分を『赤法師』にした理由が、分かるような気がした。



(まあ、殺しは止めてしまいましたけどね……もともと、押し付けられたようなものでしたが………)
かわりに……というわけではないが、以前から並列して行っていた闇医者が本業となっている。
(……矛盾していますよね)
彼を引き取った理由は、己が『暗殺者・赤法師』であることの意味が分かると思ったからなのに。
じっと、己の両手を見る。
人を殺したことがあるだろうと、手を見ただけで言い当てたのは誰だっただろうか?

(『唯一の肉親』が人殺しを生業にしているなど……)

自分に殺しの依頼が来る人間は、人を人と思わないようなやつらばかりだけれど。

(嫌、ですよね…)

もし彼がそれを知ったら――



――――チリン…

かすかになったベルの音にハッとする。
(ゼルガディスが帰ってきたのでしょうか……?)
それにしては静かすぎる。気配がない。
「ゼルガディス、帰ったのですか?」
レゾは部屋から出て、名を呼んでみた。しかし返答はない。
「ゼルガディス?」
階段を下りても、ガランとしたリビングがあるだけだ。
(お客だったのかもしれませんね)
一階の骨董品店は、学校などへのカモフラージュにすぎないので、ほとんど開店休業状態だ。
暇なときは店にいるが、たまに客がくる時もある。
扉が開いていたが、店内は暗いし、誰もいないと思って帰ってしまったのかもしれない。
(さて…閉店の看板をかけておくか、ゼルガディスが帰ってくるまで店にいるか…)
どちらにしても、店には一度下りなくてはならない。
レゾはゆっくりと階段を下りていった。

静まりかえった暗い店内。
様々な歴史を見てきたのだろう、無言で並ぶアンティーク。
予想通り、店には誰もいなかった。
だが、レゾの予想と反するものが一つ。
「手紙…?」
扉のすぐ下に、白い封筒がぽつんと置かれていた。
首を傾げながらも、拾い上げてみるレゾ。
なんのへんてつもない、ただの封筒。
切手、差出人なし。
宛名は、あった。

一言、『Dear Red Oracle』と。

「――――!!」

急いで封を破る。
中にはどこかの番地がかかれた一枚の紙と――――


――――身体中の血が、凍りつくような気がした。


「…ゼル…ガ…ディス……?」

一束の、柔らかな銀の髪が入っていた。

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16356遅くなってしまいました;祭 蛍詩 2004/5/6 20:59:49
記事番号16354へのコメント

 こんにちはー、GW中ちょっと出かけてまして…遅レスですみません;

 そうか…幸運な拾い者をしたのはルークさんでしたかー。
 黒い髪なのは、昔惚れこんだ銀髪美人さんに『赤い髪は嫌い』、と言われたからでしょうか?
 ともかく、ゼルさんが無事で良かったですv ちょっと怪我だらけみたいでしたが…;
 そして、二人の過去の話ですか……どうやって心を開いたんでしょうね、二人は?
 それにしても、ゼルさん可哀想ですね…。 両親をあんな形で亡くされてしまうとは…。

 −というわけで、レスさせていただきます!

>「いつの間に……」
>自室の窓から、雪が街を白く染め始めたのをみとめて、レゾは呟いた。
>「ホワイト・クリスマスですか……確かに、ムードは出るのでしょうね」
>
>神の子、キリストの降誕祭。
>しかし、これは元々太陽の新生を祝う「冬至の祭り」で、のちにキリスト教化されたものだ。
>そう考えると、晴れているのが、最も好ましくあるべきなのかもしれない。
 そうですね、でもホワイト・クリスマスを体験した事が無いので、一度体験してみたいものですv
 幻想的で綺麗でしょうなァ…vv

>(……やはり、なにかするべきなのでしょうか…)
>お世辞にも、神を崇める心など持っていないレゾとしては、クリスマスなど大した意味を持たない。
>だが、今日は、ゼルガディスに会ってからちょうど一年がたつ日でもあるのだ。
>記念日は祝うのが普通……なのだろう、と彼は思う。
>まあ、ゼルガディスと暮らすきっかけとなったのが、彼の両親の死なので、手放しで祝えるものではないのだが…。
>クリスマス・イブに乗じてみるのもいいかもしれない。
 あまり話したりしていなくても、ゼルさんの事を思ってるんですね、レゾさんv

>両親のことを思い出すのだろう、最近ゼルガディスは物思いにふけっていることが多い。
>そんな様子を見ていると、こちらまで憂鬱になってくる。
>と、ここまで考えて、レゾは一つの問題に打ち当たった。
>(クリスマスとは、なにをどうするのでしょう……?)
>根本的なものを、自分は知らなかった。
 そうか……レゾさん、クリスマスを楽しく過ごしたこと無いんですね…。

>これでは、どうにも動けない。
>自嘲気味の笑みが、口の端に浮かぶ。
>(彼等は毎年、どうしていたのでしょうね…)
>具体的なイメージは湧かないが、きっと三人は笑っていたのだろう。
>とても楽し気に。
>
>彼も、ただ自分にはみせないだけで……
 なんか淋しいです……。

>「………ふん……」
>もやもやとした、なんとも複雑な気分になり、レゾは読みかけの本をパタンと閉じた。
>イライラする。
>そしてその原因が掴みきれていないということが、なおさら腹立たしい。
 自分の感情が上手く制御できない、というかあまり感情を出す事になれてないんでしょうね。

>(別に、ゼルガディスが笑わなくても、私が困るわけではない…)
>そうだ。笑わなかろうが、物思いにふけってようが、手がかかるわけではないのだから。と、彼は自身に呟いた。
>実際、ゼルガディスは本当に手のかからない子供だ。
>大抵のことは自分でこなし、レゾに頼ることは必要最低限避け、あればそれは学費に関することだけで……
>(――だから、どうしてそこで『嫌だ』と思うのですか私はっ)
>深く深く溜め息をつくと、レゾは仰向き、椅子にもたれかかった。
>(――おかしい……)
>以前ならば―――少なくともゼルガディスと暮らし始めるまでは、己の思考が己の手に余るようなことはなかった、はずだ。
>なのに、この状態はなんだ――
 なんかこういうレゾさん、かわいいですよねv
 いつもの最強なレゾさんも楽しいですケドvv

>沈々と降る雪は、街を白で覆ってゆく。
>この分だと、夜中までにもっと大降りになるだろう。
>
>(……確か、一年前の今日も、雪が降っていましたね…)
>記憶とは連鎖するもので、意図せずに、瞼の裏に様々な情景が浮かび上がる。
 出会った当初ですか…。 ちょっとイタソウな話になりそうですね…。

>列車の爆破テロがあったことはニュースで知った。
>翌朝、彼の両親が死亡者のリストに載っていることを新聞で知った。
>そのテロを起こしたグループが、捜索され包囲され、自爆したのが二日後のこと。
>テロ後の迅速な処置が評価され、二度とこのような悲劇が起こることのないよう、演説で訴えかけていた議員だかなんだかの男が、実は裏でテロを扇動していたことを、そのテの情報が早い知人から聞いたのが、その日の夜半。
 ぅわ、最悪。 むかつきますね、こういう事。

>なぜだろうか、体を駆け巡った怒りのままに、全てを暴いて、その男を社会的に抹殺してやった。
>命をとることに、躊躇いがあったわけではない。
>憎悪と軽蔑の視線の中で生き恥を晒すか、惨めに自分で自分の幕を引けばいいのだ、あんなやつなど。
 ご尤もで。 −というか、この頃からそんな事が出来るほどの力を持っていたんですね…。
 赤法師の名は伊達じゃないって事ですか…。 

>とりあえず怒りの方は下火になり、そして
>
>思考は『唯一の肉親』はどうしているのか、に向かった。
 ゼルさん、ですね?

>キンと冷えた空気に、その小さな協会の鐘は清く染み渡っていた。
>元気の良い、賑やかな讃美歌。この孤児院にいる子供たちだろう。
>神を称えるそのことよりも、歌うことに一生懸命な純粋さに、尊敬にも似た居心地の悪さを感じた。
 なんとなく分かる気がします。
 無邪気、というものは時に不気味に感じられますよね。
 赤ちゃんの泣き声……とか。

>『ゼルガディス』という名の、自分と同じ血を持つ子供。
>過去の歯車がわずかにずれていたら、自分だったかもしれない彼。
>彼だったかもしれない自分。
>ある意味一番近くて、最も遠い存在。
 光と闇、みたいなもの…ですかね?

>子供たちの歌から離れ、その彼は一人、裏口の外にうずくまっていた。
>
>消えそうだ、と思った。
>
>膝を抱える手は寒さに色をなくし、柔らかそうな銀髪には、わずかに雪が引っ掛かっていた。
>
>彼はじっと耐えていた。寒さ以上のものに。
>
>雪に溶けてしまいそうだと思った。
>ああ、いなくなってしまいそうだ、と。
 痛々しいです…二人とも。

>そして、
>
>『ゼルガディス…ですね?』
>
>彼に声をかけている自分がいた。
>
>『私と一緒に来ませんか…?』
>
>彼といれば、父親が己の命を代価にしてまで、自分を『赤法師』にした理由が、分かるような気がした。
 ……赤法師…なんか重いですね、その名は。

>(まあ、殺しは止めてしまいましたけどね……もともと、押し付けられたようなものでしたが………)
>かわりに……というわけではないが、以前から並列して行っていた闇医者が本業となっている。
>(……矛盾していますよね)
>彼を引き取った理由は、己が『暗殺者・赤法師』であることの意味が分かると思ったからなのに。
>じっと、己の両手を見る。
>人を殺したことがあるだろうと、手を見ただけで言い当てたのは誰だっただろうか?
>(『唯一の肉親』が人殺しを生業にしているなど……)
>
>自分に殺しの依頼が来る人間は、人を人と思わないようなやつらばかりだけれど。
>
>(嫌、ですよね…)
>
>もし彼がそれを知ったら――
 それは、反応が怖いです。 これ以上ゼルさんが表情を無くしてしまうかもしれないし…。

> ――――チリン…
>
>かすかになったベルの音にハッとする。
>(ゼルガディスが帰ってきたのでしょうか……?)
>それにしては静かすぎる。気配がない。
>「ゼルガディス、帰ったのですか?」
>レゾは部屋から出て、名を呼んでみた。しかし返答はない。
>「ゼルガディス?」
>階段を下りても、ガランとしたリビングがあるだけだ。
>(お客だったのかもしれませんね)
>一階の骨董品店は、学校などへのカモフラージュにすぎないので、ほとんど開店休業状態だ。
 ちなみに骨董品は盗んだものですか? 違うにせよ、どちらにせよ、良い品が揃ってそうですけど…。

>暇なときは店にいるが、たまに客がくる時もある。
>扉が開いていたが、店内は暗いし、誰もいないと思って帰ってしまったのかもしれない。
>(さて…閉店の看板をかけておくか、ゼルガディスが帰ってくるまで店にいるか…)
>どちらにしても、店には一度下りなくてはならない。
>レゾはゆっくりと階段を下りていった。
>
>静まりかえった暗い店内。
>様々な歴史を見てきたのだろう、無言で並ぶアンティーク。
>予想通り、店には誰もいなかった。
>だが、レゾの予想と反するものが一つ。
>「手紙…?」
>扉のすぐ下に、白い封筒がぽつんと置かれていた。
 なんでしょう?
  はっ! まさか……ラブレター?!(マテ
 
>首を傾げながらも、拾い上げてみるレゾ。
>なんのへんてつもない、ただの封筒。
>切手、差出人なし。
>宛名は、あった。
>
>一言、『Dear Red Oracle』と。
 赤法師宛に来た、という事はよくない事ですね、きっと。

>「――――!!」
>
>急いで封を破る。
>中にはどこかの番地がかかれた一枚の紙と――――
>
>
>――――身体中の血が、凍りつくような気がした。
>
>
>「…ゼル…ガ…ディス……?」
>
>一束の、柔らかな銀の髪が入っていた。
 誰ですかあの綺麗な銀髪を切った人はっ!?(そういう問題じゃない
 誘拐されちゃったんですか…。 しかもまだゼルさん幼いし、ピンチですよぅっ!
 レゾさん、早いとこ助けに行ってあげて下さい〜!

 続きが非常に気になるのですが、今日はこの辺で! 祭でした!

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16363Re:とんでもないです蛇乃衣 2004/5/9 00:55:57
記事番号16356へのコメント

こんにちは〜。レス、ありがとうございます。
遅くだなんて、そんなことないですよぅ!書いて頂けるだけで幸せです!

> そうか…幸運な拾い者をしたのはルークさんでしたかー。
> 黒い髪なのは、昔惚れこんだ銀髪美人さんに『赤い髪は嫌い』、と言われたからでしょうか?
いぇす。理由その一です。
後は、レゾさんと間違えやすいように(ゼルさんが)という、蛇乃の都合です(笑)
> ともかく、ゼルさんが無事で良かったですv ちょっと怪我だらけみたいでしたが…;
満身創痍ですv(ってそんな嬉しそうに・・・;)
> そして、二人の過去の話ですか……どうやって心を開いたんでしょうね、二人は?
> それにしても、ゼルさん可哀想ですね…。 両親をあんな形で亡くされてしまうとは…。
愛のあるキャラほど、つらい過去を持たせる傾向があるようです、私。ひねくれてるなぁ・・・;
>
> −というわけで、レスさせていただきます!
>
>>そう考えると、晴れているのが、最も好ましくあるべきなのかもしれない。
> そうですね、でもホワイト・クリスマスを体験した事が無いので、一度体験してみたいものですv
> 幻想的で綺麗でしょうなァ…vv
そうなんですか。私は結構ありますが、あれは夜にチラチラ降ってくるとすごく良い雰囲気ですが、積もりかけのびしょびしょはいただけないです;
道歩くの大変なんですよ〜。でも、やっぱり雪は幻想的ですね。

>>クリスマス・イブに乗じてみるのもいいかもしれない。
> あまり話したりしていなくても、ゼルさんの事を思ってるんですね、レゾさんv
本人、まだ無自覚ですけれどねv

>>と、ここまで考えて、レゾは一つの問題に打ち当たった。
>>(クリスマスとは、なにをどうするのでしょう……?)
>>根本的なものを、自分は知らなかった。
> そうか……レゾさん、クリスマスを楽しく過ごしたこと無いんですね…。
子供向けのクリスマスはなおさらですねぇ。

>>彼も、ただ自分にはみせないだけで……
> なんか淋しいです……。
ああでも、このころのゼルさんは誰に対しても笑顔を見せてなかったので!
レゾさんが自分にだけかなっと思っているだけで!
ちょっと意思疎通ができていないといいますかああああ(なに焦ってるんですか)

>>そしてその原因が掴みきれていないということが、なおさら腹立たしい。
> 自分の感情が上手く制御できない、というかあまり感情を出す事になれてないんでしょうね。
常に隠すようにしていましたから。よく分からないのです。


>>以前ならば―――少なくともゼルガディスと暮らし始めるまでは、己の思考が己の手に余るようなことはなかった、はずだ。
>>なのに、この状態はなんだ――
> なんかこういうレゾさん、かわいいですよねv
> いつもの最強なレゾさんも楽しいですケドvv
えっ!かわいいですか!?いや、嬉しいのですが・・・意外だったので・・・

>>命をとることに、躊躇いがあったわけではない。
>>憎悪と軽蔑の視線の中で生き恥を晒すか、惨めに自分で自分の幕を引けばいいのだ、あんなやつなど。
> ご尤もで。 −というか、この頃からそんな事が出来るほどの力を持っていたんですね…。
> 赤法師の名は伊達じゃないって事ですか…。 
「そのテの情報が早い知人」にちょっと協力してもらたのです。

>>元気の良い、賑やかな讃美歌。この孤児院にいる子供たちだろう。
>>神を称えるそのことよりも、歌うことに一生懸命な純粋さに、尊敬にも似た居心地の悪さを感じた。
> なんとなく分かる気がします。
> 無邪気、というものは時に不気味に感じられますよね。
> 赤ちゃんの泣き声……とか。
そうですね。レゾさんは、賛美歌の意味(神を讃えるとか)を深く考えていないだろう子供たちが、純粋に「歌う」ことに熱心になっていることに、すごいなぁと思いつつ、意味が自分の中で不鮮明なままのものをそのままにしていることに、洗脳っぽいものを連想したのです。良いとか悪いとかは別問題として。

>>『ゼルガディス』という名の、自分と同じ血を持つ子供。
>>過去の歯車がわずかにずれていたら、自分だったかもしれない彼。
>>彼だったかもしれない自分。
>>ある意味一番近くて、最も遠い存在。
> 光と闇、みたいなもの…ですかね?
血筋的には、ゼルさんが「赤法師」になっていてもおかしくはなかったのです。
詳しくは、裏設定などでお話しする予定です〜。(できるのだろうか・・・)

>>(嫌、ですよね…)
>>
>>もし彼がそれを知ったら――
> それは、反応が怖いです。 これ以上ゼルさんが表情を無くしてしまうかもしれないし…。
それもありますし、ゼルさんにはっきりと拒絶されるんじゃないかと、心の奥底で思っているのです。
それで、一年間言い出せなかったのです。

>>一階の骨董品店は、学校などへのカモフラージュにすぎないので、ほとんど開店休業状態だ。
> ちなみに骨董品は盗んだものですか? 違うにせよ、どちらにせよ、良い品が揃ってそうですけど…。
えっと・・・当時はまだ(笑)ちゃんと仕入れていました。利益よりも、自分が気に入ったものを店に置いておくって感じですけれど。

> なんでしょう?
>  はっ! まさか……ラブレター?!(マテ
それはそれで、えらいこちゃです;

>>「…ゼル…ガ…ディス……?」
>>
>>一束の、柔らかな銀の髪が入っていた。
> 誰ですかあの綺麗な銀髪を切った人はっ!?(そういう問題じゃない
自ら地獄への階段を下り始めた人です(おいおい
> 誘拐されちゃったんですか…。 しかもまだゼルさん幼いし、ピンチですよぅっ!
> レゾさん、早いとこ助けに行ってあげて下さい〜!
早く助けさせにいかせます!(日本語が・・・)
> 続きが非常に気になるのですが、今日はこの辺で! 祭でした!
ありがとうございました〜。リクエストの方も、停滞気味ですみません;
本編がこんな雰囲気なので、なんだか違和感があって・・・
ラブラブデート(?)になるようがんばります〜。

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16383『CIV』裏設定*キャラプロフィール蛇乃衣 2004/5/13 00:54:36
記事番号16312へのコメント

せっかく考えたのだから・・・ということで投稿してしまいました。(りぃ様、お言葉ありがとうございますv)
『CIV』裏設定ことキャラプロフィ。
本編では明記しずらいなぁ、という細々した内容ですので、読み飛ばして頂いても不都合はない(はず)です。(笑)

あくまで『CIV』の彼らですから!原作設定関係ありませんから!(多少基にしていますが)




リナ・インバース
7月26日生まれ 獅子座 B型 18歳 髪、瞳共に栗色
好きなもの:お宝、食べ歩き、人をからかうこと
得意なもの:料理、悪口合戦、ツッコミ、値切り
嫌い・苦手なもの:ナメクジ、虫、根気のいる作業

チームの紅一点で、切り込み隊長。
最年少ですが、泥棒暦は一番長いです;盗みの計画を立てるのも専ら彼女。
頭の回転が早く手先も器用なのに、地道な作業は嫌いなので、ゼルガディスやレゾに押し付けるふしがあります;
得意技の一つである『インバース後ろ頭スリッパ突っ込みはたき』は、手首のヒネリがポイントだとか(笑)

ガウリイとは幼馴染みで、幼いうちに引っ越すことになり、連絡も途絶えていました。あまり裕福な家庭ではなかったのですが、家族の仲は良かったようです(ガウリイ談)。
彼女がどういう経緯で泥棒になったのか、家族は今どうなっているのかは、ガウリイも知りません。
まあ、リナ曰く『殺されて死ぬようなヤワな家族じゃない』らしいので、どこかで生きてはいるでしょう;

二年前、盗みに失敗し、大怪我を負ったガウリイと共にレゾのところに転がり込んできました。
で、治療費がわりにしばらく無料労働(家事)していたのですが、体調万全になったら『仕事』を再開。
「残りの治療費を一括払いするために」と言いながら、ちゃっかりゼルガディスを共犯にしてしまいました(笑)。まあ、ゼルも楽しんだのですが;
レゾも「ゼルガディスが楽しそうだから」と乗ってきて。
結構四人とも気が合って、そしてそのまま居候、今に至ります。




ガウリイ・ガブリエフ
3月3日生まれ 魚座 O型 23歳 金髪、空色の瞳
好きなもの:食事、昼寝、小動物
得意なこと:剣術、相手を和ませること、
嫌い・苦手なこと:細かな計算、暗記、ピーマン

チームのほのぼの癒し系(笑)
勘はピカイチ、銃の腕も良く、剣の腕前は超一流…なのにやっぱりのーみそクラゲ;
きめるときはビシッときめます(一瞬後に大ボケをかましたりもしますが)

実は生家はけっこうな名門。
しかしと言うか故にと言うか、家族や親戚の仲はよくありませんでした。
彼の母親は父親の正式な妻ではなく、つまり愛人(黙認でしたが)。
母親が早くに亡くなったので父方に引き取られたのですが、やはり風当たりは良くありませんでした。
父親は家にいることがほとんどなく、よく面倒を見てくれたのは祖母。剣も彼女から教わったのです。
リナをはじめ、友達もいたので、当時彼はそれほど現状を嘆いたことはありませんでした。

今もそうですが、メンタルな部分で強いのです。チームの中では一番でしょう。(まあ、他のメンバーも、もちろんちゃんと『自分』を持っていて強いですけどね)。

優しかった祖母が死去したのを機会に、家を出ます。
その後は用心棒やらをして生活。
数年後リナと再会し、そのまま怪盗仲間に;
リナが怪盗をしていることを止めなかったのは、義賊っぽいところがあったのと、『正当』にも裏面はある、という考えがあるからです。
それと、リナを全面的に信頼しているんですね。




ゼルガディス・グレイワーズ(グラツィオーソ)
1月9日生まれ 山羊座 A型 20歳 銀髪青眼
好きなもの:読書、絵画、静かな場所、アクアリウム、
得意なこと:ほぼ学術全般、車の運転、緻密作業、
嫌い・苦手なもの:ぬるぬるねばねばしたもの(素手で触らなければいい)

チームのストッパーで、常識人。ゆえに苦労性(笑)
レゾやリナにからかわれ、遊ばれています;
母親似の綺麗な顔立ち。愛想はありませんが。
直感よりは、自分の知識をもとに物事を客観的に判断するタイプ。

十才の時に両親がテロに巻き込まれ死去。
彼がねだって、旅行に行った先の出来事だったので、やはり、罪悪感を深く感じています。
事件の後は呆然自失の状態で、孤児院に数日保護されていたのですが、レゾが見付けて引き取りました。
最初はぎくしゃくしてましたが、一緒に暮らし始めてから一年後、ゼルガディスが誘拐されてしまい(詳しくは本編にて)、それがきっかけでレゾにも打ち解けられました。
その後に、レゾの養子という形で、『グレイワーズ』に姓を変えました。
『グラツィオーソ』は父親の姓です。

ヴァル、リナ、ガウリイは良き(?)友人で仲間。
レゾは…どうなんでしょう…家族で仲間で師でもあります。大切だと思っているのは確かです。




レゾ=グレイワーズ 
AB型 おそらく蝎座 黒髪青眼(右)義眼は赤(左)
好きもの:ゼルガディス(笑)、イベント、研究、
得意なもの:治療、杖術、ハッキング、変装、その他多数
嫌い・苦手なもの:エビ・カニ類、辛そうな顔の時のゼル、

チームの主治医でスポンサー。
ホテルのオーナーだったりヘリを所有していたりと、かなりの金持ち。家(アジト)もいくつかあります。

今のとこスーパーキャラと化してますが、怒涛の人生歩んできた人です。
産まれた時から『暗殺者・赤法師』を継ぐための教育を受けてきました。
というより、後継者として必要だったから産み出されたのだろうと、彼自身は思っています。
母親は顔も名前も知りません。

上記プロフィールの『おそらく蝎座』というのは、正確な生年月日を知らないのです。(けして蛇乃が考え付かなかったわけではなく…)
祝ってもらったことがなかったので。
人から聞いた話と、自分の成長から、たぶん蝎座だろうと推測。年は、はっきり分かっています。

ゼルガディスに出会う以前は、ただただ冷たい人でした。
実のところ、ゼルガディスを嫌っていたこともあったんですよ(汗)。
その辺りは、レゾ父やゼル母も関わってくるので後回しにします。
で、本人無自覚の内に(むしろ一目惚れか…?)ゼルガディスを好きになっていたのですが、今まで『好意』に触れたことが極端になかったので、『どうしてこう思うのだろう?』といった状態でした;
ゼルが誘拐された事件で、ああ彼が好きなんだなぁ、とはっきり自覚。
彼の中のわだかまりもとりあえず自己完結できて、それから開き直るようにゼル溺愛。現在に続く。こんな感じです。



・・・けっこうな量になってしまいました;
とりあえず、メイン四人。ヴァルなんかのも考えたいです。(いや、その前に本編進めなきゃ・・・)






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16384まずは・・・という感じですねリィ E-mail 2004/5/13 10:42:29
記事番号16383へのコメント

裏設定&キャラプロフィール、ありがとうございますv
ふむふむ、とうなずきながら読んでしまいました(笑)。レゾが嫌いなもの・・・甲殻類ですか!!(爆笑) 星座はご自分の成長ということは蛇乃衣さんは蝎座なんですね? そうですか〜・・・レゾさんみたいな方なんですね・・・(これから言動にはなるべく注意しよう・・・) 
本編がとってもシリアスなんでドキドキしてなかなかレス出来なかったです(笑)
でもシリアスなのに最近レゾさん、怖いというよりかわいいと思えるようになってきました(°°;)) 末期症状でしょうか(苦) 
本編内容に関してはじっくり最後まで読ませていただいてからレスしたいと思います。
ところで最近気になることが・・・。『CIV』のなかにL様出てきてないですよね?(もし出演されていたらごめんなさい。あとで読み返してみるつもりですが・・・)あとルナさんの影も見えないようですが。まあルナさんに関してはどこかで生きているような感じなのでそのうちで出てくるのかもしれませんが(笑)
L様出してあげないと暴れるんじゃないかと・・・v (でもこの話の中で絶対者って出しにくいですよね。なんとなく) 混沌に叩き込まれないようキヲツケテくださいね; さて次は脇役連中ですか?本編ですか? どちらにせよ楽しみにしてます。がんばってくださいねv



PS.ところで蛇乃衣さんはオリジナルのお話って書いてるのですか? 私蛇乃衣さんの書く話すごく好きなんです。 行間の間、というかそういうものが。すみませんうまく説明できないのですが。もし書き溜めているものとかありましたらいつか読ませていただけませんか? どんな形で間かまいません。突然おかしな追伸つけてしまいましたが心の隅にでもとどめていただけたら幸いです。って聞き流してくださっても結構です!!すいません!!

 

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16389Re:詰め込んだレスになってしまいました;蛇乃衣 2004/5/15 23:28:29
記事番号16384へのコメント

リィ様〜!レス、ありがとうございますv
シリアス続きなのですが、ドキドキしていただけているようで、喜びと安心感に包まれております(笑)
でも、書ききれないことがまだあるのですよ〜(泣)
裏設定で、足りないところを補えればよいのですが…;

裏設定といえば、一つだけ訂正させて下さいな。
レゾさんの『おそらく蝎座』というのは、レゾさん自身が、父親の知り合いに聞いた情報と、自分の成長(背がこれだけ伸びた、とか)を照らし合わせて、きっと蝎座だろうと思っているのです。
蛇乃とは関係ないですよ〜。(ちなみに私は山羊座です)
戸籍見ればいいのですけれど、それも正確かどうか確かではないし(汗)、そこまでして知ろうとは思ってないんです。

ご指摘いただいたルナ姉さんとL様ですが、お二人とも『CIV』には登場していませんし、おそらく今後も登場しないと思います。
おっしゃる通り、『絶対者』が出しにくいのです;
特にL様は、登場するとしたら、レゾさんやガーヴさんよりも年上に、でも外見は金髪美人で若く!というこだわりがありまして……薬で容姿は若いまま、というのも考えたのですが、他のキャラでそういう人がすでにいるので(まだ出ていませんが)、却下に…。

え〜。次にルナ姉さんですが、この方は『絶対者』とまではいかないのですが、他のところで私なりのこだわりがあるのです。
ルナ姉さんは、「本人が登場しない」というのが大きな魅力の一つだと思うのです。
そしてそれでいて、リナに対する存在の大きさ、と言いましょうか……上手く言えないのですが;
ぼやけている存在だからこそ、ルナ姉さんは光るのではないかなぁ、と。
少なくとも私はそう思うのです。
なので、『CIV』でも舞台に上がってもらうのは遠慮してもらっています。
いきなりリナ宛ての手紙が来たりするかもしれませんが(笑)
レゾさんがそうとは知らず、ネットで会話してるかもしれませんし(笑)
あくまで例えですけどね。


あとあと!私の話、好きだとおっしゃってくださって、本当にありがとうございます!
すっごくすっごく嬉しいです!(≧▽≦)
オリジナルの話は、SSばかりなんです(しかも数が少ない…;)。
それもちょっと暗いというか黒いというか…ん〜…;『CIV』とは、異なる雰囲気かもしれません。
オリジナルを投稿することに、わずかながら抵抗があったことと、『CIV』が終るまでは他のは止めておこうと思って、今までは投稿していなかったのですが……
蛇乃、おだてられると舞い上がるガキですので、投稿させていただこうかと思います(笑)
たまに二次創作になるかもしれません;
あまり多くは投稿できないかもしれませんが、暇潰し程度に読んでみてくださいな。

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16391丁寧なレスありがとう!!リィ E-mail 2004/5/16 08:49:53
記事番号16389へのコメント

丁寧なレスをいただきありがとうございます!! レゾさんの星座の意味取り違えてましたね; だから私には小説書けないんですよ〜 日本語って書くの難しいです・・・ 蛇乃衣さんはさそり座ではないのですね L様たちのことも納得しました。そうですね、彼女(?)たちは出すべきではないですね(でもレゾさんのお友達案もおもしろそうですね。それはそれで)  
それでL様みたいな超大物予定ってゼロスママ・・・? そのへんは本編を楽しみにしてます。 
あと『CIV』、蛇乃衣さんの書きたいように書いてくださっていいのですよ?
わたしがレゾがかわいいって言ったせいでこわ〜いレゾさん書きづらくなってしまったみたいですみません!! 大丈夫です! 私が前にすんごく怖かったといった「Red Dream」も今読むとレゾさんがかわいく思えるということなんです・・・(^^; だから思う存分書いてくださいね 

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16399Re:こちらこそありがとうございます〜!蛇乃衣 2004/5/22 18:44:06
記事番号16391へのコメント

>あと『CIV』、蛇乃衣さんの書きたいように書いてくださっていいのですよ?
>わたしがレゾがかわいいって言ったせいでこわ〜いレゾさん書きづらくなってしまったみたいですみません!! 大丈夫です! 私が前にすんごく怖かったといった「Red Dream」も今読むとレゾさんがかわいく思えるということなんです・・・(^^; だから思う存分書いてくださいね 
はぅわ!違うんです違うんです!そんなリィ様のせいとかかではありません〜〜〜!!
怖いレゾさんを書かなかったのは、メインテーマがゼルを救出しにいくことであって、レゾさん怖くする必要もないかなとか、別の戦闘シーンを書くと後のインパクトが薄れるかなとか、溶けかけ脳みそで考えた結果なので!
(レゾさん怖くする必要もないかな、辺りで、「せっかく可愛いというお言葉いただけたし」と思ったので・・・)
『CIV』は、これでもかっ!ってぐらい、蛇乃の勝手気ままにやっていますから!
よけいなご心配おかけしてしまってズミマゼン〜!(泣)
そして、優しいお心遣いありがとうございます〜〜!

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16390『CIV』― Nine years ago 3 ―蛇乃衣 2004/5/15 23:37:36
記事番号16312へのコメント

     ―――遠くで讃美歌が聞こえる



真っ暗な空から、真っ白な雪が舞い降りてくる。

流れる時さえも、夜の深さ雪の冷たさに沈み込んでしまうようだ。

空間の全てが個々であり一体となっているなか、異質な存在が進んでゆく。

赤、だ。

それは、夜の深きに及ばず、雪の冷たさに及ばず、
だが、どちらにも沈むことはない。

黒と白の世界に、ポツリと赤だけが浮き出ていた。





「ガキをさらったはいいが…そいつ、本当に来るのか?」
埃っぽい空気が淀む、今は使われていない大きな倉庫の中。
数人の男達の内一人が、まわりの仲間に問うた。
「来るさ」
おそらくリーダーなのだろう、爬虫類を彷彿とさせる目の細く鋭い男が答えた。
覇気のない、けだる気な雰囲気ながら、どこか刺すような威圧感がある。
「用がない奴を、あの『赤法師』が一年間側に置いときゃしないさぁ」
にぃ、と口の端を上げた。
「もう、あっちに着いてるころだろうな」
と、他の仲間が口を挟む。

レゾに届けられた手紙に書かれた番地は、今この男達のいる倉庫ではない。
指定されたのは、ここから離れた別の倉庫。そこで待ち構えているメンバーが、赤法師に深手を負わせ、ここまで連れて来る手筈なのだ。
その場で殺さないのは、赤法師が握っているはずの情報に用があるからだ。
その情報がどんなものかを知っているのは、リーダー格の男一人だけである。

「けど、俺は遠目からしか見ちゃいませんが、あんな優男が伝説級の殺し屋なんて信じられませんぜ」
「クククッ…そうかねぇ……まあ、ぬるま湯で腕は落ちてるだろうなぁ。一年のブランクは大きいさ」

カン、カン、カン

言葉最後に、階段を降りてくる一人分の足音が重なる。
「ガキはまだ寝てるか?」
リーダー格の男が首を捻り、現れた褐色の肌の男に尋ねた。
「ああ。もうしばらくは起きねぇよ。いい気なもんだな」
「そうだな…まあ、おとなしくしていてくれれば都合が良いさ。下手に傷つけられないだろぉ?あれは、大事な餌だからな…」
必要な情報を引き出すための、だ。
「赤法師を殺したら、ガキはどうするつもりだ?」
今度は、褐色の肌の男が逆に尋ねる。
「ん〜?…赤法師の血を引いてる危険因子だからなぁ。
 なにかしら、奴から聞いている可能性もあるし…………フフッ、くっくっくっ…」
突然笑いだしたその男に、怪訝な顔をする数名。
他、苦笑いを漏らす者は、その男の性癖を知っているのだろう。
「…どうかしやしたか?」
一人が聞く。
「いや、なに…」
手で口を覆い、笑いを押さえた男は、一瞥して答えた。
「あのガキ、生っ白くて柔らかそうな肌だっただろぉ?」
もとより鋭い目が、さらに細められる。
押さえきれぬ喜悦の形に。
「切り裂いたら、さぞかし気持良いだろうと思ってな」

「―――下びた趣味ですね」

冷ややかな声音は、入り口の方から響いた。
バッと、その場にいた全員が視線を飛ばす。

ギギィ…

重い音をたて開かれた扉から、赤い影が対照的に滑るよな静かさで入ってきた。
「赤法師…!?」
誰かの上げた驚きの声は、彼が一人だけで―――自力で来たことへ対してのものだ。

「彼はどこです?ここにいるのでしょう?」

静かで抑揚のない、だが良く通る声。

「せっかく指定の場所に行ったのに、『ここにはいない』だなどふざけたことを…」

一歩、また一歩。言いながらゆっくりと歩みを進めてくる。
特に構えがないその姿勢に、男達は視線を外さず徐々に移動する。

「一番しっかりと意識があった方にね、彼がどこにいるのか尋ねたのですけれど、なかなか答えていただけなくて」

まいりました、とでも言うように小さく首を横に振る。

「話したら、殺されると思ったのでしょうね」

男達は気付いた。彼の赤いコートの所々に、赤黒い染みが付いていることに。
――あちらにいた仲間はもはやすでに……

コツッ
おもむろに、赤を纏う男は歩みを止めた。

「ちゃんと答えていただければ、楽に死なせて差し上げたのに」

その青い双眼は、烈しい燐火を閉じ込めた、凍てつく氷牢のようだった。



******
本当は、指定の場所での戦闘第一ラウンドも投稿する予定だったのですが……
レゾさんが敵以上に恐い人になってしまったので、削除しました;
いえ、せっかく『かわいい』というお言葉をいただいたので(ありがとうございます)
無表情でゼルさんの居場所聞きながら、足左右、腕左右順に撃っていって、とどめに眉間撃ち抜いて……もはやどっちが悪人だか…

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16396Re:『CIV』― Nine years ago 3 ―祭 蛍詩 2004/5/19 19:57:58
記事番号16390へのコメント

 こんにちは、祭でございます。
 ちょっとひどい風邪をひきまして、しばらく遊びに来れませんでした;

 それぞれのプロフィールも読ませていただきました。
 リナさん、ガウリイさん、ゼルさん、この三人はたまに笑いつつ、ふむふむと読ませていただきました。 で、レゾさん、本当にむちゃくちゃ笑いましたv
 好きなものはゼルガディスで、嫌いなものはエビ、カニとゼルガディスの苦しんでいる姿!(爆笑)
 やっぱり蛇乃さんの書かれるレゾさん、大好きですv いえ、ゼルさんも、リナさんも、ガウリイさんも大好きですけどv

 では、なんか大変な事になってそうな本編、レスさせて頂きます。

>     ―――遠くで讃美歌が聞こえる
>
>真っ暗な空から、真っ白な雪が舞い降りてくる。
>
>流れる時さえも、夜の深さ雪の冷たさに沈み込んでしまうようだ。
>
>空間の全てが個々であり一体となっているなか、異質な存在が進んでゆく。
>
>赤、だ。
>
>それは、夜の深きに及ばず、雪の冷たさに及ばず、
>だが、どちらにも沈むことはない。
>
>黒と白の世界に、ポツリと赤だけが浮き出ていた。
 情景的には凄く綺麗ですね。 一見サンタクロースにも間違えられそうですけど。
 ゼルさんを攫った人たちにとってはサンタクロース、というのも過言ではないでしょうけど。 ただし、届けられるのは……不幸、というかなんというか;

>「ガキをさらったはいいが…そいつ、本当に来るのか?」
>埃っぽい空気が淀む、今は使われていない大きな倉庫の中。
>数人の男達の内一人が、まわりの仲間に問うた。
>「来るさ」
>おそらくリーダーなのだろう、爬虫類を彷彿とさせる目の細く鋭い男が答えた。
>覇気のない、けだる気な雰囲気ながら、どこか刺すような威圧感がある。
>「用がない奴を、あの『赤法師』が一年間側に置いときゃしないさぁ」
 確かに。 用がない奴を側においておく人ではないですよね、レゾさんは。

>にぃ、と口の端を上げた。
>「もう、あっちに着いてるころだろうな」
>と、他の仲間が口を挟む。
>
>レゾに届けられた手紙に書かれた番地は、今この男達のいる倉庫ではない。
>指定されたのは、ここから離れた別の倉庫。そこで待ち構えているメンバーが、赤法師に深手を負わせ、ここまで連れて来る手筈なのだ。
 わぉ、なんか思いっきり悪人ですね、この人たち。

>その場で殺さないのは、赤法師が握っているはずの情報に用があるからだ。
>その情報がどんなものかを知っているのは、リーダー格の男一人だけである。
>
>「けど、俺は遠目からしか見ちゃいませんが、あんな優男が伝説級の殺し屋なんて信じられませんぜ」
 見た目的には好青年ですよね、本当。 中身とのギャップがもの凄くありますが。 ある意味詐欺なくらい…。

>「クククッ…そうかねぇ……まあ、ぬるま湯で腕は落ちてるだろうなぁ。一年のブランクは大きいさ」
>
>カン、カン、カン
>
>言葉最後に、階段を降りてくる一人分の足音が重なる。
>「ガキはまだ寝てるか?」
>リーダー格の男が首を捻り、現れた褐色の肌の男に尋ねた。
>「ああ。もうしばらくは起きねぇよ。いい気なもんだな」
>「そうだな…まあ、おとなしくしていてくれれば都合が良いさ。下手に傷つけられないだろぉ?あれは、大事な餌だからな…」
>必要な情報を引き出すための、だ。
 赤法師をおびき出す餌としては一流ですよね。

>「赤法師を殺したら、ガキはどうするつもりだ?」
>今度は、褐色の肌の男が逆に尋ねる。
>「ん〜?…赤法師の血を引いてる危険因子だからなぁ。
> なにかしら、奴から聞いている可能性もあるし…………フフッ、くっくっくっ…」
>突然笑いだしたその男に、怪訝な顔をする数名。
>他、苦笑いを漏らす者は、その男の性癖を知っているのだろう。
>「…どうかしやしたか?」
>一人が聞く。
>「いや、なに…」
>手で口を覆い、笑いを押さえた男は、一瞥して答えた。
>「あのガキ、生っ白くて柔らかそうな肌だっただろぉ?」
>もとより鋭い目が、さらに細められる。
>押さえきれぬ喜悦の形に。
>「切り裂いたら、さぞかし気持良いだろうと思ってな」
 わー、へんたーい(マテ
 ところで、この方々もスレキャラさんなんでしょうか?

>「―――下びた趣味ですね」
>
>冷ややかな声音は、入り口の方から響いた。
>バッと、その場にいた全員が視線を飛ばす。
 レゾさん登場、ですか。 イヤ、この場合赤法師、と呼ぶべきでしょうか?

>ギギィ…
>
>重い音をたて開かれた扉から、赤い影が対照的に滑るよな静かさで入ってきた。
>「赤法師…!?」
>誰かの上げた驚きの声は、彼が一人だけで―――自力で来たことへ対してのものだ。
>
>「彼はどこです?ここにいるのでしょう?」
>
>静かで抑揚のない、だが良く通る声。
>
>「せっかく指定の場所に行ったのに、『ここにはいない』だなどふざけたことを…」
 なかなか怒ってらっしゃいますね;; こうなったらもう誰も止められないんでしょうなァ…;

>一歩、また一歩。言いながらゆっくりと歩みを進めてくる。
>特に構えがないその姿勢に、男達は視線を外さず徐々に移動する。
>
>「一番しっかりと意識があった方にね、彼がどこにいるのか尋ねたのですけれど、なかなか答えていただけなくて」
>
>まいりました、とでも言うように小さく首を横に振る。
>
>「話したら、殺されると思ったのでしょうね」
 話さなくても殺されると思うんですが…。 っつーか、なかなか答えていただけなくて、ってことは…拷問まがいの事は軽くやったんでしょうね…;

>男達は気付いた。彼の赤いコートの所々に、赤黒い染みが付いていることに。
>――あちらにいた仲間はもはやすでに……
>
>コツッ
>おもむろに、赤を纏う男は歩みを止めた。
>
>「ちゃんと答えていただければ、楽に死なせて差し上げたのに」
>
>その青い双眼は、烈しい燐火を閉じ込めた、凍てつく氷牢のようだった。
 えっと、とりあえず、ご愁傷様です(ちーん)
 レゾさん、やっぱりすごいですねェ。 ゼルさんの事となるとなにも見えなくなるのはこの頃からなんですね(しみじみ)

>******
>本当は、指定の場所での戦闘第一ラウンドも投稿する予定だったのですが……
>レゾさんが敵以上に恐い人になってしまったので、削除しました;
>いえ、せっかく『かわいい』というお言葉をいただいたので(ありがとうございます)
 いえ、かわいいレゾさんも、最凶(←?)なレゾさんもどちらも好きですよv
 どっちにしろ、ゼルさんの事で暴走してたりなさるので、やっぱりかわいいですしv

>無表情でゼルさんの居場所聞きながら、足左右、腕左右順に撃っていって、とどめに眉間撃ち抜いて……もはやどっちが悪人だか…
 ぅわ、敵さん顔負けですね〜。 撃ち抜いた後に塩か蝋燭の溶かしたのでも垂らすと、もっと素晴らしい事になりますね(やめなさい
 どんなに残酷なシーンでも大丈夫なので、存分に書いてください! お気遣いありがとうございます。

 では、続きを楽しみにしておりますv

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16398Re:痛いの痛いの飛んでこい(?蛇乃衣 2004/5/22 16:54:28
記事番号16396へのコメント


> こんにちは、祭でございます。
> ちょっとひどい風邪をひきまして、しばらく遊びに来れませんでした;
はわわ。大丈夫ですか?体には十分気をつけて下さいね。
> それぞれのプロフィールも読ませていただきました。
> リナさん、ガウリイさん、ゼルさん、この三人はたまに笑いつつ、ふむふむと読ませていただきました。 で、レゾさん、本当にむちゃくちゃ笑いましたv
> 好きなものはゼルガディスで、嫌いなものはエビ、カニとゼルガディスの苦しんでいる姿!(爆笑)
だぁって、彼の好きなもの考えたときに、真っ先に思いついたんですもん。(もん、は止めぃ)
エビカニ嫌い、は本編中にちょこっとだしたので。ザリガニなんかも嫌いですねぇ・・・赤くなければいいんですが(笑)
ゼルさんがつらいと、やっぱりレゾさんもつらいんです。
ゼルさんが風邪なんかひいた日は、代われるものなら代わりたい!と、内心オロオロしてほしいですね(笑)
> やっぱり蛇乃さんの書かれるレゾさん、大好きですv いえ、ゼルさんも、リナさんも、ガウリイさんも大好きですけどv
そう言って頂けると、本っ当に嬉しいですv愛着あるのは一番なので〜v


>>レゾに届けられた手紙に書かれた番地は、今この男達のいる倉庫ではない。
>>指定されたのは、ここから離れた別の倉庫。そこで待ち構えているメンバーが、赤法師に深手を負わせ、ここまで連れて来る手筈なのだ。
> わぉ、なんか思いっきり悪人ですね、この人たち。
報いは受けるでしょうが・・・
>>その場で殺さないのは、赤法師が握っているはずの情報に用があるからだ。
>>その情報がどんなものかを知っているのは、リーダー格の男一人だけである。
>>
>>「けど、俺は遠目からしか見ちゃいませんが、あんな優男が伝説級の殺し屋なんて信じられませんぜ」
> 見た目的には好青年ですよね、本当。 中身とのギャップがもの凄くありますが。 ある意味詐欺なくらい…。
立派な詐欺ですよもうvそこがまた魅力の一つと思ってしまうあたり、末期です;

>>「そうだな…まあ、おとなしくしていてくれれば都合が良いさ。下手に傷つけられないだろぉ?あれは、大事な餌だからな…」
>>必要な情報を引き出すための、だ。
> 赤法師をおびき出す餌としては一流ですよね。
そして唯一確実なものですね。

>>「あのガキ、生っ白くて柔らかそうな肌だっただろぉ?」
>>もとより鋭い目が、さらに細められる。
>>押さえきれぬ喜悦の形に。
>>「切り裂いたら、さぞかし気持良いだろうと思ってな」
> わー、へんたーい(マテ
> ところで、この方々もスレキャラさんなんでしょうか?
ん〜・・・一応モデルはいるのですが、ここでは名も出ませんし、口調微妙に違いますし、オリキャラということで(笑)
ちょっとイッチャッテル人です。ゼルさんの髪切ったのも彼。


>>「話したら、殺されると思ったのでしょうね」
> 話さなくても殺されると思うんですが…。 っつーか、なかなか答えていただけなくて、ってことは…拷問まがいの事は軽くやったんでしょうね…;
恐怖で口が回らなかったのです;

>>その青い双眼は、烈しい燐火を閉じ込めた、凍てつく氷牢のようだった。
> えっと、とりあえず、ご愁傷様です(ちーん)
> レゾさん、やっぱりすごいですねェ。 ゼルさんの事となるとなにも見えなくなるのはこの頃からなんですね(しみじみ)
これが初めてになりますか・・・。
>>******
>>本当は、指定の場所での戦闘第一ラウンドも投稿する予定だったのですが……
>>レゾさんが敵以上に恐い人になってしまったので、削除しました;
>>いえ、せっかく『かわいい』というお言葉をいただいたので(ありがとうございます)
> いえ、かわいいレゾさんも、最凶(←?)なレゾさんもどちらも好きですよv
> どっちにしろ、ゼルさんの事で暴走してたりなさるので、やっぱりかわいいですしv
>
>>無表情でゼルさんの居場所聞きながら、足左右、腕左右順に撃っていって、とどめに眉間撃ち抜いて……もはやどっちが悪人だか…
> ぅわ、敵さん顔負けですね〜。 撃ち抜いた後に塩か蝋燭の溶かしたのでも垂らすと、もっと素晴らしい事になりますね(やめなさい
塩の方が痛そうですねぇ、なんとなく。浸透圧って凶暴ですね。
蝋燭は止血になり・・・・・ませんね。
> どんなに残酷なシーンでも大丈夫なので、存分に書いてください! お気遣いありがとうございます。
あ、そうですか?でも、私がダメとこがあるので・・・。
平気なのは平気なんですけどねぇ・・・自分でも区別つかないんです;
けっこうキツイことを、さらっと流すかもしれません;
> では、続きを楽しみにしておりますv
ご期待に添えられるように頑張りますっ!

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16408『CIV』裏設定*キャラプロフィールその2蛇乃衣 2004/5/24 19:30:27
記事番号16312へのコメント

今回は脇役のうち関わりが深い、かつ、はっきりと出てきた二人を〜。



ヴァル=エイシェント
2月18日 水瓶座 A型 20歳 髪、瞳、共に緑(髪は染めています)
好きなもの:ドライブ、シルバーアクセ
得意なもの:機械いじり、パズル
嫌い・苦手なこと:堅苦しいこと、チョコレートケーキ(ある事件から嫌いになりました/笑)

『チーム・リナ』の一員ではないものの、良き協力者でエンジニア。そしてからかいがいのある良きオモチャ(笑)
けっこうタフネスなのはガーヴの影響か…。
もともとストリート育ちで、十歳そこそこの時にガーヴに拾われました。

まあ、拾われたというか……
実は、以前ヴァルはスリをしていてですね、たまたまガーヴをターゲットにしたのですけれど、もちろん、スリに気付かないガーヴじゃありません。
「このガキ、なにしやがる!」
と、ヴァルに鉄拳……もとい教育的指導を加えたのですけれど、力の加減を間違えて、ヴァル、派手に吹っ飛ばされてですね、そのまま動かなくなってしまって…
ガーヴ、さすがに慌てて、レゾのところに運び込みました;
肋骨にヒビが入っていましたよ。(byレゾ)

完全に骨がくっつくまで、ガーヴがヴァルを保護していたのですが、他にちゃんとした見寄りもないってことで、そのまま面倒を見ることに。
まあ、家事をこなして、仕事にかまけてダメダメだったガーヴの生活習慣を建て直しているので…どっちが本当に世話になっているのやら(笑)
ゼルガディスとは、この時からの友人。
同じ年齢ってことと、必要以上にパワフルな保護者という共通点もあり(笑)、一緒に遊んだり修行したりしてきました。
互いに良き理解者、といったところでしょうか。

ドライな顔を装いつつ、ちゃんとウェットな部分もある、シニカルな笑みの似合うおニィさん。
……というのが基本設定だったんですが、なんだか不幸な役回りになりつつあるような…
でも、その分スポットライトは当たるので(笑)。
とりあえず、栗毛少女の値切りに打ち勝つことを目標にしましょう。
黒髪のお医者様は……まあ、頑張りましょう(苦笑)



エリシエル=ヴルムグン
9月24日生まれ 天秤座 B型 29歳 茶髪、榛(ハシバミ)色の瞳
好きなもの:レゾ(苦笑)、アロマテラピー、レザー素材、
得意なもの:経済学、経営学、フラワーアレンジメント
嫌い・苦手なこと:長雨、生クリーム、ゼルガディス(…)

ホテル・R・コランダムの支配人。愛称はエリス。
十三年前は、どこぞの組織の端末でした。
その組織の内部勢力争いに巻き込まれて、月のない夜の裏路地で、まさに殺される!という時に現れて助けてくれたのがレゾ。

いや、レゾは助けに現れたわけじゃないんですけどね;本当は;;
殺そうとしていた相手が、暗殺依頼のターゲットだったというだけなんです。
気絶していたエリスを、初めそのままほおっておこうとしたんですが(酷)、まだ組織の幹部にターゲットがいたので、関係者ならなにか情報を聞き出せるかもしれないと、一応連れて帰りました。
それがエリスには、『絶体絶命のところを救ってくれた』と、インプットされたようで…
当時十六ですしねぇ…狂心的なまでに、レゾに愛が傾いてしまいました;
組織内部の情報も、自発的に提供しましたし(苦笑)。

それでその件は終って、エリスも「どこへでも行け」と言われたんですが、逆に「側におかせてくれ」と言って、「好きだ」とも伝えたのです。
が、返されたのは「…なぜ?」という、淡々としたというか、拍子抜けするもの。
エリスは真面目に答えたんですが(いや、レゾも真面目なんですよ)、それが要約すると「助けられたから好きになった」という感じになって…
レゾ、ここで少し不快になりました。
エリスが求めているのは『救世主』であって、たまたま自分がその偶像に当てはまっただけ、と考えたんですね。
で、これは、レゾの父が彼を『後継者』と見ていたことと重なるわけです。
レゾにしてみれば“冗談じゃない”んですよ、そんなのは。
とりあえずホテルの支配人にポンッと任命したんですが、正直、期待はしていませんでした;ド素人ですしね。
が、エリス頑張りました。物凄く頑張りました。
まさに寝る間も惜しんで〜!といった勢いで勉強して、ホテルを三星までランクアップさせたんです。
これはレゾもちゃんと評価してくれて。
『恋人』なんて甘い関係じゃありませんが、レゾは誰に対しても二線ぐらい引いていたので、まだ満足していたのですが……
ゼルガディスが出てきて状況が変わった、と;

ゼルガディスという人間が嫌いなわけじゃない。
けど、レゾの愛情を一人受けているのが羨ましい、悔しい、妬ましい。
でも、レゾが笑うのを見れるようになったのは、間違いなくゼルガディスのおかげ。実際、自分への対応も優しく穏やかになった。
が、やっぱり妬ましいものは妬ましい!にこやかに見守るなんて出来ない!と……
延々と堂々めぐり;未だにそうなので、これからもそうでしょう;

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16410Re:『CIV』裏設定*キャラプロフィールその2しーぷ 2004/5/28 20:48:02
記事番号16408へのコメント

蛇乃さん、こんばんは。お久しぶりです。
キャラプロフィール、第二段ですねv
ヴァルとガーブに、こんな運命的な出会いがあったとは!(笑)
エリスとレゾとゼルの関係も、なるほどなぁ・・・と思いながら読んでいました。
本編では、ちょうどレゾとゼルの過去編ですね。エリスやヴァルも出てくるのでしょうか?
いよいよバトル突入!という展開なので、すっごくドキドキしています!
レゾは、この時はまだ義眼じゃないのですよね。ど、どうなるのでしょう・・・??
ええっと、短いのですが、これで失礼します。続き、楽しみにしています!頑張って下さい!


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16449遅くなってすみみません〜!蛇乃衣 2004/6/10 19:38:53
記事番号16410へのコメント

シープ様、こんにちは!お久しぶりです!
レス、ありがとうございます!

そして、リクが未だ消化できなくてすみません……ね、ネタはできているので…(言い訳)
もう少しお待ち下さい〜(泣)
リナちゃんとレゾさんとヴァルが主軸になる予定です。ヴァルはやっぱりいじめられてます。(笑…?)

短文ですが、この辺りで失礼いたします。ちょっと急ぎなので〜!
本当にすみません。
これからも、どうかよろしくお願いします!

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16429Re:『CIV』裏設定*キャラプロフィールその2祭 蛍詩 2004/6/6 15:32:30
記事番号16408へのコメント

 祭です。 こちらの方にもレスを…と、思いまして。

 面白いですね〜v エリスさんが少し好きになりましたv
 いや、なんか一途で可愛いな、とv 少し一途すぎる、という問題もありますが…;
 レゾさんに助けてもらったんですか…本人はそんな気サラサラ無いという所が切ないですね;
 
 ヴァルさんは…確かに、このごろ不幸なやられキャラさんですね(笑)
 でもヴァルさんも好きですv チョコレートケーキは嫌いになるでしょう、そりゃ(爆笑) あんな事があったらv
 
 とても面白かったですv 本編の方も楽しみにしておりますv
 では短いですが、この辺で!

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16448わぁいv二つもv蛇乃衣 2004/6/10 19:33:56
記事番号16429へのコメント

こっちにもレス頂けて嬉しいですvワーイv(`∀´)

エリス、好感度が上がりましたか。ふぅ、良かった。
いえ、初登場でゼルガディスをいじめてましたからねぇ。
たぶん、(味方の中で)一番好かれていないんじゃないかなぁと思っています(苦笑)。
悪い人じゃないんですけどね。
周りが見えなくなるとことか、レゾさんに似てなくもないです。

ヴァルは……これ以上、嫌いなもの増えなければいいんですが……ねぇ……

こちらも短文ですが、これにて失礼いたします〜。
これからも、どうぞよろしくお願いします!

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16450『CIV』― Nine years ago 4 ―蛇乃衣 2004/6/10 19:45:55
記事番号16312へのコメント

“何故、私は『赤法師』にならねばならないのですか?”

幾度も繰り返した問いに、

“彼らは『赤法師』を知ってはならないのだよ”

幾度も返された『答え』。

“彼ら”というのが、自分の叔母と、その息子だということは分かったけれど。

どうして、彼らは『赤法師』を知ってはならないのか。
どうして、自分は知られてはいけない『赤法師』にならなければならないのか。
どうして、父は『赤法師』を背負っているのか。

周りに転がるのは、分からないことだらけで。

ちっとも『答え』になっていないと思っていた。




ダッ!

男の一人が、レゾの右斜め後ろからナイフ片手に襲いかかる!
レゾの手が動き、コートの内から三本の金属棒が取り出された。それは瞬く間に一本の杖へと姿を変え――

ゴガッ!

紫電一閃!男の顎を打ち砕く!
悲鳴の代わりに血と唾液をほとぼらせ、退けぞる男。
「ヤロぉ!」
殺気を膨れ上げさせた集団に向かい、レゾは第一の男を蹴り飛ばす。
その後を沿うように走ると、杖を旋回させ、二人の後頭部をしたたか打ちすえ、続け様にさらに一人の喉笛を突く!
杖に、ぬらりとした液体が付着した。
崩れ落ちる男の襟首を掴み、レゾは身を返し位置を入れ換える。

ガガガガガガガガ!!

サブマシンガンの不快な音に合わせ、鉛を背に沈まさた男は力なく跳ねる。
レゾは“それ”が所持していた拳銃を抜き取り、今しがた打ち込んできた相手に向け引金を引く!
腿、腹、肩と、斜め一文字に穴が空いた。
他方へも発砲し、赤いしぶきをいくつか上げる。

弾がなくなると、拳銃と盾としていた肉塊を投げ捨て、一気に跳躍した!
「ぅわわわっ!」
目標物が顔を引き釣らせ、真正面から拳銃をを発砲してくる!

ガゥン!ガゥン!

しかし、レゾは高速の鉛玉らを紙一重でかわし、腕の一部をかすめただけにとどめると、スピードをさらに加え、杖を振るう!
最初の一撃で鉄の塊が跳ね飛ばされ、二撃目は、金属よりは柔らかな人体へ吸い込まれる!
鈍い音が、異様に大きく響いた。
その余韻が消え去る間もなく、

ガチッ!

レゾは振り向きざまに、空を裂く銀光を杖で受け止めた!
「やってくれるな、赤法師!」
あのリーダー格の男が、大振りのナイフを両手に、どこか嬉々とした調子で声を上げた。

ギッ! ガッ! ギジィッ!

滝のごとき鋭い斬撃を繰り出す刃を、清流のごとき淀みない動きの杖が受け止め、はじく!
やはり実行部隊の“頭”に収まっていたことはあり、この男、これまでの者達とは腕の方も一段違う。
加え、レゾには今まで動き徹しだった分の疲労と、本人も気付いていない“焦り”が存在している。
薄暗い倉庫の中、血生臭い空気を動かし、二つの影は攻防を続ける。
あるいは胸を狙う杖の先端を、ハサミのように重ねられたナイフで阻み、あるいは頸動脈に襲いくるナイフを、杖をその刃に沿い走らせることで勢いそのままにかわす。

金属同士のぶつかる高い音が、何度響いた時か、
「くっ…!」
後退したレゾが、血だまりに足を取られた。
「ラキィッ!」
わずかに崩れたバランスを見逃す相手ではない。
ブンッ!と、風の唸りを立て、振り下ろされる右手の刃。
しかし、

ばしぃ!

レゾは左手の甲でナイフの腹を叩き、床へ弾き飛ばした!
わずかでもタイミングがズレれば、手首から先をすっぱり持っていかれることは必至である。
「なっ!?」
「ひゅっ!」
鋭い呼気と同時に、杖を旋回させ、もう片方のナイフもはじく!
間合いを取ろうと下がった男に、

ガゥン!ガゥン!ガゥン!

上着から取り出したマグナムを、立て続けに打ち込んだ。
衝撃に男は後ろへ倒れこみ、無造作に積まれていた廃棄物の山の中に、派手な音を立てて埋まった。


「―――っはぁ…」
物音が消えさってから、レゾは一つ息を吐く。
辺りを見回し、奥の方に階段を見付けた。
ゼルガディスは二階なのだろう。
(大きな怪我をしていなければいいのですが…)

無意識に、彼の死を否定していた。