◆−無駄な時間−アツキ (2004/6/23 18:47:20) No.16495
 ┗Re:無駄な時間その2−アツキ (2004/6/23 23:35:55) No.16503
  ┗Re:無駄な時間その3−アツキ (2004/6/25 20:20:37) No.16514


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16495無駄な時間アツキ 2004/6/23 18:47:20


どれだけ時間がたったのだろう。
そう思いながら、リナ=インバースはため息をついた。それは決して安堵のものなどではなく、どちらかというと落胆に近い。彼女は捕まってしまったのだ。
リナはその場に寝転がると、今日の出来事を思いだし、振り返ってみる。
何で捕まったんだろう・・・
振り返ろうとも心当たりがありすぎて、何が原因なのかもわからない。ただ街をうろうろしていたら、役人が来て、何も彼女に伝えずにどこぞの建物に連れて行かれたのだ。
おなかすいたなぁ・・・・
そういえば、昼ごはんを食べ損なったんだっけ。
空腹でそんなことばかり思い出してしまう。何をいっても腹の虫がおさまるわけもないということは分かってはいるが、ついつい口に出てしまう。
魔法で脱出したいのは山々だが、両手を縛られてる上にさるぐつわまでかけられて、身動きが取れない。なぜかその役人達は、リナが魔道師だということを知っていた。
名前が知られすぎてるってのも、考えものよね。
そう思って、リナは無意味に活気のない声を漏らした。
リナは、しばらくその場でごろごろしていたが、そのうち床の冷たさに快感を覚え、そのまま寝入ってしまった―――

初投稿です。ですので多少のヘタさは許してください。
ではでは。

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16503Re:無駄な時間その2アツキ 2004/6/23 23:35:55
記事番号16495へのコメント

ふわぁああ・・・・
目がさめると、リナの前には当たり前のごとく同じ光景が広がっていた。
あぁー、どこぞの王子様でも助けに来てくれないかな・・・・出来れば頭の中身がちゃんと詰まった・・・
限りなく可能性がゼロに近いことは彼女にも分かっている。だが今は空腹でそこまで頭が回らなかった。
外がまるっきり見えないので、今の時間がどれだけかが見当もつかない。すでに腹時計などは使えなくなっている。
無駄な時間が・・・
大分寝た気もするが、そうでない気もする。何もしてないのに疲れた。今彼女に足りないものは、明らかに「糖」だ。、
このときリナは、断食できる人の凄さを大いに感じたことだろう。
・・うー・・・いきなしバッド・エンドの予感。・・ああ、あわれリナ=インバース、ついにどこぞの牢獄にて餓死!?
ううっ・・いやだよう、いやだようっ
囚われの身にもかかわらず、一人で勝手に話を膨らませ騒ぐリナ。床をそのままごろごろ転がりつつ、半ベソかきながらなにやら叫んでいる。もはやさるぐつわの意味もなくなりつつあった。
「あーっ!だれかっ王子様っもう誰でもいいからたすけてっ!!」
「はい?なんでしょう」
リナがヤケになって放った一言は、ついにさるぐつわを越え、小さくではあるが回り一帯に広がった。根性とは、凄いものである。
そしてそれに答えたのは―――

ゼロス!?
なんとそこに立っていたのは、他でもない、ゼロスだった。  
                              つづく。

たいして書いてないけどひとまず終わります。

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16514Re:無駄な時間その3アツキ 2004/6/25 20:20:37
記事番号16503へのコメント

「いやぁ、大変ですねぇリナさんも」
リナの縄を解き、さほど大変そうでもない口ぶりでゼロスは言う。
「っぷはっ・・ゼロス・・アンタ、いったいどこからわいて出たのよ」
「わいてでたって・・ヒドイですよリナさん、せっかく出してあげようとおもって来たのに」
ふうん・・・リナがつぶやく。
「頭の詰まった王子様、ねぇ・・・・」
「?何ですか」
「何でもないわ・・・さてと」
リナはそう言って立ち上がり、パンパンッとズボンの汚れをはたく。
そして軽く柔軟運動をしながら呪文の詠唱にはいった。そしてすごいスピードで術が完成した。
「破弾撃!」
ドゥンっ!!!!
激しい爆発音とともに、壁が崩れ、わずかに光が差し込んだ。
リナは満足そうに、外を眺めながら言った。
「やー、見事に見晴らしがよくなったわ」
「そんなことするから捕まるんじゃないんですか?」
「うるさいわね。こうするのが一番手っ取り早いでしょうが」
そう言ってリナは歩き出す。ゼロスもそれについていく。
「久しぶりのシャバだぁ・・・」
「リナさんそれ、思いっきり悪人の言うことですよ」
ゼロスの呟きを思いっきり無視し、機嫌よく歩き続けるリナ。
しばらく歩くと、街が見えてきた。まってましたとでも言わんばかりにリナの腹がぐうとなった。
「おなかすいたわ」
「そうですか」
「おぶってよ」
「イヤですよ。リナさんいろいろつけてて重いですもん。それに・・」
「それに?」
「たとえ軽ても、そのうちこなきじじいのごとく重くなってくるんですから・・・大体、さっきリナさん十分に元気だったじゃないですか」
「なによこなきじじいって。今は今、さっきはさっきなの。あたしはおぶってっていったらだれでもおぶってくれる星の下に生まれてきたの。だからゼロス、おぶりなさいよ」
「何ですかその星は。何を言ってもおぶってあげませんよ」
「・・・けち」
街は見えるがなかなか近づく気がしない。空腹なのでなおさらだ。
腹が減るとだれしもいらだつもので、もちろんリナもその一人だった。
「ああ、そう言えば」
思い出したかのようにゼロスが言う。
「さっき街を歩いたとき、遠くで爆発音がして、煙がみえたんですけど・・・」
「あっあたしじゃないわよ」
やや焦り気味にリナが言う。その焦りように、ゼロスは何かを読み取ったらしい、さらに続ける。
「道の真ん中に、大分大きな穴がありましたけど?」
「そ、そういえばゼロス、何で助けに来てくれたの?」
「それは秘密です・・・それより」
「あんたもヒマね」
「ヒマじゃありませんよ。・・・そうそう、建物がひとつ駄目になってましたけど?」
リナは一生懸命話をそらそうとするが、ゼロスはなかなか話に乗らず、さらにけし掛けて来る。
「・・・あたしをからかいにきたの?」
「さぁ?」
とぼけるゼロス。焦るリナ。
「やっぱりあれって、リナさんがやっ・・・」
「あっあっ・・・」
「?」
リナは何か言おうとする。そして―――
「あぶなぁーいっ!!!!」
べたっ!!
リナはゼロスの頭を引っつかむと、全体重をかけ地面にダイブする。
いきなりなことだったので、ゼロスはよけきれず、思い切り地面に顔を打ち付けた。
「リ、リナさん?」
「・・・ふう。危なかったわね、ゼロス。もう少しで大変なことになってたわ」
もちろん回りに危険などなく、それはリナもわかっている。
「ここもやばいわ。行くわよ、ゼロス」
「い、いくって・・・?」
「次の街にきまってるでしょう!?まずは腹ごしらえね。おなかがすいたわ。ゼロス、アンタおごりなさいよ」 
「ええ!?そんなっ!」
「うるさいわね!また地面とキスしたい?」
そう言ってリナは走り出す。
無駄な時間をすごしてしまったわ―――リナはそう思った。