◆−てがみ(ゼルアメ)−雨月かぐら (2004/7/25 18:35:48) No.16598 ┣てがみ・1−雨月かぐら (2004/7/25 18:41:54) No.16599 ┣てがみ・2−雨月かぐら (2004/7/25 18:44:10) No.16600 ┣てがみ・3−雨月かぐら (2004/7/25 18:46:08) No.16601 ┗蛇足−雨月かぐら (2004/7/26 01:33:43) No.16602 ┣感動です。−風水 (2004/7/28 21:48:05) No.16610 ┃┗ありがとうございますv−雨月かぐら (2004/7/30 01:14:33) No.16616 ┃ ┗なんとっ!−風水 (2004/8/1 21:09:25) No.16617 ┣泣けます!!!−琴見奈々 (2004/8/18 02:31:12) No.16639 ┃┗おそくなりまして(汗)−雨月かぐら (2004/8/22 01:10:07) No.16686 ┗お、遅ればせながら……ぐしぐし−忍野G (2004/8/20 16:54:03) No.16664 ┗こんばんはv−雨月かぐら (2004/8/22 01:48:47) No.16687
16598 | てがみ(ゼルアメ) | 雨月かぐら | 2004/7/25 18:35:48 |
こんばんは。雨月かぐらと申します。 …えー、こちらには、とてもとても久しぶりに投稿させて頂きました。 久しぶりの割には、きれいさっばり進歩無し。 相も変わらずのゼルアメ話、相も変わらずの死にネタ小説ですが ご笑覧頂ければ幸いです。 ほんとはほんとは、“実は生きてました”というパターンで、 最後にはハッピーエンドになる予定だったのですが、 何故だかこの先筆が進まず、当分は続きを書くことも難しいので、 ネタが腐りきらないうちに、キリのよいところでぶった切ってしまいました。 …ちなみに、ここで切るのなら昨年中にはもう仕上がってた筈ですね(泣)。 こんな醜態を曝すならいっそ廃棄した方が潔い、という考え方もありますが、 それなり時間をかけたものを捨てられない貧乏性の雨月です。何卒ご容赦を。 そして、できれば、「ほんとは生きてるのよぉぉ!」という筆者の魂の叫びを 念頭に置いてご覧下さい。 でもって、万一、素知らぬ顔でいつか続きが投稿されるようことがあっても “ああ、そんなヤツもいたわね”と生温い笑みで迎えて頂けたりすると このうえもない喜びでございます。 ではでは 繰り返しますが、死にネタ警報発令中です。 大丈夫な方のみ、お付き合い下さい。 |
16599 | てがみ・1 | 雨月かぐら | 2004/7/25 18:41:54 |
記事番号16598へのコメント 【てがみ】 うみの なかに あなたは いるから わたしは 日がな 浜をいく 貝殻は 言葉を 伝えぬ 代わりに かなしく 白い 骨の色を うつす 波打ち際の 泡立つ中の 涙は 零れる 真珠の 沈(しず)く 遠く 深くに 響(とよ)みゆき 眠る あなたの かたわらに より添う ように 光るでしょう 海にいるひと 海にいるひと 私は 願ってやまない そのうたが 永遠であるように ********************** 天は快晴。 秋晴れの空は、どこまでも、高く澄んでいる。 その青空を背景に、あたしの目の前には、どでかい城がそびえていた。 白鳥にも喩えられる、豪壮な白亜の王城。 記憶と寸分違わぬその威容を確認し、あたし、こと美少女天才魔導師リナ・インバースは大きく息を吐いた。 「……さぁて、やっとついたわよ、セイルーン!」 「ふぉう。ふぁかふぁかふぁっきのはるふぃいふぁちふぁな」 (↑おう。なかなか活気のある良い街だな) あたしの後で到底人語とは思えない声を発したのは、自称・あたしの保護者で、およそ剣術以外に頭を使うことがないんではないかと思われる脳味噌スライム剣士のガウリイ。ちなみに、セリフが人外になっちゃってるのは、王宮前広場の観光客向け屋台で買った焼きイカを、口いっぱいに頬張っているせいである。あたしは先に食べ終わったってのに、コイツはまだ最後の一口を美味しそ〜に食べていた。ちっ。…と、それはともかく。 ぎ…ぎぎぎぎ…。 あたしは思わず軋んだ音をたてながら、首を後に捻った。 「……ガ、ガウリイ、あんたまさか、前来たときのこと覚えてない、なぁんて言う気じゃないでしょうねぇぇぇ?」 ほっぺたがヒクヒク痙攣しちゃうのは、次に返される言葉をあまりにも正確に予測でき過ぎるせいで−−−−− 「おっ、そうか。来たことあったのか。どうりで、あのソフトクリームの味がどっか懐かしいと思ったはずだ〜。なぁ、リナ、美味いよな、あの角の店のソフトクリーム♪」 ガウリイは、脳天気にぽんと手を打つ。 ちゃき。 「って、ちったぁ脳味噌使って覚えとらんかぁぁぁぁぁいぃ!!!」 すぱぱぱぱ〜〜〜〜ん! 乙女の必須アイテム、どっから現れたんだか謎のスリッパの快音は、セイルーンの高い空に響き渡った。 「あははは。それでも、ガウリイさんにしては、ちゃんと覚えてた方じゃありませんか、リナさん。あんまり怒っちゃ、可哀想ですよ〜」 朗らかに、黒髪の少女が笑った。 彼女の名前はアメリア・ウィル・テスラ。セイルーン。 先刻のお城に住む、正真正銘、この国のお姫様である。 「あのね、アメリア。あんただって、こう四六時中おんなじようなボケばっかかまされた日にゃ、竜破斬の一つもぶっ放したくなるわよ〜?」 あたしたちは、(上記のボケをかましたガウリイをしばき倒した後)城門をくぐり、アメリアの私室を訪ねていた。 事前に連絡してあったため、彼女は政務のスケジュールを調節し、朝から手製のお菓子まで用意して、待っていてくれたらしい。 次の間つきのやたらと豪華な彼女の部屋に、素朴な焼き菓子は正直そぐわない。 味は悪くないんだけどねぇ、うん。 「……で、アメリア、用っていったい何だったの?」 あたしは、ラムレーズン入りのほかほかスコーンにクロテッドクリームをたっぷり塗りつけながら、おもむろに尋ねた。 くぅ〜、このラムの風味。さすがいい酒使ってるわね、アメリアv 「あ、はい。そうでした」 テーブルの向こうで、急に思い出したように、アメリアが居住まいを正す。 「私、リナさん達にお願いしたいことがあったんです!」 小さく頷いて、あたしは視線で続きを促した。 アメリアと会うのは、【闇を撒く者】との戦い以来、もう2年半振りにもなる。 あの冒険行の後は、アメリアは一度も国を離れていない。 あたし達の方も、この国に立ち寄る機会がなかった。 いつかは訪ねるつもりだったが、現実は、一・二度手紙を交わしたくらい。 そんなあたし達の前に、突然セイルーンからの使者が現れたのは、半月前のことだ。 言葉にすると簡単そうだが、旅から旅へ暮らしているあたし達の動向を捕捉するのは、そうそう易しいことではない。 聞けば、同様の親書を携えて、数十人単位の兵士が、一斉に八方に散ったのだとか。 そこまでされれば、フツーは何事が起こったのかと思うだろう。 あたしとガウリイは、だから、かなり焦ってセイルーンを目指したのだ。 (の、割にはのんびり買い食いしてたじゃねーか、というツッコミは不可。) けれど、慌てて駆けつけてみれば、アメリアはのんびりとお茶をすすめるのである。 それなり心配してきたあたしは、正直、気が抜けてしまっていた。 しょーもない用事だったら、とりあえず、一発ぶん殴っちゃる(怒)。 そんなことを考え始めたあたしの前に、アメリアは、掌に納まるほどの小さな布の袋を差しだした。 「これは、セイルーンの王女ではなく、私、個人としての依頼です。 この包みを、ある場所に沈めてきていただきたいんです」 「……ねぇ、アメリア。個人的っつーことは、ひょっとして依頼料は―――?」 「はい。お友達料金でやって頂けると、嬉しいなーなんて♪」 「う、うふ…ふ…ふふふ〜。言うようになったわねぇ〜、アメリア?」 「やだなぁ♪ リナさん達に、鍛えられたんですよ(はぁと)」 にこやかに微笑み交わしながら、その実、背後には稲妻が飛び交ってそうな言葉の応酬に、傍らのガウリイがひそかに冷や汗を流している。 ふ。なにひびってんだか。この位の会話は乙女のタシナミってもんよ。 それでも一応値段交渉は後で詰めることにして、あたしは椅子に腰掛け直した。 「で、依頼内容をもう少し詳しく聞かせて貰える、アメリア? あたし達に頼もうってんだから、それなりのワケ有りなんでしょ」 あたしの問いに、アメリアは、どこか困ったような曖昧な笑みを浮かべた。 「え、え〜と、依頼自体は、そんなに難しいものじゃもないんですよ。 期限は、今日から半年間。 ある街から船に乗って、結界外に向かう途中の海に、これを沈めてきて下さい。 できれば、絶ぇっ対に打ち上げられないような深い所を狙って頂けると嬉しいです。 で、それが終わったら、セイルーンに戻って、そのことを報告してもらいます。 ね、簡単でしょう?」 「………んで、それにどんな厄介事のオマケがついてくんのよ?」 「なんにも有りませんよ〜。リナさん、本当に単純な依頼なんですってば〜」 あたしは、思いっきり不審なジト目でアメリアを見上げた。 彼女が指定した街までは、ここセイルーンから、ほんの半月ほどで十分行って来られる距離しかない。そこからの海路も、この時期長く見積もって片道一月程度。 そこに半年の期間を設け、あまつさえ、旅の空にあったあたし達をわざわざ呼び寄せてまでそんなことをさせる理由が分からなかった。 たとえば、同じ事を、彼女の城の衛兵を一人つかまえて命令してみたとしても、結果はなんら変わりがないだろう。 なのに何故、アメリアはそんな無駄なことを望むのか。 「――――アメリア、あんた、何か隠してるでしょう?」 「ん〜。そうですね。隠してるともいえるし、隠してないともいえます」 「なんなのよ、その謎かけは?」 「お話を受けて頂けたら、今すぐお教えしますよv」 「良い度胸じゃないの、この子は〜〜っ!!」 がたんと席から立った拍子に、偶然、アメリアの手から袋が落ちた。 中身は球状のものであったらしい。一瞬硬い音をたててからテーブルを転がり、 ゆるんだ袋の口から、中の色が僅かにのぞいた。 「!!」 あたしは思わず息を呑む。 視線を避けるように、アメリアが顔を逸らした。 「アメリア!」 びくっと、細い肩が揺れる。 あたしは包みを拾い上げ、右手で重さを確かめた。 「――――――――アメリア、久しぶりに、女の子同士で積もる話でもしよっか」 アメリアが驚いたように目を上げた。 ガウリイは――――分かってるんだか分かってないんだか、そのまま何事もなかったかのようにお茶菓子を食べ続けている。 あたしは、アメリアの手を掴まえて、言った。 「さ、じゃ、向こうの部屋にでも行くわよ。 あ、ガウリイ、あんたはこのまま待ってて。すぐ戻るから」 「え? ちょっと、リナさん…!?」 ああ、とガウリイが手を振るのを横目で確認し、あたしは先に立って歩き出した。 どれだけ離れようと、人間離れしたガウリイの聴覚が相手では所詮意味はない。 けれど、ガウリイは、きっと聞かないでいてくれる。 少なくとも、聞こえなかったふりをしてくれるだろう。 あたしの相棒は、こういうとこ、妙に察しがよいのだ。 これで中身がクラゲでなきゃぁ、鬼に金棒なんだけど。―――まぁ、多くは望むまい。 それでも、あたしが安心して背中を預けられる、唯一人の相手なのだから。 |
16600 | てがみ・2 | 雨月かぐら | 2004/7/25 18:44:10 |
記事番号16598へのコメント ばたんと隣に続く部屋の戸を締めてから、あたしは持っていた袋の口を開けた。 「さて、話してもらいましょうか、アメリア。これはどういうこと?」 あたしの掌の上には、海のように深い青の宝玉が光っていた。 見覚えのあるその色は、昔アメリアがしていた護符の一つに違いなかった。 ****************************** うみの なかに あなたは いるから ****************************** リナさんが、とても真面目な顔をして、わたしを見た。 心配してくれているのが、伝わる。 でも、わたしは、まだどこか心に霞がかかったようで リナさんの紅い瞳ではなく、掌の上のアミュレットだけを見ていた。 青い蒼いその色を、私は一生忘れない。 それはわたしの、たった一つの真実の色だから。 “5年……いや、3年待てるか?” 待ってます。ずっと。一生だって待ってます。 “お前をそれ以上縛るつもりはない” 束縛されるんじゃない。これは私の意思です。 “3年待って、戻らなければ忘れろ” いやです。どうして、勝手に決めちゃうんですか? “お前には、守るべきものがあるんだろう?” そうです。でも……! 約束は儚い。 交わされた言葉は少なく、 共に過ごした時間は、長い人生の中のほんの一瞬に過ぎない。 けれど、それよりも輝かしい日々を、私は知らない。 生涯かけて変わることはないだろう。 あの人の傍らにある時が、わたしの一生で最も幸福な瞬間だったから。 ****************************** うみの なかに あなたは いるから ****************************** 「アメリア、とっとと答えなさい。これはどういうこと?」 低い声で、あたしはアメリアに詰め寄った。 「どうして、あたしに、このアミュレットを捨ててこさせようとするわけ?」 【闇を撒く者】との戦いの後、皆が別れる最後の晩に、アメリアが、今ここには居ないもう一人の仲間と約束していたことを、あたしは知っている。 べつに覗いていたわけではない。(そりゃ、ちょっとは見てみたい気もあったが) 目の前にいる、アメリア本人から聞いたのだ。 セイルーンに来てくれるよう、たのんだこと。 人の身体に戻ったら、会いに来ると約束したこと。 いつも手首に巻いていた護符を、彼に贈ったこと。 アメリアは、その一つ一つを、とても幸福そうに話してくれた。 「アメリア、答えて」 あたしはアメリアの腕を見た。そこには、もう片割れの護符はない。 アメリアが、何を考えているのか、分からなかった。 好きな相手と分け合った護符を手放すなんて。約束の宝石を捨てるなんて。 分からなかった―――――分かりたくなかった。 皆で過ごしたそんなに長くもない旅の間、あたしに仲間の大切さを教えてくれたのは、他ならぬ彼女自身なのだ。 そのアメリアが――――彼を裏切るところなど、見たくはなかった。 人は変わる。世に永遠などない。 知っているのに、あたしは、いつの間にか自分の仲間を除外して考えていたらしい。 アメリアは、変わらないと思っていた。 たとえどんな状況に置かれても、彼女だけは、約束を違えないと思っていた。 「アメリア」 促されて、アメリアは、ようやくあたしを見た。 ひどく力無く微笑む。 柔らかな 深い青の瞳に、あたしは一瞬、はっと胸を突かれた。 いつから、こんな顔をするようになったのだろう。 儚げなんて言葉、以前の彼女には、およそ似つかわしくなんてなかったのに。 「……ええと、そうですね。どこから始めましょう」 どこか遠い目をしながら、アメリアは、ひどくゆっくりと言葉を選んだ。 隠そうとして言い淀んでいるのではない。 ただ本当に、どうやって伝えたらよいのか、分からないといった風情だった。 「最初からよ」 あたしは言った。 アメリアはこくりと頷いて、一言ずつ話し始めた。 「もう、……1年くらい…前になりますね。 この国の密偵が、ある情報を持ってきたんです。」 「密偵って−−−−所謂スパイって奴よね?」 「ええ、でも国の大事とかじゃ、無かったんです。 父さんが、特別に個人的なことを頼んでくれていた人でした。」 「個人的なこと、ねぇ」 アメリアが僅かに苦笑する。 「その頃、――――私、自分ではそんなつもりなかったんですが、――――落ち込んでるようにみえたんですって。 父さんは、だから、私が沈む理由を探してくれていたんです。」 「それって、ひょっとして……」 「あはは、笑っちゃいますよね。そんなに大っぴらにしてる気はなかったんですけど、 なんでか、父さんには、バレバレだったみたいです。 私が、―――――――――ずっと、ゼルガディスさんを待ってたこと」 微笑んでみせながら、その実、青い瞳は少しも笑ってなどいなかった。 あたしは、それに気付かないふりをして、話の続きを待った。 「報告を受けた父さんに、まず、“落ち着いて聞くように”って言われました。 人払いした執務室によばれて、すごく真面目な顔をして口を開くんです。 その時から、何かイヤな予感はしたんですけど…」 小さく、息を吐く。 「“半年程前に、船が難破したそうだ”、たしかそう言いました。 私、最初、何のことか分からなくて、頸を傾げたんです。 そしたら、父さんが、乗船名簿に、お前の知った人の名前があるって言って…」 船は、沿岸諸国と結界外とを結ぶ定期便だった。 外の世界から戻ってくる途中で、嵐に遭い、沈んだのだという。 航路半ばの沖合であったため、生存者は極めて少なく 海流の関係で、こちら側の海岸線に、若干の破片が流れ着いたのみ。 そして、そのどちらにあたっても、彼の生存の証は得られなかった、と。 「私、信じられなくて、すぐにその船が着くはずだった港まで行ったんですよ。 あの人が、そんなことで死んでしまう筈がない、と思って。 だって、そうでしょう? 体が重くて水に浮かないと言ったって、あの人には魔法が使えたはずです。 海がどんなに荒れてたって、陸からどんな離れてたって、絶対に諦める訳がない。 絶対生きているはずだって、そう思って…」 毎日のように、漂着物が打ち上げる入り江を、歩いた。 白い砂浜に碧の波頭が寄せては返し、灼けるような日の照り返しに、目が眩んだ。 振り返れば、足跡は、海岸線にただ延々と続いていた。 日が経つに連れて、焦燥は深まる。 叫びだしたいような気持ちで、手掛かりを探した。 そして。 「ある日ね、波打ち際に、青いものが見えたんですよ。」 アメリアは、思い出しているのだろう、目を閉じた。 「一目見て、すぐに、走り出してました。 追いかけて。掴まえて。掌の上で眺めて。 そして、分かりました。 あの人が、約束を守って、私の所に帰ってきてくれたんだって。 海の底から、多分何ヶ月もかかって、やっと届いたんでしょうね。 波に削られて、少し小さくなって。でも、たしかにあの石でした。 あの人に渡した、アミュレットです」 そう言って、アメリアは、ドレスの襟元から、隠していた銀の鎖を引き出した。 その先には、青い珠が掛けられている。 彼女の瞳と同じ、深い青の。 砂に磨かれて、曇り硝子のようになった、約束の護符。 それは、ゆっくりと、ゆらゆらと、鎖の先で揺れていた。 まるで指先の震えをうつすように。 あたしは、言葉を失った。 「そのまま、海に飛び込んで、あの人の所にいってしまおうかと思いました。 でもね、………悔しいことに、必ず一歩手前で足が竦むんです。 死んで、私自身はそれで気が済むけれど、あとに残された人はどうなるんだろう。 父さんは、セイルーンの人達は、どれだけの傷を負うんだろう。 それから、海の底のあの人も、きっと怒るんだろうなって、 そう考えてしまうと―――叙事詩のヒロインのようには、思い切れませんでした。 諦めて、一人で、この国に帰ってきたんです」 「アメリア…」 絞り出した声に、彼女は透きとおるような笑みを向けた。 「三年間、待つと、ゼルガディスさんと約束しました。 あと半年で、その期限が来ます。 そうしたら、今きている縁談のうちのどれかを選んで、うけるつもりです。 待っていたくて、今まで、無理を言ってきました。 でも、私が我を通すことには、もう意味がない。 ここで待ち続けることは、国のためにも、そして多分、私自身のためにもなりません。 私の心は私のものです。でも、もうその心の向かうべき場所がないのなら せめてこの身体は、セイルーンの王女としての義務を、果たすべきだと思うんです」 アメリアは、視線をあたしの掌の上の宝玉に向けた。 「リナさんにお願いしたその護符は、私がずっと持っていたものです。 それを、私の代わりに、あの人に届けてくださいませんか? 私にはもうできないけれど、海の底で、その石があの人の傍にいられるように」 「アメリア、あんた…」 あたしは理解した。これは、彼女にとって、一つの儀式のようなものなのだ。 過去の痛手から立ち上がり、未来に向かって歩き出すための。 だから、他の誰でもないあたし達を探して、仕事を依頼した。 無関係の者ではなく、二人をよく知った【仲間】に、その執行を委ねようと――― 宝玉を持つ手が、カタカタ震えた。 そのまま、渾身の力を込めて。ぐっと握りしめる。 ………ふ。ふふふふふふ。 「…………アメリア、あんたねぇ…」 「はい?」 地を這うようなあたしの声に、思わずアメリアが半歩ほど後ずさる。 その肩口を掴まえて、あたしは叫んだ。 「あんた、勿体ないと思わないの?! これいくらすると思ってんのよ!!!」 「ほへ?」 「だぁぁぁ、もうっ!! これだから、お姫様ってぇのは!!! 一国の王女の護符が、そんじょそこらにあるような代物の筈、ないでしょうが!? この石、これ、一級品よ! 超一級品! あたしが作ってほいほい売り捌いる、いー加減なクズ石の寄せ集めじゃなくて、 生のまま、天然、大粒青玉!! 色も極上の、ヤグルマギクの青!」 「え、えーっと…」 「しかも一個の原石から1セット削りだしといて、この脅威のカラット数!! ついでに、守護の魔法も、某超有名賢者特製のお墨付きで!!! あんた、こんなもん買おうとしたらフツーいくらかかるか、分かってんの!?」 猛然とまくし立てられて、アメリアは、目をぱちくりと瞬かす。 「え、えーと、えーと、そーすると、要するに、リナさんは、 普段は、宝石の護符で、そーとーあこぎな商売をしていると…」 「ちがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁうぅっ!!!」 ちゃぶ台ひっくり返さんばかりの勢いに、逃げだすアメリアの首をひっ捕まえ、片腕に抱え込む。 「ひ〜ん。イタイですぅ。肘で頭ぐりぐりすんの、やめてくださ〜い。」 「うっさい! ものの価値が判らなんような奴は、こうしちゃる!」 ぐりぐり。ぐりぐり。 「ひぃぃぃぃぃぃ〜ん(泣)」 じたばた。じたばた。 「うぅぅぅぅ〜。リナさんてば、ヒドイです。 頭にたんこぶできちゃったじゃないですかぁ」 ようやく解放されたアメリアは、涙目であたしを見上げた。 「んじゃぁ、すっきり一発ドラグスレイブおみまいした方が良かったかなぁ〜?」 「うっ(汗)。いえ、…こっちのがいいです」 「よろしい♪ んじゃ、もう寝惚けたこと言ってないで、持ってなさい、この石」 「え?」 あたしは、持っていた護符を彼女にぽいと放り投げた。 「え?え?え?」 青い宝石は、すとんとアメリアの掌の上に納まる。 それが定位置。あるべき一番正しい場所だ。 「ちっとも悟れてなんかないくせに、そんなもん手放したってムダよ。 そんな死にそうな目でお願いされたって、絶っ対、聞いてやんないかんね!」 くるりと、あたしは彼女に背を向けた。 「もちょっとマシな顔、できるようになってから、言いなさい。 んじゃ、この話はこれまでね」 後ろ手にバイバイと手を振って、歩き出す。 「リナさん!」 その手を、アメリアが掴んだ。 「何よ、アメリア」 振り返った視界に飛び込んできたのは、アメリアの、深い青の瞳だった。 ああ、海の色だ。 ふとそんな考えが頭を過ぎった。 ゼルが沈んだという海も、きっとこんな色なのだろう。 静かな紺青の波間に、彼は眠っているのだ。 「ありがとう」 大きな目が瞬いて、さざ波が揺れた。 「でも、私は、もう本当に大丈夫なんです。 もう いっぱい泣きました。 いっぱい泣いて、泣けるだけ泣いて。 やっと、立ち上がろうって思ったんです」 そう言って、笑ってみせる。 なんともいえない優しく強い光が、そこには宿っていて。 思わず、あたしはアメリアの小さな頭を抱き寄せていた。 「……ばか」 彼女は動かなかった。 「ごめんなさい…」 「どうせ、ずっと一人で泣いてたんでしょ! 言ってくれりゃ、あたしは傍にいてあげるくらいのことはしたわよ!」 「ごめんなさい」 「あたしらだって…ずっと、仲間…だったでしょうが!」 ずっと以前、あたしが冥王フィブリゾとの戦いの最中に、ガウリイを失いかけたとき、アメリアは問答無用であたしを手伝うと宣言してくれた。 だからって訳じゃないけれど、あたしは、もしアメリアに何かあったら、いつだって、喜んで力を貸そうと決めていたのだ。 一番苦しかったときに、一緒にいてくれた。 大切な、友達だと思っていた。 「ごめんなさい…」 「ゼルにだって、花の一輪も供えたわよ、知ってたら!」 「ごめんなさい…ずっと…リナさん達にも報せなきゃと、思ってたんですけど …言葉にしたら、もう…起こってしまったことを動かせなくなるような気がして… あの人が…もうどこにもいないんだって、認めてしまうような気がして…… 言えなかったんです。…ごめんなさい。ごめんなさい!」 ぽんぽん、と。 あたしは、俯いてしまった頭をそっと叩いた。 「ばか……」 微かな嗚咽が洩れ、黒髪が震えた。 「ほんとに、ばかなんだから、あんたは……」 左肩にかかる重みを、あたしは、それから長い間、可能な限り優しく撫で続けた。 |
16601 | てがみ・3 | 雨月かぐら | 2004/7/25 18:46:08 |
記事番号16598へのコメント 「……本当に、後悔しないのね?」 「はい」 「あとで、拾ってこいったって、できないわよ?」 「はい。いいんです。 私は、生きていかなくちゃいけないって、決めたんですから」 「まったく………。分かったわ、んじゃ、契約成立ね」 「はい、宜しくお願いします!」 ****************************** うみの なかに あなたは いるから ****************************** 「お、遅かったな、リナ♪」 扉を開けると、ガウリイは、持ち帰ったスコーンを悠々と頬張っていた。 「悪いが、これが最後の一個だぞ。 内緒話があんまり長いから、持って帰って、待ってる間に全部喰っちまった」 顔にお菓子のカケラをつけたまま、笑いかける。 知らない内に、彼は、アメリアの部屋を抜け出して、あたし達のために用意されていた客室にちゃっかり帰ってきていた。 あんまりお気楽なその様子に、あたしは急に涙腺が緩みそうになり、なんとか堪えた。 「あははははは…」 力無く手を振って、隣の椅子に腰掛ける。 うーみゅ、こまった。こういうのは苦手だ。なんて言い出そうかな。 「えーと、あのね、ガウリイ」 「ん?」 「んと、あの、依頼うけることにしたわ」 「そーか」 「理由、…聞きたい?」 「んー、ま、お前が話してもよけりゃ、な」 あたしは水色の瞳を見上げ、それから、大きく息を吐いた。 先刻のアメリアの気持ちが、少しだけ分かった。 このての話題は、タイミングを掴めないと、ひたすら言い出しにくいのだ。 ゆっくりと、口を開く。 「ゼルがね、…死んじゃったんだって」 「へ? ゼルって、おい、…嘘だろ、あのゼルガディスか?!」 「おお! すごい、ガウリイってば、あのややこしい名前覚えてたのね!」 「お前なぁ…」 「いやー、ごめん、よく覚えてたなーと思って、つい」 「いくら俺でも、アメリア見たら思い出すぞ。あいつら、いつも二人でセットだったろ」 うーん。なかなか鋭いところをついてくる。 というか、やっぱりそうだよなー、と納得してしまった。 あたしとガウリイがそうであるように、あの二人もいつも一緒に行動していた。 何故だか息が合っていて、それがとても自然だった。 「そうか…、あのゼルが、かぁ………。んじゃあ、ひょっとして 海に沈めてくるってのは、アメリアのアミュレットの片割れなのか?」 「え!? ちょっと、ガウリイ、なんで知ってんのよ?」 「んー、なんとなく」 「なんとなくって…」 「あいつら、あれで、なんか約束してたんだろ。 俺、ゼルがあの石をすんごく大事そうに持ってるの、見たことがあったんだ」 「…………そっか……大事に、してたんだぁ…」 アメリアに教えてやったら、喜ぶだろうか。 でも、きっともう言わない方が良いのだろう。 すぐ傍にあったガウリイの肩に、あたしは、こつん、と頭を預けた。 「…ゼルがね、その海にいるんだって」 「そうか」 ガウリイが、ぽんとあたしの頭に手を置いた。 「あの子、自分の代わりにあのアミュレットを海に沈めて欲しいんだって」 「…そうか」 大きな掌は、固くて少し骨張っている。 その温かさがちょうど良くて、あたしは目を瞑って、頭を撫でられるに任せた。 「…あの子の願いを…叶えて…あげようね…」 あたしは言った。 「ああ、…頑張ろうな」 ガウリイが答える。 目を閉じたまま、あたしは、仲間達ではなく自分のことを考えていた。 もしもこの温もりを失ったら、あたしはどうするだろう。 たくさん泣くのだろうか。 たくさん泣いて、最後には、歩きだそうと思えるのだろうか。 人間は、生きて行かなくちゃいけない。 どんな悲しみに遭ったとしても、それで、死んでしまえる訳じゃない。 あたしも泣き止むのだろうか。 あたしも立ち上がって、笑ってみせるのだろうか。 それでも、生きる、と、言うのだろうか。 「あんたは、…………ゼルみたいにいっちゃわないでよ」 小さく呟くと 「お前もな」 と、頭の上から聞こえて、 その声音の温かさに あたしの目からは、ようやく涙が 溢れだした。 |
16602 | 蛇足 | 雨月かぐら | 2004/7/26 01:33:43 |
記事番号16598へのコメント …えーと ENDマークをつけ忘れていたことに、つい先程気付きました(汗)。 とりあえず、“3”まででおしまいです。 ここまで、お読み下さって、ありがとうございました。 お気が向かれた方は、感想など書き込んで頂けますと、雨月、小躍りして喜びますv どうぞ宜しくお願い致します。 |
16610 | 感動です。 | 風水 URL | 2004/7/28 21:48:05 |
記事番号16602へのコメント 始めまして、風水といいます。 もう感動しました。 ゼルガディスの死をのり越えて強くなるアメリア。 約束を守って帰ってきたゼルガディス。 たとえ本人自身は戻って来れなかったとは言え、ちゃんとアメリアのところへ帰ってきたんですね。(ジ〜ン) きっとこれからもあの石が代わりとなって、互いに一緒にいるんでしょうね。 涙が出そうになりました。 仲間思いのリナ&ガウリイ。 まさかリナがあそこで勿体無いと言うとは思いませんでした。 やはりリナはリナ。彼女らしい励ましかたです。 グリグリするのも「持ってなさい」って言ったのも、全部優しいと思いました。 ガウリイと二人で頑張って依頼を成功させて欲しいです。 と言いつつ実は最初に「生きてました」と書いてあったの見て 港で船に乗る前にばったり出くわしてそのままセイルーンへ逆戻りしたりしてな〜、とか思ってました。 それでは、失礼します。 |
16616 | ありがとうございますv | 雨月かぐら | 2004/7/30 01:14:33 |
記事番号16610へのコメント はじめまして。雨月かぐらと申します。レスありがとうございましたvv もう、どなたにもお読み頂けないかと諦めかけていたので すっっっっっごく嬉しかったです。 根が小心者なうえに、今回はネタもかなり問題有りでしたから、 反応がないのは、“また当分投稿は控えろ”という神の啓示に違いない、 とびびりまくっておりました。 続きが書けても、知人にしか見せないつもりでいたくらいです。 感想を頂けて、どれほど安心したことか、どうぞお察し下さいませ。 本当に ようやく人心地つけましたよ。ありがとうございますv >ガウリイと二人で頑張って依頼を成功させて欲しいです。 ……あははは(汗)。そうですね。書きかけの続きでは、リナがアミュレットをなくすところから話が始まったりしてますが。(笑) >港で船に乗る前にばったり出くわしてそのままセイルーンへ逆戻りしたりしてな〜、とか思ってました。 おおv素晴らしい勘です。●●●●で●●のゼルガディスとばったり出くわし、捕獲して真相究明した後、セイルーンへ引きずっていくお話です。 ●●ゼルガディスが書きたくて書いているのに、そこまで到達できるか不明なあたりが泣けますが。 もしも続きがかけて、風水さんのお目に止まる機会がありましたら、 また読んでやってくださいまし。 ところで、風水さんも、ゼルアメを書かれる方ですよね? こちらへ投稿なさったのも拝見しましたし、実は以前から何度かサイトにもお邪魔させて頂いています。 生粋のゼルアメ好きの私としては、新しいゼルアメサイト様が嬉しくてたまらず、楽しく拝読しておりました。 今後もどうぞ頑張って下さい。ビバ・ゼルアメv ではでは これにて失礼致します。 レス本当にありがとうございましたv |
16617 | なんとっ! | 風水 URL | 2004/8/1 21:09:25 |
記事番号16616へのコメント 雨月様こんばんは。 あんなしょぼくれた私の感想にそこまで言っていただいて、嬉し恥ずかしいです♪ 続きは知人様にしか見せないおつもりだったとな?! なんと勿体無い! 「当分投稿はひかえろ」なんて言う奴は神じゃなくて魔王ですよ!(あのいつもあとがきで酷い目にあってる愚か者。) 私のように感動した人は少なくとも50人以上はいるはずです!って言うか反ゼルアメの人だって感動しますよあれは!! 続きアミュレットをなくす所から始まるんですか? しょっぱなから大ピンチですね。本当にシャレにならないなぁ(汗) 私の勘少し当たってました?●●のゼルガディスとばったり、ですか。 何故か●●の部分を「生」と呼んでしまう愚かなわ・た・しv(気持ち悪い) もうぜひぜひセイルーンまで本当に引きずっていって欲しいです。 到着したころには擦り傷だらけだったり。 続きを見かけたら即行で拝見させていただきますvv 私もゼルアメ書きますですよ。 といってもハハハのハの字も出ないようなモンばっかりですけど。 こちらの投稿駄文読んでいただけたとは!恥ずかしくて死にそうです。(とか言いつつ嬉しい) その上サイトにまでお越しくださっていたとは! あんなゼルアメとか言いつつガウリイがでばっているのや何じゃこりゃ?みたいのばっかりでつくづくお恥ずかしいです。 それでは、雨月様の次回作を楽しみにしております。 |
16639 | 泣けます!!! | 琴見奈々 | 2004/8/18 02:31:12 |
記事番号16602へのコメント お久しぶりになります。 以前羅琴みつきの名で『笑う月』に感想を書かせていただいたものです。 今は琴見です。改めまして。。 実は私、雨月さんの大ファンなのです(><)!! もうすこしでこのお話を見逃すところでした…投稿から時間が空いてしまったので気付いていただけるか不安なんですが;;; 雨月さんのお話は、悲しいし、読んでて切ないけど、ただ悲しくて終わっちゃう話じゃないんです(いや私が断定してますが)。 お話の中のアメリアはいつもとっても強くて。最後にはいつも立ち上がってもう一度笑ってくれる。ホントに強い子だなあって思います。 リナは一見すると外道なことも相手のために大声で言ってくれちゃったり。シリアスな場面でお金とか価値の話をするのはリナなりの誠意かな。 そういうのちゃーんとわかってて受け止めてくれるガウリィやもちろんゼル、アメリアは貴重な存在だと。 もうおもわず涙腺がゆるみました。 ステキなお話です。悲しいお話だけど、綺麗な話。笑う月の時も思いました。 てか生きているーーーーー!!!?? なんと!! それはぜひぜひ続きを!どうか!! いつまでも待っていますーー!! では、また雨月さんのお話に会える日を祈って。(あう…微妙な長さでごめんなさい |
16686 | おそくなりまして(汗) | 雨月かぐら | 2004/8/22 01:10:07 |
記事番号16639へのコメント こんばんは、琴見さん。二度目ましてvの雨月でございます。 お返事遅くなって、申し訳ありませんでした。 >以前羅琴みつきの名で『笑う月』に感想を書かせていただいたものです。 ああっ!二年も前の投稿作品を覚えていてくださる方がいたなんて!!(涙) 感動でした。本当にありがとうございます!! 嬉しくて嬉しくて、何度となく頂いたレスを読み返してしまいました。 (…って、それでレス返しが遅れていれば、世話はないんですが(汗)。) …ああ、勇気を出して久しぶりに投稿させて頂いて、本当に良かったです。 琴見さんのこのお言葉だけで、投稿ボタンを押す時のあの緊張(小心者なので) が、もうすっかり報われて、更に幸せのオマケがついて帰ってきたような心持ちでした。 >実は私、雨月さんの大ファンなのです(><)!! >もうすこしでこのお話を見逃すところでした…投稿から時間が空いてしまったので気付いていただけるか不安なんですが;;; わっ。また有り難いお言葉を。えと。えと。ありがとうございます! こちらこそ、お返事遅くなってしまって、ごめんなさい。 これで、遅すぎたために、万一琴見さんのお目にとまらなかったりしたら、 悔やんでも悔やみきれないところです。 >お話の中のアメリアはいつもとっても強くて。最後にはいつも立ち上がってもう一度笑ってくれる。ホントに強い子だなあって思います。 …ううっ。また雨月を喜ばせるようなお言葉を(感涙)。 そう読みとって頂けると、本当に書き手冥利に尽きます。 時折り筆が滑って、ついついイタイ場面ばかり書き込むこともありますが、 何があっても最後は笑って立ち上がる強いキャラクターであるように、と 願いながら書いています。 根底にあるのはおそらく只の死にネタ好き(苦笑)なのですが、 悲しみだけに眼を塞がれて、押し潰されてしまわないように、と それが、譲れない一線としてあるのでしょう。。 だから、琴見さんのお言葉は、とても嬉しかったのです。 繰り返しになりますが、本当にありがとうございましたv >では、また雨月さんのお話に会える日を祈って。 続き(もしくは全く新規の投稿)は、ひょっとしたら、 また年単位で先のことになってしまうかもしれませんが その時も、琴見さんにご覧頂ければ、幸いです。 またお会いできるよう、私も祈っていますねv |
16664 | お、遅ればせながら……ぐしぐし | 忍野G | 2004/8/20 16:54:03 |
記事番号16602へのコメント 気付くのも遅けりゃ、レスも遅くて申し訳なさ爆発です。 よ、読ませて頂きました……読み終えた瞬間から胸きゅーです。 アメリアの言葉や行動からは、痛いほど切なさが伝わって、 リナのアメリアを思う気持ちも、ガウリイの優しさも、 もうもう、ホントに見事に彼ららしく…… なんと言いますか、実際にあったことのように胸が詰まりました。 タイミングがはかれず、言い出せない機微とか、その間が…… 情感の間が素晴らしくて……う、うまく伝えられねーよ!(涙) そして、ものを言わないふたつのアミュレットに、 言葉にならないイロイロをかき立てられて、マジで泣けます。 不思議と辛さより切なさを感じるお話でした。 が。 つ、続き……書いて下さい! 読ませて下さい! ぜひぜひぜひ! 私は雨月かぐらサマの文が大好きなんですよ! ごごご存知ですよねッ!? たとえ死にネタであろうが(いやそれが本分とかいう噂はさておき) なんであろうが読む度に胸に迫る内容、 そして流れるような文体そのものに惚れ込んでおります。 ぜっっったいに読むんです! だから是非……(ぐっ!) しかも、この続きはなんとしても読みたいです……うう。 こんな遅くにレスしながら我が儘かも知れませんが、 ホントの本気で、待つなといわれても続きお待ちしてます。 久しぶりの美味文、大いに感動しましたた。 ありがとございます、ありがとございますーーーー! そしてどうか続きをよろしく………!(←しつこい) |
16687 | こんばんはv | 雨月かぐら | 2004/8/22 01:48:47 |
記事番号16664へのコメント こんばんはv わー、忍野さんだーvvv 感想ありがとうございましたv …え、えと過分なお言葉を頂きまして、恐縮です(汗)。 おそらくまともに書くのは初めてだと思われるガウリイとリナを “らしい”と仰って頂いて、ちょびっと肩の荷がおりました。 実は、かなりドキドキだったのです。 ゼルアメ以外、ほとんど登場させたこともなかったですから、自分(苦笑)。 >私は雨月かぐらサマの文が大好きなんですよ! >ごごご存知ですよねッ!? えええええっ!?そうだったんですか! うわわわわっ(汗)。 こ、光栄です(汗)。ありがとうございますです(ふかぶか)。 >たとえ死にネタであろうが(いやそれが本分とかいう噂はさておき) 噂の根源には、常にOさんの影が見え隠れしているような気がして ならないんですが、私の考えすぎでしょうか(笑)。 一応、今回は、中盤から“生きていた”になる予定の話ではありますが、 続きが書き上がらなければ、所詮只の死にネタ(苦笑)。 毎度代わり映えのしない内容で、申し訳ありません。 >そしてどうか続きをよろしく………! いやその…イロイロ書きかけで放ってあるものも多いので あまり期待なさらず、気長にお待ち頂ければ幸いです。 ご存知かもしれませんが、年単位の時間をかけてまだ終わらない、 なんてこともまま有りますので、その際はどうぞご容赦下さいませ。 ではでは レス、本当にありがとうございました。 忍野さんの作品をこそ、こちらもお待ちしておりますv |