◆−契約(ルクリナ)−瑞茅桜璃 (2004/8/23 01:02:42) No.16699 ┣待ってましたvv−竹内 恵 (2004/8/23 09:05:20) No.16700 ┃┗有難うございますv−瑞茅桜璃 (2004/8/25 00:43:58) No.16717 ┣読んじゃいました!−朱音 (2004/8/23 09:32:01) No.16701 ┃┗読んじゃってくださいv−瑞茅桜璃 (2004/8/25 00:56:56) No.16718 ┣Re:契約(ルクリナ)−水無瀬 音 (2004/8/23 16:04:44) No.16704 ┃┗ありがとうございます。−瑞茅桜璃 (2004/8/25 01:08:43) No.16719 ┣Re:契約(ルクリナ)−アラン・カミング (2004/8/23 18:31:46) No.16705 ┃┗そりゃぁ…(苦笑い−朱音 (2004/8/23 18:54:31) No.16706 ┣密約−瑞茅桜璃 (2004/8/25 01:51:01) No.16720 ┃┣また読んじゃいましたv−朱音 (2004/8/25 18:42:43) No.16728 ┃┃┗また有難うございますv−瑞茅桜璃 (2004/8/28 01:16:04) No.16758 ┃┣初めまして−久世啓 (2004/8/26 00:35:50) No.16736 ┃┃┗きゃー初めまして!−瑞茅桜璃 (2004/8/28 01:26:52) No.16759 ┃┗リナ、人外にもてますねぇv−竹内 恵 (2004/8/26 08:54:34) No.16739 ┃ ┗人外に(も)モテモテですv−瑞茅桜璃 (2004/8/28 01:36:52) No.16760 ┗背約−瑞茅桜璃 (2004/8/28 01:37:31) No.16761 ┣どうもです!−朱音 (2004/8/28 12:04:16) No.16764 ┃┗ありがとうございますv−瑞茅桜璃 (2004/8/30 23:37:57) No.16783 ┗夏休みが・・・−水無瀬 音 (2004/8/31 07:38:37) No.16784 ┗終わってしまいましたね...−瑞茅桜璃 (2004/8/31 23:42:09) No.16796
16699 | 契約(ルクリナ) | 瑞茅桜璃 | 2004/8/23 01:02:42 |
こちらでは初めまして。近頃投稿小説1の方に出没していますが、2の方がルクリナが熱かったので挑戦してみる瑞茅です。(1だと未完結な連載が2つもあるという理由も無きにしも非ず) 一応ルクリナのつもりなんですが……ただのコンビ話のような気も(汗)開き直ってルクリナです!と主張してみましょうか。 * * * * * 各自が自室に引き上げてから大分時間が経っている。 階段を下りてくる音に、目つきの悪い黒髪の男は若干眉を顰める。 そんな男の様子に笑って女は隣の椅子を引いた。 「どうかしたのかい?リナさんよ。」 「まあちょっと、ね。」 なにかシリアス気な雰囲気を感じ取りルークは文句も憎まれ口もやめて席に着くリナが口を開くのを待つ。 隣に座ったということは話すことがあるのかもしれないが、だからといってわざわざ自分から聞く必要のある関係ではない。 小さなため息の後、リナは口を開きくるりと振り返った。 「おっちゃ〜ん。なんかあったかいもの頂戴!」 「今日の残りのシチューくらいしかないが、いいかい?」 「それでいいわ。よろしくっ。」 くるり、と前を向けばその顔はまたどこか憂いを帯びた真剣そうな顔ではある。 「ちょっと気になることがあるのよね。」 「……おまえ、そのノリどうにかならねーのか?」 ジト目で見やるルーク。 昔もよく言われたような気がするが、一言で跳ね除けてきた文句には当然返るのは一言だけだ。 「なんない。」 すっぱり。あっさり。ざっくり。 「はぁぁぁ。」 「ちょっと、そういう陰気なため息つかないでくれる?」 「何が陰気だ。ちったぁ考えろ!!」 「どうにかする気がないなら考えるだけ無駄でしょ。第一なんだってんなことしなくちゃなんないのよ。」 「疲れんだよそのノリは!!」 「歳なんじゃないの!?」 「だー俺はまだ……」 ダンッ。 「お客さん。シチューできましたけど。」 音量はたいしたことが無いが乱暴なその動作にピタリ、と動きを止めれば。 漫才じみたやり取りの間に手早く温めてよそってくれたシチューはほわほわと湯気を立てている。 人間食べ物を与えておけば静かになるもので――――いや。リナには逆効果になりかねないが―――夜は静かにとの忠告に引きつった笑みを返してあやまるだけ謝ったのだった。 とりあえず奪い合う人間もいないのでゆっくりと、まるで迷いを掻き混ぜてでもいるように。 ぐるぐるぐる。 途中引っかかる具を口に入れもせず、せっかくの温かいシチューはただかき回されている。 ぐるぐるぐる。 「シェーラ、笑ったのよね。」 それがリナの気になっていること。 落ち着く暇が無かったためによくよく考えずに数日が経ってしまったが、ずっと気になっていた。 あの笑みは一体なんなのか……? 「あの時、あたしは特別な事は何もしてないわ。」 「覇王将軍倒すのが特別なことじゃないねぇ。」 「そーいうつっこみはしない!」 「ほっほ〜う。図星を指されて都合が悪いのか。」 「違うわよっ!!まっまぁ魔族倒すのは日常茶飯事だけどね。」 「やな人生だな、おい。」 「ほっとけ!ってーかあんたたちだって同類でしょーが。何人事みたいに言ってんのよ。」 決して自分だけが厄介ごとに巻き込まれているわけじゃないと主張すれば疑わしげな視線が返される。 たしかに厄介ごとは好きだが、こうもスケールの大きいものはリナといえどゴメンである。 やはりここは規模の小さなあたりでストレス解消、懐温かの盗賊いぢめに限る。 命を賭けるような戦いはレゾやフェブリゾだけで十分だ。 年中やっている高位魔族とことを構えるなどということはそれこそ命がけのような気がするが。 「話戻すけど。」 そういいつつ一口、シチューを口に入れる。 「とにかく今回シェーラの度肝を抜くようなことをやったのは……ルーク、あなたよ。」 ぴっとスプーンごと人差し指をルークに突きつけつつ言い放つ。 ガウリイがいれば人を指で指すなといらぬツッコミを入れるだろうが、幸いそういった点ではルークはシリアスな雰囲気を壊さない人間だった。リナの有無を言わせない雰囲気の所為もあったかもしれない。 思い当たることは、と赤い瞳が問う。 目の前に突き出された指をじっと見つめて、おもむろに取り上げた酒を流し込んでからひたとルークはその赤い瞳を意味ありげに見た。 「あんたの目、赤いよな。」 唐突なはずの言葉にギクリとリナは一瞬身を強張らせる。 赤――――その色は。 「思い当たることがありそうだな。」 口元に皮肉げな笑みを佩いて言うルークに、長い髪をくしゃりと掻き混ぜてリナは観念したように手を上げた。 軽い口調を装った、あまり信じたくは無い話。 信憑性はないようで、ある。途方も無いことだと言い切れないのは今までやってきたことと、その度に使ってきた呪文の所為か。 「昔、ミルガズィアさんに言われたことがあるわ。 ―――欠片かもしれないってね。」 「赤眼の魔王【ルビーアイ】」 こくり、とリナは一つ頷く。 言われたのはそう昔でもない。 ガウリイと彼女と後二人。もう一人は仲間というには信用が置けなく――――その前に人間ではないのだが――――ともかくも冥王の企みにたてつく為に竜たちの峰に行ったときのこと。 あのときのフェブリゾの目的は違った。 魔王の王であり、人間の母でもある”あれ”の呪文を唱えさせ、暴走させること。 正確にはそれによる世界の崩壊。混沌に帰ること。 あれは終わった。 けれどそれを否定する要素は、ない。 「あんたがそうだっていうの?」 「さあな。けどあのおっさんの話だと必要なのは魔王だろ。それに赤ってーなら俺も持ってるぜ?」 「どこによ。あんたの髪って黒いし目だってセピアでしょ?」 「あーこれな。」 つんつんと立っている髪に手をやって。 「ミリーナが嫌いだってーから染めてんだよ。本来は赤毛さ。」 「そーかい。」 勝手にやってろとでも言いた気に天井を仰ぐ。 「にしてもたかだか魔法剣の話から話がずいぶんとでかくなったもんだな……」 「あたしが魔王を倒したときはいきなし話が小さくなって、突然巨大化したんだからましってもんよ。」 それもそーか、と言って会話は途切れる。 ルークの酒もリナのシチューも減っていないが、ちびちびと口をつけるかつつきまわすくらいしかやるきを起こさせない。話題が話題だから致し方ないが…… 「もし……あたしが本当にそれだったら……止めてくれる?」 その意味は…… 『倒せ』と。 それは殺すことと同義。 「相棒に頼んだらどうだ?」 「ガウリイにやれってーの?」 呆れたように返せば、当たり前の様に返る。 「あいつならできるだろ?」 本当に人間が敵うかどうかなど分からない。 でも一度、三人でとはいえ倒した。 人間としておそらく最高の部類に入るだろう技術と精神力と武器を持つ彼にできないのなら他の誰でも無理なのではないだろうか。 ―――――リナの姉ちゃんは別とするが。 「ま、そうだけどね。 けどそれってあたしが死にたいって思ったときでしょ。」 そうでなければ仮にも魔王が倒されるわけが無い。油断をしていたとしても人間と魔族では器が違いすぎる。希望があるのは魔王になったとして、リナ・インバースの意識の欠片が残っていて、それが終焉を望んだときだけだ。 「それにガウリイは傭兵とは思えないくらい情が厚いのよね……だから圧倒的に分が悪いのよ。」 ガウリイは旅の初めがそうであったように人のことを子供扱いして、そのうえ心配だと護衛を買って出るような兄ちゃんである。 善人はいたら見てみたいと常日頃思っているが、彼以上のお人よしは生憎と見たことが無い。 もちろんあくまでお人よしなのであって善人だとは言わないが。そんなものは人の価値観で決まることだ。 「で、俺か?」 「そ。その点あんたならそんな遠慮しないでしょ。」 あまり常日頃仲の良い仲ではない。口喧嘩が耐えないし、そもそもガウリイと比べるなら一緒にいる時間というやつが極端に短い。ここ最近は一緒に行動していたが、以前のゼルガディスやアメリアたちと旅をしていたときの様な関係ではなかった。 だから、という訳じゃない。 似ているから。同じ理由をもっているから。 きっと割り切れるのじゃないかと思う。 そういう形の―――――信頼。 「じゃ、俺がそうなったらあんたがやってくれるのかい?リナさんよ。」 「やってあげてもいいわ。」 面白そうに方眉を上げてみせるルークに唇を吊り上て答える。 「契約成立ってね。」 突き出したリナの右手に、自分の手の代わりに酒の並々と入った杯を渡す。 「へぇ?あんたは未成年は駄目って言わないのね。」 「俺が飲んでたのももっと餓鬼の頃からだしな。それにあんたこれが初めてってわけでもないだろ?」 「まあね。あたしの故郷は葡萄の産地だもん。葡萄酒くらいなら子供のときから飲んでるわ。」 「で、前後不覚になるわけか。」 「そこまで弱くないわよっ!ただちょっと呂律が回らなくなるけど意識はしっかりしてるもの。一見しっかりしてるように見えてまったく記憶が無い奴よりまともよっ!!」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「……ガウリイさんかよ……」 「よく分かったわね。」 「記憶が無いっていったらそれしかねーだろーが。」 そうかもしれない。というより確かにそんな器用な酔い方をするやつも珍しい。 身近に一人いれば十分かもしれない。 「意外だな。あの旦那は強いと思ったんだけどな。」 「強いのは強いんじゃない?」 「じゃないって……いい加減だな、おい。」 「少なくともあたしよりは強いわよ。」 ひょいっと肩を竦めるリナはなるほど酒にあまり強くないのだろう。すでに顔が若干赤い。 これでは一緒に飲むことがあるとしても相手の強さなど分からないものだ。 それでもちびちびと酒瓶を開けていき。 「あたしは殺してなんて言わないわ。」 ぽつり、と零した言葉にルークは何も言わずただ杯を傾ける。 だって言いようが無いではないか。 「死にたくないし、他人任せで終わらせたくなんかないもの。」 「そうやって言える内は大丈夫だろ。」 「あんたは?」 面食らったような顔でリナをまじまじと見てから考え込むその顔は妙に頼りない。 彼には彼女ほど確たるものを持って生きているわけではない。 だから酔っていても真っ直ぐに強い証を見つけて。 「まっ俺もそうだな。」 ほんの少し和らいだような笑みを浮かべ。 「ミリーナが素直に俺の愛を受け入れてくれるまで死ねねーな。」 なら、と笑う彼女の笑みも柔らかく。 「一生無理なんじゃない?」 |
16700 | 待ってましたvv | 竹内 恵 | 2004/8/23 09:05:20 |
記事番号16699へのコメント まさか貴方様がルクリナを書いてくだされとは思いませんでした! 視界にこの小説のタイトルが入ったときはすぐに飛びつきましたvv >こちらでは初めまして。近頃投稿小説1の方に出没していますが、2の方がルクリナが熱かったので挑戦してみる瑞茅です。 あ、熱い・・・。そう見えますか? 嬉しいですvv >「あんたの目、赤いよな。」 > >唐突なはずの言葉にギクリとリナは一瞬身を強張らせる。 >赤――――その色は。 このセリフにどきりとしました。シリアスなこの二人も素敵です(悦)。 >「どこによ。あんたの髪って黒いし目だってセピアでしょ?」 >「あーこれな。」 >つんつんと立っている髪に手をやって。 >「ミリーナが嫌いだってーから染めてんだよ。本来は赤毛さ。」 >「そーかい。」 >勝手にやってろとでも言いた気に天井を仰ぐ。 あはは。この二人だとやっぱりシリアスもギャグになりますねぇ。 >「契約成立ってね。」 > >突き出したリナの右手に、自分の手の代わりに酒の並々と入った杯を渡す。 駆け引きの仕方が大人です・・・。 >「……ガウリイさんかよ……」 >「よく分かったわね。」 >「記憶が無いっていったらそれしかねーだろーが。」 > >そうかもしれない。というより確かにそんな器用な酔い方をするやつも珍しい。 >身近に一人いれば十分かもしれない。 ガウリイさん。珍物あつかいされてますよ(笑)。 >ほんの少し和らいだような笑みを浮かべ。 > >「ミリーナが素直に俺の愛を受け入れてくれるまで死ねねーな。」 > >なら、と笑う彼女の笑みも柔らかく。 > >「一生無理なんじゃない?」 面白かったです。二人の微妙な関係と進んでいるようで よく別の方向に行く会話がまた素敵ですvv 素晴らしい小説をありがとうございました。 |
16717 | 有難うございますv | 瑞茅桜璃 | 2004/8/25 00:43:58 |
記事番号16700へのコメント そこまで反応してくださって嬉しいです〜あまりにも恋愛色がないのでルクリナと銘打つのに少々躊躇ったのですが、お優しい反応でほっとしております(笑) >>「どこによ。あんたの髪って黒いし目だってセピアでしょ?」 >>「あーこれな。」 >>つんつんと立っている髪に手をやって。 >>「ミリーナが嫌いだってーから染めてんだよ。本来は赤毛さ。」 >>「そーかい。」 >>勝手にやってろとでも言いた気に天井を仰ぐ。 > >あはは。この二人だとやっぱりシリアスもギャグになりますねぇ。 なります、なります!!ルークとリナは仲良きかなな口喧嘩、というイメージがあるのでシリアスでもギャグ要素は必要かな、と。 というかギャグなしのこのネタは救いが無い…?どちらかといえばこの二人には明るくいて欲しいのですが、私の力ではこれが精一杯でした。なので愛と笑は竹内さんたちのお話で供給させて頂いています(笑) >二人の微妙な関係と進んでいるようで よく別の方向に行く会話がまた素敵ですvv 公式設定からはまる人間なので原作世界でミリーナとガウリイがいるとどうしても微妙な関係になってしまうのですが、らしくルクリナな会話が書けるように精進いたしますわv それではレス、どうもありがとうございました。 |
16701 | 読んじゃいました! | 朱音 E-mail URL | 2004/8/23 09:32:01 |
記事番号16699へのコメント はじめまして、朱音(しゅおん)です! 最近ルクリナ話が増えて嬉しいですv(←お前も書いてるだろ >こちらでは初めまして。近頃投稿小説1の方に出没していますが、2の方がルクリナが熱かったので挑戦してみる瑞茅です。(1だと未完結な連載が2つもあるという理由も無きにしも非ず) …私のせいか…?(←たぶんそれもある >一応ルクリナのつもりなんですが……ただのコンビ話のような気も(汗)開き直ってルクリナです!と主張してみましょうか。 ルクリナはコンビでもいいのです!(ぇ? >くるり、と前を向けばその顔はまたどこか憂いを帯びた真剣そうな顔ではある。 > >「ちょっと気になることがあるのよね。」 >「……おまえ、そのノリどうにかならねーのか?」 一生直らないと思います(キッパリ >「なんない。」 ほら(笑 >ダンッ。 >「お客さん。シチューできましたけど。」 おぉ、ナイスタイミングです! >「シェーラ、笑ったのよね。」 >それがリナの気になっていること。 >落ち着く暇が無かったためによくよく考えずに数日が経ってしまったが、ずっと気になっていた。 って事は十二巻の少し後なんですか… >「あんたの目、赤いよな。」 うっ…(←何故お前が反応する? >唐突なはずの言葉にギクリとリナは一瞬身を強張らせる。 >赤――――その色は。 ルビーアイの象徴(←言うな >軽い口調を装った、あまり信じたくは無い話。 普通信じたく無いですよ。 >信憑性はないようで、ある。途方も無いことだと言い切れないのは今までやってきたことと、その度に使ってきた呪文の所為か。 たしかに人間業じゃないですしね… >「昔、ミルガズィアさんに言われたことがあるわ。 ―――欠片かもしれないってね。」 欠片… >「赤眼の魔王【ルビーアイ】」 あうぅぅ十五巻の記憶再来…(汗 >「あんたがそうだっていうの?」 >「さあな。けどあのおっさんの話だと必要なのは魔王だろ。それに赤ってーなら俺も持ってるぜ?」 あ〜あれですね。 >「にしてもたかだか魔法剣の話から話がずいぶんとでかくなったもんだな……」 >「あたしが魔王を倒したときはいきなし話が小さくなって、突然巨大化したんだからましってもんよ。」 ……確かに…(汗 >―――――リナの姉ちゃんは別とするが。 姉ちゃんはある意味人ではありませんから(滝汗 >そうでなければ仮にも魔王が倒されるわけが無い。油断をしていたとしても人間と魔族では器が違いすぎる。希望があるのは魔王になったとして、リナ・インバースの意識の欠片が残っていて、それが終焉を望んだときだけだ。 …ううぅぅぅ…(半泣き >「そこまで弱くないわよっ!ただちょっと呂律が回らなくなるけど意識はしっかりしてるもの。一見しっかりしてるように見えてまったく記憶が無い奴よりまともよっ!!」 …そういえば二巻以降二人で酒飲んだ、って話聞きませんね…(関係ない >「記憶が無いっていったらそれしかねーだろーが。」 わ〜ガウリイなんだか哀れ…とは思わないですけど(どっちだ >そうかもしれない。というより確かにそんな器用な酔い方をするやつも珍しい。 >身近に一人いれば十分かもしれない。 …確かにたくさん居たらかなり面倒…(汗 >「ミリーナが素直に俺の愛を受け入れてくれるまで死ねねーな。」 ……え……… >なら、と笑う彼女の笑みも柔らかく。 > >「一生無理なんじゃない?」 …すごいです…ルクリナでシリアスで始まりシリアスに終わるってのが…どうも書けないんで… では失礼します! |
16718 | 読んじゃってくださいv | 瑞茅桜璃 | 2004/8/25 00:56:56 |
記事番号16701へのコメント 朱音さん初めまして。ルクリナが熱いのはずばり貴方様方の御陰だと思っております!嵌りたてですが頻繁に読めて嬉しいですわv >>「シェーラ、笑ったのよね。」 >>それがリナの気になっていること。 >>落ち着く暇が無かったためによくよく考えずに数日が経ってしまったが、ずっと気になっていた。 >って事は十二巻の少し後なんですか… はい。十二巻の少し後というか十三巻の最初の方というべきか…そのあたりの時間です。 >…すごいです…ルクリナでシリアスで始まりシリアスに終わるってのが…どうも書けないんで… 有難うございます。私はどうにもシリアスしか書けないというかで…むしろ愛あり笑いありシリアスありの朱音さんたちのお話を楽しく読ませていただいています(ここで主張しても…) それでは突っ込みの効いたレス有難うございました!自分で書いておいてなんですが、暗い話が楽しく見えました(笑) |
16704 | Re:契約(ルクリナ) | 水無瀬 音 | 2004/8/23 16:04:44 |
記事番号16699へのコメント 読ませていただきました。 二人の駆け引きの様子がカッコ良かったです。 >>「もし……あたしが本当にそれだったら……止めてくれる?」 >その意味は…… >『倒せ』と。 >それは殺すことと同義。 >「相棒に頼んだらどうだ?」 >「ガウリイにやれってーの?」 >呆れたように返せば、当たり前の様に返る。 >「あいつならできるだろ?」 >本当に人間が敵うかどうかなど分からない。 >でも一度、三人でとはいえ倒した。 >人間としておそらく最高の部類に入るだろう技術と精神力と武器を持つ彼にできないのなら他の誰でも無理なのではないだろうか。 シリアスな二人。やっぱり大人なんですね・・・。自分を倒せと言えるあたり・・・。 ある意味、ガウリイとの関係よりも親密な気がします。 >「ミリーナが素直に俺の愛を受け入れてくれるまで死ねねーな。」 > >なら、と笑う彼女の笑みも柔らかく。 > >「一生無理なんじゃない?」 あ、やっぱりリナとルークはこうでなくちゃ!とここでは思いました。 見てて自分も楽しかったです。 |
16719 | ありがとうございます。 | 瑞茅桜璃 | 2004/8/25 01:08:43 |
記事番号16704へのコメント 初めまして、瑞茅と申します。 読んでくださって有難うございます。 >シリアスな二人。やっぱり大人なんですね・・・。自分を倒せと言えるあたり・・・。 >ある意味、ガウリイとの関係よりも親密な気がします。 はいvルクリナですからガウリイよりも親密に、を目標に(笑)魔王さまを秘めているかもしれないという同属意識というか似たもの同士というかそんな感じに信頼感があって親密になってくれたらな、と夢見た結果ともいえます。 >>「ミリーナが素直に俺の愛を受け入れてくれるまで死ねねーな。」 >> >>なら、と笑う彼女の笑みも柔らかく。 >> >>「一生無理なんじゃない?」 > >あ、やっぱりリナとルークはこうでなくちゃ!とここでは思いました。 >見てて自分も楽しかったです。 ありがとうございます〜暗いかな、と思っていたので楽しいと言っていただけて凄く嬉しいです。やはりルークは本心はどうあれ「ミリーナ」関連の台詞がある方がらしいかなと。ルクリナと銘打ってはいますが完全にくっついた状態とは違いますし。 …だから甘くならないのかしら?と今少し思いましたが(笑) それではレス、有難うございました。 |
16705 | Re:契約(ルクリナ) | アラン・カミング | 2004/8/23 18:31:46 |
記事番号16699へのコメント こんちいはぁ〜はじめまして!! 竹内 恵さんと朱音さんはどこかでお会いになりませんでしたか?? |
16706 | そりゃぁ…(苦笑い | 朱音 E-mail URL | 2004/8/23 18:54:31 |
記事番号16705へのコメント >こんちいはぁ〜はじめまして!! はじめまして!朱音です! >竹内 恵さんと朱音さんはどこかでお会いになりませんでしたか?? ふふふふふ(怪しすぎ 下に書きまくってるので名前は見たことある筈です(苦笑い でも直接(?)話すのは初めてですよ? ではこんな所で連絡(?)してしまいすいません。 失礼します! |
16720 | 密約 | 瑞茅桜璃 | 2004/8/25 01:51:01 |
記事番号16699へのコメント 赤い闇が確かに見えた。 〜密約〜 自分の中になにかがいるのは昔からある程度知っていた。 あまり褒められた人生を歩んできてはいないが、そのたびに濁りの様にある闇は暗殺家業などしていればよくあるものだと思っていた。 事実、ある一時期はまったくその闇はなりを潜めていたからよもやあんなものだとは思わなかった。 違うと知ったのは極最近。 予感はあのとき―――あいつの懸念を聞いたとき。 ミリーナが死んでからはその闇は強くなる一方だ。 多分、あと一歩踏み込まれたら―――飲まれる。 着実に歩み寄る赤い闇の影が見える。 それを見たくないと思えば、あいつの銀の代わりに思い出す赤。 髪ではない。酷く印象的で、自分と唯一の接点の瞳。 魔王の色。 「らしくねぇなぁ」 呟いて唇の端を吊り上げて見せる笑みはあいつと口喧嘩するときのような不敵な、どこかほほえましいもの。ミリーナがいれば何が楽しいのかと聞いてくるくらいに楽しそうなのだろう。 なんだってあんなチンシャクを思い出して、あまつ和むのか分からないが僅かにいつものスタンスを取り戻す。 同じ赤。同じ魔王の色。 なのにつかの間でも振り払ってくれるというのは…… 「さすがドラマタ。」 口に出せば『なによ、釣り目。空回り男』とでも返ってきそうだとくつくつと笑いを零し、おもむろに顔を引き締めて”それ”を呼ぶ。 賭けを申し込むために。 「おい。」 深く、深く。己の闇に。 呼びかける声は届いたらしい。 ――――我に気づいたか、人間よ。 「んなところにいたら誰だって気づくだろうよ。」 ―――存外気づかぬものぞ。 男とも女とも、老いているとも若いとも言い難い。 まあ魔族というものは本来精神世界に本体を置くものであり人型というのはわざわざ作るものだというから如何様にも変質するのだろうが。 ―――我と同化するか、我に飲み込まれるか。我の器として選ばせてやろう。 「いや。その前に一つ、聞きたい。」 冗談じゃないとつっぱねるところを曖昧にぼかして。 ふわりと揺れる茶色の髪。小柄な肢体に勝気な笑みを浮かべる女をを思い浮かべる。 魔王は己の中にいるのだ。思えばそれを読み取ることなどたわいも無い。 「あいつはお前の欠片かい?」 ――――水竜王の封印は強固。人間の中にある我を知るすべは無い。 「まあ確かにずいぶんと弱ってるってぇ話だしな。」 ――――七分の一とはいえ魔王によくも言えることだ。 「一応この体の主は俺だからな。」 ――――我を拒む、と? 「いいや。こいつは俺にとっちゃあ伸るか反るかの賭けなんだよ。」 人として終わるか、魔王として進むか。 どちらにしろ同化以外の道は残ってはいない。 この闇を抱えている限り長く誰かと一緒にはいられない。かといって一人でいるには長いことは耐えられない。 意識の欠片も残さずに魔王に取り込まれるのは困る。 ……あいつが目の前に現れるまでは。 あいつのためになんて言うのは冗談じゃないが、魔王相手に喧嘩を売ろうというのだから条件はそろえておかなくてはならない。 あいつが契約を果たさないという選択肢はこれっぽっちもなかった。 そのためには必要な自我。 「あんたもあいつと戦いたいんだろ?だったら丁度いい。それまで俺を残しておけ。」 魔王が読み取れるならその逆も可能。自分から読み取った魔王の欠片の思念にあいつを見つけてそう願う。 戦いたいと願ったのは二年前あいつに滅ぼされた一つの欠片。 「それが条件だ。」 それに実体は無いが、睨み合っているかのような緊張。 冷たい汗が背を伝うがそれは引けない境界線。 やがて…… クツリ、と闇が笑んだ。 ―――お前もあの娘に焦がれるか。 「ちょっと待て!なんじゃそら。」 ―――我も確かにあれに焦がれる。 「ふざけんなっそれも止めろ!!」 くつり、くつり。 何が楽しいのか笑う魔王。 ずるり、ずるり。 這い上がる闇。 ちらつく赤に振り払いたい気が少し擡げるが、終わってしまえばそれはそう悪くも無い。 もともと自分の中に眠っていたものだ。表面に出てこようとも何か変わるものがあるわけでもない。 そう。今までと同じ。ただ、その意思が同化しただけ。口から零れる言葉も載せる笑みもどちらのものでもあるということだけだ。 「お前と我は同じ」 ――――その言葉、忘れんなよ。 * * * * * ルクリナというかルーク→リナ。むしろ魔王→リナかもしれないと思わずにはいられないような気も…ルークの心理を覗き込みからかう魔王さま、という話だったはずなのですが(ちょっと違う)。 ちなみに色々と捏造ありに原作をパロってルクリナハッピーエンドな終幕を目指しつつ、短編連作で全4作予定です。などと宣言するのは夏休みも終わるというのに自分の首を絞めているような気がしてなりません(笑) |
16728 | また読んじゃいましたv | 朱音 E-mail URL | 2004/8/25 18:42:43 |
記事番号16720へのコメント こんばんは!朱音です! おぉっ!続き物! 早速読ませていただきました。 >着実に歩み寄る赤い闇の影が見える。 部下S… >それを見たくないと思えば、あいつの銀の代わりに思い出す赤。 >髪ではない。酷く印象的で、自分と唯一の接点の瞳。 >魔王の色。 リナ…ですね… >魔王が読み取れるならその逆も可能。自分から読み取った魔王の欠片の思念にあいつを見つけてそう願う。 おぉ、なるほど←考えもしなかった(ぉぃ >戦いたいと願ったのは二年前あいつに滅ぼされた一つの欠片。 確かに言ってましたね… >―――お前もあの娘に焦がれるか。 うん? >「ちょっと待て!なんじゃそら。」 > >―――我も確かにあれに焦がれる。 え? >「ふざけんなっそれも止めろ!!」 > >くつり、くつり。 > >何が楽しいのか笑う魔王。 …からかってますね? >ルクリナというかルーク→リナ。むしろ魔王→リナかもしれないと思わずにはいられないような気も…ルークの心理を覗き込みからかう魔王さま、という話だったはずなのですが(ちょっと違う)。 どっちでもいいですv(マテオイ >ちなみに色々と捏造ありに原作をパロってルクリナハッピーエンドな終幕を目指しつつ、短編連作で全4作予定です。などと宣言するのは夏休みも終わるというのに自分の首を絞めているような気がしてなりません(笑) ふむふむ。それも面白そ…もとい、楽しめそうですv 夏休み…もはや諦めてます、私(諦めるな!by良心及び理性 では失礼します! |
16758 | また有難うございますv | 瑞茅桜璃 | 2004/8/28 01:16:04 |
記事番号16728へのコメント 朱音さんこんばんはv瑞茅です。 >>魔王が読み取れるならその逆も可能。自分から読み取った魔王の欠片の思念にあいつを見つけてそう願う。 >おぉ、なるほど←考えもしなかった(ぉぃ 適当に考えました。というか捏造しました。えっだって魔王さまだけが読み取れるのは不公平〜器はルークのなのに。という軽いノリで(笑) ルークをからかう魔王様が伝わったようで嬉しいです。 そんなこんなな原作15巻を思い切り無視ったものになりそうですが、少しでも楽しんでいただけるように頑張りますv 夏休みは…諦めるわけにはいかないんです(泣)浪人はできない!! 朱音さんもがんばってくださいませね。 ではでは。 |
16736 | 初めまして | 久世啓 E-mail URL | 2004/8/26 00:35:50 |
記事番号16720へのコメント 初めまして。とても面白く読ませて頂きました。 きっちり原作ベースで書いてらして、すごいですね。 リナとの契約や魔王との会話で、ルークがなんかかっこいいですね〜。 2本まとめての感想でごめんなさい。 全4作との事で、続きを待ってます。 近頃急にルークリナが増えて、嬉しくてたまらない久世啓でした。 |
16759 | きゃー初めまして! | 瑞茅桜璃 | 2004/8/28 01:26:52 |
記事番号16736へのコメント はっ初めまして瑞茅です。感想ありがとうございます!! 題名のきゃーは感激・感動のきゃーでございます。ガウリナ一筋だったころに放浪して初めてルクリナに出会った記念すべき作品を書かれた方だと後で知ったので… >リナとの契約や魔王との会話で、ルークがなんかかっこいいですね〜。 ルクリナは格好よく、というかシリアスは格好よくを目指しているので嬉しいお言葉を有難うございました。 私も嵌りたてですがルクリナが頻繁に読めてほくほくな瑞茅でした(笑) |
16739 | リナ、人外にもてますねぇv | 竹内 恵 | 2004/8/26 08:54:34 |
記事番号16720へのコメント 竹内です。連載ものですか?! すごく嬉しいですvv いつもながらに ”まさに小説”というような作風が素敵です! シリアスなのに、いつも最後は笑いで閉めるあたりが、またなんともお上手です。 >「あんたもあいつと戦いたいんだろ?だったら丁度いい。それまで俺を残しておけ。」 > >魔王が読み取れるならその逆も可能。自分から読み取った魔王の欠片の思念にあいつを見つけてそう願う。 >戦いたいと願ったのは二年前あいつに滅ぼされた一つの欠片。 > >「それが条件だ。」 > >それに実体は無いが、睨み合っているかのような緊張。 >冷たい汗が背を伝うがそれは引けない境界線。 >やがて…… > >クツリ、と闇が笑んだ。 > >―――お前もあの娘に焦がれるか。 >「ちょっと待て!なんじゃそら。」 > >―――我も確かにあれに焦がれる。 >「ふざけんなっそれも止めろ!!」 > >くつり、くつり。 > >何が楽しいのか笑う魔王。 >ずるり、ずるり。 >這い上がる闇。 >ちらつく赤に振り払いたい気が少し擡げるが、終わってしまえばそれはそう悪くも無い。 >もともと自分の中に眠っていたものだ。表面に出てこようとも何か変わるものがあるわけでもない。 >そう。今までと同じ。ただ、その意思が同化しただけ。口から零れる言葉も載せる笑みもどちらのものでもあるということだけだ。 > >「お前と我は同じ」 >――――その言葉、忘れんなよ。 > ここで思い切り悶えましたvv まさか魔王と共鳴するとはおもいもしませんでしたよ。 >ルクリナというかルーク→リナ。むしろ魔王→リナかもしれないと思わずにはいられないような気も…ルークの心理を覗き込みからかう魔王さま、という話だったはずなのですが(ちょっと違う)。 >ちなみに色々と捏造ありに原作をパロってルクリナハッピーエンドな終幕を目指しつつ、短編連作で全4作予定です。などと宣言するのは夏休みも終わるというのに自分の首を絞めているような気がしてなりません(笑) 今回も面白かったですvv連載とは楽しみです。 |
16760 | 人外に(も)モテモテですv | 瑞茅桜璃 | 2004/8/28 01:36:52 |
記事番号16739へのコメント 竹内さんこんばんは。瑞茅です。 あはは…一話完結型の短編連作ですが…つながってしまします。基本的に連載が好きな人間なので。そして最後に挫折する…(苦笑) >いつもながらに ”まさに小説”というような作風が素敵です! >シリアスなのに、いつも最後は笑いで閉めるあたりが、またなんともお上手です。 ありがとうございます〜常々私が書くスレイヤーズものは恋愛色が薄く、暗く暗い(いやシリアスなのであたりまえ?)話になる傾向にあるので少しでも笑いが取れれば嬉しいです。 >まさか魔王と共鳴するとはおもいもしませんでしたよ。 リナを殺させたくないために魔王を自分から受け入れるルークと何気にリナが好きな魔王さまでこちらでも契約成立、な感じに共鳴された模様です(笑) それでは。感想ありがとうございました! |
16761 | 背約 | 瑞茅桜璃 | 2004/8/28 01:37:31 |
記事番号16699へのコメント さあ、始めようとあいつは言った。 〜背約〜 思いきりそれらしい格好をして、それらしいというかそのものな台詞を吐いた魔王は紛れもないあいつなのだと何故か分かった。 いや、分かった理由など事前にそれらしい会話をしていたからに他ならないが…… ガウリイは気づいているんだろうか? 『魔王』の正体に。 「なにもガウリイまで巻きこまなくたって十分じゃない。」 ちらりと剣と杖とでやりあう二人に視線を向けて、意識があるんだか無いんだかわからないけど、と若干の希望的観測でぐちりつつあたしは大地に魔力付加の魔法を掛ける。詠唱要らずの呪文のなせる業である。 呟きはガウリイには聞こえなかっただろう。本人に言ったら何を今更とでも言われるのだろうか。 自称保護者さまはあたしに降りかかる騒動をどうやら自分のものとしてみているようである。 まあ、ありがたいとは思うんだが心苦しいというものだ。 ――――そこ、らしくなーい。などと言わないように。 今回のことはルークとあたしの契約であって、彼には実は関係ないのである。ガウリイとあたしは二人で1パックでもなんでもないのだから。まあそんなことはガウリイは知らないし、魔王も人間の事情なんぞおかまいなしなのだろうが。 「あたし一人だってこんな至れり尽くせりなら契約くらい果たすってーの。」 くつり、と笑ったような気がした。 違和感―――――否。既視感。 ガウリイには聞こえないそれも魔王には聞こえたのだろう。耳からかは分からないが、相手は魔族である。伝わることにはなんら問題はない。 だが、なぜその言葉に魔王が笑む。 竜と同じく魔族の笑いの感性なんぞ知らないが、面白おかしい台詞を言ったつもりはない。 もちろんミルガズィアさんのギャグのあとのメフィのような笑い方や、シェーラの最後の笑みなどとは種類が別だが。 むしろあれは・・・・・・ おかしくてしかたがないという、あいつと同じ笑みだ。苦笑も含む。 「契約には保険というものがつきものだ。」 どうやってかやはりガウリイには聞こえぬよう返って来た台詞にしばし、あたしは考えて。 なんだ。と簡単な答えに行き着いて口を閉じる。 訝しげな気配を向けるガウリイは悪いが無視してびしっと魔王に指を突きつけた。 「あたしが契約した相手はあんたじゃないわ。」 あたしは魔族と契約したりなんてしない。 不死など興味もないし、限りある命だからこそ止まれないという感覚が人間だと思うからでもある。などとまあ色々と理由はあるが、あたしが交わす契約は依頼人との仕事関係と利害が一致するときだけだ。 つまり、それは人間と交わすもの。 だから『魔王』と契約したわけではない。それを果たすとき、もしくは破棄するときは契約相手がいるのが礼儀というものである。 「その悪趣味な仮面を取りなさいよ。 ―――――まだ、あんたがルークであるなら。」 その言葉に驚くものはない。 契約をしたのは別にこうなることを予想していたわけではない。 確証などなかったし、闇に落ちる気配もなかった。ただ己が欠片を抱いているかもしれないという僅かな不安要素としてあっただけ。 でも、あの時から――――ミリーナが死んだ時から、ルークが暴走した時からそれは現実味をぐっと増した。 それでも一生無理であって欲しかった。あの言葉が確かならよかったと思う。 実を言えば今回その覚悟はあった。 あいつが本当に魔王になってしまったというのなら倒すという――――殺すという。 それはあたしから言ったことだ。戯れに口にしたわけじゃない。 でも…… 「あたしのもっとーは悪人に人権はない、なの。」 ちなみにそれは魔族も然り。 人間を食事だごみだと思っているような輩にこちらも人権なんぞ認めてやる義理は無い。 けれど。 「目つきと口は悪いけどルークは悪人なんかじゃなかったわ。」 だからといって善人だとは言わないが、少なくとも人に無理やり低級魔族を憑依するような奴には怒りを覚えるし、きちんとけりをつけてやるような人道はある。……労働料代わりにお宝をくすねるくらいで悪人などといってはいけない。あれは正当な報酬であるし、そもそも悪人のお宝なのだからちょっとくらい貰っても問題ないはずである。 人のことを散々ガキだチビだとぬかしてくれるがとりあえず仲間と認めてくれているようなところもあった。 「だから却下。」 あっさりと言ったあたしの言葉に魔王は心底間の抜けた顔をした。 とりあえず戦い、という雰囲気ではない。まあ元凶があんなそんな顔をして、なおかつあたしがすっかり戦線離脱―――別の意味では戦闘モードである―――ではそうなるのが必死だ。残り一人、それもガウリイが顔を憶えているような相手に緊張感を彼に持ち続けろというのが無理な話である。 ガウリイは剣を収めることこそしていないが相手に敵意がないことを知っておとなしく引いて見守っていてくれるようだ。 「どういう意味だい?リナさんよ。」 声と口調だけがあたしの知るルークの物になり、それだけで『魔王』の圧力が和らいだ。 自然、上る笑み。 「あんたはレゾとは違う。」 七分の一を受け入れた今ならあのときの記憶もルークは持っているはずだ。言いたいことの意味を分かるはず。 賢者の石によって無理やり覚醒したわけではないからルークは魔王であってもルークでいられる。 そういうことなのだ。 いつかは飲まれるかもしれない。レゾは覚醒したときから『魔王』だった。 残っていたのは最後の小さな、魔王自身にも気づかれなかったような意識だけ。 そうなる前に、彼は闇を捕まえたのではないだろうか? あたしとの契約を果たすために。 ゆらり、と『魔王』が揺らぐ。 赤い宝玉が輝くだけの白い仮面が剥がれ、顔もまた見慣れた―――立った髪に、目つきの悪い兄ちゃんに変わる。 唯一つ違うのは髪の色。なるほど、彼が言っていた様にそれは見事な赤毛だった。 「ったくせっかく人がやり易い様に慣れねえ口をきいたってのに。」 「そういうのを余計なお世話っていうのよ。」 「意外とお人よしみたいだからな。」 肩を竦めて言われた答えは、否定しづらい上に実際前にゼロスに言われたことのある台詞だった。 ガウリイに頼まないのかと言われたとき、あたしは情が厚いから無理だと答えた。 ルークは大丈夫だろうとあたしは言ったが…… どうやらあたしは無理だと判断されたようである。 「魔王がんな配慮するんじゃないわよ。」 おもわずぐしゃぐしゃと髪の毛をかき混ぜる。 わかってはいたが本当に彼のままなのである。 これのどこが魔王なのだというくらい、ルークのままだ。 そう。 あたしが彼は魔族なのだと割り切れないくらいに。 「んなことするくらいなら魔王になんかなるんじゃないわよ。」 「なっちまったものはしょうがねーだろ。」 今更封じ込めることも、分離することも無理なことは力ある魔道士なら分かることだ。 それ以外の道は共存か、消滅か、だ。 だがしかし―――――甘い。 「受け入れたのなら分離も可能なはずよ。」 「んな無茶な……」 「根性よ根性!」 どこぞのヒロイックおたくのお姫様が好きそうな言葉を力いっぱい力説する。 実際あの子はゼロスなどという結構な上級魔族と会うたびに真人間になるように説得しはじめるのが挨拶という子であった。 よもやこのあたしがそんなそんな真似をするとは思わなかったが…… 正義を説くわけじゃないからましかもしんない。 「元々それってあんたの中にあったもんなんだからきっちりしまっておくってのが筋ってもんでしょ。」 「だから出てきたやつはしまえないんだって。」 「うっさい。あんたはまだルークなんだから。ただの魔王なんかじゃないんだから。」 だから。 「根性でどうにかしなさい。」 言い切った、あたしの言葉にルークは口元を吊り上げる。 「契約はどうしたよ。」 「あたしは今のあんたを倒す気はないわ。」 例えそれが契約を破棄することであっても。 例えそれで魔王が世に出たとしても。 溜息。 でもそれは疲れたものではなく。 「あんたにゃかなわねーな。」 ―――――また、その娘のために我は眠るか。 それに笑ったのはどちらか。 「根性だしてやるよ。」 言葉とともに、ばさりと赤が翻り―――――― 魔王の衣装は虚空に消えた。 * * * * * 今回はリナ視点で。思い切り原作15巻を無視っております(爆)いや、妙なところだけ忠実なような気もしますが…… 体調崩してペースダウンですが(というほど投稿していませんが)夏休みも残り2日。あと1話はちゃんとルクリナになるように頑張らないと…!! |
16764 | どうもです! | 朱音 E-mail URL | 2004/8/28 12:04:16 |
記事番号16761へのコメント こんにちは!朱音です! わぉ三つ目だっ!早速読ませていただきました。 >どうやってかやはりガウリイには聞こえぬよう返って来た台詞にしばし、あたしは考えて。 ガウリイ…なんか蚊帳の外に置かれてますね。まぁいいですけど(いいんだ… >あいつが本当に魔王になってしまったというのなら倒すという――――殺すという。 >それはあたしから言ったことだ。戯れに口にしたわけじゃない。 >でも…… > >「あたしのもっとーは悪人に人権はない、なの。」 >ちなみにそれは魔族も然り。 >人間を食事だごみだと思っているような輩にこちらも人権なんぞ認めてやる義理は無い。 そもそも人じゃない(←余計 >けれど。 >「目つきと口は悪いけどルークは悪人なんかじゃなかったわ。」 目つきと口は悪いって…(汗 >だからといって善人だとは言わないが、少なくとも人に無理やり低級魔族を憑依するような奴には怒りを覚えるし、きちんとけりをつけてやるような人道はある。……労働料代わりにお宝をくすねるくらいで悪人などといってはいけない。あれは正当な報酬であるし、そもそも悪人のお宝なのだからちょっとくらい貰っても問題ないはずである。 リナ自身してますしね<お宝頂戴 >人のことを散々ガキだチビだとぬかしてくれるがとりあえず仲間と認めてくれているようなところもあった。 ガウリイだって当初(今もたまに)そうでしたしね。 >「だから却下。」 >あっさりと言ったあたしの言葉に魔王は心底間の抜けた顔をした。 このシーン凄く好きです!!もうなんと言っていいのかわからないくらい好きです! >「あんたはレゾとは違う。」 そりゃもう魔王になるきっかけから年まで全然違いますよねぇ(年って… >今更封じ込めることも、分離することも無理なことは力ある魔道士なら分かることだ。 >それ以外の道は共存か、消滅か、だ。 >だがしかし―――――甘い。 ん? >「受け入れたのなら分離も可能なはずよ。」 ありゃ? >「んな無茶な……」 >「根性よ根性!」 こ、根性…(汗 >どこぞのヒロイックおたくのお姫様が好きそうな言葉を力いっぱい力説する。 >実際あの子はゼロスなどという結構な上級魔族と会うたびに真人間になるように説得しはじめるのが挨拶という子であった。 あはは…(汗 >よもやこのあたしがそんなそんな真似をするとは思わなかったが…… >正義を説くわけじゃないからましかもしんない。 そですね(合意←ぇ >「元々それってあんたの中にあったもんなんだからきっちりしまっておくってのが筋ってもんでしょ。」 魔王様…なんかある意味可愛そう…(←私の中では服扱い←酷 >「だから出てきたやつはしまえないんだって。」 >「うっさい。あんたはまだルークなんだから。ただの魔王なんかじゃないんだから。」 > >だから。 > >「根性でどうにかしなさい。」 ここのシーンも昇天するくらい好きです!(マテ >「契約はどうしたよ。」 >「あたしは今のあんたを倒す気はないわ。」 って言うかとても魔王が混ざってる様に見えませんしね。リナも言ってましたけど。 >「あんたにゃかなわねーな。」 >―――――また、その娘のために我は眠るか。 永久に眠っててください魔王様(ぇ >それに笑ったのはどちらか。 > >「根性だしてやるよ。」 > >言葉とともに、ばさりと赤が翻り―――――― > >魔王の衣装は虚空に消えた。 おっしゃぁ分離成功!!(マテ落ち着け あと一話!すっごく楽しみです!って体調大丈夫ですか? 御身体大事にしてくださいね。 それでは! |
16783 | ありがとうございますv | 瑞茅桜璃 | 2004/8/30 23:37:57 |
記事番号16764へのコメント こんにちは。瑞茅です。 いつも感想ありがとうございます〜 >>人間を食事だごみだと思っているような輩にこちらも人権なんぞ認めてやる義理は無い。 >そもそも人じゃない(←余計 はうっ。そっそうでした(汗)人じゃないから人権なんか普通にありませんよねぇ…じゃあ魔権とか?変な響き… >>……労働料代わりにお宝をくすねるくらいで悪人などといってはいけない。あれは正当な報酬であるし、そもそも悪人のお宝なのだからちょっとくらい貰っても問題ないはずである。 >リナ自身してますしね<お宝頂戴 はい。してますよね。特に十巻では同じことをしていますからルークの弁護というよりむしろ自己弁護で。ワイザーのおっちゃんが呆れるほど仲良さ気に言い争っているさまをみてそのあたりを想定しているのです(笑) >>「元々それってあんたの中にあったもんなんだからきっちりしまっておくってのが筋ってもんでしょ。」 >魔王様…なんかある意味可愛そう…(←私の中では服扱い←酷 大爆笑でした。魔王様が服〜!わたしも似たような扱いですが、服というより中身でしょうか…ティッシュの最後の一枚とか(酷ひ) はい。今回で分離成功。やっと後り一話です! 体調の方はとりあえず大丈夫です。ありがとうございます。 ではでは。 |
16784 | 夏休みが・・・ | 水無瀬 音 | 2004/8/31 07:38:37 |
記事番号16761へのコメント いつも面白いルクリナ小説、ありがとうございます。竹内です。 夏休みも終わってしまいました(泣) >「あたし一人だってこんな至れり尽くせりなら契約くらい果たすってーの。」 軽いのに、重い言葉だと思いました。 リナはシリアスになるとカッコいいですvv >くつり、と笑ったような気がした。 >違和感―――――否。既視感。 >ガウリイには聞こえないそれも魔王には聞こえたのだろう。耳からかは分からないが、相手は魔族である。伝わることにはなんら問題はない。 >だが、なぜその言葉に魔王が笑む。 うわぁ。魔王に和まれて(?)ますよ。 やはり人外のものには結構もてるんですねぇ(うっとり) >「あたしが契約した相手はあんたじゃないわ。」 >あたしは魔族と契約したりなんてしない。 >不死など興味もないし、限りある命だからこそ止まれないという感覚が人間だと思うからでもある。などとまあ色々と理由はあるが、あたしが交わす契約は依頼人との仕事関係と利害が一致するときだけだ。 リナの大人っぽさが魅力的ですvv >つまり、それは人間と交わすもの。 >だから『魔王』と契約したわけではない。それを果たすとき、もしくは破棄するときは契約相手がいるのが礼儀というものである。 > >「その悪趣味な仮面を取りなさいよ。 >―――――まだ、あんたがルークであるなら。」 > > >その言葉に驚くものはない。 > もう大体ばれるって予測してたんですね。ルークは。 >溜息。 >でもそれは疲れたものではなく。 > >「あんたにゃかなわねーな。」 >―――――また、その娘のために我は眠るか。 > >それに笑ったのはどちらか。 > >「根性だしてやるよ。」 > >言葉とともに、ばさりと赤が翻り―――――― > >魔王の衣装は虚空に消えた。 はぁvv素晴らしいですvv 全体的に雰囲気が大人っぽくてめちゃくちゃかっこいいですvv ”原作もこういう終わりかたしてくれてたらいいのに”と本気で思いました(笑)。 最終話、楽しみに待っています! |
16796 | 終わってしまいましたね... | 瑞茅桜璃 | 2004/8/31 23:42:09 |
記事番号16784へのコメント こんばんは。瑞茅です。 夏休み終わってしまいましたねぇ…(遠い目) >うわぁ。魔王に和まれて(?)ますよ。 >やはり人外のものには結構もてるんですねぇ(うっとり) ふふふ…だってリナですから(笑)そりゃもう人外の方々の受けはばっちりです。人外以外にも特殊な正確な方々にはおもてになるようですが…ルークも一応人間でしたし。 >>―――――まだ、あんたがルークであるなら。」 >> >>その言葉に驚くものはない。 >> >もう大体ばれるって予測してたんですね。ルークは。 気を使って隠してるようで契約の話をぶっちゃけてしまっていますからねぇ…間抜けな(それは書いた私 >全体的に雰囲気が大人っぽくてめちゃくちゃかっこいいですvv >”原作もこういう終わりかたしてくれてたらいいのに”と本気で思いました(笑)。 ありがとうございます〜そこまで言っていただけると本望です!思い残すことなく昇天してしまいそう…(笑) いえ昇天する前に後り一作、できるだけ早いうちにお目見えできるようにがんばります! |