◆−単発OK! すよね…?−づれ (2004/11/6 03:26:21) No.16890 ┗むしろGOです!(笑)−びぎなーいっく。 (2004/11/9 13:50:19) No.16891 ┗わ!コメントだ!!−づれ (2004/11/10 01:49:25) No.16892 ┗追記−づれ (2004/11/16 00:55:40) No.16899 ┗くじけちゃだめです!!!−びぎなーいっく。 (2004/11/16 18:43:55) No.16900 ┗Re:くじけちゃだめです!!!−づれ (2004/11/26 00:06:48) No.16901
16890 | 単発OK! すよね…? | づれ | 2004/11/6 03:26:21 |
前書き(というか注意書き) はじめまして。づれという不束者でございます。 このたびは[書き殴り]デビゥということで、よろしくお願いします☆ で。注意☆ 「彼」とか「子供」とか「少年」とか、とにかく最後まで名前が出てきません。 読みづらゐので気をつけてくださいまし。 感想なんかくれると小躍りします。 でも乾燥はいらないです。 -------------------------------------- うらびれた、どこか中世の面影を残した街の広場で、男は休んでいた。かなりの長身に、長い髪。そして黒いコートと深い帽子に身を包む、それだけならば怪しい人物だ。が。今彼が寄りかかっているのは、トラックの荷台ほどの大きさの箱。中には巨大なからくり仕掛けのオルゴールが入っている。 日は傾いて、街のはずれの時計塔にかかり、街はサフラン色に染められていく。 「ねーねーおじさん、もうこれは動かないのー?」 小さな子供が数人、足元に駆け寄ってきた。もう広場に人は無く、子供たちもぱらぱらと帰りはじめた頃だ。 「…お家に帰らなくて、いいのかい?」 「だって家に帰っても誰もいないよー」 「うちもー」 子供たちは口々に言い、オルゴールを聞かせて欲しいとねだる。 どうやら両親が共働きで、暇をもてあましているようだった。自分たちは帰らなくていいんだと笑うその顔に、どこか満たされない寂しさがあるようで、彼はできるだけ優しく微笑む。 「いいよ。一曲だけ、演奏してあげよう」 「わー」 「やったー」 彼がオルゴールの扉を開き、中のからくり人形が現れる。木で出来た、楽師たちと、着飾った女性。いくつもの金管は古く、磨きこまれていて、年代と共に養われた鈍い輝きを放っている。 子供たちは興味深げにそれらを眺め、彼が次に何をするのか見張る。 「それじゃあ、動くからね」 巨大なハンドルを彼が幾度か回し、手を放す。すると。 ぎこちなく動き出す木で出来た人々。顔や、手がそれぞれギクシャクと動くだけの単純なものだが、それでもそれは子供たちの目を釘付けにした。 メロディは優しいワルツ。それは優雅でありながら、パーティーで披露されるダンスというよりも、子供達のお遊戯のような印象を与えた。 しかし、曲が終わらないうちに子供達は一人、また一人と帰りはじめる。それは曲に飽きたのかもしれないし、または夕暮れが迫ってきたことに気付いたのかもしれなかった。 やがて、誰もいなくなった広場に流れ続けていたメロディはゆっくりと形を崩していき、かすれた金属音を響かせて止まってしまった。 「…さて。今日も終わったか」 次はどこの街へ行こうかと彼がオルゴールを片付け始めたとき。 先ほどまで流れていたのとまったく同じメロディが彼の耳に届いた。それは古めかしいアコーディオンのメロディで、金属の音で奏でられたそれとはまったく違う表情を見せた。 誰もいなかったはずの広場で、一体どこから聞こえてくるのだろう? 視線をめぐらせた彼の目に、ふと一本のガス灯が目に入る。そのガス灯に寄りかかって、一人の子供が手に余るような大きさのアコーディオンを弾いている。オルゴールのこと以外はまるきりの門外漢であったが、それがかなりの腕であろう事は分かった。 「上手だね。誰に習ったんだい?」 子供は、セミロングのクリィム色の髪に大きな帽子を被って表情はほとんど見えず、外見からでは少女か少年か判断できない。 黙ったままアコーディオンを鳴らすその子に、彼はさらに話しかけてみた。 「それ、今の曲だよね? よく弾けるもんだね」 それでもまだ、だんまりを決め込んで、アコーディオンを弾く子供。それもそうか、と黒ずくめという自分の格好を思い返し、微笑む。 と。不意に小さな声で、子供が何かを言った。 「…父さんに、習った…」 声を聞く限りでは少年のようである。 ほんの少しの言葉だけだったが、ずいぶん重い言葉のようだった。 もう既に日は街の家々の間をくぐり、微かな残光をとどめる程度である。こんな小さな子供がそんな時間でも出歩いているということは、ひょっとしたら家なし子なのかもしれない。 「この曲は好きかい?」 こっくりと頷いて、それでもアコーディオンを引く手は止まらない。 「そう。…悪いけど、もうそろそろ行かなくちゃ。年をとった物に月の光は良くないからね」 年月を経て、物は魂を持つ。月の光はそれをいや増す魔力がある。生憎今夜は満月にて、これにてお開きということにしなければならない。 「君も、早く家に帰りなさい」 「帰る場所は、無い」 無心にアコーディオンを爪弾きながら、少年は淡々とした口調で言う。なんといってよいか分からないでいると、少年は不意に手を止めて、初めて顔を上げて彼を見た。深淵の森の色をした瞳。 「…連れて行ってよ。あなたのオルゴールに、このアコーディオンは良く合うみたいだから」 よくよく見れば、そのアコーディオンも年代物のようでところどころ傷や汚れがついている。さらには、深い深いだれかの想いまでもが、染みこんでいるようだった。 「終わりの無い旅をしているんだ。この、オルゴールの言うままに、世界中を歩き回るつもりさ」 「それでもいい。あなたのメロディは母さんによく似ているから」 どうやらまったく意思を曲げるつもりは無い様子の少年に、彼は微笑んで、片手を差し伸べる。 「君の名前は」 「…セシル」 「セシル。一晩中歩くことになりそうだよ。次の街は、あの森を越えた先だ」 彼が視線を投げた先には、宵闇よりもさらに深く暗い影があった。 「大丈夫」 「よし。じゃあ、片付けるのを手伝ってくれるかな」 あちらこちらばらばらの向きを向いた人形達を、傷めないようにそっと扉を閉める。複数の金具をそれぞれ止めて、ようやくそれは一つの荷車のような形に収まった。 そうして、さぁ出発、というときに、ふと彼は自分がセシルに名前を言っていないことに気がついた。 「そうそう、忘れていたよ。私の名前はメリーというんだ。さ、行こうか」 がたごとと巨大な荷物を引きずりながら、メリーは歩みだす。細身の外見に似合わず常人以上の力の持ち主のようだった。驚いてそれを見ていたセシルも、慌てて後から追いかける。 「待って、メリー」 「…人に名前を呼ばれるのは久しぶりだな」 後には誰もいない広場にポツリと灯ったガス灯と、ほんの微かに、セピア色のメロディがまだ残っていた。 -------------------------------------- 全文お読みいただきありがとうございました。 「セシル」が誰だかわかった人には300魂さしあげます。 あっ、タイトルが無い! |
16891 | むしろGOです!(笑) | びぎなーいっく。 | 2004/11/9 13:50:19 |
記事番号16890へのコメント はじめまして!いっくともうします。 え〜っと・・・たまぁ〜にふらぁ〜りと現れて読み逃げとかしてます(こら) なので、単発作品がとても嬉しかったりするのです(^^;) >感想なんかくれると小躍りします。 >でも乾燥はいらないです。 では、潤いとしてスライムなんかいかがでしょう?(潤うのか?) そして感想を・・・ おじさんが登場したとき「黒・・・すなわち、絶対に悪ですね!!!」とか 某姫君のような失礼なことを思ってしまった私はひねくれ者です(笑) 誤解されやすいけど中身は優しい人というかんじでしょうか。 子どもは見た目怪しい人でもなついていくのが不思議です。 >「そう。…悪いけど、もうそろそろ行かなくちゃ。年をとった物に月の光は良くないからね」 この台詞好きです。 そういえば、年齢を重ねるごとに月に魅せられる感じが変わってきたなぁとか思ってしまいました。(年寄り臭い) >「セシル」が誰だかわかった人には300魂さしあげます。 うぅ・・・わかりませんでした(;−;)残念!!!!! でも、なんだか意味深な子ですね。むぅ・・・。 >あっ、タイトルが無い! それも雰囲気に合っている気がします。 アコーディオンとオルゴール・・・全体にセピアなイメージですね。 すごく不思議で、暖かいような懐かしいようなお話だと思いました。 ではでは。また、づれ様の素敵なお話に出会えることを楽しみにしつつ・・・。 |
16892 | わ!コメントだ!! | づれ | 2004/11/10 01:49:25 |
記事番号16891へのコメント ありがとうございますありがとうございますありがとうございますぅぅ〜 早速スライムで潤って…(ぺちょぺちょ。 >はじめまして!いっくともうします。 >え〜っと・・・たまぁ〜にふらぁ〜りと現れて読み逃げとかしてます(こら) >なので、単発作品がとても嬉しかったりするのです(^^;) こんな文章でもOKですか!? うれしいです☆ >おじさんが登場したとき「黒・・・すなわち、絶対に悪ですね!!!」とか >某姫君のような失礼なことを思ってしまった私はひねくれ者です(笑) 黒すなわち悪! 確かに悪人って黒を好みますよねぇ。 じゃあ彼は某姫様に見つかったら何かを言う暇も無くどつきたおされてしまうのでせうか(笑。 >>「そう。…悪いけど、もうそろそろ行かなくちゃ。年をとった物に月の光は良くないからね」 >この台詞好きです。 ありがとうございます☆ (^0^) >そういえば、年齢を重ねるごとに月に魅せられる感じが変わってきたなぁとか思ってしまいました。(年寄り臭い) 月の光を千年浴びると魔力が手に入るらしいので頑張ってくださいネ☆ >>「セシル」が誰だかわかった人には300魂さしあげます。 >うぅ・・・わかりませんでした(;−;)残念!!!!! >でも、なんだか意味深な子ですね。むぅ・・・。 多分50人中49人が分からないと思います。 某ゲームのキャラクターが元の、一応オリキャラ。 でも乾燥、もとい感想をくれたので150魂をプレゼントォ〜。 いらなかったら魔族にでもくれてやってください。 >アコーディオンとオルゴール・・・全体にセピアなイメージですね。 >すごく不思議で、暖かいような懐かしいようなお話だと思いました。 それを感じ取っていただけてもう昇天するくらいの嬉しさです☆ セピア色大好きなので、お話にも混ぜることが出来たら嬉しいなぁ、と。 >ではでは。また、づれ様の素敵なお話に出会えることを楽しみにしつつ・・・。 そういっていただけると本当に嬉しいです。 ありがとうございました☆ |
16899 | 追記 | づれ | 2004/11/16 00:55:40 |
記事番号16892へのコメント 作:すみません、追記です。 えーと、上の短編に出てきたセシルなんですが…はっ! (じっと後ろから見つめる目) 作:セ、セシル、いつからそこにっ!? セ:…僕、男の子じゃない… 作:だ、だからごめんってば。 セ:…(黙って悲しいメロディーを奏で始める) 作:うぉ!? やめろードナドナだけはやーめーろー…!! だってだってモデルになったキャラが男の子だったからついっ、ね! それに、「声からして少年」って書いたしっ。少年とは断定されていな いからごにょごにょ… セ:ごまかしてる… 作:う"っ!! メ:ごまかしばかりしていると蜘蛛の巣地獄に落ちてしまうよ。 作:…うわぁあぁん!! セ:泣きながら逃げた。 メ:セシルはあんな大人になっちゃダメだよ。 というわけで、作者に代わりまして… セシルは大きな帽子に半ズボンがトレードマークの、女の子です。 セ:"僕"って言っているけど女の子です。 メ:結局は、キャラクターも固まっていないのに書き始めた作者の責任です。 失礼いたしました。 セ:…ました。 |
16900 | くじけちゃだめです!!! | びぎなーいっく。 | 2004/11/16 18:43:55 |
記事番号16899へのコメント おはこんばんちはです。いっくです(^^)またふよふよしてました〜・・・。 >セ:…僕、男の子じゃない… ・・・・・・・・・・え?お、女の子でしたか!? >セ:…(黙って悲しいメロディーを奏で始める) >作:うぉ!? やめろードナドナだけはやーめーろー…!! ・・・まぁ、気持ちはよくわかりますよ・・・。(でもドナドナは止めてください。売られていってしまう(笑) 私も昔はよく男の子に間違われたものです。昔と言っても高校生でしたが(自爆) 「子どもの頃」は中性的な方が魅力的なのです!!!きっとそうなのです!そうですとも(涙) 決して私自身の言い訳とか凹凸がなかったからとか背が高かったからとかetc・・・は!!つい私情が。 と、とにかく。セシルさんの場合は、男の子に見えようと何だろうと美しければそれでいいのです!!!!! セピアな雰囲気に隠された哀しい(おかしい?)真実が・・・(笑) 話までして気が付いてなかったメリーさんが実は一番失礼なのでは? そして気が付いたときの二人の会話は!?とか思ってしまいました。 ではでは、またづれ様の作品にお会いできることを楽しみにしつつ。(^^) P.S 余計なことかとは思うのですが今回場合元のお話の追記ですし次からはコメントをそちらに付けた方が 他の方に読みやすいかなと私は思います。感想コメントの追記に見えてしまうかもです(^^;) 余計なことだったらごめんなさいm(__)mではでは。 |
16901 | Re:くじけちゃだめです!!! | づれ | 2004/11/26 00:06:48 |
記事番号16900へのコメント >P.S >余計なことかとは思うのですが今回場合元のお話の追記ですし次からはコメントをそちらに付けた方が >他の方に読みやすいかなと私は思います。感想コメントの追記に見えてしまうかもです(^^;) >余計なことだったらごめんなさいm(__)mではでは。 あわわ…煤i-□-;) 教えてくださってありがとうございます! なるほど。私も初心者なので分からないことがたくさんあるんで… 教えていただけると本当にありがたいです☆ どもども。m(__)m |