◆−世界で一番綺麗なとき−たにし (2004/12/3 01:49:23) No.16909 ┣切なくって可愛かったです。−丑三つ (2004/12/7 23:33:14) No.16912 ┣有り難うございますv−たにし (2004/12/11 15:11:13) No.16914 ┣切ないです!−穂波 (2004/12/12 21:22:32) No.16916 ┣どうもです^^−たにし (2004/12/13 20:07:47) No.16917 ┣別離。〜世界で一番綺麗なとき〜−たにし (2004/12/13 21:11:28) No.16918 ┃┗心が騒ぎました−忍野G (2004/12/14 10:16:31) No.16919 ┃ ┗Re:心が騒ぎました−たにし (2004/12/16 22:19:38) No.16921 ┣ため息の出るような・・・・−びぎなーいっく。 (2004/12/15 14:02:14) No.16920 ┃┗Re:ため息の出るような・・・・−たにし (2004/12/16 23:13:45) No.16922 ┣本気ゼルアメ堪能しました−大玉A子 (2004/12/22 14:49:37) No.16926 ┃┗Re:本気ゼルアメ堪能しました−たにし (2004/12/28 00:39:32) No.16932 ┗Re:世界で一番綺麗なとき−●○まりな○● (2005/4/18 22:35:10) No.17030
16909 | 世界で一番綺麗なとき | たにし E-mail | 2004/12/3 01:49:23 |
はじめまして、最近ゼルアメにはまったたにしという者です。 スレイヤーズ自体もあんまり知らなかった一ヶ月前、 戯れに小説を買ったら見事にヒットしました(笑 書き殴りさんにも萌え補給ということでよくお世話になってます^^ 始めましててとっても図々しいですけど、初めてゼルアメなんぞを書いてみま したので投稿させてもらおうかと思いまして…。 MYゼルアメで、こんなの違う!って所多々あると思いますが、 皆さんのその大きい懐で許してやってください…。 ではでは、始めさせて頂きます〜。 ***** ***** ***** ***** 「はぁ〜、…空が綺麗ですねぇ」 誰に言うともなく呟いたその声は、きらきらと光る夜空に吸い込まれていった。 世界で一番、綺麗なとき。 夕食が終わって少し火照った体を冷やすため、アメリアは外にでていた。 夜風が気持ちいい。 リナとガウリイは宿屋でいまだに物凄い量の食事を食べているし、ゼルガディスも締めの紅茶を楽しんでいる。 自分は今、一人だ。 「…とうとうここまで来ちゃいました」 山々に隠れながらも、自分の故郷セイルーンが見えている。 多分、あと何日もたたない内に帰れるのだろう。 「4日…ううん、後3日かな」 『闇を統べる者』との戦いも終わり、後は各々の道へと進んでいく。 アメリアも、例外ではない。 そして、ゼルガディスも。 「3日で…この旅も終わり…」 自分で呟いた言葉に、軽くショックを受けながらも、ちらちらと見える故郷から目が離せない。 ―リナさんとガウリィさんは、これからも二人で旅を続けるんだろうな― こんな気持ち、正義じゃないと思いながらも、黒い闇は広がっていく。 この戦いが始まる前、港で出会った時、二人の纏う雰囲気に驚いた。 親密な空気はその前から漂ってはいたが、あれ程−。落ち着いてはいなかった。 無条件で相手を信頼している、信頼されているという自信。 ゆるぎないその気持ちに、アメリアの感情は波立つ。 それは、四人が離れている間に、育んできた二人だけの物だった。 「それに比べて…」 自分の方は、どうだろう。 少しだけいい雰囲気になったと思っても、次に会う時はいつもと同じ。 仲間として、信頼はされている…と思う。 でも、それはアメリアの望む形と違っている。 ―多分、どうやってもこの距離は縮めようがないんでしょうね…― ゼルガディスは考えておくとは言ってはくれたが、薄々分かっている。 きっと、来てはくれないだろう。 長年追い続けてきた願いを叶える為に、旅立たなければならないから。 それに、自分はついて行く事は出来ない。 故郷を捨てることはできないし、王女としての責務もある。 姉の行方が分からない今、王位を継ぐのは自分しかいない。 今までは年齢もあって、好きにさせて貰っていたが、今回の帰郷でそれも最後だろう。 ―婿を貰い、世継ぎを誕生させなければならないから。 ―好きでもない相手となんて、凄くー。凄く嫌ですけど。自己犠牲なんて趣味じゃないし、自分の正義にも反しますけど。 私は、王女ですからね! 国民の期待を裏切る訳には――いきませんもんね。 知らず知らずのうちに溢れてきた涙と戦い、少し寒くなってきたし、と宿に戻ろうとクルリと体を反転させると。 そこには。 「ゼルガディスさん…」 「風邪引くぞ」 今一番会いたくて、会いたくない人がいた。 「全く…お前は一体何を考えているんだ!外に出てったと思えばそのまま帰ってこない、 どこに行ったのかと見てみればただ外で突っ立っているとは…」 そう言いながらアメリアの方に近づいていく。 「ちょっと体を冷やそうと思っただけですよぅ」 「冷やすだけにしては外に居すぎだと思うがな」 そう言ってアメリアの頬にそっと手を滑らす。 「見てみろ、冷えてるじゃないか」 宿にいたせいか、ゼルガディスの手は程よく温まっていて。 「ゼルガディスさんの手、暖かいですね〜」 思わずホッカイロ代わりに握り締めてしまう。 「…馬鹿なことしてないで、戻るぞ」 その手を軽く払い、ゼルガディスが踵を返す。 その後ろ姿を見て、アメリアは思わず叫んだ。 「――待ってください!」 出てきたあまりにも切羽詰った声に、自分でも驚くが、振り向いたゼルガディスはもっと驚いている。 「…何だ」 問われたが、自分でも何故引き止めてしまったのか分からない。 少し焦りながら、 「えっとー……折角ですからもう少し散歩でもしませんか?ホラ、夜空も綺麗ですし!!」 それでもポロリとこぼれ出てきた言葉に安堵する。 そして、この言葉が今一番願っていた事だと気づいた。 「何を言ってる。さっき言った言葉をもう忘れたのか?俺は『風邪引くから中に入れ』といったんだぞ」 「わ、分かってますよ!…ちょっと、ちょっとだけでいいですから!!」 また、切羽詰った声だ。 可笑しいと分かってはいたが、止める事が出来なかった。 「…少しだけだぞ」 渋々といった様子で頷くゼルガディスに、アメリアは嬉しそうに笑った。 *** *** 「久しぶりですね〜。こうやって二人でお出掛けするの」 宿屋から少し離れた森の中を散歩しながら、スキップをしながらアメリアはゼルガディスの前を歩いていた。 「そうだったか…?」 「そうですよぅ。あ、ホラ!見てください!!」 自然に出来ている、木が少し空けて生えている所でアメリアは立ちどまり、空を指差す。 そこには、陰りの無い見事な三日月が見えていた。 「本当に綺麗ですね〜!私、朝焼けも大好きだけど三日月も大好きなんですよ!」 いつも早起きなアメリアはそう言い、首を限界まで持ち上げ、月をじっとみつめる。 「…三日月って、ゼルガディスさんみたいですよね」 答えを期待して言われたものでは無い、独り言。 そんなアメリアを見ながら、ゼルガディスは先ほどまで聞くつもりはなかった疑問を、投げかけた。 「さっきの…何が『それに比べて』なんだ?」 その声を聞いたアメリアは、とたんにビクリと震えて大きな瞳をさらに大きく広げて、ゼルガディスを見る。 その目には、先ほどまでは確かになかった怯えが見えていた。 触れてはいけなかった事だとゼルガディスは直感し、慌てて 「いや…言いたくなかったらいいんだ。少し、気になっただけだからな」 言うと、踵をかえし。 「そろそろ帰るぞ…さすがにリナ達ももう食べ終わっただろう」 アメリアを見に行く時も、仲良く食べ物をとりあっていた二人を思い出しながら宿へと向かおうと歩き出す。 その時。 アメリアの小さな声が聞こえた。 *** *** アメリアは思わず怯えてしまった。 ゼルガディスに問われたさっきの言葉に。 ゼルガディスがすべて知っている錯覚に陥ったのだ。 リナ達に対する、その、黒い―醜い嫉妬を。 慌てて弁解されて、先ほどの呪縛が溶けた。 そして、ゼルガディスの背中を見たとたん―。 自らが望んでいる、本当の欲望に。 気づいてしまった。 ―帰りたく、ない― 「…帰りたく、ありません…」 *** *** 振り向いたゼルガディスが呆れたような顔をして 「もう時間切れだ。これ以上外にいると本気で風邪を引く。さっさと戻るぞ」 言い捨ててさっさと歩いていくその背中を、アメリアは追おうとはしなかった。 俯いてじっと立っている。 「…チッ!…アメリア!!」 付いてくる気配が無いのに気づき、ゼルガディスは軽く舌打ちして戻ってくる。 「駄目だと言ってるだろうが!」 俯いているアメリアの腕を掴むと、引きずっていこうと力を入れる。 が、逆に思いっきり引かれてしまった。 「うわっ!……オイ、いい加減に…!」 「帰りたくないんです!!」 激しい、拒絶。 ゼルガディスも思わずカッとなり。 「っ!じゃあどうするんだ!!ここで一日中空でもみて大風邪でも引くのか!俺はごめんだぞ、そんなのは一人でやっておけ!」 もう知らんとばかりに去ろうとするゼルガディスは、思わずつんのめった。 アメリアが、その法衣の裾を掴んでいたのだ。 「…はぁー」 思わずため息が出た。 「…アメリア、お前は一体どうしたいんだ」 ため息と一緒に出されたその言葉に、俯いていたアメリアはぱっと顔を上げる。 その顔は真剣そのもので。 「ゼルガディスさん、一緒に寝てくれませんか?」 ・・・・・・・ 「…はぁ?」 思わず、間抜けな声が出てしまったゼルガディスを責めるものは居ないだろう。 「…っ、同じ事二度も言わせないでください!」 真っ赤になって迫るアメリアに、落ち着けと手で示しながら。 「いや、お前…それはちょっと不味いだろうが。そういうのはお前の親父に頼んどけ」 今日のアメリアが変だったのは、寂しかっただけなのかと変な安心をしながら、ゼルガディスは言った。 すると。 もの凄い勢いで自分の頬に何かが当たった。 衝撃に思わずぐらつくが、なんとか堪える。 その衝撃を与えたものの正体は、アメリアの手だった。 「…な、なにす――」 るんだ。と続く言葉は、口の中で綺麗に消えてしまった。 アメリアは、泣いていたのだ。 ゼルガディスの頬を全力で叩いただろう、手は真っ赤になっている。 岩を魔法の力無しで叩いたみたいなものだ、こちらの衝撃も物凄かったが、アメリアの手の衝撃も物凄かっただろう。 それにも構わず、アメリアは泣きながら叫ぶ。 「―あんまり私を子ども扱いしないでください!!!」 「アメリア…」 「言い方が悪かったですか?!私は添い寝して欲しいと頼んだわけじゃありません!一夜を共にして欲しいと言っているんです!」 一気にそれだけ言うと、アメリアは肩で息をしながらゼルガディスを睨む。 涙に滲んだ、大きな瞳で。 いまさらだが、ゼルガディスは死ぬほど驚いていた。 まだまだ子供だと思っていたアメリアが、そんな事を言うなんて思っていなかったのだ。 …そういう事から目をそむけていたというのもあったのだが。 そして同時に、自分の中に潜む苦い感情にも気づいていた。 こちらは、常に目を背ける事が出来なかったものだ。 「私と、別の宿に泊まってくれませんか?」 言うアメリアの目は、いつのまにか、『女』の目になっていた。 ゼルガディスはこみ上げてくる苦い感情に、思わず顔をしかめた。 *** *** ゼルガディスの顔を見て、やっぱり言わなければ良かったと思ったが。 滑らせてしまった言葉が返ってくるはずもなく。 もう、決めたことだと腹をくくるしかなかった。 ―そう、どんな言葉が返ってくるか分かっていようとも― 「アメリア、悪いがー」 先ほどと違って真剣なゼルガディスの声。 その声が拒否の言葉を紡ぐ前に自分の口でふさいだ。 それ以上聞きたくなかったのと、自分の決意を示すために。 ゼルガディスの驚いた顔を目に焼き付けて、閉じる。 ―始めてのキスがこれですか。もうちょっとロマンチックにしたかったな― 呑気にそう思ったが、その『ロマンチックでないファーストキス』は数秒で終わった。 ゼルガディスが引き剥がしたのだ。 「アメリア!」 両肩をつかまれ、物凄い形相で見られる。 それでも、怯むことなく。 「…お願いします」 願いを、叶えて。 貴方じゃなきゃ。 貴方じゃないと、駄目なの。 お願い―。 「…チッ!」 ゼルガディスは舌打ちすると、その自然の広場からアメリアを引きずり出し、木に押し付ける。 そのまま、激しく口付けた。 反論は許さない、何もさせないというような、呼吸をも奪うキスに、アメリアは必死になってついていく。 頭と腰に手が回っていて、動くことは出来ない。 アメリアも離さないというようにゼルガディスにきつく抱きついている。 空気が欲しくて、無意識に小さな抵抗をするが、ゼルガディスはそれを許そうとはしなかった。 いつの間にか、腰に巻きついていたゼルガディスの手はアメリアの法衣の中に入っていこうとしていた。 それでも、アメリアは離れようとはしなかった。 唐突に始まった口付けは、唐突に終わり。 法衣に掛けられた手はそのままに、頭の手は木にへとかかった。 「…お前を、子ども扱いしないって事はこういうことなんだぞ…?」 響いた声は、静かで。 今の今までやっていた行為とは、対照的なものだった。 「分かってます」 体を支えきれなくて、木にもたれ掛かりながら、アメリアは目の前の男に挑むように言った。 ―本当は、凄く怖かった。支える手もその力も。…呼吸も許してくれない、このキスも。 それでも、ここで譲るつもりは無かった。 譲ったら最後だって事も、分かっていたから。 ゼルガディスの顔が、氷のように冷たくなる。 「…俺は、迫ってくる女を拒むような事はしないぞ。…たとえそれが、好きでも何でもない女でもだ」 アメリアは思わず息を呑んだ。 分かってはいたが、こうまではっきり言われると、キツイ。 『好きでもなんでもない女』に自分も入っていると暗に言われたのだ。 目の前の男の顔が滲むのを、アメリアは必死で堪える。 「分かってました。ゼルガディスさんが、私のことを妹みたいに見てる事。…でも、それでもいいんです。 もうこれ以上、わがまま言いませんから。…というか、わがままも言えなくなる前に、思い出が欲しいんです。ゼルガディスさんとの。 私は、ホラ、セイルーンの王女じゃないですか。だから…一度くらいは、好きな男の人にって、思っただけなんです。 頂いちゃっていいですから、…お願い、します」 心の奥底では、ゼルガディスさんももしかして。と思っていた。 だけど、それはやっぱり夢で。 それでも、触れてくれる熱は、本物。 それだけで、十分―。 悲しかったが、それ以上に心の内を話してしまった恥ずかしさで、アメリアは思わず俯いてしまう。 だから、そう話した後のゼルガディスの顔に気づくことは無かった。 その、痛みを堪えるような表情を、見ることはなかったのだ。 暫くして。 ゼルガディスの小さな声が、アメリアを現実へと引き戻す。 「…分かった」 「…有り難うございます」 ―その言葉が、どれ程私を歓喜させたか、貴方には分からないのでしょうね― ゼルガディスは、優しかった。 嘘でもいいから言って欲しかった言葉は、 一度も、言われることは無かったけれど。 それでも、アメリアは幸せだった。 本当に、幸せだったのだ―。 朝の光に眩しさに、思わず目をぎゅっと閉じる。 と、自分の置かれている状態に気づき、がばっと跳ね起きた。 「…つっ」 とたんに、初めて感じる痛みに前かがみになる。 「起きたのか」 その声に慌てて顔を上げると、しっかりと法衣を着ているゼルガディスがいた。 「〜もっと早く起こしてくださいよぅ」 「今さっきまでリナ達の所に行ってたんだ。心配させるのも悪いからな。…まぁ、もう遅かったが。…お前が穴に落ちて腰を打ってたのを、朝になって俺が見つけた事にしておいたから、話あわせろよ」 「…はーい」 なんだか強引な嘘だと思ったが、この際そんなことは気にしてられない。 そう思って素直に返事をしたアメリアだったが。 「どうでもいいがいつまでその格好で居るつもりだ?もうすぐリナ達が来るぞ」 「えっ…あっ、きゃぁああ!」 ゼルガディスに言われ、自分が裸だったことに気づき、慌ててシーツを被る。 「ゼルガディスさんのH!もうちょっと早くいってください!」 「気づかなかったお前が悪いんだろーが。俺のせいにするな」 真っ赤になって抗議するアメリアには、あっさりとした返事しか返ってこなかった。 *** *** 「ね、ゼルガディスさん。知ってますか?」 「何をだ」 「女の子にはね、世界で一番綺麗なときが3回、あるんですよ。その瞬間だけは、どんな宝石よりも、どんな女の子よりも、可愛くなれるんです」 「…………」 「三つ目は、お母さんになった時で、二つ目は、結婚したとき。で、初めて一番綺麗になれるのは…好きな人に触れたときなんです」 「……そうか」 「ね、ゼルガディスさん。私、綺麗ですか?」 そう言って、アメリアは笑った。 世界で一番綺麗な笑顔は、 世界で一番、切ない笑顔だった。 End. ***** ***** ***** ***** 終わりです。ハイ…。 というか、やっぱりこれ削除対象…ぽいですね。 書いてる最中は、気にしてなかったんですけど微妙かな…。 一坪さま、もし駄目でしたら遠慮なく削除してくださいませ。申し訳ありません…(汗 えっと、この話の続きもちょっと考えていますので、またお邪魔しにくるかもしれません。その時はまたよろしくお願いします。 それでは。お目汚し、失礼しました。 ここまで読んでくださって有り難うございました^^ |
16912 | 切なくって可愛かったです。 | 丑三つ | 2004/12/7 23:33:14 |
記事番号16909へのコメント はじめまして、たにしさん。 丑三つと言います。 「世界で一番綺麗なとき」読ませてもらいましたー。 最初から最後までアメリアが切なくって、でも一途なぶんだけ可愛くって、 最後の綺麗な微笑みでは凛々しくも感じました。 少ししか見えてこないゼルの感情も、抑え込まれているぶん苦しそうで、 アメリアに自分の感情は悟らせない所がゼルらしい格好よさにも 溢れていました(悲しいですけれど;。 お話には続きもあるそうなので、 アメリアが心底笑えるといいなぁと願いつつ楽しみにしています。 それでは^^。 |
16914 | 有り難うございますv | たにし E-mail | 2004/12/11 15:11:13 |
記事番号16909へのコメント 始めまして、丑三つさま。 お返事遅くなって申し訳ありませんでした!m(_ _)m 感想、有り難うございます〜。とっても嬉しかったです。 スレファンなりたてほやほやなのに、こんなの書いてしまって、 キャラが違うとお叱り受けるかなとか思っていたので、ホッとしました(笑 私の中では、姫→魔剣士って感じなのでちょっと痛い感じの物になって しまいましたが、続きは明るく行こうと思ってます^^ 姫至上主義なんでアンハッピーにはさせません!(笑 もし良かったら今度もお付き合いしてくださると嬉しいです。 それでは。たにしでした♪ |
16916 | 切ないです! | 穂波 URL | 2004/12/12 21:22:32 |
記事番号16909へのコメント 初めまして、たにしさん。 ゼルアメ好きの穂波と申します。 世界で一番、綺麗なとき。拝読しました。 うああ、姫が切ないです! 幸せだと姫は言うけれど、勿論それを否定することは出来ませんが、やっぱりそれは苦味とか痛みを伴う幸せなので…。 一番欲しかったのは、きっと、言われることのなかった言葉で。 ゼルも苦しいのでしょうが、私は姫びいきなので(笑)、アメリアの切なさが何より迫ってきました。 魔剣士のばかーっと叫んで蹴り逃げしたくなるくらい(<どんな形容ですか)切なくていい話でした。 続き、あるのですよね? すごくすごく楽しみにしておりますので! |
16917 | どうもです^^ | たにし E-mail | 2004/12/13 20:07:47 |
記事番号16909へのコメント 始めまして、穂波さま。 わー、嬉しいですvちょくちょくお邪魔しているサイトさんから感想が貰えるなんて^^ ROM専ですが、穂波さまのゼルアメで沢山萌えさせて貰いました(笑 えっと、感想有り難うございました! 姫ってもうちょっと強いよな〜とか思いつつ書き上げたもので、 微妙に痛い話なんで、「いい話」と言ってもらえてやばいくらい嬉しいです。 優柔不断な魔剣士しか書けなさそうなので、もう遠慮なく蹴り倒してやってください(笑 続きも読んでくださるとの事、(照 お返事書き終えたら続きをアップしたいと思っていますので、 楽しんでいただけるといいなとドキドキしております^^; ではでは、たにしでした♪ |
16918 | 別離。〜世界で一番綺麗なとき〜 | たにし E-mail | 2004/12/13 21:11:28 |
記事番号16909へのコメント 性懲りもなく続きを書きに来たたにしです。 えっと、微妙な続き物なんでここに書けばいいんですよね? ちょっと不安ですが…。またスレ立てるよりいいかな?と思ったんで…。 ここに書かせてもらいます。 それでは、始めさせていただきます^^ ***** ***** ***** ***** ―誰かを愛する事がこんなに辛いなんて、思いませんでした。 ゼルガディスさん。私、また綺麗になれるでしょうか。 貴方以上に、愛せる人、できると思いますか― ―何故でしょう、とっても、怖いんです― ―貴方と出会って、私は― ―私は、「私」であることが、辛いんです― 別離。 ―世界で一番綺麗なとき― あれから三日経ち、セイルーンももう目前に迫っていた。 二人は、何が変わったというわけでもなく、いつも通りで。 仲間の変化には鋭いリナにも、二人の間に起こった事は気づかれる事無く。 別れのときは静かに、だか確実に近づいていった。 「ねーそいえばゼル!あんたどうすんの?セイルーンに顔出しに行くの?」 これからの事をガウリイと楽しそうに喋っていたリナだったが、はたと気づいた様にくるりと振り向き、 幾分後ろを歩いていたゼルガディスに問いかけた。 ゼルガディスは隣を歩いていたアメリアをチラと見、 「…やめておく。俺には挨拶をしておきたい人物などいないからな。それになるべく人の多い所には行きたくは無い」 「なによそれ!冷たいわね〜。…ま、しゃーないけどさ。 アメリア、うちらはフィルさんに挨拶しておきたいから顔出したいんだけど、いい?」 ゼルガディスの言葉に何の反応も返さなかったアメリアは、リナの問いに笑顔で答える。 「ええ!勿論。父さんも喜びます」 「おっしゃ!ガウリイ、ついたらご馳走食べ放題よ!」 リナは両手をパチンと鳴らし、隣に居たガウリイに大声で言う。 「おお〜!」 少し間抜けな声を出して喜びを示したガウリイに、リナは満足そうに頷き。 「リナさん…もしかしてウチに来るの、それだけが目的なんじゃあ…」 ジト目でこっちを見るアメリアに、頭を掻きつつ 「あ、あはは〜!いいじゃんいいじゃん、細かい事はいいっこ無しよ。 …んじゃ、うちらは早くご馳走食べたいから先行かせて貰うわね」 「こまかくな…ってなんですかそれはぁ!」 「いーからいーから」 驚くアメリアをグイッと引っ張り、リナはその耳に囁く。 「アンタ、まだゼルと別れとか言ってないでしょ。こればっかりはどうしようも出来ないし、私の口出す事じゃないからアレだけど、 せめて二人っきりにしてあげようってな私の親心、素直に受け取りなさい?…言いたい事、ちゃんと言っておくのよ?」 早口でそう言われたアメリアは思わず真っ赤になり。 「なっ、なっ…!」 何かを言おうとしたが、リナの思った以上に真剣な顔に。 赤い顔のまま、コクリと頷いた。 「そういう訳だから、また後でね、アメリア。……ゼル、頑張んなさいね。困った時は相談に乗るから、いつでも来て。待ってるわ」 「じゃーな、ゼル」 なんとなく二人の意図がつかめていたゼルガディスは、それでも何も言う事はなく。 「あぁ。リナ、旦那。元気でな」 「またね!」 それだけ言って、二人は物凄い勢いでセイルーンへと走っていった。 「ご飯よぉお!がうりい〜!!」 「おおおおお〜!」 …恥ずかしい雄たけびとともに…。 ***** 「行っちゃいましたね〜。リナさんとガウリイさん」 手を額にあて、米粒のようになった二人を見ながらアメリアは呟いた。 「ゼルガディスさん、あんな中途半端な別れで良かったんですか?…引き止めても、良かったんですけど…」 少し困ったような顔でこちらを見るアメリアに、 「別に会おうと思えばいつでも会えるからな。あの二人には」 ゼルガディスはそう言って、歩き出した。 アメリアは、ゼルガディスから目を離し、 二人の去った方向―今から進む道― を、じっと見つめ。 「そうですね、―いつでも、会えますもんね」 道を見ているようでどこか遠くを見据えているような、複雑な表情で笑った。 すぐにその表情は消え、いつもの満面の笑みに戻ったが。 そうして二人は歩き始め、他愛もない昔話に花を咲かせていった。 「ね、ゼルガディスさん!この前リナさんに聞いたんですけど、私と離れてる時、王子様の格好したって本当ですか〜?」 「なっ!…お前には関係ない」 少しギクリとした表情で言うゼルガディスに、アメリアは目を丸くし。 「何ですかその微妙な返事は。…まさかとは思ってたんですけど、本当だったんですね」 「…別にしたとは言ってないだろうが!」 負け惜しみのように吐かれた言葉に、アメリアは呆れたように 「その間が語ってますよ、ゼルガディスさんて、嘘下手くそですよね」 「ほっとけっ!」 見たかったな〜と続けるアメリアを、ゼルガディスは冷たい瞳で黙らせる。 ゼルガディスの機嫌が下がっていくのを感じ、アメリアは慌てて話を変えた。 「私もゼルガディスさんと離れてる時、いろんな事体験したんですよ〜。 正義のヒーローとか…ってアレはゼルガディスさんも見ましたね〜。中々楽しかったです♪」 「あぁ…アレか」 「実はですね〜あの衣装、私結構気に入ったりなんかしちゃったりしたんですよ」 少し照れたようにモジモジしているアメリアを見、 「まぁ…いいんじゃないか」 「え!本当ですかぁ!!…おし!家に帰ってから似たようなの作ってみます」 ぱぁっと輝くアメリアの顔から少し目を逸らすゼルガディス。 「…………」 「なんで無言になるんですか!可愛いって言ってくれたじゃないですか〜!」 「いつ言った、いつ」 「…アレ?気のせいでした?」 「…………」 アメリアは気を取り成すようにコホンと咳をし、 「…他にもあったんですよっ。恋の応援とか…。魚人のライラさんと人間のケレルさんの恋の仲立ち!あれは感動しましたぁ〜」 キラキラと目を潤ませて、乙女モードに入るアメリア。 「あ!そういえばガウリイさんにも協力してもらったんですよ〜。可愛かったです〜」 「…可愛かった?」 つきあっていられないというように話を聞き流していたゼルガディスだったが、その一言にピクリと反応する。 「ええ!とっても。可愛い人魚さんでした〜」 「…旦那も苦労したんだな…」 呟くその声には、疲れの色が滲み出ていた。 「あ!でもゼルガディスさんの方がきっと可愛くなれましたよ!ほら、この前の『ルルさん』も一番素敵でしたし…」 フォローのように付け足すアメリアに、ゼルガディスは反論する気力も残っていなかった。 いつもと何も変わらないような、楽しかった思い出を語り。 ぶらぶらと歩いているうち、二人は大きな湖の辺までやってきた。 そこは、アメリアが小さい頃よく遊びに来ていた湖で。 ―もう、セイルーンは目の前だった。 アメリアはそこでピタリと足を止め。 先ほどまでの笑みを消し、ぎこちない表情をゼルガディスに向ける。 横を歩いていたゼルガディスは、アメリアを見て顔を引き締めた。 ―別れの時が、来たのだ。 「あの…ゼルガディスさん、ここまでで、いいです」 「ああ」 「もうセイルーンは目の前ですし、この湖もよく来てましたし、目をつぶってでも帰れます」 「ああ」 「えと、あの…なんか言いたい事沢山あったんですけど、忘れちゃいました。今思い出しますからちょっと待ってください」 あの、あの、と異常に焦っているアメリアにゼルガディスは静かに。 「…分かっている」 その声にピクリと反応したアメリアは、一瞬で落ち着きを取り戻した。 そして、小さな声で話し始める。 ゼルガディスを、しっかりと見据えて。 「ゼルガディスさん、今まで、本当にありがとうございました。苦しかったときも、辛かったときも、 …死んじゃうかと思ったときもありましたけど、楽しかったです。すごく。いろんな事、学べましたし。 …私が思う正義が人によって違う事も、痛みとして残る事も、知りました。…それでも、この気持ちを変えるつもりはありませんが」 「…それでいい。お前は」 そう言ったゼルガディスに、小さく笑みを返し。 「…ゼルガディスさんならそう言ってくれると思ってました。…沢山、迷惑かけましたよね。ごめんなさい」 ぺこりと頭を下げるアメリアを、ゼルガディスは慌てて制止する。 「気にするな。…そんなに迷惑でもなかったしな。俺も、中々楽しかった」 アメリアは笑みを深くし、 「…謝りついでに言っちゃいますね。ハッキリ言ったと思うんですけど、キチンとは言ってなかったと思いますんで。 …私、ゼルガディスさんが大好きでした」 ゼルガディスの動きが、ピタリと止まる。 「出会った時からってわけじゃないんですが、いっつも傍にいて、助けてくれたじゃないですか。『アメリア』を。 王女とかじゃなくて、私を。…それが凄く、嬉しくて。いつの間にか好きになっちゃってたんです」 ヘヘッと照れくさそうに笑うアメリアに、ゼルガディスは何も言わない。 「迷惑かなって思ったんですけど、自分の中で整理付けたかったんです。 …返事は分かってますから、ゼルガディスさんは気にしないでくださいね」 「…………」 「あ、そうだ。コレ…」 今気づいたというように、アメリアは両手につけていたアミュレットの片方を外し、ゼルガディスに渡す。 「記念に、持ってって下さい。お守りなんですよ。これ、ゼルガディスさんが元の姿に戻れますようにってしっかりお祈りしたんで、 効果は抜群です!」 押し付けるように渡されたそれを、ゼルガディスは抗うことなく受け取り。 「…ありがとな」 「えへへ〜。やですよう、そんな改まってお礼言われたら照れちゃうじゃないですか〜。 …ちゃんと元の姿に戻れたら、報告しに来てくださいよ!」 「ああ。わかってる」 そう言ったとたん、アメリアの顔から笑顔が消えた。 いぶかしげに見る暇もなく、吐き出すように呟かれた言葉。 「…元、の姿に戻るまで、顔、見せにこないで、下さい、ね…。私、きっと甘えちゃいます。一度、でも、姿見ちゃったら、 駄目に…なっちゃいます。だから…」 耐え切れなかったのか、俯くアメリアにゼルガディスは返事を返す。 「…わかった」 暫くそうして黙っていた二人だったが。 「…それじゃ!またいつか会いましょう!!…私は、未来の夫と子供とで、『お兄さん』をまってます!」 パッと顔を上げたアメリアは、いつもの笑顔でそう言った。 「…その、『お兄さん』ってのは俺の事か…」 「あたりまえじゃないですか〜!必ず、元の姿に戻ってくださいよ!」 約束です!と小指を差し出すアメリアに、ゼルガディスは苦笑して 「了解だ」 自分も小指を出し、その指にからめた。 「さよなら、ゼルガディスさん。お元気で!!」 「ああ、元気でな」 ―最後の言葉は、そんな短い言葉で終わり― アメリアは、ゼルガディスに背を向け。 ゆっくりと、自分の故郷へ―自分を待つ責務と、国民の元へ―帰っていった。 ***** 「……っ」 涙が、とめどなく溢れた。 今まで自分と歩いてきた、その道を戻っていくその男を想って。 自分の人生に、もう二度と絡まる事のない、その男を―想って。 耳のいいゼルガディスの事を考え、泣いてるのに気づかれたくなかったアメリアの顔は、 涙を拭う事も、鼻をすする事もなかったので、涙と鼻水でぐしょぐしょになっていた。 それでも、構わずに歩を進める。 自分よりももっと遠い未来を見ているゼルガディスに、負けたくなかった。 自分だけが過去に引きずられている事に、気づかれたくなかった。 もし私がただの『アメリア』だったら―なんて考えてる事や、 なにかも捨ててゼルガディスの所に走っていけたらと思ってる事なんて、特に。 ―本当は、離れたくなかった。妹でも、それ以下でもいいから、ずっと、ずっと側に居たかった。 無表情な貴方の、ほんの少しだけ口角をあげて笑う、その顔を見ていたかった。無茶をして、殴られたかった。 『いい加減にしろ!』『またお前は…っ!』…いつも聞かされたその言葉を、聞いていたかった。 ―『アメリア』― ―自分の名を呼ぶその人の、声が聞きたかった― (お守りなんて、嘘です。確かに願いはかけましたけど、本当は、私の何かを持ってて貰いたかっただけなんです。 …私を、忘れて欲しくなかっただけなんです。…汚いですよね、私) 一人でそんな事を考え、自嘲気味に笑う。 涙は、まだまだ止まりそうにない。 そんなとこさえ、汚いような気がして、心底、嫌になる。 ―でも― ―もう一度だけ― 進めていた歩みを、静かに止めて。 ―もう一度だけ、あの人を見たら、歩き出そう。 最後に一回だけ、見たらきっと、大丈夫だから― 何が大丈夫とか、考えようとはしなかった。 ただ、最後にゼルガディスをもう一度見たかった自分への言い訳。 そっと振り向いたその先には―。 ゼルガディスの背中ではなく、正面。 ゼルガディスは、先程別れたその場所から、一歩も動いてはいなかった。 堪えていなかったはずの涙が、もの凄い勢いであふれ出てくる。 (なんで…っ!なんで!!) 耳も良いが目もいいゼルガディスの事、自分の泣き顔はバッチリ見られただろう。 涙で滲んで見えないが、慌てた様子でこちらに走ってくる気配は分かる。 アメリアは、思わず叫んでいた。 「ゼルガディスさんの…っ!ゼルガディスさんのバカぁーーーー!!!」 小柄な彼女から出たとは思えない大声で、周囲の木からバサバサと鳥が飛んでいく。 その大声に驚いたのか、ゼルガディスがピタリと止まる。 「お、おいアメリア…」 離れたところから聞こえるその声に、怒りが湧き上がってくる。 沸々と、静かに。 その怒りを吐き出せるのは、目の前にいる男しかいない。 アメリアはその激情に抗う事なく、吐き出した。 「一体っ!何を考えてるんですかゼルガディスさん!こっちが必死で忘れようとしてるのに、中途半端なことばっかり!! なんで居るんですか!なんで来るんですか!私の事、なんとも思ってないくせにそういう所になると優しくして!私の事からかってるんですか?!馬鹿にしてるんですか?!好きじゃないなら、中途半端に優しくしないで下さい!そんなの…辛いだけなんです!!」 ボロボロと零れてくる涙と鼻水を裾でグイと拭い、ついでに思いっきり鼻をすする。 綺麗とか、汚いとか、もうどうでも良かった。 鮮明になったその姿をキッと睨み。 「…っ!私はっ!ゼルガディスさんがっ!好きなんです!!」 ―応えてくれないのは分かってるから、早く姿を消して!! 本当の気持ちとは裏腹に、そんな事を思いながら睨み続ける。 「…分かったから、泣くな」 いまだに泣いて威嚇しているアメリアに、ゼルガディスはそっと近づく。 「っ!全然分かってないじゃないですか!!」 アメリアは後退して、ゼルガディスとの距離を保とうとするが。 思いっきり腕を引かれ、その距離はゼロとなった。 きつく抱きしめられ、呼吸が出来ない。 「ゼ、ゼルガ…」 真っ白な視界に遮られ、思わずあがった抗議の言葉は。 頭の上から降ってきた言葉に遮られた。 「…何だろうな、お前の泣き顔見たら全部ふっとんだ。…あのな、アメリア。俺はずっと我慢してきたんだ。お前にふれた時もだ。 一言でも言ってしまったら、俺はその言葉でお前を縛る事になる。それだけは、避けたかった。…でも、もういい。 お前にそんな顔させるのは、もうゴメンだ。…アメリア、俺は、お前の事を妹なんぞと思ったことはない。…俺は、俺はな―」 ―夢を、見ているような気がした。 喉から手が出るほど欲しかった言葉が、それでも絶対に聞けないと諦めていた言葉が、頭上から降ってきた。 放心したままの体を、拘束していた腕がそっと離す。 顔を上に向けられ、信じられない言葉を吐いたその唇が、自分の顔へと近づき― アメリアは、そっと目を閉じた。 ―初めてのキスよりも、それからしたキスよりも、何よりも甘く― 涙と鼻水のせいでちょっとしょっぱい気もしたが。 『好きな人にふれた時』が、なんとなく分かった気がした。 嬉しくて、嬉しくて、先ほどまでとは違う涙が溢れてくる。 アメリアは、たらんと下がっていた腕を、ゆっくりとゼルガディスの背中へ回した。 長い長いキスの後、アメリアを離そうとしない腕が、その耳元へ囁く。 「―待ってて、くれるか?」 胸に顔をうずめたままのアメリアが、コクリと頷く。 「いつになるか分からんが、それでもいいか?」 また、コクリ。 「…大変だぞ、きっと。色々。…いいんだな?」 念を押すその男を、アメリアは思いっきり抱きしめ。 「ちょ…まてアメリア、痛い」 「さっきまでよりも辛い気持ちになんて、なりようがありませんから、大丈夫です」 それ以上聞くなと言外にひそませながら、呟く。 「…俺は、必ず元の姿になって戻ってくる。その時は―よろしく頼むな。 …一つのところに留まるのは子供時代以来ないからな、勝手が分からん」 顔を上げないまま、ぶんぶんと首を振るアメリアにゼルガディスは苦笑して。 「『約束』だ。必ず守る。文も出来るだけ送る。 ―俺も、この姿のまま戻ってきたら決心が鈍るからな、元の姿にもどったら、会いに行く」 小さく、頷いた頭に。 ゼルガディスは小さな、キスを落とした。 「―アメリア。…俺は、お前を愛してる」 振ってきた言葉に、顔を上げ。 「私もです。ゼルガディスさん」 止まっていた涙をまた溢れさせ、アメリアは笑った。 その笑顔は、誰よりも――― End. ***** ***** ***** ***** えっと…明るい話のつもりだったんですが、なんだか微妙に姫が痛々しくなってしまいました…(汗 でも最後は幸せ(?)になったと思うんですが…(不安 ってか、魔剣士は姫の正義のヒーロー姿、見てましたか…? 微妙なまま見たことにしてしまったのですが、違っていたらスミマセン。(滝汗 まだちょっと続きを考えてはいるのですが、これはこのまま終わった方がいいかなぁとちょっと迷っております。もしかしたら書きに来るやもしれませぬが、その時はよろしくお願いします。 ここまで読んでくださってありがとうございました! |
16919 | 心が騒ぎました | 忍野G | 2004/12/14 10:16:31 |
記事番号16918へのコメント たにしさん、初めまして。 前回の文を拝読したときにレスし損ねたのですが、今回の続きを読み、居ても立っても居られないほど嬉しくて速攻書き込みたいところ、思わず冷静になる時間を取ってしまいました(笑)素晴らしかったです。 「世界で一番綺麗なとき」は、姫が切なくて胸が締めつけられました。が、しかしそれ以上に魔剣士が良いです……いっぱいいっぱいの姫の申し出に「無」で応える魔剣士の筋金が。ああ、コレ魔剣士だよ……と、唸ってしまうほどに(笑)文そのものも抑えられた描写で、おかげで読む自分は妄想バリバリ、勝手に悶えておりました(アブナイぞ) 「別離。」は、本気でどないなることかとドキドキしつつ読ませて頂きましたが、よ……良かったです。魔剣士のセリフが先の「世界で一番綺麗なとき」の流れで読むと非常に説得力があって、ストレートなのに全く違和感なく納得してしまいました。姫の告白セリフもそうですが、こういったストレートで素直な言葉は、ちょっと私などは違和感を感じたりすることも多いのですが、これはホントにすんなりと読めました。いや、すんなりどころか、もう胸がキューとなるほど感動もので……素晴らしかったです。こんな素直な文を違和感なく読ませる描写力は羨ましい限りで、ホントに良いものを読ませて頂きました。そしてまた、たにしさんのゼルアメ文をぜひぜひ読みたいなと、こっそり期待しつつ…… 幸せな時間をありがとうございましたッ! |
16921 | Re:心が騒ぎました | たにし E-mail | 2004/12/16 22:19:38 |
記事番号16919へのコメント 初めまして、忍野Gさま。感想有り難うございました。 わーまたまた足繁く通っているサイト様から!(喜 ROM専ですが、萌え補給でいつもお世話になっておりますv こんな所でなんですが(本当だよ…)今の連載、とっても楽しんで見ております。 忍野さまのオリキャラの恋愛が気になって気になって仕方がない私です(笑 えっと、感想ありがとうございました!両方とも、何かもうめちゃめちゃ褒めちぎっていただいて…。嬉しいやら恥ずかしいやら…(照 あぁでも本当に嬉しかったです!!ありがとうございました。! 本当に最近はまったばかりなので、両方ともいまいちキャラが掴みきれてない気がして、正直不安だったのですが、魔剣士、気に入ってもらえたみたいで良かったです。たにしが姫好きなんで出番が少ない魔剣士ですが(笑 エロエロ部分はここでは×なので、皆様のご想像におまかせ致しました^^ まぁ、それでもギリギリだったような気もしますが…。悶えてもらえてよかったです(笑 「別離」の方も、楽しんで貰えて本望でございます〜! ハッピーエンドにしたつもりでしたが、結局微妙な終わり方になってしまったので、嫌いな人は嫌いだろうなぁと思っていましたから…受け入れてもらえて、それどころかべた褒めしてくださって(照。 天にも昇る心地とはこのことでしょうかっ!(笑 描写力など忍野さまの足元にも及ばないような気がしますが、これからもここにちょくちょくお邪魔したいな〜と思っていますので。 その際はまた、見てくださると嬉しいです^^ それでは。本当に有り難うございました!たにしでした♪ |
16920 | ため息の出るような・・・・ | びぎなーいっく。 | 2004/12/15 14:02:14 |
記事番号16909へのコメント はじめまして、たにし様。いっくともうします。m(__)m はぅ・・・・「世界で一番、綺麗なとき。」の方は読み終わってから すっごく切なくてすぐレスができませんでした。 ほんとに切なくて・・・人の心が綺麗で汚くて。全体の雰囲気が痛い。 それがすごく心に響く作品だと思いました。 「別離」はやっぱり哀しくて。 リナの優しさが痛くて、姫のかわいらしさが痛くて。 人の汚さから来る愛しさみたいなものを感じました。 そして、魔剣士さんがぶっきらぼうで姫が動くまで動かない。 姫が振り返らなかったらどうするつもりだったんだよっっ!みたいな(笑) でも動かないのが魔剣士さんなんだなぁと思わされてしまいました。 (う〜ん、ちょっと魔剣士情けないかも?(をい) 最後は完全なハッピーエンドじゃないですがきっとあの二人ならなんとかするのでしょうね。 読み終わった後で胸がきゅぅぅっとなってはぁ〜っ・・・と息を吐きたくなる。 そんな感動がありました。(う、わけわからないですね。) この先は読みたいような気もしますが、ここで終わりでもいいのかもしれませんね。(^^) 面白いとか、悲しいとかそんなのではなくてとても心が動かされるお話だと思いました。 ではでは。また、たにし様の素敵なお話に出会えることを楽しみにしつつ。 |
16922 | Re:ため息の出るような・・・・ | たにし E-mail | 2004/12/16 23:13:45 |
記事番号16920へのコメント 初めまして、びぎなーいっくさま。 感想どうも有り難うございましたvしかも二つともに!とっても嬉しかったです^^ 「世界で…」の方、ちょっと切なくしてみよ〜と軽くやってみたんですが、思った以上に痛くなってしまって…(苦笑 姫好きなんですが、何故か姫が悩んでせっぱ詰まってる方が好きみたいです。(変態ですね 笑) 二つともなんですが、こういう話って駄目な人は駄目ですから、受け入れてもらえるか不安でしたけど、なんとかなって良かったです^^ 心に響くなんて…(照 いっくさまのお言葉の方が私の心にクリーンヒットしてしまいましたよ!(笑 もの凄いほめ言葉、どうも有り難うございます!! 「別離」の方も、読んでくださって有り難うございます〜。 リナ、完全に当て馬状態ですが(リナとガウリイは姫と魔剣士以上に難しくて書けないのです〜。ガウリイのセリフ見たら分かると思いますが 笑)そう言ってもらえると嬉しいです。これもまた姫を苛めまくっちゃいましたが…(汗 人間くさい姫が好きなんです。たぶん。(笑 魔剣士の方は完全な受身でございますっ!姫が動くまで動かないとゆー。 振り向かなかったらそのままずーっと見てるだけみたいな(笑 (や、でも姫が振り向くのは魔剣士の予想してなかった行動と思って下さると嬉しいのですが) 私の書く魔剣士、みんなこんな感じのへたれになると思います(笑 魔剣士←姫が好きなので…。 本当は綺麗なハッピーエンドにしようと思っていたのですが、やっぱり微妙なハッピーエンドになってしまいました。 それでも気に入ってもらえて嬉しいです〜v 続きはいまだにどうしようか悩んでありますが、別にこれの次に続きを書かなければいけないわけではないんで^^ 気が向いたらしようと思っております。 近々お邪魔しようと思っているので、その時はまたお付き合いくださると嬉しいです。 最後の最後にまた凄い殺し文句、有り難うございました!見事に殺されました(笑 それでは。たにしでした♪ |
16926 | 本気ゼルアメ堪能しました | 大玉A子 URL | 2004/12/22 14:49:37 |
記事番号16909へのコメント こんにちは初めまして大玉と申します。 とてつもなく遅ればせな書き込みですが、もう、掲載された当日に拝読、悶絶したうちの一人でございます。 ああ……ゼルアメってやっぱいいなあと! 姫だけの片恋でも、そりゃあ作品として美味しいんですが、やはり魔剣士の感情が動くとさらに美味です。 幸せでよかった。 読んでキューと胸迫り、姫といっしょに幸せになれました。 特に、最後、堂々と魔剣士にくってかかる姫がサイコーに可愛いです。甘々なだけでなく、自分の足でちゃんと立てる凛々しさが、姫の美点だと改めて感じることができました。 ストレートな告白が、ここまで胸に沁みるのは、それまでに描かれた心情の確かな積み重ねのためなんでしょうね。すごいです! ぜひこの按配で、ドンドンいっていただきたいです。 次回作を切に願います。 |
16932 | Re:本気ゼルアメ堪能しました | たにし | 2004/12/28 00:39:32 |
記事番号16926へのコメント 初めまして、大玉さま。とっても返事遅れて申し訳ありませんでした(汗 はぅ。またまたいつもお邪魔しているサイト様ではないですか! いつも楽しませて貰っています〜。や、もうドキドキです!(笑 こんな所で本当になんですけど、「挑発シリーズ」と「狐と葡萄」にとんでもなく萌えさせてもらいましたv 感想の方、どうもありがとうございました^^ 初めてのスレ小説でこんなに沢山の方から感想を貰えるとは思ってなかったので、本当に嬉しいです。 姫が悩んでいるのが好きなので、こんなんになってしまいましたが(笑 楽しんでもらえたみたいで…(照 良かったです^^ とりあえず姫!なやつが書いてるんで、いまいち魔剣士の心情が上手く書けませんが、これからお勉強したいと思ってます(笑 またここにお邪魔したいと思っておりますので、その時は覘いてやってくださると嬉しいです^^ それでは。たにしでした♪ |
17030 | Re:世界で一番綺麗なとき | ●○まりな○● E-mail URL | 2005/4/18 22:35:10 |
記事番号16909へのコメント 初めまして、まりなと申します。 本当にたにしさんのゼルアメ素敵です。 アメリアの心情がよく伝わってきて、「別離」の方ではアメリアが泣いた場面で思わず私も画面の前で泣きそうになってしまいました。 本当私の言葉のボギャブラリーがなくて申し訳ないんですけれども、 やっぱり何度読んでも切なく、「ゼルアメ」という感じのお話です。 素敵なお話と出会えたことに感謝しております。 ありがとうございました。 |