◆−――硝子―― 継承する者させる者 3−紫清 月季花 (2005/3/2 10:26:41) No.16976
 ┗Re:――硝子―― 継承する者させる者 3−エモーション (2005/3/4 22:28:11) No.16978


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16976――硝子―― 継承する者させる者 3紫清 月季花 2005/3/2 10:26:41


――硝子――
 継承する者させる者










王宮、謁見の間。
ゴトーは女王との謁見していた。

――胃に穴空くかなあ・・・・

新しい胃薬の調達が必要だなと、心の中でこっそりため息をつく。
今こうして目の前にする女王は、特別名君とか賢君とか言われるような人物ではない。
が、全てを包み込むような、懐の深い母性的な面の強い王ではある。
若い頃から政治的手腕が優れているわけでは無いのに、この国がその優しさ故に惑うことなくあり続けら
れるのも、ある意味あの一族がきっちりコントロールしているからでもある。
だか、あの一族が独断専行しているかと言えば、そうではない。
むしろ問題なのは、それ以外の貴族たちの方だと言ってよい。
その事でこうして女王に会っているのだから、やはり胃薬が必要になるだろう。


「ゴトー・・・・貴方がこうして改まって来るなど・・・・何事なのです?」
穏やかで優しい声、王とは思えぬほどその声に覇気は無い。
むしろ、何処かの教会で教えをとく司祭のようである。
「大変申し上げにくいことなのですが・・・・
自分ごときが、気にすべき事では無いのかも知れませんが、陛下のご意志を確認したく思いまして・・・」
騎士団員の中では、かなりの古株に位置するこの男の性格は解っている。
微妙に歯切れの悪い物言い、この男がのらくらとした物言いをするのは、今に始まった事ではない。
が、歯切れが悪すぎる・・・・
女王は無言で続きを促す、ゴトーも気付かれぬように小さく息を吐き、続ける。
「今、王位継承に関し、色々取りざたされている事はご存知の事と思います。
・・・
陛下、自分が何を陛下に問いただそうとしているか・・・お解かりなのではありませんか?」
ゴトーの底の知れない視線を、女王は只やわらかく受け止める。
「わたくしが何か申し上げて、それを聞き入れてくれる者がどれほど居りましょう?
・・・・・
未熟なる我が子に振り回されし者たち、我が言葉いかにして届こうか。
我を軽んじ愚弄する者達・・・・汝らが抱きし主は誰ぞ!
・・・・・・・
ゴトー・・・貴方がこの国の事を思っての行動・・・・責めはいたしません。
今は只、静観していて欲しいのです」

これ以上動いても恐らく無駄になると、そう暗に言っている。
ゴトーも別に引っ掻き回して事態を混乱させたいわけではない、ただ何か起こった時の為の下準備ぐらい
はして置きたかったのだ。
ただ、女王は放っておいても自然と決着する問題だと思っていたのだ。
そこに二人の考えの違いがあった。
女王は自分が何を言っても、周りが素直に従うとは思ってはおらず、王女たちが自分たちで決着をつけると
考えていた。
ゴトーにしても最終的には、王女たちが決着をつけるであろうことは、予想しているがそこに至るまでを心
配しているのだ。
「ゴトー・・・・時が全てを決めるでしょう。
それまでは・・・・」
「・・・・わかりました。
御意に従います」






ゴトーが何かと気をもんでいる頃、ラダマンティスたちも一つの事件に遭遇していた。
それは哀しい結末となり、幼さすら残す若者たちの心に深い痛みと、抜けない刺のような後味の悪さだけを
与える事となった。




<おわり>


――あとがき――

ツリーが沈む前には終わらせるはずが・・・・・・・・・・激しく遅くなってしまった、しかも短い(遠い目)
(気を取り直して)一応、この話はここで終わりです。

ラダ:で?

う・・・・怖いぞその目;;

ラダ:継承問題決着してねえだろ!

最初からこの話で決着させる気なかったし・・・・何回かに分けるべき話だろ。
このねたって・・・

ラダ:で?

あ・・・ラダ氏たちの事件ね。
実はかなり前からネタだけは暖めてて、これ書きたさに硝子がシリーズ化したとも言える。
ただ、大雑把な流れしか決まってなくて、細かいところがまだなんだ。

ラダ:本編より力入れるきか?

かもしれん。

ラダ:・・・・

じゃ、そいうことで。

ラダ:さっさと本編書けよ・・・・それと「神魔戦争」と「沙」の方も。

「ラダマンティスは毒舌をつかった▼
 月季花は9999のダメージ▼
 月季花は逃げ出した▼」

ラダ:なにいい!!??
あとがきこんな終わりでいいのかよ(滝汗)

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16978Re:――硝子―― 継承する者させる者 3エモーション E-mail 2005/3/4 22:28:11
記事番号16976へのコメント

紫清月季花さん、こんばんは。

女王様と謁見するゴトー隊長……。
話の内容が内容だけに、確かに胃薬がほしいと思うのかも。
さすがのゴトー隊長も女王相手では、いつもどおりというわけにはいかないのですね。

>今こうして目の前にする女王は、特別名君とか賢君とか言われるような人物ではない。
>が、全てを包み込むような、懐の深い母性的な面の強い王ではある。

政治的な面はともかく、人格的には王として慕われるのに充分な方なのですね。

>だか、あの一族が独断専行しているかと言えば、そうではない。
>むしろ問題なのは、それ以外の貴族たちの方だと言ってよい。
>その事でこうして女王に会っているのだから、やはり胃薬が必要になるだろう。

どうにも穏やかそうな方だけに、問題有りな方々をきっちり抑えられるかどうか、
というだけでなく、いざとなったら厳しい処断ができるかどうか、という部分も
ありますからね。

>「わたくしが何か申し上げて、それを聞き入れてくれる者がどれほど居りましょう?
>・・・・・
>未熟なる我が子に振り回されし者たち、我が言葉いかにして届こうか。
>我を軽んじ愚弄する者達・・・・汝らが抱きし主は誰ぞ!
>・・・・・・・
>ゴトー・・・貴方がこの国の事を思っての行動・・・・責めはいたしません。
>今は只、静観していて欲しいのです」

確かに、女王が何か言って聞くような方々なら、最初からこんな問題は
起こさないでしょう。
かといって、静観したままでいいとも思えないのですが……。

>そこに二人の考えの違いがあった。
>女王は自分が何を言っても、周りが素直に従うとは思ってはおらず、王女たちが自分たちで決着をつけると
>考えていた。
>ゴトーにしても最終的には、王女たちが決着をつけるであろうことは、予想しているがそこに至るまでを心
>配しているのだ。

うーん、どちらの考えも確かにそのとおりなんですよね。
第三者が下手に動くと、それが逆に物事を悪化させることもありますし、
逆に動く(動ける)素振りをみせないことが、物事を悪化させてしまうこともありますから。

>ゴトーが何かと気をもんでいる頃、ラダマンティスたちも一つの事件に遭遇していた。
>それは哀しい結末となり、幼さすら残す若者たちの心に深い痛みと、抜けない刺のような後味の悪さだけを
>与える事となった。

さっそく……ということですね。
かなりきっつい事件が起きてしまったのですね。


>う・・・・怖いぞその目;;
>
>ラダ:継承問題決着してねえだろ!
>
>最初からこの話で決着させる気なかったし・・・・何回かに分けるべき話だろ。
>このねたって・・・

大雑把にくくれば今回は「継承問題:上司側の事情」というところでしょうか。
さすがにこういう問題はきっちり一度で片が付く方が珍しいですから、
いくつかの段階を踏まえて展開していく事になるのですね。

>ラダ:さっさと本編書けよ・・・・それと「神魔戦争」と「沙」の方も。
>
>「ラダマンティスは毒舌をつかった▼
> 月季花は9999のダメージ▼
> 月季花は逃げ出した▼」
>
>ラダ:なにいい!!??
>あとがきこんな終わりでいいのかよ(滝汗)

ラ、ラダマンティスさん、ダメージを負わせては返って逆効果ですよ。
……といいつつ、「しかし回り込まれてしまった!」と書いてみる(笑)
ドラクエをしているとつい……(^_^;)

それでは、次作を楽しみにお待ちしています。