◆−シルフィールGO!GO!−もおきんるい(5/16-09:15)No.1698
 ┗Re:シルフィールGO!GO!−もおきんるい(5/17-09:19)No.1703
  ┗Re:シルフィールGO!GO!−もおきんるい(5/18-11:35)No.1710
   ┗Re:シルフィールGO!GO!−もおきんるい(5/20-03:19)No.1721
    ┣シルフィールかわええ〜−えもん(5/20-09:32)No.1723
    ┃┗Re:シルフィールかわええ〜−もおきんるい(5/20-17:27)No.1728
    ┗Re:シルフィールGO!GO!−もおきんるい(5/21-10:53)No.1736
     ┗Re:シルフィールGO!GO!−もおきんるい(5/27-06:01)No.1762
      ┣つづきがたのしみ。−さいら(5/29-22:33)No.1765
      ┃┗Re:つづきがたのしみ。−もおきんるい(5/30-23:43)No.1767
      ┗わくわくものですねぇ〜−えもん(5/31-09:28)No.1768
       ┗Re:わくわくものですねぇ〜−もおきんるい(5/31-13:06)No.1770


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1698シルフィールGO!GO!もおきんるい E-mail URL5/16-09:15


不幸で不憫な美女、シルフィール。
故郷を2度もぼこぼこにされ、恋する相手に気付かれず。
(いや、某くらげ殿は気付かないふりをしているのか?)
黒髪ロン毛の美女なのに、なんでこんなに不幸なの?
神坂センセもほおっているんじゃあ、わしが救うしかないな!(おい)
自分とこでさんざんな書き方してきたが、この娘をどうかひとつ!!
はっぴ〜にしたいぞ、と思ったのさ!!
(『改心(笑)の一撃話』はちょっとおあずけ)

さて、ハッピ〜にしあがるかな?

注意>>これは『ガウリナ』です!

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1703Re:シルフィールGO!GO!もおきんるい E-mail URL5/17-09:19
記事番号1698へのコメント

シルフィールGO!GO!!



「おじさま、おばさま、お世話になりました」
「なにかあったら、もどっておいでよ」
「気を付けて。さみしくなるなあ」
叔父夫婦の家に世話になって3年。
彼女はここセイルーンから旅立つ。

サイラーグ目指して。


『サイラーグの復興』を心に誓ったうら若き娘の決意は固い。
我が子のように可愛がってくれた叔父夫婦だが、いつまでも
甘えて世話になるわけにはいかない。
彼女には使命があるのだ。

セイルーンからサイラーグまでの道のりは2週間。
シルフィールの一人旅は、始まったばかりである。


女の一人旅は危険がいっぱい。
この世は物騒。
だが、一人旅が出来る実力の無いものがする訳が無いのに、見かけが
『深窓の令嬢』の彼女につい油断するのだろうか。
「いよう、ねえちゃん」
4人の男達が、彼女を取り囲む。
「なにかもっている・・・な・・・」
ぱたぱたぱたっ。
シルフィールは賊が口上を言い切る前にスリーピングで眠らせる。
ぐがあ〜〜〜〜〜〜っっ・・・
高いびきの賊を道の真ん中で放っておく訳にもいかないので、とりあえず
道の端まで引きずって転がしておく。
二度と悪さをしないように懐のナイフや腰の剣を取り上げ、持っていた
ずた袋に入れて肩に担ぐ。
「これ、いくらで買って貰えるかしら」
この『やり口』、まさしく某美少女天才魔導士直伝である。
ふと、久しぶりに彼女のことを思い出した。
数年前に出会った小柄な魔導士の少女。
「今、どうしてらっしゃるかしら、リナさん」


ようやく宿屋にたどり着き、部屋に入るなりベッドへ直行した。
今日1日でかなり歩いたせいだろう。それに、4人の賊の武器も
担いでの道のりだ。
近くの古道具屋で結構な値段で買取って貰えたおかげで疲れは
吹き飛んだと思ったのだが。


疲れているはずなのに、眠れない。


何度も寝返りをうった挙句、ゆっくりと身体を起こしてため息。
「酒場で寝酒をいただいてこようかしら」
階下の酒場は賑わい、笑い声が聞こえる。

シルフィールは目立たないカウンターの隅に腰を下ろし、バーテンに
ブランデーとつまみを注文した。
ぼんやりとグラスを傾けながら、後ろの客の様子を眺めていると、
なにやら盛り上がっている様子だ。ひとりの男が話の中心らしい。

「でなあ、そのリナ・インバースってのがなあ、すごいババアで」
話の内容は、シルフィールの知り合いの噂らしい。
無作法とは思いつつも、聞き耳を立てる。
「いい歳まで独身だったもんだから男に恨みがあるらしくてなあ、
俺に向かって魔法を仕掛けてきてな、大変だったよ」

(あらあら・・・ここにリナさんがいたらこの人半殺しね)
たしかに魔法の腕はこの世界でもトップクラスのリナだ。
普通の人間では、まずお目にかかれる相手ではない。
半ば、伝説の人物のように噂が流れるだけである。
まあ、彼女がどんな容姿か知らない人では通りすぎたところで
判る訳が無いのだが。
それにしても、この男なんのつもりだろうか。
リナを酒の肴にしているのをシルフィールは不快な気持ちで
聞き続けた。
「で、俺はこの剣で追っ払ってやったって訳さ」
「すごい!そんなにあんた、剣の腕がたつのかい?」
「おうよ!俺の名はガウリイ・ガブリエフってんだ!」
ずべごげがしゃああ!!

いきなりの物音に、酒場のざわめきが止まる。
カウンターの席からおもいきりずっこけたシルフィールの目は
おもいっきりすわっていた。
すくうと立ち上がると、男の席までずんずん歩いて『ばあん!!』
テーブルを両手で叩き付ける。その勢いでグラスやらつまみの皿
やらが5センチほど宙に浮いた。
そして男にびしいっ!!とアメリア調に指を突き付け、啖呵を切る。
「あなたっ!!ガウリイさまはねえっ!!あなたのような容姿では
ありません!!金髪碧眼で、長身で、うっとりするような美貌の
剣士なんですっ!!それに、ガウリイさまはあなたの追っ払ったと
言われたリナ・インバースと今、旅をしているのですからねっ!!」
シルフィールは怒涛のようにまくしたて、言い切ると肩で息を継ぐ。
呆然とする男に鼻息ひとつ『ふん!!』とかまし、カウンターに
勘定を置くと、そのまま部屋までどすどすと歩いていった。

部屋に戻り、ベッドに倒れ込む。
「酔っ払っているのかしら、私・・・」

シルフィールは吸い込まれるように眠りに墜ちた。


つづくでー!!

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1710Re:シルフィールGO!GO!もおきんるい E-mail URL5/18-11:35
記事番号1703へのコメント


その2


翌朝。
シルフィールは身体がだるいようだわ、とつぶやいた。
無理をしたというか、調子に乗ってペースを考えずに歩いたせいであろう。
だが、こんな所で時間をつぶす訳にもいかない。
今日は予定よりも1つ手前の宿場街を目標にして出発した。


天気は薄曇りで暑くもなく寒くもない『旅日和』。
時々涼しげな風も吹き、上々である。
ふと、昨日自慢げにリナの話をしていた『偽ガウリイ』の事を思いだし、
再び憮然とする。
「あの顔でどうしたらガウリイさまと名乗れるのかしら!図々しいにも
ほどがあるわ!!」
以前は盲目的に崇拝していた某傭兵の青年だが、この頃ようやく吹っ切れた。
自分と彼には接点がないことを。
彼には彼の考えがあるということを。
なにより、彼の傍の指定席が空いていないということを。

彼と出会ったとき、勝手に運命を思い込み、自分の中だけで想いを暖めた。
だが、次に出会ったとき、彼のとなりには一人の少女がいた。

コピーレゾの魔法でサイラーグが崩壊し、自分が精神的に参っている時、
たしかに青年は励まし、元気付けてくれた。
だが、彼は彼女でなく赤い瞳の少女の傍に付き添うように共に旅立って
行ってしまった。
元気な振りをしている彼女を支えるために。
その行為に『君はオレがいなくても大丈夫』と言われたような気がした。
だがシルフィールは理解している。
レゾの研究所はサイラーグのほかにもいくつもあったと、ゼルガディスが
打ち明けた。そうなのだ。他の研究所で研究をしていたのなら、そここそが
サイラーグと同じ運命を辿ったかもしれないのだ。
これは・・・運。
シルフィールにとっては辛い『運』であるが。
あの少女は自分が味わった辛さを、どんな思いで引きずっていたのだろうか。

そして・・・再びサイラーグは災いに見回れる。
どちらも『あの少女』絡み。
彼女はきっとサイラーグでの出来事に対して、なにかしらの負い目を感じて
いたに違いない。
だから『冥王』につけこまれたのではないだろうか。
精神的に追い詰める材料として。

だから彼女を責めても仕方ないのだ。
責めたところで死者は生き返らない。
既に彼女は責め苦に苛まれているのだから。
だからこそ、青年は少女の傍にいるのだろう。
小さな身体で必死に生きる少女を支えるために。
だから、彼女は禁断の呪文を唱えたのだろう。
彼女は誤魔化したが、シルフィールは分かっていた。
あの赤い瞳の少女は青年の為に呪文を唱えたのだと。
自分の力だけで、ドラグスレイブで『冥王』を倒せるはずはない。
青年を救出したあの時は神殿は消えなかったのに、目が覚めたときには消えて
いたのだ。

シルフィールは歩きながら気持ちの整理をしていく。
実に事務的で、苦痛の思い出を心の奥に封印する作業は同時に彼女を冷静に
していく。
サイラーグにたどり着くころには、あの少女とそのとなりにいる青年を祝福
できるようになれるだろう。
自分は強いのだ。
彼がいなくてはなにも出来ない少女とは訳が違うのだ。
「そうよ、もっと極上の王子様がきっと私を待っていてくれるわ」
くすくす。
「なんか、恋がしたい。胸がどきどきする、そんな素敵な恋が」
.くすくす。
我ながら軽薄な考えをするものだとシルフィールはひとりごちる。
不思議な身軽さと高揚する心。
気持ちの整理をしただけで、もう新しい自分に変わっている。
本当に、自分は強い。

「おい、ねーちゃん。俺達と遊ばないかい?」

思考の彼方に意識が散漫していたせいで、チンピラの存在に気付かなかった。
魔法を唱える隙を伺いつつ、後ろに下がる。
そのとき。

「それぐらいにしておくんだな」
若い男の声がした。
振り向くと、ひとりの傭兵の格好をした青年が剣を抜いてこちらに歩いてくる。
「な、なんだぁ!てめえ!!」
チンピラのにーちゃん風の男が怒鳴り付けると、びしい!と即答。
「貴様らに名乗る名前などないっ!!」
そして、彼は翻すように行動する。
数秒後・・・
剣を鞘に収める青年の足元には、気絶したチンピラさん達。
そして、シルフィールの方を振り向くと、極上の笑顔。
ガウリイよりは背は少々低いがそれでも長身で、髪は薄い銀色の散切り。目は切れ長で
漆黒の謎めいた趣き。浅黒い肌に、軽装備の鎧。膝上丈のスパッツで、生足に
ハーフブーツを履いている。
だが。シルフィールを見ると、笑顔から苦笑に変化した。

ボソッ。
「なんだ、お嬢様風の小娘か。俺様としては、年上のグラマーなお姉様が好みなんだが」
むむっ!!
「はあ、こーゆー子ってのは、なんか思い込み激しくて『私、好きなんですの!』なんて
言ってしつこいしつこい」
むむむっ!!!
『な、なにをいってるのよ!この人はっ!まだ好きとか、そういうことにも発展していない
というのになにを自信過剰なっ!!』
シルフィールに聞こえているとはどうやら気付いていないようである。
とにかく、一応は助けて貰ったのだ、礼を重んじる家庭で躾られたシルフィールは不快だが
お礼を告げ、一刻もこの男と離れようと決め込んだ。
「ど、どぉ〜〜もありがとうございました(ひくひく)。
「いや、改まって礼を言われるほどのことでもないさ」
落胆しているのか、心無しか小さく笑う。
「それはそうと、ひとり旅は危険だ。何処までいくんだ?」
ひっ!!
『な、なにこの人??ま、まさか』
シルフィールは焦る。
「さ、サイラーグまでですけど」
「そうか。おれもそっち方向にいくから、送ってやるよ」
ひいいいいいいい?!
シルフィールは心の中で絶叫した。


つづくで〜

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1721Re:シルフィールGO!GO!もおきんるい E-mail URL5/20-03:19
記事番号1710へのコメント


その3


シルフィールはとにかく不機嫌であった。

チンピラをやっつけて助けてくれた男は随分と自惚れ屋で、お節介で・・・
しかも。
「おれの名は、ゴリヲーグ・ゲイル。ゴーリィと呼んでくれ」

『ご、ゴーリィですってええ??ガウリイさまに似てる名前〜〜!!』
ここが、怒りのポイントであった。


てくてくてく。
「なあ」
てくてくてくてく。
「おい」
てくてくてくてくてく。
「あの〜」
てくてくてくてくてくてく。
「はあ・・・だから、こーゆー小娘ってのはニガ手なんだ。気分屋で・・・」
ため息混じりにつぶやく言葉は、しっかりシルフィールに筒抜けだった。
「・・・悪かったわね!」
きっと睨みつけ、また前を向き歩き出す。
自分でも何故こんなにイライラするのだろうか不思議だった。
シルフィールのことを知っている者に、彼女の性格を聞くと次のような解答が
返ってくる。
「温厚で、人当たりがよく、淑やかな娘」だと。
それがどうだろう、キリキリと怒って我が事ながら見苦しい。
『私、こんなに怒りっぽい性格だったのかしら?いいえ!きっとこの男のせいよ!
私の精神をかき乱す元凶!名前からして、腹が立つ!!』
この旅こそ、シルフィールは『新しい自分捜しの旅』と命名し、ガウリイへの
未練を断ち切り、気分も新たにサイラーグで頑張る活力を蓄える神聖な儀式で
あったのだが、とんだ介入者によって計画丸つぶれになりつつあった。
『次の宿場街で、あの男と別れなければ!!精神上良くないわ』


「お、やっと街が見えてきたなあ」
目の前の林の向こうに、建物らしきものが見えてきた。
「あのっ!ゴリヲーグさん!私、この街に用がありますの!ここまでで結構ですわ!」
きょとんとする男に、そそくさと挨拶をするとすたこらと走って行こうとした。
がし!
「え?」
男はシルフィールの腕を掴むと勢いよく引き戻す。
よろ、とふらついて彼の胸に倒れこみ、シルフィールは動揺した。
「あ、あの?何かご用ですかっ!」
「ちょっと、いいか?」
「はい?」
がしいぃ!
いきなり男に抱き締められ、シルフィールは息がつまる。
パニックの頭の中、街の喧騒が小さく聞こえなくなっていく。
『きゃあああ〜〜〜!!』
気が動転し、口は金魚のようにパクパクしているだけで、たった一言さえ出てこない。
男の顔が段々近づいてきて・・・
『きゃ〜きゃあ〜いやああ!!』
その金魚の口が、強引に塞がれる。

「いたか」
「いや、いない」
「こっちを捜す」
「おーおー。昼間からいちゃついて」
「よそ見するな」
「へい」
数人の男達が、シルフィール達の傍を通りすぎていった。
しかし、この不審な行動に彼女は気付く余裕はなかった。

「ふぃ〜、行ったか」
そして腕の中のシルフィールを解放した。
しばし硬直して身動きが出来なかった彼女、我に帰るなり目の前の男に張り手を見舞う。
「いや〜!!このケダモノ!!」
真っ赤な顔で睨んでいた彼女、ふと、弱々しい顔に変わり涙がこぼれた。
「なんて人なの、もう二度と姿を見せないでちょうだい!」
一気にまくしたてられ、男もぽかんと彼女を見ていたが、さすがに涙をみせられて
反省したのだろうか。
「すまん、悪かった」
ぺこりと頭を下げたのだった。
「あやまったって、許しません!私の・・・」
『初めての、キス・・・なぜ、こんな男に!』
涙は暫く止まらなかった。


てくてく。
すたすた。
てくてくてく。
すたすたすた。
ててててててて。
すたたたたたた。
てててててててててて〜〜っ。
すたたたたたたたたた〜〜っ。
走らざるを得ず、走るシルフィールのうしろには、男がついてきていた。
無視を決め込んでいた彼女、さすがに頭にきて、振り向いて怒鳴る。
「なぜ、ついてくるんですっ?!」
「こっちにも都合ってもんがあってな!」
「そんな都合、私には関係ありませんわ!」
「まーまー、そういわずに」
「レイウイング!!」
ばびゅっ!!
シルフィールは宙に浮き、上昇する。
がしいいっ!!
「きゃ〜〜!!」
彼女の胴にしがみついている男の脳天を拳骨で殴りつける。
「放しなさい!!この女垂らし!!」
「わあ、ばかっ!死ぬ!!こんなところで落とそうとするな〜!!」
「死んでおしまいなさいっ!私は巫女です、ちゃんと成仏してさしあげます!!」
「巫女が殺人なんかすな〜〜!!」
じたばたしているうちに、術の制御が出来なくなり、ふたりは一緒に真っ逆さま。
『お、おちるうう〜〜〜〜!!』
きりもみ急降下で真下にある森の中に突っ込んで行った。
ばきばきばきがさがさざざざざーーーっ
枝や葉をなぎ倒すことでクッションになり、落下するスピードが殺された。
だが、気絶するくらいの衝撃はばっちりあった。

ふたりは鬱蒼と繁る森で、気を失ってしまった。



つづく。
しかし、このよ〜な展開になるとは自分、びっくりさ。

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1723シルフィールかわええ〜えもん E-mail 5/20-09:32
記事番号1721へのコメント

はじめまして、もおきんるいさん。
えもんと申します。

シルフィールが主役、っていうか幸せなお話って少ないですから、ちょっと目に止まってしまいました。

シルフィール、かわええですね〜。
なんか、可憐だけど心の強い彼女の良さが出ている気がします。(あ、えらそうなコメント・・・すみません。)
オリジナルのお相手が、結構強引そうな方で・・・。いきなし・・だもんなぁ。ぽっ

シルフィールをめーいっぱい幸せにしてやってくださいっ!!
続きも楽しみにしていますっ!!

えもん。


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1728Re:シルフィールかわええ〜もおきんるい E-mail URL5/20-17:27
記事番号1723へのコメント

>はじめまして、もおきんるいさん。
>えもんと申します。
こちらこそ、お初にお目にかかります。

>シルフィールが主役、っていうか幸せなお話って少ないですから、ちょっと目に止まってしまいました。
すくないというより、『かわいそう役』ばかりだよね。うん。

>シルフィール、かわええですね〜。
>なんか、可憐だけど心の強い彼女の良さが出ている気がします。(あ、えらそうなコメント・・・すみません。)
そういう女の子にしたかったんですよ。狙いはうまく伝わっているかな?

>オリジナルのお相手が、結構強引そうな方で・・・。いきなし・・だもんなぁ。ぽっ
えらい奴が出てきてシル、大変だあ。

>シルフィールをめーいっぱい幸せにしてやってくださいっ!!
>続きも楽しみにしていますっ!!
さて、本当にはっぴ〜で終われるのだろうか??
こればっかしは気紛れの思いつきの神様だけが知っている・・・

ではでは。
続きがちゃんと書けますように・・・
もおきんるい

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1736Re:シルフィールGO!GO!もおきんるい E-mail URL5/21-10:53
記事番号1721へのコメント

その4


「気がついたか?」
薄暗い・・・
はっ!!
シルフィールは男に抱きかかえられていたことにあせる。
腕のなかから飛び起き、さささと距離をとる。
男の方は彼女の態度にため息をつく。
「もう日も暮れちまって、どっちが東なのかも判らん。今日は野宿だな」
「あ、あなたと二人きりなんてご免です!!私は空を飛べば回りが判りますから!」
シルフィールはレイウイングを唱える。
「あ!!置いていく気か!!」
「あなたのことなど、知りません!のたれ死にしようが、獣に食われようが!」
「なんて巫女なんだ!良心の呵責ってのはないのか!!」
「あなたに対してはきっぱりないですわ!」
「せめて、森を抜けるくらいは手伝ってくれてもいいだろうが!」
「なに?その態度・・・」
「へ」
「人に頼む態度なの〜?どうしてこうなったかといえば、誰のせいなのかしら〜?」
「h」
シルフィールはにっこり笑っているが、背後には妙なオーラが立ち上っていた。
その威圧感に、男はたじたじとなるのだった。
「すみません・・・森を抜け出るのを手伝ってください・・・」
「よろしい」

辺りはすっかり日も暮れて真っ暗だ。
少し先に、街の明りらしき光が点在する。
ふたりは光に引き寄せられるように飛んで行った。


「じゃあ、ここでお別れです!さようなら!」
シルフィールはくるりと踵を反すと、街の雑踏のなかに向かって歩き出す。
「おい!!ちょっと待て!」
「なんです?まだなにか用?!」
「おかしい。ここの街」
「え?」
「あんた、巫女なんだろ?アンデッドくらい、判らないのか?」
「え・・・」
一刻も男と離れたかったシルフィールは、廻りに気を配っていなかった。
言われて気を集中させ、男の言う『気配』に気がついた。
「これは!・・・死者の街・・・??」
「ああ。夜だけ復活する死者の街だ。ここは早く抜けたほうがいい!」
「ええ・・・!」
男はシルフィールの肩を引き寄せ、街から足早に立ち去ろうとした。
「な、馴れ馴れしく触らないで!」
「あんたの足は遅い!気配を消して!!」
大股で歩くというより走るといった方が正しい、急ぎ足で雑踏を抜けていく。
「もう!私、白魔法が使えるんです!浄化して成仏させてみます!」
「駄目だ!数が多い!早く抜けるんだ!それに、こいつらを支配している奴が
どこかにいる・・・しまった、遅かったか!」
目の前の道の角から、どす黒い歪が沸き上がる。
その歪は一声吠えた。
地響きを感じる低音が、辺りにひろがると、今まで無関心だった街の人々が
ひた、ひた、とぎこちない歩みでこちらに集まってくる。
「囲まれたな」
男とシルフィールは背中合わせで廻りを警戒する。
「ホーリー・ブレス!」
シルフィールは白魔法を発動させた。
彼女を中心に、半径10メートルの中にいた『人の成れの果て』は、閃光に
包まれて消えた。だが、後から後から湧いてくる。
かちゃり。
金属音に、シルフィールが振り向くと、男は柄と刀身を分離していた。
「え?」
『こんな仕草、たしか、ガウリイさまも・・・まさか』
刀身のない柄だけを構える。
「大元をやらなきゃ、だめってことだな!」
『まさか。まさか・・・』
シルフィールは動揺する。彼女の思い人と同じ仕草。
男は叫んだ。
「闇よ!!」
ばしゅうう!!
黒というより闇・・・完全な漆黒の刀身が現われた。
剣をひと振りするだけで、目の前にいた人垣が紙が燃えるように消えていった。
駿足の男はあっという間に歪の傍に駆けていくと高く剣を構えて飛ぶ。
降下する勢いを乗せ、縦に一刀両断した。
聞いただけで身震いするような雄叫びをあげ、歪は空間に渦をかくように消えた。
人であったものも、渦に吸い込まれていく。
暫くすると、ふたりは静かな廃虚の道の真ん中に立っていた。

「闇?闇の剣??」
「そういう名じゃないけどな。闇星刀(ダークスター)というらしい」


ふたりがいる廃虚の街から少し離れた所で・・・
「闇星刀の、気配だ」
数人の男達の、多分リーダー格であろう、背の高い男はつぶやいた。
「気配ですか?」
「ああ。ここからそんなに離れていない。北だ」
そう告げると、先頭に立って進んでいく。
あとから残りの男達も続いていった。


つづく〜
あ、なんか、波乱の予感(はぁと)

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1762Re:シルフィールGO!GO!もおきんるい E-mail URL5/27-06:01
記事番号1736へのコメント


その5


「剣を 抜いちまったから、見つかるのも時間の問題だな。はぁ」
「見つかる?」
「ああ。この剣を狙う賊に追われている。さて、いくとするか」
男は剣を鞘に収めるとシルフィールに背を向ける。
「あばよ、ねーちゃん。こんな物騒な所でお別れは悪いが、騒動に巻き込まれる
よりはましだ。空を飛んで、ここから離れてくれ。一刻も早く」
言うだけいうと、森の中へ駆けて行ってしまった。
残された娘は、ただ呆然と見送った。
「ゴーリィさん・・・?」


シルフィールは夜風を身体に受けながらふわふわと漂い進む。
「なんか、大変な1日だったわ・・・」
思い出すのは、あの男の事。
「逃げきれるのかしら?」
上空から真っ暗な森が続く眼下をぼんやりと眺めていた。
と、光がちかちかっと森から発光、続いて音がきこえた。
どん・・・ずず・・・どおん・・・

「誰か魔法攻撃を受けているんだわ・・・まさか、ゴーリィさん?」
シルフィールは、光に向かって急降下した。


「ちぃいっ!!」
男はぼろ雑巾と化したマントを肩から引き剥がして捨てる。
「無茶しやがって、ちくしょう!」
足場の悪い地面には、湿った落ち葉が積もっていて滑りやすい。
何度も足をとられ、転びかけながら男は逃げる。

「いたぞ!」
声がすると同時に、魔法攻撃が炸裂した。
「どわあ!!」
爆風に巻き込まれ、数メートル跳ね上がりそのまま地面に叩き付けられる。
「げふ・・・」
口の中を切り、唾に血が混じるが、構っている暇はない。
そうこうするうちに、第2波、第3波と襲ってきた。
「手加減なしか。そっちがそうなら!」
彼は剣を抜き、叫ぶ。
「闇よ!!切り裂け!!」
剣先が伸び、振りかぶる勢いで魔法攻撃が飛んで来る方向に『闇の刃』がブーメラン状に
分離して向かっていった。
遠くで悲鳴が聞こえ、攻撃が止む。どうやら命中したようだ。
「見てろ!反撃開始だ!!」
剣を握り締め、男は気配のする方角へ突進していった。


どん!どおお・・・ずん・・・
「まだ、戦闘続いているのね?ゴーリィさんは何処かしら」
真夜中の森が、ところどころで閃光が走る。
シルフィールは今しがた光った場所に降り立った。
「がはあっ!」
どさ。
一言発し、人が倒れた。
慌てて駆け寄り、様子を確かめようとして止めた。
倒れた男はすでに絶命していた。
見ず知らずであれ、ゴリヲーグを狙う死客であれ、彼女は巫女である。
死者の魂を弔おうとしたそのとき。
「!!」
死んだ男の身体が音もなく消えたのだ。
「まさか、魔族??」
だが、この死者に魔族の『様子』など伺えなかった。
どおん・・・
近くではまだ戦闘が繰り広げられているようだ。
シルフィールは音のする方向へ走って行った。


「うわあ!!」
まともに爆風を受け、ゴリヲーグは数メートル吹き飛ばされる。
身体を捻ってショックを和らげるように着地すると、そのままダッシュして
魔法を放った追跡者に接近して剣を振る。
声を上げる隙さえ与えられず、目の前の死客は倒された。
横たわる死体は、いつの間にか服だけ残して消えていた。
「さて、残る一人が厄介なんだよな・・・」
舌打ちをしてゴリヲーグは気配のする方向へ走る。
向こうも、こちらに向かってやってくるのが分かった。
木々の間に、人影が見える。
「いたな!!」
ゴリヲーグは超人的な跳躍で、相手に接近して剣を振りかぶる。
が、それが先ほどの娘だと気付いて慌てて剣を止めようと身体に負荷を掛けたせいか、
つんのめって倒れる。
「だだだ・・・なんで、あんたがここに?!」
「大丈夫ですか?」
「んなわけねーだろ?あ、つつつ・・・!変に筋肉使ったから、痺れやがる」
シルフィールは治療魔法を使って、男の痺れを抜く手伝いをする。
「ごめんなさい。あなたが気になってつい、戻ってきてしまったの」
「お節介め、今からでも遅くないから、逃げろ!」
手をぷるぷる振るって調子をみて、動くのを確認した男はシルフィールの方を
見ずに告げるとすたすたと森の奥へ歩いていく。
「待ってください!」
「来るな!」
追いかけようとした彼女に、振り向かないで叫ぶ。
「絶対、来るな。死ぬぞ!」
「死ぬのはお前だ、ゴリヲーグ」

「!!」
音もなく何処から現われたのか、一人の男がふたりの目と鼻の先に立っていた。
シルフィールは息を飲む。
金髪碧眼の長身の男。
まさしくガウリイそのものがそこに居たのだから。
だが、雰囲気が重々しい。彼女の知っているガウリイは、春風のような人だった。
目つきも何処か厳格で、きつい表情だ。
この男は、別人だ。
だが、なんとそっくりなのだろう。
彼女はちら、ともう一人の男を見る。
彼の握る剣が、小さく振るえていた。目の前の男に対して明らかに恐怖を感じている。
「・・・ナイトメア、にいさん」
ゴリヲーグは、掠れた声でつぶやいた。



つづいてよかったよかった(うんうん)

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1765つづきがたのしみ。さいら E-mail 5/29-22:33
記事番号1762へのコメント

もおきんるいさん、はじめまして。さいらと申します。
「シルフィールGO!GO!」読ませていただいてます。
シルフィールとゴーリイの珍道中(?)からはじまって、
どうなるのかなーと読んでいたら、なんか、わくわくさせる展開に!
ガウリイのそっくりさんとどう決着がつくのか、
シルフィールとゴーリイはこのあとどうなるのか、
とっても楽しみにしています(^^)

ところで、シルフィール、リナとアメリアの悪い影響受けちゃって…。


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1767Re:つづきがたのしみ。もおきんるい E-mail URL5/30-23:43
記事番号1765へのコメント


>もおきんるいさん、はじめまして。さいらと申します。
こちらこそ、はじめまして〜

>「シルフィールGO!GO!」読ませていただいてます。
>シルフィールとゴーリイの珍道中(?)からはじまって、
>どうなるのかなーと読んでいたら、なんか、わくわくさせる展開に!
わくわく、ですか。
書いてるこっちは、なんだかすごい展開であせってます。
収拾つくんかしら?(汗)

>ガウリイのそっくりさんとどう決着がつくのか、
>シルフィールとゴーリイはこのあとどうなるのか、
>とっても楽しみにしています(^^)
どうなるのかなあ〜(大汗)
こればっかりは、『ひらめきの神様』だけが知っている・・・

>ところで、シルフィール、リナとアメリアの悪い影響受けちゃって…。
さすが、シル!強くなったねえ、うんうん(おい)

ではでは。続き、書けますように・・・(懇願)

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1768わくわくものですねぇ〜えもん E-mail 5/31-09:28
記事番号1762へのコメント

こんにちは、もおきんるいさん
コメント遅くなりまして、ごめんなさい・・・。

しばらく見ないうちに、なんだかおもしろい展開になってきましたね。
シルフィールの幸せよりも、話しの展開に注目してしまいそうです。

ガウリイ似のゴーリィに、闇の剣・・・
しかも、容姿がガウリイそのものの兄さん登場っ!!
もう、わくわくしちゃいます〜。
ただの、シルフィール幸せ物語じゃないところが、さすがですね。

続き、と〜っても楽しみにしています!!

えもん

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1770Re:わくわくものですねぇ〜もおきんるい E-mail URL5/31-13:06
記事番号1768へのコメント


>こんにちは、もおきんるいさん
えもんさん、2度目のコメントありがとうでごんす。

>しばらく見ないうちに、なんだかおもしろい展開になってきましたね。
>シルフィールの幸せよりも、話しの展開に注目してしまいそうです。
ははは、ほんとうに『幸せ』にするんだろうか?わし。

>ガウリイ似のゴーリィに、闇の剣・・・
>しかも、容姿がガウリイそのものの兄さん登場っ!!
>もう、わくわくしちゃいます〜。
あと4回でおわりにできればいいな〜と思っています。

>ただの、シルフィール幸せ物語じゃないところが、さすがですね。
しあわせというよりも、シルフィールを成長させたいな〜と
おもっておるでごんす。

>続き、と〜っても楽しみにしています!!
はっはっはっ、30日に、データ消えちゃったので、UPは
まっててくで。今、気がぬけて書けません(涙)。

ではでは!
もおきん