◆−連載開始します! 時の旅人 プロローグ:始まりの終わり−朱姫 依緒琉 (2005/5/6 08:21:07) No.17046 ┣時の旅人 1:示された道−朱姫 依緒琉 (2005/5/6 08:22:10) No.17047 ┃┣嬉しいです。−十叶 夕海 (2005/5/6 20:45:48) No.17048 ┃┃┗うあはははは!(狂喜乱舞)−朱姫 依緒琉 (2005/5/7 14:41:07) No.17050 ┃┗Re:時の旅人 1:示された道−神高 紅 (2005/5/8 17:00:42) No.17051 ┃ ┗こんにちは!−朱姫 依緒琉 (2005/5/9 08:47:14) No.17053 ┣時の旅人 2:流れゆく時−朱姫 依緒琉 (2005/5/9 08:23:31) No.17052 ┃┗先が楽しみです。−十叶 夕海 (2005/5/9 20:12:44) No.17054 ┃ ┗そう言っていただけると嬉しいです!−朱姫 依緒琉 (2005/5/10 08:43:14) No.17055 ┃ ┣それでは。(少し長いです。)−十叶 夕海 (2005/5/10 20:24:34) No.17056 ┃ ┗↑少し、修正します。−十叶 夕海 (2005/5/11 07:22:08) No.17057 ┃ ┗ありがとうございます!(感涙)−朱姫 依緒琉 (2005/5/11 08:36:09) No.17059 ┣時の旅人 3:剣の村の少年−朱姫 依緒琉 (2005/5/11 08:30:16) No.17058 ┃┣そんなこともあります。−十叶 夕海 (2005/5/11 21:09:18) No.17060 ┃┃┗心境は『頑張れ男の子!』?−朱姫 依緒琉 (2005/5/12 08:47:18) No.17061 ┃┗Re:時の旅人 3:剣の村の少年−神高 紅 (2005/5/13 00:29:18) No.17062 ┃ ┗お久しぶりです−朱姫 依緒琉 (2005/5/13 12:48:57) No.17064 ┣本編ではないけれど・・・・ 旅人の挑戦−朱姫 依緒琉 (2005/5/13 08:28:40) No.17063 ┃┗Re:本編ではないけれど・・・・ 旅人の挑戦−十叶 夕海 (2005/5/13 18:32:30) No.17065 ┃ ┗答えは後ほど−朱姫 依緒琉 (2005/5/16 08:23:26) No.17068 ┣時の旅人 4:歯車の軋む音−朱姫 依緒琉 (2005/5/16 08:22:21) No.17067 ┃┗時間がないので。−十叶 夕海 (2005/5/17 17:13:20) No.17069 ┃ ┗了解しました−朱姫 依緒琉 (2005/5/18 08:25:08) No.17071 ┣時の旅人 5:闇の只中で−朱姫 依緒琉 (2005/5/24 08:19:22) No.17072 ┃┣Re:時の旅人 5:闇の只中で−リラーイド=ヴァイス (2005/5/24 19:58:56) No.17073 ┃┃┗お久しぶりです!−朱姫 依緒琉 (2005/5/25 08:31:58) No.17075 ┃┗Re:時の旅人 5:闇の只中で−神高 紅 (2005/5/24 23:19:47) No.17074 ┃ ┗うわわわ!ごめんなさい!!(土下座)−朱姫 依緒琉 (2005/5/26 08:33:57) No.17076 ┣時の旅人 5:闇の只中で 訂正版−朱姫 依緒琉 (2005/5/31 08:22:04) No.17078 ┣時の旅人 6:光と闇の円舞曲(ワルツ)−朱姫 依緒琉 (2005/5/31 08:24:01) No.17079 ┃┣可能でしたら−十叶 夕海 (2005/5/31 18:34:34) No.17080 ┃┃┗了解しました−朱姫 依緒琉 (2005/6/1 08:28:03) No.17081 ┃┗Re:時の旅人 6:光と闇の円舞曲(ワルツ)−神高 紅 (2005/6/2 00:41:30) No.17082 ┃ ┗最終兵器は某正義親子的説得法!?−朱姫 依緒琉 (2005/6/2 08:29:25) No.17083 ┣時の旅人 7:刃を翳す乙女−朱姫 依緒琉 (2005/6/10 08:21:11) No.17085 ┃┗Re:時の旅人 7:刃を翳す乙女−リラーイド=ヴァイス (2005/6/10 19:45:06) No.17086 ┃ ┗バトルシーンは難しい・・・・−朱姫 依緒琉 (2005/6/13 08:27:55) No.17087 ┣時の旅人 8:斬魔の太刀、封魔の剣−朱姫 依緒琉 (2005/6/14 08:19:23) No.17088 ┃┗では・・・・・・−十叶 夕海 (2005/6/15 15:06:09) No.17089 ┃ ┣少々追加−十叶 夕海 (2005/6/15 18:22:52) No.17090 ┃ ┗感謝感激雨霰!−朱姫 依緒琉 (2005/6/16 08:34:02) No.17092 ┃ ┗もう少し落ち着いたら、また投稿します。−十叶 夕海 (2005/6/16 16:39:27) No.17094 ┣時の旅人 9:時の魔法−朱姫 依緒琉 (2005/6/16 08:24:54) No.17091 ┃┣本編注)読み方について。−朱姫 依緒琉 (2005/6/16 12:48:17) No.17093 ┃┗Re:時の旅人 9:時の魔法−神高 紅 (2005/6/19 00:27:48) No.17095 ┃ ┗一日一歩・・・・−朱姫 依緒琉 (2005/6/20 08:37:44) No.17097 ┣時の旅人 10:旅立ちの賛歌−朱姫 依緒琉 (2005/6/20 08:19:10) No.17096 ┃┗次回が楽しみです。−十叶 夕海 (2005/6/20 13:34:03) No.17098 ┃ ┗感涙に溺れてどこへやら・・・・−朱姫 依緒琉 (2005/6/20 17:06:46) No.17099 ┃ ┣少し追加−十叶夕海 (2005/6/20 20:12:23) No.17100 ┃ ┗ちなみに…−十叶夕海 (2005/6/21 00:23:06) No.17101 ┃ ┗了解です−朱姫 依緒琉 (2005/6/21 08:18:53) No.17102 ┣時の旅人・徒然編 1:彼の生まれた空の下−朱姫 依緒琉 (2005/6/21 08:20:34) No.17103 ┃┣Re:時の旅人・徒然編 1:彼の生まれた空の下−リラーイド=ヴァイス (2005/6/21 15:04:37) No.17104 ┃┃┗密かに大活躍−朱姫 依緒琉 (2005/6/22 08:37:49) No.17106 ┃┣Re:時の旅人・徒然編 1:彼の生まれた空の下−神高 紅 (2005/6/21 19:50:58) No.17105 ┃┃┗未来とは曖昧なものなり(?)−朱姫 依緒琉 (2005/6/22 08:44:51) No.17107 ┃┣とりあえず、締め切ります−朱姫 依緒琉 (2005/6/22 12:23:49) No.17108 ┃┗短くてごめんなさい。−十叶夕海 (2005/6/22 18:22:23) No.17109 ┃ ┗お忙しいでしょうし。−朱姫 依緒琉 (2005/6/23 08:27:57) No.17111 ┃ ┗更にごめんなさい−十叶夕海 (2005/6/23 08:38:20) No.17112 ┣時の旅人 11:深緑の罠−朱姫 依緒琉 (2005/6/23 08:23:07) No.17110 ┃┣Re:時の旅人 11:深緑の罠−十叶 夕海 (2005/6/24 08:59:55) No.17113 ┃┃┗Re:時の旅人 11:深緑の罠−十叶夕海 (2005/6/25 20:45:15) No.17115 ┃┃ ┗手短ですが−朱姫 依緒琉 (2005/6/27 08:23:03) No.17117 ┃┗Re:時の旅人 11:深緑の罠−神高 紅 (2005/6/26 01:10:51) No.17116 ┃ ┗お久しぶりです−朱姫 依緒琉 (2005/6/27 08:26:46) No.17118 ┣時の旅人 12:魔性の誘惑−朱姫 依緒琉 (2005/7/4 08:28:26) No.17120 ┃┗Re:時の旅人 12:魔性の誘惑−十叶夕海 (2005/7/4 15:54:52) No.17121 ┃ ┗ありがとうございました!−朱姫 依緒琉 (2005/7/5 08:25:20) No.17124 ┣時の旅人 13:神の世の秩序−朱姫 依緒琉改め羅城 朱琉 (2005/7/11 08:26:32) No.17129 ┃┣出たー!!!!−リラーイド=ヴァイス (2005/7/11 18:49:46) No.17133 ┃┃┗お待たせしました−羅城 朱琉 (2005/7/12 08:28:54) No.17136 ┃┣Re:時の旅人 13:神の世の秩序−十叶夕海 (2005/7/11 20:39:53) No.17134 ┃┃┗いえいえ、私なんぞ・・・・−羅城 朱琉 (2005/7/12 08:36:55) No.17137 ┃┗Re:時の旅人 13:神の世の秩序−神高 紅 (2005/7/11 23:54:01) No.17135 ┃ ┗かめ歩き・・・・?−羅城 朱琉 (2005/7/12 08:46:57) No.17138 ┣時の旅人 14:絆、信じて−羅城 朱琉 (2005/7/14 08:22:02) No.17141 ┃┗Re:時の旅人 14:絆、信じて−十叶夕海 (2005/7/15 20:05:48) No.17143 ┃ ┗ありがとうございました!−羅城 朱琉 (2005/7/19 08:20:45) No.17144 ┗時の旅人 15:真理に至るためのさまざまな道筋−羅城 朱琉 (2005/7/19 08:23:20) No.17145 ┗Re:時の旅人 15:真理に至るためのさまざまな道筋−十叶 夕海 (2005/7/21 19:50:59) No.17149 ┗乞うご期待、ぐらいしかいえませんが・・・・−羅城 朱琉 (2005/7/22 08:26:26) No.17150
17046 | 連載開始します! 時の旅人 プロローグ:始まりの終わり | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/6 08:21:07 |
こんにちは、もしくははじめまして。朱姫 依緒琉(あけひめ いおる)です。 予告していました『時の旅人』の連載を始めたいと思います! と、言うわけで、早速ですがプロローグをどうぞ! 時の旅人 プロローグ:始まりの終わり −ヤア、こんにちは。よく来てくれたね、嬉しいよ。− −僕は誰かって?僕は『放浪の語り部』。大抵は、『語り部』と呼ばれているよ。君もそう呼んでくれればいい。− −さあ、どんな話を聞きたい?心震わす英雄譚、涙を誘う悲恋モノ、僕は語ろう、望みのままに。− −普通の話じゃつまらないかい?では、こんなのはどうかな?− −ここではない場所、今ではない時。長い永い時の中に、『終わり』を求めて彷徨う少女がいた。− −少女はさまざまな人と出会い、多くの思惑に踊らされながら、それでも先へ進んでいく。− ―待ち受ける運命は厳しく、少女は涙を流しながら、それでも前を見つめていた。− −これは、そんな少女の物語。気に入ってくれるかな?− −さあ、物語を始めよう。この『放浪の語り部』が知る全てを。− −人と、神と、魔と、創り手の、愚かしくも愛おしい、長い永い物語を。− −『時の旅人』の話を・・・・− 「ただいま帰りました、姉様。」 少女は、そう言って扉を閉める。そして、やたら厳重に鍵をかけると、奥の部屋に向かって歩き出した。 少女の名は、アリエス。若干16歳でありながら、剣士としても魔道士としても一流の腕前を持つ者として、この辺りでは少々有名である。ただし、アリエス本人はそうなることを望んでいたわけではない。彼女の力は、ただ護るために存在した。彼女自身を、そして、彼女の姉を。この物騒な時代、生き抜くにはそうする必要があったから。 「姉様?もう・・・・また夢中になっているのですね!?姉様―!野菜、地下に仕舞っておきますよー!」 そう言って、アリエスは買ってきた野菜を涼しい地下室に運び込む。 その瞬間だった。足元の床が突如として発光し始める。見れば、それは複雑な魔方陣を描いていて・・・・ まるで体が作り変えられるかのような苦しみに、アリエスは悲鳴を上げた。 これは、遠い昔の物語。まだ世界が優しかった時の、その終わりの物語。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語り部(以下語):こんにちは、はじめまして。今回は、朱姫の書いた小説(と書いて、よくわからないものと読む)を読んでくれてありがとう。朱姫に変わって、お礼を言わせてもらうよ。 さて、僕は今回から、ここで『次回予告』を担当することになったんだ。ヨロシクね。 では、次回予告だよ。 夢は終わり、現実に立ち返る時、変わらぬ今に少女は諦めた苦笑を漏らした。 求めるものは何処にありや?鍵を握るのは、リナ=インバース。 会いたい、会いたい。 願いに従い新たな旅立ちを向かえ、物語は幕を開ける。 次回、時の旅人第1話、『示された道』 また来てくれると、僕は嬉しいな。 語:ああ、それとお知らせだ。5月2日に締め切ったキャラ募集、投稿してくれた方、どうもありがとう!とりあえず、募集した五人については、以下の通りとさせていただきました。 1)この世界の魔族:サラ=ナナシ(神高紅さんより) 2)この世界の神族:スティルハード=ノース(リラーイド=ヴァイスさんより) 3)異世界の神族:イヴ=フェアリル(十叶 夕海さんより) 4)異世界の魔族:シン=エンザ(神高紅さんより) 5)主人公の仲間の魔道士:ルピナス=セレス=ヴァリード(十叶 夕海さんより) なお、今回使わなかった方たちも、もしかしたら後で、立場を変えて出てくるかもしれません。と、言うか、今の状態だったら必ず出すんじゃないかな?なにせ、当初の予定よりもキャラが増えて増えて・・・・現在、端役含めて18人!だから、『いや、キャラの転用はしないでほしいです』と言う方は、お手数ですがそう書いてレスして下さい。 では、この辺で! |
17047 | 時の旅人 1:示された道 | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/6 08:22:10 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 早速ですが、第1話です。そして、一人目の登場です! 時の旅人 1:示された道 がば、とアリエスは飛び起きた。日はちょうど昇りつつあり、さわやかな朝の空気が満ちている。 「夢・・・・ですか。」 小さく呟く。しかし直後に同じ部屋にいる者のことを思い出し、口を塞いでそっと横を見た。・・・・・・・・大丈夫、まだ寝ている。アリエスは腰よりも長い髪をうっとうしげに掻き揚げ、夢の残滓を記憶から追いやった。 そう、あの夢は古い記憶。まだ彼女が『普通』であったときの、最後の思い出。 そっとベッドから降り立ち、身支度を調える。浅葱色の貫頭衣に、焦茶のズボンとブーツ。ミスリル繊維を織り込んだ黒いマントは、左肩のあたりで止める。腰にはショートソードとダガーが一本ずつ。防具は、とある事情により必要ない。最後に、長い髪を梳る。色あせない銀の髪を背中でゆったりと結び、行動の妨げにならないようにする。そんなにうっとうしいなら切ればいい、とは言われるのだが、何分切りたくても、これまたとある事情により、この髪は普通の刃物じゃ傷もつかないのだ。そこそこの魔法剣でさえ刃こぼれを起こした。しかしまあ、これ以上伸びないことは救いである。 外を見ると、日が昇りきっている。そろそろ、同室の『彼』も目を覚ますだろう。と、案の定赤みの強い茶髪が動いた。 「おはようございます、ルピナス。今日もよい天気ですよ。」 ルピナスと呼ばれた青年はゆっくりと身を起こし、穏やかに微笑んだ。 「おはよう、アリエス。・・・・おや?フィッツは?」 「今朝起きたらもういませんでした。いつものことです。」 「そうか・・・・。まあ、またそのうち現れるだろう。」 そう言って、二人は窓の外を見る。ここは、かつてサイラーグと呼ばれた場所に最も近い宿屋。恐らく、昼前にはサイラーグにたどり着くだろう。 「今度こそ、手がかりがあればいいのだが・・・・・・・・。」 「こればかりは、私たちの問題ですから。・・・・お互い、やっかいなものですね。」 ※ ※ ※ ※ ※ かつて『サイラーグ』と呼ばれた街は、今は荒野となっている。その中心にある大穴は、かつて神聖樹があった跡だと言う。 「ものすごい魔力・・・・。下手に魔法を使わないほうが良いですね。」 アリエスは、わずかに顔をしかめ、呟く。ルピナスもまた、小さく頷き返した後、問うた。 「ところで、目的の場所は?」 アリエスはまっすぐに右腕を伸ばし、ある一点を指し示す。 「かつて神聖樹のあった場所・・・・その穴の底です。」 レビテーションを使い、穴の底に降り立つ。薄暗いそこは、地上よりも更に魔力に満ちた所だった。アリエスはあたりを見回すと、満足げに頷く。 「ここで、間違いないようです。・・・・では、少々調べてみましょう。」 そう言ってアリエスは、長い髪が地に着くのにもかまわず屈みこむ。そして片手を地に着け、目を閉じた。 とたん、アリエスを中心に別の力が広がる。そのまま、アリエスは神託を告げる巫女のように、語り始めた。 「大いなる魔の陰謀・・・・その決戦の地・・・・母なるものの降臨・・・・その中心となった人間・・・・・・・・リナ=インバース。・・・・混沌の力を呼び出すことの出来る・・・・稀有なる者。・・・・混沌とは即ち、始まりにして終わり。始原の暗黒、金色の闇・・・・。」 ゆっくりとアリエスの瞳が現れる。今は闇を映して黒い瞳が、笑みの形になる。 「混沌の力・・・・。それがあれば、私たちの望みも叶うかもしれません。可能性は、高いと思われます。」 そうして、遥か天を見上げる。光にさらされ、本来の淡緑色の色調を取り戻した瞳が、遥か遠くに思いを馳せる。 「会ってみたいですね・・・・・・・・、リナ=インバースに。」 アリエス・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。かつて、レティディウスと呼ばれる国があった頃の魔剣士。不死の研究の、唯一の成功体。そして、永遠の命を、終わらせることを望むもの。 ルピナス・・・・ルピナス=セレス=ヴァリード。幼いころの記憶を無くした魔道士。日替わりで、男になったり女になったりする呪いをかけられている。記憶と、呪いの解法を求めるもの。 二人の物語は幕を開けた。その行く先を知るものは、まだいない。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。『時の旅人』第1話。登場したのはルピナスさんでした! さあ、では語ろうか。次に紡がれる物語、その面影を・・・・ 旅の目的は決まった。しかし、世間のしがらみはまだそれを許してはくれない。 二人の恩人、レンシェルマの危機に、彼らはライゼール帝国領、ブレードヴィレッジに急ぐ。 『鍛冶の村』ブレードヴィレッジ。そこに待つものとは? 次回、時の旅人第2話、『流れゆく時』 また来てくれると、僕は嬉しいな。 |
17048 | 嬉しいです。 | 十叶 夕海 | 2005/5/6 20:45:48 |
記事番号17047へのコメント > そう、あの夢は古い記憶。まだ彼女が『普通』であったときの、最後の思い出。 闇;古い記憶であっても、『普通』の定義はどうとるのかね、アリエス。 ユア;どうも、ユアです。 ↑は、私のオリジ小説のオリキャラの一人の神影幻十郎です。 ≪闇≫を司り。そして、元・人間です。 闇:まあ、全てを知り尽くしたいが為に、存在を≪魔法≫にした魔法使いだ。 > 外を見ると、日が昇りきっている。そろそろ、同室の『彼』も目を覚ますだろう。と、案の定赤みの強い茶髪が動いた。 ユア;みゅ!? 闇;すまないね、朱姫君。 上の言葉をあえて訳すならば、『もしかして!?』だろうね。 >「おはようございます、ルピナス。今日もよい天気ですよ。」 ユア;おおう。 闇;ふむ、この奇怪なぽ−ズとっている女性の協力したキャラか。 > > かつて『サイラーグ』と呼ばれた街は、今は荒野となっている。その中心にある大穴は、かつて神聖樹があった跡だと言う。 闇;そういえば、『スレイヤ−ズ』とやらの一部終了後かね? ユア;喋り方は偉そうですが、全然こいつに悪気はないです。 >「大いなる魔の陰謀・・・・その決戦の地・・・・母なるものの降臨・・・・その中心となった人間・・・・・・・・リナ=インバース。・・・・混沌の力を呼び出すことの出来る・・・・稀有なる者。・・・・混沌とは即ち、始まりにして終わり。始原の暗黒、金色の闇・・・・。」 闇;或いは、『混沌』とは、『結果』であり、『過程』でもあるのだよ。 ユア;ようは、『始まり』であり、『途中』であり、『終わり』でもあるってことでしょ? いちいち、回りくどく言わない!! 闇:真理とはそう安易なものではないのだよ、ユア。 > > アリエス・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。かつて、レティディウスと呼ばれる国があった頃の魔剣士。不死の研究の、唯一の成功体。そして、永遠の命を、終わらせることを望むもの。 闇:つくづく人とは興味深く、愚かな存在だ。 『永遠』と言う甘いお菓子の毒に気が付かないのだから。 ユア:でもね、それでも求めて手放そうと出来るのが、人間よ? > ルピナス・・・・ルピナス=セレス=ヴァリード。幼いころの記憶を無くした魔道士。日替わりで、男になったり女になったりする呪いをかけられている。記憶と、呪いの解法を求めるもの。 > ユア;やったね。 一人目、一人目〜。 > > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。『時の旅人』第1話。登場したのはルピナスさんでした! ユア;ハイ、ありがとうです。 闇;彼女の使っている機種のせいか、音符マ−クは出ないが。 彼女はかなりつけたいぐらい喜んでいるな。 > さあ、では語ろうか。次に紡がれる物語、その面影を・・・・ > > 旅の目的は決まった。しかし、世間のしがらみはまだそれを許してはくれない。 > 二人の恩人、レンシェルマの危機に、彼らはライゼール帝国領、ブレードヴィレッジに急ぐ。 > 『鍛冶の村』ブレードヴィレッジ。そこに待つものとは? > 次回、時の旅人第2話、『流れゆく時』 > また来てくれると、僕は嬉しいな。 ユア;は〜い。続き待ってます。 闇;また、私も来させていただくとしようか。 ユア;では次回で。 > > |
17050 | うあはははは!(狂喜乱舞) | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/7 14:41:07 |
記事番号17048へのコメント >闇;古い記憶であっても、『普通』の定義はどうとるのかね、アリエス。 >ユア;どうも、ユアです。 > ↑は、私のオリジ小説のオリキャラの一人の神影幻十郎です。 > ≪闇≫を司り。そして、元・人間です。 >闇:まあ、全てを知り尽くしたいが為に、存在を≪魔法≫にした魔法使いだ。 朱姫:こんにちは!レスありがとうございます!!!!!! 語り部:こんにちは、これに出てるからわかるかな?『放浪の語り部』だよ。今回は、狂喜乱舞して思考がまともじゃない朱姫の通訳係、だと思ってくれればいい。 > > > >>「おはようございます、ルピナス。今日もよい天気ですよ。」 > >ユア;おおう。 >闇;ふむ、この奇怪なぽ−ズとっている女性の協力したキャラか。 語り部:そう。朱姫は彼、もしくは彼女のことを一目で気に入ったそうでね。おかげで筆が異様にのっている。これがいつまで続くことか・・・・ 朱姫:最後だけ余計だけど・・・・おおむねその通りなので反論できない・・・・。 > > > >> >> かつて『サイラーグ』と呼ばれた街は、今は荒野となっている。その中心にある大穴は、かつて神聖樹があった跡だと言う。 > >闇;そういえば、『スレイヤ−ズ』とやらの一部終了後かね? >ユア;喋り方は偉そうですが、全然こいつに悪気はないです。 語り部:いやいや、僕の喋り方もよく突っ込まれるから気にすることは無い。 朱姫:時間軸的には、アニメ版無印、NEXT、TRYと来て、その後に小説本編第2部がくっついたと思って下さい。 語り部:まったく・・・・先に説明すべきだとは思わなかったのかい? 朱姫:・・・・・・・・ > >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。『時の旅人』第1話。登場したのはルピナスさんでした! > >ユア;ハイ、ありがとうです。 >闇;彼女の使っている機種のせいか、音符マ−クは出ないが。 > 彼女はかなりつけたいぐらい喜んでいるな。 語り部:フフ・・・・朱姫は、キャラを貰った時パソコンの前で「きゃ〜きゃ〜」言いながら悶えていたよ? 朱姫:いやあの・・・・事実です、はい。改めまして、ありがとうございました! > >> さあ、では語ろうか。次に紡がれる物語、その面影を・・・・ >> >> 旅の目的は決まった。しかし、世間のしがらみはまだそれを許してはくれない。 >> 二人の恩人、レンシェルマの危機に、彼らはライゼール帝国領、ブレードヴィレッジに急ぐ。 >> 『鍛冶の村』ブレードヴィレッジ。そこに待つものとは? >> 次回、時の旅人第2話、『流れゆく時』 >> また来てくれると、僕は嬉しいな。 > >ユア;は〜い。続き待ってます。 >闇;また、私も来させていただくとしようか。 >ユア;では次回で。 朱姫:はい、では私もこの辺で! 語り部:また来てくれると嬉しいよ。 >> |
17051 | Re:時の旅人 1:示された道 | 神高 紅 | 2005/5/8 17:00:42 |
記事番号17047へのコメント 紅:はいどうもこんばんは朱姫さん。多少遅れてすいません。遅刻王こと神高紅です。 コ:そしてどうもはじめましてこんばんはだ。俺は紅のレス時の相方の一人コウ=カオス=デスティニーだ。詳しいことは書き殴り大辞典でも見てくれ。これからよろしくな。 ク:初めまして・・紅のもう一人の相方・・クロス=デスティニーです・・どうぞよろしくお願いします・・ 紅:自己紹介も済みましたので、レスに参らせていただきます。 > がば、とアリエスは飛び起きた。日はちょうど昇りつつあり、さわやかな朝の空気が満ちている。 >「夢・・・・ですか。」 > 小さく呟く。しかし直後に同じ部屋にいる者のことを思い出し、口を塞いでそっと横を見た。・・・・・・・・大丈夫、まだ寝ている。アリエスは腰よりも長い髪をうっとうしげに掻き揚げ、夢の残滓を記憶から追いやった。 > そう、あの夢は古い記憶。まだ彼女が『普通』であったときの、最後の思い出。 ク:普通とはヒトであったということですか・・? コ:それはどれだけ昔のことになるのかねえ。 ク:百年・・?千年・・?それとももっと・・ > そっとベッドから降り立ち、身支度を調える。浅葱色の貫頭衣に、焦茶のズボンとブーツ。ミスリル繊維を織り込んだ黒いマントは、左肩のあたりで止める。腰にはショートソードとダガーが一本ずつ。防具は、とある事情により必要ない。最後に、長い髪を梳る。色あせない銀の髪を背中でゆったりと結び、行動の妨げにならないようにする。そんなにうっとうしいなら切ればいい、とは言われるのだが、何分切りたくても、これまたとある事情により、この髪は普通の刃物じゃ傷もつかないのだ。そこそこの魔法剣でさえ刃こぼれを起こした。しかしまあ、これ以上伸びないことは救いである。 コ:すさまじい髪だなおい。逆に武器にでもなんじゃねえのか。 ク:カリスマ美容師でも『刃が立ちません』・・文字通り・・ 紅:中途半端なボケはいらん。 >「混沌の力・・・・。それがあれば、私たちの望みも叶うかもしれません。可能性は、高いと思われます。」 > そうして、遥か天を見上げる。光にさらされ、本来の淡緑色の色調を取り戻した瞳が、遥か遠くに思いを馳せる。 >「会ってみたいですね・・・・・・・・、リナ=インバースに。」 コ:混沌の力。下手をすると世界が消滅しかねねえがな。 ク:七人のリナさんを集めれば願いが・・ コ:叶ってたまるか!とゆーかそれ以前に七人もいてたまるか! > アリエス・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。かつて、レティディウスと呼ばれる国があった頃の魔剣士。不死の研究の、唯一の成功体。そして、永遠の命を、終わらせることを望むもの。 ク:永遠とは誰もが望むけど・・何よりも辛いことの1つ・・ コ:目的でもあれば別だが。やることの無い永遠なぞ牢獄と変わらないからな。 ク:一人ぼっちはつらいですから・・とても・・とても・・ > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。『時の旅人』第1話。登場したのはルピナスさんでした! > さあ、では語ろうか。次に紡がれる物語、その面影を・・・・ > > 旅の目的は決まった。しかし、世間のしがらみはまだそれを許してはくれない。 > 二人の恩人、レンシェルマの危機に、彼らはライゼール帝国領、ブレードヴィレッジに急ぐ。 > 『鍛冶の村』ブレードヴィレッジ。そこに待つものとは? > 次回、時の旅人第2話、『流れゆく時』 > また来てくれると、僕は嬉しいな。 紅:次回も楽しみです。 ク:それはそうと・・語り部さんっていいにくいですね・・カタリさんって呼んでいいですか・・? コ:たいして変ってないような気がするが。 紅:まあとにかく次回に期待!ではこのへんでさよーなら。 コ:じゃあまたな。 ク:さよなら・・ |
17053 | こんにちは! | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/9 08:47:14 |
記事番号17051へのコメント >紅:はいどうもこんばんは朱姫さん。多少遅れてすいません。遅刻王こと神高紅です。 >コ:そしてどうもはじめましてこんばんはだ。俺は紅のレス時の相方の一人コウ=カオス=デスティニーだ。詳しいことは書き殴り大辞典でも見てくれ。これからよろしくな。 >ク:初めまして・・紅のもう一人の相方・・クロス=デスティニーです・・どうぞよろしくお願いします・・ 朱姫:はじめまして!遅筆王もしくは行き当たりばったり王の朱姫です。 語り部:相変わらず、通訳の語り部だよ、よろしくね。 >紅:自己紹介も済みましたので、レスに参らせていただきます。 >> そっとベッドから降り立ち、身支度を調える。浅葱色の貫頭衣に、焦茶のズボンとブーツ。ミスリル繊維を織り込んだ黒いマントは、左肩のあたりで止める。腰にはショートソードとダガーが一本ずつ。防具は、とある事情により必要ない。最後に、長い髪を梳る。色あせない銀の髪を背中でゆったりと結び、行動の妨げにならないようにする。そんなにうっとうしいなら切ればいい、とは言われるのだが、何分切りたくても、これまたとある事情により、この髪は普通の刃物じゃ傷もつかないのだ。そこそこの魔法剣でさえ刃こぼれを起こした。しかしまあ、これ以上伸びないことは救いである。 >コ:すさまじい髪だなおい。逆に武器にでもなんじゃねえのか。 >ク:カリスマ美容師でも『刃が立ちません』・・文字通り・・ >紅:中途半端なボケはいらん。 語り部:そのことに関して、アリエスさんから弁解を貰っているよ。 アリエス:えっと・・・・普通に柔らかい髪なので、武器にはちょっと・・・・。それに、別に髪だけがそうなのではないので。詳しい事情はおいおい語られると思いますが・・・・。 語り部:だ、そうだよ。 >>「混沌の力・・・・。それがあれば、私たちの望みも叶うかもしれません。可能性は、高いと思われます。」 >> そうして、遥か天を見上げる。光にさらされ、本来の淡緑色の色調を取り戻した瞳が、遥か遠くに思いを馳せる。 >>「会ってみたいですね・・・・・・・・、リナ=インバースに。」 >コ:混沌の力。下手をすると世界が消滅しかねねえがな。 >ク:七人のリナさんを集めれば願いが・・ >コ:叶ってたまるか!とゆーかそれ以前に七人もいてたまるか! >> アリエス・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。かつて、レティディウスと呼ばれる国があった頃の魔剣士。不死の研究の、唯一の成功体。そして、永遠の命を、終わらせることを望むもの。 >ク:永遠とは誰もが望むけど・・何よりも辛いことの1つ・・ >コ:目的でもあれば別だが。やることの無い永遠なぞ牢獄と変わらないからな。 >ク:一人ぼっちはつらいですから・・とても・・とても・・ 語り部:そう、辛いよ・・・・だからこそ、無限の存在は『意味』を求める。それがいかなる災いをもたらそうとも。 朱姫:あの、それ以上はネタばらし・・・・。 >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。『時の旅人』第1話。登場したのはルピナスさんでした! >> さあ、では語ろうか。次に紡がれる物語、その面影を・・・・ >> >> 旅の目的は決まった。しかし、世間のしがらみはまだそれを許してはくれない。 >> 二人の恩人、レンシェルマの危機に、彼らはライゼール帝国領、ブレードヴィレッジに急ぐ。 >> 『鍛冶の村』ブレードヴィレッジ。そこに待つものとは? >> 次回、時の旅人第2話、『流れゆく時』 >> また来てくれると、僕は嬉しいな。 >紅:次回も楽しみです。 >ク:それはそうと・・語り部さんっていいにくいですね・・カタリさんって呼んでいいですか・・? 語り部:どうぞどうぞ、ご自由に。 >コ:たいして変ってないような気がするが。 >紅:まあとにかく次回に期待!ではこのへんでさよーなら。 >コ:じゃあまたな。 >ク:さよなら・・ 朱姫&語り部:それではまた。 |
17052 | 時の旅人 2:流れゆく時 | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/9 08:23:31 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。第2話更新・・・・ですが、話は遅々として進まず。 気長に待ってくれると嬉しいです。 では、本編へどうぞ! 時の旅人 2:流れゆく時 かつてはサイラーグであった荒野に再び降り立ち、アリエスは久々に心からの微笑を浮かべていた。長すぎる時というものは厄介なもので、目的でもなければ苦痛なだけ。久々に出来た目的、しかもなかなかに大変そうで面白そう、更には自分の本当の望みに直結している事とあって、アリエスは大変嬉しかった。そんなアリエスを見て、ルピナスは少し悲しく思う。アリエスが不老不死であることは知っている。そして、彼女が『普通の人間』に戻ることを望んでいることも。しかし、なぜ、そう思っているのかまではわからない。アリエスは語らない。自分はアリエスに『信用』されているが、『信頼』はされていない。それがよくわかっている。アリエスが『信頼』しているのは、この世でたった一人。今は遠くにいる、二人の恩人だけ。 と、不意に金属音が響いた。アリエスは、何かを探すようにポケットをまさぐる。出てきたのは、金貨ほどの大きさのもの・・・・レグルス板。金属音は、それから漏れている。二人はすぐに、その音の正体に気づいた。それは・・・・・・・・剣と剣の、ぶつかる音。 『っく・・・・何のつもりですか!あなたたちは!・・・・・・・・っ・・・・アリエス、ルピナス。お願いします、戻ってきてください!ここに・・・・ブレードヴィレッジに!』 「レン!!!!!!」 アリエスの悲鳴のような叫びに、ひとつ、大きな音が重なって、レグルス板は沈黙した。片割れのレグルス板が破壊されたのだろう。それくらい、すぐにわかるだろうに、アリエスは必死に、沈黙したレグルス板に呼びかけていた。 「レン!!!!レン!!!!返事をして!レンシェルマ!!!!!!」 「アリエス、落ち着け!」 「落ち着けるものですか!レンに、レンに何か起こったのに、それなのにどうして落ち着けるのよ!!?」 アリエスは完全に混乱している。無理もない、信頼できるたった一人の人の危機かもしれないのだ。しかし、ルピナスにとっても片割れを持つ人物・・・・レンシェルマは恩人だ。だからこそ。 「ここで混乱してどうなる!?今は一秒でも早く、ブレードヴィレッジへ!」 ルピナスの、叱責ともとれる厳しい口調に、ようやくアリエスの瞳に理性の色が戻った。 「そうでした。ありがとうございます、ルピナス。・・・・・・・・場合が場合です。《門》を開きましょう。」 言うと、アリエスは懐から6本のナイフを取り出した。実用には向かない、細かな装飾のなされたそれを、方角を確認しつつ地面に突き刺してゆく。・・・・丁度、ブレードヴィレッジの方向に頂点を向けた六紡星となるように。そして、ルピナスと共にその中心に立つ。そして、呪文を解き放った。 「結扉跳場(リンクゲート)」 瞬間、二人の姿が掻き消える。 呪力を込めたナイフで結界を作ることにより、その内部にいる、術者が選択したものを、あらかじめ定められた場所に一瞬で移動させる、アリエス・オリジナルの呪文の効果だ。定められた場所、それは、ブレードヴィレッジにある神殿の一室。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 二人の男が、それぞれの得物を繰り出した。剣を持つ一人は、周りに倒れ伏す多くの男と同じ様な、いかにも街のごろつき、といった感じの格好。そして、錫杖を持つもう一人は、神官の格好をしていた。 ぎりぎりと、錫杖と剣が鍔迫り合いをする。膠着状態は、一瞬で終わった。澄んだ音を立てて、錫杖が砕け散る。これまで何回も同様の剣戟を防いできたのだ、少しずつひび割れてきていたから、無理もない。相手の武器も悪かった。『鍛冶の村』、『剣の村』の呼び名は伊達ではない。ここで作られた刃物は、他の所で作られたものとは段違いの切れ味と耐久性を持っているのだ。相手の武器は、全てこのブレードヴィレッジで作られたものだった。錫杖の男には、相手がごろつきなどではないことなどとうの昔にわかっていた。恐らくは、訓練を受けた兵士であろうとも。それでも、彼は逃げ出すわけにはいかなかった。『ここ』を、相手の黒幕に渡すわけにはいかない。しかし・・・・・・・・。彼は、錫杖が砕けた瞬間、死を覚悟した。 「ギャァッ!」 悲鳴を上げたのは、剣を持つ男のほうだった。 錫杖の男は、目を見開いた。相手の手に、一本のスローイングダガーが突き刺さっている。彼は、そのスローイングダガーに見覚えがあった。 「レン!無事ですか!?」 「レンシェルマさん!」 二つの声がした。よく知った声が。錫杖の男・・・・レンことレンシェルマは、隙だらけとなった男の鳩尾に折れた錫杖の先端を叩き込み、気絶させる。そして、柔和な微笑を浮かべて二人を迎えた。 「助かりました。ありがとう、アリエス、ルピナス。」 レンシェルマ=ヴァリード。ブレードヴィレッジの神官。かつて、アリエスと共に旅をした者。そして、記憶喪失のルピナスに、名前と自らの姓を与えた者。 物語は動き出す。平穏だった時を押し流すように。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:ヤア、こんにちは。また会えて嬉しいよ。今回もまた新しいキャラが出たね。・・・・しかし、朱姫はどういうつもりかな?いただいたキャラクターとの間柄まで捏造して・・・・まったく。 ゴメンネ、皆さん。 さて、気を取り直して、語ろうか。まだ見ぬ未来の断片を。 信じることは難しい。人を知ることもまた、同様に。 されど、絆は深く、だからこそ老獪な乙女は叫ぶ。 そして、もう一つの深き絆に動かされ、一度彼らは道を変える。 それこそが、彼らの真の物語と、今はまだ知る術もなく・・・・。 次回、時の旅人第3話、『剣の村の少年』 君に再び会えると、僕は信じてるよ! |
17054 | 先が楽しみです。 | 十叶 夕海 | 2005/5/9 20:12:44 |
記事番号17052へのコメント > こんにちは、朱姫 依緒琉です。第2話更新・・・・ですが、話は遅々として進まず。 > 気長に待ってくれると嬉しいです。 > では、本編へどうぞ! ユア;はいです。 いっそ、朱姫の姐御と呼ばせてください。 闇;・・・・朱姫君が、怯えるような真似をしないほうがいいと思うがね? ユア:いいじゃないのさ。 レス行きます。 > > かつてはサイラーグであった荒野に再び降り立ち、アリエスは久々に心からの微笑を浮かべていた。長すぎる時というものは厄介なもので、目的でもなければ苦痛なだけ。久々に出来た目的、しかもなかなかに大変そうで面白そう、更には自分の本当の望みに直結している事とあって、アリエスは大変嬉しかった。そんなアリエスを見て、ルピナスは少し悲しく思う。アリエスが不老不死であることは知っている。そして、彼女が『普通の人間』に戻ることを望んでいることも。しかし、なぜ、そう思っているのかまではわからない。アリエスは語らない。自分はアリエスに『信用』されているが、『信頼』はされていない。それがよくわかっている。アリエスが『信頼』しているのは、この世でたった一人。今は遠くにいる、二人の恩人だけ。 ユア;長過ぎる時・・・・・といえば、あんただけど 実際どう? 闇:目的がああるのならば、然程苦痛になるまいよ。 私のように、無いようなあるような目的でもあると違うものだと思うが? ユア;でも、アリエスさんは、『目的』はあるけど『手段』が無いじゃない? 闇;それはさておき、ルピナスくんの方は、何も言わなくても良いのかい? ユア:彼に・・・。 『信用』、『信頼』してないは、あなたの主観だし、本当はどう思ってるなんか、他人にはわからないから、そう悲観しないでね? > > レンシェルマ=ヴァリード。ブレードヴィレッジの神官。かつて、アリエスと共に旅をした者。そして、記憶喪失のルピナスに、名前と自らの姓を与えた者。 > ユア;ある意味で、ルピナスの『お父さん』? > > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:ヤア、こんにちは。また会えて嬉しいよ。今回もまた新しいキャラが出たね。・・・・しかし、朱姫はどういうつもりかな?いただいたキャラクターとの間柄まで捏造して・・・・まったく。 > ゴメンネ、皆さん。 ユア;大丈夫ですよん。 むしろ、差し上げたキャラをどう成長させるのか。 それは、貰った人の自由です。 > 君に再び会えると、僕は信じてるよ! > ユア;はい、またレスしますね。 闇;ところで、朱姫くん。 ユアから一つ提案があるらしいのだが? ユア;ええと、ルピナスくんのキャラプロフィ―ルを必要ならあげます。 返レスに、必要の有無をお書きください。 二人;それでは、続きを楽しみにしているよ。 |
17055 | そう言っていただけると嬉しいです! | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/10 08:43:14 |
記事番号17054へのコメント > >> こんにちは、朱姫 依緒琉です。第2話更新・・・・ですが、話は遅々として進まず。 >> 気長に待ってくれると嬉しいです。 >> では、本編へどうぞ! > >ユア;はいです。 > いっそ、朱姫の姐御と呼ばせてください。 >闇;・・・・朱姫君が、怯えるような真似をしないほうがいいと思うがね? >ユア:いいじゃないのさ。 > レス行きます。 語り部:こんにちは、レスありがとう! 朱姫:本当に、いつもいつもありがとうございます! 私が姉御ならいっそ夕海の大姉御と・・・・ 語り部:冗談はそのくらいにしてね。悪ふざけが過ぎるよ! > > >> >> かつてはサイラーグであった荒野に再び降り立ち、アリエスは久々に心からの微笑を浮かべていた。長すぎる時というものは厄介なもので、目的でもなければ苦痛なだけ。久々に出来た目的、しかもなかなかに大変そうで面白そう、更には自分の本当の望みに直結している事とあって、アリエスは大変嬉しかった。そんなアリエスを見て、ルピナスは少し悲しく思う。アリエスが不老不死であることは知っている。そして、彼女が『普通の人間』に戻ることを望んでいることも。しかし、なぜ、そう思っているのかまではわからない。アリエスは語らない。自分はアリエスに『信用』されているが、『信頼』はされていない。それがよくわかっている。アリエスが『信頼』しているのは、この世でたった一人。今は遠くにいる、二人の恩人だけ。 > >ユア;長過ぎる時・・・・・といえば、あんただけど 実際どう? >闇:目的がああるのならば、然程苦痛になるまいよ。 > 私のように、無いようなあるような目的でもあると違うものだと思うが? >ユア;でも、アリエスさんは、『目的』はあるけど『手段』が無いじゃない? >闇;それはさておき、ルピナスくんの方は、何も言わなくても良いのかい? >ユア:彼に・・・。 > 『信用』、『信頼』してないは、あなたの主観だし、本当はどう思ってるなんか、他人にはわからないから、そう悲観しないでね? 語り部:うーん・・・・アリエスの他人に対する信用度って、口調で大体分かっちゃうんだよね・・・・。 朱姫:姓にさん付け&丁寧・・・・初めて出会ったもしくは単なる顔見知り 名前にさん付け&丁寧・・・・知り合いだけど信用していない 名前を呼び捨て&丁寧・・・・信用している 名前を呼び捨て&普通にしゃべる・・・・信頼している と、なってます。 語り部:ただ、彼女から『信用』を得るのは難しい。それに、アリエスもだいぶルピナスを『信頼』してきていると思うよ? > > >> >> レンシェルマ=ヴァリード。ブレードヴィレッジの神官。かつて、アリエスと共に旅をした者。そして、記憶喪失のルピナスに、名前と自らの姓を与えた者。 >> > >ユア;ある意味で、ルピナスの『お父さん』? 朱姫:むしろお義父さんですね。 > > >> >> >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:ヤア、こんにちは。また会えて嬉しいよ。今回もまた新しいキャラが出たね。・・・・しかし、朱姫はどういうつもりかな?いただいたキャラクターとの間柄まで捏造して・・・・まったく。 >> ゴメンネ、皆さん。 > >ユア;大丈夫ですよん。 > むしろ、差し上げたキャラをどう成長させるのか。 > それは、貰った人の自由です。 朱姫:ちゃんと成長させてあげられるよう、頑張ります。多分、ルピナスは出ずっぱりだと思うので。 > >> 君に再び会えると、僕は信じてるよ! >> > >ユア;はい、またレスしますね。 >闇;ところで、朱姫くん。 > ユアから一つ提案があるらしいのだが? >ユア;ええと、ルピナスくんのキャラプロフィ―ルを必要ならあげます。 > 返レスに、必要の有無をお書きください。 朱姫:いただけたら嬉しいです。 語り部:朱姫のことだ。いただければ意地でも話に組み込むだろうね 朱姫:それは置いておくとしても、私自身気になるので。よろしくお願いします! >二人;それでは、続きを楽しみにしているよ。 > 朱姫:頑張りますね! 語り部:とか言いつつ、昨日はギター弾いてて全然書いてないくせに。 朱姫:うっ・・・・! 語り部:まあ、気長に待っていてほしいな。では、今回はこの辺で! > |
17056 | それでは。(少し長いです。) | 十叶 夕海 | 2005/5/10 20:24:34 |
記事番号17055へのコメント ユア;名前は? ルピナス(以下ルピ);ルピナス=セレス=ヴァリ−ドだ。 ユア;誕生日、星座、出身地をどうぞ。 ルピ;覚えてない。 ただ、レンに拾われたのが、十二月十四日。 出身地は、その時レンが住んでいたとこだな。 ユア;家族構成は? ルピ;レン。 昔は、両親と姉・・それと多分双子の妹がいた。 はっきりとは覚えてないけどな。 ユア;・・・趣味、癖、特技は? ルピ;趣味は、横笛だな。 持ち歩きに便利だし、森で吹けば鳥が寄ってくるから、御飯には困らん。 癖は、暇になるとうたた寝をすること。 アリエスは、やめろって言うけどな。 特技は、基本剣しか使わないけど、武器なしでも町のチンピラぐらいだったら、5人まで倒せるぞ。 ユア;動物は大切にしましょう。 では、好きな色、お菓子、食べ物、飲み物は? ルピ;色は、ダ―リンてバラのオレンジ。 お菓子は、あんまり甘くないの、ミ−トパイとか。 食べ物は、寒い時には、やっぱシチュ―とかだし、暑いときには、冷たいものが良いよな。 飲み物は、コ−ヒ―のブラック。 はっきりと覚えている15歳前後の時からだけどな。 ユア;キライな食べ物? ルピ;甘すぎる食べ物。 ユア;身体的特徴は? ルピ;やっぱ、男と女の日替わりの呪いだろ? レンは、可能性として、二通り言っていたけどな。 一つは、一人の人間が、日替わりに入れ替わっているのか。 一つは、二人の人間が、日替わりに入れ替わっているのか。 そのどっちかだって。 ユア:なるほどなるほど。 座右の銘は? ルピ;危うくば、近付け。 ユア:それ、危うくば、近付くな。でしょ。 ルピ;だって、近づかないと何も手に入らないでしょ? ユア;・・・・・・・(少し呆れている) では、長所短所は? ルピ;長所は・・・・・・・・。 長所は、一つの物事に集中できること? 短所は、『記憶』のことになると突っ走るのが、アリエスによく注意されるな。 ユア;なんで、長所が疑問系なのかはさておいて。 恋人にしたいタイプは? ルピ;アリ・・じゃなくて、料理上手な人。 ユア;(ふむふむ、アリエスの事はキライじゃないのか。) 今、欲しいものは? ルピ;記憶となんでこうなったのか。 ユア;なるほど。 お酒には? ルピ;よわい。 水割り、一杯でベロベロになる。 ユア;私と正反対なんですね。 これというプロポ―ズの言葉は? ルピ;え・・・あ・・・う・・・・ ユア;真っ赤になって、どぎまぎしていて答えれない模様。 尊敬している人、守りたい人は? ルピ;尊敬は、レンだな。 守りたいのは、アリエス。 一緒に旅してるしな。 ユア;(きがつなかいだろうな。) 一番の悩み事は? ルピ;もっと、甘えたいし、甘えて欲しいな。 ・・・ああと、寄りかかって欲しいし、寄りかかりたいってこと。 ユア;なるほど。 貴方の理想の死に方は? ルピ:『自分』が納得できる死に方。 出来なきゃ死にたくないね。 ユア;以上です。 ありがとうございました。 ユア;朱姫さん、こんな感じの彼です。 それで、もし、二人が一人になっている方の設定をとられるのでありましたら、 女ver.の彼は、アリエス嬢と真逆の正確だと設定してくださいませ。 なお、他に質問ありましたら、受付いたします。 |
17057 | ↑少し、修正します。 | 十叶 夕海 | 2005/5/11 07:22:08 |
記事番号17055へのコメント ルピナスくんの誕生日は、『十二月十四日』ではなく『十一月二十七日』に変更してください。 お願いいたします。 |
17059 | ありがとうございます!(感涙) | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/11 08:36:09 |
記事番号17057へのコメント ありがとうございます!本当にありがとうございます!大切に使わせていただきます! ルピナスの過去は・・・・かなりとんでもない設定を作ってしまうかと思いますが・・・・行き過ぎじゃないかと思ったら忠告してください。 では、短いですがこの辺で! |
17058 | 時の旅人 3:剣の村の少年 | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/11 08:30:16 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 今回は、半ば事情説明編となってます。しかも、看板に偽りがある気が・・・・。『剣の村の少年』がほとんど出てません。 まあ、とりあえず本編へどうぞ! 時の旅人 3:剣の村の少年 「一体、何があったの?レン。」 レンシェルマは、困った微笑を浮かべる。 「そうだね。何から話せば良いのか・・・・。つい数日前、このあたりの領主が突然、ブレードヴィレッジの、ライゼール帝国からの独立を宣言したんです。早い話、内乱ですね。そして、その後何故かすぐに、この神殿に武装した者たちがやってきた、と言うわけです。」 「なぜ、ここに?」 「それは、恐らく・・・・」 「ヴァリードさん!」 突然、大きな音を立ててドアが開く。入ってきたのは、二人の少年。共に黒髪に青い瞳で、よく似た面差しをしている。恐らく兄弟であろう。 「どちら様でしょう?」 とたんに、アリエスの口調が慇懃なものになる。アリエスが普通に口をきくのは、『信頼』している相手だけ。今のところ、それはレンシェルマのみで、ルピナスがあと少し、といったところだ。 「ガイア君、ギア君。」 「襲撃を受けたって聞きました!エアは・・・・エアは無事なんですか!」 と、少し幼い顔立ちをした方・・・・弟のギアが。 「落ち着けよ、ギア。・・・・ヴァリードさん・・・・エアは、攫われたんですね。」 兄のガイアの言葉に、レンシェルマは沈痛な面持ちで頷く。 「やっぱり・・・・。」 「兄さん!どういうことだよ、やっぱりって!?」 兄弟喧嘩が始まろうとしている二人を横目に、ルピナスはレンシェルマに訪ねた。 「誰なんだ?彼らは。」 レンシェルマは、不思議そうな顔をした。 「知っているだろう?ガイア君とギア君だよ。ほら、ディオス=シュナイダーさんの息子の。」 「ああ!随分と大きくなったね。」 「それはそうだろう。・・・・君たちが旅に出てから、もう4年も経ったんだ。」 「もう、そんなになるんだ・・・・。」 旅立った当初のことを思い出して、ルピナスは苦笑いを浮かべる。あれからしばらくして、ようやっとアリエスの信用を勝ち取ったのだったな、と、今更ながら思い出す。 そのアリエスは、今はただじっと冷ややかなまなざしで、事の成り行きを見守っている。自分には何の関係もないとでも言うように。しかし、やがてそれにも飽きたのか、踵を返すとその場を立ち去ってしまった。 レンシェルマとルピナスは、もちろんそれに気がつく。そして、兄弟喧嘩を続けるガイアとギアをよそに、そっとアリエスの後を追った。少なくとも、喧嘩が出来るうちは大丈夫だ。むしろ、お互いに言い合ったほうが、気持ちの整理が出来ていい、そう思って。 * * * * * 神殿の裏庭は、山に面していてとても静かだ。加えて、レンシェルマの趣味で、数多くの薬草、香草が育てられているため、緑のにおいが濃い。その中心の井戸の縁に腰掛けて、アリエスはただ空を眺めていた。 「アリエス。」 ゆっくりとアリエスに歩み寄ったレンシェルマは、ふとアリエスと初めて出会った時のことを思い出した。 10年ほど前、ようやく一人前の神官になった頃のこと。見聞を広めるべく、各地の神殿を巡っていたあの頃。とある町のはずれの丘で、彼女は今と同じように、ただ空を眺めていたのだ。その目が怖いほど虚ろだったので、その瞳に笑みを浮かべさせてあげたくなった。だから、拒否されてもずっと一緒に旅をして・・・・。そういえば、始めは本名を名乗ってすらくれなかったのだ。 結局、自分ではアリエスを心の底から笑わせることは出来なかった、諦めざるをえなかった。アリエスの心の闇は、それほどに深い。 「アリエス。」 再び呼びかける。そうしてやっとアリエスがのろのろとレンシェルマを見た。その口が、ゆっくりと言の葉を紡ぐ。 「・・・・サイラーグに、行ってきたよ。」 流石に予想できなかった言葉に、レンシェルマは息を呑む。サイラーグは、彼の故郷だった。 「流石にまだ復興してなくてね、荒野の真ん中に、大きな穴・・・・かつては神聖樹のあった場所で、混沌の力が使われたのを『見た』の。使用者は、リナ=インバース。あの有名人だったよ、驚きだね。」 アリエスは笑う。唇をかすかに吊り上げるだけの、薄っぺらな微笑み。 「『時間』と対を成す『空間』、その源たる混沌。混沌の力なら、時間の壁を壊して、再び時の流れに戻る道が作れるかもね。ルピナスの呪いも、所詮はこの世界の中のもの。うまく使えば、混沌の力で破壊できる。もちろん、ルピナスには傷一つつけずに。・・・・今度こそ、終われそうね。」 「・・・・・・・・やはり、死を望んでいるのかい?」 悲しげに揺れる瞳をしたレンシェルマに、アリエスは軽く首をかしげて見せる。 「結果としては、そうかもしれないけど、直接『死』を望んでいるわけじゃない、って、何度も言ったでしょう?私はただ、普通の人間に戻りたいだけ。普通に歳をとってゆきたいだけ。」 普段だったら、この問答はここで終わるはずだった。しかし、今日だけはレンシェルマは食い下がる。きっと、再び旅立って、アリエスが願いを叶えたら、二度とここには戻ってこない。そう直感で悟ったから。レンシェルマとて、実はアリエスについて知ることはそう多くはない。ルピナスより多く知る部分があるとすれば、それは彼女を不老不死としたのが彼女の姉だと言うことくらいだ。だからこそ。 「なぜです?不老不死は、誰しもがあこがれる夢でしょう?なぜ拒絶するのです。望んだからこそ、あなたのお姉さまも・・・・」 「黙れ・・・・」 地を這うような、暗い響きの声がした。しかし、レンシェルマはやめない。ここでやめれば、もう二度と聞くことは出来ないだろうから。 「・・・・何を犠牲にしても、あなたにそれを与えたのでしょう?」 「黙れ・・・・黙れ黙れ黙れ!」 頭を抱えて、髪を振り乱して、アリエスは全身で拒絶の意思をあらわにする。このようなアリエスは、レンシェルマですらはじめて見る。しかし、それでも言葉を繋ぐ。例えこの先ずっと、アリエスに拒絶されることになってもいい。そう、覚悟を決めて。 「あなたのお姉さまは、あのリブラ=セイディーン=ラーナ・・・・伝承にある、レティディウスの首都を消失させた、レティディウス崩壊のきっかけとなった魔道士なのでしょう?」 「私は望んでなんかいない!!!!私は不老不死なんていらない!!!!」 アリエスは、絶叫した。 「私はただ、普通に暮らしていければよかったのに!なのに・・・・!姉様は・・・・姉様は私を罠にかけた!実験台にしたんだ!何で成功しちゃうんだよ!!?」 レンシェルマの思考が停止した。アリエスが言っていること、その意味は・・・・ 「私だけ生き残っても意味はない!姉様も、友達も、他の皆も、あの時みんな死んじゃったのに!」 実の姉に、罠にかけられて、不死の研究の実験台にされたと言うのか。自分の仕向けた事ながら居た堪れなくなって、レンシェルマはそっとアリエスの肩に手を触れた。・・・・と、次の瞬間、ものすごい力でその手が引かれる。アリエスが、そうしたのだ。そして、ほとんど絞め殺すかのような勢いで法衣の襟を掴む。 「あ、アリエス、落ち着いて・・・・」 「ねえ、わかる!?時の流れから放り出されて、私は歳を取らなくなった!時の流れの内側にあるものじゃ、傷つくことはなくなった!」 レンシェルマは、息を呑んだ。・・・・アリエスは、泣いてもいない。瞳に、怒りの色すらない。絶叫しつつも、レンシェルマに思いをぶつけつつも、その瞳は、これまで以上にただ、空虚だったのだ。 「それでも、この心は時の内にある!体も、この世界にある!でも、ただここにあるだけなのよ!?時が止まった瞬間のまま、私だけ何も変わらない!心鼓すら止まっている!だから、どんなに誰かと共に歩みたくても、皆私を追い越して行くのよ!心はただの人なのに、化け物呼ばわりされた事だってある!それでも・・・・」 ふと、アリエスの手が緩んだ。うつむいたアリエスの声からは、悲鳴じみた響きは失せ、しかしわずかに声が震えている。そして、ぽつりと呟いた。 「それでも、レンシェルマ、あなたは私に、このままでいろと言うのですか?」 それだけ言うと、アリエスはその場を立ち去る。苦い後悔を抱えたレンシェルマを置き去りにして。 * * * * * 盗み聞きはいけないとは思いつつも、ルピナスは全てを聞いていた。いや、正確に言えば『聞こえてしまった』だろう。アリエスの声はよく通る。その声を辿っていったら・・・・と言うわけだ。 「アリエス・・・・君は・・・・」 どうすればよいのか、ルピナスにはわからない。自分とて、大事を抱える身だ。しかし、アリエスのそれは。 と、 「ルピナス?」 「アリエス・・・・」 アリエスに、先ほどの激情は残滓ほども残っていない。しかし、その瞳がルピナスを捉えたとたん、表情がわずかに曇った。 「・・・・そうですか、聞いてしまいましたか。」 「・・・・・・・・僕はそんなにわかりやすい?」 「いえ。」 アリエスは、表情を読むことも得意とする。ある意味、これは当たり前の結果だろう。 「ごめん。」 ルピナスは素直に謝るが、しかしアリエスは不思議そうに言った。 「何を謝ることがあるのです?いつかは話すべきことでした。それを今まで話さなかったのは、ただ単に私のエゴに過ぎません。少々語りづらいものではありましたから、取り乱してしまいました。聞き苦しかったでしょう?私こそ申し訳ありません。」 逆に深々と頭を下げられた。ルピナスは、無性に悲しくなる。同時に、情けなくもある。だから。 「ルピナス?」 半ば無意識に手を伸ばし、抱き寄せる。不思議と抵抗もなく、アリエスは抱きしめられた。 「ルピナス?」 不思議そうなアリエスの声に、ルピナスは我に返る。しかし、その手はアリエスを抱きしめたまま。 ルピナスは、アリエスの耳元で囁いた。 「頼むから、少しは頼ってくれ・・・・。君の分まで背負っていくとまでは言えないけど、支えあうくらいはできるから。」 アリエスは、身じろぎ一つしない。しばしの沈黙の後、ルピナスはそっとアリエスから体を離した。 「・・・・行こう。さっきガイア君とギア君が僕らを探していたよ。」 それだけ言うと、ルピナスは早足に立ち去ってしまう。 後に残されたアリエスは、ほけっとした声で呟いた。 「ルピナス・・・・立ちくらみでも起こしたんでしょうか?」 アリエス=オルフェーゼ=ラーナ、年齢少なくとも200歳以上。他人の好意や恋愛感情に関しては、絶望的に鈍い。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。さて今回の最後の方、朱姫は『友情』もしくは『仲間に対する親愛の情』だと主張しているけど、どうだと思う? さて、では語ろうか、まだ見ぬ未来の断片を。 彼らは走る。一つの絆を守るため、一人の命を守るため。 行く手を塞ぐものの目的とは。そして・・・・ 世に無駄なことはない。されど、意味のわからぬものは、無駄と思えて。 それでも道の先に、意味を見出す日は来るのか。 次回、時の旅人第4話、『歯車の軋む音』 また会える日を、僕は信じてるよ! |
17060 | そんなこともあります。 | 十叶 夕海 | 2005/5/11 21:09:18 |
記事番号17058へのコメント > こんにちは、朱姫 依緒琉です。 > 今回は、半ば事情説明編となってます。しかも、看板に偽りがある気が・・・・。『剣の村の少年』がほとんど出てません。 > まあ、とりあえず本編へどうぞ! > ユア;こんにちわ。ユアです。 闇;むしろ、今晩わの時間では? ユア;では、レス行きます。 > > とたんに、アリエスの口調が慇懃なものになる。アリエスが普通に口をきくのは、『信頼』している相手だけ。今のところ、それはレンシェルマのみで、ルピナスがあと少し、といったところだ。 闇;なるほど。一つの防護壁の役割をしているのだな。 ユア:ああと、ルピナスの名前が出たので、一つ付け加えを。 ルピナスは、十一月二十七日の誕生花です。 花言葉は、いろいろありますが、『幻想』というのをイメ―ジしております。 > 旅立った当初のことを思い出して、ルピナスは苦笑いを浮かべる。あれからしばらくして、ようやっとアリエスの信用を勝ち取ったのだったな、と、今更ながら思い出す。 ユア;とすると、蓮さんに拾われてしばらくしてから、旅立ったんですね。 > 結局、自分ではアリエスを心の底から笑わせることは出来なかった、諦めざるをえなかった。アリエスの心の闇は、それほどに深い。 ユア;心の闇が深くても人は笑うことは出来ます。 闇;レンシェルマとやらよ、諦めとは、進むことをあきらめることだ。 しかしな、人には足掻き進むことが許されているのだから、諦めずにいることも一つの選択肢でもあるのだよ。 > 流石に予想できなかった言葉に、レンシェルマは息を呑む。サイラーグは、彼の故郷だった。 ユア;レンさんの故郷が、サイラ―グ。 闇;なにやら、縁深く、そしてにおうな。 > 普段だったら、この問答はここで終わるはずだった。しかし、今日だけはレンシェルマは食い下がる。きっと、再び旅立って、アリエスが願いを叶えたら、二度とここには戻ってこない。そう直感で悟ったから。レンシェルマとて、実はアリエスについて知ることはそう多くはない。ルピナスより多く知る部分があるとすれば、それは彼女を不老不死としたのが彼女の姉だと言うことくらいだ。だからこそ。 >「なぜです?不老不死は、誰しもがあこがれる夢でしょう?なぜ拒絶するのです。望んだからこそ、あなたのお姉さまも・・・・」 闇;『不老不死』それは、万人が望む甘き深き毒薬だ。 我々、アルケミスト達の、最終的な願いを叶えるものだ。 ユア;でも、気かなきゃいけないことを聞かずに終わったら、きっと後悔するよね、レンさん。 >「あなたのお姉さまは、あのリブラ=セイディーン=ラーナ・・・・伝承にある、レティディウスの首都を消失させた、レティディウス崩壊のきっかけとなった魔道士なのでしょう?」 ユア;あの伝説の!!!?? 闇;何を驚いて・・・ ユア;これが驚かずにおれますか。 現実風に言うと、ア−サ―王伝説の中のマ−リンぐらいに凄い有名人よ、スレ世界では。 >「私はただ、普通に暮らしていければよかったのに!なのに・・・・!姉様は・・・・姉様は私を罠にかけた!実験台にしたんだ!何で成功しちゃうんだよ!!?」 > レンシェルマの思考が停止した。アリエスが言っていること、その意味は・・・・ >「私だけ生き残っても意味はない!姉様も、友達も、他の皆も、あの時みんな死んじゃったのに!」 > 実の姉に、罠にかけられて、不死の研究の実験台にされたと言うのか。自分の仕向けた事ながら居た堪れなくなって、レンシェルマはそっとアリエスの肩に手を触れた。・・・・と、次の瞬間、ものすごい力でその手が引かれる。アリエスが、そうしたのだ。そして、ほとんど絞め殺すかのような勢いで法衣の襟を掴む。 ユア;そっか、望まない不老不死か。 闇;望まないその毒薬こそ、辛いことは無いね。 その他の毒薬ならば、死という救いはあるけど、不老不死にはそれすらない。 ユア;それが、お姉さんに施術されたものなら・・・・・きっと絶えられないだろうな、私なら。 > > 盗み聞きはいけないとは思いつつも、ルピナスは全てを聞いていた。いや、正確に言えば『聞こえてしまった』だろう。アリエスの声はよく通る。その声を辿っていったら・・・・と言うわけだ。 ユア;ある意味で、間が悪いし、またある意味では、間がいいんだか。 闇;どっちかね? ユア:さあどっちだろ? >「ルピナス?」 > 半ば無意識に手を伸ばし、抱き寄せる。不思議と抵抗もなく、アリエスは抱きしめられた。 >「ルピナス?」 > 不思議そうなアリエスの声に、ルピナスは我に返る。しかし、その手はアリエスを抱きしめたまま。 > ルピナスは、アリエスの耳元で囁いた。 >「頼むから、少しは頼ってくれ・・・・。君の分まで背負っていくとまでは言えないけど、支えあうくらいはできるから。」 > アリエスは、身じろぎ一つしない。しばしの沈黙の後、ルピナスはそっとアリエスから体を離した。 ユア;なんか、ルピ君かっこいい。 闇;なに阿呆面をさらしているのかね? ユア;いいじゃないのさ。 > >「ルピナス・・・・立ちくらみでも起こしたんでしょうか?」 > > アリエス=オルフェーゼ=ラーナ、年齢少なくとも200歳以上。他人の好意や恋愛感情に関しては、絶望的に鈍い。 > ユア;・・・・・くっははははははっはははあ。 マジ、マジッすか。 闇:報われる為にしたわけでもないだろうけど、報われないね、ルピナスくん。 >語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。さて今回の最後の方、朱姫は『友情』もしくは『仲間に対する親愛の情』だと主張しているけど、どうだと思う? ユア;どっちでも構いません。 それに、ルピナスくんの呪いが解けたとき、女の子にしてアリエスと友情するも良しですし。 > また会える日を、僕は信じてるよ! > ユア;はいまた次回で。 闇;喜色満面のようだね。 この話の内容に似合わないほどの。 ユア;いえいえ、こんな緊張感のある話が好きですので、ニコニコしてるんですよ。 闇;おなじだとおもうがね。 朱姫くん、では次回のレスで。 |
17061 | 心境は『頑張れ男の子!』? | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/12 08:47:18 |
記事番号17060へのコメント > >> こんにちは、朱姫 依緒琉です。 >> 今回は、半ば事情説明編となってます。しかも、看板に偽りがある気が・・・・。『剣の村の少年』がほとんど出てません。 >> まあ、とりあえず本編へどうぞ! >> > >ユア;こんにちわ。ユアです。 >闇;むしろ、今晩わの時間では? >ユア;では、レス行きます。 朱姫:こんにちは! 語り部:いつも思うんだけど、正しくは『おはよう』じゃないのかい? 朱姫:いや、ネット上だし、いつでも『こんにちは』でいいんじゃないかと・・・・。 > >> >> とたんに、アリエスの口調が慇懃なものになる。アリエスが普通に口をきくのは、『信頼』している相手だけ。今のところ、それはレンシェルマのみで、ルピナスがあと少し、といったところだ。 > >闇;なるほど。一つの防護壁の役割をしているのだな。 >ユア:ああと、ルピナスの名前が出たので、一つ付け加えを。 > ルピナスは、十一月二十七日の誕生花です。 > 花言葉は、いろいろありますが、『幻想』というのをイメ―ジしております。 朱姫:なるほど!どこかで聞いたことがあると思ったら、花の名前でしたか! 語り部:宝石だったっけ?とか言ってたよね、朱姫は。 朱姫:う・・・・。まあ、それはそれとして。『アリエス』も、意味は『牡羊座』ですから。 語り部:イメージとしては、『知性の象徴』、だそうだけど・・・・何分朱姫の知識はいい加減だからねぇ・・・・ > >> 旅立った当初のことを思い出して、ルピナスは苦笑いを浮かべる。あれからしばらくして、ようやっとアリエスの信用を勝ち取ったのだったな、と、今更ながら思い出す。 > >ユア;とすると、蓮さんに拾われてしばらくしてから、旅立ったんですね。 朱姫:そうなりますね。大体、拾われて1年と少しくらい経ってから旅立ったと思ってください。 > > > >> 結局、自分ではアリエスを心の底から笑わせることは出来なかった、諦めざるをえなかった。アリエスの心の闇は、それほどに深い。 > >ユア;心の闇が深くても人は笑うことは出来ます。 >闇;レンシェルマとやらよ、諦めとは、進むことをあきらめることだ。 > しかしな、人には足掻き進むことが許されているのだから、諦めずにいることも一つの選択肢でもあるのだよ。 > > >> 普段だったら、この問答はここで終わるはずだった。しかし、今日だけはレンシェルマは食い下がる。きっと、再び旅立って、アリエスが願いを叶えたら、二度とここには戻ってこない。そう直感で悟ったから。レンシェルマとて、実はアリエスについて知ることはそう多くはない。ルピナスより多く知る部分があるとすれば、それは彼女を不老不死としたのが彼女の姉だと言うことくらいだ。だからこそ。 >>「なぜです?不老不死は、誰しもがあこがれる夢でしょう?なぜ拒絶するのです。望んだからこそ、あなたのお姉さまも・・・・」 > >闇;『不老不死』それは、万人が望む甘き深き毒薬だ。 > 我々、アルケミスト達の、最終的な願いを叶えるものだ。 >ユア;でも、気かなきゃいけないことを聞かずに終わったら、きっと後悔するよね、レンさん。 > > >>「あなたのお姉さまは、あのリブラ=セイディーン=ラーナ・・・・伝承にある、レティディウスの首都を消失させた、レティディウス崩壊のきっかけとなった魔道士なのでしょう?」 > >ユア;あの伝説の!!!?? >闇;何を驚いて・・・ >ユア;これが驚かずにおれますか。 > 現実風に言うと、ア−サ―王伝説の中のマ−リンぐらいに凄い有名人よ、スレ世界では。 朱姫:・・・・・・・・ 語り部:視線が泳いでるよ、朱姫。まあ、一応、魔道士ではなくても普通に知っている程度には有名人だね。 > >>「私はただ、普通に暮らしていければよかったのに!なのに・・・・!姉様は・・・・姉様は私を罠にかけた!実験台にしたんだ!何で成功しちゃうんだよ!!?」 >> レンシェルマの思考が停止した。アリエスが言っていること、その意味は・・・・ >>「私だけ生き残っても意味はない!姉様も、友達も、他の皆も、あの時みんな死んじゃったのに!」 >> 実の姉に、罠にかけられて、不死の研究の実験台にされたと言うのか。自分の仕向けた事ながら居た堪れなくなって、レンシェルマはそっとアリエスの肩に手を触れた。・・・・と、次の瞬間、ものすごい力でその手が引かれる。アリエスが、そうしたのだ。そして、ほとんど絞め殺すかのような勢いで法衣の襟を掴む。 > >ユア;そっか、望まない不老不死か。 >闇;望まないその毒薬こそ、辛いことは無いね。 > その他の毒薬ならば、死という救いはあるけど、不老不死にはそれすらない。 >ユア;それが、お姉さんに施術されたものなら・・・・・きっと絶えられないだろうな、私なら。 語り部:そう・・・・。狂気に陥らなかったのが奇跡だ。しかし、失ったものは多い。その一つが、他人に対する信頼であり、情動でもある。・・・・レンが、ルピナスが、彼女を癒すものであることを祈るよ。・・・・僕は、そうであると信じているけど、ね。 > >>「ルピナス?」 >> 半ば無意識に手を伸ばし、抱き寄せる。不思議と抵抗もなく、アリエスは抱きしめられた。 >>「ルピナス?」 >> 不思議そうなアリエスの声に、ルピナスは我に返る。しかし、その手はアリエスを抱きしめたまま。 >> ルピナスは、アリエスの耳元で囁いた。 >>「頼むから、少しは頼ってくれ・・・・。君の分まで背負っていくとまでは言えないけど、支えあうくらいはできるから。」 >> アリエスは、身じろぎ一つしない。しばしの沈黙の後、ルピナスはそっとアリエスから体を離した。 > >ユア;なんか、ルピ君かっこいい。 >闇;なに阿呆面をさらしているのかね? >ユア;いいじゃないのさ。 語り部:朱姫は、書きながら絶叫してたけどね。なれないことするから。 朱姫:まあ、何と言うか・・・・ルピ君が勝手に動いてくれちゃいましたね、ここ。 > >> >>「ルピナス・・・・立ちくらみでも起こしたんでしょうか?」 >> >> アリエス=オルフェーゼ=ラーナ、年齢少なくとも200歳以上。他人の好意や恋愛感情に関しては、絶望的に鈍い。 >> > >ユア;・・・・・くっははははははっはははあ。 > マジ、マジッすか。 >闇:報われる為にしたわけでもないだろうけど、報われないね、ルピナスくん。 語り部:うんうん、アリエスの鈍さは、こと自分に向けられるプラス感情に対しては筋金入りだ。・・・・と、いうか、これまで『好意』を向けられることがほとんど無かったからね。 朱姫:幸せにしてあげたいです・・・・ね。 語り部:それは君の仕事だよ、朱姫。 > > > >>語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。さて今回の最後の方、朱姫は『友情』もしくは『仲間に対する親愛の情』だと主張しているけど、どうだと思う? > >ユア;どっちでも構いません。 > それに、ルピナスくんの呪いが解けたとき、女の子にしてアリエスと友情するも良しですし。 朱姫:そうですね、そういう手もあるんですよね。 語り部:そう言いつつ、本性・男にする気がするけど。朱姫ならそうする。 朱姫:いやでも、未来は未定なんだし! 語り部:オヤ?そうかな?・・・・・・・・フフフ。 > > > >> また会える日を、僕は信じてるよ! >> > >ユア;はいまた次回で。 >闇;喜色満面のようだね。 > この話の内容に似合わないほどの。 >ユア;いえいえ、こんな緊張感のある話が好きですので、ニコニコしてるんですよ。 >闇;おなじだとおもうがね。 > 朱姫くん、では次回のレスで。 語り部:朱姫曰く、世界の危機と主人公の苦悩、あと緊迫した空気は話を面白くする必須条件だ、とか。・・・・悪趣味だと思うけどね。 朱姫:その辺は趣味の問題ということで・・・。 語り部:・・・・まあいい。時間も押していることだし、今回はこの辺にしよう。 朱姫:では、また! > > |
17062 | Re:時の旅人 3:剣の村の少年 | 神高 紅 | 2005/5/13 00:29:18 |
記事番号17058へのコメント 紅:こんばんは紅です。では早速レスに行きます。 >「それはそうだろう。・・・・君たちが旅に出てから、もう4年も経ったんだ。」 >「もう、そんなになるんだ・・・・。」 > 旅立った当初のことを思い出して、ルピナスは苦笑いを浮かべる。あれからしばらくして、ようやっとアリエスの信用を勝ち取ったのだったな、と、今更ながら思い出す。 ク:やはり・・信用は得れても・・信頼を得るのはかなり難しいようですね・・ コ:その信用でさえおそらくそう簡単に得れるもんじゃないんだろうな。 紅:四年というのははたして長いのか短いのか。 > そのアリエスは、今はただじっと冷ややかなまなざしで、事の成り行きを見守っている。自分には何の関係もないとでも言うように。しかし、やがてそれにも飽きたのか、踵を返すとその場を立ち去ってしまった。 > レンシェルマとルピナスは、もちろんそれに気がつく。そして、兄弟喧嘩を続けるガイアとギアをよそに、そっとアリエスの後を追った。少なくとも、喧嘩が出来るうちは大丈夫だ。むしろ、お互いに言い合ったほうが、気持ちの整理が出来ていい、そう思って。 ク:度をすぎるのはいけませんが・・本音を言い合うというのは大事なことです・・ コ:こーゆーパニックになりそうな時なら、どんな形にせよ気持ちの整理はしておいた方がいい。 >「流石にまだ復興してなくてね、荒野の真ん中に、大きな穴・・・・かつては神聖樹のあった場所で、混沌の力が使われたのを『見た』の。使用者は、リナ=インバース。あの有名人だったよ、驚きだね。」 > アリエスは笑う。唇をかすかに吊り上げるだけの、薄っぺらな微笑み。 コ:まるで笑顔というには程遠い笑い方だな。 ク:形式的な笑い・・という感じに見えますね・・感情が全くこもっていないような・・ > 普段だったら、この問答はここで終わるはずだった。しかし、今日だけはレンシェルマは食い下がる。きっと、再び旅立って、アリエスが願いを叶えたら、二度とここには戻ってこない。そう直感で悟ったから。レンシェルマとて、実はアリエスについて知ることはそう多くはない。ルピナスより多く知る部分があるとすれば、それは彼女を不老不死としたのが彼女の姉だと言うことくらいだ。だからこそ。 >「なぜです?不老不死は、誰しもがあこがれる夢でしょう?なぜ拒絶するのです。望んだからこそ、あなたのお姉さまも・・・・」 >「黙れ・・・・」 紅:僕は誰しもがあこがれると言う事は、全ての人がそれを望むということとイコールではないと思いますね。 コ:拒絶する理由は簡単だ。アリエスがそれを望んでいなかったからだ。たとえ他の誰が望んだとしても。 >「私はただ、普通に暮らしていければよかったのに!なのに・・・・!姉様は・・・・姉様は私を罠にかけた!実験台にしたんだ!何で成功しちゃうんだよ!!?」 > レンシェルマの思考が停止した。アリエスが言っていること、その意味は・・・・ >「私だけ生き残っても意味はない!姉様も、友達も、他の皆も、あの時みんな死んじゃったのに!」 ク:確かにその通りです・・自分ひとりだけの存在なんて・・存在していないのと何も変わりませんから・・ コ:たった一人残るというのはある意味死ぬより辛いことだろうからな。 >「それでも、この心は時の内にある!体も、この世界にある!でも、ただここにあるだけなのよ!?時が止まった瞬間のまま、私だけ何も変わらない!心鼓すら止まっている!だから、どんなに誰かと共に歩みたくても、皆私を追い越して行くのよ!心はただの人なのに、化け物呼ばわりされた事だってある!それでも・・・・」 > ふと、アリエスの手が緩んだ。うつむいたアリエスの声からは、悲鳴じみた響きは失せ、しかしわずかに声が震えている。そして、ぽつりと呟いた。 >「それでも、レンシェルマ、あなたは私に、このままでいろと言うのですか?」 > それだけ言うと、アリエスはその場を立ち去る。苦い後悔を抱えたレンシェルマを置き去りにして。 紅:間違いなく傷口にふれてしまいましたね。 コ:後悔はわかる。だが聞かなければならなかったかもしれない話題なのもまた事実だ。 >「ルピナス・・・・立ちくらみでも起こしたんでしょうか?」 > > アリエス=オルフェーゼ=ラーナ、年齢少なくとも200歳以上。他人の好意や恋愛感情に関しては、絶望的に鈍い。 紅:人の感情を読むの得意なんじゃないんですか?年も200以上なのに。 コ:いや・・・これはたぶん経験の問題だろ。しかしこれはかなり重症ぽいな。 ク:ルピナスさんはやっぱり・・アリエスさんのことが・・? > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。さて今回の最後の方、朱姫は『友情』もしくは『仲間に対する親愛の情』だと主張しているけど、どうだと思う? > さて、では語ろうか、まだ見ぬ未来の断片を。 > 彼らは走る。一つの絆を守るため、一人の命を守るため。 > 行く手を塞ぐものの目的とは。そして・・・・ > 世に無駄なことはない。されど、意味のわからぬものは、無駄と思えて。 > それでも道の先に、意味を見出す日は来るのか。 > 次回、時の旅人第4話、『歯車の軋む音』 > また会える日を、僕は信じてるよ! 紅:では今日のところはこれで。また次回以降で会いましょう。 コ:じゃあまたな。まあ気長に頑張ってくれ。 ク:ではまた・・カタリさんも・・あとがき頑張って・・ |
17064 | お久しぶりです | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/13 12:48:57 |
記事番号17062へのコメント >紅:こんばんは紅です。では早速レスに行きます。 朱姫:こんにちは。お久しぶりです。 カタリ:また会えて嬉しいよ! >>「それはそうだろう。・・・・君たちが旅に出てから、もう4年も経ったんだ。」 >>「もう、そんなになるんだ・・・・。」 >> 旅立った当初のことを思い出して、ルピナスは苦笑いを浮かべる。あれからしばらくして、ようやっとアリエスの信用を勝ち取ったのだったな、と、今更ながら思い出す。 >ク:やはり・・信用は得れても・・信頼を得るのはかなり難しいようですね・・ >コ:その信用でさえおそらくそう簡単に得れるもんじゃないんだろうな。 >紅:四年というのははたして長いのか短いのか。 カタリ:信用や信頼は、必ずしも過ごした時の長さに依存するわけじゃない。出会った時から信頼に足ると思うことも、一生涯かかっても信用を得られないこともある。・・・・でも、4年というのはアリエスにしたら短い時間だろうね。 朱姫:だから、ルピナス君の未来は明るいと思います。 >>「流石にまだ復興してなくてね、荒野の真ん中に、大きな穴・・・・かつては神聖樹のあった場所で、混沌の力が使われたのを『見た』の。使用者は、リナ=インバース。あの有名人だったよ、驚きだね。」 >> アリエスは笑う。唇をかすかに吊り上げるだけの、薄っぺらな微笑み。 >コ:まるで笑顔というには程遠い笑い方だな。 >ク:形式的な笑い・・という感じに見えますね・・感情が全くこもっていないような・・ カタリ:望まぬ永遠は、彼女から情動を奪った。・・・・とはいえ、感情の残滓は残っている。だから、表情を取り繕えなかったんだね。 朱姫:本当に、アリエスには苦労をかけて・・・・我ながら申し訳ない。 >> 普段だったら、この問答はここで終わるはずだった。しかし、今日だけはレンシェルマは食い下がる。きっと、再び旅立って、アリエスが願いを叶えたら、二度とここには戻ってこない。そう直感で悟ったから。レンシェルマとて、実はアリエスについて知ることはそう多くはない。ルピナスより多く知る部分があるとすれば、それは彼女を不老不死としたのが彼女の姉だと言うことくらいだ。だからこそ。 >>「なぜです?不老不死は、誰しもがあこがれる夢でしょう?なぜ拒絶するのです。望んだからこそ、あなたのお姉さまも・・・・」 >>「黙れ・・・・」 >紅:僕は誰しもがあこがれると言う事は、全ての人がそれを望むということとイコールではないと思いますね。 >コ:拒絶する理由は簡単だ。アリエスがそれを望んでいなかったからだ。たとえ他の誰が望んだとしても。 >>「私はただ、普通に暮らしていければよかったのに!なのに・・・・!姉様は・・・・姉様は私を罠にかけた!実験台にしたんだ!何で成功しちゃうんだよ!!?」 >> レンシェルマの思考が停止した。アリエスが言っていること、その意味は・・・・ >>「私だけ生き残っても意味はない!姉様も、友達も、他の皆も、あの時みんな死んじゃったのに!」 >ク:確かにその通りです・・自分ひとりだけの存在なんて・・存在していないのと何も変わりませんから・・ >コ:たった一人残るというのはある意味死ぬより辛いことだろうからな。 >>「それでも、この心は時の内にある!体も、この世界にある!でも、ただここにあるだけなのよ!?時が止まった瞬間のまま、私だけ何も変わらない!心鼓すら止まっている!だから、どんなに誰かと共に歩みたくても、皆私を追い越して行くのよ!心はただの人なのに、化け物呼ばわりされた事だってある!それでも・・・・」 >> ふと、アリエスの手が緩んだ。うつむいたアリエスの声からは、悲鳴じみた響きは失せ、しかしわずかに声が震えている。そして、ぽつりと呟いた。 >>「それでも、レンシェルマ、あなたは私に、このままでいろと言うのですか?」 >> それだけ言うと、アリエスはその場を立ち去る。苦い後悔を抱えたレンシェルマを置き去りにして。 >紅:間違いなく傷口にふれてしまいましたね。 >コ:後悔はわかる。だが聞かなければならなかったかもしれない話題なのもまた事実だ。 カタリ:痛むと知っても、あえて傷口に手を触れる必要があるときもある。患者は苦痛を与える治療者を怨むかもしれないけど、放っておいたら傷口は化膿し、最終的には壊死を起こす。脆い心を守るだけじゃなくて、傷を癒さなければ・・・・ね。心が壊死しかけているなら、一旦は心を抉ってしまう必要もあるんじゃないかな? 朱姫:それでも、怨まれはするだろうけど。 カタリ:アリエスは、そこまで弱くはない。まあ、決して強くもないけど。 >>「ルピナス・・・・立ちくらみでも起こしたんでしょうか?」 >> >> アリエス=オルフェーゼ=ラーナ、年齢少なくとも200歳以上。他人の好意や恋愛感情に関しては、絶望的に鈍い。 >紅:人の感情を読むの得意なんじゃないんですか?年も200以上なのに。 >コ:いや・・・これはたぶん経験の問題だろ。しかしこれはかなり重症ぽいな。 >ク:ルピナスさんはやっぱり・・アリエスさんのことが・・? カタリ:まあ、悪意とか困惑とか、どちらかというとマイナスに属する感情には敏感なんだけどね。 朱姫:何せ、好意を受け取っても、相手は絶対に先立ってしまいますから・・・・。 カタリ:だからこそ、『好意に鈍感』という無意識の逃げ道を用意したんだろうね。 >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。さて今回の最後の方、朱姫は『友情』もしくは『仲間に対する親愛の情』だと主張しているけど、どうだと思う? >> さて、では語ろうか、まだ見ぬ未来の断片を。 >> 彼らは走る。一つの絆を守るため、一人の命を守るため。 >> 行く手を塞ぐものの目的とは。そして・・・・ >> 世に無駄なことはない。されど、意味のわからぬものは、無駄と思えて。 >> それでも道の先に、意味を見出す日は来るのか。 >> 次回、時の旅人第4話、『歯車の軋む音』 >> また会える日を、僕は信じてるよ! >紅:では今日のところはこれで。また次回以降で会いましょう。 >コ:じゃあまたな。まあ気長に頑張ってくれ。 >ク:ではまた・・カタリさんも・・あとがき頑張って・・ 朱姫:はい。でも、なるべく速めに書けるよう頑張ります! カタリ:あとがきも、ね。僕もそろそろ、本気になろうか。 朱姫:やめてください、そんな恐ろしいこと!! カタリ:フフ・・・・。じゃあ、今日はこの辺で失礼するよ。また会えると嬉しいな。 |
17063 | 本編ではないけれど・・・・ 旅人の挑戦 | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/13 08:28:40 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 ちょっと、本編の更新ができませんでした。多分今度の更新は月曜日くらいだと思います。 これは、ちょっとしたクイズです。この詩は、誰の心情でしょうか? 2問あって、どちらもこれまでに出てきた人です。1問でも正解した方に、『時の旅人』の番外編のリクエスト権を差し上げます。 締め切りは、6話をアップするまでです。 はっきり言ってかなり難しいと思いますが、気が向いたら参加してみてください。ちなみに、回答権は一人2回。両方の詩に1回ずつでもいいですし、片方に2回でもいいです。一度に二回使わなくて、二回に分けてでもいいです。あと、話が進んだ後のほうがわかってくるのもあるかもしれませんが、かえって混乱するのもあるかもしれません。一応、現段階でも1つはわかるようにしたつもりです。 では、どうぞ! 1 春の日の色 夏の海風 秋の蒼穹 冬の六花 この目は全てを見つめてきた 朝の鳥の声 昼のざわめき 宵の呼び声 夕べの静けさ この耳は全てを聞いてきた ねえ、それでも この空虚は満たされない ねえ、それでも この孤独感は消えない 嘆きを知るものは強いけど それはとても悲しい強さ 孤独を知るものは強いけど それはとても儚い強さ 定めから解き放たれる術を 見つけることができる? 戒めから解き放たれる術を 探し当てることができる? 見守ることにはもう飽きた さあ、そろそろ始めよう。 2 笑うこと 嘆くこと 忘れてしまったのはいつなのか? 問いかけに答えるものは ただ空虚 求め 手を伸ばすことを恐れ 諦めることを覚えて それでも 共にありたいと願う 愚かだとは思うけれど そのひび割れた心を癒したいから |
17065 | Re:本編ではないけれど・・・・ 旅人の挑戦 | 十叶 夕海 | 2005/5/13 18:32:30 |
記事番号17063へのコメント 時間がないので、早速。 1番目は、アリエス嬢 2番目は、ルピナス君。 でどうでしょう。 では、次回で。 |
17068 | 答えは後ほど | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/16 08:23:26 |
記事番号17065へのコメント ありがとうございます!6話投稿と同時に正解も投稿しますから、それまでしばらくお待ちください。 |
17067 | 時の旅人 4:歯車の軋む音 | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/16 08:22:21 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 時の旅人第4話、別名『謎編』、開始です! 時の旅人 4:歯車の軋む音 こつこつと音を立てて、アリエスは硬い石畳の道を歩く。後に続くのは、ルピナスと、ガイア、ギア。 二人は、今回の依頼主だった。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「ヴァリードさんから聞いたんです。あなた方は、腕のたつ方たちなんですよね?」 少年の一人、ガイア=シュナイダーは、そう切り出した。弟のギアほどではないにしても、切羽詰った色を宿した瞳で。 「お願いします、エアを・・・・妹を、助けてください!」 レンシェルマとガイア、二人の話を総合すると、ざっとした話はこうだった。 神殿が襲撃を受けた際、騒ぎに乗じて一人の少女が攫われた。少女の名はエア=シュナイダー。ガイアとギアの妹で、ギアの双子の片割れ。黒い髪に青い目を持つ14歳。そして、この神殿の巫女だった。 そもそもシュナイダー家は、代々村長を務め、巫女を輩出する家系であるらしい。ちなみに、ここで言う村長は、もちろん領主とは違う。この村は、武器の材料となる金属の鉱脈が豊富に存在しており、それ故に鍛冶師が集まって、『鍛冶の村』と呼ばれるようになった所だ。そして、その鉱脈の中には、とんでもない価値のあるものもあったのだ。・・・・この村には、世界でも有数の規模のオリハルコン鉱脈があるのだ。そしてそのため、このあたり一体の領主は私腹を肥やしていった。『村長』とは、この村を領主の好きにさせないための、防波堤。しかし、領主について、おこぼれに与ろうという輩も存在する。だから、この村は『村長派』と『領主派』の二派が睨み合いを続けているのだ。 エアを攫ったのは、その領主であろう、と、レンシェルマは言った。彼女を盾に、村長派の動きを封じ、オリハルコンを資本として独立を成功させようということなのだろう、と。しかし、ガイアとギアの父であり、この村の村長である人物・・・・ディオス=シュナイダーは、エアを盾にされたくらいで動きを止められるようなものではない。そうなればむしろ、エアは邪魔者として始末されてしまうであろう。だから、『領主派』がそれに気づく前に、何としてもエアを取り返してほしい。そう、兄弟は語った。 アリエスは、あまり乗り気ではなかった。彼女は、その外見から優しい人だと思われがちだが、実際は計算高く、冷酷ですらある。それでも彼女が依頼を受けたのは、それがレンシェルマの願いでもあったからだ。 かつん、と音を立ててアリエスは立ち止まった。目的地にたどり着いたのだ。 「ここが、領主の城ですね。」 白亜の城を見上げて、アリエスはひっそりと呟いた。 ★ ★ ★ ★ ★ 「アリエス、やりすぎ・・・・」 ルピナスが、呆れたように呟く。後ろには、白目を剥いて気絶した門番が二人。ガイアは気の毒そうな顔をして、ギアは興味深々で男をつついている。 「手っ取り早い手段を取ったまでです。さあ、行きますよ!」 涼しい顔でそういうアリエスは、つい先ほど、門番の一人をショートソード(鞘付)でどつき倒した挙句投げ飛ばし、もう一人の門番を投げ飛ばした門番で潰した後、もう一回ずつ頭をどつき、二人を目立たない所に放り込んだのだ。ちなみに、この間の所要時間は、2秒ほどである。『手っ取り早い方法』と言うよりは、ただ、憂さ晴らしをしただけのように思える。もし、それをやったのがアリエスでないのなら、の話だが。 言いはするものの、そのまま門番を放って4人は城内に侵入したのだった。 と。ぱちぱちと、場違いな拍手の音がした。 「鮮やかなものだね。」 4人は、困惑と緊張の眼差しで振り向いた。そこにいたのは・・・・・・・・ 印象を一言で示すならば、曖昧、と言ったところだろう。混じりけの無い純粋な銀の髪は、薄暗い城内にもまばゆく、薄っすら青みがかった灰色の瞳は澄み切っている。しかし、全体の印象はひどく曖昧だ。髪の長さは、肩に軽くかかる程度。声は高くもなく低くもなく、音楽的な響きを持っている。白地に銀糸で刺繍を施した小洒落た服に、ギターともマンドリンとも違った、しかしそれらに似た楽器を持っている。そして、男とも女とも思える中性的な顔立ち。その人物は、微笑を浮かべた。 「はじめまして、可愛い侵入者さん達。ここに何の用かな?」 「名前も知らない方に、教える義理は御座いません。」 アリエスは冷たく言い捨てる。その人物はもっと笑みを深くした。 「名乗るほどの者じゃないよ。ああ、でも、名前がないと呼びにくいかな?僕は語り部。『放浪の語り部』。巡る季節をこの目で見つめ、言葉として世に還元する。流れる月日をこの耳で聞き、歌として世に還元する。それが僕。今日は、君たちに未来を語りに来たよ。」 あやしい、といった眼差しが、『語り部』と名乗った人物に注がれる。それでも語り部は気にした様子もなく、楽器を爪弾いた。 「囚われの乙女は籠の中、目には見えない籠の中。乙女を閉じ込めたその者は、操り糸をその手に握る。されどそれすら真実の、操り主の手の内に。求めるならば糸を断て。糸断つ刃は、その手の内に。 ・・・・運命は君たちに優しくはないよ。それでも前に進めるものだけが、真の望みを叶えることができる。」 「何を意味のわからないことを。」 アリエスの声は揺らがない。言葉の意味を、わかろうともしない。ルピナスは、語り部の言葉の意味がわからない。ガイアにも、ギアにも。語り部は、心外だといわんばかりに、大げさな動作で4人を示す。 「そうかい?でも、心に留め置くといい。僕からの忠告だ。僕が誰かに忠告するなんて、珍しいんだよ?・・・・特に」 語り部は、アリエスとルピナスを示す。 「君たちは気に入ったから、イイコトを教えてあげよう。そうだね・・・・・・・・『聖石の使徒』という名前を、よく覚えておくといい。これから君たちに、深く深く関わってくるものたちの名前だよ。」 語り部の話は、届いていたのだろうか?途中で身を翻し、奥へと駆けていった彼らには。 語り部は、微笑んで立ち尽くす。その口から零れ落ちる言葉は、誰にともなく。 「オヤ?聞かなかったのかい?仕方がないねぇ・・・・。・・・・『氷の瞳の探求者』アリエスと、『暁に彷徨う守人』・・・・今の名前はルピナス、だったね。彼らがここに来たのだから、全てがようやく動き出す。長らく止まっていた歯車が、軋んだ音を立てて動き出す。全ての因縁に、やっと決着がつくよ。・・・・ ・・・・・・・・悲しく、儚く、強く、弱い。さあ、これが始まりだ。それぞれ望みを抱く者よ・・・・・・・・そろそろ、始めようか!?」 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。今回は、ようやく僕も出てこれたし、ね。 さあ、では語ろうか。未来の断片を・・・・ 時は呪縛?それとも希望? 思いはそれぞれ。だからこそ意思あるものは争うのか。 闇の訪れは何を意味するのか、そして、ついに策謀は動き出す 次回、時の旅人第5話、『闇の只中で』 あ、そうだ。朱姫から伝言だよ。この場を借りて、十叶夕海さんへ。 『ルピナスの本名は、こちらで決めていいでしょうか?何か希望があったら、教えてください。』 だってさ。 じゃあ、この辺りで。再会を信じるからこそ、今は別れを告げよう。・・・・またね。 |
17069 | 時間がないので。 | 十叶 夕海 | 2005/5/17 17:13:20 |
記事番号17067へのコメント 時間がないので、ルピくんのことだけ。 希望としては、 正体が女性ならば、ル−ティア 男性ならば、シオン でお願いします。 |
17071 | 了解しました | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/18 08:25:08 |
記事番号17069へのコメント 朱姫:こんにちは。 > >時間がないので、ルピくんのことだけ。 朱姫:よくあることです。 語り部:最近、朱姫も某事情により慢性睡眠不足だから、頭がボケてて続きが書けない、ってぼやいてたよ。 朱姫:すみません。とりあえず、もうしばらくしたら更新します。 > >希望としては、 > >正体が女性ならば、ル−ティア > 男性ならば、シオン でお願いします。 > > 朱姫:了解しました。ファミリーネームはいろいろと訳有りで、ということにさせて頂きますので、ご了承ください。 語り部:では、この辺で! |
17072 | 時の旅人 5:闇の只中で | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/24 08:19:22 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 ああああ!ごめんなさいごめんなさいものすごく遅れましたすみません! 長らく待っていてくださった方、ありがとうございます! では、本編へどうぞ!今回は、二人目が登場します。 時の旅人 5:闇の只中で こつん、と、ドアがノックされた。不審に思いつつ、レンシェルマは扉を開ける。そこには、銀の色を纏う人物が・・・・自らを『放浪の語り部』と称した者が、微笑み佇んでいる。レンシェルマには、その人物に見覚えがあった。 「あなた様は・・・・・・・・」 「久方ぶりだね、レンシェルマ=ヴァリード。・・・・いや、あえて本来の名で呼ぼうか?『秘匿せし仮宿の癒し手』レンシェルマ=シーシェンズ、と。」 驚愕のため凍りついたレンシェルマを見て満足そうに頷いた語り部は、教会の中に入って、厳重にドアを閉める。そして、相変わらず微笑みながら、告げた。 「時が動き出すよ。覚悟はしていたと思うけど、君の養い子と、君が癒したいと願う彼女を中心として。君は彼らに何も語らぬことで、定めから遠ざけようとしていたみたいだけど、それで逃れられるほど、定めは甘くないことくらい、『シーシェンズ』の者である君には分かっていたろうに・・・・。まあ、定めに抗う努力と姿勢は、僕にとっても好ましいものだけど。」 語り部は祭壇にすたすたと歩み寄る。スィーフィード像の台座をぽんぽんと軽く叩くと、ひょいとその場に腰掛けた。本来ならば不敬極まるところだが、レンシェルマは何も言わない。 「君に出来ることは、今となってはただ一つ。傷つき疲れて帰ってくる彼らを癒し、真実を告げることくらいさ。」 「傷つき疲れて・・・・?」 語り部は、ほんの少しだけ悲しそうに笑う。 「『聖石の使徒』たちが動き出した。『四大家』も当然動き出すだろう。アリエスの性状は『氷』・・・・冷たいところでしか、その鋭い刃を維持できない。彼女の強さは、儚く脆い。彼女が、水の強さに気づくまでは、傷つかずにはいられない戦いになるよ。」 レンの瞳に、沈鬱なものが広がっていく。語り部はそれを見て、淡い苦笑を浮かべた。 「じゃ、僕は行くよ。告げるべきことは告げた。あとは、君自身がどう考えるか。・・・・・・・・じゃあ、また、いつか。」 そう言って、語り部は神殿を立ち去る。外に出ると、語り部は小さく呟いた。 「・・・・・・・・ごめん。僕とて、この場では無力なことに変わりは無い。僕は示唆するだけしか出来ない。残された時間は少ない・・・・・・・・お願いだ、早く、真実に気づいて・・・・。」 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ぞくり、と、アリエスの背を悪寒が走った。何かを感じて立ち止まったアリエスに、ガイアとギアが非難の眼差しを向けてくる。 「何してるんですか!?早くしないと、エアが・・・・」 「落ち着け、ギア。・・・・アリエスさん、何か?」 アリエスは、ゆっくりとあたりを見回す。と、ルピナスが何かに気づいたのか、はじかれたようにその場を飛びずさった。 ヴゥン、と音を立てて、黒い『何か』が飛来する。それはつい先ほどまでルピナスが立っていた場所をえぐり、消滅させた。 「気をつけてください!魔族の結界です!」 アリエスが告げる。と、同時に再び黒い『何か』が飛来する。今度は3発、全てアリエスに向かって。 「・・・・」 アリエスは無言で腰の二刀を抜き放つ。右手に順手でショートソードを、左手に逆手でダガーを握り、舞うように『何か』を切り裂いた。 既にルピナスもガイアとギアも、それぞれ得物を抜き放ち、隙無く構えている。 「誰だ!?姿を現せ!」 ギアの叫びが宙に溶け消えるその刹那、アリエスは勘に身を任せ、大きく前方に身を投げ出した。 「チッ・・・・勘のいいやつだ。」 低い、低い声が響いた。この場の誰もが知らない声が。皆がその声のほうを振り向く。そこに立っていたのは、一人の男。透き通った銀の髪に、銀を基調としたローブ。深い碧の瞳は鋭く、全てを射抜くような光を放っている。そして、その背には闇に近い濃緑色の片翼が。 「魔族・・・・・・・・」 ルピナスが呟いた。と、その魔族と思しき男は、不機嫌そうに睨み付ける。 「この世界の無能共と一緒にするな。愚かな人間共が。」 そう言って睥睨する男を見て、一人アリエスは納得したように呟く。 「なるほど、道理で覚えの無い感覚だと思いました。・・・・異界に住まう魔族、と言うわけですか。」 「ほう、多少は頭の切れる奴だな。流石はアリエス=オルフェーゼ=ラーナ、か。」 「名も知らぬ方に呼び捨てにされるいわれはありません。」 きっぱりと言い放つアリエスに、男はわずかに笑みを浮かべた。 「名など教える必要は無い、といいたいところだが、まあいい。何も知らずにいるのも哀れといえば哀れだな。俺はシン=エンザ。貴様を殺すものだ。」 アリエスは、一瞬だけ沈黙した後、にやりと笑った。 「あなた如きが、この私を殺す、と?」 ちゃきっ、と剣を構えなおし、アリエスは言う。 「やれるものなら、やって御覧なさい?」 アリエスは、地をけった。 シンの手の内に、黒い『何か』が集って剣となる。アリエスは、その剣を見て淡く微笑んだ。魔族の武器だ、相応の力はあろう。しかし、アリエスの持つ二剣は、元々それなりの魔力剣である上で、長年彼女と共にあったことでそれら自身も既に時の流れの外側に置かれている。時の流れの内側にある武器で、破壊することは不可能。異界の者であるのならば、この世界の魔法が効くかどうかは怪しいが、魔法なしでも勝算は十分。そう判断して、アリエスは皆に向けて言い放った。 「皆様、手出しは無用です!」 「余裕だな!」 ぢぃん、と耳障りな音を立てて、剣と剣がぶつかった。アリエスはその独特の舞うような動きで巧みに正面からの衝突を避け、最小の力で相手を倒そうとする。対するシンもまた、そんなアリエスの思惑に気づいていた。 膂力と持久力はシンが、技巧と瞬発力ではアリエスが勝っている。勝負は長く続くように思えた。 何合目かの打ち合いのとき、それは起こった。シンが、うっすらと嗤う。アリエスは、それに気づき、一瞬気がそれた。瞬間、これまでにない一撃がアリエスを襲う。力・技・スピード、全てにおいて申し分ない一撃。かわすのは不可能と判断したアリエスは、ショートソードを盾として受ける。その瞬間。 「ハァッ!」 一瞬、だった。シンの剣を、得体の知れない魔力が包む。それは、時間の壁すらも切り裂いて・・・・ ぱきん、と、澄んだ音がした。音を立てて、銀のきらめきが落ちる。・・・・真っ二つに切られた、アリエスのショートソードの切っ先が。 「・・・・ぅあ・・・・・・・・っ!」 かすれた声。アリエスの声がした。左肩から袈裟懸けに切り裂かれた、しかし一滴の血も流れない傷が、赤々とした断面を晒している。気絶しかけた意識を覚醒させるほどの壮絶な痛みに襲われ、立ち続けることが叶わなくなったアリエスが、ゆっくりと崩れ落ちる。 「これでも死なないのか。厄介な。」 シンの酷薄な声に重なって。 「・・・・っ!・・・・・・・・っ!!」 悲鳴すら上げれぬアリエスの呻き。 我知らず、ルピナスは叫んだ。アリエスの名を。 あとがき、或いは語り部が告げる未来 語:こんにちは、久しぶりだね。またあえて嬉しいよ!やっと二人目の登場だ。今回登場したのは、異界の魔族シン=エンザ。神高紅さん、どうもありがとう! ここから、やっと募集していたキャラたちが出てくるよ。お楽しみにね!・・・・あ、イメージが違ってるかも知れないけど。 では、語ろうか。未来の断片を。 見知らぬいずこかで進む思惑。否応無く巻き込まれてゆくものたち。 望みまでの道は遠く、しかし全ては運命の約束。 異界の闇と光の影に、見え隠れする大いなる陰謀。 一度退けたとしても、歯車は止まらないのだから・・・・ 次回、時の旅人第6話、『光と闇の円舞曲(ワルツ)』 またあえる日を、楽しみにしてるよ! 語:ここからは、お知らせ&お願い&ちょっとしたお詫びだよ。朱姫、まずはお詫びからすべきじゃないのかな? 朱姫(以下朱):はい、えっと、お詫びです。前回、今回と言葉だけ出てきた『聖石の使徒』について、4話を更新した後で、その『聖石の使徒』というタイトルの小説が出版されていることを知りました。私自身は、一度も読んだことが無い、全く見知らぬ本だったのですが、もしかして知っておられる方がいらっしゃったら、その小説とは全く無関係であることをここに明言しておきます。調査不足で紛らわしい名前を使ってしまったことを、深くお詫び申し上げます。また、今後も『聖石の使徒』の名称を使わせていただきますので、ご了承ください。 語:朱姫、発見した瞬間ものすごく驚いてたよね。そういうわけで、ごめんなさい。・・・・じゃ、次はお知らせとお願いだよ。 朱:上の『聖石の使徒』に関わることなのですが、・・・・本文読んでわかるかと思いますが、『聖石の使徒』は複数人います。はっきり言ってしまえば、組織の名称です。それで、またまたですが名前その他のキャラ設定の募集をしたいと思います。 語:後先考えず話創るから、やたらとキャラが多くなるんだよ、朱姫。 朱:・・・・。 語:まあ、とにかくこんな朱姫に救いの手を差し伸べてくれる方、よろしくね。あ、ちなみに前回のキャラ募集で使われなかった人たちは、皆この『聖石の使徒』のメンバーとして出てくると思うから。 朱:内訳は、こんな感じです。 登場回数の多いキャラ(最低5話以上)・・・・4人 登場回数の少ないキャラ(1話以上。セリフあり)・・・・8人 それぞれ、神族、魔族、人間、それ以外何でも可です。アリエスにとっての敵もあり、味方もあり、中立もありです。 どうか、よろしくお願いします! 二人:では、今度こそこの辺で! |
17073 | Re:時の旅人 5:闇の只中で | リラーイド=ヴァイス | 2005/5/24 19:58:56 |
記事番号17072へのコメント こんにちは。リラーイド=ヴァイスことリリーです。 レスさせていただきます。長くなりすぎるかもしれません。 >「『聖石の使徒』たちが動き出した。『四大家』も当然動き出すだろう。アリエスの性状は『氷』・・・・冷たいところでしか、その鋭い刃を維持できない。彼女の強さは、儚く脆い。彼女が、水の強さに気づくまでは、傷つかずにはいられない戦いになるよ。」 水の強さ・・・ですか。でも水って、物凄い勢いで発射すればカッターにもなるんじゃ無かったですか?あれ?なんか違う。 >「チッ・・・・勘のいいやつだ。」 > 低い、低い声が響いた。この場の誰もが知らない声が。皆がその声のほうを振り向く。そこに立っていたのは、一人の男。透き通った銀の髪に、銀を基調としたローブ。深い碧の瞳は鋭く、全てを射抜くような光を放っている。そして、その背には闇に近い濃緑色の片翼が。 最初に見たとき、「悪役くせぇ。」と呟きました。すみません。 そしてそのあと、「翼つばさ〜」と阿呆っぽく呟きました。 > シンの手の内に、黒い『何か』が集って剣となる。アリエスは、その剣を見て淡く微笑んだ。魔族の武器だ、相応の力はあろう。しかし、アリエスの持つ二剣は、元々それなりの魔力剣である上で、長年彼女と共にあったことでそれら自身も既に時の流れの外側に置かれている。時の流れの内側にある武器で、破壊することは不可能。異界の者であるのならば、この世界の魔法が効くかどうかは怪しいが、魔法なしでも勝算は十分。そう判断して、アリエスは皆に向けて言い放った。 >「皆様、手出しは無用です!」 おお。かっこええ。 > ぢぃん、と耳障りな音を立てて、剣と剣がぶつかった。アリエスはその独特の舞うような動きで巧みに正面からの衝突を避け、最小の力で相手を倒そうとする。対するシンもまた、そんなアリエスの思惑に気づいていた。 > 膂力と持久力はシンが、技巧と瞬発力ではアリエスが勝っている。勝負は長く続くように思えた。 おお。かっこええ。 私、戦闘シーンは(も)苦手なので。かっこよく書ける方はうらやましいです。 > かすれた声。アリエスの声がした。左肩から袈裟懸けに切り裂かれた、しかし一滴の血も流れない傷が、赤々とした断面を晒している。気絶しかけた意識を覚醒させるほどの壮絶な痛みに襲われ、立ち続けることが叶わなくなったアリエスが、ゆっくりと崩れ落ちる。 ・・・グロいような、グロくないような。 >語:まあ、とにかくこんな朱姫に救いの手を差し伸べてくれる方、よろしくね。あ、ちなみに前回のキャラ募集で使われなかった人たちは、皆この『聖石の使徒』のメンバーとして出てくると思うから。 >朱:内訳は、こんな感じです。 > 登場回数の多いキャラ(最低5話以上)・・・・4人 > 登場回数の少ないキャラ(1話以上。セリフあり)・・・・8人 > それぞれ、神族、魔族、人間、それ以外何でも可です。アリエスにとっての敵もあり、味方もあり、中立もありです。 > どうか、よろしくお願いします! 手を差し伸べさせてください。 登場回数の多いキャラ そのいち。 名前:ライ=フォーエッジ 外見:二十代前半の冷たそうな美女。小柄。金髪を青いリボンを使って結い上げている。髪と同じ色の鷹のような瞳。水色がベースの剣士風の服プラスマントに、真っ黒なショルダー・ガード。手に持っているのは長い金属性の棒。 性格:冷静沈着。ツッコミ系。かたくるしい喋り方で、目上の人に向かっても余裕の態度。 備考:恋愛関係に関しては果てしなく鈍い。酒を飲むと愚痴っぽくなる。アリエスの味方。 そのに。 名前:シュカ=ラルドサマー 外見:二十代後半の妖艶な美女。黒髪のポニーテール。好奇心に輝く黒い瞳。大胆な赤いドレス(左足の所にスリットが入っている)。太ももの所にくくりつけた短剣が武器。 性格:情熱的。好戦的。好奇心旺盛。大胆。 備考:惚れっぽい。思い込みが激しい。アリエスの敵。 そのさん。 名前:ユキヤ=ヴィア=レン 外見:十代後半の少年。銀髪で長髪。冷たそうなアイスブルーの瞳で、目つきが悪い。ところどころに青で飾りのついた、白いゆったりした服。左耳に青い宝石のピアスをつけている。 性格:冷たい。無表情で無感動。ただし双子の姉に対しては頭が上がらず、しかもシスコン。 備考:寝起きが果てしなく悪い。アリエスの味方。 そのよん。 名前:ユキナ=ヴィオ=レン 外見:十代後半の少女。銀髪で長髪。柔らかなアイスブルーの瞳で、少したれ目気味。青い刺繍の入った、白いゆったりしたワンピース。右耳に青い宝石のピアスをつけている。 性格:おっちょこちょい。我侭だが、憎めないような我侭ばかり。双子の弟に似ているといわれるのが嫌い。 備考:「そのさん」のユキヤの双子の姉。アリエスの味方。 登場回数の少ないキャラ そのいち。 名前:アクア=ファーディス 外見:青がベースの剣士風の服。半月刀を振りかざして笑っているやな奴。十代前半の少女。黒髪のショートカット。 性格:明るい。が、どこか歪んでいる。きゃたきゃた笑いながら人を殺せるような人。 備考:アリエスの敵。 そのに。 名前:マリン=セレイ 外見:水色の長い髪に青の瞳の少女。青い海をイメージさせるような神官服に、幾分ミスマッチなでっけぇ剣。 性格:優しい。虫も殺さないような聖女のような人。 備考:アリエスの味方。剣を持っているのは、護身用と自分を鍛えるため。 そのさん。 名前:ノヴァン=ヤード 外見:黒と青のロングドレス。青いボタンつき。ドレスと同じ色の長い黒髪に、ボタンと同じ色の青い瞳。二十代後半の美女。 性格:あねご肌で頼りがいのある人。けんか腰で喋ってしまう事が多い。 備考:中立。 そのよん。 名前:スクグ=シンキ 外見:おかっぱの黒髪を一つにまとめて、真っ黒なサングラスをかけている。やはり黒のスーツで、これ以上ないくらい怪しい。 性格:怪しい格好の割にはいい人。気さくで優しい。 備考:中立。怪しいからという理由でひどい目に会った事数知れず。 そのご。 名前:レイリーン=ライニー=コンル 外見:長い赤毛に、炎のような赤い瞳の女性。緑の礼服は高級そうな生地で出来ている。 性格:言葉づかいが荒い。「もうちょっと女らしくしても罰は当たらない」と何度も言われている。 備考:中立。 そのろく。 名前:アリス=アイル 外見:水色のロングスカートと、黄緑のエプロンドレス。くすんだ色の金髪と、銀の光の散らしてあるような緑の瞳の小さな女の子。古めかしい感じだが、妙に似合っている。 性格:ぼんやりしている。とろんとした目で、やる気が無さげ。 備考:中立。 そのなな。 名前:サライス=ヴォール 外見:紫の髪のショートカットで、同じ色の目はきょろんっ、とよく動く。村娘風の服の十五歳くらいの少女。 性格:シンプル・イズ・ベスト。ぴょこぴょことよく動く。 備考:身軽。アリエスの敵。通称サリー。 そのはち。 名前:エントレス=サントレス 外見:オレンジ色の髪と青の瞳の少年。ごてごてしたつくりの白くて長い服で、いつも動きずらそうにしている。 性格:目立たない。存在感はあまり無いが、結構強い。 備考:アリエスの味方。 ふう。こんなもんでどうでしょうか。わけが分からないけど。 長くなってしまいました。すみません。 ここまでちゃんと読んで下さったら、とてつもなく嬉しいです。 じゃあ、またレスできる事を願っています。 |
17075 | お久しぶりです! | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/25 08:31:58 |
記事番号17073へのコメント >こんにちは。リラーイド=ヴァイスことリリーです。 >レスさせていただきます。長くなりすぎるかもしれません。 > 朱姫:こんにちは、朱姫 依緒琉です。お久しぶりです。 語り部:こんにちは、語り部だよ。 >>「『聖石の使徒』たちが動き出した。『四大家』も当然動き出すだろう。アリエスの性状は『氷』・・・・冷たいところでしか、その鋭い刃を維持できない。彼女の強さは、儚く脆い。彼女が、水の強さに気づくまでは、傷つかずにはいられない戦いになるよ。」 > >水の強さ・・・ですか。でも水って、物凄い勢いで発射すればカッターにもなるんじゃ無かったですか?あれ?なんか違う。 朱姫:ウォーターカッター、というやつですね。 語り部:でも、基本的に水は不定形だからね。ただ、形無きが故の強さもある、ということさ。 > >>「チッ・・・・勘のいいやつだ。」 >> 低い、低い声が響いた。この場の誰もが知らない声が。皆がその声のほうを振り向く。そこに立っていたのは、一人の男。透き通った銀の髪に、銀を基調としたローブ。深い碧の瞳は鋭く、全てを射抜くような光を放っている。そして、その背には闇に近い濃緑色の片翼が。 > >最初に見たとき、「悪役くせぇ。」と呟きました。すみません。 >そしてそのあと、「翼つばさ〜」と阿呆っぽく呟きました。 朱姫:『悪役』って、実は苦手なんですよね〜。どうしてもありがちになってしまう・・・・。 語り部:精進あるのみ、だよ。 > > >> ぢぃん、と耳障りな音を立てて、剣と剣がぶつかった。アリエスはその独特の舞うような動きで巧みに正面からの衝突を避け、最小の力で相手を倒そうとする。対するシンもまた、そんなアリエスの思惑に気づいていた。 >> 膂力と持久力はシンが、技巧と瞬発力ではアリエスが勝っている。勝負は長く続くように思えた。 > >おお。かっこええ。 >私、戦闘シーンは(も)苦手なので。かっこよく書ける方はうらやましいです。 朱姫:いや、実は私も苦手なんです、戦闘シーン(笑)なるべく書かずに済ませようとしているんですけど・・・・ 語り部:戦いが必要なときもある。それは万人にとっての共通の真理だ。 朱姫:いや、そこまで大げさなものじゃ・・・・ > >> かすれた声。アリエスの声がした。左肩から袈裟懸けに切り裂かれた、しかし一滴の血も流れない傷が、赤々とした断面を晒している。気絶しかけた意識を覚醒させるほどの壮絶な痛みに襲われ、立ち続けることが叶わなくなったアリエスが、ゆっくりと崩れ落ちる。 > >・・・グロいような、グロくないような。 朱姫:冒頭に、注意を入れようか迷いました。 語り部:書いてる方はノリノリだったくせに。 > >>語:まあ、とにかくこんな朱姫に救いの手を差し伸べてくれる方、よろしくね。あ、ちなみに前回のキャラ募集で使われなかった人たちは、皆この『聖石の使徒』のメンバーとして出てくると思うから。 >>朱:内訳は、こんな感じです。 >> 登場回数の多いキャラ(最低5話以上)・・・・4人 >> 登場回数の少ないキャラ(1話以上。セリフあり)・・・・8人 >> それぞれ、神族、魔族、人間、それ以外何でも可です。アリエスにとっての敵もあり、味方もあり、中立もありです。 >> どうか、よろしくお願いします! > >手を差し伸べさせてください。 朱姫:ありがとうございます(感涙) 語り部:多分、全員使うよ。ひょっとしたら、名前だけ、とかなるかもしれないけど。 > > >ふう。こんなもんでどうでしょうか。わけが分からないけど。 >長くなってしまいました。すみません。 >ここまでちゃんと読んで下さったら、とてつもなく嬉しいです。 >じゃあ、またレスできる事を願っています。 朱姫:いえいえ、何か募集ばかりしていてすみません。オリジナルからキャラを持ってきたりもしてるんですけど、どうしても足りなくて・・・・ 語り部:本当にありがとう!・・・・と、時間も押してきた。今日はこの辺でね。また会える日を待っているよ! > > > |
17074 | Re:時の旅人 5:闇の只中で | 神高 紅 | 2005/5/24 23:19:47 |
記事番号17072へのコメント 紅:どうもこんばんはお久です。紅です。 コ:どうもこんばんはだ。コウだ。 ク:クロスです・・よろしく・・ 紅:さっそくですがレスに参らせていただきまする。 >「魔族・・・・・・・・」 > ルピナスが呟いた。と、その魔族と思しき男は、不機嫌そうに睨み付ける。 >「この世界の無能共と一緒にするな。愚かな人間共が。」 > そう言って睥睨する男を見て、一人アリエスは納得したように呟く。 >「なるほど、道理で覚えの無い感覚だと思いました。・・・・異界に住まう魔族、と言うわけですか。」 紅:わーエンだー。いきなり暴言吐いてるー。 ク:異界・・ですか・・?どこの世界ですかね・・まだ秘密なのかな・・ コ:くく・・・強そうなやつだな、戦ってみてえな。 >「ほう、多少は頭の切れる奴だな。流石はアリエス=オルフェーゼ=ラーナ、か。」 >「名も知らぬ方に呼び捨てにされるいわれはありません。」 > きっぱりと言い放つアリエスに、男はわずかに笑みを浮かべた。 >「名など教える必要は無い、といいたいところだが、まあいい。何も知らずにいるのも哀れといえば哀れだな。俺はシン=エンザ。貴様を殺すものだ。」 > アリエスは、一瞬だけ沈黙した後、にやりと笑った。 >「あなた如きが、この私を殺す、と?」 > ちゃきっ、と剣を構えなおし、アリエスは言う。 >「やれるものなら、やって御覧なさい?」 > アリエスは、地をけった。 紅:自分が負けるわけ無いという絶対なる自信をもってますね。 コ:だが油断はするなよ。どんな相手であっても殺すまではな。 > 膂力と持久力はシンが、技巧と瞬発力ではアリエスが勝っている。勝負は長く続くように思えた。 > 何合目かの打ち合いのとき、それは起こった。シンが、うっすらと嗤う。アリエスは、それに気づき、一瞬気がそれた。瞬間、これまでにない一撃がアリエスを襲う。力・技・スピード、全てにおいて申し分ない一撃。かわすのは不可能と判断したアリエスは、ショートソードを盾として受ける。その瞬間。 >「ハァッ!」 > 一瞬、だった。シンの剣を、得体の知れない魔力が包む。それは、時間の壁すらも切り裂いて・・・・ > ぱきん、と、澄んだ音がした。音を立てて、銀のきらめきが落ちる。・・・・真っ二つに切られた、アリエスのショートソードの切っ先が。 ク:まさしく・・必殺の一撃と言ったところですか・・ コ:時間の壁すら超えるとはな。なかなかやるな。 >「・・・・ぅあ・・・・・・・・っ!」 > かすれた声。アリエスの声がした。左肩から袈裟懸けに切り裂かれた、しかし一滴の血も流れない傷が、赤々とした断面を晒している。気絶しかけた意識を覚醒させるほどの壮絶な痛みに襲われ、立ち続けることが叶わなくなったアリエスが、ゆっくりと崩れ落ちる。 >「これでも死なないのか。厄介な。」 > シンの酷薄な声に重なって。 >「・・・・っ!・・・・・・・・っ!!」 > 悲鳴すら上げれぬアリエスの呻き。 > 我知らず、ルピナスは叫んだ。アリエスの名を。 コ:普通なら即死してるぜこれは。痛みがある分地獄だな。 ク:そんな致命傷でも・・死ねないんですね・・ > あとがき、或いは語り部が告げる未来 >語:こんにちは、久しぶりだね。またあえて嬉しいよ!やっと二人目の登場だ。今回登場したのは、異界の魔族シン=エンザ。神高紅さん、どうもありがとう! 紅:いえどうも。 コ:礼など言わなくてもいいぞ。いや真面目な話。 紅:あと一応エン=シンザです。別にどっちでもいいんですが。 ク:てきとーだ・・ >朱:上の『聖石の使徒』に関わることなのですが、・・・・本文読んでわかるかと思いますが、『聖石の使徒』は複数人います。はっきり言ってしまえば、組織の名称です。それで、またまたですが名前その他のキャラ設定の募集をしたいと思います。 >語:後先考えず話創るから、やたらとキャラが多くなるんだよ、朱姫。 >朱:・・・・。 >語:まあ、とにかくこんな朱姫に救いの手を差し伸べてくれる方、よろしくね。あ、ちなみに前回のキャラ募集で使われなかった人たちは、皆この『聖石の使徒』のメンバーとして出てくると思うから。 >朱:内訳は、こんな感じです。 > 登場回数の多いキャラ(最低5話以上)・・・・4人 > 登場回数の少ないキャラ(1話以上。セリフあり)・・・・8人 > それぞれ、神族、魔族、人間、それ以外何でも可です。アリエスにとっての敵もあり、味方もあり、中立もありです。 紅:では何人かを。今回は前回より多少細かく設定しましょうか。 一応多い方 名前 アインリッシュ=ウィンバー 種族 人間 性別 女性 年齢 二十代前半位 容姿 紅く短めの髪に蒼い色の眼で左眼は前髪に隠れて見えない。結構高い身長でスレンダー。眼に覇気が無く常に眠そうで何を考えているか読みづらい。 服装 男物っぽいズボンに上着その上によれよれの白衣を着ている。左手には黒い手袋をしている。 性格 とにかく気まぐれでひとを食ったような発言が多い。たまにわざとぶりっ子な口調になる。善悪の区別はつくのだがあまりそれにはこだわらない。 備考 天才で自他ともに認める狂科学者。左手は魔族を強制的に融合させた義手でありそれによってけた違いな魔力と腕力を誇るが、普段は黒い手袋をつけて封印している。略称はアイリスもしくはアイン。立場的にはどっちつかずな中立。 名前 コウ=カオス=デスティニー 種族 人間 性別 男性 年齢 15歳 容姿 低い身長に闇のように黒くて短めの髪、金色の眼を持つ少年。つり目で憮然とした表情でいることが多い。黙っていたら女と間違えられるくらい女顔。 服装 剣士風の服装で肩当てと胸当てを付けている。指先が出ている手袋に軽めの茶のブーツを履いている。 性格 わりに短気ですぐ怒るが根はいい人。重度のバトルマニアだが結構家庭的な面ももつ。ボケその他には突っ込まずに入られない性。結構苦労人気質。 備考 真っ黒い大剣を常に所持、戦闘時はそれを使用。とにかく口調が乱暴で敬語を使うことはほとんど無い。クロス=デスティニーが出るなら彼女の双子の兄でクロスは隠れブラコン。立場的にはクロスとともにアリエスの味方。 一応少ない方 名前 トリュー=シャドウ 種族 神族 性別 男性 年齢 ? 容姿 虎模様なしましまな長髪。中肉中背で結構筋肉質な感じ。つり目で口元には八重歯がある。緑色で猫のような眼。 服装 一般的な神官服のようなものを着ている。ただし色はど派手、具体的に言うと赤っぽい。 性格 物事は深く気にしないタイプで常にポジティブ。失言が多くそれによっていらない反感ひんしゅくを買うことが多い。 備考 なぜか関西弁で話す。空間を爆発させるのが得意で戦闘はそれメインで行う。相手が偉かろうがなんだろうが自分の意見は曲げない芯の強さがある。立場的にはアリエスの味方。 名前 セレン=アルスター 種族 エルフ 性別 女性 年齢 ? 容姿 金髪のツインテールでルビーのような瞳。少女のような印象を受ける。低めの身長だがスタイルはかなりよい。エルフ特有のなが耳。 服装 水色っぽい色をした短めのドレスを動きやすいよう改造している。首からは十字架のネックレスを下げている。 性格 二重人格。表の人格は人懐っこくにこにこしているが、裏の人格は人を切り血をみることに快楽を覚えている。表では虫も殺せないが、裏ではむしろ笑いながら人を切る。 備考 表と裏の人格のせめぎ合いによって情緒不安定に陥りやすい。語尾は『〜デス』となる。立場的にはアリエスの敵。 紅:結構詳しく書いてみましたがどうですかね。 ク:あんま使えそうに無いですねー・・ 紅:まあ一部でも使っていただけたら。設定チェンジも申し出てくださればいくらでも。 >二人:では、今度こそこの辺で! コ:じゃあまたな。 ク:ばいばい・・・ 紅:ではまたですね。さよーなら。 |
17076 | うわわわ!ごめんなさい!!(土下座) | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/26 08:33:57 |
記事番号17074へのコメント >紅:どうもこんばんはお久です。紅です。 >コ:どうもこんばんはだ。コウだ。 >ク:クロスです・・よろしく・・ >紅:さっそくですがレスに参らせていただきまする。 朱姫:遅くなりました、朱姫です。 カタリ:同じく、カタリこと語り部だよ。では、早速。 >>「ほう、多少は頭の切れる奴だな。流石はアリエス=オルフェーゼ=ラーナ、か。」 >>「名も知らぬ方に呼び捨てにされるいわれはありません。」 >> きっぱりと言い放つアリエスに、男はわずかに笑みを浮かべた。 >>「名など教える必要は無い、といいたいところだが、まあいい。何も知らずにいるのも哀れといえば哀れだな。俺はシン=エンザ。貴様を殺すものだ。」 >> アリエスは、一瞬だけ沈黙した後、にやりと笑った。 >>「あなた如きが、この私を殺す、と?」 >> ちゃきっ、と剣を構えなおし、アリエスは言う。 >>「やれるものなら、やって御覧なさい?」 >> アリエスは、地をけった。 >紅:自分が負けるわけ無いという絶対なる自信をもってますね。 >コ:だが油断はするなよ。どんな相手であっても殺すまではな。 朱姫:油断しないことは意外と難しいですよね・・・・。特に、これまでそれで通用してきた場合は。 カタリ:しかし、過去と未来は別だという認識は必要だよ。今後は特に・・・・ね。 >> 膂力と持久力はシンが、技巧と瞬発力ではアリエスが勝っている。勝負は長く続くように思えた。 >> 何合目かの打ち合いのとき、それは起こった。シンが、うっすらと嗤う。アリエスは、それに気づき、一瞬気がそれた。瞬間、これまでにない一撃がアリエスを襲う。力・技・スピード、全てにおいて申し分ない一撃。かわすのは不可能と判断したアリエスは、ショートソードを盾として受ける。その瞬間。 >>「ハァッ!」 >> 一瞬、だった。シンの剣を、得体の知れない魔力が包む。それは、時間の壁すらも切り裂いて・・・・ >> ぱきん、と、澄んだ音がした。音を立てて、銀のきらめきが落ちる。・・・・真っ二つに切られた、アリエスのショートソードの切っ先が。 >ク:まさしく・・必殺の一撃と言ったところですか・・ >コ:時間の壁すら超えるとはな。なかなかやるな。 カタリ:彼らの世界の力に関係あり、と言ったところかな?普通は無理だよ、時の壁は強固だから。 >>「・・・・ぅあ・・・・・・・・っ!」 >> かすれた声。アリエスの声がした。左肩から袈裟懸けに切り裂かれた、しかし一滴の血も流れない傷が、赤々とした断面を晒している。気絶しかけた意識を覚醒させるほどの壮絶な痛みに襲われ、立ち続けることが叶わなくなったアリエスが、ゆっくりと崩れ落ちる。 >>「これでも死なないのか。厄介な。」 >> シンの酷薄な声に重なって。 >>「・・・・っ!・・・・・・・・っ!!」 >> 悲鳴すら上げれぬアリエスの呻き。 >> 我知らず、ルピナスは叫んだ。アリエスの名を。 >コ:普通なら即死してるぜこれは。痛みがある分地獄だな。 >ク:そんな致命傷でも・・死ねないんですね・・ カタリ:そうだね。・・・・なぜ時間が止まっているのに痛みはあるかというと、一応、神経系はまともに機能しているから、なんだけど。そのあたりの詳しいことは、気が向いたら朱姫が話に組み込むんじゃないかな? 朱姫:と、言うよりも、神経が働かなかったら、見えない聞こえない匂いもない味も分からない、になるので、って、それだけなんですが・・・・。 >> あとがき、或いは語り部が告げる未来 >>語:こんにちは、久しぶりだね。またあえて嬉しいよ!やっと二人目の登場だ。今回登場したのは、異界の魔族シン=エンザ。神高紅さん、どうもありがとう! >紅:いえどうも。 >コ:礼など言わなくてもいいぞ。いや真面目な話。 >紅:あと一応エン=シンザです。別にどっちでもいいんですが。 >ク:てきとーだ・・ 朱姫:え・・・・・・・・(確認中)・・・・・・・・。うわぁぁぁぁぁっ!本当だ今気づいた素で間違えたぁぁっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!申し訳ありません!!!! カタリ:・・・・どうやってこの落とし前をつけるのさ。 朱姫:・・・・訂正版を載せて、そっちでこのこと明言して、次回からはきっちりと・・・。本当に、申し訳ありませんでした! > > >紅:結構詳しく書いてみましたがどうですかね。 >ク:あんま使えそうに無いですねー・・ >紅:まあ一部でも使っていただけたら。設定チェンジも申し出てくださればいくらでも。 >>二人:では、今度こそこの辺で! >コ:じゃあまたな。 >ク:ばいばい・・・ >紅:ではまたですね。さよーなら。 朱姫:ありがとうございました! カタリ:多分、全員出ると思うよ。『聖石の使徒』は人数が多いから。 朱姫:もしかしたら、名前だけ、とかの登場になるかもしれませんが、ご了承ください。 ・・・・・・・・重ね重ね、本当にすみませんでした。今後はこのようなことが無いよう、気をつけます。 カタリ:これに懲りずに、続きも見てほしいな。・・・・それじゃ、そろそろ時間も押してきた。今回はこの辺で失礼するよ。 二人:では、また! |
17078 | 時の旅人 5:闇の只中で 訂正版 | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/31 08:22:04 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 訂正版・第5話です。 もう、平謝りし倒すしかないです、が、そのままだととても本編が始まらないので、早速どうぞ! 時の旅人 5:闇の只中で こつん、と、ドアがノックされた。不審に思いつつ、レンシェルマは扉を開ける。そこには、銀の色を纏う人物が・・・・自らを『放浪の語り部』と称した者が、微笑み佇んでいる。レンシェルマには、その人物に見覚えがあった。 「あなた様は・・・・・・・・」 「久方ぶりだね、レンシェルマ=ヴァリード。・・・・いや、あえて本来の名で呼ぼうか?『秘匿せし仮宿の癒し手』レンシェルマ=シーシェンズ、と。」 驚愕のため凍りついたレンシェルマを見て満足そうに頷いた語り部は、教会の中に入って、厳重にドアを閉める。そして、相変わらず微笑みながら、告げた。 「時が動き出すよ。覚悟はしていたと思うけど、君の養い子と、君が癒したいと願う彼女を中心として。君は彼らに何も語らぬことで、定めから遠ざけようとしていたみたいだけど、それで逃れられるほど、定めは甘くないことくらい、『シーシェンズ』の者である君には分かっていたろうに・・・・。まあ、定めに抗う努力と姿勢は、僕にとっても好ましいものだけど。」 語り部は祭壇にすたすたと歩み寄る。スィーフィード像の台座をぽんぽんと軽く叩くと、ひょいとその場に腰掛けた。本来ならば不敬極まるところだが、レンシェルマは何も言わない。 「君に出来ることは、今となってはただ一つ。傷つき疲れて帰ってくる彼らを癒し、真実を告げることくらいさ。」 「傷つき疲れて・・・・?」 語り部は、ほんの少しだけ悲しそうに笑う。 「『聖石の使徒』たちが動き出した。『四大家』も当然動き出すだろう。アリエスの性状は『氷』・・・・冷たいところでしか、その鋭い刃を維持できない。彼女の強さは、儚く脆い。彼女が、水の強さに気づくまでは、傷つかずにはいられない戦いになるよ。」 レンの瞳に、沈鬱なものが広がっていく。語り部はそれを見て、淡い苦笑を浮かべた。 「じゃ、僕は行くよ。告げるべきことは告げた。あとは、君自身がどう考えるか。・・・・・・・・じゃあ、また、いつか。」 そう言って、語り部は神殿を立ち去る。外に出ると、語り部は小さく呟いた。 「・・・・・・・・ごめん。僕とて、この場では無力なことに変わりは無い。僕は示唆するだけしか出来ない。残された時間は少ない・・・・・・・・お願いだ、早く、真実に気づいて・・・・。」 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ぞくり、と、アリエスの背を悪寒が走った。何かを感じて立ち止まったアリエスに、ガイアとギアが非難の眼差しを向けてくる。 「何してるんですか!?早くしないと、エアが・・・・」 「落ち着け、ギア。・・・・アリエスさん、何か?」 アリエスは、ゆっくりとあたりを見回す。と、ルピナスが何かに気づいたのか、はじかれたようにその場を飛びずさった。 ヴゥン、と音を立てて、黒い『何か』が飛来する。それはつい先ほどまでルピナスが立っていた場所をえぐり、消滅させた。 「気をつけてください!魔族の結界です!」 アリエスが告げる。と、同時に再び黒い『何か』が飛来する。今度は3発、全てアリエスに向かって。 「・・・・」 アリエスは無言で腰の二刀を抜き放つ。右手に順手でショートソードを、左手に逆手でダガーを握り、舞うように『何か』を切り裂いた。 既にルピナスもガイアとギアも、それぞれ得物を抜き放ち、隙無く構えている。 「誰だ!?姿を現せ!」 ギアの叫びが宙に溶け消えるその刹那、アリエスは勘に身を任せ、大きく前方に身を投げ出した。 「チッ・・・・勘のいいやつだ。」 低い、低い声が響いた。この場の誰もが知らない声が。皆がその声のほうを振り向く。そこに立っていたのは、一人の男。透き通った銀の髪に、銀を基調としたローブ。深い碧の瞳は鋭く、全てを射抜くような光を放っている。そして、その背には闇に近い濃緑色の片翼が。 「魔族・・・・・・・・」 ルピナスが呟いた。と、その魔族と思しき男は、不機嫌そうに睨み付ける。 「この世界の無能共と一緒にするな。愚かな人間共が。」 そう言って睥睨する男を見て、一人アリエスは納得したように呟く。 「なるほど、道理で覚えの無い感覚だと思いました。・・・・異界に住まう魔族、と言うわけですか。」 「ほう、多少は頭の切れる奴だな。流石はアリエス=オルフェーゼ=ラーナ、か。」 「名も知らぬ方に呼び捨てにされるいわれはありません。」 きっぱりと言い放つアリエスに、男はわずかに笑みを浮かべた。 「名など教える必要は無い、といいたいところだが、まあいい。何も知らずにいるのも哀れといえば哀れだな。俺はエン=シンザ。貴様を殺すものだ。」 アリエスは、一瞬だけ沈黙した後、にやりと笑った。 「あなた如きが、この私を殺す、と?」 ちゃきっ、と剣を構えなおし、アリエスは言う。 「やれるものなら、やって御覧なさい?」 アリエスは、地をけった。 エンの手の内に、黒い『何か』が集って剣となる。アリエスは、その剣を見て淡く微笑んだ。魔族の武器だ、相応の力はあろう。しかし、アリエスの持つ二剣は、元々それなりの魔力剣である上で、長年彼女と共にあったことでそれら自身も既に時の流れの外側に置かれている。時の流れの内側にある武器で、破壊することは不可能。異界の者であるのならば、この世界の魔法が効くかどうかは怪しいが、魔法なしでも勝算は十分。そう判断して、アリエスは皆に向けて言い放った。 「皆様、手出しは無用です!」 「余裕だな!」 ぢぃん、と耳障りな音を立てて、剣と剣がぶつかった。アリエスはその独特の舞うような動きで巧みに正面からの衝突を避け、最小の力で相手を倒そうとする。対するエンもまた、そんなアリエスの思惑に気づいていた。 膂力と持久力はエンが、技巧と瞬発力ではアリエスが勝っている。勝負は長く続くように思えた。 何合目かの打ち合いのとき、それは起こった。エンが、うっすらと嗤う。アリエスは、それに気づき、一瞬気がそれた。瞬間、これまでにない一撃がアリエスを襲う。力・技・スピード、全てにおいて申し分ない一撃。かわすのは不可能と判断したアリエスは、ショートソードを盾として受ける。その瞬間。 「ハァッ!」 一瞬、だった。エンの剣を、得体の知れない魔力が包む。それは、時間の壁すらも切り裂いて・・・・ ぱきん、と、澄んだ音がした。音を立てて、銀のきらめきが落ちる。・・・・真っ二つに切られた、アリエスのショートソードの切っ先が。 「・・・・ぅあ・・・・・・・・っ!」 かすれた声。アリエスの声がした。左肩から袈裟懸けに切り裂かれた、しかし一滴の血も流れない傷が、赤々とした断面を晒している。気絶しかけた意識を覚醒させるほどの壮絶な痛みに襲われ、立ち続けることが叶わなくなったアリエスが、ゆっくりと崩れ落ちる。 「これでも死なないのか。厄介な。」 エンの酷薄な声に重なって。 「・・・・っ!・・・・・・・・っ!!」 悲鳴すら上げれぬアリエスの呻き。 我知らず、ルピナスは叫んだ。アリエスの名を。 あとがき、或いは語り部が告げる未来 語:こんにちは、久しぶりだね。またあえて嬉しいよ!やっと二人目の登場だ。今回登場したのは、異界の魔族エン=シンザ。神高紅さん、どうもありがとう!そしてごめんなさい。この訂正版からは、きちんと修正します。 ここから、やっと募集していたキャラたちが出てくるよ。お楽しみにね!・・・・あ、イメージが違ってるかも知れないけど。 では、語ろうか。未来の断片を。 見知らぬいずこかで進む思惑。否応無く巻き込まれてゆくものたち。 望みまでの道は遠く、しかし全ては運命の約束。 異界の闇と光の影に、見え隠れする大いなる陰謀。 一度退けたとしても、歯車は止まらないのだから・・・・ 次回、時の旅人第6話、『光と闇の円舞曲(ワルツ)』 では、またね! |
17079 | 時の旅人 6:光と闇の円舞曲(ワルツ) | 朱姫 依緒琉 | 2005/5/31 08:24:01 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です! 前回があんなところで終わってしまったのに、随分と間が空いてしまってごめんなさい。 さてさて、ようやく3人目が登場の第6話です! お知らせです。 前回、第5話で人物名が間違っていました。『シン=エンザ』ではなく、正しくは『エン=シンザ』です。 訂正版を乗せました。そちらが正しいです。 ご迷惑をおかけして、真に申し訳ありません! なお、今回からはきちんと『エン=シンザ』で通しております。紛らわしいことをして、本当に失礼しました! 時の旅人 6:光と闇の円舞曲 ほとんど無意識で、ルピナスはエンに切りかかった。口の中では、早口で呪文を唱える。エンの嘲る声がしたが、気にも留めない。直前で魔皇霊斬(アストラル・ヴァイン)を発動し、切りかかった。ほぼ無意識とはいえ、その剣閃は十分に鋭い。しかし、エンはいともたやすくルピナスの剣戟を受け流した。 「命令されているのは、アリエス=オルフェーゼ=ラーナの抹殺のみだが、邪魔立てするなら容赦はしない。」 「黙れっ!」 そのまま、二合、三合と剣を合わせる。しかし、剣を合わせるたびにルピナスが余裕を失っていくのが、傍目にもはっきりとわかった。 アリエスは、ようやく痛みが麻痺してきたのか、少しだけまともな思考を取り戻していた。その上で、思う。ルピナスに、勝ち目は無い、と。得体の知れぬ魔力に加え、剣技もかなりのものだ。そして、相手は剣に魔力を付帯させたのみで、一発の魔法も放ってはいない。アリエスは、冷静を通り越して無関心ともいえる思いで断定した。 「・・・・早く、逃げるべきですよ、ルピナス。・・・・・・・・私に構う必要が、どこにあると言うのです・・・・?」 あまりに小さなその声は、ルピナスの耳に届くことは無かったのだけれど。 ★ ★ ★ ★ ★ シャン、と、音がした気がした。柔らかく美しい金属音が。 同時に、ぴしり、という音もした。ガラスがひび割れるような音が、はっきりと。 とたん、何故かエンの攻撃の手が緩む。それを見逃すようなルピナスではなかった。神速で振りぬいた刃が、エンの衣を掠める。エンはそのまま大きく飛びのき、あらぬ方向を見やった。 「もう嗅ぎつけたのか。・・・・チッ!」 そのまま、宙に溶け消える。同時に、結界が砕け散った。何が何やらわからずあっけに取られる皆の背後で、声がした。子供特有のハイキーの、しかし威厳のある声が。 「危ないところでしたね。」 結界の残滓がぱらぱらと降り注ぐ中、彼女は立っていた。年のころなら14,5歳、長い金の髪はゆらゆらとたなびき、緑の瞳には穏やかな光。たっぷりと布を使った白い法衣が、風も無いのにふわりと翻った。 「申し訳ありません。本当は、もっと早く来たかったのですが・・・・結界がなかなか破れなかったのです。そのせいで、あなたをこのような目に・・・・。ああ、動かないで!今治しますから。」 体を起こそうとしたアリエスを制し、彼女はアリエスの傍らに膝をつく。かざした手のひらに緑色の光が灯り、アリエスに降り注いだ。 「あなたは、一体・・・・」 呟くルピナスに彼女は顔だけ向けて応えた。 「申し遅れました。私はイヴ=フェアリル。深緑の竜神・イェルフィード様に仕える者の末端に、名を連ねております。」 「異界の神族、というわけですか・・・・。」 アリエスがぽつりと呟く。イヴは首を縦に振って肯定の意を伝えた。 「先ほどの魔族、エン=シンザと言いましたね。何か関係がお有りなのでは?」 「ええ。同じ世界に属する者です。我が世界の魔王、『常磐木の魔神(エバーグリーン)』が配下で参謀役、事あるごとに謀略を巡らせてきた、厄介な相手です。」 ようやっと傷の塞がったアリエスは、ゆっくりと体を起こした。特に痛むところはない。アリエスはイヴに丁寧に頭を下げた。 「おかげで助かりました。あなたには、いくら感謝してもし足りないくらいです。」 イヴは柔らかく微笑んで、言う。 「いえ、あなたはこんなところで死んではならないお方です、アリエス様。」 私、名乗りましたか?と思いはしたが、どうせ神や魔だ、こちらの常識に当てはめるほうが間違っている、と考え直した。しかし、それでも気になることは残る。それを尋ねようと口を開こうとしたそのとき、イヴが遮って言った。 「私はこれから、エン=シンザを追うつもりです。二度とあなたに危害を加えることが無いように。・・・・それでは、いずれまたお会いできる日を、心よりお待ちしております。その日まで、どうかご自愛を。」 そうして、唐突に消える。はぐらかされた、と思いつつ、今はやるべきことがある。エアの救出が、今の任務。だから。 「行きましょう、皆さん。」 長い回廊の先を見つめて、アリエスは言った。 * * * * * 「何とか間に合った・・・・かな?」 少し硬いメゾソプラノが、溜息と共に言葉を吐いた。 アリエス達が走り去り、無人となった回廊の柱の影からそろそろと顔を出し、あたりを伺う。そして、ひょこりと廊下に飛び出し、また大きく息を吐いた。 「聞いてないし、こんなこと。・・・・・・・・『予定表』に、狂いが生じてるって本当だったんだねぇ・・・・。厄介だなぁ。・・・・ま、いいや。仕事仕事!」 彼女は、その場でくるりと踊る。左で片みずらに結った長い黒髪が翻り、金と銀のオッドアイが輝く。動きやすそうではあるが、何故か無駄にひらひらした服が、彼女の動きに合わせて舞い踊った。 不意に、しゃん、と音がした。彼女の手首につけられた、金と銀の丸い玉から、その音は聞こえた。その音は目には見えない波紋となり、この場を満たしてゆく。 しゃん、しゃんと音が響く。しばらくして、少女が踊りをやめるまで、鈴の音が辺りを浸していった。 あとがき、或いは語り部が告げる未来 語:こんにちは!また会えたね!ようやくの6話更新だよ。 今回初登場は、異界の神族イヴ=フェアリル。十叶 夕海さんには、感謝してもしたりないです。朱姫は頭が上がりません。 さて、ではそろそろ未来を語ろうか。 守るべきものであったはずなのに。 光の無い瞳が見つめる先には、親愛なるものたちが。 少年たちの慟哭に答える声は無く、その手は銀の輝きを握る。 次回、時の旅人第7話、『刃を翳す乙女』 今度こそは、もっと早くに会いたいな。 ここで、もう一つのお知らせだ。例の、『旅人からの挑戦』の答えの発表だよ。 正解は以下のとおり。 1は、この僕、語り部だよ。・・・・って、わかるわけないだろ!こんなの! 2は、夕海さん、ご名答!ルピナス君です。 と、いうわけで、夕海さんには、短編のリクエスト権を差し上げます。 一応、10話までがブレードヴィレッジ編で、その後の旅路、みたいなところに番外編を入れるつもりです。他に指定はありません。 まあ、書くのが朱姫なので、どこまで設定を生かしきれるのかわかりませんが、根性入れて書かせるので。 では、今回はこの辺で! |
17080 | 可能でしたら | 十叶 夕海 | 2005/5/31 18:34:34 |
記事番号17079へのコメント 今回も面白かったです。 今、これを大学の十分100円のネットスペ−スから投稿しております。 前回協力できず、ごめんなさいです。 リクエストは、タイトルどおり、可能でしたら、ルピくんとレンさんのお話が読みたいです。 時期はいつでもいいです。 この二人…および語り部さんが好きなのです。 さすがに、語り部さんは絡ませるのが難しそうなので。 では、お願いしますです。 |
17081 | 了解しました | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/1 08:28:03 |
記事番号17080へのコメント > > 朱姫:こんにちは!毎回毎回ありがとうございます! >今回も面白かったです。 朱姫:嬉しいです! 語り部:たゆまぬ努力を忘れないように。あまり更新に間が空くと愛想尽かされるよ!?・・・・夕海さん、本当にありがとう。気長に待っていて欲しいな。 >今、これを大学の十分100円のネットスペ−スから投稿しております。 >前回協力できず、ごめんなさいです。 朱姫:いえいえ、お忙しいでしょうし。私も毎回毎回家のパソコンで続きを書いて、大学のネットスペースから投稿していますから。 語り部:ちなみに、前回募集したのは、まだ締め切っていないから。良かったら投稿してくださいな。『聖石の使徒』に『四大家』にその他モロモロで、はっきり言って、必要人数が50人突破してるんだから。・・・・行き当たりばったりな朱姫だから、ねぇ・・・・。 > >リクエストは、タイトルどおり、可能でしたら、ルピくんとレンさんのお話が読みたいです。 >時期はいつでもいいです。 >この二人…および語り部さんが好きなのです。 >さすがに、語り部さんは絡ませるのが難しそうなので。 > > >では、お願いしますです。 朱姫:了解しました!頑張って書きますので。 語り部:僕も・・・・少しは絡むかもしれないな。僕は神出鬼没の『語り部』だから。フフ・・・・ 朱姫:・・・・。 語り部:では、予定通りに行けば、10話と11話に間に入るはずだから。生温く見守ってやって欲しい。 朱姫:では、今回はこの辺で。 二人:では、また! > |
17082 | Re:時の旅人 6:光と闇の円舞曲(ワルツ) | 神高 紅 | 2005/6/2 00:41:30 |
記事番号17079へのコメント 紅:はいどうも1日遅れですがはせ参じました紅です。 コ:どうもコウだ。 ク:クロスです・・こんばんは・・ 紅:ではレスへ参りましょう。 > そのまま、二合、三合と剣を合わせる。しかし、剣を合わせるたびにルピナスが余裕を失っていくのが、傍目にもはっきりとわかった。 > アリエスは、ようやく痛みが麻痺してきたのか、少しだけまともな思考を取り戻していた。その上で、思う。ルピナスに、勝ち目は無い、と。得体の知れぬ魔力に加え、剣技もかなりのものだ。そして、相手は剣に魔力を付帯させたのみで、一発の魔法も放ってはいない。アリエスは、冷静を通り越して無関心ともいえる思いで断定した。 >「・・・・早く、逃げるべきですよ、ルピナス。・・・・・・・・私に構う必要が、どこにあると言うのです・・・・?」 > あまりに小さなその声は、ルピナスの耳に届くことは無かったのだけれど。 コ:確かにルピナスに勝ち目は薄い・・・が、おおいにあるだろうさ。必要はな。それにあんたが気付いてないだけだ。 ク:どこか冷静というよりは・・客観的に見ているという感じでしょうか・・ >「申し遅れました。私はイヴ=フェアリル。深緑の竜神・イェルフィード様に仕える者の末端に、名を連ねております。」 >「異界の神族、というわけですか・・・・。」 > アリエスがぽつりと呟く。イヴは首を縦に振って肯定の意を伝えた。 >「先ほどの魔族、エン=シンザと言いましたね。何か関係がお有りなのでは?」 >「ええ。同じ世界に属する者です。我が世界の魔王、『常磐木の魔神(エバーグリーン)』が配下で参謀役、事あるごとに謀略を巡らせてきた、厄介な相手です。」 コ:異界の魔族に神族ね・・・いろいろ裏がありそうだな。 ク:参謀役ですか・・フィブリゾのようなものですか・・? >「私はこれから、エン=シンザを追うつもりです。二度とあなたに危害を加えることが無いように。・・・・それでは、いずれまたお会いできる日を、心よりお待ちしております。その日まで、どうかご自愛を。」 ク:なるほど・・誠意ある話し合い・・というやつですね・・ コ:んなわけあるかぁ!!戦いだよ!普通に考えりゃわかるだろーが!! > そうして、唐突に消える。はぐらかされた、と思いつつ、今はやるべきことがある。エアの救出が、今の任務。だから。 > > >「行きましょう、皆さん。」 > 長い回廊の先を見つめて、アリエスは言った。 紅:なにはともあれその問題は後回ですね。 コ:まあくだらねえことを考えながらじゃいい結果は得られねえしな。 ク:なにかあれば・・あった時ですね・・ > あとがき、或いは語り部が告げる未来 >語:こんにちは!また会えたね!ようやくの6話更新だよ。 > 今回初登場は、異界の神族イヴ=フェアリル。十叶 夕海さんには、感謝してもしたりないです。朱姫は頭が上がりません。 > さて、ではそろそろ未来を語ろうか。 > 守るべきものであったはずなのに。 > 光の無い瞳が見つめる先には、親愛なるものたちが。 > 少年たちの慟哭に答える声は無く、その手は銀の輝きを握る。 > 次回、時の旅人第7話、『刃を翳す乙女』 > 今度こそは、もっと早くに会いたいな。 紅:ではまた次回以降のお話しで。 コ:じゃあ、な。 ク:さよなら・・ |
17083 | 最終兵器は某正義親子的説得法!? | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/2 08:29:25 |
記事番号17082へのコメント >紅:はいどうも1日遅れですがはせ参じました紅です。 >コ:どうもコウだ。 >ク:クロスです・・こんばんは・・ >紅:ではレスへ参りましょう。 朱姫:こんにちは!早速レス返しに参りましょう。 >> そのまま、二合、三合と剣を合わせる。しかし、剣を合わせるたびにルピナスが余裕を失っていくのが、傍目にもはっきりとわかった。 >> アリエスは、ようやく痛みが麻痺してきたのか、少しだけまともな思考を取り戻していた。その上で、思う。ルピナスに、勝ち目は無い、と。得体の知れぬ魔力に加え、剣技もかなりのものだ。そして、相手は剣に魔力を付帯させたのみで、一発の魔法も放ってはいない。アリエスは、冷静を通り越して無関心ともいえる思いで断定した。 >>「・・・・早く、逃げるべきですよ、ルピナス。・・・・・・・・私に構う必要が、どこにあると言うのです・・・・?」 >> あまりに小さなその声は、ルピナスの耳に届くことは無かったのだけれど。 >コ:確かにルピナスに勝ち目は薄い・・・が、おおいにあるだろうさ。必要はな。それにあんたが気付いてないだけだ。 >ク:どこか冷静というよりは・・客観的に見ているという感じでしょうか・・ カタリ:客観的すぎるのも、ある意味罪だね。ルピナスも不幸というか何と言うか・・・・。 朱姫:相手は200年以上の孤独で、すっかり考えがダーク・冷静・冷酷・客観的になってるからね・・・・。 >>「申し遅れました。私はイヴ=フェアリル。深緑の竜神・イェルフィード様に仕える者の末端に、名を連ねております。」 >>「異界の神族、というわけですか・・・・。」 >> アリエスがぽつりと呟く。イヴは首を縦に振って肯定の意を伝えた。 >>「先ほどの魔族、エン=シンザと言いましたね。何か関係がお有りなのでは?」 >>「ええ。同じ世界に属する者です。我が世界の魔王、『常磐木の魔神(エバーグリーン)』が配下で参謀役、事あるごとに謀略を巡らせてきた、厄介な相手です。」 >コ:異界の魔族に神族ね・・・いろいろ裏がありそうだな。 >ク:参謀役ですか・・フィブリゾのようなものですか・・? 朱姫:そんな感じで。 >>「私はこれから、エン=シンザを追うつもりです。二度とあなたに危害を加えることが無いように。・・・・それでは、いずれまたお会いできる日を、心よりお待ちしております。その日まで、どうかご自愛を。」 >ク:なるほど・・誠意ある話し合い・・というやつですね・・ >コ:んなわけあるかぁ!!戦いだよ!普通に考えりゃわかるだろーが!! カタリ:アメリア姫やフィリオネル殿下式説得法なら、十分凶器になるんじゃないかな? 朱姫:『武器』でも『兵器』でもなく『凶器』ですか・・・・?そんな展開にはならないと思いますよ・・・・と、いうか絶対不可能です。 カタリ:はたから見てると面白いんだけどね、あれ。 >> あとがき、或いは語り部が告げる未来 >>語:こんにちは!また会えたね!ようやくの6話更新だよ。 >> 今回初登場は、異界の神族イヴ=フェアリル。十叶 夕海さんには、感謝してもしたりないです。朱姫は頭が上がりません。 >> さて、ではそろそろ未来を語ろうか。 >> 守るべきものであったはずなのに。 >> 光の無い瞳が見つめる先には、親愛なるものたちが。 >> 少年たちの慟哭に答える声は無く、その手は銀の輝きを握る。 >> 次回、時の旅人第7話、『刃を翳す乙女』 >> 今度こそは、もっと早くに会いたいな。 >紅:ではまた次回以降のお話しで。 >コ:じゃあ、な。 >ク:さよなら・・ 朱姫:では、なるべく速めにお会いできるよう頑張ります! カタリ:じゃあ、またね! |
17085 | 時の旅人 7:刃を翳す乙女 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/10 08:21:11 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、お久しぶりの朱姫 依緒琉です。 季節の変わり目で風邪を引いてしまいまして、ようやっと復帰です。 久々に書いたら、なぜか少し皆の性格が変わったしまった気が・・・・。 では、本編へどうぞ! 時の旅人 7:刃を翳す乙女 ほとんど音を立てずに、4人は長い廊下を駆け抜ける。広々とした城はしかし、何故か人影が全く見えない。 「妙だな・・・・。」 ルピナスの呟きに、アリエスは肯定の返事をした。 「ええ。気づきましたか?人影のみならず、気配すらありません。・・・・いえ、非常に薄い気配が、二つ。」 「・・・・どちらかがエアちゃんならいいんだけど。」 苦々しく呟いた二人は、ある一室の前で足を止めた。・・・・一つ目の気配のある、部屋の前で。 二人は顔を見合わせ、どちらからとも無く頷く。アリエスが戸の取っ手を握り、ルピナスが正面でナイフを構える。ガイアとギアも腰に佩いた剣を抜き放った。アリエスは口の中で小さく呪文を唱える。それが完成したとき、アリエスは力いっぱいドアを開いた。 * * * * * 中にいたのは、一人の少女。彼女を見た刹那、ガイアとギアは安堵の表情を浮かべ、剣を収めた。窓辺に座って外を見ているため、瞳の色は確認できないが、黒く長い髪に、巫女の格好。・・・・間違いなく、彼女はエアだ。 「エア!」 「よかった、無事だったんだな!?」 口々に喜びを表しながら、ガイアとギアは、妹の手を取る。 「兄・・・・サン・・・・?」 呆然としたようにエアは呟き、手を引かれるがままに立ち上がる。 「エア、帰ろう!」 妹を庇うようにギアがエアに寄り添う。エアの手が、のろのろと動き・・・・・・・・ 「え・・・・?」 かちん、と、刃が音を立てた。ほぼ無意識に抜き放った、ギアの隣に佇んでいたガイアの剣と、・・・・・・・・エアが繰り出した、まさにギアの心臓を貫こうとしたダガーが。 「エ・・・・ア?」 信じられない、といった風に、ギアは呟く。 「まさか、洗脳か!?」 怒りを込めたガイアの呟きは、エアには届かない。 「侵入者・・・・・・・・倒ス。・・・・・・・・私ノ、役目・・・・。」 青い虚ろな瞳に、かすかな殺意を宿らせて、エア=シュナイダーはダガーを振り上げた。 実際、エアの腕は大したものだった。アリエスとルピナスの目から見て、ガイアとギアの腕前は、そのあたりの傭兵がダース単位でやってきても、単独で片付けられるであろうほどには強い。その二人が、いくら傷つけることができない相手だといっても、2対1で押されている。しかも、エアの手にあるのは、ダガーがたった一本だけなのに。 ルピナスが腰の剣に手をかける。と、なぜかアリエスがルピナスの行く手を阻んだ。 「落ち着いてください、ルピナス。」 「どうして落ち着いていられるんだ!?明らかに二人のほうが押されているのに!」 アリエスは、すっと目を細めた。 「わからないのですか?あなたほどの者が、この茶番劇のからくりを。・・・・・・・・確かに、エアさんの腕前は大したものです。しかし、それは彼ら二人を相手取って勝てるほどのものではない。明らかに、奇妙な動きがあります。・・・・ほら。」 今度こそ、ルピナスは絶句した。その瞬間、エアの腕は、到底人間では不可能な角度に折れ曲がり、ガイアの剣を弾いたのだ。 「二人を、私の近くに呼んでください。・・・・恐らく、これは幻術。施術者はすぐ傍にいるでしょう。ですから・・・・こちらに来ないと、巻き込みますよ?」 「ガイア君、ギア君、こっちへ!」 アリエスの言葉に従ったというよりは、自らを襲った嫌な予感に従って、ルピナスは叫んだ。二人が反射的にそれに従い、こちらに一歩飛びずさった刹那・・・・ 「霊王崩爆発旋(ガルク・ルハード)!」 ぎりぎり範囲外に逃れた二人の鼻先で、アリエスの呪文が炸裂したのだった。 一応、弁護のために告げておくとすれば、それは本来の威力よりは数段弱いもので、一定範囲外にはそよ風すらないものだった。しかし・・・・ 光と爆風が収まった後には、しっかりと気絶したエアと、部屋の隅でひくひくしている、人相の悪い男がいたのだった。 * * * * * その後、多少は悪いと思っていたのか、アリエスがエアに治療呪文を掛けていると、男の方が目を覚ました。・・・・全身を、カーテンを裂いて作ったロープでぐるぐる巻きにされて。 曰く、男は領主に雇われた魔道士で、これが最後の仕事だったらしい。数日前からわけのわからないことをぶつぶつ呟くようになった領主と、ようやっとオサラバできると思っていたそうだ。 ちなみに、これらは全て、アリエスが一言質問したらぺらぺらと喋った。 「脅迫・・・・?」 ガイアがぽつりと呟く。 「失礼ですね。私は何もしていませんよ。ただ、『貴方はどちら様ですか?』と聞いただけではありませんか。」 それ以前にしただろう、という言葉は、懸命にも誰も発しなかった。 あとがき、或いは語り部が告げる未来 語:こんにちは!ようやく会えたね、嬉しいよ。第7話、やっとの登場だ。 ・・・・・・・・まあ、今回は朱姫を許してやってほしい。と、いっても体調管理を怠った朱姫の責任ではあるけどね。でもまあ、『誰か私に白血球(特にTリンパ球とBリンパ球)をくれ〜』なんて言ってた朱姫に、まともな話が書けるはずも無かったろうし、ね。まあ、今の朱姫がまともか、と言われれば、あいも変わらず下手な文字書きだけど。 では、そろそろ語ろうか。未来の欠片を。 『鍛冶の村』ブレードヴィレッジ。平和であったはずの村に、響く雄叫び。 一本の剣に踊らされし男は、封じられしものを解き放つ。 動き始めた運命は、ついに彼らに牙を剥く。 決断のときは、近い。 次回、『時の旅人』第8話、『斬魔の太刀、封魔の剣』 では、また会おう! |
17086 | Re:時の旅人 7:刃を翳す乙女 | リラーイド=ヴァイス | 2005/6/10 19:45:06 |
記事番号17085へのコメント こんにちは、リラーイド=ヴァイスことリリーです。 早速レス行きます。 > 季節の変わり目で風邪を引いてしまいまして、ようやっと復帰です。 大丈夫ですか?風邪と言ってもあなどれませんよ。 ま、私は馬鹿だから風邪引かないと思います。悪知恵は働きますが。 >「侵入者・・・・・・・・倒ス。・・・・・・・・私ノ、役目・・・・。」 > 青い虚ろな瞳に、かすかな殺意を宿らせて、エア=シュナイダーはダガーを振り上げた。 洗脳ですか。怖いですねー。 シュナイダーってどっかできいたような・・・気のせいですかね? > アリエスは、すっと目を細めた。 >「わからないのですか?あなたほどの者が、この茶番劇のからくりを。・・・・・・・・確かに、エアさんの腕前は大したものです。しかし、それは彼ら二人を相手取って勝てるほどのものではない。明らかに、奇妙な動きがあります。・・・・ほら。」 > 今度こそ、ルピナスは絶句した。その瞬間、エアの腕は、到底人間では不可能な角度に折れ曲がり、ガイアの剣を弾いたのだ。 よく見てるんですね、アリエスさん。 人間では不可能な角度・・・マリオネットのようなものでしょうか。 >「二人を、私の近くに呼んでください。・・・・恐らく、これは幻術。施術者はすぐ傍にいるでしょう。ですから・・・・こちらに来ないと、巻き込みますよ?」 >「ガイア君、ギア君、こっちへ!」 > アリエスの言葉に従ったというよりは、自らを襲った嫌な予感に従って、ルピナスは叫んだ。二人が反射的にそれに従い、こちらに一歩飛びずさった刹那・・・・ >「霊王崩爆発旋(ガルク・ルハード)!」 > ぎりぎり範囲外に逃れた二人の鼻先で、アリエスの呪文が炸裂したのだった。 ぱっと見、冷静で良識派な感じがしたんですが、実はぶっ飛んでいたんですね。 > 一応、弁護のために告げておくとすれば、それは本来の威力よりは数段弱いもので、一定範囲外にはそよ風すらないものだった。しかし・・・・ > 光と爆風が収まった後には、しっかりと気絶したエアと、部屋の隅でひくひくしている、人相の悪い男がいたのだった。 どことなくあの胸無し魔道士に似ている・・・(笑) >「脅迫・・・・?」 > ガイアがぽつりと呟く。 >「失礼ですね。私は何もしていませんよ。ただ、『貴方はどちら様ですか?』と聞いただけではありませんか。」 > それ以前にしただろう、という言葉は、懸命にも誰も発しなかった。 凄い人ですね、何だか。こういうキャラクターは大好きです。 とても楽しい感じでした。最初はシリアスなのに最後のオチはギャグという、予想もしなかったような・・・言葉が出なくなりました。 出来ればまたレスさせていただきたいです。 では、この辺で。 |
17087 | バトルシーンは難しい・・・・ | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/13 08:27:55 |
記事番号17086へのコメント >こんにちは、リラーイド=ヴァイスことリリーです。 >早速レス行きます。 朱姫:こんにちは。遅くなりました、朱姫です。早速レス返しをば・・・・ > >> 季節の変わり目で風邪を引いてしまいまして、ようやっと復帰です。 > >大丈夫ですか?風邪と言ってもあなどれませんよ。 >ま、私は馬鹿だから風邪引かないと思います。悪知恵は働きますが。 語り部:朱姫も馬鹿といえば馬鹿なのにねぇ・・・・。昔から風邪には負けっぱなしなんだよ。 朱姫:否定はしないです。けど、今回は軽かったから、もう平気です。 > >>「侵入者・・・・・・・・倒ス。・・・・・・・・私ノ、役目・・・・。」 >> 青い虚ろな瞳に、かすかな殺意を宿らせて、エア=シュナイダーはダガーを振り上げた。 > >洗脳ですか。怖いですねー。 >シュナイダーってどっかできいたような・・・気のせいですかね? 朱姫:「シュナイダー」は、つづりが「Schneider」、ドイツ語です。 語り部:ドイツ人の苗字でもあるけど、動詞形「Schneiden」の名詞形の口語訳、「切る道具」の意味で取ってもらえると嬉しいな。 > >> アリエスは、すっと目を細めた。 >>「わからないのですか?あなたほどの者が、この茶番劇のからくりを。・・・・・・・・確かに、エアさんの腕前は大したものです。しかし、それは彼ら二人を相手取って勝てるほどのものではない。明らかに、奇妙な動きがあります。・・・・ほら。」 >> 今度こそ、ルピナスは絶句した。その瞬間、エアの腕は、到底人間では不可能な角度に折れ曲がり、ガイアの剣を弾いたのだ。 > >よく見てるんですね、アリエスさん。 >人間では不可能な角度・・・マリオネットのようなものでしょうか。 語り部:見た目的にはそんな感じだね。まあ、裏では幻術かけてた奴とエア本人の攻撃が、幻術によってエアだけの攻撃に見えてたんだけど。 朱姫:エアの姿を二人羽織してた、という感じです。分かりにくくてごめんなさい。 > >>「二人を、私の近くに呼んでください。・・・・恐らく、これは幻術。施術者はすぐ傍にいるでしょう。ですから・・・・こちらに来ないと、巻き込みますよ?」 >>「ガイア君、ギア君、こっちへ!」 >> アリエスの言葉に従ったというよりは、自らを襲った嫌な予感に従って、ルピナスは叫んだ。二人が反射的にそれに従い、こちらに一歩飛びずさった刹那・・・・ >>「霊王崩爆発旋(ガルク・ルハード)!」 >> ぎりぎり範囲外に逃れた二人の鼻先で、アリエスの呪文が炸裂したのだった。 > >ぱっと見、冷静で良識派な感じがしたんですが、実はぶっ飛んでいたんですね。 朱姫:冷静で良識派、だったんですけどね・・・・。 語り部:まあ、あえてここでアリエスの性格を言い表すとすれば・・・・そうだね、仮にここに巨大な迷宮があって、その最奥に目的とする何かがあるなら、壁をぶち抜いて最短距離で最奥に向かうのがアリエスだ。 朱姫:端的に言えば、目的のためなら手段を選ばないタイプ、ってことです。 > >> 一応、弁護のために告げておくとすれば、それは本来の威力よりは数段弱いもので、一定範囲外にはそよ風すらないものだった。しかし・・・・ >> 光と爆風が収まった後には、しっかりと気絶したエアと、部屋の隅でひくひくしている、人相の悪い男がいたのだった。 > >どことなくあの胸無し魔道士に似ている・・・(笑) 朱姫:二人が組んだらすごいことになるでしょうねぇ・・・・。想像するのも恐ろしいくらいに。 > >>「脅迫・・・・?」 >> ガイアがぽつりと呟く。 >>「失礼ですね。私は何もしていませんよ。ただ、『貴方はどちら様ですか?』と聞いただけではありませんか。」 >> それ以前にしただろう、という言葉は、懸命にも誰も発しなかった。 > >凄い人ですね、何だか。こういうキャラクターは大好きです。 > >とても楽しい感じでした。最初はシリアスなのに最後のオチはギャグという、予想もしなかったような・・・言葉が出なくなりました。 >出来ればまたレスさせていただきたいです。 >では、この辺で。 朱姫:バトルシーンは苦手なので・・・・。更に最近ひたすら暗い話になっているので、この辺で少し明るくしようかと、ギャグオチにしました。 語り部:中途半端だけどね。朱姫は、シリアスしか書けない体質だから、困ったことに。 朱姫:まあ、あまり暗くなりすぎないよう努力します。 二人:では、今回はこの辺で! |
17088 | 時の旅人 8:斬魔の太刀、封魔の剣 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/14 08:19:23 |
記事番号17046へのコメント こんにちは!朱姫 依緒琉です。 前回は微妙にギャグテイストでしたが、今回は思いっきりシリアス&ダークです。アリエス嬢、最後はほとんど悪役と化してます。 注意してお読みください。 では、どうぞ! 時の旅人 8:斬魔の太刀、封魔の剣 未だ目覚めぬエアの手を握り目を閉じていたアリエスは、小さく息を吐き目を開いた。 「随分と、厄介な洗脳です。その『領主』が掛けたものであるとは思いますが・・・・。領主を倒すのが最善の策、でしょうね。」 ひょい、とエアを抱え上げ、部屋にあったベッドの上に下ろすと、アリエスは皆のほうに向き直った。 「あの『語り部』と名乗った者の言を信じるわけではありませんが、恐らく、『操り糸を握る』者がそこのあなた・・・・」 「エイブ、だ。」 妙に素直になった男・・・・エイブが名を告げる。 「・・・・エイブさん、そして、『真の操り主』が領主でしょう。あの『語り部』という者・・・・何者なのかはわかりませんが、今回の一件に、かなり深く関わっていると見て間違いないでしょうね。何にしろ、領主と会う必要がありそうですね。」 ガイアとギアが頷く。しかしルピナスは、何故かあさっての方向を見ていた。 「どうかしましたか?ルピナス。」 「・・・・・・・・嫌な予感がする。何だろう?これは・・・・」 アリエスは、少し考えてから、言った。 「それほど気になるのなら、『先見』をしてみましょうか?」 「頼む。」 一つ頷いて、アリエスは瞳を閉じた。とたん、ふわりと異質な魔力が広がる。 時の流れから切り離されたことで、アリエスが身につけた特殊能力の一つ。アリエスが『先見』と呼ぶそれは、その名の通り未来を覗き見るものだ。とは言っても、確実に見えるのはせいぜい1時間先まで、範囲も、アリエスを中心として半径1km周囲くらいのことしかわからないが、結構役立つので重宝している。しかし・・・・ ヴォオオォォァアァオォォォン 何とも表しがたい重低音が、空気を揺さぶった。 「なっ・・・・!」 ギアが呻いた。アリエスも流石に集中を解き、辺りを見渡す。 「・・・・・・・・獣の、咆哮・・・・のようですね。『先見』で、一瞬見えたのは・・・・黒き巨獣。」 「黒き、巨獣!?」 今度はガイアが呻いた。アリエスは、ついいつもの癖でとっさに腰の剣に手を伸ばし・・・・そこにあるのは、つい先ほど、エン=シンザと名乗る異界の魔族に破壊された残骸だと言うことを思い出して、仕方なくダガーのみを抜き放つ。 「黒魔波動(ブラスト・ウェイブ)!」 ガイアが、呪文で城の壁に穴を開ける。 「あなた、呪文使えたんですか。」 「少しだけですよ。」 そして、彼らは見た。外に広がる光景は、澄んだ青空と、ブレードヴィレッジの町並み。そして・・・・町の外れ、レンのいる神殿に程近い場所に二本足で立ち、雄叫びを上げる、黒い巨獣。 「レン!・・・・っくっ・・・・大丈夫、レンは、そこまで弱くない。」 自らに言い聞かせるように、アリエスは呟いた。 「それにしても、あれは一体・・・・」 ルピナスは呟いた。答えを知るものはいないはずの問いを。 「フフフ・・・・教エテヤロウカ?」 それに、答える声があった。唐突に、宙から響いた声。 「この声・・・・」 「領主!エアの洗脳を解きやがれこの野郎!!!!」 ギアが叫ぶ。 「無粋ダナ。セッカク我ガ世界ヲ滅ボス瞬間ニ立チ合ワセテヤロウト言ウノニノゥ・・・・。真ニ、人間トハ愚カナモノジャ。」 しわがれた声を響かせ、靴音が近づいてくる。そこには、でっぷりとした壮年男性がいた。明らかに高価ではあるが、お世辞にも趣味がいいとは言えない服を着た、不健康そうな男は、その手に、どう考えても不似合いな大剣を携えていた。彼こそが、ブレードヴィレッジ領主、ロード・インフェリス。しかし、どう考えても雰囲気が違う。 「何者だ!?」 ルピナスが、厳しい声で誰何する。 「我ハ、カツテコノ地ニ封ジラレタモノ。コノ忌マワシキ『封魔ノ剣』ニヨッテノゥ。ジャガ、遂ニ我ハ復活シタ!コノ男ノ邪心を使ッテ、ナ。」 にぃ、と領主・・・・いや、『封じられしモノ』は笑った。 「懐カシイ臭イガスルノゥ・・・・我ヲ封ジタ者の片割レ・・・・忌々シキ『シュナイダー』ノ臭イジャ。ソコナ小童、キサマジャナ?『シュナイダー』ハ。フフフ・・・・ジャガ、見ヨ!既ニ『封魔ノ剣』ハ、我ガ一部。更ニ・・・・」 領主の姿をした『封じられしモノ』の背後に、ゆらり、と影が現れる。黒い髪に青い瞳の、巫女の格好をした少女・・・・エア=シュナイダー。エアは滑るように領主に近づき、その手・・・・に握られている剣を取った。とたん、領主の体は、糸が切られたように崩れ落ちる。 「フ・・・・フフフフ・・・・」 エアの口から、しわがれた声がした。 「手ニ入レタゾ!『シュナイダー』ノ体ジャ!コレデ恐レルモノハ何モナイ!」 エアは・・・・いや、エアの体を乗っ取った『封じられしモノ』は、嫣然と微笑んだ。 「古キ体ハモウ要ラヌ。ジャガ、仮ニモ元ハ我ガ肉体、力ハアルト見ユル・・・・来ヤ。」 変化は、唐突に訪れた。先ほどから聞こえていた、振動を伴う雄叫びが消えた。そして、黒い巨獣の姿が、ゆっくりと靄となってゆく。それは、エアの体に纏わりつき、染みこんでいった。 ようやく頭が事態に追いついたアリエスは、呪文を唱える間も惜しいとばかりに、『時』の力を纏わせたダガーを投げ放つ。ルピナスに教わった投げナイフは、今ではかなりの腕前になっている。しかし・・・・ 「小賢シイワ!」 『封じられしモノ』は、それを片手で弾いた。と、弾いたその手を見て、『封じられしモノ』が驚いたような顔をした。 「コノ力・・・・。御主、『ラーナ』ノ者カエ?」 突然指名されたアリエスは、あまりの事態に呆然と頷いただけ。しかし、それでも『封じられしモノ』は、納得したような素振りを見せた。 「ナルホドノゥ。・・・・哀レナ娘ジャ。」 そうとだけ言って、『封じられしモノ』は、壁の穴から身を躍らせる。慌ててそちらを見ると、黒いオーラを纏ったエアが飛翔していく。その軌跡に零れ落ちた黒いオーラは地上に降り注ぎ・・・・触れたもの全てを消失させていった。 「・・・・・・・・」 アリエスは厳しい顔で『封じられしモノ』を睨みつけていた。そのまま、口を開く。 「『真の操り主』とは、あの『封じられしモノ』だったのですね。・・・・・・・・何を知っているのか、生かして捕らえ、聞き出したい所ですが・・・・・・・・倒すしか、手はないようです。」 感情のない声で、アリエスは残酷な決断を下す。 「エアさんごと、『封じられしモノ』を、殺します。」 それはまるで、死神の如く。 あとがき、或いは語り部が告げる未来 語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。時の旅人第8話、楽しんでもらえたかな? 今回初登場は『封じられしモノ』。・・・・やっと、ここまで来た、って感じだ。 さて、では語ろうか。未来の断片を。 残酷な決断。それは、全てに優しい決断。 優しい決断。それは、茨の道へ続く決断。 慟哭、願い、そして誓い。鍵を託されたのは、アリエス。 後悔はしないだろう。信じられる者がいるならば・・・・ 次回、『時の旅人』第9話、『時の魔法』 また会えるよ、きっと、すぐにね。 さて、前々回に募集した人物設定、たくさんの応募ありがとう!一部、いろいろととんでもない追加設定が加わって、準レギュラー化しそうな人もいたりするけど、まあ、それは笑って許してほしいな。・・・・と、言うか、書いてるのがまだ8話目なのに、あらすじだけはもう50話まで進んでる、ってどうなのさ!? まあ、それはさておき、だ。前々回に引き続き、募集したいことがあるんだ。と、言うのも・・・・圧倒的に、アリエスの敵が少なくてね。 と、言うわけで、アリエスの敵に回る人を募集するよ!内訳は以下の通り。 登場回数が多い人(多分準レギュラー化)・・・・3人(この人たちは、全員この世界の人間でお願いします。) 登場回数が多い人(レギュラーにはならないと思われる)・・・・2人 あまり多くは登場しない、でも重要な人・・・・4人 ちなみに、出てくる種族としては、 ・この世界(スレイヤーズの世界のことです)の人間 ・この世界の魔族 ・この世界の神族 ・異世界の人間 ・異世界の魔族 ・異世界の神族 ・幻神族(げんしんぞく) ・幻魔族(げんまぞく) 注)幻神族、幻魔族について 幻神族とは、人の思いで創られた神、幻魔族とは、人の思いで創られた魔です。 この話の中では、異世界の中にに「神魔なき世界」というのが出あります。その名の通り、この地球のような、神や魔が存在しない世界です。その中で生まれた神話・宗教の中に登場する神や魔が、人の思いやイメージを糧に形取ったもの、それが幻神族や幻魔族です。人の思いで創られたものですから、多種多様な神や魔が存在します。ありとあらゆる自然物、人工物、現象、人の情動、その他万物を司る神がいて、魔がいます。それらの神や魔は、『神』や『魔』と呼ばれながら、通常の支配形態に組み込まれていません。はっきり言ってしまえば、『金色の魔王』が支配している世界の外の者なので、『金色の魔王』に喧嘩売ろうと思えばできます。 簡単ですが、幻神族・幻魔族の説明でした。 では、今度こそこの辺で! |
17089 | では・・・・・・ | 十叶 夕海 | 2005/6/15 15:06:09 |
記事番号17088へのコメント 今回も,楽しませていただきました。 アリエス嬢の決断・・・・・何を生み出すのでしょう? では、募集に協力します。 準レギュラ−希望 名前;オカリナ=ロンド 種族;多分,人間。 年齢;18歳ぐらいの女の子 外見;短く癖のある白髪 赤の瞳 格好;戦士のような動きやすい赤い色のもの 外見の特異性ゆえに、白のフ−ド付きのマント 武器;レイピア 一流暗殺者とサシでやれる徒手空拳 性格;無口無表情 必要最低限の半分しかしゃべらない 備考:親を殺し短のが,アリエスと教えられ敵対している 口調:『・・・・』が多く,その上,単語をつなげてしゃべる 挨拶;・・・・・・・・・・よろしく。 登場回数多い人物 その1 名前:ディスティア=ぺシュテル 種族;この世界の魔族 外見;青銀の髪を長く伸ばしている 二十歳前後の女性 ちなみに,瞳は虚無を移したオレンジ色。(実年齢 1500歳以上) 性格:無口無感動無表情だが、ナツメなど限られた人物には笑顔を見せる。 ナツメの無言のお願いに弱い。 特徴;白の羽根2枚黒の羽根1枚が背中にある(隠すこともできる) 服装;背中が大きく開いたハイネックの長いチャイナドレス風の上衣 その下に黒のフレアロングスカ−トを着用 備考1:不老不死になる前のアリエスを知っている。かつての友人 しかし、彼女なりの事情と考えがあり,アリエスと敵対。 備考2:赤眼の魔王娘的存在 口調:必要最低限はしゃべる 興が乗れば,マシンガント−ク 武器;片刃の大剣 普通サイズのレイピア 挨拶:よろしくたのむ、ディスティア=ぺシュテルだ。 私は、元々『孤独な涙』の前身の作品版の主人公で,『孤独な涙』のとは別人・・もとい別魔族だ。 ・・・・少々,しゃべりすぎたか。 その2 名前;ナツメ=ぺシュテル 種族;・・・幻魔族? 外見:黒直長髪,青の瞳 人形のような15〜16歳(しかし14歳ぐらいにしか見えない) 実年齢は ディスティアの10倍以上 服装;臙脂色のケ−プとワンピ−ス 性格;自分を持っているが、いつもディスティア後ろにいる。 常時 びくびくおどおどしている。 泣き虫 備考1;ディスティアに、『封印の殻』をはかいしてもらい、そのためディスティアになつく。 備考2;生まれて,割合すぐ封印された。 口調;敬語+『・・・』が多い 挨拶;・・・ええっと・・・・よろしくお願いします。 ナツメ・・・です。・・・朱姫さん・・仲(ごちん) (「仲良く・・・して・・くだ・・さい」とか言おうとして、転びかけてディスティアに受け止めてもらったがレイピアの塚に額をぶつけたらしい) *『封印の殻』=実体のない宇宙救命艇? それが、世界と世界の狭間を流れて,ディスティアに流れ着いた。 お好きなように 名前:アイム=イ−シェル 外見;金髪の巻き毛 碧眼 黙っていればかわいい11〜12歳 年齢:・・・・いくつだ,自分? 種族:異世界の魔族 性格:人を見下す+小ばかにした性格 毒舌家+外見相応の笑顔も得意な軍師タイプ というか、二重人格 服装:普通の一般人に子供が着るような服 備考:人間嫌いというか、自分以外嫌い 口調:通常:見下しまくった口調 猫被り:子供 挨拶;通常;人間如きに、こう言うのも癪だがよろしく頼むよ、朱姫依緒琉。 猫被り:お姉ちゃんが、『あけひめいおる』? ぼくね、アイムって言うんだ,よろしくね。 質問などございましたら,お気軽に。 次回も楽しみにしています。 それでは。 |
17090 | 少々追加 | 十叶 夕海 | 2005/6/15 18:22:52 |
記事番号17089へのコメント ナツメ=ぺシュテル 武器;呪声≪マギ=ヴォイス≫(詩歌によってのみ発動する技) ただし、相手を眠らせるなど動きを止める以外に、攻撃手段としては使えない。 本来は、敵を追い返したり、味方の傷を治すためや身体能力を上げるためのもの アイム=イ−シェル 武器:使えるわけないだろ、この外見で。 |
17092 | 感謝感激雨霰! | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/16 08:34:02 |
記事番号17089へのコメント > > >今回も,楽しませていただきました。 >アリエス嬢の決断・・・・・何を生み出すのでしょう? 朱姫:こんにちは!いつもいつもいつも本っっ当にありがとうございます! > > >では、募集に協力します。 > >準レギュラ−希望 > >名前;オカリナ=ロンド >種族;多分,人間。 >年齢;18歳ぐらいの女の子 >外見;短く癖のある白髪 赤の瞳 >格好;戦士のような動きやすい赤い色のもの > 外見の特異性ゆえに、白のフ−ド付きのマント >武器;レイピア > 一流暗殺者とサシでやれる徒手空拳 >性格;無口無表情 > 必要最低限の半分しかしゃべらない >備考:親を殺し短のが,アリエスと教えられ敵対している >口調:『・・・・』が多く,その上,単語をつなげてしゃべる >挨拶;・・・・・・・・・・よろしく。 朱姫:ほうほう・・・・(元々の基本設定と照らし合わせて)・・・・よし、いける! 語り部:何やら、思いついた様子。 朱姫:夕海さんのキャラは、毎回想像力をかきたてられる方ばかりなので、とても助かっているのです! > > > >登場回数多い人物 > >その1 >名前:ディスティア=ぺシュテル >種族;この世界の魔族 >外見;青銀の髪を長く伸ばしている 二十歳前後の女性 > ちなみに,瞳は虚無を移したオレンジ色。(実年齢 1500歳以上) >性格:無口無感動無表情だが、ナツメなど限られた人物には笑顔を見せる。 > ナツメの無言のお願いに弱い。 >特徴;白の羽根2枚黒の羽根1枚が背中にある(隠すこともできる) >服装;背中が大きく開いたハイネックの長いチャイナドレス風の上衣 > その下に黒のフレアロングスカ−トを着用 >備考1:不老不死になる前のアリエスを知っている。かつての友人 > しかし、彼女なりの事情と考えがあり,アリエスと敵対。 >備考2:赤眼の魔王娘的存在 >口調:必要最低限はしゃべる > 興が乗れば,マシンガント−ク >武器;片刃の大剣 > 普通サイズのレイピア >挨拶:よろしくたのむ、ディスティア=ぺシュテルだ。 > 私は、元々『孤独な涙』の前身の作品版の主人公で,『孤独な涙』のとは別人・・もとい別魔族だ。 > ・・・・少々,しゃべりすぎたか。 朱姫:ぅをうっ!あの方ですか・・・・! 語り部:キャラ、崩れるかもしれないけど・・・・。まあ、がんばれ、朱姫。 > > > >その2 >名前;ナツメ=ぺシュテル >種族;・・・幻魔族? >外見:黒直長髪,青の瞳 人形のような15〜16歳(しかし14歳ぐらいにしか見えない) > 実年齢は ディスティアの10倍以上 >服装;臙脂色のケ−プとワンピ−ス >性格;自分を持っているが、いつもディスティア後ろにいる。 > 常時 びくびくおどおどしている。 泣き虫 >備考1;ディスティアに、『封印の殻』をはかいしてもらい、そのためディスティアになつく。 >備考2;生まれて,割合すぐ封印された。 >口調;敬語+『・・・』が多い >挨拶;・・・ええっと・・・・よろしくお願いします。 > ナツメ・・・です。・・・朱姫さん・・仲(ごちん) >(「仲良く・・・して・・くだ・・さい」とか言おうとして、転びかけてディスティアに受け止めてもらったがレイピアの塚に額をぶつけたらしい) > >*『封印の殻』=実体のない宇宙救命艇? > それが、世界と世界の狭間を流れて,ディスティアに流れ着いた。 朱姫:・・・・・・・・・・・・。 語り部:どうした? 朱姫:いや、思ったんですが・・・・・・・・間違ってたらごめんなさい。ひょっとして、夕海さんって、『Missing』ファンでしょうか?モデルはあやめちゃんと解釈していいんでしょうか? 語り部:書けないのかい? 朱姫:まさか!あやめちゃんは好きなんだから。 > > >お好きなように > >名前:アイム=イ−シェル >外見;金髪の巻き毛 碧眼 黙っていればかわいい11〜12歳 >年齢:・・・・いくつだ,自分? >種族:異世界の魔族 >性格:人を見下す+小ばかにした性格 > 毒舌家+外見相応の笑顔も得意な軍師タイプ > というか、二重人格 >服装:普通の一般人に子供が着るような服 >備考:人間嫌いというか、自分以外嫌い >口調:通常:見下しまくった口調 > 猫被り:子供 >挨拶;通常;人間如きに、こう言うのも癪だがよろしく頼むよ、朱姫依緒琉。 > 猫被り:お姉ちゃんが、『あけひめいおる』? > ぼくね、アイムって言うんだ,よろしくね。 語り部:ほうほう・・・・面白い・・・・! 朱姫:読んだ瞬間、役柄が決まっちゃいました。 語り部:本当に、どうもありがとう! > > >質問などございましたら,お気軽に。 >次回も楽しみにしています。 >それでは。 > 二人:それでは、また! > > |
17094 | もう少し落ち着いたら、また投稿します。 | 十叶 夕海 | 2005/6/16 16:39:27 |
記事番号17092へのコメント > >> >> >>今回も,楽しませていただきました。 >>アリエス嬢の決断・・・・・何を生み出すのでしょう? >朱姫:こんにちは!いつもいつもいつも本っっ当にありがとうございます! いえいえ、こちらも楽しいお話読ませていただいておりますし。 > >> >> >>では、募集に協力します。 >> >>準レギュラ−希望 >> >>名前;オカリナ=ロンド >>種族;多分,人間。 >>年齢;18歳ぐらいの女の子 >>外見;短く癖のある白髪 赤の瞳 >>格好;戦士のような動きやすい赤い色のもの >> 外見の特異性ゆえに、白のフ−ド付きのマント >>武器;レイピア >> 一流暗殺者とサシでやれる徒手空拳 >>性格;無口無表情 >> 必要最低限の半分しかしゃべらない >>備考:親を殺し短のが,アリエスと教えられ敵対している >>口調:『・・・・』が多く,その上,単語をつなげてしゃべる >>挨拶;・・・・・・・・・・よろしく。 >朱姫:ほうほう・・・・(元々の基本設定と照らし合わせて)・・・・よし、いける! >語り部:何やら、思いついた様子。 >朱姫:夕海さんのキャラは、毎回想像力をかきたてられる方ばかりなので、とても助かっているのです! 私も、がっちりより、余裕のあるほうが分かりやすいとおもって・…。 そう言われるとうれしいです。 > >> >> >> >>登場回数多い人物 >> >>その1 >>名前:ディスティア=ぺシュテル >>種族;この世界の魔族 >>外見;青銀の髪を長く伸ばしている 二十歳前後の女性 >> ちなみに,瞳は虚無を移したオレンジ色。(実年齢 1500歳以上) >>性格:無口無感動無表情だが、ナツメなど限られた人物には笑顔を見せる。 >> ナツメの無言のお願いに弱い。 >>特徴;白の羽根2枚黒の羽根1枚が背中にある(隠すこともできる) >>服装;背中が大きく開いたハイネックの長いチャイナドレス風の上衣 >> その下に黒のフレアロングスカ−トを着用 >>備考1:不老不死になる前のアリエスを知っている。かつての友人 >> しかし、彼女なりの事情と考えがあり,アリエスと敵対。 >>備考2:赤眼の魔王娘的存在 >>口調:必要最低限はしゃべる >> 興が乗れば,マシンガント−ク >>武器;片刃の大剣 >> 普通サイズのレイピア >>挨拶:よろしくたのむ、ディスティア=ぺシュテルだ。 >> 私は、元々『孤独な涙』の前身の作品版の主人公で,『孤独な涙』のとは別人・・もとい別魔族だ。 >> ・・・・少々,しゃべりすぎたか。 >朱姫:ぅをうっ!あの方ですか・・・・! >語り部:キャラ、崩れるかもしれないけど・・・・。まあ、がんばれ、朱姫。 『兄と妹』のほうのディスティアです。 『孤独な涙』徒は別人ですのであしからず。 『Missing』をご存知でしたら、空目君と亜紀嬢に似ていると友人に言われたといえば、少々想像しやすいかと思います。 >> >> >> >>その2 >>名前;ナツメ=ぺシュテル >>種族;・・・幻魔族? >>外見:黒直長髪,青の瞳 人形のような15〜16歳(しかし14歳ぐらいにしか見えない) >> 実年齢は ディスティアの10倍以上 >>服装;臙脂色のケ−プとワンピ−ス >>性格;自分を持っているが、いつもディスティア後ろにいる。 >> 常時 びくびくおどおどしている。 泣き虫 >>備考1;ディスティアに、『封印の殻』をはかいしてもらい、そのためディスティアになつく。 >>備考2;生まれて,割合すぐ封印された。 >>口調;敬語+『・・・』が多い >>挨拶;・・・ええっと・・・・よろしくお願いします。 >> ナツメ・・・です。・・・朱姫さん・・仲(ごちん) >>(「仲良く・・・して・・くだ・・さい」とか言おうとして、転びかけてディスティアに受け止めてもらったがレイピアの塚に額をぶつけたらしい) >> >>*『封印の殻』=実体のない宇宙救命艇? >> それが、世界と世界の狭間を流れて,ディスティアに流れ着いた。 >朱姫:・・・・・・・・・・・・。 >語り部:どうした? >朱姫:いや、思ったんですが・・・・・・・・間違ってたらごめんなさい。ひょっとして、夕海さんって、『Missing』ファンでしょうか?モデルはあやめちゃんと解釈していいんでしょうか? >語り部:書けないのかい? >朱姫:まさか!あやめちゃんは好きなんだから。 いえす。 ですが、彼女よりも普段はおどおどびくびくな子です。 トイレ以外、ディスとは離れません。 インプリティング(刷り込み)、半分されていますから。 > >> >> >>お好きなように >> >>名前:アイム=イ−シェル >>外見;金髪の巻き毛 碧眼 黙っていればかわいい11〜12歳 >>年齢:・・・・いくつだ,自分? >>種族:異世界の魔族 >>性格:人を見下す+小ばかにした性格 >> 毒舌家+外見相応の笑顔も得意な軍師タイプ >> というか、二重人格 >>服装:普通の一般人に子供が着るような服 >>備考:人間嫌いというか、自分以外嫌い >>口調:通常:見下しまくった口調 >> 猫被り:子供 >>挨拶;通常;人間如きに、こう言うのも癪だがよろしく頼むよ、朱姫依緒琉。 >> 猫被り:お姉ちゃんが、『あけひめいおる』? >> ぼくね、アイムって言うんだ,よろしくね。 >語り部:ほうほう・・・・面白い・・・・! >朱姫:読んだ瞬間、役柄が決まっちゃいました。 >語り部:本当に、どうもありがとう! …少し前に描いた18指定のオリジから、そう言う要素を抜いたらこうなりました >> >> >>質問などございましたら,お気軽に。 >>次回も楽しみにしています。 >>それでは。 >> >二人:それでは、また! はい、分からないことがあれば、どうぞ。 > >> >> > |
17091 | 時の旅人 9:時の魔法 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/16 08:24:54 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 何か、長くなってしまいました。ブレードヴィレッジ編クライマックスです。 では、どうぞ! 時の旅人 9:時の魔法 「そんな・・・・!話が違うじゃないか!」 ギアが叫んだ。ガイアも、口には出さないが強烈な眼差しをアリエスに向けている。 「アリエス、落ち着け!きっとまだ、他に方法があるはずだ。」 ルピナスも、アリエスをたしなめるよう口を開く。しかし、アリエスは全く取り合わない。 「考える時間が、あるとでも?現状において、最も簡単で、最も有効、そして確実な手段を選んだまで。それとも・・・・」 アリエスは、その冷たい眼差しを、ガイアとギアに向ける。 「世界の全てと、妹一人を天秤にかけるとでも?・・・・そう言い切るのなら、それもまた一興ですが。」 そうとだけ言い捨て、アリエスは手を振り上げる。絶大な魔力がその手に集い、周りの空間を揺らめかせた。 「・・・・・・・・それでも、最後まで諦めたくはない。」 魔力の歪みをものともせず、アリエスの手をそっと押し下げた者がいた。 「・・・・ルピナス。邪魔をしないで下さい。」 アリエスは、鬱陶しそうに視線を向ける。ルピナスは、その目をまっすぐに見つめ返した。 「殺してはいけない。レンが悲しむ。他の人たちも・・・・きっと、アリエスを恨むよ。」 「恨まれることなど、とうに慣れました。レンが悲しもうと、彼が立つこの地を守るため、そして、私の目的を果たすため、世界には、まだ滅びてもらっては困るのですよ。あなたにとっても、そうではありませんか?」 ルピナスは、ゆっくりと首を横に振る。悲しげに揺れる眼差しで、ルピナスは静かに語った。 「君が恨まれると、僕は悲しい。だって・・・・君は本当は、とても優しいから。僕は、それを知っているから。それに・・・・出来ることなら、誰にも死んでほしくないんだ。」 「甘いですね。私の何を知っていると思っているのかは知りませんが、優しさなど、遥か昔に捨ててきましたよ。・・・・これ以上の議論は無駄です。しかし、仮にもこれまで共に旅をしてきたあなたの思い、少しは尊重しましょう。・・・・レンのいる神殿に危害が及ばない限り、私は、一切手を出しません。何とか出来ると言うのなら、してごらんなさい!?」 くるりと踵を返し、アリエスは城の壁に凭れかかって目を閉じる。 ガイア、ギアは、すぐさま壁の穴から飛び出す。ルピナスは、アリエスに囁きかけた。 「単なる一人合点かもしれない。君の言うとおり、僕は何も知らないのかもしれない。でも、アリエス。僕は、君を信じてる。」 そう言い残して、ルピナスも壁の穴から身を躍らせる。 皆が居なくなったのを気配で確かめ、アリエスはゆっくりと目を開けた。 「『信じてる』・・・・・・・・か。こんな・・・・私を・・・・・・・・。そんな資格、無いのに・・・・・・・・」 苦しそうに歪んだ表情。それは、ルピナスやレンの前では決して見せない、アリエスの感情の吐露。作り物ではない、本当の、表情。 アリエスは首を振り、表情を消すと、翔風界(レイ・ウィング)の呪文を唱え始めた。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 撒き散らされる『滅び』を前に、ガイアは表情を引き締め、剣を抜き放った。 「我が意思に従い、弾け、『魔鏡刃』!」 ばしっ、と音を立てて、黒い『滅び』が弾かれる。 「よし、使える!」 『魔鏡刃(マキョウジン)』・・・・それは、全ての魔を拒絶する刃。襲い来る魔力を跳ね返し、神魔であろうと切り裂き、魔力を封じる。ガイアの持つそれは、この黒い『滅び』に対しても有効だった。ギアもまた、別の場所で必死に『滅び』を食い止めている。そしてルピナスは、時を待っていた。 エアを止めるため、彼女を『呪縛』する。ルピナスはかつて、アリエスから伝承を聞いたことがあった。『金色の魔王』と対をなす存在、時間の神の伝承を。それは、『金色の魔王』よりも、もっと信憑性の薄い話だったけれど、実際にアリエスが『時に関する魔法』が使える以上、ある程度信用してもいいと思っていた。そして、いつの頃からか漠然と浮かんでいた『時の魔法』の構成に、今、形を与えた。エア本人に呪文をかけることは出来ない。アリエスと同じ境遇のものを、もう一人作り出してしまうかもしれない。その代わりに、エアの周りの空気に呪文をかけ、一時的に時を止めて檻とする。そうすれば、『滅び』は外には影響を与えないだろう。アリエスは、この世界のものに傷つけられることは無かった。そう、あの得体の知れない魔族・・・・エン=シンザ以外では。 成功する保証は無い。何しろこの術は、苦手な結界系の呪文に属しているのだ。それでも諦めたくはなかった。レンを悲しませないために。アリエスが手を汚さずにすむように。そして・・・・そう願う自分のために。 ゆっくりと、呪文を口に乗せる。タイミングを見計らって。 ・・・・・・・・今! 「『時封透檻(フェントーラ)』!」 一瞬、エアの周りが揺らいだ、ように見えた。 しかし、次の瞬間、エアがこちらを見てにんまりと嗤う。 「小賢シイワ!」 檻が、砕けた。放たれた『滅び』が、ルピナスに迫る。絶望的・・・・。それでも、諦めることの無いよう、最後のあがき、とばかりに呪文を唱え、恐怖に心が揺らがぬよう、目を閉じた。 二つの魔力がぶつかる、その瞬間が来ることを確信して。 「・・・・?」 覚悟したその瞬間は、いつまでたっても訪れなかった。不審に思い、目を開く。 そこにいたのは、目を見開く、エアの姿をした『封じられしモノ』と。 「あなたらしくもない・・・・。いついかなる時でも、焦りはそのまま失敗に繋がるのですよ。」 刃を振り切った体勢のまま、金と銀の、二振りの少し長めのショートソードがきらめいた。その刃の輝きにも負けぬ、美しい銀の髪も。 体勢を正し、再び二刀を構える。その二振りも、見覚えのあるもので。 「アリエス・・・・」 呆然と、しかし、わずかな喜びを込めて、ルピナスは彼女の名を呟いた。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ それは、ほんの少し前の出来事。 アリエスは、翔封界(レイ・ウィング)を解除して、地に足をつけた。今はまだ静寂のうちにある、神殿の前に。 ゆっくりと扉を押し開け、スィーフィード像の前に歩み寄る。後ろで、ことり、と音がした。 「ねぇ、レン・・・・・・・・。如何して、あなたたちは、そんなに優しいのかなぁ・・・・?」 小さな足音を立てて、レンがアリエスの元へ歩み寄る。 「人を信じて、人を好きになって。それでも、私と共に歩める人はいない。皆、私を置いていってしまう・・・・。姉様然り、フェリセ然り。・・・・レンも、いつかきっと・・・・」 そういえば、昔、アリエスが口を滑らせて語ったことがあった。100年ほど前に死に別れた、信頼していた友がいたと。彼女の名は、フェリセ。 「それならいっそ、誰も傍にいないほうがいいと思ったよ。嫌われたいと願ってた。孤独は、慣れてたから。・・・・でも、だめね。一度、誰かと歩むことを知ってしまうと。・・・・感情なんて、とっくに消えてなくなったと思ってたのに・・・・・・・・レンも、ルピナスも、大切で、どうしようもない。」 「それでいいのですよ。だって、あなたは、『人』なのですから。」 優しい、優しいレンの声。アリエスは、小さく『ひと・・・・』と呟く。 「心は、消えたりしませんよ。アリエス、忘れないで下さい。あなたが私を拒絶しても、私は根性で喰らいついていきますからね。」 最後だけ、少しいたずらっぽく言う。そして、それは、懐かしい思い出の言葉。 −拒絶するならそれでいいです。でも、僕は根性で喰らいついてくから、覚悟してくださいね!?− レンと初めて出逢ったとき、レンが言った言葉。 「・・・・本当に、変わりませんね、レン・・・・」 「ルピナスも、そう思っていると思いますよ?」 アリエスは、それ以上言葉を発しなかった。代わりに、スィーフィード像の裏に手を伸ばす。手が引き出されたとき、その手には二振りの剣が握られていた。 「『天雷閃』と、『銀晶輝』・・・・・・・・」 アリエスは、その二振りを愛おしげに撫ぜた。 金色を基調とした‘’破魔’’の『天雷閃』と、銀色を基調とした’’封滅’’の『銀晶輝』。それは、アリエスの宝とでも言うべき双子剣。『天雷閃』は魔を払って光を生み、『銀晶輝』は万物を封じて滅却する、強力な魔力剣。 「・・・・行きます。ルピナスの元へ。殺すためじゃなく・・・・エアさんを、助けに。きっと、私にしか出来ないことだから。」 レンは、複雑な顔をした。アリエスが何をするか、わかったのだろう。方法は、確かにそれしかない。しかし一方で、それがもたらす結果も知っている。だから・・・・ アリエスは、クスリと笑った。それは、本当に珍しい、心からの微笑み。 「そんな顔しないで。・・・・大丈夫。信じてくれる人が、いるから。」 そして、アリエスは歩き出す。苦戦しているであろう、彼らの元へ。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 「アリエス、待ってくれ、まだ・・・・」 まだ、約束の時ではない、と言おうとしたルピナスを遮って、アリエスは言った。 「エアさんを救い、全てを正す・・・・。出来ないわけではないのです。ただ、少し大掛かりな術なのですが。」 暗に、準備に時間がかかるのだ、と告げて、アリエスはルピナスに、左手に握った『銀晶輝』を差し出した。 「この『銀晶輝』は、万物を封じ、滅却する剣。『滅び』も防げます。・・・・・・・・お願い。私を、守って。」 ルピナスは、一瞬耳を疑った。・・・・今、アリエスは何と言った? 「呪文を唱えきるまで、1分少々。その間、私を守って、エアさん・・・・『封じられしモノ』を逃がさないで。・・・・お願い。・・・・・・・・ 」 敬語が、消えた。そして、最後に、かすかに聞こえた言葉は。 『あなたを、信じます。』 そのまま、アリエスは呪文を唱え始める。『封じられしモノ』が、驚きの声を上げた。 「何故ジャ!?何故邪魔ヲスル!?ソナタトテ、コノ世界ヲ憎ンデオロウ?」 呪文を唱えているため、口に出しては何もいえないアリエスは、しかし、心の中で密かに答えを呟いた。 (世界が滅んだら、レンとルピナスが立つ地がなくなってしまうでしょう?) 答えを期待して思ったわけではない。しかし、唐突に心の中に声が響いた。 (愚カ者メガ!所詮、ソナタト人ハ共ニハ歩メヌワ!ソナタ自身ガ、一番ワカッテオロウニ。) (あら?思念波(テレパシー)・・・・) とたん、『封じられしモノ』の心が流れ込んでくる。一瞬、眩暈を覚えたが、それを見てアリエスは理解した。・・・・・・・・自分と、同じだ。 (そうですね。でも、私は運が良いので・・・・) 優しい人々が、傍にいるから。 (例え、この優しさが偽りだとしても、ついつい浸っていたくなってしまうのです。) 『弱く』なったかな?と、アリエスは思った。それでも、許されるならどうか。 (お休みなさい。・・・・『もう一人の私』・・・・) 声に出して、呪文を解き放つ。 「時流転閃(ツァイトリート)」 アリエスが、手を差し伸べる。エアに・・・・いや、その内に居る『封じられしモノ』に。 エアから黒い影が滲み出し、アリエスの手の内で小さな黒い玉となる。次第にそれは輝きを増し、白くなっていって。 やがて、アリエスの手から、純白の光の玉が飛び立つ。それを見送って、アリエスは満足げに頷いた。 次の瞬間、猛烈な眩暈がアリエスを襲った。堪えきれず、そのまま崩れ落ちる。 ルピナスが呼ぶ声を、遠くに聞きながら・・・・ あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!ついにブレードヴィレッジ編も後1話。長かったね・・・・。 と、言うわけで、時間も押している。未来を語ろうか。 ブレードヴィレッジ、そこに隠された真実。 全てが終わったその後で、それは語られる。 一つの事件は終わった。しかし、道は続いている。 全ての旅人たちの前に・・・・ 次回、『時の旅人』10話、『旅立ちの賛歌』 また会おうね! さて、お知らせだよ。前回募集したのは、人数が集まるまで続けるから。そして、そろそろ皆、動き出すからね。もちろん、この僕も・・・・ね。 では、今度こそ、じゃあね! |
17093 | 本編注)読み方について。 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/16 12:48:17 |
記事番号17091へのコメント 不覚にも、ふりがなをつけるのを忘れてしまった固有名詞があったので、一応ここで明言しておきます。・・・・まあ、そのままなんですけどね。 『天雷閃』=てんらいせん 『銀晶輝』=ぎんしょうき です。注の意味があるのかどうか、少し疑問な注でした。 |
17095 | Re:時の旅人 9:時の魔法 | 神高 紅 | 2005/6/19 00:27:48 |
記事番号17091へのコメント 紅:どうも夜分遅くにこんばんは。神高さんちの紅です。さくさく行きましょう。ではレスです。 >「世界の全てと、妹一人を天秤にかけるとでも?・・・・そう言い切るのなら、それもまた一興ですが。」 > そうとだけ言い捨て、アリエスは手を振り上げる。絶大な魔力がその手に集い、周りの空間を揺らめかせた。 紅:うーむ・・・実際そうならないとなんとも言えない状況でもありますが。 ク:私は・・世界の全てと・・コウを天秤にかけるならコウを選びますよ・・ >「殺してはいけない。レンが悲しむ。他の人たちも・・・・きっと、アリエスを恨むよ。」 >「恨まれることなど、とうに慣れました。レンが悲しもうと、彼が立つこの地を守るため、そして、私の目的を果たすため、世界には、まだ滅びてもらっては困るのですよ。あなたにとっても、そうではありませんか?」 > ルピナスは、ゆっくりと首を横に振る。悲しげに揺れる眼差しで、ルピナスは静かに語った。 >「君が恨まれると、僕は悲しい。だって・・・・君は本当は、とても優しいから。僕は、それを知っているから。それに・・・・出来ることなら、誰にも死んでほしくないんだ。」 コ:どちらの言い分も間違っちゃいないさ。十を救うために一を切り捨てることも、全てを救う正義の味方になることも、な。 ク:言うのは自由ですから・・ようはそれをできるかどうかなんですよね・・ >「『信じてる』・・・・・・・・か。こんな・・・・私を・・・・・・・・。そんな資格、無いのに・・・・・・・・」 > 苦しそうに歪んだ表情。それは、ルピナスやレンの前では決して見せない、アリエスの感情の吐露。作り物ではない、本当の、表情。 > アリエスは首を振り、表情を消すと、翔風界(レイ・ウィング)の呪文を唱え始めた。 紅:今この瞬間こそ本当のアリエスさんが見えましたね。 ク:資格は誰もが持っていますよ・・ただ中にはそれに気付かなくなってしまう人もいるんですよね・・ >「・・・・?」 > 覚悟したその瞬間は、いつまでたっても訪れなかった。不審に思い、目を開く。 > そこにいたのは、目を見開く、エアの姿をした『封じられしモノ』と。 >「あなたらしくもない・・・・。いついかなる時でも、焦りはそのまま失敗に繋がるのですよ。」 > 刃を振り切った体勢のまま、金と銀の、二振りの少し長めのショートソードがきらめいた。その刃の輝きにも負けぬ、美しい銀の髪も。 > 体勢を正し、再び二刀を構える。その二振りも、見覚えのあるもので。 >「アリエス・・・・」 > 呆然と、しかし、わずかな喜びを込めて、ルピナスは彼女の名を呟いた。 ク:颯爽と登場しましたね・・まるでヒロイックサーガのごとく・・ コ:くく・・・じゃあ、ルピナスがお姫様か? >「呪文を唱えきるまで、1分少々。その間、私を守って、エアさん・・・・『封じられしモノ』を逃がさないで。・・・・お願い。・・・・・・・・ 」 > 敬語が、消えた。そして、最後に、かすかに聞こえた言葉は。 >『あなたを、信じます。』 > そのまま、アリエスは呪文を唱え始める。『封じられしモノ』が、驚きの声を上げた。 紅:二人の関係も一歩前進ですかね? ク:信頼にちかいものになってきてるんじゃないですか・・? コ:まあ一歩進んで二歩さがんねえようにな。 > アリエスが、手を差し伸べる。エアに・・・・いや、その内に居る『封じられしモノ』に。 > エアから黒い影が滲み出し、アリエスの手の内で小さな黒い玉となる。次第にそれは輝きを増し、白くなっていって。 > やがて、アリエスの手から、純白の光の玉が飛び立つ。それを見送って、アリエスは満足げに頷いた。 > 次の瞬間、猛烈な眩暈がアリエスを襲った。堪えきれず、そのまま崩れ落ちる。 > ルピナスが呼ぶ声を、遠くに聞きながら・・・・ 紅:封じられし者は救われたんでしょうか。 コ:さあな。しかしアリエスはかなり無茶なことやったみたいだな。 ク:よほどのことですよ・・それしか方法がなかったとはいえ・・ > さて、お知らせだよ。前回募集したのは、人数が集まるまで続けるから。そして、そろそろ皆、動き出すからね。もちろん、この僕も・・・・ね。 > では、今度こそ、じゃあね! 紅:キャラ募集のほうはまた明日つーか今日の朝にでもまた改めて投稿させていただきます。 コ:では今晩はこれくらいで。 ク:朱姫さん、カタリさんまた・・さよなら・・ 紅:さよーなりー。 |
17097 | 一日一歩・・・・ | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/20 08:37:44 |
記事番号17095へのコメント >紅:どうも夜分遅くにこんばんは。神高さんちの紅です。さくさく行きましょう。ではレスです。 朱姫:こんにちは、朱姫さんです。 カタリ:カタリこと、語り部だよ。それじゃあ、早速レス返しと行こうか。 >>「世界の全てと、妹一人を天秤にかけるとでも?・・・・そう言い切るのなら、それもまた一興ですが。」 >> そうとだけ言い捨て、アリエスは手を振り上げる。絶大な魔力がその手に集い、周りの空間を揺らめかせた。 >紅:うーむ・・・実際そうならないとなんとも言えない状況でもありますが。 >ク:私は・・世界の全てと・・コウを天秤にかけるならコウを選びますよ・・ カタリ:そういい切れる強さを持つものは少ないよ。そもそもそれが強さなのかも、危うい。 朱姫:少なくとも、ガイアとギアは無理だったのでしょう。 >>「殺してはいけない。レンが悲しむ。他の人たちも・・・・きっと、アリエスを恨むよ。」 >>「恨まれることなど、とうに慣れました。レンが悲しもうと、彼が立つこの地を守るため、そして、私の目的を果たすため、世界には、まだ滅びてもらっては困るのですよ。あなたにとっても、そうではありませんか?」 >> ルピナスは、ゆっくりと首を横に振る。悲しげに揺れる眼差しで、ルピナスは静かに語った。 >>「君が恨まれると、僕は悲しい。だって・・・・君は本当は、とても優しいから。僕は、それを知っているから。それに・・・・出来ることなら、誰にも死んでほしくないんだ。」 >コ:どちらの言い分も間違っちゃいないさ。十を救うために一を切り捨てることも、全てを救う正義の味方になることも、な。 >ク:言うのは自由ですから・・ようはそれをできるかどうかなんですよね・・ カタリ:『大を生かすために、小を殺す』ことも、『大小共に生かすこと』も、難しい。心に傷が残るのは、きっと『殺す』選択の方だと思うけど。 朱姫:それしか手が無いなら、やるしかない。その冷酷とも言える決断ができるのが、『アリエス』。 >>「『信じてる』・・・・・・・・か。こんな・・・・私を・・・・・・・・。そんな資格、無いのに・・・・・・・・」 >> 苦しそうに歪んだ表情。それは、ルピナスやレンの前では決して見せない、アリエスの感情の吐露。作り物ではない、本当の、表情。 >> アリエスは首を振り、表情を消すと、翔風界(レイ・ウィング)の呪文を唱え始めた。 >紅:今この瞬間こそ本当のアリエスさんが見えましたね。 >ク:資格は誰もが持っていますよ・・ただ中にはそれに気付かなくなってしまう人もいるんですよね・・ カタリ:万人が、愛し、愛され、信じあう。資格はあれども、できる人は少ない。・・・・まあ、資格があるのすら忘れる人は稀だけど。・・・・アリエスの本性は、とても優しく、そして臆病なのだろうね。 朱姫:だからこそ、周りのルピナスやレンが苦労してたりするんですけど。自分が書いたことながら、さっさと気づこうよ、アリエス・・・・。 >>「・・・・?」 >> 覚悟したその瞬間は、いつまでたっても訪れなかった。不審に思い、目を開く。 >> そこにいたのは、目を見開く、エアの姿をした『封じられしモノ』と。 >>「あなたらしくもない・・・・。いついかなる時でも、焦りはそのまま失敗に繋がるのですよ。」 >> 刃を振り切った体勢のまま、金と銀の、二振りの少し長めのショートソードがきらめいた。その刃の輝きにも負けぬ、美しい銀の髪も。 >> 体勢を正し、再び二刀を構える。その二振りも、見覚えのあるもので。 >>「アリエス・・・・」 >> 呆然と、しかし、わずかな喜びを込めて、ルピナスは彼女の名を呟いた。 >ク:颯爽と登場しましたね・・まるでヒロイックサーガのごとく・・ >コ:くく・・・じゃあ、ルピナスがお姫様か? 朱姫:ほら、一応女にもなりますし・・・・。まだ女版ルピナス出てきてないけど・・・・ カタリ:それとは別として。アリエスが、外見に反して異様に強いからねぇ・・・・。彼女は元来、『守る』者だから。 >>「呪文を唱えきるまで、1分少々。その間、私を守って、エアさん・・・・『封じられしモノ』を逃がさないで。・・・・お願い。・・・・・・・・ 」 >> 敬語が、消えた。そして、最後に、かすかに聞こえた言葉は。 >>『あなたを、信じます。』 >> そのまま、アリエスは呪文を唱え始める。『封じられしモノ』が、驚きの声を上げた。 >紅:二人の関係も一歩前進ですかね? >ク:信頼にちかいものになってきてるんじゃないですか・・? >コ:まあ一歩進んで二歩さがんねえようにな。 カタリ:一日一歩、ってどこかの歌にあったけど、少しずつ進んでいけるよ。 朱姫:まあ、しばらくは『頑張れ、ルピナス!』状態になると思いますが。 >> アリエスが、手を差し伸べる。エアに・・・・いや、その内に居る『封じられしモノ』に。 >> エアから黒い影が滲み出し、アリエスの手の内で小さな黒い玉となる。次第にそれは輝きを増し、白くなっていって。 >> やがて、アリエスの手から、純白の光の玉が飛び立つ。それを見送って、アリエスは満足げに頷いた。 >> 次の瞬間、猛烈な眩暈がアリエスを襲った。堪えきれず、そのまま崩れ落ちる。 >> ルピナスが呼ぶ声を、遠くに聞きながら・・・・ >紅:封じられし者は救われたんでしょうか。 >コ:さあな。しかしアリエスはかなり無茶なことやったみたいだな。 >ク:よほどのことですよ・・それしか方法がなかったとはいえ・・ カタリ:『封じられしモノ』が救われたことを祈るよ。・・・・まあ、その方法がもたらした結果が、万人にとっての救いとは限らないけど。 朱姫:救い・・・・難しい問題です。 >> さて、お知らせだよ。前回募集したのは、人数が集まるまで続けるから。そして、そろそろ皆、動き出すからね。もちろん、この僕も・・・・ね。 >> では、今度こそ、じゃあね! >紅:キャラ募集のほうはまた明日つーか今日の朝にでもまた改めて投稿させていただきます。 >コ:では今晩はこれくらいで。 >ク:朱姫さん、カタリさんまた・・さよなら・・ >紅:さよーなりー。 朱姫:はい、ありがとうございます!お待ちしていますね! カタリ:時間が押してきた。今回はそろそろ失礼しようか。 二人:では、また! |
17096 | 時の旅人 10:旅立ちの賛歌 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/20 08:19:10 |
記事番号17046へのコメント こんにちは!朱姫 依緒琉です。 ようやく、ブレードヴィレッジ編完結!10話の割には、長かった・・・・ では、早速本編へどうぞ!今回も、また長いです。 時の旅人 10:旅立ちの賛歌 「『吹き行く風より虚ろきもの 流るる水より確かなるもの』」 迫る『滅び』を、ルピナスは銀晶輝で打ち払う。剣の力は確かで、刃に触れるなり、『滅び』は霧散した。後ろには、一心不乱に呪文を唱えるアリエスの声。こうしてアリエスを守れることが、嬉しくもあり誇らしくもあることに、ルピナスは気づいた。 「『遍く理よ 流れゆくもの 色姿なき時の王』」 アリエスの呪文は続く。この呪文を聞く事は初めてだが、その揺ぎ無い声から、アリエスはこの呪文を使い慣れているだろう事は予測出来た。 「『我、ここに汝に願う 我、ここに汝に誓う』」 『封じられしモノ』が声を上げる。が、アリエスはそのまま呪文を紡ぐ。一層大きな『滅び』の塊が迫るが、剣はいとも簡単にそれを無に返した。 「『我が前に横たわる 望まれざる定めの道を』」 ふ、と、『封じられしモノ』の攻撃が止んだ。驚いたようなその視線の先に居たのは、アリエス。 その時アリエスは、うっすらと微笑を浮かべた気がした。 「『我と汝が力持て 断ち切り、正し賜わんことを』・・・・・・・・時流転閃(ツァイトリート)」 アリエスが手を伸ばす。何かを誘うように。と、その手に誘われて、じわ、とエアから黒い影が滲み出した。エアが意識を失い、倒れる。『封魔の剣』が、からんと音を立てて落ちた。そのまま、剣はさらさらと風化してゆく。それが、風に乗って吹き流された。ルピナスは慌ててエアに駆け寄った。エアに異常がないことを確認すると、彼女を横たえアリエスを見る。アリエスの手の内に集った黒い影は、収束して黒い小さな玉となっていた。それが、ゆっくりと輝きだす。それと比例して、玉から黒が抜けてゆく。しばらくすると、黒い玉は純白の光の玉となった。アリエスが、そっとそれを天に放つ。一筋の光となって天に昇ったそれを見て、アリエスは満足そうに頷いた。 ルピナスは、アリエスに寄ろうとした。しかし、それより早く変化は訪れた。 アリエスの瞳から、光が消える。その瞳に瞼が幕を下ろし、アリエスの体が傾いだ。 「アリエス!?」 ルピナスはアリエスに駆け寄り、かろうじて地面に叩きつけられる前に彼女を受け止めた。見れば、顔色は青ざめ、呼吸もか細いものになっている。ルピナスは顔色を変えた。 「アリエス・・・・?しっかりしろ、アリエス!」 「落ち着いてください、ルピナス。」 唐突に、声が掛けられる。レンシェルマだ。いつの間にか正面に立っていたようで、アリエスの上に手を翳している。 「・・・・・・・・やはり、私では回復させることは出来ませんか・・・・。」 悔しそうに唇を噛み締める。そして、辺りを見て、、ガイアとギアがこちらに駆け寄る姿を確認すると、言った。 「とにかく、二人を神殿に運びましょう。」 * * * * * アリエスが目を覚ますと、そこには見慣れた天井と、見慣れた顔があった。 「アリエス!気がついたんだね、よかった・・・・。」 「ルピナス・・・・。私、倒れたのね。」 ルピナスはこくりと頷く。アリエスは、深々と息を吐いた。 「・・・・・・・・やはり。」 と、軽いノックの音がした。アリエスが答えると、扉が開かれる。入ってきたのは、レンシェルマと、ガイア、ギア・・・・そして、エア。 「アリエス、もういいのですか?」 レンが、心配そうに声をかけてくる。アリエスは頷いた。 「ええ、もう。・・・・あなたが、エアさんですね。」 「はい。・・・・あの、迷惑をおかけしました。ありがとうございます。」 アリエスは首を横に振る。 「礼は、ルピナスとレンに言って下さい。彼らが居なければ、私はあなたを殺していました。」 と、エアはものすごい勢いで首を横に振る。 「いいえ!私、私が、『封じられしモノ』に乗っ取られたりしなければ・・・・そもそも、私が攫われなければ、こんなことにはならなかったんです!私は、『シュナイダー』の巫女なのに・・・・」 「どういう、意味でしょう?」 エアは、双子のギアよりも大人びた眼差しで、言った。 「最初から全て、お話しします。」 全員が、適当な場所に座ったのを見て、エアは話を始めた。 「そもそも、『封じられしモノ』とは何だかご存知ですか?」 エアは、そう切り出した。アリエスは、神妙に頷く。 「途中で知りました。・・・・元は、人間ですね。」 驚きが広がる。嘘であってほしいという願いも。しかし、エアはそれを肯定した。 「そうです。瘴気を取り込み、変質した人間。それが、『封じられしモノ』の正体です。」 それを聞いて、ルピナスが口を開いた。 「人魔とか、そういったものなのか?」 「いいえ、あの・・・・『吸魔体質』って、ご存知ですか?」 「いや、知らないが・・・・」 エアは、記憶を探りつつ語り始めた。 「『吸魔体質』と言うのは、本人の意思とは関係なく、辺りの瘴気とか・・・・後は、強い負の気を体内に取り込んでしまう体質なんです。えっと、何故か思念波(テレパシー)の使える人が多いらしいので、何か関係があるのかもしれませんけど、定かではありません。それで・・・・その取り込んだ瘴気たちに体や心が耐え切れなくなると・・・・あの『封じられしモノ』のように、狂った化け物と化す、というものなんです。それを封じていたのが『封魔の剣』で、領主様は、何を勘違いしたのか、あの剣をお宝と思い込んでいたんです。それで、剣を引き抜いてしまって・・・・それで、剣に乗り移った『封じられしモノ』に踊らされて内乱を起こし、内外の混乱に乗じて封印強化の魔法陣破壊を目論み・・・・まあ、これは失敗したんですけど。その後いろいろあって、少々強引にですが復活、と相成ったわけです。・・・・あの、でも、『吸魔体質』の人がああなることは本当にめったに無くて、心が弱かったりしないと、そうなる前にほとんど天寿を全うされる、と言うことらしいです。だから、あの『封じられしモノ』は、きっとよほど心が弱かったのか、自分自身が何か大きな恨み事を抱えていたとか、そういうことじゃないのかと思うんですけど・・・・。」 最後は少々言い訳がましく、エアは告げた。 「それで、どうしてそれが『シュナイダー』と言うことに関係するんだ?」 ルピナスが聞いた。エアは続けて語る。 「えっと・・・・何でも、『封じられしモノ』を封印したのは、うちのご先祖様らしいんですよね。それで、代々我が家で一番強い力を持つ女子が、巫女として、この神殿の地下にある『封印の強化』の魔法陣を使って、封印を守ることになったとか。・・・・で、あってたよね?ガイア兄さん。」 一斉に、ガイアに視線が集まった。その中、ガイアはゆっくりと口を開く。 「ああ。そして俺は、この剣・・・・もう一本の『封魔の剣』である、『魔鏡刃』を受け継いだ。万が一、城の地下の封印本体が解けたときのために、腕を磨いて、な。・・・・まあ、今回は役立たずだったが。」 ギアが、がたんと音を立てて椅子から立ち上がる。 「ちょっと、兄貴!オレそんなの知らないぜ!?」 「あのなぁ、俺だって、これを父さんから聞いたのは去年!15歳の誕生日の次の日だったんだよ!お前にも、15歳になったら教えるって父さん言ってたさ。・・・・まあ、エアは事情が事情だったから、随分早まったけど。」 「ごめんね、ギア兄さん。母さんが倒れたから、私が変わりに巫女やらないといけなくなって、それで父さんに教えてもらったの。」 ガイアとエアの談に、ギアはむくれた。 「チェッ・・・・。オレだけ仲間はずれかよ。」 と、ぽん、とギアの頭の上に手が置かれた。軽く頭をなでるその手は、レンのもの。 「お二人も、あなたに話せず辛かったのですよ。だから、責めるのはおよしなさい。」 お二人には、よく相談されていましたからねぇ、と続け、レンはギアの頭を開放する。少し気まずげに、兄妹は微笑みあった。 「一件落着、かな?」 アリエスはそう言って、窓の外を眺めた。 ブレードヴィレッジの内乱を鎮めに来た兵士たちは、内部の破壊後を見て、そして、ここしばらくの記憶を無くして、内乱を起こしたことを覚えていない領主を見てどう思うだろう? まあ、それは自分たちには関係のないことだ、と思い直し、アリエスは視線をルピナスに向けた。 「そろそろ、行こうか?」 * * * * * 「本当に、大丈夫なんですか?アリエス。・・・・時流転閃(ツァイトリート)を使ったんでしょう?」 心配そうに話すレンに、アリエスは僅かに微笑んだ。 「平気、もう大丈夫。・・・・・・・・それに、わかっていると思うけど、休んでどうにかなる類の者ではないから。 「・・・・・・・・わかりました。でも、くれぐれも気をつけて下さいね。・・・・ああ、後、少しルピナスに話があるんですが。」 「わかった、待ってる。」 こういう時、自分にかかわる事以外、詮索と言うものをほとんどしないアリエスは有難い。レンは、ルピナスを連れて、アリエスから離れた。 「ルピナス・・・・まずは、良かったですね。アリエスに認められて。」 ルピナスは微笑み頷いた。レンは、言葉を続ける。 「一つ、お願いがあります。あなたにしか出来ない。・・・・アリエスがなるべく『時流転閃(ツァイトリート)』を使わないよう、気をつけていて欲しいのです。」 「・・・・?それはいいけど、どうして。」 レンは、声を潜めて話し出した。 「あれは、禁呪・・・・。発動させるためには、命を削る必要があります。・・・・時の止まったアリエスでも、それは同じ。」 大変なことだとは分かったが、いま一つ意味の理解できていないルピナスに、レンはこう例えた。 「ここに、砂時計があると思ってください。表すものは、人の寿命。砂が落ちきったとき、人は死にます。当然、砂が多ければ、その分寿命も長いのですが。アリエスは、砂が落ちるためのくびれた部分が、何らかの理由で詰まっていると考えてください。・・・・『時流転閃(ツァイトリート)』は、まだ落ちてはいない部分の砂を減らします。あの術を使えば寿命は縮み・・・・アリエスとて、あの術を使い続ければ死を迎えることになります。」 「っなっ・・・・・・・・!・・・・その事を、アリエスは・・・・?」 「知っています。それでも、アリエスは目的のためなら、あれを使うことを躊躇わない。そのたびに、急激な生命力の減少のせいで倒れているというのに・・・・。・・・・ですからルピナス、どうか、アリエスを見守っていて下さい。『死を望んでいるわけじゃない』と言ってはいますが、アリエスは、何かがあれば、あまりにも簡単に死に至る道を選ぶ。・・・・彼女は、とても危ういのです。」 ルピナスは、愕然としつつどこか納得していた。アリエスの危うさは、行動の端々に見え隠れしていたから。だから。 「もちろんです。僕は・・・・アリエスに、死んで欲しくない。出来るなら、一緒に生きたい。だから、僕はアリエスを守る!」 ルピナスの宣言に、レンは微笑を浮かべた。 「遅かったね。・・・・まあ、いいけど。」 戻ってきたルピナスとレンに、アリエスは、淡白にそう言った。それでも、言葉は十分に柔らかい。どうやら、義理の親子達のいとまごいだとでも思ったようだ。 「じゃ、行こうか、ルピナス。・・・・元気でね、レン。」 今生の別れともとれるその挨拶に、レンとルピナスはますます危機感を募らせる。いつまで、彼女はここにいるのだろうか、と。それでも。 「いってきます、レン。」 ルピナスは、笑って手を振った。アリエスはマントを翻し、歩き出す。ルピナスもそれに続いた。 小さくなる背中を見つめ、レンは静かに呟いた。 「どうか、彼らに・・・・時と運命の加護のあらんことを・・・・・・・・」 小さな、真摯な祈り。この声が、どうか『神』に・・・・赤の竜神ではない、時を統べる神に・・・・届くことを願って。 * * * * * ブレードヴィレッジから十分に離れた所で、アリエスは足を止めた。 「どうかしたのか?アリエス。やっぱり、ブレードヴィレッジで休んだほうが・・・・」 アリエスは、静かに首を振る。そして、腰につけていた剣の一振り・・・・天雷閃をベルトから外した。 「これを受け取って、ルピナス。」 「!?」 真剣な眼差しが、ルピナスを射抜く。アリエスは、天雷閃を差し出して、言った。 「受け取って、ルピナス。この天雷閃なら、時の壁を越えて、私を殺せる。」 「な・・・・」 ルピナスは叫んだ。 「何のつもりだ!?アリエス。どうしてそんなことを!?」 アリエスは、それを聞いてもあくまで冷静に、言の葉を繋いだ。 「『封じられしモノ』はもう一人の私。そう言っても差し支えないと思う。・・・・だって、私も『吸魔体質』だもの。」 「え・・・・?」 呆然と言葉を止めたルピナスに、アリエスは続ける。 「思念波(テレパシー)使いでもあるよ。いつもはこれで封じてる。」 そう言って、首のチョーカーにつけられた、涙滴型の赤い宝石を指し示す。 「私の家・・・・『ラーナ』家ってねぇ・・・・多かったんだよ、『吸魔体質』。姉様は違ったけど、母様や、爺様なんかはそうだったって。あんなふうに、『化け物』になったわけじゃないけどさ。・・・・思念波(テレパシー)封じてると、瘴気の流入もかなり減るけど、もう大分生きてるからね、どこまで持つかわからない。・・・・だから、私がああなったら、私を殺せるように。その手段を渡しておくよ。」 ルピナスは何も言えなかった。アリエスが、弱さを見せてくれるほど信じてくれる事は嬉しい。しかし、これは・・・・ 「ごめん。でも、ルピナスにしか頼めない。」 恐る恐る手を伸ばし、天雷閃を受け取る。その動きは、半ば無意識で。 「ありがとう・・・・」 アリエスの微笑みが、妙に悲しかった。 再び歩き出すアリエスに対して、ルピナスは全く動けなかった。 手の内の天雷閃を見る。そこにデザインされていたのは、アトリプレックス。ほとんど雑草のようにしか見えない、ぱっとしない植物。それでも、ルピナスはこの植物の花言葉を知っていた。 アトリプレックスの花言葉は、『不屈の心』。 「ルピナス?」 アリエスに促されて、ルピナスはようやっと歩き出す。 歩き続けるうちに、ルピナスは一つの結論に至った。 アリエスが倒れないように、アリエスの心が挫けないように、自分がいるのだと。レンの願い、自分の願い。アリエスを守りたいと思った。だから、この天雷閃は持ち続ける。アリエスを殺すためではない。アリエスを守るための牙として。 アトリプレックスのように、さりげなく、しかし、不屈の心で。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!ここまで読んでくれてありがとう。時の旅人第10話、どうだったかな? やっと、ここで一区切り。次は番外編があって、第2部開幕だ。 では、次回、番外編の予告をしよう。 少年は、全てを失った、燻る廃墟のなかで。 少年は、再び手に入れた、優しい笑顔の元で。 旅路に語る物語は、遠い過去を紐解いた。 ここが、ひとつの始まり・・・・ 次回、『時の旅人』番外編1、『彼の生まれた空の下』 じゃあ、また会おうね! |
17098 | 次回が楽しみです。 | 十叶 夕海 | 2005/6/20 13:34:03 |
記事番号17096へのコメント 次回の番外編楽しみにしています。 では,また人物募集に協力を。 お好きなように。 名前;アル=シルヴィア 種族;こちらの世界の魔族 外見;太陽のオレンジの瞳と青の瞳。 二十歳前後。 特徴;前に差し上げたディスティアの逆。 生えている位置も何もかも。 服装;びっちりとした儀礼用の神官服。 性格;慇懃無礼・・・・・だけど,気の許した仲間には優しい? 口調;四角四面の堅苦しい口調。 一人称;私 二人称:貴方 三人称;呼び捨てか,皮肉でのみ様付け。 武器;なし 備考;ディスティアの兄。 名前:ラディハルト=レンスタ− 種族;お好きなように 外見;金髪碧眼・容姿端麗(黙っていれば。) 特徴;顔の割に親しみあり。 服装;神族なら;着崩した神官服 魔族なら;魔道戦士風 人間なら;若い露店の兄ちゃん風 性格;誰に対してもフレンドリ−。 何処か憎めない二枚目半。 口調;関西弁 一人称;自分 二人称;お前 三人称;基本呼び捨て 武器;トンファ 備考;オカリナのことが好き 酒好き では,質問があればどうぞ。 |
17099 | 感涙に溺れてどこへやら・・・・ | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/20 17:06:46 |
記事番号17098へのコメント > 朱姫:こんにちは!早速返レスを・・・・ >次回の番外編楽しみにしています。 語り部:『作・朱姫』dから、お気に召すかどうかはわからないけど・・・・一応、明日には投稿予定。 朱姫:ルピ君とレンさんの出会い編です。楽しんでいただけるとうれしいのですが。 > >では,また人物募集に協力を。 > > >お好きなように。 > >名前;アル=シルヴィア >種族;こちらの世界の魔族 >外見;太陽のオレンジの瞳と青の瞳。 > 二十歳前後。 >特徴;前に差し上げたディスティアの逆。 > 生えている位置も何もかも。 >服装;びっちりとした儀礼用の神官服。 >性格;慇懃無礼・・・・・だけど,気の許した仲間には優しい? >口調;四角四面の堅苦しい口調。 > 一人称;私 二人称:貴方 三人称;呼び捨てか,皮肉でのみ様付け。 >武器;なし >備考;ディスティアの兄。 朱姫:あのお方第2弾! 語り部:こっちでは、しっかり『兄』になるだろうね、彼。 朱姫:(考え中)・・・・・・・・(にぱ) 語り部:何か思いついたらしい。 > > >名前:ラディハルト=レンスタ− >種族;お好きなように >外見;金髪碧眼・容姿端麗(黙っていれば。) >特徴;顔の割に親しみあり。 >服装;神族なら;着崩した神官服 > 魔族なら;魔道戦士風 > 人間なら;若い露店の兄ちゃん風 >性格;誰に対してもフレンドリ−。 > 何処か憎めない二枚目半。 >口調;関西弁 > 一人称;自分 二人称;お前 三人称;基本呼び捨て >武器;トンファ >備考;オカリナのことが好き > 酒好き 朱姫:第3弾、ですね。 語り部:二人して、さっさと役割決まっちゃったし。 朱姫:ああ、感涙に溺れそうです・・・・ > > >では,質問があればどうぞ。 > 朱姫:あああああありがとうございますぅっ! 語り部:朱姫・・・・一生夕海さんに頭上がらないね。 朱姫:別によし! 語り部:開き直ってるよ・・・・。まあ、とにかく、今日はこのくらいにしておこう。 二人:では、また今度! > > |
17100 | 少し追加 | 十叶夕海 | 2005/6/20 20:12:23 |
記事番号17099へのコメント アルとラディは知り合い設定ではないです。 それとラディは人間の場合こんな設定あります。 アリエス嬢と同じ不老不死。 しかし、性質は逆で 『いろんなトコじっくり見れて楽しーやん』などと前向きさん。 結界の外の出身。 立場は 知り合いの関係上 アリエス嬢とは敵。 しかし、心情的に味方 こんな設定です。 使えたら使ってください。 |
17101 | ちなみに… | 十叶夕海 | 2005/6/21 00:23:06 |
記事番号17099へのコメント 人間の彼は 精霊などの呪いかなんかで ああなった。 それでは |
17102 | 了解です | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/21 08:18:53 |
記事番号17101へのコメント 了解です。どうもありがとうございました! |
17103 | 時の旅人・徒然編 1:彼の生まれた空の下 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/21 08:20:34 |
記事番号17046へのコメント こんにちは!朱姫 依緒琉です。 今回は番外編。『徒然編』と題して、旅路の一ページを描くつもりです・・・・成功したかはともかく。 では、本編へどうぞ。 この話は、ネタを下さった十叶 夕海さんに捧げます。返品可で(笑) 時の旅人・徒然編 番外編1:彼の生まれた空の下 澄んだ笛の音が森に響く。木陰に座ったルピナスが奏でる音色だ。 ブレードヴィレッジを出発して早2日。もうそろそろ次の町が見えてくるだろう。 今日は女のルピナスが、笛の音につられてやってきた小鳥を器用に捕まえるその横で、半ば呆れ、半ば諦めたような瞳のアリエスが、携帯鍋に、水と野草と干した穀物を入れて煮込みつつ、塩で味付けをしていた。 「ルピナス、使う?」 アリエスは、そう大きくも見えない鞄から、これまた携帯フライパンと調味料を取り出し、ルピナスに手渡した。 「ありがと。」 今日の昼食は、鳥の香草焼きと、野草粥である。 * * * * * 「・・・・・・・・とまあ、そうして私とレンは出会ったの。」 ただ黙々と歩くのに飽きてきたのか、二人は道中いろいろと話をしてきた。今、アリエスが語ったのは、レンシェルマと出会ったときの事。話題も尽きてきたのか、あまり自分の事を話したがらないアリエスも、ぽつぽつと自分の事を語り始めた。 「何と言うか・・・・。アリエス、あんた本当に壮絶な人生送ってるわねぇ。」 「それはまあ・・・・200年以上も生きてくれば。」 と、ふとルピナスは小さな矛盾に気がついた。 「あれ?レティディウス公国が滅んだのって、500年くらい前じゃなかったっけ?」 アリエスは、あっけに取られたように視線を彷徨わせ、少し考え込んだ後、ぽそりと言った。 「もう、そんなに経っていたんだ・・・・。200歳までしか、年齢数えていなかったから・・・・。と、言うことは、私は今516歳くらいなのかな?」 最近わかったことだが、アリエスは変な部分で天然ボケのようである。 「さて、次は私の番だけど・・・・・・。何が聞きたい?」 話題が尽きてきたのはルピナスも同じことで、何かないかと頭を捻ることが多くなってきた。こうして、アリエスに話題の提供を求めることも。 「じゃあ・・・・レンと出会ったときの事を聞かせてくれない?」 「あ、そういえば、あの時アリエスいなかったっけ。」 「そう、別行動していたから。合流したら見知らぬ誰かがいて、驚いたよ。」 わずかに唇を歪めた『苦笑』。最近、少しずつではあるが、アリエスはさまざまな表情を見せるようになっていた。感情が伴うことはまだ少ないけど、それでも大した進歩だと思うし、とても嬉しい。 「私も驚いたよ。何しろ、出逢って最初の一言が、『何を考えているの?レン。得体の知れない拾い物は止めてほしいと言ったと思うんだけど。』だったんだから。」 「それは・・・・ごめんなさい。」 「いいのよ、昔のことだし。」 「私にとっては、昨日のことのようなものですよ。」 お互いに顔を見合わせて、少し笑う。そしてルピナスは、空を見上げた。 「そう、あれは5年と少し前。あの日は私は男で、空は今日みたいにきれいに晴れてたわ。」 * * * * * 体中に鈍い痛みを覚えて、『彼』は目を覚ました。 「気がつきましたか。・・・・よかった。」 見知らぬ男性が『彼』の顔を覗き込む。柔らかい茶色の髪と、それよりは濃い茶色の瞳の、優しげな風貌の男性が。『彼』は体を起こそうとした、が、男性に押しとどめられる。 「まだ起きないで下さい。治療呪文はかけましたが、大事を取ったほうがいい。」 『彼』は、横になったままゆっくりとあたりを見回す。倒壊した建物、燻る炎。生きているものは、優しい風貌の神官と思しき男性だけ。 「・・・・・・・・あの」 『彼』が口を開く。 「貴方・・・・誰ですか?」 男性は、少し目を瞠った。 「ああ・・・・・・・・申し遅れました。私はレンシェルマ=ヴァリード。『レン』と呼ばれております。見ての通り、神官の職にあるものです。・・・・あなたは?」 「僕は・・・・・・・・」 『彼』は、口を開いたまま硬直した。何かを必死で探るように、頭を抱えて。それでも、結論は同じ。 「わから・・・・ない。」 レンシェルマと名乗った男性は瞠目した。 「まさか・・・・・・・・記憶喪失?」 『彼』は首をかしげる。記憶喪失、という言葉自体は、意味も理解できるし、恐らくそれが、今自分が置かれている状態に最も近いものであろうと思う。それでも、何か思い出せることはないか、と頭を捻った。 と、唐突に、一つの単語が思いつく。意味のわからない言葉。恐らくは、何かの固有名詞。 「『セレス』・・・・・・・・」 「何・・・・?」 レンが、こちらを見てくる。『彼』は、付け加えた。 「わからないけど、思いついた。何だろう・・・・・・・・」 レンは、不可解な表情をした。しばし悩んだ末、口を開く。 「・・・・一人、あなたを治せるかもしれない心当たりがいます。それまで、私と一緒に来ませんか?恐らく、数日中に出逢えるでしょう。」 唐突な申し入れだった。しかし、『彼』はなぜか、レンは信ずるに値すると直感で悟ってもいた。だから。 こくり、と、首を縦に振る。レンは、安堵の笑みを見せた。 「では、もう少し休んだら行きましょう。体がまだ治っていなかったら言ってくださいね。・・・・・・そうだ、名前がないと不便ですね・・・・・・・・」 レンシェルマは、再びしばし思案に沈む。『彼』としては、どうせ仮初のもの、唯一覚えていた『セレス』でいいと思ったのだが。 「あの・・・・僕、『セレス』でいいですよ。手がかりになるかもしれませんし。」 見かねて『彼』が言うが、レンは譲らない。 「いけません!『名前』と言うものには意味があり、願いがあるんです。それを、あだやおろそかにするわけにはいきません!・・・・・・・・そうですね・・・・『ルピナス』、というのはどうでしょう?」 「ルピナス?」 「そうです。『幻想』の花言葉を持つ花の名前。いついかなる時も、例え苦しくても、優しくも安易な幻想に心が囚われないように。その幻想さえ味方と出来るように。」 「幻想に、心囚われず・・・・」 レンシェルマは、微笑み頷いた。 「そして、・・・・記憶の手がかりとして、『セレス』と、私の姓『ヴァリード』を差し上げます。・・・・記憶が戻るまで、あなたは、『ルピナス=セレス=ヴァリード』です。」 レンシェルマは、そうして『彼』・・・・ルピナスに穏やかな視線を向ける。そして、呟いた。 「君の行く道に、幸多からん事を。」 真摯な祈りは、廃墟に溶け消えた。 次の日の朝起きたとき、ルピナスが女になっていて、本人とレン、二人して驚いたことや、数日後に出逢った、レンの言うところの『心当たり』・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナと名乗った少女に、出会い頭に『得体の知れない落し物』呼ばわりされたことも、今となっては懐かしいことである。 * * * * * 「なんだかんだ言いつつ、あなたも『壮絶な人生』ですね。」 話を締めくくったルピナスに、アリエスが『苦笑』を浮かべて言ってくる。 「んー・・・・まあ、それなりにね。と、言っても、私にはあまり実感ないんだよねー。なにしろ、気がついたら何も覚えてなかったんだから。廃墟の真っ只中だったのに、そこに至る過程がこう、すっぽりと。」 アリエスが、僅かに瞳の色を変化させる。僅かな俯きのため光の量が減り、瞳の緑が濃くなった。 「必ず、呪いを解き、記憶を取り戻しましょうね。」 「アリエス、あんたもよ。」 視線を正面に戻したルピナスの目に、次の町が見えてきた。 二人は歩き続ける。 それぞれの願いを叶えるために・・・・ * * * * * その様子を、じっと見ている者がいた。 「まだ、もう少しだ。真実は、まだ遠い。」 その人物・・・・・・・・自らを『放浪の語り部』と言った者は、そう言って空を仰いだ。 今も、昨日のことのように思い出せる。かの少年が、『ルピナス』となった瞬間を。 何か物音がしたような気がして、レンシェルマは足を止めた。 セイルーン王国とゼフィーリア王国の国境付近。そこには小さな村があった。 平和な村、だった。しかし、古い知り合いに会うべく足を運んだレンの目に映ったものは、無残に破壊された村と、未だ燻る炎。そして、人の命の赤い色。 「なんという・・・・」 絶望的な状況。しかし、生存者を探すべく、レンは消化弾(エクストボール)を放ち、瓦礫をどけてゆく。人手のほしい今となっては、アリエスと別行動をすべきではなかった、と悔やまれてならない。それでも、レンは黙々と生存者を探し、死者は弔うべく、瓦礫をどけていった。 ある一軒の家の残骸の前で、レンは足を止めた。火の爆ぜる音や瓦礫の崩れる音とは違う物音を聞きつけて。・・・・そう、恐らくは人の声であろう音を。 レンはいっそう慎重に、しかし手早く瓦礫をどけてゆく。そして、彼は見つけた。 年のころなら15歳前後の少年。赤みの強い茶色の髪は短く切りそろえられ、瓦礫に埋もれて薄汚れてはいるものの、その服は魔道士のもの。レンは急いで彼を抱えあげる。と、少年は痛みでうめき声を上げた。見ると、脇腹に深々とした傷。恐らく、発見がもう1時間も遅ければ助からなかっただろう。レンは少年を平らな地面に横たえ、復活(リザレクション)の呪文を唱えた。 白い癒しの光が、少年を包む。呼吸が落ち着いてきたことを見て取り、レンは安堵の息をついた。再び生存者を探すべく立ち上がろうとする。と、横手から声がかかった。 「生存者は、もういないよ。君は少し、遅かった。」 レンが振りかえる。その先に立っていたのは、白亜の人物。曖昧な容姿と曖昧な声の、10代から30代までなら何歳にでも見える、しかし、声に秘められた響きは、悠久の時を思わせる、そんな人物。 「誰、ですか?あなたは。」 レンが問いかける。 「僕は、『放浪の語り部』。語り部、でいいよ。」 人物・・・・語り部は、悲しそうに目を伏せた。 「彼らは、こうなる運命だった。悲しいけど、仕方ないんだよ。」 レンは、その言葉を聞いて目を吊り上げる。 「運命!?それで全てを納得できると!?彼らは、こんな所で死んでいい人たちじゃなかった!」 語り部は、静かに頷く。 「僕もそう思う。だから運命を変えてほしかったけど、彼らには無理だった。」 音もなく、語り部は横たわる少年に近づく。語り部の翳した手のひらから光が零れ落ち、少年に降り注いだ。 「何を・・・・!」 「落ち着いて。・・・・ただの治療呪文だよ。外部の傷より、内部の傷が酷かったからね。『復活(リザレクション)』にも限界はある。」 改めて、レンは語り部を見た。髪の色は純粋な銀、瞳の色は淡い青灰色。白地に銀糸の刺繍を施した小洒落た服は、吟遊詩人がよく着ているもの。図案は、砂時計。背中に背負った弦楽器といい、見たところ、ただの吟遊詩人だ。しかし、何かが違う。 「あなたは、『何』ですか?」 レンは問う。語り部は、ゆったりと微笑む。 「いい質問だね。でも、それは僕の口からは言えないよ。・・・・でもね、君は、僕の事をよく知っているはずだよ?レンシェルマ=ヴァリード。・・・・いや、レンシェルマ=シーシェンズ。『許し』のシーシェンズの末裔さんなら、ね。」 「・・・・っなっ!」 レンは驚愕した。そして、ある一つの結論にたどり着いた。 「貴方は・・・・まさか・・・・」 語り部は笑みを深くして、言った。 「そこの彼を、大切にね。運命が変わるとしても、そうならないとしても、彼もまた、『白紙のページ』を持つものだから。」 そうとだけ言って、語り部は身を翻す。慌てて追いかけようとしたレンであったが・・・・ 「・・・・ぅっ・・・・」 少年のうめき声を聞きとがめ、足を止めた。 少年の瞳がゆるゆると上がる。その瞳は、空を映したような、美しい青をしていた。 レンは、少年に声を掛けた。 「気がつきましたか。・・・・よかった。」 * * * * * 語り部は、回想を止めた。歩く二人に目をやると、そろそろ町に入ろうか、と言うところだった。語り部は、虚空に話しかける。 「・・・・・・・・見守って、導いてやってくれないかな?君たちにとっては、不本意なことだろうけど。」 語り部の後ろで、二つの影が揺らめき消える。それを感じて、語り部は再び視線を戻した。 そして、語り部は言の葉を紡ぐ。歌うように、囁くように、祈るように。 「旅人が行くよ、この苦難の旅路を。 長き時と、失われた時。それらに導かれて、探し続けることとなる。 辛く、そして苦しい旅だ。 ・・・・・・・・それでも、君たちは前へと向かうだろう。 君たちは、『ヒト』だから・・・・。 今は、僕には何も出来ない。 ・・・・全く、この僕ともあろうものが、情けないものだ・・・・。 でもせめて、君たちのために祈らせて欲しい。 ・・・・願わくば、彼らに幸多からんことを・・・・」 そして、物語は流れ続ける。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ、初の番外編、どうだったかな?何やら、合いも変わらず暗い話だけど、読んでくれると嬉しいよ。 さて、次からは第2部!その未来を、語ろうか・・・・ 一つの事件は終わりを告げ、旅人は新たな道へと歩む。 しかし、未だ終われぬ者たちもまた、アリエスを求めて蠢きだした。 異界の魔族との戦いの結末、その果てに、何が待つのか。 次回、『時の旅人』11話、『深緑の罠』 新たな物語が、ここに始まる・・・・ じゃあ、またね! |
17104 | Re:時の旅人・徒然編 1:彼の生まれた空の下 | リラーイド=ヴァイス | 2005/6/21 15:04:37 |
記事番号17103へのコメント こんにちは。 今回は主にレスではなくキャラ募集のほうにコメントさせていただきます。(遅れたくせに何を言ってるのだか) 番外編がめちゃくちゃ楽しみだったんですが、読んで物凄く感動しました。「レンシェルマさんかっこいい〜」とか。 では、キャラ募集のほうへ。 この世界の人間 名前:ファイトリート=ファイア 外見:真っ赤な髪を長い三つ編みにしている。光の無い青い瞳。十五歳くらいの少女。裾や袖がかなり余る黒いローブを着て、ステッキを持っている(武器としても使用。サファイアに似た青い宝石がついている)。 性格:人懐っこい。誰もが「故郷にいる娘を思い出すよ」と言ってしまうほど人の心を動かせる。 口調:ごく普通の女の子のもの。「だよね」「でしょ?」「じゃないと」などの語尾。一人称は「わたし」。 戦闘方法:ステッキを使って敵をぶん殴る。 備考:目が見えない。そんなハンデにも負けず、幼なじみに世話をしてもらい暮らしている。現在は旅をしていて、あちこちで何かと噂になっている。あだ名はファイ。 名前:リーク=ハイラ 外見:十五歳くらいの少年。透き通るような銀髪を短く切っている。落ち着いたグレーの瞳。すっきりとした目鼻立ち。ごくシンプルな茶色の上着に、いくらか護符(アミュレット)のついた長ズボン。 性格:おとなしい。冷静で、あまり感情と言うものを感じていない。 口調:大体敬語。敵が、敬語を使うに値しない相手と判断したらタメ口。一人称は「俺」。 戦闘方法:自作の爆弾。 備考:マッドサイエンティスト。ファイトリートの世話係でお付。 この世界の魔族 名前:ルフ=ディートエンド 外見:耳は魚のひれのようになっている。十代後半くらいの美少女。青い、肩で切りそろえた髪。同色の透き通るような瞳。色白。ノースリーブの水色のワンピース。宝石類(とくにサファイアやアクアマリンなどの青系のもの)を好んでつける。 性格:正直うっとうしがられる事が多い。きゃぴきゃぴしている感じで、頭もあまりよくはない。実は読書が趣味。最近のお気に入りは「栗毛のアン」。 口調:「でしょー?」「だよねー」など、語尾を延ばす事が多い。一人称は「あたし」。 戦闘方法:「うっとうしいのよー」と気の抜ける声で毒づきながら、適当に呪文で吹っ飛ばす。 備考:海王軍所属。「ディートエンド」と言う姓は人間界で使うもの。将軍・神官レベルよりも弱いが、カンヅェルとサシで勝負して勝てるくらいの実力はある。 この世界の神族 名前:フィー=ファンニヴァル 外見:十二、三歳くらいの少年。白の絵の具に金を二、三滴落としたような、色素の薄い金髪。エメラルドグリーンの瞳。ワインレッドの長いコートに、白い長袖長ズボン。 性格:打算ずくめ。しかし表面は「いい子」「可愛い子」と言う感じなので、誰も本性には気付いていない。本性を知っているのはスィーフィードのみ。 口調:無邪気な子供のような言葉づかい。裏面が出ると「へっ、結局世の中金なんだよ」といった感じ。一人称は「僕」。 戦闘方法:お菓子の形をした、手裏剣のようなもの。 備考:スィーフィードが滅ぶ前は赤の竜神に忠誠を誓っていたが、いまはもうどーでもいー感じ。とりあえず水竜王にくっついて回っている。 異世界の神族 名前:ロック=クロック 外見:長い黒髪をポニーテールにした、まだ十歳にも手が届かなさそうな小さな女の子。黒いロングスカートと長めの黒い上着。黒の、あまり視力のよくない目。腰につけた懐中時計。 性格:イヤミ。考え方は異質で異端、少数派。外見は十歳にもならないような子供だが、めちゃくちゃ頭がいい。東大生と知恵比べをしても楽勝。 口調:「そんなのも知らないの?」が口癖。「・・・」が多く、「はっきり喋れ」と言われたことも数知れず。一人称は「私」。 戦闘方法:時を操る。過去に戻って敵を消したり、同じようにして自分の怪我を治したり、未来に行って勝敗を見たりする。 備考:時の神。自分が時に干渉のは当然のような顔をしているが、他の者が時間に関して何か頼む(時間を聞く、など以外)とすぐキレる。 幻神族 名前:ロキ=コンス 外見:ストレートで長い紫の髪。瞳はうつろなアイスブルー。十代前半の少年で、少々目つきが悪い。ハイネックの黒い上着に、茶色の半ズボン。白い大きなマントを羽織っている。指にたくさんアクセサリーをつけている。 性格:邪悪。甘いものが好き。猫も好き。いたずら大好き。 口調:「じゃないか」を「じゃねーか」と言うくらいにはひねくれている。一人称は「俺」。 戦闘方法:自分の一部である、指のアクセサリーに魔力を込め敵に投げつける。 備考:邪神と呼ばれている。金色の魔王を倒すのが目的。 幻魔族 名前:キンカ=ハイネンセル 外見:金髪のツインテール。大きな金の瞳。どことなく猫に似ている。十代後半あたりの美少女。赤いミニのドレスには短いマントがついている。 性格:男勝りで大胆。 口調:「じゃないかい?」などの落ち着いたあねご口調。一人称は「あたい」。 戦闘方法:目に見えないほどの高速移動を得意とし、そのまま何か刃物で切りつける。 備考:男尊女卑の考えを持っている奴を倒すのが目的。 ・・・ということでどうでしょうか。 分からない所があったら、もしくは「こうしたほうがいいのでは」などのご意見がありましたら、ご遠慮なくおっしゃってください。いくらでも変える気はあります。 では、この辺で。 |
17106 | 密かに大活躍 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/22 08:37:49 |
記事番号17104へのコメント >こんにちは。 >今回は主にレスではなくキャラ募集のほうにコメントさせていただきます。(遅れたくせに何を言ってるのだか) 朱姫:こんにちは!キャラ募集ありがとうございます! 語り部:さて、じゃあ返レスといこうか。 > >番外編がめちゃくちゃ楽しみだったんですが、読んで物凄く感動しました。「レンシェルマさんかっこいい〜」とか。 朱姫:・・・・・・・・ 語り部:『感動した』という言葉を聴いて感動中。 指定ではルピナス&レン短編、実態はレンの短編だったけど。 > >では、キャラ募集のほうへ。 > >この世界の人間 >名前:ファイトリート=ファイア >外見:真っ赤な髪を長い三つ編みにしている。光の無い青い瞳。十五歳くらいの少女。裾や袖がかなり余る黒いローブを着て、ステッキを持っている(武器としても使用。サファイアに似た青い宝石がついている)。 >性格:人懐っこい。誰もが「故郷にいる娘を思い出すよ」と言ってしまうほど人の心を動かせる。 >口調:ごく普通の女の子のもの。「だよね」「でしょ?」「じゃないと」などの語尾。一人称は「わたし」。 >戦闘方法:ステッキを使って敵をぶん殴る。 >備考:目が見えない。そんなハンデにも負けず、幼なじみに世話をしてもらい暮らしている。現在は旅をしていて、あちこちで何かと噂になっている。あだ名はファイ。 朱姫:ふむふむ・・・・敵じゃなくて、味方より中立になるかな? 語り部:あらすじ全面見直し中につき、こんなことも多々あるわけだ。なんかもう、『敵募集』じゃない気もするよ。 > >名前:リーク=ハイラ >外見:十五歳くらいの少年。透き通るような銀髪を短く切っている。落ち着いたグレーの瞳。すっきりとした目鼻立ち。ごくシンプルな茶色の上着に、いくらか護符(アミュレット)のついた長ズボン。 >性格:おとなしい。冷静で、あまり感情と言うものを感じていない。 >口調:大体敬語。敵が、敬語を使うに値しない相手と判断したらタメ口。一人称は「俺」。 >戦闘方法:自作の爆弾。 >備考:マッドサイエンティスト。ファイトリートの世話係でお付。 朱姫:二人でセットで・・・・なるほどなるほど。 語り部:一人で納得しないでよね、朱姫。まあ、何かいろいろ決まった様子。 > >この世界の魔族 >名前:ルフ=ディートエンド >外見:耳は魚のひれのようになっている。十代後半くらいの美少女。青い、肩で切りそろえた髪。同色の透き通るような瞳。色白。ノースリーブの水色のワンピース。宝石類(とくにサファイアやアクアマリンなどの青系のもの)を好んでつける。 >性格:正直うっとうしがられる事が多い。きゃぴきゃぴしている感じで、頭もあまりよくはない。実は読書が趣味。最近のお気に入りは「栗毛のアン」。 >口調:「でしょー?」「だよねー」など、語尾を延ばす事が多い。一人称は「あたし」。 >戦闘方法:「うっとうしいのよー」と気の抜ける声で毒づきながら、適当に呪文で吹っ飛ばす。 >備考:海王軍所属。「ディートエンド」と言う姓は人間界で使うもの。将軍・神官レベルよりも弱いが、カンヅェルとサシで勝負して勝てるくらいの実力はある。 朱姫:『栗毛のアン』・・・・スレ世界の『赤毛のアン』かな? 語り部:本筋と関係ないところで変なチャチャ入れないでよね。・・・・海王所属、にはならないかもしれないけど、いいかな? > >この世界の神族 >名前:フィー=ファンニヴァル >外見:十二、三歳くらいの少年。白の絵の具に金を二、三滴落としたような、色素の薄い金髪。エメラルドグリーンの瞳。ワインレッドの長いコートに、白い長袖長ズボン。 >性格:打算ずくめ。しかし表面は「いい子」「可愛い子」と言う感じなので、誰も本性には気付いていない。本性を知っているのはスィーフィードのみ。 >口調:無邪気な子供のような言葉づかい。裏面が出ると「へっ、結局世の中金なんだよ」といった感じ。一人称は「僕」。 >戦闘方法:お菓子の形をした、手裏剣のようなもの。 >備考:スィーフィードが滅ぶ前は赤の竜神に忠誠を誓っていたが、いまはもうどーでもいー感じ。とりあえず水竜王にくっついて回っている。 朱姫:水竜王・・・・滅んでた気もする・・・・ 語り部:まあ、その辺は臨機応変にいくよ。 > >異世界の神族 >名前:ロック=クロック >外見:長い黒髪をポニーテールにした、まだ十歳にも手が届かなさそうな小さな女の子。黒いロングスカートと長めの黒い上着。黒の、あまり視力のよくない目。腰につけた懐中時計。 >性格:イヤミ。考え方は異質で異端、少数派。外見は十歳にもならないような子供だが、めちゃくちゃ頭がいい。東大生と知恵比べをしても楽勝。 >口調:「そんなのも知らないの?」が口癖。「・・・」が多く、「はっきり喋れ」と言われたことも数知れず。一人称は「私」。 >戦闘方法:時を操る。過去に戻って敵を消したり、同じようにして自分の怪我を治したり、未来に行って勝敗を見たりする。 >備考:時の神。自分が時に干渉のは当然のような顔をしているが、他の者が時間に関して何か頼む(時間を聞く、など以外)とすぐキレる。 朱姫:これは・・・・いろいろと・・・・ 語り部:『時の神』・・・・ねぇ・・・・(ニヤリ) 朱姫:えー・・・・諸事情により、『時の神』系設定を無くす、もしくはかなり酷い目にあってもらうことになりますが・・・・それでもよろしければ・・・・ > >幻神族 >名前:ロキ=コンス >外見:ストレートで長い紫の髪。瞳はうつろなアイスブルー。十代前半の少年で、少々目つきが悪い。ハイネックの黒い上着に、茶色の半ズボン。白い大きなマントを羽織っている。指にたくさんアクセサリーをつけている。 >性格:邪悪。甘いものが好き。猫も好き。いたずら大好き。 >口調:「じゃないか」を「じゃねーか」と言うくらいにはひねくれている。一人称は「俺」。 >戦闘方法:自分の一部である、指のアクセサリーに魔力を込め敵に投げつける。 >備考:邪神と呼ばれている。金色の魔王を倒すのが目的。 朱姫:よし決定! 語り部:なんだいいきなり・・・・。また、思いついた様子だよ。 > >幻魔族 >名前:キンカ=ハイネンセル >外見:金髪のツインテール。大きな金の瞳。どことなく猫に似ている。十代後半あたりの美少女。赤いミニのドレスには短いマントがついている。 >性格:男勝りで大胆。 >口調:「じゃないかい?」などの落ち着いたあねご口調。一人称は「あたい」。 >戦闘方法:目に見えないほどの高速移動を得意とし、そのまま何か刃物で切りつける。 >備考:男尊女卑の考えを持っている奴を倒すのが目的。 朱姫:ういうい、了解です。 > > >・・・ということでどうでしょうか。 >分からない所があったら、もしくは「こうしたほうがいいのでは」などのご意見がありましたら、ご遠慮なくおっしゃってください。いくらでも変える気はあります。 >では、この辺で。 朱姫:どうもありがとうございました! 語り部:さっきも言ったように、あらすじ全面見直しのため、やたら早く出てくる人とかもいるから、生温い目で見守ってくれると嬉しいな。 二人:では、今回はこの辺で! |
17105 | Re:時の旅人・徒然編 1:彼の生まれた空の下 | 神高 紅 | 2005/6/21 19:50:58 |
記事番号17103へのコメント 紅:どーもこんばんは紅です。すいませんが今回は感想なしで前回言っていたオリキャラ設定を送らせて頂きます。 コ:大体日曜の朝には書くとか言ってなかったか? 紅:予定は未定って言いますし・・・(遠い目) ク:なぜ素直に・・遅れてごめんなさいって言えないんですか・・? 紅:では早速。 コ&ク:ごまかすなよ。 準レギュラー希望 名前 プロト=テンノ 種族 この世界の人間 性別 女性 年齢 22歳 容姿 一般的な身長で華奢。蒼い長髪を後ろでポニーテールにしている。 服装 動きやすい異国の剣士風の服。目には目隠しの布を巻いている。 性格 義を重んじるタイプで頑固、故に融通が利かないことも。うけた恩はたとえどんな小さなことであっても必ず返す。自己犠牲の精神が強い。 口調 物々しい喋り方でかなり口下手。 武器及び戦闘方法 無銘の長刀(物干し竿のような)を操り戦う。一振りで三度同時に切り付けられる。 備考 生来よりの盲目だがそのぶん第六感を含めた残りの五感(特に聴覚)が異様に発達している。常に体に微弱な風を纏っており、その風の結界内に入っているものは何であるか完璧に感知できる。 登場回数が多い希望 名前 スズ=アークス 種族 異世界の人間 性別 女性 年齢 14歳 容姿 淡く短い茶色の髪と黒と白のオッドアイを持つ美少女。身長はかなり低い。 服装 耳が着いた帽子と一般的な少女服を着ている。 性格 物静かでどこか達観している様子が見られる。人に懐かれやすく、また懐きやすい。 口調 丁寧な口調であまり喋らないが喋ること自体は好き。 武器及び戦闘方法 自らに宿る精霊を使役して戦う。 備考 生まれた時から数秒先が見える黒の魔眼とあらゆるものの弱点が見える白の魔眼を持つ。体に宿る精霊はかつて彼女に助けられたため彼女をとても大切に思っている。今は元の世界に帰るためあちこちを回っている。 備考2 精霊の名前 セラ=ダイア 性別 女性? 年齢 7歳 容姿 ウエーブの掛かった長い金髪に緑の瞳。見た目は20歳前後。 服装 神々しい鎧姿。 性格 普段はしっかりしているのだが結構どじっこでおっちょこちょい。 口調 喋らない。何を言っているかわかるのはスズのみ。 武器及び戦闘方法 大型の弓と異世界の魔法のコンビネーション。 紅:つーわけで2人(3人)のキャラ設定を送らせて頂きます。 コ:次は感想もちゃんと書けよ? 紅:言われるまでもなく。ではこのへんで。変更して欲しいところがあれば遠慮なくではでは。 コ:じゃあな。 ク:さよなら・・ |
17107 | 未来とは曖昧なものなり(?) | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/22 08:44:51 |
記事番号17105へのコメント >紅:どーもこんばんは紅です。すいませんが今回は感想なしで前回言っていたオリキャラ設定を送らせて頂きます。 >コ:大体日曜の朝には書くとか言ってなかったか? >紅:予定は未定って言いますし・・・(遠い目) >ク:なぜ素直に・・遅れてごめんなさいって言えないんですか・・? >紅:では早速。 >コ&ク:ごまかすなよ。 朱姫:こんにちは!ありがとうございます。 語り部:予定は未定、真理だし、いいと思うよ。朱姫も。もう一つのシリーズの更新放っておいて・・・・。この間、ミラに愚痴られたんだからね、僕。 朱姫:・・・・。それはそれとして、気を取り直して返レスいきます!時間が無いので、短縮版で失礼します。 > >準レギュラー希望 > >名前 プロト=テンノ >種族 この世界の人間 >性別 女性 >年齢 22歳 >容姿 一般的な身長で華奢。蒼い長髪を後ろでポニーテールにしている。 >服装 動きやすい異国の剣士風の服。目には目隠しの布を巻いている。 >性格 義を重んじるタイプで頑固、故に融通が利かないことも。うけた恩はたとえどんな小さなことであっても必ず返す。自己犠牲の精神が強い。 >口調 物々しい喋り方でかなり口下手。 >武器及び戦闘方法 無銘の長刀(物干し竿のような)を操り戦う。一振りで三度同時に切り付けられる。 >備考 生来よりの盲目だがそのぶん第六感を含めた残りの五感(特に聴覚)が異様に発達している。常に体に微弱な風を纏っており、その風の結界内に入っているものは何であるか完璧に感知できる。 > >登場回数が多い希望 > >名前 スズ=アークス >種族 異世界の人間 >性別 女性 >年齢 14歳 >容姿 淡く短い茶色の髪と黒と白のオッドアイを持つ美少女。身長はかなり低い。 >服装 耳が着いた帽子と一般的な少女服を着ている。 >性格 物静かでどこか達観している様子が見られる。人に懐かれやすく、また懐きやすい。 >口調 丁寧な口調であまり喋らないが喋ること自体は好き。 >武器及び戦闘方法 自らに宿る精霊を使役して戦う。 >備考 生まれた時から数秒先が見える黒の魔眼とあらゆるものの弱点が見える白の魔眼を持つ。体に宿る精霊はかつて彼女に助けられたため彼女をとても大切に思っている。今は元の世界に帰るためあちこちを回っている。 >備考2 >精霊の名前 セラ=ダイア >性別 女性? >年齢 7歳 >容姿 ウエーブの掛かった長い金髪に緑の瞳。見た目は20歳前後。 >服装 神々しい鎧姿。 >性格 普段はしっかりしているのだが結構どじっこでおっちょこちょい。 >口調 喋らない。何を言っているかわかるのはスズのみ。 >武器及び戦闘方法 大型の弓と異世界の魔法のコンビネーション。 > > >紅:つーわけで2人(3人)のキャラ設定を送らせて頂きます。 >コ:次は感想もちゃんと書けよ? >紅:言われるまでもなく。ではこのへんで。変更して欲しいところがあれば遠慮なくではでは。 >コ:じゃあな。 >ク:さよなら・・ 朱姫:ありがとうございました!ただ、物語の都合上、『時云々』の設定は使えない可能性もあるので、ご了承ください。 語り部:そうかな?スズの『黒の魔眼』、僕は面白いと思うよ? 朱姫:・・・・まあ、一応その辺は臨機応変に対処しますが。 二人:では、短くてすみませんが、この辺で! |
17108 | とりあえず、締め切ります | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/22 12:23:49 |
記事番号17103へのコメント 前にした『敵募集』は、ここで締め切らせていただきます。 ご協力、ありがとうございました! |
17109 | 短くてごめんなさい。 | 十叶夕海 | 2005/6/22 18:22:23 |
記事番号17103へのコメント 短くてごめんなさい。 もうすぐ、バイトなので。 レンさんは、かっこいいし。 ルピくんは、かわいい&アリエスとのツ−ショットが◎。 語り部さんは、相変わらず、謎ですね。 本来ならば、キャラ投稿をしたいのですが、フロッピ−学校のパソコンに置いてきてしまいましたので、明日以降に投稿いたします。 ごめんなさい m(_ _)m では、次回。 |
17111 | お忙しいでしょうし。 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/23 08:27:57 |
記事番号17109へのコメント > >短くてごめんなさい。 >もうすぐ、バイトなので。 朱姫:いえいえ。レスもらえるだけで嬉しいです。 語り部:バイトなんてしてないくせに、妙に忙しがってる朱姫なんてのもいることだし、ね。気にしないでよ。 > >レンさんは、かっこいいし。 >ルピくんは、かわいい&アリエスとのツ−ショットが◎。 >語り部さんは、相変わらず、謎ですね。 朱姫:なんか、ルピ君&レンというよりは、レン主役の短編になっちゃいましたけど、気に入ってもらえたなら嬉しいです。 語り部:僕は、まだしばらくは『正体不明の謎の人』でいるつもりだし。『謎』は褒め言葉、ってね。 > > >本来ならば、キャラ投稿をしたいのですが、フロッピ−学校のパソコンに置いてきてしまいましたので、明日以降に投稿いたします。 >ごめんなさい m(_ _)m > > >では、次回。 朱姫:では、楽しみに待っていますね。 語り部:では、諸事情により、今回もこの辺で。 二人:では! |
17112 | 更にごめんなさい | 十叶夕海 | 2005/6/23 08:38:20 |
記事番号17111へのコメント フロッピー、イタズラ好きの 友人 に持ってかれましたので、明日以降の投稿です。 |
17110 | 時の旅人 11:深緑の罠 | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/23 08:23:07 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、朱姫 依緒琉です。 ついに開幕第2部!新キャラも登場です。 では、早速どうぞ! 時の旅人 11:深緑の罠 「さて、やっと『人里』まで来たね。」 アリエスはそう言うと、わずかに表情をゆるめた。 つい3日前までいたブレードヴィレッジは、かなり山奥になる。そのため、一番近い町まで徒歩2日、それなりに大きな町までは徒歩3日はかかるのだ。・・・・だからこそ、『封じられしモノ』が封じられていたのかもしれない。 ここ・・・・ファルメア・シティは、ライゼール帝国の中でも比較的海側に位置する。特に、食べ物がおいしいことで知られる町だ。ここに何と言って用があるわけではないが、曰く、『リナ=インバースは食べ歩きが趣味らしい』という話もあるため、とりあえずはここを目的地とした。しかし、聞き込み調査の結果、半年前に立ち寄った形跡はあるものの、今はいない、という結果になったのだった。 「まあ、仕方ないわよ。世の中、そうそう都合よくわないわ。」 落胆した様子も無く、ルピナスは言った。アリエスも、そこまで期待していたわけではなかったので、とりあえず、足取りを一つ、つかめただけでよしとしたのだった。 「とりあえず、どこか行きましょう!?そろそろ、夕飯と、宿の確保をしないと。」 そうして、歩き出そうとした。・・・・のだが。 「・・・・・・・・・・探した。」 ぽそりと、声がした。決して大きくはないが、よく聞こえる声が。二人は、その声を知っていた。 「え・・・・?その声、まさかフィッツ!?」 「・・・・そう。探した。」 ルピナスより頭二つは低い場所から、二人を見上げるように話しかけてくる少年。黒い髪と黒い瞳の、十歳前後の彼。名を、フィッツ=シュトラールと言う。一応、共に旅をする者なのだが、しょっちゅう消えるので、存在を意識することは少ない。 「フィッツ、あなたまた消えるのですから・・・・」 アリエスが、ほんの少し呆れたように言う。フィッツは、無表情を取り繕おうともせず、相変わらずぽつぽつといった。 「用事、あった。サイラーグに戻ったけどいなかった、君たちが、悪い。」 「その割りに、すぐ追いついたね?」 「これ・・・・」 フィッツは、そう言って6本の短剣を差し出す。それは、アリエスが『結扉跳場(リンクゲート)』を使うときに使った短剣だった。 「サイラーグに、あった。だから、ブレードヴィレッジのほうに、来た。」 「それでも、よくわかったね。」 すると、フィッツはわずかに視線をずらした。 「ここに、用事、あった。好都合。」 と、フィッツの横からひょこっ、と顔が出た。金髪巻毛に碧眼の、フィッツとそう歳の変わらないであろう、かわいい少年だ。 「おねえちゃんたちが、フィッツのしりあい?」 アリエスは、途端に引き締めた。 「フィッツ、こちらは?」 答えたのは、フィッツではなく、少年。 「はじめまして!ぼくね、アイムっていうんだ!よろしく!」 フィッツが、ぽそりと付け足す。 「知り合い・・・・。」 アリエスは、大げさに溜息をつく。 「・・・・何を考えているのですか?」 「別に・・・・。ただ、会いたかっただけ。」 いつもの事ながら、全く意味のわからないフィッツの思考形態に、アリエスは嘆息した。空気が気まずくなる中、ルピナスが取り繕うように言った。 「と、とにかく、食事にしない?アイム君は、家の人に何か言ってきてあるの?」 「うん!だいじょうぶだよ、おねえちゃん。」 そして、奇妙な一団は、近くの宿屋兼食堂へと、連れ立って入っていったのだった。 * * * * * 特に変わったことも無く食事を済ませ、一晩泊まる事になった。例の少年アイムはこの町に住んでいるわけではないようで、今日は同じ宿屋に泊まっている。いつもと変わらず、旅費節約のためルピナスと同じ部屋に泊まっているアリエスは、夜半、奇妙な気配に目を覚ました。 「・・・・・・・・これは・・・・。」 ふと横を見ると、寝ていたはずのルピナスがいない。そして、この違和感は、つい先日も感じたものだった。 「結界に、閉じ込められましたか・・・・。この気配は覚えていますよ、不意打ちにはなりません。出てきたらどうですか?異界の魔族・・・・エン=シンザさん?」 と、ぱちぱちと場違いな拍手の音が聞こえた。 「流石だな。この程度で仕留められれば幸運、といった程度のものだったが、こうもあっさり見破られるとは・・・・。全く、人にしておくのが惜しいよ。」 アリエスは不機嫌さを表すように、少し乱暴に立ち上がった。 「御託は結構です。あの神族・・・・イヴ=フェアリルさんと仰いましたか。あの方はどうなさったんですか?倒したと?」 エンは首を横に振る。 「いや・・・・。あの女、意外としぶとくてな。とりあえずは撒くので精一杯だった。だから・・・・あの女が来ないうちに、さっさと貴様を片付ける。」 空気が、殺気を含んで研ぎ澄まされてゆく。アリエスは、素早く二刀を抜き放った。ダガーは前回と同じものとはいえ、もう一刀は桁外れの魔力剣『銀晶輝』。前回のような無様なことには、ならないと思った。 「戦うことに依存はありません。しかし、何故私を狙うのかくらいは、教えて下さってもよろしいでしょう?」 「簡単な事だ・・・・邪魔なんだよ、貴様の持つ、時の力を自在に揮う能力が!」 闇緑色の魔力が、剣の形を取る。同時に、同じ魔力が放出された。アリエスは『銀晶輝』を振るい、魔力を両断する。同時に口の中で呪文を唱え始める。エンの剣と、アリエスの剣がぶつかった。 「『崩霊裂(ラ・ティルト)』!」 呪文を解き放つも、剣で振り払われる。もちろんそれは承知済み、アリエスは持ち前の瞬発力を生かし、エンの懐に潜り込んだ。しかし・・・・ ヴン、と音を立てて、エンの姿が掻き消える。 「危ない危ない。流石に、そいつに当たると痛そうだからな。」 「『痛そう』程度で済ますつもりはありませんよ。」 言いつつ、アリエスは内心焦っていた。エンには、あの得体の知れない魔力がある。時の壁すら切り裂くそれを前に、無茶は出来ない。そして、エン=シンザは、掛け値なしに強い。イヴは『参謀』だと言っていたが、エンは明らかに戦いなれていた。 (何とか、弱体化させる方法は・・・・・・・・・・・・・・・!) と、唐突に、アリエスは一つのことを思いついた。試したことも無い、一か八かの賭け。それでも、方法が他にないのなら。 アリエスは、首筋に手を伸ばす。正確には、首筋のチョーカーからぶら下がる涙滴型の宝石に。そして、それを躊躇無く・・・・引きちぎった。 かしん、と軽い音を立てて、それが放り投げられる。とたん、エンは感じるはずの無い『寒気』を覚えた。それは瞬く間に増して行き、ついには剣の維持すらままならなくなる。それを見て、アリエスはにやりと笑った。 「これは、効いたようですね。良かった・・・・」 エンは、鋭い目を更に鋭くして、詰問した。 「『吸魔体質』・・・・魔族の力の源となる、瘴気・負の気を、強引に奪い取りました。・・・・・・・・いくらあなたが強くても、源が無ければ・・・・」 (とはいえ、これは、流石にキツイですね・・・・・・・・) エンは、憎憎しげにアリエスを睨んだ。 アリエスは、どくどくと脈打つ心臓に手を当て、荒い息を吐き出した。 * * * * * (聞いてないし!聞いてないし!聞いてないしーっ!!) 黒い髪を片みずらに結った女性は、宿の中に生じた結界の気配を察して、大いに焦っていた。 (あー、もう!『予定表』狂いすぎ!・・・・それもこれも全部、『あいつら』が悪い!) 一通りの愚痴を頭の中で叫ぶと、少し落ち着いた気がした。そして、今度は口に出して呟く。 「緑の世界の魔族め・・・・このファリウ様と『あの方』を出し抜くとは、いい度胸してるじゃない・・・・」 そして、ファリウと自称する女は、この事態を何とかするために、手首の銀球をしゃらりと鳴らした。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ!会えて嬉しいよ。時の旅人11話、どうだったかな? さて、ついに第2部、いきなりピンチなアリエスだね・・・・。中途半端なところで終わってごめんよ まあ、それはさておきだ。未来を語ろう。 異界の思惑、現界の思惑。 絡み合う思惑は始まったばかりで、全ては未だ、闇の中。 『矯正の鈴音(きょうせいのりんね)』が空間を越えて響く時、現れるものは・・・・ そして、新たな道は開く。莫大なる知識の泉へ。 次回、『時の旅人』第12話、『魔性の誘惑』 さあ、これからが本番だ! |
17113 | Re:時の旅人 11:深緑の罠 | 十叶 夕海 | 2005/6/24 08:59:55 |
記事番号17110へのコメント 今回も楽しませていただきました。 アイムくん、最高に面白いです。 では、投稿に。 お好きなように 本名:エイレン=レティナ=ジャスティ=エファリディルマイセリアル 通名:エイレン=マイセリアル(↑が長いため) 種族;異世界の・・・・一応神族 年齢;かなり高齢 外見;25歳ぐらいで、淡い紫苑色の髪と葡萄酒色の瞳 小柄で、150に少し足りないぐらいの身長 服装:喪服のような黒いロ−ブに、濃い葡萄酒色の薄布をマントのように後ろからかけている。 武器;深い緑の本から使い魔というか・・精霊を呼び出して戦う。 一応、身長ほどの細身のロングソ−ドを持っている。 性格;厭世的である。 (通常神族であっても、『終わり』があるが、彼女には無い その為である。) 自分に変化がないため、変化を求めて足掻きぬこうとする存在が好きで、つい手を貸してしまう。 そんな世話好きの面もあり。 口調;無表情な割には、言葉には感情がこもる 簡潔な『〜である・〜だ。』を好む。 一人称;私 二人称:キミ 三人称:呼び捨て・・・かな 好き;『変化』を生きることに向ける人間 甘いもの・・・でもほどほどのもの 読書・・・・というか、『叡智』の探求 嫌い;『変化』を死ぬことに向ける人間 辛いもの・・・・・過ぎるものが特に嫌い 備考:彼女に『終わり』がないのは 持っている深緑の本が関係あり? 挨拶;私はエイレン=レティナ=ジャスティ=エファリディルマイセリアルだ。 長いので、エイレン=マイセリアルでいい。 キミには、扱いにくいかも知れないがよろしく頼むぞv (↑を無表情かつワンブレスかつ声はとても嬉しそうに言っている) 名前;エヴァンス=ソルジュ 種族;異世界の人間 年齢;19歳 外見;炎のような赤髪 空色の瞳 服装;修道騎士と魔道士の服を合わせて、紺色で纏めた服。 武器;彼にしか抜けない直長剣 炎の呪文 性格;10歳の体験のせいで、カミサマと人間を信じられなくなっている。 疑心暗鬼。 それでも人を信じたいと思う。 好きな:昼寝 鍛錬 嫌いな;『神の名の元に』で行われること全て 口調;ぶっきらぼうだが、言葉の端々に優しさにじむ。 一人称:俺 二人称:お前・貴様 三人称:呼び捨て 備考&特徴:本気になると 目が赤くなり、その気になれば、剣を槍投げの要領で、一キロ弱飛ばせるほど、異常に強くなる。 挨拶;俺が、エヴァンス=ソルジュだ。 よろしく頼むぜ、ホ−ムスティ先のお母さん。 コンビでお好きなように 名前:ファザ−ド=ニ−ヴァ 通称:≪闇の魔術師≫ 種族;幻魔族 年齢;千五百位から数えてない 外見;二十歳から四十歳でなら、幾つにでも取れる。 外見;ブルネットの直毛を首の後ろでまとめている(←長さは腰ぐらいまで) 瞳は、紺青。 病的に青白い顔に常に口を三日月のような笑みに固めている。 服装;西欧史で言うところのカプチン派の修道士が着ているような服の黒版 武器:なし 戦うことはしない 性格;嫌味というか、語ること万事婉曲&かなり理屈っぽい そして、結構意地悪 (『Missng』でいうなら神野さん?) 結局、人間が好きなので、何らかの助言はする。 口調;偉そうで、結構奇妙なことを言う。(挨拶参考) 一人称;私 二人称;君(きみ) 三人称;君(くん) 好き;強い望みを持つ人間 嫌い;望みを持たない人間 備考;特に理由も持たずに、世界を放浪中 挨拶;ふむ、私がファザ−ド=ニ−ヴァだ。 君が、朱姫くんかね? よろしく頼む。 名前;リザ=リクス 通称;時洞(ときむろ)の霧賢者 種族;幻神族 年齢;2500歳ぐらいまでは、ファザ−トと一緒に数えていた。 外見;十五歳〜二十五歳ぐらいの間。 雪の白色の波うつ足首ほどの長さ髪 澄んだ水色の瞳 死人のように血の気の無い顔に能面のような無表情 服装;水を絃にしておったような透明感のある古風なドレス。 手と足に能力抑制の純銀製の枷 戦闘方法;刃渡り2M 全長5〜6Mの大鎌 普段は、手が封じられているので、ブ−メランとして使う。 性格;行動の全てが、ファザ−トと一緒に滅ぶ為に起因する。 それ以外に関しては、無気力に近い。 口調;挨拶参照 一人称;私 二人称;貴方 三人称;呼び捨て 好き;ファザ−ト 嫌い;それ以外の存在 備考;ファザ−トの元恋人 脚が仕えないので、浮いて移動。 挨拶;・・私が・・・リザ=リクスと言う幻神族。 ・・・・・・よろしく頼む。 ○二人の由来・・・・どんな人々の願いの元に生まれたのか ルシュフェルとミカエルのように、二人で一対の存在だった。 しかし、ファザ−トが、闇の方に傾倒していった為、別れてしまった。 では次回に。 |
17115 | Re:時の旅人 11:深緑の罠 | 十叶夕海 | 2005/6/25 20:45:15 |
記事番号17113へのコメント 質問されそうなこと?の補足。 エイレンは、生来は「時の神」とではなく、正極にある「葡萄酒の神」である。 ファザードは前のレスにいた神影幻十郎を参照。 どういうキャラが欲しいか言って下されば、書き溜めてある中から差し上げます。 それでは。 |
17117 | 手短ですが | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/27 08:23:03 |
記事番号17115へのコメント こんにちは。キャラ投稿ありがとうございます。 低血圧症再発のため、しばらく投稿が少なくなると思いますが、気長に待っていてください。 では、今回は短くてすみませんが、この辺で。 |
17116 | Re:時の旅人 11:深緑の罠 | 神高 紅 | 2005/6/26 01:10:51 |
記事番号17110へのコメント 紅:こんばんは。ちょっとぶりですね、紅です。 コ:こんばんはだ朱姫さん。コウだ。 ク:こんばんはぁ・・クロスですぅ・・・・(眠いらしい) 紅:何話かぶりですがでは早速レス行きませう。 >「・・・・・・・・・・探した。」 > ぽそりと、声がした。決して大きくはないが、よく聞こえる声が。二人は、その声を知っていた。 >「え・・・・?その声、まさかフィッツ!?」 >「・・・・そう。探した。」 > ルピナスより頭二つは低い場所から、二人を見上げるように話しかけてくる少年。黒い髪と黒い瞳の、十歳前後の彼。名を、フィッツ=シュトラールと言う。一応、共に旅をする者なのだが、しょっちゅう消えるので、存在を意識することは少ない。 紅:存在を意識することが少ないって、旅の友なんですよね? コ:まあ、四六時中一緒にいることが仲間ってことじゃねえのさ。 >「・・・・何を考えているのですか?」 >「別に・・・・。ただ、会いたかっただけ。」 > いつもの事ながら、全く意味のわからないフィッツの思考形態に、アリエスは嘆息した。空気が気まずくなる中、ルピナスが取り繕うように言った。 >「と、とにかく、食事にしない?アイム君は、家の人に何か言ってきてあるの?」 >「うん!だいじょうぶだよ、おねえちゃん。」 > そして、奇妙な一団は、近くの宿屋兼食堂へと、連れ立って入っていったのだった。 紅:確かにちょっと目立つかもねえ。 ク:兄弟に見えないこともないでござるよ・・? コ:ござる? >「御託は結構です。あの神族・・・・イヴ=フェアリルさんと仰いましたか。あの方はどうなさったんですか?倒したと?」 > エンは首を横に振る。 >「いや・・・・。あの女、意外としぶとくてな。とりあえずは撒くので精一杯だった。だから・・・・あの女が来ないうちに、さっさと貴様を片付ける。」 > 空気が、殺気を含んで研ぎ澄まされてゆく。アリエスは、素早く二刀を抜き放った。ダガーは前回と同じものとはいえ、もう一刀は桁外れの魔力剣『銀晶輝』。前回のような無様なことには、ならないと思った。 紅:2人は結局痛み分けのような形ですか?まあエンからしてもイヴさんからしても一筋縄じゃ行かなさそうですしねえ。 コ:それとアリエス。また油断はするなよ・・・二度目は死ぬぜ? >「これは、効いたようですね。良かった・・・・」 > エンは、鋭い目を更に鋭くして、詰問した。 >「『吸魔体質』・・・・魔族の力の源となる、瘴気・負の気を、強引に奪い取りました。・・・・・・・・いくらあなたが強くても、源が無ければ・・・・」 >(とはいえ、これは、流石にキツイですね・・・・・・・・) > エンは、憎憎しげにアリエスを睨んだ。 > アリエスは、どくどくと脈打つ心臓に手を当て、荒い息を吐き出した。 紅:根底を奪うという作戦に出ましたか、中々いい手です。 コ:しかし自分にもまた相当の負荷が掛かっているな。なにか決め手となるものが欲しいな。 ク:速めに決着をつけたい・・ですねえ・・・・ >(聞いてないし!聞いてないし!聞いてないしーっ!!) > 黒い髪を片みずらに結った女性は、宿の中に生じた結界の気配を察して、大いに焦っていた。 >(あー、もう!『予定表』狂いすぎ!・・・・それもこれも全部、『あいつら』が悪い!) > 一通りの愚痴を頭の中で叫ぶと、少し落ち着いた気がした。そして、今度は口に出して呟く。 >「緑の世界の魔族め・・・・このファリウ様と『あの方』を出し抜くとは、いい度胸してるじゃない・・・・」 > そして、ファリウと自称する女は、この事態を何とかするために、手首の銀球をしゃらりと鳴らした。 紅:このファリウというかた、キーパーソンとなりそうです。つーかなる。 コ:断定かよ!まあ俺もそう思うんだがな。なかなかに強そうな気配がするな。戦ってみてえな。 ク:くかー・・・(寝た) > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:やあ!会えて嬉しいよ。時の旅人11話、どうだったかな? > さて、ついに第2部、いきなりピンチなアリエスだね・・・・。中途半端なところで終わってごめんよ > まあ、それはさておきだ。未来を語ろう。 > 異界の思惑、現界の思惑。 >絡み合う思惑は始まったばかりで、全ては未だ、闇の中。 > 『矯正の鈴音(きょうせいのりんね)』が空間を越えて響く時、現れるものは・・・・ > そして、新たな道は開く。莫大なる知識の泉へ。 > 次回、『時の旅人』第12話、『魔性の誘惑』 > さあ、これからが本番だ! 紅:ではさようなら。また次回で。 コ:じゃあ、な。次を楽しみにしてるぜ。 ク:ばいばい・・むにゃ・・ |
17118 | お久しぶりです | 朱姫 依緒琉 | 2005/6/27 08:26:46 |
記事番号17116へのコメント こんにちは、お久しぶりです。レスありがとうございます。 低血圧症再発のため、そうそう長くパソコンに向かっていられないので、今回は手短に報告だけ。 上に書いたとおり、低血圧症につき、しばらくは更新がままならないかと思いますが、気長に次回を待っていてください。 本当に私事ばかりですみませんが、今回はこの辺で。 |
17120 | 時の旅人 12:魔性の誘惑 | 朱姫 依緒琉 | 2005/7/4 08:28:26 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、遅くなりました。朱姫 依緒琉(改名検討中)です。 さて、前回危ないところで終わってしまいましたが、何かさらにややこしい事態になってしまった今回です。 では、早速どうぞ! 時の旅人 12:魔性の誘惑 しゃらり、しゃらりと銀球が鳴る。右手の金色のものも同様に。ファリウの奏でるそれはただの、少し変わった鈴の音色のようなのに、それは一つの旋律のように聞こえた。 しゃん、と大きな音を立てて、旋律は終わりを告げる。その時には、結界は少し敏感な人間なら感じ取れる程度にまで弱まっていた。ファリウは満足げな微笑を浮かべた。後ろに人の気配を感じても、それは変わらず、逆に一層微笑みを深くする。ファリウは少し弾んだ声で、後ろの気配に告げた。 「どう?我ながら絶妙の加減だと思うけど。」 後ろの気配の主・・・・『放浪の語り部』は、答えて言った。 「うん、見事だと思うよ。流石は『矯正の鈴音(きょうせいのりんね)』・・・・世界の歪みを正す音色を奏でる者。」 「ふっふっふ・・・・後は仕掛けをごろうじろ、ってね〜♪」 語り部は、僅かに躊躇った後、ファリウに静かに問いかけた。 「・・・・大変かい?君の力なら、一瞬でこの状況を変えることも出来るだろうに。」 ファリウは、僅かに驚いたような顔をした。それでも、ファリウは知っていた・・・・語り部は時に、こうして心を試すのだと。だから、ファリウは答えた。 「大変は大変。でも、これも大いなる目的のため、ひいては私のため。そのためには、今はまだ『予定調和』を乱し過ぎないように気をつけないといけないからね。だから大丈夫、平気平気!」 語り部は満足そうに瞳を細める。そして、言った。 「じゃあ、今回は僕も少しだけ協力しよう。」 そうして、語り部は手にした楽器を爪弾いた。 * * * * * アリエスは、大きく息を吐き、ゆっくりと吸い、ということを何度か繰り返した。少しずつ脈が落ち着いてくる。未だこの身には瘴気が流れ込んでくるが、多少は慣れてきた。目の前にエンがいることはわかっていたが、一瞬だけ目を閉じ、念じる。 (眠れ、暗き力よ・・・・私の心の奥底で・・・・) 荒れ狂う瘴気を宥め、眠らせる。こうすれば、瘴気が体を圧迫することは無い。・・・・じわじわと、侵食されはするが。それでも、集中するのに瘴気の圧力は邪魔だった。 アリエスは思う。今の均衡状態を破り、エンを倒すに足る力は無いか、と。すぐにいくつか思いつくが、その傍から却下していった。いくら結界の中とはいえ、思いついた可能性たち・・・・そのほとんどが、禁呪に属する呪文だった・・・・は、いくらなんでも現実世界に影響を及ぼすだろう。それは避けたかった。現実世界では、隣でルピナスが眠っている。隣の部屋には、フィッツやあの少年・・・・アイムと言ったか・・・・もいるのだ。 そして、その果てに一つの呪文に思い当たった。・・・・非常に、気が向かない方法ではあるのだが。 それでも、このままどちらかが力尽きるのを待つよりは賢明と思い、静かに呪文を唱えだした。 呪文を紡ぐ声が止まった。空間が歪むのを目にして。見る間に歪みは大きくなり、限界に達したその時。 一つの人影が、産み落とされた。 「あぁ、やっと入れた!」 幼女の、と言うほどではないが、まだ幼さを色濃く残す声が告げた。腰ほどまである白い髪が翻り、とん、と地面に足を着く。身長は、小柄なアリエスよりも更に小さい。少女・・・・に見える彼女は、色のない瞳をアリエスに向けて、笑った。 「やっと見つけたよ、あなたがアリエスでしょ?」 アリエスは、再び剣を構える。少女はぱたぱたと手を動かした。それにつられ、不恰好なマントが揺れる。お世辞にも趣味がいいとは言い難い、血色の服が見え隠れした。それがどうにも人を殺した返り血のように見えて、アリエスは少し嫌だった。 「そんなに警戒しないでよ。あたし、一応味方だよ!?」 「見ず知らずの方に、そう言われて、易々信用できるとお思いですか?」 少女はきょん、とした目で、心底不思議そうに言った。 「そうなの?」 アリエスはこくりと頷く。 「へぇ・・・・。じゃ・・・・あたし、サラ=ナナシって言うの。よろしくね!・・・・これで、見ず知らずじゃないでしょ?」 どうやら、世間一般の意味と、彼女・・・・サラの中の解釈は、相当のずれがあるらしい。 アリエスは、そう思いつつ、警戒を解きはしない。なぜなら、彼女が現れたとたん、瘴気の流入量が増したから。恐らく、彼女も・・・・魔族。 彼女自身、力の源を奪い取られているはずなのに、何故かそうは見えない軽い口調で、サラは、今度はエンに話しかけた。 「あのさ、この世界うろうろされると、正直邪魔なんだよね。だから・・・・バイバイ。」 強大な力の顕現。アリエスが、慌てて封印の赤い石を拾って握りしめたほどに。と、思った瞬間、エンの姿が掻き消える。サラはしょぼんとした顔と声で言った。 「逃がしちゃった・・・・。」 しかし、次の瞬間にはまたにぱ、と笑って、言った。 「でも、いいよね!大丈夫?怪我ない?アリエス。」 そんなサラに、アリエスが思い切り『不信・警戒』の眼差しを向けたのは、言うまでもないこと。 * * * * * 「えっと・・・・あたしはサラ=ナナシ、って、もう言ったよね?一応魔族で、獣王様配下なんだ。侵入した異界の魔族を倒すか追い払うかするために、ここに来たの。アリエスのこと知ってたのは、あの怖いリブラさんの妹だからで・・・・あ!でもリブラさんかなり前に死んでたっけ?あと・・・・」 不信・警戒を隠そうともせず、更には『近付いたら切る』と言わんばかりに銀晶輝を構え続けるアリエスを見て、何を思ったかサラは突然自己紹介などを始めた。 「それで、何のつもりです?」 アリエスはいい加減じれて、そう言った。 「え?見ず知らずじゃいけないってアリエス言うから、しっかり自己紹介しておこうかと思って。」 アリエスは深々と溜息をつくと、ぼそりと言った。 「異界の魔族は追い払ったのですから、もうどこへなりと行けばよろしいでしょう?」 「ひどいなぁ。」 「当然のことでしょう。魔族を信用などできません。」 それは、例え神族であろうと、その他の種族であろうと、同じ人間という枠組みの中にいるものでさえ、アリエスにとっては同じなのだけれど。 「ん〜・・・・じゃあさ、何でも一つ願い聞いてあげるから、信用して!?」 「そういうものではないでしょうに・・・・」 「そうなの?でも、まあいいじゃない。」 アリエスはあっけに取られた。どこをどうしたら、そんな発想が出てくるのだろう。それでも、一応は付き合いだとばかりに、強引に自分の気持ちを収めて言った。どうせ叶わないだろう事を。 「そこまで言うのなら・・・・では、異界黙示録(クレアバイブル)のオリジナルを見てみたいですね。」 非常に投げやりに、アリエスは言った。答えは全く期待していなかった。しかし。 「何だ、それでいいの?わかった。」 「はい?」 思わず、アリエスは間の抜けた声を出したが、サラは全く頓着せず、アリエスの手を取った。 「善は急げって事で、じゃあ、行くわよ!」 そのまま、空間を渡る。 後に残された主なき空間は、静かに崩壊した。 後に残るのは、傷一つない宿屋と、健やかに眠るルピナスのみ。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!随分遅くなってしまったけど、『時の旅人』の12話だよ。 今回初登場は、神高紅さんより頂いた、魔族サラ=ナナシ。本当に本当に、どうもありがとう! では、早速だけど語ろうか。次の物語の断片を・・・・ 莫大なる知識の泉、異界黙示録(クレアバイブル)。 望みを叶える手がかりを求める者の前に現れたものは、それを望まぬもの。 それぞれ譲れぬ願い故に、またその存在ゆえに、虚ろき地にて刃は交される。 見守るその目に、謎を映して・・・・ 次回、『時の旅人』第13話、『神の世の秩序』 君と再び出会うために、今一度の別れを告げよう。 さて、ここからはお知らせだ。 『聖石の使徒』の首領の側近一名を緊急募集するよ。 ただし、今回は以下の通りの条件があるんだ。 ・幻神族、もしくは幻魔族 ・最低でも、ゼロスクラスの力の持ち主 ・アリエス達とは、現時点でもって面識がない 随分ワガママ言ってすまないけど、どうかよろしくお願いしたいな。 先着1名様採用とさせて頂くので。 では、今度こそ本当にこの辺で! |
17121 | Re:時の旅人 12:魔性の誘惑 | 十叶夕海 | 2005/7/4 15:54:52 |
記事番号17120へのコメント 続きが ホントに楽しみです。 ってか アリエス嬢何処に? では協力します。 通名:レス 偽名:レスティナ=フェンテン 本名:レスティオ=フェンテン 種族:幻魔族 年齢:いくつだったでやんしょね? 外見:黒直髪を足首まで伸ばし派手な簪で緩くまとめている。 瞳は右は青 左は常に眼帯をしている 服装:縹藍の着物を着崩している 左右にスリットあり 白のプリーツのロングスカート 性格:世界の全てが暇つぶしだと思っている。 意地悪で刹那的 表向きはアネゴタイプ 好き:酒・戦い・ネコ 嫌い:ツマラナイこと・イヌ 武器:おおぶりの金属の扇 眼帯の下の邪眼 ↑は、ランダムに 石化と魅了 口調:廓言葉 一人称 あちき 二人称 坊 嬢 三人称 呼び捨て 実力:ゼロスくらいなら 三分で倒せる 挨拶:あちきが レスでおやす。 よろしゅう、おおきに。 備考:オカマの両刀さん 好みは ルピか語り部さん キライなのは アリエス嬢 たぶん 会うなりルピを口説くだろう。 昔 書いたオリジナルからです。 どうぞ キャラ濃いですが(^_^;) では 失礼します。 |
17124 | ありがとうございました! | 朱姫 依緒琉 | 2005/7/5 08:25:20 |
記事番号17121へのコメント 朱姫:こんにちは、お久しぶりです。 >続きが ホントに楽しみです。 > >ってか アリエス嬢何処に? > > >では協力します。 > > >通名:レス >偽名:レスティナ=フェンテン >本名:レスティオ=フェンテン >種族:幻魔族 >年齢:いくつだったでやんしょね? >外見:黒直髪を足首まで伸ばし派手な簪で緩くまとめている。 > 瞳は右は青 左は常に眼帯をしている >服装:縹藍の着物を着崩している > 左右にスリットあり > 白のプリーツのロングスカート >性格:世界の全てが暇つぶしだと思っている。 > 意地悪で刹那的 表向きはアネゴタイプ >好き:酒・戦い・ネコ >嫌い:ツマラナイこと・イヌ >武器:おおぶりの金属の扇 > 眼帯の下の邪眼 > ↑は、ランダムに 石化と魅了 >口調:廓言葉 > 一人称 あちき > 二人称 坊 嬢 > 三人称 呼び捨て >実力:ゼロスくらいなら 三分で倒せる >挨拶:あちきが レスでおやす。 > よろしゅう、おおきに。 > >備考:オカマの両刀さん > 好みは ルピか語り部さん > キライなのは アリエス嬢 > たぶん 会うなりルピを口説くだろう。 > > > >昔 書いたオリジナルからです。 >どうぞ キャラ濃いですが(^_^;) > >では 失礼します。 朱姫:濃いですねぇ〜。まあ、首領さんもキャラそれなりに濃いので、釣り合い取れてちょうどいい気がしますが。 語り部:と、言うわけで、採用決定、と。 朱姫:本当に、毎回毎回どうもありがとうございます! 二人:では、短いですがこの辺で! > > > > > |
17129 | 時の旅人 13:神の世の秩序 | 朱姫 依緒琉改め羅城 朱琉 | 2005/7/11 08:26:32 |
記事番号17046へのコメント こんにちは!朱姫 依緒琉改め、羅城 朱琉(らじょう あける)です。 オフ友にペンネームがばれたので、いつも使っているペンネームに統一しました。今後とも、よろしくお願いします。 さて、最近は週1話ペースになってしまって、この分だと完結までどれだけかかるやら、少々不安ですが、地道にいきたいと思います。 では、本編へどうぞ!今回は、少し短いです。 時の旅人 13:神の世の秩序 初めて体験した空間移動の感想はただ一言。『変な感じ』だった。 空間移動を終えて降り立った場所もまた奇妙な所で、アリエスは少しだけ混乱した。・・・・空間が歪んでいる、とでも言うのだろうか?妙に現実感のない、『うねうね』した空間。『何か』が、濃い。 「ついたよ、アリエス!」 アリエスは、一つ深呼吸をして冷静さを取り戻すと、辺りを見回した。得体の知れない、何もない空間。アリエスはいぶかしげに言った。 「ここが、ですか?」 サラは自身たっぷりに頷く。 「『感じて』みてよ。」 アリエスは、とりあえず言われるがままにする。瞳を閉じて、感覚を広げてゆく。と・・・・ 『それ』は、あった。 「これが・・・・」 「そう、これが、異界黙示録!」 目には見えぬオーブを前に、アリエスは呆然と目を瞠った。 ふらりと、アリエスはそれに歩み寄る。罠、と思わなかったわけではないが、藁にも縋る思いとでも言うのだろうか?もしこれが罠でもいい、とアリエスは思ったのだ。それは、普段の彼女からはとても考えられないような事で。つまりは。 アリエスは、そのくらいに疲れていたのだ。 アリエスの手が伸ばされる。あと少しで、それに触れようかという刹那、唐突にアリエスは飛びずさった。駆け抜けていった、壮絶な殺気をよけるように。次の瞬間、殺気と同じ軌跡を通って、不可視の刃が駆け抜けた。 「うわ!厄介なのが来た!」 サラの声が慌てている。 軌跡を逆に辿って宙を見上げる。そこには、青い男性が佇んでいた。 水色の髪は、下ろせば肩に届くであろう。瞳は底光りする青で、何故か場違いににっこりと微笑んでいる。フードつきのマントは青、広い袖口の上着は水色、長ズボンは群青色。空を切り取ったかのように青の濃淡のみで構成された彼は、その手に振り切ったままの身の丈サイズの大鎌を携えて、さらに深く微笑んだ。 「こんにちは。こんな所にいる人が僕以外にいるなんて、奇遇ですねぇ〜。」 殺気つきで攻撃しておいて何を言う、と言いたかったのだが、なんとなく飲み込んで、アリエスはサラに問うた。 「あの方は?」 サラは、一言言った。 「歩く『神』災よ。」 男は笑みを湛えたまま、やれやれと言ったポーズをとった。 「ひどいですねぇ。魔族如きに言われたくないですよ。・・・・あ、僕、神族の者で、スティルハード=ノースと言います。スティルでいいですよ。あなたがアリエスさんですか?」 アリエスは、スティルと名乗った青年を睨み付けた。 「怖いですね〜。」 「少なくとも、突如攻撃してきたあなたのほうが余程恐ろしいと思いますが。」 スティルは心外だ、と告げる。 「ちゃんと、殺気放ったでしょう?よけられるように気を使ったんですよ?」 それを気を使ったと言うのだろうか?そうだとしても、アリエスは彼を信用する気にはなれなかった。・・・・彼のように、微笑みの裏に『何か』を潜ませた者は。 「とにかく!」 サラが突然大声を上げた。 「こんな所で何やってるのよ?『死神』スティルが。用がないならさっさと帰ったらどうなの?今日だけは見逃してあげてもいいわよ。」 「そちらこそ。ここで消えるならば、見逃してあげても良いですよ?」 神と魔は、しばし無言で対峙する。そして、沈黙のときの後、どちらからとなく言った。 「「仕方ない」」 スティルが大鎌を構え、サラがマントを翻す。大鎌から発生した衝撃波を、ざわめきながら大きくなったマントが跳ね返し、包み込み消滅させる。サラの放った魔力球を、スティルが弾き落とす。同時に、二人の体がぶれた。アストラルサイドと、この場と、二つの世界を舞台にして、目には見えぬ死闘が繰り広げられる。 アリエスはそれを見ながら、頭を回転させていた。 (異界黙示録は・・・・ノースさんの後ろ。気付かれず回り込むのは不可能ですね。・・・・全く、残念です。しかし・・・・なぜ彼らはこれほど気を使った戦い方をしているのでしょうか?) よくよく見るとサラが消滅させている衝撃波は、アリエスの方に来るものだけ。スティルの弾き返す魔力球は、決してアリエスには飛んでこない。わざわざ防御呪文を唱えた意味がない、と思い、よくよく見たら、分かった。 試しに、アリエスは動いてみる。先ほどまで、何発もの流れ弾が当たった場所に。すると、今度はそこだけ、流れ弾が来なくなった。 (意図的に、私を避けるようにしている?・・・・・・・・いえ、むしろ、私をかばっている?) 神が、魔が、なぜ・・・・? 疑問が、アリエスの心に満ちた。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。今回は、どうだったかな? さて、今回初登場は、リラーイド=ヴァイスさんより頂いた神族スティルハード=ノース。リラーイドさん、どうもありがとう! ようやっと、初回募集五人が全員そろったね。ここからは、もう募集順序なんて関係なしでいろんな人が出てくると思うけど。 さて、では語ろうか。未来に連なる一片を。 約束をした。共に歩いた。しかし・・・・ 突如消えたその姿に、戸惑う足はただ迷う。 必要なものは、導くモノ。 だから、姿を現すのだ・・・・ 次回、『時の旅人』14話、『絆、信じて』 どうか次に会うときまで、君の行く道に幸多からん事を・・・・ |
17133 | 出たー!!!! | リラーイド=ヴァイス | 2005/7/11 18:49:46 |
記事番号17129へのコメント > こんにちは!朱姫 依緒琉改め、羅城 朱琉(らじょう あける)です。 > オフ友にペンネームがばれたので、いつも使っているペンネームに統一しました。今後とも、よろしくお願いします。 あ、変わったんですか?では羅城 朱琉さま、今後ともよろしくお願いします。 > 水色の髪は、下ろせば肩に届くであろう。瞳は底光りする青で、何故か場違いににっこりと微笑んでいる。フードつきのマントは青、広い袖口の上着は水色、長ズボンは群青色。空を切り取ったかのように青の濃淡のみで構成された彼は、その手に振り切ったままの身の丈サイズの大鎌を携えて、さらに深く微笑んだ。 スティルハードだスティルハードだ! 苗字は「ノース」なのに友達には「レイス」とかって言ったのは秘密vなスティルハードだ! >「歩く『神』災よ。」 お、サラさんナイス!そんな感じのイメージです(どんなだ)! >「「仕方ない」」 > スティルが大鎌を構え、サラがマントを翻す。大鎌から発生した衝撃波を、ざわめきながら大きくなったマントが跳ね返し、包み込み消滅させる。サラの放った魔力球を、スティルが弾き落とす。同時に、二人の体がぶれた。アストラルサイドと、この場と、二つの世界を舞台にして、目には見えぬ死闘が繰り広げられる。 かっこいー。ここまでかっこいくなるとは予想外。ヘタレなイメージが強かったもので。 >語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。今回は、どうだったかな? > さて、今回初登場は、リラーイド=ヴァイスさんより頂いた神族スティルハード=ノース。リラーイドさん、どうもありがとう! いえいえ、こちらこそ使っていただいてありがとうございます。 またキャラクター募集でもあったら投稿させていただくと思います。 では、この辺で。短いですが失礼します。 |
17136 | お待たせしました | 羅城 朱琉 | 2005/7/12 08:28:54 |
記事番号17133へのコメント >> こんにちは!朱姫 依緒琉改め、羅城 朱琉(らじょう あける)です。 >> オフ友にペンネームがばれたので、いつも使っているペンネームに統一しました。今後とも、よろしくお願いします。 > >あ、変わったんですか?では羅城 朱琉さま、今後ともよろしくお願いします。 羅城:こんにちは!レスありがとうございます。 > > >>「歩く『神』災よ。」 > >お、サラさんナイス!そんな感じのイメージです(どんなだ)! 羅城:人災ならぬ震災ならぬ『神』災。 語り部:設定読んでたら、ぽん、と浮かんだらしいよ、この呼び名。 > >>「「仕方ない」」 >> スティルが大鎌を構え、サラがマントを翻す。大鎌から発生した衝撃波を、ざわめきながら大きくなったマントが跳ね返し、包み込み消滅させる。サラの放った魔力球を、スティルが弾き落とす。同時に、二人の体がぶれた。アストラルサイドと、この場と、二つの世界を舞台にして、目には見えぬ死闘が繰り広げられる。 > >かっこいー。ここまでかっこいくなるとは予想外。ヘタレなイメージが強かったもので。 語り部:実は、初期設定はもっとヘタレ・・・・というかいい加減だったんだよね。 羅城:まあ、結果こうなりましたけど。 > >>語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。今回は、どうだったかな? >> さて、今回初登場は、リラーイド=ヴァイスさんより頂いた神族スティルハード=ノース。リラーイドさん、どうもありがとう! > >いえいえ、こちらこそ使っていただいてありがとうございます。 >またキャラクター募集でもあったら投稿させていただくと思います。 >では、この辺で。短いですが失礼します。 羅城:キャラ募集・・・・多分あと1回くらいはやるかも・・・・ 語り部:その前に、話を進めようね、朱琉。 羅城:がんばりますです・・・・。 二人:では、今回はこの辺で! |
17134 | Re:時の旅人 13:神の世の秩序 | 十叶夕海 | 2005/7/11 20:39:53 |
記事番号17129へのコメント 改めてよろしくです。羅城さん。 次にどんな展開になるのかたのしみです。 多分、年下の人に本気(マジ)に姐御と呼びたくなったの二人目です。 ちなみに一人目は 遥琥狛さんだったり。 明日か明後日 「孤独な涙」午後入れます。 次回も楽しみです。 それでは。 |
17137 | いえいえ、私なんぞ・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/7/12 08:36:55 |
記事番号17134へのコメント >改めてよろしくです。羅城さん。 羅城:こんにちは!レスありがとうございます! 語り部:名前は変わったけど、今後ともよろしくね。 > > >次にどんな展開になるのかたのしみです。 羅城:次は、久々にルピ君登場です。 語り部:ちなみに、本編ほっといて先へ進んでるあらすじでは、ルピ君スーパーキャラ化進行中(笑) > >多分、年下の人に本気(マジ)に姐御と呼びたくなったの二人目です。 羅城:いえいえ、私なんぞまだまだ未熟もいいところで。 語り部:夕海さんの話読んでいつも感心してるよ。場面転換絶妙だし、伏線の張り方上手いし、話も読みやすくて。 > >> > >明日か明後日 「孤独な涙」午後入れます。 羅城:楽しみにしています。 > > > 次回も楽しみです。 それでは。 二人:それでは、また! |
17135 | Re:時の旅人 13:神の世の秩序 | 神高 紅 | 2005/7/11 23:54:01 |
記事番号17129へのコメント 紅:どーもこんばんは紅です。レスのたびにお久しぶりなのは気のせいだと僕は思ってます。思いたい。 コ:だからなあ・・・なぜ貴様は素直に遅れてゴメンと言えんのか。 ク:もはや遺伝子レベルでの・・問題なんでしょう・・ 紅:はっはっはじゃあレス行きませう。 ク:また無視するし・・ > こんにちは!朱姫 依緒琉改め、羅城 朱琉(らじょう あける)です。 > オフ友にペンネームがばれたので、いつも使っているペンネームに統一しました。今後とも、よろしくお願いします。 > さて、最近は週1話ペースになってしまって、この分だと完結までどれだけかかるやら、少々不安ですが、地道にいきたいと思います。 > では、本編へどうぞ!今回は、少し短いです。 紅:羅城 朱琉さんとなられましたかこれからもどうぞよろしく。 コ:週一でも十分早いよなあ? ク:ええ・・紅なんて今書いてるの・・月一すら危ういのに・・ 紅:それを言われると・・・ >「そう、これが、異界黙示録!」 > 目には見えぬオーブを前に、アリエスは呆然と目を瞠った。 > ふらりと、アリエスはそれに歩み寄る。罠、と思わなかったわけではないが、藁にも縋る思いとでも言うのだろうか?もしこれが罠でもいい、とアリエスは思ったのだ。それは、普段の彼女からはとても考えられないような事で。つまりは。 > アリエスは、そのくらいに疲れていたのだ。 ク:つもり積もった疲労は・・とてもとてもおもいもの・・それが数百年単位となれば無理からぬこと・・ コ:ちりどころか、山が積もって山脈にでもなったか。それともここ最近の事か? >「あの方は?」 > サラは、一言言った。 >「歩く『神』災よ。」 コ:くく・・・なかなか上手いことを言う。言いえて妙だな。 ク:まるで台風みたいな感じです・・ >「怖いですね〜。」 >「少なくとも、突如攻撃してきたあなたのほうが余程恐ろしいと思いますが。」 > スティルは心外だ、と告げる。 >「ちゃんと、殺気放ったでしょう?よけられるように気を使ったんですよ?」 > それを気を使ったと言うのだろうか?そうだとしても、アリエスは彼を信用する気にはなれなかった。・・・・彼のように、微笑みの裏に『何か』を潜ませた者は。 紅:それは気を使ったとは言わないですよ・・・ ク:せめて最初から外す位はしないと・・ コ:論点が違うだろーが!そもそもいきなり攻撃するのがだめなんだよ。 >(意図的に、私を避けるようにしている?・・・・・・・・いえ、むしろ、私をかばっている?) > 神が、魔が、なぜ・・・・? > 疑問が、アリエスの心に満ちた。 ク:きっとアリエスさんとなかよく・・ コ:(無視)まあ神に魔・・・どちらにせよろくでもないたくらみなのは事実だろうがな。 > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。今回は、どうだったかな? > さて、今回初登場は、リラーイド=ヴァイスさんより頂いた神族スティルハード=ノース。リラーイドさん、どうもありがとう! > ようやっと、初回募集五人が全員そろったね。ここからは、もう募集順序なんて関係なしでいろんな人が出てくると思うけど。 > さて、では語ろうか。未来に連なる一片を。 > 約束をした。共に歩いた。しかし・・・・ >突如消えたその姿に、戸惑う足はただ迷う。 > 必要なものは、導くモノ。 > だから、姿を現すのだ・・・・ > 次回、『時の旅人』14話、『絆、信じて』 > どうか次に会うときまで、君の行く道に幸多からん事を・・・・ ク:はい・・ではまた『いつか』会いましょう・・ではさよなら・・ コ:じゃあな。また『いつか』会おうぜ。 紅:お前ら・・・それは僕に対する当てこすりか? コ&ク:さあ? 紅:く・・・とにかくではまた今度会いましょう。さよーなら。 |
17138 | かめ歩き・・・・? | 羅城 朱琉 | 2005/7/12 08:46:57 |
記事番号17135へのコメント >紅:どーもこんばんは紅です。レスのたびにお久しぶりなのは気のせいだと僕は思ってます。思いたい。 >コ:だからなあ・・・なぜ貴様は素直に遅れてゴメンと言えんのか。 >ク:もはや遺伝子レベルでの・・問題なんでしょう・・ >紅:はっはっはじゃあレス行きませう。 >ク:また無視するし・・ 羅城:こんにちは!レスありがとうございます! 語り部:早速だけど、返レスだ。 >> こんにちは!朱姫 依緒琉改め、羅城 朱琉(らじょう あける)です。 >> オフ友にペンネームがばれたので、いつも使っているペンネームに統一しました。今後とも、よろしくお願いします。 >> さて、最近は週1話ペースになってしまって、この分だと完結までどれだけかかるやら、少々不安ですが、地道にいきたいと思います。 >> では、本編へどうぞ!今回は、少し短いです。 >紅:羅城 朱琉さんとなられましたかこれからもどうぞよろしく。 >コ:週一でも十分早いよなあ? >ク:ええ・・紅なんて今書いてるの・・月一すら危ういのに・・ >紅:それを言われると・・・ 語り部:通学時間はそれなりだけど、バイトしてないサークルもなし、せいぜい帰りに本屋に寄り道、くらいしかしてない朱琉だからねぇ・・・・。 羅城:だって、眠いのよ! 語り部:睡眠時間8時間のくせに。それでいいのか短大生? >>「そう、これが、異界黙示録!」 >> 目には見えぬオーブを前に、アリエスは呆然と目を瞠った。 >> ふらりと、アリエスはそれに歩み寄る。罠、と思わなかったわけではないが、藁にも縋る思いとでも言うのだろうか?もしこれが罠でもいい、とアリエスは思ったのだ。それは、普段の彼女からはとても考えられないような事で。つまりは。 >> アリエスは、そのくらいに疲れていたのだ。 >ク:つもり積もった疲労は・・とてもとてもおもいもの・・それが数百年単位となれば無理からぬこと・・ >コ:ちりどころか、山が積もって山脈にでもなったか。それともここ最近の事か? 羅城:どっちもありますが、主に数百年分の方ですね。 語り部:わかりにくくてごめんね。 >>「あの方は?」 >> サラは、一言言った。 >>「歩く『神』災よ。」 >コ:くく・・・なかなか上手いことを言う。言いえて妙だな。 >ク:まるで台風みたいな感じです・・ 語り部:地震・雷・火事の類、ってね 羅城:親父を意図的に抜かすあたり、なんと言うか・・・・ >>「怖いですね〜。」 >>「少なくとも、突如攻撃してきたあなたのほうが余程恐ろしいと思いますが。」 >> スティルは心外だ、と告げる。 >>「ちゃんと、殺気放ったでしょう?よけられるように気を使ったんですよ?」 >> それを気を使ったと言うのだろうか?そうだとしても、アリエスは彼を信用する気にはなれなかった。・・・・彼のように、微笑みの裏に『何か』を潜ませた者は。 >紅:それは気を使ったとは言わないですよ・・・ >ク:せめて最初から外す位はしないと・・ >コ:論点が違うだろーが!そもそもいきなり攻撃するのがだめなんだよ。 語り部:気を使ったのか、別の『何か』があったのか。 羅城:とにかく、裏の多い人のようです。 >>(意図的に、私を避けるようにしている?・・・・・・・・いえ、むしろ、私をかばっている?) >> 神が、魔が、なぜ・・・・? >> 疑問が、アリエスの心に満ちた。 >ク:きっとアリエスさんとなかよく・・ >コ:(無視)まあ神に魔・・・どちらにせよろくでもないたくらみなのは事実だろうがな。 語り部:今後に乞うご期待だ。 羅城:いろいろありすぎるアリエス嬢、ですからね。 >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!また会えて嬉しいよ。今回は、どうだったかな? >> さて、今回初登場は、リラーイド=ヴァイスさんより頂いた神族スティルハード=ノース。リラーイドさん、どうもありがとう! >> ようやっと、初回募集五人が全員そろったね。ここからは、もう募集順序なんて関係なしでいろんな人が出てくると思うけど。 >> さて、では語ろうか。未来に連なる一片を。 >> 約束をした。共に歩いた。しかし・・・・ >>突如消えたその姿に、戸惑う足はただ迷う。 >> 必要なものは、導くモノ。 >> だから、姿を現すのだ・・・・ >> 次回、『時の旅人』14話、『絆、信じて』 >> どうか次に会うときまで、君の行く道に幸多からん事を・・・・ >ク:はい・・ではまた『いつか』会いましょう・・ではさよなら・・ >コ:じゃあな。また『いつか』会おうぜ。 >紅:お前ら・・・それは僕に対する当てこすりか? >コ&ク:さあ? >紅:く・・・とにかくではまた今度会いましょう。さよーなら。 二人:それでは、また! |
17141 | 時の旅人 14:絆、信じて | 羅城 朱琉 | 2005/7/14 08:22:02 |
記事番号17046へのコメント こんにちは!羅城 朱琉です。 久々の、週2更新!・・・・と、言いつつ、7月22日から8月終わりまでは、全く更新できなくなるんですけど。 終わったら、一気に何話か進めるので。夏休みにつき、ご容赦を。 では、早速どうぞ! 時の旅人 14:絆、信じて 柔らかな朝の日差しが、窓から差し込んでルピナスを照らした。くしゃ、と髪を掻き揚げて、身を起こそうとする。案の定、髪は短くなっていて、この身にかかる呪いの存在を主張していた。 大きく一つ、伸びをする。しかし、珍しい。アリエスが自分より遅くまで寝ているなんて。ルピナスはアリエスを起こそうと、窓際のベッドに視線を移す。しかし。 そこに、見慣れた銀の色は無かった。 「アリ・・・・エス・・・・?」 ひょっとして、下の食堂にでもいるのだろうか?そう思い、ドアを開けて心持ち早足で階段を下りる。そこにはまばらに客の姿があるが、アリエスの姿は無い。 「あの・・・・」 店主と思しき壮年男性と、その妻であろう壮年女性に、手早くアリエスの特徴を伝える。しかし、二人はそろって首を横に振った。今朝は見ていないし、外に出た形跡もないという。 と、後ろから声が掛けられた。フィッツだ。振り向くと、彼と共にアイムもいる。 「何が、あった?」 「フィッツ・・・・。アリエスを見なかったかい?」 フィッツとアイムは顔を見合わせる。しばし記憶を辿るように視線を彷徨わせたが、二人そろって首を横に振った。 「知らない。アリエスは、ここにはいない?」 ルピナスは、絶望的な面持ちで頷いた。 「どうして・・・・?」 フィッツは、考え込んだ末に言った。 「おかしい。アリエスは、何も言わずに、消えることはない。何かに巻き込まれたと考えるほうが、適当。」 「はやくさがしたほうがいいとおもうよ。ぼく、なんだかいやなよかんがする。」 アイムがそう呟く。ルピナスはそもそもその気だったようだ。朝食も取らず、宿の支払いを手早く済ませると、外に飛び出した。 「ルピナス。二手に分かれる。アイム、行こう。」 そして、二人は別方向に駆け出した。それを見届ける間もなくルピナスも走り出して・・・・ そこには、誰もいなくなった。 * * * * * しばらく走った後、町外れでフィッツとアイムは足を止めた。お互い、ルピナスと語っていた時とは別人のような顔をして。 「・・・・結界、張られてた。」 フィッツは、重々しく呟いた。 「ああ。・・・・全く、忌々しい。どうして人間如きのために、ここまで苦労をする必要がある!?」 アイムが、言った。その可愛らしい顔を歪めて、吐き捨てる。 「それが、『あの方』の命令。何を言っても、出し抜かれたのは事実。」 相変わらず淡々と呟くフィッツに、アイムは僅かに軽蔑の色を混ぜた眼差しを送った。 「『あの方』、『あの方』って、結局考えなしに従ってるだけではないのかね?」 「・・・・『傍観者』に、自己決定権は必要ない。それに・・・・理解して、受け入れて、ここにいる。」 「・・・・チッ。」 アイムとて、わかってはいるのだ。 アイム=イーシェル。 本来いるべき世界と、存在する理由を失いながら、それでも『母』の御許へ還れぬ皮肉・矛盾・苦悩を抱えるもの。いつか還る、そのために、『傍観者』の任を引き受けた。 全ては、思いを貫く、そのために。 今は『あの方』に従う。 フィッツもまた、似たようなものであるのだけれど。 しばしの沈黙の後に、フィッツは相変わらずの口調で呟いた。 「とにかく、探す。多分、『調律師』が誰か、近くにいるはず。」 「流石フィッツ君!鋭いねぇ。」 答えるように、森から陽気な声が帰ってきた。それを聞いたとたん、アイムがイヤな顔をする。フィッツはそれに気付いてはいたが、あえて無視をした。 「来てたなら、早く言ってほしい。『矯正の鈴音』ファリウ。」 がさりと茂みを掻き分け出てきたのは、あのファリウだった。 「今、来たのよ。私だって忙しかったんだからね。」 「それが、貴様ら『調律師』の仕事だろうに。」 アイムの口調は、先ほどより更に見下すような調子が強い。しかし、ファリウは全く怯まず、言う。 「仮にも同じ陣営なんだから、少しは打ち解けようよ〜。・・・・ま、それはそれとして。実際、昨日の結界どうにかしたのは私なんだからね!とやかく言われる筋合いないし。」 それを聞いて、アイムは不機嫌にそっぽを向いた。フィッツは、軽く頭を下げる。 「手間を、かけた。すまない。」 ファリウは、にへら、と笑う。 「いいのいいの。それこそ『仕事』よ。・・・・で、本題ね。私がここに来たのは、アリエスちゃん発見に協力するためじゃないのよ。」 流石に、二人の目が厳しくなったのを見て、ファリウは慌てて手をぱたぱた振る。 「いやいや、私の言いたいのは、その必要がなくなった、ってこと。」 「どういう、意味?」 ファリウは、こめかみに指を当てて、いかにも言いづらそうに告げた。 「あのね、その・・・・・・・・ ・・・・・・・・自称『語り部』さんが、向かった。」 意味が理解できた瞬間、二人は固まった。 * * * * * ルピナスは、あてもなく走っていた。アリエスを探して。朝日に浸された町には人影はまばらで、彼の行く手を阻むものはない。だから、ルピナスは走り続けた。ただ一人の、その姿を求めて。 (何を考えているの?レン。得体の知れない拾い物は止めてほしいと言ったと思うんだけど。) 初めて出会った彼女は、そう言って冷たい眼差しを向けた。 それでも、いつしか『信じる』と言ってくれるようになった。 そして・・・・ (必ず、呪いを解き、記憶を取り戻しましょうね。) (アリエス、あんたもよ。) ・・・・・・・・約束を、したのだ。 他愛のないもの、と人は言うかもしれない。それでも、その約束は・・・・ 隣にいてもいいと。共に歩んでもいいと。そう、許された気がして。 嬉しかったのだ。 あれは、つい昨日のことだったのに・・・・。 「アリエス・・・・」 呟いた声は、情けないほどに掠れていた。 「お困りのようだね?」 声は、唐突に聞こえた。いつの間にやら立ち止まっていたルピナスの、その傍らから。 「あなたは、確か・・・・」 「語り部、だよ。」 そして、語り部は優しく微笑んだ。 「力を貸してあげよう。君が強く思うもの・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナの元へ至る道を、示そう。」 ルピナスは、呆然と語り部を見返した。語り部は、その表情から言葉を読み取って、答えを返す。 「なぜ、って?理由は簡単。君の・・・・君たちの事を、気に入っているからだよ。・・・・ああ、それだけじゃ信じられない?そうだね・・・・。実は、僕にもそれなりのメリットがないわけじゃないんだ。・・・・罠かもしれない、って?・・・・まあ、そればかりは信じてほしい、と言うしかないけど。でも、これだけは言っておくよ。アリエスが今いる場所は、普通の方法では何年かかってもたどり着けない場所だ。一種の異界、といってもいいかもしれないね。・・・・さあ、どうする?」 語り部が、誘うように手を差し伸べる。ルピナスは悩んだ。それでも、一縷の望みが、ここにあるのなら。そして。 ルピナスは、語り部の手を取った。 「じゃあ、行こうか。」 少しだけ歩いて、二人は少し開けた場所にいた。語り部が言うには、呪文だけじゃなく、ここにあらかじめ書いておいた魔法陣の力も借りるという。 「君は、アリエスの事を思ってて。・・・・しっかりとたどり着けるかは、君とアリエスの絆の強さにかかってるんだから。」 そうとだけ言って、語り部は半分目を閉じる。その口から緩やかに呪文が流れ出し、辺りに満ちた。それに伴い、足元の魔法陣が輝きだす。 ルピナスは、瞳を閉じた。心の中で、アリエスを呼びながら。 一際、魔法陣の輝きが増す。それが消えたときには、既に二人の姿は消えうせ、陣の残滓すら風に溶けていった。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ、こんにちは!会えて嬉しいよ。第14話、どうだったかな? 久々のルピナス登場、そして、初めてアリエスが出なかった今回、別名・謎と疑問のバーゲンセール状態になってしまったね・・・・。 まあ、とにかく語ろうか、未来の欠片を。 少女は疑問を抱き、振り向いた。 青年は決意を秘め、前を見つめた。 廻る時代の歯車に、一つの終わりを創るとき 蠢く過去は、今再び現れる。 次回、『時の旅人』15話、『真理に至るためのさまざまな道筋』 何か、段々タイトルが微妙になってゆく・・・・ 語:ここからは、朱琉と共にお知らせだよ。 朱琉:現在の一件(一応、便宜上第2部と呼びます)は、17話で終了予定です。間に休みを挟むから、それは9月になると思いますが。 語:それでまあ、またその間に番外の『徒然編』を入れる、と。そういうことだよね?朱琉。 朱琉:はい、そうなります。それで、誰の短編を書くかなんですけど・・・・人気投票(みたいなこと)をして、一番人気の人を中心とした短編を書こうと思います。 語:またしても、朱琉お得意の突発企画だね、まったく・・・・。まあ、付き合ってくれると嬉しいな。 朱琉:方式は、一人持ち点10点ずつで、振り分けてください。ただし、少数、分数、負の数、n乗根、虚数その他諸々・・・・まあ、自然数以外禁止ってことです。 語:参考までに、これまで出てきた人たちの名前を挙げておこう。名前だけ登場、って人もいるけど、一通り書いておくよ。 登場した人 アリエス=オルフェーゼ=ラーナ ルピナス=セレス=ヴァリード レンシェルマ=ヴァリード 語り部 リブラ=セイディーン=ラーナ(今は亡き、アリエスの姉) エン=シンザ イヴ=フェアリル ガイア=シュナイダー ギア=シュナイダー エア=シュナイダー ディオス=シュナイダー(ガイア・ギア・エアの父親) ロード・インフェリス(ブレードヴィレッジ領主) エイブ(エアを操っていた人) 『封じられしモノ』 フェリセ(100年ほど前の人。アリエスの亡き親友) フィッツ=シュトラール アイム=イーシェル ファリウ サラ=ナナシ スティルハード=ノース ・・・・とまあ、こんなものかな? 朱琉:総勢20人・・・・。 語:って、書いといて言うのもなんだけどさ。エイブとかロード・インフェリスとか、ディオス=シュナイダーとかフェリセとかがトップ取ったらどうするのさ? 朱琉:そんなことないって!・・・・と、信じたい。まあ、ホントにそうなったら、頑張って書きます。 語:・・・・まあ、頑張れ。と、言うわけでよろしくね!期間は、第16話を更新するまで。多分、9月前半になるだろうね。 朱琉:とりあえず、休み前は後1話更新できるかどうか・・・・。どうか、よろしくお願いします。 語:じゃあ、そろそろこの辺で。季節がら夏風邪が流行っているようだし、体調には十分気をつけて。 二人:それでは、また! |
17143 | Re:時の旅人 14:絆、信じて | 十叶夕海 | 2005/7/15 20:05:48 |
記事番号17141へのコメント 調子が悪くならないうちに。 要件をだけ。 語り部 三点 イウ゛ 三点 レン 四点 ということで |
17144 | ありがとうございました! | 羅城 朱琉 | 2005/7/19 08:20:45 |
記事番号17143へのコメント ありがとうございました!書くのは夏休みが終わってからになると思いますが、気長に待っていてください。 |
17145 | 時の旅人 15:真理に至るためのさまざまな道筋 | 羅城 朱琉 | 2005/7/19 08:23:20 |
記事番号17046へのコメント こんにちは、羅城 朱琉です。 ついに15話!本格的に、キーキャラクターの大半が出揃った感じです。 では早速、本編へどうぞ! 時の旅人 15:真理に至るためのさまざまな道筋 一瞬、眩い輝きに包まれたと思ったら、既にルピナスは全く別の場所に立っていた。 「う〜ん・・・・ちょっとずれたみたいだね。まあ、このくらいなら許容範囲内だし、いいか。」 語り部が呟く。ルピナスは、辺りの空間を見渡した。この世ではありえぬような、歪んだ景色。数多の色彩が溶け合い、結果として一つの世界を構成しているように見える。と、語り部がルピナスの手を取った。 「気をつけて。僕の手を、絶対離さないでね。迷ったら、一生出てこられないよ。」 「あの、ここは?」 ルピナスの問いに、語り部は詠うように答えた。 「ここは、大いなる力の残滓を収めた、無限の迷宮。その果てに眠る知識の泉を、人はこう呼ぶ・・・・異界黙示録、と。」 「異界黙示録!?」 「そう。じゃ、行こうか。」 簡潔に答え、語り部は歩き出す。片手にルピナスの手を取って。一瞬の躊躇もなく、歪んだ空間を進んでいった。 その背後に、一羽の黒揚羽が舞った。 * * * * * アリエスは、戦いの成り行きをその目で見守りながらも、異界黙示録の元へ向かおうとしていた。 サラとスティル、二人の実力は伯仲している。かれこれもうかなりの時間、二人は戦い続けていた。その間、やはりアリエスには一切流れ弾は来ない。しかし、アリエスが異界黙示録に近づこうとすると、牽制するかのように、当たらない攻撃が飛んでくるのだ。その主は、決まってスティル。 (つまりは、ナナシさん・・・・魔族側は、私が異界黙示録をみることに頓着しない、もしくはそれを欲している。ノースさん・・・・神族側は、私が異界黙示録を見ることを良しとしていない、ということでしょうね・・・・。) よくよく考えてみれば、スティルが現れたときの一撃は、アリエスと異界黙示録の間を引き裂くように飛来したのであって。 アリエスは、小さく溜息をついた。 (仕方ありませんね。神にも魔にも味方する気はありませんが、異界黙示録は役立ちそうですから。今回は・・・・神に退場して頂きましょう。) ‘’封滅’’の銀晶輝を、手元に残しておいてよかった。天雷閃では、神にダメージを与えられるかわからなかったから。 「『天の煌き宿す刃よ 遍く力を封ずる楔となれ』」 意味のある呪文、というわけではない。ただの、カオス・ワーズでの呼びかけ。それでも、剣は応える。 銀晶輝に刻まれているモチーフは、アストランティア。『星』の名を持つその花は、『願いをこめて』の花言葉を持つ。これは、真摯な心に応える剣。アリエスの心が、本当にに真摯なものか、それはわからない。それでも、覚悟を決めた心は、強い。だから、剣は応えたのだ。 それなりの長さのある剣を、アリエスはナイフ投げの要領で投げた。スティルは、それに気付いて回避行動をとる。 アリエスはそもそも、当てようと思って剣を投げたわけではない。一瞬、隙が出来ればそれでよかったのだ。なぜなら・・・・ その一瞬の隙は、実力伯仲の二人の戦いにおいて、致命的なものになりうるから。 サラが、会心の笑みを浮かべる。一瞬で、決着はつくかと思われた。 しかし・・・・ 「はい、そこまで。」 柔らかく音楽的な声と共に飛来した幾筋もの光の線が、剣と、サラと、スティルと。全てを絡め取ってその場に固定してしまった。 揺らいだ空間の一部が透けて、そこから二人の人物が現れる。片方は、声の主。白と銀を纏った、曖昧な印象の吟遊詩人・・・・自らを『放浪の語り部』と称する者。そして、もう一人はよく見知った顔。赤みの強い茶髪と、空のように青い瞳。紺を基調とした魔道士の服。・・・・ルピナス=セレス=ヴァリード。 「君たち、少しやりすぎだ。ここがどこだかわかってる?こんな不安定な空間で、あまり派手なことしないでほしいな。」 光の線は、語り部の手から出ていた。もっと正確に言うのであれば、語り部の背負う弦楽器から。そう、光の線の正体は、語り部の持つ楽器の弦。それだけのはずなのに、サラも、スティルも動けない。アリエスもまた、得体の知れぬ語り部の、意外な程の実力を目の当たりにして、金縛りにあったかのように動けなくなっていた。 語り部は、この場にそぐわない爽やかな微笑を浮かべる。 「ねえ、この場は僕に免じて、全員引いてくれないかな?」 要請という形は取っているものの、それはほぼ命令だった。証拠に、弦に、ぎり、と力が籠められる。サラとスティルは一瞬の逡巡の後に、空間を渡りその場から消えうせた。 パラリと弦が落ちる。それが地に着く前に語り部が弦を引き戻す。宙に固定されていた銀晶輝が、音を立てて転がった。 「・・・・さ、帰ろうか。」 さらりと告げた語り部に、アリエスが慌てて抗議した。 「な・・・・。ここまで来たのに、このまま帰れと!?異界黙示録はすぐそこにあるのに!」 「じゃあ、言っておくけど・・・・」 語り部の声は、妙に平坦で。 「そこに、君の求める知識はないよ。時を再び動かす方法も、解呪の方法も。」 「な・・・・」 アリエスは、愕然とした面持ちで絶句した。ルピナスも、声に出さずに驚いている。・・・・当たり前だ。語り部は、彼らの事情など知らないはずなのだから。アリエスの視線がさっと動き、ルピナスを捕らえる。ルピナスは、愕然としたまま首を横に振った。言っていない、と意味を籠めて。 語り部は続ける。 「アリエス、時を動かす方法は、異界黙示録には・・・・水竜王の知識にはない。なぜなら、それは遍く時を司る神、『金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)』と対を成す、『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』の領域だから。ルピナス、解呪の方法は、何に問うても明確な答えを得ることは出来ない。なぜなら、それは厳重に秘されていて、全てを知るのは施術者のみ。そして施術者は、神すら欺く力の持ち主だから。」 アリエスは、震える声で問うた。 「あなたは、何を知っているのですか・・・・。・・・・あなたは、一体、何者ですか・・・・?」 語り部は、ひらりと衣をたなびかせた。3人の足元にうっすらと光が灯り、魔法陣と化す。語り部は、光が爆ぜる刹那、言った。 「さあ?・・・・僕は『放浪の語り部』。今は、それだけしか告げられないんだ。でもね、君は、答えを知っているんだよ?アリエス。」 * * * * * 光が消えたとき、アリエスとルピナスはファルメア・シティの外れの森にいた。語り部は、いない。アリエスは珍しく感情に揺れる瞳で辺りを見回し、舌打ちした。ルピナスも、語り部の行方を目で探す。しかし、結局見つかることはなかった。ルピナスはそれでもしばらく辺りを探そうとしたが、アリエスに引き止められ、断念した。曰く、『瞬間移動系の魔法が使える相手ならば、既に逃げていて不思議じゃない。ここを探すだけ無駄。』と。そしてそれは、確かにその通りなのだ。 太陽の昇り具合から、恐らくそろそろ昼食時、といったところであろう。ルピナスは、今更ながら僅かに空腹感を覚えた。 「ルピナス・・・・」 アリエスが、小声で言った。 「心配を、かけたようね・・・・。ごめんなさい。」 ルピナスは、小さく首を振る。アリエスは、ぽつぽつと昨夜の顛末を語った。 「本当に、ごめんなさい・・・・。」 小さな声で締めくくり、アリエスは顔を伏せた。泣いているわけではない。悲しいのでも、寂しいのでもない。アリエスは、今の感情を表す言葉を知らなかった。・・・・こんな風に、胸を締め付けられるような気持ちは。 アリエスは思った。ひょっとしたら、自分は怖がっていたのかもしれない。これまで4年間、冷たくしてもついてきてくれたこのルピナスという人物と離れて、孤独な異界で死闘を繰り広げたことが。 4年。そう、たった4年だ。アリエスの長き生に比べたら、何と短いことだろう。その前に、レンと旅した時を合わせても、10年に満たない。その、ほんの僅かな時間の間に・・・・・・・・自分は、なんと弱く、脆くなったことだろう。 弱さは、罪だ。そう、アリエスは思う。誰かに裁定を委ね、ただ涙することほど愚かしいことはない。そう、かつての親友・フェリセが死んだとき、思った。彼女は言った。自分は、『万物に否定された者』なのだと。それがどういう意味か、アリエスには今だわからない。それでも、一つ言えたのは、フェリセは一度として、人に裁定を委ねはしなかった。そうすれば、ただ自分に待つのは『死』のみだ、と言って。その頃の自分はどうだったろう?死ぬことも出来ず、かといって生きているとも言えず、ただ漫然と世界を流れていただけ。自分から何かを選ぶこともなく、ただ、そこにあっただけ。 選択を誤ったのだ、と、フェリセは言った。だから死ぬのだと。しかし、アリエスは分かっていたのだ。その選択を誤った原因は、他でもない、この自分の存在のせいだ、と。それは、違えようのない事実。だから、アリエスは誓ったのだ。『フェリセの友』に恥じぬ、強さを持つと。誰かと共にあるのではなく、流されるのでもなく。ただ自分の意思のみで、ここにあろうと。ここに・・・・フェリセの愛した世界にありたいと。 だからこそ、アリエスは止まった時を動かしたいと願うのだ。その果ての絶対の『死』への憧れは、確かにある。500年の時は長すぎた。もう、疲れたのは、嘘ではない。しかし、それ以上に・・・・ ・・・・アリエスは、『生きたい』のだ。フェリセのように、この世界を。今のように、『外から眺める』のではなく。そのために、強く、強くありたいと願う。そして事実、そうであるように生きてきた。 (でも、私は運が良いので・・・・。・・・・レンシェルマ、そしてルピナス・・・・優しい、優しい人がいるから・・・・ついつい、甘えていたのかもしれませんね・・・・) だから、アリエスはこの感情を『後悔』であると結論付けた。 ・・・・後から思えば、それは全く間違った解釈だったのだけれど。 * * * * * ファルメア・シティに戻りフィッツたちを待つうちに、夜になってしまった。ようやく帰ってきたフィッツとアイムにもアリエスは軽く謝罪をして、一件は終わったように思われた。結局、ファルメア・シティにもう一泊して、明日出発と決め、全員が床に着いたのだった。 アリエスはあまり眠らない。時の流れから切り離されているとはいえ、心は疲れる。だから、アリエスとて眠りは必要だ。しかし、その時間は普通の人と比べると極端に短い。深い眠りは一晩に30分程度で、他はうつらうつらとしているようなものなのだ。だから。 ふと、アリエスは気配を感じた。昨日とは違う。敵意ではない。 (これは・・・・懐かしい?私はこの気配を、知っている気がする・・・・) いても立ってもいられず、アリエスは静かに窓を開け放った。と、ふと背後を・・・・眠るルピナスを振り返り、うっすらと微笑み、囁いた。 「必ず、戻ります。」 そして、アリエスは窓から身を躍らせる。懐かしい気配の主を確かめるために。 下草を踏みしめ、木々をすり抜けて、アリエスは走る。ファルメア・シティ郊外の森は、それほど深くはない。それが幸いして、満ちた月明かりが足元を照らしてくれている。ほとんど飛んでいるかのような速度で、アリエスは森を駆け抜けた。 森を抜けたその先には、小さな湖があった。そのほとりに、人影がある。人影は、ゆっくりとアリエスに歩み寄ってきた。それにつれて、月明かりに晒され、その姿が露わになる。 人影は、女性だった。一番に目に付くのは、そのきれいな銅(あかがね)色の髪。腰まで届くそれは、ゆったりと三つ編みに編まれ、風に揺れていた。その瞳も同じく銅色。全てを包み込むような優しさと、確固たる思いを貫く覚悟のようなものが同居する、不思議な眼差し。上着は珍しいチュニックで、細かな刺繍が入っている。ズボンとブーツは焦げ茶色。マントは闇夜の黒。あちこちを締め付けるように何本ものリボンが巻かれているのが、何とも奇妙だ。しかし・・・・アリエスは知っていた。その、一見珍妙な出で立ちの彼女が、実は驚くべき使い手であり、体中を彩る無数のリボンこそ、彼女の武器だと言うことを。 彼女は、月明かりの中、満面の笑みを浮かべる。滑るような足取りでアリエスの前に立ち、そして・・・・アリエスを抱きしめた。 「やっぱり来てくれたね!アリエス。・・・・会いたかったよ。」 その声に滲むのは、隠しても隠し切れない歓喜。 アリエスは、呆然と彼女の名を呟いた。 「フェリセ・・・・・・・・、フェリセ=ニーランデル・・・・・・・・?」 100年前に死んだはずの、親友の名を。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!何だか怒涛の展開になった第15話、どうだったかな? ようやく、死んでいたはず(?)のフェリセが登場したよ。これで話はますます混乱を極めていくんだろうねぇ・・・・ じゃあ、そんな混沌に僅かな指標を打ち立てる、次回予告へ行こうか。 遠き過去と思い、いつしか思い出と化した友。 悠久の時を越えて、再び相対する時、思うこと。 それは、懐かしさを超える、疑問。 手を伸ばし誘うその先に待つものは。 そして、アリエスはいかなる選択をなすのか・・・・ 次回、『時の旅人』16話、『誘う遠き日』 今度出会うのは、きっと9月になると思う。何しろ、朱琉は短大から投稿してるからねぇ・・・・。 しばらく間が空くけど、気長に待っていてくれると嬉しいな。無論、機会があったら夏休み中にも投稿したいと思うけど。 レスもしばらくできないと思う。ごめんね。あと、前回からやっている人気投票はまだ続いているよ。投票してくれると嬉しいな。 それじゃあ、体調には十分気をつけて。楽しい夏を過ごしてね!じゃあ、また! |
17149 | Re:時の旅人 15:真理に至るためのさまざまな道筋 | 十叶 夕海 | 2005/7/21 19:50:59 |
記事番号17145へのコメント ええ〜っ、夏休み前ここまで? ・・・・・ううっ、にくいことするじゃない。 続きをマジで待ってますよ、朱流の姉御。 ・・・それと一昨日、古いスケブ整理していたら、 この間、差し上げた名前がとてつもなく長いエイレンの本の設定出てきたんですよ。 『本の魔物は、本にいる四つの存在の自分の属性の許可・制御無くして外に出ることはできない。』 必要でしたら、言ってくださいませ。 ↑とあわせて、何匹か召喚魔物を送りますから。 それでは、本屋のネットスペ−スより。 |
17150 | 乞うご期待、ぐらいしかいえませんが・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/7/22 08:26:26 |
記事番号17149へのコメント > >ええ〜っ、夏休み前ここまで? >・・・・・ううっ、にくいことするじゃない。 >続きをマジで待ってますよ、朱流の姉御。 こんにちは!そうなんです、ここまでなんです。流石に切が悪すぎる気もしたんですけどね・・・・。機会見つけたら夏休み中でも投稿していくので、気長に待っていて下さい。 > > >・・・それと一昨日、古いスケブ整理していたら、 >この間、差し上げた名前がとてつもなく長いエイレンの本の設定出てきたんですよ。 > >『本の魔物は、本にいる四つの存在の自分の属性の許可・制御無くして外に出ることはできない。』 > >必要でしたら、言ってくださいませ。 >↑とあわせて、何匹か召喚魔物を送りますから。 それは、ぜひぜひ欲しいです。本の設定は、いろいろと付け加える可能性が高いですが・・・・。 > >それでは、本屋のネットスペ−スより。 それでは、大変短いですがこの辺で。短大ネットスペースから、夏休みを明日に控える羅城でした。 > > |