◆−お久しぶりです!《『時の旅人』15話までのあらすじ》−羅城 朱琉 (2005/8/16 11:57:41) No.17193 ┣時の旅人 16:誘う遠き日−羅城 朱琉 (2005/8/16 11:59:42) No.17194 ┣時の旅人 17:揺籃の時の終わり−羅城 朱琉 (2005/8/16 12:01:38) No.17195 ┃┣Re:時の旅人 17:揺籃の時の終わり−神高 紅 (2005/8/16 14:52:08) No.17196 ┃┃┗お久しぶりです!−羅城 朱琉 (2005/8/18 11:19:07) No.17199 ┃┗遅れました。−十叶 夕海 (2005/9/1 00:05:58) No.17202 ┃ ┗感謝!です。−羅城 朱琉 (2005/9/1 17:06:06) No.17203 ┃ ┗Re:カガリの修正−十叶 夕海 (2005/9/1 22:41:12) No.17206 ┃ ┗Re:カガリの修正−羅城 朱琉 (2005/9/2 08:20:07) No.17207 ┣時の旅人 徒然編2:幾千の昼、幾万の夜−羅城 朱琉 (2005/9/3 11:57:40) No.17208 ┣時の旅人 18:蠢く野望の中で−羅城 朱琉 (2005/9/3 12:01:06) No.17209 ┃┗・・おおぅ!!−十叶 夕海 (2005/9/3 15:46:51) No.17210 ┃ ┗ふふふ・・・・−羅城 朱琉 (2005/9/5 08:29:56) No.17212 ┣時の旅人 19:言の葉の刃−羅城 朱琉 (2005/9/5 08:24:15) No.17211 ┃┗何故、断言できるのでしょう?−十叶 夕海 (2005/9/5 23:47:29) No.17214 ┃ ┗いろいろ知ってる語り部さん−羅城 朱琉 (2005/9/6 08:40:28) No.17216 ┃ ┗Re:いろいろ知ってる語り部さん−十叶 夕海 (2005/9/6 08:46:03) No.17217 ┃ ┗微ネタバレありですが・・・・−羅城 朱琉 (2005/9/8 08:22:24) No.17222 ┣時の旅人 20:さよなら−羅城 朱琉 (2005/9/6 08:21:32) No.17215 ┃┣Re:時の旅人 20:さよなら−神高 紅 (2005/9/7 00:11:41) No.17218 ┃┃┗久しぶりです−羅城 朱琉 (2005/9/8 08:21:15) No.17221 ┃┗はうあぁっ!!(意訳 :これを鬼畜と言っちゃ甘いぜ20%+アリエス嬢!!68%+続きがぁ!!12%)−十叶 夕海 (2005/9/7 22:55:39) No.17219 ┃ ┗不幸の元凶、それは作者〜♪−羅城 朱琉 (2005/9/8 08:39:20) No.17223 ┣時の旅人 21:孤独の弱さ、信じる強さ−羅城 朱琉 (2005/9/8 08:17:35) No.17220 ┃┣・・・・・・ルピちゃん、珍しく男前?−十叶 夕海 (2005/9/8 23:46:06) No.17224 ┃┃┗今後はどんどんとかっこよくなっていくことでしょう(笑)−羅城 朱琉 (2005/9/9 08:35:55) No.17227 ┃┗Re:時の旅人 21:孤独の弱さ、信じる強さ−神高 紅 (2005/9/9 01:29:48) No.17225 ┃ ┗ある意味そこまで行くとひとつの『幸せ』かも・・・・−羅城 朱琉 (2005/9/9 08:43:50) No.17228 ┣時の旅人・徒然編 3:そして、言葉は世界を紡ぎ−羅城 朱琉 (2005/9/9 08:22:35) No.17226 ┣時の旅人 22:遠い空の下で−羅城 朱琉 (2005/9/12 08:43:18) No.17232 ┃┗怪し過ぎます!!−十叶 夕海 (2005/9/12 23:52:41) No.17236 ┃ ┗元ネタは・・・・−羅城 朱琉 (2005/9/13 08:29:59) No.17237 ┣時の旅人 23:赤の乙女たち−羅城 朱琉 (2005/9/20 08:19:24) No.17246 ┃┗・・・・・・すみませんです。(土下座)−十叶 夕海 (2005/9/20 23:00:17) No.17247 ┃ ┗いえいえそんな事−羅城 朱琉 (2005/9/21 08:42:19) No.17248 ┗時の旅人 24:それぞれの痛みを抱えて−羅城 朱琉 (2005/9/22 08:11:12) NEW No.17249 ┗Re:時の旅人 24:それぞれの痛みを抱えて−神高 紅 (2005/9/23 19:39:45) NEW No.17255
17193 | お久しぶりです!《『時の旅人』15話までのあらすじ》 | 羅城 朱琉 | 2005/8/16 11:57:41 |
こんにちは、もしくははじめまして、羅城 朱琉です。 物凄くお久しぶりの『時の旅人』シリーズですが、とりあえず第2部完結まで投稿しようと思います。その先は・・・・夏休み明けに。 ツリーが落ちてしまったので、まずはここまでのあらすじからどうぞ! 時の旅人 15話までのあらすじ レティディウス公国の生き残りにして、不死の研究の唯一の成功体である魔剣士。自らの時を動かす方法を求めるもの・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。 日替わりで男女が入れ替わるという呪いをかけられている、記憶喪失の魔道士。呪いの解呪と、記憶を取り戻すことを欲するもの・・・・ルピナス=セレス=ヴァリード。 二人は、共に己の願いを叶えるため、世界を旅していた。 サイラーグ跡地にて、手がかりとなりそうな人物・・・・混沌の力を操る魔道士、リナ=インバースの存在を知った二人は、リナに会うべく旅を続けようとする。しかし、二人の恩人の神官・・・・レンシェルマ=ヴァリードの危機を知った二人は、彼の住む村、ブレードヴィレッジに向かった。彼らは、レンの知り合いにして村長の息子のガイア・ギア兄弟の依頼により、彼らの妹エアの救出に向かうことになる。さまざまな困難の先に、ようやく見つけたエアは、何者かに操られていた。彼女を正気に戻すべく、領主を探す彼ら。しかし、領主に憑依していたもの・・・・つまりは全ての元凶ともいえるものは、『封じられしモノ』と呼ばれる、得体の知れないバケモノ・・・・と化した人間だった。領主からエアに憑依しなおした『封じられしモノ』。アリエスとルピナスは、途中一度対立するが、最後にはエアから『封じられしモノ』を引き剥がし、浄化することに成功したのだった。(以上、第1部) ブレードヴィレッジを離れ、リナ探しを始めた二人。その前に、姿を消していた旅の連れ、フィッツ=シュトラールと、フィッツの知り合いだという謎の少年、アイム=イーシェルが現れる。彼らと共に宿に泊まったその日、アリエスの前に、ブレードヴィレッジにて戦った異界の魔族、エン=シンザが再び姿を現した。戦う二人。互いに決定打がなく、長期戦は必至とおもわれた。その時現れたのは、この世界の魔族サラ=ナナシ。それによって何とか危機を脱したアリエスは、成り行きで異界黙示録の元を訪れる。数多の疑問を解決すべく異界黙示録に触れようとしたとき、神族スティルハード=ノースの妨害が入る。神と魔の戦いの中、アリエスは何故か全く流れ弾が来ないことを不思議に思った。 一方、翌朝ルピナスはアリエスを探して東奔西走していた。その時現れた、ブレードヴィレッジ以来の再会を果たした謎の人物、『放浪の語り部』。語り部の助力によりルピナスはアリエスと再会するが、異界黙示録を見ることはできなかった。謎の言葉を残し、消える語り部。その後、フィッツ、アイム両名と再会を果たした。その日の夜、皆が寝静まった後、懐かしい気配に誘われてアリエスは宿を抜け出す。たどり着いた先・・・・森の奥の湖のほとりに立っていたのは、100年前に死んだはずの親友・・・・フェリセ=ニーランデルだった。(以上、11〜15話) そして、運命は再び動き出す・・・・ |
17194 | 時の旅人 16:誘う遠き日 | 羅城 朱琉 | 2005/8/16 11:59:42 |
記事番号17193へのコメント 改めまして、こんにちは!お久しぶりです、羅城 朱琉です。 お待たせしました、16話更新です。 と、言うわけで、細かいことはさておき本編へどうぞ! ちなみに今回のタイトルは、『誘う』を『さそう』ではなく『いざなう』と読んでもらえると、羅城的にはとても嬉しかったりします。 時の旅人 16:誘う遠き日 ふと我に返り、アリエスはフェリセ・・・・らしき人物を引き剥がした。 「まって・・・・。フェリセ、なの?死んだのでは、なかったの?」 フェリセらしき人は、少し寂しげな微笑を浮かべる。 「ひどいなぁ、死んでたほうが良かった?あたしは、正真正銘フェリセ=ニーランデルよ。信じられないなら・・・・そうねぇ・・・・」 そして、にまりと笑う。 「あの時、あたしたちと旅してた彼・・・・アリエスと『らぶらぶ』だったユヴェル君のことについてでも語ってあげようか?」 ぼん、と音を立てて、アリエスが真っ赤に染まった。 「ふぇ・・・・フェリセ!それは・・・・!」 「それは、何?」 「あうぅぅぅぅ・・・・」 こらえきれない、といった感じで、フェリセは肩を震わせて笑い出した。アリエスは相変わらずの赤い顔で、フェリセを睨む。 「笑わないでよ・・・・。それに、ら・・・・『らぶらぶ』って、違うし・・・・。」 「傍から見てたら、立派なラブコメだったわよ〜!もう、アリエスったらユヴェル君がかなり露骨に告白してるのに、全然気付かないんだもん、面白いやらユヴェル君が気の毒やら、もう!」 きゃたきゃたと笑いながら、アリエスをからかうフェリセ。反論しつつも、巻き込まれてゆくアリエス。・・・・まるで、100年前に戻ったみたいに。 そんなことは、あるはずがなくて。それでも、そう思えてしまう。懐かしい、フェリセ。 「まあ、真面目な話。」 ようやっと笑いを収めて、フェリセは湖のほとりに腰を下ろした。隣をぽんぽんと叩き、アリエスにも座るよう示してくる。アリエスは、それに従った。 「死んだ、って言うか、死にかけはしたんだよね。ほら何?仮死状態ってやつ、あれになった。で、まあその時にさ・・・・いろいろ、思い出してね。」 「思い出した?記憶喪失、だったの?あなたも。」 「いいや、そうじゃないよ。・・・・ってか、アリエス、記憶喪失の知り合いでもいるの?」 「ええ、まあ。」 アリエスは曖昧に言葉を濁し、フェリセに先を促す。フェリセも特に気にした様子もなく、先を続けた。 「記憶喪失と言うより、記憶置換?いや、記憶改竄、かな?記憶がね、こう、書き換えられてたというのか・・・・。とにかく、本当のあたしの記憶ってのを、思い出してね。それで、まあ、その中に、あんな状況を何とかする方法、みたいなのもあったから、それでね。」 アリエスは『本当のフェリセ』と言うものを、魔道の達人のようなものかと推測した。それならば、100年程度、外見を若く保つことも可能であろうと。フェリセは優しい眼差しで、アリエスを見る。 「本当は、もっと早くにアリエスに会いに来たかった。けど・・・・なかなか見つけられなくて。それで、今日、やっと。」 フェリセは、そう言って湖に視線を落とした。 「いいえ、フェリセ。・・・・あなたが生きていてくれて、あなたにこうして再び会えて、私はとても嬉しい。時間なんて関係ない、探してくれて、ありがとう。・・・・あの時は、ごめんなさい。あなたを危険に晒してしまった。」 アリエスは、呟くように言った。フェリセは弾かれたように顔を上げる。 「それは違うって!あれは、あたしのせい!慰めとか、そういうのじゃなくて、本当に、あれはあたしの失敗だったの!それにほら、あたし生きてるじゃん!」 それは、かつてフェリセが死んだ・・・・と思われたときのことだ。今となっては遠い昔の、取るに足らないほんの些細な出来事。きっかけはちょっとしたくだらない口論だったのだけれど、アリエスは、ずっとそれを悔やんでいたのだ。 「アリエス・・・・。悩みすぎだよ、本当に。あんたってば、昔からすぐ思いつめる性質だったからね。・・・・・・・・ねえ、さらに思いつめさせるようなことだけど、聞いてくれる?」 フェリセはアリエスをまっすぐに見つめる。アリエスは、すこし戸惑いながらも頷いた。 「・・・・あたしと一緒に来ない?前みたいに、一緒に行こうよ。」 アリエスは、弾かれたように顔を上げ、フェリセを凝視した。 「身勝手なことだと思うけど、今のあたしには、アリエスが必要なの。」 「それは流石に、冗談、でしょう?私は、あなたに必要とされるほど偉大な人物ではないよ。」 フェリセは、アリエスをぺちっ、と叩く。 「行き過ぎの謙遜は嫌味になる、って知ってるよね。・・・・もう一回言うけど、あたしには『アリエス』が必要なの。・・・・あたしの大事な親友にして、誰よりも何よりも強い相棒、アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。あなたが!」 誘うように、フェリセはアリエスに手を伸ばす。アリエスは、のろのろと手を上げていった。 * * * * * アリエスの手がフェリセのそれに触れた。フェリセは鮮やかな笑みを浮かべる。しかし・・・・ アリエスは、そっとフェリセの手を押し下げた。 「・・・・ごめんなさい、フェリセ。私は、行けない。・・・・・・・・ルピナスに、言ってきたの。必ず戻る、って。だから、私はここで、あなたの手を取るわけにはいかない。」 フェリセは、軽く目を見開いた。アリエスは続ける。 「それに、フェリセ。あなたの期待に、私は添えないと思うよ。・・・・私は弱いよ。あなたのように、心強くいられなかった。・・・・あなたの友に恥じぬ強さを、手に入れようとしたのだけれど・・・・。優しい人たちに、ついつい甘えたくなってしまう。」 フェリセは、淡々と言い募るアリエスを見て、フェリセは淡い苦笑を浮かべた。そして、アリエスを引き寄せると、頭をわしゃわしゃと撫でる。 「そうやって自分の弱さを言えるなら、大丈夫。あたしが保障する。・・・・アリエスは、強いよ。今も昔も、私の知る誰よりも強い。あんたがあたしの親友であること、あたしは誇りに思うよ。」 いまだに感情の浮かぶことが少ないアリエスの瞳が、僅かに揺れた気がした。フェリセはゆっくりと、今度は髪を整えるように頭を撫でる。そして、優しい声で言った。 「『ルピナス』って・・・・あんたの今の相棒?」 アリエスは、こくんと頷く。 「そっか・・・・。羨ましいね、その、『ルピナス』って人。フルネーム、なんて言うの?」 「・・・・・・・・ルピナス=セレス=ヴァリード。そう、名乗っています。」 フェリセは、アリエスの頭を撫でる手を止めた。しばしの沈黙の後、ぽつりと言う。 「・・・・それ、本名?」 アリエスは、フェリセの反応を疑問に思いながらも言う。 「いいえ、あの、ルピナスは記憶喪失なので・・・・名付けたのはレン・・・・レンシェルマ=ヴァリードという神官ですが、それが何か?」 フェリセは、ふるふると頭を振った。 「別に何でも。ただ、知り合いの探し人の名前に少し似てたから。そういうことなら、偶然でしょ!?」 「はぁ・・・・。」 フェリセは、くるりと身を翻す。そして、アリエスに、にこりと微笑みかけた。 「じゃあ、あたし行くよ。アリエス、その『ルピナス』さんと仲良くね!・・・・あー、でも、その人がアリエスを幸せに出来ないって判断したら、あたしアリエスを拉致しに来るんで、よろしく〜♪」 どこまで本気か分からない言葉はしかし、結局は優しさから来ていることをアリエスは知っている。だから、アリエスも笑って言った。 「攫いにくるんじゃなくて、また来てくれると嬉しいな。・・・・・・・・フェリセ=ニーランデル、あなたの旅路に、幸多からん事を。」 そして、二人は手を振って別れる。アリエスは歩き出した。ルピナスがまだ眠っていることを祈りつつ、彼の待つ宿屋へ。 * * * * * アリエスが立ち去った後、フェリセは湖のほとりに佇んでいた。アリエスと別れたときとは全く違う、思案に沈んだ表情で。 「聴いていた?アリエスの相棒の名前。」 フェリセは、背後の茂みに話しかける。と、茂みから一羽の黒揚羽が舞い上がった。黒揚羽はひらひらと舞い、フェリセの前に来る。と、その黒揚羽と重なるように、朧な幻影が現れた。フェリセより僅かに若そうな女性。ハイネック・ノースリーブの貫頭衣にホットパンツ、二の腕まである、指先の出たグローブに、太腿まで覆うロングブーツ。全て黒で統一されたそれはしかし、女性の持つ知的な雰囲気のせいか、扇情的にはならない。幻影の女性は、フェリセを見つめて口を開いた。 『わかっておられましたか。流石はフェリセ様。』 「『様』はやめて。・・・・で、聞いてた?」 幻影の女性は、重々しく頷く。 『はい。『セレス』に『ヴァリード』・・・・偶然とは思えません。』 「名付け親も『ヴァリード』だよ。間違いないんじゃないかな?」 『調べますか?』 「お願い。」 幻影の女性が、す、と手を横に出す。その手の内に、見る間に黒い蟠りが生じる。それは一瞬で形を整え、一羽の黒揚羽となった。ひらりと、黒揚羽が舞い上がる。黒揚羽は一瞬姿を揺らめかせ、消えた。 『二日以内には調べますので、少々お待ちください。』 幻影の女性はそう言って、恭しく一礼した。 「ありがとう。」 フェリセは、幻影の女性ににっこりと微笑む。幻影の女性はつられて微笑み、その後、ふと顔を曇らせた。 『フェリセ様、あの、アリエスという者、彼女は・・・・』 「そう、アリエスは『ラーナ』家の末裔だよ。」 意味ありげにそう言って、視線を動かした。その先には、アリエスが泊まっている宿屋がある。 「『セレス』に『ヴァリード』に『ラーナ』・・・・。あと、『シュナイダー』がいれば完璧だね。・・・・『ルピナス』とやらには悪いけど・・・・あたしの予想が正しければ、君じゃあ、絶対に、アリエスを幸せにはできない。」 フェリセはそう呟いた後、何かに気がついたように幻影の女性を見た。 「・・・・ああ、そうだ!悪いけど、あっちの・・・・『四大家』の動きも調べておいてよ。特に、『ヴァリード』と『シュナイダー』をね。」 幻影の女性は頷くと、また新たに2羽の蝶を放つ。フェリセは彼女に礼を述べると、彼女を帰らせた。幻影が消え、黒揚羽も去ったことを確かめると、フェリセは湖を振り返った。 湖に映る月は、ほのかな青みを帯びた白に輝いている。その鏡のような水面が嫌で、フェリセは足元の石を湖に蹴り入れた。波紋が立ち、月が揺らぐ。それを見て、フェリセは少しだけ、表情を和らげた。 水に映った月は、水という牢屋に囚われているようにも見える。波のない水面なら、なおさらに。抵抗することすら諦めた、囚われの月。 「いや・・・・。囚われていることに、気付いていない、かな?・・・・哀れだよ。運命という牢に、知らず囚われているんだからさ。」 フェリセは、月に背を向けた。そして、誰にともなく囁く。決意を固めるように、世界に宣言するかのように。 「でも、変える。変えてみせる。運命に縛られない、真に自由な世界に。・・・・・・・・あたし達、『聖石の使徒』が!」 緩やかな風がフェリセの髪を揺らす。フェリセは髪を払い、天を睨みつけた。 「絶対に、あんたの勝手になんかさせてやるものか!あたしの定めも、アリエスの定めも、絶対に変えてやるんだから!・・・・さあ、勝負よ!『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』!!!!」 高らかな宣言を聞くのは、風と、森と、月影のみ。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは、お久しぶりだね。待っていてくれて嬉しいよ。 さあ、微妙なところで終わってしまった前回の続きで、またしても謎だけ残して終わってしまったけど、どうだったかな? では、未来へ至る導の一端として、ここに僕は語ろう。 懐かしさと共に、残る疑惑。今を選んだアリエスの心は・・・・ 闇の中蠢く者たちは、ついにその手を伸ばし始める。 新たなる日の光と共に、世界はまどろみの時に別れを告げた。 今、新たなる旅立ちを迎える・・・・。 次回、『時の旅人』17話、『揺籃の時の終わり』 また会える日を、楽しみにしているよ! さて、ここからはお知らせだ。14話でお願いした人気投票の締め切りは、8月30日までとするよ。引き続き、このツリーで募集するから、投票してくれると嬉しいな。 では、今度こそこの辺で。 じゃあ、またね! |
17195 | 時の旅人 17:揺籃の時の終わり | 羅城 朱琉 | 2005/8/16 12:01:38 |
記事番号17193へのコメント こんにちは、羅城 朱琉です! ついに17話、第2部ラストです!・・・・と、言っても、番外編をはさんで休み明けにはすぐ3部に入りますが。 それでは、新キャラの影もちらほら見え出しました、第17話、どうぞ! 時の旅人 17:揺籃の時の終わり アリエスは窓から再び部屋に戻ると、ルピナスが眠っていることを確認し、そっと息を吐いた。外は今だ暗い。起きるにはまだ早すぎる時間ではあるのだが、再び眠る気にはなれず、アリエスは窓際に腰掛けて空を眺めていた。月は大分西に傾き、東の空はまだ暗い。 アリエスは、空を見るのが好きだ。晴れた日の、突き抜けるような青い色が、それを透かして輝く、新緑の色が。そして、夜闇の漆黒が。だから、こうして空を眺めるのは、ほとんど癖となっている。考え事をするときは特に、空を見上げることが多い。そして、今もまた例に漏れず、アリエスは考えていた。 (フェリセが、生きていた・・・・。) 虚空を見上げながら、しかしアリエスの脳裏に浮かぶのは、銅の色を纏う友人のこと。 (それは、とても嬉しい。でも、なんだろう?この胸に残る違和感は・・・・?) 共に行こう、と、フェリセは言った。その瞳の内に、何か翳りがあったことに、アリエスは気付いていた。 神族と魔族、更には異界のもののことでも分からないことだらけなのに、謎は増える一方で。 アリエスは、左耳だけにある、牙の形をした水晶のピアスに触れた。それは、姉が右耳につけていたものと対となる、魔力増幅装置。 思案にくれながら、ルピナスを起こさぬよう小声で呟いた。 「姉様・・・・ユヴェル・・・・。あなた達なら、何か知っていますか・・・・?」 今だ、中世の5大賢者の一人として有名な姉を。そして、魔道士であり、賢者と呼ばれるにふさわしい知識を持っていた、古い旅の友の名を。 二人もまた、今は亡き者であるのだけれど。 * * * * * 東の空が白み始めたのを見て、アリエスは手早く服装を整える。じきにルピナスも起きるだろう。案の定、赤みの強い茶の髪が揺れた。今日は女のルピナスは、長い髪を掻き上げ身を起こす。 アリエスは振り返って、僅かに笑みを浮かべる。 「おはよう、ルピナス。いい天気だよ。」 「おはよ、アリエス。」 と、ルピナスは何やら真剣な顔でアリエスに歩み寄り・・・・まるで身体検査でもするかのようにぺたぺたとアリエスを触り始めた。 「る、ルピナス・・・・!どうしたの!?」 ルピナスは、一通りそうした後、大きく息を吐いた。 「よかった。ちゃんとアリエスだ・・・・。」 安堵の吐息と共に力まで抜けたのか、ルピナスはその場にへたり込んだ。アリエスは、座り込むルピナスと視線を合わせるよう自らも屈みこみ、言った。 「どうか、したの?」 「ああ・・・・ごめんね、アリエス。変な夢見たから、ちょっと不安になってさ・・・・。」 「夢?」 「そう・・・・・・・・アリエスがいないのよ。ずーっと探してるのに。で、やっと見つけるんだけど、アリエスはどんどん進んでいって、ちっとも距離が縮まらないの。あたし、一生懸命呼んでたのに・・・・。で、やっと振り返ってくれるんだけどさ・・・・。アリエスの顔なのに、アリエスじゃないみたいだった。何かこう・・・・すごく冷たい目で、あたしを見てきて、さ・・・・。」 そう言って、ルピナスは俯いた。その言葉を聞いてアリエスは、驚いていた。 (気付いていたんでしょうか?私が、フェリセと会ったこと。・・・・一瞬、全てを忘れて、フェリセの手を、取ろうとしたこと・・・・。) そんなはずはない、と、アリエスは否定した。あの時、ルピナスの気配などはなかった。それでも、フェリセの手を取ろうとしたことは事実で。・・・・それでも、この『今』に自分を引き止めたのは、レンとルピナスの存在だった。だから。 俯くルピナスの肩に、アリエスはそっと腕を回した。 「私は、ここにいるよ。あなたと、レンがいる限り。例え心が揺らいでも、あなたたちの存在が、私をここに引き止めてくれるから。・・・・絶対に、忘れないから。」 さまざまな感情を込めて、アリエスは囁く。心の中で、そっとフェリセに詫びながら。 「大丈夫。私は、ここにいる・・・・。」 ルピナスと、自分自身と。双方に言い聞かせるように、アリエスは囁き続けた。 日が昇りきり、人々が活動を始めるまで。 * * * * * 今だ日の昇らぬ暗闇の中で、低い声が話し続けていた。淡々と話し続ける二つの声は、壮年男性のものと、初老の男性のもの。そして、傍に控える気配が一つ。 「ようやく、見つかったか。封じの一族・・・・フェラナートの末裔が。」 壮年男性・・・・柔らかな茶の髪と、それよりは濃い茶の瞳を持つ、眼光鋭い男だ・・・・は、感情のこもらぬ声でそう言った。対する初老の男性・・・・白いものが混じり始めた黒髪に青い瞳の、好々爺と見える男だ・・・・は答える。 「ふむ、フェラナート・・・・『ラーナ』じゃな。確か、名はアリエスといったか・・・・」 「はい。数百年前、その任を全うせずに行方をくらませた、許されざる裏切り者・・・・アリエス=オルフェーゼの名を持つ、フェラナート一族が末裔。今は、ファルメア・シティに逗留しているようです。」 初老の男性は、あごに手をやり、言う。 「なるほどのぅ・・・・。どれ、孫を使いにやるとしようか。」 壮年の男性は、初老の男性を止めた。 「お待ちください。御老公が動かれるほどのことではありません。・・・・オカリナ、頼まれてくれるか?」 傍に控える気配が、動いた。 「はい。・・・・お任せ、下さい。」 「頼むぞ。・・・・お前にとっては、辛いことだとは思うが。」 オカリナと呼ばれた少女は、一礼してその場から立ち去った。壮年男性もまた、丁寧に挨拶した後、立ち去る。 一人残された初老の男性は、誰にともなく話しかけた。 「シーシェンズの若造め、何をたくらんでおるのやら。・・・・全く、これでは気の休まる暇もないのぅ。・・・・これ、プロト。聞いておるか?」 と、初老の男性の後ろで、ことりと音がした。男性はそちらを見もせずに、告げる。 「お主も行け。万が一にも、フェラナートの者を損ねるでないぞ。」 潜んでいた影の気配が消えた後、初老の男性は朗々と言った。 「我ら『四大家』が使命は、世の平安を守ること。ゆめ、忘れるでないぞ・・・・!」 男性の声は闇に溶け、あとにはただ、静寂があるのみ。 * * * * * ここにもまた、眠れぬもの達がいた。 一人は、ハイネック・ノースリーブの貫頭衣にホットパンツ、二の腕まである、指先の出たグローブに、太腿まで覆うロングブーツ。全て黒で統一された、しかし扇情的ではない、知的な女性。 もう一人は、銅の髪と瞳を持つ、リボンだらけの珍妙な格好をした女性。 フェリセ=ニーランデルと、黒揚羽を使っていた幻影の女性、その本体だ。 ひらりと舞い降りた黒揚羽をその手に止まらせ、黒尽くめの女性は目を半分閉じている。やがて、その口から虚ろな声が響き始めた。 「・・・・・・・・『我ら『四大家』が使命は、世の平安を守ること。ゆめ、忘れるでないぞ・・・・!』・・・・以上です。」 それは、世界のどこかで、同じ時に言われた言葉。他ならぬ、あの初老の男性と壮年男性の会話だった。フェリセは、苦々しげにはき捨てる。 「『四大家』め・・・・。こんなときだけ素早いわね。・・・・ありがとう、キサラ。どうやら、手遅れにならずにすみそうよ!・・・・とはいえ、猶予はもうほとんどないわね。」 キサラと呼ばれた黒尽くめの女性は、フェリセに言った。 「『ルピナス』のほうは、調査にもう少し時間がかかるかと思われます。・・・・急いでも、明日の昼ごろになるかと。」 フェリセは軽く頷いて、言った。 「分かったわ。大至急調べてちょうだい。明日の昼、調査が終わったらすぐに『三賢人(トリニティ)』を召集してね。そこで方針決めて、夜になったら即行動、よ!」 キサラは一礼して、再び半眼で精神を集中させた。 「さぁて、今日一日が山場ね・・・・。」 フェリセの呟きは、空間に溶け流れた。 * * * * * 語り部は、流れ行く光景を眺めながら、口惜しそうに語った。 「始まる・・・・。始まってしまう。悲しみしか残さない運命が・・・・。」 語り部は、いつも来ている吟遊詩人の服ではなく、白地に金糸・銀糸の刺繍を散らした、指先も見えぬ、ぞろりとした異国風の服を着ていた。 「望まれぬ運命に終止符を。過ちには裁きを。鍵を握る者、アリエス=オルフェーゼ=ラーナよ・・・・」 長い衣装を翻し、語り部は言の葉を紡ぐ。 「暗闇に灯を。迷宮に導を。導く者、レンシェルマ=ヴァリードよ・・・・」 祈るように、冀(こいねが)うように。 「弱き心に救いの手を。強き心に寄り添う思いを。守り手たる者、ルピナス=セレス=ヴァリードよ・・・・」 まるで、声に出せば叶うとでも言うように。声に出せば、聞き届けられると確信しているかのように。 「『神』の過ち、『神』の思い。『人』の思惑、『人』の正義。」 語り部は語る。 「全てを乗り越え、望みたる者よ。真に自由となれ・・・・!」 世界に染み渡る声で。 ここに、世界は揺籃の時に別れを告げた。 彼らの行く道に、幸いあらんことを・・・・ あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!ついに第2部が終わったけど、どうだったかな?やっと、以前から名前だけ出ていた『聖石の使徒』と『四大家』が姿を見せ始めてきたし、これからじわじわ進んでいく『時の旅人』を、どうか見守っていて欲しいな。 さて、では予告を・・・・といきたいところだけど、徒然編は未だ募集中だからねぇ・・・・。今回は、予告はなしだ。次回をお楽しみにね! じゃあ、今回はこの辺で。夏バテしないように気をつけて、残りの夏を堪能してね! |
17196 | Re:時の旅人 17:揺籃の時の終わり | 神高 紅 | 2005/8/16 14:52:08 |
記事番号17195へのコメント 紅:どうもお久しぶりですね朱琉さん。最近やることがない紅です。 コ:だったら勉強なりバイトなりすればいいだろうが。 ク:ほとんどニートですもんね・・ 紅:今まで忙しかったからサボりたいんだよ!まあそんな私信は横に置いといて、レスに参ります。 >「姉様・・・・ユヴェル・・・・。あなた達なら、何か知っていますか・・・・?」 > 今だ、中世の5大賢者の一人として有名な姉を。そして、魔道士であり、賢者と呼ばれるにふさわしい知識を持っていた、古い旅の友の名を。 > > 二人もまた、今は亡き者であるのだけれど。 紅:五大賢者ですか。それはやっぱりレイ=マグナスとかレゾとかそんな感じのですかね。 コ:しかしユヴェルとか言ったか?16話で見たが・・いや、やめとこう。 ク:アリエスさん・・昔からあんまり変わってないですもんね・・鈍い所は・・ コ:お前に言われちゃおしまいだな。 >「そう・・・・・・・・アリエスがいないのよ。ずーっと探してるのに。で、やっと見つけるんだけど、アリエスはどんどん進んでいって、ちっとも距離が縮まらないの。あたし、一生懸命呼んでたのに・・・・。で、やっと振り返ってくれるんだけどさ・・・・。アリエスの顔なのに、アリエスじゃないみたいだった。何かこう・・・・すごく冷たい目で、あたしを見てきて、さ・・・・。」 > そう言って、ルピナスは俯いた。その言葉を聞いてアリエスは、驚いていた。 >(気付いていたんでしょうか?私が、フェリセと会ったこと。・・・・一瞬、全てを忘れて、フェリセの手を、取ろうとしたこと・・・・。) ク:一種の予知夢のようなものでしょうか・・ コ:さりげにルピナスの性別が入れ替わってるな。 > ひらりと舞い降りた黒揚羽をその手に止まらせ、黒尽くめの女性は目を半分閉じている。やがて、その口から虚ろな声が響き始めた。 >「・・・・・・・・『我ら『四大家』が使命は、世の平安を守ること。ゆめ、忘れるでないぞ・・・・!』・・・・以上です。」 > それは、世界のどこかで、同じ時に言われた言葉。他ならぬ、あの初老の男性と壮年男性の会話だった。フェリセは、苦々しげにはき捨てる。 >「『四大家』め・・・・。こんなときだけ素早いわね。・・・・ありがとう、キサラ。どうやら、手遅れにならずにすみそうよ!・・・・とはいえ、猶予はもうほとんどないわね。」 紅:便利な能力ですね。偵察にはもってこいって感じ。 コ:四大家、ね。舞台の裏側にはこーゆー輩は絶対いるもんだがな。 ク:これから・・舞台は大きく動いていきそうですね・・ > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!ついに第2部が終わったけど、どうだったかな?やっと、以前から名前だけ出ていた『聖石の使徒』と『四大家』が姿を見せ始めてきたし、これからじわじわ進んでいく『時の旅人』を、どうか見守っていて欲しいな。 > さて、では予告を・・・・といきたいところだけど、徒然編は未だ募集中だからねぇ・・・・。今回は、予告はなしだ。次回をお楽しみにね! > じゃあ、今回はこの辺で。夏バテしないように気をつけて、残りの夏を堪能してね! コ:じゃあ、またな。 ク:さよなら・・ 紅:ではではまた次回以降で・・・っとその前に人気投票でしたか?あれも書いときます。 5点 語り部 3点 サラ=ナナシ 2点 フェリセ |
17199 | お久しぶりです! | 羅城 朱琉 | 2005/8/18 11:19:07 |
記事番号17196へのコメント >紅:どうもお久しぶりですね朱琉さん。最近やることがない紅です。 >コ:だったら勉強なりバイトなりすればいいだろうが。 >ク:ほとんどニートですもんね・・ >紅:今まで忙しかったからサボりたいんだよ!まあそんな私信は横に置いといて、レスに参ります。 朱琉:こんにちは、お久しぶりです。ネットカフェから投稿中の羅城です。 カタリ:久しぶりだね。・・・・で、朱琉。君は勉強しようよ。休み明けは実習とテストだろう?いいのか短大生・・・・。 朱琉:・・・・(汗)・・・・という私信はこちらもさておき、早速返レスといきましょう! カタリ:やれやれ・・・・ >>「姉様・・・・ユヴェル・・・・。あなた達なら、何か知っていますか・・・・?」 >> 今だ、中世の5大賢者の一人として有名な姉を。そして、魔道士であり、賢者と呼ばれるにふさわしい知識を持っていた、古い旅の友の名を。 >> >> 二人もまた、今は亡き者であるのだけれど。 >紅:五大賢者ですか。それはやっぱりレイ=マグナスとかレゾとかそんな感じのですかね。 >コ:しかしユヴェルとか言ったか?16話で見たが・・いや、やめとこう。 >ク:アリエスさん・・昔からあんまり変わってないですもんね・・鈍い所は・・ >コ:お前に言われちゃおしまいだな。 朱琉:そうですね。レイ=マグナスとレゾの中間あたりの時代の賢者さんです。 カタリ:ユヴェルも、実は魔道士・賢者の世界ではそれなりに知られた賢者だったりするんだけどね。・・・・まあ、知恵の限りを尽くしても、アリエスの鈍感さにはかなわなかったけど。 朱琉:それは、まあ・・・・。なかなか変われないものです。 >>「そう・・・・・・・・アリエスがいないのよ。ずーっと探してるのに。で、やっと見つけるんだけど、アリエスはどんどん進んでいって、ちっとも距離が縮まらないの。あたし、一生懸命呼んでたのに・・・・。で、やっと振り返ってくれるんだけどさ・・・・。アリエスの顔なのに、アリエスじゃないみたいだった。何かこう・・・・すごく冷たい目で、あたしを見てきて、さ・・・・。」 >> そう言って、ルピナスは俯いた。その言葉を聞いてアリエスは、驚いていた。 >>(気付いていたんでしょうか?私が、フェリセと会ったこと。・・・・一瞬、全てを忘れて、フェリセの手を、取ろうとしたこと・・・・。) >ク:一種の予知夢のようなものでしょうか・・ >コ:さりげにルピナスの性別が入れ替わってるな。 カタリ:そう、『一種の』予知夢だよ。フフフ・・・・ 朱琉:語り部さん、不気味だよ・・・・。ルピナスに関しては、とりあえず、日付は変わったので。 >> ひらりと舞い降りた黒揚羽をその手に止まらせ、黒尽くめの女性は目を半分閉じている。やがて、その口から虚ろな声が響き始めた。 >>「・・・・・・・・『我ら『四大家』が使命は、世の平安を守ること。ゆめ、忘れるでないぞ・・・・!』・・・・以上です。」 >> それは、世界のどこかで、同じ時に言われた言葉。他ならぬ、あの初老の男性と壮年男性の会話だった。フェリセは、苦々しげにはき捨てる。 >>「『四大家』め・・・・。こんなときだけ素早いわね。・・・・ありがとう、キサラ。どうやら、手遅れにならずにすみそうよ!・・・・とはいえ、猶予はもうほとんどないわね。」 >紅:便利な能力ですね。偵察にはもってこいって感じ。 >コ:四大家、ね。舞台の裏側にはこーゆー輩は絶対いるもんだがな。 >ク:これから・・舞台は大きく動いていきそうですね・ >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!ついに第2部が終わったけど、どうだったかな?やっと、以前から名前だけ出ていた『聖石の使徒』と『四大家』が姿を見せ始めてきたし、これからじわじわ進んでいく『時の旅人』を、どうか見守っていて欲しいな。 >> さて、では予告を・・・・といきたいところだけど、徒然編は未だ募集中だからねぇ・・・・。今回は、予告はなしだ。次回をお楽しみにね! >> じゃあ、今回はこの辺で。夏バテしないように気をつけて、残りの夏を堪能してね! >コ:じゃあ、またな。 >ク:さよなら・・ >紅:ではではまた次回以降で・・・っとその前に人気投票でしたか?あれも書いときます。 >5点 語り部 >3点 サラ=ナナシ >2点 フェリセ 朱琉:ありがとうございました! カタリ:僕って、意外と人気なんだねぇ・・・・(しみじみ)・・・・とにかく、本当にありがとう! 朱琉:多分、9月の頭には徒然編を投稿するので、気長に待っていてください。 カタリ:じゃあ、今回はこの辺で。 二人:では、また今度! |
17202 | 遅れました。 | 十叶 夕海 | 2005/9/1 00:05:58 |
記事番号17195へのコメント > こんにちは、羅城 朱琉です! > ついに17話、第2部ラストです!・・・・と、言っても、番外編をはさんで休み明けにはすぐ3部に入りますが。 > それでは、新キャラの影もちらほら見え出しました、第17話、どうぞ! こんばんは、もといこんにちわ。ユアです。 遅れました。 バイト漬けのうえに、PCの調子が悪くて・・・・・・・・。 ともかくレス行きます。 > > > > > 時の旅人 > > 17:揺籃の時の終わり ユア;揺籃・・・・揺り籠と言うことですから・・・ エイレン:始まり・・・・・序章の終りということだろうな。 > >「姉様・・・・ユヴェル・・・・。あなた達なら、何か知っていますか・・・・?」 > 今だ、中世の5大賢者の一人として有名な姉を。そして、魔道士であり、賢者と呼ばれるにふさわしい知識を持っていた、古い旅の友の名を。 > > 二人もまた、今は亡き者であるのだけれど。 > エイレン:老いも死も・・・病すらない身の上の辛さは、人であれ、私たち神族ですら変わらないな。 ユア;・・・・・友や寄る辺が先に逝くってのはね・・・・ > と、ルピナスは何やら真剣な顔でアリエスに歩み寄り・・・・まるで身体検査でもするかのようにぺたぺたとアリエスを触り始めた。 ユア:ルピ君、男の日にやるとやばいですよ。 >「そう・・・・・・・・アリエスがいないのよ。ずーっと探してるのに。で、やっと見つけるんだけど、アリエスはどんどん進んでいって、ちっとも距離が縮まらないの。あたし、一生懸命呼んでたのに・・・・。で、やっと振り返ってくれるんだけどさ・・・・。アリエスの顔なのに、アリエスじゃないみたいだった。何かこう・・・・すごく冷たい目で、あたしを見てきて、さ・・・・。」 > そう言って、ルピナスは俯いた。その言葉を聞いてアリエスは、驚いていた。 >(気付いていたんでしょうか?私が、フェリセと会ったこと。・・・・一瞬、全てを忘れて、フェリセの手を、取ろうとしたこと・・・・。) > そんなはずはない、と、アリエスは否定した。あの時、ルピナスの気配などはなかった。それでも、フェリセの手を取ろうとしたことは事実で。・・・・それでも、この『今』に自分を引き止めたのは、レンとルピナスの存在だった。だから。 ユア;ルピちゃんのほうは勘いいですね。 >「お待ちください。御老公が動かれるほどのことではありません。・・・・オカリナ、頼まれてくれるか?」 > 傍に控える気配が、動いた。 >「はい。・・・・お任せ、下さい。」 >「頼むぞ。・・・・お前にとっては、辛いことだとは思うが。」 > オカリナと呼ばれた少女は、一礼してその場から立ち去った。壮年男性もまた、丁寧に挨拶した後、立ち去る。 ユア;きゃあああぁぁぁぁっ。 エイレン;あえていうならば、上のは歓喜の悲鳴だ。 『オカリナ嬢だvv』的なな。 > > 語り部は、流れ行く光景を眺めながら、口惜しそうに語った。 >「始まる・・・・。始まってしまう。悲しみしか残さない運命が・・・・。」 > 語り部は、いつも来ている吟遊詩人の服ではなく、白地に金糸・銀糸の刺繍を散らした、指先も見えぬ、ぞろりとした異国風の服を着ていた。 ユア;きゃあああああぁぁぁぁvvv エイレン;『語り部さんだぁvvv』だな。 今回、通訳多くないか、私。 > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!ついに第2部が終わったけど、どうだったかな?やっと、以前から名前だけ出ていた『聖石の使徒』と『四大家』が姿を見せ始めてきたし、これからじわじわ進んでいく『時の旅人』を、どうか見守っていて欲しいな。 > さて、では予告を・・・・といきたいところだけど、徒然編は未だ募集中だからねぇ・・・・。今回は、予告はなしだ。次回をお楽しみにね! > じゃあ、今回はこの辺で。夏バテしないように気をつけて、残りの夏を堪能してね! > ユア;はぁいです、語り部さん。 エイレン:やっと正気になったな。 ユア;長い名前のエイレンの武器の本の設定とそれに付随する人物を。 本の四つの存在 ≪火の門の守護者(フレア=ガ−ディアン)≫ 名前:カガリ=クリムゾン 性別;女 種族;もと、エイレンと同じ神族 現在 守護者 属性;破壊と再生 服装;麻布のベ−ジュのチュ−ブトップ・赤系の極彩色の巻きスカ−ト 革サンダル 外見;炎の揺らめき色の髪をポニ−テ−ル(その状態で足首までの長さ) ツリ目のサファイア色の瞳 褐色の肌 チユ−ブトップを着てもずり落ちない程度に胸はある。バランスの取れた体 身長 175センチ 二十代前半 髪の両サイドに青いハイビスカスのような大輪の花を飾っている 戦法:派手な炎の呪文 回復もできる (現在は戦闘は出来ない(以下同じ)) 性格;蓮っ葉で親しみ安いが、毒舌&口が壊滅的に悪い。 おまけに、手が早い。 しかしクレアの言うことは聞く。 趣味;巻スカ−ト集め 口調;荒っぽい・・・しかし状況に応じて敬語。 一人称;あたし 二人称:アンタ 三人称:基本呼びすて 挨拶;あたしはカガリってんだ。 エイレンってやつの本の≪火の門≫を任されてんだ。 よろしくな、朱流ママ。 夕海ママは・・・・・・・っるさいよ、っのタコ。 お世話になるやつにちゃんと挨拶して何が悪い、ヴァイス? ≪水の門の守護者(アクア=ガ−ディアン)≫ 名前;ヴァイス=セルリアン 性別;男 種族 属性;純粋さと柔軟性 服装;水色で纏められた略式の神官服 白のブ−ツ 外見;雪の白さの髪 どんぐり眼の青い瞳 細身 身長160cm 十五歳 戦法;今も昔もつかえない 性格;文学少年系の静かな性格・・・・ではあるがときどきスルイドイつっこみあり 極度の泣き虫でもある 趣味;読書 口調;幼さが残る丁寧語 一人称;ボク 二人称:あなた 三人称:さん(エイレンのみ様) 挨拶;・・・カガリさん、珍しく丁寧・・・・痛いです。 ・・・・・・・殴らなくても・・・・・・。 ボクが、エイレン様の本の≪水の門≫を司っているヴァイスです。 よろしくお願いします、羅城さん。 ≪風の門の守護者(シルヴィ=ガ−ディアン)≫ 名前;レヴィン=ビリジアン 性別;男 種族;同上 属性;うつろうモノと情報伝達 服装;黒のぴったりとした上下の服 白衣のような青緑のコ−ト カンフ−シュ−ズ 外見;新緑の波打つ長髪 キレ長の翡翠の瞳 中肉中背 20代後半 身長;182cm 戦法;風の呪法(今は使えない) 性格;究極のナンパ男 好みとあれば、赤ん坊から棺桶に片足を突っ込んだのまで、男女問わず口説く ちなみに、好みは、ルピナスやアリエス。 リナのようなのは嫌い。 しかし、やると気はやるタイプ 趣味:当然ナンパ・・・・ではなく情報収集 口調;下参照(キザ傾向にしても○) 一人称;私 二人称;君 三人称;姫君(女性)呼び捨て(男性) 挨拶;やあ、私がレヴィン=ビリジアンだ。 君が、羅城朱流かな、それとも姫君と呼んだ方が良いのかな? よろしく頼むよ。 ≪大地の門の守護者(ノ−ム=ガ−ディアン)≫ 名前;クレア=シェンナ 性別;間違いなく『男』(十九世紀末まで、『クレア』は男性名) 種族:竜人族→守護者 属性;不変と強剛さ 服装:黒革で出来た袖なしの上衣 黒の厚手の布のズボン 大判で薄手の藍色布を腰に巻いている カガリとおそろいの革サンダル 外見;黒髪を短く刈っている。カガリに貰った青い石のピアスをしている。 茶色の穏やかな瞳。筋骨隆々というわけではないが、四人の中で一番背が高く、体格もいい。 褐色の肌。 195cm 二十代 性格;穏やかで平和を好む ・・・・ボブ=サップの身体に仔猫の心の持ち主 戦法;体術・言霊術(彼のみ戦える(←理由は下で) 趣味;絵を描くこと 口調;殆ど喋らないが、喋ると下のような感じ 一人称;俺 二人称:お前 三人称:さん付け(仲間には呼び捨て) 挨拶;俺が、クレア=シェンナ。 よろしく頼みます。 四人の固定詔(こていみことのり)←下に説明あり 火 『我 【火の門の守護者】 カガリ=クリムゾン 我が主の意と我の命を受けよ 我の声を聞け 焔よ踊れ 焔よ焱陣(えんじん)を成せ 焱陣(えんじん)よ 門を呼べ 門よ ○○の○○よおいでませ 【解放】』 水 『ボクは 【水の門の守護者】 ヴァイス=セルリアン ボクのマスタ−と僕の言葉を受けて 我の命を聞け 水よ舞え 水よ水陣(すいじん)を形成せ 水陣(すいじん)よ 門を召喚せよ 門よ ○○の○○を現世(げんせい)に 【解放】 』 風 『我は 【風の門の守護者】 レヴィン=ビリジアン 也 我と我の主人の意思を呑み 我の囁きを受けよ 風よ荒れ狂え 風よ颯陣(ふうじん)を呼べ 颯陣(ふうじん)よ 門を開けよ 門よ ○○の○○を具現せよ 【解放】 』 土 『俺は 【大地の門の守護者】 クレア=シェンナだ 俺と俺の主のココロ汲み 俺の声無き声を聞け 土よ力示せ 土よ槌陣(どじん)を開け 槌陣(どじん)よ そのモノよ 召喚せよ ○○○の○○を現世に 【解放】 』 エイレンが四人を呼び出すとき 『我は【呪われし魔本の持ち手】 なり 尽きぬ命を償いに 我は望む 我の孤独を癒すモノを召喚することを 出現せよ 【門の守護者達(ゲ−ト・ガ‐ディアンズ)】』 四人共通の設定・・・・本の設定 ・この本が生まれたのは、エイレンのいた世界の神様同士の戦い(以下・大戦)の最中。 ・末期には、魔物も神界に侵入するようになった。 ・当時・クレアとカガリ、レヴィンは敵同士 ヴァイスは主神(スレで言うスィフィ−ド)の末息子で関係無 ・四人は大戦末期に主神の計略で、異世界の魔物を本に閉じ込める為の生贄にされた。 ・レヴィンとヴァイスには、許嫁がいた。 (蛇足;レのほうはレイファ。ヴァのほうはシアンという名前の女性。) 両方とも死亡しているが、レヴィンとヴァイスは知らない。 ・生贄にされた時点で、四人は≪守護者≫と言うイキモノになった。 ・≪守護者≫は、何を置いても本の主人が至上であり、逆らえない。 ・≪守護者≫は、本を守り、≪門(ゲ−ト)≫を護らなくてはいけない。 ・≪守護者≫は、死というものがない ・モンスタ―は、主の以降次第でで入れ替え自由 ・本の≪門≫は、属性ごとに四つに分かれており、各門ごとに十二匹までしか魔物を収容できない。 ただし、属性が複数個の場合、強い属性に属する。 ・≪守護者≫の詔(みことのり)無くして、魔物は召喚できない。 ・『門』の属性以外のモンスタ―は、マスタ‐が単独で召喚せねばならない その場合 最大6匹まで収容可能 ・属性に関係なく、最大7匹までしか一度に召喚できない ・三人は、カガリに惚れている。 ・そういう事に関しては、カガリはクレア以外相手にしない。 ・クレアが戦えるのは、元・竜人族である為。 ・エイレンは、二代目。 ・エイレンが感情を動かすのは、本の住人の為だけ。 ・初代は、その1〜7を奴隷扱い・・もとい家畜扱いしていた。 その8〜11は、エイレンの代になって仲間に加えられた。 ・エイレンの親衛隊といってはばからないのが、その1〜11。 他にもいるが、エイレンには反抗的。 ・他のキャラ達も色々とカゾクカンケイが書いた以外にもありますが、その辺は想像で。 本のモンスタ‐ その1 名前;シルヴィア(通称:シルヴィ) 性別;(外見上)少女 種族;風の精霊 属性;風と火(門は、風) 年齢;三千歳(大戦末期に生まれた) 外見;髪は、濃い目のエメラルドグリ−ンをピンクの布でツインテ−ルにしている 瞳は、やや濃い目のグリ−ン 肌は、薄い緑 155センチ 服装;白に一番近い緑の露出の高い踊り子衣装 両手両足に薄布の長いひも状の飾り付きの輪っか 攻撃;カマイタチ 情報収集能力にも長けている 性格;明るい、底抜けに明るい 肌の色を感じさせないくらいに人となじむのが上手い カガリとは仲がよくない(←大好きなレヴィンがちょっかい出すから) 口調;一人称;わたし 二人称;あなた 三人称;呼び捨て 挨拶:わたしが、シルヴィア。 シルヴィって呼んでいいよ。 よろしくね、朱流!! 備考;踊る以外空中に浮いている その2 名前;玄老師 性別;好々爺 種族:幻獣 属性;土(門も土) 年齢;・・・・・結構なお年 外見:人間;60歳以上の老人 白髪に白ひげが顔中を覆っている。 覗く瞳は、やさしい琥珀色 外見:本性;玄武 服装:黒地に緑銀の糸でびっしり刺繍のされたチョッキ(人間・本性共通) 白系で、チャイナタウンなどの小さな道具屋の主人が着ているような簡素な服をその下に (人間) 攻撃;人を食った口調で相手の調子を崩してから、土系の術を使う。 性格;人を食っている好々爺のおじいちゃん。 人々が信じている大地の神のイメ‐ジを壊すことうけあい人 口調:一人称:わし 二人称;おまいさん 三人称:小僧・坊主(男)お嬢ちゃん(女)ふぇ おじいちゃん口調 挨拶;ほっほほほ。わしが通称・玄老師じゃ。 本名は忘れてしまったわい。 羅城のお嬢ちゃん・・・・いや、坊主のほうかの? ・・・ともかく、よろしく頼むぞい。 その3 名前;フレア=フェリックス 性別;女 種族;サラマンドラ(ヒトカゲ) 属性;炎 年齢;百五十歳(封じられているモンスタ‐の中で一番若い) 外見:リナを五歳ぐらいにして、肌を褐色にしたような感じ 赤が見に、赤みの強い瞳(黒目の部分が眼の九割) 五歳ぐらい 105センチほど 服装;赤と青で纏めたサリ‐ カガリに作って貰ったビンティ(インドの額飾り) 攻撃;意識的にはしない ただし、感情が高ぶったり、驚いたりすると炎を発してしまう。 性格;極度の人見知りで泣き虫 カガリとクレアとパメラ・・・かろうじてエイレンのみ普通に接することができる。 口調;舌足らずで、ひらがなで喋る(詳しくは、挨拶) 一人称;ふれあ 二人称;おにいちゃん・おねえちゃん 3人称;二人称と同様 挨拶;ねぇ、かがりおねえちゃん、くれあおにいちゃん。 ふれあ、あいさつしなきゃだめ? ・・・・・・・わかったよう。 あけるおねえちゃん、ふれあのことよろしくね。 備考;泣くと涙が、ルビ‐やガ‐ネットになる カガリ達といない時は、ポチの上にのっている その4 名前;パイ=フ‐ 種族;玄老師とおなじ幻獣(白虎の中でも珍しい水虎) 属性;風と水(水のほうが強い) 年齢;3500・・・・以上 外見;フレアと並ばせると親子に見えるそっくりな20代後半 ただし、白い髪を三つ編みにし、水色の黒目がちな瞳。 185センチ 常に細葉巻をくわえている(子供の前では火はつけない) 服装;黒のスラックスに、黒のチュ‐ブトップ、黒のジャケット。 首輪のような十字架と月付きのチョ‐カ−。左耳にチェ‐ンピアス。 攻撃;水を風とその抑える力によって生まれる電気で従えて、使う。 例;槍状に固める とか 手に沿わせて薙ぎ払ったり。 性格;よく言えば、軽薄。悪く言えば、責任なしな姐御肌のお姉さん。 しかし、子供・・あるいは子供の姿のやつには弱い・ 口調:お姉言葉というか、京都弁 一人称;あたい 二人称;坊(ぼん)(男)お嬢(女) 三人称:はん 口調;あたいが、パイ=フ‐っていう水虎でおやす。 お嬢が、羅城はんやろか。 母さん共々よろうしゅうおねがいしますぅ。 その5 名前;パメラ=ウィザ‐ド 種族;人工の雷使いの精霊 属性:雷(エイレンの直接召喚か風・炎の【複合門】で召喚可能) 性別;女 年齢;10万とんで、560歳 外見;月色の膝までの髪 月色の涼やかな瞳 両方の二の腕にバラと十字架を意匠化した刺青 鎖骨の間に蝶々の刺青 褐色の肌 195センチ 21歳前後 服装;黒の袖なしで、胸の開いた革服の上衣(ボンテ‐ジ?) それに紺地に銀の星をちりばめたようなスカ−トに カンフ‐シュ‐ズ。 攻撃;パイ=フ‐と同じような感じ。 雷自体を自分の意思力のみで抑える。例は同じ。 ただし、こっちの方が万倍見た目怖い。 性格;無口ではないが、無表情&無愛想な為怖いお姉さんだと思われている しかし、意外と子供には面倒見の良いお姉さん。 子供以外には、結構意地悪である。 口調;下参照。 一人称;私 二人称;アンタ 3人称;呼び捨て(エイレンのみさん) 挨拶:始めまして、私がパメラだ。 よろしく頼むよ、羅城。 その6 名前;ポチ 性別:♂ 種族;ヘルバウンド(狼系の怪物) 属性;闇と土(土が強い) 外見;バカデカイ灰色狼 体長120センチ 攻撃;噛み付く・引っ掻く 闇を形にしたり、土を従えたりして動きを封じる 性格;アホ・馬鹿・マヌケの三拍子。 というか、犬そのものに近い 口調;昔の不良の下っ端系 一人称;あっし 二人称;姐さん 兄さん 三人称:さん 挨拶;あっしが、ポチっす。 姐さん、あっしらをよろしくっす。 備考;ほぼ、原作スレイヤ−ズのスポット その7 名前;スフィア=ア‐ジェント 性別;♀ 種族;スフィンクス 属性:風と土(風が強い) 年齢;千五百歳ほど 本性;絶世の美女の頭と上半身、ライオンの下半身と毒蛇の尻尾+鷲の羽 それを二足歩行にしたモンスタ‐ 体長;2M 人間;絶世の美女で、銀髪で銀目。 長身痩躯。 服装;魔道士系のすっぽりと体を覆うマント系の服を好む。 しかし、レヴィンは、黒系の扇情的な服を着せたがる。 攻撃;直接攻撃は出来ない 雷や炎使いと組まされて、空から、合体攻撃 情報収集が得意 性格;理知的で、物知りさん。 しかし、それを鼻に掛けた所がないので、好かれている ポケ〜っとするのが大好き 口調;ぶっきらぼう+間+男のような口調 一人称;ワタシ 二人称:アンタ 三人称:(皮肉で)さん(ふつうは呼び捨て) 挨拶;ワタシが、スフィア=ア‐ジェントっテ言う、スフィンクスだ。 ・・・・・・≪銀色のスフィア≫とも呼ばれているな。 よろしく頼むぞ、羅城。 その8 名前;マリシア=フォ‐チュネット(通称;マリ‐)(元名:茉里) 性別;女 種族;家に着く幸福の精霊(座敷童子?) 属性;全て(彼女は少し特殊で、全部の門が必要) 年齢;1500歳未満、1000歳以上 本性;八歳ぐらいのおかっぱの白髪と銀眼の着物の人間 100センチ 人間;白髪をひっつめて白い布で纏めている。 溌剌とした雰囲気 白い布を巻いた布を巻いた棒状のもの‐朱塗りの大太刀(全長:130cm)を携帯している 十八歳前後の外見。 157センチ 服装;身体の線が出る暗殺者が着る様な身体にぴったりとした黒い服。 ・・・+仲間にいわれて、黒マント。 攻撃;朱塗りの大太刀 (無意識に、相手の自滅を招く逆座敷童子パワ−を発揮) 性格;元気溌剌で、明るいお子様系 人間版の18歳でも15歳ぐらいに見られてしまう(最遊記の悟空?) 竹を割ったような性格と言い換えてもいい。 口調;少年系 一人称;俺 二人称;オマエ 三人称:(尊敬に値すると判断すると)さん 親しくても、呼び捨て 挨拶;・・ってぇよ、バカカガリ。 せめて、レヴィンさん程度に嫌味っぽくでもいいから、わかりやすく言ってくれればいいじゃんよ。 俺は、マリ‐ア=フォ−チュネットってんだ。 オマエが、羅城朱流? これから、よろしくな。 ・・・・・・・というわけだ、カガリ覚悟しろ。 その9 名前;リリ−ナ=フォ‐チュネット(通称;リリ−)(元名:梨々) 性別;女 種族;家に着く幸福の精霊(座敷童子?) 属性;全て(彼女は少し特殊で、全部の門が必要) 年齢;1500歳未満、1000歳以上 本性;八歳ぐらいのおかっぱの黒髪と金眼の着物の人間 100センチ 人間;黒髪をひっつめてお団子にまとめている 静寂のような雰囲気・・・・気配が希薄な人間姿 半径120cmほどの黒と白の鉄扇を一本づつ背中に常備 十八歳前後の外見。 157ンチ 服装;身体の線がでる着物のようなカスミ草柄の服。 身体を覆おう白色のマント 攻撃;扇で、カマイタチを起こしたり、それ自体で全てを薙ぎ払う。 (座敷童子パワ−は希薄) 性格;とても穏やか・・・・過ぎて、気配が希薄。 おっとりしているがあるが、暴走するマリ‐アを止めることができる数少ない人物 ただし、戦闘になると人が違ったように怖い。 ネズミが嫌い 口調;とても丁寧なお嬢様口調(戦闘モ‐ドは、粗野な男言葉) 一人称;あたくし 二人称;貴方様 三人称:様 挨拶;あたくしは、リリ−ア=フォ‐チュネットと申します。 あちらで、カガリ様と暴れている愚姉の双子の妹でございます。 宜しくお願いいたしますわ、羅城様。 ・・・・さて、お姉さまの少々おいたが過ぎますわね。 (扇を開き、両手に持ち構える) くぉら!!カガリ様っ、お姉さま。 いい加減にしやがれ!! ・・・・・失礼いたしますわ、羅城様。 (礼をして、今だ暴れる二人の元へ。) その8とその9の設定というか補足 ・彼女達は、エイレンが異世界‐この場合、赤の世界‐に来てすぐ保護した。 ・古い屋敷にいて、お化け屋敷と噂されていた。 ・元々は、『あの御方』とは関係のない世界の出身。 ・だから、幻魔族の範疇? その10 名前;アレク=ロゼ=ベルモット 種族:異世界の魔族 性別;なし(強いて言えば、男) 属性;なし(誰でも単独召喚ができる) 年齢;それなり 外見;金茶の髪と人懐っこい紫色の瞳の中性的な容貌 黒いネコミミとシッポ 二十二歳 167センチ 服装;幾何学模様の濃い灰色と薄い黄色の上下セットの半袖短パン 分厚い鉄板入りブ‐ツ 攻撃;猫の・・・ではなく鉄の爪 猫のような俊敏な体術 性格;気紛れで、楽しいこと大好き。 しかし、エイレンの配下になった理由からは仲間思い過ぎる面在り。 口調;語尾に にゃかだにゃ 一人称;俺 2人称:みゃあ 三人称:さん 挨拶;始めましてだにゃ。 俺が、アレク=ロゼ=ベルモットだにゃ。 みゃあが、羅城さんかにゃ? よろしくにゃあ〜。 その11 名前;ノイシェ=アルバ=マ−メティア 種族;異世界の魔族 性別:なし(強いて言えば、女) 属性;なし(誰でも単独召喚可能) 年齢;それなり(アレクより上) 外見;蒼と緑が混ざった銀の髪 深海の青 両耳の位置に、くすんだ青銀の魚のようなヒレ(人間の耳に擬装可能) 二十歳〜二十五歳ぐらい 175センチ 服装;無理矢理旅装にしたかと思うような、黒の短い体の線が出る上衣 それに、青の長いタイトスカ−ト(太腿なかば程度のスリット在り) 革紐を脚に何本か交差して固定するタイプのサンダル 攻撃:鋼を極薄の板にしたものの刃を仕込みながら編んだ鞭 自分の肘までの肉厚のナイフ 性格:よく言えば、思慮深い。 悪く言えば、ボケ〜ッとしたところ在り。 丁寧で、物腰の柔らかい女性。 アレクに淡い恋慕の念在り。 口調;丁寧な女言葉。(女性にしてはかなり低い声といわざるえない) 一人称;わたくし 二人称;貴方様 三人称:様(酒に酔うと、〜ぴょん)(アレクのみ、呼び捨て) 挨拶;初めまして、わたくしは、ノイシェ=アルバ=マ−メティアと申します。 貴方様が、羅城朱流様でしょうか? アレクと皆様を宜しくお願いいたします。 その10と11のエイレンの配下に入った状況。 神魔の戦場 戦争末期 「みゃあが、【聖本の使い手】かにゃ?」 「そうだが、お前は?」 「アレク=ロゼ=ベルモットにゃ。 こっちは、ノイシェ=アルバ=マ−メティアだにゃ。」 「そうか。 怪我をしているが、大丈夫か?」 「神族に助けられたくないにゃ。」 アレクは、意識のないノイシェを庇うようにエイレンとの間にある。 アレク自身も相当な痛手をおっている。 「しかし、このまま滅びるか?」 「滅びたくにゃいにゃ。 でも・・・」 「【聖本の使い手】 私なら、助けられる。 自由と引換えだ。 ・・・・私と仲間さえ襲わなかったら、ほぼ自由だ。」 「・・・・・・・わかったにゃ。」 ・・・・・という具合。 ユア;長くてスミマセン。 質問等ありましたら、いってください。 それでは、次回で。 > |
17203 | 感謝!です。 | 羅城 朱琉 | 2005/9/1 17:06:06 |
記事番号17202へのコメント > >> こんにちは、羅城 朱琉です! >> ついに17話、第2部ラストです!・・・・と、言っても、番外編をはさんで休み明けにはすぐ3部に入りますが。 >> それでは、新キャラの影もちらほら見え出しました、第17話、どうぞ! > >こんばんは、もといこんにちわ。ユアです。 >遅れました。 >バイト漬けのうえに、PCの調子が悪くて・・・・・・・・。 >ともかくレス行きます。 朱琉:こんにちは!短大のパソが工事中のため、ネットカフェから書いてる羅城です。では、早速ですが返レスに・・・・ > > >> >> >> >> >> 時の旅人 >> >> 17:揺籃の時の終わり > >ユア;揺籃・・・・揺り籠と言うことですから・・・ >エイレン:始まり・・・・・序章の終りということだろうな。 朱琉:大正解です! 語り部:というか、序章長すぎだよ、朱琉。 > >> >>「姉様・・・・ユヴェル・・・・。あなた達なら、何か知っていますか・・・・?」 >> 今だ、中世の5大賢者の一人として有名な姉を。そして、魔道士であり、賢者と呼ばれるにふさわしい知識を持っていた、古い旅の友の名を。 >> >> 二人もまた、今は亡き者であるのだけれど。 >> > >エイレン:老いも死も・・・病すらない身の上の辛さは、人であれ、私たち神族ですら変わらないな。 >ユア;・・・・・友や寄る辺が先に逝くってのはね・・・・ > > > >> と、ルピナスは何やら真剣な顔でアリエスに歩み寄り・・・・まるで身体検査でもするかのようにぺたぺたとアリエスを触り始めた。 > >ユア:ルピ君、男の日にやるとやばいですよ。 語り部:確かに(笑)女バージョンだからこそ出来ることだ。 > >>「そう・・・・・・・・アリエスがいないのよ。ずーっと探してるのに。で、やっと見つけるんだけど、アリエスはどんどん進んでいって、ちっとも距離が縮まらないの。あたし、一生懸命呼んでたのに・・・・。で、やっと振り返ってくれるんだけどさ・・・・。アリエスの顔なのに、アリエスじゃないみたいだった。何かこう・・・・すごく冷たい目で、あたしを見てきて、さ・・・・。」 >> そう言って、ルピナスは俯いた。その言葉を聞いてアリエスは、驚いていた。 >>(気付いていたんでしょうか?私が、フェリセと会ったこと。・・・・一瞬、全てを忘れて、フェリセの手を、取ろうとしたこと・・・・。) >> そんなはずはない、と、アリエスは否定した。あの時、ルピナスの気配などはなかった。それでも、フェリセの手を取ろうとしたことは事実で。・・・・それでも、この『今』に自分を引き止めたのは、レンとルピナスの存在だった。だから。 > >ユア;ルピちゃんのほうは勘いいですね。 朱琉:まあ、男バージョンよりはそうなんですけどね・・・・。 語り部:フフフ・・・・これは、ルピナスの失われた過去に関係があると言っておこう。微ネタバレかも知れないけど、女ルピナスの特殊能力(?)のひとつが、この『予知夢』だ。 朱琉:だんだん、過去がすごいことに・・・・ > > >>「お待ちください。御老公が動かれるほどのことではありません。・・・・オカリナ、頼まれてくれるか?」 >> 傍に控える気配が、動いた。 >>「はい。・・・・お任せ、下さい。」 >>「頼むぞ。・・・・お前にとっては、辛いことだとは思うが。」 >> オカリナと呼ばれた少女は、一礼してその場から立ち去った。壮年男性もまた、丁寧に挨拶した後、立ち去る。 > >ユア;きゃあああぁぁぁぁっ。 >エイレン;あえていうならば、上のは歓喜の悲鳴だ。 > 『オカリナ嬢だvv』的なな。 朱琉:登場、です! 語り部:話の都合上、名前がもう少し長くなっていたりするけど・・・・いいよね? > >> >> 語り部は、流れ行く光景を眺めながら、口惜しそうに語った。 >>「始まる・・・・。始まってしまう。悲しみしか残さない運命が・・・・。」 >> 語り部は、いつも来ている吟遊詩人の服ではなく、白地に金糸・銀糸の刺繍を散らした、指先も見えぬ、ぞろりとした異国風の服を着ていた。 > >ユア;きゃあああああぁぁぁぁvvv >エイレン;『語り部さんだぁvvv』だな。 > 今回、通訳多くないか、私。 語り部:そういえば・・・・何話か登場してなかったね、僕は。僕も、夕海さんに会えて嬉しいよv > >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!ついに第2部が終わったけど、どうだったかな?やっと、以前から名前だけ出ていた『聖石の使徒』と『四大家』が姿を見せ始めてきたし、これからじわじわ進んでいく『時の旅人』を、どうか見守っていて欲しいな。 >> さて、では予告を・・・・といきたいところだけど、徒然編は未だ募集中だからねぇ・・・・。今回は、予告はなしだ。次回をお楽しみにね! >> じゃあ、今回はこの辺で。夏バテしないように気をつけて、残りの夏を堪能してね! >> > >ユア;はぁいです、語り部さん。 >エイレン:やっと正気になったな。 >ユア;長い名前のエイレンの武器の本の設定とそれに付随する人物を。 > 朱琉:きゃあきゃあvvvvありがとうございます〜! 語り部:朱琉・・・・思考回路が崩れてるみたいだ。ごめんね、こんな作者で・・・・ 朱琉:アハハ・・・・。では、まじめに。本当に、いつもいつもいつもいつもありがとうございます!この話の49%は十叶さんで出来ていると言っても過言ではありません。まだまだ未熟極まりない私ですが、今後ともどうぞよろしくお願いします。 > > >ユア;長くてスミマセン。 > 質問等ありましたら、いってください。 > それでは、次回で。 >> > 朱琉:はい。ではまた次回で! 語り部:それまで、どうかお元気で・・・・と、言っても、そんなに待たせないと思うけど。 二人:では、今回はこの辺で! |
17206 | Re:カガリの修正 | 十叶 夕海 | 2005/9/1 22:41:12 |
記事番号17203へのコメント カガリの詔の一部が文字化けしてました。 ですので、文字化け部分に『炎』の字を当ててください。 それでは。 |
17207 | Re:カガリの修正 | 羅城 朱琉 | 2005/9/2 08:20:07 |
記事番号17206へのコメント 了解です。ありがとうございました! |
17208 | 時の旅人 徒然編2:幾千の昼、幾万の夜 | 羅城 朱琉 | 2005/9/3 11:57:40 |
記事番号17193へのコメント 朱琉:こんにちは、お久しぶりです、羅城 朱琉です。 お待たせしました徒然編!人気投票で栄光の一位に輝いたのはこの方! 語り部:僕、『放浪の語り部』こと語り部、計8点だ。投票してくれた方、どうもありがとう! 朱琉:と、言うわけで語り部さん短編、短い上に雰囲気が暗くて、ある意味死にネタになってしまいましたが・・・・とにかく、どうぞ! 時の旅人・徒然編 徒然之二:幾千の昼、幾万の夜 幾千の昼を越えれば、求める心の名前が見えるだろうか? 幾万の夜を過ごせば、伝えたい言葉の一片が見つかるだろうか? (・・・・なんて、ね。無意味なことを考えてしまったものだよ・・・・。) 埒もないことだ、と思いを振り切り、語り部は遠いブレードヴィレッジの方角を見やった。明日の夜までに、そこにたどり着かねばならない。語り部はあまり動きやすくはない吟遊詩人の服の裾を捌き、未だ闇の支配する世界を進み行く。 語り部・・・・『放浪の語り部』。もちろん、それは本名ではないが、通称としてどこでも通している。本当の名を知るものはほんの数人しかいないが、別に寂しいと思ったことはないし、これからも思うことはないだろう。天を見やる語り部は、誰もいない闇に向かって語る。 「基本的に、人間と同じ様な精神構造を持っている以上、何年生きようが過ちを繰り返す。神も魔も、『母』たちも同じ・・・・か。・・・・でも、過ちは正さないといけない。罪は、償わないといけない。偽りを孕んだ、仮初の安息に、浸り続けるわけにはいかないんだよ。」 と、唐突に気配が生じた。語り部は、背後を取られたにも関わらず、慌てず騒がず呟くだけ。 「君は、何を望んでここに現れたのかな?」 そこに現れたのは、薄ぼんやりとした幻影、のようなもの。何となく人のような形をとってはいるが、曖昧で輪郭すらわからない・・・・・・・・ゴースト。しかし、ただのゴーストにはない強い思いを、語り部はそこから感じ取っていた。 「・・・・・・・・魂だけの姿になっても、伝えたかったのかい?・・・・・・・・その強き願いに免じて、少しだけ、存在を許そう・・・・」 言葉と共に、語り部はゴーストに手を翳す。と、ゴーストは輪郭を整え、うっすらと色づきすらした。そこにいたのは、恐らく30代前半くらいだろうと思われる女性だった。長い髪を緩く三つ編みに纏め、こぎれいな服に身を包んだ、それこそどこにでもいるような、女性。しかし、語り部は彼女を知っている。ゴーストとして漂ってきたそのときから、既に彼女だとわかっていた。だから。 「やっぱり、君だったね、プリムラ。・・・・プリムラ=ヒーラ=セレス。」 ゴースト・・・・プリムラは、まるで意思あるもののように僅かに頷いた。・・・・いや、実際今だけは生前の意思を取り戻しているのだ。語り部の力によって。 『お久しぶりですね、××××様。』 「その名で呼ぶのは無し。僕は『語り部』だよ。」 語り部は少々不機嫌そうな声でプリムラに言う。彼女の言ったその言葉には、語り部の呼び名が含まれていた。 『あ・・・・そうでした。申し訳ありません。』 全然悪く思っていなさそうにころころと笑い、プリムラは言った。語り部は小さく息をつくと、プリムラに語りかける。 「で・・・・君は何を望んで来たの?」 『あら?私の心などお見通しでしょうに・・・・。』 「望むのなら言葉にしてくれないと、僕は動けないよ。それが、僕にかけられた制約だから。」 プリムラは口ごもった。彼女の望みは、彼女の中の禁忌に触れることだから。語り部は、もちろんそのことを知っている。それでもあえて何も言わず、ただじっとプリムラを見守っていた。 やがて、意を決してプリムラは口を開いた。限りない優しさと悲しさ、そして、僅かな後悔を滲ませた声で。 『・・・・・・・・あの子達に、平穏な生活を。できることなら、『四大家』と関わることの無いように・・・・』 「・・・・・・・・」 語り部は、無言。 『どうか・・・・・・・・どうかお慈悲を。こんな家に生まれてしまったばかりに・・・・哀れな子です。』 語り部は更に無言を通す。プリムラの姿は徐々に薄れつつあった。・・・・力が尽きかけているのだ。 『お願いします、どうか・・・・・・・・』 そして、ふと声は途切れ、姿も消えた。 「・・・・・・・・大馬鹿者。魂の消滅を選ばなくても良かったのに・・・・」 魂の消滅。それは、混沌の海に還ることすら叶わぬ、絶対の終わり。プリムラは、まさに『命懸け』で、語り部に願ったのだ。 語り部は、珍しく暗い声で訥々と語った。 「無理難題を押し付けてくれたね、プリムラ。・・・・・・・・君も知っているだろう?僕は、それほど優しくはいられないよ。」 語り部は、天を仰ぐ。悲しいほどに澄み渡った夜空は、森の木々に覆い隠されて見えない。闇の中、語り部は誰にともなく囁いた。 「君の命がけの願い、今はまだ僕には叶えることができないよ。・・・・でも、僕は誓おう。明けぬ夜がないように・・・・残酷な運命の果てに、微笑む彼らを。・・・・僕の過ちを必ず正すと。僕は君に誓おう・・・・」 例え幾億の昼と夜を流れても、求める言葉は見つからないだろう。 その言葉は、常に心の中にのみ存在する。 未だ見つからない、思いの全てを宿した一言。 いつか、君に伝えられるように 僕はまた、歩き出す・・・・ あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:改めまして、久しぶり!今回はどうだったかな?微妙に本性発揮してしまった僕、更にはプリムラの姓が・・・・と言うことで、なんだか裏ネタ満載の番外編になってしまったね。 まあ、あとがきはこれまでのノリで続けると思うから。 まあ、では早速だけど次回予告といこうか。次からはついに第3部!・・・・といっても、次の話は同時に投稿するけどね。 望まれない運命。定められた道。 一人の願いによる答えは、不和の前奏曲か・・・・ 一時の休息の内にある者に手を差し伸べて 全ての因縁は動き出した。 次回、『時の旅人』18話、『蠢く野望の中で』 じゃあ、また会おうね! |
17209 | 時の旅人 18:蠢く野望の中で | 羅城 朱琉 | 2005/9/3 12:01:06 |
記事番号17193へのコメント こんにちは、羅城 朱琉です。 久々の連続投稿!と、言うことで、ついに第3部が始まります。 たった4話しかない割にかなり重要な第3部、新キャラも登場します。 では、どうぞ! 時の旅人 18:蠢く野望の中で どことも知れぬ場所で、4人の、変わった風体の者たちが、思い思いに座っていた。 一人は、銅色の髪と瞳が美しい、リボンを大量に巻きつかせた、珍妙な出で立ちの女性・・・・フェリセ=ニーランデル。 二人目は、長く伸びた紫の髪と虚ろなアイスブルーの瞳の、指にじゃらじゃらとアクセサリーをつけた少年。ハイネックの黒い上着に茶色の半ズボン、白い大きなマントといった、歳にそぐうのかそうでないのか、判断に迷う服を着ている。 三人目は、地に付かんばかりに伸びた黒髪を派手な簪で緩く纏め、左目を眼帯で隠し、青い右目のみで婀娜っぽく微笑んだ女性・・・・に見える人物。縹藍の、両横にスリットの入った着物と白いプリーツスカートという、一見和洋折衷で奇妙な服を着ているが、それが妙に似合っていた。 四人目は、肩より少し短い黒髪と、底光りする青灰色の瞳を持ち、なぜか蝶・・・・黒揚羽と戯れている少女。全身の服が黒一色で、ハイネック・ノースリーブの上着にホットパンツ、二の腕までを覆う、指先の出たグローブに、太腿まであるロングブーツと言った服を着ていながら扇情的に見えない、知的な女性・・・・キサラ。 フェリセは彼らを満足げに見渡し、高らかに宣言した。 「さて、我ら『聖石の使徒』の最高決定機関、『三賢人(トリニティ)』諸君!集まってくれてありがとう!」 「って、呼んだのはあんたじゃねーか。」 二人目の少年が期限悪そうに呟く。 「いつもの『お約束』でおやすよ、坊。」 三人目の女性も、そういいつつ少し不満げだ。キサラは何も言わない。非難の色もなければ、フェリセの弁護をする気もないようだ。 「そう言わないでよ。重要な話なんだからさ。」 フェリセはそう告げた後、にまりと笑った。 「ついに、発見したよ。私たちの計画の要・・・・アリエスを。キサラ、ありがとね!」 キサラは、ようやく視線をそちらに向ける。指先に止まらせた黒揚羽がヒラリと舞い上がった。 「別に・・・・。礼なら蝶たちに言って下さい、フェリセ様。」 表情はあまり変わっていないが、これは照れてるな、とフェリセは悟った。何しろこの蝶たちは、キサラが創った彼女の分身のようなものなのだから。 晴れやかにフェリセは笑う。しかし、二人目と三人目は難しい顔をしていた。 「あちきはやっぱり反対でおやす。」 三人目の女性は、フェリセに言った。 「レスぅ・・・・そんなこと言わないでよ。本当に必要なんだからさ。」 『レス』と呼ばれた女性に助太刀するように、二人目の少年が口を開く。 「でもよ、アリエスってのは、あんたの知り合いなんだろ?計画に使えんのか?」 フェリセはちょっと拗ねたような物言いで返答した。 「君もなの?ロキ。あたし説明してなかったっけ?そういう問題だけじゃな・い・の!『四大家』も、アリエス求めて動き出してる。『輪転の女王』自ら降臨してるって情報もあるの。・・・・どっちにアリエスが渡っても、あたしたち全員身の破滅程度じゃ済まないわよ!?」 3人を見渡し、フェリセは珍しく笑みを含まない眼差しで言った。 「知り合いを『使う』ことができるかと訊かれたら、イエスと言い切れないけどね・・・・アリエスは、きっと来てくれる。」 そう言い切ったフェリセの前に、キサラは肩膝をつき、頭を垂れた。 「御心のままに。」 ロキとレスも、仕方ない、といった風情で肩をすくめる。 「まあ、どうせあんたのことだ。俺たちが何を言おうが、絶対、意見を変えるなんてしやしねぇんだ。」 「・・・・坊の言うとおりでおやすよ。」 フェリセは、苦笑いに近い笑みを浮かべる。そして、宣言した。 「今晩、アリエスを迎えに行く。そのつもりでいてね。」 フェリセは言うなり身を翻す。後に残された3人のうち二人は、大きく溜息をついた。 「全く、あれじゃ相談する意味ねーだろ!?」 「・・・・嬢は強いでおやすから。あちき達がいなくてもよろしゅうござんしょうに。」 キサラは、ふと彼らに視線を向ける。黒揚羽たちが一斉に飛び立ち、辺りを舞った。 「・・・・・・・・」 もの言いたげなキサラの視線に、ロキは苛立ちを覚えた。 「何だよ!?」 「別に。」 レスは内心溜息をついた。この二人の気が合わないことは、とうの昔から分かっている。 フェリセに付き従う、知的で優等生気質のキサラ=シリュウ。 目的のためにフェリセを利用していると公言する、大いにひねくれたロキ=コンス。 何年経とうが、どれだけ言葉を交わそうが、この二人が歩み寄ることなどありえない。 かく言うレスとて、無条件にフェリセを信じてはいない。しかし、彼女の持つ圧倒的な力と、その目的に至るまでの道にあるであろう戦いは、レスを引きつけずにはおれないのだ。 「大体、テメェは澄ました顔しやがって。ただの人間の分際で・・・・!」 「その『ただの人間』でも、神にも届く刃を持っているのですよ?」 そうこうしているうちに、二人の口喧嘩も最終章に入ってきた。こうなったらもう、互いに力をぶつけあうしかないのだ。 ロキの指にはめられたアクセサリーが、籠められた魔力によって淡く輝く。数百の黒揚羽が、キサラの周りに舞う。魔力の籠もったアクセサリーが飛来するが、キサラの蝶が楯となり、届かない。戦闘用に生み出された蝶の鋭い羽がロキに襲い掛かるが、全て弾かれる。 レスは、今度こそ大きな溜息をつき、二人を止めるべく大振りの鉄扇を広げた。これもいつものことだ。いつもの・・・・ * * * * * 主要な街道まではまだ少しかかる、そんな、森の中の少し開けた場所に、アリエスとルピナスはいた。アリエスは天を見上げ、呟く。 「今日は・・・・ここで野宿ね。」 「そうね。街道筋に出られれば宿もあるだろうけど、もう真夜中だし・・・・。前の町で、夕食済ませてきて良かったわ。」 言いつつ、ルピナスはいい具合に乾燥した枝を集める。それにアリエスが火をつけて、獣が寄ってこないようにする。 「まあ、今日はもう寝ましょう。明日も早いし・・・・」 ころりと横になったルピナスは、すぐに健やかな寝息をたて始める。それを見て、アリエスは微笑んだ。 (ルピナス=セレス=ヴァリード。この4年間、ずっと傍にいてくれた人。) 最初は、気にも留めなかった。ただ、レンが拾ってきたもの、としか見ていなかった。でも、今は、レンと共にかけがえのない人。 (私は、あなたを守りたい。あなた達の立つこの地を守りたい。そう願うのは、傲慢ですか?) 心の中で呟いて、アリエスは天を仰いだ。 なぜ、唐突にそう思ったのか、それはアリエス自身にとってもよくわからない。それでもアリエスは今この瞬間、そう思った。 ・・・・後から思えば、それはこれから起こる悲劇の予感に対する、無意識の抵抗だったのかもしれない。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ!今回はどうだったかな?ようやく『本題』に入ったこの『時の旅人』を、どうか見守ってやって欲しいな。 今回はレス嬢(?)の言葉遣いで苦しんだ朱琉だけど、変だと思ったら指摘して欲しい。・・・・何分、資料がまるでないからねぇ、廓言葉・・・・ さて、じゃあ語ろうか。未来に連なる一欠けを。 痛む記憶があった。優しい思い出があった。しかし・・・・ 告げられた事は心を傷つけ、その果てに何を覚えるのか。 夢にたゆたう乙女の傍らで争うものたちは何を望み 乙女を腕に抱かんと欲するのか・・・・ 次回、『時の旅人』19話、『言の葉の刃』 それじゃ、また会おう。出逢う全ての人々に、時と世界の祝福を! |
17210 | ・・おおぅ!! | 十叶 夕海 | 2005/9/3 15:46:51 |
記事番号17209へのコメント > こんにちは、羅城 朱琉です。 > 久々の連続投稿!と、言うことで、ついに第3部が始まります。 > たった4話しかない割にかなり重要な第3部、新キャラも登場します。 > では、どうぞ! ユア;はぁい。こんにちわ。 楽しみ楽しみの三乗ってやつですか? 久遠;ユアちゃん、バカなこと言ってないで、レスにいかないの? ユア;今回は、ある意味レスティナと同類の剣の九十九神の久遠と行きます。 > 三人目は、地に付かんばかりに伸びた黒髪を派手な簪で緩く纏め、左目を眼帯で隠し、青い右目のみで婀娜っぽく微笑んだ女性・・・・に見える人物。縹藍の、両横にスリットの入った着物と白いプリーツスカートという、一見和洋折衷で奇妙な服を着ているが、それが妙に似合っていた。 ユア;きゃあああぁぁぁvv 久遠;意外に早い登場に歓喜というか、・・・なんというか悲鳴をあげてるわね、ユアちゃん。 ユア;いいじゃないのさ。 ・・・・・ちなみに、上の着物の柄は次のようなバリエ−ションがあります。 久遠;ええと、 『黒地に大輪の真紅の薔薇の柄』 『藍地に淡い水色で般若の顔の柄』 『薄藍に白に近い水色でしゃれこうべの柄』 この三つは、大きく一つだけ、着物に書いてあるのよね。 『淡紅色に大小さまざまな太陰模様の着物』 『水色に大小種類多様な花が描かれた着物』 とか、半分くらい人から、悪趣味といわれるような着物ばかりね。 >「さて、我ら『聖石の使徒』の最高決定機関、『三賢人(トリニティ)』諸君!集まってくれてありがとう!」 >「って、呼んだのはあんたじゃねーか。」 > 二人目の少年が期限悪そうに呟く。 >「いつもの『お約束』でおやすよ、坊。」 > 三人目の女性も、そういいつつ少し不満げだ。 ユア;ええっ。 せっせ・・・さっさ・・・・とっと・・・・じゅじゅ。。。。。 久遠;ユアちゃん落ち着いてね。 『【聖石の使徒】の最高決定機関、【三賢人】って、重要じゃないの』って言いたいみたい。 >「あちきはやっぱり反対でおやす。」 > 三人目の女性は、フェリセに言った。 >「レスぅ・・・・そんなこと言わないでよ。本当に必要なんだからさ。」 > 『レス』と呼ばれた女性に助太刀するように、二人目の少年が口を開く。 ユア;なかなか巧妙なようで。 久遠;レスちゃんが、私と同じ様な存在だってわかったら、他の読者様驚くんでしょうね。 > レスは、今度こそ大きな溜息をつき、二人を止めるべく大振りの鉄扇を広げた。これもいつものことだ。いつもの・・・・ ユア;・・・・・・レス嬢、かっこいいというか、ここまで、私のイメ―ジにピッタリというか。 久遠;いうことは一つでしょうに。 ユア:・・素敵なキャラにしてくれてありがとうです。 > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:やあ!今回はどうだったかな?ようやく『本題』に入ったこの『時の旅人』を、どうか見守ってやって欲しいな。 久遠:語り部ちゃん、これくらいで『ようやく』だなんていってちゃダメよ。 ユアちゃんの書いている『孤独な涙』の前身『兄と妹』で本題に入ったの第四十章を数えたあとよ? ユア;久遠。それ以上言わないでぷりいず。 >今回はレス嬢(?)の言葉遣いで苦しんだ朱琉だけど、変だと思ったら指摘して欲しい。・・・・何分、資料がまるでないからねぇ、廓言葉・・・・ ユア;大体OKです。 それと廓言葉=京言葉というわけでもないですが、『少年舞妓』シリ―ズなんかを参考にされてはいかがでしょうか? > さて、じゃあ語ろうか。未来に連なる一欠けを。 > 痛む記憶があった。優しい思い出があった。しかし・・・・ > 告げられた事は心を傷つけ、その果てに何を覚えるのか。 > 夢にたゆたう乙女の傍らで争うものたちは何を望み > 乙女を腕に抱かんと欲するのか・・・・ > 次回、『時の旅人』19話、『言の葉の刃』 > それじゃ、また会おう。出逢う全ての人々に、時と世界の祝福を! > ユア;はあい。楽しみにしてます。 久遠;それじゃ、次回で?かな。 |
17212 | ふふふ・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/9/5 08:29:56 |
記事番号17210へのコメント > >> こんにちは、羅城 朱琉です。 >> 久々の連続投稿!と、言うことで、ついに第3部が始まります。 >> たった4話しかない割にかなり重要な第3部、新キャラも登場します。 >> では、どうぞ! > >ユア;はぁい。こんにちわ。 > 楽しみ楽しみの三乗ってやつですか? >久遠;ユアちゃん、バカなこと言ってないで、レスにいかないの? >ユア;今回は、ある意味レスティナと同類の剣の九十九神の久遠と行きます。 朱琉:こんにちは!台風と共闘中の秋雨前線のせいで足止めされている羅城 朱琉です。 語り部:意味不明なこと言ってないで!さあ、返レスだ。 > > >> 三人目は、地に付かんばかりに伸びた黒髪を派手な簪で緩く纏め、左目を眼帯で隠し、青い右目のみで婀娜っぽく微笑んだ女性・・・・に見える人物。縹藍の、両横にスリットの入った着物と白いプリーツスカートという、一見和洋折衷で奇妙な服を着ているが、それが妙に似合っていた。 > > >ユア;きゃあああぁぁぁvv >久遠;意外に早い登場に歓喜というか、・・・なんというか悲鳴をあげてるわね、ユアちゃん。 >ユア;いいじゃないのさ。 > ・・・・・ちなみに、上の着物の柄は次のようなバリエ−ションがあります。 >久遠;ええと、 > 『黒地に大輪の真紅の薔薇の柄』 > 『藍地に淡い水色で般若の顔の柄』 > 『薄藍に白に近い水色でしゃれこうべの柄』 > この三つは、大きく一つだけ、着物に書いてあるのよね。 > 『淡紅色に大小さまざまな太陰模様の着物』 > 『水色に大小種類多様な花が描かれた着物』 > とか、半分くらい人から、悪趣味といわれるような着物ばかりね。 朱琉:ほうほう・・・・いろいろとありますね。 > >>「さて、我ら『聖石の使徒』の最高決定機関、『三賢人(トリニティ)』諸君!集まってくれてありがとう!」 >>「って、呼んだのはあんたじゃねーか。」 >> 二人目の少年が期限悪そうに呟く。 >>「いつもの『お約束』でおやすよ、坊。」 >> 三人目の女性も、そういいつつ少し不満げだ。 > >ユア;ええっ。 > せっせ・・・さっさ・・・・とっと・・・・じゅじゅ。。。。。 >久遠;ユアちゃん落ち着いてね。 > 『【聖石の使徒】の最高決定機関、【三賢人】って、重要じゃないの』って言いたいみたい。 朱琉:はい。めちゃくちゃ重要人物です。 語り部:と、言っても、これからしばらくまた出てこないんだけど、ね。 > > >>「あちきはやっぱり反対でおやす。」 >> 三人目の女性は、フェリセに言った。 >>「レスぅ・・・・そんなこと言わないでよ。本当に必要なんだからさ。」 >> 『レス』と呼ばれた女性に助太刀するように、二人目の少年が口を開く。 > >ユア;なかなか巧妙なようで。 >久遠;レスちゃんが、私と同じ様な存在だってわかったら、他の読者様驚くんでしょうね。 > >> レスは、今度こそ大きな溜息をつき、二人を止めるべく大振りの鉄扇を広げた。これもいつものことだ。いつもの・・・・ > >ユア;・・・・・・レス嬢、かっこいいというか、ここまで、私のイメ―ジにピッタリというか。 >久遠;いうことは一つでしょうに。 >ユア:・・素敵なキャラにしてくれてありがとうです。 朱琉:いえいえ、そういっていただけるとは・・・・光栄です。 > > >> >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:やあ!今回はどうだったかな?ようやく『本題』に入ったこの『時の旅人』を、どうか見守ってやって欲しいな。 > >久遠:語り部ちゃん、これくらいで『ようやく』だなんていってちゃダメよ。 > ユアちゃんの書いている『孤独な涙』の前身『兄と妹』で本題に入ったの第四十章を数えたあとよ? >ユア;久遠。それ以上言わないでぷりいず。 > >>今回はレス嬢(?)の言葉遣いで苦しんだ朱琉だけど、変だと思ったら指摘して欲しい。・・・・何分、資料がまるでないからねぇ、廓言葉・・・・ > >ユア;大体OKです。 > それと廓言葉=京言葉というわけでもないですが、『少年舞妓』シリ―ズなんかを参考にされてはいかがでしょうか? 朱琉:・・・・と、言うと・・・・コバルトから出てるやつでしたっけ? > >> さて、じゃあ語ろうか。未来に連なる一欠けを。 >> 痛む記憶があった。優しい思い出があった。しかし・・・・ >> 告げられた事は心を傷つけ、その果てに何を覚えるのか。 >> 夢にたゆたう乙女の傍らで争うものたちは何を望み >> 乙女を腕に抱かんと欲するのか・・・・ >> 次回、『時の旅人』19話、『言の葉の刃』 >> それじゃ、また会おう。出逢う全ての人々に、時と世界の祝福を! >> >ユア;はあい。楽しみにしてます。 >久遠;それじゃ、次回で?かな。 朱琉:少々、時間がなくなってきましたので、短めで失礼します。 語り部:では、またね! > > |
17211 | 時の旅人 19:言の葉の刃 | 羅城 朱琉 | 2005/9/5 08:24:15 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!羅城 朱琉です。 何と言うか、いろんな人が出てきました。懐かしいキャラとか・・・・。そして、ついにいろいろと変わり始めました。 全然意味わからないですね・・・・。では、もう早速どうぞ! 時の旅人 19:言の葉の刃 昨日に引き続き、アリエスはまたしても気配を感じた。フェリセの気配を。 立ち上がり、歩き出したアリエスは、何故か妙に不安が付きまとうことに気付いていた。しかし、それを強引に振り払い、アリエスは歩き出す。ルピナスが起きないよう、細心の注意を払って。 ある程度ルピナスから離れてから、アリエスは呼びかけた。 「フェリセ・・・・どうしたの?」 木陰から、フェリセがゆっくりと歩み出た。そして、アリエスを見据えて口を開く。 「アリエス・・・・迎えに来たよ。」 確固たる信念と、無限の優しさ、そして、隠しきれない悲しみを湛えた瞳で。 アリエスは、静かに首を横に振る。 「フェリセ・・・・昨日も言ったけど、私は行かないよ。だって・・・・」 「今の相棒・・・・『ルピナス』がいるから?」 先取りして言われたことに少し不信感を覚えつつも、アリエスは頷いた。フェリセは、静かに首を振る。 「だめだよ・・・・『ルピナス』じゃ、アリエスを幸せに出来ない。それどころか、まず間違いなく、二人そろって最悪の結末を迎えることになるよ。」 「フェリセ!!」 アリエスの鋭い声が、夜闇を切り裂いた。 「いくらフェリセでも、それ以上ルピナスを冒涜したら許さない!」 フェリセは、それを聞いても全く動じず、別の言葉を切り出した。 「ねえ、アリエス・・・・。一つ聞くけど、あんた、記憶のつじつまって、合ってる?」 「何を・・・・」 「いいから聞いてってば。思い出してみて。あたしとユヴェル君がアリエスに会ったのが100年前。その前、アリエスは何してた?」 「・・・・旅を、していましたよ。あてもなくふらふらと彷徨うことを『旅』と言うのなら。」 「400年間、ずっと?あたしたちの他に、連れはいなかったの?・・・・よく思い出して、アリエス!何か、違和感はなかった!?例えば、道中の記憶がないとか、時間が抜けているとか・・・・年齢を間違えていたとか!」 アリエスは、動きを止めた。確かに、つい数日前にルピナスに指摘されるまで、ずっと自分は200歳程度だと思っていた。・・・・よくよく考えれば、いくら長く生きていたところで、300も年齢を数え損なうことがあろうか!? 混乱するアリエスを見て、フェリセは、納得したように頷いた。 「やっぱり・・・・。変だと思ったのよ、アリエスが何も知らないはずないもの。それでも、知ってる素振り見せなかったから、とぼけてるかと思ったんだけど・・・・そうじゃ、なかったしね。アリエス、あんたもあたしと同じ、『記憶改竄』されてるのよ。」 アリエスは、震える声で呟いた。 「何を、バカな・・・・。」 「嘘かどうかは、『記憶改竄』を解けば分かるわよ。もしあたしが間違ってたら、何も起こらないし、アリエスにも害はないわ。」 そして、フェリセは手を伸ばす。その指がアリエスの額に触れた刹那・・・・ アリエスは絶叫した。 * * * * * 「これから行う事は、アリエスを確実に不幸にするわ。それでも・・・・これしか、方法がないの・・・・」 銀の髪に淡緑色の瞳の、髪の長さ以外はそっくりだと言われた人・・・・姉・リブラは、そう言って一筋の涙をこぼした。 遠く聞こえる叫びが自分のものだと自覚するのに、アリエスはかなりの時間を必要とした。二重写しになる記憶の奔流の中、決して変わらない、変えることの出来ない『真実』を思い出して。 奔流が止んだとたん、意識は闇に沈んだ。 * * * * * 「ごめんね、アリエス・・・・。」 アリエスを掻き抱き、フェリセは呟く。ぐったりと意識を失ったアリエスは、想像以上に小柄で軽かった。アリエスの背負うものは、誰より何より重いのに・・・・。 これで、『記憶改竄』は解けたはずだ。今頃、アリエスは全てを思い出しているはず。・・・・この世界の存亡に関わるほどの、大きな秘密を。 「でも・・・・これが、あんたのためだと、あたしは信じてる・・・・。」 それがたとえ、アリエス本人に憎まれる結果となっても・・・・! フェリセは、腕に結ばれているリボンの端を口に銜えて引き、リボンを解く。しゅるりと手の内に落ち込んできた長いリボンを、まるで鞭のように操り、背後の木陰を打ちつけた。 「だから、邪魔しないで。・・・・『四大家』の誰かさん!」 リボンをかわして現れたのは、白いフード付のマントで顔を半分以上隠した、戦士のような動きやすい赤の服を着た人物。体形からして、恐らく女性であろう。 フェリセが引き戻したリボンが、再び放たれる。白マントの女性はレイピアを抜き放ち、リボンを切り落とすか絡めとろうと動く。しかし、リボンはまるで意思持つもののように動き、まっすぐに白マントの女性の首を狙ってきた。白マントの女性は、間一髪でそれをかわす。しかし、そのときの風圧でフードが跳ね上げられ、月の光の中、女性の容貌が明らかになった。 短く切りそろえられた髪の色は白く、感情のない瞳は、流れる血そのままに赤い・・・・・・・・アルビノ。 「ははぁ・・・・それでマントにフード付、ってわけか。確か・・・・シーシェンズ家の一人、オカリナ、だよね!?」 アリエスを片手で支えたまま、フェリセは立ち上がる。更に、横手の木の上にも視線を向けて、言った。 「そこにいるのは・・・・そうだ、フィッツ=シュトラール。」 小柄な少年が、地に降り立つ。フェリセは、にまりと笑った。 「あたし達『聖石の使徒』に、『四大家』に、『クロノス派』・・・・勢ぞろいじゃん。やっぱり、動いたわけだ。・・・・でも、残念。アリエスはあたし達がもらうから。それとも・・・・戦って手に入れる?」 挑発するかのように微笑んだフェリセに相対し、オカリナは臨戦態勢を整える。しかし、フィッツは動かない。代わりに、口を開く。 「勝つ見込みの全くない戦いをするほど、馬鹿じゃない。報告は、させてもらうけど。」 「弱気ねぇ。仮にも、一応、端くれかもしれないけど、名前だけは『神』、なのに。」 あからさまな侮蔑を含んだ挑発にも、フィッツは眉一つ動かさずに、言う。 「『神』ではなく、『幻神族』。司るものは『光』。夜は、専門外。」 言って、フィッツは消える。残ったオカリナを見て、フェリセはこめかみを押さえた。 「あー・・・・幻神の少年行っちゃった・・・・。頑張って挑発したのにぃ・・・・。・・・・四大家はねー・・・・今は戦いたくないんだよねー・・・・。・・・・仕方ない、あんた、強制退場ね。」 言うなり、手を大きく横薙ぎにする。その手に握られていたもの・・・・闇に溶け込む黒のリボンの端が引かれ、辺りに張り巡らされていたリボンが、オカリナを中心に集束する。一瞬の後、たなびくリボンが円を描いたその瞬間、一瞬の輝きと共に、オカリナは姿を消した。・・・・抵抗の隙を与えない、まさに、一瞬の早業だった。 「空間移動スペシャル・落とし穴式、ってね!」 闇に向かってそう言って、フェリセは再びアリエスを横たえた。呼吸は大分落ち着いてきている。この分なら、もうじき目覚めるであろう。 フェリセは、アリエスを横たえ、言った。優しさと、決意と、僅かな悔恨の混じる眼差しで。 「早く起きてね、アリエス。そうしたら、長い長い話をしよう・・・・。」 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ!どうだったかな?次の回は、書き始める前から朱琉が『どうしても書きたかったのっ!』と思っていた場所だったこともあって、今回はちょっとヒートアップしてたからね・・・・。 じゃあ、早速語ろうか。未来へ続く道の一端を・・・・ ずっと、知りたかったことがあった。 ずっと、願っていたことがあった。 目覚めたその目にに映る世界は色を変え、二度と元には戻れない。 だから、言葉を紡ぐのだ。大切な人のため、守りたい人のために・・・・ 次回、『時の旅人』20話、『さよなら』 では、今回はこの辺で。すぐにまた会えることを祈って! |
17214 | 何故、断言できるのでしょう? | 十叶 夕海 | 2005/9/5 23:47:29 |
記事番号17211へのコメント > こんにちは!羅城 朱琉です。 > 何と言うか、いろんな人が出てきました。懐かしいキャラとか・・・・。そして、ついにいろいろと変わり始めました。 > 全然意味わからないですね・・・・。では、もう早速どうぞ! ユア;はい。 またまたレスいきます。 久遠;暴走しないでよ、ユアちゃん。 > >「今の相棒・・・・『ルピナス』がいるから?」 > 先取りして言われたことに少し不信感を覚えつつも、アリエスは頷いた。フェリセは、静かに首を振る。 >「だめだよ・・・・『ルピナス』じゃ、アリエスを幸せに出来ない。それどころか、まず間違いなく、二人そろって最悪の結末を迎えることになるよ。」 ユア;何故、断言する?! フェリセ嬢。 結末までの筋道・・所謂運命は・・・ 久遠;いわゆる運命はね、『今』がそう決まってても、確定しないものなのよ。 でも、若いって羨ましいわ・・・・・。 ユア;・・・・(↑は、1000歳ぐらいのオカマさんです。) >「フェリセ!!」 > アリエスの鋭い声が、夜闇を切り裂いた。 >「いくらフェリセでも、それ以上ルピナスを冒涜したら許さない!」 ユア;アリエス嬢、かっこいい。 久遠;女性にこういうのなんだけど、男前ね。 > > >「ごめんね、アリエス・・・・。」 > アリエスを掻き抱き、フェリセは呟く。ぐったりと意識を失ったアリエスは、想像以上に小柄で軽かった。アリエスの背負うものは、誰より何より重いのに・・・・。 > これで、『記憶改竄』は解けたはずだ。今頃、アリエスは全てを思い出しているはず。・・・・この世界の存亡に関わるほどの、大きな秘密を。 >「でも・・・・これが、あんたのためだと、あたしは信じてる・・・・」 > それがたとえ、アリエス本人に憎まれる結果となっても・・・・! ユア;頼まれないことをやってしまう人は私は大嫌いですが、 誰かの為に憎まれ役を買って出る人は好きです。 久遠;要約すると? ユア;フェリセ嬢は一応好きだな。と。 > フェリセは、腕に結ばれているリボンの端を口に銜えて引き、リボンを解く。しゅるりと手の内に落ち込んできた長いリボンを、まるで鞭のように操り、背後の木陰を打ちつけた。 >「だから、邪魔しないで。・・・・『四大家』の誰かさん!」 > リボンをかわして現れたのは、白いフード付のマントで顔を半分以上隠した、戦士のような動きやすい赤の服を着た人物。体形からして、恐らく女性であろう。 > フェリセが引き戻したリボンが、再び放たれる。白マントの女性はレイピアを抜き放ち、リボンを切り落とすか絡めとろうと動く。しかし、リボンはまるで意思持つもののように動き、まっすぐに白マントの女性の首を狙ってきた。白マントの女性は、間一髪でそれをかわす。しかし、そのときの風圧でフードが跳ね上げられ、月の光の中、女性の容貌が明らかになった。 > 短く切りそろえられた髪の色は白く、感情のない瞳は、流れる血そのままに赤い・・・・・・・・アルビノ。 >「ははぁ・・・・それでマントにフード付、ってわけか。確か・・・・シーシェンズ家の一人、オカリナ、だよね!?」 ユア;オカリナ嬢ですvv 久遠;ユアちゃん、暴走はダメよ。 > 言うなり、手を大きく横薙ぎにする。その手に握られていたもの・・・・闇に溶け込む黒のリボンの端が引かれ、辺りに張り巡らされていたリボンが、オカリナを中心に集束する。一瞬の後、たなびくリボンが円を描いたその瞬間、一瞬の輝きと共に、オカリナは姿を消した。・・・・抵抗の隙を与えない、まさに、一瞬の早業だった。 >「空間移動スペシャル・落とし穴式、ってね!」 ユア;わお、純粋な意味で強いです、フェリセ嬢。 久遠:・・・・戦ってみたい。 ユア;わお、悪い癖ださないで(棒読みで) > 闇に向かってそう言って、フェリセは再びアリエスを横たえた。呼吸は大分落ち着いてきている。この分なら、もうじき目覚めるであろう。 > フェリセは、アリエスを横たえ、言った。優しさと、決意と、僅かな悔恨の混じる眼差しで。 >「早く起きてね、アリエス。そうしたら、長い長い話をしよう・・・・。」 ユア;気になりますね・・・・・・。 > > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:やあ!どうだったかな?次の回は、書き始める前から朱琉が『どうしても書きたかったのっ!』と思っていた場所だったこともあって、今回はちょっとヒートアップしてたからね・・・・。 > じゃあ、早速語ろうか。未来へ続く道の一端を・・・・ > ずっと、知りたかったことがあった。 > ずっと、願っていたことがあった。 > 目覚めたその目にに映る世界は色を変え、二度と元には戻れない。 > だから、言葉を紡ぐのだ。大切な人のため、守りたい人のために・・・・ > 次回、『時の旅人』20話、『さよなら』 > では、今回はこの辺で。すぐにまた会えることを祈って! ユア;アリエス嬢、ルピたちとお別れ? ・・・・それとも・・・あぁぁああぁぁぁぁっ。 久遠;落ち着きなさい、ユアちゃん(ピコハンで思い切り殴る) ユア;い〜た〜い。 ともかく次回が気になる。 ユア;差し上げたキャラクタ。 ご要望があれば、この本編前の短編を書きたいのですが、キャラ希望あります? ユア&久遠;それではまた次回。 > |
17216 | いろいろ知ってる語り部さん | 羅城 朱琉 | 2005/9/6 08:40:28 |
記事番号17214へのコメント >> こんにちは!羅城 朱琉です。 >> 何と言うか、いろんな人が出てきました。懐かしいキャラとか・・・・。そして、ついにいろいろと変わり始めました。 >> 全然意味わからないですね・・・・。では、もう早速どうぞ! > > >ユア;はい。 > またまたレスいきます。 >久遠;暴走しないでよ、ユアちゃん。 朱琉:こんにちは!と、言うわけで編レス参ります! > >> >>「今の相棒・・・・『ルピナス』がいるから?」 >> 先取りして言われたことに少し不信感を覚えつつも、アリエスは頷いた。フェリセは、静かに首を振る。 >>「だめだよ・・・・『ルピナス』じゃ、アリエスを幸せに出来ない。それどころか、まず間違いなく、二人そろって最悪の結末を迎えることになるよ。」 > > >ユア;何故、断言する?! > フェリセ嬢。 > 結末までの筋道・・所謂運命は・・・ >久遠;いわゆる運命はね、『今』がそう決まってても、確定しないものなのよ。 > でも、若いって羨ましいわ・・・・・。 >ユア;・・・・(↑は、1000歳ぐらいのオカマさんです。) 語り部:フェリセもまた、いろいろなことを知っているから。過去の因縁とか・・・・ 朱琉:うわぁ語り部さん!それ以上はネタバレになるから禁止で(滝涙) 語り部:・・・・と、言うわけで朱琉に止められてしまったよ。まあ、これも一種の伏線だね。 朱琉:と、言うわけで説明はご容赦を・・・・ > >>「フェリセ!!」 >> アリエスの鋭い声が、夜闇を切り裂いた。 >>「いくらフェリセでも、それ以上ルピナスを冒涜したら許さない!」 > >ユア;アリエス嬢、かっこいい。 >久遠;女性にこういうのなんだけど、男前ね。 朱琉:アリエスのコンセプト・・・・というか、オリジナルの方の主人公だったアリエスの前身のコンセプトが、『見た目は美少女、中身は男前』だったので、その名残です。 語り部:朱琉の理想の主人公像そのままだね。 > >> >> >>「ごめんね、アリエス・・・・。」 >> アリエスを掻き抱き、フェリセは呟く。ぐったりと意識を失ったアリエスは、想像以上に小柄で軽かった。アリエスの背負うものは、誰より何より重いのに・・・・。 >> これで、『記憶改竄』は解けたはずだ。今頃、アリエスは全てを思い出しているはず。・・・・この世界の存亡に関わるほどの、大きな秘密を。 >>「でも・・・・これが、あんたのためだと、あたしは信じてる・・・・」 >> それがたとえ、アリエス本人に憎まれる結果となっても・・・・! > >ユア;頼まれないことをやってしまう人は私は大嫌いですが、 > 誰かの為に憎まれ役を買って出る人は好きです。 >久遠;要約すると? >ユア;フェリセ嬢は一応好きだな。と。 語り部:フェリセは・・・・悪い人じゃ、ないんだけどね。 朱琉:まあ、彼女は彼女なりにアリエスが大事なんです。ちょっと先走りの半暴走状態なだけで。 語り部:フォローになってないよ、朱琉・・・・ > >> フェリセは、腕に結ばれているリボンの端を口に銜えて引き、リボンを解く。しゅるりと手の内に落ち込んできた長いリボンを、まるで鞭のように操り、背後の木陰を打ちつけた。 >>「だから、邪魔しないで。・・・・『四大家』の誰かさん!」 >> リボンをかわして現れたのは、白いフード付のマントで顔を半分以上隠した、戦士のような動きやすい赤の服を着た人物。体形からして、恐らく女性であろう。 >> フェリセが引き戻したリボンが、再び放たれる。白マントの女性はレイピアを抜き放ち、リボンを切り落とすか絡めとろうと動く。しかし、リボンはまるで意思持つもののように動き、まっすぐに白マントの女性の首を狙ってきた。白マントの女性は、間一髪でそれをかわす。しかし、そのときの風圧でフードが跳ね上げられ、月の光の中、女性の容貌が明らかになった。 >> 短く切りそろえられた髪の色は白く、感情のない瞳は、流れる血そのままに赤い・・・・・・・・アルビノ。 >>「ははぁ・・・・それでマントにフード付、ってわけか。確か・・・・シーシェンズ家の一人、オカリナ、だよね!?」 > >ユア;オカリナ嬢ですvv >久遠;ユアちゃん、暴走はダメよ。 朱琉:はい、これからもちょくちょく出てくる予定のオカリナ嬢です! > > > >> 言うなり、手を大きく横薙ぎにする。その手に握られていたもの・・・・闇に溶け込む黒のリボンの端が引かれ、辺りに張り巡らされていたリボンが、オカリナを中心に集束する。一瞬の後、たなびくリボンが円を描いたその瞬間、一瞬の輝きと共に、オカリナは姿を消した。・・・・抵抗の隙を与えない、まさに、一瞬の早業だった。 >>「空間移動スペシャル・落とし穴式、ってね!」 > >ユア;わお、純粋な意味で強いです、フェリセ嬢。 >久遠:・・・・戦ってみたい。 >ユア;わお、悪い癖ださないで(棒読みで) 語り部:フフフ・・・・。フェリセは本当に強いよ。保障する。でも、命が惜しければ戦わないことをお勧めする。攻撃方法が・・・・ちょっとアレだからね。 朱琉:まあ、要約すると、まだまだ本当の力は欠片も出してない、というわけです。 > >> 闇に向かってそう言って、フェリセは再びアリエスを横たえた。呼吸は大分落ち着いてきている。この分なら、もうじき目覚めるであろう。 >> フェリセは、アリエスを横たえ、言った。優しさと、決意と、僅かな悔恨の混じる眼差しで。 >>「早く起きてね、アリエス。そうしたら、長い長い話をしよう・・・・。」 > >ユア;気になりますね・・・・・・。 > >> >> >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:やあ!どうだったかな?次の回は、書き始める前から朱琉が『どうしても書きたかったのっ!』と思っていた場所だったこともあって、今回はちょっとヒートアップしてたからね・・・・。 >> じゃあ、早速語ろうか。未来へ続く道の一端を・・・・ >> ずっと、知りたかったことがあった。 >> ずっと、願っていたことがあった。 >> 目覚めたその目にに映る世界は色を変え、二度と元には戻れない。 >> だから、言葉を紡ぐのだ。大切な人のため、守りたい人のために・・・・ >> 次回、『時の旅人』20話、『さよなら』 >> では、今回はこの辺で。すぐにまた会えることを祈って! > >ユア;アリエス嬢、ルピたちとお別れ? > ・・・・それとも・・・あぁぁああぁぁぁぁっ。 >久遠;落ち着きなさい、ユアちゃん(ピコハンで思い切り殴る) >ユア;い〜た〜い。 > ともかく次回が気になる。 朱琉:そう言って頂けると嬉しいです!第3部は、一応夏休み中に書ききってあるので、毎日投稿予定。 語り部:お楽しみに! > > >ユア;差し上げたキャラクタ。 > ご要望があれば、この本編前の短編を書きたいのですが、キャラ希望あります? 朱琉:いいんですか!?わーいvならばルピ君・・・・は裏設定が多くなりすぎているので・・・・まだ出ていない人でよいならばラディハルト=レンスター、出ている人だったらアイム君をお願いします! 語り部:朱琉が後から付け足した設定なんかは、希望してくれればいくらでも・・・・本編に深くかかわるネタバレ以外は・・・・書くから。 > > >ユア&久遠;それではまた次回。 二人:では、また! > > > >> > |
17217 | Re:いろいろ知ってる語り部さん | 十叶 夕海 | 2005/9/6 08:46:03 |
記事番号17216へのコメント 両方書きます。 ラディの種族とアイムの設定くださいね。 それでは。 |
17222 | 微ネタバレありですが・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/9/8 08:22:24 |
記事番号17217へのコメント ありがとうございます!ではでは、早速、設定です。ちなみに、全て現時点(第3部終了時点)でのことです。少々ネタバレも含むので、ご了承ください。 ラディハルト=レンスター編 種族:(不老不死の)人間 備考:・語り部とは知り合い。ただし、ラディは語り部をあまりよくは思っていない。 ・アリエス、ルピナス、レンとは出逢っていない。 ・どこの派閥にも属していない、中立の立場。 アイム=イーシェル編 ・彼の本来いた世界は既に滅んでいる。しかし、彼だけは『運命のいたずら』で、混沌に還ることができなかった。 ・語り部とは知り合い。不本意だが、語り部の命令を聞いている。(徒然編1のラストで、語り部の後ろにいた二つの影のうちの一人はアイム君です。) ・『クロノス派』所属。 ・フィッツと知り合ったのは、『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』の元でのこと。 ・語り部がつけた二つ名は『朧纏の傍観者(ろうてんのぼうかんしゃ)』 その他の注 1)派閥について 19話でフェリセが言っていたものです。『聖石の使徒』、『四大家』、『クロノス派』の3つがあります。 ・聖石の使徒・・・・フェリセを盟主とする組織です。構成員は人間、神族、魔族、幻神族、幻魔族が多く、エルフや竜族はほとんどいません。異世界の者が多いことも特徴のひとつです。 ・四大家・・・・徒然編3でそれなりに詳しく語っていますが、『フェラナート』、『シーシェンズ』、『ヴェルリュード』、『サーヴァリル』という姓を持つ、四つの家系でできています。もちろん、構成員は人間しかいません。 ・クロノス派・・・・『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』の命により動く一団です。アイムやフィッツ、ファリウはここに入ります。おおよそ考え付くありとあらゆる種族がいます。 それぞれの組織に対する意識 聖石の使徒→四大家:取り立てて敵対する気はないが、邪魔をするなら容赦しない。 →クロノス派:敵以外の何者でもない。 四大家→聖石の使徒:アリエスを返してくれれば何もしない。 →クロノス派:できることなら争いたくない。 クロノス派→聖石の使徒:あるいは協力できるかもしれないのに、話を聞いてくれない。 →四大家:あまり争いたくはないけれど、黙認するわけにもいかない。 2)語り部について 多分、あれこれ関わってくると思うので一応。 ・本名、年齢、性別等全て不明の謎の人。 ・どうやらこの世界のものではないらしい。 ・得物は、楽器の弦。 ・魔法は、ほとんど人間業じゃない術もほいほい使う。しかも、呪文を唱えているところを誰も見たことがない。 ・性格は、基本的には気さくだが、ある一定以上は誰も踏み込ませない。 ・過去に何か大きな『罪』を犯したらしく、その贖罪のため、旅をしている。 ・クロノス派の人との関わりが深いが、クロノス派に所属しているわけではないらしい。 こんなところでしょうか?何か質問があったら、何でも聞いてくださいね。 では、今回はこの辺で! |
17215 | 時の旅人 20:さよなら | 羅城 朱琉 | 2005/9/6 08:21:32 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!羅城 朱琉です。ついに、ついに!第20話になりました! 書き始めた時からどうしても出したかったセリフ&シーンだったので、『羅城の鬼、悪魔!』と言われることを覚悟でいきたいと思います。 では、どうぞ! 時の旅人 20:さよなら 私は、誰?・・・・・・・・私は、アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。 私は、何?・・・・・・・・私は、『ラーナ』の末裔。その真の役目を受け継ぐ者。 白い闇の中で、アリエスは自問自答を繰り返す。今となっては、全てがわかる。なぜ、時は止められたのか。何のために、時を止めたのか。そして・・・・レンは、ルピナスはなぜ、共にいてくれたのか。魔族の目的は?神族の目的は?・・・・一度理解してしまえば、不可解だと思っていたことほぼ全てが納得できる。同時に、それが少し悲しくもあった。ゆっくりと浮上する意識の中、アリエスは自嘲気味に呟いた。 「知るということは、決して幸福ばかりではない。・・・・真理ですね。」 「・・・・真理・・・・ですね・・・・。」 小さな声を聞き、フェリセはアリエスを凝視した。視界の中、アリエスの瞼がゆっくりと開いてゆく。二、三度瞬き、軽く首を振ってアリエスは身を起こす、が、途中でくらりと体が揺れ、慌ててフェリセが支えた。アリエスが、僅かにかすれた声で呟く。誰に聞かせるでなく、ただ淡々と。 「『ラーナ』・・・・いえ、あえてフェラナート家と言いましょうか。」 そして、虚ろな目でフェリセを見た。 「・・・・私の本名、知ってたの?フェリセ。」 「・・・・・・・・最近、知ったよ。」 「そう。・・・・・・・・アリエス=オルフェーゼ=ヴィータ=フェラナート、『四大家』の一つにして、その使命の中枢を担う、フェラナート家が末裔、か・・・・。重い、名前だね。」 ようやく、体を起こせる程度には眩暈が治まったアリエスは、近くの木を支えにゆっくりと立ち上がる。そして、あさっての方向・・・・ルピナスが寝ているはずの方向を向いて、言う。 「ルピナスの名前・・・・その中の『セレス』っていうのは、記憶喪失になる前の数少ない記憶なんだって。・・・・あの『セレス』、なの?」 フェリセは、ゆっくりと頷いた。アリエスは、そう、とだけ言って、歩き出した。ルピナスの元へ。フェリセも、その後に続く。咎めることもなく、アリエスはそれを許した。 * * * * * レンシェルマ=ヴァリードは、ブレードヴィレッジの神殿の一室から、外を眺めていた。 今日は一日、不安が止まなかった。彼は、一応は神官の職にある者だ。彼の勘は、実はかなり良く当たる。それだからこそ、彼は祈らずにはいられなかった。この予感が外れていることを。 「アリエス、ルピナス・・・・どうか・・・・」 レンは、祈りを捧げた。 数日前、懐かしい名前で呼ばれた。彼をそう呼んだものは、彼を『秘匿せし仮宿の癒し手』と評した。確かに、彼はさまざまなことを知りつつ隠している。・・・・本当は、知っているのだ。アリエスの正体も・・・・ルピナスの正体も。それでも、彼にはそれを告げることはできない。・・・・『兄』の耳に、届いてしまうかもしれないから。レンは、決して聖人君子ではない。・・・・そうであろうとして、なりきれなかった。ここにいるのは、一人の凡人、『レンシェルマ=ヴァリード』でしかないことを、十分に自覚している。 だから、彼は祈りを捧げる。せめて、いずれ来る苦難のときが、少しでも遅くなるように。彼らがそれを受け止めて、その裏に潜む思惑に気付けるくらい大人になるまで。 「姉さん、アスター、プリムラ・・・・どうか、いとし子に守護を、そして・・・・『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』よ、どうか、彼らに慈悲を・・・・」 その祈りは、夜闇に溶けた。 「ああ・・・・祈りが捧げられているね。」 いつもの吟遊詩人の格好をした語り部は、静かに呟いた。そして目を伏せ、淡々と語る。 「人は、神に祈る・・・・」 緩やかに歩みを進める。月明かりのみに照らされた道を。 「神魔は、『母』に祈る・・・・」 真の静寂を祓って、語り部の声が流れる。 「未来を知るものは、『時』に祈る・・・・」 歌うように、嘆くように。 「ならば、『母』は誰に祈ればいい?『時』は何に祈ればいい?そして・・・・」 語り部は、唐突に歩みを止め、天を仰いだ。 「『僕』は、何処に祈ればいい?」 道の先には、ブレードヴィレッジがある。 語らねばならない。レンに、アリエスの選択を。 祈るものなき、全てのために。 * * * * * 守りたいものがある。守るためならば何でもしようと誓うほどに、大切なものだ。 彼らの正体を知った今でも、その思いは変わらない。 ふらふらと歩き続け、アリエスはルピナスの元へたどり着く。アリエスは、ぷちぷちと口の中で『眠り(スリーピング)』の呪文を唱えた。悪いとは思ったが、今、ルピナスに目覚めて欲しくない。それを解き放ち、健やかな寝息を確認すると、ルピナスの傍らにぺたんと座り、その髪を撫ぜる。どうやら、日が変わったようだ、ルピナスの髪は短くなっていた。 「ルピナス・・・・。ごめん、私、約束守れそうにないよ。・・・・あなたの記憶が戻り、呪いが解けるまで一緒にいたかったけど・・・・ダメなんだ。」 今は閉ざされた瞼の下には、空を映したかのような、綺麗な青い瞳があるはずだ。・・・・その瞳の色が、そこに映るさまざまな感情の揺らめきが大好きだった、なんて、本人には絶対に言う気はなかったけど。 「私とあなたは、一緒にいたらダメなんだよ。・・・・ルピナス、あなたが私のせいで不幸になるなんて、間違ってるよね?・・・・だから。」 脳裏に、さまざまな光景がよぎる。 始めは、ただ鬱陶しかった。それでも、ずっと共にいて・・・・。共にいたのは5年間、その内、二人で旅をしたのが4年間。長い生からすれば、瞬く間のような出来事。その間に、出会ったときの小柄な少年は、強く優しい青年に成長した。出会ったときの怯えた瞳の少女は、明るい笑みの女性に成長した。その成長を、この目で見てきた。 優しく、強く、輝かしく・・・・それでいて弱い。大切な、ルピナス。 だから。だからこそ・・・・ 「だから・・・・・・・・・・・・ さよなら、ルピナス・・・・・・・・。」 その刹那、淡緑色の瞳から、一筋のきらめきが零れた。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!どうだったかな?今回は。伏線は増えたし、アリエスは行っちゃうし・・・・で、大変なことになったね。 ちなみに、朱琉がどうしても書きたかったセリフが、最後の「だから・・・・・・・・・・・・さよなら。」と言うあたり、朱琉の趣味が伺われると言うか、何と言うか・・・・。 さて、次が第3部ラスト!その後に、徒然編(と言う名の裏話)をはさんで、第4部に入るよ。ちなみに、21話は暴風警報さえ出なければ明日投稿予定。と、言うわけで未来を語ろう。 封じられた真実。偽られた事実。 過去と共に捨て去ったものは、愛しき者の求めるもの・・・・ 混迷の只中に取り残された少年が、再び歩き出す時 始まりの場所で立ち尽くす乙女は、混迷の淵へと踏み入った。 次回、『時の旅人』21話、『孤独の弱さ、信じる強さ』 じゃあ、またね! |
17218 | Re:時の旅人 20:さよなら | 神高 紅 | 2005/9/7 00:11:41 |
記事番号17215へのコメント 紅:こんばんは朱琉さん。結構レスしてませんでしたね。紅です。 コ:どうもだな。コウ=だ。 ク:こんばんは・・クロスです・・ではレスに行きましょう・・ > 白い闇の中で、アリエスは自問自答を繰り返す。今となっては、全てがわかる。なぜ、時は止められたのか。何のために、時を止めたのか。そして・・・・レンは、ルピナスはなぜ、共にいてくれたのか。魔族の目的は?神族の目的は?・・・・一度理解してしまえば、不可解だと思っていたことほぼ全てが納得できる。同時に、それが少し悲しくもあった。ゆっくりと浮上する意識の中、アリエスは自嘲気味に呟いた。 >「知るということは、決して幸福ばかりではない。・・・・真理ですね。」 コ:その通りだな。それにわからないことがあるから世界はおもしろいんだぜ? ク:全てを理解したアリエスさんは・・何を思ってるんでしょう・・ > 数日前、懐かしい名前で呼ばれた。彼をそう呼んだものは、彼を『秘匿せし仮宿の癒し手』と評した。確かに、彼はさまざまなことを知りつつ隠している。・・・・本当は、知っているのだ。アリエスの正体も・・・・ルピナスの正体も。それでも、彼にはそれを告げることはできない。・・・・『兄』の耳に、届いてしまうかもしれないから。レンは、決して聖人君子ではない。・・・・そうであろうとして、なりきれなかった。ここにいるのは、一人の凡人、『レンシェルマ=ヴァリード』でしかないことを、十分に自覚している。 紅:全てを知っていても告げることが出来ない立場というわけですね。 コ:凡人で何が悪い?所詮人間自分の手の届く範囲しか守りも手に入れもできねえんだからな。 ク:黙すのもまた・・一つの方法には違いないです・・ >「私とあなたは、一緒にいたらダメなんだよ。・・・・ルピナス、あなたが私のせいで不幸になるなんて、間違ってるよね?・・・・だから。」 > 脳裏に、さまざまな光景がよぎる。 > 始めは、ただ鬱陶しかった。それでも、ずっと共にいて・・・・。共にいたのは5年間、その内、二人で旅をしたのが4年間。長い生からすれば、瞬く間のような出来事。その間に、出会ったときの小柄な少年は、強く優しい青年に成長した。出会ったときの怯えた瞳の少女は、明るい笑みの女性に成長した。その成長を、この目で見てきた。 > 優しく、強く、輝かしく・・・・それでいて弱い。大切な、ルピナス。 > だから。だからこそ・・・・ >「だから・・・・・・・・・・・・ > > さよなら、ルピナス・・・・・・・・。」 > > その刹那、淡緑色の瞳から、一筋のきらめきが零れた。 紅:アリエスさんはルピナスさんと別れることを決意しましたか。 コ:他人の決断にどうこう言うつもりはねえがな。気にいらねえな。このまま進んでも救いがないぜ、どっちにとってもな。 ク:アリエスさんは・・それを運命と受け入れるのですか・・? コ:はんっ!運命なんざぶった切ってやればいいんだよ。 > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!どうだったかな?今回は。伏線は増えたし、アリエスは行っちゃうし・・・・で、大変なことになったね。 > ちなみに、朱琉がどうしても書きたかったセリフが、最後の「だから・・・・・・・・・・・・さよなら。」と言うあたり、朱琉の趣味が伺われると言うか、何と言うか・・・・。 > さて、次が第3部ラスト!その後に、徒然編(と言う名の裏話)をはさんで、第4部に入るよ。ちなみに、21話は暴風警報さえ出なければ明日投稿予定。と、言うわけで未来を語ろう。 > 封じられた真実。偽られた事実。 > 過去と共に捨て去ったものは、愛しき者の求めるもの・・・・ > 混迷の只中に取り残された少年が、再び歩き出す時 > 始まりの場所で立ち尽くす乙女は、混迷の淵へと踏み入った。 > 次回、『時の旅人』21話、『孤独の弱さ、信じる強さ』 > じゃあ、またね! 紅:ではではまた次回以降のレスで。 コ:じゃあな。 ク:ばいばい・・ |
17221 | 久しぶりです | 羅城 朱琉 | 2005/9/8 08:21:15 |
記事番号17218へのコメント >紅:こんばんは朱琉さん。結構レスしてませんでしたね。紅です。 >コ:どうもだな。コウ=だ。 >ク:こんばんは・・クロスです・・ではレスに行きましょう・・ 朱琉:こんにちは!お久しぶりです。 カタリ:やあ!早速だけど、返レスといこうか。 >> 白い闇の中で、アリエスは自問自答を繰り返す。今となっては、全てがわかる。なぜ、時は止められたのか。何のために、時を止めたのか。そして・・・・レンは、ルピナスはなぜ、共にいてくれたのか。魔族の目的は?神族の目的は?・・・・一度理解してしまえば、不可解だと思っていたことほぼ全てが納得できる。同時に、それが少し悲しくもあった。ゆっくりと浮上する意識の中、アリエスは自嘲気味に呟いた。 >>「知るということは、決して幸福ばかりではない。・・・・真理ですね。」 >コ:その通りだな。それにわからないことがあるから世界はおもしろいんだぜ? >ク:全てを理解したアリエスさんは・・何を思ってるんでしょう・・ カタリ:ある意味、一番の不幸だよ。全てを知って、それをどうしようもできないことは。己の無力さを噛み締め、あがきたいけどあがけない・・・・って、ね。 朱琉:語り部さん・・・・(背をぽんぽんと叩く) カタリ:・・・・・・・・まあ、朱琉に慰められちゃおしまいだと思うけど。 朱琉:まあ・・・・・・・・作者と言う点で、私が不幸の元凶なんですからね。 >> 数日前、懐かしい名前で呼ばれた。彼をそう呼んだものは、彼を『秘匿せし仮宿の癒し手』と評した。確かに、彼はさまざまなことを知りつつ隠している。・・・・本当は、知っているのだ。アリエスの正体も・・・・ルピナスの正体も。それでも、彼にはそれを告げることはできない。・・・・『兄』の耳に、届いてしまうかもしれないから。レンは、決して聖人君子ではない。・・・・そうであろうとして、なりきれなかった。ここにいるのは、一人の凡人、『レンシェルマ=ヴァリード』でしかないことを、十分に自覚している。 >紅:全てを知っていても告げることが出来ない立場というわけですね。 >コ:凡人で何が悪い?所詮人間自分の手の届く範囲しか守りも手に入れもできねえんだからな。 >ク:黙すのもまた・・一つの方法には違いないです・・ 朱琉:そういうわけです。 カタリ:まあ、ね。知ることは苦しみが多い。無知ゆえの苦しみもまた。そして、共有できない知識の痛みは想像を絶する。だから、聖人になる必要はない。痛みを抱えて、それでも歩いてゆけるなら。 >>「私とあなたは、一緒にいたらダメなんだよ。・・・・ルピナス、あなたが私のせいで不幸になるなんて、間違ってるよね?・・・・だから。」 >> 脳裏に、さまざまな光景がよぎる。 >> 始めは、ただ鬱陶しかった。それでも、ずっと共にいて・・・・。共にいたのは5年間、その内、二人で旅をしたのが4年間。長い生からすれば、瞬く間のような出来事。その間に、出会ったときの小柄な少年は、強く優しい青年に成長した。出会ったときの怯えた瞳の少女は、明るい笑みの女性に成長した。その成長を、この目で見てきた。 >> 優しく、強く、輝かしく・・・・それでいて弱い。大切な、ルピナス。 >> だから。だからこそ・・・・ >>「だから・・・・・・・・・・・・ >> >> さよなら、ルピナス・・・・・・・・。」 >> >> その刹那、淡緑色の瞳から、一筋のきらめきが零れた。 > >紅:アリエスさんはルピナスさんと別れることを決意しましたか。 >コ:他人の決断にどうこう言うつもりはねえがな。気にいらねえな。このまま進んでも救いがないぜ、どっちにとってもな。 >ク:アリエスさんは・・それを運命と受け入れるのですか・・? >コ:はんっ!運命なんざぶった切ってやればいいんだよ。 カタリ:あははは!いいね、コウ。実にいいよ!僕、君大好きさ!! 朱琉:まあ、好きになるでしょうね。語り部さんなら。 カタリ:でもね。あえて一言言うならば、誰もが君のように強くはあれない。そして、強さはあっても、あえてそれを成すことをしない者もいる。例えば、そう・・・・大切な人の幸せのため。自己犠牲、ってやつだね。・・・・まあ、僕は『自己犠牲』って嫌いだけど。 >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!どうだったかな?今回は。伏線は増えたし、アリエスは行っちゃうし・・・・で、大変なことになったね。 >> ちなみに、朱琉がどうしても書きたかったセリフが、最後の「だから・・・・・・・・・・・・さよなら。」と言うあたり、朱琉の趣味が伺われると言うか、何と言うか・・・・。 >> さて、次が第3部ラスト!その後に、徒然編(と言う名の裏話)をはさんで、第4部に入るよ。ちなみに、21話は暴風警報さえ出なければ明日投稿予定。と、言うわけで未来を語ろう。 >> 封じられた真実。偽られた事実。 >> 過去と共に捨て去ったものは、愛しき者の求めるもの・・・・ >> 混迷の只中に取り残された少年が、再び歩き出す時 >> 始まりの場所で立ち尽くす乙女は、混迷の淵へと踏み入った。 >> 次回、『時の旅人』21話、『孤独の弱さ、信じる強さ』 >> じゃあ、またね! >紅:ではではまた次回以降のレスで。 >コ:じゃあな。 >ク:ばいばい・・ 朱琉:はい、では、また今度! 二人:じゃあね! |
17219 | はうあぁっ!!(意訳 :これを鬼畜と言っちゃ甘いぜ20%+アリエス嬢!!68%+続きがぁ!!12%) | 十叶 夕海 | 2005/9/7 22:55:39 |
記事番号17215へのコメント > こんにちは!羅城 朱琉です。ついに、ついに!第20話になりました! > 書き始めた時からどうしても出したかったセリフ&シーンだったので、『羅城の鬼、悪魔!』と言われることを覚悟でいきたいと思います。 > では、どうぞ! > ユア;こんばんはな時間のユアです。 ありますよ。科白と場面が書きたくて物語を進める時。 『孤独な涙』の前身・『兄と妹』も似たようなものですもん。 しかし、『孤独な涙』はもっと鬼畜です、悪魔です。 仔ディスの兄弟を××したり、ディスの××とその××を××したり・・・・ 久遠:ユアちゃん、レス行きましょ? 自分の小説の宣伝してないで。 上のは、]Tから始めるディスとアッシュとアルの過去話の一部よね。 >「知るということは、決して幸福ばかりではない。・・・・真理ですね。」 > > >「・・・・真理・・・・ですね・・・・。」 ユア;・・・・・そうですね。 知るということは、幸せばかりでない。 久遠;そうよね。 忘れるって言うのは、人特有の本能よね。 ユア;知ることによって、昨日までの日常と乖離することすらありますしね。 > 数日前、懐かしい名前で呼ばれた。彼をそう呼んだものは、彼を『秘匿せし仮宿の癒し手』と評した。確かに、彼はさまざまなことを知りつつ隠している。・・・・本当は、知っているのだ。アリエスの正体も・・・・ルピナスの正体も。それでも、彼にはそれを告げることはできない。・・・・『兄』の耳に、届いてしまうかもしれないから。レンは、決して聖人君子ではない。・・・・そうであろうとして、なりきれなかった。ここにいるのは、一人の凡人、『レンシェルマ=ヴァリード』でしかないことを、十分に自覚している。 久遠;それが人。 それでいいのよ、レンちゃん。 聖人君子であろうとしなくても貴方は人。 ・・・・私がなりたかったもの。 ユア;要約;うじうじ悩まずに、人らしく自分の心のままにいけ? 久遠;・・・・・・・・だいたい。 >「姉さん、アスター、プリムラ・・・・どうか、いとし子に守護を、そして・・・・『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』よ、どうか、彼らに慈悲を・・・・」 > その祈りは、夜闇に溶けた。 > 久遠;プリムラって言うのは、春先に咲く花よね。 日本でいうタンポポみたいに。 ユア;でなくで、徒然の2に出てきた幽霊さんでしょう? ・・・・そう古い人でもないんですね。 > > >「ああ・・・・祈りが捧げられているね。」 > いつもの吟遊詩人の格好をした語り部は、静かに呟いた。そして目を伏せ、淡々と語る。 >「人は、神に祈る・・・・」 > 緩やかに歩みを進める。月明かりのみに照らされた道を。 >「神魔は、『母』に祈る・・・・」 > 真の静寂を祓って、語り部の声が流れる。 >「未来を知るものは、『時』に祈る・・・・」 > 歌うように、嘆くように。 >「ならば、『母』は誰に祈ればいい?『時』は何に祈ればいい?そして・・・・」 > 語り部は、唐突に歩みを止め、天を仰いだ。 >「『僕』は、何処に祈ればいい?」 > 道の先には、ブレードヴィレッジがある。 > 語らねばならない。レンに、アリエスの選択を。 > > 祈るものなき、全てのために。 > ユア;・・・・・・・・(言葉に出来ず、悔しくも哀しくて静かに涙する) 久遠:ユアちゃん、泣かないでね。 言葉に出来ない悲しみを持つのはいいけどさ。(私を抱き締める) >「私とあなたは、一緒にいたらダメなんだよ。・・・・ルピナス、あなたが私のせいで不幸になるなんて、間違ってるよね?・・・・だから。」 > 脳裏に、さまざまな光景がよぎる。 > 始めは、ただ鬱陶しかった。それでも、ずっと共にいて・・・・。共にいたのは5年間、その内、二人で旅をしたのが4年間。長い生からすれば、瞬く間のような出来事。その間に、出会ったときの小柄な少年は、強く優しい青年に成長した。出会ったときの怯えた瞳の少女は、明るい笑みの女性に成長した。その成長を、この目で見てきた。 > 優しく、強く、輝かしく・・・・それでいて弱い。大切な、ルピナス。 > だから。だからこそ・・・・ >「だから・・・・・・・・・・・・ > > さよなら、ルピナス・・・・・・・・。」 > > その刹那、淡緑色の瞳から、一筋のきらめきが零れた。 ユア;アリエス嬢のこの科白とか見て、泣いたのはもちろんですが・・ 久遠;・・・『孤独な涙』の]Tのディスちゃんのお母さん? ユア;・・・私の科白。 『私とあの人がいっしょにいたらダメなんだって・・・私もあの人もディスもアッシュもアルも・・・私といっしょにいたせいで幸せになれないのは間違っているよ。 だから・・・・・・・でもお母さん貴方たちを育てれないの。』 という感じの科白です。 何が言いたいかというと・・ 久遠;考え抜いて・・・・感情では納得できないけど、理性で納得して分かれるところが似ているかな。・・・ってとこかしら? ユア;いえす。 詳しくは、明日夜投稿予定の]Tをお楽しみに。 > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!どうだったかな?今回は。伏線は増えたし、アリエスは行っちゃうし・・・・で、大変なことになったね。 > ちなみに、朱琉がどうしても書きたかったセリフが、最後の「だから・・・・・・・・・・・・さよなら。」と言うあたり、朱琉の趣味が伺われると言うか、何と言うか・・・・。 ユア;好きですね、こういう科白。 別れたくないけど・・・(以下、さっきと同じようなこと) 久遠;・・・ノ―コメントにしとくは。 昔の永蓮ちゃん思い出すから。 > さて、次が第3部ラスト!その後に、徒然編(と言う名の裏話)をはさんで、第4部に入るよ。ちなみに、21話は暴風警報さえ出なければ明日投稿予定。と、言うわけで未来を語ろう。 > 封じられた真実。偽られた事実。 > 過去と共に捨て去ったものは、愛しき者の求めるもの・・・・ > 混迷の只中に取り残された少年が、再び歩き出す時 > 始まりの場所で立ち尽くす乙女は、混迷の淵へと踏み入った。 > 次回、『時の旅人』21話、『孤独の弱さ、信じる強さ』 > じゃあ、またね! > ユア;はい。楽しみにしております。 では次回で。 |
17223 | 不幸の元凶、それは作者〜♪ | 羅城 朱琉 | 2005/9/8 08:39:20 |
記事番号17219へのコメント > >> こんにちは!羅城 朱琉です。ついに、ついに!第20話になりました! >> 書き始めた時からどうしても出したかったセリフ&シーンだったので、『羅城の鬼、悪魔!』と言われることを覚悟でいきたいと思います。 >> では、どうぞ! >> > >ユア;こんばんはな時間のユアです。 > ありますよ。科白と場面が書きたくて物語を進める時。 > 『孤独な涙』の前身・『兄と妹』も似たようなものですもん。 > しかし、『孤独な涙』はもっと鬼畜です、悪魔です。 > 仔ディスの兄弟を××したり、ディスの××とその××を××したり・・・・ >久遠:ユアちゃん、レス行きましょ? > 自分の小説の宣伝してないで。 > 上のは、]Tから始めるディスとアッシュとアルの過去話の一部よね。 朱琉:こんにちは!いやぁ、今後さらに不幸というか鬼畜というか・・・・な展開を書く気満々な羅城 朱琉です。孤独な涙にあまりレスできなくてごめんなさい。毎回欠かさず読んでます! 語り部:・・・・まあ、朱琉だし。じゃあ、早速返レスだ。 > > > > >>「知るということは、決して幸福ばかりではない。・・・・真理ですね。」 >> >> >>「・・・・真理・・・・ですね・・・・。」 > >ユア;・・・・・そうですね。 > 知るということは、幸せばかりでない。 >久遠;そうよね。 > 忘れるって言うのは、人特有の本能よね。 >ユア;知ることによって、昨日までの日常と乖離することすらありますしね。 朱琉:自己防衛の手段でもある『忘却』ですから・・・・ 語り部:ただ、それが後々本人の意に添うのかはともかくとして、ね。 > > >> 数日前、懐かしい名前で呼ばれた。彼をそう呼んだものは、彼を『秘匿せし仮宿の癒し手』と評した。確かに、彼はさまざまなことを知りつつ隠している。・・・・本当は、知っているのだ。アリエスの正体も・・・・ルピナスの正体も。それでも、彼にはそれを告げることはできない。・・・・『兄』の耳に、届いてしまうかもしれないから。レンは、決して聖人君子ではない。・・・・そうであろうとして、なりきれなかった。ここにいるのは、一人の凡人、『レンシェルマ=ヴァリード』でしかないことを、十分に自覚している。 > >久遠;それが人。 > それでいいのよ、レンちゃん。 > 聖人君子であろうとしなくても貴方は人。 > ・・・・私がなりたかったもの。 >ユア;要約;うじうじ悩まずに、人らしく自分の心のままにいけ? >久遠;・・・・・・・・だいたい。 語り部:聖人は聖人で、苦しいだろうしね。その『人』たる心を、僕は愛おしく思うよ。 > > >>「姉さん、アスター、プリムラ・・・・どうか、いとし子に守護を、そして・・・・『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』よ、どうか、彼らに慈悲を・・・・」 >> その祈りは、夜闇に溶けた。 >> > >久遠;プリムラって言うのは、春先に咲く花よね。 > 日本でいうタンポポみたいに。 >ユア;でなくで、徒然の2に出てきた幽霊さんでしょう? > ・・・・そう古い人でもないんですね。 朱琉:そうです。あの幽霊さんです。そう古い人ではありません。はっきり言ってしまえば、お亡くなりになったのは、今から5〜6年前のことです。 > >> >> >>「ああ・・・・祈りが捧げられているね。」 >> いつもの吟遊詩人の格好をした語り部は、静かに呟いた。そして目を伏せ、淡々と語る。 >>「人は、神に祈る・・・・」 >> 緩やかに歩みを進める。月明かりのみに照らされた道を。 >>「神魔は、『母』に祈る・・・・」 >> 真の静寂を祓って、語り部の声が流れる。 >>「未来を知るものは、『時』に祈る・・・・」 >> 歌うように、嘆くように。 >>「ならば、『母』は誰に祈ればいい?『時』は何に祈ればいい?そして・・・・」 >> 語り部は、唐突に歩みを止め、天を仰いだ。 >>「『僕』は、何処に祈ればいい?」 >> 道の先には、ブレードヴィレッジがある。 >> 語らねばならない。レンに、アリエスの選択を。 >> >> 祈るものなき、全てのために。 >> > > >ユア;・・・・・・・・(言葉に出来ず、悔しくも哀しくて静かに涙する) >久遠:ユアちゃん、泣かないでね。 > 言葉に出来ない悲しみを持つのはいいけどさ。(私を抱き締める) 語り部:・・・・どうか、哀しまないで。僕は、全てを受け入れて、ここに在るのだから。いつか、流された涙に勝る微笑が生まれることを信じて。 朱琉:そして私は、そこに至る道を紡ぐべく。 > >>「私とあなたは、一緒にいたらダメなんだよ。・・・・ルピナス、あなたが私のせいで不幸になるなんて、間違ってるよね?・・・・だから。」 >> 脳裏に、さまざまな光景がよぎる。 >> 始めは、ただ鬱陶しかった。それでも、ずっと共にいて・・・・。共にいたのは5年間、その内、二人で旅をしたのが4年間。長い生からすれば、瞬く間のような出来事。その間に、出会ったときの小柄な少年は、強く優しい青年に成長した。出会ったときの怯えた瞳の少女は、明るい笑みの女性に成長した。その成長を、この目で見てきた。 >> 優しく、強く、輝かしく・・・・それでいて弱い。大切な、ルピナス。 >> だから。だからこそ・・・・ >>「だから・・・・・・・・・・・・ >> >> さよなら、ルピナス・・・・・・・・。」 >> >> その刹那、淡緑色の瞳から、一筋のきらめきが零れた。 > >ユア;アリエス嬢のこの科白とか見て、泣いたのはもちろんですが・・ >久遠;・・・『孤独な涙』の]Tのディスちゃんのお母さん? >ユア;・・・私の科白。 > 『私とあの人がいっしょにいたらダメなんだって・・・私もあの人もディスもアッシュもアルも・・・私といっしょにいたせいで幸せになれないのは間違っているよ。 > だから・・・・・・・でもお母さん貴方たちを育てれないの。』 > という感じの科白です。 > 何が言いたいかというと・・ >久遠;考え抜いて・・・・感情では納得できないけど、理性で納得して分かれるところが似ているかな。・・・ってとこかしら? >ユア;いえす。 > 詳しくは、明日夜投稿予定の]Tをお楽しみに。 朱琉:まさに、アリエスもそういった気持ちです。 語り部:感情では、離れたくない、共にいたいと求めている。でも、全ての知識を取り戻して、理性で判断し、そして、心を封じて納得する。 朱琉:それが、『たった一つの冴えたやり方』ならば・・・・(某SF小説のタイトルより) > > >> >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!どうだったかな?今回は。伏線は増えたし、アリエスは行っちゃうし・・・・で、大変なことになったね。 >> ちなみに、朱琉がどうしても書きたかったセリフが、最後の「だから・・・・・・・・・・・・さよなら。」と言うあたり、朱琉の趣味が伺われると言うか、何と言うか・・・・。 > >ユア;好きですね、こういう科白。 > 別れたくないけど・・・(以下、さっきと同じようなこと) >久遠;・・・ノ―コメントにしとくは。 > 昔の永蓮ちゃん思い出すから。 > >> さて、次が第3部ラスト!その後に、徒然編(と言う名の裏話)をはさんで、第4部に入るよ。ちなみに、21話は暴風警報さえ出なければ明日投稿予定。と、言うわけで未来を語ろう。 >> 封じられた真実。偽られた事実。 >> 過去と共に捨て去ったものは、愛しき者の求めるもの・・・・ >> 混迷の只中に取り残された少年が、再び歩き出す時 >> 始まりの場所で立ち尽くす乙女は、混迷の淵へと踏み入った。 >> 次回、『時の旅人』21話、『孤独の弱さ、信じる強さ』 >> じゃあ、またね! >> >ユア;はい。楽しみにしております。 > では次回で。 > 朱琉:では、この辺で! 語り部:またね。 > |
17220 | 時の旅人 21:孤独の弱さ、信じる強さ | 羅城 朱琉 | 2005/9/8 08:17:35 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!昨日は暴風警報のため短大が休みで、一日間が空いてしまいましたが、ついに第3部完結です! 前回、あんな終わり方だったので、今回はもう何も言わず本編へ行きましょう。 時の旅人 21:孤独の弱さ、信じる強さ ことりと、窓の外で音がしたのに気付き、レンは急いで窓を開ける。そこに立っていた人・・・・語り部は音もなく宙をすべり、窓から部屋の中に入った。語り部は窓枠に腰掛け、外を眺めながらぽつりと呟いた。 「・・・・始まってしまったよ。アリエスは、『聖石の使徒』の手を取った。」 がたりと音を立て、レンは立ち上がる。その瞳に浮かぶのは、驚愕と、非難。 「なぜ、止めなかったかって?・・・・・・・・今、アリエスを止めれば、彼女の心は深い傷を負ったまま。誰もそれを癒せない。ルピナスでも、ましてや君では・・・・『四大家』である以上はね。そうだろう?レンシェルマ=ヴァリード・・・・いや、レンシェルマ=シーシェンズ。・・・・本名は、もっと長いよね?君は、三つの名前を持つ、シーシェンズ一族直系なんだから。・・・・君は、知っているだろうに。なぜ、僕は止められないか、なぜ、アリエスが行ってしまったか。」 「・・・・私は・・・・」 苦しそうに、レンは呟いた。 本当は、いろいろなことを知っている。アリエスの名が『アリエス=オルフェーゼ=ラーナ』であることを知ったときから、いつかはこんな日が来ることを予想していた。それでも・・・・ 「・・・・・・・・家から逃げ出した私に、一体何が出来たと言うのですか!?」 「家から?『兄から』だろう?・・・・別に僕は、咎めるつもりはない。それに、君が『何か出来る』のは、この後だ。・・・・僕はね、これから行くつもりだよ、『彼ら』の元へ。・・・・君は、どうする?」 レンシェルマは、しばしの沈黙の後、言った。 「私も行きましょう。会わなければ・・・・」 語り部は、満足げに頷いた。 「夜が明けたら、『移動』するよ。しっかり休むといい。」 そう言い残し、語り部は再び夜闇に紛れた。レンは脱力したかのようにベッドに座り込み、額を押さえた。 本当は、いろいろなことを知っている。捨ててきたはずの多くの知識がある。彼が『シーシェンズ』の名を持つがゆえに、当たり前のように得られた知識の数々が。 『レンシェルマ=コーレン=リュイ=シーシェンズ』。10年以上前に捨てたはずの、古い、古い名前だ・・・・ * * * * * 声が聞こえた気がした。優しく、強く、そして脆い、大切な人の声が。 見た目はせいぜい15〜6歳の少女に過ぎないが、その実、齢500を数え、その長い時の内に培った多くの知識を持つ。剣士としての腕も立ち、左右の2刀から繰り出される変幻自在の技は他を寄せ付けない。肉体的には、これ以上なく強い・・・・しかし、その心は硝子にも似て、強くも弱く、脆く、儚い。・・・・そんな彼女だからこそ、愛おしく、大切に思う。・・・・・・・・彼女の名を、アリエス=オルフェーゼ=ラーナという。 まどろみの淵に沈むルピナスは、夢うつつのままそんなことを考えていた。そのときに飛び起きるべきだったと、彼は後ほど強く後悔するのだけれど・・・・。 「・・・・ス、・・・・ルピナス!起きてください、ルピナス!!」 意識が急速に浮上する。ゆっくりと目を開けたルピナスは、そこにいるはずのない人影を見て、唖然とした。 「・・・・レン・・・・?」 ぼうっとしたまま呟くルピナスに、レンは律儀に頷き返す。頭を振りながら体を起こすと、そこにはレンと共に何故かあの『放浪の語り部』がいた。 語り部はルピナスを一瞥し、語る。 「『眠り(スリーピング)』、アリエスがかけたみたいだね。朝になったら普通に起きるようにコントロールまでして。・・・・器用だねぇ、アリエスは。」 瞬間、完全に覚醒したルピナスは叫んだ。 「アリエス・・・・?アリエス!どこだ!?」 その時、何かがルピナスの手から零れ落ちた。かつん、と音を立てて地面に転がったそれは、牙の形をした、水晶のピアス。ルピナスは、それを見つめる。・・・・それは、いつもならアリエスの左耳で揺れていたはずのもの。語り部はそれをひょいと拾い上げた。 「アリエスは行っちゃったよ。昔の友人の手を取って・・・・ね。これは・・・・餞別のつもりじゃないのかな?随分と強力な魔力増幅器みたいだし。」 「そういう言い方は・・・・」 レンは、心持ち弱い声で語り部をたしなめる。しかし、語り部はルピナスに向けて言葉を続ける。 「その友人の名は、フェリセ=ニーランデル。聞いたことあるかい?100年位前、アリエスと共に旅をしていた者。アリエスの信頼する、仲間だ。・・・・ねぇ、ルピナス、君はどうする?アリエスを追う?でも・・・・・・・・一番賢い選択肢は、アリエスのことは綺麗に忘れて、このまま旅を続けることだよ。それくらい、わかるよね?」 語り部は、そう言ってクスリと嗤った。ルピナスが悩むのを楽しむかのように。 「ク・・・・」 レンが何かを言いかける。が、その口を語り部の手が塞ぎ、言葉にならない。語り部は、笑みを浮かべたまま言った。 「さあ、どうする?」 ルピナスは、じっと俯いたまま微動だにしない。その時間すら楽しむように、語り部はじっと待っていた。口から語り部の手を外したレンもまた、かける言葉を捜しあぐねて声はない。 長い、本当に長い沈黙があった。 「僕は・・・・」 長いときの果てに、ルピナスが口を開く。レンは、ほんの少し驚いた。その声は、予想していた弱々しい声ではなく、何かの覚悟を決めたもの特有の、ピンと芯の入った声だったから。 「僕は、アリエスを探す。・・・・だって、僕は何も聞いてないんだ。アリエスがどうして行ってしまったのか、何があったのか・・・・僕は、何も知らない。」 ルピナスは顔を上げる。その瞳に映るのは、強い覚悟と、揺らがぬ決心。 「だから、アリエスに会って聞く。・・・・そうでないと、納得できない。」 語り部は、笑みにほんの少しだけ優しげなものを混ぜて言った。 「君に会いたくない、って言うかもよ?もしくは、君が嫌になったと言うかも。」 ルピナスは、少し寂しげな、それでも揺らがぬ決心の色を湛えた瞳で微笑む。 「それなら・・・・・仕方ないのかもしれない。でも、今はまだそれすらわからないんだ。だから、アリエスを探す。後のことは、アリエスにあってから考えることにするよ。」 「それに、と言って、ルピナスは立ち上がる。そして、語り部の手の内を指差した。 「それ、返さないと。アリエスのお姉さんの形見だそうだからね。」 語り部は、ゆっくりと微笑んだ。今度は満足そうな、優しい微笑で。 「ならば、僕は君に力を貸そう。僕の知ることを教えよう。」 「私も、共に行きましょう。」 レンが言った。そして、語り部がつなげて言う。 「まずは、ゼフィーリアへ行こうか。情報通で頼りになる友人がいるんだ。・・・・僕の知ることは、道々話すよ。」 「瞬間移動、ではなく?」 不思議そうにレンが言う。語り部は悪戯っぽく返した。 「あれは疲れるからね。明日まで待ってくれないかな?」 そして、3人は歩き出した。一人の、想う者のために・・・・ * * * * * 森の中心にぽっかりと空いた荒野。今そこに、一人の女性が立ち尽くしていた。銀の髪と淡緑色の瞳を持つ、外見は15〜6歳くらいの少女・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナが。 立ち尽くすその場所は、周囲よりも僅かに低い。よく見れば、長い年月のうちに風化つつあるが、クレーターのようにえぐられた場所の底であることがわかる。 ここは、かつてのレティディウス公国首都、アリエスとリブラの暮らした家のあった場所。そして今は、思い出の墓場。 「500年ぶりね、ここに来るのは・・・・。やはり、木も草も生えてないね。・・・・この土地は、時の流れが狂ってしまったから。」 アリエスは呟く。虚空に・・・・500年前にここに立っていた姉に向かって。 「姉様の意地悪。記憶の改竄なんて、しなくても良かったのに。私、ちゃんと受け止めてるよ?・・・・・・・・辛くないといえば、嘘になるけど。」 アリエスは、声を潜めた。森と荒野の境目で待っているフェリセに聞こえないように。 「・・・・・・・・・・どうせなら、ルピナスと出会う前に思い出したかったよ。・・・・本当に、ずっと一緒にいるつもりだったのに・・・・。」 アリエスは胸に手をやった。その奥に燻る、疼くような感情を押し殺すように。 「・・・・・・・・姉様、私、ルピナスとレンが大切だよ・・・・きっと、この感情が『好き』ということなんだと思う。・・・・・・・・でも、一緒にいてはダメなんだよね。・・・・私が『ラーナ』である以上、『ヴァリード』とは共にいられない。私が『ラーナ』である以上、私は『セレス』を不幸にする。」 自らに言い聞かせるように呟く。そして、アリエスはようやく取り戻したその感情の名前を言った。 「『切ない』よ、姉様・・・・」 言葉にすれば一言なのに、あまりにも胸を痛ませるその感情は、未だ本当の『喜び』を知らない心には重すぎて。澄んだ夜空に声が溶け消えるのを、アリエスは揺らぐ眼差しで見つめた。 運命は揺らぐことなく流れ続ける。 多くの涙を孕む未来図を描いて・・・・ あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!ついに完結した第3部、どうだったかな?今回のことで、ますますアリエスが不人気になりそうな予感。まあ、元から『嫌われ系主人公』になるとは予定していたけど。 さて、次回は徒然編・・・・なんだけど、今回はほとんど本編みたいなものだ。じゃあ、予告といこうか。 世界の秘密。それは、太古より続く四つの血筋の役割。 滔々と流れる言葉は世界を紐解き、謎を紐解く。 それでもなお語られぬ闇。 それを知るとき、優しき青年は・・・・ 次回、『時の旅人・徒然編』徒然之三、『そして、言葉は世界を紡ぎ』 じゃあ、また会おう! |
17224 | ・・・・・・ルピちゃん、珍しく男前? | 十叶 夕海 | 2005/9/8 23:46:06 |
記事番号17220へのコメント こんにちは!昨日は暴風警報のため短大が休みで、一日間が空いてしまいましたが、ついに第3部完結です! > 前回、あんな終わり方だったので、今回はもう何も言わず本編へ行きましょう。 ユア;こんばんは、お待ちしておりました。 モイラ;今回は、あのオカマではなく、茶髪のくるくるパ−マが愛らしい『孤独な涙』の語り部の僕が一緒にレスに行くよ。 >「なぜ、止めなかったかって?・・・・・・・・今、アリエスを止めれば、彼女の心は深い傷を負ったまま。誰もそれを癒せない。ルピナスでも、ましてや君では・・・・『四大家』である以上はね。そうだろう?レンシェルマ=ヴァリード・・・・いや、レンシェルマ=シーシェンズ。・・・・本名は、もっと長いよね?君は、三つの名前を持つ、シーシェンズ一族直系なんだから。・・・・君は、知っているだろうに。なぜ、僕は止められないか、なぜ、アリエスが行ってしまったか。」 モイラ;止められやしないよ。 語り部さん・・・・・・かっこいい・・・・。 ユア;私以上に、語り部さんLOVEvのモイラです。 ・・・まあ、こう言う知っていることを全部言わないキャラがすきなんですね。 > > まどろみの淵に沈むルピナスは、夢うつつのままそんなことを考えていた。そのときに飛び起きるべきだったと、彼は後ほど強く後悔するのだけれど・・・・。 ユア;・・・・生きてれば、後悔しかないと思うよ、人は。 > その時、何かがルピナスの手から零れ落ちた。かつん、と音を立てて地面に転がったそれは、牙の形をした、水晶のピアス。ルピナスは、それを見つめる。・・・・それは、いつもならアリエスの左耳で揺れていたはずのもの。語り部はそれをひょいと拾い上げた。 >「アリエスは行っちゃったよ。昔の友人の手を取って・・・・ね。これは・・・・餞別のつもりじゃないのかな?随分と強力な魔力増幅器みたいだし。」 ユア;餞別ではなく形見にならないことを祈ります。 モイラ;こう言う些細なことでも、アリエスの逡巡が手にとるようにわかるね。 > 長い、本当に長い沈黙があった。 > >「僕は・・・・」 > 長いときの果てに、ルピナスが口を開く。レンは、ほんの少し驚いた。その声は、予想していた弱々しい声ではなく、何かの覚悟を決めたもの特有の、ピンと芯の入った声だったから。 >「僕は、アリエスを探す。・・・・だって、僕は何も聞いてないんだ。アリエスがどうして行ってしまったのか、何があったのか・・・・僕は、何も知らない。」 > ルピナスは顔を上げる。その瞳に映るのは、強い覚悟と、揺らがぬ決心。 >「だから、アリエスに会って聞く。・・・・そうでないと、納得できない。」 > 語り部は、笑みにほんの少しだけ優しげなものを混ぜて言った。 >「君に会いたくない、って言うかもよ?もしくは、君が嫌になったと言うかも。」 > ルピナスは、少し寂しげな、それでも揺らがぬ決心の色を湛えた瞳で微笑む。 >「それなら・・・・・仕方ないのかもしれない。でも、今はまだそれすらわからないんだ。だから、アリエスを探す。後のことは、アリエスにあってから考えることにするよ。」 ユア;ルピちゃん、男前だぁ。 モイラ;元のオリキャラとは似てもつかないほど。 >「まずは、ゼフィーリアへ行こうか。情報通で頼りになる友人がいるんだ。・・・・僕の知ることは、道々話すよ。」 モイラ;誰だろうね。 ユア;そうそう、今日ラディ君が動くままに短編を書いていたら、随分と物知り君になりました。 > > >「・・・・・・・・・・どうせなら、ルピナスと出会う前に思い出したかったよ。・・・・本当に、ずっと一緒にいるつもりだったのに・・・・。」 > アリエスは胸に手をやった。その奥に燻る、疼くような感情を押し殺すように。 >「・・・・・・・・姉様、私、ルピナスとレンが大切だよ・・・・きっと、この感情が『好き』ということなんだと思う。・・・・・・・・でも、一緒にいてはダメなんだよね。・・・・私が『ラーナ』である以上、『ヴァリード』とは共にいられない。私が『ラーナ』である以上、私は『セレス』を不幸にする。」 > 自らに言い聞かせるように呟く。そして、アリエスはようやく取り戻したその感情の名前を言った。 >「『切ない』よ、姉様・・・・」 > 言葉にすれば一言なのに、あまりにも胸を痛ませるその感情は、未だ本当の『喜び』を知らない心には重すぎて。澄んだ夜空に声が溶け消えるのを、アリエスは揺らぐ眼差しで見つめた。 ユア;・・・・・言葉が見つからないけど、あえて言語化するならば。 アリエス嬢、『血』や『ウンメイ』なんて言う形のないものに囚われないで生きて欲しい。 モイラ;そんな感じだと? ユア;いえす。 > > > > > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!ついに完結した第3部、どうだったかな?今回のことで、ますますアリエスが不人気になりそうな予感。まあ、元から『嫌われ系主人公』になるとは予定していたけど。 ユア;嫌いじゃないですよ。 モイラ;むしろ好き。だろ? ユア;そうです。 > さて、次回は徒然編・・・・なんだけど、今回はほとんど本編みたいなものだ。じゃあ、予告といこうか。 > 世界の秘密。それは、太古より続く四つの血筋の役割。 > 滔々と流れる言葉は世界を紐解き、謎を紐解く。 > それでもなお語られぬ闇。 > それを知るとき、優しき青年は・・・・ > 次回、『時の旅人・徒然編』徒然之三、『そして、言葉は世界を紡ぎ』 > じゃあ、また会おう! > ユア;待ってます。・・・の前に、一つ質問。 貰ったラディの設定の中に ラディ→語り部さん よく思っていない という風にありましたが、 語り部→ラディはどうなんでしょうか? 二人;それでは、また次回。 |
17227 | 今後はどんどんとかっこよくなっていくことでしょう(笑) | 羅城 朱琉 | 2005/9/9 08:35:55 |
記事番号17224へのコメント > こんにちは!昨日は暴風警報のため短大が休みで、一日間が空いてしまいましたが、ついに第3部完結です! >> 前回、あんな終わり方だったので、今回はもう何も言わず本編へ行きましょう。 > > >ユア;こんばんは、お待ちしておりました。 >モイラ;今回は、あのオカマではなく、茶髪のくるくるパ−マが愛らしい『孤独な涙』の語り部の僕が一緒にレスに行くよ。 朱琉:こんにちは!相変わらず語り部さんと共に、今回も辺レスに参りましょう! > >>「なぜ、止めなかったかって?・・・・・・・・今、アリエスを止めれば、彼女の心は深い傷を負ったまま。誰もそれを癒せない。ルピナスでも、ましてや君では・・・・『四大家』である以上はね。そうだろう?レンシェルマ=ヴァリード・・・・いや、レンシェルマ=シーシェンズ。・・・・本名は、もっと長いよね?君は、三つの名前を持つ、シーシェンズ一族直系なんだから。・・・・君は、知っているだろうに。なぜ、僕は止められないか、なぜ、アリエスが行ってしまったか。」 > >モイラ;止められやしないよ。 > 語り部さん・・・・・・かっこいい・・・・。 >ユア;私以上に、語り部さんLOVEvのモイラです。 > ・・・まあ、こう言う知っていることを全部言わないキャラがすきなんですね。 語り部:フフ・・・・『かっこいい』とは、光栄だなv 朱琉:語り部さんは『語り部』であると共に『傍観者』でもあるので、言うに言えないことも多いんです。 語り部:まあ、そうとばかりは言っていられなくなってきたけどね。 > >> >> まどろみの淵に沈むルピナスは、夢うつつのままそんなことを考えていた。そのときに飛び起きるべきだったと、彼は後ほど強く後悔するのだけれど・・・・。 > >ユア;・・・・生きてれば、後悔しかないと思うよ、人は。 語り部:そうだね。それが、『人』。 > > >> その時、何かがルピナスの手から零れ落ちた。かつん、と音を立てて地面に転がったそれは、牙の形をした、水晶のピアス。ルピナスは、それを見つめる。・・・・それは、いつもならアリエスの左耳で揺れていたはずのもの。語り部はそれをひょいと拾い上げた。 >>「アリエスは行っちゃったよ。昔の友人の手を取って・・・・ね。これは・・・・餞別のつもりじゃないのかな?随分と強力な魔力増幅器みたいだし。」 > >ユア;餞別ではなく形見にならないことを祈ります。 >モイラ;こう言う些細なことでも、アリエスの逡巡が手にとるようにわかるね。 > > >> 長い、本当に長い沈黙があった。 >> >>「僕は・・・・」 >> 長いときの果てに、ルピナスが口を開く。レンは、ほんの少し驚いた。その声は、予想していた弱々しい声ではなく、何かの覚悟を決めたもの特有の、ピンと芯の入った声だったから。 >>「僕は、アリエスを探す。・・・・だって、僕は何も聞いてないんだ。アリエスがどうして行ってしまったのか、何があったのか・・・・僕は、何も知らない。」 >> ルピナスは顔を上げる。その瞳に映るのは、強い覚悟と、揺らがぬ決心。 >>「だから、アリエスに会って聞く。・・・・そうでないと、納得できない。」 >> 語り部は、笑みにほんの少しだけ優しげなものを混ぜて言った。 >>「君に会いたくない、って言うかもよ?もしくは、君が嫌になったと言うかも。」 >> ルピナスは、少し寂しげな、それでも揺らがぬ決心の色を湛えた瞳で微笑む。 >>「それなら・・・・・仕方ないのかもしれない。でも、今はまだそれすらわからないんだ。だから、アリエスを探す。後のことは、アリエスにあってから考えることにするよ。」 > >ユア;ルピちゃん、男前だぁ。 >モイラ;元のオリキャラとは似てもつかないほど。 朱琉:・・・・そうなんですか?私、ルピ君はめっちゃ男前だと・・・・むしろ最初をヘタレにしすぎてたかなー、と・・・・ 語り部:なんにしろ、彼にも辛いことが待っている。弱くもいられないよ。 > > >>「まずは、ゼフィーリアへ行こうか。情報通で頼りになる友人がいるんだ。・・・・僕の知ることは、道々話すよ。」 > > >モイラ;誰だろうね。 >ユア;そうそう、今日ラディ君が動くままに短編を書いていたら、随分と物知り君になりました。 朱琉:実は、ようやくここに来てスレイヤーズの皆様方とリンクしてくるのです。 語り部:第4部をお楽しみに! > >> >> >>「・・・・・・・・・・どうせなら、ルピナスと出会う前に思い出したかったよ。・・・・本当に、ずっと一緒にいるつもりだったのに・・・・。」 >> アリエスは胸に手をやった。その奥に燻る、疼くような感情を押し殺すように。 >>「・・・・・・・・姉様、私、ルピナスとレンが大切だよ・・・・きっと、この感情が『好き』ということなんだと思う。・・・・・・・・でも、一緒にいてはダメなんだよね。・・・・私が『ラーナ』である以上、『ヴァリード』とは共にいられない。私が『ラーナ』である以上、私は『セレス』を不幸にする。」 >> 自らに言い聞かせるように呟く。そして、アリエスはようやく取り戻したその感情の名前を言った。 >>「『切ない』よ、姉様・・・・」 >> 言葉にすれば一言なのに、あまりにも胸を痛ませるその感情は、未だ本当の『喜び』を知らない心には重すぎて。澄んだ夜空に声が溶け消えるのを、アリエスは揺らぐ眼差しで見つめた。 > >ユア;・・・・・言葉が見つからないけど、あえて言語化するならば。 > アリエス嬢、『血』や『ウンメイ』なんて言う形のないものに囚われないで生きて欲しい。 >モイラ;そんな感じだと? >ユア;いえす。 語り部:形なくとも強固なそれ。僕には、アリエスがそれを乗り越えてくれることを信じるしかできない。・・・・まったく、この僕としたことが、無力なものさ。 朱琉:・・・・・・・・ > >> >> >> >> >> >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!ついに完結した第3部、どうだったかな?今回のことで、ますますアリエスが不人気になりそうな予感。まあ、元から『嫌われ系主人公』になるとは予定していたけど。 > >ユア;嫌いじゃないですよ。 >モイラ;むしろ好き。だろ? >ユア;そうです。 朱琉:そういっていただけると大変嬉しいです! > >> さて、次回は徒然編・・・・なんだけど、今回はほとんど本編みたいなものだ。じゃあ、予告といこうか。 >> 世界の秘密。それは、太古より続く四つの血筋の役割。 >> 滔々と流れる言葉は世界を紐解き、謎を紐解く。 >> それでもなお語られぬ闇。 >> それを知るとき、優しき青年は・・・・ >> 次回、『時の旅人・徒然編』徒然之三、『そして、言葉は世界を紡ぎ』 >> じゃあ、また会おう! >> > >ユア;待ってます。・・・の前に、一つ質問。 > 貰ったラディの設定の中に > > ラディ→語り部さん > よく思っていない > > という風にありましたが、 > 語り部→ラディはどうなんでしょうか? 朱琉:語り部さん、どうでしょう? 語り部:嫌いじゃないよ。むしろ『気に入っている』の部類に入るね。・・・・でも、彼にはひどいことしたからなぁ・・・・。彼もまた、僕の『罪』の犠牲者なんだよ。 朱琉:だ、そうです。語り部の『罪』に関しては、物語の中枢に関わってくるので言えませんが、『時』と『運命』に関係していることだけは確かです。 > >二人;それでは、また次回。 > > 朱琉:はい、では、また! |
17225 | Re:時の旅人 21:孤独の弱さ、信じる強さ | 神高 紅 | 2005/9/9 01:29:48 |
記事番号17220へのコメント 紅:どうも夜分遅くにこんばんは神高紅です。 ア:そんでもってこんばんはだよ朱琉殿。超天才狂科学者のアインリッシュ=ウィンバーだ。アイリスちゃんって呼んでくれるとうれしいわ(ぶりっこポーズで) 紅:呼ばん呼ばん、あんた二十過ぎだろう。というわけで今回はいつもの二人ではなく前に応募した彼女を相方にしてレスをお送りいたします。 ア:でははじめようかね。 > まどろみの淵に沈むルピナスは、夢うつつのままそんなことを考えていた。そのときに飛び起きるべきだったと、彼は後ほど強く後悔するのだけれど・・・・。 ア:そんなものだよ人生は。基本的には後悔の連続で出来ているといっても過言ではないわね。まあ私は基本的に後悔したことないけど。 紅:ないんかい。好き勝手生きてんだな。 ア:あははは。誉め言葉としていただいとくよ。 > 語り部はルピナスを一瞥し、語る。 >「『眠り(スリーピング)』、アリエスがかけたみたいだね。朝になったら普通に起きるようにコントロールまでして。・・・・器用だねぇ、アリエスは。」 紅:さすが長い時を生きてきただけに応用力はぴか一といったところですね。 ア:どうでもいい相手なら其処まではしないんだろうねぇ。 >「その友人の名は、フェリセ=ニーランデル。聞いたことあるかい?100年位前、アリエスと共に旅をしていた者。アリエスの信頼する、仲間だ。・・・・ねぇ、ルピナス、君はどうする?アリエスを追う?でも・・・・・・・・一番賢い選択肢は、アリエスのことは綺麗に忘れて、このまま旅を続けることだよ。それくらい、わかるよね?」 > 語り部は、そう言ってクスリと嗤った。ルピナスが悩むのを楽しむかのように。>「ク・・・・」 > レンが何かを言いかける。が、その口を語り部の手が塞ぎ、言葉にならない。語り部は、笑みを浮かべたまま言った。 >「さあ、どうする?」 > ルピナスは、じっと俯いたまま微動だにしない。その時間すら楽しむように、語り部はじっと待っていた。口から語り部の手を外したレンもまた、かける言葉を捜しあぐねて声はない。 > 長い、本当に長い沈黙があった。 ア:なかなかに語り部殿も意地が悪いわね。答えなんてこの天才じゃなくてもわかりきってるわよ。 紅:それに変にお茶を濁しても仕方のないことですからね。 >「僕は・・・・」 > 長いときの果てに、ルピナスが口を開く。レンは、ほんの少し驚いた。その声は、予想していた弱々しい声ではなく、何かの覚悟を決めたもの特有の、ピンと芯の入った声だったから。 >「僕は、アリエスを探す。・・・・だって、僕は何も聞いてないんだ。アリエスがどうして行ってしまったのか、何があったのか・・・・僕は、何も知らない。」 > ルピナスは顔を上げる。その瞳に映るのは、強い覚悟と、揺らがぬ決心。 >「だから、アリエスに会って聞く。・・・・そうでないと、納得できない。」 ア:ほらね、ルピナス殿は賢い選択をするほど馬鹿じゃないってことは見てればわかるわ。 紅:ひどく矛盾してますが。 >「500年ぶりね、ここに来るのは・・・・。やはり、木も草も生えてないね。・・・・この土地は、時の流れが狂ってしまったから。」 > アリエスは呟く。虚空に・・・・500年前にここに立っていた姉に向かって。 >「姉様の意地悪。記憶の改竄なんて、しなくても良かったのに。私、ちゃんと受け止めてるよ?・・・・・・・・辛くないといえば、嘘になるけど。」 > アリエスは、声を潜めた。森と荒野の境目で待っているフェリセに聞こえないように。 >「・・・・・・・・・・どうせなら、ルピナスと出会う前に思い出したかったよ。・・・・本当に、ずっと一緒にいるつもりだったのに・・・・。」 > アリエスは胸に手をやった。その奥に燻る、疼くような感情を押し殺すように。 >「・・・・・・・・姉様、私、ルピナスとレンが大切だよ・・・・きっと、この感情が『好き』ということなんだと思う。・・・・・・・・でも、一緒にいてはダメなんだよね。・・・・私が『ラーナ』である以上、『ヴァリード』とは共にいられない。私が『ラーナ』である以上、私は『セレス』を不幸にする。」 > 自らに言い聞かせるように呟く。そして、アリエスはようやく取り戻したその感情の名前を言った。 >「『切ない』よ、姉様・・・・」 > 言葉にすれば一言なのに、あまりにも胸を痛ませるその感情は、未だ本当の『喜び』を知らない心には重すぎて。澄んだ夜空に声が溶け消えるのを、アリエスは揺らぐ眼差しで見つめた。 紅:ジレンマというやつでしょうか。人は悲しみだけでは生きていけないものですから。 ア:私のように狂ってなければね? > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!ついに完結した第3部、どうだったかな?今回のことで、ますますアリエスが不人気になりそうな予感。まあ、元から『嫌われ系主人公』になるとは予定していたけど。 > さて、次回は徒然編・・・・なんだけど、今回はほとんど本編みたいなものだ。じゃあ、予告といこうか。 > 世界の秘密。それは、太古より続く四つの血筋の役割。 > 滔々と流れる言葉は世界を紐解き、謎を紐解く。 > それでもなお語られぬ闇。 > それを知るとき、優しき青年は・・・・ > 次回、『時の旅人・徒然編』徒然之三、『そして、言葉は世界を紡ぎ』 > じゃあ、また会おう! ア:さてさてどうなることやら?楽しみに待っておくとするかね。ちなみに私個人の興味としては語り部殿にあるんだけどね。ちょっと調べさせてくんないかしら? 紅:無茶を言うなよ。ではではまた今度お会いしましょう。 ア:じゃーねんv |
17228 | ある意味そこまで行くとひとつの『幸せ』かも・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/9/9 08:43:50 |
記事番号17225へのコメント >紅:どうも夜分遅くにこんばんは神高紅です。 >ア:そんでもってこんばんはだよ朱琉殿。超天才狂科学者のアインリッシュ=ウィンバーだ。アイリスちゃんって呼んでくれるとうれしいわ(ぶりっこポーズで) >紅:呼ばん呼ばん、あんた二十過ぎだろう。というわけで今回はいつもの二人ではなく前に応募した彼女を相方にしてレスをお送りいたします。 >ア:でははじめようかね。 朱琉:こんにちは!相も変わらず語り部さんと共に、返レスに参りましょう! >> まどろみの淵に沈むルピナスは、夢うつつのままそんなことを考えていた。そのときに飛び起きるべきだったと、彼は後ほど強く後悔するのだけれど・・・・。 >ア:そんなものだよ人生は。基本的には後悔の連続で出来ているといっても過言ではないわね。まあ私は基本的に後悔したことないけど。 >紅:ないんかい。好き勝手生きてんだな。 >ア:あははは。誉め言葉としていただいとくよ。 カタリ:ある意味、それはそれで幸せなのかもね・・・・ 朱琉:でも、悩みがあってこそ得られる『何か』もあると思うんです。 >> 語り部はルピナスを一瞥し、語る。 >>「『眠り(スリーピング)』、アリエスがかけたみたいだね。朝になったら普通に起きるようにコントロールまでして。・・・・器用だねぇ、アリエスは。」 >紅:さすが長い時を生きてきただけに応用力はぴか一といったところですね。 >ア:どうでもいい相手なら其処まではしないんだろうねぇ。 朱琉:普通はしませんね。どうでもいい相手なら。 >>「その友人の名は、フェリセ=ニーランデル。聞いたことあるかい?100年位前、アリエスと共に旅をしていた者。アリエスの信頼する、仲間だ。・・・・ねぇ、ルピナス、君はどうする?アリエスを追う?でも・・・・・・・・一番賢い選択肢は、アリエスのことは綺麗に忘れて、このまま旅を続けることだよ。それくらい、わかるよね?」 >> 語り部は、そう言ってクスリと嗤った。ルピナスが悩むのを楽しむかのように。>「ク・・・・」 >> レンが何かを言いかける。が、その口を語り部の手が塞ぎ、言葉にならない。語り部は、笑みを浮かべたまま言った。 >>「さあ、どうする?」 >> ルピナスは、じっと俯いたまま微動だにしない。その時間すら楽しむように、語り部はじっと待っていた。口から語り部の手を外したレンもまた、かける言葉を捜しあぐねて声はない。 >> 長い、本当に長い沈黙があった。 >ア:なかなかに語り部殿も意地が悪いわね。答えなんてこの天才じゃなくてもわかりきってるわよ。 >紅:それに変にお茶を濁しても仕方のないことですからね。 カタリ:オヤ?僕は基本的に、そう優しくはないんだよ? 朱琉:確かに、性格良くはないですね・・・・気に入った人以外には。 カタリ:まあ、僕はアリエスもルピナスもレンもお気に入りなんだけど、ね。 >>「僕は・・・・」 >> 長いときの果てに、ルピナスが口を開く。レンは、ほんの少し驚いた。その声は、予想していた弱々しい声ではなく、何かの覚悟を決めたもの特有の、ピンと芯の入った声だったから。 >>「僕は、アリエスを探す。・・・・だって、僕は何も聞いてないんだ。アリエスがどうして行ってしまったのか、何があったのか・・・・僕は、何も知らない。」 >> ルピナスは顔を上げる。その瞳に映るのは、強い覚悟と、揺らがぬ決心。 >>「だから、アリエスに会って聞く。・・・・そうでないと、納得できない。」 >ア:ほらね、ルピナス殿は賢い選択をするほど馬鹿じゃないってことは見てればわかるわ。 >紅:ひどく矛盾してますが。 朱琉:本当に望むことの前では、皆そんなものでしょう。 >>「500年ぶりね、ここに来るのは・・・・。やはり、木も草も生えてないね。・・・・この土地は、時の流れが狂ってしまったから。」 >> アリエスは呟く。虚空に・・・・500年前にここに立っていた姉に向かって。 >>「姉様の意地悪。記憶の改竄なんて、しなくても良かったのに。私、ちゃんと受け止めてるよ?・・・・・・・・辛くないといえば、嘘になるけど。」 >> アリエスは、声を潜めた。森と荒野の境目で待っているフェリセに聞こえないように。 >>「・・・・・・・・・・どうせなら、ルピナスと出会う前に思い出したかったよ。・・・・本当に、ずっと一緒にいるつもりだったのに・・・・。」 >> アリエスは胸に手をやった。その奥に燻る、疼くような感情を押し殺すように。 >>「・・・・・・・・姉様、私、ルピナスとレンが大切だよ・・・・きっと、この感情が『好き』ということなんだと思う。・・・・・・・・でも、一緒にいてはダメなんだよね。・・・・私が『ラーナ』である以上、『ヴァリード』とは共にいられない。私が『ラーナ』である以上、私は『セレス』を不幸にする。」 >> 自らに言い聞かせるように呟く。そして、アリエスはようやく取り戻したその感情の名前を言った。 >>「『切ない』よ、姉様・・・・」 >> 言葉にすれば一言なのに、あまりにも胸を痛ませるその感情は、未だ本当の『喜び』を知らない心には重すぎて。澄んだ夜空に声が溶け消えるのを、アリエスは揺らぐ眼差しで見つめた。 >紅:ジレンマというやつでしょうか。人は悲しみだけでは生きていけないものですから。 >ア:私のように狂ってなければね? >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!ついに完結した第3部、どうだったかな?今回のことで、ますますアリエスが不人気になりそうな予感。まあ、元から『嫌われ系主人公』になるとは予定していたけど。 >> さて、次回は徒然編・・・・なんだけど、今回はほとんど本編みたいなものだ。じゃあ、予告といこうか。 >> 世界の秘密。それは、太古より続く四つの血筋の役割。 >> 滔々と流れる言葉は世界を紐解き、謎を紐解く。 >> それでもなお語られぬ闇。 >> それを知るとき、優しき青年は・・・・ >> 次回、『時の旅人・徒然編』徒然之三、『そして、言葉は世界を紡ぎ』 >> じゃあ、また会おう! >ア:さてさてどうなることやら?楽しみに待っておくとするかね。ちなみに私個人の興味としては語り部殿にあるんだけどね。ちょっと調べさせてくんないかしら? >紅:無茶を言うなよ。ではではまた今度お会いしましょう。 >ア:じゃーねんv 朱琉:しっ・・・・調べる、って・・・・解剖ですか!?語り部さんを!!?・・・・それはやめたほうが・・・・あなた自身のためにも・・・・ カタリ:ひどいなぁ?まあ、みすみすつかまる気もないけど・・・・ね! 朱琉:あ・・・・瞬間移動して逃げた・・・・。と、いうわけで、また今度お会いしましょう。それでは! |
17226 | 時の旅人・徒然編 3:そして、言葉は世界を紡ぎ | 羅城 朱琉 | 2005/9/9 08:22:35 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!羅城 朱琉です。 今回は、もういきなりいってしまいましょう! 時の旅人・徒然編 徒然之三:そして、言葉は世界を紡ぎ 「古い、とても古いお話だ。今から1000年以上前、その因縁は始まった・・・・」 道々、語り部は言葉を紡いだ。先の約束の通り、その知ることをルピナスに語って聞かせるべく。 『四大家』というものがある。太古から続く、古い四つの血筋がそれだ。それぞれの直系の血筋を称して、『封じ』のフェラナート家、『許し』のシーシェンズ家、『裁き』のヴェルリュード家、そして『護り』のサーヴァリル家。その始祖は、特殊な力を持つ四人の人間だという。 世の荒廃が続く中、始めに気付いたのは、『フェラナート』。その者は、悪意や瘴気をその身に封じる力を持っていた。・・・・え?『吸魔体質』?いやいや、似て異なるものだ。その名の通り、『吸収する』のではなく、本当に『封じる』のだよ。さしずめ、『封魔体質』といったところかな?『フェラナート』は、今は降魔戦争と呼ばれている一件の布石として、魔族が地道に振り撒き、根付かせた瘴気を敏感に感じ取った。それが、始まり。 次に気がついたのは、『サーヴァリル』。その者は、瘴気を浄化する力を持っていた。『サーヴァリル』は『フェラナート』と共にあることで、瘴気を浄化していったのだよ。 そして、『シーシェンズ』と『ヴェルリュード』がやってきた。彼らは当時は特殊な力を持っていなかったけど、『サーヴァリル』と共に『フェラナート』を守っていた。 そして、4人は世界を巡り、少しずつだけど、瘴気を払っていったんだ。 もちろん、魔族はそれが気に食わなくてあれこれとちょっかいを出してきた。それでも、彼らは剣と魔道の達人だったから、何とかそれを退けていたよ。でもね、限界はあるものなんだ。それで、彼らは考えた。どうしたら、この世界を、そこに住む人々を守れるか。・・・・彼らは聖人じゃなかったけど、それぞれ強い願いのために、世界を守りたかった。そして、彼らは時の神と・・・・『輪転の女王(レジーナ・オブ・クロノス)』と契約することに成功した。 これは、その時以来の理だ。 フェラナートは魔を封じ、サーヴァリルが浄化する。シーシェンズは眠りをもって安息を誘い、ヴェルリュードは力をもって荒ぶる心を鎮める。 そして、人の世に溢れる禍を減らし、人々の安息を守る。 これが、『四大家』。 アリエスはそのうちの一つ、フェラナートの末裔さ。 これが、隠されていた事実。 そう言って、語り部は静かに微笑んだ。 * * * * * 夜も更けて、野宿中の三人・・・・ルピナス、レン、そして語り部・・・・の頭上には満天の星が輝いていた。一人火の番のため起きているレンは、炎から視線を逸らさずに、言った。 「なぜ、あんなことを・・・・?」 「昼間のことかい?」 答える声は、マントに包まって眠っていた・・・・ように思われた、語り部のものだった。レン自身も、語り部が起きていることを確信して言ったので、驚きはしない。語り部は身を起こしてマントの汚れを払うと、レンの横に腰掛けた。 「なぜ、中途半端に事実を隠し、適度に謎を残して語ったか、ってことかい?」 語り部はそう言い直す。レンが静かに頷いたのを見て、語り部はルピナスを起こさぬよう、小声で語りだした。 「耐えられると、思うかい?未だ記憶の戻らぬ・・・・いや、記憶の封じられたままのルピナスに。・・・・その残酷な真実に、耐えられると思うかい?受け入れられると思うかい?それに・・・・君自身、語られなくて良かったと思っていることもあるんだろう?・・・・『隠し名』の事とか。」 「・・・・・・・・」 語り部は独白する。 「あまりに有名になった『四大家』が、自らを守るべく変えた姓。元の姓と使い分けることによって、平和な暮らしを維持しようとした。今となっては、ほとんど意味はないけど、それでも続いてるよね。分家なんかは、『隠し名』がそのまま正式な姓になっているところもあるし。・・・・ブレードヴィレッジの『シュナイダー』みたいにね。」 押し黙るレンを横目に、語り部は語り続ける。 「フェラナートの隠し名は、ラーナ。ヴェルリュードは、シュナイダー。シーシェンズは・・・・ヴァリード。サーヴァリルは・・・・・・・・」 「止めてください、それ以上は。・・・・ルピナスが起きてしまう・・・・。」 語り部は、やれやれと首をすくめて見せた。それ以上は語らず、炎を見つめる。その瞳は穏やかで、だからレンは期待したくなってしまうのだ。この語り部が、全てを解決してはくれないか、と。・・・・・・・・『放浪の語り部』の正体を知るがゆえに。と、その心を読んだかのように、語り部が呟いた。 「所詮、この世の全ては運命に操られている。運命を壊せるのは・・・・『時』の力を持ちながらも、世界の内にあるものだけ。僕には出来ないことだ。悲劇を食い止めたければ・・・・わかっているだろう?」 「わかっては、います。わかっては・・・・」 語り部もレンも、それきり押し黙る。長い沈黙が降りた。 「・・・・・・・・もし、運命が変わらなければ・・・・」 レンが、ぽつりと言った。 「運命が変わらないとしたら、彼らは・・・・どうなってしまうのですか?」 語り部は、視線を向けずに囁く。 「未来を語れと、そう言うのかい?・・・・それはルール違反だよ。」 「私の未来ではありません。ルピナスと、アリエスの未来を、どうか・・・・」 語り部は、大きな溜息をついた。 「同じことだよ。・・・・でもまあ、仕方ないね。今回は特別だ・・・・・・・・彼らに、決して教えてはいけないよ。・・・・『予定表』に記された未来は・・・・・・・・恐らく、君が今もつ知識を基に想像したとき、考えうる最悪の事態になると思うよ。」 「・・・・・・・・世界が滅びる、ですか。」 「それも、二人の心を最高に傷つけてから、ね。そうなって欲しくないし、そうなると困るから、ここにこうして僕がいるんだけど。・・・・君も、まだ知らないことは多いだろう?本当は語ってはいけないけど・・・・」 焚火の炎がぱちんと爆ぜる。語り部は焚火を眺めつつ、片手を横に差し伸べ、ルピナスを指差した。ただそれだけで、彼の周りに音を遮る結界が築かれる。語り部は、レンの瞳を見つめて呟いた。 「ここで、僕が何かを語ることは、本来『運命』には沿わない。・・・・『予定表』が、どんな偶然を駆使して語るのを止めさせようとするかって、内心ヒヤヒヤしてたけど・・・・幸い、まだ『僕』のほうが、強いみたいだ。更に言うならば、僕の目的達成のためには、そろそろ動かないといけないと思ってる。本当に、後戻りができなくなる前に・・・・ね。・・・・だから、もういいだろう。『予定表』に記されていないことをしても、いいだろうよ。・・・・レンシェルマ=ヴァリード。四大家の力を残しながら、その宿命より逃れた者よ。君が望むのなら、君には全てを話す。その代わり、覚悟はしっかりしておくように。君の知らない全てを語ろう。アリエスのこと、ルピナスのこと、世界のこと・・・・全ての、隠された真実を。そして、『僕』の罪を・・・・・・・・」 レンは、小さく、しかし神妙に頷いた。それを見て、語り部はゆっくりと語り始める。 そうして、世界は紐解かれる。 レンが絶望を知るまで、あと少し・・・・ あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ!ついにここまで来た、って感じだよ。今回はどうだったかな? さて、次回からは第4部に入るけど、流石に投稿ペースが落ちると思う。夏休み中に書いたストックが、そろそろ底をつくからね・・・・。 ちなみに、次回からは偶数番号はアリエス&『聖石の使徒』、奇数番号はルピナス&レン&僕の話になるよ。と、言うわけで予告だ。 始まった新たな生活。そこで出会った人。 屈託のない笑いはしかし心を凍てつかせ、乙女は再び孤独を噛み締める。 対立を恐れはしない。しかし、心は疼いて。 今また、一つの幕が上がる・・・・ 次回、『時の旅人』22話、『遠い空の下で』 じゃあ、また会おう! |
17232 | 時の旅人 22:遠い空の下で | 羅城 朱琉 | 2005/9/12 08:43:18 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!羅城 朱琉です。 ついに始まりました、第4部!まずはアリエス編1話です。 時の旅人 22:遠い空の下で 空は未だ夜明けには遠く、寝なおすには少し遅い。そんな時間に、アリエスは目覚めた。 一人部屋としては十分すぎるほど広い部屋は、白木の色を中心に品よく整えられている。広いベッドから降り立ちバルコニーに通じる窓を開けると、吹き込んだ風がカーテンを揺らした。 (先ほどここに来て、少し眠ったのでしたね・・・・) 未だ実感が薄くはあるのだが、アリエスはそう思った。 ここは『自由宮殿(フリーダムパレス)』。フェリセら『聖石の使徒』の本拠地である。 『聖石の使徒』は、想像以上に規模の大きい組織らしい。小さな町くらいの大きさはあるこの『自由宮殿』に、100人以上のメンバーが暮らしながら、決起のときを待っているそうだ。ここにいる人々はさまざまだ。普通の人間もいれば、数多の世界の神族・魔族もいるし、幻神族・幻魔族と言われる者たちもいる。 にわかには信じがたいことではあるのだが、神や魔が存在しない世界もあるらしい。そういった世界でも宗教は生まれ、『神』があがめられる。人の持つ『想い』の力というものは大したもので、世界のあらゆる要素たちが、人の『想い』によって具現化したりする。そうして生まれたのが、幻神族と幻魔族。それらの力の性質が神に近ければ『幻神族』、魔に近ければ『幻魔族』と呼ばれる。彼らは名こそ神魔だが、本物の神魔よりも制約が少ない。それゆえに、本物の神魔との仲はあまりよくはないという。 ここが、これから過ごす場所。星の見えぬ空・・・・曰く、目くらましの結界が張ってあるせいらしい・・・・を見上げ、アリエスは思案に暮れた。 様々に思いを巡らせるうちに、朝になった。廊下に人の気配が増えてきたのを感じ、アリエスは身なりを整える。昨日までは水晶の牙のピアスがついていた左耳には、漆黒の石のピアスを付けた。 (ルピナス・・・・レン・・・・・・・・。二人とも、どうか元気で・・・・) 思ってから、少し後悔した。きっと二人は自分を忘れるだろう。そして、そうされることを選んだのも、自分。だから・・・・ (・・・・私に、彼らを想う資格はないでしょうね・・・・。) アリエスはそっと瞳を閉じて、苦い思いを噛み締めた。 * * * * * コンコン、とノックの音がした。アリエスは扉を開け・・・・一歩引いた。そこにいたのは、『怪しい』と言う言葉が服を着て歩いているような人だったから。全身を真っ黒なフードつきマントで覆い、フードを目深に被っているためかろうじて口元が見える程度。フード脇から零れ落ちた髪の色は黒。いかにも『私は不審人物です』といった感じの人だ。 「な・・・・何の用でしょうか?」 極力動揺を押し殺して、アリエスは言った。と、フードから覗く口元がにまり、と笑みの形になる。 「やだ、そんな緊張しないでよ〜。私、ミュシカって言うの。フェリセさんから、あなたの案内頼まれたのよ。よろしくね!」 怪しい人物・・・・ミュシカは、その外見に全くそぐわない明るい声でそう言った。 「は、はぁ・・・・」 未だ呆けているアリエスの手を取り、ミュシカは見える口元部分で晴れやかに笑った。 「行こう!まずは、『聖石の使徒』の旗印を見せてあげる!」 ミュシカは、ぺらぺらと良く喋った。基本的に話すことが好きらしく、話題は途切れることがない。 「・・・・で、まあ、ここには異世界から来た人も多くてね。かく言う私も、『ここから見れば異世界』から来たんだけどね。ちなみに、私は幻神族。司るものは『幻想』と『芸術』よ。今後とも、どうぞよろしく!ああ、異世界から来た人が多いって言っても、言葉通じない人はいないから心配しなくていいよ。・・・・あ、この部屋、談話室ね。ここをたまり場にしてる人も多いよ。後で来てみたら?その横は食堂。勝手に厨房入って作ればいいからね。・・・・あ、この横道には入らないほうがいいから。この先は研究室があるからね。1日1度は悲鳴が聞こえ、3日に一度は爆発事故、週に一度は重傷者が出るっていう魔の領域だから。」 「・・・・・・・・」 『幻想』と『芸術』と言うよりは、『歓楽』と『大衆文化』を司っていると言われたほうがしっくり来る、と皆に思われていることを知ったのは、もう少しだけ後のこと。アリエスはとりあえず無言でミュシカについていった。 「・・・・で、この先にあるのが私たち『聖石の使徒』の旗印、『聖石』よ!と言うわけでれっつごぅ!・・・・と、あれぇ?レスさん、珍しいねぇ、こんな所で。」 そこに立っていた女性・・・・レスは、アリエスとミュシカを眺めて言った。 「フェリセの連れてきた『アリエス』とやらを見にきただけでおやすよ。」 「・・・・・・・・あなたは?」 その視線に非好意的なものを察して、アリエスは固すぎるほど固い口調で言った。 「あちきはレスティナ=フェンテンでおやす。嬢がアリエスでおやすか?」 「ええ。・・・・私はアリエス=オルフェーゼ=ラーナと申します。数ならぬ身ではありますが、以後心の片隅にでも留め置き下されば、大変光栄に存じます。」 常日頃は自分を『わたし』と言っているアリエスが、何故か今だけ『わたくし』と言っている。丁寧すぎるほど丁寧な、あからさまに慇懃無礼とわかる口調。ミュシカは、アリエスとレスの間に火花が散ったのが見えた気がした。 「あ、あ〜、とりあえず、『聖石』見よう『聖石』!ほらアリエスちゃん、行くよ!」 微妙に引きつった顔で、アリエスを押すミュシカ。別段逆らうことをせず、アリエスはそれに従った。 その先にあった部屋の中に入ると、ミュシカが溜息混じりに言う。 「あ〜、マズイって。レスは『三賢人(トリニティ)』の一角なんだよ〜・・・・」 「トリニティ?」 「あー、説明してなかったっけ・・・・ちょっと待ってね。」 言うと、ミュシカは部屋の片隅から、2枚の紙と、何故か鉛筆ではなく絵筆とパレットを持ってくる。 「んーとねぇ・・・・『三賢人』って言うのは、『聖石の使徒』の最高決定機関。それに、盟主のフェリセさんが加わって、『聖石の使徒』の活動方針決めてるの。さっき会ったのが、幻魔族のレスティナ=フェンテン。実は偽名らしいけど、真相はわかんない。」 言いつつ、絵筆を手早く動かして何かを書いてゆく。そして、そのうちの1枚をひらっと見せる。そこには、まっすぐな紫の長髪とアイスブルーの瞳を持つ、10代前半の目つきの悪い少年が、やたらと写実的なタッチで描かれていた。 「で、この子が『邪神』ロキ=コンス。幻神族だから、見た目よりずっと年寄りだよ。」 そして、残った一枚も書き上げ、アリエスに渡した。そこにはやはり写実的なタッチで、肩より少し短い黒髪と青灰色の瞳の、10代後半くらいの無表情な女性が。 「これがキサラ=シリュウ。異世界の人間で、本当はこう書いて・・・・」 そう言って、ミュシカは紙に『翅劉 綺更』と書き加える。 「『シリュウ キサラ』って読むのが正しいらしいわよ。なんて言うか、若年寄?そんな感じ。」 ミュシカはおもむろに顔をあげると、小声で言った。 「まあ、『三賢人』には気をつけるに越したことはないよ。・・・・・・・・で、まあ話を戻すけど。」 ひょいと立ち上がり、部屋の中心を指し示す。そこには身の丈ほどの高さの台座があり、その上にはうっすらと光を放つオーブが浮かんでいた。 「あれが『聖石』。その力は・・・・まあ、今は秘密ってことで!」 「・・・・・・・・魔力が、集まっている・・・・?」 ミュシカは、面食らった顔をした。 「すごーい!わかるんだ。そう、その力の一部だよ。」 アリエスはつと視線を外す。そのようなことで褒められても、違和感しか覚えない。特に、相手は一応『神』なのだから。 ミュシカは、そんな心情に気付いた様子もなくにこにこ笑っている。アリエスは、一応丁寧に礼を言うと、踵を返した。 (部屋で、休みますか・・・・) あまり他人と関わりたくない。そう思いつつ、アリエスは来た道筋を引き返す。 今日からは、これが日常となるのだ。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!ついに始まった第4部、ほとんどアリエスの近況説明になっているけど・・・・どうだったかな?次は、僕たちの方の話だ。 じゃあ、今回は早速未来を語ろうか。 再び出会う、そのために。 英雄たちの故郷にて巡り合う者たちは、求め続けていたもの。 今は、全てを後に回そう。 悲しき瞳の乙女のために・・・・ 次回、『時の旅人』23話、『赤の乙女たち』 では、今回はこの辺で! |
17236 | 怪し過ぎます!! | 十叶 夕海 | 2005/9/12 23:52:41 |
記事番号17232へのコメント > こんにちは!羅城 朱琉です。 > ついに始まりました、第4部!まずはアリエス編1話です。 ユア;はい。 レスいきます。 シェル;わたくし、シェルマが相方・・ですか? 勤めさせていただきます。 > > > ここは『自由宮殿(フリーダムパレス)』。フェリセら『聖石の使徒』の本拠地である。 > > 『聖石の使徒』は、想像以上に規模の大きい組織らしい。小さな町くらいの大きさはあるこの『自由宮殿』に、100人以上のメンバーが暮らしながら、決起のときを待っているそうだ。ここにいる人々はさまざまだ。普通の人間もいれば、数多の世界の神族・魔族もいるし、幻神族・幻魔族と言われる者たちもいる。 > にわかには信じがたいことではあるのだが、神や魔が存在しない世界もあるらしい。そういった世界でも宗教は生まれ、『神』があがめられる。人の持つ『想い』の力というものは大したもので、世界のあらゆる要素たちが、人の『想い』によって具現化したりする。そうして生まれたのが、幻神族と幻魔族。それらの力の性質が神に近ければ『幻神族』、魔に近ければ『幻魔族』と呼ばれる。彼らは名こそ神魔だが、本物の神魔よりも制約が少ない。それゆえに、本物の神魔との仲はあまりよくはないという。 シェル;人間と言う同じでもなが良くありませんし、ある意味普通の状態でございますわね・・。 ユア;宗教自体、都合のいい看板だし、 > >様々に思いを巡らせるうちに、朝になった。廊下に人の気配が増えてきたのを感じ、アリエスは身なりを整える。昨日までは水晶の牙のピアスがついていた左耳には、漆黒の石のピアスを付けた。 >(ルピナス・・・・レン・・・・・・・・。二人とも、どうか元気で・・・・) > 思ってから、少し後悔した。きっと二人は自分を忘れるだろう。そして、そうされることを選んだのも、自分。だから・・・・ >(・・・・私に、彼らを想う資格はないでしょうね・・・・。) > アリエスはそっと瞳を閉じて、苦い思いを噛み締めた。 シェル;思う資格はありますわ。 それに、離れたからと言っても忘れれないですわ。 ユア;離れても、過ごした時間が消えてなくなるわけじゃないですし。 > > > * * * * * > > > コンコン、とノックの音がした。アリエスは扉を開け・・・・一歩引いた。そこにいたのは、『怪しい』と言う言葉が服を着て歩いているような人だったから。全身を真っ黒なフードつきマントで覆い、フードを目深に被っているためかろうじて口元が見える程度。フード脇から零れ落ちた髪の色は黒。いかにも『私は不審人物です』といった感じの人だ。 シェル;貴女、怪しすぎますわ。 ユア;走破っきり言わないようにね、シェルマ嬢 >「・・・・で、まあ、ここには異世界から来た人も多くてね。かく言う私も、『ここから見れば異世界』から来たんだけどね。ちなみに、私は幻神族。司るものは『幻想』と『芸術』よ。今後とも、どうぞよろしく!ああ、異世界から来た人が多いって言っても、言葉通じない人はいないから心配しなくていいよ。・・・・あ、この部屋、談話室ね。ここをたまり場にしてる人も多いよ。後で来てみたら?その横は食堂。勝手に厨房入って作ればいいからね。・・・・あ、この横道には入らないほうがいいから。この先は研究室があるからね。1日1度は悲鳴が聞こえ、3日に一度は爆発事故、週に一度は重傷者が出るっていう魔の領域だから。」 ユア;Dグレのコムイさんの研究室。 シェル;??? ユア:シェルマ嬢、世の中には知らない方がいい事もあるのです。 >「・・・・で、この先にあるのが私たち『聖石の使徒』の旗印、『聖石』よ!と言うわけでれっつごぅ!・・・・と、あれぇ?レスさん、珍しいねぇ、こんな所で。」 > そこに立っていた女性・・・・レスは、アリエスとミュシカを眺めて言った。 >「フェリセの連れてきた『アリエス』とやらを見にきただけでおやすよ。」 >「・・・・・・・・あなたは?」 > その視線に非好意的なものを察して、アリエスは固すぎるほど固い口調で言った。 >「あちきはレスティナ=フェンテンでおやす。嬢がアリエスでおやすか?」 >「ええ。・・・・私はアリエス=オルフェーゼ=ラーナと申します。数ならぬ身ではありますが、以後心の片隅にでも留め置き下されば、大変光栄に存じます。」 > 常日頃は自分を『わたし』と言っているアリエスが、何故か今だけ『わたくし』と言っている。丁寧すぎるほど丁寧な、あからさまに慇懃無礼とわかる口調。ミュシカは、アリエスとレスの間に火花が散ったのが見えた気がした。 ユア;あははっははは、我が子供ながら、物見高いというか裏があるというか。 シェルマ;なかがよさそうですわね・・・。 ユア:(いや、上の会話と状況見て普通そう言えないし) > > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:こんにちは!ついに始まった第4部、ほとんどアリエスの近況説明になっているけど・・・・どうだったかな?次は、僕たちの方の話だ。 ユア;楽しみですね。 シェル:どうなるのでしょうね。 >じゃあ、今回は早速未来を語ろうか。 > 再び出会う、そのために。 > 英雄たちの故郷にて巡り合う者たちは、求め続けていたもの。 > 今は、全てを後に回そう。 > 悲しき瞳の乙女のために・・・・ > 次回、『時の旅人』23話、『赤の乙女たち』 > では、今回はこの辺で! > ユア;はい。では。 シェル;それでは、次回でも縁があればお会いいたしましょう。 |
17237 | 元ネタは・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/9/13 08:29:59 |
記事番号17236へのコメント > >> こんにちは!羅城 朱琉です。 >> ついに始まりました、第4部!まずはアリエス編1話です。 > >ユア;はい。 > レスいきます。 >シェル;わたくし、シェルマが相方・・ですか? > 勤めさせていただきます。 朱琉:こんにちは!今回の相方は、いつもどおり語り部さんに戻ってきていただきました。 語り部:じゃあ、早速だけど返レスだ。 >> >> >> ここは『自由宮殿(フリーダムパレス)』。フェリセら『聖石の使徒』の本拠地である。 >> >> 『聖石の使徒』は、想像以上に規模の大きい組織らしい。小さな町くらいの大きさはあるこの『自由宮殿』に、100人以上のメンバーが暮らしながら、決起のときを待っているそうだ。ここにいる人々はさまざまだ。普通の人間もいれば、数多の世界の神族・魔族もいるし、幻神族・幻魔族と言われる者たちもいる。 >> にわかには信じがたいことではあるのだが、神や魔が存在しない世界もあるらしい。そういった世界でも宗教は生まれ、『神』があがめられる。人の持つ『想い』の力というものは大したもので、世界のあらゆる要素たちが、人の『想い』によって具現化したりする。そうして生まれたのが、幻神族と幻魔族。それらの力の性質が神に近ければ『幻神族』、魔に近ければ『幻魔族』と呼ばれる。彼らは名こそ神魔だが、本物の神魔よりも制約が少ない。それゆえに、本物の神魔との仲はあまりよくはないという。 > >シェル;人間と言う同じでもなが良くありませんし、ある意味普通の状態でございますわね・・。 >ユア;宗教自体、都合のいい看板だし、 語り部:『時の旅人』の神様たちはねぇ・・・・皆どこか人間っぽい。 朱琉:この話、テーマはいくつかあるんですけど、その内のひとつが『完璧なものなんてない。間違えないものなんていない。だからこそ、今という時の中で悩み、苦しみ、それでも前に進んでいくんだ。』という、いつか誰かに言ってもらう予定の台詞なのです。だから、皆どこかで間違えをしています。 > >> >>様々に思いを巡らせるうちに、朝になった。廊下に人の気配が増えてきたのを感じ、アリエスは身なりを整える。昨日までは水晶の牙のピアスがついていた左耳には、漆黒の石のピアスを付けた。 >>(ルピナス・・・・レン・・・・・・・・。二人とも、どうか元気で・・・・) >> 思ってから、少し後悔した。きっと二人は自分を忘れるだろう。そして、そうされることを選んだのも、自分。だから・・・・ >>(・・・・私に、彼らを想う資格はないでしょうね・・・・。) >> アリエスはそっと瞳を閉じて、苦い思いを噛み締めた。 > >シェル;思う資格はありますわ。 > それに、離れたからと言っても忘れれないですわ。 >ユア;離れても、過ごした時間が消えてなくなるわけじゃないですし。 朱琉:それが本当、なんですけどね。 語り部:相変わらず、思考がダーク一直線なアリエスだから。 > >> >> >> * * * * * >> >> >> コンコン、とノックの音がした。アリエスは扉を開け・・・・一歩引いた。そこにいたのは、『怪しい』と言う言葉が服を着て歩いているような人だったから。全身を真っ黒なフードつきマントで覆い、フードを目深に被っているためかろうじて口元が見える程度。フード脇から零れ落ちた髪の色は黒。いかにも『私は不審人物です』といった感じの人だ。 > >シェル;貴女、怪しすぎますわ。 >ユア;走破っきり言わないようにね、シェルマ嬢 語り部:これで、司ってるのが『幻想』に『芸術』とはねぇ(笑) 朱琉:まあ、彼女の正体はおいおいあかされていくでしょう。 > >>「・・・・で、まあ、ここには異世界から来た人も多くてね。かく言う私も、『ここから見れば異世界』から来たんだけどね。ちなみに、私は幻神族。司るものは『幻想』と『芸術』よ。今後とも、どうぞよろしく!ああ、異世界から来た人が多いって言っても、言葉通じない人はいないから心配しなくていいよ。・・・・あ、この部屋、談話室ね。ここをたまり場にしてる人も多いよ。後で来てみたら?その横は食堂。勝手に厨房入って作ればいいからね。・・・・あ、この横道には入らないほうがいいから。この先は研究室があるからね。1日1度は悲鳴が聞こえ、3日に一度は爆発事故、週に一度は重傷者が出るっていう魔の領域だから。」 > >ユア;Dグレのコムイさんの研究室。 >シェル;??? >ユア:シェルマ嬢、世の中には知らない方がいい事もあるのです。 朱琉:実は、半分ぐらいはDグレのコムイさんの研究室が元ネタになっています(笑) > >>「・・・・で、この先にあるのが私たち『聖石の使徒』の旗印、『聖石』よ!と言うわけでれっつごぅ!・・・・と、あれぇ?レスさん、珍しいねぇ、こんな所で。」 >> そこに立っていた女性・・・・レスは、アリエスとミュシカを眺めて言った。 >>「フェリセの連れてきた『アリエス』とやらを見にきただけでおやすよ。」 >>「・・・・・・・・あなたは?」 >> その視線に非好意的なものを察して、アリエスは固すぎるほど固い口調で言った。 >>「あちきはレスティナ=フェンテンでおやす。嬢がアリエスでおやすか?」 >>「ええ。・・・・私はアリエス=オルフェーゼ=ラーナと申します。数ならぬ身ではありますが、以後心の片隅にでも留め置き下されば、大変光栄に存じます。」 >> 常日頃は自分を『わたし』と言っているアリエスが、何故か今だけ『わたくし』と言っている。丁寧すぎるほど丁寧な、あからさまに慇懃無礼とわかる口調。ミュシカは、アリエスとレスの間に火花が散ったのが見えた気がした。 > >ユア;あははっははは、我が子供ながら、物見高いというか裏があるというか。 >シェルマ;なかがよさそうですわね・・・。 >ユア:(いや、上の会話と状況見て普通そう言えないし) 語り部:そうだね。これは思いっきり、『仲の悪い』部類に入るね。 朱琉:まあ、アリエス非友好派代表格になるので・・・・ > > >> >> あとがき、或いは語り部の告げる未来 >>語:こんにちは!ついに始まった第4部、ほとんどアリエスの近況説明になっているけど・・・・どうだったかな?次は、僕たちの方の話だ。 > >ユア;楽しみですね。 >シェル:どうなるのでしょうね。 > >>じゃあ、今回は早速未来を語ろうか。 >> 再び出会う、そのために。 >> 英雄たちの故郷にて巡り合う者たちは、求め続けていたもの。 >> 今は、全てを後に回そう。 >> 悲しき瞳の乙女のために・・・・ >> 次回、『時の旅人』23話、『赤の乙女たち』 >> では、今回はこの辺で! >> > >ユア;はい。では。 >シェル;それでは、次回でも縁があればお会いいたしましょう。 > 朱琉:では、今回はこの辺で 二人:またね! > > > |
17246 | 時の旅人 23:赤の乙女たち | 羅城 朱琉 | 2005/9/20 08:19:24 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!久々の更新になりました、羅城 朱琉です。 今回は、ルピちゃんサイド第1話。早速ですが、どうぞ! 時の旅人 23:赤の乙女たち 『アリエス・・・・?ねえ、アリエス!?どこ?どこなのよ!?』 足元すら見えない真の暗闇の中に、声がこだまする。金茶の瞳が、見慣れた銀の髪を捜して彷徨う。 ・・・・と、遠くに後姿が見えた。ルピナスは・・・・ルピナス=セレス=ヴァリードを名乗る女性は、小さく消えそうな後姿を目指し、闇の中を全力で走った。 『ねえ、ちょっと!アリエスなんでしょ?待ってったら!!』 走りながら、叫ぶ。すると、アリエスの足が止まった。ルピナスに背を向けたまま立ち尽くすアリエスに追いつき、ルピナスは言う。 『やっと、見つけた。ねえ、アリエス・・・・一緒に、帰ろ?レンが心配してる。あたしも・・・・アリエスがいないと、寂しいよ。・・・・ね?』 のろのろと、アリエスが振り返る。その口元に刻まれていた表情は・・・・うっすらとした笑み、だった。 『帰らない。』 『・・・・え?』 『私は、帰らない。あなたにも、レンにも、もう二度と会うつもりはなかったのに・・・・・・・・どうして来たのかな?』 『アリ・・・・・・・・エス・・・・?』 呟いた声は、みっともないほどに震えていて。 『速く、帰ったほうがいいよ。今なら、見逃してあげる。』 微笑んだ顔はしかし、闇を思わせるもので。 『どうして・・・・?ねえ、何で?・・・・・・・・ ・・・・・・・・私、何かした?私のこと、嫌いになった?』 アリエスは、ただ嗤うのみ。 『ねえ、答えてよ。・・・・・・・・アリエスっ!!』 アリエスの唇が、嗤いの形のまま動いた。 『・・・・嫌いだよ。大嫌い。ルピナスも、レンも・・・・ね。』 心が軋む音がした。瞳が凍って、世界が無意味と化す。 『元から、相容れない存在だったんだよ、私たち。お互いがお互いを食い潰す、最悪の関係・・・・。それがわかってて、わざわざ不幸になりたくないよ。』 『ねえ、それ・・・・どういうこと・・・・・・・・?』 固まった心から、惰性で言葉が落ちる。アリエスは、少しだけ瞳を歪めた。 『ああ、いけない・・・・。少し、話しすぎたみたいね。・・・・さあ、帰って。』 足が、動かない。まるで、地面と一体化してしまったようだ。 『帰ってよ。・・・・帰らないなら・・・・・・・・ ・・・・・・・・実力で、排除する!』 アリエスが、腰の二刀と解き放つ。殺意をこめて突きつけられたそれを、ルピナスはただ呆然と見つめるしかできなかった。 * * * * * 全身にいやな汗をびっしょりとかいて、ルピナスは目を覚ました。 「ゆ・・・・夢・・・・?」 「少し早いけど、おはよう、ルピナス。うなされていたけど、大丈夫かい?」 横になったままのルピナスの額に、ひやりとした手が添えられる。そちらに目をやると、僅かに白み始めた空に溶け込むように、白皙の麗人がいた。 「語り部、さん・・・・?」 語り部は、優しく微笑む。 「悪い夢でも見たのかな?」 こくりと頷く。 「怖い夢?悲しい夢?辛い夢?・・・・夢は、人に話せば実現しないらしいよ。実現して欲しくない夢なら、僕に話してみない?」 語り部の優しい声音に促され、ルピナスはぽつぽつと話し始めた。悲しく、辛い、痛みを伴う夢を。 ようやく日が昇った。野宿の場所として選んだ、川原に程近い森の影から川原に場所を移し、朝食を軽くとる。レンが作った『保存食雑炊』は意外と美味しく、その温かさが少しだけ夢の傷跡を癒してくれた気がした。 食事が終わると、語り部が口を開いた。 「さて・・・・悪いけど、もう少しだけ待っていてくれないかな?休息はとったから、一気にゼフィーリアまで行こうと思うんだけど、移動のための魔法陣が、まだ不完全なんだ。」 そう言って、野宿していた場所のすぐ傍の小さな空き地を指差す。そこには確かに、複雑な魔法陣が描かれていた。 「そうだねぇ・・・・あと10分もすれば、書きあがるから。」 そう言って、語り部はひょいと木の棒を拾って、書きかけの魔法陣に細々と何かを書いていく。 「随分と、念入ですね。」 レンがぽそりと呟いた。語り部は、少し困ったような微笑を浮かべる。 「だって・・・・ねぇ?ただの移動だけじゃないし。遠距離だから、それ用の方向、距離の微調整、呪文短縮用の補助、その他諸々・・・・呪文同士反発しないように構成も考えてるから、ちょっと時間がかかるんだよ。」 そう言って、再び続きを書き始める。今度こそ、レンは何も言わなかった。 「ねえ、レン・・・・」 しばしの沈黙の後、ルピナスは呟いた。 「?」 「何で、わかったの?ホラ、アリエスが、その・・・・」 レンは、ほんの僅かに微笑むと、ルピナスの頭に手を載せた。 「『なぜ、アリエスが行ってしまったことがわかったのか?なぜ、タイミングよく現れたのか?』・・・・ですか?」 頭の上に置かれたレンの手は大きくて、でも、男の手にしては細く柔らかで、とても温かい。記憶もなく、呪いをかけられ、周りの見えない闇の中で途方にくれて涙していた自分を、いつもこの手が支え、光の方へと導いてくれた。その手に今度も勇気付けられ、ルピナスはこくんと頷く。 「あの人が・・・・『語り部』様が教えてくれたんですよ。アリエスのことを。」 「・・・・語り部さんって、何者?」 そう問うと、レンは困った顔をした。 「あの人は・・・・そうですね、何と言ったらいいのでしょうか・・・・?」 「僕は、『放浪の語り部』。それ以外の、何者でもないよ。・・・・少なくとも、今は・・・・ね。」 話を聞きつけたようだ。魔法陣を描きながら、語り部は言う。 「それで納得できないなら・・・・そうだね、他にもいろいろ呼び名はある。『言霊の具現者』、『黙示の預言者』、『暗黙の導』、皮肉なのだと『語らずの大賢者』、『銀の詐欺師』、『先見の道化』。全てに共通して言えることは、言の葉によって世界の有り様を変化させ、多くを知りつつ語らぬもの。そして、相応しいことを相応しい時に語る者。それが、僕。御理解頂けたかな?ルピナス=セレス=ヴァリード。」 「・・・・なんだか、余計にわからなくなったわ。何なの?その『言葉で世界を変化させる』って。」 首をひねるルピナスに、語り部は悪戯っぽく笑う。 「平たく言えば、魔道士みたいなもの、って事だよ。ただ、君の思ういわゆる『魔術』とは、ちょっとばかり系統が違うけど、ね。・・・・はい、完成。いつでも出発できるよ。」 そうして、語り部は木の棒を手放して、軽く手を払った。 「『汝、赤き世界に属するモノよ。我が言の葉の元、契約に従い、集いてここに我が意を示せ。動かざるもの、流れるもの、猛きもの、吹き行くもの、輝かしきもの、安息をもたらすもの。束ねしもの、万象の主、王たるものよ。今一時理を違え、我が望みのままに。』」 魔法陣の内に全員が入ったことを確認した後、語り部は囁くように、謡うように呪文を唱える。仄かな燐光を帯びた魔法陣が一瞬、強烈に輝いた、その刹那・・・・ 3人は、万里を翔けた。 * * * * * 光が、弾けた。一瞬不安定になった足元が、再び固さを取り戻す。 「着いたよ。ゼフィーリア首都、ゼフィール・シティ郊外。最終目的地まで、徒歩3分。流石に、街中に現れるわけには行かなかったからね。」 光の残滓を振り払い、辺りを見回すと、確かに景色が一変している。さっさと歩き出した語り部の後を追い、レンとルピナスは心持ち早足で歩いた。 街中を、白い吟遊詩人がほてほてと歩く。それに続いて、紺色の魔道士と淡紫色の神官が歩く。見ようによっては異様な光景だが、特に視線を向けてくることもない。例え、人の多い首都であったとしても、幾人かは好奇の眼差しを向けて当然だろうと思っていたのに・・・・。流石は『英雄の故郷』ゼフィーリア王国、と、レンは密かに感心した。 と、語り部が立ち止まり、一件のレストランを指差した。 「あそこ。」 ルピナスは、目を凝らして看板を読む。 「えっと・・・・『レストラン・リアランサー』?」 「そう。・・・・朝食時は終わったし、今なら暇だと思うよ、『彼女』は。」 そのまま、無造作にレストランに歩み寄り、戸を押し開く。二人もそれに続いてレストランに入った。 「いらっしゃいませ!」 紺色の髪のウェイトレスが、笑顔で振り向く。 「何名様で・・・・しょう・・・・って、あなたは・・・・!?」 その笑顔が固まった。語り部は、微笑んで言った。 「久しいね、『赤の竜神の騎士(スィーフィード・ナイト)』ルナ=インバース。」 一瞬の沈黙。そして。 「っなっ・・・・!何であなたがこんなところにぃぃ!?」 「ええぇぇっ!『インバース』!?『赤の竜神の騎士』ぃっ!!?」 「・・・・・・・・」 困惑の悲鳴と絶叫が微妙なハーモニーを奏でる中、レンはやれやれと額を押さえた。 ようやく、絶叫が収まって。皆適当に注文をすると、リアランサーのテーブルの一つに着き、語り部は言った。 「突然で悪かったね、ルナ。改めて・・・・レンシェルマ、ルピナス。こっちが、かの有名な『赤の竜神の騎士』殿だ。名を、ルナ=インバースと言う。僕の古い友人さ。で・・・・ルナ、こっちはブレードヴィレッジで神官を務めているレンシェルマ=ヴァリード。そしてこっちが、ルピナス=セレス=ヴァリード。ただし、本名ではない。・・・・まあ、聞いて分かるとおりさ。」 その微妙な表現に、ルピナスは首を傾げた。それに気付いたはずなのに、語り部は先を進める。 「ちょっと情報が欲しいんだけど・・・・知ってるかな?『聖石の使徒』の本拠地・・・・『自由宮殿(フリーダムパレス)』の所在を。」 「どうしてまた・・・・?」 「ちょっとね、探し人がそこにいるから。」 「探し人?」 語り部は、意味ありげに唇を歪めて、言った。 「アリエス=オルフェーゼ=ラーナ。それが、探し人の名。」 それを聞いた瞬間、ルナは複雑な顔をして考え込んだ。 「・・・・・・・・少し、時間を下さい。調べますから。」 「いいよ。適当に、この辺りで宿を取るから。わかったら知らせて。」 語り部はそう言うと、目の前のミルクティーを口に運んだ。 と、その時、ドアが開いた。入ってきたのは、朝だというのに何故かぐったりとした栗色の髪の少女。 「あら?意外と早かったわね。」 「何したんだい?ルナ。」 「昨日、徹底的に剣術のおさらいをしたんです。疲れてもう暫く寝てると思ったんですけど。」 事も無げに、ルナが呟く。少女が顔を上げた。 「姉ちゃん・・・・。と、誰?」 その瞳は鮮烈な紅。少女らしからぬ強いその輝きは、そこに宿る自信のせいか。小柄な体に、活動的な魔道士の服。ぐったりとしていながらも、輝きは色あせない。 語り部は、微笑み立ち上がると、妙に芝居がかった仕草で言った。 「やあ、お初に御目文字仕る。僕は語り部。『放浪の語り部』。ルナ=インバースの友人さ。会えて嬉しいよ。数多の異名を持つ乙女、若き英雄、『魔を滅する者(デモン・スレイヤー)』リナ=インバース!」 その言葉に、ルピナスが、表情を変えた。 「リナ=インバース・・・・?あなたが、リナ=インバースなの!?」 「そうだけど・・・・」 少々不快そうに、リナは言う。ルピナスは、音を立てて立ち上がった。 「なら教えて!『混沌の力』を操る術を!!」 「っなっ・・・・!」 そのまま、リナに詰め寄ろうとする。しかし、それを止めた者がいた。・・・・語り部の、細い腕が。 「ちょっと、邪魔しないで!」 「君は、何のためにここに来たんだい?優先順位を間違えないように。」 激昂するルピナスに、氷のように冷たい言葉が突き刺さる。勢いを失ったルピナスは、倒れこむように椅子に座った。 「失礼したね、リナ嬢。ただ、彼女にも彼女なりの理由があるんだ。どうか、許してやってくれないかな?」 柔らかく微笑む語り部とは対照的に、リナは硬い声音で問うた。 「あんた達、何者なの?」 語り部は、言った。 「僕は、語り部。彼はレンシェルマ=ヴァリード。彼女はルピナス=セレス=ヴァリード。君の姉、ルナ=インバースの古い友人。ルナの力を借りにきた。」 そして、時は流れ続ける。 赤き乙女たちをも巻き込んで。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:こんにちは!久しぶりだね。今回の『時の旅人』は、どうだったかな? ここにきて漸く、スレイヤーズの皆とリンクしたわけだけど。ちなみに、今の時間はスレイヤーズ本編第2部・・・・つまりはルーク=シャブラニグドゥが倒れて数ヶ月、リナとガウリイがゼフィーリアにやってきてしばらく経った辺りだ。 じゃあ、今回も語ろうか。未来を示す、その欠片を。 なぜ、ここにいるのか。なぜ、今なのか。 尽きせぬ疑問の一端を握るものは、闇に囁く。 そして、爆煙と共に終わりを告げる静寂は、乙女を巻き込んでゆく。 望む、望まざるに関わらず・・・・ 次回、『時の旅人』24話、『それぞれの痛みを抱えて』 次回もお楽しみにね! |
17247 | ・・・・・・すみませんです。(土下座) | 十叶 夕海 | 2005/9/20 23:00:17 |
記事番号17246へのコメント > こんにちは!久々の更新になりました、羅城 朱琉です。 > 今回は、ルピちゃんサイド第1話。早速ですが、どうぞ! ユア;すみませんです。 久遠;はじめから、それじゃわからないでしょう。 ユア;詳しい理由は、後から、話します。 ・・気を取り直してレス行きます。 > > > > > 時の旅人 > > 23:赤の乙女たち > >『アリエス・・・・?ねえ、アリエス!?どこ?どこなのよ!?』 > 足元すら見えない真の暗闇の中に、声がこだまする。金茶の瞳が、見慣れた銀の髪を捜して彷徨う。 >・・・・と、遠くに後姿が見えた。ルピナスは・・・・ルピナス=セレス=ヴァリードを名乗る女性は、小さく消えそうな後姿を目指し、闇の中を全力で走った。 >『ねえ、ちょっと!アリエスなんでしょ?待ってったら!!』 > 走りながら、叫ぶ。すると、アリエスの足が止まった。ルピナスに背を向けたまま立ち尽くすアリエスに追いつき、ルピナスは言う。 >『やっと、見つけた。ねえ、アリエス・・・・一緒に、帰ろ?レンが心配してる。あたしも・・・・アリエスがいないと、寂しいよ。・・・・ね?』 > のろのろと、アリエスが振り返る。その口元に刻まれていた表情は・・・・うっすらとした笑み、だった。 >『帰らない。』 >『・・・・え?』 >『私は、帰らない。あなたにも、レンにも、もう二度と会うつもりはなかったのに・・・・・・・・どうして来たのかな?』 >『アリ・・・・・・・・エス・・・・?』 > 呟いた声は、みっともないほどに震えていて。 >『速く、帰ったほうがいいよ。今なら、見逃してあげる。』 > 微笑んだ顔はしかし、闇を思わせるもので。 >『どうして・・・・?ねえ、何で?・・・・・・・・ > ・・・・・・・・私、何かした?私のこと、嫌いになった?』 > アリエスは、ただ嗤うのみ。 >『ねえ、答えてよ。・・・・・・・・アリエスっ!!』 > アリエスの唇が、嗤いの形のまま動いた。 >『・・・・嫌いだよ。大嫌い。ルピナスも、レンも・・・・ね。』 > 心が軋む音がした。瞳が凍って、世界が無意味と化す。 >『元から、相容れない存在だったんだよ、私たち。お互いがお互いを食い潰す、最悪の関係・・・・。それがわかってて、わざわざ不幸になりたくないよ。』 >『ねえ、それ・・・・どういうこと・・・・・・・・?』 > 固まった心から、惰性で言葉が落ちる。アリエスは、少しだけ瞳を歪めた。 >『ああ、いけない・・・・。少し、話しすぎたみたいね。・・・・さあ、帰って。』 > 足が、動かない。まるで、地面と一体化してしまったようだ。 >『帰ってよ。・・・・帰らないなら・・・・・・・・ > ・・・・・・・・実力で、排除する!』 > アリエスが、腰の二刀と解き放つ。殺意をこめて突きつけられたそれを、ルピナスはただ呆然と見つめるしかできなかった。 ユア;・・・・・予知夢にならなければ良いような悪夢ですね。 久遠;そ−よね。 4年間・・・ルピナスちゃんがルピナスちゃんとして記憶にある殆どを一緒に過ごしたんですからね・・・。 > ようやく日が昇った。野宿の場所として選んだ、川原に程近い森の影から川原に場所を移し、朝食を軽くとる。レンが作った『保存食雑炊』は意外と美味しく、その温かさが少しだけ夢の傷跡を癒してくれた気がした。 久遠;混乱している時は、暖かいものが一番よね。 その上、甘かったら最適よ・・・・・ロシアン・カフェとか。 ユア;ロシアンカフェは止めろ。 (↑は、コ−ヒ−に砂糖の代わりにジャムを入れたものです) 。 >「随分と、念入ですね。」 > レンがぽそりと呟いた。語り部は、少し困ったような微笑を浮かべる。 >「だって・・・・ねぇ?ただの移動だけじゃないし。遠距離だから、それ用の方向、距離の微調整、呪文短縮用の補助、その他諸々・・・・呪文同士反発しないように構成も考えてるから、ちょっと時間がかかるんだよ。」 > そう言って、再び続きを書き始める。今度こそ、レンは何も言わなかった。 ユア;ニュアンス的には、飛行機の計器とかですか? 久遠;或いは、カ−ナビ? > 頭の上に置かれたレンの手は大きくて、でも、男の手にしては細く柔らかで、とても温かい。記憶もなく、呪いをかけられ、周りの見えない闇の中で途方にくれて涙していた自分を、いつもこの手が支え、光の方へと導いてくれた。その手に今度も勇気付けられ、ルピナスはこくんと頷く。 ユア;ふと思ったこと。 ルピ君にとって、レンさんはお義父さんなわけだけど。 ルピちゃんには、一番身近な異性? 久遠;ニュアンスとしては、年の離れた従姉弟とかでしょうけどね。 >「それで納得できないなら・・・・そうだね、他にもいろいろ呼び名はある。『言霊の具現者』、『黙示の預言者』、『暗黙の導』、皮肉なのだと『語らずの大賢者』、『銀の詐欺師』、『先見の道化』。全てに共通して言えることは、言の葉によって世界の有り様を変化させ、多くを知りつつ語らぬもの。そして、相応しいことを相応しい時に語る者。それが、僕。御理解頂けたかな?ルピナス=セレス=ヴァリード。」 ユア;・・・・・・うみゅ。 久遠;日本語喋りなさいな。 ある意味で、一番ずるいけど正しい方法なのかも知れないわね、貴方がしていることは。 >「・・・・なんだか、余計にわからなくなったわ。何なの?その『言葉で世界を変化させる』って。」 > 首をひねるルピナスに、語り部は悪戯っぽく笑う。 >「平たく言えば、魔道士みたいなもの、って事だよ。ただ、君の思ういわゆる『魔術』とは、ちょっとばかり系統が違うけど、ね。・・・・はい、完成。いつでも出発できるよ。」 久遠;言霊信仰の強化版のような感じかしら? あると考えるのではなく、あるようにさせているなら。 > > 街中を、白い吟遊詩人がほてほてと歩く。それに続いて、紺色の魔道士と淡紫色の神官が歩く。見ようによっては異様な光景だが、特に視線を向けてくることもない。例え、人の多い首都であったとしても、幾人かは好奇の眼差しを向けて当然だろうと思っていたのに・・・・。流石は『英雄の故郷』ゼフィーリア王国、と、レンは密かに感心した。 ユア;目立ちますね。 久遠;でも、配色はともかく。 吟遊詩人と護衛二人で納得されてるんじゃないかしら? >「君は、何のためにここに来たんだい?優先順位を間違えないように。」 ユア;皮肉な巡り合わせだね・・・・。 久遠;アリエスちゃんといっっしょに求めていたものが・・・・すぐ傍にあるなんてね。 > じゃあ、今回も語ろうか。未来を示す、その欠片を。 > なぜ、ここにいるのか。なぜ、今なのか。 > 尽きせぬ疑問の一端を握るものは、闇に囁く。 > そして、爆煙と共に終わりを告げる静寂は、乙女を巻き込んでゆく。 > 望む、望まざるに関わらず・・・・ > 次回、『時の旅人』24話、『それぞれの痛みを抱えて』 > 次回もお楽しみにね! > > ユア;はい、楽しみにしています。 久遠;それじゃ、最初のすみませんの意味は? ユア;・・・・すみませんです。 アイムくんの短編、どうしてもこうしても仕上がりませんので。 もう一人、私が上げたキャラの中からお選びください。 ・・・・いちおう、語り部さんとからませたいので、そのキャラと語り部さんの互いの印象をお願いします。 むちゃくちゃですが、すみません。 二人;それでは次回で。 |
17248 | いえいえそんな事 | 羅城 朱琉 | 2005/9/21 08:42:19 |
記事番号17247へのコメント > >> こんにちは!久々の更新になりました、羅城 朱琉です。 >> 今回は、ルピちゃんサイド第1話。早速ですが、どうぞ! > >ユア;すみませんです。 >久遠;はじめから、それじゃわからないでしょう。 >ユア;詳しい理由は、後から、話します。 > ・・気を取り直してレス行きます。 羅城:こんにちは! 語り部:早速だけど、レスへ行こう。 > >> >> >> >> >> 時の旅人 >> >> 23:赤の乙女たち >> >>『アリエス・・・・?ねえ、アリエス!?どこ?どこなのよ!?』 >> 足元すら見えない真の暗闇の中に、声がこだまする。金茶の瞳が、見慣れた銀の髪を捜して彷徨う。 >>・・・・と、遠くに後姿が見えた。ルピナスは・・・・ルピナス=セレス=ヴァリードを名乗る女性は、小さく消えそうな後姿を目指し、闇の中を全力で走った。 >>『ねえ、ちょっと!アリエスなんでしょ?待ってったら!!』 >> 走りながら、叫ぶ。すると、アリエスの足が止まった。ルピナスに背を向けたまま立ち尽くすアリエスに追いつき、ルピナスは言う。 >>『やっと、見つけた。ねえ、アリエス・・・・一緒に、帰ろ?レンが心配してる。あたしも・・・・アリエスがいないと、寂しいよ。・・・・ね?』 >> のろのろと、アリエスが振り返る。その口元に刻まれていた表情は・・・・うっすらとした笑み、だった。 >>『帰らない。』 >>『・・・・え?』 >>『私は、帰らない。あなたにも、レンにも、もう二度と会うつもりはなかったのに・・・・・・・・どうして来たのかな?』 >>『アリ・・・・・・・・エス・・・・?』 >> 呟いた声は、みっともないほどに震えていて。 >>『速く、帰ったほうがいいよ。今なら、見逃してあげる。』 >> 微笑んだ顔はしかし、闇を思わせるもので。 >>『どうして・・・・?ねえ、何で?・・・・・・・・ >> ・・・・・・・・私、何かした?私のこと、嫌いになった?』 >> アリエスは、ただ嗤うのみ。 >>『ねえ、答えてよ。・・・・・・・・アリエスっ!!』 >> アリエスの唇が、嗤いの形のまま動いた。 >>『・・・・嫌いだよ。大嫌い。ルピナスも、レンも・・・・ね。』 >> 心が軋む音がした。瞳が凍って、世界が無意味と化す。 >>『元から、相容れない存在だったんだよ、私たち。お互いがお互いを食い潰す、最悪の関係・・・・。それがわかってて、わざわざ不幸になりたくないよ。』 >>『ねえ、それ・・・・どういうこと・・・・・・・・?』 >> 固まった心から、惰性で言葉が落ちる。アリエスは、少しだけ瞳を歪めた。 >>『ああ、いけない・・・・。少し、話しすぎたみたいね。・・・・さあ、帰って。』 >> 足が、動かない。まるで、地面と一体化してしまったようだ。 >>『帰ってよ。・・・・帰らないなら・・・・・・・・ >> ・・・・・・・・実力で、排除する!』 >> アリエスが、腰の二刀と解き放つ。殺意をこめて突きつけられたそれを、ルピナスはただ呆然と見つめるしかできなかった。 > > >ユア;・・・・・予知夢にならなければ良いような悪夢ですね。 >久遠;そ−よね。 > 4年間・・・ルピナスちゃんがルピナスちゃんとして記憶にある殆どを一緒に過ごしたんですからね・・・。 羅城:そうですね。 語り部:でも、彼女自身は気づいてないだろうけど・・・・特殊能力(?)だからねぇ、予知夢。外れるとしたら、そう・・・・『運命』が、変わった時だけ。 > > >> ようやく日が昇った。野宿の場所として選んだ、川原に程近い森の影から川原に場所を移し、朝食を軽くとる。レンが作った『保存食雑炊』は意外と美味しく、その温かさが少しだけ夢の傷跡を癒してくれた気がした。 > >久遠;混乱している時は、暖かいものが一番よね。 > その上、甘かったら最適よ・・・・・ロシアン・カフェとか。 >ユア;ロシアンカフェは止めろ。 > (↑は、コ−ヒ−に砂糖の代わりにジャムを入れたものです) 羅城:ロシアンティーなら知ってますけど・・・・というか、たまに飲みますけど・・・・ロシアンカフェ・・・・? 語り部:やってみたらどうだい?超・甘党の朱琉君(笑) > >。 >>「随分と、念入ですね。」 >> レンがぽそりと呟いた。語り部は、少し困ったような微笑を浮かべる。 >>「だって・・・・ねぇ?ただの移動だけじゃないし。遠距離だから、それ用の方向、距離の微調整、呪文短縮用の補助、その他諸々・・・・呪文同士反発しないように構成も考えてるから、ちょっと時間がかかるんだよ。」 >> そう言って、再び続きを書き始める。今度こそ、レンは何も言わなかった。 > >ユア;ニュアンス的には、飛行機の計器とかですか? >久遠;或いは、カ−ナビ? 語り部:まあ、例えるならそんなところだね。 > >> 頭の上に置かれたレンの手は大きくて、でも、男の手にしては細く柔らかで、とても温かい。記憶もなく、呪いをかけられ、周りの見えない闇の中で途方にくれて涙していた自分を、いつもこの手が支え、光の方へと導いてくれた。その手に今度も勇気付けられ、ルピナスはこくんと頷く。 > >ユア;ふと思ったこと。 > ルピ君にとって、レンさんはお義父さんなわけだけど。 > ルピちゃんには、一番身近な異性? >久遠;ニュアンスとしては、年の離れた従姉弟とかでしょうけどね。 朱琉:そうですね。ルピちゃんにとってのレンさんは、『頼れる優しいお義兄さん』といったところでしょうか? > > >>「それで納得できないなら・・・・そうだね、他にもいろいろ呼び名はある。『言霊の具現者』、『黙示の預言者』、『暗黙の導』、皮肉なのだと『語らずの大賢者』、『銀の詐欺師』、『先見の道化』。全てに共通して言えることは、言の葉によって世界の有り様を変化させ、多くを知りつつ語らぬもの。そして、相応しいことを相応しい時に語る者。それが、僕。御理解頂けたかな?ルピナス=セレス=ヴァリード。」 > >ユア;・・・・・・うみゅ。 >久遠;日本語喋りなさいな。 > ある意味で、一番ずるいけど正しい方法なのかも知れないわね、貴方がしていることは。 語り部:フフフ・・・・褒め言葉として受け取っておくよ。 > >>「・・・・なんだか、余計にわからなくなったわ。何なの?その『言葉で世界を変化させる』って。」 >> 首をひねるルピナスに、語り部は悪戯っぽく笑う。 >>「平たく言えば、魔道士みたいなもの、って事だよ。ただ、君の思ういわゆる『魔術』とは、ちょっとばかり系統が違うけど、ね。・・・・はい、完成。いつでも出発できるよ。」 > >久遠;言霊信仰の強化版のような感じかしら? > あると考えるのではなく、あるようにさせているなら。 語り部:いや、ちょっと違う。僕の術は、精霊や神魔との契約に基づき、その力を召喚するものだ。信仰しているかどうかは関係ない。・・・・と、言うのが今の所使っている術だ。別の方法の術もある・・・・と言うより、別の方法の方が本来使っているものなんだけど・・・・いろいろあって、今は使うのを自粛しているんだ。 朱琉:語り部さんによる解説でした。 > >> >> 街中を、白い吟遊詩人がほてほてと歩く。それに続いて、紺色の魔道士と淡紫色の神官が歩く。見ようによっては異様な光景だが、特に視線を向けてくることもない。例え、人の多い首都であったとしても、幾人かは好奇の眼差しを向けて当然だろうと思っていたのに・・・・。流石は『英雄の故郷』ゼフィーリア王国、と、レンは密かに感心した。 > >ユア;目立ちますね。 >久遠;でも、配色はともかく。 > 吟遊詩人と護衛二人で納得されてるんじゃないかしら? 語り部:まあ、雰囲気的に目立つのが3人固まってたから。 > >>「君は、何のためにここに来たんだい?優先順位を間違えないように。」 > >ユア;皮肉な巡り合わせだね・・・・。 >久遠;アリエスちゃんといっっしょに求めていたものが・・・・すぐ傍にあるなんてね。 > > > >> じゃあ、今回も語ろうか。未来を示す、その欠片を。 >> なぜ、ここにいるのか。なぜ、今なのか。 >> 尽きせぬ疑問の一端を握るものは、闇に囁く。 >> そして、爆煙と共に終わりを告げる静寂は、乙女を巻き込んでゆく。 >> 望む、望まざるに関わらず・・・・ >> 次回、『時の旅人』24話、『それぞれの痛みを抱えて』 >> 次回もお楽しみにね! >> >> > >ユア;はい、楽しみにしています。 >久遠;それじゃ、最初のすみませんの意味は? >ユア;・・・・すみませんです。 > アイムくんの短編、どうしてもこうしても仕上がりませんので。 > もう一人、私が上げたキャラの中からお選びください。 > ・・・・いちおう、語り部さんとからませたいので、そのキャラと語り部さんの互いの印象をお願いします。 > むちゃくちゃですが、すみません。 朱琉:いえいえ、こちらこそすみません、難しいことお願いしてしまって。 もう一人選べると言うことなら・・・・まだ出ていない人ですが、エヴァンス=ソルジュ君とか。 彼の設定としては、 ・クロノス派のような、中立のような、微妙な立場。 ・彼をこの世界に連れてきたのは、語り部。(語り部さんは、異世界との行き来ができます。) ・語り部→エヴァンス・・・可愛い身内感覚。 ・エヴァンス→語り部・・・人や神は信用できていないが、その中では一番ましな存在。 他に質問等ありましたら、何でもどうぞ。 > >二人;それでは次回で。 二人:では、この辺で! > > > |
17249 | 時の旅人 24:それぞれの痛みを抱えて | 羅城 朱琉 | 2005/9/22 08:11:12 |
記事番号17193へのコメント こんにちは!羅城 朱琉です。 アリエスサイド、第2話になりました。ついに新キャラが大量に登場します。ちなみに、今回だけでも6人登場。 ちょっとごちゃごちゃしてしまいましたが、どうぞ! 時の旅人 24:それぞれの痛みを抱えて 「さてもさても麗しき、漆黒の烈女、不屈の女傑。」 アリエスの立ち去った後で。ミュシカは詠う。朗々と響く声で、緩やかに。 「その姿、まさに光の如く、その心、まさに鋼の如く。」 その先に浮かぶ、聖石を見ながら。 「創り出したるは禁忌の宝玉、力を宿す、蒼き玉。 万象宿りし魔の力、紡ぐ無限の糸車。 力は無為。されどその手に意思宿り、万象貫く刃となりぬ。 故に封じよ、その力。禍なすは本意でなく。 故に封じよ、その源。かくて宝は禁忌となりぬ。 ・・・・と、まあ、これが聖石について詠ったものなんだけど・・・・もういないねぇ、アリエスちゃん。」 ミュシカはアリエスの立ち去った入り口を眺め、小さく息を吐いた。 「さぁて、アリエスちゃんはどう動くかな?・・・・今のところ、このくらいしか言うことないんだよねぇ・・・・。」 と、突如爆発音と共に、地面が揺れた。 「・・・・研究者たち、またやったな?・・・・あの方向だと・・・・アリエスちゃん、巻き込まれてないといいんだけど・・・・。」 アリエスの瞳を・・・・警戒心を剥き出しにした、怯えた子猫のような眼差しを思い出して、ミュシカは吐息に乗せて囁いた。 「キリエ エレイソン・・・・。」 それは、異国の言葉で紡がれた祈り。『Kyrie Eleison』、その意味は・・・・『主よ、哀れみたまえ』。 その響きが消えぬうちに、ミュシカは走り出した。 * * * * * 妙に疲れた、と思いつつ、アリエスは部屋への道を引き返していた。未だ、人影は無いが、かえってそれが心地よい。少し早足で歩くアリエスの耳に、小さな言葉が聞こえた気がした。 「?」 耳を済ませてみると、それははっきりと聞こえてくる。ギシ、とか、ゴゴゴ・・・・といった、不吉な響きと共に。とてつもなく嫌な予感に襲われて、咄嗟にアリエスは封気結界呪(ウィンディ・シールド)を全力で張り巡らせた。 次の瞬間。鼓膜を劈く爆音と共に、周囲の壁が倒壊した。 爆音が轟いたのを聞きつけ、人が続々と集まってくる。 「うわぁ、またやったよ。」 呆れたようにそう言ったのは、黄色に近い金髪をツインテールにした少女。その横には、無言で従う、蒼い髪を地に着かんばかりに伸ばした女性がいる。 「これで、爆発687回、建物倒壊412回。・・・・今回は、どっちが原因なの?」 淡々と呟いたのは、肩くらいまでの灰色の髪をそのまま垂らした女性。と、まさにそのタイミングを見計らったかのように、瓦礫の2箇所から爆風が上がった。灰色髪の女性は、そこから出てきた二人の女性に声を掛ける。 「アインリッシュ、イノリ。・・・・今回は、どっちが原因?」 「あー、アシュちゃんだ。今回あたしー。ちょっと、火薬が多すぎたかな?」 二人の内の一人・・・・イノリと呼ばれた女性が、悪びれた色もなく言った。 「アイリスちゃん、ごめんね?怪我しなかった?」 「大丈夫よ、イノリ。今日は何してたの?」 アインリッシュ・・・・アイリスも、特に気にした様子も無く言う。 「あ、これ!みてみて完成品!爆発力を、当社比3.5倍にしてみました!」 そう言ってイノリが取り出したのは、栓をした試験管に入った透明な液体。それを嬉しそうに抱いて、イノリは笑み崩れる。アシュと呼ばれた女性は、見物に来ていたうちの一人・・・・呆れたような声を上げた少女を見た。 「メノウ、悪いけど、頼める?」 「いいよ。直せばいいんだよね?」 事も無げに言うと、メノウと呼ばれた少女は、昔の中国の皇帝が着ていたような、指先も見えぬぞろりとした服に包まれた腕をゆっくりと上げた。腕に絡んだ領巾がゆらりと揺れる。と、その瞬間。瓦礫の一角が吹き飛んだ。 「!?」 一瞬、皆の間に緊張が走る。土煙の奥から、小さく咳き込む音が聞こえた。 「・・・・うぅ・・・・思ったより、厚く積もっていたんですね、この瓦礫・・・・」 「誰!?」 メノウが、半歩前に出る。アリエスはそちらを見返し、告げた。 「誰、とはご挨拶ですね。自分から名乗るのが礼儀でしょう?・・・・まあいいですけど。私は・・・・」 「アリエスちゃん!?やっぱり巻き込まれたの?」 息せき切って、ミュシカが駆け込んでくる。メノウはふと警戒を解き、言った。 「ミュシカ、知り合い?」 「一応。ほら、昨日フェリセさんが連れてきた人よ。アリエスっていうの。歩いていった方向とタイミングからして、もしかしたら巻き込まれたかも、と思って追ってきたんだけど・・・・案の定、巻き込まれてたみたいね。」 「ああ、あの!」 内輪だけで納得されているのを少し不満に思いつつ、アリエスはその場を立ち去ろうとした。が、そのマントの端を握られて、思わずつんのめりそうになる。胡乱げな眼差しでそちらを見ると、銀髪の少女・・・・とは言っても、外見だけならアリエスと同じか、少し年上に見えるが・・・・が興味津々といった感じでアリエスを見ていた。 「ねえ、どこ行くの?折角だし、交流を深めようよ、ね!?・・・・あ、名乗ったほうがいい?私、ユキナ=ヴィオ=レンっていうの。ユキナでいいわ。」 さりげなくマントを引き抜こうとするも、ユキナは強くマントを握りしめているため叶わない。諦めたような溜息をついて、アリエスは言った。 「・・・・私に関わっても、良いことありませんよ。できれば、手を離していただきたいのですが。」 「できないから、だめ。」 呆れた眼差しで、アリエスはユキナを見る。と、いつの間にか寄ってきたミュシカが言った。 「いいじゃない、行ってきたら?協調性って大事よ〜!?」 「私は・・・・」 「決まりね!さ、行こう行こう!」 半ば強引に、アリエスはユキナの手で談話室に引きずり込まれてゆく。その後に続いて、妙に楽しそうな風情のイノリが、アイリスと連れ立って入っていった。 その背を見送り、ミュシカは呟いた。 「学びなさい、アリエス。人の温もりを、孤独の冷たさを。あなたはまず、『人』の心を取り戻さないと、ね。」 「ミュシカ・・・・あんた、何言ってるの?」 横手に立ち、建物を再生していたメノウが、ミュシカに告げる。ミュシカは、おどけた様に笑った。 「さてね?私事よ。」 「私に隠し事をする気?」 「残念ながら、あなたに一々報告する義務も、あなたに従う義務も無いから。」 そう言って、すたすたと立ち去る。メノウの真紅の瞳が、キリキリとつり上がっていった。 「・・・・気に入らないわ。ミュシカも、あのアリエスってのも。」 と、寄り添うように立っていた蒼い女性が、メノウをふわりと抱きしめた。 「ラズ・・・・ラズランディア。」 「・・・・」 ラズと呼ばれた女性は、ゆっくりとメノウを撫ぜる。子ども扱いされることを不満に思いつつも、メノウはその手の心地よさに身をゆだねた。 あとがき、或いは語り部の告げる未来 語:やあ!今回はどうだったかな?これからしばらく、アリエスサイドは新キャララッシュになるんだ。ごちゃごちゃして読みにくかったらごめんね。 じゃあ、早速語ろうか。未来の一片を・・・・ 追い求めるものは、一つ。 揺らぐ心に言い聞かせ、彼女は遥かな道の先を見つめた。 そして、語られなかった言葉が世界の裏に流れる時が訪れる。 知ることの不幸を、心に刻みながら。 次回、『時の旅人』25話、『君の知らない、いくつかの真実』 では、また会おうね! |
17255 | Re:時の旅人 24:それぞれの痛みを抱えて | 神高 紅 | 2005/9/23 19:39:45 |
記事番号17249へのコメント 紅:こんばんは。ほっとくといつまでもだらける紅です。 コ:ほっとかなくてもいつまでもだらけてんじゃねかよ。 ク:だらけてない時を・・探す方が難しいです・・ 紅:はははは・・・レス行きます。 ク:泣きながら言わないで下さい・・ >「さぁて、アリエスちゃんはどう動くかな?・・・・今のところ、このくらいしか言うことないんだよねぇ・・・・。」 > と、突如爆発音と共に、地面が揺れた。 >「・・・・研究者たち、またやったな?・・・・あの方向だと・・・・アリエスちゃん、巻き込まれてないといいんだけど・・・・。」 > アリエスの瞳を・・・・警戒心を剥き出しにした、怯えた子猫のような眼差しを思い出して、ミュシカは吐息に乗せて囁いた。 コ:はあ?何を言ってんだか。巻き込まれねえわけねえだろ。 ク:世界をしばる一つの絶対法則、因果の鎖・・その名も『お約束』です・・ 紅:あの・・・一応お前らに突っ込んだ方が良いのか? >「これで、爆発687回、建物倒壊412回。・・・・今回は、どっちが原因なの?」 > 淡々と呟いたのは、肩くらいまでの灰色の髪をそのまま垂らした女性。と、まさにそのタイミングを見計らったかのように、瓦礫の2箇所から爆風が上がった。灰色髪の女性は、そこから出てきた二人の女性に声を掛ける。 >「アインリッシュ、イノリ。・・・・今回は、どっちが原因?」 >「あー、アシュちゃんだ。今回あたしー。ちょっと、火薬が多すぎたかな?」 > 二人の内の一人・・・・イノリと呼ばれた女性が、悪びれた色もなく言った。 紅:漫画みたいですね。しかしすさまじい回数ですね。 コ:きっちり全部数えとく方も方だろ。 ク:爆発・・アフロですね!!(頭上に電球) コ:いつの時代だ。 >「アイリスちゃん、ごめんね?怪我しなかった?」 >「大丈夫よ、イノリ。今日は何してたの?」 > アインリッシュ・・・・アイリスも、特に気にした様子も無く言う。 >「あ、これ!みてみて完成品!爆発力を、当社比3.5倍にしてみました!」 > そう言ってイノリが取り出したのは、栓をした試験管に入った透明な液体。それを嬉しそうに抱いて、イノリは笑み崩れる。アシュと呼ばれた女性は、見物に来ていたうちの一人・・・・呆れたような声を上げた少女を見た。 紅:え?この二人いつもこんなん?なんで無傷? コ:つーか当社ってどこだよ! ク:慣れてますねえ・・それと二人とも結構仲良さそうですね・・ >「・・・・私に関わっても、良いことありませんよ。できれば、手を離していただきたいのですが。」 >「できないから、だめ。」 > 呆れた眼差しで、アリエスはユキナを見る。と、いつの間にか寄ってきたミュシカが言った。 >「いいじゃない、行ってきたら?協調性って大事よ〜!?」 >「私は・・・・」 >「決まりね!さ、行こう行こう!」 > 半ば強引に、アリエスはユキナの手で談話室に引きずり込まれてゆく。その後に続いて、妙に楽しそうな風情のイノリが、アイリスと連れ立って入っていった。 紅:有無を言わさぬ行動ですね。 コ:くく・・・なんでイノリとアイリスもついていってんだかな?楽しく・・・いやおもしろくなりそうだな。 >「さてね?私事よ。」 >「私に隠し事をする気?」 >「残念ながら、あなたに一々報告する義務も、あなたに従う義務も無いから。」 > そう言って、すたすたと立ち去る。メノウの真紅の瞳が、キリキリとつり上がっていった。 >「・・・・気に入らないわ。ミュシカも、あのアリエスってのも。」 紅:喧嘩するほど仲はいい。なんていいますが実際どうでしょうね? コ:俺の好きな空気になってるな。 ク:ライバル関係・・なのカナ・・? > あとがき、或いは語り部の告げる未来 >語:やあ!今回はどうだったかな?これからしばらく、アリエスサイドは新キャララッシュになるんだ。ごちゃごちゃして読みにくかったらごめんね。 > じゃあ、早速語ろうか。未来の一片を・・・・ > 追い求めるものは、一つ。 >揺らぐ心に言い聞かせ、彼女は遥かな道の先を見つめた。 > そして、語られなかった言葉が世界の裏に流れる時が訪れる。 > 知ることの不幸を、心に刻みながら。 > 次回、『時の旅人』25話、『君の知らない、いくつかの真実』 > では、また会おうね! 紅:ではではまた。 コ:じゃあな。楽しみにしてるぜ。 ク:ばいばい・・ |