◆−触れて欲しくない (羅城様に捧ぐ)−十叶 夕海 (2005/9/12 00:34:49) No.17230 ┣きゃあぁぁぁぁっ!(感激の悲鳴)−羅城 朱琉 (2005/9/12 08:42:12) No.17231 ┃┣追加−羅城 朱琉 (2005/9/12 08:52:03) No.17233 ┃┃┗Re:追加−十叶 夕海 (2005/9/12 23:39:34) No.17235 ┃┗そう言ってもらえるとかいた甲斐があります。−十叶 夕海 (2005/9/12 23:38:56) No.17234 ┃ ┗ラディ達の設定補足−十叶 夕海 (2005/9/13 23:32:33) No.17240 ┃ ┗Re:ラディ達の設定補足−羅城 朱琉 (2005/9/14 08:22:02) No.17242 ┣時の旅人外伝 Kyrie Eleison−羅城 朱琉 (2005/9/14 08:18:18) No.17241 ┃┗Re:時の旅人外伝 Kyrie Eleison−十叶 夕海 (2005/9/14 23:08:30) No.17244 ┃ ┗それはそれは・・・・−羅城 朱琉 (2005/9/15 08:28:16) No.17245 ┗質問−十叶夕海 (2005/9/26 08:05:19) No.17271 ┗一応、注意書き(?)です。−羅城 朱琉 (2005/9/26 08:28:47) No.17273 ┗大丈夫です。−十叶夕海 (2005/9/26 08:32:37) No.17274
17230 | 触れて欲しくない (羅城様に捧ぐ) | 十叶 夕海 | 2005/9/12 00:34:49 |
「いらっしゃい。 ライゼ―ルの宝石にゼ―フィリアの銀細工。 おっと、そこの美人のお姉はんには、この薄水色の紗の布でスカ−トが似あうんやないやろか? いらっしゃいいらっしゃい。 安くて良質で上質なのは、自分とこだけやで、いらっしゃい、いらっしゃい。」 結界内の―リナ達の世界―サイラ―グへの街道沿いの大きな町。 その大通りの青空市の一角に、各地の細工物や布地を広げている青年が居た。 金髪碧眼で、口調のせいか二枚目というよりは二枚目半に見えるが、その分親しみ安い雰囲気。 服装も黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右肩で古ぼけた腕輪で纏めているという露店の兄ちゃん風なもの。 しかし、腰の両側につけた棒状のものが入った袋が彼に違和感を与えていた。 「あっ、ラディさん。 今日、告白するんだ、なんかおまじない教えて。」 「恋愛成功やな。 ほしたらな、これを・・・」 「ラディ坊や、ほれ。 売れ残りで悪いがの。」 「ありがとさん。 おいしゅういただくわ。」 などなど、ラディハルトは、この町に来て二週間ほどでなじんでいた。 無論、 「ラディ。 今晩、あたしのトコ来てね。 サ−ビスするからさ。」 と言うお姉さんも居る。 しかし、この町に限らず、ラディハルトが選ぶのは、真っ直ぐに流れる黒髪と商売女らしくない儚げな女性が多かった。 もちろん、情報収集以外で、個人で買う場合だが。 「もう日暮れか。」 夕暮れ時になると、そそくさとラディハルトは店仕舞いをし、この町での常宿に荷物を置き、その横の食堂に向かった。 「ラディか。 今日はなんにする?」 「せやな・・・。 なんかオススメある? それとパンを3人前。 あと、小壺にワインな。」 それから料理が運ばれるまで、十分少々。 その日のオススメは、ビ−フシチュ−と牛肉の付け焼きだった。 それを食べ初めてすぐ、 「≪久遠の流離人≫の一族と・・・・」 「ふぁんのほう? ふぁうほうふぇいかのひんへいらいひょうはんが・・」 「飲み込んでからお話しください。」 ラディハルトの宅にわざわざ相席してきたのは、四十歳前後の厳つい顔の鎧姿の中年男性。 もぎゅ・・もぎゅ・・・・ごくん 「何のよう? 大公陛下の親衛隊隊長はんが、わざわざ。」 一応、問い返しはするが、反応が繰るよりも先に、ラディハルトはここ2週間で、商売女から得た情報から推測できることを話し始めた。 「大公陛下、直属のお前が此処に来るちゅうことは。 大公陛下・・・ああ、今は、大公女か。成人前やし。 大公女殿下が攫われたか、成人式兼戴冠式に必要な御物・・御杖か冠あたり・・・・盗まれたんと違う? 或いは、その両方やろ? 自分みたいな流れ者にいちいち力を借りたい言うんは。 違おとる?」 「・・・っ何?」 「・・・・人の口に戸は立てれへんよ。」 結果だけ言うなら、ラディハルトは金か50枚でそれを受け、三日で片付けた。 そして、口封じが来る前にその街を出た。 そしてその数日後−。 野宿をした日のこと。 「出て来いや、語り部。」 「・・・バレたか。」 街道から少々はずれ、少し開けた場所で焚き火をしていたラディハルトはそう声をかけた。 後ろも見ずに、そこに居た人物を的確に当てた。 そして、すぐに純銀の髪と白地に銀糸の刺繍の小洒落た服の年齢不詳のマンドリンのような楽器を手にした男性が現れる。 「何の用や? 自分、追うなら、他にも追わなあかん奴一杯居るやろ? クロノスにしろ、聖石にしろ、四大家にしろな。」 嫌悪を隠そうともせずに、ラディハルトはそう言った。 この二人は、『旧知』ではあるが、『知己』ではない。 ラディハルトは、語り部のことをよく思っていないと言うことだ。 「それにな。 もうすぐなんやろ? クロノスからも、他の二つから流れてくる内容からしたら。」 語り部は、特に気にせずに、焚き火の傍に腰をおろす。 「さあ?」 「名前しか流れて来いひんけど、ルピナスとアリエスって奴のせいで、三つとも一辺に動くのやろ?」 「さあ、どうだろうね?」 「ほんま、変わらへんね、語り部。 自分は、知っとって黙っとんは、罪やで。 四大家から逃げた兄ちゃんも罪人や。 黙とってな、なんか起きてやっと話すじゃ、遅いんや!! そういうんで、たいがい犠牲になるんは、二十歳にもならんガキばっかや。 硝子細工まではいけんけどな、年寄りの鉄鋼って言うわけでもちゃ・・・・・」 語り部に、淡々としてではあったがラディハルトはそう言った。 ある意味で、彼の心そのものに近い言葉だった。 しかし、途中で、語り部は彼の口に『黙ってね』とでも言う風に指を立てる。 勢いをそがれたラディハルトはわざと大きなため息をついた。 「座りや。 茶ぐらい入れたる。」 鉄製のカップに水筒から水を入れ、別に作ってあった小さなかまどの上の鉄板に起き、焚き火から火を移す。 その間に、一回分づつにしてあった紅茶とハ−ブの粉末を出し、カップに入れる。 「で、実際何の用や? あと二ヶ月三ヶ月もすれば、サイラ−グに行って、ル−ク=シャブラ二グラドゥを倒されることになる。 そうすれば、割合すぐだろ?」 紅茶カップに、コンデスミルクのような砂糖とミルクを煮詰めた固まりをカップに入れて、語り部に渡す。 「用って、ほどじゃないんだけどね。 何で、何処にもつかないんだろうって聞きに。 千年以上前に、禁忌を犯し、今は異邦人(ストレンジャ−)になれ・・」 「黙りや・・語り部。 お前にもそれは揶揄されとうない。 ・・・・ってか、とくにお前だけにはされとうない。」 語り部の言葉が終わる前に、ラディハルトは、腰の袋から、トンファを取り出し、咽喉元に突きつける。 彼は、突きつけているのに、加害者なのに彼のほうが泣きそうなほどだった、崩れ落ちそうなくらいに無表情だった。 語り部は、突きつけられているのに、被害者なのに、砂糖一粒ほども眉を動かさず、むしろ楽しげであった。 「君が、あの子達にどう関わるかは、僕は知っていても話すことは出来ない。 それでも、君は、僕を罪人だというのだろうね。」 「行きや。 ・・・嫌いやけど、おまえのことは嫌いやない。」 そうして、ことが動く前の彼らの邂逅は終わった――――。 ―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+ ユア;ええと、明日・・というかもう今日ですけど、1コマ目殻抗議が入っておりますので、簡潔に。 幾つかこぼれ話。 この話の前半は、ラディハルトの日常です。 後半は、語り部と少しお茶して平和的に終了の予定でした。 しかし、自動書記如く上の上な内容になりました。 それと、ラディハルトは、クロノスなどのことを調べてアリエスやルピナス、レンなどの存在は知っていますが、会ったことはないと言うことになりました。 もとい、そこだけは修正しました。 あと、語り部さんの 「〜禁忌を犯し、〜」は、ラディの千年以上前の不老不死になる出来事のことです。 大切な女性・シェルマを『偉大なる精霊』に生き返らせてもらおうとしたら、 その精霊の『悪意』のせいで、不老不死になってしまったということ。 シェルマ嬢の設定が必要ならばいってください。 それでは、一欠片でも楽しんでいただけたら幸いです。 それではまた。 |
17231 | きゃあぁぁぁぁっ!(感激の悲鳴) | 羅城 朱琉 | 2005/9/12 08:42:12 |
記事番号17230へのコメント 朱琉:こんにちは!今回は、これに登場中の語り部さんに代わり、オリキャラの夢現神(夢と、その実現を司る希望の神)、レイシャスさんにご登場願いました。 レイシャス(以下レイ):始めまして、よろしくね!じゃあ、早速だけどレスと行きましょうか。 > > > >「いらっしゃい。 > ライゼ―ルの宝石にゼ―フィリアの銀細工。 > おっと、そこの美人のお姉はんには、この薄水色の紗の布でスカ−トが似あうんやないやろか? > いらっしゃいいらっしゃい。 > 安くて良質で上質なのは、自分とこだけやで、いらっしゃい、いらっしゃい。」 >結界内の―リナ達の世界―サイラ―グへの街道沿いの大きな町。 >その大通りの青空市の一角に、各地の細工物や布地を広げている青年が居た。 >金髪碧眼で、口調のせいか二枚目というよりは二枚目半に見えるが、その分親しみ安い雰囲気。 >服装も黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右肩で古ぼけた腕輪で纏めているという露店の兄ちゃん風なもの。 >しかし、腰の両側につけた棒状のものが入った袋が彼に違和感を与えていた。 レイ:へぇ。彼が噂のラディ君ねv >「あっ、ラディさん。 > 今日、告白するんだ、なんかおまじない教えて。」 >「恋愛成功やな。 > ほしたらな、これを・・・」 >「ラディ坊や、ほれ。 > 売れ残りで悪いがの。」 >「ありがとさん。 > おいしゅういただくわ。」 >などなど、ラディハルトは、この町に来て二週間ほどでなじんでいた。 >無論、 >「ラディ。 > 今晩、あたしのトコ来てね。 > サ−ビスするからさ。」 >と言うお姉さんも居る。 >しかし、この町に限らず、ラディハルトが選ぶのは、真っ直ぐに流れる黒髪と商売女らしくない儚げな女性が多かった。 >もちろん、情報収集以外で、個人で買う場合だが。 朱琉:ふむふむ、好みのタイプは黒髪、儚げ・・・・と。 レイ:情報収集以外、ってことは、普段は情報収集のため、ってわけね。 > > > >「もう日暮れか。」 >夕暮れ時になると、そそくさとラディハルトは店仕舞いをし、この町での常宿に荷物を置き、その横の食堂に向かった。 > > > > >「ラディか。 > 今日はなんにする?」 >「せやな・・・。 > なんかオススメある? > それとパンを3人前。 > あと、小壺にワインな。」 >それから料理が運ばれるまで、十分少々。 >その日のオススメは、ビ−フシチュ−と牛肉の付け焼きだった。 >それを食べ初めてすぐ、 >「≪久遠の流離人≫の一族と・・・・」 >「ふぁんのほう? > ふぁうほうふぇいかのひんへいらいひょうはんが・・」 >「飲み込んでからお話しください。」 >ラディハルトの宅にわざわざ相席してきたのは、四十歳前後の厳つい顔の鎧姿の中年男性。 >もぎゅ・・もぎゅ・・・・ごくん >「何のよう? > 大公陛下の親衛隊隊長はんが、わざわざ。」 朱琉:ずいぶん偉い人ともコネがあるんですね・・・・(設定見直し中) >一応、問い返しはするが、反応が繰るよりも先に、ラディハルトはここ2週間で、商売女から得た情報から推測できることを話し始めた。 >「大公陛下、直属のお前が此処に来るちゅうことは。 > 大公陛下・・・ああ、今は、大公女か。成人前やし。 > 大公女殿下が攫われたか、成人式兼戴冠式に必要な御物・・御杖か冠あたり・・・・盗まれたんと違う? > 或いは、その両方やろ? > 自分みたいな流れ者にいちいち力を借りたい言うんは。 > 違おとる?」 >「・・・っ何?」 >「・・・・人の口に戸は立てれへんよ。」 > > > >結果だけ言うなら、ラディハルトは金か50枚でそれを受け、三日で片付けた。 >そして、口封じが来る前にその街を出た。 朱琉:片付ける、と言うと・・・・ レイ:人生から永遠に退場してもらったのかしら?私の立場で言うのも何だけど、結構好きよv影のある御仁は。 > > > >そしてその数日後−。 >野宿をした日のこと。 > > > >「出て来いや、語り部。」 >「・・・バレたか。」 >街道から少々はずれ、少し開けた場所で焚き火をしていたラディハルトはそう声をかけた。 >後ろも見ずに、そこに居た人物を的確に当てた。 >そして、すぐに純銀の髪と白地に銀糸の刺繍の小洒落た服の年齢不詳のマンドリンのような楽器を手にした男性が現れる。 朱琉:うわぁいv語り部さんだ! レイ:男、とは限らないんだけど、ね。まあ、今は語り部を名乗っているあの方って、ちょっと特殊だし。 朱琉:・・・・こういう方々って、ネタばらしが趣味なんでせうか?(涙) >「何の用や? > 自分、追うなら、他にも追わなあかん奴一杯居るやろ? > クロノスにしろ、聖石にしろ、四大家にしろな。」 >嫌悪を隠そうともせずに、ラディハルトはそう言った。 >この二人は、『旧知』ではあるが、『知己』ではない。 >ラディハルトは、語り部のことをよく思っていないと言うことだ。 >「それにな。 > もうすぐなんやろ? > クロノスからも、他の二つから流れてくる内容からしたら。」 >語り部は、特に気にせずに、焚き火の傍に腰をおろす。 >「さあ?」 >「名前しか流れて来いひんけど、ルピナスとアリエスって奴のせいで、三つとも一辺に動くのやろ?」 >「さあ、どうだろうね?」 >「ほんま、変わらへんね、語り部。 > 自分は、知っとって黙っとんは、罪やで。 > 四大家から逃げた兄ちゃんも罪人や。 > 黙とってな、なんか起きてやっと話すじゃ、遅いんや!! > そういうんで、たいがい犠牲になるんは、二十歳にもならんガキばっかや。 > 硝子細工まではいけんけどな、年寄りの鉄鋼って言うわけでもちゃ・・・・・」 朱琉:かっこいい〜〜vv レイ:語り部に対して、誰かが言わなきゃいけないこと、言ってくれたわね。ありがとう・・・・。 >語り部に、淡々としてではあったがラディハルトはそう言った。 >ある意味で、彼の心そのものに近い言葉だった。 >しかし、途中で、語り部は彼の口に『黙ってね』とでも言う風に指を立てる。 >勢いをそがれたラディハルトはわざと大きなため息をついた。 >「座りや。 > 茶ぐらい入れたる。」 >鉄製のカップに水筒から水を入れ、別に作ってあった小さなかまどの上の鉄板に起き、焚き火から火を移す。 >その間に、一回分づつにしてあった紅茶とハ−ブの粉末を出し、カップに入れる。 >「で、実際何の用や? > あと二ヶ月三ヶ月もすれば、サイラ−グに行って、ル−ク=シャブラ二グラドゥを倒されることになる。 > そうすれば、割合すぐだろ?」 >紅茶カップに、コンデスミルクのような砂糖とミルクを煮詰めた固まりをカップに入れて、語り部に渡す。 >「用って、ほどじゃないんだけどね。 > 何で、何処にもつかないんだろうって聞きに。 > 千年以上前に、禁忌を犯し、今は異邦人(ストレンジャ−)になれ・・」 >「黙りや・・語り部。 > お前にもそれは揶揄されとうない。 > ・・・・ってか、とくにお前だけにはされとうない。」 >語り部の言葉が終わる前に、ラディハルトは、腰の袋から、トンファを取り出し、咽喉元に突きつける。 >彼は、突きつけているのに、加害者なのに彼のほうが泣きそうなほどだった、崩れ落ちそうなくらいに無表情だった。 >語り部は、突きつけられているのに、被害者なのに、砂糖一粒ほども眉を動かさず、むしろ楽しげであった。 >「君が、あの子達にどう関わるかは、僕は知っていても話すことは出来ない。 > それでも、君は、僕を罪人だというのだろうね。」 >「行きや。 > ・・・嫌いやけど、おまえのことは嫌いやない。」 > > >そうして、ことが動く前の彼らの邂逅は終わった――――。 > > > 朱琉:きゃあぁぁぁぁっ!!二人ともすごいカッコイイです!こんな素敵な話を下さって、ありがとうございますっ! レイ:短大で見てるんじゃなかったら・・・・叫んでたんじゃない?朱琉。 朱琉:叫ぶよ、もちろん。当たり前じゃない! レイ:・・・・とまあ、きっぱりと言い切るくらいに喜んでるわよ。ありがとう。 > > > > >―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+ > > > >ユア;ええと、明日・・というかもう今日ですけど、1コマ目殻抗議が入っておりますので、簡潔に。 > 幾つかこぼれ話。 > この話の前半は、ラディハルトの日常です。 > 後半は、語り部と少しお茶して平和的に終了の予定でした。 > しかし、自動書記如く上の上な内容になりました。 > それと、ラディハルトは、クロノスなどのことを調べてアリエスやルピナス、レンなどの存在は知っていますが、会ったことはないと言うことになりました。 > もとい、そこだけは修正しました。 > あと、語り部さんの > 「〜禁忌を犯し、〜」は、ラディの千年以上前の不老不死になる出来事のことです。 > 大切な女性・シェルマを『偉大なる精霊』に生き返らせてもらおうとしたら、 > その精霊の『悪意』のせいで、不老不死になってしまったということ。 > シェルマ嬢の設定が必要ならばいってください。 朱琉:設定の方、了解しました。シェルマ嬢の設定も・・・・少し絡むかもしれないので、欲しいですね。 > > > それでは、一欠片でも楽しんでいただけたら幸いです。 > > それではまた。 > 朱琉:本当に、ありがとうございました!改めて自分の拙さを思い知ってしまいましたが・・・・。拙いなりに頑張るので、今後ともどうかよろしくお願いします。 レイ:それでは、またね! > > |
17233 | 追加 | 羅城 朱琉 | 2005/9/12 08:52:03 |
記事番号17231へのコメント ひょっとしたら、これを参考に語り部さんサイドの短編とか書くかもです。・・・・というか、たぶん数日中に書きます。 いいですか?・・・・ってことと、ほんの少しでも待っていてくだされば嬉しいです。 |
17235 | Re:追加 | 十叶 夕海 | 2005/9/12 23:39:34 |
記事番号17233へのコメント OKです。 もとい、待ってます。 |
17234 | そう言ってもらえるとかいた甲斐があります。 | 十叶 夕海 | 2005/9/12 23:38:56 |
記事番号17231へのコメント > >朱琉:こんにちは!今回は、これに登場中の語り部さんに代わり、オリキャラの夢現神(夢と、その実現を司る希望の神)、レイシャスさんにご登場願いました。 >レイシャス(以下レイ):始めまして、よろしくね!じゃあ、早速だけどレスと行きましょうか。 ユア;はい。 モイラ;いつもどおり僕が返レスに付き合うよ。 > >> >> >> >>「いらっしゃい。 >> ライゼ―ルの宝石にゼ―フィリアの銀細工。 >> おっと、そこの美人のお姉はんには、この薄水色の紗の布でスカ−トが似あうんやないやろか? >> いらっしゃいいらっしゃい。 >> 安くて良質で上質なのは、自分とこだけやで、いらっしゃい、いらっしゃい。」 >>結界内の―リナ達の世界―サイラ―グへの街道沿いの大きな町。 >>その大通りの青空市の一角に、各地の細工物や布地を広げている青年が居た。 >>金髪碧眼で、口調のせいか二枚目というよりは二枚目半に見えるが、その分親しみ安い雰囲気。 >>服装も黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右肩で古ぼけた腕輪で纏めているという露店の兄ちゃん風なもの。 >>しかし、腰の両側につけた棒状のものが入った袋が彼に違和感を与えていた。 >レイ:へぇ。彼が噂のラディ君ねv ユア;はい、ラディ君です。 > >>「あっ、ラディさん。 >> 今日、告白するんだ、なんかおまじない教えて。」 >>「恋愛成功やな。 >> ほしたらな、これを・・・」 >>「ラディ坊や、ほれ。 >> 売れ残りで悪いがの。」 >>「ありがとさん。 >> おいしゅういただくわ。」 >>などなど、ラディハルトは、この町に来て二週間ほどでなじんでいた。 >>無論、 >>「ラディ。 >> 今晩、あたしのトコ来てね。 >> サ−ビスするからさ。」 >>と言うお姉さんも居る。 >>しかし、この町に限らず、ラディハルトが選ぶのは、真っ直ぐに流れる黒髪と商売女らしくない儚げな女性が多かった。 >>もちろん、情報収集以外で、個人で買う場合だが。 >朱琉:ふむふむ、好みのタイプは黒髪、儚げ・・・・と。 >レイ:情報収集以外、ってことは、普段は情報収集のため、ってわけね。 モイラ;ほら、そういう時まで、気を張る人いないし、目当ての娼婦にはいい格好したいじゃん。 ユア;選べば、三日もあれば、領主のへそくりまで調べればますし。 > >> >> >> >>「もう日暮れか。」 >>夕暮れ時になると、そそくさとラディハルトは店仕舞いをし、この町での常宿に荷物を置き、その横の食堂に向かった。 >> >> >> >> >>「ラディか。 >> 今日はなんにする?」 >>「せやな・・・。 >> なんかオススメある? >> それとパンを3人前。 >> あと、小壺にワインな。」 >>それから料理が運ばれるまで、十分少々。 >>その日のオススメは、ビ−フシチュ−と牛肉の付け焼きだった。 >>それを食べ初めてすぐ、 >>「≪久遠の流離人≫の一族と・・・・」 >>「ふぁんのほう? >> ふぁうほうふぇいかのひんへいらいひょうはんが・・」 >>「飲み込んでからお話しください。」 >>ラディハルトの宅にわざわざ相席してきたのは、四十歳前後の厳つい顔の鎧姿の中年男性。 >>もぎゅ・・もぎゅ・・・・ごくん >>「何のよう? >> 大公陛下の親衛隊隊長はんが、わざわざ。」 >朱琉:ずいぶん偉い人ともコネがあるんですね・・・・(設定見直し中) ユア;コネ・・・ではなく、情報収集の結果です。 モイラ;あえて入れるなら、次のような結果を経て。 ことのあと・・・。 商売女;貴方みたいな人初めてよ。 親衛隊隊員;そうかそうか。 商売女:でも大変なんでしょう? 親衛隊隊員;そうそう。もう現役しりぞけよって言うような厳ついゴリラ顔のおっさんがさぁ・・・ それに、大公女陛下は我が儘だし。 もうすぐ、戴冠式だけど、反対は多いし・・・・ 過労で、死んじゃいそ。 商売女;たいへんね。 でも、名誉な仕事じゃない? んで、次の客。 ことのあと・・・・ ラディ;なあ、此処の領主はんの親衛隊ってどないなん? 商売女;もう、無粋ねぇ。 ラディ;ええやないか。 どうないなん?(摺り寄せて、キスをしながら) 商売女;・・そうね、隊長さんは四十代でゴリラみたいな顔らしいわ。 (など、聞いた事を話す) ラディ;ほうか。 もう、一回戦いく? 強制終了 ユア;・・・・・・みたいなことがあったということです。 > >>一応、問い返しはするが、反応が繰るよりも先に、ラディハルトはここ2週間で、商売女から得た情報から推測できることを話し始めた。 >>「大公陛下、直属のお前が此処に来るちゅうことは。 >> 大公陛下・・・ああ、今は、大公女か。成人前やし。 >> 大公女殿下が攫われたか、成人式兼戴冠式に必要な御物・・御杖か冠あたり・・・・盗まれたんと違う? >> 或いは、その両方やろ? >> 自分みたいな流れ者にいちいち力を借りたい言うんは。 >> 違おとる?」 >>「・・・っ何?」 >>「・・・・人の口に戸は立てれへんよ。」 >> >> >> >>結果だけ言うなら、ラディハルトは金か50枚でそれを受け、三日で片付けた。 >>そして、口封じが来る前にその街を出た。 >朱琉:片付ける、と言うと・・・・ >レイ:人生から永遠に退場してもらったのかしら?私の立場で言うのも何だけど、結構好きよv影のある御仁は。 ユア;本人曰く、『殺してへんよ。やけど、死んだほうがマシやろなアレは。』 モイラ;割り切りがあるしね。 殺しはした事あると言っておこうか、彼は。 > >> >> >> >>そしてその数日後−。 >>野宿をした日のこと。 >> >> >> >>「出て来いや、語り部。」 >>「・・・バレたか。」 >>街道から少々はずれ、少し開けた場所で焚き火をしていたラディハルトはそう声をかけた。 >>後ろも見ずに、そこに居た人物を的確に当てた。 >>そして、すぐに純銀の髪と白地に銀糸の刺繍の小洒落た服の年齢不詳のマンドリンのような楽器を手にした男性が現れる。 >朱琉:うわぁいv語り部さんだ! >レイ:男、とは限らないんだけど、ね。まあ、今は語り部を名乗っているあの方って、ちょっと特殊だし。 >朱琉:・・・・こういう方々って、ネタばらしが趣味なんでせうか?(涙) ユア;まあ、一応ということで。 モイラ;それだと、レスもね・・・・・ > >>「何の用や? >> 自分、追うなら、他にも追わなあかん奴一杯居るやろ? >> クロノスにしろ、聖石にしろ、四大家にしろな。」 >>嫌悪を隠そうともせずに、ラディハルトはそう言った。 >>この二人は、『旧知』ではあるが、『知己』ではない。 >>ラディハルトは、語り部のことをよく思っていないと言うことだ。 >>「それにな。 >> もうすぐなんやろ? >> クロノスからも、他の二つから流れてくる内容からしたら。」 >>語り部は、特に気にせずに、焚き火の傍に腰をおろす。 >>「さあ?」 >>「名前しか流れて来いひんけど、ルピナスとアリエスって奴のせいで、三つとも一辺に動くのやろ?」 >>「さあ、どうだろうね?」 >>「ほんま、変わらへんね、語り部。 >> 自分は、知っとって黙っとんは、罪やで。 >> 四大家から逃げた兄ちゃんも罪人や。 >> 黙とってな、なんか起きてやっと話すじゃ、遅いんや!! >> そういうんで、たいがい犠牲になるんは、二十歳にもならんガキばっかや。 >> 硝子細工まではいけんけどな、年寄りの鉄鋼って言うわけでもちゃ・・・・・」 >朱琉:かっこいい〜〜vv >レイ:語り部に対して、誰かが言わなきゃいけないこと、言ってくれたわね。ありがとう・・・・。 ユア;ここは、自分で書いた記憶がないと言うくらいラディ君に成りきって書きました。 モイラ;・・・・まあ、ラディハルトは、子供には甘いんだよ、優しくはないけど > >>語り部に、淡々としてではあったがラディハルトはそう言った。 >>ある意味で、彼の心そのものに近い言葉だった。 >>しかし、途中で、語り部は彼の口に『黙ってね』とでも言う風に指を立てる。 >>勢いをそがれたラディハルトはわざと大きなため息をついた。 >>「座りや。 >> 茶ぐらい入れたる。」 >>鉄製のカップに水筒から水を入れ、別に作ってあった小さなかまどの上の鉄板に起き、焚き火から火を移す。 >>その間に、一回分づつにしてあった紅茶とハ−ブの粉末を出し、カップに入れる。 >>「で、実際何の用や? >> あと二ヶ月三ヶ月もすれば、サイラ−グに行って、ル−ク=シャブラ二グラドゥを倒されることになる。 >> そうすれば、割合すぐだろ?」 >>紅茶カップに、コンデスミルクのような砂糖とミルクを煮詰めた固まりをカップに入れて、語り部に渡す。 >>「用って、ほどじゃないんだけどね。 >> 何で、何処にもつかないんだろうって聞きに。 >> 千年以上前に、禁忌を犯し、今は異邦人(ストレンジャ−)になれ・・」 >>「黙りや・・語り部。 >> お前にもそれは揶揄されとうない。 >> ・・・・ってか、とくにお前だけにはされとうない。」 >>語り部の言葉が終わる前に、ラディハルトは、腰の袋から、トンファを取り出し、咽喉元に突きつける。 >>彼は、突きつけているのに、加害者なのに彼のほうが泣きそうなほどだった、崩れ落ちそうなくらいに無表情だった。 >>語り部は、突きつけられているのに、被害者なのに、砂糖一粒ほども眉を動かさず、むしろ楽しげであった。 >>「君が、あの子達にどう関わるかは、僕は知っていても話すことは出来ない。 >> それでも、君は、僕を罪人だというのだろうね。」 >>「行きや。 >> ・・・嫌いやけど、おまえのことは嫌いやない。」 >> >> >>そうして、ことが動く前の彼らの邂逅は終わった――――。 >> >> >> >朱琉:きゃあぁぁぁぁっ!!二人ともすごいカッコイイです!こんな素敵な話を下さって、ありがとうございますっ! >レイ:短大で見てるんじゃなかったら・・・・叫んでたんじゃない?朱琉。 >朱琉:叫ぶよ、もちろん。当たり前じゃない! >レイ:・・・・とまあ、きっぱりと言い切るくらいに喜んでるわよ。ありがとう。 > ユア;流れは決めてありましたけど モイラ;こう言う展開になったのは、キャラが動いたからだと。 ユア;他人からキャラ借りて書いて、こんなにすんなり動いたの初めてでした。 >> >> >> >> >>―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+ >> >> >> >>ユア;ええと、明日・・というかもう今日ですけど、1コマ目殻抗議が入っておりますので、簡潔に。 >> 幾つかこぼれ話。 >> この話の前半は、ラディハルトの日常です。 >> 後半は、語り部と少しお茶して平和的に終了の予定でした。 >> しかし、自動書記如く上の上な内容になりました。 >> それと、ラディハルトは、クロノスなどのことを調べてアリエスやルピナス、レンなどの存在は知っていますが、会ったことはないと言うことになりました。 >> もとい、そこだけは修正しました。 >> あと、語り部さんの >> 「〜禁忌を犯し、〜」は、ラディの千年以上前の不老不死になる出来事のことです。 >> 大切な女性・シェルマを『偉大なる精霊』に生き返らせてもらおうとしたら、 >> その精霊の『悪意』のせいで、不老不死になってしまったということ。 >> シェルマ嬢の設定が必要ならばいってください。 >朱琉:設定の方、了解しました。シェルマ嬢の設定も・・・・少し絡むかもしれないので、欲しいですね。 ユア;では、シェルマ嬢の設定をば。 名前;シェルマ=レヴィス=エヴァロ−ズ 年齢;十七歳(享年)(死因;病死)(生きていれば、千三百六十八歳) ラディとは、10歳ぐらい歳が離れてました。 外見;黒くて長い直毛で腰までの髪。淡いエメラルドブル―の瞳。 病気のせいか、蒼白いといっていいほどの日に焼けていない白い肌。 性格;靜で、おしとやかで芯の強い女性。 心臓を刺激しないようにこんな性格になったが、本来は冒険活劇などワクワクするものが好き。 服装:(好きな)オレンジ色のピクニック用のワンピ−ス(ドレス?) それに、青石のはまったのと緑色の石にはまったのそろいの銀のブレスレット。 口調;消え入るようなおしとやかな女丁寧言葉。 一人称;わたくし 二人称;貴方もしくは貴女 三人称;さんか様 挨拶;はじめまして、羅城様。 わたくし、ラディ兄様の婚約者であり、また従姉弟のシェルマ=レヴィス=エヴァロ−ズと申します。 もう儚くなっておりますが、どうかよろしくお願いいたします。 備考;レヴィスは、貴族としての称号。 貴族には、『レヴィ』が付く。 ラディの正式名は、ラディハルト=レヴィン=レンスタ―になります。 備考U:シェルマは、5歳の時に発病して、運動禁止になった。 備考V;死因は、心臓麻痺や心不全など、心臓疾患によるもの >> >> >> それでは、一欠片でも楽しんでいただけたら幸いです。 >> >> それではまた。 >> >朱琉:本当に、ありがとうございました!改めて自分の拙さを思い知ってしまいましたが・・・・。拙いなりに頑張るので、今後ともどうかよろしくお願いします。 >レイ:それでは、またね! >> ユア;いいえ、羅城様もなかなか。 モイラ;それじゃね。 >> > |
17240 | ラディ達の設定補足 | 十叶 夕海 | 2005/9/13 23:32:33 |
記事番号17234へのコメント > >ユア;では、シェルマ嬢の設定をば。 > > >名前;シェルマ=レヴィス=エヴァロ−ズ >年齢;十七歳(享年)(死因;病死)(生きていれば、千三百六十八歳) > ラディとは、10歳ぐらい歳が離れてました。 >外見;黒くて長い直毛で腰までの髪。淡いエメラルドブル―の瞳。 > 病気のせいか、蒼白いといっていいほどの日に焼けていない白い肌。 >性格;靜で、おしとやかで芯の強い女性。 > 心臓を刺激しないようにこんな性格になったが、本来は冒険活劇などワクワクするものが好き。 >服装:(好きな)オレンジ色のピクニック用のワンピ−ス(ドレス?) > それに、青石のはまったのと緑色の石にはまったのそろいの銀のブレスレット。 >口調;消え入るようなおしとやかな女丁寧言葉。 > 一人称;わたくし 二人称;貴方もしくは貴女 三人称;さんか様 >挨拶;はじめまして、羅城様。 > わたくし、ラディ兄様の婚約者であり、また従姉弟のシェルマ=レヴィス=エヴァロ−ズと申します。 > もう儚くなっておりますが、どうかよろしくお願いいたします。 > >備考;レヴィスは、貴族としての称号。 > 貴族には、『レヴィ』が付く。 > ラディの正式名は、ラディハルト=レヴィン=レンスタ―になります。 >備考U:シェルマは、5歳の時に発病して、運動禁止になった。 >備考V;死因は、心臓麻痺や心不全など、心臓疾患によるもの > ええと、シェルマ嬢の詳しい死の前後を。 死んだ日から、一週間後に18歳の誕生日。 死んだ日から、十日後にラディとの結婚式。 それと、ラディハルトが、服の布を抑えている腕輪は、元々・ラディがシェルマの14歳の誕生日に上げた服装の項目にある二つで一個の腕輪。 その青い石のほうを彼女の死後貰い受けた。 しかし、千年以上経っているのに風化していないのは、結界に入って100年ほど、貰ってから300年後にそういう魔法−周りの時間を誤魔化して止めたように思わせる−を開発した為。 ラディは、攻撃呪文は使えないが、補助・回復なら、アメリアより少し劣る程度。 蛇足的な設定ばかりですが、使えるなら、使ってください。 |
17242 | Re:ラディ達の設定補足 | 羅城 朱琉 | 2005/9/14 08:22:02 |
記事番号17240へのコメント 了解です。ありがとうございました! |
17241 | 時の旅人外伝 Kyrie Eleison | 羅城 朱琉 | 2005/9/14 08:18:18 |
記事番号17230へのコメント こんにちは!予告していた、語り部さんバージョンです。 さっそくですが、どうぞ! 時の旅人外伝 Kyrie Eleison これから僕がしようとすること、君はどこまでわかってる? きっと、君は僕のすることを見て、『偽善』と評するだろうね。 それでも、これは真実の願い。これは、心よりの祈り。 何処にも祈れぬこの身で、罪に穢れたこの心で、何か、贖えることがあるなら。 遅すぎたかもしれないけれど、この『約束の時』に。 全てが始まり、全てが終わる時に、僕は・・・・ 偽善でもいい。僕は、ここに始まりを宣言しよう。 * * * * * 緩やかに、音色が流れる。それに乗って紡がれるのは、美しくも悲しい英雄譚。お世辞にも上品とはいえない酒場で、その人物の周りだけはまるで別世界のように静まり返っていた。 混じり気のない、純粋な銀の髪は、肩辺りで切りそろえられ、リズムに合わせて僅かに揺れている。うっすら青みがかった淡灰色の瞳は半眼にされ、物語の世界を見ているかのようだ。ギターともマンドリンともつかない楽器を爪弾く指先は白く細く、小洒落た吟遊詩人の服がこの上なく似合っている。その顔は、非常に曖昧。男にも女にも見え、また、年端も行かない子供のようにも、悠久の時を経た賢者のようにも見える。しかし、決して印象が薄いわけではない。むしろ、一目見れば忘れられぬ、神秘的な美貌を誇っている。 その人物の名を知るものはいない。ただ、『放浪の語り部』という呼び名で認識される存在。それが、その人物だ。 ピンと最後の絃を弾き、語り部は歌を紡ぎ終えた。辺りの荒くれ者たちが、一斉に拍手する。その瞳のほとんどは、純粋な賛美の色に染まっていた。語り部は優雅に微笑むと、彼らに声を掛ける。 「ねえ、聞きたいことがあるんだ。教えてくれないかな・・・・?」 場末の酒場に染み渡る声は、まるで空気を染め替える如く。その場は、語り部の言葉が支配した。 情報収集の結果に満足げな微笑を漏らし、語り部は酒場を出る。その背後に人の気配をつれたまま、裏路地まで進むと、ほんの僅かに手を動かした。 「何の用かな?」 来た道を振り返り、にっこりと微笑む。そこにいたのは、賛美の念以外のものに囚われた者たちであることを、語り部は知っていた。どろりと濁った瞳には、邪なものが渦巻いている。嫌悪感を覚えつつも、それを顔には全く出さず、語り部は悠然と佇む。 「・・・・聞くまでもなかったようだね。でも残念、僕はそこまで悪趣味じゃないからね。」 瞬間、指先を、くい、と動かす。ほんの僅かな動作で辺りに張り巡らせた絃が、ひゅるりと男たちの首筋に絡んだ。 「オヤスミ。いい夢を。」 その言葉を待っていたかのように、一斉に男たちが昏倒する。絃を引き戻し、語り部はいっそ優しげに微笑んだ。 「物騒なお方ねぇ。」 溜息をつくような言葉は、後ろから聞こえた。 「殺してないよ。ただちょっと動脈を締めて、気絶させただけ。明日になったら、僕のことなんて覚えちゃいないさ。」 その微笑みそのままに、声音もとても優しくて。動きやすさを重視しながらも、ひらりとした服を着た女性・・・・ファリウは苦笑いを浮かべた。 「それが物騒、って言うと思うの。」 「フフ。まあ、それはそれとして。・・・・で、調べてくれたかい?」 「はいはい、調べたよ。『異邦の流離人』さんは、この街から徒歩で数日かかる街道。そこから少しそれた場所よ。・・・・じゃ、私、仕事に戻るから。」 すたすたと立ち去るファリウの背に軽く手を振り、語り部は歩き出した。 深夜の町外れは、闇が支配する。そこに目を閉じ佇む語り部の周囲を除いては。 仄かな燐光が語り部を中心に立ち上り、揺らめいていた。その足元に描かれているのは、複雑な陣。・・・・と、唐突に光が収まる。ゆっくりと目を開いて、語り部はにまりと笑った。 「みぃつけた。」 一度は収まった光が、爆発的に吹き上がった。光の中に語り部の姿は溶け込み・・・・ 光が再び収まった時には、語り部の姿は特になかった。 * * * * * 光の余韻すらない闇の中に、語り部は唐突に現れた。木陰からそっと覗くと、『彼』の姿があった。 髪は、夜目にも鮮やかな金色。後姿しか見えないが、その瞳は碧玉の如き色だろう。黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右肩で古ぼけた腕輪で纏めているという、一見どこにでもいる露天商の兄ちゃん、といった感じだが、語り部は知っている。『彼』のことを。 「出て来いや、語り部。」 少し、ほんの少しだけ、語り部は驚いた。一応、気配は消していたのだが。 「・・・・バレたか。」 彼が・・・・ラディハルト=レンスターが振り向く。その碧玉の眼差しが、語り部を射る。その眼差しが心地よくて、語り部は僅かに目を細めた。 「何の用や?自分、追うなら、他にも追わなあかん奴一杯居るやろ?クロノスにしろ、聖石にしろ、四大家にしろな。・・・・それにな。もうすぐなんやろ?クロノスからも、他の二つから流れてくる内容からしたら。」 「さあ?」 足音もなく焚き火に近づき、腰を下ろす。立ったままでも問題はないが、そこはそれ。ようは、気分の問題だ。それに・・・・ラディを見下ろして話したくはないと、語り部はそう思ったのだ。 「名前しか流れて来いひんけど、ルピナスとアリエスって奴のせいで、三つとも一辺に動くのやろ?」 ほんの少し、ラディにわかる程度に、クスリと笑う。口に出すのは、お決まりの言葉。 「さあ、どうだろうね?」 「ほんま、変わらへんね、語り部。」 当たり前だ。変われるはずがない。でも、それが・・・・その紡がれる言葉が、彼の心そのものに限りなく近いことを感じて、語り部は口を挟むのをやめた。 「自分は、知っとって黙っとんは、罪やで。四大家から逃げた兄ちゃんも罪人や。黙とってな、なんか起きてやっと話すじゃ、遅いんや!!そういうんで、たいがい犠牲になるんは、二十歳にもならんガキばっかや。硝子細工まではいけんけどな、年寄りの鉄鋼って言うわけでもちゃ・・・・」 す、と指を一本立て、ラディの口元に当てる。それ以上は、今はまだ言ってはいけないことだと判断して。 その気配を悟ったか、ラディはあからさまに大きく溜息をついた。 「座りや。茶ぐらい入れたる。」 (もう座ってるんだけどねぇ・・・・。) 心の中で呟きつつ、語り部はそれを指摘することなく、本格的に焚き火の前に腰を落ち着けた。上質の茶葉とハーブの心地よい香りが広がる。 「で、実際何の用や?あと二ヶ月三ヶ月もすれば、サイラ−グに行って、ル−ク=シャブラ二グラドゥを倒されることになる。そうすれば、割合すぐだろ?」 砂糖とミルクを煮固めたものを紅茶に落とし、ラディはカップを語り部に手渡す。それをゆっくりと口に含むと、紅茶とハーブの香りと共に、優しい、甘い味がした。そういえば、あと数ヶ月で大きく運命を変える少女・・・・アリエス=オルフェーゼ=ラーナは、紅茶が好きだったよね。と、他愛もないことを考え、つい微笑が漏れた。それでも、口から流れる言葉は、別のこと。 「用って、ほどじゃないんだけどね。何で、何処にもつかないんだろうって聞きに。千年以上前に、禁忌を犯し、今は異邦人(ストレンジャ−)になれ・・」 「黙りや・・・・語り部。」 風切り音が、聞こえた。 「お前にもそれは揶揄されとうない。・・・・ってか、とくにお前だけにはされとうない。」 喉元には一瞬にして抜き放たれたトンファーが突きつけられている。しかし、語り部は少しだけ楽しそうな表情を浮かべた。 今、ラディがほんの少し手に力を入れるだけで、彼のトンファーは確実に語り部の首を捉えるだろう。彼の技量を持ってすれば、語り部の首の骨を折ることくらい、容易いはずだ。それを知ってなお、語り部は動かない。楽しげな微笑みも揺らがない。 (それじゃあ、僕をどうすることもできないよ。) なぜなら、加害者たるはずのラディハルト=レンスターの方こそが、無表情を必死で取り繕っている。その仮面の下にある、泣き出しそうな思いを必死で隠すために。 語り部は、そっと語った。 「君が、あの子達にどう関わるかは、僕は知っていても話すことは出来ない。・・・・それでも、君は、僕を罪人だというのだろうね。」 ほんの僅かに、碧玉の瞳が揺れた気がした。しばしの沈黙の後、ラディはトンファーを下ろす。 「行きや。・・・・嫌いやけど、おまえのことは嫌いやない。」 うっすらとした微笑を残して、語り部は宙に溶け消える。 これが、一つの邂逅の終わり・・・・ * * * * * ラディと邂逅したあの場所より、更に徒歩で1日程度行ったところにある、朽ち果てた古代の遺跡。そこに、語り部は現れた。 「・・・・『嫌いだけど、嫌いじゃない』・・・・か。ラディハルトにそう言ってもらえるとは、思ってなかったよ。」 むしろ、憎まれて当然と思っていた。それだけのことを、自分は・・・・語り部の『罪』の結果として、したのだから。だから、語り部はそっと天を仰ぐ。 「ちょっとだけ、救われた気がする・・・・って、僕がこんなこと言ってどうするんだろうね?・・・・・・・・ ・・・・・・・・罪には、罰を。贖罪を。僕の力の及ぶ限りに。だから、一つ布石を打っておくよ。・・・・遺跡よ。古代の遺跡よ。『時』を祀りし、古き祈りの場よ。どうか、力を。」 語り部は両手を広げ、朗々と語りだした。 「『我はここに汝を呼ぶ。来たれ、我が源たるもの。』」 『混沌の言語(カオス・ワーズ)』を用いて、語り部は告げる。呪文のようでありながら、既存の呪文とは全く異なる形式のそれ。 「『万象に定められし枷、見えざる一筋の道よ。』」 遺跡が鳴動する。世界がざわめく。 「『今一時軛を忘れ、帰れ、汝らが主の元へ。』」 ただ、語り部の言葉によって。 「『揺らがざる道に惑いを。確かなる導に影を。許されざる自由を許し、今、変容を受け入れよ。』」 それはまさに、祈りの如く。 「『時と世界の名において、今、我は宣言する!』」 正体不明の魔力が世界に染み込んでゆく。それを見届けて、語り部は背後の壁に寄りかかって苦い笑みを浮かべた。 「あー・・・・久々に派手に魔力使ったぁ・・・・。気付かれたかな?やっぱり。でも・・・・ ・・・・まだ、邪魔はさせないよ・・・・・・・・『中枢予定表』。」 本来感じるはずなどない痛みを覚えて、語り部は胸を押さえる。 全てが始まるまで、あと少し。 と、いうわけであとがき どうでしたでしょうか?中間のセリフは、全部引用してしまいましたが・・・・ これは、ラディ君と語り部さんが出会った夜の、語り部さんの動きです。なんだか微妙に伏線っぽいものまで出してしまったんですけど。 ちなみに、今回のタイトルKyrie Eleisonは、聖歌の題名で、意味は『主よ、哀れみたまえ』です。 この話は十叶 夕海さんに捧げます。 |
17244 | Re:時の旅人外伝 Kyrie Eleison | 十叶 夕海 | 2005/9/14 23:08:30 |
記事番号17241へのコメント > こんにちは!予告していた、語り部さんバージョンです。 > さっそくですが、どうぞ! ユア;はぁい、レス行きますねぇvv モイラ;このバカは、大学の教室で、ケイタイで見ていたのにもかかわらず、叫び声を上げて注目を集めてたよ。 >「ねえ、聞きたいことがあるんだ。教えてくれないかな・・・・?」 > 場末の酒場に染み渡る声は、まるで空気を染め替える如く。その場は、語り部の言葉が支配した。 > > 情報収集の結果に満足げな微笑を漏らし、語り部は酒場を出る。その背後に人の気配をつれたまま、裏路地まで進むと、ほんの僅かに手を動かした。 ユア;情報収集は人それぞれ。 モイラ;ラディは、情事でだしね。 > * * * * * > > > 光の余韻すらない闇の中に、語り部は唐突に現れた。木陰からそっと覗くと、『彼』の姿があった。 > 髪は、夜目にも鮮やかな金色。後姿しか見えないが、その瞳は碧玉の如き色だろう。黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右肩で古ぼけた腕輪で纏めているという、一見どこにでもいる露天商の兄ちゃん、といった感じだが、語り部は知っている。『彼』のことを。 >「出て来いや、語り部。」 > 少し、ほんの少しだけ、語り部は驚いた。一応、気配は消していたのだが。 >「・・・・バレたか。」 > 彼が・・・・ラディハルト=レンスターが振り向く。その碧玉の眼差しが、語り部を射る。その眼差しが心地よくて、語り部は僅かに目を細めた。 >「何の用や?自分、追うなら、他にも追わなあかん奴一杯居るやろ?クロノスにしろ、聖石にしろ、四大家にしろな。・・・・それにな。もうすぐなんやろ?クロノスからも、他の二つから流れてくる内容からしたら。」 >「さあ?」 > 足音もなく焚き火に近づき、腰を下ろす。立ったままでも問題はないが、そこはそれ。ようは、気分の問題だ。それに・・・・ラディを見下ろして話したくはないと、語り部はそう思ったのだ。 >「名前しか流れて来いひんけど、ルピナスとアリエスって奴のせいで、三つとも一辺に動くのやろ?」 > ほんの少し、ラディにわかる程度に、クスリと笑う。口に出すのは、お決まりの言葉。 >「さあ、どうだろうね?」 >「ほんま、変わらへんね、語り部。」 > 当たり前だ。変われるはずがない。でも、それが・・・・その紡がれる言葉が、彼の心そのものに限りなく近いことを感じて、語り部は口を挟むのをやめた。 ユア;・・・・あえて、代弁させていただけるのならば、『自分と同じ様な変化の無いのが居る・・・』 モイラ;ほら、ラディってさ。 不老不死なわけじゃん。 もし、思いを交わしても、相手は普通の人間。 100年もすれば、墓の下だし、変化が無いのが嬉しくも・・・って言う複雑なんだよね。 >「用って、ほどじゃないんだけどね。何で、何処にもつかないんだろうって聞きに。千年以上前に、禁忌を犯し、今は異邦人(ストレンジャ−)になれ・・」 >「黙りや・・・・語り部。」 > 風切り音が、聞こえた。 >「お前にもそれは揶揄されとうない。・・・・ってか、とくにお前だけにはされとうない。」 > 喉元には一瞬にして抜き放たれたトンファーが突きつけられている。しかし、語り部は少しだけ楽しそうな表情を浮かべた。 > 今、ラディがほんの少し手に力を入れるだけで、彼のトンファーは確実に語り部の首を捉えるだろう。彼の技量を持ってすれば、語り部の首の骨を折ることくらい、容易いはずだ。それを知ってなお、語り部は動かない。楽しげな微笑みも揺らがない。 >(それじゃあ、僕をどうすることもできないよ。) > なぜなら、加害者たるはずのラディハルト=レンスターの方こそが、無表情を必死で取り繕っている。その仮面の下にある、泣き出しそうな思いを必死で隠すために。 > 語り部は、そっと語った。 >「君が、あの子達にどう関わるかは、僕は知っていても話すことは出来ない。・・・・それでも、君は、僕を罪人だというのだろうね。」 > ほんの僅かに、碧玉の瞳が揺れた気がした。しばしの沈黙の後、ラディはトンファーを下ろす。 >「行きや。・・・・嫌いやけど、おまえのことは嫌いやない。」 > うっすらとした微笑を残して、語り部は宙に溶け消える。 > これが、一つの邂逅の終わり・・・・ > ユア;ラディ君は、千年生きようと人らしくあろうとしてんだろうね。 モイラ;それが、彼の最後の拠り所になってなきゃいいけど。 > > * * * * * > > > ラディと邂逅したあの場所より、更に徒歩で1日程度行ったところにある、朽ち果てた古代の遺跡。そこに、語り部は現れた。 >「・・・・『嫌いだけど、嫌いじゃない』・・・・か。ラディハルトにそう言ってもらえるとは、思ってなかったよ。」 > むしろ、憎まれて当然と思っていた。それだけのことを、自分は・・・・語り部の『罪』の結果として、したのだから。だから、語り部はそっと天を仰ぐ。 ユア;ラディは・・・・・。 モイラ;はいはい。泣かないの。 まあ、『嫌いだけど、嫌いじゃない』は、本当に予定に無い言葉だから、 虚像の人物の本当の言葉なんだ。・・・・って言いたいの? ユア;・・・・(うなづく) > > > と、いうわけであとがき > どうでしたでしょうか?中間のセリフは、全部引用してしまいましたが・・・・ > これは、ラディ君と語り部さんが出会った夜の、語り部さんの動きです。なんだか微妙に伏線っぽいものまで出してしまったんですけど。 > ちなみに、今回のタイトルKyrie Eleisonは、聖歌の題名で、意味は『主よ、哀れみたまえ』です。 > この話は十叶 夕海さんに捧げます。 > ユア;面白かったです。 モイラ;うん、傍観に値する物語だった。 ユア;ところで、『ラディハルトは攻撃呪文は使えない』と言う設定ですが、 本日たまたま、すぺしゃるの方を読んでおりましたら、 『≪炎球≫や≪明り≫南下は呪文を覚えれば、一般人にでも使えるのだ≫とありまして。 その事を見直して上での設定を此処に書きます。 ラディハルトの呪文使用表 精霊:地風水火;つかえない(精霊の怒りをかっている為) 精霊:精 神 :使える 精霊; 白 ;かなり使える 魔法; 黒 ;ドラ・スレとギガ・スレとラグ・ブレおよび、五人の腹心を力の源とする呪文以外の黒魔術 神聖; 白 ;使えない ユア;一応参考までに。 何度も変更すみません。 それでは、本編の方で。 |
17245 | それはそれは・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/9/15 08:28:16 |
記事番号17244へのコメント > >> こんにちは!予告していた、語り部さんバージョンです。 >> さっそくですが、どうぞ! > >ユア;はぁい、レス行きますねぇvv >モイラ;このバカは、大学の教室で、ケイタイで見ていたのにもかかわらず、叫び声を上げて注目を集めてたよ。 朱琉:こんにちは! 語り部:それは・・・・朱琉にはできない芸当だね。何しろ、未だにプリケー使ってるから、ネットは繋がらないんだ。 朱琉:・・・・だって、基本使用料使い切れないことがよくあるもの。もったいないし。・・・・とまあ、雑談はこのあたりにして、早速返レスです。 > >>「ねえ、聞きたいことがあるんだ。教えてくれないかな・・・・?」 >> 場末の酒場に染み渡る声は、まるで空気を染め替える如く。その場は、語り部の言葉が支配した。 >> >> 情報収集の結果に満足げな微笑を漏らし、語り部は酒場を出る。その背後に人の気配をつれたまま、裏路地まで進むと、ほんの僅かに手を動かした。 > >ユア;情報収集は人それぞれ。 >モイラ;ラディは、情事でだしね。 朱琉:語り部さんの情報収集は、歌って、ですね。 語り部:・・・・実は、情報収集の時だけは、少しだけ『魅了』の術を使ってるんだよ。その方が、早いし。 朱琉:・・・・素で十分でしょう?あなたは。 > >> * * * * * >> >> >> 光の余韻すらない闇の中に、語り部は唐突に現れた。木陰からそっと覗くと、『彼』の姿があった。 >> 髪は、夜目にも鮮やかな金色。後姿しか見えないが、その瞳は碧玉の如き色だろう。黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右肩で古ぼけた腕輪で纏めているという、一見どこにでもいる露天商の兄ちゃん、といった感じだが、語り部は知っている。『彼』のことを。 >>「出て来いや、語り部。」 >> 少し、ほんの少しだけ、語り部は驚いた。一応、気配は消していたのだが。 >>「・・・・バレたか。」 >> 彼が・・・・ラディハルト=レンスターが振り向く。その碧玉の眼差しが、語り部を射る。その眼差しが心地よくて、語り部は僅かに目を細めた。 >>「何の用や?自分、追うなら、他にも追わなあかん奴一杯居るやろ?クロノスにしろ、聖石にしろ、四大家にしろな。・・・・それにな。もうすぐなんやろ?クロノスからも、他の二つから流れてくる内容からしたら。」 >>「さあ?」 >> 足音もなく焚き火に近づき、腰を下ろす。立ったままでも問題はないが、そこはそれ。ようは、気分の問題だ。それに・・・・ラディを見下ろして話したくはないと、語り部はそう思ったのだ。 >>「名前しか流れて来いひんけど、ルピナスとアリエスって奴のせいで、三つとも一辺に動くのやろ?」 >> ほんの少し、ラディにわかる程度に、クスリと笑う。口に出すのは、お決まりの言葉。 >>「さあ、どうだろうね?」 >>「ほんま、変わらへんね、語り部。」 >> 当たり前だ。変われるはずがない。でも、それが・・・・その紡がれる言葉が、彼の心そのものに限りなく近いことを感じて、語り部は口を挟むのをやめた。 > >ユア;・・・・あえて、代弁させていただけるのならば、『自分と同じ様な変化の無いのが居る・・・』 >モイラ;ほら、ラディってさ。 > 不老不死なわけじゃん。 > もし、思いを交わしても、相手は普通の人間。 > 100年もすれば、墓の下だし、変化が無いのが嬉しくも・・・って言う複雑なんだよね。 語り部:確かに、ね。でも、ラディハルトとアリエスが出会ったら・・・・それはそれで、ねぇ? 朱琉:アリエス嬢、あの性格ですし。 > >>「用って、ほどじゃないんだけどね。何で、何処にもつかないんだろうって聞きに。千年以上前に、禁忌を犯し、今は異邦人(ストレンジャ−)になれ・・」 >>「黙りや・・・・語り部。」 >> 風切り音が、聞こえた。 >>「お前にもそれは揶揄されとうない。・・・・ってか、とくにお前だけにはされとうない。」 >> 喉元には一瞬にして抜き放たれたトンファーが突きつけられている。しかし、語り部は少しだけ楽しそうな表情を浮かべた。 >> 今、ラディがほんの少し手に力を入れるだけで、彼のトンファーは確実に語り部の首を捉えるだろう。彼の技量を持ってすれば、語り部の首の骨を折ることくらい、容易いはずだ。それを知ってなお、語り部は動かない。楽しげな微笑みも揺らがない。 >>(それじゃあ、僕をどうすることもできないよ。) >> なぜなら、加害者たるはずのラディハルト=レンスターの方こそが、無表情を必死で取り繕っている。その仮面の下にある、泣き出しそうな思いを必死で隠すために。 >> 語り部は、そっと語った。 >>「君が、あの子達にどう関わるかは、僕は知っていても話すことは出来ない。・・・・それでも、君は、僕を罪人だというのだろうね。」 >> ほんの僅かに、碧玉の瞳が揺れた気がした。しばしの沈黙の後、ラディはトンファーを下ろす。 >>「行きや。・・・・嫌いやけど、おまえのことは嫌いやない。」 >> うっすらとした微笑を残して、語り部は宙に溶け消える。 >> これが、一つの邂逅の終わり・・・・ >> > >ユア;ラディ君は、千年生きようと人らしくあろうとしてんだろうね。 >モイラ;それが、彼の最後の拠り所になってなきゃいいけど。 語り部:『人』たろうとする者、『人』たることを忘れた者。どっちが不幸なんだろうね?・・・・僕は、ラディハルトもアリエスも気に入っているから、何とも言えないけど。 > >> >> * * * * * >> >> >> ラディと邂逅したあの場所より、更に徒歩で1日程度行ったところにある、朽ち果てた古代の遺跡。そこに、語り部は現れた。 >>「・・・・『嫌いだけど、嫌いじゃない』・・・・か。ラディハルトにそう言ってもらえるとは、思ってなかったよ。」 >> むしろ、憎まれて当然と思っていた。それだけのことを、自分は・・・・語り部の『罪』の結果として、したのだから。だから、語り部はそっと天を仰ぐ。 > > >ユア;ラディは・・・・・。 >モイラ;はいはい。泣かないの。 > まあ、『嫌いだけど、嫌いじゃない』は、本当に予定に無い言葉だから、 虚像の人物の本当の言葉なんだ。・・・・って言いたいの? >ユア;・・・・(うなづく) 朱琉:私も、このあたりは語り部さんが勝手に動いてくれましたから。私の言葉というより、語り部さんの言葉なんです。 語り部:・・・・ある意味で、『死』よりつらい運命の道を創ってしまったんだ。・・・・憎まれて、当然だろう?それを知ってるラディハルトの言葉・・・・ ・・・・・・・・『嬉しかった』よ、本当に。 朱琉:・・・・・・・・まあ、『元気出せ』とは言えないけどね。でもさ、語り部さんだって苦しんでるじゃん。いいんじゃない?救われても。 > > > >> >> >> と、いうわけであとがき >> どうでしたでしょうか?中間のセリフは、全部引用してしまいましたが・・・・ >> これは、ラディ君と語り部さんが出会った夜の、語り部さんの動きです。なんだか微妙に伏線っぽいものまで出してしまったんですけど。 >> ちなみに、今回のタイトルKyrie Eleisonは、聖歌の題名で、意味は『主よ、哀れみたまえ』です。 >> この話は十叶 夕海さんに捧げます。 >> > >ユア;面白かったです。 >モイラ;うん、傍観に値する物語だった。 >ユア;ところで、『ラディハルトは攻撃呪文は使えない』と言う設定ですが、 > 本日たまたま、すぺしゃるの方を読んでおりましたら、 > 『≪炎球≫や≪明り≫南下は呪文を覚えれば、一般人にでも使えるのだ≫とありまして。 > その事を見直して上での設定を此処に書きます。 > > >ラディハルトの呪文使用表 > >精霊:地風水火;つかえない(精霊の怒りをかっている為) >精霊:精 神 :使える >精霊; 白 ;かなり使える >魔法; 黒 ;ドラ・スレとギガ・スレとラグ・ブレおよび、五人の腹心を力の源とする呪文以外の黒魔術 >神聖; 白 ;使えない > > >ユア;一応参考までに。 > 何度も変更すみません。 > それでは、本編の方で。 朱琉:いえいえ、どうもありがとうございます。テスト期間に突入したため、しばらくは更新も減ると思いますが、気長に待ってくださると嬉しいです。 語り部:じゃあ、そろそろこの辺で。 二人:では! > > |
17271 | 質問 | 十叶夕海 | 2005/9/26 08:05:19 |
記事番号17230へのコメント エウ゛ァンスくんのを書いていたら、ディス嬢達関わらせたいのですが、設定いただけませんか? 元々 『孤独な涙』の予定エピソードにあるので。 |
17273 | 一応、注意書き(?)です。 | 羅城 朱琉 | 2005/9/26 08:28:47 |
記事番号17271へのコメント こんにちは! >エウ゛ァンスくんのを書いていたら、ディス嬢達関わらせたいのですが、設定いただけませんか? > >元々 『孤独な涙』の予定エピソードにあるので。 はい、わかりました。ただ、ディス嬢に関しては、かなり物語の中枢に関わってきてるので、設定はネタバレのオンパレードになると思うんですが、いいでしょうか?よろしかったら、明日投稿しますので。 では! |
17274 | 大丈夫です。 | 十叶夕海 E-mail | 2005/9/26 08:32:37 |
記事番号17273へのコメント 大丈夫です。 ええと このメアドにメール送ってもいいですよ。 |