◆−五大魔族と五人の部下達in降魔戦争−遙琥珀 (2005/9/23 12:44:24) No.17251 ┣第二十四夜:膠着−遙琥珀 (2005/9/23 12:47:58) No.17252 ┣第二十五夜:停止−遙琥珀 (2005/9/23 15:10:22) No.17253 ┃┗Re:第二十五夜:停止−青月かなた (2005/9/24 12:21:04) No.17256 ┃ ┗お久し振りですv−遙琥珀 (2005/9/24 14:18:36) No.17258 ┣第二十六夜:静止−遙琥珀 (2005/9/24 14:39:13) No.17259 ┃┗どうも、御久し振りです−GURE−TO MASA (2005/9/24 22:49:50) No.17260 ┃ ┗こちらこそv−遙琥珀 (2005/9/25 02:10:40) No.17262 ┃ ┗こちらこそ−GURE−TO MASA (2005/9/25 11:41:59) No.17263 ┃ ┗うぐはっ(汗)−遙琥珀 (2005/9/25 13:09:55) No.17264 ┃ ┗そうでしたか−GURE−TO MASA (2005/9/25 13:59:47) No.17265 ┃ ┗そうなのです−遙琥珀 (2005/9/25 22:15:26) No.17268 ┣第二十七夜:旋律−遙琥珀 (2005/9/25 02:09:38) No.17261 ┃┗Re:第二十七夜:旋律−京極師棄 (2005/9/25 18:39:12) No.17267 ┃ ┗うわあ−遙琥珀 (2005/9/25 22:28:19) No.17269 ┣第二十八夜:錆びたナイフは痛いでしょ?−遙琥珀 (2005/9/25 22:31:27) No.17270 ┃┗どうでもです−GURE−TO MASA (2005/9/26 17:03:30) No.17275 ┃ ┗セフィクス以外に興味無しデスか(汗)−遙琥珀 (2005/9/30 17:44:12) No.17294 ┗第二十九夜:具現−遙琥珀 (2005/9/30 18:18:24) No.17295 ┗きっても切れないコレは、絆なのでしょうか…−青月かなた (2005/10/10 18:11:52) No.17307 ┗これこそ『惰性』かも。−紫堂 遙陽 (2005/10/11 21:10:07) No.17310
17251 | 五大魔族と五人の部下達in降魔戦争 | 遙琥珀 URL | 2005/9/23 12:44:24 |
フィアナ:うわあー、すっげー懐かしー。 琥珀:ごめん。 フィアナ:おお。素直に反省してる。珍しいなー。 琥珀:大分空いちゃったんで、話忘れてる方も多いと思うね。 フィアナ:他人事口調だな。 琥珀:…ごめんって。 フィアナ:そういうわけで、今までのお話を知りたいひとは著者別チェックしてなー。 琥珀:宜しくー… |
17252 | 第二十四夜:膠着 | 遙琥珀 URL | 2005/9/23 12:47:58 |
記事番号17251へのコメント 「お前、なんか隠してないか?」 びきん、とアークロンドの背中が攣った様に伸びる。 傍目に解るほどだらだらと流れる嫌な汗。 フィブリゾはフィアナとアークロンドを見比べ、 「まさか、この短時間でアレがバレるはずは無い。 いやでも、相手はフィアナである。 何が起こってもおかしくは無い。 …いやでもまさか…」 「うるさいフィブリゾ」 「僕は君の心理状況を適切に分析してあげただけだよ」 仏頂面のアークロンド。 ひゅー、と口で言うフィブリゾ。 口笛は吹けないらしい。 フィアナは可愛く小首を傾げ、アークロンドを見る。 続いてゼーランディアとリンディアを見る。 二人は素晴らしいまでのコンビネーションで、さっと目を逸らした。 「…………」 フィアナの表情が、あからさまに不審そうな顔に変わった。 そこで…黙っていたスクルドが、すっと歩み寄り…ぽん、とフィアナの肩を叩く。 「まぁ、説明は後ほどということにして」 「んむ?」 振り返るフィアナ。 にやっと笑ったスクルドと目が合う。 「取り敢えず。この状況、なんとかしてほしいんだけど」 「うーん。なにやらよくわからんが」 フィアナは気怠そうに、こきこきと肩を動かす。 フィブリゾの方に目をやり、 「あいつら、今現在お前の敵なわけだ」 「うん」 こくん、と頷くフィブリゾ。 こくん、とまた可愛らしい動きで首を傾げるフィアナ。 外見はエプロンドレスの新妻。 中身は元神軍のエースを誇った神族。 「殺していいのか?」 「あ、いや、それはマズい。 まだ相手の計画の全貌がイマイチ読めないから」 「ふーん。相変わらず遠回りなことが好きだな」 「相手の手を知らないまま勝つのは気持ち悪いからね」 「なるほど?」 「こそこそ話すなー!男らしく無いぞー!」 「私は女だ」 ぶんぶん腕を振って抗議するリンディアに、フィアナが至極まともに突っ込みを入れる。 そして…とん、と地を蹴る。 ふわり、と、リンディアの眼前に降り立った。 「改めて…久し振り」 リンディアは笑う。 「こっちこそ。久し振り」 フィアナは笑わない。 「貴女と離れていた四千年ちょっと、貴女のことを忘れなかった日は一日として無かったわ」 「それは奇遇だ。私も似たようなものだよ」 「それはそうと、しばらく見ない内にちょっと太ったんじゃない?」 「おや。幸せだからかな?でも私は元々健康診断でチェック入れられる程体脂肪は少ない方だったからこれで丁度いいと思うよ。 お前はちょっと見ない間に背が縮んだんじゃないか?」 「縮むかい!」 因みにリンディア154cm、フィアナ172cm。 しょうも無い会話。 旧友同士の会話。 フィアナはしばらくして…目をぱちぱち瞬かせ、ごしごし擦って見せる。 「あー目が痛い。小さいものを見ると目が疲れるんだよな」 リンディアは、んっと顎を上げ、首をこきこき動かした。 「ああ、首が痛くてしょうが無いわー。全く、かよわい女の子に対しての心配りってのができてないわよね。 無駄にデカくなっちゃってどうするつもり?」 「栄養を無駄にしないと言って貰いたいものだね。 食うだけ食って全然その効果が微塵も現れないよりは料理人への心配りはできているつもりだよ。 ああ、失礼、微塵もじゃ無かったね。全く、摂取する栄養全部胸と頭に向けてるんだね」 「ええ、効率的でしょ?貴女はもう少し配分を考えたほうがいいわね」 「残念ながらこの美貌は生まれつきなもので。この上から更に栄養など必要無いよ。 私はお前と違って頭いいからもう向ける所が身長しか無くてね、困ったものだよ」 沈黙。 沈黙。 沈黙。 二人は睨みあって。 見詰め合って。 そして、左手で握手した。 お互いから自然に零れる笑み。 「相変わらずね。そんな貴女が大嫌いだわ」 「ありがとう。最高のホメ言葉だ」 フィアナは笑って、リンディアの方へもう一歩歩み寄り… 自らの足を彼女の足に引っ掛け、力一杯横へずらした。 つまりが足払い。 「うあっ!」 無様に体勢を崩すリンディア。 フィアナはその間にアークロンドの背後に回っている。 さすがにリンディアも受身を取っていたらしく、早くも体勢を立て直す… が、フィアナは既にアークロンドの背に、レイピアの柄を押し当てていた。 フィアナは、空いてる方の手で口を押さえ、小さく欠伸してみせる。 「見た目、コイツがリーダー張ってるっぽいから。 こういう手、余り好きじゃないけどね」 ゼーランディアが、かつん…と靴底鳴らす。 「…幸せボケでもしてるのかと思ったら、相変わらずね」 「ダンナの周囲、結構キナ臭くてね。安心して深窓の令嬢にもなれやしない」 「よく言うわ」 軽口を叩くフィアナに、呆れたように言うゼーランディア。 アークロンドは、ふぅ、と溜息を付いて、腕を組む。 「お姉サン。別に彼女たちは僕に忠誠を誓っているわけでは無い。 ただ、暇だから協力してくれているというだけに過ぎないのですが」 「ん?そうなのか? …まぁ、いいよ。別にあいつらを封じ込める為にこういうことしてる訳じゃ無いし」 フィアナはにっこりと笑う。 「私の用はお前がいれば事足りるよ」 「…………」 「ね」 フィアナは、レイピアを下ろし…すっ、とアークロンドの首に手を回す。 軽く抱き締める様に。 事実、アークロンド以外の者からは、フィアナがアークロンドを抱き締めていると見えただろう。 フィアナは敵だろうと味方だろうと、古い知り合いに対する態度は余り変わらないから。 フィアナは、そっとアークロンドの耳元に口を寄せる。 「お前の身体から、ライアの精神波動が感じられるのは、どういう訳だ?」 アークロンドの背筋は、今度こそ凍った。 フィアナは何も言わない。 アークロンドの返事を待っている。 アークロンドは何も言わない。 フィアナの次の一手を待っている。 膠着がしばらく続く。 その膠着を破ったのは…リンディアだった。 「いっそ言っちゃえば?アークロンド」 「!」 アークロンドが、ば、と顔を上げた。 何を言うんだ、と言いたげな顔。 リンディアはばさばさとビリジアンの髪を掻き揚げる。 「アンタの言ってた通り、私は別にアンタに義理立てする筋合いは無いの。 フィアナまで出てきちゃったら、もう… 暇潰しに命賭けるほど酔狂じゃないの、私は」 「…………」 「なんて顔してんのよ。 心配しなくても、アンタも私の友達よ?フィアナが私の友達なのと同じに。 だからアンタを見捨てるっていう選択肢、すごく魅力的だけど、現在保留中」 リンディアは小さく笑い、 「案外協力してもらえるかもよ? フィアナだって、ライアに会いたいのは同じじゃないの」 「…………」 アークロンドの瞳が、明らかに揺れる。 静かに、俯く。 「僕は―――」 「デスクライ!」 瞬間。 アークロンドの言葉を遮り、フィブリゾの言葉が響く。 空間を暗黒が飲み込んだ。 暗転。 刹那の様な永遠。 永遠の様な刹那。 世界が元に戻ったあとには、ゼーランディアの姿が無かった。 「…僕のこと、忘れないでほしいね」 フィブリゾは左手で髪を弄りながら言う。 フィアナは彼に呆れた様な視線を向け、 「お前―――」 「野暮かなとか思ったけどね」 「いや、気にしないよ… 強制転送か」 「うん、殺せるようなの撃っても良かったんだけど、流石にそんなの発動準備してたら気付かれちゃうからね。 気付かれないギリギリの線だったんだ。気付かれなくて良かったよ… 次元とか世界レベルでずらした場所に送ったから、帰ってくるのはちょっと手間かもね」 「すみませんフィブリゾ様」 語るフィブリゾの肩を、エイルがつつく。 「今ので、アークロンド他にも逃げられましたが」 「…………」 フィアナの方を見るフィブリゾ。 そちらにいるのはフィアナだけ。 フィアナは手を肩の高さまで上げ、『ダメだこりゃ』と仕草で語った。 「もうちょっと静かな転送技無かったんですか?」 「…ふっ…」 呆れたように言うシェーラ。 細かくフィブリゾの肩が震えている。 「お。どしたどした」 「ふ…ふ…ふふ…」 フィブリゾはしばらく、笑っているのか何なのか解らない声を出していたが… やがて、アンタの顔面はそういう風に稼動させることも可能なのかと問いたくなるような笑顔で振り向いた。 無意味にびしっと人差し指を一本立て、 「そう!全て計算通り! これは奴らを殺さずに撃退する為の作戦だったんだよ!」 「さすがフィブリゾ様!」 目をうるうるさせるスクルド。 「…うそばっか」 シェーラは、シンネリとした視線でぼそりと呟いたのだった。 言い訳あんど言い逃れ。 ごめんなさい。 なんかもう年単位レベルで間が空きました。申し訳ない。 憶えているひとがいるのかどうかは不明ですが、続きです(汗) これからも恥ずかしげもなく遅れると思いますが、宜しくお願い致します。 幕。 |
17253 | 第二十五夜:停止 | 遙琥珀 URL | 2005/9/23 15:10:22 |
記事番号17251へのコメント あの後。 一同は宿に戻って休憩を取っていた。 といっても、スクルドとシェーラ、エイルはかなり高位神族の『気』にアテられていたらしく、即ダウン。 元々魔族では無いセフィクスはふらりとユグノー島(チェリンカ大陸アルタミスタ国西沖離島…つまりこの島の名前)見物に出掛けた。 フィブリゾとフィアナは宿の一回で、積もる話に花を咲かせていた。 と言ってもそんな明るい話題では無い。 フィアナは『向こう』での自分の生活については余り語らなかったし、フィブリゾはそれどころでは無かった。 暇なら手短に状況を説明しろ、とのフィアナの言葉に…アークロンドと“イヴ”の件を除く、全てを話し終えた。 肝心の『そのこと』について触れなかったのは、どう説明していいのか解らなかったからと… これは、アークロンド自らがなんとかするべき問題だから、だ。 今フィブリゾがフィアナに全てを話し、次会った時に問答無用でどつき倒してもらうのも良いが、それでは本当の解決にはならない。 ライアナの時で既に解っていることだが、フィアナは身内に甘い。 アークロンドとは彼が小さい時からの知り合いだ。 ある程度、思う所もあるだろう。 そんな彼との戦いは、恐らくフィアナにとってはこの上なく不本意なもの。 となれば、彼女のことだし、最初から終わりまで、余す所無く手を抜きまくるに違いない。 それではダメだ。 フィブリゾがそう仕向けるのでは無く、フィアナ本人がアークロンドと戦う気にならなければならない。 そういうわけで、フィブリゾ、今回は待ちの戦法。 当たり障りの無いことだけをフィアナに話す。 かなり微に入り細を穿ち説明した為、一通り説明が終わった頃には夕方になり、フィアナの前にはごはんが並んでいた。 余りの話の長さに耐え切れず、フィアナ本人が注文したのである。 そこまで細かく説明したのは…フィアナの頭に現在の状況を確実に入れておく為。そして、フィアナに対する信頼を示す意図もあった。 「ふぅん。大体事情はよく解った様な解らない様な」 「どっちだよ」 呆れた様に言うフィブリゾ。 フィアナは、ごはんを掻き込む手を少し休め、口を尖らせる。 「こちとら違う世界に行ってたんだぞ。勘が戻るまでもう少し待ってくれ…あー、おネーさんカプチーノひとつ!」 宿の売り子に追加注文。 呆れた様に…じゃ無くて、完全に呆れ顔のフィブリゾに気付かない振りをして、再び親子丼のどんぶりを手に持つ。 「…あー、それにしても、こっちの世界はやっぱり動き易いわ」 「そうなの?」 「うん、なんていうか、魔力の濃さが肌に馴染む」 「戻ってきてもいいんだよ」 「遠慮する」 フィアナは、にぃ、と笑った。 「…で、話はそれだけか?」 「うん。僕の方からは」 「僕の方から」 「さっき言った通り、僕もここにはついさっき来たところなんだ。 実際、ロンドと問題おこしたのは、僕じゃなくて…リノアンと、ゼロスと、ノースト」 「あいつらか…」 ノースト、の所で露骨に嫌そうな顔をするフィアナ。 フィブリゾは、フィアナのカプチーノを取って一口飲むと、 「呼んでもいいけど、多分聞ける話は同じだよ。 僕の話も、彼女たちから訊いた奴だから」 「だろうな」 フィアナは、ふああ、と欠伸して、再びコップを取ろうとするフィブリゾの手をはたいた。 「眠いの?」 「少し。最近夜寝られないから」 「まだ何かの研究してるの?」 「…………」 フィアナは何も言わず、ただ微妙な笑みを浮かべた。 何か嫌な答が返って来そうな気がして、フィブリゾはそれ以上問うのをやめた。 話を変えることにする。 「…えーと…君自身の方は?」 「私?」 「『向こう』に移ったことで、何か変化あった?」 「…………」 とん、とコップを受け皿に置くフィアナ。 机に頬杖を突き…うーん、と息を付く。 「変化があった…つーか、変化の無い部分を探す方が難しいかな… ゼーランディアは『相変わらず』とか言ってたし、私も適当に答えたけど…正直、結構力が落ちてる」 「え…そうなの?」 「アセルト、過保護だから」 フィアナは戻ってきて初めて、彼の名前を呼んだ。 それと同時に零れる笑み。 フィアナ独特の『しょうがない奴』と言いたげな口調と笑顔が、返って連れ合いへの愛情を感じさせた。 つられる様にフィブリゾも笑う。 胸の痞えが取れる思い。 ああ、この子は今、幸せなんだな…と思う。 魔族の自分に、他人の為に喜ぶ神経が残っていることを、少し不思議に思いはするけれど。 「目を盗んで色々訓練修練してるけどね。 ダンナは私が戦うの、嫌みたいだから」 「解る気はするけどね…」 フィアナは、運命に背く者を殺す。 生きているべきで無い者を殺す。 だから…死神。 酔狂や趣味では無く、それが仕事。 代々血の中に受け継がれた任務。 果たす為なら――己の命を、引き換えてでも。 彼女を愛する者からすれば、見ていられないのだろう。 フィアナは曖昧に笑う。 「私は、アセルトが思ってるよりずっと強いんだけどな…」 「…………」 そうは言っても。 やはり、彼の中で彼女は、いつまでもあの時のままなのだろう。 小さくて幼い、哀しそうな瞳をした女の子。 初めて出会った、あの時のまま。 「…聞き様によってはすっげぇおノロケだね」 「あ、解る?」 えへへ、と後頭部を掻くフィアナ。 そして、ふっ、と表情を戻す。 「まぁ、人の家庭のことは置いとくとして…」 フィアナは、ふふ、と笑った。 妖艶に。 そして…立ち上がり、フィブリゾの椅子の後ろに回る。 「ん?」 フィアナは、そのまま…すっ、とフィブリゾの首に抱き付くようにした。 さっきのアークロンドの時と、同じ様に。 一瞬無い心臓が停止しそうになるフィブリゾ。 フィアナのぷにぷに柔らかな胸の感触が背中に。 意思とは裏腹に熱くなっていく精神。 こんなことで落ち着きを失ってどうする自分、と心の中で叫んでみる。 「…フィブリゾ…」 そんなフィブリゾの想いには関さずに…フィアナが、甘い声を出した。 やはり健在…世の中全ての男性生命体を陥落させる…陥落したいと思わせる声。 フィアナはそのまま、ゆっくりと唇を寄せ… 「どうやら、監視されている」 淡々とした調子で、言った。 言い訳あんど言い逃れ。 フィアナ嬢、芸が細かくなってます(笑) アセルトはこのテに何度やられただろうか。(遠い目) そんなことはどうでもいいとしてお送りしました、第二十五夜。 (傍から見ると)妙な組み合わせの二人を監視する者とは? 適当に時間つぶしでもしながら待ってください。 幕。 |
17256 | Re:第二十五夜:停止 | 青月かなた | 2005/9/24 12:21:04 |
記事番号17253へのコメント お久しぶりです。テストを控え現実逃避中の青月です。 フィアナお姉様が登場で嬉しい今日この頃。リンディアさんとの掛け合いに一人にたにたする怪しい人になりつつ、ロンドさんの行く末を気にしつつ、やっぱりフィアナさんの再登場が一番嬉しい気がします。 >「アセルト、過保護だから」 >フィアナは戻ってきて初めて、彼の名前を呼んだ。 >それと同時に零れる笑み。 >フィアナ独特の『しょうがない奴』と言いたげな口調と笑顔が、返って連れ合いへの愛情を感じさせた。 新婚?さんですね。バカップルは好きです…v >フィアナは、運命に背く者を殺す。 >生きているべきで無い者を殺す。 >だから…死神。 >酔狂や趣味では無く、それが仕事。 >代々血の中に受け継がれた任務。 月の裏側の方のを拝見させていただき、改めて思うのですが…つくづく損な役回りですよね… >果たす為なら――己の命を、引き換えてでも。 >彼女を愛する者からすれば、見ていられないのだろう。 危なっかしいというかなんというかな気質は結婚してもご健在なのですね…。 >言い訳あんど言い逃れ。 > >フィアナ嬢、芸が細かくなってます(笑) 女優でやってけますよ。 >そんなことはどうでもいいとしてお送りしました、第二十五夜。 >(傍から見ると)妙な組み合わせの二人を監視する者とは? 嫉妬に狂ったアセルトさんだったらすごく嫌だなぁとかいう失礼なことを半ば本気で考えました。 今回も楽しませていただきました。 それはそうと、琥珀様の受験成功をお祈りしています。高校受験しか体験していない身なのでどうとも言えませんが、積み重ねは確実に実になると思います。 それでは、またいつか。 |
17258 | お久し振りですv | 遙琥珀 URL | 2005/9/24 14:18:36 |
記事番号17256へのコメント > お久しぶりです。テストを控え現実逃避中の青月です。 お久し振りです。受験を控え現実逃避中の琥珀です。 …ほめられたものではありませんね。 > フィアナお姉様が登場で嬉しい今日この頃。リンディアさんとの掛け合いに一人にたにたする怪しい人になりつつ、ロンドさんの行く末を気にしつつ、やっぱりフィアナさんの再登場が一番嬉しい気がします。 私も嬉しいです(笑) この子、すごく動かしやすいので。 > >>「アセルト、過保護だから」 >>フィアナは戻ってきて初めて、彼の名前を呼んだ。 >>それと同時に零れる笑み。 >>フィアナ独特の『しょうがない奴』と言いたげな口調と笑顔が、返って連れ合いへの愛情を感じさせた。 >新婚?さんですね。バカップルは好きです…v 私も好きですv 思い切りいちゃついて欲しいとは思うものの、そんな場合じゃないんだろうなぁ、とか(笑) > >>フィアナは、運命に背く者を殺す。 >>生きているべきで無い者を殺す。 >>だから…死神。 >>酔狂や趣味では無く、それが仕事。 >>代々血の中に受け継がれた任務。 >月の裏側の方のを拝見させていただき、改めて思うのですが…つくづく損な役回りですよね… 友人に『私のキャラでもしなれるなら誰になりたい?』と訊いたら、 口をそろえて『ルートヴィッヒ姉妹にだけはなりたくない』といわれました(苦笑) >>果たす為なら――己の命を、引き換えてでも。 >>彼女を愛する者からすれば、見ていられないのだろう。 >危なっかしいというかなんというかな気質は結婚してもご健在なのですね…。 多分生来の性格かと。 変えられませんねぇ。 > >>言い訳あんど言い逃れ。 >> >>フィアナ嬢、芸が細かくなってます(笑) >女優でやってけますよ。 目指せアカデミー賞。 >>そんなことはどうでもいいとしてお送りしました、第二十五夜。 >>(傍から見ると)妙な組み合わせの二人を監視する者とは? >嫉妬に狂ったアセルトさんだったらすごく嫌だなぁとかいう失礼なことを半ば本気で考えました。 一瞬ものすごく採用したくなりました(笑) 師棄さんに怒られるわ。 > > 今回も楽しませていただきました。 > それはそうと、琥珀様の受験成功をお祈りしています。高校受験しか体験していない身なのでどうとも言えませんが、積み重ねは確実に実になると思います。 > それでは、またいつか。 いつもながらにレスありがとうございます。 成功を祈ってくれてありがとうございます。 いくら感謝してもしきれません。 こちらこそ、またいつか。 |
17259 | 第二十六夜:静止 | 遙琥珀 URL | 2005/9/24 14:39:13 |
記事番号17251へのコメント 「なるほど…」 一息ついて。 フィブリゾは、店の中全体に意識を拡げながら、小声で呟いた。 二人とも、先程までと同じ様に、テーブルに向かい合わせに座っている。 顔面に笑顔を貼り付けて、時々身振りを加えながら。 日常会話を装い、作戦会議。 「何だろ。解る、フィアナ」 「わからん。精神波動にロックが掛かってる。分析不能」 笑顔を交えながら、油断無く意識を張り詰めさせるフィアナ。 「人間じゃない…よね。そんな技術は無いはずだ」 「多分。そもそも人間が私達を監視する意味があるかどうか… でも…状況が状況だな。事前の調べによると、ここらへんは数年前から内戦続きだ。 混乱の中で、特出した能力を持った人間が出現した…というのも、あながち考えられないことでは無い」 「そんな…」 有り得ない。 言おうとするフィブリゾを、フィアナの台詞が押し留めた。 「有り得ないなどという事は有り得ない」 「…………」 リノアンの報告。 テスカの“イヴ”。 涼やかな声で…『有り得ないなどという事は、有り得ない』と言った、と… 思わず、本心からの笑みを零すフィブリゾ。 そうか。 あれは、フィアナが元ネタか。 「まぁ、取り敢えず人外と見て話を進めるぞ。 状況から見て、ゼーランディアが戻ってきた、とか考えるのが妥当だろうが…」 フィアナは目を閉じた。 少し機嫌が悪そうだ。 「それにしては、気配を消すのが下手すぎる。 さっきまで気付かなかったのは、単なる油断だ」 「うん…」 頷くフィブリゾ。 姿は見えない誰か。 確かに感じる気配。 はっきり言うと…ド素人の気配だった。 気付いてみれば、余りにお粗末。 「フィアナ、こういう気配とかには詳しい方?」 「誰に訊いてるんだよ」 苦笑するフィアナ。 「臆病だからね。 神界にいる頃はいつも、何かから逃げることばかり考えていたよ」 「…………」 仕事から。 烙印から。 赤の竜神から。 ゼーランディアから。 妹から。 「そんなことも…無い、と思うけど」 「ありがとう」 「それで…詳しいフィアナちゃんにお訊きしたい。 こういう場合は?」 「…んー…」 フィアナは少し考え、 「動こう」 「了解」 そこで…フィアナはわざとらしく伸びをする。 「それで、これからどうする?」 「そうだねぇ。もう日も暮れちゃったし…」 当たり障りの無いことを、わざわざ大声で言いながら立ち上がる二人。 フィアナはポケットから銀貨を数枚取り出してテーブルに置く。 店員がおつりを持ってくるのを手で制する。 「知ってるか?ここって結構夜景が綺麗なんだぞ」 「いいねぇ。見に行こうか」 「そういえば、少し離れたところに丘が…」 ありがとうございましたー、という店員の声を背に、店を出る。 しばらく無言で歩く二人。 気配はコソコソと後をつけてくる。 「不愉快だな…誰かを思い出すよ」 「ん?誰?」 「パツキン死神」 「…………」 下手な気配の隠し方。 いや…あれは、初めから気配を消す気など無かった。 わざと自分の姿を見え隠れさせ、相手の油断を誘う手法。 誰も、自分の気配を消せないような相手に警戒したりはしないから。 …これも、そうなのか? 「違うな」 フィブリゾのシリアス思考を、フィアナがあっさり切り裂いた。 「それにしては、妙にコソコソし過ぎている。 多分、本気で気配を隠すのがヘタクソなんだ」 「…なんか、すっごく係わり合いになりたくないなぁ…」 「今更言うか」 二人は、ぶつぶつ言いながら、すぐ向こうに見えたブロック塀の角を曲がる。 気配も慌てて付いて来て曲がる。 フィブリゾとフィアナが並んで待っていた。 「…………」 「…………」 「…………」 流れる沈黙三人分。 フィブリゾもフィアナも何も言わない。 こういうのを何と言うのだろうか。 呆然とする…では無い。 呆気に取られる…でも無い。 驚愕に立ち竦む…もっと違う。 そう…反応に、困った。 相手は、小さな女の子だった。 薄い茶髪。クリーム色、というのだろうか。 多少ウェーブが掛かっているが、さほど気にならない。色とりどりのビーズアクセサリーに彩られている。 きょろきょろ動く、緑色の瞳。フィアナの瞳よりも少し濃いだろうか。 魔道士ルックのその少女は、状況がイマイチ理解できていないようだった。 何故二人が自分と向かい合っているのか、何故二人が自分を注視しているのか解らないらしい。 「…なんだ、この子供は?気色悪ぅ」 明らかな悪寒に、少し身を引くフィアナ。 当然かもしれない。目の前の少女は、明らかに尋常ではなかった。 生き物の気配と、生き物でない気配が同時にする。 リビングデッド…にも似て、それとはまた違う。 「…ああ」 少し甘めの可愛らしい声。 しかし、気の強そうな、生意気そうな響きをも含んだ声。 少女はようやく状況の理解が完了したらしく、納得したように手を打った。 そしてフィブリゾをきろりと睨み、 「やるじゃん」 「…………」 「…………」 ほめられた。 いや、ほめられてどうする。 完璧に手詰まりのフィアナが、フィブリゾの判断を仰ぐように、隣を見た。 そして、少し首を傾げる。 フィブリゾは、反応に困っていた。 反応に困って、少女を見詰めていた。 その唇が、動く。 過分に、信じられない、という響きを込めて。 「…パンドラ…!」 言い訳あんど言い逃れ。 そもそもパンドラとかヘルとか“イヴ”とかのこと覚えているひとがいるのかどうかすら不明ですが… お待たせしました、第二十六夜です。 どうでもいいけどなんで自分サブタイトルのカウント『夜』にしたんやろ。 打ち込み間違い安くて仕方ないわ。 実際著者別の奴間違って『話』で投稿したし。 また修正願い出さないと。 幕。 |
17260 | どうも、御久し振りです | GURE−TO MASA | 2005/9/24 22:49:50 |
記事番号17259へのコメント 更新を待って、やっと更新されました。 復帰、お待ちしていました。 今後も、頑張って下さい。 |
17262 | こちらこそv | 遙琥珀 URL | 2005/9/25 02:10:40 |
記事番号17260へのコメント >更新を待って、やっと更新されました。 >復帰、お待ちしていました。 >今後も、頑張って下さい。 また何かの拍子に途切れるかとは思いますが(汗) ふと、こちらを進めたい気分になり、戻ってまいりました。 これからも色々あるかと思いますが、気長にお付き合いくださいませ。 |
17263 | こちらこそ | GURE−TO MASA | 2005/9/25 11:41:59 |
記事番号17262へのコメント セフィクス、よろしくお願いしますね。 バイトや大学もあり、返事がなかなか書けませんが、降魔戦争を最後まで見ていきたいと思っております。 では、今日は失礼します。 |
17264 | うぐはっ(汗) | 遙琥珀 | 2005/9/25 13:09:55 |
記事番号17263へのコメント >セフィクス、よろしくお願いしますね。 やっぱり冥王軍メインのこの話では影が薄いんですが(汗) まぁ、ぼちぼち。 PCクラッシュで詳細設定が消えてしまったということもあり(汗) >バイトや大学もあり、返事がなかなか書けませんが、降魔戦争を最後まで見ていきたいと思っております。 >では、今日は失礼します。 気長に見守ってやってください。 それではv |
17265 | そうでしたか | GURE−TO MASA | 2005/9/25 13:59:47 |
記事番号17264へのコメント 詳細設定をメールで送っておきましょうか? |
17268 | そうなのです | 遙琥珀 URL | 2005/9/25 22:15:26 |
記事番号17265へのコメント >詳細設定をメールで送っておきましょうか? そうしていただけると心底ありがたい(汗) お願いです。 |
17261 | 第二十七夜:旋律 | 遙琥珀 URL | 2005/9/25 02:09:38 |
記事番号17251へのコメント 「パンドラ…?」 状況の飲み込めていないフィアナが、訝しげな表情を顔面に貼り付ける。 フィブリゾは…ゆっくりと、パンドラと呼ばれた少女に歩み寄る。 「どうして、君が…」 ここにいるはずが、無いのだ。 開発段階の可動人形。 『パンドラ』はまだマシに動ける方とはいえ…戦闘はおろか、満足に喋りさえできなかった筈なのに。 ガイアが、ここまで完成させたということなのか? 「…………」 パンドラは、きゅるり、と眼球を動かし…フィアナを見る。 真正面から、見据える。 交錯する、緑と翠。 その瞬間、パンドラは外見上の動きを停止させた。 「…え?」 何が起こったのか解らないフィブリゾ。 何が起こったのか解らないフィアナ。 パンドラは、二人の様子など見ていなかった。 何かに固定された様に、フィアナの顔を見詰めていた。 目をまんまるにして。 心底意外そうに。 心底心外そうに。 心底不思議そうに… 「おねえさま」 呟いた。 フィアナは軽く顔を歪めた。 何と答えていいか解らなかった。 何と反応すればいいか解らなかった。 と、不意に。 糸が切れるように。 何かが壊れるように。 がくん、とパンドラは崩れ落ちた。 膝を地面に付き…光の消えた目で、なおフィアナを目視して。 前のめりに、倒れた。 「パンドラっ」 慌ててパンドラに駆け寄るフィブリゾ。 どうやら内蔵電池が切れたか何かしたらしい。 その様子を遠目に見詰めるフィアナは、渋い表情を隠せずにいた。 「可動人形、か…」 フィアナは、宿に戻る道すがら、何処か遠い目をして呟いた。 「解るの?」 「機械工学部に知り合いがいてさ。 あそこも昔、そういうの研究してたらしいから…命知らずの、戦闘人形」 「…………」 なんとなく視線を外すフィブリゾ。 背に負ったパンドラ。 鵞毛の様に軽い筈の、可動人形の身体が、やけに重く感じられた。 機械工学部。 アークロンドが所属していた組織。 「…その時の結果は?」 興味から訊いてみる。 「それらしきものはできたらしいが、どうも思い通りにならなくて。 三年程で研究は打ち切られたよ」 フィブリゾの方を振り向きもせずに、フィアナは答えた。 フィブリゾは少しだけ考えた。 “イヴ”…ライアナの保管庫として使われた機械。 機械に、生きている…生きていた者の、魂を詰める。 形は違うが、可動人形と少し通じるところが無いだろうか。 「知り合いって、アークロンドのこと?」 「いや。可動人形の研究は、アークロンド入学前に終了した筈だ。 奴が遺された資料を見た可能性はあるがな」 あっさり否定するフィアナ。 その言い方に何処か引っ掛かるものを感じるフィブリゾ。 「…『遺された』資料…」 「その研究が潰れた理由…最高責任者の焼死なんだよな。 『完成した』可動人形に焼き殺されたよ。可動人形は直後に、スィーフィード様直々に破壊されたし…」 「…………」 多分、フィアナの知り合いは、焼死した最高責任者なのだろうとフィブリゾは思った。 勘でしか無いが、多分当たりだろう。 「何がそんなに上手くいかなかった訳?」 「…外…器、の方は割と簡単なんだよ。問題は中身、入れる魂。 候補はいくらでもあるけど、器に適合するものを見付けるのが一苦労。 運良く見付かっても、ほら、やっぱり魂ってナマモノだろ」 「魚みたいに言わないでよ」 「他に言い様無くて… ナマモノだろ。生きてた時…自分自身の器があった時が、やっぱりあるんだな。 その時のトラウマが何かあるんだろうけど…『何か』に対して過敏な反応を見せる魂が多くて。 それなりに強いしそれなりに戦えるんだけど、実戦にはとても投入できなかったよ」 「『何か』か…」 「『刃物』だったり『犬』だったり…『赤の竜神』だったり、個別だけど… …なんにしろ、ここまで仕上げられたお前は偉い」 ぷに、とフィブリゾに背負われたパンドラの頬をつつくフィアナ。 「…僕が仕上げたんじゃない」 フィブリゾは、ふいっと目を逸らした。 頭の上で、フィアナが、ふぅ、と息を付く。 フィブリゾは渋い顔で考え込んでいた。 仕上げたのは―――恐らく、ガイア。 自分とエイル、セフィクスの代わりに精神世界に戻った、銀色の冥王神官。 最後に一礼した彼女の、含みのある微笑が、目の裏に浮かぶ。 「…何をした、ガイア…」 フィブリゾは、小さく呟いた。 言い訳あんど言い逃れ。 短めにまとめてみました。 多分次は早めにお目見えできると思います。 幕。 |
17267 | Re:第二十七夜:旋律 | 京極師棄 | 2005/9/25 18:39:12 |
記事番号17261へのコメント どうもお久しぶりです。 話の続きを楽しみに待っていました! いや〜、フィアナさん出てきましたね〜。そしてパンドラさんとイブ。 これからの話の続きが楽しみです。 ソレでは短いですがコレにて・・・・ |
17269 | うわあ | 遙琥珀 URL | 2005/9/25 22:28:19 |
記事番号17267へのコメント >どうもお久しぶりです。 お久し振りです。 受験を前に現実逃避中です。 怒ってやってください。(遠い目) ていうかメールの返事サボりまくっててごめんなさい。 >話の続きを楽しみに待っていました! >いや〜、フィアナさん出てきましたね〜。そしてパンドラさんとイブ。 >これからの話の続きが楽しみです。 >ソレでは短いですがコレにて・・・・ しょうも無い話ですが、読んでくださってたら嬉しいですー。 これからも宜しくお願い致しますのですよー。 それでは、またv |
17270 | 第二十八夜:錆びたナイフは痛いでしょ? | 遙琥珀 URL | 2005/9/25 22:31:27 |
記事番号17251へのコメント そうしている内に宿屋が見えてきた。 両手が塞がっているフィブリゾの代わりに、フィアナがノブを回してドアを開け…ドアの脇に退く。 ありがとう、と言って、フィブリゾが宿へと歩み入る。 フィアナがその後に続いて。 そして、それぞれ十数の部品に断割された人間の死体を発見した。 「…………」 「…………」 恐らく、発見という単語には語弊があるだろう。 そこには、それしか無かった。 それしか見えないと言っても過言で無い程にそれしか無かった。 つい先程まで生きた人間だったそれらは、赫のこびり付いた欠片でしか無かった。 二人のすぐ近くで談笑していた生き物は、単なるモノへと成り下がった。 フライパンの中で牛肉の厚切りが焼ける、じゅうじゅうという音が、何処か遠くの世界の出来事の様に聞こえる。 恐らくこの中の誰かが注文したものだろうが…悲しいことに、誰一人として、もう口とお腹が直通していない。 頭部、胸部、腹部に腰部、左右上腕に手首、左右太股、左右脚部…ジグザグに、ズタズタに。 いっそ規則正しく、いっそ小気味良いまでに、あちらこちらに散らばっていた。 これら全部で一体何人の身体を形作っていたのか、それすらも最早判別不能。 宿の若女将がお気に入りだと言っていた薔薇を刺繍した絨毯にも、余す所無く血液がぶち撒けられていた。 若女将が見たら嘆くだろうが、その若女将も今、首だけの姿で床に転がっている。 身体や腕が何処に行ったのか知る術は無かった。 血液の匂い、髄液の匂い、肉片の匂い。 外まで漏れて来なかったのが不思議なくらいに。 タチの悪い前衛芸術だと言われれば、そうですかと頷いてしまいそうだ。 「…誰か」 フィアナが、静かに言う。 「誰か、この宿に入っていくのを感じたか?」 魔族と神族。 それくらいのこと…離れていたって、感知できる。 フィブリゾは正直に首を横に振る。 フィアナは?と問い返され、彼女も同じく。 互いに互いを見ていなかった。 この状況で…立ち竦む、驚愕する、以外にできることはあるまい。 フィブリゾは魔族、フィアナは神族。 たかが下等生物のこと、と笑っても良かったが。 良かったが…明らかに人間の所業では無い惨殺劇に、笑う神経など持ち合わせていなかった。 「…あーあ…」 現実世界から切り離された様なこの空間を…フィアナの声が繋ぎ合わせる。 フィブリゾは我に返った。 フィアナの――溜息の様な呟き。 それには過分に、何処かうんざりした様な響きが含まれていた。 なーんだ、とでも言いたげな、気怠そうな表情。 フィアナは、もう一度、あーあ、と呟いてからようやく、大広間に足を踏み入れる。 血と肉で真っ白なブーツが汚れるが、そんなことは気にしていなかった。 血と肉片に囲まれた、エプロンドレスのお嬢さん。 余りにも浮いていたが、そんなことすらどうでもいい。 フィアナは、レジ台の上にちょんと載せられていた首に歩み寄る。 さっき、ありがとうございました、と声を掛けてくれた店員。 その顔面には、未だ柔和な微笑みが湛えられていた。 偶然にか故意にか…綺麗な金色の巻き毛は、一筋も赫に染まってはいなかった。 フィブリゾは、今思い出したかの様に、はっ、と二階へ意識をやる。 エイルと…スクルドと、シェーラ。 三つの気配が、穏やかな波として伝わってくる。 ほっと胸を撫で下ろす想いのフィブリゾ。 ふと横手を見ると、フィアナが指を組み合わせて黙祷していた。 少し迷ったが、フィブリゾもそれに倣う。 この人間達とは、長い付き合いでは無い。 悠久の時の流れ、そのただ一点を共有したに過ぎない。 それで無くても、単なる下等生物に過ぎない。 同情も憐憫も、欠片も湧いては来ないけれど―――せめて、一時の、祈りを。 「…さぁて」 フィアナの声に目を開くフィブリゾ。 フィアナは笑っていた。 角度によっては、ほんの少し哀しそうに見える、そんな笑みで。 「つまらなくなってきやがった」 吐き捨てる様に、呟いた。 二階で未だ眠りこけていた三人を起こし、事情を説明する。 「あの女がやったのよ!」 スクルドは開口一番に、声高く主張した。 「あの女?」 「見たでしょ!あのぬぼーっとした女! あいつが食事でもしたんじゃないのっ?」 努めて穏やかな声を出すフィアナにまで、噛み付く様に言い募るスクルド。 フィアナは、ふにゅ、と妙な呟き声を上げて、フィブリゾを窺った。 フィブリゾは目を閉じて考え込む様子を見せたが…やがて、口を開いた。 「違うね。セフィクスにはこれだけの力は無い」 目覚めたての魔族。 フィブリゾにもフィアナにも気付かれずに、その周辺を動くなど、事実上不可能。 フィブリゾに諭すような口調で言われ、スクルドは黙るしかない。 「何より…これで食事になる筈無いよなー」 フィアナが何処か間延びした口調で言う。 ソファーの下や貯蔵庫など、誰かが隠れていそうなスペースを調べているようだった。 フィアナの台詞に、スクルドが戸惑った様に首を傾げる。 フィブリゾがその様子に小さく笑う。 「解らないのかい?スクルドはうっかりさんだねぇ」 手を伸ばし、手近にあった首をごろりと転がす。 その顔が示す表情は―――『喜』。 「…………」 「負の感情なんて、1mgも発生しちゃいないんだよ」 恐らく…自分が死んだことにすら、気付かなかっただろう。 さも当たり前の様に、次の一瞬を求めることすらせず、待機して。 そしてそれは、来なかった。 死を飛び越えて、魂になった。 それは、幸せなのか、憐れなのか。 「っていうか、だから君達、起きなかったんだろ?」 「…………」 フィブリゾの言葉に、俯くスクルド・エイル・シェーラ。 言葉の内に、自分達の無能を指摘されている気分になるのかもしれない。 黙る四人に…フィアナがちゃぷちゃぷ音を立てながら歩み寄ってくる。 ほっぺが赤く汚れていたりして、状況とは相異なって、ほんの少し微笑ましかった。 そちらに視線を移すフィブリゾ。 「何か解った?」 「この宿の料理人は天然素材にこだわっているね」 「…………」 貯蔵庫覗いてると思ったら。 「…何調べてたんだよ…」 「重要だぞ」 フィアナは至って真顔である。 言動からはそうは見えなくても、常に本気な女なのだ。 その加減が、一般とはずれているというだけで。 フィアナはしばらく、ぷぅ、と頬を膨らませていたが、 「それにしてもフィブリゾ」 「ん?」 「部下のしつけはきちんとな」 余りにもあっさり言われ…一瞬、聞き逃しそうになる。 「な…」 「ある種、お前の管理不行き届きにも責任があると思う」 「この子達がやったって言いたい訳!?」 「違う」 ヒートアップするフィブリゾ。 フィアナがピシャリと窘める。 スクルドもエイルもシェーラも、ただ成り行きを見守るしか無い。 「取り敢えず落ち着け。そんで考えろ」 そう言ってから、フィアナ自身もすこし考え、再び、ぷに、とパンドラのほっぺをつつく。 もしかしたらフィアナの中で、ほっぺをつつくのがブームなのかもしれない。 「こいつの作成責任者は誰だ?」 「…………? エイルだよ。途中までは僕も関わっていた」 僕も、を強調するフィブリゾ。 「ふん」 フィアナは、背後の、眼鏡を掛けた紫髪の冥王将軍を見やる。 続いて、改めてフィブリゾを見詰める。 なんとなくムッとするフィブリゾ。 軽く睨んでみた。 ウィンクされた。 なんか色んなものがあっという間にどうでも良くなった。 …ダメだ、格が違う。 フィアナは脱力しているフィブリゾを無視し(確信犯)、エイルに向き直る。 「作成に関与したのは、お前とフィブリゾだけか?」 「え…ええ」 「他の奴等は?」 「面通しは全員してあるけど。 作成に関わったのは―――」 そこで。 エイルは、台詞を止めた。 フィブリゾが、顔を上げる。 瞬間、音さえ立てて、二人の頭の中で何かが繋がった。 「そ…ん、な」 フィブリゾが漏らす、呻き声。 「まさか、ガイアが、そんな軽率なこと…」 「ああ、だから」 フィアナは瞳を閉じ。 考えて。 そして、放つ。 フィブリゾの意図を打ち砕くに、充分な言葉。 「軽率じゃない。 その場凌ぎじゃない。 いつまで経っても未完成の可動人形に業を煮やしたわけでもない」 初めから、その意図で。 イグナス組から…恐らくは、ノースト辺りから。 “イヴ”の詳細を聞いた時から既に、恐らく、企んでいたのだ。 アークロンドのコート。 ポケットから落ちたICチップ。 偶然を、機会に変えた。 拾って。 精神世界に帰還して。 最終段階へと突入していた、可動人形の『妹』タイプに――― 「狂戦士となるべき人形に入るのは――― とっておきの、とびっきりの狂戦士しかいないだろうよ」 ふと、目を上げたシェーラの目に。 フィブリゾの背後から、すっ、と白い手が伸びるのが映った。 言い訳あんど言い逃れ。 微妙に大変なことになってます。 第二舞台ラスト間近かも。 タイトルの意味は各自考えてください(笑) 幕。 |
17275 | どうでもです | GURE−TO MASA | 2005/9/26 17:03:30 |
記事番号17270へのコメント どうも、お疲れ様です。 セフィクスの詳細設定をメールで送っておきました。 何かあれば、言ってください。 >「あの女がやったのよ!」 >スクルドは開口一番に、声高く主張した。 >「あの女?」 >「見たでしょ!あのぬぼーっとした女! > あいつが食事でもしたんじゃないのっ?」 ぬぼーっとした女ですか。 スクルドには、そう思われているのですね、セフィクスは。 >努めて穏やかな声を出すフィアナにまで、噛み付く様に言い募るスクルド。 >フィアナは、ふにゅ、と妙な呟き声を上げて、フィブリゾを窺った。 >フィブリゾは目を閉じて考え込む様子を見せたが…やがて、口を開いた。 >「違うね。セフィクスにはこれだけの力は無い」 >目覚めたての魔族。 >フィブリゾにもフィアナにも気付かれずに、その周辺を動くなど、事実上不可能。 まあ、そうでしょうね。 まだ魔族になって、安定していませんし。 そう言えば、セフィクスはまだ観光しているのかな? 短いようですが、これで終わります。 では、頑張って下さいね。 |
17294 | セフィクス以外に興味無しデスか(汗) | 遙琥珀 URL | 2005/9/30 17:44:12 |
記事番号17275へのコメント >どうも、お疲れ様です。 >セフィクスの詳細設定をメールで送っておきました。 >何かあれば、言ってください。 いえ特に。 あれでいいと思います。 >>「見たでしょ!あのぬぼーっとした女! >> あいつが食事でもしたんじゃないのっ?」 >ぬぼーっとした女ですか。 >スクルドには、そう思われているのですね、セフィクスは。 今ン所何も喋らず突っ立ってるだけですから。 >>フィブリゾにもフィアナにも気付かれずに、その周辺を動くなど、事実上不可能。 >そう言えば、セフィクスはまだ観光しているのかな? 多分何処かでぼーっとしてます。 > >短いようですが、これで終わります。 >では、頑張って下さいね。 > 今日出願用紙を提出してきたところです。 お互いに頑張りましょうです。 それでは。 |
17295 | 第二十九夜:具現 | 遙琥珀 URL | 2005/9/30 18:18:24 |
記事番号17251へのコメント 人間の意識は危機に瀕すると周囲の状況をスローモーションのように感じるという。 どうやら魔族も同じだったらしい。 白い―――皓い、手。 冥王の肩の向こうに揺れる、クリーム色の髪。 昼間にしては明るすぎる室内の光に照らされ―――黄金に、輝いた。 ぞわり、と背中を走る悪寒。 先程よりも強く、それを感じた。 光の無い緑色の瞳が、フィブリゾを貫通して、シェーラを見据えている。 瞳孔の無い。“イヴ”の瞳。 「―――フィブリゾ様!」 反射的に。 見栄も恥も外聞も無く、シェーラは彼の名を叫んだ。 「う あああああああああああっ!」 シェーラの声に反応してか、フィブリゾが動く。 ぶわっと魔力反応が部屋に渦巻く。 それは、技などと呼べるものでは無かった。 単なる精神力の具現。 精神世界に置いてきた『冥王』のほんの一部が、物質世界に召喚されただけ。 しかし、急に開放された冥王の精神力に、立ち上がり直後の可動人形が対応できる筈も無い。 何しろ、彼女の存在を可能にする『器』はただの小さくてか弱い女の子だ。 無様に吹っ飛び、壁に叩き付けられる。 それでもあっという間に体勢を立て直す辺りが流石。 起動音の余韻か単なる威嚇か、低い唸り声に似た音を立てるパンドラ。 「そんな…」 エイルは今ひとつ状況に付いて来れていない様だ。 スクルドに至っては完璧に置いてけぼりである。 「さっき、きちんとバッテリー切れは確認したのに…」 信じられない様子のエイル。 その傍をすっと通り過ぎ、フィアナはパンドラと向かい合った。 何を考えているのか、目を閉じている。 まぁ、彼女には視覚など無くとも周囲の様子くらいわかるだろう。 何か考えがあってのことなので、何も言わないことにする。 「そんなもんこいつ相手に通用するかよ。 綺麗な理論だの論理だのが見たいなら算数の教科書でも読んでろ。 常識なんてひと山いくらの二級品でしか無いんだから」 めちゃくちゃな理論だったが、彼女の言うことに関しては誰も異論を唱えられない。 フィアナ程、常識だの何だのがアテになどならないことを見詰め続けた存在は、そうはいないだろうから。 だからこそ―――ハイエンド。 それでこその―――フィアナ=『ルートヴィッヒ』。 「流石だよ」 ぱち、ぱち、ぱち…と、気が抜けた様な拍手を送るフィブリゾ。 敢えて話さなかったのに。 あっと言う間に、看破された。 システム-“イヴ”の、真の役割。 「こちとら、実の姉なもんでねぇ―――…」 切っても切れない腐れ縁。 どんなに疎ましく思っても、離れられない。 どんなに望んでも得られない。 どうしようも無いのなら―――まぁ、流れに身を任せるってのも、寛大っぽくてたまにはいいんじゃないでしょうか。 だからこそ、フィアナは笑う。 怒っても泣いても、どうにもなりはしないから。 取り敢えず、笑ってみましょうか。 フィアナは笑う。 パンドラは笑わない。 表情プログラム、未入力。 黙ってフィアナを見詰めている。 今度は何の反応も示さない。 首を傾げるフィブリゾ。 「…瞳…か」 「え?」 「さっきは、フィアナの瞳に反応したのかな、とか」 フィアナはそれを察して目を閉じた訳である。 「何をするつもりなんだろう…」 フィブリゾは腕を組み…傍観体勢に入った。 うるるるるる、と謎の音を立て続けているパンドラ。 ゆっくりと、瞳の色が変化する。 緑から翠へ。そして碧へ。 碧から―――青へ。更に―――蒼へ。 済んだ、空の色。 「ふん。笑かしてくれんよ」 フィアナが鼻で笑う。 目を開けてないのに何処で感知しているのかかなり謎だが…ま、フィアナだから。 何か方法があるのだろう。 「魂の呼応、かしら」 スクルドが呟く。 パンドラに入っているのは、純粋とは言え、ライアナの『欠片』。 意思も記憶もほんの欠片、ほとんど意味を成さない程度のものだろう。 その、欠片が…実の姉に出会ったことで、急速に『足りない部分』を構築しようとしている。 「さぁて…」 フィアナは、小声で。 「私は、お前をなんと呼ぼう?」 だんっ! パンドラが地を蹴り、フィアナに飛び掛った。 フィアナは―――避けない。 そのまま、血の溜まった床に押し倒される。 パンドラの動きが少々ぎこちないものになる。 動かない相手を敵と認識したプログラムに、自己診断を走らせているのかもしれない。 「フィアナ?」 「まぁ、落ち着け」 呆れた様な声を出すフィブリゾ。 フィアナが穏やかに返す。 しばらくパンドラはぎくしゃくしていたが…やがて、『フィアナは敵』という最終判断を下したらしかった。 その手をフィアナの首に伸ばし――― 至近距離で二人の顔が向き合った瞬間、フィアナは目を開けた。 翠の瞳。 パンドラは再び動きを止める。 動かない。 動けない。 ライアナが今際の際に見詰めたであろう―――澄んだ瞳を前にして。 フィアナはパンドラを正面から見詰め…優しく、微笑んだ。 「お帰り」 「…ぐ」 パンドラが小さく呻く。 「ぐ。う。う。うううううううううううううううううううう」 大きく見開いた両の瞳から、ぼろぼろぼろ、と大粒の涙が零れ落ちる。 可愛い女の子が無表情に零す涙。 それはなかなかに凄惨で、痛ましくて、浮き世離れした光景だった。 「うう。うう…」 しゃがみこんで、頭を抱え。 いやいやをする様に、ぶんぶんと横に振る。 「…………」 「メモリが耐え切れないんですよ」 エイルが呟いた。 「フィアナとの再会で、急速に構築されていく意識。 それらを全て収め得るほどのメモリは入れてません」 「う。う…」 パンドラは、がくがくがく、と身体を震わせ…そして、 「がううっ!!」 獣さながらの吼え声と共に、フィアナの喉首目掛けて―― かちゃり。 パンドラの牙が、フィアナのやわらかい首筋を切り裂く一瞬前。 パンドラの腹に、固いものが押し当てられた。 目を丸くするパンドラ。 口元を歪ませるフィアナ。 「…ばーんっ」 フィアナの間の抜けた声。 同時に比べ物にならない程の炸裂音。 パンドラが吹っ飛ぶ。 フィアナに吹っ飛ばされたのかと思ったが、どうやら自ら避けた様だ。 「あー。よっこらしょ」 床に溜まった血で、血塗れになったフィアナが起き上がる。 その右手に、黒い金属の物体が握られていた。 「う、う…」 パンドラが怯えた様な顔で、数歩下がる… 「あんまり、いじめないでほしいね―――」 扉の前から、声がした。 言い訳あんど言い逃れ。 頑張っていきましょー。 幕。 |
17307 | きっても切れないコレは、絆なのでしょうか… | 青月かなた | 2005/10/10 18:11:52 |
記事番号17295へのコメント こんにちは、たぶんこの作品のカプでアークロンド×ライアナが一番好きかもとか思う青月です。 ちなみに、これからは遥陽様と呼ばせて頂こうと思っています。 >「―――フィブリゾ様!」 >反射的に。 >見栄も恥も外聞も無く、シェーラは彼の名を叫んだ。 シェーラさんは何事に関しても素直っぽっいところがイイナと思っています。 >しかし、急に開放された冥王の精神力に、立ち上がり直後の可動人形が対応できる筈も無い。 できたらかなり末恐ろしいよなと思ったり。 >無様に吹っ飛び、壁に叩き付けられる。 >それでもあっという間に体勢を立て直す辺りが流石。 >起動音の余韻か単なる威嚇か、低い唸り声に似た音を立てるパンドラ。 凶戦士の資質、たっぷりですね。 >「そんな…」 >エイルは今ひとつ状況に付いて来れていない様だ。 >スクルドに至っては完璧に置いてけぼりである。 なんかちょと可愛い、とか思ってしまいました。 >「そんなもんこいつ相手に通用するかよ。 > 綺麗な理論だの論理だのが見たいなら算数の教科書でも読んでろ。 > 常識なんてひと山いくらの二級品でしか無いんだから」 >フィアナ程、常識だの何だのがアテになどならないことを見詰め続けた存在は、そうはいないだろうから。 たしかに…(苦笑)この流れるような話しぶりが好きです、フィアナさん。 >システム-“イヴ”の、真の役割。 >「こちとら、実の姉なもんでねぇ―――…」 >切っても切れない腐れ縁。 >どんなに疎ましく思っても、離れられない。 >どんなに望んでも得られない。 それは、縁か、絆か、…運命でしょうか。 >どうしようも無いのなら―――まぁ、流れに身を任せるってのも、寛大っぽくてたまにはいいんじゃないでしょうか。 寛大……… >フィアナは笑う。 >パンドラは笑わない。 >表情プログラム、未入力。 この辺は人形ですねぇ。 >「何をするつもりなんだろう…」 >フィブリゾは腕を組み…傍観体勢に入った。 私…余裕たっぷりな冥王様が好きだったりします。 >ゆっくりと、瞳の色が変化する。 >緑から翠へ。そして碧へ。 >碧から―――青へ。更に―――蒼へ。 >済んだ、空の色。 もう二度と開かなかったはずの、ライアナさんの色ですね。 >その、欠片が…実の姉に出会ったことで、急速に『足りない部分』を構築しようとしている。 本当に…きってもきれない腐れ縁ですね。 >翠の瞳。 >パンドラは再び動きを止める。 >動かない。 >動けない。 >ライアナが今際の際に見詰めたであろう―――澄んだ瞳を前にして。 胸に去来する想いは、なんだったのでしょう… >フィアナはパンドラを正面から見詰め…優しく、微笑んだ。 >「お帰り」 >「…ぐ」 …お帰り、なのでしょーか。 >「あー。よっこらしょ」 >床に溜まった血で、血塗れになったフィアナが起き上がる。 >その右手に、黒い金属の物体が握られていた。 銃、ですか? >「う、う…」 >パンドラが怯えた様な顔で、数歩下がる… 怯えるだけの感覚は残っているのだなぁと少し安心したりしました。 >「あんまり、いじめないでほしいね―――」 いじめているとは違う気がしますが…。 とりあえずこれからのロンドさんのイっちゃたぷっりを期待(?)しつつ傍観していこうと思います。 それでは、またいつか〜♪ |
17310 | これこそ『惰性』かも。 | 紫堂 遙陽 URL | 2005/10/11 21:10:07 |
記事番号17307へのコメント >こんにちは、たぶんこの作品のカプでアークロンド×ライアナが一番好きかもとか思う青月です。 > ちなみに、これからは遥陽様と呼ばせて頂こうと思っています。 はい、好きに呼んで下さいませv おおっ、アクライ好き発見!(汗) 支持するひといるのか?と自分でもちょっと不安だったのにっ!(汗) > >>「―――フィブリゾ様!」 >>反射的に。 >>見栄も恥も外聞も無く、シェーラは彼の名を叫んだ。 >シェーラさんは何事に関しても素直っぽっいところがイイナと思っています。 同じく。 無意味に飾り立てるよりも、率直で。 そこがフィブリゾ様の心にダイレクトに響いて…(やめれ) >>しかし、急に開放された冥王の精神力に、立ち上がり直後の可動人形が対応できる筈も無い。 >できたらかなり末恐ろしいよなと思ったり。 その内できるようになったりして。 …怖いですね。確かに。 >>無様に吹っ飛び、壁に叩き付けられる。 >>それでもあっという間に体勢を立て直す辺りが流石。 >>起動音の余韻か単なる威嚇か、低い唸り声に似た音を立てるパンドラ。 >凶戦士の資質、たっぷりですね。 中身がアレですから(汗) >>「そんな…」 >>エイルは今ひとつ状況に付いて来れていない様だ。 >>スクルドに至っては完璧に置いてけぼりである。 >なんかちょと可愛い、とか思ってしまいました。 ぽかーんと突っ立ってるスクルドの姿を想像してください(笑) 目が点。 >>「そんなもんこいつ相手に通用するかよ。 >> 綺麗な理論だの論理だのが見たいなら算数の教科書でも読んでろ。 >> 常識なんてひと山いくらの二級品でしか無いんだから」 >>フィアナ程、常識だの何だのがアテになどならないことを見詰め続けた存在は、そうはいないだろうから。 >たしかに…(苦笑)この流れるような話しぶりが好きです、フィアナさん。 好きでいてくれるならうれしいですv >>システム-“イヴ”の、真の役割。 >>「こちとら、実の姉なもんでねぇ―――…」 >>切っても切れない腐れ縁。 >>どんなに疎ましく思っても、離れられない。 >>どんなに望んでも得られない。 >それは、縁か、絆か、…運命でしょうか。 …なんなんでしょうねぇ。 血筋すらぶっ飛んだ何かが、あるんでしょう。 >>どうしようも無いのなら―――まぁ、流れに身を任せるってのも、寛大っぽくてたまにはいいんじゃないでしょうか。 >寛大……… なのかどうかは本当はわからない。 >>フィアナは笑う。 >>パンドラは笑わない。 >>表情プログラム、未入力。 >この辺は人形ですねぇ。 ニンギョウ、というより、ヒトガタ、といった方が近い気もします。 >>「何をするつもりなんだろう…」 >>フィブリゾは腕を組み…傍観体勢に入った。 >私…余裕たっぷりな冥王様が好きだったりします。 私もv >>ゆっくりと、瞳の色が変化する。 >>緑から翠へ。そして碧へ。 >>碧から―――青へ。更に―――蒼へ。 >>済んだ、空の色。 >もう二度と開かなかったはずの、ライアナさんの色ですね。 それが開いた。 今回はここまで『普通』じゃない。 >>その、欠片が…実の姉に出会ったことで、急速に『足りない部分』を構築しようとしている。 >本当に…きってもきれない腐れ縁ですね。 当事者は切ることを望むのかな? >>翠の瞳。 >>パンドラは再び動きを止める。 >>動かない。 >>動けない。 >>ライアナが今際の際に見詰めたであろう―――澄んだ瞳を前にして。 >胸に去来する想いは、なんだったのでしょう… 混乱? いえ、もっと複雑な想いでしょうね。 >>フィアナはパンドラを正面から見詰め…優しく、微笑んだ。 >>「お帰り」 >>「…ぐ」 >…お帰り、なのでしょーか。 …多分。(おい。) >>「あー。よっこらしょ」 >>床に溜まった血で、血塗れになったフィアナが起き上がる。 >>その右手に、黒い金属の物体が握られていた。 >銃、ですか? 次回詳しく説明しますv >>「う、う…」 >>パンドラが怯えた様な顔で、数歩下がる… >怯えるだけの感覚は残っているのだなぁと少し安心したりしました。 生物の本能ですから。 >>「あんまり、いじめないでほしいね―――」 >いじめているとは違う気がしますが…。 >とりあえずこれからのロンドさんのイっちゃたぷっりを期待(?)しつつ傍観していこうと思います。 > >それでは、またいつか〜♪ レスありがとうございましたv またいつか、お会いしましょうv |