◆−家族の写真外伝:大地の桜に驟雨の幸を 前編−羅城 朱琉 (2005/11/21 08:34:11) No.17382 ┣・・・・マリリン?(レイティスの設定を見て)−十叶 夕海 (2005/11/21 22:31:39) No.17387 ┃┗もしかして、とは思ったんですが・・・・−羅城 朱琉 (2005/11/22 08:37:35) No.17392 ┣家族の写真外伝:大地の桜に驟雨の幸を 中編−羅城 朱琉 (2005/11/26 10:19:36) No.17401 ┃┗理由は似ていても、環境はこんなにも違う−十叶 夕海 (2005/11/26 21:16:30) No.17402 ┃ ┗あるいは、心の持ち様の差かも。−羅城 朱琉 (2005/11/28 08:32:07) No.17404 ┗家族の写真外伝:大地の桜に驟雨の幸を 後編−羅城 朱琉 (2005/12/20 08:19:10) No.17445 ┗明けない夜が無いように、アリエス嬢の氷も溶けますように−十叶 夕海 (2005/12/24 20:59:54) No.17451 ┗Re:明けない夜が無いように、アリエス嬢の氷も溶けますように−羅城 朱琉 (2006/1/12 10:09:58) No.17461
17382 | 家族の写真外伝:大地の桜に驟雨の幸を 前編 | 羅城 朱琉 | 2005/11/21 08:34:11 |
(注:シヴァが偽者です。そして、雰囲気が変です。気をつけて読んでください。) 人は皆、何かしらのしがらみを抱えて生きている。 それは、曲げられない信念であったり、心を焦がす憎しみであったり。 そしてここにも、過去に囚われた少女が一人。 その名を・・・・・・・・ 『家族の写真』外伝 大地の桜に驟雨の幸を 前編 「お嬢ちゃんが噂の『千里眼のオルフェーゼ』?」 「・・・・そうですが。《梓瑠媚曾》リーダー・シヴァ=オルコットさんが、何の御用でしょう?」 夜の街の片隅、決して安全ではない路地裏。『千里眼のオルフェーゼ』と呼ばれた少女――恐らくは、まだ『少女』と呼ばれる年頃だろう。服装は、黒のパンツスーツに同色のハイヒール。屋外で、夜であるのに薄い色のサングラスをかけ、左手の中指に大振りな暗赤色の石のついた指輪をしているという、場所にまったくそぐわないものであるが――は、そう言って目を眇めた。 「依頼だ。ここに来れば会える、って聞いたんでね。」 オルフェーゼはシヴァに目線もくれず、正面を向いたまま独り言のように呟いた。 「《梓瑠媚曾》リーダー・シヴァ=オルコット。6月10日生まれで、現在25歳。絶大なカリスマを誇るも、『ある一人』が関わった瞬間正気をなくす。髪は元銀髪だか、その人のイメージに合わせるためだけに染めており・・・・」 一瞬流れた冷ややかな空気と、それに付随した『死』を、オルフェーゼは硬質な金属音を立てて受け止め、さらりといなす。 「単なる確認事項ですよ、そんなに怒らないで下さい。第一、ここでそんなもの出すべきではありません。」 シヴァは、その手に握ったナイフを・・・・本来ならば、確実にオルフェーゼの頚動脈を切り裂くはずだった、しかし、オルフェーゼの手に握られた、たたまれたままのバタフライナイフに受け止められたそれを、少なからぬ驚愕と共に見つめた。 「私の噂を聞いたのでしたら、このくらいは承知の上かと思っていましたが?」 ナイフを袖口に収めつつ言うオルフェーゼに、同じくナイフを収めながら、シヴァが答えた。 「『腕はいいが性格は最悪』、『忍耐力の限界に挑戦する必要がある』、『どこにも属さず、ただ気に入った人のみに協力する。』・・・・。聞いてはいたさ。聞いては・・・・な。」 オルフェーゼは、少しだけ口の端を吊り上げた。笑った、のだろう。 「こんな子供に手玉に取られて悔しい、ですか?でも、私としては、これも自衛手段の一つですのでご容赦を。・・・・・・・・依頼、でしたね?一つ、質問に答えて下されば、出来うる限り協力しましょう。」 わけがわからない、といった顔のシヴァに、オルフェーゼは少しだけ優しく微笑む。 「あなたは興味深い。・・・・気に入りましたよ。」 「褒め言葉として受け取っておこう。」 オルフェーゼはひとしきり笑うと、急に真剣な声色で問うた。 「さて、まず質問に答えていただけますか?これも、噂を聞いたのならばご存知かと思いますが・・・・」 シヴァは軽く頷く。『必ず、最初に一つ質問される。それに答えなければ、情報は得られない。』という噂が、確かにあった。 「ではまず、これは確認ですが・・・・『レイティス=アイルテ』をご存知ですか?」 「ここじゃ、知らないやつのほうが珍しいだろうな。あの『伝説の情報屋』だろう?」 「ええ。・・・・・・・・では、そのレイティスを殺した『吸血鬼』に心当たりは?」 「・・・・いや。」 それは、当時結構話題になった事件だった。3年ほど前のある朝、一人の男性が、全身の血を抜き取られ殺害されているのが発見された。男性の名は、レイティス=アイルテ。裏に関わる者ならば、誰しも一度は耳にした事のある、凄腕の情報屋だった。その奇怪な殺され方から、三流ゴシップ誌やオカルト雑誌は、こぞって『吸血鬼の仕業か!?』と書きたてたものである。 オルフェーゼは、シヴァの瞳をじっと見つめた。サングラス越しに煌く瞳は、ただの情報屋とは思えないほど物騒な光を放っている。やがて、オルフェーゼは小さく息を吐いた。 「その言葉に、嘘はないようですね。・・・・依頼、お引き受けしましょう。この場で話すのも何ですね。詳しい内容は、ここに送ってください。」 そう言って、オルフェーゼは名刺を差し出した。それは、『オルフェーゼ』の名前とメールアドレスだけの簡単なもの。恐らく、必要以上に情報を知られないようにするためだろう。 そして、オルフェーゼはくるりと踵を返し、夜の街へと歩き出す。その去り際まで鮮やかで・・・・。だから、シヴァは知らない。同じく、すぐにその場から立ち去ったシヴァは、聞くことがなかった。 そんな凛々しい少女がぽつりと漏らした言葉が、 「時間掛けすぎた・・・・。まだ宿題やってないのに・・・・。」 などと言うものだったことを。・・・・・・・・幸か不幸か、その言葉は誰にも聞かれることなく、夜明けの薄闇に溶けた。 * * * * * 時乃学園は、広い。そしてもちろん、それに見合うだけの生徒数もいるわけで。 銀の長髪を三つ編みに纏め、淡緑色の瞳を覆うのはフレームの無い眼鏡。細身で小柄な体躯を持つ、どこの学年にも一人はいるような、見るからに『優等生』な少女・・・・時乃学園高等部1年生、アリエス=ラーナもそのひとりであった。 「・・・・とまあ、こうして導き出された結果を、この2の式に代入すると・・・・」 『黒板に話しかけるだけ』と悪評高い教師が担当する数学は、寝ている人が多い。アリエスもまた、眠らないまでもぼーっとしながら、授業を適当に聞き流していた。おりしも、季節は春。『春眠暁を覚えず』と詠ったのは一体誰だったか忘れたが、この時期は誰しも眠いものと相場は決まっている。つい、と前に視線をやると、真っ白なふわふわ巻き毛が視界に入った。 (アルト=ヴァリード、15歳。ヴァリード家次男。・・・・調査対象『ディスティア=ヴァリード』の弟・・・・。) 心の中で呟き、アリエスはこっそりとため息を漏らす。 ここまでやりにくい『仕事』は初めてだ、と思いつつ。それでも、そのプライドからか、僅かに不敵な笑みを浮かべた。 アリエス=ラーナ・・・・もとい、『アリエス=オルフェーゼ=ラーナ』。高校生であり、情報屋・『千里眼のオルフェーゼ』でもある少女は、周囲にわからない程度に笑みを浮かべつつ・・・・・・・・ ・・・・・・・・全く足りていない睡眠時間を確保するため、本格的に顔を伏せ、寝息を立て始めた。 あとがき 改めまして、こんにちは。「家族の写真」の外伝、なんですが・・・・どうだったでしょうか?反応が気になるところです。 一応、上中下の3話で完結予定ですので、今しばらくお付き合いください。 では、アリエスとレイティスの設定です。 名前:アリエス=オルフェーゼ=ラーナ(アリエス=ラーナ) 性別:女 誕生日:4月20日 年齢:16歳 立場:時乃学園高等部1年(アルトと同じクラス)、情報屋 外見:銀色の腰より長い髪、淡緑色の瞳。身長152.5cm。それなりに女らしい体格、細身。着やせするたち。 服装:学校→髪をゆったりと三つ編みにしている。フレームの無い眼鏡(伊達)をしている。ぱっと見、目立たない優等生。 裏→髪は大抵下ろしている。眼鏡はなし、もしくは薄い色のサングラス。パンツスーツに黒のハイヒール。左手の中指に『血紅玉』の指輪。『姐さん』呼ばわりされても不思議でない感じ。 口調:一人称;私、二人称;あなた、三人称;〜さん、(よほど親しい人に対しては)呼び捨て 表→あまり喋らないが、話すときはひたすら丁寧語。勘のいい人は、当たり障りのないことを返しているだけだと気付く。 裏→丁寧というよりは慇懃無礼。初対面の人に対しては殊に嫌味と毒舌の限りを尽くす。(理由は、備考3を参照)親しい人や、信用の置ける人には、上辺だけではない敬意を払う。 武器:メインウェポン;暗赤色の刃のコンバットナイフ(レイティスの形見) サブウェポン;バタフライナイフ(常時2本は携帯) 特殊能力:『占術師(フォーチュンテラー)』。 一瞬先から、最長半年後くらいまでの未来を見ることができる。応用として、ある程度条件を未来に仮定し、その結果となる未来を見る『シミュレーション』も可能。ただし、すごく疲れる。他人の未来を見たり、シミュレーションをすることも出来るが、そのためには相手に触れなければならない。(服越し、武器越しでも可) 備考:通称、『千里眼のオルフェーゼ』。裏社会(?)に足を突っ込んでいる。裏では『オルフェーゼ』と名乗っている。《シルフィダンサーズ》連合と敵対しているチームに雇われた情報屋。かなり腕はいい。 備考2:情報屋として裏社会に入った理由は、レイティスを殺した犯人を突き止めるため。 備考3:特殊能力を使い、相手が未来において自分に危害を加えないかを見る癖がついている。(そのために、特に裏では、初対面の相手を怒らせて攻撃させ、接触する。) 備考4:表向きは、5歳のときに両親と姉を亡くし、最近唯一の親類も亡くしたため、奨学金で時乃学園に通う苦学生。 名前:レイティス=アイルテ 性別:男 誕生日: 12月18日 年齢:26歳(享年) 立場:アリエスの兄代わりの従兄。伝説の凄腕情報屋 外見:亜麻色の、襟足に付くくらいで無造作に切られた髪、鮮やかな青の瞳。身長178cm。一見、細身で女顔の優男。男女どちらにも『美しい』と思わせる顔。 服装:その時の気分しだいでいろいろ。何を着てもさまになる。 口調:一人称;僕、二人称;あなた、もしくは君、三人称;呼び捨て 非常に柔らかで、優雅とさえいえる、しかも相手に不快感を与えない言葉遣い。 武器:自らの能力で生み出した、暗赤色の刃のコンバットナイフ 特殊能力(体質?):『鮮血の秘宝(ジェム・ブラッド)』 体外に出た血が、暗赤色・透明の、ダイヤモンド並の硬度を持つ宝石(『血紅玉』)になる。完全に固まる前ならば、レイティスの意思で形を変えられる。その石を持つ者を、あらゆる特殊能力から守る。 備考:早くに家族を亡くしたアリエスを引き取って育てた人であり、アリエスに情報屋としての手ほどきをした人でもある。3年ほど前に、全身の血を抜き取られて殺された。 備考2:口調が丁寧なのは、相手の油断を誘うため。美しい外見も有効活用していた。 では、また! |
17387 | ・・・・マリリン?(レイティスの設定を見て) | 十叶 夕海 | 2005/11/21 22:31:39 |
記事番号17382へのコメント > 『家族の写真』外伝 > 大地の桜に驟雨の幸を > 前編 > > ユア;レス行きたいのですが。 久遠;タイトルが読めないと。 >「お嬢ちゃんが噂の『千里眼のオルフェーゼ』?」 >「・・・・そうですが。《梓瑠媚曾》リーダー・シヴァ=オルコットさんが、何の御用でしょう?」 > 夜の街の片隅、決して安全ではない路地裏。『千里眼のオルフェーゼ』と呼ばれた少女――恐らくは、まだ『少女』と呼ばれる年頃だろう。服装は、黒のパンツスーツに同色のハイヒール。屋外で、夜であるのに薄い色のサングラスをかけ、左手の中指に大振りな暗赤色の石のついた指輪をしているという、場所にまったくそぐわないものであるが――は、そう言って目を眇めた。 >「依頼だ。ここに来れば会える、って聞いたんでね。」 > オルフェーゼはシヴァに目線もくれず、正面を向いたまま独り言のように呟いた。 >「《梓瑠媚曾》リーダー・シヴァ=オルコット。6月10日生まれで、現在25歳。絶大なカリスマを誇るも、『ある一人』が関わった瞬間正気をなくす。髪は元銀髪だか、その人のイメージに合わせるためだけに染めており・・・・」 > 一瞬流れた冷ややかな空気と、それに付随した『死』を、オルフェーゼは硬質な金属音を立てて受け止め、さらりといなす。 >「単なる確認事項ですよ、そんなに怒らないで下さい。第一、ここでそんなもの出すべきではありません。」 > シヴァは、その手に握ったナイフを・・・・本来ならば、確実にオルフェーゼの頚動脈を切り裂くはずだった、しかし、オルフェーゼの手に握られた、たたまれたままのバタフライナイフに受け止められたそれを、少なからぬ驚愕と共に見つめた。 >「私の噂を聞いたのでしたら、このくらいは承知の上かと思っていましたが?」 > ナイフを袖口に収めつつ言うオルフェーゼに、同じくナイフを収めながら、シヴァが答えた。 >「『腕はいいが性格は最悪』、『忍耐力の限界に挑戦する必要がある』、『どこにも属さず、ただ気に入った人のみに協力する。』・・・・。聞いてはいたさ。聞いては・・・・な。」 > オルフェーゼは、少しだけ口の端を吊り上げた。笑った、のだろう。 >「こんな子供に手玉に取られて悔しい、ですか?でも、私としては、これも自衛手段の一つですのでご容赦を。・・・・・・・・依頼、でしたね?一つ、質問に答えて下されば、出来うる限り協力しましょう。」 > わけがわからない、といった顔のシヴァに、オルフェーゼは少しだけ優しく微笑む。 >「あなたは興味深い。・・・・気に入りましたよ。」 >「褒め言葉として受け取っておこう。」 > オルフェーゼはひとしきり笑うと、急に真剣な声色で問うた。。 > そして、オルフェーゼはくるりと踵を返し、夜の街へと歩き出す。その去り際まで鮮やかで・・・・。だから、シヴァは知らない。同じく、すぐにその場から立ち去ったシヴァは、聞くことがなかった。 > そんな凛々しい少女がぽつりと漏らした言葉が、 >「時間掛けすぎた・・・・。まだ宿題やってないのに・・・・。」 > などと言うものだったことを。・・・・・・・・幸か不幸か、その言葉は誰にも聞かれることなく、夜明けの薄闇に溶けた。 ユア;あはははははははっははははは〜(腹が痛いほどに笑い転げている) 久遠:あのね。 (腹を抱えたままを見ながら)え、シヴァがイメ―ジにほぼそっくり? ・・で、アリエス嬢のギャップが面白いって。 ・・そのアリエス嬢に、やり込められてるシヴァが面白いって? そんなに笑っちゃ、シヴァちゃん可愛そうでしょ。 ユア;・・・そ、そうは言っても面白い、んだもん(涙を拭いつつ) > > > * * * * * > > > 時乃学園は、広い。そしてもちろん、それに見合うだけの生徒数もいるわけで。 > 銀の長髪を三つ編みに纏め、淡緑色の瞳を覆うのはフレームの無い眼鏡。細身で小柄な体躯を持つ、どこの学年にも一人はいるような、見るからに『優等生』な少女・・・・時乃学園高等部1年生、アリエス=ラーナもそのひとりであった。 ユア;もしくは、学園ドラマをやるなら、一人はいそうなタイプ。 久遠;かわいいわね、アリエスちゃん。 > > 『黒板に話しかけるだけ』と悪評高い教師が担当する数学は、寝ている人が多い。アリエスもまた、眠らないまでもぼーっとしながら、授業を適当に聞き流していた。おりしも、季節は春。『春眠暁を覚えず』と詠ったのは一体誰だったか忘れたが、この時期は誰しも眠いものと相場は決まっている。つい、と前に視線をやると、真っ白なふわふわ巻き毛が視界に入った。 >(アルト=ヴァリード、15歳。ヴァリード家次男。・・・・調査対象『ディスティア=ヴァリード』の弟・・・・。) > 心の中で呟き、アリエスはこっそりとため息を漏らす。 > ここまでやりにくい『仕事』は初めてだ、と思いつつ。それでも、そのプライドからか、僅かに不敵な笑みを浮かべた。 ユア;それ以上に、裏稼業で有名どころの何人かが、≪月天女≫よりの中立か味方か担ってます。 その意味でもやりにくいでしょ。 久遠:≪占札ノ使鬼使い≫のエイレンちゃんに、≪L&D≫≪魔導師(マジスタ)ラビ≫≪風舞姫とルリイロ≫ ユア;エイレンは引退してますけど。 他は、『今は敵じゃないと』言うだけです。 > あとがき > > 改めまして、こんにちは。「家族の写真」の外伝、なんですが・・・・どうだったでしょうか?反応が気になるところです。 > 一応、上中下の3話で完結予定ですので、今しばらくお付き合いください。 ユア;メ―ルにも書きましたが、叫びました。 久遠;わかったわ、私も楽しみにしてるわね。 > > では、アリエスとレイティスの設定です。 > >名前:アリエス=オルフェーゼ=ラーナ(アリエス=ラーナ) >性別:女 >誕生日:4月20日 >年齢:16歳 >立場:時乃学園高等部1年(アルトと同じクラス)、情報屋 >外見:銀色の腰より長い髪、淡緑色の瞳。身長152.5cm。それなりに女らしい体格、細身。着やせするたち。 >服装:学校→髪をゆったりと三つ編みにしている。フレームの無い眼鏡(伊達)をしている。ぱっと見、目立たない優等生。 > 裏→髪は大抵下ろしている。眼鏡はなし、もしくは薄い色のサングラス。パンツスーツに黒のハイヒール。左手の中指に『血紅玉』の指輪。『姐さん』呼ばわりされても不思議でない感じ。 >口調:一人称;私、二人称;あなた、三人称;〜さん、(よほど親しい人に対しては)呼び捨て > 表→あまり喋らないが、話すときはひたすら丁寧語。勘のいい人は、当たり障りのないことを返しているだけだと気付く。 > 裏→丁寧というよりは慇懃無礼。初対面の人に対しては殊に嫌味と毒舌の限りを尽くす。(理由は、備考3を参照)親しい人や、信用の置ける人には、上辺だけではない敬意を払う。 >武器:メインウェポン;暗赤色の刃のコンバットナイフ(レイティスの形見) >サブウェポン;バタフライナイフ(常時2本は携帯) >特殊能力:『占術師(フォーチュンテラー)』。 >一瞬先から、最長半年後くらいまでの未来を見ることができる。応用として、ある程度条件を未来に仮定し、その結果となる未来を見る『シミュレーション』も可能。ただし、すごく疲れる。他人の未来を見たり、シミュレーションをすることも出来るが、そのためには相手に触れなければならない。(服越し、武器越しでも可) >備考:通称、『千里眼のオルフェーゼ』。裏社会(?)に足を突っ込んでいる。裏では『オルフェーゼ』と名乗っている。《シルフィダンサーズ》連合と敵対しているチームに雇われた情報屋。かなり腕はいい。 >備考2:情報屋として裏社会に入った理由は、レイティスを殺した犯人を突き止めるため。 >備考3:特殊能力を使い、相手が未来において自分に危害を加えないかを見る癖がついている。(そのために、特に裏では、初対面の相手を怒らせて攻撃させ、接触する。) >備考4:表向きは、5歳のときに両親と姉を亡くし、最近唯一の親類も亡くしたため、奨学金で時乃学園に通う苦学生。 > > > >名前:レイティス=アイルテ >性別:男 >誕生日: 12月18日 >年齢:26歳(享年) >立場:アリエスの兄代わりの従兄。伝説の凄腕情報屋 >外見:亜麻色の、襟足に付くくらいで無造作に切られた髪、鮮やかな青の瞳。身長178cm。一見、細身で女顔の優男。男女どちらにも『美しい』と思わせる顔。 >服装:その時の気分しだいでいろいろ。何を着てもさまになる。 >口調:一人称;僕、二人称;あなた、もしくは君、三人称;呼び捨て > 非常に柔らかで、優雅とさえいえる、しかも相手に不快感を与えない言葉遣い。 >武器:自らの能力で生み出した、暗赤色の刃のコンバットナイフ >特殊能力(体質?):『鮮血の秘宝(ジェム・ブラッド)』 > 体外に出た血が、暗赤色・透明の、ダイヤモンド並の硬度を持つ宝石(『血紅玉』)になる。完全に固まる前ならば、レイティスの意思で形を変えられる。その石を持つ者を、あらゆる特殊能力から守る。 >備考:早くに家族を亡くしたアリエスを引き取って育てた人であり、アリエスに情報屋としての手ほどきをした人でもある。3年ほど前に、全身の血を抜き取られて殺された。 >備考2:口調が丁寧なのは、相手の油断を誘うため。美しい外見も有効活用していた。 ユア;レイティスさんの設定いま、じっくり見ましたが、そのあとの第一声が、『マリリア―ド?』でした。 久遠;特殊能力以外の設定の雰囲気がそっくりなのよね。 ユア;津守時生さんという作家の作品に出ております。 > > > では、また! > 二人;ではまた。 |
17392 | もしかして、とは思ったんですが・・・・ | 羅城 朱琉 | 2005/11/22 08:37:35 |
記事番号17387へのコメント > >> 『家族の写真』外伝 >> 大地の桜に驟雨の幸を >> 前編 >> >> > >ユア;レス行きたいのですが。 >久遠;タイトルが読めないと。 朱琉:こんにちは!もしかして、読み方がアレかとは思ったんですが・・・・ごめんなさいです。 語り部:「大地(だいち)の桜(さくら)に驟雨(しゅうう)の幸(さち)を」だよ。『驟雨』はにわか雨、って意味だ。 朱琉:では、返レスです。 > > >>「お嬢ちゃんが噂の『千里眼のオルフェーゼ』?」 >>「・・・・そうですが。《梓瑠媚曾》リーダー・シヴァ=オルコットさんが、何の御用でしょう?」 >> 夜の街の片隅、決して安全ではない路地裏。『千里眼のオルフェーゼ』と呼ばれた少女――恐らくは、まだ『少女』と呼ばれる年頃だろう。服装は、黒のパンツスーツに同色のハイヒール。屋外で、夜であるのに薄い色のサングラスをかけ、左手の中指に大振りな暗赤色の石のついた指輪をしているという、場所にまったくそぐわないものであるが――は、そう言って目を眇めた。 >>「依頼だ。ここに来れば会える、って聞いたんでね。」 >> オルフェーゼはシヴァに目線もくれず、正面を向いたまま独り言のように呟いた。 >>「《梓瑠媚曾》リーダー・シヴァ=オルコット。6月10日生まれで、現在25歳。絶大なカリスマを誇るも、『ある一人』が関わった瞬間正気をなくす。髪は元銀髪だか、その人のイメージに合わせるためだけに染めており・・・・」 >> 一瞬流れた冷ややかな空気と、それに付随した『死』を、オルフェーゼは硬質な金属音を立てて受け止め、さらりといなす。 >>「単なる確認事項ですよ、そんなに怒らないで下さい。第一、ここでそんなもの出すべきではありません。」 >> シヴァは、その手に握ったナイフを・・・・本来ならば、確実にオルフェーゼの頚動脈を切り裂くはずだった、しかし、オルフェーゼの手に握られた、たたまれたままのバタフライナイフに受け止められたそれを、少なからぬ驚愕と共に見つめた。 >>「私の噂を聞いたのでしたら、このくらいは承知の上かと思っていましたが?」 >> ナイフを袖口に収めつつ言うオルフェーゼに、同じくナイフを収めながら、シヴァが答えた。 >>「『腕はいいが性格は最悪』、『忍耐力の限界に挑戦する必要がある』、『どこにも属さず、ただ気に入った人のみに協力する。』・・・・。聞いてはいたさ。聞いては・・・・な。」 >> オルフェーゼは、少しだけ口の端を吊り上げた。笑った、のだろう。 >>「こんな子供に手玉に取られて悔しい、ですか?でも、私としては、これも自衛手段の一つですのでご容赦を。・・・・・・・・依頼、でしたね?一つ、質問に答えて下されば、出来うる限り協力しましょう。」 >> わけがわからない、といった顔のシヴァに、オルフェーゼは少しだけ優しく微笑む。 >>「あなたは興味深い。・・・・気に入りましたよ。」 >>「褒め言葉として受け取っておこう。」 >> オルフェーゼはひとしきり笑うと、急に真剣な声色で問うた。。 >> そして、オルフェーゼはくるりと踵を返し、夜の街へと歩き出す。その去り際まで鮮やかで・・・・。だから、シヴァは知らない。同じく、すぐにその場から立ち去ったシヴァは、聞くことがなかった。 >> そんな凛々しい少女がぽつりと漏らした言葉が、 >>「時間掛けすぎた・・・・。まだ宿題やってないのに・・・・。」 >> などと言うものだったことを。・・・・・・・・幸か不幸か、その言葉は誰にも聞かれることなく、夜明けの薄闇に溶けた。 > > > >ユア;あはははははははっははははは〜(腹が痛いほどに笑い転げている) >久遠:あのね。 > (腹を抱えたままを見ながら)え、シヴァがイメ―ジにほぼそっくり? > ・・で、アリエス嬢のギャップが面白いって。 > ・・そのアリエス嬢に、やり込められてるシヴァが面白いって? > そんなに笑っちゃ、シヴァちゃん可愛そうでしょ。 >ユア;・・・そ、そうは言っても面白い、んだもん(涙を拭いつつ) 朱琉:そう思っていただけて、幸いです。 語り部:書いてみたら、オチが付いたんだよね、なぜか。 朱琉:この『アリエス』は、時の旅人版アリエスというよりは、その原型となったアリエスに近いですから。・・・・平たく言うと、表のときは微妙に天然が混じってます。だけど、裏では旅人版よりも冷酷かつクールです。 > >> >> >> * * * * * >> >> >> 時乃学園は、広い。そしてもちろん、それに見合うだけの生徒数もいるわけで。 >> 銀の長髪を三つ編みに纏め、淡緑色の瞳を覆うのはフレームの無い眼鏡。細身で小柄な体躯を持つ、どこの学年にも一人はいるような、見るからに『優等生』な少女・・・・時乃学園高等部1年生、アリエス=ラーナもそのひとりであった。 > >ユア;もしくは、学園ドラマをやるなら、一人はいそうなタイプ。 >久遠;かわいいわね、アリエスちゃん。 語り部:性格があれだけど、優しい顔して黙っていれば可愛い系美少女だからね。 朱琉:そのギャップが好きなんです。 語り部:・・・・変わった好み・・・・。 > >> >> 『黒板に話しかけるだけ』と悪評高い教師が担当する数学は、寝ている人が多い。アリエスもまた、眠らないまでもぼーっとしながら、授業を適当に聞き流していた。おりしも、季節は春。『春眠暁を覚えず』と詠ったのは一体誰だったか忘れたが、この時期は誰しも眠いものと相場は決まっている。つい、と前に視線をやると、真っ白なふわふわ巻き毛が視界に入った。 >>(アルト=ヴァリード、15歳。ヴァリード家次男。・・・・調査対象『ディスティア=ヴァリード』の弟・・・・。) >> 心の中で呟き、アリエスはこっそりとため息を漏らす。 >> ここまでやりにくい『仕事』は初めてだ、と思いつつ。それでも、そのプライドからか、僅かに不敵な笑みを浮かべた。 > > >ユア;それ以上に、裏稼業で有名どころの何人かが、≪月天女≫よりの中立か味方か担ってます。 > その意味でもやりにくいでしょ。 >久遠:≪占札ノ使鬼使い≫のエイレンちゃんに、≪L&D≫≪魔導師(マジスタ)ラビ≫≪風舞姫とルリイロ≫ >ユア;エイレンは引退してますけど。 > 他は、『今は敵じゃないと』言うだけです。 語り部:確かに。 朱琉:アリエスだって、味方しないわけではないですよ。依頼さえあれば。 語り部:それを味方とは言わないよ。 > >> あとがき >> >> 改めまして、こんにちは。「家族の写真」の外伝、なんですが・・・・どうだったでしょうか?反応が気になるところです。 >> 一応、上中下の3話で完結予定ですので、今しばらくお付き合いください。 > >ユア;メ―ルにも書きましたが、叫びました。 >久遠;わかったわ、私も楽しみにしてるわね。 朱琉:そう言っていただけて何よりです! > >> >> では、アリエスとレイティスの設定です。 >> >>名前:アリエス=オルフェーゼ=ラーナ(アリエス=ラーナ) >>性別:女 >>誕生日:4月20日 >>年齢:16歳 >>立場:時乃学園高等部1年(アルトと同じクラス)、情報屋 >>外見:銀色の腰より長い髪、淡緑色の瞳。身長152.5cm。それなりに女らしい体格、細身。着やせするたち。 >>服装:学校→髪をゆったりと三つ編みにしている。フレームの無い眼鏡(伊達)をしている。ぱっと見、目立たない優等生。 >> 裏→髪は大抵下ろしている。眼鏡はなし、もしくは薄い色のサングラス。パンツスーツに黒のハイヒール。左手の中指に『血紅玉』の指輪。『姐さん』呼ばわりされても不思議でない感じ。 >>口調:一人称;私、二人称;あなた、三人称;〜さん、(よほど親しい人に対しては)呼び捨て >> 表→あまり喋らないが、話すときはひたすら丁寧語。勘のいい人は、当たり障りのないことを返しているだけだと気付く。 >> 裏→丁寧というよりは慇懃無礼。初対面の人に対しては殊に嫌味と毒舌の限りを尽くす。(理由は、備考3を参照)親しい人や、信用の置ける人には、上辺だけではない敬意を払う。 >>武器:メインウェポン;暗赤色の刃のコンバットナイフ(レイティスの形見) >>サブウェポン;バタフライナイフ(常時2本は携帯) >>特殊能力:『占術師(フォーチュンテラー)』。 >>一瞬先から、最長半年後くらいまでの未来を見ることができる。応用として、ある程度条件を未来に仮定し、その結果となる未来を見る『シミュレーション』も可能。ただし、すごく疲れる。他人の未来を見たり、シミュレーションをすることも出来るが、そのためには相手に触れなければならない。(服越し、武器越しでも可) >>備考:通称、『千里眼のオルフェーゼ』。裏社会(?)に足を突っ込んでいる。裏では『オルフェーゼ』と名乗っている。《シルフィダンサーズ》連合と敵対しているチームに雇われた情報屋。かなり腕はいい。 >>備考2:情報屋として裏社会に入った理由は、レイティスを殺した犯人を突き止めるため。 >>備考3:特殊能力を使い、相手が未来において自分に危害を加えないかを見る癖がついている。(そのために、特に裏では、初対面の相手を怒らせて攻撃させ、接触する。) >>備考4:表向きは、5歳のときに両親と姉を亡くし、最近唯一の親類も亡くしたため、奨学金で時乃学園に通う苦学生。 >> >> >> >>名前:レイティス=アイルテ >>性別:男 >>誕生日: 12月18日 >>年齢:26歳(享年) >>立場:アリエスの兄代わりの従兄。伝説の凄腕情報屋 >>外見:亜麻色の、襟足に付くくらいで無造作に切られた髪、鮮やかな青の瞳。身長178cm。一見、細身で女顔の優男。男女どちらにも『美しい』と思わせる顔。 >>服装:その時の気分しだいでいろいろ。何を着てもさまになる。 >>口調:一人称;僕、二人称;あなた、もしくは君、三人称;呼び捨て >> 非常に柔らかで、優雅とさえいえる、しかも相手に不快感を与えない言葉遣い。 >>武器:自らの能力で生み出した、暗赤色の刃のコンバットナイフ >>特殊能力(体質?):『鮮血の秘宝(ジェム・ブラッド)』 >> 体外に出た血が、暗赤色・透明の、ダイヤモンド並の硬度を持つ宝石(『血紅玉』)になる。完全に固まる前ならば、レイティスの意思で形を変えられる。その石を持つ者を、あらゆる特殊能力から守る。 >>備考:早くに家族を亡くしたアリエスを引き取って育てた人であり、アリエスに情報屋としての手ほどきをした人でもある。3年ほど前に、全身の血を抜き取られて殺された。 >>備考2:口調が丁寧なのは、相手の油断を誘うため。美しい外見も有効活用していた。 > >ユア;レイティスさんの設定いま、じっくり見ましたが、そのあとの第一声が、『マリリア―ド?』でした。 >久遠;特殊能力以外の設定の雰囲気がそっくりなのよね。 >ユア;津守時生さんという作家の作品に出ております。 朱琉:津守時生・・・・聞いたことのあるようなないような・・・・ 語り部:確か、ザ・ビーンズにそんな名前の作家さんが書いていたような・・・・ > >> >> >> では、また! >> > >二人;ではまた。 朱琉:はい、ではこの辺で。 二人:では! > |
17401 | 家族の写真外伝:大地の桜に驟雨の幸を 中編 | 羅城 朱琉 | 2005/11/26 10:19:36 |
記事番号17382へのコメント 思えば、『あの日』以来、自分はどこか壊れてしまったのかもしれない。あなたが教えてくれた涙も、笑顔も、今は上辺でしかできない。 心にずっとあるのは、ただ、寂しさと憎しみだけ・・・・ 『家族の写真』外伝 大地の桜に驟雨の幸を 中編 亜麻色の後姿が踊る。・・・・いや、踊るのは、その指先。キーボードの上を10本の指が滑るたびに、一つずつ、真実へ至る扉が開いていく。《万象知悉(ばんしょうちしつ)》の二つ名そのままに、彼の前に全ては明らか。 彼はレイティス。日陰の世界では知らぬもののない情報屋。 レイティスに、一人の少女が駆け寄った。まだ、せいぜい中学生くらいだろう、銀色の髪の小柄な少女だ。 レイティスは、少女に優しく微笑む。少女もまた、明るい笑みを返す。 誰もが心から望むような、優しく、温かい光景。 レイティスが、唐突に踵を返した。少女を置いて、レイティスは歩き去る。 少女は、レイティスを追う。その後姿を、一生懸命追いかける。 それでも、その距離は一行に縮まらない・・・・どころか、レイティスの姿はどんどん遠ざかっていく。少女は必死で手を伸ばす。しかし、レイティスは立ち止まらない。ただ、その声のみが響く。 『幸せになるんですよ、アリエス。例え定められた未来でも、自ら選んだと言えるほどに。あなたのその、未来を映す目に映らぬ『幸せ』を、どうか手に入れて・・・・誰よりも、何よりも幸せになってください、アリエス。約束ですよ・・・・』 後に残されたのは、涙を流すことすら出来ぬ少女――アリエスのみ。 * * * * * 「・・・・・・・・っ!」 がばりと、アリエスは顔を上げた。 「・・・・・・・・となるわけです。また、この公式を応用すると・・・・」 淡々と流れる数学教師の声、つまらなそうにしているクラスメイトと、既に夢の世界へ旅立っているクラスメイト。 (ゆ、め・・・・) ほう、と息を吐き出し、アリエスは力を抜いた。幸い、誰かに不審がられることもなかったようだ。 それにしても、随分と懐かしい夢を見たものである。最近はようやく夢にうなされる回数も減ってきたというのに・・・・。 結局、寝なおす気にもなれず、アリエスはぼんやりと考えながら時が過ぎるのを待った。 (『幸せ』って、一体何なのでしょうね・・・・?) その日の昼休み、食事時の喧騒を抜けて、アリエスは屋上へと向かった。日は暖かいとはいえ、未だ肌寒さの残るこの季節は、屋上に人影は少ない。それでも念を入れるかのように入り口の裏に回りこむ。人が来ることのめったに無いそこは、ちょうど風も遮られ、気持ちのいい陽だまりがあるのだ。アリエスはそこに腰掛け、まずはゆっくりと日差しを堪能する。まるで日光浴をする猫のようにとろけた表情は、人前では絶対に見せない類のもので、こうしていると、アリエスは歳相応にどころか、幼げにすら見えると言うことを知るものは、今となってはいないだろう。 (アリエスは、猫みたいですね。・・・・可愛くて柔らかくて、それでいて気高い、孤高の野良猫のようですよ。) そう、アリエスを評したのは、今は亡き、最愛の『兄』にして『師匠』。 「レイティス兄さん・・・・私、頑張るよ。」 幼くして家族を失った自分を育ててくれた、優しい従兄。そして、凄腕の情報屋・・・・《万象知悉》レイティス=アイルテ。つい先ほど見た夢の影響か、呟く声と瞳は切なげだ。その名を呪文のように呟いて、アリエスは気合を入れなおした。 「さて!やりますか。」 そして、アリエスは『オルフェーゼ』として、仕事を開始した。 まず、そばにある壊れた雨どいを軽く押す。すると、それは簡単に動き、壁のひび割れを露出させた。アリエスは慎重にその中を覗き込む。そこにあるのは、束になった数本の配線。その内一本を引っ張り出し、愛用のバタフライナイフで丁寧に皮膜をはぐ。そこに、ポケットからとりだした別の配線を取り付けて、こちらの準備は完了。 次に、鞄の中から取り出したモバイルサイズのノートパソコンを取り出す。小型だからと侮ることなかれ、『オルフェーゼ』が「Cat’s Eye」と呼ぶこのパソコンは、家で使うデスクトップのパソコン「Stray cat」と共に、『情報屋』《千里眼のオルフェーゼ》の武器なのだから。 手早く「Cat’s Eye」を立ち上げ、配線に接続する。 「さて、やりますか。」 僅かに口元に笑みを浮かべ、アリエスの指が踊る。 (学内LANに接続・・・・接続成功。セキュリティシステム突破。軽いですね・・・・。大学部学生情報およびインターネットより、『ディスティア=ヴァリード』の情報をコピー開始。) アリエスのやっていることは、ネットワークの不正使用・・・・いわゆるハッキングである。(もちろん、良い子も悪い子も大人も真似してはいけません。) 今朝方、通常のインターネットからもハッキングを試みたのだが、『ディスティア=ヴァリード』の情報は、なぜかセキュリティがとにかく固い。仕方なく、学内LANを経由しているのだが・・・・意外と正解だったかもしれない。と・・・・ (あ!) 一瞬、画面の縁に警告表示が現れた、と見た刹那、アリエスはほとんど引きちぎるようにして配線を外す。 「危なかった・・・・。逆探知されるところだった・・・・」 (でも、情報は頂きましたよ。) 配線をきっちりと元の場所に戻し、一応、後ほどここを調べられてもいいように、ちょっとした『細工』をした後、雨どいを元の位置に戻す。後は、地道に足で集めるしかないだろう。 アリエスは、とりあえず全ての情報をウィルスチェックだけして保存し、「Cat’s Eye」の電源を落とした。そして、何の気なしに空を見上げる。 いい天気だ。日向ぼっこしていると、そのまま眠ってしまいたくなる。流石に、一応『優等生』で通している以上、授業をエスケープするわけにはいかないが、昼休みはまだしばらくある。先ほど逆探知しようとしたのが誰であれ、まさかいつまでもその犯人がここにいるとは思わないだろう。それに、別のところからアクセスするための中継点としてここを使ったかのように見せる仕掛けもした。だから・・・・と思い、アリエスは壁に凭れると、とろとろとまどろみ始めた。 「・・・・・・・・ディスティアさん、かぁ・・・・。レイティス兄さんの知り合い・・・・だったはずよね・・・・」 夢うつつの状態で、アリエスは呟く。周囲に誰もいないことを確認しているからこそ、出来ることだ。 「・・・・・・・・《魔導師(マジスタ)ラビ》に・・・・《爆炎の教皇》もそうだし・・・・そもそも、本人《風姫とルリイロ》の風姫でしょう?・・・・他にも、たくさん、『仲間』がいるよね・・・・」 ひどく幼い口調で、アリエスはゆるゆると言葉を紡ぐ。それと同時に、瞼も落ちていって。 「・・・・・・・・・・・・いいなぁ・・・・」 最後に呟かれた一言は、本人すら自覚してはいなかった。 〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜 あとがき こんにちは。羅城 朱琉です。「大地の桜に驟雨の幸を」中編、どうだったでしょうか? 今回は、気がついたらアリエスオンリーに・・・・。予定では、アルト君が出てくるはずだったのに・・・・。 さて、今回はタイトルの解説をしようかと。 「大地の桜」は、アリエスの誕生花である「芝桜」のイメージで。ちなみに、花言葉は「臆病な心」です。 そして、「驟雨の幸」。「驟雨(しゅうう)」は「にわか雨」のことです。イメージ的には、「新しい陽光を導き、大地を潤す恵みの雨」です。 そしてもう一つ。レイティスさんの二つ名《万象知悉》は「ありとあらゆることを、詳しく知る」という意味です。羅城の造語なので、念のため。 さて、では今回はこの辺で。 次は、後編でお会いしましょう! |
17402 | 理由は似ていても、環境はこんなにも違う | 十叶 夕海 | 2005/11/26 21:16:30 |
記事番号17401へのコメント > > ユア:第六感の尊さを実感したりする今日この頃。 久遠;なに、わけのわからない季節の挨拶をしてるの? ユア;いえいえ、ともあれ、レス行きますv > > > 思えば、『あの日』以来、自分はどこか壊れてしまったのかもしれない。あなたが教えてくれた涙も、笑顔も、今は上辺でしかできない。 > 心にずっとあるのは、ただ、寂しさと憎しみだけ・・・・ 久遠;永蓮ちゃんみたい。 ユア;ええと、この作品のエイレンではなく、『生か死か』のほうの≪魔本主≫の月森紫苑こと月森永連です、久遠が言っているのは。 アリエス嬢みたいに、作品中で大切な人を殺され、心にあるのは、寂しさと憤りだけと、いう外見二十代、実年齢八十×歳の御仁です。 久遠:でもね。 良くあるというか、大切な人がいなくなれば・・・・・ > 亜麻色の後姿が踊る。・・・・いや、踊るのは、その指先。キーボードの上を10本の指が滑るたびに、一つずつ、真実へ至る扉が開いていく。《万象知悉(ばんしょうちしつ)》の二つ名そのままに、彼の前に全ては明らか。 > 彼はレイティス。日陰の世界では知らぬもののない情報屋。 > ユア;彼には、親しい同業がいました。 しかし、その同業がいなくなったからこそ、レイティスは≪死風舞の風舞姫≫と≪爆炎の教皇≫の父たりえた。 久遠:まあ、二人のお師匠様というところね。 ・・・・惚れちゃいそう。 ユア;やめとけ。 > > レイティスに、一人の少女が駆け寄った。まだ、せいぜい中学生くらいだろう、銀色の髪の小柄な少女だ。 >レイティスは、少女に優しく微笑む。少女もまた、明るい笑みを返す。 > 誰もが心から望むような、優しく、温かい光景。 > > > レイティスが、唐突に踵を返した。少女を置いて、レイティスは歩き去る。 > 少女は、レイティスを追う。その後姿を、一生懸命追いかける。 > それでも、その距離は一行に縮まらない・・・・どころか、レイティスの姿はどんどん遠ざかっていく。少女は必死で手を伸ばす。しかし、レイティスは立ち止まらない。ただ、その声のみが響く。 >『幸せになるんですよ、アリエス。例え定められた未来でも、自ら選んだと言えるほどに。あなたのその、未来を映す目に映らぬ『幸せ』を、どうか手に入れて・・・・誰よりも、何よりも幸せになってください、アリエス。約束ですよ・・・・』 > > > 後に残されたのは、涙を流すことすら出来ぬ少女――アリエスのみ。 > ユア:一番残酷で優しい夢かもしれませんね。 久遠:まあね。 あ〜ぁ、アリエスちゃん、大丈夫かしらね。 > > > * * * * * > > >「・・・・・・・・っ!」 > がばりと、アリエスは顔を上げた。 >「・・・・・・・・となるわけです。また、この公式を応用すると・・・・」 > 淡々と流れる数学教師の声、つまらなそうにしているクラスメイトと、既に夢の世界へ旅立っているクラスメイト。 >(ゆ、め・・・・) > ほう、と息を吐き出し、アリエスは力を抜いた。幸い、誰かに不審がられることもなかったようだ。 > それにしても、随分と懐かしい夢を見たものである。最近はようやく夢にうなされる回数も減ってきたというのに・・・・。 > > 結局、寝なおす気にもなれず、アリエスはぼんやりと考えながら時が過ぎるのを待った。 >(『幸せ』って、一体何なのでしょうね・・・・?) ユア;穏やかな日常。 久遠;永蓮ちゃんとの生活・・・・大切な人との生活よね。 ユア;気が付いて欲しいですね、彼女には。 幸せというのは、すぐ側にあるわけですから。 ・・・・・青い鳥の童話じゃないですが。 > 幼くして家族を失った自分を育ててくれた、優しい従兄。そして、凄腕の情報屋・・・・《万象知悉》レイティス=アイルテ。つい先ほど見た夢の影響か、呟く声と瞳は切なげだ。その名を呪文のように呟いて、アリエスは気合を入れなおした。 >「さて!やりますか。」 > そして、アリエスは『オルフェーゼ』として、仕事を開始した。 > まず、そばにある壊れた雨どいを軽く押す。すると、それは簡単に動き、壁のひび割れを露出させた。アリエスは慎重にその中を覗き込む。そこにあるのは、束になった数本の配線。その内一本を引っ張り出し、愛用のバタフライナイフで丁寧に皮膜をはぐ。そこに、ポケットからとりだした別の配線を取り付けて、こちらの準備は完了。 > 次に、鞄の中から取り出したモバイルサイズのノートパソコンを取り出す。小型だからと侮ることなかれ、『オルフェーゼ』が「Cat’s Eye」と呼ぶこのパソコンは、家で使うデスクトップのパソコン「Stray cat」と共に、『情報屋』《千里眼のオルフェーゼ》の武器なのだから。 > 手早く「Cat’s Eye」を立ち上げ、配線に接続する。 >「さて、やりますか。」 > 僅かに口元に笑みを浮かべ、アリエスの指が踊る。 >(学内LANに接続・・・・接続成功。セキュリティシステム突破。軽いですね・・・・。大学部学生情報およびインターネットより、『ディスティア=ヴァリード』の情報をコピー開始。) > アリエスのやっていることは、ネットワークの不正使用・・・・いわゆるハッキングである。(もちろん、良い子も悪い子も大人も真似してはいけません。) > 今朝方、通常のインターネットからもハッキングを試みたのだが、『ディスティア=ヴァリード』の情報は、なぜかセキュリティがとにかく固い。仕方なく、学内LANを経由しているのだが・・・・意外と正解だったかもしれない。と・・・・ >(あ!) > 一瞬、画面の縁に警告表示が現れた、と見た刹那、アリエスはほとんど引きちぎるようにして配線を外す。 >「危なかった・・・・。逆探知されるところだった・・・・」 >(でも、情報は頂きましたよ。) > 配線をきっちりと元の場所に戻し、一応、後ほどここを調べられてもいいように、ちょっとした『細工』をした後、雨どいを元の位置に戻す。後は、地道に足で集めるしかないだろう。 ユア:わあい、サイバ−パンクだ。 久遠;というか、アリエスちゃん、物理的に配線を外しても、回路的な配線は繋がったままだからね。 ユア:でも、学校の配線を使ってるから、学校という隠れ蓑で特定は出来ないでしょう。 > >〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜 > > あとがき > > こんにちは。羅城 朱琉です。「大地の桜に驟雨の幸を」中編、どうだったでしょうか? >今回は、気がついたらアリエスオンリーに・・・・。予定では、アルト君が出てくるはずだったのに・・・・。 > > さて、今回はタイトルの解説をしようかと。 > 「大地の桜」は、アリエスの誕生花である「芝桜」のイメージで。ちなみに、花言葉は「臆病な心」です。 > そして、「驟雨の幸」。「驟雨(しゅうう)」は「にわか雨」のことです。イメージ的には、「新しい陽光を導き、大地を潤す恵みの雨」です。 久遠;私的には、アルト・・・白兎くんが、アリエスちゃんの驟雨となりますようにかしら。 ユア;幸せは、些細なことだしね、無くして気が付くような。 久遠;さっきも同じようなこと言ってなかった? > さて、では今回はこの辺で。 > 次は、後編でお会いしましょう! ユア;はい。お待ちしてます。 二人;それでは。 > |
17404 | あるいは、心の持ち様の差かも。 | 羅城 朱琉 | 2005/11/28 08:32:07 |
記事番号17402へのコメント > >> >> > >ユア:第六感の尊さを実感したりする今日この頃。 >久遠;なに、わけのわからない季節の挨拶をしてるの? >ユア;いえいえ、ともあれ、レス行きますv 朱琉:はい、こんにちは!またまたアミリータさんと共に、返レスに参ります。 > >> >> >> 思えば、『あの日』以来、自分はどこか壊れてしまったのかもしれない。あなたが教えてくれた涙も、笑顔も、今は上辺でしかできない。 >> 心にずっとあるのは、ただ、寂しさと憎しみだけ・・・・ > >久遠;永蓮ちゃんみたい。 >ユア;ええと、この作品のエイレンではなく、『生か死か』のほうの≪魔本主≫の月森紫苑こと月森永連です、久遠が言っているのは。 > アリエス嬢みたいに、作品中で大切な人を殺され、心にあるのは、寂しさと憤りだけと、いう外見二十代、実年齢八十×歳の御仁です。 >久遠:でもね。 > 良くあるというか、大切な人がいなくなれば・・・・・ アミイ:まあ、そうなっても仕方なし、よね。 朱琉:永連さん然り、アミイ嬢の姉然り、アリエスもまた、然り・・・・。 > > > >> 亜麻色の後姿が踊る。・・・・いや、踊るのは、その指先。キーボードの上を10本の指が滑るたびに、一つずつ、真実へ至る扉が開いていく。《万象知悉(ばんしょうちしつ)》の二つ名そのままに、彼の前に全ては明らか。 >> 彼はレイティス。日陰の世界では知らぬもののない情報屋。 >> > >ユア;彼には、親しい同業がいました。 > しかし、その同業がいなくなったからこそ、レイティスは≪死風舞の風舞姫≫と≪爆炎の教皇≫の父たりえた。 >久遠:まあ、二人のお師匠様というところね。 > ・・・・惚れちゃいそう。 >ユア;やめとけ。 朱琉:私なら、迷わず惚れます。 アミイ:うふふv何をトチ狂っているのかしら朱琉ちゃん? 朱琉:・・・・・・・・だって、ねぇ。好みな人だし。 > >> >> レイティスに、一人の少女が駆け寄った。まだ、せいぜい中学生くらいだろう、銀色の髪の小柄な少女だ。 >>レイティスは、少女に優しく微笑む。少女もまた、明るい笑みを返す。 >> 誰もが心から望むような、優しく、温かい光景。 >> >> >> レイティスが、唐突に踵を返した。少女を置いて、レイティスは歩き去る。 >> 少女は、レイティスを追う。その後姿を、一生懸命追いかける。 >> それでも、その距離は一行に縮まらない・・・・どころか、レイティスの姿はどんどん遠ざかっていく。少女は必死で手を伸ばす。しかし、レイティスは立ち止まらない。ただ、その声のみが響く。 >>『幸せになるんですよ、アリエス。例え定められた未来でも、自ら選んだと言えるほどに。あなたのその、未来を映す目に映らぬ『幸せ』を、どうか手に入れて・・・・誰よりも、何よりも幸せになってください、アリエス。約束ですよ・・・・』 >> >> >> 後に残されたのは、涙を流すことすら出来ぬ少女――アリエスのみ。 >> > >ユア:一番残酷で優しい夢かもしれませんね。 >久遠:まあね。 > あ〜ぁ、アリエスちゃん、大丈夫かしらね。 朱琉:今現在、アリエスの精神状態はかなりヤバげです。 アミイ:普段は普通にしてるけどねぇ。よくあれで、精神崩壊起こさずにいられるわ、ってくらいに。 > >> >> >> * * * * * >> >> >>「・・・・・・・・っ!」 >> がばりと、アリエスは顔を上げた。 >>「・・・・・・・・となるわけです。また、この公式を応用すると・・・・」 >> 淡々と流れる数学教師の声、つまらなそうにしているクラスメイトと、既に夢の世界へ旅立っているクラスメイト。 >>(ゆ、め・・・・) >> ほう、と息を吐き出し、アリエスは力を抜いた。幸い、誰かに不審がられることもなかったようだ。 >> それにしても、随分と懐かしい夢を見たものである。最近はようやく夢にうなされる回数も減ってきたというのに・・・・。 >> >> 結局、寝なおす気にもなれず、アリエスはぼんやりと考えながら時が過ぎるのを待った。 >>(『幸せ』って、一体何なのでしょうね・・・・?) > > >ユア;穏やかな日常。 >久遠;永蓮ちゃんとの生活・・・・大切な人との生活よね。 >ユア;気が付いて欲しいですね、彼女には。 > 幸せというのは、すぐ側にあるわけですから。 > ・・・・・青い鳥の童話じゃないですが。 朱琉:あえて、この場の解説をするのなら。レイティスの存在があまりに大きすぎて、レイティスのいない今に『幸せ』を見出す・・・・どころか、『幸せ』の意味すら忘れ去っている、といった感じです。 アミイ:もうちょっと、気楽にいけばいいのにね、私みたいに。 朱琉:あなたはお気楽すぎなんです! > > >> 幼くして家族を失った自分を育ててくれた、優しい従兄。そして、凄腕の情報屋・・・・《万象知悉》レイティス=アイルテ。つい先ほど見た夢の影響か、呟く声と瞳は切なげだ。その名を呪文のように呟いて、アリエスは気合を入れなおした。 >>「さて!やりますか。」 >> そして、アリエスは『オルフェーゼ』として、仕事を開始した。 >> まず、そばにある壊れた雨どいを軽く押す。すると、それは簡単に動き、壁のひび割れを露出させた。アリエスは慎重にその中を覗き込む。そこにあるのは、束になった数本の配線。その内一本を引っ張り出し、愛用のバタフライナイフで丁寧に皮膜をはぐ。そこに、ポケットからとりだした別の配線を取り付けて、こちらの準備は完了。 >> 次に、鞄の中から取り出したモバイルサイズのノートパソコンを取り出す。小型だからと侮ることなかれ、『オルフェーゼ』が「Cat’s Eye」と呼ぶこのパソコンは、家で使うデスクトップのパソコン「Stray cat」と共に、『情報屋』《千里眼のオルフェーゼ》の武器なのだから。 >> 手早く「Cat’s Eye」を立ち上げ、配線に接続する。 >>「さて、やりますか。」 >> 僅かに口元に笑みを浮かべ、アリエスの指が踊る。 >>(学内LANに接続・・・・接続成功。セキュリティシステム突破。軽いですね・・・・。大学部学生情報およびインターネットより、『ディスティア=ヴァリード』の情報をコピー開始。) >> アリエスのやっていることは、ネットワークの不正使用・・・・いわゆるハッキングである。(もちろん、良い子も悪い子も大人も真似してはいけません。) >> 今朝方、通常のインターネットからもハッキングを試みたのだが、『ディスティア=ヴァリード』の情報は、なぜかセキュリティがとにかく固い。仕方なく、学内LANを経由しているのだが・・・・意外と正解だったかもしれない。と・・・・ >>(あ!) >> 一瞬、画面の縁に警告表示が現れた、と見た刹那、アリエスはほとんど引きちぎるようにして配線を外す。 >>「危なかった・・・・。逆探知されるところだった・・・・」 >>(でも、情報は頂きましたよ。) >> 配線をきっちりと元の場所に戻し、一応、後ほどここを調べられてもいいように、ちょっとした『細工』をした後、雨どいを元の位置に戻す。後は、地道に足で集めるしかないだろう。 > >ユア:わあい、サイバ−パンクだ。 >久遠;というか、アリエスちゃん、物理的に配線を外しても、回路的な配線は繋がったままだからね。 >ユア:でも、学校の配線を使ってるから、学校という隠れ蓑で特定は出来ないでしょう。 アミイ:一応、回路的なのをごまかす仕掛けをくっつけたんだけど・・・・朱琉はそこまで詳しくないから、適当にぼかしたのよね。 朱琉:というか、詳しく知っているほうが問題かと。 > >> >>〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜●〜〜 >> >> あとがき >> >> こんにちは。羅城 朱琉です。「大地の桜に驟雨の幸を」中編、どうだったでしょうか? >>今回は、気がついたらアリエスオンリーに・・・・。予定では、アルト君が出てくるはずだったのに・・・・。 >> >> さて、今回はタイトルの解説をしようかと。 >> 「大地の桜」は、アリエスの誕生花である「芝桜」のイメージで。ちなみに、花言葉は「臆病な心」です。 >> そして、「驟雨の幸」。「驟雨(しゅうう)」は「にわか雨」のことです。イメージ的には、「新しい陽光を導き、大地を潤す恵みの雨」です。 > >久遠;私的には、アルト・・・白兎くんが、アリエスちゃんの驟雨となりますようにかしら。 >ユア;幸せは、些細なことだしね、無くして気が付くような。 >久遠;さっきも同じようなこと言ってなかった? 朱琉:そんな感じです。 アミイ:確か、タイトルつけたときの心境が、「誰でもいいから、アリエスちゃんを幸せにしてあげてください、お願いです!」、だったわね。 朱琉:時の旅人といい、、こちらといい、彼女には苦労させっぱなしですから・・・・。 > >> さて、では今回はこの辺で。 >> 次は、後編でお会いしましょう! > >ユア;はい。お待ちしてます。 >二人;それでは。 朱琉:はい、ではこの辺で。 二人:また今度! > >> > |
17445 | 家族の写真外伝:大地の桜に驟雨の幸を 後編 | 羅城 朱琉 | 2005/12/20 08:19:10 |
記事番号17382へのコメント 例えばそれは、何気ない一言であったり。例えばそれは、思いがけない出来事であったり。 『今』が変わるきっかけは、すぐそこに。 『家族の写真』外伝 大地の桜に驟雨の幸を 後編 タイマーセットされた携帯電話が小さな音で音楽を鳴らす。アリエスの閉ざされた瞳が緩やかに持ち上がり、二、三度目をしばたかせて眠気の残滓を振り払った。昼休み終了5分前。アリエスは軽く反動をつけて立ち上がると、すたすたと教室へ歩いていった。 (さて・・・・オルコット氏からの依頼は、『ディスティア=ヴァリードの調査』でしたが・・・・結局の所、行動パターンが一番のお望みでしょうね。ディスティアさんに、随分と入れ込んでいらっしゃるそうですし。) 表面上はいつもどおりの無表情ながら、アリエスはそんなことを考えていた。この時乃学園は油断のならないところであるが、『血紅玉』の指輪を鎖に通し首からかけているので、心を読む能力者がいても大丈夫であろう。思考を打ち切ると、無意識に手が胸元に・・・・制服の下で揺れる、血紅玉の指輪に行った。レイティスが殺されて後、裏で流通している血紅玉とは違う、生前のレイティス本人がアリエスのためだけに生み出した、護符だ。 その仕草に気付きさりげなく手を戻すと、周囲にわからない程度に小さく溜息をつく。 (ここしばらく、随分と情緒不安定ですね・・・・。気をつけなければ。) 自分で自分をそう評するその姿は、もし仮にそれを心読みの能力者が読み取っていたならば『嘘だ!』とツッコミを入れたくなるほどに冷静だ。しかし、すぐに気付くであろう。その冷静さの裏にあるものは、やもすれば狂気に傾こうとする心を抑える精神力だということに。・・・・不幸自慢をするわけではないが、アリエスの過去は、かなり過酷なものだ。その中で唯一見つけた希望・・・・レイティスを奪われたときの苦しみは、例えようもない。その時狂ってしまわなかったのがせめてもの救いか・・・・いや、不幸の始まりだろうか? チャイムが鳴る直前に静かに教室に入り、席に着く。不安定になった思考を断ち切るため、アリエスはほんの僅かな時間だけ、本を読んだ。 その後は、実に平穏に一日が過ぎていった。特筆すべきことと言えば、せいぜいアルト=ヴァリードと共に担任に呼び出されたことくらいであろう。それも、そう大したことではなく、配布物がどうこうといった、いわゆるクラスの雑用のようなことだった。こういう時、つくづくクラス委員なんて面倒だと思う。横にいるもう一人のクラス委員であるところのアルトが自分を引きずり込んだと知ったときは、かなり本気で公私混同しそうになってしまった。が・・・・まあ、悪い人ではないと、今は思う。 * * * * * 現在アリエスが住んでいるマンションは4LDKで、一人で住むには少し広いように思う。しかし、収入に困っているわけでもなく、なによりここは、レイティスと暮らしていた場所だという愛着から、アリエスはここで一人暮らしを続けている。とはいえ、1室は机とベッド、本棚に、建付けのクローゼットしかない寝室。もう1室はパソコンと周辺機器でごった返す仕事部屋。他の部屋には家具の一つもない。更には、ティーセットとヤカンと数種類の茶葉以外は、使っているかすら怪しいキッチンと、コンセントの抜かれたテレビくらいしかないリビングという、非常に生活感の乏しい、妙に閑散とした場所だが。 今日の夕食にと買ってきた、某カ○リーメ○トをキッチンに放り出し、ヤカンを火にかけ、茶葉を選んで紅茶を入れると、蒸らし時間の間に仕事部屋のパソコンの電源を入れておく。シヴァに依頼されていた資料は、既に纏めてある。一応、今現在調べることの出来た情報の全てを、見やすいように整理しただけだが。 『オルフェーゼ』は、依頼の結果は全て、印刷して渡すことにしている。自らもクラッキング・ハッカーであるゆえに、インターネットの危なさは重々承知しているからだ。その点、印刷物ならば、自分の注意で何とでもなる。紙は、そこらのホームセンターで200枚いくらで売っているようなものだし、それを入れる茶封筒も、百円均一にあるようなものだ。プリンターもインクも普通の量産品。更に、指紋をつけないよう白手袋までつけて取り扱うこともある。そうしてきちんとそろえ終えたアリエスは、某カ○リーメ○トと紅茶という、人としていろいろと間違っている気がしないでもない夕食をとるのだった。 時間的に、《梓瑠媚曾》リーダーであるシヴァが留守にしているだろう時間帯に、アリエスはこっそりと彼のマンションに行き、部屋に直接届けてきた。・・・・とは言っても、鍵まで開けて中に入ってはいないが。一応、依頼は終わったが、シヴァにならまた協力しようか、と『オルフェーゼ』は思う。それは、彼のカリスマ性に興味を持ったというよりは、彼の持つ『闇』に興味を持ったのだろう。 久々にゆっくり眠ろうか、と思うアリエスは、パソコンを見た瞬間、一切の感情を凍りつかせた。 そこには、1通の新着メール。 《 親愛なるオルフェ−ゼ殿。 4月30日の24:30分に、時乃市はずれの廃工場に来られませ。 《万象知悉》レイティスどのについて、お話があります。 萬屋《死風舞の風舞姫》 より 》 「《死風舞の風舞姫》・・・・・・・・ディスティア=ヴァリードさん。・・・・・・・・一体、何の目的があるというのでしょう?」 疑問形のその言葉とは裏腹に、呟く声は、恐ろしいほどに平坦。冷たい闇を瞳に宿し、アリエスは食い入るようにそのメールを見つめていた。 * * * * * アリエスはまだ知らない。これこそが、激動の1年の始まりを告げるものだということに。 アリエスはまだ知らない。これから始まるものこそ、真実へ至る道だということに。 だから、今はまだ彼女は闇の中。静かで、激しい嵐の中。 臆病な心の大地の桜に、どうか優しい恵みの雨を。地に咲く桜のその上に、どうか暖かな日の光を。 大地の桜に似た少女の道に、どうか、驟雨の幸あれと、今はただ、祈るのみ・・・・ 大地の桜に驟雨の幸を 完 ####################################################################### あとがき こんにちは!長らくお待たせいたしました。羅城 朱琉です。『大地の桜に驟雨の幸を』完結編でした。 まずは、ごめんなさい!当初の予定ではもう少しアルト君が出るはずだったのですが、予定が変わってこうなりました。 時間的には、この数日後に、『家族の写真』12話の出来事が起こる、といった時の物語を書かせていただきましたが、どうだったでしょう? では、今回はこの辺で! 【P.S:十叶 夕海様へ】 明日から冬休みにつき、更新とレスが途絶えます。 今年一年、いろいろとありがとうございました。十叶さんのおかげで、スランプに陥っても何とかここまで書いてくることが出来ました。 来年は、今年以上に多くの話を書けるよう精進したいと思いますので、ぜひ来年もよろしくお願いします。 それでは、今度こそ本当にこの辺で。良いお年を! |
17451 | 明けない夜が無いように、アリエス嬢の氷も溶けますように | 十叶 夕海 | 2005/12/24 20:59:54 |
記事番号17445へのコメント > ユア;聖夜のせいか少々、ハイなユアです。 久遠;元々、ロウなんだし、それくらいでちょうどいいのよ。 ユア;では、さくさくレス行きます。 > > > > > 例えばそれは、何気ない一言であったり。例えばそれは、思いがけない出来事であったり。 > 『今』が変わるきっかけは、すぐそこに。 久遠;そうよね、私も永蓮ちゃんと出会った時は、魔剣として・・・・ ユア;はい、そこさらりとして怖いこと言わない。 ・・・・たしかに、本当に些細な事で、変わりますよね。 後から、思い出せば、笑ってしまうようなことでも、変わってしまいます。 >(さて・・・・オルコット氏からの依頼は、『ディスティア=ヴァリードの調査』でしたが・・・・結局の所、行動パターンが一番のお望みでしょうね。ディスティアさんに、随分と入れ込んでいらっしゃるそうですし。) ユア;この結果シヴァは・・・・というふうに、『過去解明編』『温泉編』を経た後の『日常編(仮)』で、効果?がでます。 久遠;アリエスちゃん、本当に的確ね、同業としてホレボレしちゃう ユア;久遠の人間としての表向きの稼業は、情報屋です。 > 表面上はいつもどおりの無表情ながら、アリエスはそんなことを考えていた。この時乃学園は油断のならないところであるが、『血紅玉』の指輪を鎖に通し首からかけているので、心を読む能力者がいても大丈夫であろう。思考を打ち切ると、無意識に手が胸元に・・・・制服の下で揺れる、血紅玉の指輪に行った。レイティスが殺されて後、裏で流通している血紅玉とは違う、生前のレイティス本人がアリエスのためだけに生み出した、護符だ。 > その仕草に気付きさりげなく手を戻すと、周囲にわからない程度に小さく溜息をつく。 >(ここしばらく、随分と情緒不安定ですね・・・・。気をつけなければ。) > 自分で自分をそう評するその姿は、もし仮にそれを心読みの能力者が読み取っていたならば『嘘だ!』とツッコミを入れたくなるほどに冷静だ。しかし、すぐに気付くであろう。その冷静さの裏にあるものは、やもすれば狂気に傾こうとする心を抑える精神力だということに。・・・・不幸自慢をするわけではないが、アリエスの過去は、かなり過酷なものだ。その中で唯一見つけた希望・・・・レイティスを奪われたときの苦しみは、例えようもない。その時狂ってしまわなかったのがせめてもの救いか・・・・いや、不幸の始まりだろうか? > チャイムが鳴る直前に静かに教室に入り、席に着く。不安定になった思考を断ち切るため、アリエスはほんの僅かな時間だけ、本を読んだ。 久遠;・・・・一人じゃないのにね、 なのに、一人で『夜』を彷徨ってるわ、アリエスちゃん。 ユア;だけど、本編の出来事で、少し・・・・本当に小さな一歩だけれど、『夜明け』に近付いているの・・・多分。 > > その後は、実に平穏に一日が過ぎていった。特筆すべきことと言えば、せいぜいアルト=ヴァリードと共に担任に呼び出されたことくらいであろう。それも、そう大したことではなく、配布物がどうこうといった、いわゆるクラスの雑用のようなことだった。こういう時、つくづくクラス委員なんて面倒だと思う。横にいるもう一人のクラス委員であるところのアルトが自分を引きずり込んだと知ったときは、かなり本気で公私混同しそうになってしまった。が・・・・まあ、悪い人ではないと、今は思う。 ユア;この辺に、少し付け入る隙があるかな・・・ 久遠;隙だなんて、言葉悪いわよ。 > > > 現在アリエスが住んでいるマンションは4LDKで、一人で住むには少し広いように思う。しかし、収入に困っているわけでもなく、なによりここは、レイティスと暮らしていた場所だという愛着から、アリエスはここで一人暮らしを続けている。とはいえ、1室は机とベッド、本棚に、建付けのクローゼットしかない寝室。もう1室はパソコンと周辺機器でごった返す仕事部屋。他の部屋には家具の一つもない。更には、ティーセットとヤカンと数種類の茶葉以外は、使っているかすら怪しいキッチンと、コンセントの抜かれたテレビくらいしかないリビングという、非常に生活感の乏しい、妙に閑散とした場所だが。 ユア;この話の偶然ですが、ディスティアが裏としての拠点のマンション−エリスのマンションは、5LDKなのです。(実質は4LDK) これで、一エピソ−ドできました。 久遠;・・・・生活感無いわね・・・・アリエスちゃん。 ユア;久遠が、めそめそしてても、なににもならないわ。 > 今日の夕食にと買ってきた、某カ○リーメ○トをキッチンに放り出し、ヤカンを火にかけ、茶葉を選んで紅茶を入れると、蒸らし時間の間に仕事部屋のパソコンの電源を入れておく。シヴァに依頼されていた資料は、既に纏めてある。一応、今現在調べることの出来た情報の全てを、見やすいように整理しただけだが。 > 『オルフェーゼ』は、依頼の結果は全て、印刷して渡すことにしている。自らもクラッキング・ハッカーであるゆえに、インターネットの危なさは重々承知しているからだ。その点、印刷物ならば、自分の注意で何とでもなる。紙は、そこらのホームセンターで200枚いくらで売っているようなものだし、それを入れる茶封筒も、百円均一にあるようなものだ。プリンターもインクも普通の量産品。更に、指紋をつけないよう白手袋までつけて取り扱うこともある。そうしてきちんとそろえ終えたアリエスは、某カ○リーメ○トと紅茶という、人としていろいろと間違っている気がしないでもない夕食をとるのだった。 久遠;アリエスちゃん、健全な身体は、健全な食事からよ。 せめて、コンビニ弁当のほうが、ハリが出るわよ。 ユア;そうだけどね。 久遠;でもね、情報屋としては、正解ね、そのやり方。 そのレイティスっていう人は、いいお師匠さんだったのね。 > 久々にゆっくり眠ろうか、と思うアリエスは、パソコンを見た瞬間、一切の感情を凍りつかせた。 > そこには、1通の新着メール。 > >《 親愛なるオルフェ−ゼ殿。 > > 4月30日の24:30分に、時乃市はずれの廃工場に来られませ。 > 《万象知悉》レイティスどのについて、お話があります。 > > 萬屋《死風舞の風舞姫》 より 》 > >「《死風舞の風舞姫》・・・・・・・・ディスティア=ヴァリードさん。・・・・・・・・一体、何の目的があるというのでしょう?」 > 疑問形のその言葉とは裏腹に、呟く声は、恐ろしいほどに平坦。冷たい闇を瞳に宿し、アリエスは食い入るようにそのメールを見つめていた。 久遠;ちなみに、これは、クラッカ−・ハッカ−問わず、最高の挑発。 ユア;暗に、『従わないと、商売道具(パソコン)壊しちゃうぞ』的なものなので。 > > > * * * * * > > > アリエスはまだ知らない。これこそが、激動の1年の始まりを告げるものだということに。 > アリエスはまだ知らない。これから始まるものこそ、真実へ至る道だということに。 > > だから、今はまだ彼女は闇の中。静かで、激しい嵐の中。 > > 臆病な心の大地の桜に、どうか優しい恵みの雨を。地に咲く桜のその上に、どうか暖かな日の光を。 > 大地の桜に似た少女の道に、どうか、驟雨の幸あれと、今はただ、祈るのみ・・・・ > > ユア:ディスティアは、あの事を話すつもりです。 久遠;ある少年が、アリエス嬢を慕って、この稼業に入ったことを。 > > > > >####################################################################### > > あとがき > > こんにちは!長らくお待たせいたしました。羅城 朱琉です。『大地の桜に驟雨の幸を』完結編でした。 > まずは、ごめんなさい!当初の予定ではもう少しアルト君が出るはずだったのですが、予定が変わってこうなりました。 > 時間的には、この数日後に、『家族の写真』12話の出来事が起こる、といった時の物語を書かせていただきましたが、どうだったでしょう? ユア;面白かったです。 久遠;読んだとき、バイト先なのに、思い切り叫んで、先輩に殴り飛ばされたもんね。 ユア:・・・・・・・言わないで、ぷりいず。 > > では、今回はこの辺で! > > > 【P.S:十叶 夕海様へ】 >明日から冬休みにつき、更新とレスが途絶えます。 > 今年一年、いろいろとありがとうございました。十叶さんのおかげで、スランプに陥っても何とかここまで書いてくることが出来ました。 > 来年は、今年以上に多くの話を書けるよう精進したいと思いますので、ぜひ来年もよろしくお願いします。 > > それでは、今度こそ本当にこの辺で。良いお年を! > ユア;はい。わかりました。 久遠;ユアちゃんも、朱琉ちゃんの作品に結構励まされて、此処まで今年やってきたのよ。 ユア;・・・・・私のせりふ。 久遠;いいじゃないの。 二人;ともあれ!! ハッピ−クリスマス&よいお年を。 |
17461 | Re:明けない夜が無いように、アリエス嬢の氷も溶けますように | 羅城 朱琉 | 2006/1/12 10:09:58 |
記事番号17451へのコメント > >> > >ユア;聖夜のせいか少々、ハイなユアです。 >久遠;元々、ロウなんだし、それくらいでちょうどいいのよ。 >ユア;では、さくさくレス行きます。 朱琉:随分遅くなってしまってすみません。 アミイ:ネット不通はともかくとして、怠慢じゃない?朱琉。 朱琉:非常に申し訳ないです・・・・では、返レスです。 > >> >> >> >> >> 例えばそれは、何気ない一言であったり。例えばそれは、思いがけない出来事であったり。 >> 『今』が変わるきっかけは、すぐそこに。 > >久遠;そうよね、私も永蓮ちゃんと出会った時は、魔剣として・・・・ >ユア;はい、そこさらりとして怖いこと言わない。 > ・・・・たしかに、本当に些細な事で、変わりますよね。 > 後から、思い出せば、笑ってしまうようなことでも、変わってしまいます。 アミイ:そうよね。私も、昔はそれはそれは恐ろしい生きた伝説として・・・・ 朱琉:(さらりと無視)まあ、人生そんなものでしょう。私も、『スレイヤーズ』に出会わなかったら、今頃何を楽しみにいきていたやら。 > > >>(さて・・・・オルコット氏からの依頼は、『ディスティア=ヴァリードの調査』でしたが・・・・結局の所、行動パターンが一番のお望みでしょうね。ディスティアさんに、随分と入れ込んでいらっしゃるそうですし。) > >ユア;この結果シヴァは・・・・というふうに、『過去解明編』『温泉編』を経た後の『日常編(仮)』で、効果?がでます。 >久遠;アリエスちゃん、本当に的確ね、同業としてホレボレしちゃう >ユア;久遠の人間としての表向きの稼業は、情報屋です。 アミイ:もうちょっと、日常生活にも有能になってくれると、見てて安心出来るんだけどね。 朱琉:そこが、アリエスのアリエスたる所以ですよ(苦笑) > >> 表面上はいつもどおりの無表情ながら、アリエスはそんなことを考えていた。この時乃学園は油断のならないところであるが、『血紅玉』の指輪を鎖に通し首からかけているので、心を読む能力者がいても大丈夫であろう。思考を打ち切ると、無意識に手が胸元に・・・・制服の下で揺れる、血紅玉の指輪に行った。レイティスが殺されて後、裏で流通している血紅玉とは違う、生前のレイティス本人がアリエスのためだけに生み出した、護符だ。 >> その仕草に気付きさりげなく手を戻すと、周囲にわからない程度に小さく溜息をつく。 >>(ここしばらく、随分と情緒不安定ですね・・・・。気をつけなければ。) >> 自分で自分をそう評するその姿は、もし仮にそれを心読みの能力者が読み取っていたならば『嘘だ!』とツッコミを入れたくなるほどに冷静だ。しかし、すぐに気付くであろう。その冷静さの裏にあるものは、やもすれば狂気に傾こうとする心を抑える精神力だということに。・・・・不幸自慢をするわけではないが、アリエスの過去は、かなり過酷なものだ。その中で唯一見つけた希望・・・・レイティスを奪われたときの苦しみは、例えようもない。その時狂ってしまわなかったのがせめてもの救いか・・・・いや、不幸の始まりだろうか? >> チャイムが鳴る直前に静かに教室に入り、席に着く。不安定になった思考を断ち切るため、アリエスはほんの僅かな時間だけ、本を読んだ。 > >久遠;・・・・一人じゃないのにね、 > なのに、一人で『夜』を彷徨ってるわ、アリエスちゃん。 >ユア;だけど、本編の出来事で、少し・・・・本当に小さな一歩だけれど、『夜明け』に近付いているの・・・多分。 朱琉:確かに。徐々に夜明けが見えてきて、嬉しい限りです。 アミイ:明けない夜のないように、果てのない海のないように、アリエスが悲しみの果てに、新たな世界を見つけられますように・・・・ > > >> >> その後は、実に平穏に一日が過ぎていった。特筆すべきことと言えば、せいぜいアルト=ヴァリードと共に担任に呼び出されたことくらいであろう。それも、そう大したことではなく、配布物がどうこうといった、いわゆるクラスの雑用のようなことだった。こういう時、つくづくクラス委員なんて面倒だと思う。横にいるもう一人のクラス委員であるところのアルトが自分を引きずり込んだと知ったときは、かなり本気で公私混同しそうになってしまった。が・・・・まあ、悪い人ではないと、今は思う。 > > >ユア;この辺に、少し付け入る隙があるかな・・・ >久遠;隙だなんて、言葉悪いわよ。 アミイ:日常生活は隙だらけよね。心の中も危ないし。 朱琉:隙がなかったら、それこそ怖いです。機械じゃあるまいし。 アミイ:でも・・・・機械になろうとしてない?この時のアリエス。 朱琉:・・・・肯定です。 > > >> >> >> 現在アリエスが住んでいるマンションは4LDKで、一人で住むには少し広いように思う。しかし、収入に困っているわけでもなく、なによりここは、レイティスと暮らしていた場所だという愛着から、アリエスはここで一人暮らしを続けている。とはいえ、1室は机とベッド、本棚に、建付けのクローゼットしかない寝室。もう1室はパソコンと周辺機器でごった返す仕事部屋。他の部屋には家具の一つもない。更には、ティーセットとヤカンと数種類の茶葉以外は、使っているかすら怪しいキッチンと、コンセントの抜かれたテレビくらいしかないリビングという、非常に生活感の乏しい、妙に閑散とした場所だが。 > >ユア;この話の偶然ですが、ディスティアが裏としての拠点のマンション−エリスのマンションは、5LDKなのです。(実質は4LDK) > これで、一エピソ−ドできました。 >久遠;・・・・生活感無いわね・・・・アリエスちゃん。 >ユア;久遠が、めそめそしてても、なににもならないわ。 > >> 今日の夕食にと買ってきた、某カ○リーメ○トをキッチンに放り出し、ヤカンを火にかけ、茶葉を選んで紅茶を入れると、蒸らし時間の間に仕事部屋のパソコンの電源を入れておく。シヴァに依頼されていた資料は、既に纏めてある。一応、今現在調べることの出来た情報の全てを、見やすいように整理しただけだが。 >> 『オルフェーゼ』は、依頼の結果は全て、印刷して渡すことにしている。自らもクラッキング・ハッカーであるゆえに、インターネットの危なさは重々承知しているからだ。その点、印刷物ならば、自分の注意で何とでもなる。紙は、そこらのホームセンターで200枚いくらで売っているようなものだし、それを入れる茶封筒も、百円均一にあるようなものだ。プリンターもインクも普通の量産品。更に、指紋をつけないよう白手袋までつけて取り扱うこともある。そうしてきちんとそろえ終えたアリエスは、某カ○リーメ○トと紅茶という、人としていろいろと間違っている気がしないでもない夕食をとるのだった。 > >久遠;アリエスちゃん、健全な身体は、健全な食事からよ。 > せめて、コンビニ弁当のほうが、ハリが出るわよ。 >ユア;そうだけどね。 >久遠;でもね、情報屋としては、正解ね、そのやり方。 > そのレイティスっていう人は、いいお師匠さんだったのね。 アミイ:ちなみにこのときのアリエスの夕飯は、とある日の朱琉の昼ご飯とまったく同じメニューよ。 朱琉:・・・・良い子も悪い子も大人も、まねしてはいけません。4日も続けると、流石に栄養失調に陥ります。 アミイ:当たり前じゃない。わざわざ言う必要ないでしょう? > >> 久々にゆっくり眠ろうか、と思うアリエスは、パソコンを見た瞬間、一切の感情を凍りつかせた。 >> そこには、1通の新着メール。 >> >>《 親愛なるオルフェ−ゼ殿。 >> >> 4月30日の24:30分に、時乃市はずれの廃工場に来られませ。 >> 《万象知悉》レイティスどのについて、お話があります。 >> >> 萬屋《死風舞の風舞姫》 より 》 >> >>「《死風舞の風舞姫》・・・・・・・・ディスティア=ヴァリードさん。・・・・・・・・一体、何の目的があるというのでしょう?」 >> 疑問形のその言葉とは裏腹に、呟く声は、恐ろしいほどに平坦。冷たい闇を瞳に宿し、アリエスは食い入るようにそのメールを見つめていた。 > >久遠;ちなみに、これは、クラッカ−・ハッカ−問わず、最高の挑発。 >ユア;暗に、『従わないと、商売道具(パソコン)壊しちゃうぞ』的なものなので。 > >> >> >> * * * * * >> >> >> アリエスはまだ知らない。これこそが、激動の1年の始まりを告げるものだということに。 >> アリエスはまだ知らない。これから始まるものこそ、真実へ至る道だということに。 >> >> だから、今はまだ彼女は闇の中。静かで、激しい嵐の中。 >> >> 臆病な心の大地の桜に、どうか優しい恵みの雨を。地に咲く桜のその上に、どうか暖かな日の光を。 >> 大地の桜に似た少女の道に、どうか、驟雨の幸あれと、今はただ、祈るのみ・・・・ >> >> > >ユア:ディスティアは、あの事を話すつもりです。 >久遠;ある少年が、アリエス嬢を慕って、この稼業に入ったことを。 朱琉:それはとっても楽しみですvきゃあきゃあv アミイ:何だって?・・・・その時のアリエスの反応が楽しみ?・・・・なんと言うか、趣味、微妙よね。 > >> >> >> >> >>####################################################################### >> >> あとがき >> >> こんにちは!長らくお待たせいたしました。羅城 朱琉です。『大地の桜に驟雨の幸を』完結編でした。 >> まずは、ごめんなさい!当初の予定ではもう少しアルト君が出るはずだったのですが、予定が変わってこうなりました。 >> 時間的には、この数日後に、『家族の写真』12話の出来事が起こる、といった時の物語を書かせていただきましたが、どうだったでしょう? > >ユア;面白かったです。 >久遠;読んだとき、バイト先なのに、思い切り叫んで、先輩に殴り飛ばされたもんね。 >ユア:・・・・・・・言わないで、ぷりいず。 朱琉:そう言っていただけるとは・・・・嬉しいです! > > >> >> では、今回はこの辺で! >> >> >> 【P.S:十叶 夕海様へ】 >>明日から冬休みにつき、更新とレスが途絶えます。 >> 今年一年、いろいろとありがとうございました。十叶さんのおかげで、スランプに陥っても何とかここまで書いてくることが出来ました。 >> 来年は、今年以上に多くの話を書けるよう精進したいと思いますので、ぜひ来年もよろしくお願いします。 >> >> それでは、今度こそ本当にこの辺で。良いお年を! >> > >ユア;はい。わかりました。 >久遠;ユアちゃんも、朱琉ちゃんの作品に結構励まされて、此処まで今年やってきたのよ。 >ユア;・・・・・私のせりふ。 >久遠;いいじゃないの。 >二人;ともあれ!! > ハッピ−クリスマス&よいお年を。 朱琉:では、今回はこの辺で。 二人:またね! > > > |