◆−どんな時でも 心に花束を 上 (時の旅人 外伝)−十叶 夕海 (2006/2/15 00:10:28) No.17502 ┣短縮版で失礼します。−羅城 朱琉 (2006/2/15 13:06:10) No.17506 ┃┗いえいえ、ありがとうございます。−十叶 夕海 (2006/2/15 23:40:11) No.17509 ┗どんな時でも 心に花束を 中 (時の旅人 外伝)−十叶 夕海 (2006/3/3 00:44:29) No.17545 ┗かっ・・・・かわいい・・・・vv−羅城 朱琉 (2006/3/22 12:51:12) No.17553 ┗ほのぼのと微シリアスが、セットなのです。−十叶 夕海 (2006/3/23 01:15:42) No.17558
17502 | どんな時でも 心に花束を 上 (時の旅人 外伝) | 十叶 夕海 | 2006/2/15 00:10:28 |
「ナツメ、チョコがほっぺについてる。」 「あっう。」 人間の暦で、二月の中旬頭。 カタ−ト山脈のディスティア=ペシュテルの居住の中の台所。 背が高く青く輝く髪の女性と小柄の可愛らしい黒髪の少女が、何やら作っている・・・どうやら、チョコのようだ。 そして、数時間後。 「同僚に配ってくる。 ナツメ、アルトを呼んで、『サ―チリスト』を『更新』して、エヴァンスとラディハルト、あとレンシェルマとルピナスの居場所を探って置いてって。」 「・・・はい・・分かりました。」 ディスティアは、最初に、覇王軍の三人の部下にだけ、配った。 どうも、ディスティアは、兄でもあるグラウシェラ―を好きにはなれないのだ。 それに、人間のリナ=インバ―スにやられた傷はまだまだよくないようだ。 次に、海王軍に向かった。 親友のファランに渡した後、海王の執務室に向かった。 そこで、将軍神官、姉でもあるダルフィンの分として五つ置いていく。 帰り際に、ダルフィンが、 「ディスちゃん、ホワイトデ−は、わたくしがデザインしたドレスをプレゼントしますわ。」 といったが、当然、 「断ります。 ドレスは動きにくいですし。」 といい、足早に行ってしまった。 「ディスちゃんのイケズ〜」 「あれ、海王様、ディスティア様は、二つを多くもってきてるみたいよ。」 「グラシェリア、キミの勘違いなんじゃないの?」 「そんなはず無いわよ、リトシエラ。 ・・・・あ、やっぱりそうだ。」 「何が?」 「シュレイカ−とリクスファルトの分もあるわ。」 「ディスちゃんなりの、哀悼ですわね、 降魔戦争の時も同じことをしてましたわね。」 そう、チョコに添えられたカ−ドの名前には、シュレイカ−とリクスファルトの分もあったのだ。 「おや、ディスティアさん。」 「久し振り、ゴキブリ魔族?」 「・・・・・・・・リナさんに会いましたね。」 「けっこう、気持ちのいいお嬢さんだった。」 ここは、獣王ゼラス・メタリオムの執務室・・・・・なのだが、書類を持ったゼロス以外いない。 主であるゼラスすら居ないのだ。 「ゼラス姉様は?」 「・・・・・・・どこにいったんでしょうね。」 やけに、遠い目をしながら、ゼロスはそう呟く。 「そっか。 これバレンタインの。」 といい、自分の居住区に戻ったディスティアであった。 「アルト分かった?」 「ええ、まず、ラディハルトは・・・」 『お友達リスト』と言うものをご存知だろうか。 オンラインRPGの昨日の一種で、擦れ違った事があるキャラを記憶していき、頻繁に会うキャラほど上に記憶されていくものである。 そして、そのキャラが、何処に居るかも分かる昨日である。 アルトの能力も、それの鷹揚に近いもので。 元々、持つ『影渡り』の能力の応用で、作られてすぐ、必要に迫られて開発した能力である。 まあ、ディスティアが、ナツメを手元においてからはあまり必要にならなくなったが。 「・・・に居ると思います。」 「ありがと、じゃ、アルト。 ナツメと一緒に、エヴァンスのトコ行って上げて。 あと、帰ったら、暖かくして、寝ててね。 私のは数日掛かりそうだしね。」 「御心のままに。」 SIDE;ラディハルト=レンスタ― 「(日暮れまでには、町につけそうやな。)」 金髪碧眼の黙っていれば、二枚目の行商人の青年が、街道を歩いている。 「久し振り、ラディハルトでしょ?」 後ろから、そう声をかけられる。 青みの強い灰色の髪とオレンジの瞳の人間型を取ったディスティアである。 「ディスティアはん、やあたっけ?」 「そ、ホント久し振りね。」 「なんのようや?」 「世間話とバレンタインのお菓子を渡しに。」 「・・・・・・自分は、何処にもつく気は無いで。」 「お歳暮だし、それにこれからだんだんひどくなる。 獣王のトコの魔族も動いた見たいだしね。」 ラディハルトは、そう言って、追い払おうとしたが、その一言で、ぴたりと止まる。 「・・・・・話しや。」 「じゃ、次の町で、食堂か何かに入ろっか。 ・・・・なんなら、宿代までおごるけど?」 「盗んだ金やないやろな?」 「・・・まさか、どこぞの≪デモンスレイヤ―≫じゃないけど、盗賊を襲ったか、傭兵の真似事をして稼いだまっとうな金よ。」 盗賊潰しが、まっとうな仕事はさておこう。 ≪デモンスレイヤ―≫も、『悪人に人権は無い』と断言してるし。 「ありがとさん。」 そして、食堂兼宿屋の食堂にて。 ある程度食べ終えたところで、ディスティアは話を切り出す。 「オルフェ―ゼのトコのアリエスって知ってる?」 「ああ、五百か六百年前のリブラとかいう国一つ滅ぼした魔道士の妹やろって・・・・始めて会ったにも、同じ様なこといいてへんだっけ?」 「言った。 その子と一緒に旅してるルピナスって子も含めて、≪語り部≫に会ったみたいよ。 それで、ある意味加速的に、動き出したみたいでね。」 「ほうか。」 「一応、まったく関係のない話でもないでしょ? 人間のした実験と『精霊の呪い』の違いはあっても。」 「せやけどな、その話し気軽にせんといて。」 「分かった。 ・・・・ああと、今日は相部屋らしい。」 「はい?」 「部屋が空いてないらしくてね。 女を襲うほど、お前は溜まってないだろう。」 こうして、夜は更ける。 こうして、一人目に渡し終えたディスティアであった。 ちなみに、保存の効く堅めに焼いたチョコクッキ−と数日用のチョコマカロンが、ラディハルト用のものであった。 ―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+ ユア;甘くな〜い。 久遠;バレンタインのお話よね。 ユア;正確に言えば、ヴァレンタインにかっこつけたディスティアの気紛れ話。 久遠;下か、そこらでは、甘くはならないけど、ほのぼのよね、ディスちゃんとレンちゃん。 ユア;まぁ、ディスティアが、唯一愛した人に似た人ですしね、レンさん。 久遠;書くの? ユア;何を? 久遠;そのディスちゃん初恋物語。 ユア;どうだろね、羅城さんが読みたい習って感じですね。 プロットだけは立ててます。 相手が、神官出身の『赤竜神の騎士』だとか・・・・・。 久遠;その時点で、悲恋決定ね。 ユア;まあ。 ・・・ともあれ、『下』で会いましょう。 久遠;なるべく早くね。 二人;では、『下』で。 |
17506 | 短縮版で失礼します。 | 羅城 朱琉 | 2006/2/15 13:06:10 |
記事番号17502へのコメント こんにちは、羅城 朱琉です。早速ですが、感想を手短に。 冒頭のナツメちゃん、ものすごくかわいかったです。 そして、ディス嬢なりの哀悼の示し方にちょっと涙でした。 ゼロスは、結局誰からも家庭内害虫Gの名で呼ばれるのですね(笑) ラディ君はまあ、相変わらずながらも巻き込まれていっている感じが・・・・。 後編も楽しみにしていますね。ディス嬢の初恋話・・・・読んでみたいです。まあ、負担にならないならば。 では、バスがそろそろ来ますので、今回はこの辺で。 |
17509 | いえいえ、ありがとうございます。 | 十叶 夕海 | 2006/2/15 23:40:11 |
記事番号17506へのコメント > > こんにちは、羅城 朱琉です。早速ですが、感想を手短に。 こんにちは。手短でも嬉しいですよ。 > > 冒頭のナツメちゃん、ものすごくかわいかったです。 『家族の写真』のイメ―ジから引っ張ってきました。 彼女が、一番、この話と『家族の写真』との差がないですね。 > そして、ディス嬢なりの哀悼の示し方にちょっと涙でした。 魔族らしくないのは、承知の上です。 でも、『兄と妹』『風華』『孤独な涙』『時の旅人』『家族の写真』などの変遷の中でも、変わらない根底にあるのは、こう言う『甘さ』にも取れる『優しさ』なんだと思います。 > ゼロスは、結局誰からも家庭内害虫Gの名で呼ばれるのですね(笑) それでこその、ゼロスでしょう。 > ラディ君はまあ、相変わらずながらも巻き込まれていっている感じが・・・・。 一応、ラディとディス嬢の関係は、ゼルとゼロスの関係をモチ―フにしています。 エヴァとディス嬢の関係が、リナとゼロスなら、先の二人はこうかなと。 > > 後編も楽しみにしていますね。ディス嬢の初恋話・・・・読んでみたいです。まあ、負担にならないならば。 > では、バスがそろそろ来ますので、今回はこの辺で。 一応、レンさんのトコに、遊び?に行って、そこから話を始めます。 はい、わかりました。 それでは。 |
17545 | どんな時でも 心に花束を 中 (時の旅人 外伝) | 十叶 夕海 | 2006/3/3 00:44:29 |
記事番号17502へのコメント SIDE:エヴァンス 「・・・・ふぅ。」 人里離れた・・・とまではいかないが、余り人が来ないようなそんな開けた丘の上。 赤髪の二十歳ぐらいの青年が、其処で、寝転がっていた。 ここは、水竜王の地域でも、南の方に位置しており、冬であっても、降水量が少ない暖かい地域なのだ。 そして、彼が、うとうとし始めたそんな時・・・・・。 「きゃああぁぁぁ。」 「あっ、馬鹿。」 空間移動の練習を兼ねてか、ナツメは単独自力移動をしようとしたらしいが、出現した場所は、思っていた場所より、ずれてエヴァンスのお腹のちょうど真上に出現してしまったようだ。 そして、重力に従って落ちた。 「・・・・(あまりの衝撃に絶句)」 「だ、大丈夫ですか?」 「・・・・まだ、少し座標が甘いようだな、うん。」 「何してんだ、お前ら。」 「・・・・今日はね、どこぞの習慣でね、好意を持つ者同士がお菓子を渡したり渡されたりする日なんだよね。 それで、ナツメが、君に渡したいんだって。 なんでもね、もう無い世界・・・生まれ故郷で一緒に暮らしてた同族の一人に似てんだって。 つまりは、保護者その2に似てるっぽいね。 代替行為っぽいけどね。 ともかく、ナツメは、バレンタインだから、お前にチョコを渡しに来た、OK?」 エヴァンスのもっともな問いに、ワンブレスでまくしあげるアルト。 「・・・・なるほどな。」 「・・・・・・というわけだ。 二時間ぐらいしたら、また来るから、それまでナツメを頼むぞ、エヴァンス。」 「はあ?」 こんどこそ、エヴァンスは、マヌケな声を上げた。 そして、抗議するよりも早く、アルトは、ナツメをおいていなくなった。 「おい、待て、こらっ。」 「・・・・・す、すっすみません。」 「お前は悪くない。」 二人は、そうして、適当にすわる。 「・・・あっ、あのこれバレンタインです。 ・・・・・余り日持ちは、しないですけど・・・」 そういって、ナツメは、普通のカットケ−キなら四個ほど入りそうな箱をエヴァンスに渡す。 中身は、生地にチョコを混ぜ、ナッツをトッピングして焼き上げたシュ−に、貸すタ−ドクリ−ムを挟んだチョコシュ−クリ−ムである。 「・・・うまそうだな。」 エヴァンスの言葉には、言葉の意味とは裏腹に、苦いものが合った。 それは、彼の生まれ故郷での姉貴分・・マリアンが特別の日に必ず作っていたお菓子だったのだ。 「ちょ、ちょっと焦げちゃってますから・・・その、苦い・・・かもしれ・・・ないです。」 「そうでもないぞ。」 一つを咀嚼しながら、エヴァンスはそう答える。 そして、しばしの無言の時間。 エヴァンスが、肩の重みに気が付く頃には、ナツメは静かな寝息を立てていた。 SIDE;ルピナス 二月十六日になったばかりの時間・・・午前零時を少々過ぎたばかりの時間帯だ。 そのころ、ルピナスとアリエスは、それぞれ、別室でベッドに入っていた。 寝る前には、女性だったルピナスも、日付が変わると同時に、男性へと変化する。 それを待っていたかのように、部屋に気配なく人影が現れる。 「これが、ルピナスか・・・」 そして、『彼女』は、掻き消える、ルピナスと一緒に。 「・・・・起きろ・・・・起きろ。 起きろ、ルピナス=ヴァリ−ド!!」 ルピナスは、その一言で、飛び起きた。 飛び起きたのだが、その部屋には見覚えがなかった。 『女』のときのことは、完全に覚えているわけではないが、それでも寝ていた場所ぐらいは分かる。 少なくとも、少々簡素な気もするが、趣味の言いお金持ちの寝室といった所だ。 「ここは・・・」 キョトキョトと見回しながら、ふとルピナスは呟いた。 「ここは、私の私室。 私は、ディスティア=ペシュテル。 レンシェルマ=ヴァリ−ドの養い子のルピナス?」 その言葉に、ベッドのすぐ脇に座った青銀の髪とオレンジの瞳の美人−ディスティアは、そう答えた。 「・・・何者?」 「俗に言う赤の世界の魔族上層部の一人。 如何した?ルピナス=セレス=ヴァリ−ド?」 「ルピナスでいいです。」 正体を明かされても、別段ルピナスは、驚かなかった。 多分、ディスティアの魔族らしからぬ雰囲気のせいも在るだろう。 「では、ルピナス。 私は、お前の旅仲間・アリエスのかつての友人だ。 向こうは、覚えているか分からないが。」 激しい驚きによって、ルピナスは言葉が出ない。 それもそのはず、自分の知らないアリエスを知る人物なのだ。 「・・・・残念だけどね、ルピナス。 私が、君に話せることは、殆ど無い。 それでも、数百年前のあの時、私とアリエスは、確かに友達だった。」 ディスティアは、明らかに肩を落とすルピナスの前に、固焼きクッキ−の袋を落とす。 例によって、チョコ風味だ。 「まあ、バレンタインにかこつけて、ことが起こる前に会いたかったのだよ。 セファにどこかに似たお前にね。」 ディスティアは、そう言って、ルピナスを後ろから抱き寄せる。 「な、何を。」 「暖かいね。 人間は、暖かい。 数百年ぶりだよ。 セファ以外だと、アリエスぐらいしか、感じた事がない暖かさ。 ラディやエヴァは、触られるのすら、嫌がるからな・・・」 ルピナスの温もりをゆっくりと感じるように、抱き締めている。 「セファとか、ラディとか、エヴァって誰?」 「セファは、私の愛した人間で、人間や神族に嬲り殺された。 ラディとエヴァは、人間の友達だね。」 ディスティアは、明らかに、しまったと言う風に、慌てて説明する。 それでも、セファの事を語るときには、隠し切れない悲しみと憎しみが混在していた。 「さっきも言ったけどね。 ルピナスとセファは似ているよ。 顔も性格も、雰囲気も違うけどね。 どこか・・・・なんとなく、似ている。」 「・・・・」 「ルピナス=セレス=ヴァリ−ド。 アリエスを守ってやってくれ。」 「僕は・・・(アリエスを守れるほど強くない)」 ルピナスの言葉を半ば遮り、ディスティアは、続ける。 「たしかに、お前はアリエスより弱いかもしれない。 だけど、心を守る・・・心の拠り所というのか、それになってやってくれ。」 「・・・・魔族に言われなくとも。」 「よし、その意気だ。 ・・・・そろそろ、お別れだな。 では、な。」 ディスティアが、別れの言葉を口にした瞬間、ルピナスの意識は暗転する。 「・・・あれ?」 次に、ルピナスが、目覚めた時には、寝る前の部屋に戻っていた。 「夢・・・じゃない。」 夢だと思ったようだが、ルピナスの枕の横に、クッキ−の袋・・・ディスティアと言う魔族にもらったもの・・が確かにあった。 −+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+ はい、少々・・・・というかかなり遅れてます。 しかも、まだ、完結してません。 なるべく早く完結させたいです。 ・・・・ところで、羅城様、ルピナスサイドこれでよかったでしょうか? 好き勝手に書かせていただきました。 ダメだったら、ごめんなさい。 しつこいぐらいにメ−ルしたのに。 ともあれ、次回で完結できるように、頑張ります。 それでは。 |
17553 | かっ・・・・かわいい・・・・vv | 羅城 朱琉 | 2006/3/22 12:51:12 |
記事番号17545へのコメント 朱琉:では、早速レスです。 > > > SIDE:エヴァンス > > >「・・・・ふぅ。」 >人里離れた・・・とまではいかないが、余り人が来ないようなそんな開けた丘の上。 >赤髪の二十歳ぐらいの青年が、其処で、寝転がっていた。 >ここは、水竜王の地域でも、南の方に位置しており、冬であっても、降水量が少ない暖かい地域なのだ。 >そして、彼が、うとうとし始めたそんな時・・・・・。 >「きゃああぁぁぁ。」 >「あっ、馬鹿。」 >空間移動の練習を兼ねてか、ナツメは単独自力移動をしようとしたらしいが、出現した場所は、思っていた場所より、ずれてエヴァンスのお腹のちょうど真上に出現してしまったようだ。 >そして、重力に従って落ちた。 >「・・・・(あまりの衝撃に絶句)」 >「だ、大丈夫ですか?」 >「・・・・まだ、少し座標が甘いようだな、うん。」 >「何してんだ、お前ら。」 >「・・・・今日はね、どこぞの習慣でね、好意を持つ者同士がお菓子を渡したり渡されたりする日なんだよね。 > それで、ナツメが、君に渡したいんだって。 > なんでもね、もう無い世界・・・生まれ故郷で一緒に暮らしてた同族の一人に似てんだって。 > つまりは、保護者その2に似てるっぽいね。 > 代替行為っぽいけどね。 > ともかく、ナツメは、バレンタインだから、お前にチョコを渡しに来た、OK?」 >エヴァンスのもっともな問いに、ワンブレスでまくしあげるアルト。 >「・・・・なるほどな。」 >「・・・・・・というわけだ。 > 二時間ぐらいしたら、また来るから、それまでナツメを頼むぞ、エヴァンス。」 >「はあ?」 >こんどこそ、エヴァンスは、マヌケな声を上げた。 >そして、抗議するよりも早く、アルトは、ナツメをおいていなくなった。 >「おい、待て、こらっ。」 >「・・・・・す、すっすみません。」 >「お前は悪くない。」 >二人は、そうして、適当にすわる。 >「・・・あっ、あのこれバレンタインです。 > ・・・・・余り日持ちは、しないですけど・・・」 >そういって、ナツメは、普通のカットケ−キなら四個ほど入りそうな箱をエヴァンスに渡す。 >中身は、生地にチョコを混ぜ、ナッツをトッピングして焼き上げたシュ−に、貸すタ−ドクリ−ムを挟んだチョコシュ−クリ−ムである。 >「・・・うまそうだな。」 >エヴァンスの言葉には、言葉の意味とは裏腹に、苦いものが合った。 >それは、彼の生まれ故郷での姉貴分・・マリアンが特別の日に必ず作っていたお菓子だったのだ。 >「ちょ、ちょっと焦げちゃってますから・・・その、苦い・・・かもしれ・・・ないです。」 >「そうでもないぞ。」 >一つを咀嚼しながら、エヴァンスはそう答える。 >そして、しばしの無言の時間。 >エヴァンスが、肩の重みに気が付く頃には、ナツメは静かな寝息を立てていた。 朱琉:ほのぼのしてて素敵です!そして、ナツメちゃん、すごくかわいいです!!!! アミイ:はいはい、落ち着きなさい、朱琉。ナツメちゃんが怯えるわよ!? 朱琉:う・・・・。 > > > > > > SIDE;ルピナス > > >二月十六日になったばかりの時間・・・午前零時を少々過ぎたばかりの時間帯だ。 >そのころ、ルピナスとアリエスは、それぞれ、別室でベッドに入っていた。 >寝る前には、女性だったルピナスも、日付が変わると同時に、男性へと変化する。 >それを待っていたかのように、部屋に気配なく人影が現れる。 >「これが、ルピナスか・・・」 >そして、『彼女』は、掻き消える、ルピナスと一緒に。 > > >「・・・・起きろ・・・・起きろ。 > 起きろ、ルピナス=ヴァリ−ド!!」 >ルピナスは、その一言で、飛び起きた。 >飛び起きたのだが、その部屋には見覚えがなかった。 >『女』のときのことは、完全に覚えているわけではないが、それでも寝ていた場所ぐらいは分かる。 >少なくとも、少々簡素な気もするが、趣味の言いお金持ちの寝室といった所だ。 >「ここは・・・」 >キョトキョトと見回しながら、ふとルピナスは呟いた。 >「ここは、私の私室。 > 私は、ディスティア=ペシュテル。 > レンシェルマ=ヴァリ−ドの養い子のルピナス?」 >その言葉に、ベッドのすぐ脇に座った青銀の髪とオレンジの瞳の美人−ディスティアは、そう答えた。 >「・・・何者?」 >「俗に言う赤の世界の魔族上層部の一人。 > 如何した?ルピナス=セレス=ヴァリ−ド?」 >「ルピナスでいいです。」 >正体を明かされても、別段ルピナスは、驚かなかった。 >多分、ディスティアの魔族らしからぬ雰囲気のせいも在るだろう。 >「では、ルピナス。 > 私は、お前の旅仲間・アリエスのかつての友人だ。 > 向こうは、覚えているか分からないが。」 >激しい驚きによって、ルピナスは言葉が出ない。 >それもそのはず、自分の知らないアリエスを知る人物なのだ。 >「・・・・残念だけどね、ルピナス。 > 私が、君に話せることは、殆ど無い。 > それでも、数百年前のあの時、私とアリエスは、確かに友達だった。」 >ディスティアは、明らかに肩を落とすルピナスの前に、固焼きクッキ−の袋を落とす。 >例によって、チョコ風味だ。 >「まあ、バレンタインにかこつけて、ことが起こる前に会いたかったのだよ。 > セファにどこかに似たお前にね。」 >ディスティアは、そう言って、ルピナスを後ろから抱き寄せる。 >「な、何を。」 >「暖かいね。 > 人間は、暖かい。 > 数百年ぶりだよ。 > セファ以外だと、アリエスぐらいしか、感じた事がない暖かさ。 > ラディやエヴァは、触られるのすら、嫌がるからな・・・」 >ルピナスの温もりをゆっくりと感じるように、抱き締めている。 >「セファとか、ラディとか、エヴァって誰?」 >「セファは、私の愛した人間で、人間や神族に嬲り殺された。 > ラディとエヴァは、人間の友達だね。」 >ディスティアは、明らかに、しまったと言う風に、慌てて説明する。 >それでも、セファの事を語るときには、隠し切れない悲しみと憎しみが混在していた。 >「さっきも言ったけどね。 > ルピナスとセファは似ているよ。 > 顔も性格も、雰囲気も違うけどね。 > どこか・・・・なんとなく、似ている。」 >「・・・・」 >「ルピナス=セレス=ヴァリ−ド。 > アリエスを守ってやってくれ。」 >「僕は・・・(アリエスを守れるほど強くない)」 >ルピナスの言葉を半ば遮り、ディスティアは、続ける。 >「たしかに、お前はアリエスより弱いかもしれない。 > だけど、心を守る・・・心の拠り所というのか、それになってやってくれ。」 >「・・・・魔族に言われなくとも。」 >「よし、その意気だ。 > ・・・・そろそろ、お別れだな。 > では、な。」 >ディスティアが、別れの言葉を口にした瞬間、ルピナスの意識は暗転する。 > > >「・・・あれ?」 >次に、ルピナスが、目覚めた時には、寝る前の部屋に戻っていた。 >「夢・・・じゃない。」 >夢だと思ったようだが、ルピナスの枕の横に、クッキ−の袋・・・ディスティアと言う魔族にもらったもの・・が確かにあった。 朱琉:ルピ君とディス嬢の会話、堪能しました。 アミイ:ちなみに、これを読んでて本編第5部の一部分が出来たそうよ。 朱琉:はい。 > > > > > > >−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+ > > >はい、少々・・・・というかかなり遅れてます。 >しかも、まだ、完結してません。 >なるべく早く完結させたいです。 > > >・・・・ところで、羅城様、ルピナスサイドこれでよかったでしょうか? >好き勝手に書かせていただきました。 >ダメだったら、ごめんなさい。 >しつこいぐらいにメ−ルしたのに。 > > > > >ともあれ、次回で完結できるように、頑張ります。 >それでは。 朱琉:はい、なんだか一言感想ばかりになってしまってすみません。 アミイ:気をつけなさいね、朱琉。まあ、ともかく今回はこの辺で。 二人:では、また! > > |
17558 | ほのぼのと微シリアスが、セットなのです。 | 十叶 夕海 | 2006/3/23 01:15:42 |
記事番号17553へのコメント > >朱琉:では、早速レスです。 ユア;返レス行きます。 > >> >> >> SIDE:エヴァンス >> >> >>「・・・・ふぅ。」 >>人里離れた・・・とまではいかないが、余り人が来ないようなそんな開けた丘の上。 >>赤髪の二十歳ぐらいの青年が、其処で、寝転がっていた。 >>ここは、水竜王の地域でも、南の方に位置しており、冬であっても、降水量が少ない暖かい地域なのだ。 >>そして、彼が、うとうとし始めたそんな時・・・・・。 >>「きゃああぁぁぁ。」 >>「あっ、馬鹿。」 >>空間移動の練習を兼ねてか、ナツメは単独自力移動をしようとしたらしいが、出現した場所は、思っていた場所より、ずれてエヴァンスのお腹のちょうど真上に出現してしまったようだ。 >>そして、重力に従って落ちた。 >>「・・・・(あまりの衝撃に絶句)」 >>「だ、大丈夫ですか?」 >>「・・・・まだ、少し座標が甘いようだな、うん。」 >>「何してんだ、お前ら。」 >>「・・・・今日はね、どこぞの習慣でね、好意を持つ者同士がお菓子を渡したり渡されたりする日なんだよね。 >> それで、ナツメが、君に渡したいんだって。 >> なんでもね、もう無い世界・・・生まれ故郷で一緒に暮らしてた同族の一人に似てんだって。 >> つまりは、保護者その2に似てるっぽいね。 >> 代替行為っぽいけどね。 >> ともかく、ナツメは、バレンタインだから、お前にチョコを渡しに来た、OK?」 >>エヴァンスのもっともな問いに、ワンブレスでまくしあげるアルト。 >>「・・・・なるほどな。」 >>「・・・・・・というわけだ。 >> 二時間ぐらいしたら、また来るから、それまでナツメを頼むぞ、エヴァンス。」 >>「はあ?」 >>こんどこそ、エヴァンスは、マヌケな声を上げた。 >>そして、抗議するよりも早く、アルトは、ナツメをおいていなくなった。 >>「おい、待て、こらっ。」 >>「・・・・・す、すっすみません。」 >>「お前は悪くない。」 >>二人は、そうして、適当にすわる。 >>「・・・あっ、あのこれバレンタインです。 >> ・・・・・余り日持ちは、しないですけど・・・」 >>そういって、ナツメは、普通のカットケ−キなら四個ほど入りそうな箱をエヴァンスに渡す。 >>中身は、生地にチョコを混ぜ、ナッツをトッピングして焼き上げたシュ−に、貸すタ−ドクリ−ムを挟んだチョコシュ−クリ−ムである。 >>「・・・うまそうだな。」 >>エヴァンスの言葉には、言葉の意味とは裏腹に、苦いものが合った。 >>それは、彼の生まれ故郷での姉貴分・・マリアンが特別の日に必ず作っていたお菓子だったのだ。 >>「ちょ、ちょっと焦げちゃってますから・・・その、苦い・・・かもしれ・・・ないです。」 >>「そうでもないぞ。」 >>一つを咀嚼しながら、エヴァンスはそう答える。 >>そして、しばしの無言の時間。 >>エヴァンスが、肩の重みに気が付く頃には、ナツメは静かな寝息を立てていた。 >朱琉:ほのぼのしてて素敵です!そして、ナツメちゃん、すごくかわいいです!!!! >アミイ:はいはい、落ち着きなさい、朱琉。ナツメちゃんが怯えるわよ!? >朱琉:う・・・・。 ユア;これは、『家族の写真』の影響です。 久遠:でも、かわいいわよね☆ > >> >> >> >> >> >> SIDE;ルピナス >> >> >>二月十六日になったばかりの時間・・・午前零時を少々過ぎたばかりの時間帯だ。 >>そのころ、ルピナスとアリエスは、それぞれ、別室でベッドに入っていた。 >>寝る前には、女性だったルピナスも、日付が変わると同時に、男性へと変化する。 >>それを待っていたかのように、部屋に気配なく人影が現れる。 >>「これが、ルピナスか・・・」 >>そして、『彼女』は、掻き消える、ルピナスと一緒に。 >> >> >>「・・・・起きろ・・・・起きろ。 >> 起きろ、ルピナス=ヴァリ−ド!!」 >>ルピナスは、その一言で、飛び起きた。 >>飛び起きたのだが、その部屋には見覚えがなかった。 >>『女』のときのことは、完全に覚えているわけではないが、それでも寝ていた場所ぐらいは分かる。 >>少なくとも、少々簡素な気もするが、趣味の言いお金持ちの寝室といった所だ。 >>「ここは・・・」 >>キョトキョトと見回しながら、ふとルピナスは呟いた。 >>「ここは、私の私室。 >> 私は、ディスティア=ペシュテル。 >> レンシェルマ=ヴァリ−ドの養い子のルピナス?」 >>その言葉に、ベッドのすぐ脇に座った青銀の髪とオレンジの瞳の美人−ディスティアは、そう答えた。 >>「・・・何者?」 >>「俗に言う赤の世界の魔族上層部の一人。 >> 如何した?ルピナス=セレス=ヴァリ−ド?」 >>「ルピナスでいいです。」 >>正体を明かされても、別段ルピナスは、驚かなかった。 >>多分、ディスティアの魔族らしからぬ雰囲気のせいも在るだろう。 >>「では、ルピナス。 >> 私は、お前の旅仲間・アリエスのかつての友人だ。 >> 向こうは、覚えているか分からないが。」 >>激しい驚きによって、ルピナスは言葉が出ない。 >>それもそのはず、自分の知らないアリエスを知る人物なのだ。 >>「・・・・残念だけどね、ルピナス。 >> 私が、君に話せることは、殆ど無い。 >> それでも、数百年前のあの時、私とアリエスは、確かに友達だった。」 >>ディスティアは、明らかに肩を落とすルピナスの前に、固焼きクッキ−の袋を落とす。 >>例によって、チョコ風味だ。 >>「まあ、バレンタインにかこつけて、ことが起こる前に会いたかったのだよ。 >> セファにどこかに似たお前にね。」 >>ディスティアは、そう言って、ルピナスを後ろから抱き寄せる。 >>「な、何を。」 >>「暖かいね。 >> 人間は、暖かい。 >> 数百年ぶりだよ。 >> セファ以外だと、アリエスぐらいしか、感じた事がない暖かさ。 >> ラディやエヴァは、触られるのすら、嫌がるからな・・・」 >>ルピナスの温もりをゆっくりと感じるように、抱き締めている。 >>「セファとか、ラディとか、エヴァって誰?」 >>「セファは、私の愛した人間で、人間や神族に嬲り殺された。 >> ラディとエヴァは、人間の友達だね。」 >>ディスティアは、明らかに、しまったと言う風に、慌てて説明する。 >>それでも、セファの事を語るときには、隠し切れない悲しみと憎しみが混在していた。 >>「さっきも言ったけどね。 >> ルピナスとセファは似ているよ。 >> 顔も性格も、雰囲気も違うけどね。 >> どこか・・・・なんとなく、似ている。」 >>「・・・・」 >>「ルピナス=セレス=ヴァリ−ド。 >> アリエスを守ってやってくれ。」 >>「僕は・・・(アリエスを守れるほど強くない)」 >>ルピナスの言葉を半ば遮り、ディスティアは、続ける。 >>「たしかに、お前はアリエスより弱いかもしれない。 >> だけど、心を守る・・・心の拠り所というのか、それになってやってくれ。」 >>「・・・・魔族に言われなくとも。」 >>「よし、その意気だ。 >> ・・・・そろそろ、お別れだな。 >> では、な。」 >>ディスティアが、別れの言葉を口にした瞬間、ルピナスの意識は暗転する。 >> >> >>「・・・あれ?」 >>次に、ルピナスが、目覚めた時には、寝る前の部屋に戻っていた。 >>「夢・・・じゃない。」 >>夢だと思ったようだが、ルピナスの枕の横に、クッキ−の袋・・・ディスティアと言う魔族にもらったもの・・が確かにあった。 >朱琉:ルピ君とディス嬢の会話、堪能しました。 >アミイ:ちなみに、これを読んでて本編第5部の一部分が出来たそうよ。 >朱琉:はい。 ユア;なんとなく、アリエス嬢の知り合いを相手にするとこうなるかなと錯誤しつつ作りましたが、好評で何より。 久遠;ユアちゃん、結構責任というか嬉しい感じじゃない? ユア;はい☆ > >> >> >> >> >> >> >>−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+ >> >> >>はい、少々・・・・というかかなり遅れてます。 >>しかも、まだ、完結してません。 >>なるべく早く完結させたいです。 >> >> >>・・・・ところで、羅城様、ルピナスサイドこれでよかったでしょうか? >>好き勝手に書かせていただきました。 >>ダメだったら、ごめんなさい。 >>しつこいぐらいにメ−ルしたのに。 >> >> >> >> >>ともあれ、次回で完結できるように、頑張ります。 >>それでは。 >朱琉:はい、なんだか一言感想ばかりになってしまってすみません。 >アミイ:気をつけなさいね、朱琉。まあ、ともかく今回はこの辺で。 >二人:では、また! ユア:いえいえ、ありがとうございます。 二人;それでは。 >> >> > |