◆−+私は 絶対に忘れない+  (時の旅人外伝)−十叶 夕海 (2006/6/18 13:48:49) No.17710
 ┣短縮版になりますが・・・・−羅城 朱琉 (2006/6/20 08:46:16) No.17717
 ┃┗いえいえ、ありがとうございます−十叶 夕海 (2006/6/20 13:49:34) No.17718
 ┣露天商の兄ちゃんと女傭兵の姉ちゃんと助手の少年と?(時の旅人外伝)−十叶 夕海 (2006/6/23 15:35:45) No.17731
 ┃┣おまけ 三人の日常会話(時の旅人外伝)−十叶 夕海 (2006/6/24 23:21:39) No.17732
 ┃┃┗ラディハルト、君は正しい!(←おい)−羅城 朱琉 (2006/6/27 08:44:51) No.17741
 ┃┃ ┗そうです、アルトの頭は、魅惑の手触りなのです。−十叶 夕海 (2006/6/27 13:55:01) No.17743
 ┃┗ほのぼのしてますね−羅城 朱琉 (2006/6/27 08:40:00) No.17740
 ┃ ┗どこか、牧歌的な雰囲気なのです。−十叶 夕海 (2006/6/27 13:49:33) No.17742
 ┗何時も心に花束を 下  (時の旅人外伝)(遅れて済みません)−十叶 夕海 (2006/6/26 22:56:11) No.17737
  ┗最近は短縮版ばかりで恐縮です・・・・。−羅城 朱琉 (2006/6/28 08:33:14) No.17744
   ┗いいえ、ありがとうございますv−十叶 夕海 (2006/6/28 21:22:22) No.17746


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17710+私は 絶対に忘れない+  (時の旅人外伝)十叶 夕海 2006/6/18 13:48:49




別れを言うことすら

叶わなかった。

叶わなかったけれど、

お前は それでよかったのか?

お前の中の『欠片』を知っていても

それでも あの・・・・・

あの穏やかな 日だまりのような

暖かい 時間がずっと続けばいいと

思っていたのだよ、魔族のこの私が・・・・・・・・

お前は どうだった?



私は・・・・・お前を唯一にして最高の『親友』で『真友』だと思う。








お前は覚えていてくれるか?






     +私は絶対に忘れない+








「ご機嫌麗しゅう、ディスティア様?」
「・・・・・・帰れ、獣神官。
 ディスティア様は、今、お休みだ。」
ここは、第六の腹心・ディスティア=ペシュテルの居城の玄関ともいうべき場所。
そこで、黒尽くめの家庭に一人は居そうな神官服の男と、黒い動きやすい服の白い髪の少年が、表面上は、にこやかに、背後に雷と龍と虎を踊らせながらの会話。
しかし、実力差は、単純計算でも、二倍であるのに、アルトは、ゼロスと相対しているのだ。
「・・・ほ、ほん、本当なんです・・・・だ、だから、ゼロス・・・さん。
 帰って・・・・く、ください。」
「おや、ナツメさん。
・ ・・・そうですか、あのレティスシティの件ですか?」
そこへ、割って入ってきたのは、なんと人形のような服装と顔のナツメ。
普段の様相からは、けっして、予測できないだが、やはり『姉』のディスティアのためということだろう。
ゼロスは、自分よりも、頭一つ分近く小さいナツメに、視線を合わせ、そう聞いていた。
「え・・・・あ・・・・う・・・・ひゃぁ」
「ナツメをイジメないでもらえます、獣神官。」
彼女を、ゼロスの前からどかすために、腰抱きにして、抱え上げる。
そして、そのまま、また、朗らかな睨み合いを始める。
「・・・・1500年前より、ヒドイようですね。」
「詳しくは知らないが、あの時は、『魔族』としての自分の矜持と憎める覇王(クソバカはおう)様vが居たおかげでな。」
「一応、上司をクソ馬鹿扱いですか?
 まあ、無能なのは認めますがね、覇王様が。
・ ・・・・・ガーヴよりも、小物かもしれない・・ね。」
「・・・・・で、何の御用でしょうか?
 それに、覇王(クソバカはおう)は、上司だと思いたくないね、冥王もだけど。」
「ご機嫌伺いですよ。
 獣王様が、心配されてまして。
 海王様のところのファランさんも、心配されてましたし。」
「そうか。
 なら、帰れ。
 ディスティア様は、今、誰にも会われない。」
「・・・けっ、喧嘩ダメ・・・です。
・ ・・・・きゃぁ」
冷戦状態の二人を止めようとして、抱き上げられた不安定なままで、よろけたせいか、本能的に、何かに掴まった。
ゼロスの黒髪とアルトの白髪にである。
「・・・・・・・・・す、すみません。」
「いいえ、いいんですよ。
・ ・・それでは、また来ますよ。
 それでは、失礼します。」
と、獣神官は、無機質な微笑みをうかべ、掻き消える。
それと、同時に、アルトは、肩の力を完全に抜く。
「はぁ〜、怖かった。」
「け、喧嘩ダメですって・・・・」
「それでも、ディスティア様を守りたかったからね。
実力に差があってもね。
・・・・・今日で、半年か、長い。
人間じゃないから、食事しなくても、いいけど流石に・・・ね。」
「よ、よ・・・様子見に行きましょう・・・アルトさん。」
「そうだね。」


「ディスティア様、アルトです。
・ ・・・・入ります。」
ノックの後、ナツメを連れて、ディスティアの部屋へ入る。
しかし、その部屋のそして、アルトの主の姿はなかった。
「ディス・・・ティアさん。」
ただ、薄いカーテンが、開いている窓から、入る風になぶられていることから、主が窓から抜け出したということが分かる。
「・・・・・・・」





さて、一方、五百年前のその時の彼も、普通にアクセサリーや雑貨を扱う露天商をやっていた。
夏の太陽のような金髪と空のような青い瞳、『露天商の兄ちゃん』と言われれば、想像できるような衣装、肩から流す布を止めるのは、古そうな腕輪。
そんな、彼は、その日は、野宿をしていた。
時間にするなら、午後九時過ぎ。
商品の点検と、保存食での夕食を終え、『さあ、寝るか。』と、焚き火を調整し、寝袋代わりの薄い毛布を引き寄せ、眠りに入ってしばらく。
重さを感じない出現の仕方で、青銀の髪の女性が、彼の真上に落ちる。
「ぐべぶっ」
何やら、「北○の○」の雑魚キャラがやられる時のような妙な声をあげ、彼は夢から戻ってきた。
そして、自分の上にある・・・いるのが、10ヶ月前―あの『時』の揺らぎ四ヶ月ほど前に、知り合った魔族がー最初は傭兵だと思っていたー意識なくぐったりとして居たのであった。
確か、名前は、ディスティア=ペシュテルと言ったか。
彼が捨ててきた故郷の言葉で、アザミと綿帽子花の名前だったから、良く印象に残っていた。
「どないしたんやろ、こないな夜来るほど、あまし無作法に見えへんかったんやけどな。」
「アリ・・・・エ・・・ス・・・・・行か・・・・ないで・・・・くれ。」
「アリエス・・・・・・?
 う〜ん、レティスシティにそないな子おったってどっかで耳に挟んだなぁ。
 ま、いっか、寝よう。」
それでいいのか、露天商のあんちゃん。
彼は、そう呟くと、自分の毛布の中に、ディスティアを入れると、また寝入った。

翌朝の朝食後。
ラディは、例の紅茶を入れている。
「で、なんで来はったんです?
 赤の魔王の最後の娘はん?」
次に、日が昇って数時間がしたころ、我に戻ったディスティアに彼は、そう言った。
「半年前の、『揺らぎ』は知っているか、『異邦人(ストレンジャー)』?」
「知っとんよ。
 やけど、ディスティアはん、そないな呼び方、自分嫌や言わんかった?」
「・・・・・・・・失言だった。
 その揺らぎに、何を感じた?」
「・・・・同類やな。
 自分と違うて、長く生きとっても、人間が手を付けたやろ。」
「その披施術者が私の友人だ。
・ ・・向こうがどう思っていようと、私はそう思う。
・ ・・・・なあ、ラディハルト=レンスター?
 魔族が人間相手に、『友情』なんて、或いは『愛情』を抱くなんておかしいと狂っていると思うか?」
「ちょい待ち、友情は、ともかく、『愛情』て?」
「《両極の竜神の騎士》《人類の裏切り者》セファイド=ワイプネス。
 聞いたことは無い?
 彼が、そう呼ばれるようになったのも、一人の女魔族が原因だって。」
彼―ラディハルトの質問に、ディスティアは、そう答えた。
歌うように、可笑しそうに、揶揄るようにーーそして、哀しそうに、答えた。
「・・・せやかて、嘘やろ。
 数百年前に、『赤竜の騎士』に復権したァて、聞いとったけど。」
「嘘じゃない。
 1500年前は、セファと、今は、アリエスと心を交わし合った。
 『愛情』と『友情』の違いは、よくは分からない。
 でも、二人と居ると、少し違うけど、どっちも、陽気のいい昼下がりで、ひなたぼっこしているような『感情』が生まれて・・・手放したくなくて、でも手から零れ落ちて・・・・。
 私は、狂っているのかもしれぬな、魔族としては。」
ディスティアが何かを言い終える前に、ラディハルトは、ディスティアの頬を両手の平で勢いよく挟み込む・・・ようするに、ダブル平手ではたいたのだ。
「な、何をする、ラディハルト?」
「・・・・あんな、語り部も似たようなもんやと思うたけど。
 自分をもうちっと信じや。
 そんに、魔族にしても、数居ったら、いろんな個性居ってもええん違う?」
「・・・・そうか?」
「そや、そんにな、ディスティアはん。
 ディスティアはんは、語り部より、ええわ。」
「語り部って・・・・あの・・・」
「あの白尽くめやな。
 最近は、吟遊詩人気取りの。」
「知ってるのか?」
「もちろん、あんまし好きやない。
 嫌いでもないけどな。」
「でも、語り部よりもいいって?」
ディスティアは、予想外のことに、少し思考を停止しかけつつ、疑問を解くために、そう聞く。
それに対して、彼にしては間が空き、数十秒が経ってからやっと話し始める。
「レ・・・・じゃのうて、語り部呼ばしてもらうわ。」
うっかりなのか、さっきの意趣返しなのか、『放浪の語り部』と呼ばれている存在の名前の愛称で呼ぼうとして、ディスティアが、悪い方に顔色を変えたため、すぐに、訂正する。
「語り部は、自分の罪の償いのために動いてるゥって、よう言うけどな。
 その中の一つの被害者言うてもええ、自分が知っとるんも、アレの趣味なんやろうけど、誰かに話したら、楽になるやろうし、その誰かから、その問題の当事者に情報持ってぇて、その情報から開ける活路もあるはずや。
 なんにな、語り部は、焼かれる前の大蛤のように、だんまりや。
 そんくせ、意味のない戯れ(たわむれ)言葉は、よう口にする。
 昔の知り合いに、似たようなヤツおったけどな。
 自分が、語り部のせいで、こないな風になったっていうんも、頭にこん言うたら、嘘になるけどな、一人で、抱え込んで強がってる風に見えるんが、もっと嫌やわ。
 本人にしたって、強がっとる自覚ないんかもしれへんかもな。」
ラディハルトの長い言葉にも、ディスティアは、黙って耳を傾ける。
そして、彼は、こう言葉を締めくくる。
「だから、まだ、自分の弱みを見せるディスティアはんは、語り部より、好きやで・・・・・・・・・・・て、ごめんな。」
覚悟をしてなかった言葉のせいか、『好き』という正の感情に、倒れかけるディスティア。
それを、思わず抱き上げるラディハルト。
基本的に、ラディハルトは、日本語的なフェミニストなのだ。
英語的だと、『男女平等主義』というような意味になるので、また違う意味になる。
ともあれ、ディスティアは、そこで、ほっとしたのか、少し眼がうるんではいたが、こう返す。
「かまわん。
 ありがとう、ラディハルト。
 これからも、よろしくね。」
そう言うと、ディスティアは、来たときと同様、突然掻き消える。
「・・・・・ま、ええか。
 次の街、行こ。」
それに、ラディハルトは、嘆息一つのあとに、次の街に向かうために、荷物をまとめ、歩みだした。




「ディスティア様!?」
「ディ、ディスティアさん!?」
「悪かったね、この半年間。」
居城に帰ったディスティアは、アルトとナツメに話しかけつつ、こう思っていた。
(どうせ、滅びない限り、ほぼ不老不死の私だ。
 待っているいるよ、また縁があれば、会えるだろう?)







@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

作者としても、予想外の長さになりました。
というより、主人公のディスティアが出てくるまで長い。という意見も来そうですね。


それでは、また。

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17717短縮版になりますが・・・・羅城 朱琉 2006/6/20 08:46:16
記事番号17710へのコメント


 こんにちは、遅れた上に短縮版で失礼します。

 ディス嬢に、とにかく謝りたいですね。・・・・・・・・本編での話は、結構厳しくなる予定です。
 ラディの言葉は、まさに真理だと思いますね。ちょっとその辺り、次回に絡むかもです。

 では、時間が迫っているので、今回はこの辺で。

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17718いえいえ、ありがとうございます十叶 夕海 2006/6/20 13:49:34
記事番号17717へのコメント


>
> こんにちは、遅れた上に短縮版で失礼します。

こんにちは、いいえありがとうございます。

>
> ディス嬢に、とにかく謝りたいですね。・・・・・・・・本編での話は、結構厳しくなる予定です。

『時の旅人』のディスティアは、羅城さんのディスティアですし。
ハイドランド・・・現蝶塚さんのばあい、殺されましたし。
殺されなければ、厳しくなる方が、好きなので。
楽しみにしてます。

> ラディの言葉は、まさに真理だと思いますね。ちょっとその辺り、次回に絡むかもです。

ディス嬢とラディの会話のらへんは、基本的に自動書記ごとく書きましたので。
でも、真理だからといって、正論だからといって、受け止め方はそれぞれでしょうし。

>
> では、時間が迫っているので、今回はこの辺で。
>

はい、ありがとうございました。

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17731露天商の兄ちゃんと女傭兵の姉ちゃんと助手の少年と?(時の旅人外伝)十叶 夕海 2006/6/23 15:35:45
記事番号17710へのコメント




露天商の兄ちゃんと女傭兵の姉ちゃんと助手の少年と?




「さあさ、よってらっしゃい、みてらっしゃい。
 エルメキアの銀細工に、ソフィアの沙布。
 あ、お姉はん、この腕輪なんかどや?
 お兄はん、意中の女性にこの髪飾りなんかどうや?」
どこだったろうか、多分、リナ=インバースの時代には、ラルティーグと呼ばれる国の何処かだった。
ディルスに近い位置だったのは、お互い覚えていた。
金髪碧眼で、口調のせいか二枚目というよりは二枚目半に見えるが、その分親しみ安い雰囲気。
服装も黒のズボンに白のシャツその上に大判の薄いエメラルド色の布を左肩から流し、右腰で古ぼけた腕輪で纏めているという露店の兄ちゃん風なもの。
あぐらをかいて座っている前の敷物の上に、東西の女の子や女性が好みそうな雑貨なんかがトコロ狭しと並んでいるのだ。
「あ、いらっしゃい、何をお探しでしょか?」
それを覗き込んだのは、何時もの人間体型とは違い、青く輝く銀髪も人間レベルの鈍い輝きの髪、おまけに普段は額にかかる髪含めて全部一本の三ツ髪にしてあるせいで、雰囲気が全然違う。
緑色に塗装された金属製のショルダーガードとプレストプレートとガントレット、その下に白い布製の上衣と巻きスカート状の服。一見動きにくそうだが、スカートはたっぷりと布を使ってあるせいか。動きにくそうとは思わせない。
だいたい、二十歳ぐらいで、腰に佩いているロングソードから見ても、傭兵業をしている女性だろう。
「ああ、10代半ばの少女にプレゼント、したいんだけど。」
「ディスティアさん、こういうトコより、ちゃんとしたところで買いません?」
その傭兵風の女性―ディスティアの助手なのか、白い髪を緩めに首筋でまとめた、黒尽くめの動きやすさ重視のいわゆる暗殺者が着るような服装の10代後半ぐらいの少年だ。
この時、露天商の彼は、瞳が、同じオレンジ系統なので弟かなんかか?と思っていたと、のちに話している。
「ちょういと、待ってえな。
 坊主、ちいとそれは、営業妨害と違う?」
「アルト。ナツメには、宿に待たせちゃってるし、アリエスにしばらく会えてないし。」
「はいはい。
 一応、俺は、宿に戻ってます。
 ディスティアさんも、なるべく早くお願いしますよ。」
と、いうと足はやに、人ごみに消えて行ったアルト少年。」
それを見送り、顔を見合わせた二人。
「それで、どういうのがいいんで、ディスティアはん?」
「・・・ああ、さっきの名前呼ばれたの聞いてたんだ。
 一人は、15歳で、銀色の髪に淡い緑の瞳で、普通の女の子ぐらいの身丈かな。
 もう一人は、外見は同じぐらいで、黒髪に、蒼穹の瞳で、やや小柄かな。」
「ええ名前やな。」
「・・・・はい?」
「自分の故郷の『アザミ』いう花と同じ名前や。
 ディスティアってな。」
「そうか、女であっても、傭兵に言う台詞じゃないが、嬉しいね。
・ ・・・露天商、名前は?
私は、ディスティア=ペシュテル。
さっきのは、アルト=バルシュタイン。」
「自分は、ラディハルト=レンスターや。」
これが、出会い。
まだ、互いが、不老不死だということや魔族だということは知らなかったけれど。




それから、何故か、縁があって。
ディスティアが、気まぐれに、行く街行く街に、ラディハルトの姿あった。
アルト曰く『なんか、変に縁があるな。』ということだ。
その後、ちょっとしたことで、互いが、不老不死と魔族であることが・・・普通の人間ではないことが、分かってしまった
それでも、二人は付き合いを変えることは無かった。
この間に、ディスティアは、ちょこちょこと、ナツメやアリエスに、小物を買ったり、或いは布を買って、何かを作って、プレゼントしていた。
それは、たぶん、セファにしたことと同じで・・・無意識だったけど、また『人間』を信じられるようになっていた。
でも、アリエスにあげた小物の類いも全て、ラディハルトとディスティアが出会った陽から約四ヶ月後―。
あの日に、灰に帰した。


それから、友人として、それなりに仲良く。
でも決して、馴れ合いきることもなく。
数百年は過ぎるのであった。



ちなみに、アルトとは半分口喧嘩友達としてだが。
それなりに、仲が良かった。





@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


結構短めですが、こう言う具合に、全くの偶然でであったんじゃないかなと。
だけど、けっこう、ディス嬢とラディは異性同士の悪友として、アルトとラディは兄弟分的な口喧嘩友達として、仲良かったのでしょう。
ちなみに、アルトが、ラディにつっかかるのは、ある意味、『お母さんを取られるのが嫌!!』という側面もありますが、本人は、否定するでしょう。


それでは、ありがとうございました。

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17732おまけ 三人の日常会話(時の旅人外伝)十叶 夕海 2006/6/24 23:21:39
記事番号17731へのコメント





いつかの市場で――。
されど、五百年前のレティスシティのあの出来事の後・・・・。
互いが、魔族であること、不老不死であることが分かった後・・・。


「やあ、久しぶり。」
「そないに時間経ってやんやろ?」
「そう?」
「ディスティアさん。
 また、ここですか。」
再会の言葉を交わすディスティアとラディハルト。
やや遅れて、アルトがやってきた。
「・・・・なんだ、ラディハルト。」
「・・・・・」
「・・・ナツメは、肌が白いけど、黒い髪だから、金かな。
 でも、葡萄の銀細工にアメジストの粒のも、似合いそうね。」
二人の会話は、もう当たり前というか、日常なのか、ディスティアは、宿に居るナツメのお土産を選んでいる。
今回は、アクセにするつもりらしい。
そして、二人はというと・・・。
ラディハルトは、アルトの頭を凝視と言っていいほど見つめている。
顔ではなく頭をだ。
「何をみている、ラディハルト。」
「・・・・いや、兎みたいやなぁと。」
「はあ?
 何時も言っているだろうが、ディスティア様に、頂いたこの身体を動物なんかと一緒にするな。」
「いやぁ、この頭のフワフワ感がなぁ。
 いくら、悪態つかれても、許してまうなぁ〜。」
アルトの頭をわしわしとなでる。
それを振り払おうとしたアルトは、逆に抱きつかれ、頭に頬ずりされる。
「馬鹿か!?」
「ええやん
 アルトくんの頭で昔を懐かしゅう思うてもいいやん。
 昔の恋人が、飼っとたんや、兎。」
「なあ、ラディハルト。
 ナツメにだったら、このアメジストの葡萄銀細工の髪飾りと翡翠(かわせみ)の翡翠のブローチどっちがいいかな?」
「せやなぁ、同じ翡翠でも、あの服やあたら、こっちの白い翡翠の方が、生えると思うんやけど?」
ディスティアは、一区切りが付いたと思うと、ラディハルトに仕事の話を振る。


これが、三人の日常。

馴れ合い過ぎないそんな日常。






@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@



ラディハルトのいう昔の恋人とは、シェルマ嬢のことです。
その彼女が飼っていたのが、でかくて凶暴だけど、毛皮がふわふわだからそれも許せるというロップイヤー系のシロウサギです。
飼い主に似ずに、乱暴兎なのです。


それでは、おまけでした。

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17741ラディハルト、君は正しい!(←おい)羅城 朱琉 2006/6/27 08:44:51
記事番号17732へのコメント


 こんにちは、こちらも短縮版でごめんなさい。

 アルトには悪いですが、彼のふわふわ髪を触りたいと思っている全国八百万人に代わって言いましょう。ラディハルトの行動は、実に正しいことだと!
 ・・・・とまあ、脳が煮えたこと言っていますが、つまりはあれです。こういう雰囲気っていいな、ほのぼのしてるなー、と言いたかったわけで・・・・

 テスト直前の混乱状態で書いているので、変な発言許していただけるとうれしいです。
 では、また!

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17743そうです、アルトの頭は、魅惑の手触りなのです。十叶 夕海 2006/6/27 13:55:01
記事番号17741へのコメント


>
> こんにちは、こちらも短縮版でごめんなさい。

こんにちは、でも嬉しいです。

>
> アルトには悪いですが、彼のふわふわ髪を触りたいと思っている全国八百万人に代わって言いましょう。ラディハルトの行動は、実に正しいことだと!

ええ、設定に『最上級の羽毛ごとく』とあるぐらい、ふわふわなのです。
これを触らずして、何を触れと?

> ・・・・とまあ、脳が煮えたこと言っていますが、つまりはあれです。こういう雰囲気っていいな、ほのぼのしてるなー、と言いたかったわけで・・・・

これが、彼らの日常なんだと思います。
魔族とか、人間の不老不死だとか、関係なく。

>
> テスト直前の混乱状態で書いているので、変な発言許していただけるとうれしいです。
> では、また!

はい、それでは、また。

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17740ほのぼのしてますね羅城 朱琉 2006/6/27 08:40:00
記事番号17731へのコメント


 こんにちは、羅城 朱琉です。またまた短縮版ですみません。

 こういうほのぼのしているのを見ていると、なんだか心が洗われます。
 アルトとラディの口げんか(営業妨害?)が、なんとも平和そうで好きです。
 見ていて、外伝をひとつ思いついたので、近日中に投稿しますね。

 では、本気で短いですが、この辺で。

 

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17742どこか、牧歌的な雰囲気なのです。十叶 夕海 2006/6/27 13:49:33
記事番号17740へのコメント


>
> こんにちは、羅城 朱琉です。またまた短縮版ですみません。

こんにちは、ユアです。
いいえ、ありがとうございます。

>
> こういうほのぼのしているのを見ていると、なんだか心が洗われます。
> アルトとラディの口げんか(営業妨害?)が、なんとも平和そうで好きです。

これは、『家族の写真』のきたる15日のラビと出席者の一人の会話を元にしています。
ありがとうございます。

> 見ていて、外伝をひとつ思いついたので、近日中に投稿しますね。

うわい、楽しみにしています。

>
> では、本気で短いですが、この辺で。

いいえ、ありがとうございます。
それでは。

>
> 

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17737何時も心に花束を 下  (時の旅人外伝)(遅れて済みません)十叶 夕海 2006/6/26 22:56:11
記事番号17710へのコメント



私の読者的楽しみを優先させた結果、遅くなりましたが、バレンタイン編完結編です。
羅城さま、語り部さんに、ディス嬢が、暴言吐いていますが、ご容赦・・・・もとい許してください。
では、どうぞ。



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@




「どうも。会えてよかったというべきか?
 【放浪の語り部】殿?」
「会えなかったら、どうするつもりだったんだい?」
何処かの森の中。
少し開けた広場の真ん中の大きな樹の根元。
青く輝く髪の魔族の姫と。
白い吟遊詩人の時司が、幾度目かの再び顔を合わせた。
「・・・そうなったら、自分のお茶のお茶請けにする。」
そう言って、チョコチップクッキーが入った紙袋を語り部に向かって放り投げた。
「・・・こういうのは、僕に無意味だとは思わないのかい?
 《流思の天翼》?」
「思うが、それが?
 お前が、時の方だとしても、関わった時間が消えると考える方が、ばかばかしいと思うが?」
複雑そうながら、『何を今更』とでも言うふうに、あっさりとディスティアは、言う。
所在無さげに、語り部は、その袋をいじっている。
そんな『彼』に、言い切るように早口にこう言った。
「お前は、私達一世界の魔族からみれば、あのお方と同じ・・・ううんもっと、上かもしれないけどね。
 お前が、自分の存在を真っ向から、否定するだけで、嬉しいというかそんな感じ。
・ ・・・・ラディのことも、私とセファのことも、お前は自分の罪というかもしれない。
自分のせいでおこった事象は、全部不幸だというかもしれない。
だけど、お前の基準で『不幸』だ、『幸福』だ、なんて言わないで。
ラディは、不老不死になってしまった。
私とセファは、惨い方法によって別れ別れになってしまった。
 その他、数えきれない『辛い人生』を背負わせたかもしれないけれどね。
 これだけは言わせろ。
 『不幸』だ、『幸福』だ、なんて、お前の基準で決めるな。
 ラディは、不老不死にならなきゃ、私と出会わなかった。
 私とセファが惨い死に別れにならなきゃ、アリエスやエヴァンスとも出会わなかった。
 私から、この『不幸』と出会えた『幸福』を奪うな。
 私は、今『幸福』なんだから。」
彼女が言い終わって、しばらくして、語り部は、顔を自分の手で覆い、たたずむ。
ただ、肩が震えていることから、泣いているか・・・・
「・・・・・クフフフフ・・あっはははは・・・・。
 そこまで言う存在そうそういないよ?
 僕に、面と向かって、そこまではっきり言うのは、さ。」
「さあね。
 あの坊やとアリエスを頼むよ。
 お前に会えて言わせてもらう。
 『血』という『運命』から、解放してやれ。」
「誰にそれを言う?」
「さあね、それじゃ、次はアリエスと私が再会する前後かな。」
『じゃあね』という軽い別れの言葉すら、口に出さずに、ディスティアは、掻き消える。



数ヶ月後のいろいろな邂逅と再会を予感しつつ・・・・・・。









2月も終わりから数えた方が早くなったある日の晩。

「こんばんは、レンシェルマ。」
「・・・・ディスティアさん?」
「どうも、いわゆる、バレンタイン周りでね。
 数日前に、語り部に渡して、最後になったけど、バレンタインってことで。」
レンシェルマの部屋で、神官と魔族が視線を合わせる。
少なくとも、そこには、人間と魔族にありがちな敵対や嫌悪などの表情は無い。
ディスティアが、渡したのは、何種類かの・・・ノーマルな茶色、ミルク色、イチゴ色、バナナ色・・・チョコチップを使ったクッキーである。
一番、ある意味凝っている。
「珍しいですね。
 茶色以外のチョコだなんて。」
「たまたま、姉の部下が持って来てね。
 ミルク色の粒のが、ホワイトチョコ。
 ピンクがイチゴ風味。黄色っぽいのがバナナ風味。
 味は、あまり私達にはよくわからないけど、それでも美味しかったから、大丈夫だと思う。」
「そう言えば、【放浪の語り部】にあげたと聞きましたが・・・・レジ・・・」
「その名前は言わないで、ぷりいず。
 あんなこと言ったけど、怖いというか、畏怖のしてると言うか、そんな感じ。」
ディスティアが、耳を両手で塞いで、頭を左右に振ってイヤイヤをするとさすがに、レンシェルマも、聞くに聞けない。
でも、すぐに、ディスティアは、淡い苦笑を浮かべると、こうレンシェルマに言う。
「レンシェルマ、もうすぐ、本当に全部が動き出すよ。
 姉達も、覇王も動き出した。
 レンシェルマも、四大家のことを話す日が来るだろうけど。
 辛いだろうけど、話せば楽になる、それが、相手に『辛さ』を与えるかもしれないけど、『運命』に反抗できるのは、『情報』だからね。」
「ディスティア・・・?」
「私達に、本当の意味で、人間に介入できない。
 だからこそ、アリエスには、普通の幸せを手に入れて欲しいんだ。」
「話せるんでしょうか・・・・」
「さあ、その時にならないと分からないと思うわ。
・ ・・・ああと、ごめん。
 こんなに遅くに。それじゃ、またいつか。」
そう言って、ディスティアは、来た時同様唐突に掻き消える。










@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@


というわけで、遅れた上に、語り部さんに暴言?を言ってしまいましたなバレンタイン話三部作完結です。
いかがでしたでしょうか?
語り部さんに言った言葉は、『とある魔術の禁書目録』というノベルから半分取りました。
でも、ディスティアなら、いつか言うだろうなという言葉です。

それでは、またいつか。

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17744最近は短縮版ばかりで恐縮です・・・・。羅城 朱琉 2006/6/28 08:33:14
記事番号17737へのコメント


 こんにちは、羅城 朱琉です。またしても短縮版ですみません。・・・・多分、今週いっぱいは短縮版を書くのが限界かと思います。レポート多すぎて・・・・(涙)

 別のレスにも書きましたが、ディス嬢の暴言(?)には、逆にほれ込みました。許可も頂いたので、本編で似たようなこと叫ぶ予定です・・・・ルピ君が。
 レンさんとの方は、打って変わって和やかですらある雰囲気が素敵です。やっぱり、アレですね。人柄の差ですね。

 では、短いですがこの辺で。

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17746いいえ、ありがとうございますv十叶 夕海 2006/6/28 21:22:22
記事番号17744へのコメント


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> こんにちは、羅城 朱琉です。またしても短縮版ですみません。・・・・多分、今週いっぱいは短縮版を書くのが限界かと思います。レポート多すぎて・・・・(涙)

こんにちは、ユアです。
・・・はい、学生ならば、分かりますというか、頑張ってください。
私も、十日前後からは、テストになって、遅くなりそうですから。

>
> 別のレスにも書きましたが、ディス嬢の暴言(?)には、逆にほれ込みました。許可も頂いたので、本編で似たようなこと叫ぶ予定です・・・・ルピ君が。

まだ、『罪』が、何かは分からないですが、ディス嬢も知らなくても、ああいうだろうと。
本編で叫ぶ日を楽しみにしてます。

> レンさんとの方は、打って変わって和やかですらある雰囲気が素敵です。やっぱり、アレですね。人柄の差ですね。

ありがとうございます。
・・・或いは、動物風に言えば、ディス嬢が懐いているのでしょう。

>
> では、短いですがこの辺で。
>


はい、それでは。