◆−ちょっとした小話−夜宵吹雪 (2006/8/2 13:54:25) No.17819 ┣HUMAN HEART−夜宵吹雪 (2006/8/29 20:35:21) No.17825 ┣ドッチボール必勝法−夜宵吹雪 (2006/10/21 21:19:53) No.17880 ┗連なる言の葉−夜宵吹雪 (2006/10/21 21:23:27) No.17881
17819 | ちょっとした小話 | 夜宵吹雪 | 2006/8/2 13:54:25 |
前書き 私の書き溜めた実話、短編オリジ小説を打ち込もうかと。 暇つぶしにどうぞ。 マル秘受験秘話(書いたのは、受験後日です。私のヤサグレ具合を感じていただければ光栄です) 私、夜宵吹雪は受験経験がある。 ま、学生なのだから仕方がないのだが、私には忘れられない受験秘話がある。 これは、その受験会場で私の身に起きた、悲劇という名のネタ話である。 私は受験当日にまで、受験会場をなぜか見学しない。 ぶっちゃけ受験する第一志望高校も「この高校ってどこにあるの?」と真顔で聞いたくらいだ。この時点で何かがおかしいぞ。 お前本当に高校に受かりたいのか?と聞かれても仕方ない。 大学は二校受ける事に。高校と同じく、本命一向滑り止め一行。高校は片方公立でした。大学は両方とも私立で、一般とセンターでそれぞれ9万円の出費。 ・・・落ちたら殺される!! 母が鬼神になるのを垣間見た私は、浪人だけはやめておこうと決意。 そして試験日一日目。 わりと近い事が幸いし、父がわざわざ会社に遅刻すると電話して、送ってくれました。ちょっと愛を感じました、愛を。 ここは数日前に見学したし、道案内の掲示板もあったので、特に問題なくクリア。 あったとすれば、帰り道で寄った本屋でキングダムハーツ4巻と、リボーンのアンソロと、リバースの攻略本と、小説発見して4000円近く出費した事でしょうか。かなり手痛い出費ですが後悔はしていません。まあ、それくらいでしょうか。 ・・・試験日二日目。この大学は単なる滑り止め。どこにあるのか、あまり深く考えずにいました。 後にそれが大いなる失敗になる事も知らずに・・・。 当日。 かなり前より、この冬一番の冷え込みと呼ばれた、とある日に。 よりにもよって私の受験日に。 めったに雪が降らない私の故郷は、白銀に染まっていた。 まあ、キレイ。って言えるかドアホウゥぅぅぅがああアアァァああああっ!!! ちらほらと降る雪。地面は凍りつき、何度転びかけた事か。しかも私の家は坂道、山のふもと近く。下りる時は本気で怖かった。 オレに(むしろ世界の受験生に)恨みでもあるのか、この冬型配置の前線模様とネタの神様はよおおおおぉぉぉっ!!! 必死こいて早足で駅へ向かいます。歩いて15分はかかりますが、さすがに父に車で駅に向かってもらうのはノーセンキューです。スリップするのが目に見えて痛々しいです。着いた時刻は8:00。雪で遅れているようですが、これなら余裕です。仲間(仮)の学生さん達もいっぱいいますしね! しかし途中で仲間(仮)が途中の駅で降りちゃいます。受ける大学が違ったんだろう、とちょっと残念な私。 そして電車で揺られる事、数10分。 進行方向が、全然違います。 ノオオオオオ!!!とエセ外人のように頭を抑え、冷や汗かきつつ駅員さんに尋ねると、ひとまず今来た別の乗り場の電車に乗って、次の駅を下りて、乗り換えなさい、と爽やかにおっしゃられました。 ・・・ああ、乗り換え・・・乗り換えですか・・・。 だったら書いといてくれよ。案内書(完全なる八つ当たり) ええ、そうですよ。どーせ私が悪いんですよね、ヘッ!(やさぐれた)がたごと揺れる電車の中で、男らしく遅刻した自分の姿がナチュラルに浮かびます。もう、開き直るしかない。こーゆー失敗にすぐに立ち直る自分の性根が、少し嬉しくもあり、悲しくもあり。 かじかむお手々に白い息を吐き、やっとの思いで着いた駅。 そこで気付きます。 あ、一回駅の外に出て、切符渡しちゃったよ。 ・・・ひとまず駅員さんに切符をなくしたと(切符を間違えて渡したという言い訳は、さすがに嫌だった)言って、また購入。 いいんです、高々190円×2程度。 大学はどこじゃああああ・・・とナマハゲの形相(想像)で、キャンパスを探す私。 その時、駅の近くで大学の生徒で、受験のお手伝いなのか、これまた爽やかな笑顔を浮かべ、受験場所を教えてくれた腕章をしたお兄さん。 あなたの後ろから光が見えました。あなた、本当は天使様? 案内に従い、無駄に息を切らして到着。一本道なんで、さすがに迷いませんでした。 その大学内で、「レッツゴー!」みたいに拳を突き上げた銅像や、「消えない青春」というタイトルのダンスの決めポーズみたいな(男が女を抱きかかえてる)男女の銅像を発見。 雪に埋もれて何が言いたいのか、何を伝えたいのかさっぱりわかりません。 余談ですか「青春」が「性春」に見えたのは、私とあなただけの秘密です。 そして試験を受け、ふと気付きます。 帰り道、どないしよ。 乗り換えもできない、電車に最近乗ったのは何年前だっけ?の私が、一人で帰れますか?ええ、もちろん答えはNO。威張れる事じゃありませんが、これ以上何も言えないのです。 大丈夫だよ・・・多分(オイ)と自分に言い聞かせ、帰路につく私。 ざっくざっくと雪を踏む感触を覚え、駅へと向かいます。かなり長い時間を待って、暇なので写メールを取ります。 嫌がらせで一緒にこの大学を行こうねと約束したのに、この空から舞い落ちる氷どものせいで、別々でまったく顔を合わさずに帰ってしまった友人に、嫌がらせのメールを送ろうかと思いましたが、そこはぐっと堪えます。 大丈夫です。間違えたら、駅員さんに迷惑覚悟で聞けばいいんです。そうです、小心者の私が勇気の残りかすを振り絞って聞けばいいのです。 しかし、そんな事をせずとも、余裕で帰れました。ただ、コンビニでジャンプを立ち読み。時計は14:57。そろそろ帰りますか。 帰り道、小学生も帰る時間なのか、ちらほらとランドセルの姿。ただ芝生の坂道を、キャーキャー言いながら転がり落ちるのはどうかと思う。 中には抱きかかえるように、巨大な雪球を持って帰る小学生の姿。風邪ひくぞ、おい。 雪だるまや雪ウサギも余裕で作れる降雪量。県内でも、かなりの小中学校が授業を中止。大学入試も時間を遅らせたりとかしたそうです、私は時間通り着いたんですが。喜んだのは小さな子供ですね。まあ、当然か。この辺、雪が降っても積もる事はめったにないし。 今年、中学二年のマイシスターの帰りが遅い。4時でも帰らない、5時になってようやっと帰ってきた。 そして一言。 「あー、楽しかった」 遊んどったんかい、と一発でわかります。 ぬくぬくとイスの上で眠っている野良猫が、ちょっと憎かったです。 ※ ちなみに名前はキナコとアンコ。兄妹で兄がアンコ、妹がキナコ。妹の名前は私の妹が、兄の名前は私が。妹は目が黄色いからキナコね!というすっげー簡単な理由から。 兄はあんちゃん、のニュアンスからアンコ。・・・なんか和菓子を連想させる野良猫兄妹です。 つーかこのニ匹は、座敷猫です!と言っていいくらい我が家族になついております。野良の誇りがないのです。服従のポーズもお手の物。 そんなこんなで、私の受験は終了。あとは結果を待つのみ。 皆さん、私が殺されない事を祈ってください(切実たる思い) 一人の思いは小さくとも、これを見ている人祈ってくれれば奇跡の一つや二つ・・・(待て) 後日談。ちゃんと受かって、現在は楽しい学生ライフを送ってますよ! |
17825 | HUMAN HEART | 夜宵吹雪 | 2006/8/29 20:35:21 |
記事番号17819へのコメント 道路の上を赤や青、目が痛くなるような色や光を反射して車が行き交っていく。横断歩道の信号は赤で、その直角にある信号は緑に光っている。 白いガードレールは排気ガスで薄汚れている。 そのガードレールに足をかけ、道路に出ようとしている高校生がいた。 そして、それを冷淡に見つめる大学生が一人。 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・ねえ?」 先に根負けのは高校生の少年だった。やや呆れ半分に振り返り、大学生らしい若者に声をかける。 「あのさ、おにーさん。普通さ、こんな未来に可能性あふれるうら若き高校生が自殺しようとしていたら声をかけたり、止めたりしない?」 何とも勝手なセリフだが、本人は一般的モラルを説いたつもりらしい。 だが、それは無駄に終わる。 「生憎と僕は見ず知らずのに他人が決めたことにどうこう言うほどお節介ではないんでね」 どうでもいいような、冷淡な口調だ。見るもの、全てを拒絶するような雰囲気は伊達ではないようである。 「うわあ、冷たいなぁ・・・」 「大体やめろといってやめるくらいなら始めからやらないほうがいい」 少年は傷ついたようにうつむくが、青年は容赦ない。 それこそ、一分の隙もない正論を突きつける。 少年はうなだれた。 「・・・もっともです、はい」 それに、若者は彼なりの親切心で、それでも無機的に忠告した。 「遺書は書いたのか?それに自殺するなら車に引かれるのはやめた方が言い。人と車で事故があった場合、車の方が罪が重い」 「え!そーなの!?」 素直に驚く少年。意外と素直な性格らしい。 「君が死ぬことによってどれほど迷惑がかかるか、一度考えてみることを薦めるよ」 「・・・きっついねぇ」 ぐさぐさと突き刺さるセリフだが、少年は気にした様子はない。 肩をすくめ、苦笑している。若者は、むっとしたように言い返した。 「事実を言ったまでだ」 「じゃあ、聞いてくんないかな。理由とか、なぐさめてよ」 都合がいいと思いつつ、少年は誘いかけた。 それに大学生の彼は即答した。 「断る。壁に話してくれ」 「ヒドっ!」 これにはリアクションを返す。だが声でさほど傷ついていないと理解できる。 「では失礼するよ」 それだけを言い残すと、大学生の彼はスタスタと足早に去っていった、 「・・・行っちゃった」 言い残した言葉どおり、もうすでに声をかけてくれた彼はいなかった。 思わずこみ上げてくるのは―――嘆息。 「・・・・・・・はあっ」 「・・・ため息をつくとその数だけ幸せが逃げる」 「うわあっ!!」 ただ声をかけられただけでなく、頬に冷たい缶ジュースのつけられて、少年は声を上げた。 思わず不思議な足取りで後退する。 「その意味を検証してみようかと思う」 「ななな何っ!?」 「自販機の紅茶はまずい。頭をすっきりさせるにはいい。あげよう」 ぽい、と投げられたそれは、”午前の紅茶”とプリントアウトされていた。 「あ・・・はあ・・・・・・・・・どうも」 「さて。僕は大学で心理学を専攻していてね。自殺志願者の君に興味を持った」 少年の言い分に興味があるのか、それともないのか、若者は勝手に捲くし立てた。 「はあ・・そうですか・・・」 これには適当に相槌を打つしかいない。若者も気にした様子を見せず、冷淡に言った。 「君は僕の研究材料になってもらうよ。利用する。だが逆に君が僕を利用しても構わない」 「へ?」 それはどういうことだろう。そんな疑問が顔に浮かんでいる。 「友人にも家族にも言えない事を言えばいい。見ず知らずの他人なら何でも言えるだろう」 「そーゆーもん?」 若者はうなずいた。 「そんなものだ」 「・・・じゃあ話すよ。俺はー・・・」 それに青年は手を軽く挙げる。犬に待て、と言うような仕草だ。 「ああ、その前に家族構成と友人関係を教えてくれ」 「そんなのいるの?」 きょとんとする彼に、青年はうなずく。 「ああ」 「・・・はいよ」 うなずき、ゆっくりと彼は己の家族について話し始めた。 「典型的な核家族ってヤツ?仕事人間のサラリーマンの父親と家事ばっかしてる母。 出来のいい、真面目で優等生な兄貴。んで、どこを間違ったか俺みたいなのとワンコ一匹」 「・・・・・・・・・」 青年は、黙って彼の話を聞いていた。その声に秘められている何かに、覚えがある気がした。 「友達はぁークラスのヤツとは結構遊ぶ。学校さぼったりしてさ。無免でバイクに乗ったりとか・・・まあ色々」 それだけを聞くと、青年は納得したようにうなずく。 「なるほど。優秀な兄に対しコンプレックスを抱き、わざと馬鹿な真似をして、それに嫌気がさして自殺か」 「うおっ!?何でわかったの!?」 綺麗に正解らしい。わかりやすい答えに、若者は呆れた。 「・・・普通わかるだろう」 「そーなんだよ。けど、それだけじゃないんだ。俺さ、養子なんだ」 その単語には、さすがに彼も目を見張った。それは、つまり彼には時点で保護者が、親がいないということだ。 「本当は母親の妹の子供で、生んですぐ死んだんだ。それから父親も死んで。おばさんの養子になったんだ。 最初は何も知らないでいて、それなりに楽しかったけど。・・・いつだったかな、俺と兄貴が一緒に遊んでて」 声のトーンが落ちる。その暗い響きから、彼の身に何が起きたのか、何となく想像できた。 「ふざけあってたら階段から落ちたんだ。それでおばさんは真っ先に兄貴のところに行った。 ・・・ショックだったなあ、あれは。ここまでなら当然って思うけど、問題はその後。ぱんっ!て頬をたたかれたよね。 兄貴は抱きしめて無事で良かったで俺にはビンタ。何かさ、悲しくなるより失望したね。 今、考えてみても子供と甥っ子のどっちが大切かって言ったら、そりゃ自分の子供が大切なのはわかるけど。 それから、かな、家の中の居場所がサーッて崩れたの。俺は、わざと馬鹿やって笑わせんの。 そうしないと消えるから、俺が。でもいい加減疲れて・・・だから」 その先は、もはや聴くまでもない。青年が先を続けた。 「自殺しようとした?」 それには、少年もうなずく。寂しげな横顔は、本当に高校生と言う立場の人間なのかと疑うほどだ。 「・・・うん。俺がいなくても、何も変わらないんだ。きっと」 「確かにね。人一人死んだところで変化なんかない」 鋭い茨を含んだ言い方だ。 しかし若者は気にする様子も、治す必要性も感じていないようだった。 冷酷とすら感じる声は、霜をはらんでいるかのようだ。 「・・・・・・・・・」 「もし仮に君がここで死んだとしても、いつかは忘れられる。 道路を走る車にひかれた君を車が覚えているか? 電柱の影にある花束が君という存在を主張するか? この道路で君が死んだと永遠に伝えられると思うか?」 「・・・・・・・・・」 高校生の彼は、黙ったままだ。 「僕は生きている人間が自らの意思でその命を捨てることが嫌いだ。反吐が出るほどに嫌悪を覚える」 そして、一息を入れて、冷たいとも取れる声で、突き刺すように告げる。 けれど、そこに鋭さはない。 あるのは、怜悧そうに見える何かで包まれた、優しさ。 「死んで自分の存在を誇示するくらいなら、始めから存在しない方が良い。君は生きているだけで罪なのか?生きる価値もないのか?」 反射的に顔をあげる。嗚咽に似た声が、無意識に漏れた。 「・・・違うっ!!」 鋭い否定に、青年はやんわりと促す。その声に冷たいものはない。まるで、彼の兄のような口調で問いかけた。 「違うのなら自分を傷つける必要などない。君は何を望む?」 「・・・俺はッ!」 漏れてきそうな声は、必死に喉の奥に押さえ込む。言ったところで理解できないし、くだらない自尊心がそれを止めたのかもしれない。 それでも、彼は優しかった、 「好きに言えばいい。僕は君の意見を聞きたい。ここで君の話を聞くのは僕だけだ」 箍が外れたと称するのだろうか。 津波のように溢れた言葉は、今まで散り積もった彼の澱みだ。 「・・・俺はっ!いつも兄貴と比べられてきた!!」 「そうだな、兄弟ほど比べられやすい対象はない」 青年は淡々と同意する。それに続けるように、少年は叫ぶ。 「だから!兄貴みたいになりたかった!!」 「願望を持つことは恥ではないさ、それで?」 「でも俺は・・・・っ、何でも中途半端で・・・役立たずで・・・迷惑ばっかかけて・・・」 「・・・・・・・・・」 「誰もっ・・・俺のこと、認めてくれなくて・・・!」 最後の方は、完全な嗚咽になった。 慰めるのでもなく、青年は静かに語り始めた。 「世の中には―――」 「・・・・・・?」 「世の中には『完璧』と称されても、本人はそんなつもりはないのがほとんどだ」 「・・・・・・・・・。」 「頭が良くても人付き合いが出来ないのでは意味はない。 金銭があっても近づく人間が信じきれない。 ・・・誰にも存在を認知されないのは・・・悲しいことだ」 言い聞かせるのでもなく、それは己自身に染み込ませるような口調だった。 少年は、うなずいた。 「・・・・うん」 「君はまだ生きて居場所を造れる余地がある。死より辛いかはわからない。 ・・・だが試してみる価値はあると僕は思う。」 「・・・・・・うん」 「できるか?」 そんな風に聞いた若者は、教育熱心な教師にも似ていた。 少年の目には、強い光が宿った。それは、決して気のせいではない。 「・・・やってみる、死ぬ気で。死なない程度にがんばってみる」 「そうか」 冷淡な声だが、そこには紛れもない安堵の感情がひそめられていた。 「できるかな、俺。がんばって生きれるかな?」 「・・・僕の知ることではない」 冷たく告げると、彼は肩をすくめた。 「冷たいなぁ、がんばれ!とか言ってくれないの?」 「なぜ僕がそんなことを?」 軽蔑する視線にも似たものを向けると、少年は押し黙り、じいと見つめた。 「・・・・・・おにーさん友達いないでしょ?」 「君には関係ない」 冷淡とも取れる声だが、わずかな動揺が読み取れた。 それに感づき、イタズラっぽく聞き返す。 「図星?」 「もう一度言おう。君には関係ない」 「あははっ!」 「・・・・・・・・・」 車が道路の上を際限なく走り抜ける。 並木道の木の枝には安っぽいイルミネーションが飾られている。 空は紫色に染め上がり、星が瞬いた。 歩道にそってある店の前に座っていた二人の姿はない。 「そう言えばおにーさん、名前は?」 「言う必要はない」 「いいじゃん、教えてよ。減るもんじゃないし」 「僕の脳内の記憶容量が減る」 「ああ言えばこう言うなっ!!」 「・・・何か奢ってくれるのなら善処しよう」 「・・・・・・せこ」 「ほおっておいてくれ」 夕暮れ時の並木道。 親しそうに話す二人がいた。 あとがき 今から2年ちょっと前に書いたものです。 文芸部の文集に載せました。私が唯一の文章書きであり、肩身の狭い思いをしました。 元ネタとしてはこーゆー光景があったマンガを締め切り数週間前(あえて何日とは記しません。傷口がえぐれそうなんで)に古本屋で立ち読みして(買えよ)思いつきました。元ネタマンガではさらりとしたただのワンシーンなんですけど、個人的に気に入っていじくらせていただきました。 さらっとしたカンジで、読みやすい文章を目指しました。本気で珍しいオリジの短編です。 |
17880 | ドッチボール必勝法 | 夜宵吹雪 | 2006/10/21 21:19:53 |
記事番号17819へのコメント みなさま。ドッチボールをご存知ですか? そう、あれです。コート内でボールを投げ合いこ当てっこするアレです。 顔に当たったら激しく痛いアレです。 格を言う私も顔面当たってメガネのフレームが歪みました。もう直したけど。 私はとにかく内野で逃げるのが得意です。 逃げるのなら任せやがれ☆と豪語したオンナですから。 そのコツのよーなものを書いておこうかと。 ・・・・どーでもいいが四捨五入で20の学生がドッチする方がおかしいよな。 とにかく。ボールの動きを見る! ひたすら見る。見るったら見る。 そして、投げてきたら逃げる。大体後ろの方に後歩きで逃げる人がいるだろうので、足を踏まないよう注意して後ろ向きながら逃げる(おい) そしてコツは。 コートの外野か内野か区別が付きにくい、隅っこにずっといると狙われない。ただし怖い。ものごっつい怖い。勇気のある、相手チームに仲良しな人が多い人だけ試してください。 私がやってる方法は、ボールを投げたら、その投げた人の前に隠れるように移動。すると狙われない。 心理的な要素があるのかないのか知らないが、ボールを投げて、渡した相手はキャッチボールのように相手にボールを渡さない。 いや、本当に。この方法で生き残った。 あとはキミの運動神経しだいだ。 ちなみに私はボールを持った敵の外野さんのすぐ隣を駆けずって、丸まってボールを避けたがさらに倒れこむように身体を伸ばして倒れてボールを避けた執念の女です。 そして次の日。インフルエンザにかかりました(アホだ) みなさま、病気には気をつけましょう。 |
17881 | 連なる言の葉 | 夜宵吹雪 | 2006/10/21 21:23:27 |
記事番号17819へのコメント 私の頭に思い浮かんだ短いお話。いや、話と言うにはあまりに脈絡がないものたち。 まとめて書いてみました。暇な人は読んでみてくださいな。 たまに生きてくのが、すっごいめんどくさいと思う。 全部、どっかゴミ捨て場に置いてって、空を飛びたくなる。 キレイなものも、キタナイものも捨てて、雲を追いかけたい。 夕焼けを見て、意味もなく泣き喚きたい。 涙が枯れ果てるまで、泣いてみたい。 何でもいいから大声で叫んでみたい。 不条理な世の中に馬鹿ヤロウって叫びたい。 暗闇の中、嫌になるほど寝てみたい。 眠って、少しすっきりしたら、また生きて見たいって思う。 単純だから、私。 眠い。 電気を消して寝る。 しかし、世の中には明かりがないと眠れない変人がいるらしい。 暗いのが怖い人がいるらしい。そりゃ、確かに怖いけど。 別に闇の中に殺人鬼が潜んでるわけでもないのに。 どうして修学旅行の部屋の電気をつけたまま寝るんだろう? ねえ、どうして? 明るくて私は眠れないよ。消して、その光。 まぶしすぎて、ウルサイ。 静かな闇が、好きだから。それに溶けたいと思えるぐらいに。 かったるいとか面倒だというのは、正論や真実より何より勝る。 何もしないのが一番楽で、一番退屈だ。 別に勉強しろとかそんな事言うつもりはないけど、何かするという事だけでも私たちは充分価値があると信じてる。 自分以外が何をしても、それは自分がしたわけではないから。 自分で、何かしただけで。 たまには意味もないけれど、褒められたくて。 誰でもいいから、せめて思って欲しい。 今まで、良く生きてこれたってサ。 軽く冗談みたいに思って欲しいんだ。 自分勝手に夢を追い求めていたら、いつのまにか出られない迷宮に迷い込んだ。 城が大きくなればなるほど窮屈になるとか。 ゴールが見えてるのに息苦しいとか。 何でだろうって思うときもあるけれど、考えてみれば当然だよね。 好きなことをするのに一番大事で楽しいのはその過程であって。 終ったら、本当に何も残らないかもしれないから。 その道筋をずっと歩んで生きたいって思うけれど。 叶わない。絶対に。 うまくいかない世の中。 だから色々あるんだろう、ねえ? 触れてしまった暖かい手を恐れないで。 触れてしまった冷たい手を怖がらないで。 いつかは消えてしまうほど、小さな灯火を宿した手のひらを。 どうか、否定しないで。 どうか、拒絶しないで。 生きているから。 握り締めて、それを感じ取って。 私は、今も死に向って歩んでいる。 笑っている時も、涙を流す時も。 死に逝く人々の祈りを、どうか恐れないで。 生きている人々の願いを、どうか怖がらないで。 それは私の鏡写し、もう一人の私。 だから、恐怖する必要なんて無い。 それは、もう一人の私で。もう一人のあなた。 私は望みます。 すべてを受け入れる人間になれるようにと。 自分の人生否定できるほど、生きてきたことを苦しいって思ったことはない。 でも、諦めたら楽になるんだろうって思ったことは多々とある。 もしも、なんて言葉はある意味素敵な一言だ。 もしも、もしもと繰り返して夢想に励む。 クズだのゴミだのと罵られても。 必死にバカはバカなりに生きてる。 夜明け前にはあと少しだと時計を見てる。 たまらなく、そこにいる自分が愛しいと思える。 生きている実感、鼓動。 全てが狂おしいまでに、揺らぎなく、動いてく。 暁色と黄昏色が混じって空の下。 今日という日が終っていく。 我武者羅に、無茶苦茶なまでに。 深夜を走ろう!生きるために! 高い空、灰色のビル。 懐かしい光景、始めて見るはずなのに。 刺すような夕焼けの光が、好き。 静かに燃える太陽が、好き。 雨垂れの午後の泡沫に似ている。 夜明けの今日の始まりに似ている。 白い鱗雲は、流れ流れて、世界の果てに届く。 足を動かし、四肢を揺らす 道は続く、どこまでも 蝶の舞う夏の日差しに、雪月花が散る ありえない景色を見て、泣くほどに喜び 別れを告げて旅立ち、寂しいねと言うから まばゆい光、ささやかに 朝日は沈む、明日のため 夕暮れの雨は遠く、君の横顔、眺めた 空は歌う、海は涙する 雪の街で、君と出会った きっかけは些細 秋風に誘われては抜け出し、たそがれの明かりはまぶしい その向こうに何がある 夕暮れの雨は、遠くにいる君を抱きしめた 五月雨に濡れた君は、ささやく 今日が最後だからと、と伝えて 夢は必ず、幕を閉じる こっからは詩と称するのもあつかましく、おこがましい短い文章です。 ・・・つーか、明暗が激しい・・・。心に残った言葉をつらつらと・・・ 嗚呼、この世の中の憎悪と愛情とがなんとも醜く美しくあるか 嗚呼、この世の中の悲哀と激情とがなんとも寂しく煩くあるか 燃えるような悲しみ、雨のような怒り どちらも鮮やかなまでの、激しい情愛 悲しみに沈みこんで、人は強くなる 痛みを知ることで、人は優しくなる 愛することをまだ知らない、憎むことをまだ知らない だから、薄っぺらい関係しか築けない もしも貴方が夢に出てきたら この退屈な世界も少しは変わるだろうか 変わるわけがない、私の願い 変わりたい、私の強さ 消え逝く命を、蛍のように 去り逝く命を、灯火のように 同情と愛情を混合した時から 貴方だけは愛せないとわかった 嘘を積み重ねて、壁ができた その先には、誰も信じれない自分がいる 神様にお祈り済ませて、一歩飛び出してごらん そこは、誰も見たことのない美しき世界が広がる 拳銃構えて、誰かの眉間に突きつける 相手が誰だかどうでもいい 生きるために仕方がないことだから 生きるとか、死ぬとか考えるもの面倒だ どうでもいいだろ、いつか終わるんだから 指先の温度が愛しい 触れた先から広がる波を、もっと その口から紡がれたのは拒絶の一言 言葉は武器で、孤独だけが唯一の友達 諦めて、堕ちていく 暗い、暗い、海より深い場所 肯定、否定、賛成、反対、YES、NO 白黒付けないで中立派とか、誤魔化してるヤツ それをただ、中途半端と呼ぶ 繋ぐのは鎖か、赤い糸か、楔か、首輪か そんなもの、本当に必要なのかな デジタル時計が来るって、一分遅れて午前十二時をさす そして、また年を取っていく おめでとう、また死に近づいた 伝えて後悔する女、女に謝る男 馬鹿みたい、何もかも自分で決めたのに 朝日が死んで、夕日が落ちる 今日という日が、また死んでいく 焦燥する、崩れ逝く世界に 我慢する、歯痒い己自身に 孤独を愛していた、一人を憎んでいた 繋いだ手を、握り締めて 恋だの愛だの、人はクダラナイ事で泣き叫ぶ 溢れている都会の、虚偽に魅せられて 戸惑う貴方に、苦しむ貴方に ただ一言、手を差し伸べたかった 朽ち果て逝く花に、懺悔する 彷徨い歩く旅人に、祈りを捧げる 縛られた愛が欲しい 束ねられた優しさが欲しい 手のひらからこぼれる白亜の砂 瞳から流れくる透明な雫 本能を告げる唇、啼き叫ぶ四肢が痛い 抱きしめて、どこにも行けない様にしたい 陳腐な歌劇 それは悲劇、それは喜劇 人の人生そのもの 生まれた時から決まっているなんて、なんて傲慢な物言い 探すのは誰?見つけたのは誰?決め付けたのは誰? 散る華、舞う羽、堕ちる雪 白い白い花弁と翼に包まれて、目覚めよう どうしようもなく、キミが愛しい それを制御できない、自分が何より怖い 眠りに着く前に、歌を聞く 今までの軌跡を、想い馳せて 夢みたいな軌跡の中で 霞む心を、手探りで探してる 翼広げると、空が待っていた 地面踏みしめると、重力が待っていた はじめから存在していた事に、気付かなかっただけ 二つの選択肢がある 一つは二人で炎を寄せ付けずに、裸足で茨の森を歩く道 一つは一人で祝福されて、赤い靴を履いて石畳を歩く道 曇っている空の先には、必ず太陽がある 明日のために、オレンジ色のカーテンを翻して、沈む 闇の中に迷い込んで、悩み続ける人に手を差し伸べたい ただ安らぎが欲しかった人に、安寧なる眠りを与えたい 偽善者と罵られたけれど、それは違う なぜなら、偽善という高等な嘘をつけるほど自分は器用な人間ではないからだ 欲しいものが手に入らない事と 欲しくもないものを押し付けられた事と どちらが不幸なのだろうと考える事態が不幸だ 夜空を流れる流れ星 祈りを捧げれば、願いは届く 心から愛した人に捧げる言葉 それは、ただ一つの真実 人の温度が上昇する過去 人のモラルが下降する現在 願い、祈り、夢見て、ここまできた どこまでの犠牲を築けば、望みは叶う? 痛みを感じて、人と繋がってきた 苦しみを刻んで、人と関わってきた 復讐という甘美な罠が襲い掛かる その先にある場所は、一つ 地獄と名づけられた、陳腐な世界の果て 咲き誇る花は、いつか散る 降り注いだ雫は、いつか消える 時の秒針が、盤の数字をさした時 今日が死んで、明日が生きる 溢れた感情は、単純すぎて 止めずに枯れるまで、吐き出せば楽になる ふわりと浮く身体を、流して 目を閉じて、君を思う 何も気付いていないくせに、目に見える事実だけが絶対と信じる愚か者 秩序どころか、自分すらも守れない 力があろうと、なかろうと それは綺麗事と、偽善で片付けられる だから世の中は不公平だ 殺意に近しい感情、それは愛憎 酷薄に遠い感情、それは思慕 苦しみから逃れ、痛みから逃れ 残ったのは、空虚な容器だけ 暁の大地は、青い炎に照らされて 甘い誘惑を振り切って、赤い花弁を散らす 今までを後悔する程、ヒマでもないし 「いつか」なんて言葉、期待するほどロマンチストじゃない うしろめたい隠された事実 裏面はいつも闇にあるなんて、誰が決めたの? 永遠に続くと思ってた、あの懐かしい日々 笑顔が残った机の行方は、一生のナゾだ オールド・ミスなんて称号、上等 遅く咲き乱れる花ってのもアリでしょ? 枯れ果てた感情に水をください 帰る道を一緒に歩いてください きっと、いつも、絶対にと繰り返して 奇跡を待ち続けていた 暗い家屋に、たった一つの灯 くちびるのルージュの彩りだけが鮮烈 月下美人の咲く、午前2時の真夜中 獣のように互いを求め合った 恋に討論、理論、理屈は不要 拳でやりあえば、なんとかわかるでしょ! 砂漠の下を、気まぐれに迷いながら彷徨う 最後の日が来るまで、旅に終わりなんてない G線上のアリアを奏でて、飛び、泳ぎ、舞い、踊る 幸せだけが、悲しいまでに縋りついて 素足で海辺の貝殻、集めて ずっと、ずっと一緒だなんて、ただの幻想に過ぎないんだ 千の夜と、万の命を携えて 千の昼と、万の蝶を引き連れて その日から姿を消したキミ 空の下で、ただ生きていて欲しかった 体温を消えないように保って 鬣を風になびかせて、戦って 地平線の向こう、水平線の果て 小さな宝物が眠りながら、誰かを見てる 追憶が終わる事のない夢物語 月夜の中を、羽で飛ぶ 出会い、別れ、そしてまた出会う 手をつないで、怖くないと自分に言い聞かせる 吐息を、気付かれないようにして どうかしてるバカな思いに、さよならする 涙色の歌を何度も聴いて 懐かしいと呟き、明日を目指す 西に沈み、黙して語らぬ黒い太陽は 虹に憧れ、嫉妬すら覚えていた 盗まれたのは純情のカケラ 濡れていたのは手のひらの未練 願いは月に、祈りは星に 眠り続ける民には、せめての安らぎを 望むものは多すぎて、全て堕ちていく ノルスタジィ感じて、目覚めを待つ 廃墟にたたずむのは腐敗の王 背徳を刻まれた灰色の人 陽影に消える斜陽 昼間に見える白い月 深い深い森の中の迷宮 不安を隠して、仮面を被って歌いましょう 紅色の着衣はトレードマーク ペテン師、詐欺師、ウソツキと罵られて 訪問者は常に夜に邪魔する 吠える野良犬の遠吠えが合図です 前へ、上へと押しのけ、よじ登り まだ見ぬ景色を探している 見えない光、ミッドナイトの天狼 未練だらけでは、きっと旅立てない 向かい風を気にしないで 昔の思い出の場所へ 迷宮に囚われて、幾星霜 メビウスの輪に魅せられている もう2度と会わないと決めて 木蘭の一滴が芽吹く 約束は果たされた 優しいまでの殺意は限りなく美しい 夢は夢へ、幻は幻へ 憂鬱は捨て、傷跡は殲して 夜明けのセレナーデは静寂の手紙 妖精と過ごした夢の予感 ラスト・オーダーは君に ラブ・レターはあなたに 理想を描いた瞬間から リセットできる人生は終わりを告げた 累月する罪は暴かれた 流浪の民は旅人と共に 連曲は、戯曲の幕開け 歴史にも似た、悲しい物語 弄花に帰郷とかけて、桔梗を捧げる 牢獄に玲瓏を聞いて、隷従を砕く 忘れないでください 私の価値を、私の存在を 閃かせた炎は、眩く目を焼いた 深遠に沈んだ悪魔は、炎に恋した あまねく光の存在意義 ことごとく闇は半死半生 不完全である事 それは私の証、人の証 死神の鎌だけは、誰も差別しない どうしようもない事だけは、平等なんだ ただ、明日がないだけ それは未来が無いという事 世界が死んでしまうという事 世界を、愛する人のために殺そう けれど、世界のために愛する人は死なせない 思いを募り、言葉を告げる 単純な動作は、希望を抱くほどに苦しく美しい 運命は決定権を持たない 延々とカードを引くのを待っている 波乱なき平穏なる人生 退屈は人を殺す、それは既に価値のない物語 生きるという欲望は、何より強く 死ぬという要望は、何より脆い 簡単に言葉にできない だって、まだ自分と向き合ったばかりだから そんな用意に答えは出せない、出したくない 時間は万物を奪い、届ける 世にも便利な運び屋だと思わない? 誰かを救えるのなら、世界だって救える そこにいる人は、世界の一部だから 乗りかけた船なんだから、腹を括っちゃおうよ どうせ世の中、なるようにしかならない 優柔不断なんて、くだらないよ 願いは叶えてもらうことが、一番容易 そして、それは最も哀れな末路 何もかも失ったと思ってるあなた けれど、あなた自身の未来だけはそこにある 不完全で、未熟で、非力で それが、人間の人間たる所以なのです 嘘偽りで塗り固められた幸福 いつ、崩れるものか見ものですね 不幸な時間は長くて 幸福な時間は短い なんだか、不公平なのは心のせい 主人公自分、脚本なしのアドリブで通す、素人劇座のオペラッタ 笑ってる場合? あの舞台は、あなたのための、あなただけの物語よ 不幸な運命から逃げたいって? じゃあ、墓石の地下にでも埋まってな 幸せになりたいのではなく、幸せにならなければならない 幸福は権利ではなく、義務 生きて、光をつかみなさい 存外に神とやらは容易に生み出せる 創造だけなら、いくらでも 救世するかは責任外だけれど いつだって、勝者だけが正しい 歴史は勝利したものの歩んだ道のりだから 苦痛を知らない人間は、他人を嘲り笑う 苦痛を知る人間は、他人を慈しみ愛される 最初は悲劇を物語っていたはずだったのに いつからか喜劇に変わっていた 出来の悪い見目だけ美しいだけの悲劇より、悪足掻きをする喜劇の方が、魅力的だった 恋する女は世界が変わる でも、本当のことが見えているのかは別 何かから逃げようとした それは、かえって近づいただけだった 先延ばし、後回し、責任逃れ、できるわけがないでしょうに 禁じてはいない、でも許した覚えはない 己の罪を、もう一度だけ見直してみなさいな 意味も価値も望んでない それが生きるという事なのだから 呟く事すら出来ない 枯れた唇から漏れたのは、何でもない言葉 ドレスを脱いでも、愛されるでしょうか ありのままの私を、受け入れてくれるでしょうか この世で一番、美しく残酷な破壊者 この世を創造した神が、その該当者だ 箍が外れてしまい、溢れ出した水 それは、狂気と正気と理性と命の水 最初から間違えていた問題だから 答えなんて、まだ出せずにいる おやすみなさい それは、夜の旅人との別れの挨拶 たどり着いた場所は、美しくしなかった 逃げ出した世界は、優しくなかった 最大の大誤算、それは貴方に出会ったこと 人生の大失敗、それは貴方と別れたこと 神がいてもいなくても 別に私の人生に影響与えるわけないから、どうでもいい 巡り巡って、始めに戻った スタート地点がゴールなので 切々と降りゆく白雪 染め上げられる純銀の世界 その瞳に映る世界こそ この世界の全て 茨の中を掻き分けて 進む勇気は、誰かの贈り物 コインを弾いて、弾丸で撃ち抜く 沈黙よりも、心地良い音が響いてくる 薔薇も、心も、人生も、塗り替えてしまえ 白か、赤か、どちらでもいいから 鍵をかけてくれないか またそれが開かれる時は、心を覚えた日 見たい世界は、偽りに溢れたフィルター越しの場面 合間にある、触れられない分岐場所 曖昧に濁し続けた答え ああ、もう鮮明な色さえも失ってしまった 絶対的な力は手の内に 奪ってしまおう、壊される前に 一つだけ思い出したことがある 遥か彼方で誰かを待ち続ける自分の姿 優雅で、残酷な人 どこまでも、忠誠を捧げます 吐き出されたのは、虚偽 真実は、いつだって闇の中 結局は自分のために泣いてる 過去にしがみつく未練は、そんなもの どれほど贄を用意しても、失ったものは帰ってこない なぜなら、失ったものはすでに失われているからこそ、記憶にあるのだから 猟奇に身を染めた罪人 それは、歪な喜劇に似ている 電脳世界だけの名前 それは、もう一人の自分 重ねあげられた、自分だけの影 君の跡を辿る 零れ落ちる、想いだけ残っていた 風に吹かれて、その身を寄せ合う そんな日々が、ずっと続く事を願う 独りよがりで、ごめんね どうしていいか、わからなくて迷ってるんだ とって付けた愛していると告げる言葉に 胸の痛みが芽吹いたことに気付いた 空白の空間に色を塗る 虚栄の彩が、目に痛かった 愚かにも愛した人は許されない血脈に連なって 憎悪と思慕の、相反する感情に揺れている 白銀の刃は、殺意に似ている 鮮烈な太陽は、愛情に似ている 好きだとか、愛してるとか、その甘い言葉に きっと、永遠に、囚われたまま踊り続けるんだ 寒さに身を縮ませる 手をつなぐ相手が、欲しかった 抱きしめて温度を交換し合う ただ、願うのは幸せにと 困った顔の彼を詰り、怒鳴り、詰め寄り、罵倒する 何で傷ついてまで、守る必要があるのかと 顔を上げて、前を見て しっかりと、両の足で地面を踏みしめて |